JP2020054276A - 嗜好性に優れた熟成豚肉およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】本発明は、味、ジューシーさ、香り、柔らかさ、旨味といった嗜好性に優れ、高品質で、かつ経済性にも優れた熟成豚肉、およびその調製方法を提供することを目的とする。また本発明は、このような熟成豚肉を利用した調理品または加工品を提供することを目的とする。【解決手段】皮および骨を除去しないままの豚のロース肉を原料としドライエイジング法により行う豚肉の熟成方法、前記方法により調製した熟成豚肉、及び前記熟成豚肉を利用した加工品または調理品を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、品質と経済性に優れた豚肉を得るための新しい熟成方法とその方法により調製された豚肉、さらにこの豚肉を利用した調理品および加工品に関する。
家畜の筋肉は、屠畜後に死後硬直を起こすため、食肉として適した軟らかさを得るために解硬と呼ばれる現象を経る必要がある。さらに熟成過程を経て、家畜の筋肉は食肉に適する状態となる。この間に、筋肉タンパク質は筋肉酵素により分解される。このタンパク質の分解は、食肉を軟らかくするとともに、生成するペプチドやアミノ酸により、食肉の食味向上にも寄与する。
牛肉の場合、解硬を終えた後に、さらに数週間から数か月にわたる長期間の熟成を行い、嗜好性を向上させ市場価値を高める試みが多く行われてきた。一方、豚肉の場合、牛肉のような長期間の熟成は一般的ではない。このため、豚肉の長期熟成に関する研究は乏しく、長期熟成の技術も十分に確立されてこなかった。また、食肉の嗜好性の向上を、熟成期間の延長以外の観点から目指した発明も多いが、いずれもある程度の嗜好性(食感や風味)の向上を目指すにとどまっている(特許文献1〜4)。
食肉の熟成方法は、大きく2種に分けることができる。すなわち、「ウェットエイジング(wet aging)法」と「ドライエイジング(dry aging)法」である(非特許文献1,2)。ウェットエイジング法は、食肉をある程度分割した肉塊にした後に、真空包装あるいはガス置換包装をして、低温下で貯蔵する方法である。熟成中は空気との接触が遮断されるため、乾燥や微生物汚染を抑えることができる熟成法である。しかし、以下に述べるドライエイジング法に比べ、嗜好性の向上の点において効果が劣るのが欠点である。
一方、ドライエイジング法は、枝肉をそのまま、あるいは分割したものを空気に接触させた状態で行う熟成方法である。この方法は乾燥により旨味成分等の濃縮が起こるなど、嗜好性を大きく向上させることが期待できる。しかし、この方法による熟成を行った場合、表面の乾燥部分やカビなどの微生物が増殖した部分を除去(トリミング)する必要がある。このため、ウェットエイジング法に比べると、高コストの熟成方法である。
ところで、これまでの豚肉の熟成には、屠畜後に得た豚枝肉を皮剥ぎと除骨した部分肉(ロース等)を用いるのが通常であった。イタリアのパルマハムやスペインのプロシュートといった生ハムは、皮剥ぎと除骨を行わずにモモ肉を利用しているが、これは肉塊(モモ肉)を塩漬(えんせき)する場合には皮の存在が塩の浸透を適度に抑える利点があり、皮剥ぎと除骨を経た塩との接触面積が大きいモモ肉を用いて長期塩漬を行うことはできないためである。豚ロース肉を主体とする生肉の熟成では、皮剥ぎと除骨を経たものを利用するのが一般的である。
現在、豚を屠畜した後に得る枝肉のほとんどは、皮剥ぎと除骨を経て部分肉となる。このような豚部分肉は、精肉への移行が容易であり、商業的なメリットが大きい。しかし、一方で、皮と骨を除去することにより、筋肉部分が露出され、器具や空気等との接触機会が著しく増加する。これは、微生物汚染のリスクを伴い、長期間の熟成中にはさらに微生物が増殖し、安全性の低下が懸念される。このため、長期間の熟成を経た場合、肉表面の除去(トリミング)が不可欠である。
しかし、トリミングによる汚染部分の除去は、熟成豚肉の経済的損失につながる。これまで皮剥ぎと除骨を行わない豚肉(皮・骨付き豚肉)を部分肉として調製する利点は、長期塩漬(えんせき)を経て製造する生ハム(モモ肉)など限られた食肉製品用途以外には見当たらず、日本国内外において入手さえ困難であった。本発明者らは、これまで豚肉の長期熟成の際には想像もつかなかった、皮や骨が付いたままの豚のロース肉を用いて、ドライエイジング法により熟成する方法を見出し、品質と経済性に優れた豚のロース肉を提供することが可能な本発明を完成させた。
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特開2002−125584号公報 特開2007−6820号公報 特開2009−189263号公報 特開2014−50339号公報
本発明は、味、ジューシーさ、香り、柔らかさ、旨味といった嗜好性に優れ、高品質で、かつ経済性にも優れた熟成豚肉、およびその調製方法を提供することを目的とする。また本発明は、このような熟成豚肉を利用した調理品または加工品を提供することを目的とする。
[1]本発明は、皮および骨を除去しないままの豚のロース肉を原料とし、一切の添加物を用いずにドライエイジング法により行う豚肉の熟成方法である。ドライエイジング法においては一切の添加物を用いずに行うことが好ましい。
[2]本発明は、熟成期間が21〜25日間の範囲である[1]に記載の熟成方法である。
[3]本発明は、熟成時の湿度が65〜75%の範囲である[1]または[2]に記載の熟成方法である。
[4]本発明は、熟成時の温度が0.5〜1.0℃の範囲である[1]〜[3]のいずれかに記載の熟成方法である。
[5]本発明は、熟成の際、肉塊を不織布で包んで行う[1]〜[4]のいずれかに記載の熟成方法である。
[6]本発明は、[1]〜[5]のいずれかに記載の熟成方法により調製した熟成豚肉である。
[7]本発明は、[6]に記載の熟成豚肉を利用した加工品または調理品である。
本発明により、豚のロース肉を、今まで思いもよらなかった皮や骨付きのまま熟成させることにより、味、ジューシーさ、香り、柔らかさ、旨味といった嗜好性に優れる高品質な熟成豚肉を提供でき、かつ熟成後のトリミングが不要となることから歩留まりが良く、経済性に優れた熟成豚肉を提供することができる。また本発明によりこの様な高付加価値の熟成豚肉の調製方法を提供することができる。さらに本発明により、この様な高付加価値の熟成豚肉を利用した調理品または加工品を提供することができる。
皮・骨有り豚ロース肉を背骨の中心軸に沿った方向からみた図である。 図1に示される皮・骨有り豚ロース肉を、(a)皮面側からみた図、(b)皮面を背にしてみた図である。 皮・骨有り豚ロース肉を用いて熟成を行った際の熟成期間を検討した結果(細菌数変化)である。 皮・骨有り豚ロース肉を用いて熟成を行った際の湿度および温度条件(条件1:湿度90〜95%、温度1.5〜2.0℃、条件2:湿度65〜75%、温度0.5〜1.0℃)を検討した結果(細菌数変化)である。 豚肉(「皮・骨無し」および「皮・骨有り」)の熟成前後における細菌数変化の結果を示す図である。 豚肉(「皮・骨無し」および「皮・骨有り」)を熟成させた際の歩留まりを測定した結果を示す図である。 豚肉(「皮・骨無し」および「皮・骨有り」)の熟成させた際のトリミング量(廃棄量)を比較した結果を示す図である。 豚肉(「皮・骨有り」)を熟成させた際の官能試験(味の良さ、ジューシーさ、香りの強度、柔らかさ)の結果を示す図である。
本発明は、皮および骨を除去しないままの豚のロース肉を、一切の添加物を用いずに、ドライエイジング法によって熟成する方法に関する。
皮および骨を除去しないままの豚のロース肉とは、豚を屠畜、解体した後の、皮や骨を除去していない、皮も骨もついた状態のロース肉の肉塊を示す。そのような皮・骨有り豚ロース肉を背骨の中心軸に沿った方向からみた図を図1に示す。図2は、図1に示される皮・骨有り豚ロース肉を、(a)皮面側からみた図、(b)皮面側を背にしてみた図である。
図1および図2に示されるように、皮・骨有り豚ロース肉10は、ロース芯11の周囲の皮下脂肪12が位置する側の表面には皮13が位置するため、皮・骨有り豚ロース肉10の皮面S1側は全て皮13により覆われている。皮・骨有り豚ロース肉10の背骨面S2側には、連続する椎骨14および棘突起15が位置するため、ロース肉の露出面積が制限されている。皮・骨有り豚ロース肉10の肋膜・筋膜面S3には、ロース肉と内臓とを隔てる肋膜および筋膜16が位置するため、ロース肉は露出しない。
上述した通り、このような皮・骨有り豚ロース肉10の状態で市場に流通することはなく、通常流通する肉塊は、解体後皮を剥ぎ骨を除いてある。このため、皮も骨もついた状態のロース肉を入手するためには、食肉製造業者に特別に注文するか、あるいは自ら屠畜、解体作業を行う必要がある。したがって、レストランなどロース肉の調理を行う事業者にとって、皮・骨有り豚ロース肉10を入手することは事実上不可能である。
本発明で使用する、皮および骨を除去しないままのロース肉の肉塊は、上記のとおり、皮13と背骨(椎骨14および棘突起15)の他、通常肋膜および筋膜16を含んでいる。肉が皮13と肋膜および筋膜16に覆われていることにより、皮13などが菌の侵入を防ぐ保護膜として働く。このため、熟成後のロース肉の皮面S1側からのトリミング量および肋膜・筋膜面S3側からのトリミング量を抑えることができる。さらに、ロース肉の背骨(椎骨14および棘突起15)により肉の露出が制限されているため、菌の侵入が防がれる。このため、背骨面S2側からのトリミング量も、背骨が除去されている場合に比べて抑えることができる。
ロース肉は、そのまま一切の添加物を用いずにドライエイジング法により熟成する。熟成は、ロース肉をそのまま、あるいは不織布などに包んで、一定の温度湿度の下で冷蔵貯蔵することにより行う。
熟成の際の温度、湿度、期間は、熟成において重要な要因である。熟成温度は、例えば約−5〜約10℃程度とすることができ、特に、約1.5〜約2.0℃の範囲が好ましい。熟成の際の湿度は、例えば約60〜約80%とすることができ、特に、約65〜約75%とすることが好ましい。また熟成期間は、例えば約3〜約4週間程度とすることができ、特に、21〜25日間程度とすることが好ましい。熟成期間が長くなると保管コストがかさみ製造原価の上昇につながるため、コストの面からもこの程度の期間とすることが好ましい。
「一切の添加物を用いず」とは、通常食肉の熟成の際に添加あるいは塗布して用いられる、酵素、油、麹、菌等の添加剤を全く使用しないことを意味する。一切の添加剤を用いないことにより、豚肉のみに由来する風味が生かされ、より嗜好性等の品質が高まる。
また本発明は、上記方法により調製した熟成豚肉、ならびにこの熟成豚肉を利用した加工品または調理品に関する。熟成豚肉は、味、ジューシーさ、香り、柔らかさ、旨味といった嗜好性に優れる高品質な豚肉である。そのためこの熟成豚肉を利用した加工品または調理品も嗜好性に優れ高品質な製品となる。
本発明により得られる熟成した豚肉の加工品または調理品は、特に限定されない。豚肉の加工品または調理品として、例えば、ハム、ソーセージ、またはトンカツを挙げることができる。このような豚肉の加工品または調理品は、熟成した豚肉を、従来公知の方法により加工、または調理することにより得られる。
以下、本発明を実施例で説明する。以下の実施例は、本発明を説明するために挙げた例であり、これにより本発明を限定するものではない。
(実施例1)
(豚肉の熟成)
成豚(ランドレース、大ヨークシャー、デュロック種の三元交雑種)のロース部分を原料肉として用いた。豚を屠畜後、皮を剥がない状態で枝肉にし、骨付きのままロース肉を得た。また、通常の方法で得た皮剥ぎと除骨をしたロース肉も用いた。熟成は、豚ロース肉を不織布に包み、1.5〜2.0℃、湿度65〜75%で冷蔵貯蔵することにより行った。冷蔵貯蔵(熟成)を終えた豚ロース肉は、皮を剥ぎ、除骨した後に冷凍または冷蔵保存した。
(実施例2)
(熟成期間の検討)
皮・骨有り豚ロース肉を用いて、実施例1の記載に従って熟成を行った。なお、熟成期間(冷蔵貯蔵期間)は、20、25、30日間とした。熟成前後における細菌数変化を測定した。すなわち、試料肉表面を綿棒で拭い、豚肉表面100cm当たりの一般細菌数を標準寒天培地を用いて計測した。
図3に示したように、熟成期間が30日間の場合、顕著な細菌数の増加が認められたため、25日間以内の熟成期間が望ましいと考えられた。また、熟成の効果を期待するという観点から、以後の検討では24日間を熟成期間(冷蔵貯蔵期間)とすることにした。
(実施例3)
(熟成湿度および温度の検討)
皮・骨有り豚ロース肉を用いて、実施例1の記載に従って熟成を行った。なお、熟成期間(冷蔵貯蔵期間)は24日間とした。湿度・温度条件は、条件1:湿度90〜95%、温度1.5〜2.0℃、条件2:湿度65〜75%、温度0.5〜1.0℃を用いた。熟成条件による細菌数の違いを、実施例2の記載に従って測定した。
図4に示したように、熟成条件2は熟成条件1に比べて、熟成期間中の細菌数増加が顕著に抑えられていた。このため、以後の検討では、熟成条件2、すなわち、湿度65〜75%、温度0.5〜1.0℃という条件を採用することにした。
(実施例4)
(熟成中における細菌数の変化)
皮・骨有り豚ロース肉および皮・骨無し豚ロース肉を用いて、実施例1の記載に従って、熟成を行った。熟成前後における細菌数変化を、実施例2の記載に従って測定した。
図5に示したように、(1)皮・骨無し豚ロース肉では、熟成中に細菌数が顕著に増加したが、(2)皮・骨有り豚ロース肉では、細菌数の増加はなかった変化がなかった。この結果から、皮・骨有りの状態の豚ロース肉を用いてドライエイジング法による熟成を行うことにより、微生物学的に安全性の高い熟成豚を提供できることが判明した。
(実施例5)
(熟成が歩留まりに及ぼす影響)
皮・骨有り豚ロース肉および皮・骨無し豚ロース肉を用いて、実施例1の記載に従って、熟成を行った。熟成後のそれぞれの肉の歩留まりを測定した。すなわち、皮・骨有豚肉の熟成後にトリミングした皮・骨の重量、皮・骨無豚肉の加工時に除去した皮・骨の重量を、それぞれの豚肉から差し引いたものから、それぞれの豚肉の乾燥、変色等のトリミング量を差し引いて歩留まりを算出した。
図6に示したように、熟成後の肉の歩留まり(%)は、皮・骨無しの豚ロースに比べて、皮・骨有りの豚ロース肉で有意に高い値を示した。この結果から、皮・骨有りの状態の豚ロース肉を用いてドライエイジング法による熟成を行うことにより、高い歩留まりで経済性の高い熟成豚肉の製造を期待できることが判明した。
(実施例6)
(熟成がトリミング量に及ぼす影響)
皮・骨有り豚ロース肉および皮・骨無し豚ロース肉を用いて、実施例1の記載に従って、熟成を行った。熟成後のそれぞれの肉のトリミング量(廃棄量)を測定した。すなわち、それぞれの豚肉の、乾燥、変色、脂肪の固化により、食品としての商品価値が無いと判定された部分のトリミング量(重量)を測定した。
図7に示したように、熟成後に必要としたトリミング量(%)は、皮・骨無しの豚ロースに比べて、皮・骨有りの豚ロース肉で有意に低い値を示した。この結果から、皮・骨有りの状態の豚ロース肉を用いてドライエイジング法による熟成を行うことにより、トリミング量を抑えて経済性の高い熟成豚肉の製造が期待できることが判明した。
(実施例7)
(熟成豚肉の嗜好性評価)
実施例1の方法(熟成期間24日、湿度65〜75%、温度0.5〜1.0℃)で得られた皮・骨有り豚肉から調製した熟成豚肉の嗜好性を、官能試験により評価した。すなわち、一般人13人からなるパネラーに、味、ジューシーさ、香り、柔らかさについて、未熟成の豚肉を対象として、5段階で評価してもらった。
図8に示したように、4つの評価項目(味の良さ、ジューシーさ、香りの強度、柔らかさ)で、熟成を経ない豚肉(未熟成)と比較して、皮・骨有りの状態で熟成させて調製した豚肉が高い評価を得た。この結果から、本発明による熟成方法は、嗜好性の高い熟成豚肉をもたらす技術であることが実証された。
(実施例8)
(熟成豚肉の遊離アミノ酸含量の測定)
実施例1の方法(熟成期間24日、湿度65〜75%、温度0.5〜1.0℃)で得られた皮・骨有り豚肉から調製した熟成豚肉中の遊離アミノ酸含量を測定した。豚肉中の18種類の遊離アミノ酸は、常法に従って試料を調製し、全自動高速アミノ酸分析機を用いて分析した。
表1に示したように、皮・骨有りの状態の豚肉を用いて熟成することにより、ほとんどのアミノ酸含量が増加した。とくに、旨味への寄与が大きいグルタミン酸含量の増加が顕著であったことが注目される。この結果は、嗜好性試験(官能試験)の結果(味の良さ)を裏付けるものであった。
本発明により、味、ジューシーさ、香り、柔らかさ、旨味が良好で、嗜好性に優れる高品質な熟成豚肉、並びにこのような熟成豚肉を利用した嗜好性に優れる高品質な加工品または調理品を提供することが可能となる。
10 :皮・骨有豚ロース肉
11 :ロース芯
12 :皮下脂肪
13 :皮
14 :椎骨
15 :棘突起
16 :肋膜および筋膜
S1 :皮面
S2 :背骨面
S3 :筋膜面

Claims (7)

  1. 皮および骨を除去しないままの豚のロース肉を原料とし、ドライエイジング法により行う豚肉の熟成方法。
  2. 熟成期間が21〜25日間の範囲である請求項1に記載の熟成方法。
  3. 熟成時の湿度が65〜75%の範囲である請求項1または2に記載の熟成方法。
  4. 熟成時の温度が0.5〜1.0℃の範囲である請求項1〜3のいずれか一項に記載の熟成方法。
  5. 熟成の際、肉塊を不織布で包んで行う請求項1〜4のいずれか一項に記載の熟成方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熟成方法により調製した熟成豚肉。
  7. 請求項6に記載の熟成豚肉を利用した加工品または調理品。
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JP5089127B2 (ja) 非加熱食肉製品の製造方法及び非加熱食肉製品

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