JP2020049394A - リアクタユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】反応場の反応状態を直接検出して薬液が無駄に消費されるのを抑えることができ、スペース的にも有利なリアクタユニットを提供する。【解決手段】充填された担体と送液された薬液とを反応させるリアクタ本体部と、薬液が送液された状態で、リアクタ本体部で生じた反応状態を検出するセンサ部と、を備えるリアクタユニットであって、センサ部は、リアクタ本体部を含む反応後の送液経路を照射し、その送液経路で反射された反射光を受光することにより、反射光の色情報からリアクタ本体部の反応状態を検出する構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、担体と薬液とを合成させることにより、反応後に色変化を伴う薬液合成に用いられるリアクタユニットに関するものである。
タンパク質、ペプチド、ポリマー、核酸等を化学合成する薬液合成装置では、例えば図11に示すように、複数の薬液(試薬)を反応容器(リアクタユニット101)に順次供給し化学合成が行われる。このリアクタユニット101では、例えば、核酸を合成する場合には、リアクタユニット101内に担体(多孔質のビーズ。以下、ビーズともいう。)を多数設け、このリアクタユニット101に薬液を順次供給しながら、脱トリチル化、カップリング、酸化、キャッピング等の処理を繰り返し行ってビーズに塩基を次々に結合させる。
このようなリアクタユニット101は、図11、図12に示すように、薬液を反応させるリアクタ本体部101aと、反応状態を検出するセンサ部102とを有している。リアクタ本体部101aは、薬液タンク103から薬液が供給される供給ポート104と、反応後の薬液が排出される排液ポート105とを有しており、それぞれ配管106で接続されることにより送液経路が形成されている。すなわち、供給ポート104が供給配管106aに接続され、排液ポート105が排液配管106bに接続されることにより、供給配管106a、リアクタ本体部101a、排液配管106bによって送液経路が形成されている。そして、薬液合成時には、供給ポート104から薬液が供給されることにより、リアクタ本体部101a内で薬液とビーズとが接触することにより合成反応が生じ、反応後の薬液は排液ポート105から薬液を排出される。
また、排液ポート105に接続される排液配管106bには、センサ部102が設けられており、このセンサ部102により反応状態が検出される。このセンサ部102には、透過型の光電センサが用いられており、センサ部102の照射光の吸光度を計測することにより反応状態を検出することができるようになっている。すなわち、薬液に光を照射部102aから照射して薬液を透過した光を受光部102bで受光検知することで、その薬液の反応前後の吸光度を計測することにより、リアクタ本体部101aにおける反応状態が検出できるようになっている。
特開2005−31048号公報
しかし、上記リアクタユニット101では、リアクタ本体部101a、すなわち反応場における反応状態をリアルタイムに把握することができないという問題があった。すなわち、上記リアクタユニット101は、センサ部102が排液配管106bに設けられているため、センサ部102で検出される反応状態は、リアクタ本体部101aからセンサ部102まで送液される時間だけ遅れた反応状態を検出することになる。ここで、センサ部102をリアクタ本体部101aに設けることも考えられるが、リアクタ本体部101a内にはビーズが存在しているため、透過型の光電センサでは、リアクタ本体部101a内のビーズが障害になって受光部で正確な吸光度が計測できず、図12の2点鎖線で示す照射部102a、受光部102bのように、透過型の光電センサでリアクタ本体部101a内の反応状態を直接検出することは極めて困難であった。そのため、センサ部102をリアクタ本体部101aの下流側に位置する排液配管106bに設ける必要があるが、反応状態を検出するには、そのセンサ部102の位置まで薬液を供給する必要があるため、リアクタ本体部101a内で合成反応が完了しているにもかかわらず、合成反応完了の検出に薬液が必要以上に消費されるという問題があった。
また、リアクタ本体部101aの直下に位置する排液配管106bにセンサ部102を設けることも考えられるが、透過型の光電センサは、照射部102aと受光部102bとが対象を挟んで対称位置に配置されるため、リアクタユニット101が必要以上にスペースを占有し、薬液合成装置全体が大型化してしまうという問題もあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、反応場の反応状態を直接検出して薬液が無駄に消費されるのを抑えることができ、スペース的にも有利なリアクタユニットを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明のリアクタユニットは、充填された担体と送液された薬液とを反応させるリアクタ本体部と、薬液が送液された状態で、前記リアクタ本体部で生じた反応状態を検出するセンサ部と、を備えるリアクタユニットであって、前記センサ部は、前記リアクタ本体部を含む反応後の送液経路を照射し、その送液経路で反射された反射光を受光することにより、前記反射光の色情報から前記リアクタ本体部の反応状態を検出することを特徴としている。
上記リアクタユニットによれば、センサ部に反射型の光電センサを用いているため、反射光の色情報から送液経路の反応状態を直接、検出することができる。すなわち、反射型の光電センサを用いたセンサ部では、センサ部から投光された光が反応後の送液経路の薬液に反射され、その反射光を受光することにより反応状態を検出することができる。例えば、核酸合成の脱トリチル反応において、リアクタ本体部に薬液が供給されて薬液がビーズと反応して脱トリチル化が生じると、色が変化(例えば無色から赤色)し、送液経路が赤色に変化する。この色の変化による反射光を計測することにより、色情報の違いによる反応状態を検知することができる。ここで、送液経路の一部であるリアクタ本体部には、ビーズが存在しているが、ビーズを含む反応後の薬液がリアクタ本体部内の色を形成するため、リアクタ本体部に発生した色によって反射された反射光を計測することにより、ビーズの存在の有無にかかわらず反応状態を検出することができる。したがって、光がビーズに遮られると検出精度に問題を生じる透過型の光電センサに比べて、反応状態の検出がビーズの存在に影響を受ける問題を回避することができ、反応場であるリアクタ本体部を直接検出することができる。また、センサ部に反射型の光電センサを用いることにより、投光部と受光部とが同じ側に配置させることができるため、透過型の光電センサのように送液経路を挟んだ対称となる位置にそれぞれ投光部、受光部を配置する必要がなく、スペース的にも有利に構成することができる。
また、前記反応後の送液経路は、前記リアクタ本体部であり、前記センサ部は、前記リアクタ本体部の反応状態を検出する構成にしてもよい。
この構成によれば、リアクタ本体部(反応場)の反応状態を直接検出することができる。すなわち、仮に、リアクタ本体部の合成反応完了を検出した場合には、薬液をすぐに停止させることができ、従来のように排液配管にセンサ部を設ける場合に比べて、リアクタ本体部からセンサ部まで送液される時間だけ遅れることにより薬液が無駄に消費される問題を解消することができる。
また、前記センサ部は、前記反応後の送液経路に複数設けられており、前記反応後の送液経路に沿って配置されている構成にしてもよい。
この構成によれば、局所的な反応状態を検出することができるため、送液経路内の反応状態を正確に把握することができる。すなわち、仮に、リアクタ本体部の送液方向上流側と送液方向下流側とにセンサ部を配置した場合に、送液方向上流側のセンサ部と、送液方向下流側のセンサ部の両方が反応完了を検出することを監視することにより、リアクタ本体部内の合成反応がすべて完了したことを正確に把握することができる。また、センサ部が配置された送液経路内で局所的に色の変化を検知することにより、合成反応のムラを検出することもできる。
また、前記センサ部は、前記反応後の送液経路に固定するセンサ固定治具を備えており、前記センサ固定治具は、前記反応後の送液経路を覆う形状を有しており、前記センサ固定治具が前記送液経路に固定された状態では、前記センサ部の照射部と受光部とが前記反応後の送液経路に対向する位置で固定され、前記センサ固定治具の前記送液経路に対面する内部壁には、前記センサ部の照射部から照射された光が反射されるのを抑える反射防止処理が施されている構成にしてもよい。
この構成によれば、治具本体部の内部壁に反射防止処理が施されているため、照射部から照射された光が内部壁で反射されて受光部に入射することを抑えることができる。よって、受光部には、送液経路で反射された光のみを受光しやすくなり、不必要な光を受光することによる検出精度の低下を抑えることができる。
本発明のリアクタユニットによれば、反応場の反応状態を直接検出して薬液が無駄に消費されるのを抑えることができ、スペース的にも有利なリアクタユニットとすることができる。
本発明のリアクタユニットを用いた薬液合成装置の概略的な配管経路図である。 本発明のリアクタユニットの外観を示す図である。 上記リアクタユニットの断面図である。 上記リアクタユニットの端部における拡大図である。 上記リアクタユニットのケースホルダ部とエンドキャップ部とを分解した図である。 リアクタ本体部を示す図である。 リアクタ本体部とアダプタ部との関係を示す図であり、(a)はリアクタ本体部がアダプタ部に収容された状態を示す図であり、(b)はリアクタ本体部から流体が排出されることによりフィルタが変位した状態を示す図である。 リアクタ本体部とアダプタ部との関係を示す図であり、配管接続部から流入する流体にフィルタが押圧された状態を示す図である。 センサ部を示す図である。 3つのセンサ部を有するリアクタユニットを示す図である。 従来のリアクタユニットを用いた薬液合成装置の概略的な配管経路図である。 従来のリアクタユニットを示す図である。
本発明のリアクタユニットに係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるリアクタユニットが使用された薬液合成装置を示す配管経路図である。なお、本実施形態では、流体として薬液(試薬)が用いられる例を説明するが、本発明は薬液に限定されるものではなく、薬液以外の液体を化学合成、混合等行う場合にも適用することができる。
図1に示すように、薬液合成装置は、薬液が貯留される薬液タンク1と、担体(多孔質のビーズ。以下、ビーズともいう。)を収容したリアクタユニット2と、このリアクタユニット2から排出された廃液を貯留する排液タンク11と、を備えており、それぞれ配管4で連結されている。そして、薬液タンク1からリアクタユニット2に薬液が供給されるとリアクタユニット2でビーズと薬液が接触することにより化学合成され、化学合成後の薬液が排液タンク11に排出される。例えば、核酸を合成する場合には、リアクタユニット2内に多孔質のビーズが多数含まれており、このリアクタユニット2に薬液を順次供給しながら、脱トリチル化、カップリング、酸化、キャッピング等の処理を繰り返し行ってビーズに塩基を次々に結合させる。
薬液タンク1は、化学合成で用いる試薬を貯留するためのものである。図1の例では、複数の薬液タンク1が設けられており、それぞれの薬液タンク1が供給配管44でリアクタユニット2と連結されている。
薬液タンク1には、加圧手段6が接続されており、この加圧手段6により薬液タンク1の薬液が送液されるように形成されている。加圧手段6は、高圧のガスが充填されているガスタンク61と、このガスタンク61と薬液タンク1とを連結するガス供給配管41とを有しており、このガス供給配管41を通じてガスタンク61のガスを薬液タンク1に供給することができる。すなわち、ガスタンク61のガスが供給されることにより、薬液タンク1の圧力がガスタンク61の圧力に調節され、薬液タンク1から送液される薬液の流量を調節することができる。そして、供給配管44、及びガス供給配管41にはバルブ51が設けられており、バルブ51の開閉状態を切り替えることにより、複数の薬液から選択された薬液のみをリアクタユニット2に送液できるようになっている。なお、このガスタンク61のガスは、薬液タンク1の薬液と反応しないガスが用いられている。
また、リアクタユニット2の下流側(流出側)には、排出された薬液等を貯留する排液タンク11が設けられている。排液タンク11は、リアクタユニット2と排液配管45で連結されており、リアクタユニット2から排出された廃液が排液配管45を通じて排液タンク11に送液されるようになっている。
また、本実施形態の排液タンク11は、リアクタユニット2に比べて容量が大きく形成されており、リアクタユニット2から複数回排出された場合でも貯留できる容量に形成されている。これにより、排液タンク11が満了になったことによる交換作業の回数を減らすことができ薬液合成装置全体の稼働率低下を抑えることができる。
また、リアクタユニット2は、リアクタユニット2内に含むビーズと供給された薬液等を接触させて化学合成させる反応場を提供するものである。ここで、図2は、リアクタユニット2の外観を示す図であり、図3は、リアクタユニット2の断面図、図4は、リアクタユニット2の端部における拡大図、図5は、リアクタユニット2のケースホルダ部8とエンドキャップ部9とを分解した図である。リアクタユニット2は、図2〜図5に示すように、一方向に延びる円筒形状を有しており、薬液とビーズとを化学合成させるリアクタ本体部7と、リアクタ本体部7が挿通されるケースホルダ部8と、ケースホルダ部8の両端部に連結させて設けられるエンドキャップ部9とを有している。このリアクタユニット2は、リアクタ本体部7がケースホルダ部8に挿通された状態で、エンドキャップ部9を軸方向端部に取り付けることによって組み立てることができ、エンドキャップ部9を取り外すことにより、ケースホルダ部8からリアクタ本体部7を軸方向に引き出して容易に取り出すことができるように構成されている。
また、このリアクタユニット2が薬液合成装置で使用される場合には、一方のエンドキャップ部9に供給配管44が接続され、他方のエンドキャップ部9に排液配管45が接続されていることにより、供給配管44から送液された薬液がエンドキャップ部9を通じてリアクタ本体部7に供給され、リアクタ本体部7の薬液がエンドキャップ部9から排液配管45を通じて排出され排液タンク11に送液されるようになっている。すなわち、供給配管44,リアクタ本体部7、排液配管45で送液経路が形成されている。
リアクタ本体部7は、リアクタ本体部7内に含むビーズと供給された薬液等を接触させて化学合成させるためのものである。本実施形態では、リアクタ本体部7は、一方向に延びるガラス製の円筒管が使用されており、軸方向両端部が開口した状態でケースホルダ部8及びエンドキャップ部9で保持されている。このリアクタ本体部7は、本実施形態では汎用性のあるガラス管が使用されており、ガラス管に何らかの加工を施すことなく、市販のガラス管をそのまま使用することができる。すなわち、リアクタ本体部7がシングルユースの使用であっても円筒形状のガラス管が使用することによりリアクタ本体部7にかかるコストを抑えることができる。
また、リアクタ本体部7の両端部に位置する開口端部71(図6参照)は、軸方向に開口して配置されており、図3,図4に示すように、リアクタ本体部7は、開口端部71がエンドキャップ部9に向かって開口した状態で配置されている。すなわち、エンドキャップ部9から供給された薬液は、一方側の開口端部71を通じて供給され、リアクタ本体部7の薬液は、他方側の開口端部71を通じてエンドキャップ部9から排出される。
このリアクタ本体部7は、ケースホルダ部8とエンドキャップ部9とで形成されるリアクタ本体保持部21で保持されている。このリアクタ本体保持部21は、ケースホルダ部8の挿通部81と、エンドキャップ部9のリアクタ端部挿入部91とで形成されており、これら挿通部81とリアクタ端部挿入部91とでリアクタ本体部7の両端部分が収容されることにより、リアクタ本体部7がケースホルダ部8内で保持されるようになっている。
ケースホルダ部8は、リアクタ本体部7の中央全体部分を覆うものであって、リアクタ本体部7を挿通させて保持するものである。ケースホルダ部8は、一方向に延びる形状を有しており、リアクタ本体部7の外周面を覆ってリアクタ本体部7を内部に収容できるように形成されている。ケースホルダ部8には、開口窓82が形成されており、この開口窓82から収容されたリアクタ本体部7が目視できるようになっている。すなわち、リアクタ本体部7がケースホルダ部8及びエンドキャップ部9に保持された状態で、開口窓82からケースホルダ部8内の反応状況が確認できるようになっている。
また、ケースホルダ部8は、その両端部に挿通部81を有している。この挿通部81は、リアクタ本体部7の外径寸法より僅かに大きい寸法で形成されており、リアクタ本体部7が挿通されると、径方向の変位が制限される程度にリアクタ本体部7の両端部分が把持されてリアクタ本体部7を保持できるようになっている。そして、リアクタユニット2の組立時には、リアクタ本体部7を挿通部81に容易に挿通させてリアクタ本体部7をケースホルダ部8内に収容することができ、リアクタユニット2の分解時には、挿通部81からリアクタ本体部7を軸方向に容易に引き抜くことができる。
また、エンドキャップ部9は、リアクタ本体部7の両端部に設けられ、リアクタ本体部7と供給配管44及び排液配管45と接続するためのものである。本実施形態では、エンドキャップ部9は、リアクタ本体部7及び配管4が接続されるアダプタ部92と、このアダプタ部92の軸方向の移動を規制するナット部93とを有している。
アダプタ部92は、リアクタ本体部7の端部と配管4とを接続するものであり、ほぼ円筒形状の円筒部92aと、円筒部92aよりも径方向に拡径された拡径部92bを有している。円筒部92aは、配管4と接続される部分であり、軸方向に開口する配管接続部92a1が形成されている。この配管接続部92a1に配管4が挿入されることにより不図示の継手及びシール等を介してアダプタ部92と配管4とが接続される。本実施形態では、一方の円筒部92aが供給配管44と接続され、他方の円筒部92aが排液配管45と接続される。
また、拡径部92bは、リアクタ本体部7と接続される部分であり、軸方向に開口するリアクタ端部挿入部91が形成されている。このリアクタ端部挿入部91は、ケースホルダ部8との対向面9aに開口し、底壁部91aまで軸方向に延びる円柱形状に形成されている。このリアクタ端部挿入部91は、リアクタ本体部7の外径よりも僅かに大きい径に形成されており、リアクタ本体部7の端部が容易に挿通できるように形成されている。すなわち、ケースホルダ部8にリアクタ本体部7が挿通された状態では、ケースホルダ部8の挿通部81からリアクタ本体部7の端部が突出した状態になるが、この突出したリアクタ本体部7の端部をリアクタ端部挿入部91に挿入して被せることにより、リアクタ本体部7の端部にアダプタ部92を容易に取り付けることができる。
そして、アダプタ部92は、連結締結部22でケースホルダ部8と締結されるように構成されており、アダプタ部92とケースホルダ部8とが締結された状態では、リアクタ端部挿入部91と挿通部81とによってリアクタ本体保持部21が形成される。すなわち、締結された状態では、リアクタ端部挿入部91の中心軸と、挿通部81の中心軸とが一致するようになっており、リアクタが組み立てられた状態では、リアクタ本体部7の両端部分がリアクタ本体保持部21で覆われることにより、リアクタ本体部7がケースホルダ部8内に収容されるようになっている。
また、配管接続部92a1とリアクタ端部挿入部91との間には、それぞれを接続する連通通路94が形成されている。これにより、連通通路94を通じて薬液が配管接続部92a1とリアクタ端部挿入部91とを行き来できるようになっている。したがって、供給配管44から送液された薬液は、連通通路94を通じてリアクタ端部挿入部91を経てリアクタ本体部7に流入し、リアクタ本体部7から排出された薬液は、連通通路94を通じて配管接続部92a1を経て排液配管45に排出されるようになっている。
また、リアクタ端部挿入部91には、その開口部分に開口側から軸方向に縮径する切欠部91bが形成されている。この切欠部91bとケースホルダ部8の軸方向端面とで形成される領域には、Oリング23(シール部材)が収容されている。このOリング23が軸方向に圧接されることにより、リアクタ本体部7の外周面、及び、リアクタ端部挿入部91の内周面が密封され、リアクタ端部挿入部91から薬液が漏れることが防止できるようになっている。
また、リアクタ本体保持部21の外径側には、ケースホルダ部8とエンドキャップ部9とを連結して締結させる連結締結部22が形成されている。本実施形態では、挿通部81の外周面に形成される雄ネジ部81aと、ナット部93の内周面に形成される雌ネジ部93aとが螺合することによって締結されるようになっている。
このナット部93は、アダプタ部92が軸方向に移動するのを規制して、アダプタ部92とケースホルダ部8とを連結した状態で固定するためのものである。ナット部93は、円環形状を有しており、軸方向に垂直な頂壁部93bと、この頂壁部93bから垂直に延びる周壁部93cとを有している。そして、頂壁部93bには、アダプタ部92の円筒部92aが挿通可能な挿通孔93dが形成されており、周壁部93cの内周面に雌ネジ部93aが形成されている。この挿通孔93dは、アダプタ部92の円筒部92aが挿通可能であるが拡径部92bは挿通できない寸法に形成されている。
すなわち、(図5を参照して、)アダプタ2の組立時には、ケースホルダ部8の挿通部81にリアクタ本体部7を挿通させて、挿通部81から突出したリアクタ本体部7の両端部にアダプタ部92のリアクタ端部挿入部91を被せる。そして、ナット部93の挿通孔93dにアダプタ部92の円筒部92aを挿通させると、雄ネジ部81aと雌ネジ部93aとが当接し、ナット部93を軸回りに回転させることにより雄ネジ部81aと雌ネジ部93aとが螺合する。そして、頂壁部93bが拡径部92bに当接した後、さらにナット部93を回転させることにより、頂壁部93bが拡径部92bを押圧する。すなわち、拡径部92bが押圧されることにより、Oリング23(図4参照)が押しつぶされて、アダプタ部92とケースホルダ部8との間に形成される隙間をなくすようにアダプタ部92とケースホルダ部8とが接近する。これにより、Oリング23が軸方向に圧接されて、拡径部92bの切欠部91b(図5参照)及びリアクタ本体部7の外周面に密着することにより、それぞれの界面が密封され、アダプタ部92とケースホルダ部8とが連結した状態で固定される。
このようにして、本実施形態の連結締結部22では、ケースホルダ部8にリアクタ本体部7を挿通させてリアクタ本体部7の両端部にアダプタ部92を被せた状態でナット部93を締結することにより、容易にリアクタを組み立てることができる。また、リアクタを分解する場合には、連結締結部22において、ナット部93を緩めてアダプタ部92を取り外すことにより、容易にリアクタ本体部7を取り出すことができる。
また、リアクタ本体部7の両端部には、フィルタ75が設けられている。このフィルタ75は、リアクタ本体部7内に不純物が侵入するのを抑えるためのものである。フィルタ75は、略円筒形状のフィルタ本体75aと、このフィルタ本体75aよりも外径側に突出する鍔部75b1(余長部75b)とを有している(図6参照)。フィルタ75は、リアクタ本体部7に取り付けられた状態では、リアクタ本体部7の開口端部71にフィルタ本体75aが挿入され、鍔部75b1がリアクタ本体部7の開口端部71の外側に配置される。
本実施形態では、図6に示すように、フィルタ本体75aは、リアクタ本体部7の内径よりも小さい径を有する先端部分から、軸方向に鍔部75b1に向かって拡径する、いわゆるテーパ形状を有しており、鍔部75b1付近では、リアクタ本体の内径よりも大きい径に形成されている。そして、鍔部75b1は、リアクタ本体部7の外径よりも大きく形成されている。したがって、リアクタ本体部7の開口端部71にフィルタ75を挿入すると、フィルタ本体75aが圧縮されつつ挿入され、最終的にリアクタ本体の開口端部71に鍔部75b1が当接することによりフィルタ本体75aの挿入が停止する。そして、フィルタ75がリアクタ本体部7に挿入された状態では、フィルタ本体75aがリアクタ本体部7内で圧縮されていることにより、挿入完了位置を維持できるようになっている。このように、フィルタ75がリアクタ本体に挿入された後、その挿入完了位置を維持できるため、フィルタ75がリアクタ本体部7の蓋として機能することができる。
すなわち、フィルタ75が蓋として機能するため、リアクタ本体部7にビーズを詰めてケースホルダ部8及びエンドキャップ部9を組み立てる場合に、リアクタ本体部7内のビーズが溢れることなく組み立てることができる。また、生成物を生成した後、エンドキャップ部9及びケースホルダ部8を取り外して、リアクタ本体部7を取り出す場合もリアクタ本体部7内の生成物及びビーズが外側に漏れることなく取り出すことができる。そして、フィルタ75には、リアクタ本体部7の外側に位置する鍔部75b1が形成されているため、リアクタ本体部7から生成物を取り出す際に、リアクタ本体部7に取り付けられたフィルタ75に容易にアクセスして取り外すことができ、リアクタ本体部7内の生成物を容易に取り出すことができる。
また、フィルタ75は、リアクタ本体部7がケースホルダ部8内に保持されてリアクタユニット2が組み立てた後であってもリアクタ本体部7から脱落することを防止できるようになっている。すなわち、図7(a)に示すように、リアクタユニット2が組み立てられた状態では、フィルタ75のリアクタ本体内の軸方向寸法Hは、フィルタ75からリアクタ端部挿入部91の底壁部91aまでの距離Cに比べて大きい寸法に形成されている(H>C)。したがって、図7(b)に示すように、リアクタ本体部7から下側の配管4に向かって薬液が排出される場合、仮に送液される薬液の圧力によりフィルタ75が下側に変位させられてフィルタ75が脱落しそうになった場合でも、H>Cの関係を満たすようにフィルタ75が形成されているため、フィルタ75がリアクタ本体部7の開口端部71から脱落する前に、リアクタ端部挿入部91の底壁部91aに当接し、フィルタ75がリアクタ本体部7の開口端部71から脱落するのを防止することができる。したがって、リアクタ本体部7を取り外す前にリアクタ本体部7内に生成された生成物及びビーズがフィルタ本体75a部からこぼれ落ちる問題を抑えることができる。
また、図8に示すように、上側の配管接続部92a1を通じてリアクタ端部挿入部91に薬液が送液されると、送液される圧力によりフィルタ75がリアクタ本体部7内に押し込められようとする。ところが、本実施形態では、フィルタ75の鍔部75b1がリアクタ本体部7の開口端部71に当接することにより、フィルタ75の軸方向(リアクタ本体部7の内部側)の移動が規制されるため、フィルタ75が取り付けられた位置を維持することができる。したがって、フィルタ75の鍔部75b1(余長部75b)がリアクタ本体部7の開口端部71の外側に残るため、リアクタ本体部7を取り出した際に、その残った部分を利用してフィルタ75を容易に取り外すことができる。
また、リアクタユニット2は、図2に示すように、センサ部3を有している。このセンサ部3は、リアクタ本体部7で生じた反応状態を検出するものであり、センサ本体部30と、センサ固定治具31とを有している(図9参照)。具体的には、センサ部3は、反応前後で薬液の色が変化することを利用して、送液経路を照射し、送液経路で反射された反射光を受光することにより、その反射光の色情報からリアクタ本体部7で生じた反応状態を検出することができる。
センサ本体部30は、薬液の色を検出するセンサ部分である。センサ本体部30は、ファイバ型の光電センサが用いられており、光を照射する照射部30aと、薬液で反射された反射光を受光する受光部30bとが一体化され、1本のファイバ線として形成されている。すなわち、照射部30aと受光部30bとがファイバ線の先端部分に配置されており、それぞれ照射方向及び受光方向が共通になるように設定されている。そして、本実施形態では、センサ本体部30の照射方向、及び、受光方向がリアクタ本体部7に対向するように、センサ本体部30の先端部分(照射部30a及び受光部30b)がセンサ固定治具31に保持されて固定されている。具体的には、図3に示すように、ケースホルダ部8には、センサ本体部30が挿通するセンサ挿通部32が設けられており、センサ本体部30は、センサ挿通部32を挿通した状態でセンサ固定治具31に保持されて固定されている。すなわち、センサ本体部30がセンサ固定治具31に固定された状態では、センサ挿通部32を挿通したセンサ本体部30の先端部分、すなわち、照射部30a及び受光部30bがリアクタ本体部7の側面に対向した状態でセンサ本体部30が固定されるようになっている。図3の例では、照射部30a及び受光部30bがケースホルダ部8の内壁面と面一になるように固定されている。
センサ固定治具31は、センサ本体部30を固定するためのものである。本実施形態では、センサ固定治具31は、図9に示すように、径方向寸法よりも軸方向寸法に短い円筒形状に形成されており、外径壁部31a、内径壁部31b(内部壁)、及び、軸方向端面部31cとを有している。また、センサ固定治具31は、ケースホルダ部8を挿通させるホルダ挿通部33と、センサ本体部30を挿通させるセンサ挿通部32とを有している。
ホルダ挿通部33は、センサ固定治具31の中心を中心位置として所定の径を有する貫通孔として内径壁部31bによって形成されている。本実施形態では、ホルダ挿通部33は、ケースホルダ部8の挿通を妨げない程度に、ケースホルダ部8の外径とほぼ同じ径に形成されている。そして、センサ固定治具31には、治具固定穴34が形成されており、この治具固定穴34を利用してセンサ固定治具31がケースホルダ部8にネジで固定されるようになっている。具体的には、治具固定穴34が外径壁部31aと内径壁部31bとに開口部を有するように径方向に貫通して形成されており、図9に示す例では、治具固定穴34がほぼ等間隔に3カ所形成されている。そして、ケースホルダ部8の外径面には、軸方向ほぼ中央位置に、雌ネジ穴83が径方向に等間隔で3カ所形成されている。したがって、センサ固定治具31のホルダ挿通部33にケースホルダ部8を挿通させた状態で、センサ固定治具31の治具固定穴34がケースホルダ部8の雌ネジ穴83に一致するように位置合せし、それぞれの治具固定穴34にネジを挿通させて雌ネジ穴83と螺合させて締結することにより、センサ固定治具31がケースホルダ部8の軸方向中央位置に固定されるようになっている。なお、センサ固定治具31がケースホルダ部8に固定された状態では、センサ固定治具31の内径壁部31b(内部壁)がリアクタ本体部7と僅かな隙間を有した状態で対面するように形成されている。
また、センサ挿通部32は、センサ本体部30を挿通させるものであり、外径壁部31aと内径壁部31bとに開口するように径方向に貫通して形成されている。このセンサ挿通部32は、センサ本体部30が挿通自在となる径寸法に形成されており、センサ挿通部32にセンサ本体部30が挿通された状態では、センサ本体部30の先端部分がリアクタ本体部7に対向した状態で固定されるようになっている。具体的には、センサ固定治具31には、軸方向端面部31cに開口し、センサ挿通部32に貫通するネジ孔35が形成されており、ネジ孔35に止めネジを螺合させることにより、止めネジでセンサ本体部30を押圧することにより固定できるようになっている。本実施形態では、センサ本体部30が止めネジで固定された状態では、センサ本体部30の照射部30a及び受光部30bと、センサ固定治具31の内径壁部31bとが面一になるように設定されている。
また、センサ固定治具31の内径壁部31bは、反射防止処理が施されている。本実施形態では、内径壁部31b全体が黒色で塗装されており、光が内径壁部31bで反射されるのを抑えるようになっている。これにより、照射部30aで照射された光、及び、リアクタ本体部7で反射されて内径壁部31bに到達する光が、内径壁部31bで反射されることにより、受光部30bで受光されるのを抑えることができる。これにより、受光部30bで不要な光が受光されるのを抑え、リアクタ本体部7内の薬液で反射された光のみを受光することができるようになっている。なお、本実施形態では、内径壁部31bを黒色に着色しているが、内径壁部31bが光を反射しにくいように物理的な反射防止処理を施したものであってもよい。
このように、上記実施形態におけるリアクタユニットによれば、センサ部3に反射型の光電センサを用いているため、反射光の色情報から送液経路の反応状態を直接、検出することができる。例えば、核酸合成の脱トリチル反応において、反射型の光電センサを用いたセンサ部3では、センサ部3から投光された光が反応後の送液経路の薬液に反射され、その反射光を受光することにより反応状態を検出することができる。すなわち、リアクタ本体部7に薬液が供給されて供給された薬液がビーズと反応して脱トリチル化が生じると、色が変化(例えば無色から赤色)し、送液経路が赤色に変化する。この色の変化による反射光を計測することにより、色情報の違いによる反応状態を検知することができる。また、センサ部3に反射型の光電センサを用いることにより、投光部と受光部30bとが同じ側に配置させることができるため、透過型の光電センサのように送液経路を挟んだ対称となる位置にそれぞれ照射部30a、受光部30bを配置する必要がなく、スペース的にも有利に構成することができる。
また、上記実施形態では、センサ本体部30がリアクタ本体部7に対向する位置に設ける例について説明したが、リアクタ本体部7における反応後の送液経路(例えば、排液配管45)であれば、どの位置に設けてもよい。この場合、送液経路は、センサ本体部30から内部の薬液が照射できるように、少なくとも照射部30aの照射範囲について、送液経路内に光が透過できる透明な配管で形成する必要がある。なお、リアクタ本体部7の反応状態を直接検出できる点で、センサ本体部30は、リアクタ本体部7に対向する位置に設けることが好ましい。
また、上記実施形態では、センサ部3を1つ設ける例について説明したが、送液経路に沿って複数設けるものであってもよい。ここで、図10は、3つのセンサ部3を送液経路に沿って設けた例であり、センサ部3がリアクタ本体部7に対向する位置に3つ設けられている。すなわち、センサ部3が、リアクタ本体部7において、供給配管44に近い位置、中央位置、排液配管45に近い位置に設けられ、送液経路の沿って等間隔に設けられている。これにより、リアクタ本体部7内部における反応状態の変化を把握することができる。例えば、薬液を供給配管44から送液されると、薬液がリアクタ本体部7に入り、供給配管44に近い位置で反応が開始され、その位置におけるリアクタ本体内のビーズが例えば白色から赤色に変化する。これにより、供給配管44に一番近い位置に取り付けられたセンサ部3が反応し、下流側の2つのセンサ部3は、中央位置、及び、排液配管45に近い位置では、ビーズが白色のままであるため、センサ部3は反応しない。このように、供給配管44に一番近い位置に取り付けられたセンサ部3のみが反応し、それ以外のセンサ部3が未反応であることにより、リアクタ本体部7内に薬液が供給され、リアクタ本体部7内の反応が開始されたと判断することができる。
その後、薬液が送液され続け、リアクタ本体部7内のビーズが反応し白色から赤色に変化すると、3つのセンサ部3がすべて反応する。その後、さらに薬液を送液し全てのビーズが赤色から白色に変化し全てのセンサ部3が反応しなくなる。これにより、リアクタ本体部7内のビーズがすべて反応したと判断することができる。
また、上記実施形態では、センサ固定治具31が送液経路を覆う形状の場合について説明したが、受光部30bで受光する光に影響がない場合には、送液経路を覆う形状でなくてもよく、センサ固定治具31の内部壁に反射防止処理を施さないものであってもよい。また、センサ部3がセンサ固定治具31を有する場合について説明したが、他の部材にセンサ本体部30を直接取り付けることにより、センサ固定治具31がない構成であってもよい。
2 リアクタユニット
3 センサ部
4 配管(44 送液配管 45 廃液配管)
7 リアクタ本体部
8 ケースホルダ部
30 センサ本体部
30a 照射部
30b 受光部
31 センサ固定治具

Claims (4)

  1. 充填された担体と送液された薬液とを反応させるリアクタ本体部と、
    薬液が送液された状態で、前記リアクタ本体部で生じた反応状態を検出するセンサ部と、
    を備えるリアクタユニットであって、
    前記センサ部は、前記リアクタ本体部を含む反応後の送液経路を照射し、その送液経路で反射された反射光を受光することにより、前記反射光の色情報から前記リアクタ本体部の反応状態を検出することを特徴とするリアクタユニット。
  2. 前記反応後の送液経路は、前記リアクタ本体部であり、前記センサ部は、前記リアクタ本体部の反応状態を検出することを特徴とする請求項1に記載のリアクタユニット。
  3. 前記センサ部は、前記反応後の送液経路に複数設けられており、前記反応後の送液経路に沿って配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクタユニット。
  4. 前記センサ部は、前記反応後の送液経路に固定するセンサ固定治具を備えており、前記センサ固定治具は、前記反応後の送液経路を覆う形状を有しており、前記センサ固定治具が前記送液経路に固定された状態では、前記センサ部の照射部と受光部とが前記反応後の送液経路に対向する位置で固定され、前記センサ固定治具の前記送液経路に対面する内部壁には、前記センサ部の照射部から照射された光が反射されるのを抑える反射防止処理が施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリアクタユニット。
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