以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応する位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cには、図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する合計9個の図柄を視認することができる。
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、演出スイッチ122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)する。
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ120の停止操作が可能な状態で、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cのいずれかを最初に停止操作することを第1停止といい、第1停止の後、停止操作されていない2つのストップスイッチ120のいずれかを停止操作することを第2停止といい、第2停止の後、最後に残ったストップスイッチ120を停止操作することを第3停止という。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインAが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインAは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。有効ラインAは、図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール110aの中段、中リール110bの中段、右リール110cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定されている。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す4つの無効ラインB1、B2、C1、C2を想定している。
そして、遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインAに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部114を通じたメダルの投入、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部114b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120a、120b、120cから各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
遊技状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、演出状態制御手段314は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
コマンド送信手段316は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202では、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。なお、演出には、補助演出も含まれる。補助演出は、当選種別抽選において、正解役と不正解役とが重複した選択当選種別に当選したときに、その正解役の入賞条件となるストップスイッチ120a、120b、120cの正解操作態様を報知する演出である。かかる補助演出により、遊技者は、正解役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ラインA上に容易に表示させることができる。かかる補助演出を実行する演出状態をAT(アシストタイム)演出状態という。また、AT演出状態とリプレイ役の当選確率が高いRT(リプレイタイム)遊技状態が並行して進行される所謂ART遊技状態を用いることもある。
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。また、補助演出を実行可能な主報知手段および他報知手段を合わせて補助演出報知手段という場合もある。演出状態制御手段314は、AT演出状態において、補助演出を補助演出報知手段に実行させる。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図5は、当選役を説明するための説明図であり、図6は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態および演出状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態および演出状態が移行される。そして、主制御基板200では、遊技状態制御手段312により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役が含まれる。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、遊技状態制御手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態(後述するRBB作動中遊技状態)に移行させることができる役である。
本実施形態における当選役は、図5に示すように、リプレイ役として、当選役「リプレイ」が設けられている。また、小役として、当選役「小役1」〜「小役70」が設けられている。また、ボーナス役として、当選役「RBB」、「RB」が設けられている。図5では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、例えば、当選役「リプレイ」、当選役「小役1」〜「小役4」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「小役5」〜「小役70」、当選役「RBB」、当選役「RB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂とりこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。
図6に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(不当選)の有無が異なったりする。図6では、各遊技状態(非内部遊技状態(非内部)、RBB内部中遊技状態(RBB内部中)、RBB作動中非内部遊技状態(RBB作動中非内部)、RBB作動中RB内部中遊技状態(RBB作動中RB内部中)、RBB作動中RB作動中遊技状態(RBB作動中RB作動中))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「○」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。また、当選領域1以上の全ての当選領域の置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0以上となっていれば、当選領域0の当選種別「ハズレ」が当選種別抽選の抽選結果となる。
ここで、当選種別「RB」を構成する当選役「RB」、当選種別「RBB」を構成する当選役「RBB」について補足する。第1種特別役物RBは、規定数ごとの入賞に係る図柄の組み合わせの数を増加させ、または規定数ごとの入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し、12回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができるものをいう。ここで、条件装置は、その作動が入賞、再遊技、役物または役物連続作動装置の作動に係る図柄の組み合わせが表示されるために必要な条件とされている装置で、当選種別抽選(遊技機内で行われる電子計算機によるくじ)に当選した場合に作動するもの、すなわち、当選フラグを意味する。また、当選種別「RBB」を構成する第1種特別役物に係る役物連続作動装置(当選役「RBB」)は、第1種特別役物RBを連続して作動させることができる装置であり、特定の図柄の組み合わせが表示された場合に作動し、あらかじめ定められた場合に作動を終了するものをいう。
図6の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域0には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、メダルの払い出し等が行われることはない。ただし、後述するように、RBB内部当選フラグまたはRB内部当選フラグが次遊技に持ち越されている場合、当選種別「ハズレ」の当選により、当選役「RBB」や当選役「RB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。また、当選領域1には、当選種別「リプレイ」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、当選役「リプレイ」が必ず有効ラインA上に表示される(PB=1)。
また、当選領域2〜37には、払出枚数が15枚となる正解役(当選役「小役1」〜「小役4」)と、払出枚数が1枚の不正解役(当選役「小役5」〜「小役70」)が重複して含まれる選択当選種別(当選種別「打順ベルA1」〜「打順ベルD12」)がそれぞれ対応付けられている。そして、複数の小役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの小役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番が設定されている。
以下の説明において、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順6」とする。
例えば、非内部遊技状態において、当選領域2の当選種別「打順ベルA1」に当選し、正解操作態様(打順1)による操作が行われた場合、払出枚数が15枚の正解役である当選役「小役1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順2による操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「小役53」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に1/2の確率で表示されるように停止制御がなされ、打順3、4による操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「小役21」または当選役「小役31」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に1/8の確率で表示されるように停止制御がなされ、打順5、6による操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「小役38」または当選役「小役48」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に1/8の確率で表示されるように停止制御がなされる。
なお、当選領域2〜13、当選領域14〜25、当選領域26〜37それぞれのグループ内での各当選種別の当選確率(置数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域2〜37を設けることにより、正解役を入賞させにくくしている。また、上記のように、不正解役が優先的に表示される打順でストップスイッチ120a、120b、120cが操作されても、必ずしも不正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させられるとは限らないので、その操作態様によっては、とりこぼしが発生することがある(PB≠1)。
また、当選領域38には、当選役「小役1」〜「小役70」が重複して含まれる当選種別「小役ALL」が対応付けられており、当選領域39には、当選役「小役5」〜「小役70」が重複して含まれる当選種別「1枚ALL」が対応付けられている。また、当選領域40には、当選役「RBB」が含まれる当選種別「RBB」が対応付けられており、当選領域41には、当選役「RB」が含まれる当選種別「RB」が対応付けられている。
なお、上述したいずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(オン)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「RBB」が含まれる当選種別に当選した場合には、RBB内部当選フラグが成立(オン)するとともに、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、RBB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。同様に、当選役「RB」が含まれる当選種別に当選した場合には、RB内部当選フラグが成立(オン)するとともに、当選役「RB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、RB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれる当選役「リプレイ」のうちのいずれかの当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
(遊技状態の遷移)
ここで、図7を用い、遊技状態の遷移について説明する。ここでは、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、RBB作動中RB作動中遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。各遊技状態は、後述するように、ボーナス役の当選、入賞(作動)、終了に応じて遷移する。
非内部遊技状態は、複数の遊技状態における初期状態に相当する遊技状態である。かかる非内部遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3に設定されている。また、非内部遊技状態では、当選役「RBB」が高確率で決定されている。したがって、非内部遊技状態での滞在遊技数は短くなる。遊技状態制御手段312は、当選役「RBB」の当選に応じて、遊技状態をRBB内部中遊技状態に移行させる(1)。
RBB内部中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3に設定されている。また、RBB内部中遊技状態以降の遊技状態では、後程詳述するように、一部の選択当選種別に関し、遊技者のストップスイッチ120a、120b、120cの操作順に拘わらず、正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。したがって、RBB内部中遊技状態は、一部の選択当選種別に関しても正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させるには正解操作態様が必要な非内部遊技状態や、リプレイ役の当選確率が0となる他のRBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、RBB作動中RB作動中遊技状態に比べ、単位遊技当たりの期待獲得枚数が高くなる。また、図3(a)および図5を参照すると、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせはPB≠1なので、遊技者は、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを意図的に揃えないことで、RBB内部中遊技状態を延長することができてしまう。ここでは、RBB内部中遊技状態において、AT演出状態であっても補助演出を実行しない(もしくはAT演出状態を決定しない)とすることで、遊技者に遊技状態の進行(当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせの表示)を促す。したがって、結果的に、RBB内部中遊技状態においても滞在遊技数は短くなる。当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中非内部遊技状態に移行させる(2)。
RBB作動中非内部遊技状態では、リプレイ役の当選確率が0に設定されている。したがって、後述するように、単位遊技当たりの期待獲得枚数をRBB内部中遊技状態より低くすることができる。RBB作動中非内部遊技状態において、当選役「RB」に当選すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中RB内部中遊技状態に移行させる(3)。
RBB作動中RB内部中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が0に設定されている。したがって、RBB作動中非内部遊技状態同様、単位遊技当たりの期待獲得枚数を、RBB内部中遊技状態より低くすることができる。また、図3(a)および図5を参照すると、当選役「RB」はPB≠1であるものの、遊技者は、当選役「RB」に対応する図柄組合せを狙うことができる。ここでは、後述するように、RBB作動中RB作動中遊技状態の単位遊技当たりの期待獲得枚数を低めることで、遊技者に、遊技状態を進行しないように(当選役「RB」に対応する図柄組み合わせを表示させないように)促す。なお、RBB作動中RB内部中遊技状態において、当選役「RB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中RB作動中遊技状態に移行させることとなる(4)。
RBB作動中RB作動中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が0に設定されている。なお、かかるRBB作動中RB作動中遊技状態では、当選可能な当選種別として、当選領域38に当選種別「小役ALL」が、当選領域39に当選種別「1枚ALL」が設定されている。当選種別「小役ALL」に当選すると、当選役「小役1」〜「小役4」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示され、当選種別「1枚ALL」に当選すると、当選役「小役5」〜「小役70」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御が実行される。ここでは、かかる小役の構成によりRBB作動中RB作動中遊技状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数を低くしている。以下、RBB作動中RB作動中遊技状態での当選態様を詳述する。
仮に、図6の当選種別抽選テーブルにおいて、RBB作動中RB作動中遊技状態における当選領域38の当選種別「小役ALL」の置数を9156、当選領域39の当選種別「1枚ALL」の置数を27469(9156×3+1)とする。また、他の遊技状態(非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態)における当選領域2〜13の当選種別「打順ベルA1」〜「打順ベルC4」それぞれの置数が2099であり、当選領域14〜25の当選種別「打順ベルa1」〜「打順ベルc4」それぞれの置数が190であり、当選領域26〜37の当選種別「打順ベルD1」〜「打順ベルD12」それぞれの置数が763であったとする。また、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態における当選領域1の当選種別「リプレイ」の置数が8978であったとする。ここで、他の遊技状態においては、複数種類の正解役(ここでは当選役「小役1」〜「小役4」)が互いに重複せずに当選し、RBB作動中RB作動中遊技状態においては、かかる複数種類の正解役が重複して当選する。
図8は、RBB作動中RB作動中遊技状態での当選態様を説明するための説明図である。図8を参照すると、RBB作動中RB作動中遊技状態での当選種別抽選で、正解役が含まれる当選種別が当選する確率は9156/65536であり、不正解役が含まれる選択当選種別が当選する確率は27469/65536である。一方、他の遊技状態(非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態)での当選種別抽選で、正解役が含まれる当選種別が当選する確率は、当選役「小役1」〜「小役4」それぞれについて9156/65536である。不正解役が含まれる選択当選種別が当選する確率は、当選役「小役5」〜「小役70」それぞれについて最大5341/65536であったとする。したがって、RBB作動中RB作動中遊技状態での入賞に係る条件装置それぞれの作動確率は、他の遊技状態と比較して同等以上であり、少なくとも不正解役に係る条件装置の作動確率は、より上昇しているのが理解できる。
また、RBB作動中RB作動中遊技状態での入賞に係る当選領域の合計置数は36625(9156+27469)であり、他の遊技状態での入賞に係る当選領域の合計置数は36624(9156×4)である。したがって、RBB作動中RB作動中遊技状態での入賞に係る当選領域の合計置数が、他の遊技状態より大きくなっているのが理解できる。ここでは、払出枚数の少ない不正解役を1増やすことで、単位遊技当たりの期待獲得枚数の増加を抑制しつつ、入賞に係る当選領域の合計置数を増やしている。
また、RBB作動中RB作動中遊技状態において当選種別「小役ALL」が決定された場合、遊技者のストップスイッチ120a、120b、120cの操作順に拘わらず、正解役(ここでは当選役「小役1」〜「小役4」)に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることで、遊技者が無作為に操作した場合の、後述するリプ込み出玉率を非内部遊技状態より高めることができる。
ここでは、他の遊技状態において、複数種類の正解役が互いに重複せずに当選するため、正解役を入賞させることができる機会を多くすることができ(36624/65536)、その結果、例えば、他の遊技状態におけるAT演出状態において補助演出が行われることで、メダルを獲得しやすくできる。一方、RBB作動中RB作動中遊技状態では、複数種類の正解役が重複して当選するため、正解役を入賞させることができる機会が少ないので(9156/65536)、他の遊技状態におけるAT演出状態よりも正解役を入賞させることができる機会が減り、遊技者が所有するメダルを増やしにくくなっている。したがって、他の遊技状態よりも入賞に係る当選役の当選確率が高いというRBB作動中RB作動中遊技状態の機能を備えつつ、メダルの獲得性能の面ではRBB作動中RB作動中遊技状態が他の遊技状態に劣るという仕様を実現することができる。
さらに、RBB作動中RB作動中遊技状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数を従来のスロットマシンにおいて採用されていたボーナス遊技状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数よりも低く(例えば、2.52枚)抑えることができるので、遊技状態の全体を通じてのメダルの獲得率が高まりすぎて徒に射倖心を煽ることなく、低く抑えた分だけ、他の遊技状態での小役の当選確率を高めに設定することができ、例えば、AT演出状態において、メダルの増加率をさらに向上させることができる。
図7に戻り、当選役「RB」の終了条件を満たすと、すなわち、小役が所定回数(例えば8回)入賞するか、遊技数が所定回数(例えば12回)に到達すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中非内部遊技状態に移行させる(5)。したがって、RBB作動中において、遊技状態制御手段312は、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、RBB作動中RB作動中遊技状態を順番に繰り返し移行することとなる。
RBB作動中の遊技状態(RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、RBB作動中RB作動中遊技状態、以下、単にRBB作動中遊技状態(ボーナス遊技状態)という)のいずれかに滞在中に、当選役「RBB」の終了条件を満たすと(例えば、獲得枚数が所定枚数に到達すると)、遊技状態制御手段312は、遊技状態を非内部遊技状態に移行させる(6)。
したがって、遊技状態制御手段312は、大きな状態遷移として、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動後の遊技状態(RBB作動中遊技状態)を順次移行しつつ、RBB作動後に、小さな状態遷移として、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、RBB作動中RB作動中遊技状態を順番に繰り返し移行することとなる。ただし、上述したように、RBB作動後は、RBB作動中RB作動中遊技状態へ進行させないようにし、RBB内部中遊技状態では、RBB作動中非内部遊技状態への進行を促すので、本実施形態では、遊技状態のうち、非内部遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態の3つの遊技状態の滞在遊技数が長くなる。
また、このように遊技状態を移行しつつ、非内部遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態においてAT演出状態を決定する。そして、決定されたAT演出状態は、遊技状態を跨いで継続させる。したがって、AT演出状態の終了条件を満たすまでに、複数の遊技状態を順次移行することがある。特に、AT演出状態においては、当選役「RBB」の終了条件を満たす可能性が多くなるので、非内部遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態間の移行を繰り返すことも多くなる。
(演出状態の遷移)
図9は、主制御基板200における演出状態の遷移を説明するための説明図である。以下、主制御基板200において演出状態制御手段314により遷移される演出状態(非AT演出状態、AT演出状態)について詳述する。
(非AT演出状態)
非AT演出状態は、通常演出状態とチャンス演出状態(チャンスゾーン)とが設けられている。非AT演出状態が実行される際、補助演出の実行頻度がAT演出状態より極めて低く、補助演出がほぼ行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。通常演出状態は、副制御基板202で管理される複数の演出状態のうち、初期状態に相当する演出状態である。
演出状態制御手段314は、通常演出状態における所定の契機で演出状態をチャンス演出状態に移行し(1)、チャンス演出状態のまま所定の条件が満たされると、例えば、所定の遊技数が消化されると、通常演出状態に戻す(2)。また、演出状態制御手段314は、通常演出状態およびチャンス演出状態において、演出状態をAT演出状態に移行することができる(3)。ただし、チャンス演出状態の方が通常演出状態よりAT演出状態に移行し易いように設定されている。例えば、通常演出状態およびチャンス演出状態のいずれの演出状態においても、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいてAT演出状態へ移行するか否かが抽選(演出状態抽選)により決定される場合に、当選種別毎に対応付けられたAT演出状態へ移行する確率が通常演出状態よりチャンス演出状態の方が高くなっている。したがって、遊技者は、通常演出状態より、チャンス演出状態に滞在することを望むこととなる。また、AT演出状態に移行することなく非AT演出状態で所定の遊技数が消化されると(所謂、天井到達)、演出状態制御手段314は、演出状態をAT演出状態へ移行する。
(AT演出状態)
AT演出状態では、補助演出によって正解操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、AT演出状態において、非AT演出状態と比べ、遊技を有利に進行することができる。
また、AT演出状態では、通常AT演出状態、インターバル演出状態、チャンスAT演出状態(特化ゾーン)といった3つの演出状態が設けられている。通常AT演出状態は、所定の継続遊技数(例えば、50遊技)を1セットとしてセット数管理により遊技が進行する。なお、ここでは、50遊技を通常AT演出状態のセット単位として例示しているが、遊技数を他の任意の数としたり、抽選等により遊技数を可変としたり、抽選等により遊技数が逐次加算されるとしてもよい。演出状態制御手段314は、演出状態が通常AT演出状態に設定されると、ストック(保持)されているセット数を1減算するとともに、継続遊技数を50遊技に設定する。そして、継続遊技数の遊技が終了すると、演出状態制御手段314は、演出状態をインターバル演出状態に移行する(4)。
インターバル演出状態は、通常AT演出状態の1セット終了後、通常AT演出状態が継続する場合の待機期間に相当する。したがって、演出状態制御手段314は、残りのセット数が0であるか否か(セット数がストックされているか)判定し、セット数が0でない場合には、所定の終了条件を満たした後(例えば、所定の遊技数(例えば、50遊技)経過後)、ストックされているセット数を1減算し、演出状態を通常AT演出状態に移行させる(5)。なお、ここでは、50遊技をインターバル演出状態のセット単位として例示しているが、遊技数を他の任意の数としたり、抽選等により遊技数を可変としたり、抽選等により遊技数が逐次加算されるとしてもよい。また、予め定められた遊技数(例えば100遊技)のいずれかで通常AT演出状態への移行を報知し、その遊技数を経過したら通常演出状態に移行する遊技性を採用し、その滞在遊技数が平均して50遊技であるとしてもよい。また、演出状態制御手段314は、インターバル演出状態の間、通常AT演出状態のセット数を抽選により加算することができる。したがって、仮に、残りのセット数が0であっても、インターバル演出状態中に通常AT演出状態のセット数を獲得すれば、演出状態制御手段314は、所定の終了条件を満たした後、ストックされているセット数を1減算し、演出状態を通常AT演出状態に移行させる(5)。
遊技者は、このような通常AT演出状態とインターバル演出状態とを交互に繰り返すことで、補助演出による遊技利益を得ることができる。したがって、遊技者は、遊技を有利に進行すべく、可能な限り多くのセット数を獲得し、通常AT演出状態に長期滞在することを望むこととなる。
一方、演出状態制御手段314は、所定の終了条件を満たすと、例えば、残りのセット数が0であり、かつ、インターバル演出状態の間に通常AT演出状態のセット数が獲得されなければ、AT演出状態を終了し、演出状態を非AT演出状態のチャンス演出状態に移行させる(6)。
また、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態において所定条件を満たすと、演出状態をチャンスAT演出状態に移行することができる(7)。
チャンスAT演出状態は、所定の遊技数が経過するまで継続し、その間に、通常AT演出状態のセット数を上乗せする。そして、所定の遊技数が終了すると、演出状態制御手段314は、演出状態を通常AT演出状態に移行する(8)。
なお、演出状態のいずれにおいても、所定の当選役の入賞または取りこぼしを移行条件とする場合、移行条件を満たすまでの準備状態を経由して(例えば、非AT演出状態から通常AT演出状態(3)、インターバル演出状態からチャンス演出状態(6))、移行先の演出状態に移行する場合がある。
ここで、インターバル演出状態を設ける理由について詳述する。上述した通常AT演出状態が連続すると射倖性が過度に高まってしまうおそれがある。例えば、図6〜図9の例で、RBB作動中非内部遊技状態において選択当選種別全てに対し補助演出が行われた場合、期待獲得枚数は、約8.38枚(≒(15×9156×4)/65536)となり、規定数を3枚とすると、毎遊技、平均して5.38枚ずつ増えてしまう。そこで、図9の(4)、(5)で説明したように、通常AT演出状態のセット数が継続する場合、その間にインターバルを設けてAT演出状態全体の期待獲得枚数を調整する。
ここで、インターバルは、連続する有利区間(指示機能に係る性能を有する遊技区間、すなわち、補助演出(指示機能)を実行する遊技区間)の中で移行する、補助演出を実行する確率が高い(期待獲得枚数が大きい)演出状態(例えば、通常AT演出状態)より補助演出を実行する確率が低い(期待獲得枚数が小さい)演出状態(例えば、インターバル演出状態)であり、補助演出を実行する確率が高い演出状態と連続させることで全体的な期待獲得枚数を減らす目的の演出状態を言う。したがって、演出状態制御手段314は、連続する有利区間の中で、補助演出を行う通常AT演出状態と、通常AT演出状態より補助演出の頻度が低いインターバル演出状態とを連続させることで、AT演出状態全体の期待獲得枚数を調整している。
具体的に、AT演出状態全体の期待獲得枚数は、インターバル演出状態の期待獲得枚数や遊技数で調整することができる。例えば、インターバル演出状態中の補助演出を実行する確率を0〜100%の間の任意の確率に設定することで、インターバル演出状態の期待獲得枚数、ひいては、AT演出状態全体の期待獲得枚数を増減することができる。ただし、インターバル演出状態は、AT演出状態の一部なので、通常AT演出状態への移行(復帰)確率が通常演出状態より高かったり、既に通常AT演出状態のセット数が確保されている状態でセット数のストック抽選が行われる等、通常演出状態やチャンス演出状態より遊技者に有利となるように設定するのが望ましい。また、補助演出を実行する確率のみならず、インターバル演出状態の遊技数によってもAT演出状態全体の期待獲得枚数を調整することができる。例えば、インターバル演出状態を長く設定すればするほど、AT演出状態全体の期待獲得枚数を減らすことができる。
例えば、図9のように、通常AT演出状態とインターバル演出状態とが交互に繰り返される場合に、通常AT演出状態は期待獲得枚数8.38枚で50遊技継続するとする。そして、インターバル演出状態は期待獲得枚数3.00枚(増減なし)で50遊技継続するとする。そうすると、両演出状態を合わせた期待獲得枚数は、約5.66枚(≒(8.32×50+3.00×50)/100)となり、毎遊技のメダルの増加を2.66枚に抑えることができる。
なお、ここでは、インターバルとしてインターバル演出状態を挙げて説明しているが、かかる場合に限らず、AT演出状態中における通常AT演出状態の後または通常AT演出状態の間に実行され、通常AT演出状態よりも補助演出を実行する確率が低ければ足り、例えば、有利区間中に、AT演出状態から移行し、また、AT演出状態に復帰し得る通常演出状態もインターバルと捉えることができる。
また、AT演出状態において、補助演出を実行する確率が高い(期待獲得枚数が大きい)演出状態として、1の通常AT演出状態を挙げて説明したが、このような演出状態が複数存在し、その演出状態間においてインターバルを設けてもよい。このとき、演出状態制御手段314は、連続する有利区間の中で、補助演出を行う第1通常AT演出状態および第2通常AT演出状態と、かかるAT演出状態よりも補助演出の頻度が低いインターバル演出状態とを連続させることで、AT演出状態全体の期待獲得枚数を調整することとなる。
例えば、上述した通常AT演出状態と等しい第1通常AT演出状態およびインターバル演出状態に加え、第1通常AT演出状態同様、補助演出を実行する確率が高い演出状態として第2通常AT演出状態を設けるとする。ここでは、第1通常AT演出状態と第2通常AT演出状態とが互いの演出状態に移行する場合には必ずインターバル演出状態を経由する。すなわち、第1通常AT演出状態とインターバル演出状態同士、および、第2通常AT演出状態とインターバル演出状態同士とは互いに移行可能であるが、第1通常AT演出状態と第2通常AT演出状態同士は直接移行することはない。このとき、第1通常AT演出状態および第2通常AT演出状態は期待獲得枚数8.38枚で50遊技継続するとする。そして、インターバル演出状態は期待獲得枚数3.00枚(増減なし)で50遊技継続するとする。そうすると、両演出状態を合わせた期待獲得枚数は、上述した例と同様、約5.66枚(?(8.38×50+3.00×50)/100)となり、毎遊技のメダルの増加を2.66枚に抑えることができる。なお、ここでは、第1通常AT演出状態と第2通常AT演出状態との期待獲得枚数が等しい例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、インターバル演出状態より期待獲得枚数が高ければ、両者の期待獲得枚数が異なるとしてもよい。
(遊技状態について)
ところで、単位遊技当たりの期待獲得枚数を、ベットした規定数で除算した比率を出玉率と言う場合がある。なお、出玉率としては、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが入賞した遊技において、規定数のベットおよび規定数の払い出しがあったものとして計算するリプ込み出玉率と、その遊技が無かったものとして扱われ、ベットも払い出しも0として計算するリプ抜き出玉率とがある。かかるリプ込み出玉率とリプ抜き出玉率は以下の関係となる。すなわち、出玉率が100%未満の場合、リプ込み出玉率の方がリプ抜き出玉率より高くなり、また、リプレイ役の当選確率が低いほど、リプ込み出玉率とリプ抜き出玉率との差が小さくなる。
ここで、射倖性が過度に高くなるのを防止しつつ、遊技者が遊技を長く継続できるように、出玉率(特にリプ抜き出玉率)に下限を設定している場合がある。例えば、リプ抜き出玉率を所定値(例えば、63%)以上とする。ここでは制限すべき出玉率としてリプ抜き出玉率を挙げているが、実際の遊技では、リプレイ役が入賞するので、直感的にはリプ込み出玉率の方が実際の遊技に近くなる。AT演出状態中の単位遊技当たりの期待獲得枚数を高める等、遊技に幅を持たせるため、リプ込み出玉率は小さい方がよい。しかし、リプ抜き出玉率に下限が設定されているので、リプ込み出玉率を可能な限り小さくするためには、まず、リプレイ役の当選確率を下げるのが望ましい。これは、上述したように、リプ込み出玉率の方がリプ抜き出玉率より高くなるものの、リプレイ確率が低いほど、リプ込み出玉率とリプ抜き出玉率との差が小さくなるからである。そこで、例えば、非内部遊技状態やRBB内部中遊技状態のリプレイ役の当選確率を下限の1/7.3とする。
また、RBB作動中遊技状態(RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、RBB作動中RB作動中遊技状態)では、リプレイ役の当選確率を0にできる。そうすると、AT演出状態の主たる滞在遊技状態であるRBB作動中遊技状態でのリプ込み出玉率=リプ抜き出玉率となり、リプ込み出玉率をリプ抜き出玉率まで下げることが可能となる。ここで、リプ抜き出玉率を所定値とした場合、非内部遊技状態やRBB内部中遊技状態では、リプ込み出玉率を少ししか下げることができないが、RBB作動中遊技状態では、リプ込み出玉率をリプ抜き出玉率まで下げることができる。したがって、全ての遊技状態を総合したとしても、リプ抜き出玉率の下限値を維持しつつ、リプ込み出玉率を低下させることができ、遊技性を高めることが可能となる。
また、出玉率が100%以上の場合、リプ抜き出玉率の方がリプ込み出玉率より高くなり、また、リプレイ役の当選確率が低いほど、リプ込み出玉率とリプ抜き出玉率との差が小さくなる。そうすると、リプ込み出玉率が等しい場合であっても、リプレイ役の当選確率が低いほど、リプ抜き出玉率が低くなることになる。例えば、単位遊技当たりの期待獲得枚数5枚(リプ込み出玉率267%)の通常AT演出状態(チャンスAT演出状態を含む)を300遊技、単位遊技当たりの期待獲得枚数0枚(リプ込み出玉率100%)のインターバル演出状態を100遊技実行したとき、リプレイ役の当選確率が1/7.3の場合、リプ抜き出玉率が245%となるのに対し、リプレイ役の当選確率が0であれば、リプ抜き出玉率が225%となり、リプレイ役の当選確率が1/7.3の場合よりリプ抜き出玉率が低くなり、リプレイ役の当選確率を0とすると、リプ抜き出玉率としても有利であることが理解できる。
さらに、AT演出状態におけるリプ抜き出玉率を設計する際、AT演出状態中にリプレイ役が当選する仕様では、リプレイ役が当選(入賞)したとしても、そのリプレイ役の入賞をリプ抜き出玉率に換算しない(その遊技に関してはベットも払い出しも0として計算する)ので、設計が煩雑になり、作業負担が大きくなる。しかし、ここでは、AT演出状態が長期滞在することを想定しているRBB作動中遊技状態においてリプレイ役自体が当選しないので、通常AT演出状態、インターバル演出状態、および、チャンスAT演出状態個々の出玉率、および、インターバル演出状態を経由したAT演出状態全体の出玉率の設計が容易になり、作業負担を軽減することができる。
なお、図7に示した遊技状態の状態遷移では、以下の問題もある。例えば、図3(a)および図5を参照すると、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせがPB≠1ではないので、遊技者は、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを意図的に揃えないことで、遊技状態を延長することが可能となる。ここでは、上述したように、RBB内部中遊技状態において、補助演出を実行しないことで、遊技者に遊技状態の進行(当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせの表示)を促すことで対応する。また、当選役「RBB」に対応する図柄組合せを、所謂レア役に対応する図柄組み合わせと、例えば、第1停止の図柄範囲が近似している等、停止制御が同じになるようにして、結果的に、遊技者に常に当選役「RBB」に対応する図柄組合せを狙わせる仕様としてもよい。
また、図3(a)および図5を参照すると、当選役「RB」はPB≠1であるものの、遊技者は、RBB作動中RB内部中遊技状態において、当選役「RB」に対応する図柄組合せを狙うことができる。ここでは、上述したように、RBB作動中RB作動中遊技状態の単位遊技当たりの期待獲得枚数を低めることで、遊技者に、遊技状態を進行しないように(当選役「RB」に対応する図柄組み合わせを表示させないように)促すことで対応する。このように、遊技状態に滞在または遊技状態を移行することが遊技者に不利となるようにすることで、遊技性に反して、遊技状態に滞在または遊技状態を移行しようとする遊技者に対し、ペナルティを設ける必要がない。
また、他の問題点として、演出状態がAT演出状態になった場合、仮に遊技状態がRBB作動中遊技状態であったとしても、その終了条件を直ぐに満たしてしまうので(所定枚数に到達してしまうので)、遊技状態は非内部遊技状態に移行してしまう。したがって、演出状態がAT演出状態に移行すると、非内部遊技状態やRBB内部中遊技状態の滞在比率が高くなる。例えば、非AT演出状態では、非内部遊技状態やRBB内部中遊技状態の滞在比率が2%であるのに対し、AT演出状態では、10%となる。また、設定値が高い程、出玉率が高くなり(AT演出状態に滞在する期間が長くなり)、これに伴って、非内部遊技状態やRBB内部中遊技状態の滞在比率が高くなる。このような、非内部遊技状態やRBB内部中遊技状態ではリプレイ役が1/7.3の確率で当選する。したがって、高設定ほど、非内部遊技状態やRBB内部中遊技状態の滞在比率が高くなり、これに伴い、リプレイ役の当選確率が高くなることとなる。遊技者は、このようなリプレイ役の当選確率の違いにより、設定値を推定することが可能となる。
ところで、上述したように、遊技状態間で、リプレイ役の当選確率が異なると、リプ込み出玉率とリプ抜き出玉率の一方を等しくしたとしても、他方は異なることとなる。例えば、リプレイ役の当選確率が1/7.3である非内部遊技状態と、リプレイ役の当選確率が0のRBB作動中遊技状態とのリプ抜き出玉率を下限に合わせると、非内部遊技状態のリプ込み出玉率がRBB作動中遊技状態のリプ込み出玉率より大きくなってしまう。そうすると、当選役「RBB」の当否を意識させない遊技性において、一部の遊技状態でのみ単位遊技当たりの期待獲得枚数が高くなり、遊技者に違和感を与えてしまう。また、一部の遊技状態でのみ単位遊技当たりの期待獲得枚数が高くなると、その遊技状態を意図的に延長する等、攻略性が生じるおそれがある。そこで、リプ込み出玉率を大凡等しくすることで、実際の遊技での出玉率の差を感じさせないようにすることを検討する。
ここでは、当選役「RBB」の当選を契機に、停止制御を変更することで対応する。したがって、上述したように、当選役「RBB」に当選してから、その終了条件を満たすまでの、特に、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態の間、一部の選択当選種別に関し、遊技者の操作態様(操作順)に拘わらず、正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させる。こうして、単位遊技当たりの期待獲得枚数を高くしてRBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態の間のリプ込み出玉率を、非内部遊技状態のリプ込み出玉率に合わせる。
例えば、当選領域2の当選種別「打順ベルA1」を例に挙げると、遊技者が正解操作態様である打順1で操作すると、払出枚数が15枚の当選役「小役1」を100%(PB=1)で入賞でき、打順2で操作すると、払出枚数が1枚の当選役「小役53」を1/2の確率で入賞でき、打順3、4で操作すると、払出枚数が1枚の当選役「小役21」または当選役「小役31」を1/8の確率で入賞でき、打順5、6で操作すると、払出枚数が1枚の当選役「小役38」または当選役「小役48」を1/8の確率で入賞できる。したがって、当選領域2〜25の選択当選種別の当選時に、遊技者が無作為にストップスイッチ120a、120b、120cを操作すると、単位遊技当たりの期待獲得枚数は、(15+0.5+0.125×4)/6=2.7枚となる。そして、仮に、当選種別「打順ベルA1」の停止制御を変更し、遊技者の操作態様に拘わらず、当選役「小役1」を100%入賞させるようにすると、単位遊技当たりの期待獲得枚数は15枚となる。このように、一部の選択当選種別の停止制御を変更することで、単位遊技当たりの期待獲得枚数を上げること、すなわち、リプ込み出玉率を上げることができる。
ただし、当選役「RBB」の当選後、RBB作動中遊技状態のリプレイ役の当選確率は0であるが、RBB内部中遊技状態についは、リプレイ役の当選確率を0にすることができない。したがって、かかる停止制御の変更により、RBB作動中遊技状態のリプ込み出玉率を非内部遊技状態に合わせると、その分、RBB内部中遊技状態のリプ込み出玉率が高まってしまう。かかるRBB内部中遊技状態については、上述したように、AT演出状態を決定しないとすることで、遊技者に遊技状態の進行を促すことで対応する。
ここで、図6に戻り、当選種別抽選テーブルについて詳述する。なお、ここでは、打順1と打順2、打順3と打順4、打順5と打順6といった正解操作態様における第1停止が等しいペアを、単に打順ペアという。AT演出状態では、遊技者が正解操作態様による操作を行ったときの単位遊技当たりの期待獲得枚数を上げる一方で、遊技者が正解操作態様による操作を行わなかったときの単位遊技当たりの期待獲得枚数を極力下げたいという要望がある。しかし、当選領域2〜25の選択当選種別においては、正解操作態様となる打順の打順ペアとなる打順で操作した場合、単位遊技当たりの期待獲得枚数をあまり下げることができず、不正解役が1/2の確率で入賞してしまう。これは以下の理由による。
図10は、選択当選種別の停止制御を説明するための説明図である。例えば、当選種別「打順ベルA1」に当選したときに、遊技者が、以下のように、正解操作態様である打順1の打順ペアである打順2で操作したとする。かかる当選種別「打順ベルA1」には、図10(a)のように、当選役「小役1」、当選役「小役21」、当選役「小役31」、当選役「小役38」、当選役「小役48」、当選役「小役53」が重複している。したがって、この時点で、入賞可能な当選役は、当選役「小役1」、当選役「小役21」、当選役「小役31」、当選役「小役38」、当選役「小役48」、当選役「小役53」となる。
そして、遊技者が、第1停止として左リール110aに対応するストップスイッチ120aを操作すると、リール制御手段306は、図10(b)のように、払出枚数が最大となる当選役「小役1」を優先して有効ラインA上に停止しようとする。当選役「小役1」はPB=1なので、当選役「小役1」に対応する図柄組み合わせのうち左リール110aの図柄「ベルB」が必ず有効ラインA上に停止する。ただし、この時点では、遊技者が次にストップスイッチ120bとストップスイッチ120cのいずれを操作するか不明なので、打順1による操作および打順2による操作のいずれの可能性も残る。すなわち、遊技者が打順2を行おうとしているとしても、左リール110aの停止時には、打順1(正解役の入賞)の可能性も残っているので、正解役の入賞を否定することができない。したがって、この時点で、入賞可能な当選役は、当選役「小役1」、当選役「小役53」に制限される。
そして、遊技者が、第2停止として右リール110cに対応するストップスイッチ120cを操作すると、リール制御手段306は、図10(c)のように、当選役の図柄組み合わせ数が最大となる(ここでは2組)当選役「小役53」を優先して有効ラインA上に停止する。ただし、かかる当選役「小役53」に対応する図柄組み合わせのうち右リール110cの図柄がPB≠1であると、停止制御により、PB=1である当選役「小役1」に対応する図柄組み合わせが停止する可能性が生じる。したがって、当選役「小役53」に対応する図柄組み合わせのうち右リール110cの図柄は、当選役「小役1」に対応する図柄組み合わせのうち右リール110cの図柄と異なり、かつ、PB=1でなければならない。ここでは、図柄「ベルB」を対応させる。したがって、遊技者が打順2に従いストップスイッチ120cを操作すると、図柄「ベルB」が必ず有効ラインA上に停止する。このように、この時点では、払出枚数1枚の不正解役がPB=1で停止することになる。したがって、この時点で、入賞可能な当選役は、当選役「小役53」のみとなる。
そして、遊技者が、第3停止として中リール110bに対応するストップスイッチ120bを操作すると、リール制御手段306は、図10(d)のように、当選可能性が残る当選役「小役53」を優先して有効ラインA上に停止する。ただし、当選役「小役53」に対応する図柄組み合わせのうち中リール110bの図柄は、図柄「青スター」および図柄「青7」である。したがって、図3(a)を参照すると、有効ラインA上に、中リール110bの図柄番号3〜12が位置しているときに、遊技者が操作を行わないと、当選役「小役53」を停止することができない。そうすると、遊技者が無作為に打順2による操作を行った場合、不正解役である当選役「小役53」を1/2の確率でしか入賞できないこととなる。
なお、ここでは、遊技者が第2停止を行ったときに、リール制御手段306は、当選役の図柄組み合わせ数が最大となることを条件に当選役「小役53」の右リール110cに対応する図柄を有効ラインA上に停止している。換言すれば、当選役「小役53」の中リール110bに対応する図柄の数は、当選役「小役1」より多くなければならない。例えば、ここでは、当選役「小役1」が図柄「ベルA」1つであるのに対し、当選役「小役53」は、図柄「青スター」と図柄「青7」の2つである。
このように、正解操作態様となる打順の打順ペアとなる打順で操作した場合、不正解役を1/2の確率で入賞させることとなる。ただし、第2停止の実行時に、その停止態様から、当選した不正解役が当選役「小役53」であると特定されてしまうと、遊技者は、第3停止において図柄番号3〜12のいずれかが有効ラインA上に位置しているときに停止操作を行うことで、不正解役を1/2ではなく100%の確率で入賞させることができる。そうすると、遊技者の知識や技能によって、出玉率が変わってしまう。そこで、遊技者の操作によって排他的にしか入賞しない不正解役を複数設け、異なる当選種別としてそれぞれ当選領域に配置することで、遊技者が正解操作態様による操作を行わなかったときの単位遊技当たりの期待獲得枚数を均等化する。なお、ここで、排他的とは、リール110における停止制御によって有効ラインA上に停止可能な図柄範囲(連続する図柄の範囲)が重複せず、かつ、その図柄範囲を全て合わせると、リール110全ての図柄となることをいう。
ここでは、第1停止によって停止する図柄が正解役であり、かつ、第2停止によって不正解役が確定する当選役を複数設ける。例えば、当選種別「打順ベルA2」では、正解操作態様となる打順1の打順ペアとなる打順2で操作した場合、当選役「小役54」を1/2の確率で入賞させることができる。ここで、当選役「小役53」と当選役「小役54」とは、図3(a)を参照して理解できるように、中リール110bに対応する図柄の配置が排他的になっている。すなわち、当選役「小役53」では、有効ラインA上に、中リール110bの図柄番号3〜12のいずれかが位置しているときに操作すれば当選役「小役53」を入賞でき、当選役「小役54」では、有効ラインA上に、中リール110bの図柄番号0〜2、13〜19のいずれかが位置しているときに操作すれば当選役「小役54」を入賞できる。
かかる当選役「小役53」を含む当選種別「打順ベルA1」と、当選役「小役54」を含む当選種別「打順ベルA2」とは、当選確率が等しく、遊技者は、第2停止を終えた時点では、いずれの当選種別が当選しているか判断することができない。したがって、遊技者は、いずれかの当選役を、勘を頼りに狙うか、無作為に操作するしかなく、不正解役の入賞確率を1/2とすることが可能となる。また、当選役「小役53」と当選役「小役54」とは、停止制御で停止できる中リール110bの図柄範囲を合わせると中リール110b全ての図柄となる。このように、不当選となってしまう停止位置を設けないことで、遊技者の知識や技能によって、出玉率が変わるのを防止する。
ここでは、1の正解操作態様により入賞可能な1の当選役(例えば、当選役「小役1」)に対して、正解操作態様となる打順の打順ペアとなる打順で操作した場合の不正解役を少なくとも2つ(例えば、当選役「小役53」と当選役「小役54」)設けなければならず、それらが含まれる当選種別のペア(正解役ペア)が(例えば、当選種別「打順ベルA1」と当選種別「打順ベルA2」)必要となる。したがって、正解操作態様として打順1〜6を均等に分配した場合、それぞれの正解操作態様に対して正解役ペアを設けなくてはならない。したがって、正解操作態様として打順1〜6を設けた場合、合計12個の当選種別を要することとなる。
なお、図柄数の制約内(例えば10種以下)で、正解操作態様となる打順の打順ペアとなる打順で操作した場合の不正解役の第3停止時の図柄範囲を、図柄を異にして3以上に分割できるのであれば、不正解役の当選確率を1/3以下にすることも可能である。
ところで、上述したように、ここでは、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態の間、選択当選種別に関し、遊技者の操作態様に拘わらず、正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させ、単位遊技当たりの期待獲得枚数を高くして、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態(ボーナス遊技状態)の間のリプ込み出玉率を、非内部遊技状態(ボーナス遊技状態と異なる所定の遊技状態)のリプ込み出玉率に合わせる仕様にしている。しかし、選択当選種別のいずれに当選した場合も、必ず、正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させるとすると、単位遊技当たりの期待獲得枚数が高くなり過ぎてしまう。そこで、選択当選種別に当選する当選領域を複製し、同性質の当選領域を2つ設け、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態の間、複製した一方の当選領域のみ、必ず、正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させるとすることができる。
図11は、当選領域の複製を説明するための説明図である。例えば、当選種別抽選テーブルにおいて、選択当選種別を配すことを考える。かかる選択当選種別は、上記のように、正解操作態様となる打順の打順ペアとなる打順で操作した場合の不正解役の入賞確率を1/2とするために、正解操作態様である打順1〜6に対し、それぞれ正解役ペアが形成される。図11を参照すると、当選領域2〜13の当選種別「打順ベルA1」〜「打順ベルC4」のうち、当選種別「打順ベルA1」、当選種別「打順ベルA3」、当選種別「打順ベルB1」、当選種別「打順ベルB3」、当選種別「打順ベルC1」、当選種別「打順ベルC3」に対し、当選種別「打順ベルA2」、当選種別「打順ベルA4」、当選種別「打順ベルB2」、当選種別「打順ベルB4」、当選種別「打順ベルC2」、当選種別「打順ベルC4」がそれぞれ正解役ペアとなる。
ここで、正解操作態様である打順1〜6に対し、それぞれ正解役ペアが形成されたグループ(当選領域2〜13)をさらに複製する。すなわち、当選領域2〜13のグループからなる選択当選種別と同性質の選択当選種別を当選領域14〜25に複製する。かかる当選領域14〜25の選択当選種別も、正解操作態様となる打順の打順ペアとなる打順で操作した場合の不正解役の入賞確率を1/2とするため、正解操作態様である打順1〜6に対し、それぞれ正解役ペアが形成される。
そして、このように増やした当選領域を利用し、非内部遊技状態においては、当選領域2〜25の全ての選択当選種別において正解操作態様による操作が行われた場合にのみ正解役を入賞させ、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態においては、当選領域2〜13の選択当選種別において正解操作態様による操作が行われた場合にのみ正解役を入賞させるが、当選領域14〜25の選択当選種別においては、停止制御を変更し、遊技者の操作態様に拘わらず、当選役「小役1」〜「小役3」のいずれかを100%入賞させる。こうして、当選領域14〜25の選択当選種別に当選した場合、非内部遊技状態においては、単位遊技当たりの期待獲得枚数が2.7枚であるにも拘わらず、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態においては、15枚となる。したがって、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数を高く設定することができる。単位遊技当たりの期待獲得枚数の差分は、当選領域14〜25のいずれかが決定される確率に12.3(15−2.7)枚を乗じることで導出できる。したがって、当選領域14〜25のいずれかが決定される確率を調整すれば、各遊技状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数も調整可能であることが理解できる。
ここで、例えば、全ての遊技状態でのリプ抜き出玉率の平均を63%に調整することを考える。リプレイ役の当選確率が0のRBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態では、リプ込み出玉率=リプ抜き出玉率なので、リプレイ役の当選確率が1/7.3である非内部遊技状態に滞在することによってリプ込み出玉率とリプ抜き出玉率とに差が生じる。非内部遊技状態と、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態との滞在比率を2:8とすると、非内部遊技状態におけるリプ込み出玉率とリプ抜き出玉率の差が20%の確率で影響することとなる。例えば、非内部遊技状態におけるリプ抜き出玉率63%近傍でのリプ込み出玉率とリプ抜き出玉率の差が10%とすると、全体のリプ込み出玉率とリプ抜き出玉率の差は2(10×2/10)%となる。したがって、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態のリプ込み出玉率を65%に統一すると、非内部遊技状態のリプ抜き出玉率は57%、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態のリプ抜き出玉率は65%となる。ここでは、非内部遊技状態と、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態とのリプ抜き出玉率は異なるものの、平均的なリプ抜き出玉率を63%と下限以上に設定することができるとともに、リプ込み出玉率を等しくしつつ、リプ込み出玉率の低減を図ることが可能となる。
なお、ここでは、非内部遊技状態と、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態との滞在比率を2:8としたが、非内部遊技状態での滞在比率を下げれば下げるほど、非内部遊技状態におけるリプ込み出玉率とリプ抜き出玉率の差が、全体のリプ込み出玉率とリプ抜き出玉率の差に及ぼす影響を小さくできる。例えば、非内部遊技状態での滞在比率を可能な限り0に近づけることで、全体のリプ込み出玉率と全体のリプ抜き出玉率の差も0に近づけることになる。そうすると、リプ込み出玉率を、リプ抜き出玉率の下限である63%に近づけることが可能となる。
このように、選択当選種別を複製することで、単位遊技当たりの期待獲得枚数を調整することができる。ただし、当選種別の性質を複製したとしても、重複する当選役をそのまま複製することはできない。異なる当選種別間では、重複する当選役が異ならなければならない。したがって、停止制御のために、別途、新たに当選役を設け、複製した当選種別に、その新たに設けた当選役を重複させ、当選種別中で重複する当選役を見かけ上異ならせなければならない。しかし、当選領域の複製のために、不要に新たな小役を増やすとなると、その妥当性の検証に労力を費やすこととなる。そこで、本実施形態では、当選役の重複態様を工夫することで、停止制御のための不要な当選役を増加させることなく、当該当選領域の複製を実現する。
図12は、当選種別中で重複する当選役を説明する説明図である。ここでは、当選種別「打順ベルA1」(第1選択当選種別)を構成する当選役が、当選役「小役1」(特定正解役)、当選役「小役21」、当選役「小役31」、当選役「小役38」、当選役「小役48」(当選役「小役21」、当選役「小役31」、当選役「小役38」、当選役「小役48」のいずれか、または、全てが第1不正解役)、当選役「小役53」(第1不正解役と異なる第2不正解役)となっており、その正解役ペアである当選種別「打順ベルA2」(第2選択当選種別)を構成する当選役が、当選役「小役1」(特定正解役)、当選役「小役23」、当選役「小役29」、当選役「小役40」、当選役「小役46」(当選役「小役23」、当選役「小役29」、当選役「小役40」、当選役「小役46」のいずれか、または、全てが、第1不正解役および第2不正解役と異なる第3不正解役)、当選役「小役54」(第1不正解役、第2不正解役および第3不正解役と異なる第4不正解役)となっている。そして、かかる当選領域を複製した当選種別「打順ベルa1」(第3選択当選種別)を構成する当選役が、当選役「小役1」(特定正解役)、当選役「小役21」、当選役「小役31」、当選役「小役38」、当選役「小役48」(当選役「小役21」、当選役「小役31」、当選役「小役38」、当選役「小役48」のいずれか、または、全てが第1不正解役)、当選役「小役54」(第4不正解役)となっており、その正解役ペアである当選種別「打順ベルa2」(第4選択当選種別)を構成する当選役が、当選役「小役1」(特定正解役)、当選役「小役23」、当選役「小役29」、当選役「小役40」、当選役「小役46」(当選役「小役23」、当選役「小役29」、当選役「小役40」、当選役「小役46」のいずれか、または、全てが第3不正解役)、当選役「小役53」(第2不正解役)となっている。
ここでは、正解操作態様である打順1〜6に対し、それぞれ正解役ペアが形成されたグループにおける当選種別「打順ベルA1」と、当選種別「打順ベルA2」との間で、その当選種別を構成する当選役「小役53」(第2不正解役)と当選役「小役54」(第4不正解役)とのみを交換するとともに、他の当選役はそのまま維持し、それを他のグループにおける当選種別「打順ベルa1」と、当選種別「打順ベルa2」としている。かかる当選役「小役53」と当選役「小役54」とは、図5を参照して理解できるように、いずれも、正解操作態様となる打順の打順ペアとなる打順2で操作した場合に入賞可能な不正解役であり、第3停止に相当する中リール110bにおける有効ラインA上に表示される図柄範囲が互いに排他的になっている。
同様に、選択当選種別の他の正解役ペアに関しても、図12に示すように、第3停止に相当するリール110の図柄が互いに排他的になっている不正解役同士を交換しさえすれば、異なる当選種別間で重複する当選役を異ならせることができる。
このように、正解操作態様となる打順の打順ペアとなる打順で操作した場合の不正解役同士を交換することで、単位遊技当たりの期待獲得枚数を調整するため、当選領域を複製することを前提に、複製された当選領域において、停止制御のための不要な当選役を増加させることなく、当該当選領域の複製を実現することが可能となる。
なお、ここでは、正解役ペアに関し、正解操作態様となる打順の打順ペアとなる打順で操作した場合に、第3停止に相当するリール110の図柄範囲が互いに排他的になっている不正解役同士を交換する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、第3停止に相当するリール110の図柄範囲が互いに異なる不正解役同士を交換すれば足りる。
また、正解操作態様となる打順の打順ペアとなる打順で操作した場合に第3停止に相当するリール110の図柄範囲が互いに異なる不正解役同士を交換する場合に限らず、正解操作態様となる打順の打順ペアとは異なる打順ペアで操作した場合に、第2停止または第3停止に相当するリール110の図柄範囲が互いに異なる不正解役同士を交換するとしてもよい。例えば、図12における当選種別「打順ベルA1」と、当選種別「打順ベルA2」との間で、その当選種別を構成する当選役「小役53」と当選役「小役54」とのみを交換する例を挙げたが、その当選種別を構成する当選役「小役21」および当選役「小役31」のいずれか1の不正解役と、当選役「小役23」および当選役「小役29」のいずれか1の不正解役とを交換したり、当選役「小役38」および当選役「小役48」のいずれか1の不正解役と、当選役「小役40」および当選役「小役46」のいずれか1の不正解役とを交換することでも停止制御のための不要な当選役を増加させることなく、当該当選領域の複製を実現することが可能となる。
また、ここでは、当選種別「打順ベルA1」と、当選種別「打順ベルA2」との間で、その当選種別を構成する当選役「小役53」と当選役「小役54」とを交換することで、当選領域を1回複製する例を挙げて説明したが、このような当選役同士の交換を複数行うことで、3以上の複製を行うことができる。例えば、当選種別「打順ベルA1」と、当選種別「打順ベルA2」との間で、その当選種別を構成する当選役「小役53」と当選役「小役54」とを交換するとともに、当選役「小役21」および当選役「小役31」のいずれか1の不正解役と、当選役「小役23」および当選役「小役29」のいずれか1の不正解役とを交換することで、すなわち、交換回数を2回とすることで、オリジナルと複製とのグループの総数を2の交換回数乗、すなわち、4つとすることが可能となる。
ところで、上述したように、RBB作動中RB作動中遊技状態では、当選可能な当選種別として、当選種別「小役ALL」と当選種別「1枚ALL」が設定されている。また、RBB作動中RB作動中遊技状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数を低くするために、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態における、当選種別「小役ALL」を構成する正解役をそれぞれ含む選択当選種別は多い方がよく、また、その置数は等しいこと(ここでは、9156に統一)、または、極めて近いことが望ましい。なお、正解役として4つの当選役「小役1」〜「小役4」を採用したのは以下の理由からである。
図13は、図6の当選種別抽選テーブルの一部を抽出した図である。まず、図13の当選領域2〜13のように、打順ペア(打順1と打順2、打順3と打順4、打順5と打順6)毎に正解役を1つずつ対応させる。ここでは、正解役として、例えば、当選役「小役1」〜「小役3」を挙げている。こうして、操作態様(打順)に対して、単位遊技当たりの期待獲得枚数を均等に分配しつつ、補助演出がない場合の単位遊技当たりの期待獲得枚数を低く設定することができるとともに、RBB作動中RB作動中遊技状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数を低く設定することが可能となる。
また、単位遊技当たりの期待獲得枚数をさらに低めるため、もしくは、正解役のバリエーションを増やして遊技者が決定された当選種別を第1停止で把握しにくくするため、このような単位遊技当たりの期待獲得枚数が均等な選択当選種別のグループを増やすことが考えられる。例えば、正解役としての当選役をさらに3つ設け、それを当選役「小役1」〜「小役3」同様、打順ペア毎に対応させることで対応できる。しかし、正解役を当選役「小役1」〜「小役3」からさらに3つ増やすと、図柄の組み合わせが多くなりすぎて停止制御が複雑になる。また、増やす正解役を2つだけ増やそうとすると、打順ペアが3つあるのに対し、正解役が2つとなり、正解役の置数を等しくすると、1つの打順ペアに2つの正解役が対応することになり、停止制御がより複雑になる。なお、1つの打順ペアに1つの正解役、2つの打順ペアに1つの正解役を対応させると、操作態様(打順)に対して、単位遊技当たりの期待獲得枚数が不均等になるか、RBB作動中RB作動中遊技状態の単位遊技当たりの期待獲得枚数を十分低くできなくなる。したがって、ここでは、正解役を当選役「小役1」〜「小役3」から1つだけ増やし、単位遊技当たりの期待獲得枚数が均等な選択当選種別の組み合わせを設ける。ここでは、正解役として当選役「小役4」を挙げ、図13の当選領域26〜37のように当選種別を設定する。
当選領域26〜37には、正解役である当選役「小役4」と、不正解役とが重複して含まれる当選種別「打順ベルD1」〜「打順ベルD12」がそれぞれ対応付けられている。ここでは、当選領域2〜13の選択当選種別と異なり、正解操作態様以外での打順で操作した場合、正解役「1枚役」を1/2の確率で入賞できるように設定されている。したがって、遊技者が無作為にストップスイッチ120a、120b、120cを操作したときの単位遊技当たりの期待獲得枚数は、当選領域2〜13の選択当選種別が2.7枚であるのに対し、当選領域26〜37の選択当選種別は、(15+0.5×5)/6=2.9枚と大きくなる。例えば、ここでは、RBB作動中RB作動中遊技状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数を低くするため、正解役の置数を9156と等しくすることを考えると、RBB作動中遊技状態における当選役「小役1」を含む当選種別=当選役「小役2」を含む当選種別=当選役「小役3」を含む当選種別=当選役「小役4」を含む当選種別となり、当選領域2〜13の選択当選種別と、当選領域26〜37の選択当選種別との比率は3:1となるので、全体的な単位遊技当たりの期待獲得枚数は、(2.7×3+2.9)/4=2.75枚となる。したがって、単位遊技当たりの期待獲得枚数は多少増えるものの、全体的な単位遊技当たりの期待獲得枚数をさらに低めることができる。
なお、当選領域26〜37においても、当選領域2〜13同様、正解操作態様である打順1〜6に対し、それぞれ正解役ペアが形成されたグループが必要となる。例えば、図13の例では、上述した当選領域2〜13の正解役ペアに加え、当選領域26〜37の当選種別「打順ベルD1」〜「打順ベルD12」のうち、当選種別「打順ベルD1」、当選種別「打順ベルD3」、当選種別「打順ベルD5」、当選種別「打順ベルD7」、当選種別「打順ベルD9」、当選種別「打順ベルD11」に対し、当選種別「打順ベルD2」、当選種別「打順ベルD4」、当選種別「打順ベルD6」、当選種別「打順ベルD8」、当選種別「打順ベルD10」、当選種別「打順ベルD12」がそれぞれ正解役ペアとなる。
そして、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態の間、選択当選種別が決定された場合、遊技者の操作態様に拘わらず、正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させ、単位遊技当たりの期待獲得枚数を高くしてRBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態の間のリプ込み出玉率を、非内部遊技状態のリプ込み出玉率に合わせるべく、当選領域26〜37の選択当選種別も複製することを考える。
図14は、当選領域の複製を説明するための説明図である。当選領域2〜13および当選領域26〜37のグループを単純に複製すると、図14のようになる。すなわち、当選領域2〜13のグループからなる選択当選種別と同性質の選択当選種別を当選領域14〜25に複製し、かつ、当選領域26〜37のグループからなる選択当選種別と同性質の選択当選種別を当選領域38〜49に複製する。かかる当選領域14〜25および当選領域38〜49の選択当選種別も、正解操作態様となる打順の打順ペアとなる打順で操作した場合の不正解役の入賞確率を1/2とするため、正解操作態様である打順1〜6に対し、それぞれ正解役ペアが形成されたグループが必要となる。
そして、このように増やした当選領域を利用し、非内部遊技状態においては、当選領域2〜49の全ての選択当選種別に対し正解操作態様による操作が行われた場合にのみ正解役を入賞させ、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態においては、当選領域2〜13および当選領域26〜37の選択当選種別に対し正解操作態様による操作が行われた場合にのみ正解役を入賞させるが、当選領域14〜25および当選領域38〜49の選択当選種別に対しては、停止制御を変更し、遊技者の操作態様に拘わらず、当選役「小役1」〜「小役4」のいずれかを100%入賞させる。こうして、当選領域14〜25および当選領域38〜49の選択当選種別に当選した場合、非内部遊技状態においては、調整後の単位遊技当たりの期待獲得枚数が2.75枚であるにも拘わらず、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態においては15枚となる。したがって、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数を高く設定することができる。単位遊技当たりの期待獲得枚数の差分は、当選領域14〜25および当選領域38〜49のいずれかが決定される確率に12.3枚(15−2.75)を乗じることで導出できる。したがって、当選領域14〜25および当選領域38〜49のいずれかが決定される確率を調整すれば、単位遊技当たりの期待獲得枚数も調整可能であることが理解できる。
しかし、図14の当選種別抽選テーブルにおいては、当選領域2〜13に対して出玉率を低めるため当選領域26〜37を設け、さらに、それぞれのグループに対して当選領域の複製を行っているため、当選領域2〜49に亘る48の当選領域を設けなくてはならない。そうすると、メインROM200bやメインRAM200cの占有領域の増加を招いてしまう。特に、演出状態の遷移も遊技状態制御手段312で管理する場合、当選領域を容易に増加することはできない。そこで、当選領域の複製態様を工夫し、メインROM200bやメインRAM200cの占有領域の増加を抑制する。
例えば、図14を参照すると、当選領域14〜25および当選領域38〜49については、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態においては、遊技者の操作態様に拘わらず、払出枚数が15枚となる。したがって、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態においては、当選領域14〜25と当選領域38〜49との機能が等しくなる。換言すれば、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態においては、当選領域14〜25および当選領域38〜49のいずれか一方でその機能を果たせれば、他方の当選領域は設定しないでよいこととなる。
図15は、当選領域の集約を説明するための説明図である。例えば、図14における当選領域2〜13の各当選領域の置数は2146、当選領域14〜25の各当選領域の置数は143、当選領域26〜37の各当選領域の置数は716、当選領域38〜49の各当選領域の置数は47であったとする。ここで、図15のように、当選領域14〜25と当選領域38〜49とのRBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態(特定の遊技状態)の機能を当選領域14〜25に集約し(当選領域14〜25に対応するグループを設けず)、当選領域2〜13(第1グループ)の各当選領域の置数を2099、当選領域14〜25(第3グループ)の各当選領域の置数を190、当選領域26〜37(第2グループ)の各当選領域の置数を763に設定し直したとする。このように変更したとしても、選択当選種別全体の当選領域の合計置数に対する複製された当選領域の合計置数の割合は、2862:190とほぼ等しくなる。換言すれば、複製すべき2つの当選領域のうち、一方のみを複製し、他方を複製しなくとも当選領域の複製の機能を果たすことができる。具体的に、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態(特定の遊技状態)においては、遊技者の操作態様に拘わらず、払出枚数が15枚となる当選領域の比率を全体のa%にしたい場合、第3グループの合計置数/(第1グループの合計置数+第2グループの合計置数)をaとすればよい。したがって、当選領域の複製によるメモリの容量の増加は、2倍ではなく、1.5倍に留めることができる。こうして、当選種別抽選テーブルは図6のように構成されることとなる。
なお、ここでは、当選領域14〜25および当選領域38〜49のうち当選領域38〜49を削除し、当選領域14〜25のみを残す例を挙げて説明したが、当選領域14〜25を削除し、当選領域38〜49のみを残すとしてもよい。ただし、当選領域14〜25を残した方が、以下のように有利である。すなわち、当選領域14〜25(第1グループおよび第3グループ)の各当選領域の合計置数が当選領域26〜37(第2グループ)の各当選領域の合計置数より大きい。したがって、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態(特定の遊技状態)において、遊技者の操作態様に拘わらず、正解役を入賞させる当選領域の各当選領域の置数をその大きい置数範囲(例えば、0〜27468)から調整可能なので、単位遊技当たりの期待獲得枚数を細かく設定することができる。また、ここでは、当選領域14〜25のみを残す特定の遊技状態として、ボーナス遊技状態、特に、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態を挙げて説明したが、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、および、RBB作動中RB作動中遊技状態のいずれか1または複数を対象とする等、様々な遊技状態を採用することができる。
かかる構成により、当選領域の複製を実現しつつ、メインROM200bやメインRAM200cの占有領域の増加を抑制することが可能となる。
なお、当選種別「打順ナビ」のうち、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態において、1/4の確率で遊技者の操作態様に拘わらず正解役を入賞させたければ、当選領域の複製は行わず、当選領域14〜25全てを対象とすればよく、同様に、3/4の確率で遊技者の操作態様に拘わらず正解役を入賞させたければ、当選領域の複製は行わず、当選領域2〜13全てを対象とすればよい。このように、図15で示した3グループの当選領域の置数を調整することで、出玉率を微調整することが可能となる。
また、ここでは、2つのグループのうち一方のグループのみ当選領域を複製し、他方のグループに関しては複製しない例を挙げて説明したが、対象となるグループ数はこれに限らず、3以上のグループに対し、いずれかを集約して、1のグループのみ当選領域を複製し、他のグループに関しては複製しないとしてもよい。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図16は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120a、120b、120c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、リール110の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール110が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ116の操作、または、メダル投入部114へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段316は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ118の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ118が操作された時点における1の当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、図6に示した当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別または不当選を抽選結果として決定する。
また、コマンド送信手段316は、スタートスイッチ118の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別または不当選)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS400)
スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ152を駆動して左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転を開始し、左リール110a、中リール110b、右リール110cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を受け付けると、その操作に対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cのいずれかを停止制御する。
また、コマンド送信手段316は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ120a、120b、120cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、図3(b)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド送信手段316は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、遊技状態制御手段312は、RBB作動中遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をRBB作動中遊技状態から非内部遊技状態に移行する。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該1遊技を終了する。また、コマンド送信手段316は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、遊技状態制御手段312が、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態を順番に繰り返し移行させ、遊技状態を跨いでAT演出状態を実現するとともに、非内部遊技状態およびRBB内部中遊技状態の滞在遊技数を比較的短くし、かつ、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態の滞在遊技数を比較的長くすることで、平均的なリプ抜き出玉率を下限以上に設定するとともに、リプ込み出玉率を等しくしつつ、リプ込み出玉率の低減を図る例を挙げて説明した。しかし、遊技状態と演出状態との移行態様は、かかる場合に限らず、出玉率に応じて、様々な仕様を採用することができる。例えば、非内部遊技状態およびRBB内部中遊技状態の滞在遊技数を上述した例より長くし、一方で、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態の滞在遊技数を上述した例より短くすることでリプ抜き出玉率を上げることができる。
例えば、遊技状態制御手段312が、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態を繰り返し順次移行させる点は、上述した例と等しいが、RBB内部中遊技状態と、非内部遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態およびRBB作動中RB内部中遊技状態との滞在比率を5:5とする。このように、滞在遊技数が長くなったRBB内部中遊技状態を、非AT演出状態の主たる滞在遊技状態とし、非内部遊技状態、RBB作動中非内部遊技状態、および、RBB作動中RB内部中遊技状態をAT演出状態の主たる滞在遊技状態としてもよい。この場合、例えば、RBB内部中遊技状態(非AT演出状態)において、AT演出状態への移行が決定されると、遊技者に、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを表示させ、遊技状態をRBB内部中遊技状態からRBB作動中非内部遊技状態に移行させるとともに、演出状態を非AT演出状態からAT演出状態に移行させるとしてもよい。
かかる構成によっても、上述した例同様、RBB作動中遊技状態(RBB作動中非内部遊技状態、RBB作動中RB内部中遊技状態、RBB作動中RB作動中遊技状態)では、リプレイ役の当選確率を0にできる。そうすると、AT演出状態の主たる滞在遊技状態であるRBB作動中遊技状態でのリプ込み出玉率=リプ抜き出玉率となり、リプ込み出玉率をリプ抜き出玉率まで下げることが可能となる。したがって、全ての遊技状態を総合したとしても、リプ抜き出玉率の下限値を維持しつつ、リプ込み出玉率を低下させることができ、遊技性を高めることが可能となる。また、出玉率が100%以上の場合、リプ込み出玉率が等しい場合であっても、リプレイ役の当選確率が低いほど、リプ抜き出玉率が低くなり、リプ抜き出玉率としても有利である。さらに、AT演出状態におけるリプ抜き出玉率を設計する際、AT演出状態が長期滞在することを想定しているRBB作動中遊技状態においてリプレイ役自体が当選しないので、通常AT演出状態、インターバル演出状態、および、チャンスAT演出状態個々の出玉率、および、インターバル演出状態を経由したAT演出状態全体の出玉率の設計が容易になり、作業負担を軽減することができる。
また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき、正解役と、正解役とは異なる不正解役とが重複した当選種別であり、ストップスイッチに対する所定の正解操作態様による操作が前記正解役の入賞条件として設定された選択当選種別を含む複数種類の当選種別のいずれかを当選種別抽選により決定する当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に基づき、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールを回転制御し、回転しているリールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選種別抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、前記選択当選種別の当選時に前記正解操作態様を報知する補助演出を実行する補助演出報知手段と、前記補助演出を前記補助演出報知手段に実行させるAT演出状態を含む複数種類の演出状態のいずれかに移行させる演出状態制御手段と、非内部遊技状態、前記非内部遊技状態においてRBBボーナス役に当選したことに基づいて移行するRBB内部中遊技状態、前記RBBボーナス役が入賞したことに基づいて移行するRBB作動中非内部遊技状態、前記RBB作動中非内部遊技状態においてRBボーナス役に当選したことに基づいて移行するRBB作動中RB内部中遊技状態、前記RBボーナス役が入賞したことに基づいて移行するRBB作動中RB作動中遊技状態のいずれかに移行させる遊技状態制御手段と、前記当選種別抽選で決定した当選役の入賞に基づいて、前記当選役に対応する遊技媒体を払い出す払出制御手段と、を備え、前記リール制御手段は、前記当選種別抽選により特定の前記選択当選種別が決定された場合、前記非内部遊技状態より前記RBB作動中RB内部中遊技状態の方が、前記正解役が入賞する確率が高くなるように停止制御を異ならせ、前記当選種別抽選手段は、少なくとも前記RBB作動中非内部遊技状態においてリプレイ役を決定しない。
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき、正解役と、正解役とは異なる不正解役とが重複した当選種別であり、ストップスイッチに対する所定の正解操作態様による操作が前記正解役の入賞条件として設定された選択当選種別を含む複数種類の当選種別のいずれかを当選種別抽選により決定する当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に基づき、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールを回転制御し、回転しているリールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選種別抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、前記選択当選種別の当選時に前記正解操作態様を報知する補助演出を実行する補助演出報知手段と、前記補助演出を前記補助演出報知手段に実行させるAT演出状態を含む複数種類の演出状態のいずれかに移行させる演出状態制御手段と、非内部遊技状態、前記非内部遊技状態においてRBBボーナス役に当選したことに基づいて移行するRBB内部中遊技状態、前記RBBボーナス役が入賞したことに基づいて移行するRBB作動中非内部遊技状態、前記RBB作動中非内部遊技状態においてRBボーナス役に当選したことに基づいて移行するRBB作動中RB内部中遊技状態、前記RBボーナス役が入賞したことに基づいて移行するRBB作動中RB作動中遊技状態のいずれかに移行させる遊技状態制御手段と、を備え、前記リール制御手段は、前記当選種別抽選により、特定の前記選択当選種別が決定された場合、前記非内部遊技状態より前記RBB作動中RB内部中遊技状態の方が、前記正解役が入賞する確率が高くなるように停止制御を異ならせ、前記特定の選択当選種別と異なる所定の選択当選種別が決定された場合、前記非内部遊技状態と前記RBB作動中RB内部中遊技状態とで同一の停止制御を行い、前記RBB作動中RB作動中遊技状態では、前記正解役を含む正解当選種別、および、前記不正解役を含むが前記正解役を含まない不正解当選種別が決定され、前記当選種別抽選により、前記特定の選択当選種別が決定される第1確率、前記所定の選択当選種別が決定される第2確率、前記RBB作動中RB作動中遊技状態において前記正解当選種別が決定される第3確率、前記RBB作動中RB作動中遊技状態において前記不正解当選種別が決定される第4確率の関係は、前記第3確率<前記第2確率、かつ、前記第1確率<前記第4確率であり、前記当選種別抽選手段は、少なくとも前記RBB作動中非内部遊技状態においてリプレイ役を決定しない。