以下、実施形態に係る販売支援システム及び販売支援方法について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する図2、3は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
本実施形態の販売支援システム1(図1参照)は、体の少なくとも一部に身に着けられる販売品の販売を支援するために用いられる。体の少なくとも一部とは、例えば、足、頭、腕、手の指等である。足とは、足首からつま先までの部位を指す。足に身に着けられる販売品としては、靴及び靴下等がある。頭に身に着けられる販売品としては、帽子及びヘルメット等がある。腕に身に着けられる販売品としては、腕時計等がある。手の指に身に着けられる販売品としては、指輪等がある。販売支援システム1を販売の支援のために用いて販売される販売品は、ここに挙げた販売品以外の販売品であってもよい。以下では、足に身に着けられる販売品である靴の販売を支援するために販売支援システム1が用いられる場合を例に説明する。
販売支援システム1は、図1に示すように、測定装置2と、サーバ3と、情報処理装置4と、を備えている。販売支援システム1は、宅配ボックス5を更に備えている。また、販売支援システム1の外部の構成として、注文者端末7がある。注文者端末7は、複数存在し、販売品を注文する複数の注文者の各々が1つ以上所持している。
測定装置2は、測定部26を有している。測定部26は、例えば、ステレオカメラ261(図2参照)を含む。測定装置2は、測定部26により人の足の3次元形状を測定する。より詳細には、ステレオカメラ261は、複数のカメラを備え、測定部26は、複数のカメラの間の距離と複数のカメラで撮像した人の足の複数の画像とに基づいて、三角法により人の足の3次元形状を測定する。測定装置2は、測定部26で測定された人の足の3次元形状の測定データをサーバ3へ出力する。また、測定装置2は、測定部26で測定された人の足の3次元形状の測定データの識別情報としての管理番号を発行し、管理番号を測定データと一緒にサーバ3へ出力する。
靴を注文する者(注文者)は、測定装置2を用いて、自分の足の3次元形状を予め測定する。その後、注文者は、注文者端末7を操作して、靴を販売するウェブサイトを立ち上げる。このウェブサイトは、例えば、情報処理装置4を所有する事業者が運営している。注文者は、注文者端末7を操作して、測定装置2で発行された管理番号の情報を情報処理装置4へ出力する。情報処理装置4は、管理番号と対応する測定データをサーバ3から取得し、取得した測定データとウェブサイトで販売されている各品番の靴の形状とがマッチングしているか否かを判定する。情報処理装置4は、測定データとマッチングする靴については、販売することが適当である旨を注文者端末7へ通知する。具体的には、注文者が注文者端末7に所定の操作をすると、販売することが適当であると情報処理装置4で判定された1又は複数の品番の靴の画像が、注文者端末7で閲覧されるウェブサイトの第1領域に表示され、販売することが不適当であると情報処理装置4で判定された1又は複数の品番の靴の画像が、ウェブサイトの第1領域とは別の第2領域に表示される。さらに、第1領域には、「この一覧の靴は、あなたの足にフィットします」という文字が表示され、第2領域には、「この一覧の靴は、あなたの足にフィットしません」という文字が表示される。このようにして、各品番の靴について、販売することが適当であるか否かが注文者端末7へ通知される。
したがって、靴を販売する販売者は、販売支援システム1を用いることにより、注文者(客)の足に適した靴を提供できる可能性を高めることができる。つまり、情報処理装置4は、靴の形状と測定データとマッチングしているか否かの判定結果を注文者端末7へ通知することにより、注文者の足の形状とマッチングした形状を有する靴を注文者に薦めることができる。これにより、足へのフィット感の良い靴を注文者へ販売できる可能性が高まる。また、これにより靴の返品率を低下させられる。靴は、衣服等と比較して、体へのフィット感に対する注文者の要求が厳しいことがあるため、販売支援システム1は、靴の販売を支援するために用いられることでより高い効果を発揮すると考えられる。
注文された販売品は、注文者の自宅又は宅配ボックス5へ配送される。例えば、販売品は、基本的には宅配ボックス5へ配送されるが、注文者が追加料金を支払った場合は、注文者の自宅へ配送される。
本開示の販売支援方法は、次の第1〜第5のステップを備えている。第1のステップでは、体の少なくとも一部(本実施形態では、足)の3次元形状を測定し測定データを出力する。第2のステップでは、体の少なくとも一部に身に着けられる販売品の情報のリクエストであって注文者が注文者端末7を操作することによりなされるリクエストを受け付ける。このリクエストは、後述するように、注文者端末7が管理番号を情報処理装置4へ出力することでなされる。第3のステップでは、リクエストに対応付けられる測定データの入力を受け付ける。第4のステップでは、販売品の形状とリクエストに対応する測定データとに基づいて、販売品を販売することが適当であるか否かを判定する。第5のステップでは、第4のステップにおける判定結果を注文者端末7へ通知する。
本明細書では、注文者が測定装置2を用いて自分の足の3次元形状を測定して、これにより得られた測定データを用いて靴を注文する場合を例に説明するが、測定装置2を用いて自分の足の3次元形状を測定する者と靴を注文する者とが同一人物ではなくてもよい。
測定装置2は、制御部21と、メモリ22と、操作部23と、通信部24と、表示部25と、測定部26と、駆動部27と、着座検知部28と、足置検知部29と、を有している。
情報処理装置4は、制御部41と、メモリ42と、操作部43と、通信部44と、表示部45と、を有している。
宅配ボックス5は、制御部51と、メモリ52と、操作部53と、通信部54と、ロック部55と、を有している。
サーバ3は、制御部31と、メモリ32と、通信部34と、を有している。
注文者端末7は、制御部71と、メモリ72と、操作部73と、第1の通信部74と、表示部75と、第2の通信部76と、カメラ77と、を有している。
測定装置2と、サーバ3と、情報処理装置4と、宅配ボックス5と、注文者端末7との各々は、コンピュータを含む。すなわち、本開示における販売支援システム1及び注文者端末7は、1つ以上のコンピュータを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における販売支援システム1、注文者端末7及び販売支援方法としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、販売支援システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられている。具体的には、測定装置2と、サーバ3と、情報処理装置4と、宅配ボックス5とがそれぞれ異なる筐体に設けられている。
反対に、実施形態1において、複数の筐体に分散されている販売支援システム1の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、サーバ3と情報処理装置4とに分散されている販売支援システム1の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
さらに、販売支援システム1の少なくとも一部の機能、例えば、サーバ3と情報処理装置4との一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
販売支援システム1において、測定装置2は、複数備えられている。複数の測定装置2の各々は、例えば、鉄道の駅に設置されている。販売支援システム1において、宅配ボックス5は、複数備えられている。複数の宅配ボックス5の各々は、例えば、鉄道の駅において測定装置2に併設されている(図3参照)。つまり、複数の駅の各々に、1つ以上の測定装置2と1つ以上の宅配ボックス5とが設置されている。以下では、特に断りのない限り、任意の1つの測定装置2、及びこの測定装置2に併設された複数の宅配ボックス5のうち任意の1つに着目して説明する。
測定装置2の制御部21は、例えば、プロセッサを含む。メモリ22は、制御部21のプロセッサで実行されるプログラムを記憶している。制御部21は、測定装置2の操作部23、通信部24、表示部25、測定部26、駆動部27、着座検知部28及び足置検知部29等の動作を制御する。
図2に示すように、測定装置2は、ボックス81と、椅子82と、足置部83と、マイクとスピーカとが一体になったマイクスピーカ84と、緊急連絡部85と、課金部86と、を更に有している。
ボックス81の大きさは、人P1が入れる大きさである。ボックス81は、直方体状である。ボックス81の6面のうち、鉛直軸に沿った1つの面812(図3参照)には、開口部813(図3参照)が形成されており、人P1は開口部813からボックス81に出入りできる。また、測定装置2は、開口部813を覆うためのカーテン814(図3参照)を更に有している。カーテン814は、ボックス81に取り付けられている。
ボックス81の内部には、椅子82と、足置部83と、が設置されている。ボックス81の6面のうち、鉛直軸に沿っており開口部813が形成されている面とは別の1つの面811(内面)には、表示部25が取り付けられている。表示部25は、例えば、タッチパネルディスプレイである。足置部83は、椅子82と表示部25との間に配置されている。足置部83は、ボックス81の床面815の下の空間に配置されている。足置部83の上面(図2では面831)は、床面815に形成された開口部816を通してボックス81内に露出している。椅子82は、鉛直軸に沿った軸を中心に回転可能に構成されている。これにより、椅子82に座っている人P1が体の向きを変えやすい。椅子82の傍には、人P1が脱いだ靴11を置いておく領域R1が設けられている。
表示部25が取り付けられた面811には、測定部26(ステレオカメラ)と、マイクスピーカ84と、緊急連絡部85と、課金部86とが取り付けられている。
表示部25は、測定装置2の使用方法を画像により表示する。マイクスピーカ84のスピーカは、測定装置2の使用方法を音声により説明する。表示部25は、足の3次元形状を測定するための操作を受け付ける操作部23を兼ねている。つまり、表示部25を構成するタッチパネルディスプレイにより、人P1の操作を受け付ける機能と、情報を画像として表示する機能と、の両方が実現される。
緊急連絡部85は、ボタン851を含み、ボタン851が押されると、測定装置2を管理するインフォメーションセンター等との通信がつながり、マイクスピーカ84を介してインフォメーションセンターの職員等と連絡を取ることが可能となる。
課金部86は、測定装置2を利用する人P1が測定装置2の利用料金を支払うために用いる装置である。課金部86を用いての支払いは、現金による支払いと電子マネーによる支払いとの両方が可能である。
測定装置2は、測定部26による測定結果を紙に印刷して出力するためのプリンタを更に有している。プリンタで印刷された紙が取り出される排紙口87は、課金部86に隣接して設けられている。
測定装置2の駆動部27(図1参照)は、足置部83を回転させる駆動力を発生する。駆動部27は、例えば、モータを含む。駆動部27は、足置部83を通り水平軸に沿った回転軸(仮想軸)を中心に足置部83を回転させる。図2には、足置部83の側方に、足置部83の回転方向を示す網掛け入りの矢印を2つ図示しているが、これらの矢印は足置部83の回転方向を表しているに過ぎず、実体を伴わない。
足置部83は、直方体状である。駆動部27は、足置部83の回転軸に沿った4面のうちいずれかが上面となるように、足置部83を回転させる。つまり、駆動部27が足置部83を回転させることにより、足置部83の回転軸に沿った4面のうちいずれかが、床面815に形成された開口部816を通してボックス81内に露出する。足置部83の回転軸に沿った4面のうち1つの面831と、この面と反対側の面832とにはそれぞれ、一対の足置きマーク88が付されている。足置部83の回転軸に沿った4面のうち残りの2つの面833、834にはそれぞれ、一対の靴置きマーク89が付されている。各足置きマーク88及び各靴置きマーク89は、例えば、印刷又は塗装により足置部83に直接的に付されている。各足置きマーク88及び各靴置きマーク89は、足置部83に貼り付けられていてもよい。各足置きマーク88は、足置部83のうち人P1が足F1を置くべき位置に付されている。各靴置きマーク89は、足置部83のうち、測定装置2が靴の3次元形状を測定する場合に靴が置かれるべき位置に付されている。測定装置2が靴の3次元形状を測定する動作については、後述する。
測定装置2の通信部24(図1参照)は、サーバ3(図1参照)と通信する。通信部24は、例えば、インターネット等の電気通信回線を通じてサーバ3と通信する。
着座検知部28は、人P1が椅子82に座っているか否かを検知する。着座検知部28は、例えば、赤外線センサ、可視光を用いた光センサ又は圧力センサ等を含む。赤外線センサは、人P1から発せられる赤外線を検出することで人P1を検知する。光センサは、例えば、投光部から受光部へ光を投光し、受光部が受光した光の強度が閾値以下の場合、光を遮る人P1の存在を検知する。圧力センサは、椅子82に座った人P1の荷重を検出する。
足置検知部29は、足F1又は靴11が足置部83に置かれているか否かを検知する。また、足置検知部29は、足置部83に素足の状態で足F1(両足)が置かれているか否かを検知する。足置検知部29は、例えば、レーザセンサ等を含む。足置検知部29は、レーザ光を用いて検知対象の形状を測定することで、足置部83に置かれている検知対象が素足か否かを検知する。
測定装置2には、以上の構成に加えて、ボックス81の内部を照明するための照明器具と、ボックス81の内部を監視するためのカメラとが備えられている。
図1において、注文者端末7は、例えば、スマートフォン等の携帯電話である。注文者端末7は、タブレット型コンピュータ又はコンピュータ端末(デスクトップパソコン又はノートパソコン等)であってもよい。注文者端末7の制御部71は、例えば、プロセッサを含む。メモリ72は、制御部71のプロセッサで実行されるプログラムを記憶している。
注文者端末7の表示部75は、例えば、タッチパネルディスプレイである。表示部75は、操作を受け付ける操作部73を兼ねている。つまり、表示部75を構成するタッチパネルディスプレイにより、操作を受け付ける機能と、情報を画像として表示する機能と、の両方が実現される。
第1の通信部74は、インターネット等の電気通信回線を介して情報処理装置4及びサーバ3と通信する。第2の通信部76は、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信により宅配ボックス5と通信する。
情報処理装置4は、例えば、インターネットを利用した通信販売のウェブサイトを運営する事業者が所有している。靴の販売者は、情報処理装置4を所有する事業者のウェブサイトに登録して、このウェブサイトに販売品を出品する。
情報処理装置4は、例えば、コンピュータ端末である。情報処理装置4の制御部41は、例えば、プロセッサを含む。メモリ42は、制御部41のプロセッサで実行されるプログラムを記憶している。メモリ42は、靴の形状の情報を更に記憶している。靴の形状の情報は、例えば、靴メーカから提供される。靴の形状の情報は、例えば、靴の踵からつま先までの長さ、靴の幅、及び、靴の靴裏から甲までの高さ等の情報を含む。
制御部41は、判定部411を含む。判定部411は、サーバ3から取得した測定データとウェブサイトで販売されている各品番の靴の形状とがマッチングしているか否かを判定する。
表示部45は、例えば、ディスプレイである。操作部43は、例えば、キーボードである。通信部44は、インターネット等の電気通信回線を介してサーバ3及び注文者端末7と通信する。
サーバ3の制御部31は、例えば、プロセッサを含む。メモリ32は、制御部31のプロセッサで実行されるプログラムを記憶している。通信部34は、インターネット等の電気通信回線を介して測定装置2、情報処理装置4及び注文者端末7と通信する。
メモリ32は、靴の配送前の状態での3次元データである配送前3次元データと、靴の使用状態に関するメッセージとを記憶している。配送前3次元データは、靴が新品である場合は、使用される前の状態の靴の3次元データである。この場合、配送前3次元データは、靴の品番ごとに存在し、メモリ32に記憶されている。測定装置2が靴の形状を測定し、靴の測定データである物品測定データをサーバ3に送信すると、サーバ3の制御部31は、配送前3次元データと物品測定データとを比較し、比較結果に基づく情報であるメッセージを測定装置2へ出力する。測定装置2は、サーバ3から受け取ったメッセージを表示部25に表示する。
宅配ボックス5の制御部51は、例えば、プロセッサを含む。メモリ52は、制御部51のプロセッサで実行されるプログラムを記憶している。通信部54は、NFC等の近距離無線通信により注文者端末7と通信する。
宅配ボックス5には、情報処理装置4を所有する事業者のウェブサイトで注文された販売品が配送され、宅配ボックス5の宅配ボックス本体に収容される。宅配ボックス本体は、箱状であって、扉を含む。操作部53は、宅配ボックス本体の扉を施錠又は解錠する操作を受け付ける。宅配ボックス本体の扉を解錠する操作には、注文者が注文した販売品の代金を支払う行為が含まれる。ロック部55は、例えば、電気錠を含む。ロック部55は、操作部53への操作に応じて宅配ボックス本体の扉を施錠又は解錠する。宅配ボックス5は、コインロッカーと兼用されてもよい。
次に、販売支援システム1及び注文者端末7の用いられ方の一例を、図4〜6を参照して説明する。
注文者(人P1)は、次のように測定装置2を用いて、自分の足の3次元形状を測定する。注文者が椅子82(図2参照)に座るまで、測定装置2は待機状態である(ステップS1)。すなわち、このとき測定装置2は、足の3次元形状を測定する動作を行わない状態である。注文者は、靴11を脱いで椅子82に座る。すると、椅子82に人が座ったことを着座検知部28が検知し(ステップS2:Yes)、検知結果を制御部21へ出力する。これに応じた制御部21の制御により、表示部25は、入力画面を表示する(ステップS3)。
入力画面には、「足形測定」という文字の表示と「靴測定」という文字の表示とが現れる。注文者は、入力画面の「足形測定」という文字の表示にタッチ操作をすることで、測定装置2に足形測定の機能の実行を開始させることを選択できる(ステップS4:Yes)。
すると、表示部25には、料金支払い画面が表示される(ステップS5)。料金支払い画面には、「料金をお支払い下さい」という文字の表示と、測定装置2の利用料金として支払うべき金額の表示とが現れる。ここで、注文者が現金又は電子マネーにより課金部86にて測定装置2の利用料金を支払うと(ステップS6:Yes)、足置部83が駆動部27に駆動されて回転する(ステップS7)。これにより、足置部83は、足置きマーク88が足置部83の上面にある状態となる。ただし、足置きマーク88が予め足置部83の上面にある場合は、駆動部27は足置部83を駆動しない。
次に、足置きマーク88が足置部83の上面にある状態で、表示部25には、「足置きマークに、素足で、両足を置いて下さい」という文字の表示が現れる(ステップS8)。足置検知部29は、図5に示すように、足置部83に足F1(両足)が置かれているか否かを検知する(ステップS9)。より詳細には、足置検知部29は、足置部83に素足の状態で足F1(両足)が置かれているか否かを検知する。足置部83に素足の状態で足F1(両足)が置かれていることを足置検知部29が検知すると(ステップS9:Yes)、表示部25には、測定開始ボタンと、「測定開始ボタンを押して下さい」という文字の表示とが現れる(ステップS10)。測定開始ボタンは、表示部25における「測定開始」という文字が表示された部分である。測定開始ボタンが押されると(ステップS11:Yes)、表示部25には「測定完了まで足を動かさないで下さい」という文字の表示が現れ(ステップS12)、測定部26は、足F1(両足)の3次元形状の測定を開始する(ステップS13)。
測定部26が足F1(両足)の3次元形状の測定を終了すると(ステップS14:Yes)、制御部21は、測定部26により得られた足F1(両足)の3次元形状の測定データに基づいて、測定部26による測定が成功したか否かを判定する(ステップS15)。測定データは、例えば、足F1つまり両足の各々の踵からつま先までの長さ、両足の各々の幅、及び、両足の各々の足裏から甲までの高さ等の情報を含む。制御部21は、例えば、両足の各々の踵からつま先までの長さが所定の第1の範囲内であり、両足の各々の幅が所定の第2の範囲内であり、両足の各々の足裏から甲までの高さが所定の第3の範囲内である場合に、測定部26による測定が成功したと判定し(ステップS15:Yes)、それ以外の場合に、測定部26による測定が失敗したと判定する(ステップS15:No)。測定部26による測定が失敗したと制御部21が判定した場合、表示部25には、測定が失敗したことを示す表示が現れ(ステップS16)、ステップS10に戻り、測定開始ボタンが押されると測定部26は再び測定を開始する。測定が失敗したことを示す表示は、例えば、「測定失敗」という文字の表示である。
ステップS15において、測定部26による測定が成功したと制御部21が判定した場合(ステップS15:Yes)、表示部25には、「測定成功」という文字が表示される(ステップS17)。また、制御部21は、測定データに管理番号を付与する(図6のステップS18)。この管理番号は、複数の測定データを識別するために測定データの1つ1つに付与される識別情報である。
メモリ72には、サーバ3のアドレスが予め記憶されている。したがって、第1の通信部74は、メモリ72に記憶されたアドレスを含む信号を、インターネットを介してサーバ3へ送信できる。第1の通信部74は、測定データと管理番号とをサーバ3に送信する(ステップS19)。サーバ3は、受け取った測定データと管理番号とをメモリ32(記憶部)に記憶する。これにより、後に情報処理装置4からサーバ3へ管理番号を含む所定の信号が出力された場合、サーバ3は、この管理番号を付与された測定データを情報処理装置4へ出力することができる。
また、第1の通信部74は、測定データと管理番号とに加えて、測定日の情報と測定場所に関する情報とをサーバ3に送信する。測定場所に関する情報とは、例えば、測定装置2自身の識別番号である。この識別番号は、複数の測定装置2を識別するために複数の測定装置2の1つ1つに予め付与された識別番号のうち、測定を行った測定装置2自身の識別番号である。複数の測定装置2の各々に付与された識別番号は、測定装置2の設置場所に対応付けられている。後に情報処理装置4がサーバ3から測定装置2の識別番号を取得した場合に、情報処理装置4は、識別番号に基づいて、測定場所すなわち測定装置2の設置場所を特定する。
測定装置2は、測定部26による測定が成功した後、測定データに付与した管理番号を出力する(ステップS20)。より詳細には、測定装置2のプリンタは、管理番号が記載された紙を排紙口87から出力する。この紙には、管理番号に加えて、測定装置2の利用料金の明細が記載されている。つまり、この紙は、レシートを兼ねる。さらに、この紙には、測定データと測定場所の情報とが記載されている。測定データと測定場所の情報とは、例えば、QRコード(登録商標)として紙に記されている。このQRコードには、測定データに付与された管理番号の情報が含まれていてもよい。
測定部26による測定が成功した後、注文者が椅子82から退座したことを着座検知部28が検知すると(ステップS21:Yes)、測定装置2は待機状態となる(ステップS22)。このステップS22は、ステップS1と同じ処理である。つまり、椅子82に人が座ったことを着座検知部28が検知すると(ステップS2:Yes)、再びステップS3以降の処理が開始される。
注文者は、測定装置2による足の3次元形状の測定後、靴の注文を行う場合、注文者端末7を操作する。注文者端末7は、表示部75(操作部73)に操作がされるまで、待機状態である(ステップS51)。すなわち、このとき注文者端末7は、表示部75に操作がされることを受け付ける状態である。注文者は、表示部75を操作して、情報処理装置4を所有する事業者が運営するウェブサイトを開く(ステップS52:Yes)。このウェブサイトは、靴が出品されるウェブサイトである。
注文者は、このとき、又は事前に、測定装置2から出力された紙に記載された管理番号を注文者端末7のカメラ77で撮影する。すると、注文者端末7の制御部71は、カメラ77により生成された画像を解析して、この画像に写っている管理番号を特定し、特定した管理番号をメモリ72に記憶させる。注文者は、注文者端末7を操作して、メモリ72に記憶された管理番号を第1の通信部74から情報処理装置4の通信部44へ出力(送信)させる(ステップS53:Yes)。なお、第1の通信部74は、制御部71により特定された管理番号に代えて、管理番号が写った画像そのものを情報処理装置4の通信部44へ出力してもよい。あるいは、第1の通信部74は、注文者が注文者端末7に手入力した管理番号を情報処理装置4の通信部44へ出力してもよい。
サーバ3の制御部31は、特定部311を有している。特定部311は、メモリ32に記憶された複数の測定データの中に所望のデータが存在するか否かを検索し、所望のデータがメモリ32に存在する場合、所望のデータを特定する。情報処理装置4の通信部44は、注文者端末7から管理番号が入力されると、この管理番号が付与された測定データを問い合わせるための信号をサーバ3へ出力(送信)する。この信号には、管理番号の情報が含まれる。サーバ3の通信部34が情報処理装置4の通信部44からこの信号を受け取ると、制御部31の特定部311は、メモリ32に記憶された複数の測定データのうち、この管理番号が付与された測定データを検索する。該当する測定データがメモリ32に記憶されていた場合、サーバ3の通信部34は、該当する測定データを情報処理装置4の通信部44へ出力する。該当する測定データがメモリ32に記憶されていなかった場合、サーバ3の通信部34は、該当する測定データが存在しないことを示す信号を情報処理装置4の通信部44へ出力(送信)する。
情報処理装置4の通信部44がサーバ3から測定データを取得した場合(ステップS54:Yes)、情報処理装置4の判定部411は、ウェブサイトで販売されているある品番の靴の形状とサーバ3から取得した測定データとに基づいて、当該品番の靴を販売することが適当であるか否かを判定する。より詳細には、判定部411は、当該品番の靴の形状とサーバ3から取得した測定データとがマッチングしているか否かを判定する(ステップS55)。そして、判定部411は、当該品番の靴の形状とサーバ3から取得した測定データとがマッチングした場合に、当該品番の靴を販売することが適当であると判定する(ステップS55:Yes)。判定部411は、当該品番の靴の形状とサーバ3から取得した測定データとがマッチングしない場合に、当該品番の靴を販売することが不適当であると判定する(ステップS55:No)。
判定部411が靴の形状と測定データとがマッチングしているか否かを判定する処理は、例えば、次のような処理である。判定部411は、メモリ42に予め記憶された、靴の踵からつま先までの長さ、幅、及び、靴裏から甲までの高さを、測定データに示される足の踵からつま先までの長さ、幅、及び、足裏から甲までの高さと比較する。判定部411は、靴の踵からつま先までの長さから、足の踵からつま先までの長さを引いた値が第1の閾値以下であれば、靴の踵からつま先までの長さが足の踵からつま先までの長さとマッチングしていると判定する。判定部411は、靴の幅から足の幅を引いた値が第2の閾値以下であれば、靴の幅が足の幅とマッチングしていると判定する。判定部411は、靴の靴裏から甲までの高さから、足の足裏から甲までの高さを引いた値が第3の閾値以下であれば、靴の靴裏から甲までの高さが足の足裏から甲までの高さとマッチングしていると判定する。判定部411は、例えば、足と靴とが、踵からつま先までの長さ、幅及び、足裏(靴裏)から甲までの高さのいずれについてもマッチングしている場合に、靴の形状と測定データとがマッチングしていると判定し、それ以外の場合に、靴の形状と測定データとがマッチングしていないと判定する。
通信部44(出力部)は、判定部411の判定結果を注文者端末7へ通知する。すなわち、判定部411が当該品番の靴を販売することが適当であると判定すると、通信部44は、当該品番の靴を販売することが適当である旨の情報を注文者端末7へ出力し、これに応じて、注文者端末7の表示部75は、当該品番の靴を販売することが適当である旨を表示する(ステップS56)。一方で、判定部411が当該品番の靴を販売することが不適当であると判定すると、通信部44は、当該品番の靴を販売することが不適当である旨の情報を注文者端末7へ出力し、これに応じて、注文者端末7の表示部75は、当該品番の靴を販売することが不適当である旨を表示する(ステップS57)。
注文者端末7から情報処理装置4の通信部44(入力部)へ管理番号が入力されることは、靴(販売品)の情報のリクエストに相当する。このリクエストに応じて判定部411は、靴の形状と測定データとを比較し、靴を販売することが適当であるか否かを判定する。より詳細には、このリクエストは、靴(販売品)の形状に関する情報のリクエストである。更に詳細には、このリクエストは、靴(販売品)の形状が、測定データに示される足の形状に適しているか否かの情報のリクエストである。
また、情報処理装置4の通信部44は、注文者端末7からリクエストを受け付ける場合に、管理番号を注文者端末7から受け取る。この管理番号は、サーバ3のメモリ32(記憶部)に記憶されている管理番号(識別情報)と同じ番号であって、自身の足の3次元形状の測定データを測定装置2に取得させた人(ここでは注文者)の認証情報として用いられる。サーバ3の制御部31の特定部311は、サーバ3のメモリ32に記憶されている複数の測定データのうち、通信部44が注文者端末7から受け取った管理番号と同じ管理番号が付与された測定データを、リクエストに対応する測定データとして特定する。
判定部411は、靴を販売することが不適当であると判定した場合(ステップS55:No)、靴の形状と測定データとを比較した比較結果に基づいてコメントを作成すべきか否かを判定する。判定部411は、コメントを作成すべきと判定した場合は、コメントを作成し(ステップS58:Yes)、当該コメントを通信部44から注文者端末7へ出力する。これに応じて、注文者端末7の表示部75は、当該コメントを表示する(ステップS59)。判定部411は、例えば、測定データに示される足幅が靴の幅よりも大きい場合は(ステップS58:Yes)、より幅広の靴を購入することを注文者に促すコメントを作成する。また、判定部411は、例えば、靴の形状と測定データとを比較した比較結果に基づいて、足のどの部位の形状が靴の形状と合っていないかを示すコメントを作成する。より具体的な例としては、判定部411は、足首の形状が靴の形状と合っているか否かを判定し、足首の形状に対して靴の足首周りの部分が小さいと判定した場合は、足首周りの部分がより大きい靴を購入することを注文者に促すコメントを作成する。
図7では説明を簡略化するため、ある1つの品番の靴を対象にステップS55〜S59を実行するとして記載しているが、実際にはウェブサイトで販売されている全ての品番の靴の各々を対象にステップS55〜S59が実行される。
表示部75は、例えば、販売することが適当であると判定部411で判定された1又は複数の品番の靴の画像を、ウェブサイトの第1領域に表示し、販売することが不適当であると判定部411で判定された1又は複数の品番の靴の画像を、ウェブサイトの第1領域とは別の第2領域に表示する。さらに、第1領域には、「この一覧の靴は、あなたの足にフィットします」という文字が表示され、第2領域には、「この一覧の靴は、あなたの足にフィットしません」という文字が表示される。このようにして、各品番の靴について、販売することが適当であるか否かが表示部75に表示される。
あるいは、表示部75は、例えば、ウェブサイトに表示されている各品番の靴の画像に対して、販売することが不適当であると判定された靴の画像には×を付けて表示することで、各品番の靴について、販売することが適当であるか否かを表示してもよい。
あるいは、表示部75は、例えば、測定データとマッチングする靴を販売可能な品として表示する一方で、マッチングしない靴を表示しないことで、測定データとマッチングする靴についてのみ、販売することが適当であることを表示してもよい。
ステップS56又はステップS57において、通信部44が判定部411の判定結果を注文者端末7へ通知した後、注文者は、注文者端末7を操作して靴を選択し、選択した靴を購入するための操作を行う(ステップS60:Yes)。すると、表示部75には、靴の配送先を指定するための画面が表示される。
情報処理装置4の制御部41は、指定部412を更に有している。指定部412は、靴の配送先の候補を指定する。配送先の候補には、注文者が足の3次元形状の測定に用いた測定装置2に併設された宅配ボックス5が含まれる。すなわち、複数の駅等に設置されている複数の測定装置2の各々は、靴の配送先である宅配ボックス5と対応付けられており、指定部412は、この宅配ボックス5を靴の配送先の候補に含める。測定装置2と宅配ボックス5との対応関係は、例えば、情報処理装置4のメモリ42に記憶されている。測定装置2に1又は複数の宅配ボックス5が併設されている場合は、測定装置2と、この測定装置2に併設された1又は複数の宅配ボックス5とが対応する。測定装置2に宅配ボックス5が併設されていない場合は、例えば、測定装置2と、この測定装置2から所定の距離以内に設置された1又は複数の宅配ボックス5とが対応する。
指定部412は、例えば、測定装置2が測定データに付与した管理番号に基づいて、複数の測定装置2の中から測定データを生成した測定装置2を特定する。つまり、測定装置2が測定データに付与した管理番号は、複数の測定装置2の中から自機(測定装置2)を特定するための識別情報である。指定部412は、取得した管理番号に基づいて、複数の測定装置2の中から、管理番号を測定データに付与した測定装置2を特定する。指定部412は、複数の測定装置2のうち識別情報により特定された測定装置2に対応する配送先(宅配ボックス5)を、靴の配送先の候補に含める。
上述の通り、測定装置2が発行するレシートに記されたQRコードには、測定装置2自身の識別番号が含まれる。そこで、注文者端末7がQRコードを読み取って、読み取った情報を情報処理装置4へ出力する場合は、判定部411は、QRコードに含まれる測定装置2の識別番号を、複数の測定装置2の中から、管理番号を測定データに付与した測定装置2を特定するための識別情報として用いてもよい。
注文者は、注文者端末7を操作することにより、靴の配送先を、測定装置2に併設された宅配ボックス5と、注文者の自宅と、その他の住所との候補の中から選択する(ステップS61)。その後、注文者は、注文者端末7を操作することにより、靴の注文を確定させる(ステップS62)。
靴の配送先として宅配ボックス5が指定された場合は、宅配ボックス5に靴が配送された後、宅配ボックス5に靴を配送した者は、携帯端末等を用いて、宅配ボックス5への配送が完了したことを示す情報を情報処理装置4へ出力する。すると、情報処理装置4は、宅配ボックス5を解錠するためのパスワードを注文者端末7へ出力する。注文者は、宅配ボックス5の操作部53にパスワードを入力することにより、宅配ボックス5を解錠し、靴を受け取ることができる。操作部53へのパスワードの入力は、注文者が手入力で行ってもよい。あるいは、操作部53へのパスワードの入力は、注文者端末7の第2の通信部76と宅配ボックス5の通信部54との間の近距離無線通信により行われてもよい。
靴の配送先として宅配ボックス5が指定された場合は、1箇所に設置された複数の宅配ボックス5へ配送業者が複数の物品をまとめて配送できること、また、注文者の自宅に配送する場合と違って再配達が必要とならないことから、配送コストを低減できることがある。
注文者は、1度、測定装置2により測定データを取得し、測定データをサーバ3のメモリ32に記憶させた場合、次回以降の買い物では、測定装置2により測定データを取得する手順を省略できる。すなわち、注文者は、以前に測定装置2により測定データを取得した際に発行された管理番号を、注文者端末7から情報処理装置4へ出力すればよい。すると、情報処理装置4は、管理番号に対応する測定データをサーバ3から取得し、サーバ3から取得した測定データに基づいて、各品番の靴について販売することが適当であるか否かを判定する。
なお、注文者端末7から情報処理装置4へ管理番号が出力されない場合(ステップS53:No)及び、注文者端末7から出力された管理番号を付与された測定データがサーバ3のメモリ32に無い場合(ステップS54:No)は、ウェブサイトでは、通常販売が行われる(ステップS63)。通常販売では、靴の形状と測定データとがマッチングしているか否かがウェブサイトに表示されない状態で、注文者は靴を注文することが可能である。
以上、注文者端末7の処理の一例について説明した。次に、情報処理装置4の処理の一例について、図8を参照して説明する。
情報処理装置4の通信部44は、注文者端末7から管理番号が入力されると(ステップS71:Yes)、この管理番号が付与された測定データを問い合わせるための信号をサーバ3へ出力する。サーバ3の制御部31の特定部311は、メモリ32に記憶された複数の測定データのうち、この管理番号が付与された測定データを検索する。該当する測定データがメモリ32に記憶されていた場合は(ステップS72:Yes)、サーバ3の通信部34は、該当する測定データを情報処理装置4の通信部44へ出力する。
情報処理装置4の判定部411は、ウェブサイトで販売されている各品番の靴の形状とサーバ3から取得した測定データとに基づいて、各品番の靴を販売することが適当であるか否かを判定する(ステップS73)。
ある品番の靴について、判定部411が当該品番の靴を販売することが適当であると判定すると(ステップS73:Yes)、通信部44は、当該品番の靴を販売することが適当である旨の情報を注文者端末7へ出力する(ステップS74)。一方で、判定部411が当該品番の靴を販売することが不適当であると判定すると(ステップS73:No)、通信部44は、当該品番の靴を販売することが不適当である旨の情報を注文者端末7へ出力する(ステップS75)。
判定部411は、当該品番の靴を販売することが不適当であると判定した場合(ステップS73:No)、靴の形状と測定データとを比較した比較結果に基づいてコメントを作成すべきか否かを判定する。判定部411は、コメントを作成すべきと判定した場合は、コメントを作成し(ステップS76:Yes)、当該コメントを通信部44から注文者端末7へ出力する(ステップSS77)。
ステップS74又はステップS75において、通信部44が判定部411の判定結果を注文者端末7へ通知した後、注文者は、注文者端末7を操作して靴を選択する。さらに、注文者が選択した靴を購入するための操作を行い(ステップS78:Yes)、靴の配送先を指定し(ステップS79)、注文の確定を行うと(ステップS80)、情報処理装置4の通信部44は、注文された靴の配送前の状態での3次元データである配送前3次元データを、サーバ3へ送信する。また、通信部44は、測定データに付与された識別情報である管理番号をもサーバ3へ送信する。サーバ3は、受け取った配送前3次元データを、管理番号と対応付けてメモリ32に記憶する。すなわち、メモリ32(記憶部)は、注文者へ販売することが確定した靴(販売品)の配送前3次元データを、管理番号と対応付けて記憶する。
また、通信部44は、配送前3次元データと管理番号とに加えて、靴の販売者名と、販売者の住所と、販売日と、靴の品番と、をサーバ3へ送信する。
なお、注文者端末7から情報処理装置4へ管理番号が出力されない場合(ステップS71:No)及び、注文者端末7から出力された管理番号を付与された測定データがサーバ3のメモリ32に無い場合(ステップS72:No)は、ウェブサイトでは、通常販売が行われる(ステップS82)。
次に、サーバ3の処理の一例について、図9を参照して説明する。
サーバ3は、測定装置2から測定データが入力されると(ステップS91:Yes)、メモリ32に個人ボックスを作成する。個人ボックスは、メモリ32に割り当てられた記憶領域であって、管理番号の1つ1つに、重複することなく割り当てられる。サーバ3は、測定装置2からの測定データをメモリ32に記憶する(ステップS92)。
サーバ3は、情報処理装置4から配送前3次元データが管理番号と共に入力されると(ステップS93:Yes)、メモリ32のうち管理番号に対応する個人ボックスに配送前3次元データを記憶する(ステップS94)。
サーバ3には、測定装置2から後述の物品測定データが管理番号と共に入力される場合がある(ステップS95:Yes)。この場合のサーバ3の処理については後述する。
次に、測定装置2が靴11の3次元形状を測定する動作の一例について、図10〜12を参照して説明する。ここで、靴11は、情報処理装置4を所有する事業者のウェブサイトを通じて販売された、販売済みの靴である。更に詳細には、靴11は、靴11の使用者(注文者等)が履いて靴底がある程度すり減った、使用済みの靴である。
測定装置2の表示部25が入力画面を表示しているとき、測定装置2の利用者(注文者等)により、入力画面における「靴測定」という文字の表示にタッチ操作がされると(図4のステップS26:Yes)、測定装置2は、靴11の3次元形状を測定する機能の実行を開始する。まず、表示部25には、「管理番号を入力して下さい」という文字の表示と、管理番号を入力するキーとが現れる(ステップS27)。表示部25に表示されたキーの操作により管理番号が入力されると(ステップS28:Yes)、通信部24は、サーバ3と通信して、測定装置2に入力された管理番号がサーバ3のメモリ32に記憶されているか否かを確認する。測定装置2に入力された管理番号がサーバ3のメモリ32に記憶されている場合は、表示部25には、「料金をお支払い下さい」という文字の表示と、測定装置2の利用料金として支払うべき金額の表示とが現れる(ステップS29)。ここで、注文者が現金又は電子マネーにより課金部86にて測定装置2の利用料金を支払うと(ステップS30:Yes)、足置部83が駆動部27に駆動されて回転する(ステップS31)。これにより、足置部83は、靴置きマーク89が足置部83の上面にある状態となる。ただし、靴置きマーク89が予め足置部83の上面にある場合は、駆動部27は足置部83を駆動しない。
次に、靴置きマーク89が足置部83の上面にある状態で、表示部25には、「靴置きマークに両靴を置いて下さい」という文字の表示が現れる(ステップS32)。足置検知部29は、図5に示すように、足置部83に靴11が置かれていることを足置検知部29が検知すると(ステップS33:Yes)、表示部25には、測定開始ボタンと、「測定開始ボタンを押して下さい」という文字の表示とが現れる(ステップS34)。測定開始ボタンは、表示部25における「測定開始」という文字が表示された部分である。測定開始ボタンが押されると(ステップS35:Yes)、表示部25には「測定完了まで靴を動かさないで下さい」という文字の表示が現れ(ステップS36)、測定部26は、靴11(両靴)の3次元形状の測定を開始する(ステップS37)。
測定部26が靴11(両靴)の3次元形状の測定を終了すると(ステップS38:Yes)、制御部21は、測定部26により得られた靴11(両靴)の3次元形状の測定データである物品測定データに基づいて、測定部26による測定が成功したか否かを判定する(ステップS39)。物品測定データは、例えば、靴11つまり両靴の各々の踵からつま先までの長さ、両靴の各々の幅、及び、両靴の各々の靴裏から甲までの高さ等の情報を含む。制御部21は、例えば、両靴の各々の踵からつま先までの長さが所定の第1の範囲内であり、両靴の各々の幅が所定の第2の範囲内であり、両靴の各々の靴裏から甲までの高さが所定の第3の範囲内である場合に、測定部26による測定が成功したと判定し(ステップS39:Yes)、それ以外の場合に、測定部26による測定が失敗したと判定する(ステップS39:No)。測定部26による測定が失敗したと制御部21が判定した場合、表示部25には、測定が失敗したことを示す表示が現れ(ステップS40)、ステップS34に戻り、測定開始ボタンが押されると測定部26は再び測定を開始する。測定が失敗したことを示す表示は、例えば、「測定失敗」という文字の表示である。
ステップS39において、測定部26による測定が成功したと制御部21が判定した場合(ステップS39:Yes)、表示部25には、「測定成功」という文字が表示される(ステップS41)。また、通信部24は、物品測定データを管理番号と共にサーバ3に送信する(ステップS42)。サーバ3の制御部31は、メモリ32の複数の個人ボックスのうち、測定装置2から入力された管理番号に対応する個人ボックスを特定する。制御部31は、比較処理部312を有している。比較処理部312は、測定装置2から出力される物品測定データの入力を受け付ける。比較処理部312は、特定した個人ボックスに記憶された配送前3次元データと、測定装置2から入力された物品測定データとを比較する。比較処理部312は、比較結果に基づいて、メッセージを作成する(図9のステップS96)。比較処理部312は、配送前3次元データと物品測定データとを比較することで、例えば、測定装置2で測定された靴11の靴底のすり減り具合を判定する。比較処理部312は、靴底のすり減り具合に基づいて、靴11の使用者の歩き方の癖等を推定し、推定結果に基づいてメッセージを作成する。メッセージは、例えば、歩き方の助言である。比較処理部312は、例えば、靴底のうち後ろ側のすり減り具合が他の箇所のすり減り具合よりも大きい場合は、「歩幅が狭く、蹴り出しの力が小さいようです。もう少し、歩幅を大きくしましょう。」というメッセージを作成する。比較処理部312において配送前3次元データと物品測定データとの比較結果に基づいて作成されたメッセージは、通信部34から測定装置2の通信部24へ送信される(図9のステップS97)。
測定装置2の通信部24がサーバ3からメッセージを受信すると(図12のステップS43)、表示部25は、メッセージを表示する(ステップS44)。その後、測定装置2の利用者(注文者等)が椅子82から退座したことを着座検知部28が検知すると(ステップS45:Yes)、測定装置2は待機状態となる(ステップS46)。このステップS46は、ステップS1と同じ処理である。つまり、椅子82に人が座ったことを着座検知部28が検知すると(ステップS2:Yes)、再びステップS3以降の処理が開始される。
サーバ3から送信されるメッセージは、注文者端末7で受信されてもよい。この場合、注文者端末7は、受信したメッセージを表示部75に表示する。
(実施形態の変形例)
次に、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
足又は靴の3次元形状を測定する測定部26は、ステレオカメラを含む構成に限定されない。測定部26は、ステレオカメラに代えて、3Dレーザスキャナを含んでいてもよい。3Dレーザスキャナは、レーザ光を物体に照射し、物体で反射したレーザ光を受光する。3Dレーザスキャナは、レーザ光の出光から受光までの時間等の情報を解析することで、3Dレーザスキャナと反射点との間の距離及び、反射点の位置座標を求める。測定装置2の制御部21は、3Dレーザスキャナと反射点との間の距離及び反射点の位置座標に基づいて、足又は靴の3次元形状に関するデータを演算により求める。
また、宅配ボックス5が測定装置2に併設されていることは、必須ではないが、宅配ボックス5は、測定装置2が設置されている施設(例えば、駅)の敷地内に設置されていることが好ましい。
また、測定装置2には、足置部83とは別に、靴の3次元形状が測定される場合に靴が置かれる靴置部が備えられていてもよい。測定装置2には、足置検知部29とは別に、靴の3次元形状が測定される場合に足置部83又は靴置部に靴が置かれているか否かを検知する靴置検知部が備えられていてもよい。靴置検知部は、例えば、赤外線センサ、可視光を用いた光センサ又は圧力センサ等を含む。
また、測定装置2は、少なくとも足の3次元形状の測定を実行可能であればよく、靴の3次元形状の測定を実行することは必須ではない。
また、靴の注文が確定したとき、情報処理装置4の通信部44は、注文された靴の配送前3次元データに代えて、注文された靴を特定するための、注文された靴の品番等の情報を、サーバ3へ送信してもよい。サーバ3は、サーバ3のメモリ32に予め記憶された複数の配送前3次元データの中から、情報処理装置4の通信部44から送信された情報と対応する配送前3次元データを特定することができる。
また、注文者端末7は、管理番号(識別情報)に代えて、管理番号に対応する認証情報を情報処理装置4へ出力してもよい。認証情報は、例えば、注文者の氏名又はユーザネームである。情報処理装置4のメモリ42には、管理番号と認証情報との対応関係が予め記憶されており、情報処理装置4は、入力された認証情報と対応する管理番号を特定することができる。
また、靴を販売するウェブサイトでは、販売することが適当である靴と不適当である靴とが分けて表示されることに加えて、注文者端末7に対する注文者の操作により、注文者が希望する条件に合致する靴を絞り込むことが可能であってもよい。例えば、注文者が選択したメーカ、色、用途に合致する靴のみがウェブサイトに表示されてもよい。
また、情報処理装置4は、注文者から靴の注文がなされた後に、当該靴を販売することが適当であるか否かを判定してもよい。さらに、情報処理装置4は、当該靴を販売することが不適当であると判定した場合に、当該靴とデザイン等が類似しておりかつ販売することが適当であると判断される靴を注文者端末7へ通知してもよい。これにより、デザイン等が注文者の好みに合致し、かつ、注文者の足へのフィット感の良い靴を提供できる可能性が高まる。
また、測定データを識別するための、管理番号等の識別情報は、測定装置2に代えて、注文者端末7、情報処理装置4又はサーバ3で測定データに付与されてもよい。
また、注文者は、測定装置2から出力された測定データを注文者端末7に読み取らせ、注文者端末7から情報処理装置4又はサーバ3へ出力させてもよい。例えば、注文者は、測定装置2から出力されたQRコードを、注文者端末7のカメラ77で撮影することで、測定データを注文者端末7に読み取らせてもよい。
また、実施形態の販売支援システム1では、管理番号及び測定データの入力を受け付ける入力部と、判定部411の判定結果を注文者端末7へ通知する出力部との機能が、通信部44により実現されるが、販売支援システム1は入力部と出力部とを個別に備えていてもよい。
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る販売支援システム1は、測定装置2と、入力部(通信部44)と、判定部411と、出力部(通信部44)と、を備える。測定装置2は、体の少なくとも一部の3次元形状を測定し測定データを出力する。入力部は、体の少なくとも一部に身に着けられる販売品の情報のリクエストであって注文者が注文者端末7を操作することによりなされるリクエストと、リクエストに対応付けられる測定データの入力とを受け付ける。判定部411は、販売品の形状とリクエストに対応する測定データとに基づいて、販売品を販売することが適当であるか否かを判定する。出力部は、判定部411の判定結果を注文者端末7へ通知する。
上記の構成によれば、販売者が販売支援システム1を利用することで、販売者が注文者等の体に適した販売品を提供できる可能性が高まる。
また、第2の態様に係る販売支援システム1では、第1の態様において、判定部411は、販売品の形状とリクエストに対応する測定データとがマッチングした場合に、販売品を販売することが適当であると判定する。
上記の構成によれば、注文者等の体へのフィット感の良い販売品を提供できる可能性が高まる。
また、第3の態様に係る販売支援システム1は、第1又は2の態様において、記憶部(メモリ32)を更に備える。記憶部は、測定データと、測定データに付与された識別情報と、を記憶する。
上記の構成によれば、記憶部(メモリ32)が測定データを識別情報と共に記憶するので、複数の測定データを扱う場合に、複数の測定データの管理が容易となる。
また、第4の態様に係る販売支援システム1は、第3の態様において、サーバ3と、情報処理装置4と、を備える。サーバ3は、記憶部(メモリ32)を含む。情報処理装置4は、入力部(通信部44)、判定部411及び出力部(通信部44)を含み、サーバ3から測定データを取得する。
上記の構成によれば、測定データをサーバ3に集約できるので、測定データの管理が容易となる。
また、第5の態様に係る販売支援システム1は、第3又は4の態様において、特定部311を更に備える。入力部(通信部44)が注文者端末7からリクエストを受け付ける場合に、記憶部(メモリ32)に記憶されている識別情報と同じ又は対応する認証情報を入力部が注文者端末7から受け取ると、特定部311は、認証情報と同じ又は対応する識別情報が付与された測定データを、リクエストに対応する測定データとして特定する。
上記の構成によれば、注文者端末7がリクエストの度に測定データを入力部(通信部44)へ出力しなくても、注文者端末7から入力部へ認証情報を出力することで、特定部311がリクエストに対応する測定データを特定できる。したがって、注文者端末7から入力部への通信量を減らせる。
また、第6の態様に係る販売支援システム1は、第3〜5の態様のいずれか1つにおいて、測定装置2を複数備える。販売支援システム1は、指定部412を更に備える。指定部412は、販売品の配送先の候補を指定する。複数の測定装置2の各々は、販売品の配送先と対応付けられている。複数の測定装置2の各々は、複数の測定装置2の中から自機を特定するための情報を含む識別情報を測定データに付与する。指定部412は、複数の測定装置2のうち識別情報により特定された測定装置2に対応する配送先を、販売品の配送先の候補に含める。
上記の構成によれば、測定装置2の識別情報により特定された配送先へ販売品を配送する場合は、複数の注文者への配送先を1箇所に集約できることがある。これにより、注文者の住宅へ販売品を配送する場合と比較して、配送コストを低減できることがある。
また、第7の態様に係る販売支援システム1では、第3〜6の態様のいずれか1つにおいて、記憶部(メモリ32)は、配送前3次元データを、識別情報と対応付けて記憶する。配送前3次元データは、注文者へ販売することが確定した販売品の配送前の状態での3次元データである。
上記の構成によれば、販売支援システム1では、販売品の配送前3次元データを後から参照できる。
また、第8の態様に係る販売支援システム1では、第7の態様において、測定装置2は、販売済みの販売品である物品の3次元形状を測定し物品の測定データである物品測定データを出力する。販売支援システム1は、比較処理部312を更に備える。比較処理部312は、物品測定データの入力を受け付ける。比較処理部312は、配送前3次元データと、物品測定データとを比較し、比較結果に基づく情報を測定装置2又は注文者端末7へ出力する。
上記の構成によれば、比較処理部312は、配送前3次元データと物品測定データとを比較し、比較結果に基づく情報、例えば、物品の使用に関するアドバイス情報等を提供できる。
また、第9の態様に係る販売支援システム1では、第1〜8の態様のいずれか1つにおいて、測定装置2は、体の一部である足の3次元形状を測定し足の測定データを出力する。
上記の構成によれば、販売者が販売支援システム1を利用することで、販売者が注文者等の足の3次元形状に適した販売品(靴等)を提供できる可能性が高まる。
第1の態様以外の構成については、販売支援システム1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、第10の態様に係る販売支援方法は、第1のステップと、第2のステップと、第3のステップと、第4のステップと、第5のステップと、を備える。第1のステップでは、体の少なくとも一部の3次元形状を測定し測定データを出力する。第2のステップでは、体の少なくとも一部に身に着けられる販売品の情報のリクエストであって注文者が注文者端末7を操作することによりなされるリクエストを受け付ける。第3のステップでは、リクエストに対応付けられる測定データの入力を受け付ける。第4のステップでは、販売品の形状とリクエストに対応する測定データとに基づいて、販売品を販売することが適当であるか否かを判定する。第5のステップでは、第4のステップにおける判定結果を注文者端末7へ通知する。
上記の構成によれば、販売者が販売支援方法を利用することで、販売者が注文者等の体に適した販売品を提供できる可能性が高まる。