JP2020059481A - 車両用スライドドア装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】よりデザイン自由度の高い車両用スライドドア装置を提供すること。【解決手段】スライドドア装置20は、車両前後方向に延びるガイド部材11と、その延伸方向に沿って連結位置を変更可能な状態でガイド部材11に連結される連結部材12と、この連結部材12に固定されることにより当該連結部材12及びガイド部材11を介してスライドドア5を車体2に支持する支持部材13と、を備える。そして、支持部材13には、ガイド部材11と連結部材12との間の連結位置の変更に依らず、スライドドア5を車幅方向に変位可能な伸縮機構21が設けられる。【選択図】図1
Description
本発明は、車両用スライドドア装置に関するものである。
一般に、車両用のスライドドア装置は、車両前後方向に延びるガイド部材(ガイドレール)と、その延伸方向に沿って連結位置を変更可能な状態でガイド部材に連結される連結部材(ガイドローラユニット)と、を備えている。そして、これらガイド部材及び連結部材を介して車体にスライドドアを支持することにより、そのガイド部材の延伸方向に沿ったスライドドアの前後移動に基づいて、車体の側面に形成された車両のドア開口部を開閉することが可能となっている。
また、通常、このようなスライドドア装置のガイド部材は、例えば、特許文献1に示すように、その延伸方向の一端側が車幅方向に湾曲した形状を有している。即ち、スライドドアの開閉動作時、その延伸方向に沿った連結位置の変更によりガイド部材に設定された湾曲部を連結部材が通過することで、これらのガイド部材及び連結部材を介して車体に支持されたスライドドアが車幅方向に変位する。そして、これにより、その車両前後方向に開閉動作するスライドドアを、車体に干渉させることなく、その車体の側面と面一になる状態で全閉位置に配置することが可能になっている。
ところが、このようなガイド部材をドア開口部の周縁に配置することで、そのスライドドアの閉動作方向に向かって車幅方向内側に延びる湾曲部、及びスライドドアの全閉位置において当該ガイド部材に連結された連結部材の収容スペースが車室空間を侵食することになる。
この点を踏まえ、例えば、特許文献2に記載のスライドドア装置において、ドア開口部の下縁に配置されるガイド部材(ロアレール)には、車幅方向に並んで車両前後方向に延びる第1及び第2のガイド部(ガイドローラ係合部)が設けられている。また、連結部材(ロアローラユニット)側には、スライドドアに対して回動自在に連結される支持アームと、この支持アームに回動可能に支持された状態で上記第1及び第2のガイド部に対して独立に係合される第1及び第2の連結部(第1及び第2のローラ支持部)と、が設けられている。そして、ガイド部材は、その車幅方向に並ぶ第1及び第2のガイドの幅方向間隔が、スライドドアが閉動作する方向の端部側において縮まるように構成されている。
即ち、このような構成を採用することにより、そのスライドドアに連結された支持アームをより大きく回動させることができる。そして、これにより、そのスライドドアを車幅方向に大きく変位させることができるとともに、併せて、そのガイド部材や連結部材の配置スペースを小さく抑えることができる。
しかしながら、近年、車両においては、基本性能はもとより、そのデザイン性の高さがより一層、重要なものとなっている。そして、これにより、スライドドア装置においてもまた、より高いデザイン自由度が要求されることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、よりデザイン自由度の高い車両用スライドドア装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置は、車両前後方向に延びるガイド部材と、前記ガイド部材の延伸方向に沿って連結位置を変更可能な状態で該ガイド部材に連結される連結部材と、前記連結部材と固定されることにより該連結部材及び前記ガイド部材を介してスライドドアを車体に支持する支持部材と、を備えるとともに、前記支持部材には、前記連結位置の変更に依らず前記スライドドアを車幅方向に変位可能な伸縮機構が設けられる。
上記構成によれば、ガイド部材に湾曲部を設定することなく、スライドドアを車幅方向に変位させることができる。そして、これにより、ガイド部材の設置による車室空間の侵食を抑えることができるとともに、併せて、その配置自由度を高めることができる。更に、車幅方向の変位機能を支持部材が担うことで、ガイド部材及び連結部材の設計自由度が高くなる。その結果、より高いデザイン自由度を確保することができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記ガイド部材には、パイプレールが用いられることが好ましい。
上記構成によれば、ガイド部材の剛性を確保しつつ、その軽量化を図ることができる。そして、その構造の単純化により、製造コストの低減を図ることができる。
上記構成によれば、ガイド部材の剛性を確保しつつ、その軽量化を図ることができる。そして、その構造の単純化により、製造コストの低減を図ることができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記連結部材は、前記パイプレールの周面に摺接する状態で該パイプレールに嵌合する嵌合連結部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、高い連結強度を確保することができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記連結部材は、前記パイプレールを上下方向に挟み込むローラー対を有したローラー連結部を備えることが好ましい。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記連結部材は、前記パイプレールを上下方向に挟み込むローラー対を有したローラー連結部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、ガイド部材としてのパイプレールを上下方向に挟み込む各ローラーの転動を伴いつつ、その連結部材の連結位置が変更される。そして、これにより、その連結部材の摺動抵抗を低減することができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記連結部材は、前記パイプレールの周方向に均等間隔で離間する3つのローラー部材を組として、該各ローラー部材を前記パイプレールの周面に摺接させるローラー摺接部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、パイプレールの周面に摺接する各ローラー部材の転動を伴いつつ、ガイド部材としてのパイプレールに対する連結部材の連結位置が変更される。そして、これにより、その連結部材の摺動抵抗を低減することができる。更に、これら3つのローラー部材が、そのパイプレールの周方向に均等間隔で離間した位置に摺接することで、安定的な連結状態を確保することができる。加えて、各ローラー部材の小径化が可能という利点がある。そして、これにより、高い連結強度を確保しつつ、その連結部材の小型化を図ることができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記ローラー摺接部は、前記各ローラー部材のうちの第1ローラー及び第2ローラーを保持する第1ブラケットと、残る第3ローラーを保持する第2ブラケットと、を備えるとともに、前記第3ローラーが前記パイプレールに対して摺接する該パイプレールの径方向において、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを締結してなることが好ましい。
上記構成によれば、組付け作業時、パイプレールの周面に第1ローラー及び第2ローラーを押し当てることにより、その第1ブラケットを安定的に保持した状態で、この第1ブラケットに第2ブラケットを連結することができる。更に、これら第1ブラケットと第2ブラケットとの間の締結力に基づいて、そのパイプレールと各ローラー部材との間のクリアランスを調整することができる。そして、これにより、そのパイプレールに対する最適な連結状態を確保することができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記第1ブラケットは、貫通孔を有した板形状をなし、前記貫通孔を挟んで離間した位置に前記第1ローラー及び第2ローラーの各支軸を有するとともに、前記第2ブラケットは、前記第1ローラー及び第2ローラーの各支軸が設けられた前記第1ブラケットの第1面とは反対側の第2面側から、前記貫通孔に前記第3ローラーを挿入する状態で、前記第1ブラケットと締結されることが好ましい。
上記構成によれば、第1ブラケットの第1面側に、各ローラー部材を集約して配置することができる。そして、これにより、連結部材の小型化と、パイプレールに対する組付け性の向上を図ることができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記ガイド部材は、前記スライドドアに固定され、前記支持部材は、前記スライドドアが設けられたドア開口部における開作動方向側の縁部に固定されることが好ましい。
即ち、スライドドア側にガイド部材を設けることにより、その車両外部への露出を抑えることができる。特に、車両用のドアには、車幅方向の厚みに制約があることから、湾曲部を必要としないガイド部材の利点を最大限に活かすことができる。また、スライドドアが開作動する方向におけるドア開口部の縁部に支持部材を固定することで、スライドドアが開状態にある場合においても、その車両外部への露出を抑えることができる。そして、これにより、優れたデザイン性を確保することができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置は、上下方向に離間して配置される複数の前記ガイド部材を備えることが好ましい。
上記構成によれば、より安定的に、スライドドアを車体に支持することができる。
上記構成によれば、より安定的に、スライドドアを車体に支持することができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置は、前記ガイド部材に対する前記連結部材の連結位置を変更することにより前記スライドドアを車両前後方向に移動させる第1の駆動装置と、前記伸縮機構を駆動することにより前記スライドドアを車幅方向に変位させる第2の駆動装置と、前記第1及び第2の駆動装置の作動を制御する制御装置と、を備えることが好ましい。
上記構成によれば、スライドドアの開閉軌跡を自在に設定することができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記支持部材は、支持ブラケットと、該支持ブラケットに連結されたリンク部材と、を備え、前記伸縮機構は、前記リンク部材が前記支持ブラケットに対する連結点の移動を伴いながら回動するリンク機構であって、前記第2の駆動装置は、前記連結点を移動させることにより前記リンク機構を車幅方向に伸縮させることが好ましい。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記支持部材は、支持ブラケットと、該支持ブラケットに連結されたリンク部材と、を備え、前記伸縮機構は、前記リンク部材が前記支持ブラケットに対する連結点の移動を伴いながら回動するリンク機構であって、前記第2の駆動装置は、前記連結点を移動させることにより前記リンク機構を車幅方向に伸縮させることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、安定的に、そのスライドドアを車幅方向に変位させることができる。更に、第2の駆動装置の小型化を図ることができる。そして、これにより、高いデザイン自由度を確保することができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記スライドドアの下端部が配置される前記車両の上下方向位置において車両前後方向に延びるロアガイド部材と、前記ロアガイド部材の延伸方向に沿って連結位置を変更可能な状態で前記ロアガイド部材に連結されるロア連結部材と、前記ロア連結部材と固定されることにより該ロア連結部材及び前記ロアガイド部材を介して前記スライドドアの下端部を前記車体の下端部に支持するロア支持部材と、を備えることが好ましい。
上記構成によれば、より安定的に、そのスライドドアを車体に支持することができる。特に、その上端部分が車幅方向に傾倒するようなスライドドアのふらつきを抑えることができる。そして、これにより、安定的なスライドドアの開閉動作を担保するとともに、併せて、その高い質感を確保することができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記ロア支持部材は、車両前後方向における前記ロア連結部材の移動を伴いながら該ロア連結部材を車幅方向に移動させる回動連結機構を有することが好ましい。
上記構成によれば、回動連結機構の動作に基づいて、その車幅方向の変位を伴いながら車両前後方向に移動するスライドドアの開閉動作軌跡を規定することができる。そして、これにより、安定的に、そのスライドドアを開閉操作することができる。
特に、手動による開閉操作時においては、利用者が意識することなく、そのスライドドアを適切な動作軌跡で開閉させることができるという利点がある。そして、これにより、利便性の向上を図ることができる。
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記回動連結機構は、平行リンクを用いて構成されることが好ましい。
上記構成によれば、車体の側方に支持されたスライドドアの姿勢を維持したまま、略平行に、このスライドドアを車幅方向に変位させることができる。その結果、簡素な構成にて、安定的なスライドドアの開閉動作姿勢を担保することができる。
上記構成によれば、車体の側方に支持されたスライドドアの姿勢を維持したまま、略平行に、このスライドドアを車幅方向に変位させることができる。その結果、簡素な構成にて、安定的なスライドドアの開閉動作姿勢を担保することができる。
本発明によれば、より高いデザイン自由度を確保することができる。
[第1の実施形態]
以下、車両用のスライドドア装置を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
以下、車両用のスライドドア装置を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の車両1は、車体2の側面に設けられたドア開口部3を開閉するスライドドア5を備えている。本実施形態の車両1において、このスライドドア5は、所謂後開き型の後部ドアとしての構成を有している。即ち、このスライドドア5は、車両後方側(各図中、左側)に移動することにより開作動する。そして、車両前方側(各図中、右側)に移動することにより閉作動する構成になっている。
詳述すると、本実施形態の車両1には、車両前後方向(各図中、左右方向)に延びる複数(本実施形態では2本)のガイド部材11(11A,11B)と、その延伸方向に沿って連結位置を変更可能な状態で各ガイド部材11に連結される複数の連結部材12(12A,12B)と、が設けられている。更に、本実施形態の車両1には、その各連結部材12と固定されることにより当該各連結部材12及び各ガイド部材11を介して、そのスライドドア5を車体2に支持する支持部材13が設けられている。そして、本実施形態の車両1においては、これにより、そのスライドドア5を開閉動作させることが可能なスライドドア装置20が形成されている。
具体的には、本実施形態のスライドドア装置20は、上下方向に離間した位置において略平行に配置される第1及び第2のガイド部材11A,11Bを備えている。本実施形態の車両1において、第1のガイド部材11Aは、スライドドア5に設けられた窓部5w下方の所謂ベルトライン付近に固定されている。また、第2のガイド部材11Bは、この第1のガイド部材11Aから下方に離間した位置において、そのスライドドア5に固定されている。更に、本実施形態の車両1においては、このスライドドア5が設けられたドア開口部3の後縁部3r、つまりは、その開作動方向側の縁部に対して、その支持部材13が固定されている。そして、本実施形態のスライドドア装置20は、この一つの支持部材13に対し、その第1のガイド部材11Aに連結された第1の連結部材12A及び第2のガイド部材11Bに連結された第2の連結部材12Bが固定される構成となっている。
また、図3及び図4に示すように、本実施形態の支持部材13には、車幅方向(各図中、左右方向)に伸縮する伸縮機構21が設けられている。具体的には、本実施形態の支持部材13は、ドア開口部3の後縁部3rに固定される車体側支持ブラケット23と、各連結部材12(12A,12B)が固定されるドア側支持ブラケット24と、を備えている。更に、これらの車体側支持ブラケット23及びドア側支持ブラケット24は、Xリンク25を介して連結されている。そして、本実施形態のスライドドア装置20は、このXリンク25が伸縮することにより、そのガイド部材11と各連結部材12との間の連結位置の変更に依らず、これらの各ガイド部材11及び各連結部材12、並びに支持部材13を介して車体2の側方に支持するスライドドア5を、その車幅方向に変位させることが可能となっている。
即ち、図3に示すように、本実施形態の支持部材13は、その伸縮機構21を構成するリンク機構としてのXリンク25が車幅方向に収縮することにより、車体2に近接した車幅方向内側(図3中、左側)の位置にスライドドア5を変位させる。そして、本実施形態のスライドドア装置20は、これにより、そのドア開口部3を閉塞する状態(閉状態)にあるスライドドア5を、車体2の外側面と略面一に配置することが可能になっている。
また、図4に示すように、本実施形態の支持部材13は、そのXリンク25が車幅方向に伸張することにより、車体2から離間した車幅方向外側(図4中、右側)の位置にスライドドア5を変位させる。そして、本実施形態のスライドドア装置20は、これにより、スライドドア5によるドア開口部3の閉塞が解除された開状態において、車体2に干渉することなく、そのスライドドア5を車両前後方向に移動させることが構成になっている。
さらに詳述すると、図5〜図7に示すように、本実施形態のスライドドア装置20において、各ガイド部材11は、中空略丸棒状の外形を有したパイプレール31としての構成を有している。また、本実施形態のスライドドア装置20は、各ガイド部材11の長手方向端部を支持する複数のレールブラケット32(32f,32r)を備えている。更に、本実施形態の各ガイド部材11は、これらの各レールブラケット32を介してスライドドア5に固定されることにより車両前後方向に沿って略直線的に延びている。そして、本実施形態の連結部材12は、それぞれ、その周面に摺接する状態で、このパイプレール31に嵌合する嵌合連結部33を備えている。
図3〜図6に示すように、本実施形態の連結部材12は、略L字状の折曲板形状を有した固定ブラケット35と、この固定ブラケット35に接続された略コ字状の折曲板形状(図5(b)参照)を有した連結ブラケット36と、を備えている。
具体的には、本実施形態の固定ブラケット35は、上下方向に延びる立板部35aと、この立板部35aに連続して車幅方向外側に延びる天板部35bと、を備えている。そして、本実施形態の連結部材12は、その立板部35aが支持部材13に固定された状態で、支持部材13の先端に支持される構成になっている。
また、図5〜図7に示すように、本実施形態の連結ブラケット36は、その車両前後方向に対向する側壁部36f,36rが固定ブラケット35の天板部35bに対して略直交する状態で連結されている。更に、図7(a)(b)に示すように、これらの各側壁部36f,36rには、それぞれ、互いに対向する孔部37が形成されている。そして、本実施形態の連結部材12は、これらの各孔部37に対し、筒状の摺接部材(ブッシュ)38を嵌着することにより、そのガイド部材11を構成するパイプレール31に対する嵌合連結部33が形成されている。
具体的には、本実施形態の連結部材12において、これらの各摺接部材38は、摺動抵抗の小さな樹脂材を用いて形成されている。更に、本実施形態のガイド部材11は、各摺接部材38の内周に摺接する状態で、これらの各摺接部材38が嵌着された各孔部37に挿通される。そして、本実施形態のスライドドア装置20は、これにより、ガイド部材11の延伸方向に沿った連結位置を変更可能な状態で、そのガイド部材11を構成するパイプレール31と連結部材12とが連結される構成になっている。
即ち、図5(a)(b)及び図6(a)に示すように、本実施形態のスライドドア装置20において、スライドドア5が閉状態にある場合、各連結部材12(12A,12B)は、それぞれ、車両後方のレールブラケット32r近傍の位置において、その対応する各ガイド部材11(11A,11B)に連結されている。また、図6(b)に示すように、スライドドア5が開状態にある場合には、その各ガイド部材11に対する各連結部材12の連結位置を、車両後方のレールブラケット32r側から車両前方のレールブラケット32f側に、或いは、車両後方のレールブラケット32f側から車両後方のレールブラケット32r側に変更することが可能になっている。尚、図6中の一点鎖線Lは、各連結部材12が支持部材13により車体2の側方に支持される位置、つまりは、スライドドア5の開作動方向に位置するドア開口部3の後縁部3rに対応する車両前後方向位置を示している。そして、本実施形態のスライドドア装置20は、これにより、その各ガイド部材11が固定されたスライドドア5を車両前後方向に移動させることが可能となっている。
一方、図3、図4、及び図8に示すように、本実施形態の支持部材13は、ドア側支持ブラケット24の上端部24aに対して回動可能に連結されるとともに車体側支持ブラケット23の下端部23bに対して回動可能に連結された第1リンク部材41を備えている。また、この支持部材13は、車体側支持ブラケット23の上端部23aに対して回動可能に連結されるとともにドア側支持ブラケット24の下端部24bに対して回動可能に連結された第2リンク部材42を備えている。更に、本実施形態の支持部材13においては、そのドア側支持ブラケット24に対する第1リンク部材41の連結点X1及び車体側支持ブラケット23に対する第2のリンク部材の連結点X2が、それぞれ、上下方向に摺動可能に構成されている。そして、本実施形態の支持部材13は、これらの第1リンク部材41及び第2リンク部材42を回動可能に連結することにより、その伸縮機構21としてのXリンク25が形成される構成になっている。
さらに詳述すると、本実施形態の第1リンク部材41は、車両前後方向に離間した状態で略平行に並ぶ一対のリンクアーム43と、これらの両リンクアーム43間を接続する接続板44とを備えている。また、第2リンク部材42は、第1リンク部材41を車両前後方向に挟む位置において略平行に並ぶ一対のリンクアーム46を備えている。そして、本実施形態の支持部材13においては、これにより車両前後方向に隣り合う第1リンク部材41側の各リンクアーム43と第2リンク部材42側の各リンクアーム46とを回動可能に連結することで、その第1リンク部材41と第2リンク部材42との連結点X0が形成されている。
また、本実施形態の支持部材13において、ドア側支持ブラケット24の上端部24aには、車両前後方向に対向する一対の側壁部47が設けられている。更に、車体側支持ブラケット23の上端部23aにも、同じく車両前後方向に対向する一対の側壁部48が設けられている。そして、本実施形態の支持部材13は、これらの各側壁部47及び各側壁部48に対して、それぞれ、その第1リンク部材41を構成する各リンクアーム43の上端部43a、及び第2リンク部材42を構成する各リンクアーム46の上端部46aが回動可能に連結される構成になっている。
具体的には、本実施形態の支持部材13において、ドア側支持ブラケット24の上端部24aに設けられた各側壁部47には、車両前後方向において互いに対向する孔部51が形成されている。同様に、車体側支持ブラケット23の上端部23aに設けられた各側壁部48にも、車両前後方向に対向する孔部52が形成されている。また、本実施形態の支持部材13において、これらの各孔部51及び各孔部52は、それぞれ、上下方向に延びる長孔55としての構成を有している。更に、本実施形態の支持部材13は、車両前後方向に対向する両孔部51に挿入されることより、その各側壁部47間に架け渡された軸部材57、及び同じく車両前後方向に対向する両孔部52に挿入されることより、その各側壁部48間に架け渡された軸部材58を備えている。そして、本実施形態の支持部材13においては、これらの各軸部材57,58を連結軸として、そのドア側支持ブラケット24に対する第1リンク部材41の連結点X1、及び車体側支持ブラケット23に対する第2リンク部材42の連結点X2が形成されている。
即ち、本実施形態の支持部材13においては、ドア側支持ブラケット24に対する第1リンク部材41の連結点X1を形成する軸部材57、及び車体側支持ブラケット23に対する第2リンク部材42の連結点X2を形成する軸部材58が、それぞれ、その長孔55としての構成を有する各孔部51及び各孔部52内を移動可能となっている。そして、本実施形態の支持部材13は、これにより、そのドア側支持ブラケット24に対する第1リンク部材41の連結点X1、及び車体側支持ブラケット23に対する第2リンク部材42の連結点X2が上下方向に摺動する構成になっている。
また、本実施形態の支持部材13は、車体側支持ブラケット23の下端部23b及びドア側支持ブラケット24の下端部24bにも、それぞれ、上記各側壁部47,48と同様、車両前後方向に対向する各側壁部59及び各側壁部60を備えている。更に、本実施形態の支持部材13においては、これらの各側壁部59及び各側壁部60に対し、それぞれ、その第1リンク部材41を構成する各リンクアーム43の下端部43b、及び第2リンク部材42を構成する各リンクアーム46の下端部46bが回動可能に連結されている。そして、本実施形態の支持部材13は、これにより、その車体側支持ブラケット23に対する第1リンク部材41の連結点X3、及びドア側支持ブラケット24に対する第2リンク部材42の連結点X4が形成される構成になっている。
即ち、本実施形態の支持部材13は、第1リンク部材41及び第2リンク部材42が互いの連結点X0回りに相対回動することで、上記各連結点X1,X2の摺動を伴いつつ、これらの第1リンク部材41及び第2リンク部材42を介して連結されたドア側支持ブラケット24及び車体側支持ブラケット23の間隔が変化する。そして、本実施形態のスライドドア装置20は、これにより、この支持部材13、各連結部材12及び各ガイド部材11を介して車体2に支持するスライドドア5を、その車幅方向に変位させることが可能となっている。
また、本実施形態のスライドドア装置20は、各ガイド部材11に対する各連結部材12の連結位置を変更することにより、スライドドア5を車両前後方向に移動させる第1の駆動装置61と、支持部材13に設けられた伸縮機構21を駆動することにより、スライドドア5を車両前後方向に移動させる第2の駆動装置62と、を備えている。
詳述すると、図5及び図6に示すように、第1の駆動装置61は、モータ63mを駆動源とするアクチュエータ63と、このアクチュエータ63に駆動されることにより循環する環状の駆動ベルト64と、を備えている。
本実施形態のスライドドア装置20において、アクチュエータ63は、窓部5w下方のベルトライン付近に固定された第1のガイド部材11Aの下方、この第1のガイド部材11Aの車両前方側を支持するレールブラケット32fの近傍において、そのスライドドア5に固定されている。また、第1の駆動装置61は、同じく第1のガイド部材11Aの下方、この第1のガイド部材11Aの車両後方側を支持するレールブラケット32rの近傍において、そのスライドドア5に固定されたプーリー65を備えている。そして、本実施形態の駆動ベルト64は、このプーリー65、及びアクチュエータ63の出力部を構成する駆動プーリー63p(図3及び図4参照)に巻き掛けられた状態で、そのアクチュエータ63に駆動される構成になっている。
また、第1の駆動装置61は、その駆動ベルト64に固定されたベルトブラケット66を備えている。更に、このベルトブラケット66は、その第1のガイド部材11Aに連結された第1の連結部材12Aに固定されている。即ち、このベルトブラケット66は、アクチュエータ63に駆動された駆動ベルト64が循環することにより、見かけ上、車両前後方向に移動する。そして、本実施形態のスライドドア装置20においては、これにより、その第1のガイド部材11Aに対する第1の連結部材12Aの連結位置が変更されるとともに、これに合わせて第2のガイド部材11Bに対する第2の連結部材12Bの連結位置が変更されることにより、そのスライドドア5が車両前後方向に移動する構成になっている。
一方、図3及び図4に示すように、第2の駆動装置62は、支持部材13を構成するドア側支持ブラケット24に保持されたアクチュエータ67と、このアクチュエータ67を、そのドア側支持ブラケット24に対する第1リンク部材41の連結軸である軸部材57に連結する連結部材68と、を備えている。
図9及び図10に示すように、本実施形態のアクチュエータ67は、異なる直径を有して略円筒状に形成されることにより同心状に配置された第1ハウジング71及び第2ハウジング72を備えている。
本実施形態のアクチュエータ67において、第1ハウジング71の筒内には、その軸方向に延びる螺子軸73が設けられている。また、この第1ハウジング71の筒内には、駆動源となるモータ67mと、このモータ67mの回転を減速して螺子軸73に伝達する減速機74とが設けられている。更に、第2ハウジング72は、第1ハウジング71よりも小径に形成されることにより、その一端側(下端部72b側)が第1ハウジング71の筒内に挿入された状態で、この第1ハウジング71に連結されている。そして、この第2ハウジング72の下端部72bには、上記螺子軸73に螺合する状態で、その第2ハウジング72の筒内に固定されたナット部材75が設けられている。
即ち、このナット部材75は、モータ67mの駆動力に基づき第1ハウジング71の筒内に設けられた螺子軸73が回転することにより、その螺合関係(螺子対偶)に基づいて螺子軸73上を移動する。そして、本実施形態のアクチュエータ67は、これにより、そのナット部材75と一体に第2ハウジング72が上下方向に移動することで、この第2ハウジング72が第1ハウジング71の上端部71a側から出没する態様で、その長手方向に伸縮する構成になっている。
また、本実施形態の連結部材68は、その筒内にドア側支持ブラケット24に対する第1リンク部材41の連結軸を構成する上記軸部材57が挿通される筒状連結部68aと、この筒状連結部68aに対して略直交するかたちで設けられた軸状連結部68bと、を備えている。そして、本実施形態のスライドドア装置20においては、この略T字状をなす連結部材68の軸状連結部68bを、アクチュエータ67を構成する第2ハウジング72の上端部72aに接続することにより、その第2の駆動装置62が形成されている。
即ち、図3及び図4に示すように、本実施形態の第2の駆動装置62は、そのアクチュエータ67が伸張することで(図3参照)、ドア側支持ブラケット24に対する第1リンク部材41の連結点X1を上方に移動させる。更に、本実施形態の支持部材13においては、これに合わせ、その車体側支持ブラケット23に対する第2リンク部材42の連結点X2もまた上方に移動する。そして、本実施形態のスライドドア装置20は、これにより、その支持部材13の伸縮機構21を形成するXリンク25が車幅方向に収縮することで、この支持部材13、各連結部材12及び各ガイド部材11を介して車体2に支持するスライドドア5が、車幅方向内側に変位、つまりは閉状態に移行する構成になっている。
更に、本実施形態の第2の駆動装置62は、そのアクチュエータ67が収縮することで(図4参照)、ドア側支持ブラケット24に対する第1リンク部材41の連結点X1を下方に移動させる。更に、本実施形態の支持部材13においては、これに合わせ、その車体側支持ブラケット23に対する第2リンク部材42の連結点X2が下方に移動する。そして、本実施形態のスライドドア装置20は、これにより、Xリンク25が車幅方向に伸張(拡開)することで、そのスライドドア5が、車幅方向外側に変位、つまりは開状態に移行する構成になっている。
さらに詳述すると、図11に示すように、本実施形態のスライドドア装置20は、上記のように構成された第1及び第2の駆動装置61,62の作動を制御する制御装置80を備えている。具体的には、本実施形態の制御装置80は、第1及び第2の駆動装置61,62(の各アクチュエータ63,67)の駆動源となる各モータ63m,67mに対する駆動電力の供給を制御する。そして、本実施形態のスライドドア装置20においては、これにより、その第1及び第2の駆動装置61,62の作動が独立に制御される構成になっている。
また、本実施形態の制御装置80は、これら第1及び第2の駆動装置61,62により開閉駆動されるスライドドア5について、その車幅前後方向の移動位置α、及び車幅方向の変位βを検出する。更に、この制御装置80には、スライドドア5に設けられた操作スイッチや携帯機等、その操作入力部81が操作されたことを表す操作入力信号Scが入力されるようになっている。そして、本実施形態の制御装置80は、この操作入力信号Scに示されるスライドドア5の開閉作動要求に基づいて、その第1及び第2の駆動装置61,62の作動を制御する構成になっている。
具体的には、図12に示すように、本実施形態の制御装置80は、スライドドア5の開作動要求が入力されたことを検知した場合、先ず、第2の駆動装置62によるスライドドア5の開駆動を開始することにより、そのスライドドア5を車幅方向外側に変位させる。次に、制御装置80は、第2の駆動装置62の作動によりスライドドア5が車幅方向における所定変位βxに到達したことを検出した後、第1の駆動装置61によるスライドドア5の開駆動を開始して、そのスライドドア5を車両後方向側に移動させる。そして、本実施形態の制御装置80は、スライドドア5が車幅方向における全開変位β1に到達したことを検出することにより第2の駆動装置62の作動を停止し、車両前後方向における全開位置α1に到達したことを検出することにより第1の駆動装置61の作動を停止する。
また、図13に示すように、本実施形態の制御装置80は、スライドドア5の閉作動要求が入力されたことを検知した場合、先ず、第1の駆動装置61によるスライドドア5の閉駆動を開始することにより、そのスライドドア5を車両前方側に移動させる。次に、制御装置80は、第1の駆動装置61の作動によりスライドドア5が車両前後方向における所定位置αxに到達したことを検出した後、第2の駆動装置62によるスライドドア5の閉駆動を開始して、そのスライドドア5を車幅方向内側に変位させる。そして、本実施形態の制御装置80は、スライドドア5が車両前後方向における全閉位置α0に到達したことを検出することにより第1の駆動装置61の作動を停止し、車幅方向における全閉変位β0に到達したことを検出することにより第2の駆動装置62の作動を停止する構成になっている。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)スライドドア装置20は、車両前後方向に延びるガイド部材11と、その延伸方向に沿って連結位置を変更可能な状態でガイド部材11に連結される連結部材12と、この連結部材12に固定されることにより当該連結部材12及びガイド部材11を介してスライドドア5を車体2に支持する支持部材13と、を備える。そして、支持部材13には、ガイド部材11と連結部材12との間の連結位置の変更に依らず、スライドドア5を車幅方向に変位可能な伸縮機構21が設けられる。
(1)スライドドア装置20は、車両前後方向に延びるガイド部材11と、その延伸方向に沿って連結位置を変更可能な状態でガイド部材11に連結される連結部材12と、この連結部材12に固定されることにより当該連結部材12及びガイド部材11を介してスライドドア5を車体2に支持する支持部材13と、を備える。そして、支持部材13には、ガイド部材11と連結部材12との間の連結位置の変更に依らず、スライドドア5を車幅方向に変位可能な伸縮機構21が設けられる。
上記構成によれば、ガイド部材11に湾曲部を設定することなく、スライドドア5を車幅方向に変位させることができる。そして、これにより、ガイド部材11の設置による車室空間の侵食を抑えることができるとともに、併せて、その配置自由度を高めることができる。更に、車幅方向の変位機能を支持部材13が担うことで、ガイド部材11及び連結部材12の設計自由度が高くなる。その結果、より高いデザイン自由度を確保することができる。
(2)ガイド部材11には、パイプレール31が用いられる。これにより、ガイド部材11の剛性を確保しつつ、その軽量化を図ることができる。そして、その構造の単純化により、製造コストの低減を図ることができる。
(3)連結部材12は、パイプレール31の周面に摺接する状態で、このパイプレール31に嵌合する嵌合連結部33を備える。これにより、簡素な構成にて、高い連結強度を確保することができる。
特に、丸棒状のパイプレール31をガイド部材11に用いることで、その軸線回りに生じた連結部材12の相対回動を許容することができる。そして、これにより、スライドドア5に車幅方向の傾動が生じた場合であっても、安定的に、そのスライドドア5を車体2に支持することができる。
(4)ガイド部材11は、スライドドア5に固定される。また、スライドドア5は、車両後方側に開作動する。そして、支持部材13は、このスライドドア5が設けられたドア開口部3の後縁部3rに固定される。
即ち、スライドドア5側にガイド部材11を設けることにより、その車両外部への露出を抑えることができる。特に、車両用のドアには、車幅方向の厚みに制約があることから、その湾曲部を必要としないガイド部材11の利点を最大限に活かすことができる。また、スライドドア5が開作動する方向に位置するドア開口部3の後縁部3rに支持部材13を固定することで、スライドドア5が開状態にある場合においても、その車両外部への露出を抑えることができる。そして、これにより、優れたデザイン性を確保することができる。
(5)スライドドア装置20は、上下方向に離間して配置される複数のガイド部材11(11A,11B)を備える。これにより、より安定的に、スライドドア5を車体2に支持することができる。
(6)スライドドア装置20は、ガイド部材11に対する連結部材12の連結位置を変更することによりスライドドア5を車両前後方向に移動させる第1の駆動装置61と、伸縮機構21を駆動することによりスライドドア5を車幅方向に変位させる第2の駆動装置62と、第1及び第2の駆動装置61,62の作動を制御する制御装置80とを備える。これにより、スライドドア5の開閉軌跡を自在に設定することができる。
(7)支持部材13は、各連結部材12(12A,12B)が固定されるドア側支持ブラケット24と、このドア側支持ブラケット24の上端部24aに連結された第1リンク部材41と、を備える。また、伸縮機構21は、この第1リンク部材41が、そのドア側支持ブラケット24に対する連結点X1の上下方向移動を伴いながら回動するXリンク25としての構成を有する。そして、第2の駆動装置62は、そのドア側支持ブラケット24に対する第1リンク部材41の連結点X1を上下方向に移動させることにより、このXリンク25を車幅方向に伸縮させる。
上記構成によれば、簡素な構成にて、安定的に、そのスライドドア5を車幅方向に変位させることができる。更に、第2の駆動装置62の小型化を図ることができる。そして、これにより、高いデザイン自由度を確保することができる。
[第2の実施形態]
以下、車両用のスライドドア装置を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
以下、車両用のスライドドア装置を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図14〜図17に示すように、本実施形態のスライドドア装置120は、上記第1の実施形態におけるスライドドア装置20と比較して、その連結部材112(12)の構成が相違する。
詳述すると、本実施形態の連結部材112は、略平板状の外形を有して支持部材13に固定される固定ブラケット135を備えている。また、この連結部材112は、その固定ブラケット135に支持された複数の軸状部140を備えている。尚、本実施形態の連結部材112において、これらの各軸状部140は、固定ブラケット135の支持面135sに対して略直交する態様で設けられている。更に、この連結部材112は、これらの各軸状部140の先端に設けられた支軸141により回転自在に軸支された複数のローラー150を備えている。そして、本実施形態の連結部材112は、これらの各ローラー150が、そのパイプレール31としての構成を有するガイド部材11に摺接する状態で、このガイド部材11に連結される構成となっている。
具体的には、本実施形態の連結部材112は、上下方向に並ぶ一対のローラー150(150a,150b)を組として、その車両前後方向に離間して配置された二組のローラー対160を備えている。更に、この連結部材112は、これらの各ローラー対160が、それぞれ、そのガイド部材11としてスライドドア5に設けられたパイプレール31を上下方向に挟み込むように構成されている。そして、本実施形態の連結部材112は、これにより、これらのローラー対160が、そのパイプレール31に対するローラー連結部170を形成する構成になっている。
即ち、本実施形態の連結部材112は、そのローラー対160を構成する各ローラー150a,150bの転動を伴いつつ、そのガイド部材11としてのパイプレール31に対する連結位置が変更される。そして、本実施形態のスライドドア装置120は、これにより、その連結部材112の摺動抵抗を低減する構成になっている。
また、本実施形態の各ローラー150は、その外周に、断面略V字状の嵌合溝180を有している。そして、本実施形態の連結部材112は、この嵌合溝180の内側にパイプレール31を配置する状態で、各ローラー対160がパイプレール31を上下方向に挟み込むことにより、その高い連結強度を確保する構成になっている。
[第3の実施形態]
以下、車両用のスライドドア装置を具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
以下、車両用のスライドドア装置を具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
本実施形態のスライドドア装置200は、上記第1の実施形態におけるスライドドア装置20と比較して、その連結部材212(12)の構成が相違する。
図18〜図25に示すように、本実施形態の連結部材212は、ガイド部材11を構成するパイプレール31に対し、その周方向に均等間隔で離間した位置に配置される第1ローラー221〜第3ローラー223を組として、これらの各ローラー部材220をパイプレールの周面31sに摺接させるローラー摺接部230としての構成を有している。
図18〜図25に示すように、本実施形態の連結部材212は、ガイド部材11を構成するパイプレール31に対し、その周方向に均等間隔で離間した位置に配置される第1ローラー221〜第3ローラー223を組として、これらの各ローラー部材220をパイプレールの周面31sに摺接させるローラー摺接部230としての構成を有している。
詳述すると、本実施形態のローラー摺接部230は、上記第1ローラー221〜第3ローラー223を備えてパイプレール31の延伸方向(図21〜図23中、左右方向)に並ぶ二組のローラー部材群220A,220Bと、これらのローラー部材群220A,220Bを保持する保持ブラケット240と、を備えている。
具体的には、本実施形態の保持ブラケット240は、これらの各ローラー部材群220A,220Bを構成する上記各ローラー部材220のうち、第1ローラー221及び第2ローラー222を保持する第1ブラケット241と、残る第3ローラー223を保持する第2ブラケット242と、を備えている。また、本実施形態のローラー摺接部230において、各ローラー部材220は、これらの第1ブラケット241及び第2ブラケット242に設けられた支軸250によって、それぞれ、独立に軸支されている。そして、本実施形態のローラー摺接部230は、これらの第1ブラケット241及び第2ブラケット242を、その第2ブラケット242に保持された第3ローラー223がパイプレール31に摺接する当該パイプレール31の径方向(図20中、左右方向)において互いに締結することにより形成されている。
さらに詳述すると、本実施形態のローラー摺接部230において、第1ブラケット241は、その中央部分に貫通孔260を有した板形状をなしている。そして、第1ローラー221及び第2ローラー222の各支軸251,252は、この板形状をなす第1ブラケット241の第1面S1側において、その貫通孔260を挟んで離間する位置(図20中、上下方向に離間する位置)に立設されている。
具体的には、本実施形態の第1ブラケット241において、第1ローラー221の支軸251が設けられた第1端部241a及び第2ローラー222の支軸252が設けられた第2端部241bは、それぞれ、その第1ブラケット241の第1面S1側に折り曲げられている。そして、本実施形態の第1ブラケット241は、これにより、その各支軸251,252がなす角度を略60°に設定することで、これらの各支軸251,252に軸支された第1ローラー221及び第2ローラー222を、そのガイド部材11を構成するパイプレール31の周面31sに対して略120°の間隔で摺接させる構成になっている。
一方、本実施形態の第2ブラケット242は、第3ローラー223を、その支軸253の軸線方向(図20及び図23中、上下方向)に挟み込む一対の分割部材270,270を備えている。
本実施形態の第2ブラケット242において、これらの分割部材270,270は、互いに同一の形状を有している。具体的には、各分割部材270は、略コ字状に形成された基部271と、この基部271の側端部に立設された支持壁272と、を備えている。尚、本実施形態では、これらの各分割部材270、及び上記第1ブラケット241は、金属製の板材を塑性加工することにより形成されている。また、これらの各分割部材270は、互いのコ字形状を向かい合わせることにより、その第3ローラー223を間に挟む状態で互いに組み付けられる。更に、これらの各分割部材270には、その第3ローラー223の支軸253が貫設される。そして、本実施形態の第2ブラケット242は、これにより各支持壁272間に架け渡された支軸253の両端をかしめることによって、これらの各分割部材270が一体に連結される構成になっている。
また、本実施形態の第2ブラケット242は、第1ブラケット241に対し、上記のように、第1ローラー221及び第2ローラー222の各支軸251,252が設けられた第1面S1とは反対側の第2面S2側(図20中、右側)から、その貫通孔260に第3ローラー223を挿入する状態で組み付けられる。そして、本実施形態のローラー摺接部230は、その第2ブラケット242の基部271を貫通する複数のネジ部材280の締結力に基づいて、これらの第1ブラケット241及び第2ブラケット242を連結する構成になっている。
即ち、本実施形態のローラー摺接部230は、第2ブラケット242に保持された第3ローラー223を第1ブラケット241の貫通孔260内に挿入することで、この第1ブラケット241の第1面S1側に位置するパイプレール31に対し、そのローラー部材群220A,220Bを形成する各ローラー部材220が周方向に均等間隔で配置される。更に、この状態で、上記各ネジ部材280を締め付ける。そして、これにより、第1ブラケット241及び第2ブラケット242を締結するとともに、併せて、そのパイプレール31と各ローラー部材220との間のクリアランスを調整することが可能になっている。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)連結部材212は、ガイド部材11を構成するパイプレール31に対し、その周方向に均等間隔で離間した位置に配置される第1ローラー221〜第3ローラー223を組として、これらの各ローラー部材220をパイプレール31の周面31sに摺接させるローラー摺接部230を備える。
(1)連結部材212は、ガイド部材11を構成するパイプレール31に対し、その周方向に均等間隔で離間した位置に配置される第1ローラー221〜第3ローラー223を組として、これらの各ローラー部材220をパイプレール31の周面31sに摺接させるローラー摺接部230を備える。
上記構成によれば、パイプレール31の周面31sに摺接する各ローラー部材220の転動を伴いつつ、ガイド部材11としてのパイプレール31に対する連結部材212の連結位置が変更される。そして、これにより、その連結部材212の摺動抵抗を低減することができる。更に、これら3つのローラー部材220が、そのパイプレール31の周方向に均等間隔で離間した位置に摺接することで、安定的な連結状態を確保することができる。加えて、各ローラー部材220の小径化が可能という利点がある。そして、これにより、高い連結強度を確保しつつ、その連結部材212の小型化を図ることができる。
(2)ローラー摺接部230は、各ローラー部材220のうちの第1ローラー221及び第2ローラー222を保持する第1ブラケット241と、残る第3ローラーを保持する第2ブラケット242と、を備える。そして、このローラー摺接部230は、その第3ローラー223がパイプレール31に対して摺接する当該パイプレール31の径方向において、その第1ブラケット241と第2ブラケット242とを締結することにより形成される。
上記構成によれば、組付け作業時、パイプレール31の周面31sに第1ローラー221及び第2ローラー222を押し当てることにより、その第1ブラケット241を安定的に保持した状態で、この第1ブラケット241に第2ブラケット242を連結することができる。更に、これら第1ブラケット241と第2ブラケット242との間の締結力に基づいて、そのパイプレール31と各ローラー部材220との間のクリアランスを調整することができる。そして、これにより、そのパイプレール31に対する最適な連結状態を確保することができる。
(3)第1ブラケット241は、貫通孔260を有した板形状をなすとともに、この貫通孔260を挟んで離間した位置に第1ローラー221及び第2ローラー222の各支軸251,252を有する。そして、第2ブラケット242は、第1ローラー221及び第2ローラー222の各支軸251,252が設けられた第1ブラケット241の第1面S1とは反対側の第2面S2側から、その貫通孔260に第3ローラー223を挿入する状態で、第1ブラケット241と締結される。
上記構成によれば、第1ブラケット241の第1面S1側に、各ローラー部材220を集約して配置することができる。そして、これにより、連結部材212の小型化と、そのパイプレール31に対する組付け性の向上を図ることができる。
(4)第2ブラケット242は、互いに同一の形状を有して支軸253の軸線方向に第3ローラー223を挟み込む一対の分割部材270を連結することにより形成される。これにより、第3ローラー223をバランスよく、安定的に保持することができるとともに、併せて、その部品点数の削減を図ることができる。
[第4の実施形態]
以下、車両用のスライドドア装置を具体化した第4の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
以下、車両用のスライドドア装置を具体化した第4の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図26に示すように、本実施形態のスライドドア装置300は、スライドドア5の下端部5bが配置される車両301の上下方向位置において、その車両前後方向に延びるロアガイド部材311と、ロアガイド部材311の延伸方向に沿って連結位置を変更可能な状態で当該ロアガイド部材311に連結されるロア連結部材312と、を備えている。そして、このスライドドア装置300は、そのロア連結部材312と固定されることにより当該ロア連結部材312及び前記ロアガイド部材311を介してスライドドア5の下端部5bを車体2の下端部2bに支持するロア支持部材313と、を備えている。
詳述すると、本実施形態のスライドドア装置300において、ロアガイド部材311は、スライドドア5の下端部5bに固定されている。尚、本実施形態のロアガイド部材311は、その上方に設けられた二本のガイド部材11(11A,11B)と同様、中空略丸棒状の外形を有して直線的に伸びるパイプレール31としての構成を有している。更に、ロア連結部材312もまた、各ガイド部材11に連結された各連結部材12と同様の嵌合連結部33を有したものとなっている(図示略)。そして、本実施形態のロア支持部材313は、そのスライドドア5が設けられたドア開口部3における開作動方向側、つまりは車両後方側(図26中、左側)の下縁部3bに設けられている。
図26及び図27(a)(b)に示すように、本実施形態のロア支持部材313は、車体2側に固定される車体側支持ブラケット323と、上記ロア連結部材312と固定されるドア側支持ブラケット324と、を備えている。また、ロア支持部材313は、その基端側となる長手方向の一端に車体側支持ブラケット323に対する回動連結点N1を有するとともに、その先端側となる長手方向の他端にドア側支持ブラケット324に対する回動連結点N2を有した一対のリンク部材330,330を有している。更に、本実施形態のロア支持部材313においては、これらの各リンク部材330が、平行リンク331を形成する。そして、本実施形態のロア支持部材313は、これにより、そのスライドドア5側の接続部としてのドア側支持ブラケット324を車両前後方向に移動させながら車幅方向に変位させる回動連結機構340を備えた構成となっている。
具体的には、本実施形態のスライドドア装置300において、ロア支持部材313を構成する各リンク部材330は、スライドドア5がドア開口部3を閉塞する全閉位置にある場合には、それぞれ、車両前後方向(図27中、左右方向)に延在する状態で配置されている。また、これらの各リンク部材330は、スライドドア5を開動作させることにより、それぞれ、その車体側支持ブラケット323に対する回動連結点N1を支点として、図27中、反時計回り方向に回動する。そして、本実施形態のロア支持部材313は、これにより、そのロアガイド部材311とともにスライドドア5側に配置されたロア連結部材312に各リンク部材330を接続するスライドドア5側の接続部としてのドア側支持ブラケット324が、車両後方側に移動しつつ、車幅方向外側に変位する構成になっている。
更に、このとき、各リンク部材330は、そのドア側支持ブラケット324に対する回動連結点N2を支点としても、図27中、反時計回り方向に回動する。即ち、本実施形態のロア支持部材313は、これらの各リンク部材330が平行リンク331を形成することで、車体2の外側面との略平行なスライドドア5の姿勢を維持したまま、そのロア連結部材312及びロアガイド部材311を介してスライドドア5を車幅方向外側に変位させる。そして、本実施形態のスライドドア装置300は、この状態で、これらロアガイド部材311とロア連結部材312との連結位置を変更することにより、そのスライドドア5が車両前後方向に開閉動作する構成になっている。
また、本実施形態のロア支持部材313には、そのスライドドア5側の接続部としてのドア側支持ブラケット324が車幅方向外側に変位した回動位置において、その車体側支持ブラケット323側に対する回動連結点N1を支点とした各リンク部材330の回動を規制可能なインターロック装置350が設けられている。尚、本実施形態のスライドドア装置300において、このインターロック装置350は、ドア側支持ブラケット324が最も車幅方向外側に変位した回動位置で、その回動連結機構340としての平行リンク331を構成する各リンク部材330の回動を規制する構成になっている。そして、本実施形態のスライドドア装置300は、これにより、車幅方向外側に離間した位置で車体2の側方に支持されたスライドドア5の姿勢を安定的に保持することが可能となっている。
更に、本実施形態のスライドドア装置300においては、スライドドア5の閉作動時、このスライドドア5が車両前方側に移動することにより、そのインターロック装置350による各リンク部材330の回動規制が解除される。即ち、本実施形態のロア支持部材313は、これにより、その車両前方側に向かうスライドドア5の閉方向移動に伴い各リンク部材330が各回動連結点N1,N2を支点として、図27中、時計回り方向に回動する。また、これにより、そのロア支持部材313におけるスライドドア5側の接続部としてのドア側支持ブラケット324が、車両前方側に移動しつつ、車幅方向内側に変位する。そして、本実施形態のスライドドア装置300は、これにより、車体2の外側面と略面一となる全閉位置に、そのスライドドア5が移動する構成になっている。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)スライドドア装置300は、スライドドア5の下端部5bに対応する車両301の上下方向位置に配置されるロアガイド部材311及びロア連結部材312と、これらのロア連結部材312及び前記ロアガイド部材311を介してスライドドア5の下端部5bを車体2の下端部2bに支持するロア支持部材313と、を備える。
(1)スライドドア装置300は、スライドドア5の下端部5bに対応する車両301の上下方向位置に配置されるロアガイド部材311及びロア連結部材312と、これらのロア連結部材312及び前記ロアガイド部材311を介してスライドドア5の下端部5bを車体2の下端部2bに支持するロア支持部材313と、を備える。
上記構成によれば、より安定的に、そのスライドドア5を車体2に支持することができる。特に、その上端部分が車幅方向に傾倒するようなスライドドア5のふらつきを抑えることができる。そして、これにより、安定的なスライドドア5の開閉動作を担保するとともに、併せて、その高い質感を確保することができる。
(2)ロア支持部材313には、当該ロア支持部材313におけるスライドドア5側の接続部としてのドア側支持ブラケット324を車両前後方向に移動させながら車幅方向に変位させる回動連結機構340が設けられる。
上記構成によれば、回動連結機構340の動作に基づいて、車幅方向の変位を伴いながら車両前後方向に移動するスライドドア5の開閉動作軌跡を規定することができる。そして、これにより、安定的に、そのスライドドア5を開閉操作することができる。
特に、手動による開閉操作時においては、利用者が意識することなく、そのスライドドア5を適切な動作軌跡で開閉させることができるという利点がある。そして、これにより、利便性の向上を図ることができる。
(3)回動連結機構340は、平行リンク331を用いて構成される。
上記構成によれば、車体2の側方に支持されたスライドドア5の姿勢を維持したまま、略平行に、このスライドドア5を車幅方向に変位させることができる。その結果、簡素な構成にて、安定的なスライドドア5の開閉動作姿勢を担保することができる。
上記構成によれば、車体2の側方に支持されたスライドドア5の姿勢を維持したまま、略平行に、このスライドドア5を車幅方向に変位させることができる。その結果、簡素な構成にて、安定的なスライドドア5の開閉動作姿勢を担保することができる。
(4)ロアガイド部材311は、スライドドア5の下端部5bに固定される。そして、ロア支持部材313は、そのスライドドア5が設けられたドア開口部3における開作動方向側の下縁部3bに連結される。
上記構成によれば、車両外部へのロアガイド部材311及びロア支持部材313の露出を抑えて優れたデザイン性を確保することができる。そして、直線的に伸びるロアガイド部材311を用いることにより、車両301のフロアスペースを侵食することなく、スライドドア5の薄型化を図ることができる。
(5)回動連結機構340には、そのスライドドア5側の接続部としてのドア側支持ブラケット324が車幅方向外側に変位した回動位置において、この回動連結機構340を構成するリンク部材330の回動を規制するインターロック装置350が設けられる。これにより、車幅方向外側に離間した位置で車体2の側方に支持されたスライドドア5の姿勢を安定的に保持することができる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記各実施形態では、スライドドア5は、車両の後部ドアとしての構成を有することとしたが、フロントドアに適用してもよい。そして、必ずしも車両後方側に開動作する所謂後開き型でなく、車両前方側に開動作する前開き型であってもよい。
・上記各実施形態では、スライドドア装置20は、第1及び第2の駆動装置の作動により開閉するパワースライドドアとしての構成を有することとしたが、手動式のものであってもよい。
・上記各実施形態では、スライドドア装置20は、スライドドア5に固定されたガイド部材11と、これらの各ガイド部材11に連結された各連結部材12(112,212)と、ドア開口部3の後縁部3rに固定された状態で各ガイド部材11及び各連結部材12を介してスライドドア5を車体2に支持する支持部材13を備えることとした。
しかし、これに限らず、車体2に対する支持部材13の固定位置は、必ずしもスライドドア5の開作動方向に位置するドア開口部3の縁部でなくともよい。また、必ずしも、各連結部材12が一つの支持部材13に固定された状態で一体に保持された構成でなくともよい。それぞれ、独立に設けられた支持部材13に支持される構成であってもよい。更に、ガイド部材11及び連結部材12の数についてもまた、任意に変更してもよい。そして、車体2側にガイド部材11が固定され、スライドドア5側に支持部材13が固定される構成に具体化してもよい。
・上記各実施形態では、支持部材13の伸縮機構21は、第1リンク部材41及び第2リンク部材42を回動可能に連結してなるXリンク25を用いて構成されることとしたが、その伸縮機構21を形成するリンク機構の構成は、任意に変更してもよい。例えば、所謂パンタグラフ型やマジックハンド型等であってもよい。そして、例えば、同心円状に配置された複数の筒部材を有して軸方向に伸縮する多段筒等、リンク機構以外の構成を伸縮機構21に用いる構成であってもよい。
・上記第1の実施形態においては、車両前後方向に対向する一対の側壁部36f,36rに設けられた各孔部37に対し、筒状の摺接部材(ブッシュ)38を嵌着することにより、そのガイド部材11を構成するパイプレール31に対する各連結部材12の嵌合連結部33が形成されることとした。しかし、これに限らず、例えば、パイプレール31の周面に対して部分的に摺接するかたちで嵌合するものであってもよい。そして、そのパイプレール31に対する嵌合箇所についてもまた、必ずしも二箇所でなくともよく、一箇所であっても、3箇所以上であってもよい。
・上記第2の実施形態においては、上下方向に並ぶ一対のローラー150を組として、車両前後方向に離間して配置された二組のローラー対160が、それぞれ、そのガイド部材11としてスライドドア5に設けられたパイプレール31を上下方向に挟み込むことにより、その連結部材112のローラー連結部170が形成されることとした。しかし、これに限らず、ローラー対160の数は、任意に変更してもよい。更に、例えば、上側のローラー150aを一つ、下側のローラー150bを2つとする等、そのパイプレール31を上下方向に挟み込むローラー150の数についてもまた、任意に変更してもよい。そして、そのローラー連結部170と第1の実施形態における嵌合連結部33とを組み合わせる構成としてもよい。
・また、上記第2の本実施形態において、各ローラー150の外周には、断面略V字状の嵌合溝180が形成されることとしたが、必ずしも、このようなパイプレール31に対する嵌合溝180を有しない構成であってもよい。
・上記各実施形態では、ガイド部材11は、直線的に延びる中空略丸棒状の外形を有したパイプレール31としての構成を有することとした。しかし、これに限らず、例えば、所謂二面幅形状を有するものであってもよく、任意の角パイプ形状であってもよい。また、必ずしも、中空でなくともよい。尚、軽量化の観点では、中空状であることが好ましい。そして、その軸線回りに生じた連結部材12(112,212)の相対回動を許容して、スライドドア5に車幅方向の傾動が生じた場合の安定性を確保する観点では、丸棒状の外形を有することが好ましい。
・更に、ガイド部材11は、必ずしも直線的に延びるものでなくともよく、車幅方向の湾曲部を有していてもよい。そして、パイプレール31に限らず、例えば、従来技術に見られるような断面コ字状のガイドレールに対して連結部材側のガイドローラーが摺動可能に連結する構成を適用してもよい。
・上記実施形態では、ガイド部材11に対する連結部材12(112,212)の連結位置を変更することによりスライドドア5を車両前後方向に移動させる第1の駆動装置61、及び支持部材13の伸縮機構21を駆動することによりスライドドア5を車両前後方向に移動させる第2の駆動装置62が、共にスライドドア5側に設けられることとした。しかし、これに限らず、何れか一方が車体2側に設けられる構成であってもよく、その第1及び第2の駆動装置61,62の両方が、車体2側に設けられる構成であってもよい。
・また、上記各実施形態では、第1及び第2の駆動装置61,62が、それぞれ、独立したモータ63m,67mを駆動源とするアクチュエータ63,67を備えることとしたが、一つのモータを駆動源として、その第1及び第2の駆動装置61,62が作動する構成であってもよい。
・更に、上記各実施形態では、伸縮機構21としてのXリンク25は、ドア側支持ブラケット24に対する連結点X1の上下方向移動を伴いながら、その第1リンク部材41が回動することにより、車幅方向に伸縮する。そして、第2の駆動装置62は、そのドア側支持ブラケット24に対する第1リンク部材41の連結点X1を上下方向に移動させることにより、このXリンク25を車幅方向に伸縮させることとした。
しかし、これに限らず、第2の駆動装置62による伸縮機構21の駆動方法は、任意に変更してもよい。例えば、車体側支持ブラケット23に対する第2リンク部材42の連結点X2を上下方向に移動させる構成であってもよい。また、そのXリンク25を構成する第1リンク部材41及び第2リンク部材42について、その下側の連結点X3,X4の何れかを移動させる構成であってもよい。そして、その各連結点X0〜X4の何れかを支点として、これらの各第1リンク部材41及び第2リンク部材42を直接的に回動させる構成であってもよい。
・上記各実施形態では、制御装置80は、第1の駆動装置61の作動によるスライドドア5の車両前後方向移動と、第2の駆動装置62の作動によるスライドドア5の車幅方向変位と、をオーバーラップさせるかたちで、そのスライドドア5の開閉作動制御を実行することとした(図12及び図13参照)。
しかし、これに限らず、例えば、第2の駆動装置62の開駆動によるスライドドア5の車幅方向外側変位が完了した後、第1の駆動装置61の開駆動によるスライドドア5の車両後方移動を実行する。そして、第1の駆動装置61の閉駆動によるスライドドア5の車両前方移動が完了した後、第2の駆動装置62の閉駆動によるスライドドア5の車幅方向内側変位を実行する構成であってもよい。
・上記第3の実施形態では、ローラー摺接部230は、パイプレール31の延伸方向に並ぶ二組のローラー部材群220A,220Bを備えることとしたが、このようなローラー部材群の数は、一つでも、3つ以上であってもよい。
・また、上記第3の実施形態では、ローラー摺接部230は、各ローラー部材220のうちの第1ローラー221及び第2ローラー222を保持する第1ブラケット241と、残る第3ローラーを保持する第2ブラケット242と、を備える。更に、第1ブラケット241は、貫通孔260を有した板形状をなす。そして、第2ブラケット242は、その貫通孔260に第3ローラー223を挿入する状態で、この第3ローラー223がパイプレール31に対して摺接する当該パイプレール31の径方向から第1ブラケット241と締結されることとした。しかし、これに限らず、各ローラー部材220を保持する保持ブラケット240の形状は、任意に変更してもよい。更に、上記第1ブラケット241及び第2ブラケット242のような分割ブラケットの形状、及びその保持ブラケット240の分割数については任意に変更してもよい。そして、これら分割ブラケットの連結方法についてもまた、任意に変更してもよい。
・更に、上記のようなローラー摺接部230に対し、上記第1の実施形態における嵌合連結部33を組み合わせる構成としてもよく、上記第2の実施形態におけるローラー連結部170を組み合わせる構成としてもよい。そして、これらのローラー摺接部230、ローラー連結部170、及び嵌合連結部33を組み合わせる構成としてもよい。
・上記第4の実施形態では、ロアガイド部材311は、スライドドア5の下端部5bに固定される。そして、ロア支持部材313は、そのスライドドア5が設けられたドア開口部3における開作動方向側の下縁部3bに連結されることとした。
しかし、これに限らず、図28(a)(b)に示すスライドドア装置400のように、スライドドア5が設けられたドア開口部3の下縁部3bにロアガイド部材411を設ける。そして、スライドドア5側に、回動連結機構440を備えたロア支持部材413を設ける構成としてもよい。
具体的には、このスライドドア装置400が設けられた車両401において、ロア支持部材413は、その車体側支持ブラケット423がロアガイド部材411に連結されたロア連結部材412に固定されるとともに、そのドア側支持ブラケット424がスライドドア5に対して固定された状態で設けられている。更に、このロア支持部材413もまた、これらの車体側支持ブラケット423とドア側支持ブラケット424との間に介在された一対のリンク部材430,430が平行リンク431を形成する。そして、この図28に例示するロア支持部材413は、これにより、そのスライドドア5側の接続部としてのドア側支持ブラケット424を車両前後方向に移動させながら車幅方向に変位させる回動連結機構440を備えた構成となっている。このような構成を採用しても、上記第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
・上記第4の実施形態では、車体側支持ブラケット323側に、各リンク部材330の回動を規制可能なインターロック装置350が設けられることとしたが、図28に示す別例のように、ドア側支持ブラケット424側に、そのインターロック装置450を設ける構成としてもよい。また、これらインターロック装置350,450の型式は、スライドドア5の開閉動作を駆動力に利用する機械式でも、ソレノイド等の駆動源を有した電気式であってもよい。そして、このようなインターロック装置を設けない構成についてもまた、これを排除しない。
・また、上記第4の実施形態では、一対のリンク部材330,330が、平行リンク331を形成することとしたが、回動連結機構340を構成するリンク部材330の数は、一つでも3つ以上であってもよい。そして、その回動連結機構340が、必ずしも、車体2の外側面に対するスライドドア5の姿勢を平行に維持可能なものでなくともよい。
・更に、図29及び図30に示すように、そのロア支持部材513,613が、伸縮機構521,621となるXリンク525,625を備える構成であってもよい。
具体的には、図29(a)(b)に示すスライドドア装置500が設けられた車両501において、ロアガイド部材511は、スライドドア5の下端部5bに固定されている。そして、ロア支持部材513は、その車体側支持ブラケット523が、スライドドア5が設けられたドア開口部3における開作動方向側(図29中、右側)の下縁部3bに固定されるとともに、そのドア側支持ブラケット524が、ロアガイド部材511に連結されたロア連結部材512に固定された状態で設けられている。
具体的には、図29(a)(b)に示すスライドドア装置500が設けられた車両501において、ロアガイド部材511は、スライドドア5の下端部5bに固定されている。そして、ロア支持部材513は、その車体側支持ブラケット523が、スライドドア5が設けられたドア開口部3における開作動方向側(図29中、右側)の下縁部3bに固定されるとともに、そのドア側支持ブラケット524が、ロアガイド部材511に連結されたロア連結部材512に固定された状態で設けられている。
一方、図30(a)(b)に示すスライドドア装置600が設けられた車両601において、ロアガイド部材611は、スライドドア5が設けられたドア開口部3における開作動方向側の下縁部3bに固定されている。そして、ロア支持部材613は、その車体側支持ブラケット523が、このロアガイド部材611に連結されたロア連結部材612に固定されるとともに、そのドア側支持ブラケット624が、スライドドア5の下端部5bに固定された状態で設けられている。
尚、図29及び図30に示すように、これらのロア支持部材513,613において、その車体側支持ブラケット523,623及びドア側支持ブラケット524,624には、それぞれ、車両前後方向に延びる長孔555,655が設けられている。更に、これらのロア支持部材513,613は、それぞれ、その長孔555,655に沿って、リンク部材541,641の連結点X1及びリンク部材542,642の連結点X2が移動する。そして、これにより、そのリンク部材541,542が形成するXリンク525が車幅方向に伸縮し、及び、そのリンク部材641,642が形成するXリンク625が車幅方向に伸縮する構成になっている。
即ち、上記第4の実施形態及び図28に示す別例では、ロア支持部材313,413に回動連結機構340,440としての平行リンク331,431を設けることで、そのスライドドア5側の接続部としてのドア側支持ブラケット324,424を、車両前後方向に移動させながら車幅方向に変位させる構成とした。
これに対し、これらの図29に示す別例及び図30に示す別例において、そのロア支持部材513,613に設けられたXリンク525,625が形成する伸縮機構521,621は、そのスライドドア5側の接続部としてのドア側支持ブラケット524,624を車両前後方向に移動させることなく車幅方向に変位させることが可能となっている。そして、この特徴は、その上方に位置する支持部材13に設けられたXリンク25が形成する伸縮機構21についても同様である(図3及び図4参照)。従って、このような構成を採用することにより、そのスライドドア5の開閉軌跡を自在に設定することができる。
尚、図29(b)及び図30(b)中、二点鎖線に示すスライドドア5及びドア側支持ブラケット524,624の移動軌跡は、これらのスライドドア5を車幅方向外側に変位させた後、車両後方側に移動させる開操作を行った場合を示すものとなっている。そして、この移動軌跡は、その車両前後方向及び車幅方向におけるスライドドア5の開閉操作手順、つまりは、伸縮機構521,621の伸縮タイミング、及びロアガイド部材511,611とロア連結部材512,612との連結位置の変更タイミングを調整することにより、自在に変更することが可能となっている。
・上記第4の実施形態では、ロアガイド部材311は、パイプレール31としての構成を有し、ロア連結部材312は、連結部材12と同様の嵌合連結部33を有することとした。しかし、これに限らず、ロア連結部材312についてもまた、上記第2の実施形態におけるローラー連結部170を有するものであってもよく、上記第3の実施形態におけるローラー摺接部230を有するものであってもよい。更に、従来技術に見られるような断面コ字状のガイドレールをロアガイド部材311に用いる構成としてもよい。そして、ロアガイド部材311が車幅方向の湾曲部を有する構成についてもまた、これを排除しない。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記第2ブラケットは、互いに同一の形状を有して支軸の軸線方向に前記第3ローラーを挟み込む一対の分割部材を連結してなること、を特徴とする車両用スライドドア装置。これにより、第3ローラーをバランスよく、安定的に保持することができるとともに、併せて、その部品点数の削減を図ることができる。
(イ)前記第2ブラケットは、互いに同一の形状を有して支軸の軸線方向に前記第3ローラーを挟み込む一対の分割部材を連結してなること、を特徴とする車両用スライドドア装置。これにより、第3ローラーをバランスよく、安定的に保持することができるとともに、併せて、その部品点数の削減を図ることができる。
(ロ)前記ロアガイド部材は、前記スライドドアの下端部に固定され、前記ロア支持部材は、前記スライドドアが設けられたドア開口部における開作動方向側の下縁部に固定されること、を特徴とする車両用スライドドア装置。
上記構成によれば、車両外部へのロアガイド部材及びロア支持部材の露出を抑えて優れたデザイン性を確保することができる。そして、直線的に伸びるロアガイド部材を用いることにより、車両のフロアスペースを侵食することなく、スライドドアの薄型化を図ることができる。
(ハ)前記伸縮機構は、Xリンクを用いて構成されること、を特徴とする車両用スライドドア装置。これにより、簡素な構成にて、安定的に動作する伸縮機構を形成することができる。
(ニ)前記回動連結機構には、前記接続部が車幅方向外側に変位した回動位置において、前記回動連結機構を構成するリンク部材の回動を規制可能なインターロック装置が設けられる。これにより、車幅方向外側に離間した位置で車体の側方に支持されたスライドドアの姿勢を安定的に保持することができる。
1…車両、2…車体、2b…下端部、3…ドア開口部、3b…下縁部、3r…後縁部、5…スライドドア、5w…窓部、11…ガイド部材、11A…第1のガイド部材、11B…第2のガイド部材、12…連結部材、12A…第1の連結部材、12B…第2の連結部材、13…支持部材、20…スライドドア装置、21…伸縮機構、23…車体側支持ブラケット、23a…上端部、23b…下端部、24…ドア側支持ブラケット、24a…上端部、24b…下端部、25…Xリンク(リンク機構)、31…パイプレール、31s…周面、32(32f,32r)…レールブラケット、33…嵌合連結部、35…固定ブラケット、35a…立板部、35b…天板部、36…連結ブラケット、36f…側壁部、36r…側壁部、37…孔部、38…摺接部材(ブッシュ)、41…第1リンク部材、42…第2リンク部材、43…リンクアーム、43a…上端部、43b…下端部、44…接続板、46…リンクアーム、46a…上端部、46b…下端部、47,48…側壁部、51,52…孔部、55…長孔、57,58…軸部材、59,60…側壁部、61…第1の駆動装置、62…第2の駆動装置、63…アクチュエータ、63m…モータ、63p…駆動プーリー、64…駆動ベルト、65…プーリー、66…ベルトブラケット、67…アクチュエータ、67m…モータ、68…連結部材、68a…筒状連結部、68b…軸状連結部、71…第1ハウジング、71a…上端部、72…第2ハウジング、72a…上端部、72b…下端部、73…螺子軸、74…減速機、75…ナット部材、80…制御装置、81…操作入力部、112…連結部材、120…スライドドア装置、135…固定ブラケット、135s…支持面、140…軸状部、141…支軸、150(150a,150b)…ローラー、160…ローラー対、170…ローラー連結部、180…嵌合溝、X0〜X4…連結点、α…移動位置、α0…全開位置、α1…全開位置、αx…所定位置、β…変位、β0…全閉変位、β1…全開変位、βx…所定変位、Sc…操作入力信号、200…スライドドア装置、212…連結部材、220…ローラー部材、220A,220B…ローラー部材群、221…第1ローラー、222…第2ローラー、223…第3ローラー、230…ローラー摺接部、240…保持ブラケット、241…第1ブラケット、241a…第1端部、241b…第2端部、242…第2ブラケット、250,251,252,253…支軸、260…貫通孔、270…分割部材、271…基部、272…支持壁、280…ネジ部材、S1…第1面、S2…第2面、300…スライドドア装置、301…車両、311…ロアガイド部材、312…ロア連結部材、313…ロア支持部材、323…車体側支持ブラケット、324…ドア側支持ブラケット(スライドドア側の接続部)、330…リンク部材、331…平行リンク、340…回動連結機構、350…インターロック装置、N1,N2…回動連結点、400…スライドドア装置、401…車両、411…ロアガイド部材、412…ロア連結部材、413…ロア支持部材、423…車体側支持ブラケット、424…ドア側支持ブラケット(スライドドア側の接続部)、430…リンク部材、431…平行リンク、440…回動連結機構、450…インターロック装置、500…スライドドア装置、501…車両、511…ロアガイド部材、512…ロア連結部材、513…ロア支持部材、521…伸縮機構、523…車体側支持ブラケット、524…ドア側支持ブラケット、525…Xリンク、541,542…リンク部材、555…長孔、600…スライドドア装置、601…車両、611…ロアガイド部材、612…ロア連結部材、613…ロア支持部材、621…伸縮機構、623…車体側支持ブラケット、624…ドア側支持ブラケット、625…Xリンク、641,642…リンク部材、655…長孔。
Claims (14)
- 車両前後方向に延びるガイド部材と、
前記ガイド部材の延伸方向に沿って連結位置を変更可能な状態で該ガイド部材に連結される連結部材と、
前記連結部材と固定されることにより該連結部材及び前記ガイド部材を介してスライドドアを車体に支持する支持部材と、を備えるとともに、
前記支持部材には、前記連結位置の変更に依らず前記スライドドアを車幅方向に変位可能な伸縮機構が設けられた車両用スライドドア装置。 - 請求項1に記載の車両用スライドドア装置において、
前記ガイド部材には、パイプレールが用いられること、
を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項2に記載の車両用スライドドア装置において、
前記連結部材は、前記パイプレールの周面に摺接する状態で該パイプレールに嵌合する嵌合連結部を備えること、を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の車両用スライドドア装置において、
前記連結部材は、前記パイプレールを上下方向に挟み込むローラー対を有したローラー連結部を備えること、を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の車両用スライドドア装置において、
前記連結部材は、前記パイプレールの周方向に均等間隔で離間する3つのローラー部材を組として、該各ローラー部材を前記パイプレールの周面に摺接させるローラー摺接部を備えること、を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項5に記載の車両用スライドドア装置において、
前記ローラー摺接部は、
前記各ローラー部材のうちの第1ローラー及び第2ローラーを保持する第1ブラケットと、残る第3ローラーを保持する第2ブラケットと、を備えるとともに、
前記第3ローラーが前記パイプレールに対して摺接する該パイプレールの径方向において、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを締結してなること、
を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項6に記載の車両用スライドドア装置において、
前記第1ブラケットは、貫通孔を有した板形状をなし、前記貫通孔を挟んで離間した位置に前記第1ローラー及び第2ローラーの各支軸を有するとともに、
前記第2ブラケットは、前記第1ローラー及び第2ローラーの各支軸が設けられた前記第1ブラケットの第1面とは反対側の第2面側から、前記貫通孔に前記第3ローラーを挿入する状態で、前記第1ブラケットと締結されること、
を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の車両用スライドドア装置において、
前記ガイド部材は、前記スライドドアに固定され、
前記支持部材は、前記スライドドアが設けられたドア開口部における開作動方向側の縁部に固定されること、を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の車両用スライドドア装置において、
上下方向に離間して配置される複数の前記ガイド部材を備えること、
を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の車両用スライドドア装置において、
前記ガイド部材に対する前記連結部材の連結位置を変更することにより前記スライドドアを車両前後方向に移動させる第1の駆動装置と、
前記伸縮機構を駆動することにより前記スライドドアを車幅方向に変位させる第2の駆動装置と、
前記第1及び第2の駆動装置の作動を制御する制御装置と、を備えること、
を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項10に記載の車両用スライドドア装置において、
前記支持部材は、支持ブラケットと、該支持ブラケットに連結されたリンク部材と、を備え、
前記伸縮機構は、前記リンク部材が前記支持ブラケットに対する連結点の移動を伴いながら回動するリンク機構であって、
前記第2の駆動装置は、前記連結点を移動させることにより前記リンク機構を車幅方向に伸縮させること、を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項1〜請求項11の何れか一項に記載の車両用スライドドア装置において、
前記スライドドアの下端部が配置される前記車両の上下方向位置において車両前後方向に延びるロアガイド部材と、
前記ロアガイド部材の延伸方向に沿って連結位置を変更可能な状態で前記ロアガイド部材に連結されるロア連結部材と、
前記ロア連結部材と固定されることにより該ロア連結部材及び前記ロアガイド部材を介して前記スライドドアの下端部を前記車体の下端部に支持するロア支持部材と、
を備えること、を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項12に記載の車両用スライドドア装置において、
前記ロア支持部材には、該ロア支持部材における前記スライドドア側の接続部を車両前後方向に移動させながら車幅方向に変位させる回動連結機構が設けられること、
を特徴とする車両用スライドドア装置。 - 請求項13に記載の車両用スライドドア装置において、
前記回動連結機構は、平行リンクを用いて構成されること、
を特徴とする車両用スライドドア装置。
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