JP2020058751A - 鉄道模型列車の自動運転装置及びその加減速度の自動調整方法 - Google Patents

鉄道模型列車の自動運転装置及びその加減速度の自動調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、鉄道模型の自動運転装置とその自動運転方法に関し、模型列車と線路の改造およびレイアウトに合わせた加減速度の設定・調整を事前に行うことなく、指定した走行速度への加減速度の自動的な調整方法、特に定点停止制御を実現する減速度の自動的な調整方法を提供する。【解決手段】 本発明は、2つの車両センサを使用して、模型列車がそれらの間を走行する間の走行速度指令の値の積算演算を行うことで、滑らかな停車および加減速を実現する加速度および減速度を算出し自動調整して解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道模型の自動運転装置とその自動運転方法に関し、模型列車と線路の改造およびレイアウトに合わせた加減速度の調整を事前に行うことなく、指定した走行速度への加減速度の自動的な調整方法に関し、特に定点停止制御を実現する減速度の自動的な調整方法に関する。
鉄道模型における模型列車の自動運転方法において、駅ホームなどの所定の位置へ正確かつ滑らかに停車する走行は、模型列車の実感性の高さの実現で重要である。
これまでに提案されている駅ホームなどに停車する際の減速手法は以下の2通りに分類できる。第1の手法は特許文献1および非特許文献1で示されているものであり、1つの車両センサを使用して、車両センサが模型列車を検出すると減速を開始し、予め指定した減速度で停車するまで減速を継続する方法である。第2の手法は非特許文献2および非特許文献3で示されているものであり、2つの車両センサを使用して、減速用車両センサが模型列車を検出すると減速を開始し、予め指定した減速度で減速を開始するが、走行速度が予め指定した値に低下するとその走行速度を維持して、停止用車両センサが模型列車を検出すると予め指定された停止用の減速度により停車する方法である。
自動運転を実現するには、レイアウト(模型列車を走行させるために線路を配置したもの)の複数の箇所に車両センサを設置する必要があり、またレイアウト上を走行する模型列車の走行特性、すなわち回転数やトルクなどのモータ特性および模型列車の編成長の違いによる牽引負荷や動力車の数の違いなど、は様々である。そのため適切な減速度の値は模型列車の走行特性により異なる。
非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3ではいずれも、模型列車の走行特性に合わせて手作業で減速度の設定を行う。しかし模型列車と停車場所の組み合わせ全てに対して事前の設定が必要であり、しかも微調整を何度も繰り返す必要があるため、その手間は大きい。
特許文献1では、線路にギャップ(絶縁)を入れて電気的に独立した区間を設けておき、区間ごとに模型列車の存在を検知し、走行速度から模型列車の走行特性を算出する。車両センサが模型列車を検出すると、自動走行装置で予め設定した時間だけ減速走行をすることで目標の位置での停車を行う。しかしこの方式では、自動走行に先だってモータ特性を事前に測定して制御装置に設定するだけでなく、目標の位置でちょうど停車する減速走行時間を手作業で求めて制御装置に設定する必要がある。
以上の通り従来手法では、手作業による微調整、事前の設定、線路への加工が必要であり、実感性の高い自動運転の実現には多大な手間を要しているのが実状である。
実際に人が乗車する鉄道の走行制御において、駅ホームの正確な位置に滑らかに停車するための定点停止制御はホームドア設置とも関連する重要な課題であり、多くの技術開発がなされてきている。特許文献2および特許文献3は本発明に関係しているが、乗客へ提供する乗り心地の観点からの減速の滑らかさと走行時分の短縮の両立が必要であり、この実現のために減速パターンの事前登録や3つ以上の地上子など様々な事前設定と設備設置を必要とする。従って乗車の鉄道で用いられている手法をそのまま玩具である鉄道模型に適用することは、手間と費用の観点から適切ではない。
特開2010−252955号公報 特開2007−53845号公報 特開2001−45616号公報
TOMIX、「TCS自動運転ユニットN」 TOMIX、「TNOS新制御システム」 Marklin、「セントラルステーション2 (Central Station 2) 60215」および「ブレーキモジュール(Braking Module) 72442」
本発明は、鉄道模型の自動運転装置において駅ホームなどでの滑らかな定点停止制御により模型列車の走行の実感性を高める際の設定作業の軽減を目的とする。加えて、定点の通過時に指定速度となるような減速度および加速度の設定作業の軽減を目的とする。具体的には、停車場所ごとの減速走行時間、車両センサ間の物理的距離、モータ特性などの事前の測定および設定を不要とし、加えて線路にギャップを入れる加工を不要として、最適な減速度および加速度を自動的に調整する自動運転装置およびその調整方法の実現を目的とする。
本発明は、2つの車両センサを使用して、模型列車がそれらの間を走行する間の走行速度指令の値の積算演算を行うことで、滑らかな停車および加減速を実現する加速度および減速度を算出する。
本発明は第1に、鉄道模型の自動運転における減速度の値を自動調整して、手作業による最適な減速度の設定を不要とし、駅ホームなどの所定の位置へ正確かつ滑らかな停車が実現できる効果を有する。
本発明は第2に、鉄道模型の自動運転における加減速度の値を自動調整して、手作業による最適な加減速度の設定を不要とし、所定の位置での走行速度を所定の値となるよう滑らかな加減速が実現できる効果を有する。
本発明は第3に、2つの車両センサを用いることで、減速開始から停車までの物理的距離や減速時間およびモータ特性などの事前の測定と設定、線路にギャップを入れる加工、を不要にできる効果を有する。
本発明は第4に、自動運転の実行中であるなしに関わらず、走行させる模型列車の取り替えおよび走行速度の設定変更を行っても、加減速度の値を自動調整して滑らかな停車および加減速が実現できる効果を有する。
本発明は第5に、制御対象の模型列車に対する走行速度の指令方式がアナログ電圧制御方式、デジタル指令制御方式のいずれであっても、加減速度の値を自動調整して滑らかな停車および加減速が実現できる効果を有する。
本発明は第6に、制御対象の模型列車がZゲージのような超小型鉄道模型にも模型車両の加工なしに、加減速度の値を自動調整して滑らかな停車および加減速が実現できる効果を有する。
本発明の概要 定点停止制御を実現する減速度 定点停止制御における減速度と走行時間 走行距離Lの近似算出法の原理 指定の走行デューティ比へ減速する場合 指定の走行デューティ比へ加速する場合 実施例1のレイアウト 実施例2のレイアウト 実施例3のレイアウト(部分)
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の説明では鉄道模型について説明するが、本発明の適用対象は鉄道模型に限定されるものではなく、その他の模型車両にも適用できる。模型列車とは、1輌あるいは連結した2輌以上の模型車両で構成される編成のことであり、以下ではそれらを含めて模型列車と呼ぶ。
図1は本発明の自動運転装置の概要を示す図である。図1において、1は模型列車の走行するレイアウトであり、模型列車の走行路である線路の配置を示している。
車両センサは模型列車を検出するセンサであり、図1ではS1とS2の2つが配置されている。車両センサには、可視光センサ、赤外線センサ、磁気センサ、超音波センサ、電流センサ、スイッチ、などを用いて、レイアウト上のある地点およびある区間における模型列車の存在の有無を検出する。
制御手段2は模型列車の制御を行い、時刻の進行と車両センサ出力に基づき予め設定された自動運転シナリオ(模型列車の走行・停止およびポイント切り替えなどの一連の制御)を繰り返し実行する。本発明は制御手段2における模型列車の走行速度の制御部分の実現に関するものである。
図1において、模型列車が左から右へ走行して駅ホーム1aで停車する際には、車両センサS1から減速を開始し、一定の減速度による減速を継続することで、ちょうど車両センサS2の位置で停車する減速度を自動的に求める方法を提供することで、手作業による減速度の値の設定作業を不要とする。この方法の提供により、模型列車は駅で停車する際に、過走することなくしかも滑らかに減速して所定の位置で停車する。以降では、そのような走行を実現する減速度のことを最適な減速度と呼ぶ。
線路にはフィーダFが具備してあり、制御手段2はフィーダFを介して線路へ印加する電圧値を制御して模型列車の走行速度を制御する。なお図1および以下の説明では、アナログ電圧値を走行速度の指令の表現形式とし、フィーダFと線路を走行速度の指令の伝達媒体とするとともにモータへの電力供給の手段とする場合を示している。しかし本発明はこれに限るものでなく、走行速度の指令の表現形式にはDCC(Digital Command Control)などのデジタル指令制御方式など、伝達媒体には電波、赤外線、架線、第三軌条など、電力供給の手段には内蔵バッテリ、太陽電池、無線電力伝送など、を使用する場合にも適用できる。
制御手段2は模型列車に対して走行速度の指示を行う。以下ではPWM(Pulse With Modulation)方式のアナログ電圧値により走行速度の指示を行う場合を説明する。しかし本発明はこの場合に限定されるものではなく、純アナログ電圧値やデジタル指令による指示の場合にも当てはまる。制御手段2が指示する走行速度はPWM制御でのデューティ比の値で表現するものとし、これを以下では走行デューティ比と呼ぶ。例えば精度10ビットのPWM制御の場合では、走行デューティ比の値の範囲は0以上1023以下である。模型列車は、走行デューティ比が最小値0のときは停止し、最大値のときは最高速度で走行する。
図2は本発明の自動運転装置における定点停止制御を示す図であり、3つのグラフはいずれも横軸は線路上の位置(単位はメートル)で、縦軸は模型列車の走行デューティ比である。図2には2つの車両センサS1とS2が示されており、S1を制動開始を検出する車両センサ、S2を停止位置を検出する車両センサとしてそれぞれ使用する。模型列車は車両センサS1を通過して減速を開始し、車両センサS2に到達して停車する。V1を模型列車が車両センサS1を通過したときの走行デューティ比とする。
制御手段2は最低維持速度設定手段3を具備している。最低維持速度とは、停止することなく模型列車が走行可能な走行デューティ比の値であり、以降ではVslowと表記する。このVslowを設定する理由は、印加電圧が低いときは摩擦や慣性などの物理的な要因でモータは回転しないため、低速走行時でも模型列車が車両センサS2へ確実に到達することを保証するためである。最低維持速度設定手段3の具体的な実現には、可変抵抗器、不揮発性記憶装置、DIPスイッチ、グラフィカルユーザーインターフェース、などを用いる。
制御手段2は減速度の初期値D0を定める減速度初期値設定手段4を具備している。制御手段2が初期値D0の値に固定的な値を使用すれば必ずしもこれは必要でないが、最適な減速度への自動調整を早く完了するために具備することが望ましい。減速度初期値設定手段4の具体的な実現には、可変抵抗器、不揮発性記憶装置、DIPスイッチ、グラフィカルユーザーインターフェース、などを用いる。
図1では制御手段2、最低維持速度設定手段3、減速度初期値設定手段4を模型列車の外部に設置しているが、それらの一部あるいは全部を模型列車に搭載してもよい。
通常の自動運転では自動運転シナリオを繰り返し実行することから、自動運転シナリオを1回実行する度に最適な減速度Dを本発明の手法で算出する。しかし、模型列車の物理的な摩擦、走行ごとのゆらぎ、制御手段2での演算誤差、などの理由により、一度の自動運転シナリオの実行だけでは最適な減速値が求まるとは限らないため、自動運転シナリオの実行を繰り返す度に減速度の算出と更新をして最適な値へと近づける。つまり本発明では、実際の自動運転の実行をすると同時に、減速度の自動調整を進めてゆく点に特徴がある。
車両センサS1が模型列車を検出すると、制御手段2は減速度Dに従って模型列車に指示する走行デューティ比を減少してゆく。そして模型列車は車両センサS2の位置に到達するまで走行を続ける。図2(1)は最適な減速度Dによる理想的な走行の場合であり、車両センサS2の位置に滑らかな減速で過走することなく停車する。図2(2)は減速度Dが大きい場合であり、車両センサS2に到達するよりも前に走行デューティ比が低下している。このとき、走行デューティ比がVslowに達すれば走行デューティ比を維持して走行を続け、模型列車が車両センサS2に到達すると停車する。図2(3)、減速度Dが小さい場合であり、車両センサS2に到達したときの減速が不十分である。
図2(2)および図2(3)のいずれの場合も、車両センサS2の位置に到達した瞬間に走行速度を0にすると不自然な急停止となるため、車両センサS2に到達後は大きな減速度を用いて停車するのが実感的で望ましい。更に、車両センサS2に到達したときの走行デューティ比の値に応じて減速度を決定して、停車の滑らかさと過走防止の両立を行うことが望ましい。
図3に定点停止制御における減速度と走行時間の関係を示す。横軸は時間(単位は秒)で、縦軸は模型列車の走行速度(単位はメートル/秒)である。車両センサS1の位置で減速を開始し、車両センサS2の位置が停車の目標場所である。Lは車両センサS1とS2の間の物理的な距離(単位はメートル)である。なお図3における縦軸での値Vslowは、実際にはそれに対応する最低維持速度(単位はメートル/秒)である。図3(1)は減速度が最適な場合の走行である。この走行では停車の滑らかさと過走防止の両立ができている。図3(2)は減速度が大きい場合の走行であり、目標場所に到達する前に減速してしまい、最低維持速度で走行を続けて目標場所に到達している。この走行では低速走行が長く続くため実感的ではない。図3(3)は減速度が小さい場合の走行であり、減速が十分にできていないまま停車の目標場所に到達している。この走行では急停車を行うため実感的ではない。本発明は減速度の自動的な調整により、図3(1)で示される走行を実現することを目的とする。
制御手段2は、例えば50ミリ秒の間隔の制御周期Δごとに走行デューティ比を決定して指示を行う。以下の説明においては、減速度Dの値は制御手段2の制御周期ごとの走行デューティ比の減少値で表現する。
最適な減速度の計算の原理を説明する。減速度Dの具体的な値は、上記の通り自動運転シナリオを繰り返し実行することで最適値へ近づけてゆく。この繰り返し実行において車両センサS1から車両センサS2への走行は繰り返し発生し、その第i回目の走行を以下では走行第i回目と呼ぶ。D[i]を走行第i回目で使用する減速度の値とする。最初すなわち走行第1回目での減速度は、減速度初期値設定手段4によるD0、すなわちD[1]=D0と設定する。
走行第i回目の走行での制御手段2の動作を説明する。使用する減速度の値DをD[i]、走行第i回目における時刻tでの走行速度を小文字の記号v(t)、走行デューティ比を大文字の記号V(t)とし、説明の便宜上、模型列車が車両センサS1に到達した時刻をt=0、車両センサS2に到達した時刻をt=Tとおく。図4(1)に示す通り、時刻t=0からt=Tまでの間の走行速度v(t)の積分演算の結果はその間の走行距離であり、車両センサS1とS2の間の距離Lに一致する。図4(2)に示す通り、制御手段2が制御周期毎に走行速度v(t)の積算演算を行えばLの近似値が得られるが、走行速度v(t)の値は物理的な測定を要する。そこで図4(3)に示す通り、制御手段2は制御周期毎に走行デューティ比V(t)の積算演算を行い、その積算値Mを求める。この積算値Mと車両センサS1とS2の間の距離Lは、モータ性能やギヤ比などで定まる比例定数による比例関係にあると近似できる。
模型列車が滑らかに車両センサS2の位置で停車するような減速度Eの値は、以下の2条件を満たす。第1の条件は、図2(1)で示す通り、車両センサS1で走行速度がV1であり、減速度Eに従って制御周期ごとに走行デューティ比V(t)を減少し、そして車両センサS2に到達した時にちょうど走行デューティ比がVslowとなるものである。第2の条件は、そのような走行における走行デューティ比の積算値がMに一致すること、すなわち模型列車の走行距離がLとなることである。この2条件を満たす減速度Eの値を、V1、Vslow、Mの値より厳密的にあるいは近似的に算出する。走行第i+1回目すなわち次の走行での減速度の値D[i+1]はこの値Eより定める。
上記方法で算出した減速度Eは、モータ特性、摩擦、演算誤差などの理由により、図2(1)で示す通りの理想的なものであるとは限らない。そこで、図2(2)となった場合の減速度の値、図2(3)となった場合の減速度の値、の少なくとも1つを減速度の過去の事例として制御手段2は記憶しておき、上記の減速度Eの値を減速度の過去の事例の値を用いて補正するのが望ましい。
本発明の自動運転装置における定点停止制御は以上の通りであり、模型列車の走行特性の測定、物理的な走行速度の測定、センサ間の物理的な距離の測定、および線路へのギャップを入れる加工、は不要である。
上記自動調整方法は走行の度にV1およびVslowの最新の値を参照して最適な減速度を算出するため、自動運転中に模型列車の走行デューティ比を高くあるいは低くするよう手動の調整を行ってもその調整に自動的に追従する特徴を持つ。なお減速度の過去の事例の値を用いて補正を行う場合には、走行の度に減速度の過去の事例を更新することが望ましい。
上記自動調整方法により得られた減速度の値は制御手段2の電源をオフにした後も保持されるよう、減速度初期値設定手段4ではフラッシュメモリ、EEPROM、ハードディスク、などの不揮発性記憶装置に記録して、再び制御手段2の電源をオンにした時の減速度の初期値として使用可能にすることが望ましい。
本発明の自動運転装置における任意の走行デューティ比への減速度の自動調整方法、すなわち車両センサS2に模型列車が到達したときの走行デューティ比が任意に指定された値V2へと滑らかに減速するような減速度の最適値の求め方を図5を用いて説明する。この場合では模型列車が車両センサS1を到達したときに減速を開始し、車両センサS2に到達したときに減速を終了する。上記の定点停止制御の実現方法では車両センサS2に模型列車が到達したときの走行デューティ比をVslowとすることで減速度の最適な値を求めたが、走行デューティ比への減速度の自動調整方法では、上記の定点停止制御の実現方法におけるVslowの値をV2に置き換えることで実現できる。
本発明の自動運転装置における任意の走行デューティ比への加速度の自動調整方法、すなわち車両センサS2に模型列車が到達したときの走行デューティ比が任意に指定された値V2へと滑らかに加速するような加速度の最適値の求め方を図6を用いて説明する。この場合では模型列車が車両センサS1を到達したときに加速を開始し、車両センサS2に到達したときに加速を終了する。この自動調整方法は、上記の任意の走行デューティ比への減速度の自動調整方法と同じ方法で実現できる。これは図6での時間軸を逆にして加速と減速を逆にすれば図5に一致する理由による。具体的な方法は以下の通りである。模型列車が車両センサS1に到達したときの走行デューティ比をV1とし、車両センサS2に到達したときの走行デューティ比をV2とする。車両センサS1から車両センサS2に到達するまで走行デューティ比V(c)の積算演算を行い、積算値Mを求める。走行中は現在の加速度に従って制御周期ごとに走行デューティ比を増加するが、上限値はV2とする。そしてV1、V2、Mの値を用いて、図6における走行デューティ比の積算値がMに一致する加速度Eを、厳密的にあるいは近似的に算出する。走行第i+1回目すなわち次の走行での加速度はこの値Eより定める。この値も過去の事例の値を記憶しておき、補正することが望ましい。
図7は本発明の1実施例を示すレイアウトで、駅ホーム1aと1bはそれぞれ駅を表し、4つの車両センサS1〜S4が設置してある。車両センサS1とS2は駅ホーム1aでの停車に、車両センサS3とS4は駅ホーム1bでの停車に、それぞれ使用する。車両センサS1とS2の距離は、車両センサS3とS4の距離とは異なっていても良く、本発明によりそれぞれでの減速度はそれぞれの距離に合わせて自動調整される。
模型列車は駅ホーム1bから発車して車両センサS1とS2の2つを対として使用して駅ホーム1aに停車し、走行方向を変えて発車して車両センサS3とS4の2つを対として使用して駅ホーム1bに停車する。自動運転ではこの一連の走行を自動運転シナリオとして繰り返す。
減速度の値や過去の事例は車両センサS1とS2の対、車両センサS3とS4の対、それぞれの場合に対して記憶し本発明をそれぞれに適用することで、レイアウト上での車両センサの物理的な距離が対ごとに異なっていても滑らかな停車となるよう減速度が自動調整される。
図8は本発明の1実施例を示すレイアウトで、駅ホーム1aと1bはそれぞれ駅を表し、5つの車両センサS1〜S5が設置してあり、駅ホーム1bにはポイント(分岐器)P1により本線から分岐した副本線があり、2つの模型列車が交互に往復する。車両センサS1とS2は駅ホーム1aでの停車に、車両センサS3とS4は駅ホーム1bの本線での模型列車1の停車に、車両センサS3とS5は駅ホーム1bの副本線での模型列車2の停車に、それぞれ使用する。
模型列車1は駅ホーム1bの本線から発車して車両センサS1とS2の2つを対として使用して駅ホーム1aに停車し、走行方向を変えて発車して車両センサS3とS4の2つを対として使用して駅ホーム1bの本線に停車する。次に、模型列車2は駅ホーム1bの副本線から発車して車両センサS1とS2の2つを対として使用して駅ホーム1aに停車し、走行方向を変えて発車して車両センサS3とS5の2つを対として使用して駅ホーム1bの副本線に停車する。自動運転ではこの一連の走行を自動運転シナリオとして繰り返す。
減速度の値や過去の事例は、模型列車1および車両センサS1とS2の対、模型列車2および車両センサS1とS2の対、模型列車1および車両センサS3とS4の対、模型列車2および車両センサS3とS5の対、それぞれの場合に対して本発明を適用することで、同一レイアウト上で走行特性の異なる複数の模型列車をそれぞれの走行特性に適合した滑らかな停車となるよう減速度が自動調整される。
図9は本発明の1実施例を示すレイアウトの一部で、線路には走行デューティ比を下げて走行すべき徐行区間を含んでいる。模型列車は徐行区間に入り終えるまでには徐行値まで走行デューティ比を下げ、徐行区間を出ると通常値まで走行デューティ比を上げる。具体的には、車両センサS1で指定される地点から減速を開始し、車両センサS2で指定される地点では徐行走行デューティ比まで減速を終え、徐行区間では徐行デューティ比を保って走行を続け、車両センサS3で指定される徐行区間を抜けた地点から加速を開始し、車両センサS4で指定される地点で通常走行デューティ比となって加速を終える。この走行は本発明の減速度の自動調整機能を実施することで実現可能となる。すなわち、減速度は車両センサS1とS2の対、加速度は車両センサS3とS4の対、それぞれの場合に対して本発明を適用する。このように本発明の実施により、徐行区間を含む多彩なレイアウトにおいても、自動運転における実感的な加減速度が自動調整される。
本発明の自動運転装置における定点停止制御を実現する減速度の計算方法の実施例を説明する。制御手段2は模型列車を現在の減速度の値Dで走行させ、走行中に必要な測定をし、そして定点停止制御を実現する減速度Eを求めて、この値を次回の走行における減速度の値に使用する。以下はこの減速度Eの計算方法の一例である。
図4を用いて、本実施例での走行距離の近似算出法の原理を示す。時刻tにおける模型
れる。しかしこの値は物理的な距離であるために、物理的な測定をする以外にはこの値を得る方法はない。時刻tにおける模型列車の走行デューティ比を大文字の記号V(t)で表す。例えば精度10ビットのPWM制御の場合では、V(t)の値の範囲は0以上1023以下である。この値は制御手段2によって指示される値であるから、制御手段2はこの値を知っている。
1で示される比例関係があると仮定する。一般のモータの特性として、モータに直接供給されるデューティ比が小さい時はトルクは低く、摩擦や慣性などの要因でモータは回転せず走行速度は0である。そこで制御手段2が、デューティ比が小さい時にトルクを強化する機構、例えば逆起電力(BEMF)の測定に基づく補正や定期的な高デューティ比の挿入などの手法を用いれば、数式1で示される比例関係を近似的に実現できるため、比例関係は妥当な仮定である。ただしこの比例定数Kはモータ特性および模型列車のギア比などで決まる定数であるため、物理的な測定をする以外にはこの値を得る方法はない。
制御手段2は、例えば50ミリ秒の間隔Δの制御周期ごとに動作するとすれば、時刻tと第c番目の制御周期は数式2の関係にある。説明の便宜上、減速を開始する車両センサS1を通過したときをc=0とする。
図4(2)で示す通り、走行速度の積算演算により2つの車両センサの間の距離Lの近似値が表されることから、数式3で示される近似関係が成立する。なお、これまでは記号V(t)により時刻tにおける走行デューティ比を表していたが、以降では記号V(c)により第c番目の制御周期における走行デューティ比を表すものとする。
理想的な定点停止を実現する減速度Eでの走行を考える。車両センサS1での走行デューティ比がVで、減速度Eで減速をしてゆき、車両センサS2での走行デューティ比がちょうどVslowとなるのが定点停止制御を実現する理想的な走行である。この理想的な走行における第c番目の制御周期における走行デューティ比を記号W(c)で表せば、W(c)は数式4の通りとなる。
この理想的な走行における制御周期の総数Cは数式5で与えられる。これは第C回目の制御周期で模型車両が車両センサS2を通過し、そのときの走行デューティ比がちょうどVslowになることを意味する。
この理想的な走行における走行距離Hの近似値を数式6に示す。
上記の数式3と数式6が同じ走行距離、すなわちL=Hとなる減速度Eを用いることで、模型列車は車両センサS2の位置で滑らかに停車して理想的な走行となる。これを実現する減速度Eの値の算出を数式7に示す。この数式の重要な点は、物理的な測定を必
ころにある。すなわち制御手段2が直接的に知ることができる、車両センサS1に到達したときの走行デューティ比V、最低維持速度の値Vslow、走行デューティ比V(c)の積算演算結果、の3つの値から最適な減速度Eの算出を行う。
この実施例は簡潔な計算式を用いるため、制御手段2に処理性能が高くない8ビットのマイクロコントローラを用いた場合でも実時間処理が可能である。
本発明は鉄道模型の自動運転装置の一部として組み込むことが容易であり、使用する車両センサは停止・加減速箇所ごとに2つであり、制御手段2は8ビットのマイクロコントローラでも十分に実現でき、以上のことから製品価格を安価にできる。車両センサに関して、道床付き組み線路に事前に車両センサを組み込んだセンサ線路を既製品として提供可能で、既存の道床付き組み線路は加工不要でセンサ線路と接続可能にできるため、自動運転を行う仮設および固定レイアウトの作成を容易に実現できる。機械操作に不慣れな利用者でも容易に利用可能な自動運転装置にできるため、魅力の高いエンドユーザ向け製品にできる。多数の模型列車・停止箇所を有する博物館などでの大規模レイアウトにおいては、多数のパラメータ設定作業は本発明により自動化され、設置・管理作業の低減ができる。
1 レイアウト
1a〜1b 駅ホーム
2 制御手段
3 最低維持速度設定手段
4 減速度初期値設定手段
F フィーダ
S1〜S5 車両センサ

Claims (2)

  1. アナログ信号およびデジタル信号により模型列車の走行速度を制御する鉄道模型の自動運転装置において、前記模型列車を検出する第1の車両センサと第2の車両センサを設置し、
    前記模型列車の走行速度を制御する制御手段は走行速度の制御値および前記第1車両センサと前記第2車両センサの検出出力に基づいて、
    前記第1車両センサにより前記模型列車が検出されることで走行速度の変更を開始し、一定の加速度および減速度を保って減速および加速走行し、前記第2車両センサにより前記模型列車が検出される時には走行速度が予め指定した値となる加減速走行を実現する加速度および減速度を計算する加減速度計算部を含み、
    次回以降の前記模型列車の走行時には前記加減速度計算部の計算結果に基づいて走行速度を制御することで、
    前記加減速走行を実現することを特徴とする鉄道模型の自動運転装置。
  2. 請求項1に記載の装置としてコンピュータを機能させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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