JP2020060446A - 磁気センサおよび磁気センサの製造方法 - Google Patents

磁気センサおよび磁気センサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄膜磁石を単層の硬磁性体により構成する場合と比べ、薄膜磁石によって感受素子に印加される磁界を大きくすることを目的とする。【解決手段】磁気センサは、Coを含む硬磁性体で構成される2層以上の硬磁性体層103aと、非磁性体で構成され厚さが硬磁性体層103aの厚さ以下である非磁性体層103bとが交互に積層され、面内方向に磁気異方性を有する薄膜磁石20と、軟磁性体で構成されるとともに、薄膜磁石20に対向して配置され、長手方向と短手方向とを有し、長手方向が薄膜磁石20の発生する磁界の方向を向くとともに、長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、磁気センサおよび磁気センサの製造方法に関する。
公報記載の従来技術として、非磁性基板上に形成された硬磁性体膜からなる薄膜磁石と、前記薄膜磁石の上を覆う絶縁層と、前記絶縁層上に形成された一軸異方性を付与された一個または複数個の長方形状の軟磁性体膜からなる感磁部とを備えた磁気インピーダンス効果素子が存在する(特許文献1参照)。
特開2008−249406号公報
ところで、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子を用いた磁気センサでは、この感受素子にバイアス磁界をかけて、感受素子のインピーダンスが外部磁場の変化に対して直線的に変化するようにする。このバイアス磁界を生成するための方法として、面内方向に磁気異方性を有する薄膜磁石を用いる方法がある。
薄膜磁石により感受素子に印加されるバイアス磁界の大きさは、薄膜磁石を構成する硬磁性体の残留磁化および硬磁性体の厚さに比例する。しかしながら、バイアス磁界を大きくしようとして薄膜磁石を構成する硬磁性体の厚さを単純に厚くすると、硬磁性体の残留磁化が低下してしまい、薄膜磁石により感受素子に印加されるバイアス磁界を大きくすることは難しくなる。
本発明は、薄膜磁石を単層の硬磁性体により構成する場合と比べ、薄膜磁石によって感受素子に印加される磁界を大きくすることを目的とする。
本発明が適用される磁気センサは、Coを含む硬磁性体で構成される2層以上の硬磁性体層と、非磁性体で構成され厚さが当該硬磁性体層の厚さ以下である非磁性体層とが交互に積層され、面内方向に磁気異方性を有する薄膜磁石と、軟磁性体で構成されるとともに、前記薄膜磁石に対向して配置され、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向が当該薄膜磁石の発生する磁界の方向を向くとともに、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子とを備える。
ここで、前記薄膜磁石の前記硬磁性体層は、Coに加えて、Cr、Ta、Pt、Ru、Ni、W、B、V、Cuから選択される少なくとも1つの金属を含む硬磁性体で構成されることを特徴とすることができる。
また、前記薄膜磁石の前記硬磁性体層は、CoCrTaまたはCoCrNiからなる硬磁性体で構成されることを特徴とすることができる。
さらに、前記薄膜磁石は、それぞれの前記硬磁性体層の厚さが150nm以下であることを特徴とすることができる。
さらにまた、前記薄膜磁石は、前記感受素子に対向する面が前記非磁性体層により構成されていることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される磁気センサの製造方法は、非磁性の基板上に、Coを含む硬磁性体からなる2層以上の硬磁性体層と、非磁性体からなる非磁性体層とを交互に積層して、磁気異方性が面内方向に制御された薄膜磁石を形成する薄膜磁石形成工程と、前記薄膜磁石の発生する磁束が透過する方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有する感受素子を備える感受部を形成する感受部形成工程と、を含む。
ここで、前記薄膜磁石形成工程は、前記非磁性体層が最上層となるように、前記硬磁性体層と当該非磁性体層とを交互に積層することを特徴とすることができる。
本発明によれば、薄膜磁石を単層の硬磁性体により構成する場合と比べ、薄膜磁石によって感受素子に印加される磁界を大きくすることができる。
(a)〜(b)は、本実施の形態が適用される磁気センサの一例を説明する図である。 本実施の形態が適用される薄膜磁石の構成を説明する図である。 (a)〜(b)は、薄膜磁石を構成する硬磁性体の厚さと、薄膜磁石の磁気特性との関係を説明する図である。 (a)〜(d)は、磁気センサの製造方法の一例を説明する図である。 (a)〜(d)は、磁気センサの製造方法の一例を説明する図である。
本明細書で説明する磁気センサは、いわゆる磁気インピーダンス効果素子を用いたものである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[磁気センサ1]
図1(a)〜(b)は、本実施の形態が適用される磁気センサ1の一例を説明する図である。図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)におけるIB−IB線での断面図である。
図1(b)に示すように、本実施の形態が適用される磁気センサ1は、非磁性の基板10と、基板10上に設けられ硬磁性体(硬磁性体層103a、後述する図2参照)および非磁性体(非磁性体層103b、後述する図2参照)で構成された薄膜磁石20と、薄膜磁石20に対向して積層され、軟磁性体(軟磁性体層105)で構成されて磁場を感受する感受部30とを備える。なお、磁気センサ1の断面構造、特に薄膜磁石20の断面構造については、後に詳述する。
ここで硬磁性体とは、外部磁界によって磁化されると、外部磁界を取り除いても磁化された状態が保持される、いわゆる保磁力の大きい材料である。一方、軟磁性体とは、外部磁界によって容易に磁化されるが、外部磁界を取り除くと速やかに磁化がないか又は磁化が小さい状態に戻る、いわゆる保磁力の小さい材料である。
なお、本明細書においては、磁気センサ1を構成する要素(薄膜磁石20など)を二桁の数字で表し、要素に加工される層(硬磁性体層103a、非磁性体層103bなど)を100番台の数字で表す。そして、要素の数字に対して、要素に加工される層の番号を( )内に表記する。例えば薄膜磁石20の場合、薄膜磁石20(硬磁性体層103a、非磁性体層103b)と表記する。図においては、20(103a,103b)と表記する。他の場合も同様である。
図1(a)により、磁気センサ1の平面構造を説明する。磁気センサ1は、一例として四角形の平面形状を有する。ここでは、磁気センサ1の最上部に形成された感受部30及びヨーク40を説明する。感受部30は、平面形状が長手方向と短手方向とを有する短冊状である複数の感受素子31と、隣接する感受素子31をつづら折りに直列接続する接続部32と、電流供給のための電線が接続される端子部33とを備える。ここでは、4個の感受素子31が、長手方向が並列するように配置されている。また、本実施の形態の磁気センサ1では、感受素子31が、磁気インピーダンス効果素子である。
感受素子31は、例えば長手方向の長さが約1mm、短手方向の幅が数100μm、厚さ(軟磁性体層105の厚さ)が0.5μm〜5μmである。隣接する感受素子31間の間隔は、50μm〜150μmである。
接続部32は、隣接する感受素子31の端部間に設けられ、隣接する感受素子31をつづら折りに直列接続する。図1(a)に示す磁気センサ1では、4個の感受素子31が並列に配置されているため、接続部32は3個ある。感受素子31の数は、感受(計測)したい磁界の大きさなどによって設定される。よって、例えば感受素子31が2個であれば、接続部32は1個である。また、感受素子31が1個であれば、接続部32を備えない。なお、接続部32の幅は、感受部30に流す電流によって設定すればよい。例えば、接続部32の幅は、感受素子31と同じであってもよい。
端子部33は、接続部32で接続されていない感受素子31の2個の端部にそれぞれ設けられている。端子部33は、感受素子31から引き出す引き出し部と、電流を供給する電線を接続するパッド部とを備える。引き出し部は、2個のパッド部を感受素子31の短手方向に設けるために備えられている。引き出し部を設けずパッド部を感受素子31に連続するように設けてもよい。パッド部は、電線を接続しうる大きさであればよい。なお、感受素子31が4個であるため、2個の端子部33は図1(a)において左側に設けられている。感受素子31の数が奇数の場合には、2個の端子部33を左右に分けて設ければよい。
そして、感受部30の感受素子31、接続部32及び端子部33は、一層の軟磁性体層105で一体に構成されている。軟磁性体層105は、導電性であるので、一方の端子部33から他方の端子部33に、電流を流すことができる。
なお、感受素子31の長さ及び幅、並列させる個数など上記した数値は一例であって、感受(計測)する磁界の値や用いる軟磁性体材料などによって変更してもよい。
さらに、磁気センサ1は、感受素子31の長手方向の端部に対向して設けられたヨーク40を備える。ここでは、感受素子31の長手方向の両端部に対向してそれぞれが設けられた2個のヨーク40a、40bを備える。なお、ヨーク40a、40bをそれぞれ区別しない場合は、ヨーク40と表記する。ヨーク40は、感受素子31の長手方向の端部に磁力線を誘導する。このため、ヨーク40は、磁力線が透過しやすい軟磁性体(軟磁性体層105)で構成されている。つまり、感受部30及びヨーク40は、一層の軟磁性体層105により形成されている。なお、感受素子31の長手方向に磁力線が十分透過する場合には、ヨーク40を備えなくてもよい。
以上のことから、磁気センサ1の大きさは、平面形状において数mm角である。なお、磁気センサ1の大きさは、他の値であってもよい。
次に、図1(b)により、磁気センサ1の断面構造を詳述する。磁気センサ1は、非磁性の基板10上に、密着層101、制御層102、硬磁性体層103a及び非磁性体層103bからなる薄膜磁石20、絶縁層104、軟磁性体層105からなる感受部30及びヨーク40がこの順に配置(積層)されて構成されている。
基板10は、非磁性体からなる基板であって、例えばガラス、サファイアといった酸化物基板やシリコンなどの半導体基板、あるいは、アルミニウム、ステンレススティール、ニッケルリンメッキを施した金属等の金属基板等が挙げられる。
密着層101は、基板10に対する制御層102の密着性を向上させるための層である。密着層101としては、Cr又はNiを含む合金を用いるのがよい。Cr又はNiを含む合金としては、CrTi、CrTa、NiTaなどが挙げられる。密着層101の厚さは、例えば5nm〜50nmである。なお、基板10に対する制御層102の密着性に問題がなければ、密着層101を設けることを要しない。なお、本明細書においては、Cr又はNiを含む合金の組成比を示さない。以下同様である。
制御層102は、硬磁性体層103aおよび非磁性体層103bで構成される薄膜磁石20の磁気異方性が膜の面内方向に発現しやすいように制御する層である。制御層102としては、Cr、Mo若しくはW又はそれらを含む合金(以下では、制御層102を構成するCr等を含む合金と表記する。)を用いるのがよい。制御層102を構成するCr等を含む合金としては、CrTi、CrMo、CrV、CrW等が挙げられる。また、制御層102を構成するCr等を含む合金は、bcc(body-centered cubic(体心立方格子))構造を有する。制御層102の厚さは、例えば10nm〜300nmである。
薄膜磁石20は、二層以上の硬磁性体層103aと、非磁性体層103bとが交互に積層されて構成される。図2は、本実施の形態が適用される薄膜磁石20の構成を説明する図であって、図1(b)に示した磁気センサ1における薄膜磁石20の周囲の拡大断面図である。
図2に示す例では、薄膜磁石20は、4層の硬磁性体層103aと、4層の非磁性体層103bとが交互に積層されて構成されている。二層以上の硬磁性体層103aと、非磁性体層103bとにより構成される薄膜磁石20全体の厚さは、例えば500nm〜1500nmである。
また、図2に示すように、薄膜磁石20は、硬磁性体層103aと非磁性体層103bとのうち、硬磁性体層103aが制御層102に対向するようになっている。言い換えると、薄膜磁石20の最下層は、硬磁性体層103aにより構成されている。一方、絶縁層104に対向する薄膜磁石20の最上層は、非磁性体層103bにより構成されている。なお、薄膜磁石20の最上層は、硬磁性体層103aにより構成されていてもよい。
さらに、図2に示すように、薄膜磁石20は、それぞれの硬磁性体層103aの厚さが、それぞれの非磁性体層103bの厚さと比べて厚い。
薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103aは、Coを主成分とし、Cr、Ta、Pt、Ru、Ni、W、B、V、Cuから選ばれる少なくとも1つの金属を含む合金(以下では、硬磁性体層103aを構成するCo合金と表記する。)を用いることがよい。硬磁性体層103aを構成するCo合金として具体的には、Co−M1(M1=Cr、Ta、Pt、Ru、Ni、W、B、V、Cu)、CoCr−M2(M2=Ta、Pt、Ru、Ni、W、B、V、Cu)、CoCrTa−M3(M3=Pt、Ru、Ni、W、B、V、Cu)、CoCrPt−M4(M4=Ru、Ni、W、B、V、Cu)を用いることがよい。硬磁性体層103aを構成するCo合金としては、これらの中でも、CoCrTa、CoCrPt、CoCrNi、CoCrPtBを用いることが好ましい。
それぞれの硬磁性体層103aの厚さは、5nm以上150nm以下の範囲であることが好ましい。それぞれの硬磁性体層103aの厚さが150nmを超える場合、薄膜磁石20の保磁力(Hc)や角型比(Mr/Ms)が低下しやすくなる。この場合、薄膜磁石20により感受素子31に印加される磁界の強さが低下するおそれがある。
また、複数の硬磁性体層103aの厚さを足した総和は、それぞれの硬磁性体層103aの厚さにもよるが、例えば150nm以上5000nm以下の範囲である。
上述したように、制御層102を構成するCr等を含む合金は、bcc構造を有する。よって、薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103aは、bcc構造のCr等を含む合金で構成された制御層102上において結晶成長しやすいhcp(hexagonal close-packed(六方最密充填))構造であるとよい。bcc構造上にhcp構造の硬磁性体層103aを結晶成長させると、hcp構造のc軸が面内に向くように配向しやすい。よって、硬磁性体層103aを含む薄膜磁石20が面内方向に磁気異方性を有するようになりやすい。なお、硬磁性体層103aは結晶方位の異なる集合からなる多結晶であり、各結晶が面内方向に磁気異方性を有する。この磁気異方性は結晶磁気異方性に由来するものである。
なお、制御層102を構成するCr等を含む合金及び硬磁性体層103aを構成するCo合金の結晶成長を促進するために、基板10を100℃〜600℃に加熱するとよい。この加熱により、制御層102を構成するCr等を含む合金が結晶成長しやすくなり、hcp構造を持つ硬磁性体層103aが面内に磁化容易軸を持つように結晶配向されやすくなる。つまり、硬磁性体層103aの面内に磁気異方性が付与されやすくなる。
薄膜磁石20を構成する非磁性体層103bは、Cr、Ru、Ti、Mo、Pt、Cu、W、Mo等の非磁性金属(以下では、非磁性体層103bを構成する非磁性金属と表記する。)により構成される。これらの中でも、非磁性体層103bを構成する非磁性金属は、CrまたはRuであることが好ましい。なお、複数の非磁性体層103bのうち、それぞれの非磁性体層103bを構成する非磁性金属は、互いに等しくてもよく、互いに異なっていてもよい。
また、非磁性体層103bの厚さは、硬磁性体層103aの厚さよりも薄く、0.1nm以上5nm以下の範囲である。非磁性体層103bの厚さが5nmよりも厚い場合、非磁性体層103bを介して対向する硬磁性体層103a同士の相互作用が弱くなり、薄膜磁石20により感受素子31に印加される磁界の強さが低下するおそれがある。
図1(b)に戻り、絶縁層104は、非磁性の絶縁体で構成され、薄膜磁石20と感受部30との間を電気的に絶縁する。絶縁層104を構成する絶縁体としては、SiO2、Al23、TiO2等の酸化物、又は、Si24、AlN等の窒化物等が挙げられる。絶縁層104の厚さは、例えば0.01μm〜50μmである。
感受部30における感受素子31は、長手方向に交差する方向、例えば直交する短手方向(幅方向)に一軸磁気異方性が付与されている。感受素子31を構成する軟磁性体(軟磁性体層105)としては、Coを主成分とした合金に高融点金属Nb、Ta、W等を添加したアモルファス合金(以下では、感受素子31を構成するCo合金と表記する。)を用いるのがよい。感受素子31を構成するCo合金としては、CoNbZr、CoFeTa、CoWZr等が挙げられる。感受素子31を構成する軟磁性体(軟磁性体層105)の厚さは、例えば0.5μm〜5μmである。
なお、長手方向に交差する方向とは、長手方向に対して45°を超えた角度を有すればよい。
密着層101、制御層102、硬磁性体層103aおよび非磁性体層103b(薄膜磁石20)、絶縁層104は、平面形状が四角形(図1(a)参照)になるように加工されている。そして、露出した側面のうち、対向する二つの側面において、薄膜磁石20がN極(図1(b)における(N))及びS極(図1(b)における(S))となっている。なお、薄膜磁石20のN極とS極とを結ぶ線が、感受部30における感受素子31の長手方向に向くようになっている。ここで、長手方向に向くとは、N極とS極とを結ぶ線と長手方向とがなす角度が45°未満であることをいう。なお、N極とS極とを結ぶ線と長手方向とがなす角度は、小さいほどよい。
磁気センサ1において、薄膜磁石20のN極から出た磁力線は、一旦磁気センサ1の外部に出る。そして、一部の磁力線が、ヨーク40aを介して感受素子31を透過し、ヨーク40bを介して再び外部にでる。そして、感受素子31を透過した磁力線が透過しない磁力線とともに薄膜磁石20のS極に戻る。つまり、薄膜磁石20は、感受素子31の長手方向に磁界を印加する。
なお、薄膜磁石20のN極とS極とをまとめて両磁極と表記し、N極とS極とを区別しない場合は磁極と表記する。
なお、図1(a)に示すように、ヨーク40(ヨーク40a、40b)は、基板10の表面側から見た形状が、感受部30に近づくにつれて狭くなっていくように構成されている。これは、感受部30に磁界を集中させる(磁力線を集める)ためである。つまり、感受部30における磁界を強くして感度のさらなる向上を図っている。なお、ヨーク40(ヨーク40a、40b)の感受部30に対向する部分の幅を狭くしなくてもよい。
ここで、ヨーク40(ヨーク40a、40b)と感受部30との間隔は、例えば1μm〜100μmであればよい。
ところで、薄膜磁石20の磁気特性は、薄膜磁石20を構成する硬磁性体の角型比(Mr/Ms)、保磁力(Hc)、硬磁性体の厚さ(T)等によって変化する。ここで、Mrは、硬磁性体の残留磁化であり、Msは、硬磁性体の飽和磁化である。
具体的には、薄膜磁石20により感受素子31に印加される磁界の強さは、薄膜磁石20を構成する硬磁性体の残留磁化(Mr)と厚さ(T)との積(MrT)に比例する。しかしながら、薄膜磁石20を構成する硬磁性体の厚さ(T)を単純に厚くすると、硬磁性体の角型比(Mr/Ms)が低下する傾向がある(後述する図3(a)も参照)。ここで、硬磁性体の飽和磁化(Ms)は、硬磁性体の種類(材質)によって所定の値をとる。したがって、薄膜磁石20を構成する硬磁性体の材質が同じ場合、薄膜磁石20を構成する硬磁性体の厚さ(T)を単純に厚くすると、硬磁性体の残留磁化(Mr)が低下する。この結果、薄膜磁石20を構成する硬磁性体の厚さ(T)を厚くした場合であっても、MrTは大きくならず、薄膜磁石20により感受素子31に印加される磁界の強さを大きくすることは困難である。
また、薄膜磁石20を構成する硬磁性体の厚さ(T)を単純に厚くすると、保磁力(Hc)が低下する傾向がある(後述する図3(b)も参照)。そして、薄膜磁石20を構成する硬磁性体の保磁力(Hc)が低い場合、磁気センサ1の周囲の磁界(外部磁界)の影響を受けて、薄膜磁石20の残留磁化(Mr)が低下するおそれがある。
図3(a)〜(b)は、薄膜磁石20を構成する硬磁性体(硬磁性体層103a)の厚さと、薄膜磁石20の磁気特性との関係を説明する図である。図3(a)は、薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103aの厚さと、薄膜磁石20の角型比(Mr/Ms)との関係を示している。図3(b)は、薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103aの厚さと、薄膜磁石20の保磁力(Hc)との関係を示している。
また、図3(a)〜(b)において、「単層」とは、薄膜磁石20が一層の硬磁性体によって構成される場合を示しており、「厚さ」は、この一層の硬磁性体の厚さを意味する。一方、図3(a)〜(b)において、「多層」とは、本実施の形態のように、薄膜磁石20が二層以上の硬磁性体層103aと、非磁性体層103bとが交互に積層されて構成される場合を示しており、「厚さ」は、薄膜磁石20を構成する複数の硬磁性体層103aの厚さの総和を意味する。
この例において、「単層」の薄膜磁石20は、CoCrTa(原子数比Co:Cr:Ta=90:8:2)からなる一層の硬磁性体により構成されている。また、「多層」の薄膜磁石20は、厚さ50nmのCoCrTa(原子数比Co:Cr:Ta=90:8:2)からなる硬磁性体層103aと、厚さ1nmのCrからなる非磁性体層103bとを交互に積層し、且つ最上層の非磁性体層103bのみが厚さ1nmのRuからなる構造を有している。なお、図3(a)〜(b)において「多層」のグラフに付している数字は、薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103aの層数である。
図3(a)に示すように、薄膜磁石20が一層の硬磁性体により構成される場合(単層)、硬磁性体の厚さが厚くなるに従い、保磁力(Hc)が低下している。
これに対し、薄膜磁石20が二層以上の硬磁性体層103aを有する場合(多層)、硬磁性体層103aの層数が増加し硬磁性体の厚さ(硬磁性体層103aの厚さの総和)が厚くなった場合であっても、保磁力(Hc)の低下が抑制されている。
同様に、図3(b)に示すように、薄膜磁石20が一層の硬磁性体により構成される場合(単層)、硬磁性体の厚さが厚くなるに従い、角型比(Mr/Ms)が低下している。
これに対し、薄膜磁石20が二層以上の硬磁性体層103aを有する場合(多層)、硬磁性体層103aの層数が増加し硬磁性体の厚さ(硬磁性体層103aの厚さの総和、T)が厚くなった場合であっても、角型比(Mr/Ms)の低下が抑制されている。
このように、本実施の形態の磁気センサ1では、薄膜磁石20が二層以上の硬磁性体層103aと非磁性体層103bとが交互に積層された構造を有することで、保磁力(Hc)および角型比(Mr/Ms)の低下を抑制しながら、硬磁性体の厚さ(硬磁性体層103aの厚さの総和、T)を大きくすることができる。
この結果、本実施の形態の磁気センサ1では、薄膜磁石20を構成する硬磁性体の残留磁化(Mr)と厚さ(T)との積(MrT)を大きくすることができ、薄膜磁石20により感受素子31に印加される磁界の強さを大きくすることが可能となる。また、本実施の形態の磁気センサ1では、薄膜磁石20の保磁力(Hc)の低下を抑制することで、外部磁界の影響によって薄膜磁石20の残留磁化(Mr)が低下することを抑制できる。
[磁気センサ1の製造方法]
次に磁気センサ1の製造方法の一例を説明する。
図4(a)〜(d)および図5(a)〜(d)は、磁気センサ1の製造方法の一例を説明する図である。図4(a)〜(d)および図5(a)〜(d)は、磁気センサ1の製造方法における工程を示す。なお、図4(a)〜(d)および図5(a)〜(d)は、代表的な工程であって、他の工程を含んでいてもよい。そして、工程は、図4(a)〜(d)、図5(a)〜(d)の順に進む。図4(a)〜(d)および図5(a)〜(d)は、図1(a)のIB−IB線での断面図に対応する。
基板10は、前述したように、非磁性材料からなる基板であって、例えばガラス、サファイアといった酸化物基板やシリコン等の半導体基板、あるいは、アルミニウム、ステンレススティール、ニッケルリンメッキを施した金属等の金属基板である。基板10には、研磨機などを用いて、例えば曲率半径Raが0.1nm〜100nmの筋状の溝又は筋状の凹凸が設けられていてもよい。なお、この筋状の溝又は筋状の凹凸の筋の方向は、硬磁性体層103aおよび非磁性体層103bによって構成される薄膜磁石20のN極とS極とを結ぶ方向に設けられているとよい。このようにすることで、硬磁性体層103aにおける結晶成長が、溝の方向へ促進される。よって、硬磁性体層103aおよび非磁性体層103bにより構成される薄膜磁石20の磁化容易軸がより溝方向(薄膜磁石20のN極とS極とを結ぶ方向)に向きやすい。つまり、薄膜磁石20の着磁をより容易にする。
ここでは、基板10は、一例として直径約95mm、厚さ約0.5mmのガラスとして説明する。磁気センサ1の平面形状が数mm角である場合、基板10上には、複数の磁気センサ1が一括して製造され、後に個々の磁気センサ1に分割(切断)される。図4(a)〜(d)および図5(a)〜(d)では、中央に表記する一個の磁気センサ1に着目するが、左右に隣接する磁気センサ1の一部を合わせて示す。なお、隣接する磁気センサ1間の境界を一点鎖線で示す。
図4(a)に示すように、基板10を洗浄した後、基板10の一方の面(以下、表面と表記する。)上に、密着層101、制御層102を順に成膜(体積)する。
まず、Cr又はNiを含む合金である密着層101、Cr等を含む合金である制御層102を順に連続して成膜(堆積)する。この成膜は、スパッタリング法などにより行うことができる。それぞれの材料で形成された複数のターゲットに順に対面するように、基板10を移動させることで密着層101及び制御層102が基板10上に順に積層される。前述したように、制御層102の形成では、結晶成長を促進するために、基板10を例えば100℃〜600℃に加熱するとよい。
なお、密着層101の成膜では、基板10の加熱を行ってもよく、行わなくてもよい。基板10の表面に吸着している水分などを除去するために、密着層101を成膜する前に、基板10を加熱してもよい。
次に、図4(b)〜(c)に示すように、制御層102の成膜に続けて、硬磁性体層103aを構成するCo合金と、非磁性体層103bを構成する非磁性金属とを、予め定められた回数だけ、交互に成膜する。この成膜は、スパッタリング法などにより行える。硬磁性体層103aの材料で形成されたターゲットと非磁性体層103bの材料で形成されたターゲットとに交互に対面するように、基板10を移動させることで、制御層102上に、硬磁性体層103aと非磁性体層103bとが交互に積層される。前述したように、硬磁性体層103aおよび非磁性体層103bの成膜は、硬磁性体層103aの結晶成長を促進するために、基板10を例えば100℃〜600℃に加熱するとよい。
この例では、硬磁性体層103aと非磁性体層103bとを、交互に4層ずつ成膜している。付言すると、この例では、非磁性体層103bが最上層となるように、硬磁性体層103aおよび非磁性体層103bを成膜している。これにより、例えば硬磁性体層103aおよび非磁性体層103bの成膜後、絶縁層104を成膜する前に、基板10をスパッタリング装置等の外へ露出させた場合に、硬磁性体層103aが酸化することが抑制される。
硬磁性体層103aの酸化のおそれがない場合等では、非磁性体層103bを設けずに硬磁性体層103aが最上層になるようにしてもよい。
次に、図4(d)に示すように、SiO2、Al23、TiO2等の酸化物、又は、Si24、AlN等の窒化物等である絶縁層104を成膜(堆積)する。絶縁層104の成膜は、プラズマCVD法、反応性スパッタリング法などにより行える。
そして、図5(a)に示すように、感受部30が形成される部分及びヨーク40(ヨーク40a、40b)が形成される部分を開口とするフォトレジストによるパターン(レジストパターン)111を、公知のフォトリソグラフィ技術により形成する。
そして、図5(b)に示すように、感受素子31を構成するCo合金である軟磁性体層105を成膜(堆積)する。軟磁性体層105の成膜は、例えばスパッタリング法を用いて行える。
図5(c)に示すように、レジストパターン111を除去するとともに、レジストパターン111上の軟磁性体層105を除去(リフトオフ)する。これにより、軟磁性体層105による感受部30及びヨーク40(ヨーク40a、40b)が形成される。つまり、感受部30とヨーク40とが、1回の軟磁性体層105の成膜で形成される。この感受部30を形成する工程を、感受部形成工程と呼ぶ。なお、感受部形成工程には、軟磁性体層105を形成する工程又は/及びヨーク40を形成する工程が含まれていてもよい。
この後、軟磁性体層105には、感受部30における感受素子31の幅方向に一軸磁気異方性を付与する。この軟磁性体層105への一軸磁気異方性の付与は、例えば3kG(0.3T)の回転磁場中における400℃での熱処理(回転磁場中熱処理)と、それに引き続く3kG(0.3T)の静磁場中における400℃での熱処理(静磁場中熱処理)とで行える。この時、ヨーク40を構成する軟磁性体層105にも同様の一軸磁気異方性が付与される。しかし、ヨーク40は、磁気回路としての役割を果たせばよく、一軸磁気異方性が付与されてもよい。
次に、薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103aを着磁する。硬磁性体層103aに対する着磁は、静磁場中又はパルス状の磁場中において、硬磁性体層103aの保磁力より大きい磁界を、硬磁性体層103aの磁化が飽和するまで印加することで行える。なお、上述した薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103aおよび非磁性体層103bを成膜する工程、および硬磁性体層103aを着磁する工程は、磁気異方性が面内方向に制御された薄膜磁石20を形成するための工程であるから、これらを併せて、薄膜磁石形成工程と呼ぶことがある。
この後、図5(d)に示すように、基板10上に形成された複数の磁気センサ1を個々の磁気センサ1に分割(切断)する。つまり、図1(a)の平面図に示したように、平面形状が四角形になるように、基板10、密着層101、制御層102、硬磁性体層103a、非磁性体層103b、絶縁層104及び軟磁性体層105を切断する。すると、分割(切断)された硬磁性体層103aおよび非磁性体層103bの側面に薄膜磁石20の磁極(N極及びS極)が露出する。こうして、着磁された硬磁性体層103aは、薄膜磁石20になる。この分割(切断)は、ダイシング法やレーザカッティング法などにより行える。
なお、図5(d)の複数の磁気センサ1を個々の磁気センサ1に分割する工程の前に、基板10上において隣接する磁気センサ1の間の密着層101、制御層102、硬磁性体層103a、非磁性体層103b及び絶縁層104を、平面形状が四角形(図1(a)に示した磁気センサ1の平面形状)になるようにエッチング除去してもよい。そして、露出した基板10を分割(切断)してもよい。
また、図4(a)〜(d)の積層体を形成する工程の後に、密着層101、制御層102、硬磁性体層103a、非磁性体層103b及び絶縁層104を、平面形状が四角形(図1(a)に示した磁気センサ1の平面形状)になるように加工してもよい。
なお、図4(a)〜(d)および図5(a)〜(d)に示した製造方法は、これらの製造方法に比べ、工程が簡略化される。
このようにして、磁気センサ1が製造される。なお、軟磁性体層105への一軸異方性の付与及び/又は薄膜磁石20の着磁は、図5(d)の磁気センサ1を個々の磁気センサ1に分割する工程の後に、磁気センサ1毎又は複数の磁気センサ1に対して行ってもよい。
なお、制御層102を備えない場合には、複数の硬磁性体層103aを成膜後、800℃以上に加熱して結晶成長させることで、面内に磁気異方性を付与することが必要となる。しかし、第1の実施の形態が適用される磁気センサ1のように、制御層102を備える場合には、制御層102により結晶成長が促進されるため、800℃以上のような高温による結晶成長を要しない。
また、感受部30の感受素子31への一軸異方性の付与は、上記の回転磁場中熱処理及び静磁場中熱処理で行う代わりに、感受素子31を構成するCo合金である軟磁性体層105の堆積時にマグネトロンスパッタリング法を用いて行ってもよい。マグネトロンスパッタリング法では、磁石(マグネット)を用いて磁界を形成し、放電によって発生した電子をターゲットの表面に閉じ込める(集中させる)。これにより、電子とガスとの衝突確率を増加させてガスの電離を促進し、膜の堆積速度(成膜速度)を向上させる。このマグネトロンスパッタリング法に用いられる磁石(マグネット)が形成する磁界により、軟磁性体層105の堆積と同時に、軟磁性体層105に一軸異方性が付与される。このようにすることで、回転磁場中熱処理及び静磁場中熱処理で行う一軸異方性を付与する工程が省略できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形を行っても構わない。
1…磁気センサ、10…基板、20…薄膜磁石、30…感受部、31…感受素子、32…接続部、33…端子部、40、40a、40b…ヨーク、101…密着層、102…制御層、103a…硬磁性体層、103b…非磁性体層、104…絶縁層、105…軟磁性体層
図1(b)に戻り、絶縁層104は、非磁性の絶縁体で構成され、薄膜磁石20と感受部30との間を電気的に絶縁する。絶縁層104を構成する絶縁体としては、SiO2、Al23、TiO2等の酸化物、又は、Si 3 4 、AlN等の窒化物等が挙げられる。絶縁層104の厚さは、例えば0.01μm〜50μmである。
磁気センサ1において、薄膜磁石20のN極から出た磁力線は、一旦磁気センサ1の外部に出る。そして、一部の磁力線が、ヨーク40aを介して感受素子31を透過し、ヨーク40bを介して再び外部にでる。そして、感受素子31を透過した磁力線が、感受素子31を透過しない磁力線とともに薄膜磁石20のS極に戻る。つまり、薄膜磁石20は、感受素子31の長手方向に磁界を印加する。
なお、薄膜磁石20のN極とS極とをまとめて両磁極と表記し、N極とS極とを区別しない場合は磁極と表記する。
図3(a)〜(b)は、薄膜磁石20を構成する硬磁性体(硬磁性体層103a)の厚さと、薄膜磁石20の磁気特性との関係を説明する図である。図3(a)は、薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103aの厚さと、薄膜磁石20の保磁力(Hc)との関係を示している。図3(b)は、薄膜磁石20を構成する硬磁性体層103aの厚さと、薄膜磁石20の角型比(Mr/Ms)との関係を示している。
次に、図4(d)に示すように、SiO2、Al23、TiO2等の酸化物、又は、Si 3 4 、AlN等の窒化物等である絶縁層104を成膜(堆積)する。絶縁層104の成膜は、プラズマCVD法、反応性スパッタリング法などにより行える。

Claims (7)

  1. Coを含む硬磁性体で構成される2層以上の硬磁性体層と、非磁性体で構成され厚さが当該硬磁性体層の厚さ以下である非磁性体層とが交互に積層され、面内方向に磁気異方性を有する薄膜磁石と、
    軟磁性体で構成されるとともに、前記薄膜磁石に対向して配置され、長手方向と短手方向とを有し、当該長手方向が当該薄膜磁石の発生する磁界の方向を向くとともに、当該長手方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有し、磁気インピーダンス効果により磁界を感受する感受素子と
    を備える磁気センサ。
  2. 前記薄膜磁石の前記硬磁性体層は、Coに加えて、Cr、Ta、Pt、Ru、Ni、W、B、V、Cuから選択される少なくとも1つの金属を含む硬磁性体で構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記薄膜磁石の前記硬磁性体層は、CoCrTaまたはCoCrNiからなる硬磁性体で構成されることを特徴とする請求項2に記載の磁気センサ。
  4. 前記薄膜磁石は、それぞれの前記硬磁性体層の厚さが150nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  5. 前記薄膜磁石は、前記感受素子に対向する面が前記非磁性体層により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  6. 非磁性の基板上に、Coを含む硬磁性体からなる2層以上の硬磁性体層と、非磁性体からなる非磁性体層とを交互に積層して、磁気異方性が面内方向に制御された薄膜磁石を形成する薄膜磁石形成工程と、
    前記薄膜磁石の発生する磁束が透過する方向と交差する方向に一軸磁気異方性を有する感受素子を備える感受部を形成する感受部形成工程と、
    を含む、磁気センサの製造方法。
  7. 前記薄膜磁石形成工程は、前記非磁性体層が最上層となるように、前記硬磁性体層と当該非磁性体層とを交互に積層することを特徴とする請求項6に記載の磁気センサの製造方法。
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