JP2020059884A - 銅系焼結摺動部材 - Google Patents

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雄貴 鴨
公彦 安藤
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【課題】本発明は、高い耐摩耗性を有する摺動部材を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、純銅と黒鉛とからなるマトリックスに硬質粒子が分散している銅系焼結摺動部材であって、前記硬質粒子は、純銅とNi−Si金属間化合物からなる基地にMo−Fe−Si系金属間化合物からなる硬質相を含み、前記黒鉛の含有量が、前記銅系焼結摺動部材の質量を基準として5質量%以下であり、前記硬質粒子の含有量が、前記銅系焼結摺動部材の質量を基準として5質量%〜50質量%である、銅系焼結摺動部材に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、銅系焼結摺動部材に関する。
自動車では、エンジン、トランスミッション等の様々な機器に摺動部材が用いられている。このような摺動部材の中で、高温且つ厳しい摺動環境にさらされるエンジン用バルブシートやバルブガイドには、バルブと接触することでシール性を確保する役割があり、高い耐摩耗性が要求される。
例えば特許文献1には、焼結により形成された銅系摺動材料において、硬さの異なるCu又はCu合金相を2相以上有し、そのうち最軟質相を除く少なくとも1相には平均粒径が0.1〜10μmの硬質粒子が銅系摺動材料全体の0.1〜10体積%分散し、最軟質相のビッカース硬さをH1、前記硬質粒子を含んだ最硬質相のビッカース硬さをH2としたとき、(H2/H1)≧1.2であることを特徴とする銅系摺動材料が開示されている。
しかし、特許文献1に開示される銅系摺動材料では、銅マトリックス及び硬質粒子を含む硬質相が摺動相手材と凝着し、これらが凝着摩耗してしまう。
特開2002−38235号公報
前記の通り、従来の銅系摺動部材では、エンジン用バルブシートやバルブガイド等の高温且つ厳しい摺動環境にさらされる摺動部材において、耐摩耗性が十分ではない場合があった。それ故、本発明は、高い耐摩耗性を有する摺動部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、銅系焼結摺動部材において、黒鉛を用い、さらに、特定の組成を有する硬質粒子をマトリックスに分散させることにより、耐摩耗性が向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)純銅と黒鉛とからなるマトリックスに硬質粒子が分散している銅系焼結摺動部材であって、前記硬質粒子は、純銅とNi−Si金属間化合物からなる基地にMo−Fe−Si系金属間化合物からなる硬質相を含み、前記黒鉛の含有量が、前記銅系焼結摺動部材の質量を基準として5質量%以下であり、前記硬質粒子の含有量が、前記銅系焼結摺動部材の質量を基準として5質量%〜50質量%である、銅系焼結摺動部材。
本発明により、高い耐摩耗性を有する摺動部材を提供することが可能となる。
本発明の銅系焼結摺動部材の一実施形態を示す図である。 本発明の硬質粒子の一実施形態を示す図である。 実施例3の試験片の断面組織写真である。 実施例3の試験片の断面組織写真において、硬質粒子部分の拡大写真である。 実施例における、耐摩耗性の試験装置を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本発明の銅系焼結摺動部材は、純銅(以下、純銅マトリックスとも記載する。)と黒鉛とからなるマトリックスに硬質粒子が分散している。図1は、本発明の銅系焼結摺動部材の一実施形態を示す。図1において、銅系焼結摺動部材10は、純銅マトリックス11と黒鉛13とからなるマトリックスに硬質粒子12が分散している。
マトリックスは、純銅と黒鉛とからなる。黒鉛は、好ましくはマトリックス中で純銅に分散している。よって、本発明の摺動部材においては、硬質粒子及び黒鉛が純銅マトリックスに分散しているともいえる。黒鉛を純銅マトリックスに分散させることで、マトリックスの潤滑性が向上し、耐凝着摩耗性が向上する
摺動部材中の黒鉛の含有量は、摺動部材の質量を基準として5質量%以下である。黒鉛の含有量が5質量%以下であると成形性が良好である。
純銅は、マトリックスの主成分であり、マトリックスから黒鉛を除いた残部である。純銅の純度は、好ましくは99.0質量%以上であり、より好ましくは99.5質量%以上である。
純銅は、摺動部材の主成分でもあり、摺動部材から黒鉛及び硬質粒子を除いた残部である。摺動部材中のマトリックスを構成する純銅の含有量は、摺動部材の全体量から黒鉛及び硬質粒子の含有量を差引いた残部である。なお、マトリックスを構成する純銅の含有量には、硬質粒子の基地を構成する純銅の含有量は含まれない。また、摺動部材には、純銅、黒鉛及び硬質粒子以外に、銅系焼結摺動部材の製造において含まれることが避けられない不可避不純物、例えば、Co、Pb、Al、P、S、Sn、Zn、Bi、Sb等が含まれ得る。不可避不純物の含有量は、通常1.0質量%以下である。
硬質粒子は、純銅とNi−Si金属間化合物からなる基地に、Mo−Fe−Si系金属間化合物からなる硬質相を含む。図2は、本発明の硬質粒子の一実施形態を示す。硬質粒子は、純銅21とNi−Si金属間化合物22(図2中、網目部分)からなる基地に、Mo−Fe−Si系金属間化合物23からなる硬質相を含む。
硬質粒子において、基地は、純銅とNi−Si金属間化合物からなる。基地に用いる純銅は、黒鉛が純銅に拡散せず、黒鉛と共存できる点で好ましい。
Ni−Si金属間化合物は、好ましくは、硬質粒子中で析出している。Ni−Si金属間化合物が硬質粒子中で析出することにより、硬質粒子中の基地の耐凝着性が向上する。これは、Cu−Sn、Cu−Zn、Cu−Ni等の固溶強化型のものを用いた基地の場合、耐凝着性は、摺動面の酸化膜の存在によって達成されるため、摺動時に酸化膜が破壊されてなくなると、摺動面と相手材が金属接触し、凝着が発生し、摩耗が大幅に増大するが、本発明では、析出型のNi−Si金属間化合物を用いることにより、酸化膜の存在によらずに、高い耐摩耗性が得られるためであると考えられる。
Ni−Si金属間化合物は、例えばNiSi金属間化合物、NiSi金属間化合物、NiSi金属間化合物、NiSi金属間化合物であり、好ましくはNiSi金属間化合物である。
硬質粒子において、硬質相は、Mo−Fe−Si系金属間化合物からなる。好ましくは、Mo−Fe−Si系金属間化合物からなる硬質相は基地に分散している。
Mo−Fe−Si系金属間化合物は、好ましくはMo−Fe−Si又はMo−Fe−Si−Nb−Cである。
硬質粒子において、その組成は、好ましくは、Ni:5質量%〜30質量%、Mo:3質量%〜20質量%、Fe:3質量%〜15質量%、Si:0.5質量%〜5質量%、Nb:0質量%〜5.0質量%、C:0質量%〜0.5質量%、及び残部のCuである。
摺動部材中の硬質粒子の含有量は、摺動部材の質量を基準として5質量%〜50質量%であり、好ましくは20質量%〜50質量%である。硬質粒子の含有量が5質量%以上であると十分な耐摩耗性向上効果が得られ、また、50質量%以下であると十分な成形性が得られる。
本発明の摺動部材は、純銅粉末と、黒鉛粉末と、硬質粒子粉末とを混合し、成形し、焼結して得られる銅系焼結体である。
原料の純銅粉末は、例えば水アトマイズにより調製できる。純銅粉末の粒径は、通常44μm〜250μmである。粒径は、例えば電子顕微鏡によって測定できる。
原料の硬質粒子粉末は、例えば純銅粉末、Ni粉末、Mo粉末、Fe粉末、Si粉末及び場合により他の元素の粉末を混合し、ガスアトマイズにより調製できる。硬質粒子粉末の粒径は、通常44μm〜250μmである。
本発明の摺動部材は、例えば、5質量%以下の黒鉛粉末と、5質量%〜50質量%の硬質粒子粉末と、残部の純銅粉末とを混合し、成形し、その後焼成することで得られる。成形条件は、特に限定されずに、例えば温度700℃〜1000℃、成形面圧500MPa〜1000MPaである。焼成条件は、特に限定されずに、例えばN雰囲気で、焼結温度700℃〜1000℃、焼結時間0.5時間〜2時間である。
本発明の摺動部材は、高い耐摩耗性を有するため、自動車等のエンジンのバルブガイド及びバルブシートに好適に利用される。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
材料の製造
純銅粉末は、水アトマイズにより製造し、粒径44μm〜250μmの範囲に分級した。
硬質粒子として、Cu−10Ni−9Fe−7Mo−3Si−1Nb−0.1C及びCu−10Ni−9Fe−9Mo−2Siの組成の硬質粒子粉末をガスアトマイズにより製造し、粒径44μm〜250μmの範囲に分級した。なお、元素記号の前の数字は含有量(質量%)を示す。具体的には、Cu−10Ni−9Fe−7Mo−3Si−1Nb−0.1Cは、純銅粉末、Ni粉末、Mo粉末、Fe粉末、Si粉末、Nb粉末、黒鉛粉末を混合し、ガスアトマイズにより製造した。また、Cu−10Ni−9Fe−9Mo−2Siは、純銅粉末、Ni粉末、Mo粉末、Fe粉末、Si粉末を混合し、ガスアトマイズにより製造した。
実施例1
硬質粒子粉末50重量%、黒鉛粉末1重量%及び残部の純銅粉末を混合し、成形面圧784MPaで成形し、N雰囲気で、800℃で60分間焼結して、摩耗試験用の試験片(エンジンバルブ)を作製した。
実施例2〜9及び比較例1〜8
表1に示すマトリックス材及び硬質粒子を用い、材料の量を表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜9及び比較例1〜2の試験片を得た。また、表1に示すマトリックス材を用い、硬質粒子を用いずに、材料の量を表1に示す通りにした以外は実施例1と同様にして、比較例3〜8の試験片を得た。
実施例3の試験片の組織断面を光学顕微鏡で観察した。これらの結果を、図3及び図4に示す。図3は、実施例3の試験片の断面組織写真であり、図4は、実施例3の試験片の断面組織写真において、硬質粒子部分の拡大写真である。図3及び図4より、本発明の摺動部材において、硬質粒子は、純銅と黒鉛とからなるマトリックスに分散しており、また、マトリックス中で、黒鉛は純銅マトリックスに分散している。また、図4より、硬質粒子において、Mo−Fe−Si系金属間化合物(図中、Mo−Fe−Siと記載した)は、純銅とNiSiからなる基地に分散しており、また、NiSiは析出している。
実施例1〜9及び比較例1〜8の試験片をエンジンバルブに用いて、図5に示す試験装置を用いて耐摩耗性を調べた。具体的には、プロパンガスバーナー5を加熱源に用い、肉盛合金4が肉盛されたバルブフェース2と、Fe系焼結材料からなるバルブシート3との摺動部をプロパンガス燃焼雰囲気とした。バルブシート3の温度を300℃に制御し、スプリング6によりバルブフェース2とバルブシート3との接触時に18kgfの荷重を付与し、2000回/分の割合でバルブフェース2とバルブシート3を接触させて8時間の摩耗試験を行った。この摩耗試験において、基準位置Pからのバルブ沈み量を測定した。このバルブ沈み量は、エンジンバルブ1がバルブシート3と接触することによって双方が摩耗した摩耗量(摩耗深さ)に相当するものである。この結果を表1に示す。
表1より、硬質粒子及び黒鉛を用いることにより、耐摩耗性が有意に高くなった。また、高い耐摩耗性及び成形性を両立するという観点から、硬質粒子及び黒鉛の含有量には好ましい範囲があり、具体的には、硬質粒子の含有量は5質量%〜50質量%が好ましく、黒鉛の量は5質量%以下が好ましいことが示された。
10:銅系焼結摺動部材、11:純銅マトリックス、12:硬質粒子、13:黒鉛、21:純銅、22:Ni−Si金属間化合物、23:Mo−Fe−Si系金属間化合物、1:エンジンバルブ、2:バルブフェース、3:バルブシート、4:肉盛合金、5:プロパンガスバーナー、6:スプリング

Claims (1)

  1. 純銅と黒鉛とからなるマトリックスに硬質粒子が分散している銅系焼結摺動部材であって、前記硬質粒子は、純銅とNi−Si金属間化合物からなる基地にMo−Fe−Si系金属間化合物からなる硬質相を含み、前記黒鉛の含有量が、前記銅系焼結摺動部材の質量を基準として5質量%以下であり、前記硬質粒子の含有量が、前記銅系焼結摺動部材の質量を基準として5質量%〜50質量%である、銅系焼結摺動部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7406845B2 (ja) 2021-05-26 2023-12-28 國立清華大學 高強度耐摩耗多元系銅合金

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