JP2020061163A - 車両遠隔制御システム、車載器、車両、サーバ、車両遠隔制御方法、車両遠隔制御プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

車両遠隔制御システム、車載器、車両、サーバ、車両遠隔制御方法、車両遠隔制御プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】税金、保険、車検等の情報提供サービスから得られる情報が限られている条件の中でも、税金、保険、車検及び車両規制等の問題に対処し得る車両遠隔制御システム、車載器、車両、サーバ、車両遠隔制御方法、車両遠隔制御プログラム及び記憶媒体を提供する。【解決手段】本発明の実施形態の車両遠隔制御システムは、車両の車両情報を収集すると共に少なくとも前記車両の起動可能状態ないし起動不可状態を制御する車載器と、前記車両情報に基づき前記車両のユーザに対する義務に関する義務情報を演算するサーバと、からなる車両遠隔制御システムであって、前記サーバは、前記車両情報を入力する入力手段と、前記車両情報に基づき前記義務情報を演算する義務情報演算手段と、前記義務情報に基づいて遠隔制御指令を出力する出力手段と、を有し、前記車載器は前記サーバから出力される前記遠隔制御指令に基づき制御されることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、車載器を搭載する車両に対して適用される車両遠隔制御システム、車載器、車両、サーバ、車両遠隔制御方法、車両遠隔制御プログラム及び記憶媒体に関するものである。
車両の規制を行う国や自治体にとって、車両のユーザの行動を管理することは難しく、違法ないし不適切な車両の運行がなされる状況があることが課題とされている。途上国においても車両の運行は、ユーザが収入を得るために重要な手段となっているが、必ずしも、この車両の運行が法令を遵守した運用になっていない場合もある。例えば、定められた各種税金を納付していない者でも自由に車両を使用できる状況が発生すると、税金未納者が納税を行わない状況が放置されるおそれがあるうえ、車両を使用している納税者にとっては納税義務に対する意識が希薄になりかねない。
また、ユーザに車両の保険への加入を法令により義務づけている場合でも、保険未加入であっても車両を運転可能な状況であると、保険未加入者による車両の運行を効果的に阻止することは難しい。
また、ユーザに車両の定期点検(以下「車検」という。)を義務づけている場合でも、未車検の車両が運行可能な状態であると、ユーザが車検を受けないままの状態が放置されるおそれがある。
また、法令により、ナンバープレートのナンバーに応じて特定エリアへの車両の進入を規制する場合でも、ユーザが規制を守る保証はなく、また、ユーザにその規制内容が周知されていなければ、特定エリアへの車両の進入を規制することは難しい。
近年では、車両の運行状況を監視したり、あるいは、車両を遠隔制御したりする技術が知られている。車両の運行を監視する技術としては、特許文献1〜特許文献3が挙げられる。特許文献1には、車両の走行状況、走行場所、走行時刻に応じて事故発生のリスクを定量化して収集する運行状況監視システムが記載されている。
特許文献2には、車両の形式、ユーザの等級や属性を基に、保険料を計算すると共に、車両の形式や位置データを基に、自動車取得税、自動車重量税等を計算する方法が記載されている。
特許文献3には、車両種別やナンバープレートのナンバー等による時間規制が行われている道路または区域を示す情報である通行規制情報に基づき、規制されている道路または区域を避ける経路を検索し、規制対象車両となってる場合には規制対象車両であること及び通行規制解除までの時間を報知するナビゲーション装置が記載されている。
車両を遠隔制御する技術としては、特許文献4及び特許文献5が挙げられる。特許文献4には、車両の起動不可状態と起動可能状態とを切り替える外部リレーを制御する車載器を、サーバからのリレー制御指令により遠隔制御する車両遠隔制御システムが記載されている。
特許文献5には、車検が無効な場合や免許証が無効な場合には、車両のエンジンの始動を禁止する手段を設けると共に、保険の適用の可否を表示する運転許可装置が記載されている。
特開2004−240688号公報 特開2004−213163号公報 特開2010−204001号公報 特許第6238038号公報 特開2017−043190号公報
特許文献1〜特許文献3の技術では、車両の運行を監視するものではあるが、車両を遠隔制御するものではない。特許文献1のシステムでは、事故発生のリスクを定量化して収集することはできるが、車両の遠隔制御を行うことはできないシステムであり、また、特許文献1には、このリスクをどのように活用するかまでは記載されいない。
特許文献2の方法では、保険料の計算や、自動車取得税、自動車重量税等の計算はできるが、車両の遠隔制御を行うものではなく、また、特許文献2には保険料や税金の納付を促進することまでは記載されていない。
特許文献3の装置では、規制対象車両となってる場合には規制対象車両であること及び通行規制解除までの時間が報知されるが、車両の遠隔制御を行うものではないため、規制対象車両となっている場合にも当該車両の運行が可能となってしまう。
また、特許文献4のシステムでは、車両の起動不可状態と起動可能状態とを遠隔制御により切り替えるものであり、車両のリース料金やレンタル料金の支払いに応じた車両の起動不可状態と起動可能状態との切り替えについては実現可能であるが、特許文献4には、税金や保険や車検や車両規制等の問題についてまでは記載されていない。
また、特許文献5の装置では、免許証がIC運転免許証である必要があると共に、車検協会が正確な車検情報を一元管理していることが必須の条件となるが、例えば途上国の状況を踏まえた場合、必ずしもIC運転免許証の普及や、車検情報の一元管理が望めない場合もある。
このような従来の問題点に鑑み、本願の実施形態の課題は、税金、保険、車検等の情報提供サービスから得られる情報が限られている条件の中でも、税金、保険、車検及び車両規制等の問題に対処し得る車両遠隔制御システム、車載器、車両、サーバ、車両遠隔制御方法、車両遠隔制御プログラム及び記憶媒体を提供することにある。
本発明の実施形態の課題は、以下の構成によって達成できる。すなわち、本発明の第1の態様の車両遠隔制御システムは、
車両の車両情報を収集すると共に少なくとも前記車両の起動可能状態ないし起動不可状態を制御する車載器と、
前記車載器から受信した前記車両情報に基づき前記車両のユーザに対する義務に関する義務情報を演算するサーバと、
からなる車両遠隔制御システムであって、
前記サーバは、
前記車載器により収集された前記車両情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記車両情報に基づき前記義務情報を演算する義務情報演算手段と、
前記義務情報に基づいて遠隔制御指令を出力する出力手段と、
を有し、
前記車載器は前記サーバから出力される前記遠隔制御指令に基づき制御されることを特徴とする。
また、本発明の第2の態様の車両遠隔制御システムは、前記サーバは、税金管理システムと通信可能であり、
前記義務情報は、ユーザの税金に関する情報を含み、
前記税金管理システムは、税金納付の有無を含む税金納付情報を前記サーバに提供することを特徴とする。
また、本発明の第3の態様の車両遠隔制御システムは、第2の態様の車両遠隔制御システムにおいて、前記義務情報演算手段は、前記入力手段により入力された前記車両情報に基づき前記ユーザの収入を予測する収入予測手段を備え、
前記収入予測手段において予測された前記ユーザの収入は、前記義務情報演算手段及び/又は前記税金管理システムにおいて税金額に関する演算に用いられることを特徴とする。
また、本発明の第4の態様の車両遠隔制御システムは、第1の態様の車両遠隔制御システムにおいて、前記サーバは、保険管理システムと通信可能であり、
前記義務情報は、保険料に関する情報を含み、
前記保険管理システムは、保険料納付の有無を含む保険料納付情報を前記サーバに提供することを特徴とする。
また、本発明の第5の態様の車両遠隔制御システムは、第4の態様の車両遠隔制御システムにおいて、前記入力手段により入力された前記車両情報は、前記義務情報演算手段及び/又は前記保険管理システムにおいて前記保険料に関する演算に用いられることを特徴とする。
また、本発明の第6の態様の車両遠隔制御システムは、第1の態様の車両遠隔制御システムにおいて、前記義務情報は、前記車両の車検に関する車検情報を含み、
前記義務情報演算手段は、前記車検情報に基づき前記車両の車検が有効であるか否かを判断することを特徴とする。
また、本発明の第7の態様の車両遠隔制御システムは、第6の態様の車両遠隔制御システムにおいて、前記車両情報には前記車検情報が含まれ、前記車載器により収集された前記車検情報は、前記サーバに送信されることを特徴とする。
また、本発明の第8の態様の車両遠隔制御システムは、第6又は第7の態様の車両遠隔制御システムにおいて、前記サーバは、車検管理システムとの間で、前記車検情報を通信可能であることを特徴とする。
また、本発明の第9の態様の車両遠隔制御システムは、第1の態様の車両遠隔制御システムにおいて、前記義務情報は車両規制に関する車両規制情報を含み、
前記サーバには、車両規制データベースから前記車両規制情報が提供され、
前記車両情報には、少なくとも前記車両の位置情報、及び、前記車両の属性情報が含まれることを特徴とする。
また、本発明の第10の態様の車載器は、
車両の車両情報を収集すると共に少なくとも前記車両の起動可能状態ないし起動不可状態を制御し、かつ、前記車両のユーザに対する義務に関する義務情報を演算するサーバに前記車両情報を送信する車載器であって、
前記サーバは、
前記車載器により収集された前記車両情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記車両情報に基づき前記義務情報を演算する義務情報演算手段と、
前記義務情報に基づいて遠隔制御指令を出力する出力手段と、
を有し、
前記サーバから出力される前記遠隔制御指令に基づき制御されることを特徴とする。
また、本発明の第11の態様の車両は、第10の態様の車載器を備えることを特徴とする。
また、本発明の第12の態様のサーバは、
車両の車両情報を収集すると共に少なくとも前記車両の起動可能状態ないし起動不可状態を制御する車載器から受信した前記車両情報に基づき前記車両のユーザに対する義務に関する義務情報を演算するサーバであって、
前記車載器により収集された前記車両情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記車両情報に基づき前記義務情報を演算する義務情報演算手段と、
前記義務情報に基づいて遠隔制御指令を出力する出力手段と、
を有し、
前記遠隔制御指令に基づき前記車載器を制御することを特徴とする。
また、本発明の第13の態様の車両遠隔制御方法は、
車両の車両情報を収集すると共に少なくとも前記車両の起動可能状態ないし起動不可状態を制御する車載器から受信した前記車両情報に基づき前記車両のユーザに対する義務に関する義務情報を演算する車両遠隔制御方法であって、
前記車載器により収集された前記車両情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記車両情報に基づき前記義務情報を演算する義務情報演算手段と、
前記義務情報に基づいて遠隔制御指令を出力する出力手段と、
を有し、
前記遠隔制御指令に基づき前記車載器を制御することを特徴とする。
また、本発明の第14の態様の車両遠隔制御プログラムは、第13の態様の車両遠隔制御方法の各手段をコンピュータによって実行することを特徴とする。
また、本発明の第15の態様の記憶媒体は、第14の態様の車両遠隔制御プログラムを記憶したことを特徴とする。
本発明の第1の態様の車両遠隔制御システムによれば、税金、保険、車検等の情報提供サービスから得られる情報が限られている条件の中でも、税金、保険、車検及び車両規制等の問題に対処し得る車両遠隔制御システムを提供することができる。
本発明の第2の態様の車両遠隔制御システムによれば、税金納付の有無に応じて車両を起動可能状態ないし起動不可状態に切り替える制御を行うことができる。
本発明の第3の態様の車両遠隔制御システムによれば、サーバにおいて車両情報からユーザの収入額を予測し、この予測された収入額に応じた税金額を税金管理システムが把握することができる。
本発明の第4の態様の車両遠隔制御システムによれば、保険料納付の有無に応じて車両を起動可能状態ないし起動不可状態に切り替える制御を行うことができる。
本発明の第5の態様の車両遠隔制御システムによれば、車両情報から保険料を演算することにより、保険管理システムにおいて車両情報に対応して適切な保険料を把握することができる。
本発明の第6の態様の車両遠隔制御システムによれば、車検が有効であるか否かに応じて車両を起動可能状態ないし起動不可状態に切り替える制御を行うことができる。
本発明の第7の態様の車両遠隔制御システムによれば、車載器において車検情報を収集することができる。
本発明の第8の態様の車両遠隔制御システムによれば、車載器において収集された車検情報を車検管理システムに提供することができる。また、車検管理システムが有する車検情報をサーバに提供することができる。
本発明の第9の態様の車両遠隔制御システムによれば、車両情報に含まれる位置情報及び車両の属性情報、例えば車両のナンバープレートの番号等と、車両規制データベースの車両規制情報とから、車両が規制対象かどうか判断して、この判断結果に応じて車両を起動可能状態ないし起動不可状態に切り替える制御を行うことができる。
本発明の第10の態様の車載器によれば、税金、保険、車検等の情報提供サービスから得られる情報が限られている条件の中でも、税金、保険、車検及び車両規制等の問題に対処し得る車載器を提供することができる。
本発明の第11の態様の車両によれば、第10の態様の車載器と同様の効果を奏する車両を提供することができる。
本発明の第12の態様のサーバによれば、税金、保険、車検等の情報提供サービスから得られる情報が限られている条件の中でも、税金、保険、車検及び車両規制等の問題に対処し得るサーバを提供することができる。
本発明の第13の態様の車両遠隔制御方法によれば、税金、保険、車検等の情報提供サービスから得られる情報が限られている条件の中でも、税金、保険、車検及び車両規制等の問題に対処し得る車両遠隔制御方法を提供することができる。
本発明の第14の態様の車両遠隔制御プログラムによれば、第13の態様の車両遠隔制御方法と同様の効果を奏する車両遠隔制御プログラムを提供することができる。
本発明の第15の態様の記憶媒体によれば、第13の態様の車両遠隔制御方法と同様の効果を奏する車両遠隔制御プログラムを記憶した記憶媒体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る車両遠隔制御システムの全体図である。 車載器とその配線の説明図である。 与信情報演算のフロー図である。 リレー値の説明図であり、図4Aは起動制御線が1本の車種の場合の説明図であり、図4Bは起動制御線が2本の車種の場合の説明図である。 リレーの配線の説明図である。 メモリ内の構成の説明図である。 リレー制御部のフローチャートである。 リレー監視部のフローチャートである。 エンジン連動制御部のフローチャートである。 車種ごとの起動不可状態の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る車両遠隔制御システムの全体図である。 車両起動制御のフロー図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る車両遠隔制御システム、車載器、車両、サーバ、車両遠隔制御方法、車両遠隔制御プログラム及び記憶媒体について説明する。但し、以下に示す各実施形態は本発明の技術思想を具体化するための車両遠隔制御システム、車載器、車両、サーバ、車両遠隔制御方法、車両遠隔制御プログラム及び記憶媒体を例示するものに過ぎず、本発明をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれる他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
[実施形態1]
実施形態1に係る車両遠隔制御システムを図1〜図10を用いて説明する。図1は、車両遠隔制御システムの全体図である。ユーザに提供される車両2には、車載器1が設置されている。サーバ3は車載器1と通信して各車両を管理する。サーバ3は、送受信部33、遠隔制御指示部31、車両情報収集部32及び義務情報演算手段71を備えている。
車載器1は、1台の車両に1個設置される。車載器1の車両への設置場所は、車両のどの場所でも構わない。車載器1が後付けの場合には、助手席のシートの下等の設置作業が容易な場所に配置することができる。また、盗難防止の観点から、車載器1を取り外しにくい場所、例えばエンジンルームの下部やインパネの内部に配置することもできる。さらには、車載器1を車両2の製造時に予め内蔵しておくこともできる。車載器1は、車両情報検出手段により収集した車両2の車両情報を、無線通信ネットワーク34を介してサーバ3に送信すると共に、サーバ3から無線通信ネットワーク34を介して遠隔制御指令としてのリレー制御信号を受信して、後述する車両2の外部リレー20(図2参照)を制御する。なお、車載器1は、データ通信モジュール(Data Communication Module、以下「DCM」という。)として構成されていてもよい。
以下、図2を参照して車両情報について説明する。図2は車載器1と車両2との配線説明図である。車両情報には、例えば、車両2に搭載されたGPS24からの位置情報、外部バッテリ21の電源入力の情報、及び、走行状態識別線(ACC線、IG線)22からのIGN入力情報だけではなく、図示省略されているが、車両2の起動状態を制御する外部リレー20の情報、速度情報、タコメータの情報、タコグラフの情報、ドアロックの情報、イモビライザーの情報、エンジンスタートボタンの情報、タクシーの料金メータの情報、アクセルペダルの踏み込み量の情報(例えばスロットルバルブの開度の情報等も含む。以下、同様。)、電子ナンバープレート情報、ナビゲーションシステムの情報(例えば位置情報ないし経路情報等)、車載記憶手段の情報、及び、その他車両の稼働状況を把握できる各種情報等が含まれる。外部リレー20を制御することにより、車両の起動不可状態と起動可能状態とを切り替えることができる。内燃機関自動車の場合、起動不可状態ではエンジンを始動することができず(起動中のエンジンを切るものではなく、エンジンの再始動を禁じるものである。)、起動可能状態ではエンジンを始動することができる。送受信部33は無線通信ネットワーク34を介して、複数の車載器1と無線通信を行うことができる。ここで、無線通信ネットワーク34としては任意のものでよく、例えば2G、3G、4G、5G、Wi−Fi(登録商標)、WiMAX(登録商標)、無線LAN、ビーコン、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等が挙げられる。
サーバ3は、車載器1に対して遠隔制御指令としてリレー制御指令を生成する遠隔制御指示部31、車載器1からの車両情報を収集する車両情報収集部32、及び、車載器1との間でデータの送受信を行う送受信部33を備えている。また、サーバ3は入力手段としての車両情報収集手段32により収集された車両情報に基づいて義務情報を演算するための義務情報演算手段71を備えている。義務情報演算手段71で演算された義務情報に基づき、出力手段としての遠隔制御指令部31は、送受信部33及び無線通信ネットワーク34を介して、遠隔制御指令を車載器1へ出力する。また、義務情報演算手段71は、後述の収入予測部61を備えていてもよい。また、サーバ3は、管理者端末35、税金管理システム81、保険管理システム82、車検管理システム83、車両規制データベース84、及び、ユーザ端末37と接続されている。ユーザ端末37は例えばパーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)や携帯電話やスマートフォン等からなる。管理者端末35は、管理者に情報を表示するためのディスプレーと、管理者からの情報を入力する情報入力手段を備えており、例えばPC、タブレット端末、携帯端末等からなる。情報入力手段としては、タッチパネル式ディスプレー、キーボード、マウス等を用いることができ、タッチパネル式ディスプレーの場合には別途のキーボード等を省略できる。
後述のように、義務情報演算手段71で演算された義務情報の一部は税金管理システム81、保険管理システム82、車検管理システム83、車両規制データベース84へ入力されると共に、税金管理システム81、保険管理システム82、車検管理システム83、車両規制データベース84から出力される情報は、義務情報演算手段71でのさらなる義務情報の演算に用いることができる。例えば、税金管理システム81からはユーザの税金納付の有無を含む税金納付情報が出力され、また、保険管理システム82からはユーザの保険料納付の有無を含む保険料納付情報を出力される。車載器1は電子ナンバープレート等から車検情報を収集し、車両情報をサーバ3に送信することにより、サーバ3の義務情報演算手段71では車検が有効であるか否かを判断することができ、この車検に関する情報は、車検管理システム83に提供することができる。あるいは、例えば車検管理システム83において一元的に車検情報が管理されている場合等には、サーバ3は車検管理システム83から車検情報を得ることも可能である。義務情報演算手段71は、サーバ車両規制データベース84から取得された車両規制情報及び車載器1から収集された車両情報から、車両規制に関する車両規制情報を把握することができる。
サーバ3は、車載器1から定期的に受信する車両情報から車両の稼働状況を把握することができる。サーバ3は、車載器1から車両情報を受信することにより、必要に応じて、駐車状況、すなわち、所定の駐車場に車両を駐車中であるか、所定の駐車場以外の場所に車両を駐車中であるか、車両2の稼働状況、車両2による通勤での使用状況、車両2がタクシーである場合には車両2の稼働状況、車両2が営業用車両である場合には車両2の稼働状況、車両2が運送用車両である場合には車両2の稼働状況、車両2が建設機械である場合には車両2の稼働状況、及び、車両が盗難された可能性を示す情報等を把握することができる。収入予測部61では後述のように、これらの車両2の稼働状況から各ユーザの収入を予測することができ、この予測された収入に関する情報、あるいは、予測された収入に基づく税金に関する情報は、税金管理システムに提供される。また、車両情報から保険料金に関する情報を得ることができるため、この保険料金に関する情報は、保険管理システムに提供される。
対応する車両を起動可能状態ないし起動不可状態へ変更するか否かの判断、後述の車両の運行状態の判断、後述の盗難発生時や異常発生時のユーザへの問い合わせ及び警察への通報等は、サーバ3により自動的に行うようにしてもよいし、その一部又は全部を管理者がマニュアルで行うようにしてもよい。これらの判断をサーバ3により自動的に行う場合には、管理者の負担を軽減することが可能である。一方、これらの判断の一部又は全部を管理者がマニュアルで行うようにした場合には、サーバ3において複雑な条件判断を行う必要がないため、サーバ3の構成を簡略化できる。
サーバ3では、車両2の起動不可状態ないし起動可能状態への制御に際して、例えば、図3のような演算が行われている。ステップC1で演算がスタートする。ステップC2では、税金納付情報によりユーザによる税金納付があるか否かを判定し、イエスの場合にはステップC3へ進み、ノーの場合ステップC7へ進む。なお、ステップC2においては、併せて、ユーザの収入予測や税金額を税金管理システム81に提供することができる。ステップC3では、保険料納付情報によりユーザによる保険料納付があるか否かを判定し、イエスの場合にはステップC4へ、ノーの場合にはステップC7へ進む。なお、ステップC3においては、併せて、ユーザの保険料金に関する情報を保険管理システム82に提供することができる。ステップC4では、車検が有効であるか否かを判定し、イエスの場合にはステップC5へ、ノーの場合にはステップC7へ進む。なお、ステップC4においては、併せて、車検情報を車検管理システム83に提供することができる。ステップC5では、車両が車両規制対象でないことを確認し、イエスの場合、すなわち、車両規制対象でない場合には、ステップC6へ進み、ノーの場合、すなわち、車両規制対象である場合には、ステップC7へ進む。ステップC6では、車両2は、起動可能状態となるように制御される。一方、ステップC7では、車両2は、起動不能状態となるように制御される。以下、各ステップについて詳細に説明する。
[税金に関する演算]
ステップC2では、義務情報演算手段71の収入予測演算手段72においてユーザの収入を予測し、この予測した収入額に基づいて、義務情報演算手段71において、税金、例えば所得税の金額を計算し、税金管理システムに出力することができる。車両情報収集部32では、車載器1から無線通信ネットワーク34及び送受信部33を介して、車両2の車両情報を収集し、この車両情報は、義務情報演算手段71に送信され、収入予測部61に提供される。車両情報には、例えば、車両2に搭載されたGPS24からの位置情報、外部バッテリ21の電源入力の情報、及び、走行状態識別線(ACC線、IG線)22からのIGN入力情報だけではなく、図示省略されているが、車両2の起動状態を制御する外部リレー20の情報、速度情報、タコメータの情報、タコグラフの情報、ドアロックの情報、イモビライザーの情報、エンジンスタートボタンの情報、タクシーの料金メータの情報、アクセルペダルの踏み込み量の情報(例えばスロットルバルブの開度の情報等も含む。以下、同様。)、電子ナンバープレート情報、ナビゲーションシステムの情報(例えば位置情報ないし経路情報等)、車載記憶手段の情報、及び、その他車両の稼働状況を把握できる各種情報等が含まれるため、収入予測演算手段72では、この車両情報を用いて、ユーザの収入を予測することができる。
例えば、車両が運送用トラックのである場合には、車両の稼働時間が長いことは運送に係る受注が順調であることを示すため、車両の稼働時間をユーザの収入と関連する指標として収入を予測することができる。また、車両の稼働時間の全てが積み荷を運ぶための走行とは限らない。そこで、GPSによる位置情報やタコグラフの情報を併せて分析すれば、特定の配送ルートを把握でき、収入に結び付く車両の稼働状況を分析することが可能である。また、複数の車載器1から収集された車両情報を、車両やユーザの区分ごとに分析することにより、各車両のさまざま稼働状況の中から収入に結び付く車両の稼働状況をより適切に把握することができるようになる。なお、サーバ3は税金管理システム81に接続されているため、ユーザの税金及び収入に関する情報を入手するできる場合もあり、これらの情報は収入予測部61におけるユーザの収入予測に用いることもできる。例えば、サーバ3においては、過去の税金及び収入に関する情報は税金管理システム81から入手可能である。
多数の車載器1からの膨大な車両情報を分析するためには、AIを用いた機械学習を用いることも有用である。車両情報収集部32において収集された車両情報と、これに関連したユーザの収入情報(例えば、過去の税金及び収入に関する情報は税金管理システム81から入手可能である。)とにより、教師あり学習によってAIを学習することにより、収入予測部における収入情報の予測精度を向上すことが可能である。また、車両の車両情報とユーザとの収入との間には、車両2及びユーザのカテゴリーに応じて、さまざまな相関があり、統計分析が可能なものもある。これらの統計分析の結果をAIによる学習に利用することにより、より収入情報の予測精度を向上することができる。機械学習に使われるアルゴリズムとしては、例えばニューラルネットワークを用いることができ、特に、ディープラーニングを採用することも可能である。車両情報は時系列データであることから、例えば再帰型ニューラルネットワークを用いることができる。
また、収入情報には、税金の計算に必要となる経費に関する情報も含まれる。ユーザの所得税は、収入情報に従って、経費情報も考慮されたうえで、演算される。ここでは、収入予測部61が収入情報を演算するものとして説明したが、収入予測部61が独立したものである必要はない。義務情報演算手段71において、車両情報に基づく所得税演算を一体的に行うこと、例えば、車両情報に基づいてAIによる機械学習によって、所得税を演算するようにすることもできる。
義務情報演算手段によって演算される税金は、所得税だけに限定されるものでは無い。例えば、自動車税、自動車取得税、自動車重量税等の車両2に関する税金も演算することが可能である。また、車両情報には例えばGPSからの位置情報や経路情報、電子ナンバープレートからの登録情報等も含まれていることから、車両2の管理場所が把握できる。車両2に関する税金が地方税である場合には、自動車の登録場所ないし管理場所における税金が計算され、その税金の納付先も決定される。電子ナンバープレートの登録情報、車検情報等により車両2のカテゴリー、大きさ、重量、登録日、車両装備品、所有者及び使用者等の情報が把握されているため、自動車税、自動車取得税、自動車重量税等を正確に計算することができる。電子ナンバープレートの登録情報、車検情報等には、車両2の所有者、使用者、納税義務者等の情報、すなわちユーザの情報も含まれているため、常に車両2のユーザを正確に特定することが可能であり、税金額だけではなく、納税義務者を正確に把握することも可能である。また、車両2に関する税金を従量制とすること、すわなち、車両2の走行距離に応じた税額とすること等も可能となる。
サーバ3において、車両2のユーザの情報を把握できるため、例えばユーザに関する住民税等の計算をすることも可能である。さらに、サーバ3では、書類上の住所だけではなく、実際に、定常的に使用している駐車場の位置も把握できる。
さらに、法人が車両2を所有している場合には、車両2の車両情報から、法人税を予測することも可能である。例えば、法人がタクシー会社、運送会社等の場合には、車両2の車両情報から法人の売り上げが予想できるため、収入予測部61においては法人の売り上げを予測し、この金額から法人税を演算することが可能である。なお、ここでは税金に関する演算に着目したが、サーバ3においては、法人が所有している各車両の車両情報を収集して把握することが可能である。このため、例えばタクシー会社においては、各車両のドライバーの売り上げを正確に把握することができ、これにより各ドライバーに対する適切な給与計算も可能となる。
義務情報演算手段71において演算された税金情報は、税金管理システム81に提供される。税金管理システム81においては、義務情報演算手段71から提供された税金情報を用いて、納税義務者に対する課税管理を行う。納税管理システム81において、義務情報演算手段71から提供された税金情報を利用できる範囲は、車両2やユーザのカテゴリーによっても異なる。例えば、車両2がタクシー、運送用トラック、建設機械等である場合には、かなり正確にユーザの収入を予測できるため、ユーザの所得税を正確に演算できる。実際のユーザによる納税額と義務情報演算手段71で演算された当該ユーザに対する税金の金額とが異なっている場合には、税金管理システム81において納税義務者による納税に誤りがある可能性を把握することができる。例えば税務署の担当者は、税金管理システム81を用いることにより、納税義務者にもかかわらず税金の納付がないことや、納税額に誤りの可能性があることを把握することができるため、必要に応じて当該納税義務者による税金の納付を再確認することが可能となる。さらに、必要な場合には適切に税務調査等を行うことができる。特に途上国において、政府が住民や法人ないし団体等の収入状況を把握しにくい状況にあっては、車両2が普及している状況を鑑みると、車載器1から収集した車両情報に基づく税金額の把握は、政府にとって極めて有用である。
ここでは義務情報演算手段71が所得税の金額などを含む税金情報を演算するものとして説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば義務情報演算手段71は、ユーザの収入情報を演算し、義務情報演算手段71から税金管理システム81へはこの収入情報を提供するようにしてもよく、この場合には税金管理システム81において収入情報を基にユーザの所得税等の金額が演算される。また、税額演算の一部を義務情報演算手段71において行うこととしもよく、この場合、サーバ3においては車載器1から収集した全ての車両情報を把握しているため、データに関する制約等がなく、より迅速な演算が可能となるケースがある。
税金管理システム81を用いることにより政府は課税管理を容易かつ的確に行うことができる。政府が管理する住民、法人ないし団体等の戸籍情報、住民情報、登記情報、所得情報、収入情報及び資産情報等と、税金管理システム81とを連携させることにより、税金管理システム81によって、住民、法人ないし団体等に関する全ての種類の税金を管理することができる。したがって、税金管理システム81は、車両2のユーザの全ての税金を把握すると共に、納税の有無を含む税金納税情報を管理することができる。サーバ3は、税金管理システム81に接続されているため、ユーザの納税の有無を含む税金納税情報を取得することができる。納税管理システム81への接続の方式は、特に限定されているものではないが、例えば納税管理システム81にAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース、Application Programing Interface)を設けることもできる。また、サーバ3側にもAPIを設けておく場合には、税金管理システム81からだけではなく、保険管理システム82、車検管理システム83、車両規制データベース84からもサーバ3で管理する情報、例えば車両情報、収入情報、税金情報を、APIを介して取得することが可能である。
義務情報演算手段71では、税金管理システム81から取得した税金納付情報により、ユーザの納税の有無を把握することができる。政府としては、納税を適切に行っていないユーザに対して税金の適切な納付を促す仕組みがあると有効である。そこで、ユーザの納税がない場合には、車両2を起動不可能状態とすることが考えられる。これは、図3において、ステップC2の判断がノーの場合である。ただし、何の猶予もなく突然に車両2が使用できなくなると、交通手段や収入を得るための手段が使えなくなることになるため、ユーザにとって酷な状況が予想される。そこで、ステップC2における税金納付無しの判断にあたっては、車両2のユーザに対して、ユーザ端末37を介して、事前に所定の期間内に所定の税金納付を行わないと車両2を起動不可状態にする旨の警告を行い、所定の期間待って、それでも税金の納付がない場合には、車両2を起動不可状態に切り替えるようにしてもよい。また、税金の滞納金額が少額にもかかわらず一律に車両2を起動不可状態とすると、ユーザにとっては酷な状況ともなるため、滞納額が所定の金額を超えている場合にのみ、車両2を起動不可状態とするようにしてもよい。車両2の起動可能状態ないし起動不可状態の切替制御は、遠隔制御指令31からの遠隔制御指令として、送受信部33及び無線通信ネットワーク34を介して車載器1に送られ、後述のように車両2の起動状態が制御される。なお、税金管理システムにおける税金の支払いの確認に、金融システム36のAPI39(図11参照。)を用いるようにしてもよい。
図3では、ステップC2でイエスの場合には、ステップC3の保険料の判定を行うものとして説明されているが、これは単なる例示であり、各ステップの判断は、単独の判断であっても、あるいは、任意の2以上の判断であってもよく、さらには、この判断の順序は任意である。例えば、ステップC2の税金納付の判断だけで、イエスの場合にはステップC6へ進み、車両2を起動可能状態とし、ノーの場合にはステップC7へ進み、車両2を起動不可能状態としてもよい。また、2つの判断を行う例としては、ステップC2の税金納付についてのイエスの判定の後に、ステップC4へ進み、車検が有効であるか否かを判断し、イエスの場合には、ステップC6へ進み、車両2を起動可能状態とし、ステップC2でノーの場合あるいはステップC4でノーの場合には、ステップC7へ進み、車両2を起動不可能状態としてもよい。さらに、ここでは4種類の判定を例示したが、これ以外の判定を追加することもでき、例えば、車両2をリースする場合においては、リース料金の支払いの有無に関する判定を加えること(後述の実施形態2を参照)、また、例えば、車両2をレンタルする場合においては、レンタル料金の支払いの有無に関する判定を加えること、また、例えば、車両2をカーシェアリングする場合においては、車両利用料金の支払いの有無に関す判定を加えること等も可能である。
前述の収入予測部61においては、車両2及びユーザのカテゴリーに応じて、さまざまな予測手法が採用されるところ、次に、この予測手法を(イ)〜(ホ)に例示する。また、前述のようにこれらの予測手法に対して機械学習を適用することにより、より正確な収入情報の予測が可能となる。
(イ)個人タクシーの例
車両が個人タクシーである場合には、賃走の区間が長い程、ユーザの収入が多いことが予想できる。例えば、タクシーメータが、「空車」「賃走」「回送」「迎車」の4種類からなる場合を説明するが、本発明はタクシーメータの形式を限定するものではなく、「賃走」に相当する区間を把握できるものであれば、どのような車両情報を用いてもかまわない。ここで各メータの表示と、収入の状態は次のとおりである。「空車」は、乗客を乗せていない場合であって、乗車が可能な状態である。この状態では収入は見込めない。「賃走」は、乗客を乗せて走っている状態で、収入が発生している状態である。この賃走の区間が長い程、収入が高くなる。「回送」は、運転手の仕事終わり車庫に帰る時や、休憩の時等で乗客を乗せられない状態である。この状態では収入は見込めない。「迎車」は予約の乗客を迎えに行くときであり、課金が可能であるため、収入が発生している状態である。賃走及び迎車の状態の走行時間及び走行距離を算出することにより、ユーザの収入を予測することが可能である。
また、より正確にユーザの収入を予測するためには、例えば、
・走行距離に対する空車率や賃走率を求めて、効率よく収入を得ることができているかを把握すること、
・営業運転状態(空車、賃走、迎車)の走行距離及び走行時間から、労働時間を把握すること、
・GPSの位置情報、速度情報、タコメータの情報、タコグラフの情報、アクセルペダルの踏み込み量の情報等を用いて、燃費を計算することにより経費を予測すること、
・GPSの位置情報、速度情報、タコメータの情報、タコグラフの情報等を用いて、ユーザが走行している地域の需要を予測すること、
等も可能である。
(ロ)運送用トラックの例
車両が運送用トラックである場合には、走行距離が長い方が輸送用トラックにより積み荷を搬送している区間が長いこと、すなわち、運送に係る受注が順調であることを示すため、走行距離は収入を予測する指標となる。また、ユーザが複数台の運送用トラックを所有する運送会社の場合には、各車両の稼働状況を把握することにより、ユーザの全体の収入を予測することができる。より正確にユーザの収入を予測するためには、例えば、
・走行距離や走行時間から、車両の稼働率を把握すること、
・GPSの位置情報を用いて、特定の配送ルートを運行しているかどうかを把握すること、
・GPSの位置情報、速度情報、タコメータの情報、タコグラフの情報、アクセルペダルの踏み込み量の情報等から、積み荷の状況、積み荷の量、積み荷の有無等を把握すること、
・GPSの位置情報、速度情報、タコメータの情報、タコグラフの情報、アクセルペダルの踏み込み量の情報等から、積み荷の状況を推定し、走行距離に占める積み荷の積載区間、あるいは、積み荷の積載率を把握すること、
・GPSの位置情報、速度情報、タコメータの情報、タコグラフの情報、アクセルペダルの踏み込み量の情報等を用いて、燃費を計算することにより経費を予測すること、
等も可能である。
(ハ)建設機械の例
車両がショベルカーやクレーン車等の建設機械の場合には、車両の稼働時間は車両が所定の作業のために利用されている期間を示すため、車両の稼働時間はユーザの収入を予測する指標となる。また、ユーザが複数の建設機械を所有する会社である場合には、各建設機械の稼働状況を把握することにより、ユーザの全体の収入を予測することができる。より正確に収入を予測するためには、例えば
・GPSの位置情報、速度情報、タコメータの情報、タコグラフの情報等から、待機位置から作業現場までの移動距離を把握すること、
・建設機械のアワーメーター情報、IGN入力情報、エンジンスタートボタンの情報等から、特定の作業現場における作業期間や作業内容を把握すること、
・建設機械のアワーメーター情報、IGN入力情報、エンジンスタートボタンの情報、燃料計情報等を用いて、燃費を計算することにより経費を予測すること、
等も可能である。
(ニ)通勤のために車両を利用する例
車両を通勤に利用しているユーザは、車両の稼働状況から通勤しているかどうかを判断できるため、車両の稼働状況はユーザの収入を予測する指標となる。ユーザは通勤以外にも車両を利用することもあるため、ユーザの収入をより正確に予測するためには、車両が通勤に利用されている状況を把握する必要がある。例えばGPSの位置情報を用いれば、特定の駐車場から、出勤に関連する所定の場所(例えば職場の駐車場)までの車両の移動が出勤に関連するものであると把握することができる。
(ホ)営業用車両の例
車両が営業用車両の場合には、車両は専ら営業活動のために利用され、車両の稼働状況から営業活動の状況を判断できるため、車両の稼働状況はユーザの収入を予測する指標となる。また、例えばGPSの位置情報を用いれば、営業活動を行っている地域や範囲を特定することもできるため、営業活動の状況をより正確に把握することも可能である。
ここでは義務情報演算手段71が収入予測部61を備える場合の例を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、必ずしも収入予測部61を有する必要はない。例えば、車両情報収集部32で収集された車両情報を用いて、義務情報演算手段により義務情報を演算することも可能である。例えば上記(イ)の車両が個人タクシーである場合には、賃走の区間の長さがほぼユーザの収入を決定づけるため、賃走の合計距離データ等の車両情報から収入情報ないし税金情報を演算することができる。また、上記(ロ)の車両が運送用トラックである場合には、積み荷を積んで走行している走行距離等の車両情報から直接収入情報ないし税金情報を演算することができる。
また、税金管理システムにおいて税金額を演算する場合においては、税金管理システム81に対して、サーバ3から収入情報ないし税金情報だけではなく、車両情報収集部32で収集された車両情報を提供することも可能である。あるいは、税金管理システム81において税金額を演算する場合においては、税金管理システム81に対して、サーバ3から車両情報収集部32で収集された車両情報だけを提供することも可能である。さらに、税金管理システム81に対して、サーバ3からは情報提供を行わない場合もあり得るが、この場合、税金管理システムにおいて、ユーザの収入情報ないし税金情報の演算が行われる。すなわち、税金管理システム81においてユーザの税金納付情報が適切に把握できている場合においては、サーバ3から税金管理システム81の対しての情報提供は必須ではない。一方、税金管理システム81からサーバ3に対しては、ユーザの税金の支払いの有無を含む税金納付情報が提供される。そして、例えばこの税金管理システム81からサーバ3に対しての税金納付情報の提供がAPI連携により行われる場合には、サーバ3における義務情報演算手段71において、迅速に納税の有無を判断することができるため、税金納付に伴う車両2の起動可能状態への切替制御を迅速に実施することが可能となる。
[保険料に関するの演算]
ステップC3では、義務情報演算手段71においてユーザに対する車両2の保険情報が演算され、この保険情報が保険管理システム82に提供される。保険情報としては、保険料に関する情報を含めることができる。車両2に関する保険には法令により強制的に加入が義務付けられるものと、任意加入のものとに分けられる。例えば、日本では、自賠責保険への加入が義務付けられており、さらに、任意保険への加入も推奨されている。例えば、途上国においても車両2に関する保険を義務付けている場合が多く、この場合、保険に未加入である車両2が運行されると、事故が起こった場合に被害者への補償がなされないおそれがあるため、保険に未加入の車両の運行を禁じることが望ましい。このような観点から、車両2に関する強制保険の保険料が納付されているかどうか、義務情報演算手段により判断し、所定の保険料が納付されていない場合には、遠隔制御指令部31から車載器1に車両2を起動不可状態に切り替えるための遠隔制御指令を送信する必要がある。また、義務情報演算手段においては、任意保険の保険料金を含む保険情報を演算することも可能である。なお、強制的に加入が義務付けられる保険の範囲については、政府の定め、ないし、法令の定めによる。また、車両2についての保険は、車両2に掛けられる場合もあるが、車両2のユーザに掛けられる場合や、車両2とユーザ(運転者)との組み合わせに対して掛けられる場合もある。サーバ3においては、車両2の車両情報、及び、後述のユーザ情報管理部38によるユーザ情報との両方を把握しているため、車両2に関する保険情報を適切に管理することが可能である。
そして、義務情報演算手段71は、車両情報収集部32で収集された車両情報を把握することができるため、この車両情報を利用したきめ細やかな保険料演算が可能となり、これにより、車両2のカテゴリーやユーザの使用状況に適した保険の設定が可能となる。保険料の演算に当たっては、例えば次のような情報を参酌することができる。
・車両のカテゴリー(車種、車両の大きさ、重量、用途)
・走行距離、走行時間
・走行速度、制限速度
・加速度
・位置情報、走行経路、走行時間帯
車両のカテゴリーに応じた保険料を設定することができる。例えば、車種、車両の大きさ、重量、用途に応じて、保険料を設定することができる。例えば、小型車と大型車とでは保険料の設定が異なり、また、自家用車、タクシー、配送用車両及び建築機械等の用途の違いによっても保険料の設定は異なる。
走行距離や走行時間によっても保険料の設定は異なる。例えば、車両2の走行距離や走行時間が大きくなるほど、事故のリスクは高まるため、所定の期間における走行距離や走行時間を特定して保険料を設定しておくことができる。車両2の走行距離や走行時間は車両情報として収集されているので、所定の期間における当該車両の走行距離や走行時間は予想できる。ただし、納車時にはまだ走行距離や走行時間等は収集されていないため、ユーザが見込みの走行距離や走行時間を設定する必要がある。所定の期間における走行距離や走行時間が予め設定した範囲を超えそうな場合には、予めユーザ端末37を介してユーザに報知して、追加の保険料の支払いをユーザに促し、あるいは、保険の契約によっては自動的にユーザに追加の保険料の支払いを求める。
走行速度及び制限速度の情報を保険料に反映することも可能である。制限速度の情報は例えばナビゲーションシステムの地図情報、道路に設置されたビーコン等からの情報、あるいは、道路交通情報通信システム(Vehicle Information and Communication System、VICS(登録商標))等に含まれている。この制限速度と車両2の速度とを対比することにより、車両2のユーザが制限速度をどの程度守っているかを把握することができる。例えば、制限速度を遵守しているユーザは、制限速度を守っていないユーザよりも、安全運転を行っていると判断し、安全運転を行っているユーザ(そのユーザに係る車両2)の保険料を割り引くことが可能である。一方、速度順守の観点から危険運転であると判断されたユーザの保険料は割増しにすることも考えらえられる。この時の保険料の割引額ないし割増額は、どの程度制限速度を遵守しているかという程度を、車両情報、例えば、制限速度及び走行速度から段階的に、あるいは、一定の数式により定量化することによって決定することができる。
車両の加速度情報から、ユーザの運転の特性を推定し、安全運転かどうかを判断することができる。急加速、急減速、急ハンドルが少ないユーザは、これが多いユーザよりも安全運運転であると判断することができ、この判断により安全運転を行っているユーザ(そのユーザに係る車両2)の保険料を割り引くことが可能である。一方、急加速、急減速、急ハンドルの観点から危険運転であると判断されたユーザの保険料は割増しにすることも考えらえられる。この時の保険料の割引額ないし割増額は、どの程度の急加速、急減速、急ハンドルが検出されたかという程度を、車両情報、例えば、車両2の加速度、あるいは、アクセルセンサ、ブレーキセンサ、ステアリングセンサ等から段階的に、あるいは、一定の数式により定量化することによって決定することができる。
車両2の位置情報、走行経路、及び、走行時間帯から、事故のリスクを推定して、保険料に反映させることもできる。位置情報、走行経路、及び、走行時間帯等からは、車両2が市街地にいるのか郊外にいるのか、車両2が交通量の多い道路を走行しているかどうか、事故の発生確率が高い状況にあるかどうか等を推定し、事故のリスクを段階的に、あるいは、一定の数式により定量化して、保険料の割引額ないし割増額を計算することができる。
義務情報演算手段71において演算された保険情報は保険管理システム82に提供される。保険情報としては、車両2ないしユーザに関する保険料の情報を含むものとすることができるが、これに限らず、保険料の情報までは含まず、保険情報として保険料を演算するための車両情報を含むようにすることができ、保険情報として車両情報を保険管理システム82に提供する場合には、保険管理システム82において車両2ないしユーザに対する保険料を含む保険情報が演算される。保険料を含む保険情報はユーザ端末37を介してユーザに提供される。保険料の中、加入が法令で義務図けられている強制保険については、ユーザ端末37を介して必ずユーザに加入するように報知される。例えば、日本においては、自賠責保険は車検の際に強制加入されるため、後述の車検の有効期限と共に、強制保険の加入がユーザ端末37によって報知されるようにしてもよい。
ユーザにより強制保険の保険料が適正に支払われたかどうかは保険管理システム82により把握される。例えば保険管理システム82は、金融システム36のAPIを利用して、ユーザにより保険料金が支払われたことをリアルタイムで把握することができる。義務情報演算手段71においては、保険管理システム82から保険料納付情報を受信し、車両2ないしユーザが強制保険の保険料を支払っているかどうか、すなわち、強制保険に加入しているか否かを判定し、強制保険に加入していない場合(図3のステップC3においてノーの場合)には、該当するユーザによる車両2の利用を禁止するために、遠隔制御指示部31から、車載器1に対して該当車両2を起動不可状態に切り替えるための遠隔制御指令を送信する。一方、強制保険に加入している場合、すなわち、図2のステップC3においてイエスの場合には、他に必要な条件の判断を行う。なお、上述のステップC2の税金に関する判定の場合と同様に、ステップC3の保険に関する判断だけを単独で行い、イエスの場合には車両2を起動可能状態に制御し、ノーの場合には車両2を起動不可状態に制御するようにしてもよい。また、車両の起動状態の制御に際し、ステップC3の保険に関する判定に加えて、他の1又は複数の判定を加えてもよい。ただし、何の猶予もなく突然に車両2が使用できなくなると、交通手段や収入を得るための手段が使えなくなることになるため、ユーザにとって酷な状況が予想される。そこで、ステップC3における税金納付無しの判断にあたっては、車両2のユーザに対して、ユーザ端末37を介して、事前に所定の期間内に所定の保険料を行わないと車両2を起動不可状態にする旨の警告を行い、所定の期間待って、それでも保険料の納付がない場合には、車両2を起動不可状態に切り替えるようにしてもよい。
任意保険の保険料についても、上述のとおり車両情報を用いて、義務情報演算手段71又は保険管理システム82において演算することが可能である。義務情報演算手段71において任意保険の保険料を含む保険情報が演算される場合においては、その保険情報は保険管理システム及びユーザ端末37に送信され、ユーザに対して推奨される任意保険への加入を促すことができる。保険管理システム82において任意保険の保険料を含む保険情報が演算される場合には、この保険情報はサーバ3を介してユーザ端末37に送信され、ユーザに対して推奨される任意保険への加入を促すことができる。保険管理システム82はユーザにより任意保険の保険料が支払われたかどうかを把握することができる。また、任意保険への加入の可否の情報についても、サーバ3に提供されるようにしてもよい。ただし、任意保険の保険料が支払われない場合には、強制保険の場合とは異なり、車両2を起動不可状態へ切り替える遠隔制御指令を送信することは行わない。
[車検に関する判定]
図3のステップC4では、義務情報演算手段71において車検が有効であるか否かを判定し、車検が有効であるか否かを判定し、車検が有効でない場合には、ノーの判定となり、ステップC7で、遠隔制御指令部31から車両2を起動不能状態に切り替えるための遠隔制御指令が送信される。また、ステップC4でイエスの場合には、他の条件の判定を行う。なお、上述のステップC2の税金に関する判定の場合と同様に、ステップC4の車検に関する判断だけを単独で行うようにしてもよい。また、車両2の車検の判定に加え、他の1又は複数の判定を加えてもよい。法令によって車検が義務付けられている場合には、車両2のユーザに車両2の車検を受けることを促すことが必要である。義務情報演算手段71において、車検の有効性を判断し、車検が有効でない場合に、当該車両を起動不能状態に切り替えるようにすると、車両2を利用したいユーザに対して、車検を受けるように促すことができる。一方、予告なしに車両2が起動不能状態に制御されてしまうと、ユーザにとっては酷な状況ともなるため、車両2を起動不可状態に切り替える前には事前に車検を受ける期限を所定期間前にユーザ端末37を介してユーザに報知し、期限までにユーザが車両2の車検を受けるように促すようにする。また、車検の期限が切れた場合には、車両2は起動不可状態となるが、車検を受けるための移動及び車検のための走行試験に際しては、ユーザ端末37からサーバ3への申請によって、あるいは、ユーザから管理者(管理者端末35)への申請によって、一時的に車両2を起動可能状態に切り替えることにより、車検を受けることが可能となる。
車検を受けた車両2には、例えば電子ナンバープレート、車載記憶装置、車載器1のメモリまたはICカード等に少なくとも車検を受けたことを示す車検情報が記録される。この車検情報には、車検証の情報、車検を受けた期日、次回の車検期限、所有者、使用者、納税義務者、車両番号、型式、自動車の種別、車体の形状、長さ、幅、高さ、重量、定員、積載量、排気量、燃料の種類、点検項目とその結果、及び、部品交換や故障の履歴等の情報が含まれる。これらの情報を電子ナンバープレート等の記憶手段に記憶することにより、車検期限の情報、点検結果の情報、部品交換や故障履歴の情報を容易に読み出すことができるため、車両のメンテンナンス等にも有用である。
電子ナンバープレート等に記憶された車検情報は、車両情報として車載器1を介して車両情報収集部32に収集され、義務情報演算手段71において、車検が有効かどうかの判断に用いられる。そして、図3のC4の車検が有効であるか否かの判断において、ノーの場合には、遠隔制御指令部31から車両2を起動不可状態に切り替えるための遠隔制御指令が車載器1へ送信される。図3のC4の判断がイエスの場合には、例えばステップC5に進む等の他の条件の判断が行われる。
車検が有効か否かの判断結果を含む車検情報は、義務情報演算手段71から車検管理システム83に提供されることにより、車検管理システム83において車載器1により収集された車検情報が利用される。車検管理システム83において全ての車両2の全ての車検情報が把握できているとは限らないので、この場合には、車載器1により車検情報を収集することは有効である。なお、車検管理システム83において、車両2の車検情報が適切に収集されているような状況においては、義務情報演算手段71は車検管理システム83から提供された車検情報に基づいて車両2の車検が有効か否かを判断することもできる。
[ナンバープレート番号などによる車両規制]
車両2のナンバープレート番号に応じて、例えば都心部など、特定の地域への車両2の乗り入れを禁止する時間帯を法令により定める場合がある。車両2のナンバープレート番号は電子ナンバープレート、車載記憶装置、車載器1のメモリ等に記憶されておくこができ、車両2が駐車されている状態であっても、これらの車両2のナンバープレート番号の情報は、車両情報として車載器1を介して車両情報収集部32により事前に収集され、義務情報演算手段71に送られている。また、駐車時に車両2の位置情報は、車両2のGPSから車両情報として車載器1を介して、車両情報収集部32により収集され、義務情報演算手段71に送られている。さらに、サーバ3に接続された車両規制データベース84からは、関連する車両規制データが取得され、義務情報演算手段71に提供される。サーバ3から車両規制データベース84への接続は例えばAPIを用いることができる。車両2のナンバープレート番号、車両2の位置が、車両規制データにより規制対象となっている場合には、図3のステップC5において車両規制対象でないとの判定で、ノーとなり、遠隔制御指令部31において車両2を起動不可状態に変更するための遠隔制御指令が車載器1に送られるので、この場合には、ユーザは駐車中の車両2を起動することはできない。
また、車両2の予定している経路が、車両2の通過予定時刻において車両規制地域に含まれる場合にも、車両は車両規制の対象になる。そこで、駐車中の車両2を使用する前にユーザはユーザ端末37から車両2の目的地及び予定経路を登録する。義務情報演算手段では、登録された車両2の予定経路が、車両規制に含まれる場合には、図2のステップC5において車両規制対象でないとの判定で、ノーとなり、遠隔制御指令部31において車両2を起動不可状態に変更するための遠隔制御指令が車載器1に送られるので、この場合には、ユーザは駐車中の車両2を起動することはできない。図2のステップC5において車両規制対象でないとの判定で、ノーとなった場合には、サーバ3はユーバ端末37を介してユーザに対して車両2が車両規制の対象となっていること、及び、車両2の車両規制の範囲を報知する。サーバ3から車両規制の報知を受け取った後に、ユーザはユーザ端末37から車両2の目的地及び予定経路を再度登録することができ、この再登録された目的地及び予定経路が規制対象の範囲に含まれなければ、図2のステックC5ではイエスの判断となり、ステップC5において遠隔制御指令部31から車載器1に対して車両2を起動可能状態に切り替える遠隔制御指令が送信される。ユーザによるユーザ端末37を介したサーバ3への目的地及び予定経路の再登録は何度でも受け付けられるようにしておくことが望ましい。それにより、車両規制が行われている状態であっても、ユーザの車両2利用の利便性を保つことができる。また、駐車中にユーザによりユーザ端末37から登録された目的地及び走行経路の情報は、サーバ3から車載器1へ送られ、車両2のナビゲーション装置に登録しておくことができる。
車両2の起動後に目的地や走行経路を変更したりする場合も起こり得る。起動後に車両2のナビゲーション装置に新たな目的地ないし走行経路が入力された場合には、この新たな目的地ないし走行経路の情報がサーバ3へ送信され、義務情報演算手段71において、車両規制データベース84からの情報と照合し、車両2の走行経路が車両規制に含まれていないか否かを判定し、その判定結果をユーザ端末37及び/又は車載器1に対して、送信する。車載器1に送られた判定結果は、例えばナビゲーション装置のディスプレイに表示するようにしてもよい。判定結果が車両規制対象である場合には、判定結果と共に、車両規制の範囲と期間がユーザ端末37、ナビゲーション装置のディスプレイ等に報知される。また、この報知と併せて、迂回経路や経路沿いの駐車場の情報を提供するようにしてもよい。
ナビゲーション装置に新たな目的地ないし走行経路が設定されることなく、ユーザが目的地や走行経路を変更することも起こり得る。ナビゲーション装置に新たな目的地ないし走行経路が設定されることなく、ユーザが目的地や走行経路を変更した場合には、すなわち、車両2の走行経路がナビゲーション装置に設定された経路あるいはユーザ端末37から事前に登録された経路から外れた場合には、ナビゲーション装置からの現在位置及び登録経路を外れていることの情報が車載器1からサーバ3に送られ、義務情報演算手段71において、車両位置、予想経路、車両規制情報等に基づいて車両2の予想経路が車両規制に含まれるか否かを判断し、その判定結果をユーザ端末37及び/又は車載器1に対して、送信する。車載器1に送られた判定結果は、例えばナビゲーション装置のディスプレイに表示するようにしてもよい。判定結果が車両規制に含まれている場合には、判定結果と共に、車両規制の範囲と期間がユーザ端末37、ナビゲーション装置のディスプレイ等に報知される。また、この報知と併せて、迂回経路や経路沿いの駐車場の情報を提供するようにしてもよい。なお、車両規制データベース84から得られた車両規制情報は、随時、車載器1に送信し、車両2のナビゲーション装置のディスプレイ等に表示するようにしてもよい。車両2が起動中である場合には、車両2の走行経路が車両規制に含まれることが判定されたても、車両2を起動不能状態に切り替えることはできないが、車両規制の範囲と期間をユーザ端末37、ナビゲーション装置のディスプレイ等を介してユーザに報知することによって、ユーザに対して車両規制情報を報知することにより、車両規制を遵守するように促すことが可能である。
[サーバ3における車両2の運行管理]
次に、サーバ3により自動的に車両の運行状況を判別する方法について詳細に説明する。事前に登録された駐車場に相当する場所で、所定時間以上、車両の動力がオフ状態となっている場合には、所定の駐車場に車両を駐車中であると判断する。また、事前に登録された駐車場以外の場所で、所定時間以上、車両の動力がオフ状態となっている場合には、所定の駐車場以外の場所に車両を駐車中であると判別する。さらに、車両が事前に登録された駐車場以外の場所にあり、車両の動力が所定の時間以上オフ状態とはなっていない場合にはユーザが車両を利用して移動中であると判別する。
また、車両がユーザの事前登録した範囲から所定期間以上外れていた場合には、車両が盗難された可能性があると判別する。車両が盗難された可能性があると判別された場合には、ユーザが事前に登録している連絡先にその車両運行状況を通知すると共に、盗難の有無の問い合わせを行う。所定の期間内にユーザからの回答がない場合、及び、ユーザから盗難である旨の回答があった場合には、管理者に盗難の発生を報知すると共に、車載器1に対して起動不可状態に対応するリレー制御指令を送信する。管理者は、サーバ3から盗難発生の報知があった場合には、ユーザに連絡を取って盗難の発生状況を確認した上で、必要に応じて警察に車両の盗難を通報する。
さらに、車載器1には、車載器1を車両2から抜去、又は、車載器1に接続されている配線の切断若しくは引抜の異常を検出する手段が設けられており、これらの異常を検出すると車載器1はサーバ3にかかる異常の発生を報知する。この報知が発生するとサーバ3は速やかに管理者に報知を行う。管理者は、サーバ3からこの異常の報知があった場合には、ユーザに連絡を取って盗難の発生状況を確認した上で、必要に応じて警察に車両の盗難を通報する。
車載器1を車両2から抜去する場合として、例えば、(1)窃盗犯による盗難の場合、(2)ユーザによる車両の悪用の場合、及び、(3)未払いユーザによるやむを得ない緊急時の車両利用の場合、が想定される。(1)及び(2)のような盗難や悪用の場合を想定した場合には、車両を起動不可状態にすることが望ましい。一方、(3)のような緊急時の場合、例えば急病人の搬送を想定した場合には、車両を起動可能状態とすることが望ましい。後述のように、外部リレー20は、その接続を切り替えることにより、配線の切断若しくは引抜時に、起動不能状態とするモードにするのか、それとも、起動可能状態とするモードにするのかを選択することができる。そこで、車載器1が前記異常の検出した場合、及び、外部リレー20の配線の切断若しくは引抜時に、管理者が(1)及び(2)のような盗難や悪用の場合を想定する場合には外部リレー20を起動不可状態になるように予め設定し、管理者が(3)のような緊急時の場合を想定する場合には外部リレー20を起動可能状態になるように予め設定しておけばよい。
次に図2を参酌して車載器1の構成と車両2への接続を説明する。図2は内燃機関車両に接続する場合の例である。なお、図1と同一の部位については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。11は演算処理を行うCPU、12は無線通信ネットワークを介してサーバ3の送受信部と無線通信を行う無線通信モジュール、13はリレーの状態等を記憶するメモリであり、例えば不揮発性メモリとして構成されており、14は車載器の各種設定を行うコンソール、15は車両2の外部バッテリ21からの電力により充電される車載器内部のバッテリである内部バッテリ、16は車両2の外部バッテリ21からの電源入力を検知する電源入力検知部、17は車両2の走行状態識別線(ACC線、IG線)22に接続されてエンジンのオン・オフ状態を検知するIGN入力検知部、18は外部リレー20に接続されるリレー入出力部、19は車両2のGPS24に接続されて車両の位置情報を検出するGPS入出力部である。また、図示されていないが、車載器1では加速度センサの情報、車速パルスの情報、燃料センサの情報、速度情報、タコメータの情報、タコグラフの情報、ドアロックの情報、イモビライザーの情報、エンジンスタートボタンの情報、タクシーの料金メータの情報、アクセルペダルの踏み込み量の情報(例えばスロットルバルブの開度の情報等も含む。以下、同様。)、及び、その他車両の稼働状況を把握できる各種情報を検出して収集できるようにしてもよい。これらの各種情報を車両情報として利用することも可能である。ここで、外部バッテリ21とは、車載器1内部の内部バッテリ15と区別した用語であり、車載バッテリのことを意味する。外部リレー20は車両2のエンジン起動制御線(ST線)に接続されており、図3では外部リレー20は車両2と車載器1との間に示されているが、実際には車両2のエンジンルームの内部に設けられており、外部リレーは外部から目視することはできない場所に配置されている。したがって、窃盗者あるいはユーザが故意に外部リレー20を取り外すことはできない構造となっている。リレー入出力部18は、外部リレー20が起動不可状態にあるか起動可能状態にあるかを検出すると共に、リレー制御指令に基づいて外部リレー20を起動不可状態又は起動可能状態に切り替える制御を行う。
電源入力検知部16と外部バッテリ21、IGN入力検出部17と走行状態識別線22、リレー入出力部18と外部リレー20、GPS入出力部19とGPS24は、CAN等の車両LANを介することなく、それぞれ直接個別の配線で接続されている。これにより、CAN等の車両LANを用いることがないので、CAN等の車両LANによるセキュリティに対しては脆弱であるという問題が生じることはない。
車載器1は内部バッテリ15の電力により駆動される。内部バッテリは常に車両2の外部バッテリ21の電力により充電されており、車載器1が抜去された場合、充電ラインが切断又は引抜された場合等の異常時であっても、所定の時間、車載器を駆動し続けることができ、このため、かかる異常の発生を現在地情報と共にサーバ3へ報知することができる。なお、直近の現在地情報その他の情報はメモリ13に格納されている。
CPU11は、無線通信モジュール12、メモリ13、コンソール14、内部バッテリ15、電源入力検知部16、IGN入力検知部17、リレー入出力部18、GPS入出力部19、及び、図示されない加速度センサ等に接続されている。車両情報検出手段としては、電源入力検知部16、IGN入力検知部17、GPS入出力部19、及び、加速度センサ等を備えている。リレー入出力部18は、外部リレー20の状態を検出すると共に、外部リレー20を起動不可状態か起動可能状態かのいずれか一方に制御するものであり、外部リレー20の状態も車両情報として使用可能である。
CPU11は、メモリ13に格納されたプログラムによって、外部リレー20の制御及び車両情報の収集を行う。以下、車載器1の動作について説明する。
[車両情報の収集について]
車載器1は所定の周期、例えば30秒おきに、又は、車両動力のオン等の特定のイベント発生時に、あるいは、その両方で車両情報の収集を行い、サーバ3へその車両情報を送信する。この時の車両情報としては、電源入力検出部16で検出される外部バッテリ21からの電源入力の情報、IGN入力検知部17で検出される走行状態識別線(ACC線、IG線)の情報、例えばエンジンのオン、オフの状態を示す情報、リレー入出力部18で検出される外部リレー20の状態、GPS入出力部19で検出されるGPSからの位置情報、図示しない加速度センサから検出される加速度の情報、車速パルスの情報、燃料センサの情報、及び、車両情報を取得した時刻の情報の中の少なくとも1つを含んでいる。なお、GPSの位置情報から速度を演算することも可能である。サーバ3では、これらの車両情報を基づいて、車両の運行状況を把握する。
[外部リレーの制御について]
車載器1がサーバ3からリレー制御指令を受信すると、その制御値をメモリ13に記憶し、その値に対応する状態になるように外部リレー20を制御する。車両情報連動制御手段は、CPU11、メモリ13、IGN入力検知部17及びリレー入出力部18を含み、外部リレー20を切り替える際に、後述のように、車両の動力のオン、オフ切替タイミングを考慮して、リレー制御指令を採用する場合と、採用しない場合(リレー制御指令を無視する場合)とを判別する。内燃機関車両の場合には動力のオン、オフは、例えばIGN入力検知部17で検出される走行状態識別線(ACC線、IG線)の情報、例えばエンジンのオン、オフの状態を示す情報により検出する。
次に図4を参照して、内燃機関車両におけるエンジン起動制御線(ST線)を外部リレー20でカットする場合(図3の場合)のリレーの制御値(ST線リレーの制御値)について説明する。図4Aはエンジン起動制御線が1本の車種の場合を示し、図4Bはエンジン起動制御線が2本の車種の場合を示している。初めに図4Aのエンジン起動制御線が1本の車種の場合について説明する。リレーAのリレー値はオープンの時"0"であり、クローズのとき"1"である。外部リレー制御値は、"00"と"01"の2種類となる。外部リレー制御値が"00"の時は、ステータスは起動可能状態(通常)、車両状態は起動可となる。一方、外部リレー制御値が"01"の時は、ステータスは起動不可状態、車両状態は起動不可となる。
次に図4Bのエンジン起動制御線が2本の車種の場合について説明する。リレーA、リレーB共に、リレー値はオープンの時"0"であり、クローズのとき"1"である。外部リレー制御値は、"00" と"01"と"10" と"11"の4種類となる。外部リレー制御値が"00"の時は、ステータスは起動可能状態(通常)、車両状態は起動可となる。外部リレー制御値が"01"の時は、ステータスは意図しない値、車両状態は起動可となる。外部リレー制御値が"10"の時は、ステータスは意図しない値、車両状態は起動可となる。外部リレー制御値が"11"の時は、ステータスは起動不可状態、車両状態は起動不可となる。
リレー監視部は、CPU11とメモリ13とリレー入出力部18とを含み、後述のように、ファームウエアの不具合により、外部リレー制御値が本来起動可能状態であるときにリレー状態を監視し、当該監視によりリレー状態が起動可能状態以外になっていた場合にはリレー状態を起動可能状態、すなわち、外部リレー制御値を"00"とし、外部リレー20を起動可能状態とする。
さらに、図5を参照して、外部リレー20の配線について説明する。外部リレー20は、接続状態を変更することにより、ノーマルオープンとノーマルクローズとを選択することができる。41は電磁石のコイル、42はスイッチ、43と44はリレー入出力部18側の端子、45はエンジン起動制御線(ST線)側の一方の端子、46はノーマルクローズ端子、47はノーマルオープン端子である。スイッチ42はノーマルクローズ端子46側にバネで付勢されているので、コイル41に通電していない時にはスイッチ42はノーマルクローズ端子46側に接触している。コイル41に通電した時には、スイッチ42は電磁石に吸い付けられ、ノーマルオープン端子47に接触する。したがって、外部リレー20をノーマルクローズ型として使用したい場合には、ST線の他方の端子をノーマルクローズ端子46に接続し、逆に、外部リレー20をノーマルオープンズ型として使用したい場合には、ST線の他方の端子をノーマルオープン端子47に接続する。
図2を参酌して、外部リレー20をノーマルクローズ型として使用したい場合と、外部リレー20をノーマルオープンズ型として使用したい場合との違いを説明する。電源入力検出部16、IGN入力検知部17、リレー入出力部18、及び、GPS入出力部19のいずれか少なくとも1つには、配線の切断又は引抜を検出する手段(図示省略)が設けられている。配線の切断又は引抜を検出する手段としては、例えば特許文献2に開示されているような配線の切断又は引抜に伴う配線の電圧変化を利用するという公知の手段を用いることができる。また、電源入力検知部16が外部バッテリ21からの電源入力を検知しない場合には、電源入力検知部16と外部バッテリ21との間の配線に切断又は引抜が生じたと判断することもできる。車載器の抜去についても、これらの配線の切断又は引抜に基づいて検出することができる。配線の切断又は引抜を検出した場合には、後述のように、外部リレー20を起動不可状態(オープン)にするか、あるいは、起動可能状態(クローズ)にするかのどちらかに制御するように決めておく。
また、配線の切断又は引抜を検出した場合には、前述のとおり外部リレー20を制御すると共に、無線通信モジュール12を介してサーバ3にその異常を報知する。サーバ3がその異常の報知を受信すると、サーバ3は速やかに管理者に報知を行う。管理者は、サーバ3からこの異常の報知があった場合には、ユーザに連絡を取って盗難の発生状況を確認した上で、必要に応じて警察に車両の盗難を通報する。一方、車載器1は、前記異常を報知すると共に、車載器1に搭載された警報器(図示省略)により警報音を鳴らす。また、車載器1に警報器を搭載する代わりに、車両の警笛、ヘッドランプ、ウインカー、ハザードランプ等を利用して警報を行うことができるように、これらの制御回路の入力端子に車載器1の警報出力の出力信号を入力するように配線することもできる。
ここでは、異常の報知として、配線の切断又は引抜を検出した場合を例にして説明したが、車載器1にさらに故障検出手段を設け、当該故障検出手段が車載器1の故障を検出した場合に、無線通信モジュール12を介してサーバに対して車載器1の故障を報知するようにしてもよい。サーバ3が車載器1の故障の報知を受信すると、サーバはかかる故障の発生を管理者に通報し、かかる通報を受けた管理者は該当する車両のユーザに連絡をとって、車載器1を修理又は交換するように手配する。
リレー入出力部18と外部リレー20との間の配線の切断又は引抜が生じた場合には、外部リレー20のコイル41への電流供給が停止するため、ノーマルクローズ型の場合には外部リレー20はクローズとなり、ST線が接続された状態となり、ノーマルオープン型の場合には外部リレー20はオープンとなり、ST線は遮断(カット)された状態となる。
前述のように、管理者が車載器1を車両2から抜去する場合としては、(1)窃盗犯による盗難の場合、(2)ユーザによる車両の悪用の場合、及び、(3)未払いユーザによるやむを得ない緊急時の車両利用の場合、が想定されるところ、(1)及び(2)のような盗難や悪用の場合を想定した場合には、車両を起動不可状態にすることが望ましいので、外部リレー20としてノーマルオープン型を採用し、配線の切断又は引抜を検出した場合にも外部リレー20を起動不可状態(オープン)に制御するように予め決めておくとよい。一方、(3)のような緊急時の場合、例えば急病人の搬送を想定した場合には、車両を起動可能状態とすることが望ましいので、外部リレー20としてノーマルクローズ型を採用し、配線の切断又は引抜を検出した場合にも外部リレー20を起動可能状態(クローズ)に制御するように予め決めておくとよい。
また、車載器1は電波状況が悪い場合であって、サーバ3からのリレー制御指令がなくとも、スタンドアローンでフェイルセイフに動作をすることができる。例えば、電波状況が悪い場所で車両が起動不可状態となり、起動可能情報に対応するリレー制御指令を受け取ることができなくなる事態を回避することができる。車載器は、電波状況が悪い時には通信のリトライを繰り返して、通信を確立しようとする。所定回数、例えば20回以上、連続してリトライしても通信が確立できない場合には、通信不能と判断し、外部リレー20の状態が起動不可状態のときには、起動可能状態に切り替える。これにより、電波状況が悪い時に、サーバ3から起動可能状態へ変更するリレー制御信号を送信できないために、車両が起動不能状態のまま放置される事態を避けることができる。この通信不能のときに車両を起動可能状態に切り替える処理を採用するか否かについては、車両の出荷時等に切り替えることができる。
[省電力モードについて]
内燃機関車両のエンジンがオフの時には、エンジンがオフしてから所定の時間、例えば10分が経過した後には、外部バッテリ21の電力の消耗を防ぐために、車載器は省電力モードに移行し、電源管理のような最低限の機能以外を停止する。省電力モードでは、電源入力検知部16とIGN入力検知部17とリレー入出力部18と計時回路(図示省略)は常に起動しているが、その他の回路は停止状態となっている。省電力モードの時には、車載器1はサーバ3とは通信を行っていない。省電力モードの時に、電源入力検出部が電源入力の喪失を検出した場合、IGN入力検知部17がエンジンのオン状態(ACCオンやIGオン)を検出した場合、及び、計時回路が所定の時間を計時した場合(例えば、1時間おきに)には、省電力モードのときでも常に起動している対応する回路がCPUに割り込みをかけて車載器1を省電力モードから通常モードに切り替える。また、省電力モードの時にもリレー入出力部には常に電力が供給されているため、外部リレー20の状態を常に保持することができる。
[無線通信モジュールについて]
前述のように車載器1は通常モードにおいては所定の周期、例えば30秒おきに、又は、車両動力のオン等の特定のイベント発生時に、あるいは、その両方で車両情報の収集を行い、サーバ3へその車両情報を送信する。常に起動している対応する回路がCPUに割り込みをかけて車載器1を省電力モードから通常モードに切り替える際には、車載器1を起点としてサーバ3と通信を行い、リレー制御指令の受信や車両情報の送信を行う。通常モードにおいては、車載器1起点の通信に加え、サーバ3起点の通信が可能であり、車載器1はリレー制御指令等の情報を受信可能である。電波状況が悪い時には、通信を確立するまでに、複数回、例えば5回程度の通信を繰り返すことがある。電波状況が悪く通信が確立できない場合でも、車載器1は、直近の通信によりサーバ3から受信したリレー制御指令をメモリに記憶しているので、車載器1はスタンドアローンで動作することが可能である。また、車載器1は収集した車両情報をメモリに記憶しているので、通信回線が回復したときにそれらをまとめてサーバ3へ送信することができる。なお、電波状況が悪い場合には、起動不可状態に対応するリレー制御指令を送信又は受信しないようにしておくこともでき、この場合には、電波状況が悪いために、起動不可状態から起動可能状態への変更ができなくなる不都合を回避することができる。
次に、図6を参酌して、メモリ13内の構成を説明する。メモリ13は、通信部50、リレー制御部51、リレー監視部55及びエンジン連動制御部57からなる4つの処理部を含んでいる。また、リレー制御部51はリレー設定値52、車種毎起動不可リレー値53及び車種毎起動可能リレー値54を含み、リレー監視部55はリレー監視実行フラグ56を含み、エンジン連動制御部57はリレー変更禁止期間58、エンジン停止時刻59及びエンジン状態再評価期間を含んでいる。
通信部50は、サーバ3との通信のためのデータ領域である。無線通信モジュール12を介して、車両情報のサーバ3への送信、サーバ3からのリレー制御指令の受信を行うために用いられる。リレー制御部は、サーバ3からのリレー制御指令により与えられたリレー値に対応する状態へ外部リレー20を変更するためのデータ領域である。リレー監視部55は、後述のように設定された起動不可状態・起動可能状態のリレー状態値に基づき、リレー状態が起動可能状態でなければならない状況、すなわち、初期状態又はサーバ3からの最後のリレー変更要求が起動可能状態への変更である場合には、外部リレー20の状態を定期的に監視し、この監視の結果、外部リレー20が起動可能状態以外のリレー状態になっている場合は、起動可能状態に変更する。エンジン連動制御部57は、サーバ3からリレー制御指令を受信した際、過去X分(例えば2分)の間にエンジンがオンになっていた場合は、リレー制御指令を無視し、起動不可状態へのリレー制御指令を実行してからY秒(例えば5秒)の間にエンジンのオンを検出した場合には、リレーを起動可能状態に変更する。
ここで、X分を例えば2分としたことの根拠を説明する。エンジン停止後10分程度で車載器1は省電力モードに切り替えられ、電力の消費を抑える。省電力モードの状態でユーザが車両に乗り込みエンジンを始動すべくキーをシリンダーに差し込み、イグニッションオン状態にすると、ING入力検知部17は走行状態識別線(ACC線、IG線)22からエンジンがオン状態になったことを検出して、CPU11に対して割り込みをかけて、車載器1を通常モードに切り替える。車載器1が通常モードに切り替えられたことをサーバ3が認識するまでには、電波状況が良い時には1分程度、電波状況が悪く通信を5回程度繰り返す必要がある場合には1分30秒程度かかる。車両の動力がオフにされてからある程度の期間は起動不可状態への切り替えを指示するリレー制御指令を採用しない(無視する)ことにより、車両の動力をオフにした後すぐに再度車両の動力をオンにするような場合にも、不用意に車両が起動不可状態に切り替えられてしまうことを防止することができる。例えば、駐車場においてトランクや座席から荷物を積み下ろしするまでの間、車両を駐車スペースから少しずらした位置で一端停車させた状態で車両の動力をオフにし、荷物の積み下ろしの後、再び車両の動力をオンにして車両を駐車スペースに入れなおすような場合に、不用意に車両が起動不可状態に切り替えられてしまうことを防止することができる。逆にX分が長すぎる場合には、車両を起動不可状態に切り替えることができなくなってしまうケースが発生することから、過去2分間の間にエンジンがオンになっていた場合には、リレー制御指令を無視することとした。
次に、Y秒を例えば5秒としたことの根拠を説明する。車載器1は、車両の動力がオンの間にリレー制御指令を受け取った場合には、安全を考慮してリレー制御指令を受け付けない(リレー制御指令を無視する)。車両の動力がオンである間は、ユーザが車両で移動中であるため、例えば電波状況が悪いために車両を起動不可状態へ変更するリレー制御指令の受信が遅延されてしまった場合等、不用意に車両が起動不可状態となることを防止している。一方、車載器1が車両の起動を認識するまでには、実際に車両が起動をしてから3秒程度かかる。車両を起動した直後に、車載器1がリレー制御指令を受信した場合、車載器1は車が起動していないと判断し、リレー制御指令を採用してしまい、車両が起動しているにも関わらず、車両が起動不可状態に切り替えられる状況が発生する。後述のように、イグニッションスイッチがプッシュ式の場合、起動不可状態にする方法として、プッシュボタンを無効にする方法と、イモビライザーを発動(認証用の線をカット)する方法とがあるが、この中、プッシュボタンを無効にするものの場合、前記3秒間の間に起動不可状態に切り替えられると、エンジンを切れなくなってしまう不具合が生じる。一方、イモビライザーを発動する方法の場合、前記3秒間の間に起動不可状態に切り替えられると、プッシュボタンは効くので、エンジンをオフすることはできる状態であるが、ギアがドライブDには入らなくなるという不具合が生じる。以上のことから、Y秒として、3秒よりも余裕を持たせた5秒を採用した。
次に、図6に示されているメモリ13の各変数について説明する。リレー設定値52は、現在の外部リレー20の状態に対応するリレー値である。車種毎起動不可リレー値53は、車両を起動不可状態にする外部リレー20の状態に対応する車種毎の設定値である。車種毎起動可能リレー値54は、車両を起動可能状態にする外部リレー20の状態に対応する車種毎の設定値である。リレー監視実行フラグ56は、外部リレー20の監視を実行させるか否かを決定するフラグであり、初期状態(車両の出荷時)、又は、サーバ3からの最後のリレー制御指令が起動可能状態への変更である場合にオンとなる。リレー変更禁止期間は、エンジンが停止された後、外部リレー20の変更を禁止する期間(X分、例えば2分)である。エンジン停止時刻は、前回エンジン停止を検出した時刻である。エンジン状態再評価期間は、起動不可状態への制御を行った後、エンジンのオンを再評価する期間(Y秒、例えば5秒)である。
車種毎起動不可リレー値53及び車種毎起動可能リレー値54は、車両の車種に応じて1つだけ記憶しておいてもよいし、あるいは、複数車種の値を記憶しておき、車両の車種に応じて選択するようにしてもよい。また、車種毎起動不可リレー値53及び車種毎起動可能リレー値54は、コンソール14から設定するようにしてもよいし、サーバ3から設定するようにしてもよいが、ノイズによるファイルセーフの観点からはサーバ3から設定することが望ましい。
次に、メモリ13の各処理部の動作について図7〜図9のフローチャートを参照して説明する。まず、図7を参照してリレー制御部51の動作について説明する。S11でリレー制御部処理が開始されると、まずS12でリレー設定値52を与えられたリレー値で上書きする、次にS13でリレー状態をリレー設定値52の状態へ変更する。続いてS14でリレー制御指令のリレー値が車種毎起動可能リレー値54と同一か否か判断し、Yesの場合はS15に進み、リレー監視実行フラグ56をオンにし、S16に進む。S14の判断でNoの場合はS16に進み、通信部を呼び出し、サーバ3へリレー状態変更完了を通知し、続いて、S17でリレー制御部処理を終了する。リレー制御部51は、後述する図8のリレー監視部55のS25、及び、後述する図9のエンジン連動制御部57のS36により呼び出されて処理が開始される。
次に、図8を参照して、リレー監視部の動作を説明する。S21でリレー監視部処理が開始されると、まずS22でリレー監視実行フラグ56がオンであるか否かを判断する。上述のように、リレー監視実行フラグ56は、外部リレー20の監視を実行させるか否かを決定するフラグであり、初期状態(車両の出荷時)、又は、サーバ3からの最後のリレー制御指令が起動可能状態への変更である場合にオンとなる。S22の判断がYesの場合にはS23に進み、外部リレー20のリレー状態を取得した後、S24に進む。一方、S22の判断がNoの場合にはS26に進み、リレー監視部処理を終了する。S24では、S23で取得したリレー値が車種毎起動可能リレー値54以外の値であるか否かを判断し、Yesの場合にはS25に進み、リレー制御部51を呼び出し、リレー設定値52を起動可能状態に対応する車種毎起動可能リレー値54で上書きした上で、外部リレー20の状態を車種毎起動可能リレー値54に対応する状態へ変更した後、S26に進み、リレー監視処理を終了する。一方、S24の判断でNoの場合には、そのままS26に進み、リレー監視処理を終了する。
リレー監視部の動作は、定期的に行われ、例えば通常モードでは30秒毎、省電力モードでは1時間毎に行われる。このリレー監視部の動作により、本来起動可能状態であるとき(リレー監視実行フラグがオンのとき)には、車載器のファームウェアの不具合によりメモリ13が本来の数値と異なる数値に書き換えられてしまった場合でも、常に車両が起動可能状態となるように外部リレー20を制御することにより、意図せずに車両が起動不可状態になってしまい、正当な車両の利用を妨げてしまうことを防止できる。例えば、車載器のファームウェアの不具合によりメモリ13のリレー設定値52の値が意図しない値に書き換えられてしまったような場合でも、リレー監視実行フラグがオンのときには、常に車両が起動可能状態となるように外部リレー20を制御することにより、車両を起動可能状態に維持することができる。
続いて、図9を参酌してエンジン連動制御部57の動作を説明する。S31でエンジン連動制御部処理が開始されると、S32に進み、通信部50を通してリレー制御指令を受け取り、次にS33に進み、現在のエンジン状態がオフか否かを判断する。S33の判断でYesの場合はS34に進み、S34では現在時刻とエンジン停止時刻の差分がリレー変更禁止期間58(X分)以上か否かを判断する。S33の判断でNoの場合及びS34の判断でNoの場合には、S35へ進み通信部50を呼び出してサーバ3へリレー制御指令無視を通知した後、S41へ進み、エンジン連動制御部の処理を終了する。S34の判断でYesの場合には、S36へ進み、リレー制御部51を呼び出し、外部リレー20の状態をリレー制御指令に対応する状態へ変更し、S37へ進む。S37ではエンジン状態再評価期間60(Y秒)だけ待機した後、S38へ進み、S38では実行したリレー制御指令は起動不可状態への変更であり、かつ、現在のエンジン状態はオンであるか否かを判断する。S38の判断でYesの場合には、S39へ進み、S39ではリレー制御部51を呼び出し、外部リレー20の状態を車種毎起動可能リレー値54に対応する状態へ変更した後、S40に進む。S40では、通信部50を呼び出し、サーバ3へリレー制御指令無視を通知した後、S41へ進み、エンジン連動制御部の処理を終了する。一方、S38の判断でNoの場合には、そのままS41へ進み、エンジン連動制御部の処理を終了する。
エンジン連動制御部57の動作は、定期的に行われ、例えば通常モードでは30秒毎、省電力モードでは1時間毎に行われる。S35及びS40では、通信部50を呼び出してサーバ3へリレー制御指令無視を通知しているところ、サーバ3はこのリレー制御指令が無視されたことを受信すると、図7のS16でリレー状態変更完了が通知されるまで、繰り返し、リレー制御指令を送信する。このエンジン連動制御部57の動作により、サーバからの指示により車両を起動不可状態に変更する際、車両の安全を考慮し、車両が危険な場所又は他人の迷惑になる場所におかれた状態で起動不可状態になってしまうことを防止できる。リレー変更禁止期間58(X分、例えば2分)を考慮することにより、車両の動力をオフにした後すぐに再度車両の動力をオンにするような場合にも、不用意に車両が起動不可状態に切り替えられてしまうことを防止することができる。また、エンジン状態再評価期間60(Y秒、例えば5秒)を考慮することにより、車両の動力がオンになった直後(Y秒以内)に車載器1が起動不可状態に対応するリレー制御指令を受け取った場合には、リレー制御指令を採用しない(リレー制御指令を無視する)ことにより、車両の動力がオン時に起動不可状態に切り替わるという不具合を防止することができる。
ここまでは、内燃機関車両へ適用し、外部リレーにより内燃機関のエンジン起動制御線(ST線)を切断することにより起動不可状態へ切り替える車両遠隔制御システムの態様を説明したが、以下では、図10を参照して、内燃機関車両以外の動力を用いた車両、例えば電気自動車(以下「EV車両」という。)やハイブリッド電気自動車(以下「HEV車両」という。)を含む車両に適用し、起動不可状態へ切り替えるためにST線制御以外の制御を含む車両遠隔制御システムの態様を説明する。なお、図1〜図9と同様な構成については、同一の符号を用いて、その説明は省略する。
図10は起動不可状態の制御方式を説明したものである。図10は、車両の種類として、内燃機関車両、EV車両、パラレル方式HEV車両、シリーズ方式HEV車両及びシリーズ・パラレル方式HEV車両に分類すると共に、イモビライザを搭載しているか否かに区分した上で、さらに、起動方式をキー式とプッシュ式に区分した上で、起動不可状態の制御方式としてA方式、B方式及びC方式の3つの方式の中からどの方式を採用可能かをまとめたものである。3つの制御方式としては、A方式はST線をカットするもの、B方式は鍵認証を不可とするもの、C方式はプッシュボタンを無効化するものである。
キー式及びプッシュ式は、動力を始動するための操作方法で分けたものである。キー式とは、動力を始動するためにキーシリンダにキーを差し込み、OFF、ACC、IGN及びSTARTを切り替える方式のものである。プッシュ式とは、スマートキー式の場合の方式であり、動力始動用プッシュボタンを押すことにより、動力をオンとする方式のものである。
なお、HEV車両の定義は、次のとおりである。パラレル方式は、モータとエンジンで車輪を駆動する方式であり、モータを使ってバッテリを充電する方式である。シリーズ方式は、エンジンで発電機を駆動して充電し、モータで車輪を駆動する方式である。シリーズ・パラレル方式は、モータとエンジンで車輪を駆動すると共に、エンジンで発電機を駆動して充電してモータを駆動することができる方式である。
ここで、車載器1の構成は、EV車両及びHEV車両に対しても図3で示した内燃機関車両用のものと共通の部分が多いが、EV車両には内燃機関が無い点、及び、HEV車両ではモータだけで走行できるモードが存在する点で内燃機関車両の場合と相違する。EV車両の場合には、IGN入力検知部17に替えて、プッシュボタンが押されて動力がオンとなっていることを検知する手段を設けることが望ましく、また、外部リレー20については、後述のように、電子的な手段に置き換えてもかまわない。HEV車両の場合には、IGN入力検知部17に替えて、動力がオンとなっていることを検知する手段を設けることが望ましく、また、外部リレー20については、後述のように、電子的な手段に置き換えてもかまわない。
以下、A方式、B方式及びC方式の3つの制御方式について詳細に説明する。各方式によって、外部リレー20を挿入する配線が異なるが、いずれの方式の場合にも、起動不可状態のときには動力を始動することが不可能であり、起動可能状態のときには動力を始動することが可能である。
A方式は、本実施形態として、先に説明した方式であり、外部リレー20によって内燃機関のエンジン起動制御線(ST線)を切断することにより起動不可状態へ切り替える方式であり、内燃機関車両に適用できる。A方式ではST線に外部リレー20が挿入されており、起動不可状態の時に、外部リレー20を開とすることにより、セルモータへの電力供給を遮断するため、エンジンの始動を阻止することができる。
B方式は、本実施形態の別の実施例であり、イモビライザーを搭載した車両で採用する方式である。イモビライザーとは、キーに埋め込まれたトランスポンダーと呼ばれるICチップに固有のIDコードを記録させておき、トランスポンダーのIDコードを車両本体の電子制御装置に登録されているIDコードにより認証して、認証が成立した場合にのみエンジンを始動させることできる装置である。B方式では、イモビライザーにおける車両がトランスポンダーから受け取ったトランスポンダー側のIDコードの信号線、又は、イモビライザーにおける車両側のIDコードの信号線に対して外部リレー20を挿入し、起動不可状態では外部リレー20を開とすることにより、IDコードの認証が不成立となるため、起動不可状態ではエンジンを始動することができない。ここでは、外部リレー20を用いて起動不可状態とする例を説明したが、起動不可状態のときに、IDコードの認証を不成立とさせれば、どのような手段を用いてもよく、例えば電子的な手段を用いてもよい。なお、電子的な手段を用いる場合にも、リレー入出力部18(図3を参照。)で、起動不可状態であるか起動可能状態であるのかを検出できるようにしておくことが望ましい。
C方式は、本実施形態のさらに別の実施例であり、スマートキー式の場合の動力始動用プッシュボタンを備えた車両に採用する方式である。スマートキー式の車両では、動力始動用のキーシリンダーは無く、プッシュボタンが押されたことを電子制御装置へ伝えることによって動力を始動する。例えば、EV車両にはキー式のものは存在せず、全てプッシュ式である。C方式は、外部リレー20をプッシュボタンの配線に挿入し、起動不可状態では外部リレー20を開とすることにより、起動不可状態ではプッシュボタンを操作しても動力がオンとならない。ここでは、外部リレー20を用いて起動不可状態とする例を説明したが、起動不可状態のときに、プッシュボタンが押されたことを電子制御装置へ伝えなくすれば、どのような手段を用いてもよく、例えば電子的な手段を用いてもよい。なお、電子的な手段を用いる場合にも、リレー入出力部18(図3を参照。)で、起動不可状態であるか起動可能状態であるのかを検出できるようにしておくことが望ましい。
イモビライザーありで、キー式の場合、内燃機関車両ではA方式又はB方式、EV車両は存在せず、パラレル方式HEV車両、シリーズ方式HEV車両及びシリーズ・パラレル方式HEV車両ではいずれもB方式である。
イモビライザーありで、プッシュ式の場合、内燃機関車両ではA方式、B方式又はC方式、EV車両ではB方式又はC方式、パラレル方式HEV車両、シリーズ方式HEV車両及びシリーズ・パラレル方式HEV車両ではいずれもB方式又はC方式である。
イモビライザー無しで、キー式の場合、内燃機関車両ではA方式、EV車両は存在せず、パラレル方式HEV車両、シリーズ方式HEV車両及びシリーズ・パラレル方式HEV車両ではいずれの方式も対応不可である。
イモビライザー無しで、プッシュ式の場合、内燃機関車両ではA方式又はC方式、EV車両ではC方式、パラレル方式HEV車両、シリーズ方式HEV車両及びシリーズ・パラレル方式HEV車両ではいずれもC方式である。
[実施形態2]
実施形態1では、図2のステップC2〜C5の判定を行う例を説明したが、実施形態2では、さらに、カーリースのリース料の支払いの有無の判定を追加した例を、図11〜図12を参酌して説明する。なお、図11〜図12においては、図1〜図10と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を省略する。実施形態2では、カーリースの場合を例に挙げて、ユーザによる車両についての所定の支払が行われなかった場合に車両を起動不可状態に切り替える制御、及び、ユーザによる所定の支払がなされた場合に車両を再び起動可能状態に切り替える制御について説明する。図11は、第2実施形態に係る車両遠隔制御システムのブロックであり、図12は、車両起動制御のフロー図である。
サーバ3は、ユーザ情報管理部38及び支払状況監視部30を備えている。支払状況監視部30は、金融システム36のAPI39を用いてユーザの支払状況を監視する。支払状況監視部30において監視されたユーザの支払情報は、ユーザ情報管理部38に送られるので、ユーザ情報管理部38は、リアルタイムでのユーザの支払状況を把握することができる。ユーザ情報管理部38は義務情報演算手段71と接続され、義務情報演算手段71にて演算された各種義務情報はユーザ情報管理部38へ送られる。また、ユーザ情報管理部38はユーザ端末37と通信可能である。図11では、無線通信ネットワーク34による通信、及び、ユーザ情報管理部38とユーザ端末37との間の通信を別々に描いているが、無線通信ネットワーク34により、ユーザ情報管理部38とユーザ端末37との間の通信を行うようにしてもよい。すなわち、ユーザ情報管理部38とユーザ端末37との間の通信も、例えば2G、3G、4G、5G、Wi−Fi(登録商標)、WiMAX(登録商標)、無線LAN、ビーコン、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等が挙げられる。
また、ユーザ情報管理部38には、税金管理システム81、保険管理システム82、車検管理システム83、車両規制データベース84の情報が提供されており、各ユーザに対応する情報の管理が可能である。このユーザ情報管理部38を用いることにより、例えば、実施形態1と同様に、図3のC2の税金納付の判定の際に、車両2のユーザに対して、ユーザ端末37を介して、事前に所定の期間内に所定の税金納付を行わないと車両2を起動不可状態にする旨の警告を行い、所定の期間待って、それでも税金の納付がない場合には、車両2を起動不可状態に切り替えるような管理を行うことができる。
図12を用いて、車両2をリースする場合における、リース料金の支払いの有無に関する判定について詳細に説明する。なお、リース料金支払いに関する判定は、実施形態1の図3のC2〜C5の判定に加えることができる。
ステップA1でフローがスタートする。ステップA2では、車両の納車時(出荷時)には、車両の起動が可能となるように、車両のエンジン起動外部リレー20は起動可能状態に設定されている。ステップA3では、支払状況監視部30は、金融システム36のAPI39を用いてユーザの支払状況をリアルタイムで監視して、ステップA4では、各車両のユーザから所定の期間内に利用料金の支払いがあったか否か(滞納があるか否か)を判断する。所定の期間内に利用料金の支払いがない際(ステップA4でYesの場合)にはステップA5に進む。ステップA5では、ユーザに対して料金未納であるため、所定の期間に料金を支払わないと車両を起動不可状態に切り替える旨を警告して、ステップA6へ進む。ステップA4でNoの場合には、ステップA3に戻る。
ステップA6では、支払状況監視部30は、金融システム36のAPI39を用いてユーザの支払状況をリアルタイムで監視して、ステップA7では、各車両のユーザから所定の期間内に利用料金の支払いがあったか否かを判断する。ステップA7の判断がNoの場合には、ステップA8へ進む。ステップA8では、車両の運行状況を確認した上で、所定の条件を満たしている場合には、対応する車両2を起動不可状態とするために、サーバ3は遠隔制御指示部31から起動不可状態に対応するエンジン起動リレー制御指令を対応する車載器1へ送信して、ステップA9へ進む。車載器1は、起動不可状態に対応するエンジン起動リレー制御指令を受け取ると、エンジン起動外部リレー20を起動不可状態に切り替えるので、対応する車両2は起動不可状態、すなわち、内燃機関車両の場合にはエンジンの始動が不可能な状態となる。本実施形態では、ステップA4でYesの場合(滞納を検出した場合)には、ステップA5で一旦ユーザに車両を起動不可状態に切り替える旨の警告を行ったが、本発明はこれに限定されるものでは無く、例えば、ステップA4でYesの場合に、直接ステップA8に進み、車両を起動不可状態に切り替えることも可能である。このように、滞納の検出時に直接ステップA8に進み車両を起動不可状態に切り替えるか、あるいは、一旦警告を行い車両を起動不可状態に切り替える前に所定の猶予期間を与えるかどうかは、その地域の法令や商慣行等を考慮して決定される。
一方、ステップA7の判断がYesの場合には、ステップA3に戻り、支払状況監視部30は、金融システム36のAPI39を用いてユーザの支払状況をリアルタイムで監視を行う。サーバ3から車載器1へ起動不可状態に対応するエンジン起動リレー制御指令がない状態では、通常、エンジン起動外部リレー20は起動可能状態に設定されている。したがって、所定の期間内に利用料金の支払いがあった場合(ステップA7でYesの場合)には、サーバ3から車載器1へ起動不可状態に対応するエンジン起動リレー制御指令が送信されないので、エンジン起動外部リレー20は起動可能状態の設定のままであり、対応する車両2は起動可能状態、すなわち、内燃機関車両の場合にはエンジンの始動が可能な状態となる。
ステップA9では、ユーザに対して料金未納のため車両が起動不可状態であることを報知すると共に、所定の期間を指定して所定の料金を支払うように促して、ステップA10へ進む。ステップA10では、支払状況監視部30は、金融システム36のAPI39を用いてユーザの支払状況をリアルタイムで監視して、ステップA11では、当該車両のユーザから所定の期間内に利用料金の支払いがあったか否かを判断する。ステップA11の判断でYesの場合(支払い有りの場合)には、サーバ3は対応する車両を再び起動可能状態とするために、遠隔制御指示部31から起動可能状態に対応するエンジン起動リレー制御指令を対応する車載器1へ送信する。車載器1が起動可能状態に対応するエンジン起動リレー制御指令を受信すると、エンジン起動外部リレー20は起動可能状態に切り替えられ、対応する車両は再び起動可能状態となる。
利用料金が月額料金の場合には、例えば前月の25日までに所定の金額が支払われているか否かを確認する(ステップA4に対応)。所定の支払が行われていない際には、ユーザに対して滞納であること及び1週間以内に所定の料金の支払いがない場合には車両を起動不能状態にすることのメッセージを送信する(ステップA5に対応)。このメッセージの送信から1週間以内に所定の料金の支払いがない場合には、車両の運行状況を確認した上で、所定の条件を満たしていることを条件としてサーバ3は遠隔制御指示部31から起動不可状態に対応するエンジン起動リレー制御指令を対応する車載器1へ送信する(ステップA8に対応)。車両を起動不可能状態にした後、所定の期間例えば1か月が経過してもユーザから所定の料金の支払いがない場合(ステップA11の判断でNoの場合)には、管理者は車両情報収集部32で収集された特定の車両の位置情報を利用して、当該車両の回収する手配を行う(ステップA14に対応、その後はステップA15でエンドとなり、処理を終了する)。
一方、起動不可状態に対応するエンジン起動リレー制御指令を車載器1へ送信した後に、所定の期間内にユーザによる所定の金額の入金が確認された際(ステップA11の判断でyesの場合)には、サーバ3は遠隔制御指示部31から起動可能状態に対応するエンジン起動リレー制御指令を対応する車載器1へ送信し、再び、車両を起動可能状態とする(ステップA12に対応)。また、サーバ3から車載器1へ起動不可に対応するエンジン起動リレー制御指令がない状態では、通常、エンジン起動外部リレー20は起動可能状態に設定されているので、対応する車両は起動可能状態とされる。したがって、毎月25日までに所定の料金の支払いを済ませていれば、ユーザは車両を起動可能状態のまま利用することができる。
ステップA8で車両が起動不可状態に切り替えられ、ステップA9でユーザに所定の支払を促した後、ユーザはすぐに車両を使いたければ、速やかに所定の支払を行うことになる。この場合、ユーザはすぐに車両を使いたい状況であるため、所定の支払が行われてから実際に車両が起動不可状態から起動可能状態に切り替えられるまでにタイムラグがると、すぐに車両を使いたいユーザにとっては不利益であり、問題がある。そこで、ステップA10において金融システム36のAPI39を用いてユーザの支払状況をリアルタイムで監視しているため、ステップA11においてはユーザから所定の支払があったことをリアルライムで把握することができ、ステップA12において、所定の支払があってからすぐにサーバ3は遠隔制御指示部31から起動可能状態に対応するエンジン起動リレー制御指令を対応する車載器1へ送信し、再び、車両を起動可能状態とし、ステップA13でリターンとなる。
車両2を起動不可状態とする際には、車両の運行状態を考慮する必要がある。すなわち、ユーザが車両で移動中に起動不可状態に切り替えた場合には、ユーザにとって過酷な状況が想定されるばかりではなく、他車両の交通を妨害する恐れがあるし、また、後述のように、車両の動力オン状態での外部リレーの起動不可状態への切り替えは車両の種類によっては不具合を生ずる恐れがあり、安全性の観点からも避けるべき条件が存在する。ここで、車両の運行状態をサーバ3が自動的に判断して、車両を起動不可状態に切り替える場合と、起動不可状態への切り替えを見送る場合について例を挙げて説明する。例えば、サーバ3は、車両から収集されたGPSによる位置情報や車両の動力のオン・オフ情報により車両の運行状況を確認し、車両の動力がオフであり、かつ、車両が所定の駐車場にあることを条件として、車両が所定の駐車場に駐車中であると判断し、対応する車両2の車載器1に対して外部リレー20を起動不可状態にするリレー制御指令を送信して、車両2を起動不可状態に切り替える。この場合には、車両2は所定の駐車場に駐車中であるので、他車両の交通を妨害する恐れがない。また、例えば、サーバ3は、車両の運行状況を確認し、車両の動力がオンであり、かつ、車両が所定の駐車場ではない場所にあるときには、ユーザが車両を利用中であると判断し、対応する車両の車載器1へ外部リレー20を起動不可状態に切り替えるリレー制御指令を送信することを見送る。このように本発明では、後述のように車載器1が安全性の判断を行うように構成されているため、サーバ3における判断を比較的単純化することができる。
ここでは、各ユーザから所定の期間内に所定の料金の支払いがあったかどうかの判断、ユーザへのメッセージの送信、車両の運行状態の判断、起動不可状態及び起動可能状態に対応するリレー制御指令の送信の判断、並びに、盗難発生時や異常発生時のユーザへの問い合わせ及び警察への通報等を全てサーバで自動的に行う例を説明したが、この判断の中、一部又は全部を管理者が管理者端末35からマニュアルで行うようにしてもよい。
本実施形態では、車両2をリースする場合を例示したが、本実施形態はリースの場合に限定されるものではなく、例えばカーレンタルやカーシェアの場合にも適用可能である。カーレンタルないしカーシェアの場合には、遠隔制御指令に施錠指令及び解錠指令が含まれ、ユーザ情報管理部38は、ユーザ端末37との通信により車両の予約を管理し、予約状況及び支払状況に対応して、ユーザ端末37へドアロックキー情報を送信すると共に、ユーザ端末37から施錠指令及び解錠指令を受け付ける。車載器1は、遠隔制御指令としての施錠指令及び解錠指令に基づいて、車両2のドアロックキーの施錠及び解錠を制御する。
1 車載器
2 車両
3 サーバ
11 CPU
12 無線通信モジュール
13 メモリ
14 コンソール入出力
15 内部バッテリ
16 電源入力検知部
17 IGN入力検知部
18 リレー入出力
19 GPS入出力
20 外部リレー
21 外部バッテリ
22 走行状態識別線
23 エンジン起動制御線(ST線)
24 GPS
30 支払状況監視部
31 遠隔制御指示部
32 車両情報収集部
33 送受信部
34 無線通信ネットワーク
35 管理者端末
36 金融システム
37 ユーザ端末
38 ユーザ情報管理部
39 API
41 コイル
42 スイッチ
43 リレー入出力部側の端子
44 リレー入出力部側の端子
45 エンジン起動制御線側の一方の端子
46 ノーマルクローズ端子
47 ノーマルオープン端子
50 通信部
51 リレー制御部
52 リレー設定値
53 車種毎起動不可リレー
54 車種毎起動可能リレー
55 リレー監視部
56 リレー監視実行フラグ
57 エンジン連動制御部
58 リレー変更禁止期間
59 エンジン停止時刻
60 エンジン状態再評価期間
61 収入予測部
71 義務情報演算手段
81 税金管理システム
82 保険管理システム
83 車検管理システム
84 車両規制データベース

Claims (15)

  1. 車両の車両情報を収集すると共に少なくとも前記車両の起動可能状態ないし起動不可状態を制御する車載器と、
    前記車載器から受信した前記車両情報に基づき前記車両のユーザに対する義務に関する義務情報を演算するサーバと、
    からなる車両遠隔制御システムであって、
    前記サーバは、
    前記車載器により収集された前記車両情報を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された前記車両情報に基づき前記義務情報を演算する義務情報演算手段と、
    前記義務情報に基づいて遠隔制御指令を出力する出力手段と、
    を有し、
    前記車載器は前記サーバから出力される前記遠隔制御指令に基づき制御されることを特徴とする車両遠隔制御システム。
  2. 前記サーバは、税金管理システムと通信可能であり、
    前記義務情報は、ユーザの税金に関する情報を含み、
    前記税金管理システムは、税金納付の有無を含む税金納付情報を前記サーバに提供することを特徴とする請求項1に記載の車両遠隔制御システム。
  3. 前記義務情報演算手段は、前記入力手段により入力された前記車両情報に基づき前記ユーザの収入を予測する収入予測手段を備え、
    前記収入予測手段において予測された前記ユーザの収入は、前記義務情報演算手段及び/又は前記税金管理システムにおいて税金額に関する演算に用いられることを特徴とする請求項2に記載の車両遠隔制御システム。
  4. 前記サーバは、保険管理システムと通信可能であり、
    前記義務情報は、保険料に関する情報を含み、
    前記保険管理システムは、保険料納付の有無を含む保険料納付情報を前記サーバに提供することを特徴とする請求項1に記載の車両遠隔制御システム。
  5. 前記入力手段により入力された前記車両情報は、前記義務情報演算手段及び/又は前記保険管理システムにおいて前記保険料に関する演算に用いられることを特徴とする請求4に記載の車両遠隔制御システム。
  6. 前記義務情報は、前記車両の車検に関する車検情報を含み、
    前記義務情報演算手段は、前記車検情報に基づき前記車両の車検が有効であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の車両遠隔制御システム。
  7. 前記車両情報には前記車検情報が含まれ、前記車載器により収集された前記車検情報は、前記サーバに送信されることを特徴とする請求項6に記載の車両遠隔制御システム。
  8. 前記サーバは、車検管理システムとの間で、前記車検情報を通信可能であることを特徴とする請求項6又は7に記載の車両遠隔制御システム。
  9. 前記義務情報は車両規制に関する車両規制情報を含み、
    前記サーバには、車両規制データベースから前記車両規制情報が提供され、
    前記車両情報には、少なくとも前記車両の位置情報、及び、前記車両の属性情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の車両遠隔制御システム。
  10. 車両の車両情報を収集すると共に少なくとも前記車両の起動可能状態ないし起動不可状態を制御し、かつ、前記車両のユーザに対する義務に関する義務情報を演算するサーバに前記車両情報を送信する車載器であって、
    前記サーバは、
    前記車載器により収集された前記車両情報を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された前記車両情報に基づき前記義務情報を演算する義務情報演算手段と、
    前記義務情報に基づいて遠隔制御指令を出力する出力手段と、
    を有し、
    前記サーバから出力される前記遠隔制御指令に基づき制御されることを特徴とする車載器。
  11. 請求項10に記載の車載器を備えたことを特徴とする車両。
  12. 車両の車両情報を収集すると共に少なくとも前記車両の起動可能状態ないし起動不可状態を制御する車載器から受信した前記車両情報に基づき前記車両のユーザに対する義務に関する義務情報を演算するサーバであって、
    前記車載器により収集された前記車両情報を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された前記車両情報に基づき前記義務情報を演算する義務情報演算手段と、
    前記義務情報に基づいて遠隔制御指令を出力する出力手段と、
    を有し、
    前記遠隔制御指令に基づき前記車載器を制御することを特徴とするサーバ。
  13. 車両の車両情報を収集すると共に少なくとも前記車両の起動可能状態ないし起動不可状態を制御する車載器から受信した前記車両情報に基づき前記車両のユーザに対する義務に関する義務情報を演算する車両遠隔制御方法であって、
    前記車載器により収集された前記車両情報を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された前記車両情報に基づき前記義務情報を演算する義務情報演算手段と、
    前記義務情報に基づいて遠隔制御指令を出力する出力手段と、
    を有し、
    前記遠隔制御指令に基づき前記車載器を制御することを特徴とする車両遠隔制御方法。
  14. 請求項13に記載の車両遠隔制御方法の各手段をコンピュータによって実行することを特徴とする車両遠隔制御プログラム。
  15. 請求項14に記載の車両遠隔制御プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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