JP2020051550A - クラッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コーン面の食い付き現象が発生しても、コーン面の食い付き現象を容易に解除することができるマルチコーンタイプのクラッチ装置を得る。【解決手段】クラッチ装置は、第1回転体と、第2回転体と、第1コーン面を有する第1回転体と一体に回転する第1リングと、第2コーン面と第3コーン面とを有する第2リングと、第4コーン面を有する第3リングと、を備えている。第1リングが第1方向の反対の第2方向に移動する過程で、第1リングと一体に第2方向に移動する第2リングが第1回転体と軸方向に当たる。【選択図】図6
Description
本発明は、クラッチ装置に関する。
従来、それぞれがコーン面を有した複数のリングを第1回転体と第2回転体との間に備えた所謂マルチコーンタイプのクラッチ装置が知られている。このクラッチ装置では、互いに重ねられた二つのコーン面同士の摩擦力によって、複数のリングを結合させることにより、第1回転体と第2回転体とを連結することができる。
この種のマルチコーンタイプのクラッチ装置では、例えば、当該クラッチ装置の大きさを大きくせずに当該クラッチ装置のトルク容量(伝達可能のトルクの大きさ)を確保しようとする場合には、リングの中心軸に対するコーン面の傾斜角を小さくすればよい。しかしながら、中心軸に対するコーン面の傾斜角を小さくすると、コーン面同士を押し付ける押付力を解除してもコーン面同士が嵌り合って離れない所謂食い付き現象が生じやすいという問題がある。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、コーン面の食い付き現象が発生しても、コーン面の食い付き現象を容易に解除することができるマルチコーンタイプのクラッチ装置を得ることである。
本発明のクラッチ装置は、中心軸回りに回転可能な第1回転体と、前記第1回転体に対して前記中心軸に沿った第1方向に位置され、前記中心軸回りに回転可能な第2回転体と、前記第1方向に向かうにつれて前記中心軸の径方向の外側に広がるように前記中心軸に対して傾斜している前記径方向の内側を向いた第1コーン面を有し、前記第1回転体と一体に前記中心軸回りに回転する第1リングと、前記第1コーン面に対して前記径方向の内側に位置され、前記第1コーン面に面するとともに前記第1コーン面に沿い、前記第1コーン面が第1方向に押し付けられることにより前記第1コーン面との間で摩擦力を発生する第2コーン面と、前記第2コーン面の反対側に位置され前記第1方向に向かうにつれて前記径方向の外側に広がるように前記中心軸に対して傾斜している前記径方向の内側を向いた第3コーン面と、を有し、前記第2回転体と一体に前記中心軸回りに回転する第2リングと、前記第3コーン面に対して前記径方向の内側に位置され、前記第3コーン面に面するとともに前記第3コーン面に沿い、前記第3コーン面が第1方向に押し付けられることにより前記第3コーン面との間で摩擦力を発生する第4コーン面、を有し、前記第1回転体および前記第1リングと一体に前記中心軸回りに回転する第3リングと、を備え、前記第1リングが前記第1方向の反対の第2方向に移動する過程で、前記第1リングと一体に前記第2方向に移動する前記第2リングが前記第1回転体と前記中心軸の軸方向に当たる。
このような構成によれば、例えば、第1リングが第2方向に移動する過程で、第1リングと一体に第2方向に移動する第2リングが第1回転体と軸方向に当たることにより、第2リングの第2方向への移動が制限される。これにより、第2方向へ移動する第1リングの第1コーン面が第2リングの第2コーン面から離間する。よって、例えば、第1コーン面と第2コーン面との間に食い付き現象が発生しても、第1コーン面と第2コーン面との間の食い付き現象を容易に解除することができる。
また、前記クラッチ装置では、例えば、前記中心軸に対する前記第3コーン面の傾斜角が、前記中心軸に対する前記第1コーン面の傾斜角よりも大きい。
このような構成によれば、例えば、第1コーン面と第2コーン面との間は、第3コーン面と第4コーン面との間に比べて、楔効果が大きくなるので、伝達可能なトルクの大きさを大きくしやすい。一方、第3コーン面と第4コーン面との間は、第1コーン面と第2コーン面との間よりも食い付き現象の発生を抑制することができる。
また、前記クラッチ装置では、例えば、前記第3リングは、前記第4コーン面の反対側に位置され前記第1方向に向かうにつれて前記径方向の外側に広がるように前記中心軸に対して傾斜している前記径方向の内側を向いた第5コーン面を有し、前記第2回転体は、前記第5コーン面に対して前記径方向の内側に位置され、前記第5コーン面に面するとともに前記第5コーン面に沿い、前記第5コーン面が第1方向に押し付けられることにより前記第5コーン面との間で摩擦力を発生する第6コーン面を有し、前記第1コーン面と前記第3コーン面と前記第5コーン面とのうちで前記中心軸に対する傾斜角が最も大きいのは、前記第3コーン面または前記第5コーン面である。
このような構成によれば、例えば、第1コーン面と第2コーン面との間は、第3コーン面と第4コーン面との間または第5コーン面と第6コーン面との間よりも、楔効果が大きくなるので、伝達可能なトルクの大きさを大きくしやすい。一方、第3コーン面と第4コーン面との間または第5コーン面と第6コーン面との間は、第1コーン面と第2コーン面との間よりも食い付き現象の発生を抑制することができる。
また、前記クラッチ装置では、例えば、前記第1コーン面と前記第3コーン面と前記第5コーン面とのうちで前記中心軸に対する傾斜角が最も大きいのは、前記第3コーン面であり、前記第1リングおよび前記第3リングが前記第2方向に移動する過程で、前記第1リングと一体に前記第2方向に移動する前記第2リングが前記第1回転体と前記軸方向に当たる。
このような構成によれば、例えば、第1コーン面と第2コーン面との間および第5コーン面と第6コーン面との間は、第3コーン面と第4コーン面との間よりも、楔効果が大きくなるので、伝達可能なトルクの大きさを大きくしやすい。一方、第3コーン面と第4コーン面との間は、第1コーン面と第2コーン面との間および第5コーン面と第6コーン面との間よりも食い付き現象の発生を抑制することができる。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。なお、本明細書において、序数は、部品や部位等を区別するために用いられており、順番や優先度を示すものではない。また、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のクラッチ装置1を示した例示的な断面図である。クラッチ装置1は、例えば、車両の手動変速機等に設けられる。なお、クラッチ装置1は、手動変速機以外の装置に設けられてもよい。
図1は、第1実施形態のクラッチ装置1を示した例示的な断面図である。クラッチ装置1は、例えば、車両の手動変速機等に設けられる。なお、クラッチ装置1は、手動変速機以外の装置に設けられてもよい。
図1に示されるように、クラッチ装置1は、ハブ11と、ギヤ12と、第1リング13と、第2リング14と、第3リング15と、を備えている。クラッチ装置1は、所謂トリプルコーンタイプである。ハブ11、ギヤ12、および第1〜第3リング13〜15は、それぞれ、シャフト5の中心軸Ax1回りに回転可能に設けられている。なお、以下では、特に言及しない限り、軸方向、径方向、および周方向は、それぞれ、中心軸Ax1の、軸方向、径方向、および周方向である。ハブ11とギヤ12とは、軸方向に並べられ、第1〜第3リング13〜15は、それぞれ、ハブ11とギヤ12との間に位置されている。クラッチ装置1は、ハブ11とギヤ12との接続状態(結合状態)および遮断状態(非結合状態)を切り替えることが可能である。クラッチ装置1は、ハブ11の回転数とギヤ12の回転数とを第1〜第3リング13〜15によって同期させることが可能である。中心軸Ax1は、回転中心とも称される。
ハブ11は、中心軸Ax1回りに回転可能にシャフト5に支持されている。具体的には、ハブ11は、シャフト5に固定され、シャフト5と一体にAx1回りに回転する。ハブ11は、軸方向への移動が制限されている。ハブ11は、第1回転体の一例である。第1回転体は、第1回転部材とも称される。
ハブ11は、シャフト5に固定された筒部11aと、筒部11aから径方向の外側に張り出した円環状のフランジ部11bと、を有している。
フランジ部11bには、複数の溝部11cが設けられている。なお、図1等では、複数の溝部11cのうち一つの溝部11cだけが示されている。複数の溝部11cは、周方向に互いに間隔を空けて設けられている。溝部11cは、フランジ部11bを軸方向に貫通するとともに、径方向の外側に向けて開口している。溝部11cは、開口部の一例である。
また、フランジ部11bには、第1リング13と連結される受部11dが設けられている。受部11dは、フランジ部11bにおいて溝部11cに面した部分によって構成されている。換言すると、受部11dは、溝部11cを形成している。受部11dは、連結部とも称される。
ギヤ12は、ハブ11に対して中心軸Ax1に沿った第1方向D1に位置されている。第1方向D1は、ハブ11からギヤ12に向かう方向と言うことができる。ギヤ12は、中心軸Ax1回りに回転可能にシャフト5に支持されている。具体的には、ギヤ12は、シャフト5と相対回転可能にベアリング30を介してシャフト5に支持されており、中心軸Ax1回りに回転する。ギヤ12は、軸方向への移動が制限されている。ギヤ12は、第2回転体の一例である。第2回転体は、第2回転部材とも称される。
ギヤ12は、ギヤ本体17と、連結部材18と、を有している。ギヤ本体17は、他のギヤ19と噛み合っている。他のギヤ19は、シャフト5と平行な他のシャフト20に設けられ、シャフト20と一体にシャフト20の中心軸Ax2回りに回転する。ギヤ本体17は、ギヤ部材とも称される。
連結部材18は、ギヤ本体17に固定され、ギヤ本体17と一体に中心軸Ax1に回りに回転する。連結部材18は、ギヤ本体17に対して第1方向D1の反対の第2方向D2に位置されている。連結部材18は、中心軸Ax1回りに環状に形成されている。詳しくは、連結部材18は、ギヤ本体17に固定された筒部18aと、筒部18aから径方向外側に張り出した円環状のフランジ部18bと、を有している。筒部18aには、第6コーン面C6が設けられている。
フランジ部18bには、複数の溝部18cが設けられている。なお、図1等では、複数の溝部18cのうち一つの溝部18cだけが示されている。複数の溝部18cは、周方向に互いに間隔を空けて設けられている。溝部18cは、フランジ部18bを軸方向に貫通するとともに、径方向の外側に向けて開口している。溝部18cは、開口部の一例である。
また、フランジ部18bには、第2リング14と連結される受部18dが設けられている。受部18dは、フランジ部18bにおいて溝部18cに面した部分によって構成されている。換言すると、受部18dは、溝部18cを形成している。受部18dは、連結部とも称される。
第1〜第3リング13〜15は、それぞれ、中心軸Ax1回りの円環状に形成されている。第1〜第3リング13〜15は、径方向に重ねられている。第2リング14は、第1リング13に対して径方向の内側に位置され、第3リング15は、第2リング14に対して径方向の内側に位置されている。
図2は、第1実施形態のクラッチ装置1の一部を示した例示的な断面図であって、第1リング13が接続位置に位置された状態の断面図である。
図2に示されるように、第1リング13は、筒部13aと、複数の爪部13bと、レバー部13cと、を有している。なお、図2等では、複数の爪部13bのうち一つだけが示されている。爪部13bは、連結部とも称される。
筒部13aは、中心軸Ax1回りの円環状に形成されている。筒部13aの内周部には、第1コーン面C1が設けられている。
複数の爪部13bは、筒部13aの第2方向D2の端部に設けられ、当該端部から第2方向D2に突出している。複数の爪部13bは、周方向に互いに間隔を空けて設けられている。爪部13bは、ハブ11の溝部11cに入れられた状態で、ハブ11の受部11dと連結され、受部11dと一体に中心軸Ax1回りに回転する。また、爪部13bは、受部11dに対して軸方向に移動可能である。すなわち、第1リング13は、ハブ11に対して軸方向に移動可能かつハブ11と一体に中心軸Ax1回りに回転するようにハブ11と連結されている。
レバー部13cは、筒部13aの外周部から径方向の外側に延びている。レバー部13cは、不図示のフォークと連結されて、フォークによる操作を受ける。レバー部13cひいては第1リング13は、フォークによって軸方向に移動される。
第2リング14は、筒部14aと、複数の爪部14bと、を有している。なお、図2等では、複数の爪部14bのうち一つだけが示されている。
筒部14aは、中心軸Ax1回りの円環状に形成されている。筒部14aの外周部には、第2コーン面C2が設けられ、筒部14aの内周部には、第3コーン面C3が設けられている。すなわち、第3コーン面C3は、第2コーン面C2の反対側に位置されている。
複数の爪部14bは、筒部14aの第1方向D1の端部に設けられ、当該端部から第1方向D1に突出している。複数の爪部14bは、周方向に互いに間隔を空けて設けられている。爪部14bは、ギヤ12の溝部18cに入れられた状態で、ギヤ12の受部18dと連結され、受部18dと一体に中心軸Ax1回りに回転する。また、爪部14bは、受部18dに対して軸方向に移動可能である。すなわち、第2リング14は、ギヤ12に対して軸方向に移動可能かつギヤ12と一体に中心軸Ax1回りに回転するようにギヤ12と連結されている。
第2リング14は、筒部14aの一部と爪部14bとを含むベース部材21と、第2コーン面C2を含む摩擦材22と、第3コーン面C3を含む摩擦材23との組み合わせによって構成されている。摩擦材22,23は、例えば、複数のカーボンの粒子を合成樹脂材料で固めた構成である。
第3リング15は、筒部15aと、複数の爪部15bと、を有している。なお、図2等では、複数の爪部15bのうち一つだけが示されている。
筒部15aは、中心軸Ax1回りの円環状に形成されている。筒部15aの外周部には、第4コーン面C4が設けられ、筒部15aの内周部には、第5コーン面C5が設けられている。すなわち、第5コーン面C5は、第4コーン面C4の反対側に位置されている。
複数の爪部15bは、筒部15aの第2方向D2の端部に設けられ、当該端部から第2方向D2に突出している。複数の爪部15bは、周方向に互いに間隔を空けて設けられている。爪部15bは、ハブ11の溝部11cに、第1リング13の爪部13bとともに入れられた状態で、ハブ11の受部11dと連結され、受部11dと一体に中心軸Ax1回りに回転する。また、爪部15bは、受部11dに対して軸方向に移動可能である。すなわち、第3リング15は、第3リング15に対して軸方向に移動可能かつハブ11および第1リング13と一体に中心軸Ax1回りに回転するようにハブ11と連結されている。
第3リング15は、第4コーン面C4を含む筒部15aの一部と爪部15bとを含むベース部材24、第5コーン面C5を含む摩擦材25との組み合わせによって構成されている。摩擦材25は、例えば、複数のカーボンの粒子を合成樹脂材料で固めた構成である。
次に、第1〜第6コーン面C1〜C6について詳細に説明する。図2に示されるように、第1〜第6コーン面C1〜C6は、それぞれ、第1方向D1に向かうにつれて中心軸Ax1の径方向の外側に向かうように中心軸Ax1に対して傾斜している。すなわち、第1〜第6コーン面C1〜C6は、それぞれ、第1方向D1に向かうにつれて中心軸Ax1の径方向の外側に広がるように中心軸Ax1に対して傾斜している。
第1リング13の第1コーン面C1は、径方向の内側を向いている。第2コーン面C2は、第1コーン面C1に対して径方向の内側に位置されて、径方向の外側を向いて第1コーン面C1に面している。第2コーン面C2は、第1コーン面C1に沿っており、第2コーン面C2と第1コーン面C1とは、互いに平行である。すなわち、中心軸Ax1に対する第2コーン面C2の傾斜角度と、中心軸Ax1に対する第1コーン面C1の傾斜角度は、同一である。以後、中心軸Ax1に対する第1コーン面C1および第2コーン面C2の傾斜角度をθaを用いて説明する場合がある。ここで、図2中の複数の直線L1は、それぞれ、第1コーン面C1、第3コーン面C3、および第5コーン面C5からの延長線であり、直線L2は、中心軸Ax1と平行な線である。
第2コーン面C2は、第1コーン面C1が第1方向D1に押し付けられることにより第1コーン面C1との間で摩擦力を発生する。これにより、第1リング13と第2リング14との間でトルクが伝達される。第2コーン面C2に対する第1コーン面C1の押し付けが解除されて、第1コーン面C1と第2コーン面C2との間に摩擦力が発生しない場合には、第1リング13と第2リング14との間でトルクが伝達されない。
第3コーン面C3は、径方向の内側を向いている。第4コーン面C4は、第3コーン面C3に対して径方向の内側に位置され、径方向の外側を向いて第3コーン面C3に面している。第4コーン面C4は、第3コーン面C3に沿っており、第4コーン面C4と第3コーン面C3とは、互いに平行である。すなわち、中心軸Ax1に対する第4コーン面C4の傾斜角度と、中心軸Ax1に対する第3コーン面C3の傾斜角度は、同一である。以後、中心軸Ax1に対する第3コーン面C3および第4コーン面C4の傾斜角度をθbを用いて説明する場合がある。
第4コーン面C4は、第3コーン面C3が第1方向D1に押し付けられることにより第3コーン面C3との間で摩擦力を発生する。これにより、第2リング14と第3リング15との間でトルクが伝達される。第4コーン面C4に対する第3コーン面C3の押し付けが解除されて、第3コーン面C3と第4コーン面C4との間に摩擦力が発生しない場合には、第2リング14と第3リング15との間でトルクが伝達されない。
第5コーン面C5は、径方向の内側を向いている。第6コーン面C6は、第5コーン面C5に対して径方向の内側に位置されて、径方向の外側を向いて第5コーン面C5に面している。第6コーン面C6は、第5コーン面C5に沿っており、第6コーン面C6と第5コーン面C5とは、互いに平行である。すなわち、中心軸Ax1に対する第6コーン面C6の傾斜角度と、中心軸Ax1に対する第5コーン面C5の傾斜角度は、同一である。以後、中心軸Ax1に対する第5コーン面C5および第6コーン面C6の傾斜角度をθcを用いて説明する場合がある。
第6コーン面C6は、第5コーン面C5が第1方向D1に押し付けられることにより第5コーン面C5との間で摩擦力を発生する。これにより、第3リング15とギヤ12との間でトルクが伝達される。第6コーン面C6に対する第5コーン面C5の押し付けが解除されて、第5コーン面C5と第6コーン面C6との間に摩擦力が発生しない場合には、第3リング15とギヤ12との間でトルクが伝達されない。
第1および第2コーン面C1,C2と、第3および第4コーン面C3,C4と、第5および第6コーン面C5,C6と、のうちで、中心軸Ax1に対する傾斜角度θa,θb,θcが最も大きいのは、第3および第4コーン面C3,C4である。すなわち、中心軸Ax1に対する第3および第4コーン面C3,C4の傾斜角度θbが、中心軸Ax1に対する第1および第2コーン面C1,C2の傾斜角度θa、および中心軸Ax1に対する第5および第6コーン面C5,C6の傾斜角度θcよりも大きい。中心軸Ax1に対する第3および第4コーン面C3,C4の傾斜角度θbは、第3コーン面C3と第4コーン面C4との間に食い付き現象が発生しない角度に設定されている。また、中心軸Ax1に対する第1および第2コーン面C1,C2の傾斜角度θaと、中心軸Ax1に対する第5および第6コーン面C5,C6の傾斜角度θcとは、同一である。なお、中心軸Ax1に対する第1および第2コーン面C1,C2の傾斜角度θaと、中心軸Ax1に対する第5および第6コーン面C5,C6の傾斜角度θcとは、異なっていてもよい。
次に、第1リング13と第3リング15との連結構造について説明する。図3は、第1実施形態のクラッチ装置1における第1リング13と第3リング15との連結構造を示した例示的な斜視図である。図4は、第1実施形態のクラッチ装置1における第1リング13と第3リング16との連結構造を示した分解斜視図である。
図3,4に示されるように、第1リング13と第3リング15とは、第1リング13の爪部13bと、第3リング15の爪部15bとの引っ掛かりによってなされている。
第1リング13の爪部13bは、第1部分13dと、第2部分13eと、第3部分13fと、を有している。第1部分13dは、筒部13aの第2方向D2の端部から第2方向D2に突出している。第1部分13dは、周方向に沿って延びている。
第3リング15の爪部15bには、溝部15cが設けられている。溝部15cは、爪部15bを径方向に貫通するとともに、周方向の一方側に向けて開口している。この溝部15cに第1リング13の爪部13bにおける第3部分13fが入れられている。第3部分13fは、爪部15bとハブ11の受部11dとによって周方向の移動が制限されている。溝部15cは、開口部の一例である。
また、爪部15bには、受部15dが設けられている。受部15dは、爪部15bにおいて溝部15cに面した部分によって構成されている。換言すると、受部15dは、溝部15cを形成している。受部15dは、軸方向に互いに間隔を空けて位置された一対の接触面15e,15fと、一対の接触面15e,15fを接続した接続面15gと、を有している。接触面15fは、接触面15eの第1方向D1に位置されている。一対の接触面15e,15f間に第1リング13の爪部13bにおける第3部分13fが位置されている。一対の接触面15e,15fの軸方向の間隔、すなわち溝部15cの軸方向の幅(長さ)は、第3部分13fの軸方向の幅(長さ)よりも大きい。受部15dは、連結部とも称される。
次に、クラッチ装置1の動作を図2,5,6を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態のクラッチ装置1の一部を示した例示的な断面図であって、第1リング13が図2の位置よりも第2方向D2に位置された状態の断面図である。図6は、第1実施形態のクラッチ装置1の一部を示した例示的な断面図であって、第1リング13が図5の位置よりも第2方向D2に位置された状態の断面図である。
図2に示されるように、第1リング13が接続位置に位置された状態では、第1コーン面C1が第2コーン面C2に押し付けられ、第3コーン面C3が第4コーン面C4に押し付けられ、第5コーン面C5が第6コーン面C6に押し付けられている。この状態では、第1リング13と第2リング14とが、第1コーン面C1と第2コーン面C2との間の摩擦力によって結合され、第2リング14と第3リング15とが第3コーン面C3と第4コーン面C4との摩擦力によって結合される。これにより、ハブ11、ギヤ12、第1〜第3リング13〜15が一体に回転する。この状態では、第1リング13の爪部13bにおける第3部分13fと第3リング15の受部15dにおける接触面15e,15fとが、軸方向に離間している。また、第2リング14の第2方向D2の端面14dと、ハブ11のフランジ部11bの第1方向D1の端面11eとが、軸方向に離間している。端面14dおよび端面11eは、接触部とも称される。
上記の状態から、第1リング13が第2方向D2へ移動されると、第3コーン面C3と第4コーン面C4とが分離、すなわち第2リング14と第3リング15とが分離する。これにより、第3リング15がギヤ12と結合されて軸方向に移動しない状態で、第1リング13と第2リング14とが一体に第2方向D2に移動し、第1リング13の第3部分13fが第3リング15の接触面15eに軸方向に当たる(図5)。これにより、第3リング15が第1リング13によって第2方向D2へ移動される。すなわち、第1〜第3リング13〜15が第2方向D2に一体に移動する。この移動によって、第5コーン面C5と第6コーン面C6とが分離、すなわち第3リング15とギヤ12とが分離する。
第1リング13が更に第2方向D2へ移動されると、第1リング13と一体に第2方向D2に移動する第2リング14の端面14dが、ハブ11の端面11eに軸方向に当たる(図6)。これにより、第2リング14の第2方向D2への移動がハブ11によって制限され、第2リング14が停止する。そして、第1リング13が更に第2方向D2へ移動されると、第1コーン面C1と第2コーン面C2とが分離、すなわち第1リング13と第2リング14とが分離する。
このように、本実施形態では、まず、第3コーン面C3と第4コーン面C4とが分離し、次に、第5コーン面C5と第6コーン面C6とが分離し、次に、第1コーン面C1と第2コーン面C2とが分離する。
以上のように、本実施形態では、第1リング13が第2方向D2に移動する過程で、第1リング13と一体に第2方向D2に移動する第2リング14がハブ11(第1回転体)と軸方向に当たる。このような構成によれば、例えば、第1リング13が第2方向D2に移動する過程で、第1リング13と一体に第2方向D2に移動する第2リング14がハブ11と軸方向に当たることにより、第2リング14の第2方向D2への移動が制限される。これにより、第2方向D2へ移動する第1リング13の第1コーン面C1が第2リング14の第2コーン面C2から離間する。よって、例えば、第1コーン面C1と第2コーン面C2との間に食い付き現象が発生しても、第1コーン面C1と第2コーン面C2との間の食い付き現象を容易かつ確実に解除することができる。
また、本実施形態では、例えば、中心軸Ax1に対する第3コーン面C3の傾斜角度θbが、中心軸Ax1に対する第1コーン面C1の傾斜角度θaよりも大きい。このような構成によれば、例えば、第1コーン面C1と第2コーン面C2との間は、第3コーン面C3と第4コーン面C4との間に比べて、楔効果が大きくなるので、伝達可能なトルクの大きさを大きくしやすい。一方、第3コーン面C3と第4コーン面C4との間は、第1コーン面C1と第2コーン面C2との間よりも食い付き現象の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、例えば、第1コーン面C1と第3コーン面C3と第5コーン面C5とのうちで中心軸Ax1に対する傾斜角度θa,θb,θcが最も大きいのは、第3コーン面C3である。このような構成によれば、例えば、第1コーン面C1と第2コーン面C2との間および第5コーン面C5と第6コーン面C6との間は、第3コーン面C3と第4コーン面C4との間よりも、楔効果が大きくなるので、伝達可能なトルクの大きさを大きくしやすい。一方、第3コーン面C3と第4コーン面C4は、第1コーン面C1と第2コーン面C2との間および第5コーン面C5と第6コーン面C6との間よりも食い付き現象の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1および第2コーン面C1,C2と、第3および第4コーン面C3,C4と、第5および第6コーン面C5,C6と、のうちで、中心軸Ax1に対する傾斜角度θa,θb,θcが最も大きいのが、第3および第4コーン面C3,C4である例が示されたが、これに限定されない。例えば、第1および第2コーン面C1,C2と、第3および第4コーン面C3,C4と、第5および第6コーン面C5,C6と、のうちで、中心軸Ax1に対する傾斜角度θa,θb,θcが最も大きいのは、第5および第6コーン面C5,C6であってもよい。この場合、例えば、第1〜第3リング13〜15が第2方向D2に移動する過程で、第3リング15がハブ11に軸方向に当たった後に、第2リング14がハブ11に軸方向に当たるように、ハブ11に接触面を設ければよい。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態のクラッチ装置1の一部を示した例示的な断面図である。本実施形態のクラッチ装置1は、上記第1実施形態のクラッチ装置1と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。以下では、本実施形態のクラッチ装置1において、第1実施形態のクラッチ装置1に対して異なる構成を主に説明する。本実施形態のクラッチ装置1は、ダブルコーンタイプである。すなわち、本実施形態では、第5コーン面C5および第6コーン面C6が中心軸Ax1と平行である。
図7は、第2実施形態のクラッチ装置1の一部を示した例示的な断面図である。本実施形態のクラッチ装置1は、上記第1実施形態のクラッチ装置1と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の効果が得られる。以下では、本実施形態のクラッチ装置1において、第1実施形態のクラッチ装置1に対して異なる構成を主に説明する。本実施形態のクラッチ装置1は、ダブルコーンタイプである。すなわち、本実施形態では、第5コーン面C5および第6コーン面C6が中心軸Ax1と平行である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、または変更を行うことができる。また、上述した実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。例えば、第1回転体と第2回転体とは、ハブ11およびギヤ12以外の回転体であってもよい。
1…クラッチ装置、11…ハブ(第1回転体)、12…ギヤ(第2回転体)、13…第1リング、14…第2リング、15…第3リング、Ax1…中心軸、C1…第1コーン面、C2…第2コーン面、C3…第3コーン面、C4…第4コーン面、C5…第5コーン面、C6…第6コーン面、D1…第1方向、D2…第2方向、θa〜θc…傾斜角度。
Claims (4)
- 中心軸回りに回転可能な第1回転体と、
前記第1回転体に対して前記中心軸に沿った第1方向に位置され、前記中心軸回りに回転可能な第2回転体と、
前記第1方向に向かうにつれて前記中心軸の径方向の外側に広がるように前記中心軸に対して傾斜している前記径方向の内側を向いた第1コーン面を有し、前記第1回転体と一体に前記中心軸回りに回転する第1リングと、
前記第1コーン面に対して前記径方向の内側に位置され、前記第1コーン面に面するとともに前記第1コーン面に沿い、前記第1コーン面が第1方向に押し付けられることにより前記第1コーン面との間で摩擦力を発生する第2コーン面と、前記第2コーン面の反対側に位置され前記第1方向に向かうにつれて前記径方向の外側に広がるように前記中心軸に対して傾斜している前記径方向の内側を向いた第3コーン面と、を有し、前記第2回転体と一体に前記中心軸回りに回転する第2リングと、
前記第3コーン面に対して前記径方向の内側に位置され、前記第3コーン面に面するとともに前記第3コーン面に沿い、前記第3コーン面が第1方向に押し付けられることにより前記第3コーン面との間で摩擦力を発生する第4コーン面、を有し、前記第1回転体および前記第1リングと一体に前記中心軸回りに回転する第3リングと、
を備え、
前記第1リングが前記第1方向の反対の第2方向に移動する過程で、前記第1リングと一体に前記第2方向に移動する前記第2リングが前記第1回転体と前記中心軸の軸方向に当たる、クラッチ装置。 - 前記中心軸に対する前記第3コーン面の傾斜角が、前記中心軸に対する前記第1コーン面の傾斜角よりも大きい、請求項1に記載のクラッチ装置。
- 前記第3リングは、前記第4コーン面の反対側に位置され前記第1方向に向かうにつれて前記径方向の外側に広がるように前記中心軸に対して傾斜している前記径方向の内側を向いた第5コーン面を有し、
前記第2回転体は、前記第5コーン面に対して前記径方向の内側に位置され、前記第5コーン面に面するとともに前記第5コーン面に沿い、前記第5コーン面が第1方向に押し付けられることにより前記第5コーン面との間で摩擦力を発生する第6コーン面を有し、
前記第1コーン面と前記第3コーン面と前記第5コーン面とのうちで前記中心軸に対する傾斜角が最も大きいのは、前記第3コーン面または前記第5コーン面である、請求項1に記載のクラッチ装置。 - 前記第1コーン面と前記第3コーン面と前記第5コーン面とのうちで前記中心軸に対する傾斜角が最も大きいのは、前記第3コーン面であり、
前記第1リングおよび前記第3リングが前記第2方向に移動する過程で、前記第1リングと一体に前記第2方向に移動する前記第2リングが前記第1回転体と前記軸方向に当たる、請求項3に記載のクラッチ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018182553A JP2020051550A (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | クラッチ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018182553A JP2020051550A (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | クラッチ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020051550A true JP2020051550A (ja) | 2020-04-02 |
Family
ID=69996468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018182553A Pending JP2020051550A (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | クラッチ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020051550A (ja) |
-
2018
- 2018-09-27 JP JP2018182553A patent/JP2020051550A/ja active Pending
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