本発明は、上述の問題に鑑み、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見を容易にするバルブ装置、及びバルブ装置位置確認システムを提供することを目的とする。
この発明は、流体が充填されるボンベ容器に取付けられるとともに、前記流体が流下する流体流路が内部に形成されたバルブ本体、及び前記流体流路を開閉する開閉弁を有する容器バルブと、現在地を示す信号を送信する送信機とを備えたバルブ装置であることを特徴とする。
上記現在地を示す信号とは、現在地を示す位置情報を含む信号、あるいは現在地を示す特定周波数の無線信号のことをいう。
この発明により、例えば、現在地を示す信号を受信可能な携帯機器を用いて、ボンベを捜索する回収業者に、容器バルブの現在地を知らせることができる。
あるいは、バルブ装置から受信した信号を、通信回線を介して送信する中継装置と、中継装置から受信した信号に基づいて、容器バルブの現在地を閲覧可能にするサーバーとを備えたシステムを用いて、ボンベを捜索する遠隔地のオペレータに、バルブ装置は、容器バルブの現在地を知らせることができる。
従って、バルブ装置は、現在地を示す信号を送信する送信機を備えたことにより、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見を容易にすることができる。
この発明の態様として、前記送信機が、前記バルブ本体に一体的に装着固定されてもよい。
上記バルブ本体に一体的に装着固定されたとは、バルブ本体に直接的に装着固定された状態、あるいはブラケットなどの部材を介して、バルブ本体に間接的に装着固定された状態を含むものとする。
この発明により、バルブ装置は、容器バルブと送信機とを別体で構成した場合に比べて、ボンベ容器に対する容器バルブ、及び送信機の組付け性を向上することができる。
さらに、ボンベ容器に比べて凹凸部分が多いバルブ本体に送信機を一体的に装着固定することで、バルブ装置は、送信機の発見を困難にして、送信機が故意に破壊されることを防止できる。
従って、バルブ装置は、ボンベ容器に対する組付け性を向上できるとともに、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見率低下を抑えることができる。
またこの発明の態様として、前記バルブ本体を覆うバルブカバーを備え、前記送信機が、前記バルブカバーに装着固定されてもよい。
この発明により、バルブ装置は、バルブ本体に対して送信機を着脱自在にできるため、例えば、送信機の交換、あるいは送信機に内蔵されたバッテリの交換を容易にすることができる。
さらに、例えば、バルブカバーの内面に送信機を装着固定することで、バルブ装置は、送信機の発見を困難にして、送信機が故意に破壊されることを防止できる。
従って、バルブ装置は、ボンベ容器に対する組付け性を向上できるとともに、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見率低下を抑えることができる。
またこの発明の態様として、前記送信機が、現在地を特定するための所定信号を受信する受信手段と、前記所定信号に基づいた位置情報を、前記現在地を示す信号として送信する位置情報送信制御手段とを備えてもよい。
上記所定信号とは、GPS衛星から送信された信号、あるいは容器バルブを捜索するために設けた基地局から送信された信号などとする。
この発明により、バルブ装置は、容器バルブのより詳細な現在地を、回収業者や遠隔地のオペレータに知らせることができるため、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見をより容易にすることができる。
またこの発明の態様として、前記送信機が、前記現在地を示す信号を送信する送信モジュールと、該送信モジュールに給電するバッテリと、所定条件に基づいて、前記送信モジュールのオン状態、及びオフ状態を切換える切換え手段とを備えてもよい。
上記所定条件とは、開閉弁の開閉状態、流体を外部に導出するためにバルブ本体に接続されるアダプタの接続状態、あるいはボンベ容器内の圧力などのことをいう。
上記送信モジュールのオン状態とは、送信モジュールとバッテリとが導通した状態、あるいは現在地を示す信号を送信する機能が有効な状態などのことをいう。
上記送信モジュールのオフ状態とは、送信モジュールとバッテリとの導通が遮断された状態、あるいはバッテリから給電されているが、現在地を示す信号を送信する機能が無効な状態などのことをいう。
この発明により、バルブ装置は、所定条件に基づいて、送信モジュールの電力消費を抑制できるため、バッテリの消費を抑えることができる。このため、バルブ装置は、現在地を示す信号を送信可能な期間をより長く確保することができる。
従って、バルブ装置は、例えば、投棄された状態が時間的に長くなった場合、あるいはボンベ容器に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見を容易にすることができる。
またこの発明の態様として、前記ボンベ容器の圧力を検知する圧力検知手段を備え、前記切換え手段が、前記圧力検知手段が検知した検知結果に基づいて、前記送信モジュールのオン状態とオフ状態とを切換える構成であってもよい。
この発明により、バルブ装置は、現在地を示す信号を確実に送信できるとともに、容器バルブが取付けられたボンベ容器のより早いタイミングでの発見を容易にすることができる。
具体的には、ボンベ容器の圧力は、外部への流体の導出に伴って低くなり、いずれは外部への流体の導出が困難な圧力、すなわち再充填が必要な圧力となる。このような容器バルブ付きボンベ容器が比較的投棄され易いが、ボンベ容器の圧力が「0」であれば、爆発などの危険性が低いため、バルブ装置は、現在地を示す信号を送信する必要がない。しかしながら、ボンベ容器の圧力がある程度残っている状態の場合、爆発などの危険性が高くなるため、バルブ装置は、現在地を示す信号を送信可能にする必要がある。
そこで、ボンベ容器の圧力を検知する圧力検知手段が検知した検知結果に基づいて、送信モジュールのオン状態とオフ状態とを切換える切換え手段を備えたことにより、バルブ装置は、例えば、検知結果の圧力が「0」の場合、送信モジュールとバッテリとの導通を遮断する(オフ状態に切換える)ことで、現在地を示す信号の送信を停止し、検知結果が流体の再充填が必要な圧力を上回る場合、送信モジュールとバッテリとを導通する(オン状態に切換える)ことで、現在地を示す信号を送信可能にすることができる。
これにより、バルブ装置は、爆発の危険性がある状態で投棄された容器バルブ付きボンベ容器の現在地を示す信号を送信できるため、回収業者や遠隔地のオペレータに早期に知らせることができる。
あるいは、検知結果が流体の再充填が必要な圧力以下の場合、送信モジュールとバッテリとを導通する(オン状態に切換える)ことで、バルブ装置は、例えば、容器バルブ付きボンベ容器が使用場所から移動する前、あるいは流体の再充填が必要なタイミングで、現在地を示す信号を送信することができる。このため、バルブ装置は、容器バルブ付きボンベ容器の現在地、あるいは交換タイミングを、回収業者や遠隔地のオペレータに早期に知らせることができる。
さらに、バルブ装置は、圧力検知手段が検知した検知結果に基づいて、送信モジュールのオン状態とオフ状態とを切換えることで、送信モジュールへの不要な給電を抑えることができる。このため、バルブ装置は、送信機の稼働時間をより長く確保することができ、現在地を示す信号がバッテリ切れによって送信できなくなることを防止できる。
従って、バルブ装置は、ボンベ容器の圧力を検知する圧力検知手段が検知した検知結果に基づいて、送信モジュールのオン状態とオフ状態とを切換える切換え手段を備えたことにより、現在地を示す信号を確実に送信できるとともに、容器バルブが取付けられたボンベ容器のより早いタイミングでの発見を容易にすることができる。
またこの発明の態様として、前記開閉弁の開閉状態を検知する開閉検知手段を備え、前記切換え手段が、前記開閉検知手段が検知した検知結果に基づいて、前記送信モジュールのオン状態とオフ状態とを切換える構成であってもよい。
この発明により、バルブ装置は、例えば、投棄された状態が時間的に長くなった場合、あるいはボンベ容器に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見を容易にすることができる。
具体的には、開閉弁が流体流路を閉塞していない場合、仮に投棄されていても、流体が放出されて爆発などの危険性が低い状態、あるいは容器バルブ付きボンベ容器が所定の使用場所で使用されている状態のため、バルブ装置は、現在地を示す信号を送信する必要がない。
そこで、開閉弁の開閉状態を検知する開閉検知手段が検知した検知結果に基づいて、送信モジュールのオン状態とオフ状態とを切換える切換え手段を備えたことにより、バルブ装置は、例えば、検知結果として開閉弁が閉弁位置に位置する場合、送信モジュールとバッテリとを導通する(オン状態に切換える)ことで、現在地を示す信号を送信可能にし、開閉弁が閉弁位置以外に位置する場合、送信モジュールとバッテリとの導通を遮断する(オフ状態に切換える)ことで、現在地を示す信号の送信を停止することができる。
これにより、バルブ装置は、例えば、容器バルブ付きボンベ容器が使用中の場合、現在地を示す信号の送信を停止して、送信モジュールへの不要な給電を抑えることができる。このため、バルブ装置は、現在地を示す信号を送信可能な期間をより長く確保することができる。
従って、バルブ装置は、開閉弁の開閉状態を検知する開閉検知手段が検知した検知結果に基づいて、送信モジュールのオン状態とオフ状態とを切換える切換え手段を備えたことにより、例えば、投棄された状態が時間的に長くなった場合、あるいはボンベ容器に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見を容易にすることができる。
またこの発明の態様として、前記バルブ本体が、前記流体流路に連通するとともに、前記流体を外部に導出させるためのアダプタが接続されるアダプタ接続部を備え、前記バルブ本体の前記アダプタ接続部への前記アダプタの接続状態を検知する接続検知手段を備え、前記切換え手段が、前記接続検知手段が検知した前記アダプタの接続状態に基づいて、前記送信モジュールのオン状態とオフ状態とを切換える構成であってもよい。
この発明により、バルブ装置は、例えば、投棄された状態が時間的に長くなった場合、あるいはボンベ容器に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見を容易にすることができる。
具体的には、容器バルブのアダプタ接続部にアダプタが接続されている場合、容器バルブ付きボンベ容器が所定の使用場所で使用されている状態のため、バルブ装置は、現在地を示す信号を送信する必要がない。
そこで、アダプタの接続状態を検知する接続検知手段が検知したアダプタの接続状態に基づいて、送信モジュールのオン状態とオフ状態とを切換える切換え手段を備えたことにより、バルブ装置は、例えば、アダプタが接続されていない場合、送信モジュールとバッテリとを導通する(オン状態に切換える)ことで、現在地を示す信号を送信可能にし、アダプタが接続されている場合、送信モジュールとバッテリとの導通を遮断する(オフ状態に切換える)ことで、現在地を示す信号の送信を停止することができる。
これにより、バルブ装置は、例えば、容器バルブ付きボンベ容器が使用中の場合、現在地を示す信号の送信を停止して、送信モジュールへの不要な給電を抑えることができる。このため、バルブ装置は、現在地を示す信号を送信可能な期間をより長く確保することができる。
従って、バルブ装置は、アダプタの接続状態を検知する接続検知手段が検知したアダプタの接続状態に基づいて、送信モジュールのオン状態とオフ状態とを切換える切換え手段を備えたことにより、例えば、投棄された状態が時間的に長くなった場合、あるいはボンベ容器に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見を容易にすることができる。
またこの発明の態様として、前記送信機が、前記現在地を示す信号を、所定時間以上の間隔を隔てて送信する送信間隔制御手段を備えてもよい。
上記所定時間以上は、投棄された容器バルブ付きボンベ容器がほとんど移動しないことを加味した比較的長い時間長さであって、好ましくは24時間以上とする。
この発明により、バルブ装置は、現在地を示す信号を、例えば、一時間おきに送信する場合に比べて、現在地を示す信号の送信回数を少なくできるため、送信機の電力消費を抑えることができる。
これにより、バルブ装置は、例えば、内蔵されたバッテリで稼働する送信機の稼働時間を長く確保することができる。
従って、バルブ装置は、ボンベ容器に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、現在地を示す信号を安定して送信できるため、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見率低下を抑えることができる。
またこの発明の態様として、前記送信機が、前記現在地を示す信号の送信を要求する要求信号を受信する要求信号受信手段と、前記要求信号を取得した場合、前記要求信号に対する応答として、前記現在地を示す信号を送信する応答送信制御手段とを備えてもよい。
この発明により、バルブ装置は、要求信号の送信、及び現在地を示す信号の受信が可能な機器が周囲に位置する場合に、現在地を示す信号を送信できるため、現在地を示す信号の発信回数を少なくすることができる。
これにより、バルブ装置は、送信機の電力消費を抑えることができ、例えば、内蔵されたバッテリで稼働する送信機の稼働時間をより長く確保することができる。
従って、バルブ装置は、ボンベ容器に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、現在地を示す信号をより安定して送信できるため、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見率低下を抑えることができる。
またこの発明は、上述したバルブ装置と、バルブ装置の送信機が送信した現在地を示す信号を受信した場合、通信回線を介して前記現在地を示す信号を送信する中継装置と、該中継装置が送信した前記現在地を示す信号を位置情報として取得するサーバーとを備えたバルブ装置位置確認システムであることを特徴とする。
これにより、バルブ装置の送信機が送信した現在地を示す信号に基づいて、容器バルブの現在地を特定できるため、容器バルブが取付けられたボンベ容器を容易に発見することができる。
本発明により、容器バルブが取付けられたボンベ容器の発見を容易にするバルブ装置、及びバルブ装置位置確認システムを提供することができる。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
ガスなどの流体が充填されるボンベ容器1に取付けられるバルブ装置100について、図1から図4を用いて説明する。
なお、図1はボンベ容器1に取付けられたバルブ装置100の正面図を示し、図2は開閉検知機構部6の前方上方視における分解斜視図を示し、図3は遊星歯車部61を説明する説明図を示し、図4は送信機3のブロック図を示している。
また、図3(a)は開閉弁が閉弁位置に位置する状態における開閉検知機構部6の平面図を示し、図3(b)はアウタギヤ613の前方下方視における外観斜視図を示している。
また、図1中の上側(回転ハンドル22側)をバルブ装置100における上方とし、図1中の下側(ボンベ容器1側)をバルブ装置100における下方とする。
実施例1のバルブ装置100は、図1に示すように、ガスなどの流体の充填や外部への供給のために、ガスなど流体の流動を規制可能な容器バルブ2と、現在地を示す信号を送信する送信機3とで構成されている。
容器バルブ2は、図1に示すように、ボンベ容器1に取付けられるバルブ本体21と、ガスなどの流体の流動を規制する開閉弁(図示省略)、スピンドル(図示省略)、及び回転ハンドル22と、ガスなどの流体の圧力を計測する圧力計(図示省略)と、容器安全弁23とで構成されている。
なお、容器バルブ2は、周知の技術で構成されているため、ここでは、その詳細な図示を省略して、簡単に説明する。
バルブ本体21は、図1に示すように、正面視において、ボンベ容器1の上部に上方から螺合して取付けられる取付け部21aと、取付け部21aの上端から上方へ延びる略筒状体のボディ部21bと、上下方向に対して直交する方向である直交方向の一方(図1中の左側)へ向けてボディ部21bから延びるアダプタ接続部21cと、直交方向の他方(図1中の右側)へ向けてボディ部21bから延びる安全弁接続部21dとで一体形成されている。
なお、アダプタ接続部21cは、外部に設けた装置から延びるホース4の先端に設けたアダプタ5が螺合可能に形成されている。また、安全弁接続部21dには、容器安全弁23が螺合して取り付けられている。
さらに、バルブ本体21の内部には、ボンベ容器1の内部と外部とを連通するとともに、ガスなどの流体が流動する流路である流体流路(図示省略)が形成されている。
流体流路は、取付け部21aを貫通してボディ部21bの内部空間と外部とを連通する第1流路(図示省略)と、アダプタ接続部21cを貫通してボディ部21bの内部空間と外部とを連通する第2流路(図示省略)と、安全弁接続部21dを貫通して第1流路と外部とを連通する第3流路(図示省略)とで一体形成されている。
開閉弁は、バルブ本体21のボディ部21bにおける内部空間の下部に設けた弁室(図示省略)に螺合して取付けられている。この開閉弁は、流体流路の第1流路と第2流路との連通を開閉可能に構成されている。
スピンドルは、バルブ本体21の内部空間を配設された上下方向に延びる弁棒であって、開閉弁に嵌合する略四角柱状の弁嵌合部と、バルブ本体21に回転自在に支持される略円柱状の軸部と、回転ハンドル22が嵌合する略四角柱状のハンドル嵌合部とを、下方からこの順番で同軸上に配置して一体形成している。
上述した構成の容器バルブ2には、図1に示すように、正面視において、バルブ本体21と回転ハンドル22とで挟持されるように、開閉検知機構部6が配設されている。この開閉検知機構部6は、開閉弁の開閉状態を検知する開閉検知手段として設けられている。
より詳しくは、開閉検知機構部6は、図2に示すように、スピンドルのハンドル嵌合部に嵌合するサンギヤ611を有する遊星歯車部61と、遊星歯車部61を内部に収容するロアケース62、及びアッパケース63と、ロアケース62に装着されたリミットスイッチ64とで構成されている。
遊星歯車部61は、図2及び図3(a)に示すように、スピンドルに嵌合して同期回転するサンギヤ(太陽歯車)611と、サンギヤ611に歯合する2つのプラネタリギヤ(遊星歯車)612と、2つのプラネタリギヤ612に歯合するとともに、サンギヤ611と同軸回転するアウタギヤ(内歯車)613とで構成されている。
サンギヤ611は、図2及び図3(a)に示すように、平面視略中央にスピンドルが嵌合する平面視略四角形の貫通孔が形成された平歯車形状に形成されている。
2つのプラネタリギヤ612は、図2及び図3(a)に示すように、サンギヤ611の直径よりも大径の平歯車であって、ロアケース62に回転自在に軸支されている。
アウタギヤ613は、図2及び図3(a)に示すように、2つのプラネタリギヤ612と歯合する内歯を有する平面視略円環状の内歯車であって、ロアケース62の上面に載置されている。
さらに、アウタギヤ613の下面は、図3(b)に示すように、上下方向に凹凸な凹凸形状に形成されている。
具体的には、アウタギヤ613の下面には、図3(a)及び図3(b)に示すように、周方向における約300°の範囲を上方に凹設した凹部613aが形成されている。なお、アウタギヤ613の下面において、凹部613aに対して下方に突出した部分、すなわち凹部613aを除く、周方向における約60°の範囲を凸部613bとする。
このアウタギヤ613は、図3(a)に示すように、開閉弁が流体流路を閉塞する全閉位置に位置する状態において、凸部613bにおける平面視反時計回り側の端部が、後述するリミットスイッチ64に当接するように配設されている。
ロアケース62は、図2に示すように、遊星歯車部61のアウタギヤ613を収容可能な平面視略円形状であって、バルブ本体21に締結固定されている。
具体的には、ロアケース62は、図2に示すように、アウタギヤ613が載置される略円板状の底面部62aと、底面部62aの外周縁に立設した略円筒状の外円筒部62bと、バルブ本体21を覆うように底面部62aの下面に垂設された略円筒状の内円筒部62cと、外円筒部62bを外方へ平面視略円弧状に突出させて形成したスイッチ装着部62dとで一体形成されている。
底面部62aは、図2及び図3(a)に示すように、スピンドルが挿通可能な略円形の開口部が平面視略中央に開口形成されるとともに、リミットスイッチ64の先端が突出可能な平面視略円形状の開口部がスイッチ装着部62dに開口形成されている。
さらに、底面部62aの上面には、図2及び図3(a)に示すように、プラネタリギヤ612を回転自在に支持する軸部62eが、径方向に対向して立設されるとともに、アウタギヤ613の回転を内側からガイドする2つのガイド壁部62fが軸部62eに隣接して立設されている。
このようなロアケース62は、プラネタリギヤ612を軸支するとともに、バルブ本体21に締結固定されているため、プラネタリギヤ612の公転運動を固定するプラネタリキャリアとして機能する。
すなわち、開閉検知機構部6は、ロアケース62と遊星歯車部61とで、サンギヤ611を入力歯車とし、アウタギヤ613を出力歯車とするとともに、プラネタリギヤ612の公転運動が固定された遊星歯車機構を構成している。
このため、流体流路を閉塞する全閉位置から流体流路を全開放する全開位置に開閉弁を移動させるために、回転ハンドル22を平面視反時計回りに回転させた場合、遊星歯車部61は、サンギヤ611が平面視反時計回りに回転し、アウタギヤ613が平面視時計回りに回転する。
なお、遊星歯車部61は、全閉位置から全開位置に開閉弁を移動させる回転ハンドル22の回転に対して、アウタギヤ613の回転が一回転未満、かつアウタギヤ613の凸部613bにおける平面視時計回り側の端部が、後述するリミットスイッチ64に当接しないトータルギヤ比で構成されているものとする。
アッパケース63は、図2に示すように、ロアケース62の上方開口を閉塞する略円板状であって、ロアケース62の底面部62aに立設した複数のボス部62gに締結固定されている。なお、アッパケース63における平面視略中央には、サンギヤ611が挿通可能な平面視略円形状の開口部が開口形成されている。
ロアケース62に装着されるリミットスイッチ64は、図2に示すように、略半球状に形成された先端が押下されることで、ON状態とOFF状態とに切換え可能なスイッチであって、電線コード64aを介して、後述する送信機3に接続されている。
このリミットスイッチ64は、常時開回路接点仕様のマイクロスイッチを内蔵し、先端が押下されていない状態ではマイクロスイッチの接点が離間したOFF状態であり、先端が押下されることでマイクロスイッチの接点同士が接触したON状態となる構成である。
つまり、リミットスイッチ64は、開閉弁が全閉位置以外に位置する場合、アウタギヤ613の凹部613aと非接触状態で対向してOFF状態が維持され、開閉弁が全閉位置に位置する場合、アウタギヤ613の凸部613bにおける平面視反時計回り側の端部に当接してON状態となるよう構成されている。
また、現在地を示す信号を送信する送信機3は、図1に示すように、容器バルブ2のバルブ本体21に対してボルトで直接的に締結固定されている。
この送信機3は、図4に示すように、受信モジュール31、送信モジュール32、及びバッテリ33で構成されている。
受信モジュール31は、図4に示すように、GPS衛星102(図6参照)からのGPS信号を受信する受信部31aと、受信モジュール31における各種動作を制御する受信制御部31bとで構成されている。
なお、受信制御部31bは、CPU及びメモリなどをハード構成と、プログラム及びデータなどのソフト構成とで構成され、所定のバスを介して接続された受信部31aの動作を制御する機能、GPS信号に基づいて現在の位置を示す位置情報を算出する機能、及び位置情報を送信モジュール32に受け渡す機能を有している。
また、送信モジュール32は、図4に示すように、現在地を示す信号を無線で送信する送信部32aと、送信モジュール32における各種動作を制御する送信制御部32bとで構成されている。
なお、送信制御部32bは、CPU及びメモリなどをハード構成と、プログラム及びデータなどのソフト構成とで構成され、所定のバスを介して接続された送信部32aの動作を制御する機能、現在地を示す信号を送信してからの経過時間を計測する手段としての経過時間計測機能、及び受信モジュール31と各種情報の受け渡し等に係る各種処理機能を有している。
さらに、この送信制御部32bには、送信機3を識別する固有の識別コードが記憶されているものとする。
バッテリ33は、一次電池または二次電池であって、交換可能な状態で送信機3に搭載されている。このバッテリ33は、リミットスイッチ64を介して、受信モジュール31、及び送信モジュール32に接続されている。
このため、バッテリ33は、リミットスイッチ64がON状態の場合、受信モジュール31、及び送信モジュール32と導通することで、受信モジュール31、及び送信モジュール32へ給電し、リミットスイッチ64がOFF状態の場合、受信モジュール31、及び送信モジュール32との導通が遮断されることで、受信モジュール31、及び送信モジュール32への給電が停止するよう構成されている。
換言すると、バルブ装置100は、開閉検知機構部6が、受信モジュール31、及び送信モジュール32がそれぞれ機能するオン状態と、受信モジュール31、及び送信モジュール32がそれぞれ機能しないオフ状態とに切替える切換え手段として機能するように構成している。
引き続き、容器バルブ2の開閉弁が全閉位置に位置する状態、すなわち、リミットスイッチ64がON状態で動作する送信機3の処理動作について、図5を用いて説明する。
なお、図5は送信モジュール32における処理動作のフローチャートを示している。
リミットスイッチ64がON状態において、処理動作を開始した送信モジュール32の送信制御部32bは、図5に示すように、受信モジュール31から位置情報を取得したか否かを判定する(ステップS111)。受信モジュール31から位置情報を取得していなければ(ステップS111:No)、送信制御部32bは、位置情報を取得するまで処理を待機する。
ステップS111において、受信モジュール31から位置情報を取得すると(ステップS111:Yes)、送信制御部32bは、取得した位置情報を、現在地を示す信号として送信部32aを介して送信する(ステップS112)。この際、送信制御部32bは、送信機3を識別する固有の識別コードを位置情報に関連付けて、現在地を示す信号として送信する。
その後、送信制御部32bは、位置情報を送信してからの経過時間のカウントを開始する(ステップS113)。そして、送信制御部32bは、経過時間のカウントを開始してから24時間以上が経過したか否かを判定する(ステップS114)。
経過時間が24時間以上でない場合(ステップS114:No)、送信制御部32bは、経過時間が24時間以上になるまで処理を待機する。一方、経過時間が24時間以上の場合(ステップS114:Yes)、送信制御部32bは、処理をステップS111に戻して、バッテリ33からの電力供給が途切れるまで、ステップS111からステップS114までの処理を繰り返す。
次に、上述したバルブ装置100の現在地を確認可能にするバルブ装置位置確認システム101について、図6を用いて簡単に説明する。
なお、図6はバルブ装置位置確認システム101の構成図を示している。
このバルブ装置位置確認システム101は、図6に示すように、GPS衛星102が送信したGPS信号を受信するバルブ装置100と、バルブ装置100が送信した現在地を示す信号を、中継装置103、及びインターネット回線や電話回線などの通信回線104を介して受信するサーバー105と、遠隔地のオペレータやボンベ回収業者が利用する利用者端末106とで構成されている。
中継装置103は、例えば、通信事業者が設置した通信基地局に設けた装置、あるいはバルブ装置位置確認システム101を提供する事業者が設置した装置であって、バルブ装置100が送信した現在地を示す信号を受信する機能と、受信した現在地を示す信号を、通信回線104を介してサーバー105に送信する機能とを有している。
サーバー105は、中継装置103が送信した現在地を示す信号を受信する機能と、現在地を示す信号から取得した位置情報、及び識別コードを関連付けて記憶する機能と、地図を示す地図情報を外部から取得する機能と、位置情報、識別コード、及び地図情報を関連付けて利用者端末106に送信する機能とを有している。
利用者端末106は、例えば、パソコン、タブレット端末、携帯電話、あるいは専用端末などであって、通信回線104を介してサーバー105から位置情報、識別コード、及び地図情報を関連付けて取得する機能と、位置情報、識別コード、及び地図情報に基づいて、バルブ装置100の現在地を地図上に閲覧可能に表示する機能とを有している。
以上のように、流体が充填されるボンベ容器1に取付けられるとともに、流体が流下する流体流路が内部に形成されたバルブ本体21、及び流体流路を開閉する開閉弁を有する容器バルブ2と、現在地を示す信号を送信する送信機3とを備えたバルブ装置100は、例えば、現在地を示す信号を受信可能な携帯機器を用いて、ボンベを捜索する回収業者に、容器バルブ2の現在地を知らせることができる。
あるいは、バルブ装置100から受信した信号を、通信回線104を介して送信する中継装置103と、中継装置103から受信した信号に基づいて、容器バルブ2の現在地を閲覧可能にするサーバー105とを備えたバルブ装置位置確認システム101を用いて、ボンベを捜索する遠隔地のオペレータに、バルブ装置100は、容器バルブ2の現在地を知らせることができる。
従って、バルブ装置100は、現在地を示す信号を送信する送信機3を備えたことにより、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見を容易にすることができる。
また、送信機3が、バルブ本体21に一体的に装着固定されたことにより、バルブ装置100は、容器バルブ2と送信機3とを別体で構成した場合に比べて、ボンベ容器1に対する容器バルブ2、及び送信機3の組付け性を向上することができる。
さらに、ボンベ容器1に比べて凹凸部分が多いバルブ本体21に送信機3を一体的に装着固定することで、バルブ装置100は、送信機3の発見を困難にして、送信機3が故意に破壊されることを防止できる。
従って、バルブ装置100は、ボンベ容器1に対する組付け性を向上できるとともに、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見率低下を抑えることができる。
また、送信機3が、現在地を特定するためのGPS信号を受信する受信モジュール31と、GPS信号に基づいた位置情報を、現在地を示す信号として送信する送信モジュール32とを備えたことにより、バルブ装置100は、容器バルブ2のより詳細な現在地を、回収業者や遠隔地のオペレータに知らせることができるため、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見をより容易にすることができる。
また、送信機3が、現在地を示す信号を送信する送信モジュール32と、送信モジュール32に給電するバッテリ33と、開閉弁の開閉状態に基づいて、送信モジュール32のオン状態、及びオフ状態を切換える開閉検知機構部6とを備えたことにより、バルブ装置100は、開閉弁の開閉状態に基づいて、送信モジュール32の電力消費を抑制できるため、バッテリ33の消費を抑えることができる。
このため、バルブ装置100は、現在地を示す信号を送信可能な期間をより長く確保することができる。
従って、バルブ装置100は、例えば、投棄された状態が時間的に長くなった場合、あるいはボンベ容器1に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見を容易にすることができる。
また、開閉弁の開閉状態を検知する開閉検知機構部6を備え、開閉検知機構部6が、検知結果に基づいて、送信モジュール32のオン状態とオフ状態とを切換える構成としたことにより、バルブ装置100は、例えば、投棄された状態が時間的に長くなった場合、あるいはボンベ容器に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見を容易にすることができる。
具体的には、開閉弁が流体流路を閉塞していない場合、仮に投棄されていても、流体が放出されて爆発などの危険性が低い状態、あるいは容器バルブ2付きボンベ容器1が所定の使用場所で使用されている状態のため、バルブ装置100は、現在地を示す信号を送信する必要がない。
そこで、開閉弁の開閉状態を検知するとともに、検知結果に基づいて、送信モジュール32のオン状態とオフ状態とを切換える開閉検知機構部6を備えたことにより、バルブ装置100は、検知結果として開閉弁が閉弁位置に位置する場合、送信モジュール32とバッテリ33とを導通する(オン状態に切換える)ことで、現在地を示す信号を送信可能にし、開閉弁が閉弁位置以外に位置する場合、送信モジュール32とバッテリ33との導通を遮断する(オフ状態に切換える)ことで、現在地を示す信号の送信を停止することができる。
これにより、バルブ装置100は、例えば、容器バルブ2付きボンベ容器1が使用中の場合、現在地を示す信号の送信を停止して、送信モジュール32への不要な給電を抑えることができる。このため、バルブ装置100は、現在地を示す信号を送信可能な期間をより長く確保することができる。
従って、バルブ装置100は、開閉弁の開閉状態を検知する開閉検知機構部6が検知した検知結果に基づいて、送信モジュール32のオン状態とオフ状態とを切換える開閉検知機構部6を備えたことにより、例えば、投棄された状態が時間的に長くなった場合、あるいはボンベ容器1に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見を容易にすることができる。
またこ、送信機3が、現在地を示す信号を、24時間以上の間隔を隔てて送信する送信制御部32bを備えたことにより、バルブ装置100は、現在地を示す信号を、例えば、一時間おきに送信する場合に比べて、現在地を示す信号の送信回数を少なくできるため、送信機3の電力消費を抑えることができる。
これにより、バルブ装置100は、例えば、内蔵されたバッテリ33で稼働する送信機3の稼働時間を長く確保することができる。
従って、バルブ装置100は、ボンベ容器1に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、現在地を示す信号を安定して送信できるため、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見率低下を抑えることができる。
また、上述したバルブ装置100と、バルブ装置100の送信機3が送信した現在地を示す信号を受信した場合、通信回線104を介して現在地を示す信号を送信する中継装置103と、中継装置103が送信した現在地を示す信号を位置情報として取得するサーバー105とを備えたバルブ装置位置確認システム101は、バルブ装置100の送信機3が送信した現在地を示す信号に基づいて、容器バルブ2の現在地を特定できるため、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1を容易に発見することができる。
実施例1に対して、バルブ装置の構成が異なる実施例2について、図7を用いて説明する。
なお、図7は実施例2における送信機7のブロック図を示している。
また、上述の実施例1と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
実施例2のバルブ装置200は、実施例1と同様に、容器バルブ2と、現在地を示す信号を送信する送信機7とで構成されている。
容器バルブ2は、図7に示すように、送信機7の後述する送信モジュール72のオン状態と、オフ状態とを切替える切換え手段として、実施例1の開閉検知機構部6に替えて、ボンベ容器1の圧力を検知するとともに、送信機7(後述する送信制御部72b)に電気的に接続された圧力センサ24が設けられている。
一方、送信機7は、図7に示すように、受信モジュール71、送信モジュール72、及びバッテリ73で構成されている。
受信モジュール71は、実施例1の受信モジュール31における受信部31a、及び受信制御部31bと同じ機能を有する受信部71a、及び受信制御部71bで構成されている。
送信モジュール72は、図7に示すように、現在地を示す信号を無線で送信する送信部72aと、送信モジュール72における各種動作を制御する送信制御部72bとで構成されている。
送信制御部72bは、CPU及びメモリなどをハード構成と、プログラム及びデータなどのソフト構成とで構成され、所定のバスを介して接続された送信部72aの動作を制御する機能、圧力センサ24からの信号を検知圧力として取得する機能、ボンベ容器1の交換を促す情報を送信する機能、現在地を示す信号を送信してからの経過時間を計測する手段としての経過時間計測機能、及び受信モジュール71と各種情報の受け渡し等に係る各種処理機能を有している。
なお、送信制御部72bには、送信機7を識別する固有の識別コードが記憶されているものとする。
バッテリ73は、一次電池または二次電池であって、交換可能な状態で送信機7に搭載されている。このバッテリ73は、受信モジュール71、及び送信モジュール72に電気的に接続され、受信モジュール71、及び送信モジュール72に電力を供給している。
引き続き、上述したバルブ装置200における送信機7の処理動作について、図8を用いて説明する。
なお、図8は送信モジュール72における処理動作のフローチャートを示している。
処理動作を開始した送信モジュール72の送信制御部72bは、図8に示すように、受信モジュール71から位置情報を取得したか否かを判定する(ステップS121)。受信モジュール71から位置情報を取得していなければ(ステップS121:No)、送信制御部72bは、位置情報を取得するまで処理を待機する。
ステップS121において、受信モジュール71から位置情報を取得すると(ステップS121:Yes)、送信制御部72bは、圧力センサ24が検知した検知圧力が第1所定圧力以下か否かを判定する(ステップS122)。なお、第1所定圧力は、現在地を示す信号の送信が不要な圧力であって、例えば、流体が満充填されている状態、あるいは外部への流体の導出が可能な圧力などとする。
圧力センサ24が検知した検知圧力が第1所定圧力以下でない場合(ステップS122:No)、送信制御部72bは、処理をステップS121に戻して、位置情報の送信を停止する、すなわち、送信モジュール72としての機能を休止する。
一方、圧力センサ24が検知した検知圧力が第1所定圧力以下の場合(ステップS122:Yes)、送信制御部72bは、圧力センサ24が検知した検知圧力が「0」か否かを判定する(ステップS123)。
圧力センサ24が検知した検知圧力が「0」の場合(ステップS123:Yes)、送信制御部72bは、容器バルブ2付きのボンベ容器1が投棄されていても爆発などの危険性が低いため、処理をステップS121に戻して、位置情報の送信を停止する、すなわち、送信モジュール72としての機能を休止する。
ステップS123において、圧力センサ24が検知した検知圧力が「0」でない場合(ステップS:123:No)、送信制御部72bは、圧力センサ24が検知した検知圧力が第2所定圧力以下か否かを判定する(ステップS124)。なお、第2所定圧力は、流体の再充填が必要な圧力とする。
圧力センサ24が検知した検知圧力が第2所定圧力以下の場合(ステップS124:Yes)、送信制御部72bは、容器バルブ2付きのボンベ容器1の交換を促す情報を示す交換要請情報と送信機7を識別する固有の識別コードとを、位置情報に関連付けて、現在地を示す信号として送信する(ステップS125)。その後、送信制御部72bは、処理をステップS121に戻す。
ステップS124において、圧力センサ24が検知した検知圧力が第2所定圧力を上回る場合(ステップS124:No)、送信制御部72bは、容器バルブ2付きのボンベ容器1が投棄されていると爆発などの危険性が高くなるため、取得した位置情報を、現在地を示す信号として送信部72aを介して送信する(ステップS126)。この際、送信制御部72bは、送信機7を識別する固有の識別コードを位置情報に関連付けて、現在地を示す信号として送信する。
その後、送信制御部72bは、位置情報を送信してからの経過時間のカウントを開始する(ステップS127)。そして、送信制御部72bは、経過時間のカウントを開始してから24時間以上が経過したか否かを判定する(ステップS128)。
経過時間が24時間以上でない場合(ステップS128:No)、送信制御部72bは、経過時間が24時間以上になるまで処理を待機する。一方、経過時間が24時間以上の場合(ステップS128:Yes)、送信制御部72bは、処理をステップS121に戻して、バッテリ73からの電力供給が途切れるまで、ステップS121からステップS128までの処理を繰り返す。
以上のように、流体が充填されるボンベ容器1に取付けられるとともに、流体が流下する流体流路が内部に形成されたバルブ本体21、及び流体流路を開閉する開閉弁を有する容器バルブ2と、現在地を示す信号を送信する送信機7とを備えたバルブ装置200は、実施例1と同様に、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見を容易にすることができる。
また、送信機7が、現在地を示す信号を送信する送信モジュール72と、送信モジュール72に給電するバッテリ73と、所定条件に基づいて、送信モジュール72のオン状態、及びオフ状態を切換える送信制御部72bとを備えたことにより、バルブ装置200は、所定条件に基づいて、送信モジュール72の電力消費を抑制できるため、バッテリ73の消費を抑えることができる。
このため、バルブ装置200は、現在地を示す信号を送信可能な期間をより長く確保することができる。
従って、バルブ装置200は、容器バルブ2付きボンベ容器1が、例えば、投棄された状態が時間的に長くなった場合、あるいはボンベ容器1に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見を容易にすることができる。
また、ボンベ容器1の圧力を検知する圧力センサ24を備え、送信制御部72bが、圧力センサ24が検知した検知圧力に基づいて、送信モジュール72のオン状態とオフ状態とを切換える構成としたことにより、バルブ装置200は、現在地を示す信号を確実に送信できるとともに、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1のより早いタイミングでの発見を容易にすることができる。
具体的には、ボンベ容器1の圧力は、外部への流体の導出に伴って低くなり、いずれは外部への流体の導出が困難な圧力、すなわち再充填が必要な圧力となる。このような容器バルブ2付きボンベ容器1が比較的投棄され易いが、ボンベ容器1の圧力が「0」であれば、爆発などの危険性が低いため、バルブ装置200は、現在地を示す信号を送信する必要がない。しかしながら、ボンベ容器1の圧力がある程度残っている状態の場合、爆発などの危険性が高くなるため、バルブ装置200は、現在地を示す信号を送信可能にする必要がある。
そこで、ボンベ容器1の圧力を検知する圧力センサ24が検知した検知圧力に基づいて、送信モジュール72のオン状態とオフ状態とを切換える送信制御部72bを備えたことにより、バルブ装置200は、検知圧力が「0」の場合、送信モジュール72をオフ状態に切換えることで、現在地を示す信号の送信を停止し、第2所定圧力を上回る場合、送信モジュール72をオン状態に切換えることで、現在地を示す信号を送信可能にすることができる。
これにより、バルブ装置200は、爆発の危険性がある状態で投棄された容器バルブ2付きボンベ容器1の現在地を示す信号を送信できるため、回収業者や遠隔地のオペレータに早期に知らせることができる。
あるいは、検知圧力が第2所定圧力以下の場合、送信モジュール72をオン状態に切換えることで、バルブ装置200は、例えば、容器バルブ2付きボンベ容器1が使用場所から移動する前、あるいは流体の再充填が必要なタイミングで、現在地を示す信号を送信することができる。このため、バルブ装置200は、容器バルブ2付きボンベ容器1の現在地、あるいは交換タイミングを、回収業者や遠隔地のオペレータに早期に知らせることができる。
さらに、バルブ装置200は、圧力センサ24が検知した検知圧力に基づいて、送信モジュール72のオン状態とオフ状態とを切換えることで、送信モジュール72への不要な給電を抑えることができる。このため、バルブ装置200は、送信機7の稼働時間をより長く確保することができ、現在地を示す信号がバッテリ切れによって送信できなくなることを防止できる。
従って、バルブ装置200は、ボンベ容器1の圧力を検知する圧力センサ24が検知した検知圧力に基づいて、送信モジュール72のオン状態とオフ状態とを切換える送信制御部72bを備えたことにより、現在地を示す信号を確実に送信できるとともに、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1のより早いタイミングでの発見を容易にすることができる。
実施例1に対して、バルブ装置、及びバルブ装置位置確認システムの構成が異なる実施例3について、図9から図11を用いて説明する。
なお、図9は実施例3におけるバルブ装置300の正面図を示し、図10はバルブ装置300の側面図を示し、図11は送信機9のブロック図を示している。
また、上述の実施例1と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
実施例3のバルブ装置300は、図9及び図10に示すように、容器バルブ2と、容器バルブ2のバルブ本体21を覆うバルブカバー8と、現在地を示す信号を送信する送信機9とで構成されている。
容器バルブ2は、図9及び図10に示すように、開閉検知機構部6を備えていない点を除けば、実施例1と略同一構成であり、バルブ本体21、開閉弁(図示省略)、スピンドル(図示省略)、回転ハンドル22、圧力計(図示省略)、及び容器安全弁23で構成されている。
バルブカバー8は、図9及び図10に示すように、バルブ本体21の上部を覆う合成樹脂製のカバーであって、バルブ本体21の前面側を覆う前部カバー8aと、バルブ本体21の後面側を覆う後部カバー8bとを、前後方向で組み付けて構成している。
送信機9は、図9及び図10に示すように、バルブカバー8における前部カバー8aの内面下部に装着固定されている。この送信機9は、図11に示すように、受信モジュール91、送信モジュール92、及びバッテリ93で構成されている。
受信モジュール91は、図11に示すように、現在地を示す信号の送信を要求する要求信号を受信する受信部91aと、受信モジュール91における各種動作を制御する受信制御部91bとで構成されている。
なお、現在地を示す信号の送信を要求する要求信号は、後述する複数の中継装置302(図13参照)が送信したものとする。
受信制御部91bは、CPU及びメモリなどをハード構成と、プログラム及びデータなどのソフト構成とで構成され、所定のバスを介して接続された受信部91aの動作を制御する機能、及び要求信号を送信モジュール92に受け渡す機能を有している。
また、送信モジュール92は、図11に示すように、現在地を示す信号を無線で送信する送信部92aと、送信モジュール92における各種動作を制御する送信制御部92bとで構成されている。
なお、送信制御部92bは、CPU及びメモリなどをハード構成と、プログラム及びデータなどのソフト構成とで構成され、所定のバスを介して接続された送信部92aの動作を制御する機能、及び受信モジュール91と各種情報の受け渡し等に係る各種処理機能を有している。
さらに、この送信制御部92bには、送信機9を識別する固有の識別コードが記憶されているものとする。
バッテリ93は、一次電池または二次電池であって、交換可能な状態で送信機9に搭載されている。このバッテリ93は、受信モジュール91、及び送信モジュール92に電気的に接続され、受信モジュール91、及び送信モジュール92に電力を供給している。
引き続き、上述したバルブ装置300における送信機9の処理動作について、図12を用いて説明する。
なお、図12は送信モジュール92における処理動作のフローチャートを示している。
処理動作を開始した送信モジュール92の送信制御部92bは、図12に示すように、受信モジュール91から要求信号を取得したか否かを判定する(ステップS131)。要求信号を取得していない場合(ステップS131:No)、送信制御部92bは、要求信号を取得するまで処理を待機する。
ステップS131において、受信モジュール91から要求信号を取得した場合(ステップS131:Yes)、送信制御部92bは、送信機9を識別する固有の識別コードを示す情報を含む特定周波数の無線信号を、現在地を示す信号として送信する(ステップS132)。その後、送信制御部92bは、バッテリ93からの電力供給が途切れるまで、ステップS131、及びステップS132の処理を繰り返す。
次に、上述したバルブ装置300の現在地を確認可能にするバルブ装置位置確認システム301について、図13を用いて簡単に説明する。
なお、図13はバルブ装置位置確認システム301の構成図を示している。
このバルブ装置位置確認システム301は、図13に示すように、複数の中継装置302を介して送信された要求信号を受信するバルブ装置300と、バルブ装置300が送信した現在地を示す信号を、複数の中継装置302、及びインターネット回線や電話回線などの通信回線303を介して受信するサーバー304と、遠隔地のオペレータやボンベ回収業者が利用する利用者端末305とで構成されている。
中継装置302は、例えば、通信事業者が設置した通信基地局に設けた装置、あるいはバルブ装置位置確認システム301を提供する事業者が設置した装置であって、サーバー304が送信した要求信号を受信する機能と、要求信号を無線で送信する機能と、バルブ装置300が送信した現在地を示す信号を受信する機能と、受信した現在地を示す信号に、中継装置302を識別するための中継装置識別コードを関連付けてサーバー304に送信する機能とを有している。
サーバー304は、現在地を示す信号の送信を要求する要求信号を、所定のタイミングで複数の中継装置302に送信する機能と、中継装置302が送信した現在地を示す信号を受信する機能と、現在地を示す信号、識別コード、及び中継装置識別コードを関連付けて記憶する機能と、取得した複数の現在地を示す信号、及び中継装置識別コードに基づいて、バルブ装置300の現在地を示す位置情報を算出する機能と、地図を示す地図情報を外部から取得する機能と、位置情報、識別コード、及び地図情報を関連付けて利用者端末305に送信する機能とを有している。
利用者端末305は、例えば、パソコン、タブレット端末、携帯電話、あるいは専用端末などであって、通信回線303を介してサーバー304から位置情報、識別コード、及び地図情報を関連付けて取得する機能と、位置情報、識別コード、及び地図情報に基づいて、バルブ装置300の現在地を地図上に閲覧可能に表示する機能とを有している。
以上のように、流体が充填されるボンベ容器1に取付けられるとともに、流体が流下する流体流路が内部に形成されたバルブ本体21、及び流体流路を開閉する開閉弁を有する容器バルブ2と、現在地を示す信号を送信する送信機9とを備えたバルブ装置300は、実施例1と同様に、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見を容易にすることができる。
また、バルブ本体21を覆うバルブカバー8を備え、送信機9が、バルブカバー8に装着固定されたことにより、バルブ装置300は、バルブ本体21に対して送信機9を着脱自在にできるため、例えば、送信機9の交換、あるいは送信機9に内蔵されたバッテリ93の交換を容易にすることができる。
さらに、例えば、バルブカバー8の内面に送信機9を装着固定することで、バルブ装置300は、送信機9の発見を困難にして、送信機9が故意に破壊されることを防止できる。
従って、バルブ装置300は、ボンベ容器1に対する組付け性を向上できるとともに、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見率低下を抑えることができる。
また、送信機9が、現在地を示す信号の送信を要求する要求信号を受信する受信モジュール91と、要求信号を取得した場合、要求信号に対する応答として、現在地を示す信号を送信する送信モジュール92とを備えたことにより、バルブ装置300は、要求信号の送信、及び現在地を示す信号の受信が可能な中継装置302が周囲に位置する場合に、現在地を示す信号を送信できるため、現在地を示す信号の発信回数を少なくすることができる。
これにより、バルブ装置300は、送信機9の電力消費を抑えることができ、例えば、内蔵されたバッテリ93で稼働する送信機9の稼働時間をより長く確保することができる。
従って、バルブ装置300は、ボンベ容器1に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、現在地を示す信号をより安定して送信できるため、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見率低下を抑えることができる。
また、上述したバルブ装置300と、バルブ装置300の送信機9が送信した現在地を示す信号を受信した場合、通信回線303を介して現在地を示す信号を送信する中継装置302と、中継装置302が送信した現在地を示す信号を位置情報として取得するサーバー304とを備えたバルブ装置位置確認システム301は、バルブ装置300の送信機9が送信した現在地を示す信号に基づいて、容器バルブ2の現在地を特定できるため、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1を容易に発見することができる。
実施例1に対して、バルブ装置の構成が異なる実施例4について、図14を用いて説明する。
なお、図14は実施例4におけるバルブ装置400の正面図を示している。
また、上述の実施例1と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
実施例4のバルブ装置400は、図14に示すように、実施例1と同様に、容器バルブ2と、現在地を示す信号を送信する送信機3とで構成されている。
容器バルブ2は、図14に示すように、開閉検知機構部6を備えていない点を除けば、実施例1と略同一構成であり、バルブ本体21、開閉弁(図示省略)、スピンドル(図示省略)、回転ハンドル22、圧力計(図示省略)、及び容器安全弁23で構成されている。
さらに、容器バルブ2には、図14に示すように、送信機3の送信モジュール32のオン状態と、オフ状態とを切替える切換え手段として、実施例1の開閉検知機構部6に替えて、アダプタ接続部21cに近接して設けた装着部に装着されたリミットスイッチ10が設けられている。
リミットスイッチ10は、図14に示すように、アダプタ接続部21cに接続されるアダプタ5の接続状態を検知する検知手段として設けられている。より詳しくは、リミットスイッチ10は、アダプタ接続部21cにアダプタ5が接続された際、その先端がアダプタ5の端面に当接可能な状態で配設されている。
このリミットスイッチ10は、実施例1のリミットスイッチ64とは異なり、常時閉回路接点仕様のマイクロスイッチを内蔵し、先端が押下されていない状態ではマイクロスイッチの接点同士が接触したON状態であり、先端が押下されることでマイクロスイッチの接点が離間したOFF状態となる構成である。
つまり、リミットスイッチ10は、アダプタ5が接続されていない場合、ON状態が維持され、アダプタ5が接続された場合、アダプタ5に押下されてOFF状態となるよう構成されている。
さらに、リミットスイッチ10は、図14に示すように、実施例1のリミットスイッチ64と同様に、電線コード10aを介して、送信機3に接続されている。
一方、送信機3のバッテリ33は、詳細な図示を省略するが、実施例1と同様に、リミットスイッチ10を介して、受信モジュール31、及び送信モジュール32に接続されている。
このため、バッテリ33は、リミットスイッチ10がON状態の場合、受信モジュール31、及び送信モジュール32と導通することで、受信モジュール31、及び送信モジュール32へ給電し、リミットスイッチ10がOFF状態の場合、受信モジュール31、及び送信モジュール32との導通が遮断されることで、受信モジュール31、及び送信モジュール32への給電が停止するよう構成されている。
換言すると、バルブ装置400は、リミットスイッチ10が、受信モジュール31、及び送信モジュール32がそれぞれ機能するオン状態と、受信モジュール31、及び送信モジュール32がそれぞれ機能しないオフ状態とに切替える切換え手段として機能するように構成している。
以上のように、流体が充填されるボンベ容器1に取付けられるとともに、流体が流下する流体流路が内部に形成されたバルブ本体21、及び流体流路を開閉する開閉弁を有する容器バルブ2と、現在地を示す信号を送信する送信機3とを備えたバルブ装置400は、上述した実施例1と同様に、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見を容易にすることができる。
また、バルブ本体21が、流体流路に連通するとともに、流体を外部に導出させるためのアダプタ5が接続されるアダプタ接続部21cを備え、バルブ本体21のアダプタ接続部21cへのアダプタ5の接続状態を検知するリミットスイッチ10を備え、リミットスイッチ10が、リミットスイッチ10が検知したアダプタ5の接続状態に基づいて、送信モジュール32のオン状態とオフ状態とを切換える構成としたことにより、バルブ装置400は、例えば、投棄された状態が時間的に長くなった場合、あるいはボンベ容器1に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見を容易にすることができる。
具体的には、容器バルブ2のアダプタ接続部21cにアダプタ5が接続されている場合、容器バルブ2付きボンベ容器1が所定の使用場所で使用されている状態のため、バルブ装置400は、現在地を示す信号を送信する必要がない。
そこで、アダプタ5の接続状態を検知するリミットスイッチ10が検知したアダプタ5の接続状態に基づいて、リミットスイッチ10が、送信モジュール32のオン状態とオフ状態とを切換えることにより、バルブ装置400は、例えば、アダプタ5が接続されていない場合、送信モジュール32とバッテリ33とを導通する(オン状態に切換える)ことで、現在地を示す信号を送信可能にし、アダプタ5が接続されている場合、送信モジュール32とバッテリ33との導通を遮断する(オフ状態に切換える)ことで、現在地を示す信号の送信を停止することができる。
これにより、バルブ装置400は、例えば、容器バルブ2付きボンベ容器1が使用中の場合、現在地を示す信号の送信を停止して、送信モジュール32への不要な給電を抑えることができる。このため、バルブ装置400は、現在地を示す信号を送信可能な期間をより長く確保することができる。
従って、バルブ装置400は、アダプタ5の接続状態を検知するとともに、アダプタ5の接続状態に基づいて、送信モジュール32のオン状態とオフ状態とを切換えるリミットスイッチ10を備えたことにより、例えば、投棄された状態が時間的に長くなった場合、あるいはボンベ容器1に取付けられた状態が時間的に長くなった場合であっても、容器バルブ2が取付けられたボンベ容器1の発見を容易にすることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の現在地を特定するための所定信号は、実施形態のGPS信号に対応し、
以下同様に、
受信手段は、受信モジュール31,71に対応し、
位置情報送信制御手段は、送信モジュール32,72に対応し、
切換え手段は、開閉検知機構部6、送信制御部72b、及びリミットスイッチ10に対応し、
圧力検知手段は、圧力センサ24に対応し、
開閉検知手段は、開閉検知機構部6に対応し、
接続検知手段は、リミットスイッチ10に対応し、
送信間隔制御手段は、送信制御部32b,72bに対応し、
要求信号受信手段は、受信モジュール91に対応し、
応答送信制御手段は、送信モジュール92に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述した実施形態において、バッテリ33,73,93が内蔵された送信機3,7,9としたが、これに限定せず、バッテリ33,73,93が別体で構成された送信機としてもよい。
また、上述した実施形態において、受信部31a,71a,91aの動作を制御する受信制御部31b,71b,91bと、送信部32a,72a,92aの動作を制御する送信制御部32b,72b,92bとを有する送信機3,7,9としたが、これに限定せず、受信部、及び送信部の動作を制御する1つの受送信制御部を有する送信機としてもよい。
また、実施例1において、容器バルブ2のバルブ本体21に送信機3を直接的に装着固定した構成としたが、これに限定せず、ブラケットなどの部材を介してバルブ本体21に送信機3を間接的に装着固定する構成としてもよい。
また、実施例1において、リミットスイッチ64のON状態とOFF状態とを切換える手段として、遊星歯車を用いたが、これに限定せず、リミットスイッチ64のON状態とOFF状態とが、開閉弁の開閉状態に応じて切換え可能であれば、適宜の構成としてもよい。
また、実施例1において、GPS衛星102が送信したGPS信号を受信するとともに、GPS信号に基づいて、現在地を示す位置情報を算出して送信する送信機3としたが、これに限定せず、例えば、複数の中継装置103が送信した所定信号を受信するとともに、受信した所定信号に基づいて現在地を示す位置情報を算出して送信する送信機であってもよい。
また、実施例1において、GPS信号を受信する受信モジュール31としたが、これに限定せず、現在地を示す信号の送信を要求する要求信号を受信する受信モジュールとしてもよい。この場合、送信モジュール32を、特定周波数の無線信号を、現在地を示す信号として送信する構成とする。
同様に、実施例3において、現在地を示す信号の送信を要求する要求信号を受信する受信モジュール91としたが、これに限定せず、GPS信号を受信する受信モジュールとしてもよい。この場合、送信モジュール92を、GPS信号から算出した位置情報を、現在地を示す信号として送信する構成とする。
また、実施例1において、リミットスイッチ64を介して、バッテリ33を受信モジュール31、及び送信モジュール32に接続した構成としたが、これに限定せず、バッテリ33と受信モジュール31とをリミットスイッチ64を介して接続し、バッテリ33と送信モジュール32とを直接的に接続する構成としてもよい。あるいは、バッテリ33と送信モジュール32とリミットスイッチ64を介して接続し、バッテリ33と受信モジュール31とを直接的に接続してもよい。
また、実施例1、及び実施例4において、リミットスイッチ10,64がOFF状態の場合、送信モジュール32とバッテリ33との導通を遮断する構成としたが、これに限定せず、リミットスイッチ10,64を送信制御部32bに接続するとともに、リミットスイッチのON状態またはOFF状態に基づいて、現在地を示す信号を送信するか否かを送信制御部32bで制御する構成としてもよい。
また、実施例1及び実施例4において、開閉弁の開閉状態を検知する手段、並びにアダプタ5の接続状態を検知する手段として、リミットスイッチ10,64を用いたが、これに限定せず、バッテリと送信モジュールとの導通を遮断可能であれば、例えば、リードスイッチなどの適宜のスイッチを用いてもよい。
また、実施例2において、送信モジュール72に接続された圧力センサ24が検知した検知圧力に基づいて、送信モジュール72のオン状態とオフ状態とを切換える送信制御部72bとしたが、これに限定せず、バッテリ73と送信モジュール72との導通を、圧力計に連動して機械的に遮断する切換え手段で、送信モジュール72のオン状態とオフ状態とを切換える構成としてもよい。
また、実施例1及び実施例2における送信制御部32b,72bの処理動作において、経過時間の判定基準を24時間以上としたが、これに限定せず、適宜の時間長さとしてもよい。この際、投棄された容器バルブ2付きボンベ容器1が、ほとんど移動しないことを加味して、比較的長い時間長さにすることが望ましい。
また、送信モジュールのオン状態、及びオフ状態を切換える切換え手段を、実施例1では開閉検知機構部6とし、実施例2では送信制御部72bとし、実施例4ではリミットスイッチ10としたが、これに限定せず、これらを適宜に組み合わせた切換え手段を備えたバルブ装置としてもよい。
さらに、所定信号に基づいた位置情報を、現在地を示す信号として送信する位置情報送信制御手段としての送信モジュール32,72と、現在地を示す信号を、所定時間以上の間隔を隔てて送信する送信間隔制御手段としての送信制御部32b,72bと、現在地を示す信号の送信を要求する要求信号を受信する要求信号受信手段としての受信モジュール91、及び要求信号に対する応答として、現在地を示す信号を送信する応答送信制御手段としての送信モジュール92とを、適宜に組み合わせたバルブ装置としてもよい。
また、実施例3において、バルブカバー8に装着固定した送信機9としたが、これに限定せず、バルブ本体21に直接的または間接的に装着固定された送信機9としてもよい。さらに、バルブカバー8に装着固定される送信機は、上述の実施例3の送信機9に限定されるものでなく、現在地を示す信号を送信可能な適宜の構成の送信機であればよく、例えば、実施例1、実施例2、及び実施例4に記載された送信機であってもよい。
また、実施例3において、例えば、バルブカバー8に、受信モジュール91、送信モジュール92、及びバッテリ93を装着固定したが、これに限定せず、例えば、バルブカバー8に、送信モジュール92、及びバッテリ93を装着固定し、受信モジュール91をバルブ本体21に装着固定してもよい。
また、上述した実施形態において、中継装置103,302、通信回線104,303、サーバー105,304、及び利用者端末106,305で構成されたバルブ装置位置確認システム101,301は、一例であって、バルブ装置100,200,300,400の現在地が確認可能であれば、適宜の構成のバルブ装置位置確認システムとしてもよい。