実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲等は、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲等を表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲等に限定されない。
なお、「膜」という用語と、「層」という用語とは、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)等に分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様であるCT装置の構成例について、図面を参照して説明する。
<CT装置の構成例1>
図1(A)は、本発明の一態様のCT装置であるCT装置10の構成例を示す図である。CT装置10は、ガントリ11と、クレードル12と、を有する。
ガントリ11には空洞部21が設けられ、空洞部21の側壁に貼り付けるようにして半導体装置20が設けられる。クレードル12には被検体22が配置される。
図1(A)において、半導体装置20にハッチングを付して示している。ここで、半導体装置20は可撓性を有することが好ましい。これにより、図1(A)に示すように空洞部21の側壁が曲面を有する場合であっても、半導体装置20を空洞部21の側壁に貼り付けることができる。
ガントリ11は、空洞部21に入った被検体の断面画像を取得する機能を有する。CT装置10では、被検体22が配置されたクレードル12が空洞部21に入ることにより、被検体22の断面画像を取得することができる。
本明細書等においてCT装置とは、被検体の断面画像を取得する機能を有する装置全般を示す。
クレードル12は、被検体22を空洞部21に搬送する機能を有する。被検体22を配置したクレードル12が空洞部21へ移動することにより、被検体22を空洞部21に搬送することができる。
図1(B)は、図1(A)の一点鎖線A1−A2の断面図であり、被検体22が配置されたクレードル12が空洞部21に入っている状態を示している。図1(B)に示すように、半導体装置20は被検体22を覆うように設けることができる。例えば、空洞部21の側壁全体に、半導体装置20を貼り付けることができる。
図1(B)に示すように、半導体装置20には画素30が配列されている。よって、空洞部21に入った被検体22が画素30に取り囲まれるような構成とすることができる。
<半導体装置の構成例1>
図2は、図1(A)の二点鎖線B1−B2で半導体装置20を切断した場合における、半導体装置20の構成例を示すブロック図である。半導体装置20は、マトリクス状に配列された画素30を有する画素アレイ40と、ゲートドライバ回路41と、ソースドライバ回路42と、を有する。画素30には、光電変換デバイス31及び発光デバイス32が設けられる。
ゲートドライバ回路41は、行方向に延伸する配線を介して、画素30と電気的に接続されている。ソースドライバ回路42は、列方向に延伸する配線を介して、画素30と電気的に接続されている。
ゲートドライバ回路41は、画素アレイ40の行を選択する機能を有する。ソースドライバ回路42は、光電変換デバイス31に露光された光の照度に応じた撮像データを、半導体装置20の外部に出力する機能を有する。また、ソースドライバ回路42は、発光デバイス32の発光輝度を制御する機能を有する。
図2に示すように、図1(A)の二点鎖線B1−B2は、画素アレイ40の列方向に相当する構成とすることができる。この場合、B1−B2と垂直な方向が、画素アレイ40の行方向に相当する構成とすることができる。例えば図1(B)に示すように、B1−B2と垂直な方向であるA1−A2方向における半導体装置20の断面が円形である場合、円周方向を画素アレイ40の行方向とすることができる。
<半導体装置の動作方法の一例>
図3(A)、(B)、(C)では、半導体装置20の動作方法の一例を、図1(A)の一点鎖線A1−A2の断面図を用いて示している。なお、図3(A)、(B)、(C)では、1行の画素30を示しており、画素30が1行あたり32個設けられている場合を示している。また、図1(A)の一点鎖線A1−A2の断面図を示す他の図でも、画素30が1行あたり32個設けられている場合を示す場合がある。
本明細書等において、複数の画素30を区別するために、画素30[1]、画素30[2]等と表記する。例えば、図3(A)、(B)、(C)に示すように、半導体装置20の断面が円形である場合は、画素30[1]乃至画素30[32]が時計回りに配列された構成とすることができる。また、他の要素においても、複数の要素を区別するために、同様の表記を行う場合がある。
また、図3(A)、(B)、(C)では、発光デバイス32が光を発している画素30には、図2に示す発光デバイス32に付したハッチングと同じハッチングを付している。また、光電変換デバイス31による露光、つまり画素30に照射される光の検出を行う画素30には、図2に示す光電変換デバイス31に付したハッチングと同じハッチングを付している。
図3(A)では、画素30[1]に設けられている発光デバイス32が光38を発して被検体22に照射され、被検体22を透過した光38が、画素30[17]に設けられている光電変換デバイス31により検出されている場合を示している。つまり、光38を発している発光デバイス32が設けられた画素30の、被検体22に対して反対方向に配置されている画素30に設けられた光電変換デバイス31により、光38を検出する場合を示している。ここで、光38が発せられる方向を実線矢印で示している。なお、半導体装置20の動作方法の一例を示す他の図においても、同様の表記をする。
次に、画素30[2]に設けられている発光デバイス32が光を発して被検体22に照射され、被検体22を透過した光を、画素30[18]に設けられている光電変換デバイス31により検出する。同様に、画素30[3]乃至画素30[32]まで順に発光デバイス32が光を発し、画素30[19]乃至画素30[32]、及び画素30[1]乃至画素30[16]まで順に光電変換デバイス31による光の検出を行う。以上が1行の画素30の動作方法の一例である。
上記動作により、被検体22の断面画像を取得することができる。上記動作は、例えば全ての行の画素30について、1行毎に行うことができる。又は、2行以上の画素30について同時に、上記動作を行うことができる。上記動作を行う行は、図2に示すゲートドライバ回路41により選択することができる。つまり、選択した行の画素30に設けられている発光デバイス32が光を発し、選択した行の画素30に設けられている光電変換デバイス31が光を検出することができる。
CT装置10では、ガントリ11、又はクレードル12を回転させなくても、被検体22の断面画像を取得することができる。これにより、CT装置10の構成を簡易なものとすることができるので、CT装置10を低価格なものとすることができる。また、ガントリ11又はクレードル12を回転させる際の振動が発生しないので、ノイズが少ない断面画像を取得することができる。
被検体22は、人体に限らない。例えば、動物、魚類、昆虫等、人体以外の生体であってもよい。この場合、人体以外の生体の病理診断を行うことができる。又は、被検体22は食品、又は工業製品であってもよい。この場合、異物検査、不良解析等の非破壊検査を行うことができる。特に、被検体22を薄い物体とすると、発光デバイス32から発せられる光の、被検体22による光の透過率が高くなるため好ましい。
発光デバイス32から発せられる光は、例えば赤外光とすることが好ましい。赤外光はX線等より、人体に照射された場合において健康状態に与える影響が小さい。よって、被検体22が人体である場合、被検体22に対する安全性を高めることができる。なお、被検体22が人体以外である場合であっても、発光デバイス32から発せられる光を赤外光とすることにより、CT装置10を操作する者等に対する安全性を高めることができるので、CT装置10の安全性を高めることができる。また、発光デバイス32から、赤色光等の可視光が発せられてもよい。
本明細書等において、赤外光とは、例えば波長が0.7μm以上1000μm以下の光を示す。また、例えば波長が0.7μm以上2.5μm以下の光である近赤外光を、単に赤外光という場合がある。又は、近赤外光、及び波長が2.5μm以上10μm以下の光である中赤外光を、単に赤外光という場合がある。また、本明細書等において、赤色光とは、例えば波長が0.6μm以上0.75μm以下の光を示す。
ここで、被検体22を人体等の生体とする場合、発光デバイス32から発せられる光の波長は、0.65μm以上1.8μm以下、特に0.65μm以上1.1μm以下とすることが好ましい。当該波長の光は、血液に対する透過率、及び水に対する透過率のいずれもが高い。このため、病理診断等を正確に行うことができる。
なお、全ての画素30に設けられた発光デバイス32が、同一の波長の光を発する機能を有していなくてもよい。例えば、0.65μm以上0.8μm未満の光を発する発光デバイス32が設けられる画素30と、0.8μm以上の光を発する発光デバイス32が設けられる画素30と、を混在して設けてもよい。これにより、被検体22が人体等である場合、血管、特に静脈を検出しつつ、病理診断を行うことができる。つまり、異なる波長の光を発する光電変換デバイス31を混在して設けることにより、CT装置10に多くの機能を持たせることができる。
図3(A)では、1個の画素30に設けられている発光デバイス32が発する光を、1個の画素30に設けられている光電変換デバイス31により検出する場合を示しているが、本発明の一態様はこれに限らない。発光デバイス32が発する光が広がる場合、例えば、1個の画素30に設けられている発光デバイス32が発する光を、2個以上の画素30に設けられている光電変換デバイス31により検出してもよい。
図3(B)は、画素30[1]に設けられている発光デバイス32が光を発して被検体22に照射され、被検体22を透過した光が、画素30[16]乃至画素30[18]に設けられている光電変換デバイス31により検出されている場合を示している。つまり、発光デバイス32が発する光を、隣接する3個の画素30に設けられている光電変換デバイス31により検出する場合を示している。
画素30[1]に設けられている発光デバイス32による発光が終了した後は、例えば画素30[2]に設けられている発光デバイス32が光を発して被検体22に照射され、被検体22を透過した光を、画素30[17]乃至画素30[19]に設けられている光電変換デバイス31により検出する。次に、画素30[3]に設けられている発光デバイス32が光を発して被検体22に照射され、被検体22を透過した光を、画素30[18]乃至画素30[20]に設けられている光電変換デバイス31により検出する。同様に、画素30[4]乃至画素30[32]まで順に発光デバイス32が光を発し、対応する画素30に設けられている光電変換デバイス31による光の検出を行う。以上が1行の画素30の動作方法の一例である。
上記動作方法では、1個の画素30に、3個分の画素30から射出された光が露光される。例えば、画素30[18]には、画素30[1]乃至画素30[3]に設けられている発光デバイス32が発する光が露光される。よって、画素30への露光量を多くすることができるので、半導体装置20による光の検出感度を高めることができる。
又は、画素30[1]に設けられている発光デバイス32による発光が終了した後は、例えば画素30[4]に設けられている発光デバイス32が光を発して被検体22に照射され、被検体22を透過した光を、画素30[19]乃至画素30[21]に設けられている光電変換デバイス31により検出してもよい。この場合、全ての発光デバイス32を発光させなくても、全ての光電変換デバイス31に対して露光を行うことができる。以上により、CT装置10を高速に動作させることができる。
図3(A)、(B)では、1度に発光させる発光デバイス32を1個としているが、本発明の一態様はこれに限らない。例えば、複数の発光デバイス32を1度に発光させてもよい。図3(C)は、画素30[32]、画素30[1]、及び画素30[2]に設けられている発光デバイス32が光を発して被検体22に照射され、被検体22を透過した光が、画素30[16]乃至画素30[18]に設けられている光電変換デバイス31により検出されている場合を示している。つまり、隣接する3個の画素30に設けられている発光デバイス32が1度に発光し、隣接する3個の画素30に設けられている光電変換デバイス31により光を検出する場合を示している。
画素30[32]、画素30[1]、及び画素30[2]に設けられている発光デバイス32による発光が終了した後は、例えば画素30[3]乃至画素30[5]に設けられている発光デバイス32が1度に発光して被検体22に照射される。被検体22を透過した光は、画素30[19]乃至画素30[21]に設けられている光電変換デバイス31により検出される。同様に、画素30[6]乃至画素30[31]まで順に発光デバイス32が光を発し、画素30[22]乃至画素30[32]、及び画素30[1]乃至画素30[15]まで順に光電変換デバイス31による光の検出を行う。以上が1行の画素30の動作方法の一例である。
上記動作方法では、発光デバイス32を1個ずつ発光させる場合より、CT装置10を高速に動作させることができる。また、1個の画素30に3個分の画素30から射出された光が露光されるので、画素30への露光量を多くすることができ、半導体装置20による光の検出感度を高めることができる。
又は、画素30[32]、画素30[1]、及び画素30[2]に設けられている発光デバイス32による発光が終了した後に、画素30[1]乃至画素30[3]に設けられている発光デバイス32による発光を行ってもよい。この場合、画素30への露光量をさらに多くすることができるので、半導体装置20による光の検出感度をさらに高めることができる。
<半導体装置の構成例2>
図2に示す構成の半導体装置20では、ゲートドライバ回路、及びソースドライバ回路をそれぞれ1個ずつ有しているが、本発明の一態様はこれに限らない。図4(A)は、図2に示す構成の半導体装置20の変形例であり、ソースドライバ回路としてソースドライバ回路42a、及びソースドライバ回路42bが設けられている点が、図2に示す半導体装置20の構成と異なる。
ソースドライバ回路42aは、列方向に延伸する配線を介して、画素アレイ40の左半分の列に設けられる画素30と電気的に接続されている。ソースドライバ回路42bは、列方向に延伸する配線を介して、画素アレイ40の右半分の列に設けられる画素30と電気的に接続されている。つまり、例えば画素アレイ40に32列の画素30(画素30[1]乃至画素30[32])が設けられる場合、ソースドライバ回路42aは画素30[1]乃至画素30[16]と電気的に接続され、ソースドライバ回路42bは画素30[17]乃至画素30[32]と電気的に接続される構成とすることができる。
図4(B)は、図1(A)の一点鎖線A1−A2の断面図である。図4(B)では、半導体装置20が図4(A)に示す構成である場合において、被検体22の断面画像を取得する際に発光デバイス32による発光を行う画素30を発光デバイス32と同様のハッチングで示している。また、光電変換デバイス31による光の検出を行う画素30を光電変換デバイス31と同様のハッチングで示している。
図4(B)に示すように、例えばソースドライバ回路42aと電気的に接続されている画素30[1]乃至画素30[16]に設けられた発光デバイス32が発光する。また、例えばソースドライバ回路42bと電気的に接続されている画素30[17]乃至画素30[32]に設けられている光電変換デバイス31により、被検体22を透過した光の検出を行う。なお、ソースドライバ回路42bと電気的に接続されている画素30[17]乃至画素30[32]に設けられている発光デバイス32を発光させ、ソースドライバ回路42aと電気的に接続されている画素30[1]乃至画素30[16]に設けられている光電変換デバイス31により、被検体22を透過した光の検出を行ってもよい。
以上より、図4(A)に示す構成の半導体装置20では、光を発する画素30と、光を検出する画素30と、を分離することができる。よって、全ての発光デバイス32を発光させ、全ての光電変換デバイス31により光を検出しなくても、半導体装置20による被検体22の断面画像の取得を行うことができる。したがって、CT装置10を高速に動作させることができる。
<CT装置の構成例2>
図1(A)、(B)に示す構成のガントリ11では、空洞部21の側壁全体に半導体装置20が貼り付けられているが、本発明の一態様はこれに限らない。図5(A)、(B)は、図1(A)、(B)の変形例であり、空洞部21の側壁の一部に半導体装置20が貼り付けられている点が、図1(A)、(B)に示す構成と異なる。
図5(B)に示す構成のガントリ11では、画素30[1]乃至画素30[32]のうち、画素30[1]乃至画素30[4]、画素30[13]乃至画素30[20]、及び画素30[29]乃至画素30[32]を設けない構成としている。つまり、被検体22の上方に画素30を設けない構成としている。また、画素30を省略した位置の、被検体22に対して反対方向の位置(図5(B)では、被検体22の下方)の画素30も省略している。図5(B)に示す構成のガントリ11では、画素30[5]乃至画素30[12]が設けられている半導体装置20と、画素30[21]乃至画素30[28]が設けられている半導体装置20と、を別の半導体装置とすることができる。つまり、図5(B)に示す構成のガントリ11は、空洞部21の側壁に半導体装置20が2個貼り付けられているということができる。なお、空洞部21の側壁には、半導体装置20を3個以上貼り付ける構成としてもよい。例えば、空洞部21の側壁に半導体装置20が4個貼り付けられていてもよいし、6個貼り付けられていてもよいし、8個貼り付けられていてもよいし、16個貼り付けられていてもよい。半導体装置20を複数設ける場合、半導体装置20を設けた位置の、被検体22に対して反対方向の位置に半導体装置20を設けると、一方の半導体装置20に設けられている発光デバイス32が発した光を、他方の半導体装置20に設けられている光電変換デバイス31が効率よく受光できるので好ましい。
ガントリ11を図5(A)、(B)に示す構成とすることにより、半導体装置20を小型化することができるので、半導体装置20を低コストで作製することができる。よって、CT装置10を低価格なものとすることができる。また、1個の半導体装置20が有する画素30の個数を少なくすることができるので、CT装置10を高速に動作させることができる。
<半導体装置の構成例3>
図2等では、全ての画素30が光電変換デバイス31と、発光デバイス32と、の両方を有しているが、本発明の一態様はこれに限らない。図6は、図2に示す構成の半導体装置20の変形例であり、一部の画素30にのみ発光デバイス32が設けられている点が図2に示す半導体装置20の構成と異なる。
半導体装置20を図6に示す構成とすることにより、発光デバイス32が設けられていない画素30について、光電変換デバイス31の受光面積を大きくすることができる。よって、半導体装置20による光の検出感度を高めることができる。ここで、発光デバイス32が発する光の指向性が低いほど、発光デバイス32が発する光が広がるので、発光デバイス32が設けられる画素30の個数を減らしても、多くの光電変換デバイス31に対して露光を行うことができる。
<半導体装置の構成例4>
図7は、半導体装置20の構成例を示すブロック図である。図7に示す構成の半導体装置20は、層51と、層52と、を有する。層51と層52は、互いに積層して設けられる。
層51には、マトリクス状に配列された画素30を有する画素アレイ40が設けられる。層52には、ゲートドライバ回路41と、ソースドライバ回路42と、が設けられる。
図7に示す構成の半導体装置20は、層51に設けられている画素アレイ40と、層52に設けられているゲートドライバ回路41、及びソースドライバ回路42が重なる領域を有する。例えば、一部の画素30が、ゲートドライバ回路41又はソースドライバ回路42と重なる領域を有する。
なお、図7では、層51と層52の位置関係を一点鎖線及び白抜き丸印で示しており、一点鎖線で結ばれた、層51の白抜き丸印と層52の白抜き丸印が互いに重なっている。なお、他の図においても、同様の表記を行う。
半導体装置20を図7に示す構成とすることにより、半導体装置20を狭額縁化することができる。これにより、デッドスペース(被検体22の断面画像を取得できない範囲)を小さくすることができる。
また、層52に設けられるゲートドライバ回路41、及びソースドライバ回路42が、明確に分離されず重なる領域を有する構成とすることができる。当該領域を領域43とする。領域43を有する構成とすることにより、ゲートドライバ回路41及びソースドライバ回路42の占有面積を小さくすることができる。よって、画素アレイ40の面積が小さい場合であっても、ゲートドライバ回路41及びソースドライバ回路42を、画素アレイ40からはみ出すことなく設けることができる。又は、ゲートドライバ回路41及びソースドライバ回路42の、画素アレイ40と重ならない領域の面積を小さくすることができる。以上より、領域43を有さない場合より半導体装置20をさらに狭額縁化することができ、デッドスペースを小さくすることができる。
図7には、層52にゲートドライバ回路41、及びソースドライバ回路42が1個ずつ設けられた構成を示しているが、本発明の一態様はこれに限らない。例えば、層52にゲートドライバ回路41、及びソースドライバ回路42をそれぞれ複数設けてもよい。図8は、図7に示す構成の変形例であり、層52に3行3列のゲートドライバ回路41、及びソースドライバ回路42が設けられる場合の、半導体装置20の構成例を示している。なお、層52には、2行2列のゲートドライバ回路41、及びソースドライバ回路42が設けられていてもよいし、4行4列のゲートドライバ回路41、及びソースドライバ回路42が設けられていてもよい。また、層52に設けられるゲートドライバ回路41及びソースドライバ回路42の行数と列数は異なっていてもよい。
なお、図8では、図の明瞭化のため、画素30と、ゲートドライバ回路41及びソースドライバ回路42との電気的な接続関係を省略しているが、画素30は、ゲートドライバ回路41及びソースドライバ回路42と電気的に接続されている。また、図8では、ゲートドライバ回路41及びソースドライバ回路42の個数と同数の画素アレイ40が、層51に設けられているとしている。
図8に示す構成の半導体装置20では、画素30の動作を、画素アレイ40毎に制御することができる。これにより、例えば必要とする部分についてのみ、被検体22の断面画像を取得することができる。例えば、CT装置10を病理診断に用いる場合には、患部の近傍の断面画像のみを取得することができる。又は、CT装置10を非破壊検査に用いる場合には、異常を検出したい部分、例えば異常が発生すると製品である被検体22の信頼性が大きく低下する部分についてのみ検査することができる。以上により、CT装置10を高速に動作させることができる。また、CT装置10の消費電力を低減することができる。
<画素の回路構成例1>
図9(A)は、画素30の構成例を説明する回路図である。画素30は、撮像回路100と、発光回路110と、を有する。撮像回路100は、光電変換デバイス31と、トランジスタ103と、トランジスタ104と、トランジスタ105と、トランジスタ106と、容量素子108を有する。なお、容量素子108を設けない構成としてもよい。
光電変換デバイス31の一方の電極(カソード)は、トランジスタ103のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ103のソース又はドレインの他方は、トランジスタ104のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ104のソース又はドレインの一方は、容量素子108の一方の電極と電気的に接続される。容量素子108の一方の電極は、トランジスタ105のゲートと電気的に接続される。トランジスタ105のソース又はドレインの一方は、トランジスタ106のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。
ここで、トランジスタ103のソース又はドレインの他方、トランジスタ104のソース又はドレインの一方、容量素子108の一方の電極、トランジスタ105のゲートを接続する配線をノードFDとする。ノードFDは電荷蓄積部として機能させることができる。
光電変換デバイス31の他方の電極(アノード)は、配線121と電気的に接続される。トランジスタ103のゲートは、配線127と電気的に接続される。トランジスタ104のソース又はドレインの他方、及びトランジスタ105のソース又はドレインの他方は、配線122と電気的に接続される。トランジスタ104のゲートは、配線126と電気的に接続される。トランジスタ106のゲートは、配線128と電気的に接続される。容量素子108の他方の電極は、例えばGND配線等の基準電位線と電気的に接続される。トランジスタ106のソース又はドレインの他方は、配線129と電気的に接続される。
発光回路110は、発光デバイス32を有する。発光デバイス32の一方の電極は、配線130と電気的に接続される。発光デバイス32の他方の電極は、例えばGND配線等の基準電位線と電気的に接続される。当該構成では、撮像回路100と発光回路110との電気的な接続はないため、発光デバイス32に対する入力電位、及び発光のタイミングは独立して制御することができる。
配線127及び配線128は、各トランジスタの導通を制御する信号線として機能させることができる。配線129は出力線として機能させることができる。
配線121、及び配線122は、電源線としての機能を有する。図9(A)に示す構成では光電変換デバイス31のカソード側がトランジスタ103と電気的に接続する構成であり、ノードFDを高電位にリセットして動作させる構成であるため、配線122は高電位(配線121よりも高い電位)とする。
また、配線130は、発光デバイス32の一方の電極に供給する電位を制御する機能を有する。発光デバイス32を発光させる期間では、発光デバイス32の電圧(発光デバイス32の一方の電極の電位と、発光デバイス32の他方の電極の電位と、の差)が順方向バイアスとなるように、配線130の電位を制御する。一方、発光デバイス32を発光させない期間では、発光デバイス32の電圧が逆方向バイアスとなるように、配線130の電位を制御する。例えば、発光デバイス32の他方の電極の電位を接地電位とすると、発光デバイス32を発光させる期間では、配線130の電位を正電位とし、発光デバイス32を発光させない期間では、配線130の電位を接地電位、又は負電位とする。
図9(B)は、図9(A)の構成にトランジスタ107を加えた構成である。トランジスタ107のソース又はドレインの一方は、発光デバイス32の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ107のソース又はドレインの他方は、配線130と電気的に接続されている。トランジスタ107のゲートは、配線131と電気的に接続されている。配線131は、トランジスタ107の導通を制御する信号線としての機能を有する。
図9(B)に示す構成の画素30では、配線131はゲートドライバ回路41と電気的に接続することができ、配線130はソースドライバ回路42と電気的に接続することができる。これにより、発光デバイス32の発光・非発光を画素30ごとに制御することができる。また、配線130の電位を制御することにより、発光デバイス32の発光輝度を画素30ごとに制御することができる。例えば、赤外線の透過率が低い被検体の断面画像を取得する場合には配線130の電位を大きくして発光デバイス32の発光輝度を高くして、赤外線の透過率が高い被検体の断面画像を取得する場合には配線130の電位を小さくして発光デバイス32の発光輝度を低くすることができる。
なお、配線130はソースドライバ回路42と電気的に接続されていなくてもよい。この場合、配線130は例えば電源線として機能させることができる。
図9(A)、(B)では、光電変換デバイス31のカソードをトランジスタ103のソース又はドレインの一方と電気的に接続する構成を示したが、図10(A)、(B)に示すように光電変換デバイス31のアノードをトランジスタ103のソース又はドレインの一方と電気的に接続する構成としてもよい。
図10(A)、(B)に示す構成では、光電変換デバイス31の一方の電極が配線122と電気的に接続され、光電変換デバイス31の他方の電極がトランジスタ103のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。また、トランジスタ104のソース又はドレインの他方が配線132と電気的に接続される。
配線132は、電源線又はリセット電位の供給線としての機能を有する。図10(A)、(B)に示す構成では光電変換デバイス31のアノード側をトランジスタ103と電気的に接続する構成であり、ノードFDを低電位にリセットして動作させる構成であるため、配線132は低電位(配線122よりも低い電位)とする。
図10(A)、(B)に示す発光デバイス32及びその周辺要素との接続形態の説明は、図9(A)、(B)の説明を参照することができる。
トランジスタ103は、ノードFDの電位を制御する機能を有する。トランジスタ104は、ノードFDの電位をリセットする機能を有する。トランジスタ105はソースフォロア回路として機能し、ノードFDの電位を撮像データとして配線129に出力することができる。トランジスタ106は撮像データを出力する画素を選択する機能を有する。
トランジスタ103及びトランジスタ104にはチャネル形成領域に金属酸化物を用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ電流が極めて低い特性を有する。トランジスタ103及びトランジスタ104にOSトランジスタを用いることによって、ノードFDで電荷を保持できる期間を極めて長くすることができる。そのため、画素30への露光動作、つまり電荷の蓄積動作を行うことにより画素30が撮像データを取得した後、取得した撮像データをすぐに読み出す必要が無い。例えば、全ての画素30が撮像データを取得した後に撮像データを読み出すことができる。これにより、撮像データを短時間で取得することができるので、動体の撮像であっても歪の少ない画像を得ることができる。例えば、被検体22が生きた状態の動物、魚類、昆虫等であっても、歪みの無い断面画像を取得することができる。
画素30にチャネル形成領域にSiを用いたトランジスタ(以下、Siトランジスタ)等の比較的オフ電流の高いトランジスタを用いた場合は、電荷蓄積部からデータ電位が流出しやすい。このため、画素30に撮像データを長期間保持するには、別途メモリ回路等を設ける必要があり、複雑な動作を高速で行わなければならない。一方で、トランジスタ103及びトランジスタ104にOSトランジスタを用いた場合は、電荷蓄積部からのデータ電位の流出がほとんどないため、容易に撮像データを長期間保持することができる。
また、図9(B)、図10(B)に示すトランジスタ107にもOSトランジスタを用いることが好ましい。前述のように、OSトランジスタはオフ電流が極めて低いので、トランジスタ107がオフ状態である場合に発光デバイス32に電流が流れることを抑制することができる。これにより、半導体装置20が取得する断面画像にノイズが発生することを抑制することができる。
なお、トランジスタ105及びトランジスタ106にもOSトランジスタを適用してもよい。また、OSトランジスタ及びSiトランジスタを任意に組み合わせて適用してもよい。また、全てのトランジスタをOSトランジスタ又はSiトランジスタとしてもよい。Siトランジスタとしては、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(代表的には、低温ポリシリコン、単結晶シリコン等)を有するトランジスタ等が挙げられる。
次に、図9(A)、(B)に示す撮像回路100の動作の一例を図11(A)のタイミングチャートを用いて説明する。なお、本明細書におけるタイミングチャートの説明においては、高電位を“H”、低電位を“L”で表す。配線121には常時“L”が供給され、配線122には常時“H”が供給されている状態とする。
期間T1において、配線126の電位を“H”、配線127の電位を“H”、配線128の電位を“L”とすると、トランジスタ103、104が導通し、ノードFDには配線123の電位“H”が供給される(リセット動作)。
期間T2において、配線126の電位を“L”、配線127の電位を“H”、配線128の電位を“L”とすると、トランジスタ104が非導通となってリセット電位の供給が遮断される。また、光電変換デバイス31に照射される光の照度に応じてノードFDの電位が低下する(露光動作)。
期間T3において、配線126の電位を“L”、配線127の電位を“L”、配線128の電位を“L”とすると、トランジスタ103が非導通となり、ノードFDの電位は確定し、保持される(保持動作)。このとき、ノードFDに接続されるトランジスタ103及びトランジスタ104にオフ電流の低いOSトランジスタを用いることによって、ノードFDからの不必要な電荷の流出を抑えることができ、データの保持時間の延ばすことができる。
期間T4において、配線126の電位を“L”、配線127の電位を“L”、配線128の電位を“H”とすると、トランジスタ106が導通し、トランジスタ105のソースフォロア動作によりノードFDの電位が配線129に読み出される(読み出し動作)。
以上が図9(A)、(B)に示す撮像回路100の動作の一例である。
図10(A)、(B)に示す撮像回路100は、図11(B)のタイミングチャートに従って動作させることができる。なお、配線122には常時“H”が供給され、配線132には常時“L”が供給されている状態とする。基本的な動作は、上記の図11(A)のタイミングチャートの説明と同様である。
図12(A)、(B)は、図9(B)に示す構成の画素30が有するトランジスタ103乃至トランジスタ107にバックゲートを設けた構成である。図12(A)は、バックゲートがフロントゲートと電気的に接続された構成を示しており、オン電流を高める効果を有する。図12(B)は、バックゲートが定電位を供給できる配線と電気的に接続された構成を示しており、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。
また、図12(A)、(B)を組み合わせる等、それぞれのトランジスタが適切な動作が行えるような構成としてもよい。また、バックゲートが設けられないトランジスタを画素回路が有していてもよい。なお、トランジスタにバックゲートを設ける構成は、図9(A)、(B)、及び図10(A)、(B)に示すいずれの構成においても適用することができる。
<画素の回路構成例2>
図13(A)は、発光回路110の構成例を説明する回路図である。図13(A)に示す構成の発光回路110は、トランジスタ211、トランジスタ213、トランジスタ221、容量素子215、容量素子217、及び発光デバイス32を有する。また発光回路110には、信号線としての機能を有する配線231a、及び配線231bが電気的に接続され、データ線としての機能を有する配線232a、及び配線232bが電気的に接続されている。ここで、配線231a及び配線231bは、例えば図2等に示すゲートドライバ回路41と電気的に接続することができ、配線232a及び配線232bは、例えば図2等に示すソースドライバ回路42と電気的に接続することができる。
トランジスタ211のソース又はドレインの一方は、容量素子215の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ213のソース又はドレインの一方は、容量素子215の他方の電極と電気的に接続されている。容量素子215の他方の電極は、容量素子217の一方の電極と電気的に接続されている。容量素子217の一方の電極は、トランジスタ221のゲートと電気的に接続されている。トランジスタ221のソース又はドレインの一方は、発光デバイス32の一方の電極と電気的に接続されている。
トランジスタ211のゲートは、配線231aと電気的に接続されている。トランジスタ213のゲートは、配線231bと電気的に接続されている。トランジスタ211のソース又はドレインの他方は、配線232aと電気的に接続されている。トランジスタ213のソース又はドレインの他方は、配線232bと電気的に接続されている。容量素子217の他方の電極は、配線235と電気的に接続されている。トランジスタ221のソース又はドレインの他方は、配線237と電気的に接続されている。発光デバイス32の他方の電極は、配線239と電気的に接続されている。
ここで、トランジスタ211のソース又はドレインの他方、及び容量素子215の一方の電極を接続する配線をノードN1とする。また、トランジスタ213のソース又はドレインの他方、容量素子215の他方の電極、容量素子217の一方の電極、及びトランジスタ221のゲートを接続する配線をノードN2とする。
配線235は、半導体装置20に設けられた例えば全ての発光回路110について、共通の配線とすることができる。この場合、配線235に供給される電位は共通電位となる。また、配線237及び配線239には、定電位を供給することができる。例えば、配線237には高電位を供給することができ、配線239には低電位を供給することができる。
トランジスタ221は、発光デバイス32に供給する電流を制御する機能を有する。具体的には、トランジスタ221は、ノードN2の電位に対応する電流を発光デバイス32に供給する機能を有する。容量素子217は保持容量としての機能を有する。容量素子217は省略してもよい。
なお、図13(A)では発光デバイス32のアノード側がトランジスタ221と電気的に接続される構成を示しているが、カソード側にトランジスタ221を電気的に接続してもよい。この場合、配線237の電位を低電位とし、配線239の電位を高電位とすることができる。
発光回路110は、トランジスタ211をオフ状態とすることで、ノードN1の電位を保持することができる。また、トランジスタ213をオフ状態とすることで、ノードN2の電位を保持することができる。さらに、トランジスタ213をオフ状態として、トランジスタ211を介してノードN1に所定の電位を書き込むことで、容量素子215を介した容量結合により、ノードN1の電位の変位に応じてノードN2の電位を変化させることができる。
トランジスタ211及びトランジスタ213には、OSトランジスタを適用することができる。前述のように、OSトランジスタは、オフ電流が極めて低い特性を有する。トランジスタ211及びトランジスタ213にOSトランジスタを用いることによって、ノードN1及びノードN2で電荷を保持できる期間を極めて長くすることができる。これにより、トランジスタ211及びトランジスタ213にオフ電流が高いトランジスタを用いる場合より、ノードN1及びノードN2への電位の書き込みの頻度を減少させることができる。よって、CT装置10の消費電力を低減することができる。
また、トランジスタ221にもOSトランジスタを適用することができる。これにより、トランジスタ221がオフ状態である場合に発光デバイス32に電流が流れることを抑制することができる。これにより、半導体装置20が取得する断面画像にノイズが発生することを抑制することができる。
次に、図13(A)に示す発光回路110の動作の一例を図13(B)のタイミングチャートを用いて説明する。
図13(B)に示す動作では、1フレーム期間を期間T1と期間T2とに分ける。期間T1はノードN2に電位を書き込む期間であり、期間T2はノードN1に電位を書き込む期間である。
期間T1では、配線231aと配線231bの両方に、トランジスタをオン状態にする電位を供給する。また、配線232aには固定電位である電位Vrefを供給し、配線232bには電位Vwを供給する。
ノードN1には、トランジスタ211を介して配線232aから電位Vrefが供給される。また、ノードN2には、トランジスタ213を介して配線232bから電位Vwが供給される。したがって、容量素子215には電位差Vw−Vrefが保持された状態となる。
続いて期間T2では、配線231aにはトランジスタ211をオン状態とする電位を供給し、配線231bにはトランジスタ213をオフ状態とする電位を供給する。また、配線232aには電位Vdataを供給し、配線232bには所定の定電位を供給する。なお、配線232bの電位はフローティングとしてもよい。
ノードN1には、トランジスタ211を介して電位Vdataが供給される。このとき、容量素子215による容量結合により、電位Vdataに応じてノードN2の電位が電位dVだけ変化する。
ここで、電位dVは、容量素子215の容量値と、容量素子217の容量値と、トランジスタ221のゲート容量の容量値と、によって概ね決定される。容量素子215の容量値が、容量素子217の容量値とトランジスタ221のゲート容量の容量値の合計よりも十分に大きい場合、電位dVは電位差Vdata−Vrefに近い電位となる。
期間T2において、ノードN2の電位は、電位Vw及び電位Vdataに依存した値となる。よって、発光デバイス32の発光輝度は、配線232aの電位、及び配線232bの電位に対応する輝度となる。例えば、赤外線の透過率が低い被検体の断面画像を取得する場合には、電位Vw及び電位Vdataの値を大きくして発光デバイス32の発光輝度を高くすることができる。一方、赤外線の透過率が高い被検体の断面画像を取得する場合には、電位Vw及び電位Vdataの値を小さくして発光デバイス32の発光輝度を低くすることができる。
また、電位Vdataが電位Vrefより大きく、電位Vrefを例えば接地電位以下の電位とすると、期間T2におけるノードN2の電位は、電位Vw及び電位Vdataのいずれよりも大きくなる。例えば、電位Vrefを接地電位とすると、期間T2におけるノードN2の電位は、“Vw+Vdata”に近い電位となる。このため、配線232a及び配線232bと電気的に接続されているソースドライバ回路42等が生成可能な最大電位を超える電位を、ノードN2に供給することができる。よって、発光デバイス32が高輝度の光を発することができるので、被検体22が赤外線の透過率が低い被検体であっても、鮮明な断面画像を取得することができる。また、ソースドライバ回路42等を高耐圧なものとしなくてよいため、CT装置10を低価格なものとすることができる。
例えば、被検体22が人体である場合、被検体22における赤外線の透過率は、X線の透過率よりも低い場合がある。したがって、発光デバイス32から発せられる赤外線の輝度が低い場合、被検体22の断面画像を正しく取得できない場合がある。そこで、発光回路110を図13(A)に示す構成とすることで、発光デバイス32から発せられる赤外線の輝度を高め、被検体22の断面画像を正しく取得することができる。
なお、発光回路110は図13(A)で示した回路に限られず、別途トランジスタや容量素子等を追加した構成としてもよい。例えば、図13(A)に示す構成から、トランジスタと容量素子を1個ずつ追加することにより、電位を保持することができるノードを3つとすることができることができる。つまり、電位を保持することができるノードを、ノードN1とノードN2以外にもう1個、発光回路110に設ける構成とすることができる。これにより、ノードN2の電位をさらに高いものとすることができる。よって、発光デバイス32にさらに大きな電流を流すことができるので、発光デバイス32の発光輝度をさらに高くすることができる。
図13(A)に示す構成の発光回路110において、トランジスタ211、トランジスタ213、及び容量素子215を除いた回路を回路201とする。図14(A)乃至(C)は、回路201の構成例を示す図である。図14(A)に示す構成の回路201は、図13(A)に示す構成の回路201と同様に、容量素子217と、トランジスタ221と、発光デバイス32と、を有する。
図14(A)に示す構成の回路201において、ノードN2には、トランジスタ221のゲート、及び容量素子217の一方の電極が電気的に接続されている。トランジスタ221のソース又はドレインの一方は、配線237と電気的に接続されている。トランジスタ221のソース又はドレインの他方は、容量素子217の他方の電極と電気的に接続されている。容量素子217の他方の電極は、発光デバイス32の一方の電極と電気的に接続されている。発光デバイス32の他方の電極は、配線239と電気的に接続されている。
図14(B)に示す構成の回路201も、図14(A)に示す構成の回路201と同様に、容量素子217と、トランジスタ221と、発光デバイス32と、を有する。
図14(B)に示す構成の回路201において、ノードN2には、トランジスタ221のゲート、及び容量素子217の一方の電極が電気的に接続されている。発光デバイス32の一方の電極は、配線237と電気的に接続されている。発光デバイス32の他方の電極は、トランジスタ221のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタ221のソース又はドレインの他方は、容量素子217の他方の電極と電気的に接続されている。容量素子217の他方の電極は、配線239と電気的に接続されている。
図14(C)には、図14(A)に示す回路201にトランジスタ225を付加した場合の、回路201の構成例を示している。トランジスタ225のソース又はドレインの一方は、トランジスタ221のソース又はドレインの他方、及び容量素子217の他方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ225のソース又はドレインの他方は、発光デバイス32の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ225のゲートは、配線241と電気的に接続されている。配線241は、トランジスタ225の導通を制御する信号線としての機能を有する。
図14(C)に示す構成の回路201を有する発光回路110では、ノードN2の電位がトランジスタ221のしきい値電圧以上となっても、トランジスタ225をオン状態としなければ発光デバイス32に電流が流れない。このため、半導体装置20の誤動作を抑制することができる。
<画素の断面構成例>
図15は、画素30の構成例を説明する断面図である。画素30は、基板360と基板350との間に、トランジスタ、光電変換デバイス31、発光デバイス32等が設けられる。なお、図15では、トランジスタとして、トランジスタ103、及びトランジスタ107の構成例を示している。
ここで、基板360及び基板350は、可撓性を有する基板(以下、可撓性基板)とする。これにより、半導体装置20を、可撓性を有する半導体装置とすることができる。
図15に示すように、画素30は、層101と、層102と、の積層構成とすることができる。層101には、基板360と、絶縁層386と、絶縁層381と、トランジスタ103及びトランジスタ107と、絶縁層382と、が設けられる。トランジスタ103及びトランジスタ107は、絶縁層381と絶縁層382の間に設けられる。また、トランジスタ103及びトランジスタ107のチャネル形成領域、ソース領域、及びドレイン領域を覆うように絶縁層385、及び絶縁層384が設けられる。また、絶縁層384と絶縁層382の間に、絶縁層383が設けられる。
基板360と、絶縁層386と、の間には接着層363が設けられており、接着層363により基板360が絶縁層386に貼り合わされている。
トランジスタ103のソース又はドレインの一方と電気的に接続されるように導電層321が設けられ、トランジスタ103のソース又はドレインの他方と電気的に接続されるように導電層322が設けられる。また、トランジスタ107のソース又はドレインの一方と電気的に接続されるように導電層323が設けられ、トランジスタ107のソース又はドレインの他方と電気的に接続されるように導電層324が設けられる。なお、導電層321乃至導電層324を、配線という場合がある。また、本発明の一態様のCT装置に貼り付けられている半導体装置に設けられる他の導電層についても、配線という場合がある。
絶縁層381乃至絶縁層386の少なくとも一層に、水や水素等の不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア膜として機能させることができるので、トランジスタ103及びトランジスタ107等に不純物が入り込むことを効果的に抑制することができる。よって、本発明の一態様のCT装置の信頼性を高めることができる。
トランジスタ103及びトランジスタ107等、層101に設けられるトランジスタとして、OSトランジスタ等の薄膜トランジスタとすることが好ましい。これにより、フィールド酸化膜等の素子間分離層を設けなくても、層101に設けられたトランジスタ等の素子について素子間分離を行うことができる。よって、CT装置10を簡易な方法で作製することができる。
層102には絶縁層332と、発光デバイス32と、光電変換デバイス31と、絶縁層333と、が設けられる。また、層102には基板350と、絶縁層354と、フィルタ351と、が設けられる。基板360と基板350は封止層352を介して封止されている。また、基板350と、絶縁層354と、の間には接着層353が設けられており、接着層353により基板350が絶縁層354に貼り合わされている。
導電層321乃至導電層324を覆うように絶縁層332が設けられ、絶縁層332上に発光デバイス32及び光電変換デバイス31が設けられる。
発光デバイス32は、絶縁層332側から、導電層35、EL層36、導電層37が順に積層された構成とすることができる。つまり、発光デバイス32は、EL(Electro−Luminescence)デバイスとすることができる。また、光電変換デバイスは、絶縁層332側から、導電層33、活性層34、導電層37が順に積層された構成とすることができる。
ここで、導電層35と導電層33は同一の工程で形成することができる。具体的には、導電層321乃至導電層324、及び絶縁層332上に絶縁膜を成膜し、導電層321に達する開口部、及び導電層323に達する開口部を当該絶縁膜に設けることにより、絶縁層332を形成する。次に、絶縁層332上、及び上記開口部に導電膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法等によりパターニングを行う。その後、形成したパターンに従って、当該導電膜をエッチング法等により加工する。以上により、導電層35及び導電層33を形成することができる。
導電層35は、発光デバイス32の画素電極としての機能を有することができる。導電層33は、光電変換デバイス31の画素電極としての機能を有することができる。また、導電層37は、発光デバイス32の共通電極と、光電変換デバイス31の共通電極の両方を兼ねることができる。よって、図15に示す構成の画素30を有する半導体装置20は、発光デバイスの画素電極及び共通電極と、光電変換デバイスの電極及び共通電極と、を異なる工程で形成する場合より、簡易な方法で作製することができる。したがって、CT装置10を低価格なものとすることができる。
なお、図15に示す構成の画素30では、発光デバイス32の共通電極に供給する電位と、光電変換デバイス31の共通電極に供給する電位と、が等しくなる。よって、画素30が例えば図10(B)に示す構成である場合に、図15に示す構成を適用することができる。なお、図10(B)に示す構成の画素30に図15に示す構成を適用する場合、配線122と配線130が電気的に接続される。また、画素30が図10(A)、(B)に示す構成である場合において、光電変換デバイス31の一方の電極と電気的に接続される配線と、トランジスタ105のソース又はドレインの一方と、が配線122により電気的に接続されていなくてもよい。つまり、光電変換デバイス31の一方の電極と電気的に接続される電源線と、トランジスタ105のソース又はドレインの一方と電気的に接続される電源線と、が異なっていてもよい。
導電層35は、絶縁層332に設けられた開口を介して、導電層323と電気的に接続されている。導電層33は、絶縁層332に設けられた開口を介して、導電層321と電気的に接続されている。また、導電層35の端、及び導電層33の端を覆うように、絶縁層333が設けられている。
フィルタ351は、光電変換デバイス31及び発光デバイス32と重なる領域を有するように設けられる。フィルタ351は、特定の波長の光を吸収する機能を有する。例えば、可視光(波長400nm以上700nm以下)を吸収する機能を有する。又は、例えば波長400nm以上650nm以下の光を吸収する機能を有する。又は、例えば波長400nm以上600nm以下の光を吸収する機能を有する。なお、フィルタ351は、波長400nm未満の光、例えば紫外光、X線等を吸収する機能を有してもよい。
発光デバイス32と重なる領域を有するようにフィルタ351を設けることにより、赤外光等、特定の波長の光のみを、発光デバイス32から画素30の外部に射出することができる。また、光電変換デバイス31と重なる領域を有するようにフィルタ351を設けることにより、上記特定の波長の光以外の波長の光が、光電変換デバイス31に入射することを抑制することができる。これにより、発光デバイス32から画素30の外部に射出される光以外の光が、光電変換デバイス31に入射することを抑制することができる。以上により、半導体装置20による光の検出感度を高めることができる。よって、CT装置10の信頼性を高めることができる。なお、フィルタ351は設けなくてもよい。
封止層352は、光電変換デバイス31及び発光デバイス32と、フィルタ351及び絶縁層354と、の間に設けることができる。封止層352は、発光デバイス32及び光電変換デバイス31に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が入り込むことを抑制する機能を有する。
以下では、画素30の各構成要素が有する材料等について説明する。
前述のように、基板360及び基板350として、可撓性基板を用いる。可撓性基板として、フィルムを用いた基板とすることが好ましく、特に樹脂フィルムを用いた基板とすることが好ましい。これにより、本発明の一態様の半導体装置の可撓性を高めることができ、また軽量化、薄型化が可能となる。
可撓性基板として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。又は、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
接着層363及び接着層353には、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤等の各種硬化型接着剤を用いることができる。また、接着シート等を用いてもよい。
絶縁層381乃至絶縁層386、絶縁層332、絶縁層333、絶縁層354、トランジスタのゲート絶縁層等、半導体装置20が有する絶縁膜として、例えば酸化絶縁膜、窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、又は窒化酸化絶縁膜を用いることができる。当該絶縁膜は、単層又は積層で形成することができる。酸化絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化ゲルマニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ランタン膜、酸化ネオジム膜、酸化ハフニウム膜、及び酸化タンタル膜等が挙げられる。窒化絶縁膜としては、窒化シリコン膜、及び窒化アルミニウム等が挙げられる。酸化窒化絶縁膜としては、酸化窒化シリコン膜等が挙げられる。窒化酸化絶縁膜としては、窒化酸化シリコン膜等が挙げられる。
本明細書等において「酸化窒化シリコン」とは、その組成として、酸素の含有量が窒素の含有量よりも多いものをいう。また、本明細書等において、「窒化酸化シリコン」とは、その組成として、窒素の含有量が酸素の含有量よりも多いものをいう。
導電層321乃至導電層324、導電層33、導電層35、トランジスタのソース電極、ドレイン電極、ソース電極等、半導体装置20が有する導電膜として、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。
導電層37として、透光性を有する導電層を用いることができる。例えば、発光デバイス32が赤外光を発する機能を有する場合、導電層37として赤外光を透過する透光性導電層を用いることができる。例えば、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物等を用いることができる。又は、カドミウム錫酸化物(CTO:Cadmium Tin Oxide)等を用いることができる。
EL層36は、発光材料を有する。つまり、EL層36は、発光層であるということができる。発光デバイス32は、当該発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機ELデバイス、後者は無機ELデバイスと呼ばれている。
有機ELデバイスは、電圧を印加することにより、一方の電極から電子、他方の電極から正孔がそれぞれEL層に注入される。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
EL層は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法などの方法で形成することができる。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。
発光デバイス32は、EL層36を構成する材料に応じて様々な波長の光を発することができる。本発明の一態様では、EL層36を構成する材料に近赤外光にピークを有する光を発する材料を用いる。例えば、720nm、760nm、850nm、900nmおよびこれらの波長近傍の光を発する材料を用途に応じて用いればよい。
なお、本発明の一態様においては、EL層36の発光材料(ゲスト材料、またはドーパント材料ともいう)として、近赤外光を呈する有機金属イリジウム錯体を有すると好ましい。当該有機金属イリジウム錯体としては、ジメチルフェニル骨格とキノキサリン骨格とを有すると好適である。また、上記有機金属イリジウム錯体としては、代表的には、ビス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−キノキサリニル−κN]フェニル−κC}(2,2’,6,6’−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:Ir(dmdpq)2(dpm))などを用いることができる。上記有機金属イリジウム錯体を用いることで、量子効率または発光効率の高い撮像素子を提供することができる。
また、上記有機金属イリジウム錯体を分散状態にするために用いる物質(すなわちホスト材料)としては、例えば、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、NPBのようなアリールアミン骨格を有する化合物の他、CBP、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)等のカルバゾール誘導体や、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)等の金属錯体が好ましい。また、PVKのような高分子化合物を用いることもできる。
なお、上記有機金属イリジウム錯体を分散状態にするために用いる材料(ホスト材料)としては、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)を用いると好適である。
活性層34は、p型半導体とn型半導体とを積層し、pn接合を実現した積層構造、又は、p型半導体、i型半導体、及びn型半導体を積層し、pin接合を実現した積層構造等とすることができる。
活性層34に用いる半導体として、シリコン等の無機半導体、又は有機化合物を含む有機半導体を用いることができる。特に、活性層34が有機半導体材料を有し、EL層36が発光材料として有機化合物を有する構成とすると、発光デバイス32のEL層36と、活性層34とをそれぞれ同じ製造装置で形成することができるため好ましい。
活性層34として有機半導体材料を用いる場合、n型半導体の材料としては、フラーレン(例えばC60、C70等)又はその誘導体等の電子受容性の有機半導体材料を用いることができる。また、p型半導体の材料としては、銅(II)フタロシアニン(Copper(II) phthalocyanine;CuPc)やテトラフェニルジベンゾペリフランテン(Tetraphenyldibenzoperiflanthene;DBP)等の電子供与性の有機半導体材料を用いることができる。活性層34は、電子受容性の半導体材料と電子供与性の半導体材料の積層構造(p−n積層構造)としてもよいし、これらの間に電子受容性の半導体材料と電子供与性の半導体材料を共蒸着したバルクへテロ構造層を設けた積層構造(p−i−n積層構造)としてもよい。また光を照射していない時の、暗電流を抑制する目的で、上記のp−n積層構造又はp−i−n積層構造の周辺(上側又は下側)に、ホールブロック層として機能する層や、電子ブロック層として機能する層を設けてもよい。
発光デバイス32が発光層としてEL層36を有し、光電変換デバイス31に設けられた活性層34が有機半導体材料を有する構成とする場合、半導体装置20を薄型化することができる。これにより、半導体装置20の可撓性を高めることができる。
封止層352として、窒素やアルゴン等の不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂、又は熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)又はEVA(エチレンビニルアセテート)等を用いることができる。また、封止層352に乾燥剤が含まれていてもよい。
また、封止層352の一部として、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC(Diamond Like Carbon)等の保護層を設けてもよい。なお、接着層363及び接着層353も、封止層352が有することができる材料と同様の材料を有する構成とすることができる。
<OSトランジスタの断面構成例>
図16(A)は、トランジスタ103等に適用することができるOSトランジスタの詳細な構成例である。図16(A)に示すOSトランジスタは、金属酸化物層及び導電層の積層上に絶縁層を設け、当該金属酸化物層に達する溝を当該絶縁層及び導電層に設けることでソース電極305及びドレイン電極306を形成する、セルフアライン型の構成である。
OSトランジスタは、金属酸化物層307に形成されるチャネル形成領域310、ソース領域303、及びドレイン領域304の他、ゲート電極301、ゲート絶縁層302、及びバックゲート電極335を有する構成とすることができる。ここで、上記溝には少なくともゲート絶縁層302及びゲート電極301が設けられる。当該溝には、さらに金属酸化物層308が設けられていてもよい。また、絶縁層385は、バックゲート電極335のゲート絶縁層としての機能を有する。
なお、金属酸化物層307には、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、インジウムと、亜鉛と、他の種類の金属と、を含む、つまりIn−M−Zn酸化物であることがさらに好ましい。Mとして、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種とすることができる。
金属酸化物層307がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットは、Inの原子数比がMの原子数比以上であることが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8、In:M:Zn=6:1:6、In:M:Zn=5:2:5等が挙げられる。
また、スパッタリングターゲットとしては、多結晶の酸化物を含むターゲットを用いると、結晶性を有する金属酸化物層307を形成しやすくなるため好ましい。なお、成膜される金属酸化物層307の原子数比は、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、金属酸化物層307に用いるスパッタリングターゲットの組成がIn:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]の場合、成膜される金属酸化物層307の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]の近傍となる場合がある。
なお、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3またはその近傍と記載する場合、Inの原子数比を4としたとき、Gaの原子数比が1以上3以下であり、Znの原子数比が2以上4以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍であると記載する場合、Inの原子数比を5としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が5以上7以下である場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1またはその近傍であると記載する場合、Inの原子数比を1としたときに、Gaの原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が0.1より大きく2以下である場合を含む。
また、金属酸化物層307は、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上である。このように、シリコンよりもエネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減できる。
また、金属酸化物層307には、キャリア濃度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物のキャリア濃度を低くする場合においては、金属酸化物中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性という。なお、金属酸化物中の不純物としては、例えば、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
特に、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、金属酸化物中に酸素欠損を形成する場合がある。金属酸化物中のチャネル形成領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性となる場合がある。さらに、酸素欠損に水素が入った欠陥はドナーとして機能し、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成する場合がある。従って、水素が多く含まれている金属酸化物を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。
酸素欠損に水素が入った欠陥は、金属酸化物のドナーとして機能しうる。しかしながら、当該欠陥を定量的に評価することは困難である。そこで、金属酸化物においては、ドナー濃度ではなく、キャリア濃度で評価される場合がある。よって、本明細書等では、金属酸化物のパラメータとして、ドナー濃度ではなく、電界が印加されない状態を想定したキャリア濃度を用いる場合がある。つまり、本明細書等に記載の「キャリア濃度」は、「ドナー濃度」と言い換えることができる場合がある。
よって、金属酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。水素などの不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
また、チャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度は、1×1018cm−3以下であることが好ましく、1×1017cm−3未満であることがより好ましく、1×1016cm−3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm−3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm−3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10−9cm−3とすることができる。
OSトランジスタは、図16(B)に示すように、ゲート電極301をマスクとして金属酸化物層にソース領域303及びドレイン領域304を形成するセルフアライン型の構成としてもよい。
又は、図16(C)に示すように、ソース電極305又はドレイン電極306と、ゲート電極301と、が重なる領域を有するノンセルフアライン型のトップゲート型トランジスタであってもよい。
バックゲート電極335は、図16(D)に示すトランジスタのチャネル幅方向の断面図のように、対向して設けられるトランジスタのフロントゲートであるゲート電極301と電気的に接続してもよい。なお、図16(D)は図16(A)のトランジスタを例として示しているが、その他の構造のトランジスタも同様である。また、バックゲート電極335にフロントゲートとは異なる固定電位を供給することができる構成であってもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
<CAC−OSの構成>
本実施の形態は、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud−Aligned Composite)−OSの構成について説明する。
CAC−OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、又はインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)等と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、又はガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)等と、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、又はInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、又はIn(1+x0)Ga(1−x0)O3(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、又はCAAC(C−Axis Aligned Crystal)構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC−OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC−OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC−OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つ又は複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC−OSは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定法のひとつであるOut−of−plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa−b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことが分かる。
またCAC−OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC−OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano−crystal)構造を有することがわかる。
また例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaOX3等が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域は、GaOX3等が主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、金属酸化物としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域が、金属酸化物中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3等が主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3等が主成分である領域が、金属酸化物中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
従って、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3等に起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、及び高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC−OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を用いることができる市場イメージについて説明する。
<市場イメージ>
まず、本発明の一態様の半導体装置を用いることができる市場イメージを図17に示す。図17において、領域701は、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを適用したディスプレイ(Display)に応用可能な製品領域(OS Display)を表し、領域702は、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを適用したLSI(Large Scale Integration)をアナログ(analog)に応用可能な製品領域(OS LSI analog)を表し、領域703は、チャネル形成領域に酸化物半導体を有するトランジスタを適用したLSIをデジタル(digital)に応用可能な製品領域(OS LSI digital)を表す。本発明の一態様の半導体装置は、図17に示す領域701、領域702、及び領域703の3つの領域、別言すると3つの大きな市場に好適に用いることができる。
また、図17において、領域704は、領域701と、領域702とが重なった領域を表し、領域705は、領域702と、領域703とが重なった領域を表し、領域706は、領域701と、領域703とが重なった領域を表し、領域707は、領域701と、領域702と、領域703とが、それぞれ重なった領域を表す。
OS Displayでは、例えば、Bottom Gate型のOS FET(BG OSFET)、Top Gate型のOS FET(TG OS FET)などのFET構造を好適に用いることができる。なお、Bottom Gate型のOS FETには、チャネルエッチ型のFET、及びチャネル保護型のFETも含まれる。また、Top Gate型のOS FETには、TGSA(Top Gate Self−Aligned)型のFETも含まれる。
また、OS LSI analog及びOS LSI digitalでは、例えば、Gate Last型のOS FET(GL OS FET)を好適に用いることができる。
なお、上述のトランジスタは、それぞれ、ゲート電極が1つのSingle Gate構造のトランジスタ、ゲート電極が2つのDual Gate構造のトランジスタ、またはゲート電極が3つ以上のトランジスタを含む。また、Dual Gate構造のトランジスタの中でも特に、S−channel(surrounded channel)構造のトランジスタを用いると好適である。
なお、本明細書等において、S−channel構造のトランジスタとは、一対のゲート電極の一方および他方の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を表す。
また、OS Display(領域701)に含まれる製品としては、LCD(liquid crystal display)、EL(Electro Luminescence)、及びLED(Light Emitting Diode)を表示デバイスに有する製品が挙げられる。または、上記表示デバイスと、Q−Dot(Quantum Dot)とを組み合わせることも好適である。
なお、本実施の形態において、ELとは、有機EL、及び無機ELを含む。また、本実施の形態において、LEDとは、マイクロLED、ミニLED、及びマクロLEDを含む。なお、本明細書等において、チップの面積が10000μm2以下の発光ダイオードをマイクロLED、チップの面積が10000μm2より大きく1mm2以下の発光ダイオードをミニLED、チップの面積が1mm2より大きい発光ダイオードをマクロLEDと記す場合がある。
また、OS LSI analog(領域702)に含まれる製品としては、様々な周波数の音域(例えば、周波数が20Hz〜20kHzの可聴音、または20kHz以上の超音波など)に対応する音源定位デバイス、あるいはバッテリー制御用デバイス(バッテリー制御用IC、バッテリー保護用IC、またはバッテリマネジメントシステム)などが挙げられる。
また、OS LSI digital(領域703)に含まれる製品としては、メモリーデバイス、CPU(Central Processing Unit)デバイス、GPU(Graphics Processing Unit)デバイス、FPGA(field−programmable gate array)デバイス、パワーデバイス、OS LSIと、Si LSIとを積層または混在させたハイブリッドデバイス、発光デバイスなどが挙げられる。
また、領域704に含まれる製品としては、表示領域に赤外線センサ、または近赤外線センサを有する表示デバイス、あるいはOS FETを有するセンサ付き信号処理デバイス、または埋め込み型バイオセンサデバイスなどが挙げられる。また、領域705に含まれる製品としては、A/D(Analog to Digital)変換回路などを有する処理回路、あるいは、当該処理回路を有するAI(Artificial Intelligence)デバイスなどが挙げられる。また、領域706に含まれる製品としては、Pixel AI技術が適用された表示デバイスなどが挙げられる。なお、本明細書等において、Pixel AI技術とは、ディスプレイの画素回路に搭載されたOS FETなどにより構成されるメモリを活用する技術をいう。
また、領域707に含まれる製品としては、上記領域701乃至領域706に含まれる、あらゆる製品を組み合わせた複合的な製品が挙げられる。
以上のように、本発明の一態様の半導体装置は、図17に示すように、あらゆる製品領域に適用することが可能である。すなわち、本発明の一態様の半導体装置は、多くの市場に適用することが可能である。
なお、本実施の形態に示す構成は、本明細書等に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。