JP2020059047A - レーザー加工装置及びレーザー加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加工物を切断予定ラインに沿って精度よく切断することができるレーザー加工装置及びレーザー加工方法を提供する。【解決手段】レーザー加工装置1は、レーザー光源22と、レーザー光源22から出力されたレーザー光Lを変調する空間光変調器28と、空間光変調器28で変調されたレーザー光LをウェーハWの内部に集光する集光レンズ38と、ウェーハWに対してレーザー光Lを切断予定ラインに沿って相対移動させるステージ11と、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向に互いに等しい少なくとも2つの位置にレーザー光Lが集光レンズ38により集光されて改質領域が形成されるように、空間光変調器28を制御する制御部50と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、被加工物の内部に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、被加工物の切断予定ラインに沿って被加工物の内部に改質領域を形成するレーザー加工装置及びレーザー加工方法に関するものである。
従来より、被加工物の内部に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、被加工物の切断予定ラインに沿って被加工物の内部に改質領域を形成するレーザー加工装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたレーザー加工装置では、被加工物に対してレーザー光を照射しつつ切断予定ラインに沿って相対移動させる際、被加工物内において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光の相対移動方向に沿って離れた2つの位置にレーザー光を同時に集光させて一対の改質領域を同時形成する。これにより、1本の切断予定ラインについて被加工物の内部に2列の改質領域を1スキャンで形成することが可能となる。
特開2011−51011号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたレーザー加工装置では、上述したように、一対の改質領域を同時形成する際、被加工物内において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光の相対移動方向に沿って離れた2つの位置にレーザー光を同時に集光させるため、被加工物内において厚さ方向に並ぶ2つの改質領域同士は互いに異なるタイミングで形成される。そのため、厚さ方向に並ぶ2つの改質領域から発生した亀裂同士が繋がり難く、被加工物の切断精度が良くないといった問題点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、被加工物を切断予定ラインに沿って精度よく切断することができるレーザー加工装置及びレーザー加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下の発明を提供する。
本発明の第1態様に係るレーザー加工装置は、被加工物の内部に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、被加工物の切断予定ラインに沿って被加工物の内部に改質領域を形成するレーザー加工装置であって、レーザー光を出力するレーザー光源と、レーザー光源から出力されたレーザー光を変調する空間光変調器と、空間光変調器で変調されたレーザー光を被加工物の内部に集光する集光レンズと、被加工物に対してレーザー光を切断予定ラインに沿って相対移動させる相対移動手段と、被加工物の内部において被加工物の厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光の相対移動方向に互いに等しい少なくとも2つの位置にレーザー光が集光レンズにより集光されて改質領域が形成されるように、空間光変調器を制御する制御部と、を備える。
本発明の第2態様に係るレーザー加工装置は、第1態様において、少なくとも2つの位置は、第1集光位置と第2集光位置とを含み、制御部は、第1集光位置に集光するレーザー光の第1光束の偏光方向と、第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束の偏光方向とが互いに異なるように、空間光変調器を制御する。
本発明の第3態様に係るレーザー加工装置は、第1態様において、少なくとも2つの位置は、第1集光位置と第2集光位置とを含み、制御部は、第1集光位置に集光するレーザー光の第1光束の偏光方向と、第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束の偏光方向とが互いに直交するように、空間光変調器を制御する。
本発明の第4態様に係るレーザー加工装置は、第2態様又は第3態様において、第1集光位置に集光するレーザー光の第1光束と、第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束とのパワー比を変更するパワー比変更手段を備える。
本発明の第5態様に係るレーザー加工装置は、第4態様において、パワー比変更手段は、空間光変調器の入射側に設けられたλ/2波長板である。
本発明の第6態様に係るレーザー加工方法は、被加工物の内部に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、被加工物の切断予定ラインに沿って被加工物の内部に改質領域を形成するレーザー加工方法であって、レーザー光源から出力されたレーザー光を変調する変調工程と、空間光変調器で変調されたレーザー光を被加工物の内部に集光する集光工程と、被加工物に対してレーザー光を切断予定ラインに沿って相対移動させる相対移動工程と、被加工物の内部において被加工物の厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光の相対移動方向に互いに等しい少なくとも2つの位置にレーザー光が集光されて改質領域が形成されるように制御する制御工程と、を備える。
本発明の第7態様に係るレーザー加工方法は、第6態様において、少なくとも2つの位置は、第1集光位置と第2集光位置とを含み、制御工程は、第1集光位置に集光するレーザー光の第1光束の偏光方向と、第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束の偏光方向とが互いに異なるように制御する。
本発明の第8態様に係るレーザー加工方法は、第6態様において、少なくとも2つの位置は、第1集光位置と第2集光位置とを含み、制御工程は、第1集光位置に集光するレーザー光の第1光束の偏光方向と、第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束の偏光方向とが互いに直交するように制御する。
本発明の第9態様に係るレーザー加工方法は、第7態様又は第8態様において、第1集光位置に集光するレーザー光の第1光束と、第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束とのパワー比を変更するパワー比変更工程を備える。
本発明の第9態様に係るレーザー加工方法は、第9態様において、パワー比変更工程は、レーザー光の光路上に設けられたλ/2波長板を光軸周りに回転させることによりパワー比を変更する。
本発明によれば、被加工物を切断予定ラインに沿って精度よく切断することができる。
本発明の一実施形態に係るレーザー加工装置の概略を示した構成図である。 本発明の一実施形態に係るレーザー加工方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るレーザー加工方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るレーザー加工方法を説明するための図である。 本発明の効果を説明するための図であり、ウェーハに複雑な形状の切断予定ラインが設定されている状態を示した概略図である。 本発明の比較例を説明するための図である。 本発明の比較例を説明するための図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳説する。
図1は、本発明の一実施形態に係るレーザー加工装置の概略を示した構成図である。図1に示すように、本実施形態のレーザー加工装置1は、主として、ステージ11と、レーザーエンジン(光学系ユニット)20と、制御部50とを備えている。なお、本実施形態では、レーザーエンジン20と制御部50とが別々に構成される場合を例示したが、この構成に限らず、レーザーエンジン20は制御部50の一部又は全部を含んでいてもよい。
ステージ11は、被加工物を吸着保持するものである。ステージ11は、図示しないステージ移動機構を含んで構成され、ステージ移動機構によりXYZθ方向に移動可能に構成される。ステージ移動機構としては、例えば、ボールねじ機構、リニアモータ機構等の種々の機構にて構成することができる。なお、図1においては、XYZの3方向は互いに直交し、このうちX方向およびY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。また、θ方向は、鉛直方向軸(Z軸)を回転軸とする回転方向である。ステージ11は、本発明の相対移動手段の一例である。
本実施形態では、被加工物として、シリコンウェーハ等の半導体ウェーハ(以下、「ウェーハ」という。)Wが適用される。ウェーハWは、格子状に配列された切断予定ラインによって複数の領域に区画され、この区画された各領域に半導体チップを構成する各種デバイスが形成されている。なお、本実施形態においては、被加工物としてウェーハWを適用した場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ガラス基板、圧電セラミック基板、ガラス基板なども適用することができる。
ウェーハWは、デバイスが形成された表面(デバイス面)に粘着材を有するバックグラインドテープ(以下、BGテープ)が貼付され、裏面が上向きとなるようにステージ11に載置される。ウェーハWの厚さは、特に制限はないが、典型的には700μm以上、より典型的には700〜800μmである。
なお、ウェーハWは、一方の面に粘着材を有するダイシングテープが貼付され、このダイシングテープを介してフレームと一体化された状態でステージ11に載置されるようにしてもよい。
レーザーエンジン20は、主として、レーザー光源22、空間光変調器28、集光レンズ38等を備えている。
レーザー光源(IRレーザー光源)22は、制御部50の制御に従って、ウェーハWの内部に改質領域を形成するための加工用のレーザー光Lを出力する。レーザー光Lの条件としては、例えば、光源が半導体レーザー励起Nd:YAGレーザー、波長が波長:1.1μm、レーザー光スポット断面積が3.14×10−8cm、発振形態がQスイッチパルス、繰り返し周波数が80〜200kHz、パルス幅が180〜370ns、出力が8Wである。
空間光変調器28は、位相変調型のものであり、レーザー光源22から出力されたレーザー光Lを入力し、2次元配列された複数の画素それぞれにおいてレーザー光Lの位相を変調する所定のホログラムパターンを呈示して、その位相変調後のレーザー光Lを出力する。このホログラムパターンは、単一または集光位置の異なる複数のフレネルレンズパターンを重ね合せたものである。これにより、詳細を後述するように、レーザー光Lを照射しつつ切断予定ラインに沿って相対移動させる際、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向に互いに等しい2つの位置にレーザー光Lが同時に集光される。
空間光変調器28としては、例えば、反射型液晶(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)の空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)が用いられる。空間光変調器28の動作、及び空間光変調器28で呈示されるホログラムパターンは、制御部50によって制御される。なお、空間光変調器28の具体的な構成や空間光変調器28で呈示されるホログラムパターンについては既に公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
集光レンズ38は、レーザー光LをウェーハWの内部に集光させる対物レンズ(赤外対物レンズ)である。この集光レンズ38の開口数(NA)は、例えば0.65である。
集光レンズ38は、ウェーハWの内部において生じるレーザー光Lの収差を補正するために補正環40を備えている。この補正環40は手動で回転自在に構成されており、補正環40を所定方向に回転させると、集光レンズ38を構成しているレンズ群の間隔が変更され、ウェーハWのレーザー光照射面(裏面)から所定の深さの位置でレーザー光Lの収差が所定の収差以下となるように収差を補正することができる。
なお、補正環40は、図示しない補正環駆動部によって電動で回転されるように構成されていてもよい。この場合、制御部50は、補正環駆動部の動作を制御して、補正環40を回転させることによってレーザー光Lの収差が所望の状態となるように補正を行う。
レーザーエンジン20は、上記構成の他、ビームエキスパンダ24、λ/2波長板26、縮小光学系36等を備えている。
ビームエキスパンダ24は、レーザー光源22から出力されたレーザー光Lを空間光変調器28のために適切なビーム径に拡大する。λ/2波長板26は、空間光変調器28へのレーザー光入射偏光面を調整する。縮小光学系36は、第1のレンズ36a及び第2のレンズ36bからなるアフォーカル光学系(両側テレセントリックな光学系)であり、空間光変調器28で変調されたレーザー光Lを集光レンズ38に縮小投影する。
また、図示を省略したが、レーザーエンジン20には、ウェーハWとのアライメントを行うためのアライメント光学系、ウェーハWと集光レンズ38との間の距離(ワーキングディスタンス)を一定に保つためのオートフォーカスユニット等が備えられている。
制御部50は、レーザー加工装置1の各部の動作を制御する制御装置であり、各種処理を実行するコントローラとして機能するCPU(Central Processing Unit)や、各種情報を記憶するメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を有している。制御部50は、オペレータによって指定された加工情報(加工条件等)に基づいて、レーザー加工装置1の各部(ステージ11やレーザーエンジン20等)の動作を制御することにより、ウェーハWの内部に改質領域を形成するための動作の制御を行う。
また、制御部50は、空間光変調器28の動作を制御し、所定のホログラムパターンを空間光変調器28に呈示させる。具体的には、制御部50は、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向に互いに等しい2つの位置(第1集光位置及び第2集光位置)にレーザー光Lが集光レンズ38により同時に集光されるように、レーザー光Lを変調するためのホログラムパターンを空間光変調器28に呈示させる。その際、制御部50は、空間光変調器28から出射されて集光レンズ38で2つの位置に集光されるレーザー光Lの各光束の偏光方向が互いに異なるように(好ましくは、各光束の偏光方向が互いに直交するように)、空間光変調器28の動作を制御する。なお、ホログラムパターンは、改質領域の形成位置、照射するレーザー光Lの波長、及び集光レンズ38やウェーハWの屈折率等に基づいて予め導出され、制御部50に記憶されている。ここで、空間光変調器28として反射型液晶の空間光変調器を用いた例で説明すると、液晶配向方向とレーザー光の偏光面が一致した場合、レーザー光は所定の位相変調を受けるが、一致しない場合(例えば直交方向)は無変調となる。これにより、無変調とホログラムパターンで位相変調された2焦点を形成することが可能となる。
レーザー加工装置1はこの他に、図示しないウェーハ搬送手段、操作板、テレビモニタ、及び表示灯等から構成されている。
操作板には、レーザー加工装置1の各部の動作を操作するスイッチ類や表示装置が取り付けられている。テレビモニタは、図示しないCCDカメラで撮像したウェーハ画像の表示、又はプログラム内容や各種メッセージ等を表示する。表示灯は、レーザー加工装置1の加工中、加工終了、非常停止等の稼働状況を表示する。
次に、本発明の一実施形態に係るレーザー加工方法について説明する。このレーザー加工方法は、上述した本実施形態のレーザー加工装置1を用いて実施されるものである。
まず、集光レンズ38に備えられた補正環40を手動(または電動)で回転させることにより、ウェーハWの内部においてレーザー光Lを集光させる位置(改質領域の加工深さ)でレーザー光Lの収差が所定の収差以下となるように収差補正量を調整する。なお、本明細書において、「収差補正量」とは、ウェーハWのレーザー光照射面(裏面)からの深さに換算した値である。すなわち、例えば収差補正量が500μmである場合には、ウェーハWのレーザー光照射面からの深さが500μmの付近位置でレーザー光の収差が最小となることを意味する。例えば、ウェーハWの厚さ(初期厚み)が775μmである場合には、補正環40による収差補正量は500μmに設定されることが好ましい。
このように集光レンズ38の補正環40を用いてレーザー光Lの集光点を合わせる位置の収差が所定の収差以下となるように補正することにより、ウェーハWの厚さが厚い場合でも、ウェーハWの厚さ方向の深い位置にレーザー光Lを効率良く集光させることが可能となる。なお、補正環40を用いて収差補正を行うことが効果的である理由や他の収差補正手段については、本願出願人が出願した特開2016−11315号公報に詳しく記載しているので、ここでは説明を省略する。
なお、本実施形態では、補正環40を用いて収差補正を行っているが、必ずしもこれに限定されず、例えば、補正環40を用いて収差補正を行わなくてもよい。この場合、空間光変調器28を用いて収差補正を行うようにしてもよい。
次に、加工対象となるウェーハWをステージ11に載置した後、図示しないアライメント光学系を用いてウェーハWのアライメントが行われる。
次に、ウェーハWに対してレーザー光Lを照射しつつ切断予定ラインに沿って相対移動させる。なお、レーザー光Lの相対移動は、ウェーハWを吸着保持したステージ11をX方向に加工送りすることにより行われる。
このとき、レーザー光源22から出力されたレーザー光Lは、ビームエキスパンダ24によってビーム径が拡大され、第1ミラー30によって反射され、λ/2波長板26によって偏光方向が変更されて空間光変調器28に入射される。
空間光変調器28に入射されたレーザー光Lは、空間光変調器28に呈示された所定のホログラムパターンに従って変調される。その際、制御部50は、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向M(図2参照)に互いに等しい2つの位置にレーザー光Lが集光レンズ38により同時に集光されるように、レーザー光Lを変調するためのホログラムパターンを空間光変調器28に呈示させる制御を行う。また、制御部50は、空間光変調器28から出射されて集光レンズ38で2つの位置に集光されるレーザー光Lの各光束(第1光束及び第2光束)の偏光方向が互いに異なるように(好ましくは、各光束の偏光方向が互いに直交するように)、空間光変調器28の動作を制御する。
空間光変調器28から出射されたレーザー光Lは、第2ミラー31、第3ミラー32によって順次反射された後、第1のレンズ36aを通過し、さらに第4ミラー33、第5ミラー34によって反射され、第2のレンズ36bを通過し、集光レンズ38に入射される。これにより、空間光変調器28から出射されたレーザー光Lは、第1のレンズ36a、第2のレンズ36bからなる縮小光学系36によって集光レンズ38に縮小投影される。そして、集光レンズ38に入射されたレーザー光Lは、集光レンズ38によりウェーハWの内部において互いに異なる2つの位置に集光される。
図2から図4は、本発明の一実施形態に係るレーザー加工方法を説明するための図である。なお、図2は、ウェーハWの内部にレーザー光Lが集光された状態を示した図である。図3は、図2に示したレーザー光Lの集光位置に改質領域が形成された状態を示した図である。図4は、切断予定ラインに沿ってウェーハWの内部に改質領域が2列形成された状態を示した図である。
図2に示すように、空間光変調器28によって変調されたレーザー光Lは、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向Mに互いに等しい2つの位置(第1集光位置Q1、第2集光位置Q2)に集光レンズ38により同時に集光される。これにより、図3に示すように、2つの集光位置Q1、Q2の近傍には、一対の改質領域P1、P2が形成される。また、一対の改質領域P1、P2が形成されると、それぞれの改質領域P1、P2を起点としてウェーハWの厚さ方向に延びる亀裂(クラック)K1、K2が形成される。したがって、切断予定ラインに沿った1回のスキャンが行われると、図4に示すように、ウェーハWの内部に2列の改質領域P1、P2を形成することができる。なお、一例として、ウェーハWの内部において2つの集光位置Q1、Q2の厚さ方向の間隔は50〜80μmに設定される。
このように、切断予定ラインに沿った1回のスキャンで、ウェーハWの内部に2列の改質領域P1、P2が形成されると、ステージ11がY方向に1ピッチ割り出し送りされ、次の切断予定ラインも同様にして、改質領域P1、P2が形成される。
全てのX方向と平行な切断予定ラインに沿って改質領域P1、P2が形成されると、ステージ11が90°回転され、先程のラインと直交するラインも同様にして全て改質領域P1、P2が形成される。これにより、全ての切断予定ラインに沿って改質領域P1、P2が形成される。
以上のようにして切断予定ラインに沿って改質領域P1、P2が形成された後、図示しない研削装置を用いて、ウェーハWの裏面を研削して、ウェーハWの厚さ(初期厚み)T1を所定の厚さ(最終厚み)T2(例えば、30〜50μm)に加工する裏面研削工程が行われる。
裏面研削工程の後、ウェーハWの裏面にエキスパンドテープ(ダイシングテープ)が貼付され、ウェーハWの表面に貼付されているBGテープが剥離された後、ウェーハWの裏面に貼付されたエキスパンドテープに張力を加えて引き伸ばすエキスパンド工程が行われる。
これにより、ウェーハWのデバイス面(表面)側まで伸展した亀裂(クラック)を起点にしてウェーハWが切断される。すなわち、ウェーハWが切断予定ラインに沿って切断され、複数のチップに分割される。
このように本実施形態では、ウェーハWに対してレーザー光Lを照射しつつ切断予定ラインに沿って相対移動させる際、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向Mに互いに等しい2つの集光位置Q1、Q2にレーザー光Lを集光レンズ38により同時に集光させて改質領域P1、P2を同時形成している。そのため、ウェーハWの内部において厚さ方向に並ぶ2つの改質領域P1、P2同士がほぼ同じタイミングで形成される。これにより、切断予定ラインに沿った1回のスキャンで、ウェーハWの内部に2列の改質領域P1、P2を形成する際に、ほぼ同じタイミングで形成された改質領域P1、P2から発生した亀裂がウェーハWの厚さ方向に連続的に形成されるため、厚さ方向に並ぶ改質領域P1、P2を異なるタイミングで形成する場合に比べて、改質領域P1、P2から発生した亀裂の直線性がよく、ウェーハWの内部に生じた亀裂を効率よく且つ高精度に伸展させることが可能となる。
なお、本実施形態では、ウェーハWの内部に生じた亀裂をウェーハWのデバイス面に到達しない位置(好ましくは、ウェーハWのデバイス面の近くの位置)まで伸展させることが好ましい。仮に、ウェーハWの内部に生じた亀裂がウェーハWのデバイス面に到達する位置まで伸展していると、ウェーハWの機械的強度が低下するために、ウェーハWの搬送時にウェーハWが意図せずに切断されてしまうといったハンドリング性の問題が生じやすくなる。一方、ウェーハWの内部に生じた亀裂をウェーハWのデバイス面に到達させないことにより、ウェーハWの機械的強度が向上する。これにより、レーザー加工(改質領域の形成)後の後工程(裏面研削工程等)を行うために、改質領域が形成されたウェーハWを搬送する場合などにおいて、ウェーハWが意図せずに切断されるのを防止することができる。つまり、ウェーハWのハンドリング性を向上させることが可能となる。また、ウェーハWの内部に生じた亀裂をウェーハWのデバイス面の近くの位置まで伸展させることにより、ウェーハWが切断予定ラインに沿って切断されていない未切断の領域が生じることを抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、空間光変調器28から出射されて集光レンズ38で2つの集光位置Q1、Q2に集光されるレーザー光Lの各光束の偏光方向が互いに異なることが好ましく、より好ましくは、各光束の偏光方向が互いに直交していることが好ましい。これにより、上述したように、レーザー光Lの各光束を集光レンズ38により同時に集光させる場合でも、互いの光束同士が干渉することなく、各光束をそれぞれの集光位置Q1、Q2に集光させることができ、改質領域P1、P2を効率良く形成することができる。
また、本実施形態では、空間光変調器28から出射されて集光レンズ38で2つの位置に集光されるレーザー光Lの各光束のパワー比が所望の値に調整されることが好ましい。例えば、レーザー光Lの光路上において空間光変調器28の手前(入射側)に配置されたλ/2波長板26を光軸周りに回転させることで、各光束のパワー比を調整することができる。なお、λ/2波長板26を手動で回転操作できるようにしてもよいし、制御部50が、λ/2波長板26に設けた回転機構(モータ等)によりλ/2波長板26の回転角度を制御するようにしてもよい。レーザー光Lの各光束のパワー比を調整することで、ウェーハWの内部に形成される改質領域P1、P2の大きさや亀裂K1、K2の長さを適宜変化させることができ、ウェーハWの切断精度を向上させることが可能となる。なお、λ/2波長板26は、パワー比変更手段の一例である。
また、本実施形態では、上述したように、ウェーハWの内部に改質領域P1、P2が形成されるため、例えば、図5に示すように切断予定ラインSが複雑な形状であっても(すなわち、レーザー光Lの相対移動方向に切断予定ラインSが連続して形成されていない場合でも)、ウェーハWに対するレーザー光Lの照射開始位置又は照射終了位置(例えば、図5の破線丸印部分)においても、図4に示すように、ウェーハWの厚さ方向に並ぶ一対の改質領域P1、P2が同時形成される。
ここで、例えば、図6に示すように、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向に沿って離れた2つの集光位置Q1、Q2に集光レンズ38により同時に集光させて改質領域P1、P2を同時形成する場合、ウェーハWに対するレーザー光Lの照射開始位置又は照射終了位置において、図7の符号60で示した領域や符号62で示した領域のように、ウェーハWの厚さ方向に1つの改質領域しか形成されない部分が存在してしまう。この場合、ウェーハWの厚さ方向に亀裂が十分に伸展せずに、ウェーハWのデバイス面において亀裂が蛇行するなど、ウェーハWの切断精度が低下する場合がある。
これに対し、本実施形態では、ウェーハWに対するレーザー光Lの照射開始位置又は照射終了位置においても、他の位置と同様に、ウェーハWの内部に厚さ方向に並ぶ一対の改質領域P1、P2が同時形成されるので、複雑な形状の切断予定ラインが設定されたウェーハWに対しても、ウェーハWの厚さ方向に亀裂を十分に伸展させることができ、ウェーハWの切断精度を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態においては、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なる2つの集光位置Q1、Q2にレーザー光Lを集光レンズ38により同時に集光させて改質領域P1、P2を同時に形成する2段加工を行った後、ウェーハWの裏面を研削する裏面研削工程を行い、ウェーハWを個々のチップに分割する方法を採用したが、これに限定されず、例えば、必要に応じてウェーハWの内部においてレーザー光Lを集光させる位置(改質領域の加工深さ)を変えながら複数回レーザー加工を行ってもよい。その際、改質領域の加工深さに応じて、空間光変調器28に呈示させるホログラムパターンに、ウェーハWの内部の収差を補正する補正パターン(この場合は、補正環40による補正を打ち消す方向のパターン)を重畳させることにより、ウェーハWのレーザー光照射面から比較的浅い部分に対しても、適切な収差補正が可能となる。
また、本実施形態では、ウェーハWの内部において互いに異なる2つの位置にレーザー光Lが集光レンズ38で同時に集光されるように空間光変調器28でレーザー光Lの変調を行っているが、レーザー光Lを集光させる位置は2つに限らず、3つ以上であってもよい。
また、本実施形態では、空間光変調器28として、反射型の空間光変調器(LCOS−SLM)を用いたが、これに限定されず、MEMS−SLM又はDMD(デフォーマブルミラーデバイス)等であってもよい。また、空間光変調器28は、反射型に限定されず、透過型であってもよい。更に、空間光変調器28としては、液晶セルタイプ又はLCDタイプ等が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
1…レーザー加工装置、11…ステージ、20…レーザーエンジン、22…レーザー光源、24…ビームエキスパンダ、26…λ/2波長板、28…空間光変調器、36…縮小光学系、38…集光レンズ、40…補正環、50…制御部

Claims (10)

  1. 被加工物の内部に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、前記被加工物の切断予定ラインに沿って前記被加工物の内部に改質領域を形成するレーザー加工装置であって、
    前記レーザー光を出力するレーザー光源と、
    前記レーザー光源から出力された前記レーザー光を変調する空間光変調器と、
    前記空間光変調器で変調された前記レーザー光を前記被加工物の内部に集光する集光レンズと、
    前記被加工物に対して前記レーザー光を前記切断予定ラインに沿って相対移動させる相対移動手段と、
    前記被加工物の内部において前記被加工物の厚さ方向に互いに異なり、且つ前記レーザー光の相対移動方向に互いに等しい少なくとも2つの位置に前記レーザー光が前記集光レンズにより集光されて前記改質領域が形成されるように、前記空間光変調器を制御する制御部と、
    を備えるレーザー加工装置。
  2. 前記少なくとも2つの位置は、第1集光位置と第2集光位置とを含み、
    前記制御部は、前記第1集光位置に集光する前記レーザー光の第1光束の偏光方向と、前記第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束の偏光方向とが互いに異なるように、前記空間光変調器を制御する、
    請求項1に記載のレーザー加工装置。
  3. 前記少なくとも2つの位置は、第1集光位置と第2集光位置とを含み、
    前記制御部は、前記第1集光位置に集光する前記レーザー光の第1光束の偏光方向と、前記第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束の偏光方向とが互いに直交するように、前記空間光変調器を制御する、
    請求項1に記載のレーザー加工装置。
  4. 前記第1集光位置に集光する前記レーザー光の第1光束と、前記第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束とのパワー比を変更するパワー比変更手段を備える、
    請求項2又は3に記載のレーザー加工装置。
  5. 前記パワー比変更手段は、前記空間光変調器の入射側に設けられたλ/2波長板である、
    請求項4に記載のレーザー加工装置。
  6. 被加工物の内部に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、前記被加工物の切断予定ラインに沿って前記被加工物の内部に改質領域を形成するレーザー加工方法であって、
    レーザー光源から出力された前記レーザー光を変調する変調工程と、
    空間光変調器で変調された前記レーザー光を前記被加工物の内部に集光する集光工程と、
    前記被加工物に対して前記レーザー光を前記切断予定ラインに沿って相対移動させる相対移動工程と、
    前記被加工物の内部において前記被加工物の厚さ方向に互いに異なり、且つ前記レーザー光の相対移動方向に互いに等しい少なくとも2つの位置に前記レーザー光が集光されて前記改質領域が形成されるように制御する制御工程と、
    を備えるレーザー加工方法。
  7. 前記少なくとも2つの位置は、第1集光位置と第2集光位置とを含み、
    前記制御工程は、前記第1集光位置に集光する前記レーザー光の第1光束の偏光方向と、前記第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束の偏光方向とが互いに異なるように制御する、
    請求項6に記載のレーザー加工方法。
  8. 前記少なくとも2つの位置は、第1集光位置と第2集光位置とを含み、
    前記制御工程は、前記第1集光位置に集光する前記レーザー光の第1光束の偏光方向と、前記第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束の偏光方向とが互いに直交するように制御する、
    請求項7に記載のレーザー加工方法。
  9. 前記第1集光位置に集光する前記レーザー光の第1光束と、前記第2集光位置に集光するレーザー光の第2光束とのパワー比を変更するパワー比変更工程を備える、
    請求項7又は8に記載のレーザー加工方法。
  10. 前記パワー比変更工程は、前記レーザー光の光路上に設けられたλ/2波長板を光軸周りに回転させることにより前記パワー比を変更する、
    請求項9に記載のレーザー加工方法。
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