JP2020056129A - 板紙、加工板紙、及び加工板紙の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の一実施形態に係る板紙は、表層、裏層、及び上記表層と上記裏層との間に配置される1又は複数の中間層を有する。各層は、パルプ繊維を主成分とする紙層である。
表層は、最表面に位置する1層の紙層である。表層の主成分となるパルプ繊維としては、特に限定されず、例えば、古紙パルプ(DIP)、化学パルプ(例えば広葉樹クラフトパルプ:LBKP、針葉樹クラフトパルプ:NBKPなど)、機械パルプ(例えばサーモメカニカルパルプ:TMP、プレッシャライズドクラフトパルプ:PGW、リファイナーグランドパルプ:RGP、グランドパルプ等)やケナフ、バガス、麻、コットンなどの非木材パルプなどから得られるパルプ繊維を挙げることができる。これらの中でも、古紙パルプが好ましく、機械パルプを多く含み、灰分が9質量%以上含まれる古紙パルプがより好ましい。
裏層は、最裏面に位置する1層の紙層である。裏層の主成分となるパルプ繊維としては、表層で例示したものと同じものを挙げることができる。これらの中でも、古紙パルプを用いることが好ましく、地券古紙を用いることがより好ましい。裏層には、表層と同様の各種添加剤が含有されていてもよい。地券古紙は、各種古紙パルプの中で中白古紙と同様に灰分含有量が比較的多い古紙原料であり、熱保持性が他の古紙よりも比較的高いため、箔押し時の熱の拡散が少なく、箔押し適性に適した古紙原料である。
中間層は、表層と裏層との間に配置される紙層である。中間層の層数としては特に限定されず、例えば1層以上5層以下とすることができ、3層が好ましい。裏層の主成分となるパルプ繊維としては、表層で例示したものと同じものを挙げることができる。これらの中でも、古紙パルプを用いることが好ましく、裏層と同様に地券古紙を用いることがより好ましい。中間層には、表層と同様の各種添加剤が含有されていてもよい。
当該板紙は、表面処理が施されていてもよい。例えば、表面サイズ剤、防滑剤、撥水剤等を含む塗工液を上記表層表面に塗工することにより表面処理を施すことができる。但し、当該板紙は、表層側の面に表面サイズ剤を含む塗工液による表面処理がされていないことが好ましい。また、当該板紙は、カレンダー処理等の平坦化処理が施されていない、又はカレンダー処理を自重で行うことが好ましい。このように、表面サイズ剤を塗工せず、平坦化処理も行わないことで、表面の十点平均粗さ(Rz)及びPPS平滑度を所定範囲内に収めやすくなる。
当該板紙の製造方法は特に限定されないが、例えば以下の工程により、公知の多層抄き抄紙機を用いて製造することができる。
(1)パルプ繊維を水に分散させて得たスラリーに、各紙層に対応した添加剤を必要に応じ添加して混合し、各紙層の紙料を調製する。
(2)それぞれの紙料をワイヤー上で抄紙し、抄き合わせる。
(3)加圧ロールによりプレスし、水分を除去する。
(4)ドライヤーシリンダーにて乾燥し、必要により塗工液を塗工する。
(5)リールに巻き取り、着色板紙を得る。
当該板紙の表層側の面の十点平均粗さ(Rz)の下限としては、14μmであり、15μmが好ましい。表面の十点平均粗さ(Rz)を上記下限以上とすることで、断熱性・保熱性を高め、箔押適性が良好になる。また、表面を粗くすることで、艶消し性も高まる。一方、この十点平均粗さ(Rz)の上限としては、20μmである。表面の十点平均粗さ(Rz)を上記上限以下とすることで、表面の凹凸が大きくなりすぎるのを防ぎ、転写ムラの少ない箔押を行うことができる。なお、十点平均粗さ(Rz)は、JIS−B−0601:1994「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語、定義及び表面性状パラメータ」に準拠して測定される値である。
本発明の一実施形態に係る加工板紙は、本発明の一実施形態に係る板紙、及び上記板紙の上記表層側の面の一部に圧着された箔を備える。すなわち、当該加工板紙は、表面に箔押加工がなされた板紙である。当該加工板紙は、ムラの少ない箔押がなされており、美粧性に優れる。箔は、例えば、文字、図形等の形状で、板紙表面に積層されている。上記箔は、通常、アルミニウム箔等の金属箔である。当該加工板紙において、通常、表層側の面全面に箔が積層されるものでは無く、部分的に箔が積層され、他の部分は板紙の表層が露出することとなる。当該加工板紙において、表層の露出部分は、艶が抑えられており、この点からも美粧性に優れる。当該加工板紙は、後述する製造方法により好適に製造することができる。
本発明の一実施形態に係る加工板紙の製造方法は、本発明の一実施形態に係る板紙の上記表層側の面に箔押する工程を備える。当該製造方法によれば、箔のムラが少なく、美粧性に優れる箔押が施された加工板紙を得ることができる。
各種測定及び評価は、以下の方法により行った。
表層の機械パルプの含有割合は、JIS−P−8220−1998に準拠して表層を離解し、得られる離解パルプについて、機械パルプの呈色を示すパルプの質量割合をJIS−P−8120−1998に記載の「紙、板紙及びパルプ−繊維組成試験方法」に準拠して測定した。
表層及び板紙全体の灰分は、JIS−P−8251に記載の「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定した。
表層の灰分の成分は、エネルギー分散X線分析法により測定した。
板紙の坪量は、JIS−P−8124に記載の「坪量測定方法」に準拠して測定した。
表層側の面の十点平均粗さ(Rz)は、JIS−B−0601:1994「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語、定義及び表面性状パラメータ」に準拠して、表面粗さ測定器(ミツトヨ社製、製品名SJ−201P)を用いて10の試料を測定し、それらの平均値を値とした。
表層側の面のPPS平滑度は、JIS−P−8151−2004の付属書Aに準じ、ローレンツェンアンドベットレー株式会社製、機種名:SE−115にて、バッキングディスクとしてソフトラバー製のものを用い、クランプ圧力1MPaに設定して測定した。
表層側の面のベック平滑度は、JIS−P−8119−1998に準じて測定した。
表層側の面の表面電気抵抗は、JIS−K−6911に準拠し、温度20℃、湿度65%RHの環境下で測定した。
板紙の圧縮強度(縦方向及び横方向)は、JIS−P−8126−2005に記載の「紙及び板紙−圧縮強さ試験方法−リングクラッシュ法」に準拠して測定した。
板紙のZ軸強度は、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.18−1:2000に準拠して測定した。
卓上箔押機(ホットスタンプ)、及びクルツ社製の透明ホログラム箔「レーザーセレクト」を用い、転写温度は130℃で、転写時間は1秒による箔押を行った。以下の基準で箔押適性を評価した。
◎:箔表面の光沢ムラ、剥がれが無く良好な箔押しが得られた。
○:若干、箔表面に光沢ムラが見られたが、美粧性に問題なし。
△:箔表面に光沢ムラが見られた。
×:箔表面に光沢ムラ、端部に一部剥がれが見られた。
表面(表層側の面)の光沢度をJIS−P−8142−2005に記載の「紙及び板紙−75度鏡面光沢度の測定方法」に準拠して測定した。光沢度が低いほど、十分な艶消しがなされ、艶が抑えられていると判断できる。
表層(1層)の原料パルプの主成分として中白古紙、中間層(2〜4層)の原料パルプとして地券古紙、及び裏層(5層)の原料パルプとして地券古紙を用い、多層抄き抄紙機により5層の紙層からなる、坪量170g/m2の実施例1の板紙を得た。なお、表面処理として表面サイズ剤の塗工、及び平坦化処理は行わなかった。
各層の原料パルプ種、表面処理の有無、坪量及び灰分を表1の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜11及び比較例1〜5の各板紙を得た。灰分の調整は、表層中に含まれる中白古紙の含有割合を適宜調整すること又は入手元の異なる原料パルプを用いることで調整した。すなわち、実施例1〜11の表層の原料パルプには、主成分として中白古紙を用い、適宜他の古紙を配合した。
なお、比較例1、2、5については、表面処理として、表面に表面サイズ剤(ハリマ化成社のハーサイズKN−275P)を0.08g/m2塗工した。
上記した方法にて、得られた各板紙の表層における機械パルプ含有割合、坪量、表層側の面(表面)の十点平均粗さ(Rz)、PPS平滑度、ベック平滑度、表面電気抵抗、表層及び板紙全体の灰分、表層の灰分の成分、圧縮強度(縦方向及び横方向)、並びにZ軸強度を測定した。また、上記した方法にて、得られた各板紙について、箔押適性及び艶消し性について評価した。測定結果及び評価結果を表1又は表2に示す。
Claims (5)
- 表層、裏層、及び上記表層と上記裏層との間に配置される1又は複数の中間層を有する板紙であって、
上記表層側の面の十点平均粗さ(Rz)が14μm以上20μm以下、PPS平滑度が6μm以上10μm以下である板紙。 - 上記表層の灰分が9質量%以上であり、機械パルプ含有割合が50質量%以上である請求項1に記載の板紙。
- 箔押加工用である請求項1又は請求項2に記載の板紙。
- 請求項3に記載の板紙、及び
上記板紙の上記表層側の面の一部に圧着された箔
を備える加工板紙。 - 請求項3に記載の板紙の上記表層側の面に箔押する工程を備える加工板紙の製造方法。
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