JP2020049178A - 吸収性物品 - Google Patents

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【課題】吸収体の薄型化を図るとともに、排泄液を漏れにくくすること。【解決手段】上記課題を解決する吸収性物品は、前後方向の前側に設けた前方吸収要素50Fと、前後方向の中間に設けた中間吸収要素50Mと、前後方向の後側に設けた後方吸収要素50Bとを有し、前記前方吸収要素50Fおよび前記後方吸収要素50Bは、表側に設けられた第1不織布層51と、裏側に設けられた第2不織布層52と、これら第1不織布層と第2不織布層との間に保持された高吸収性ポリマー粒子53とを有する積層体であり、前記中間吸収要素50Bは、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子53の集積体を包装シート58で包んだものである。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の吸収要素が前後方向に直列に配置された吸収性物品に関するものである。
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品には、一般的に、パルプ繊維および高吸収性ポリマー粒子を集積した吸収体が用いられている。このような吸収体は厚みがあるため、装着感が悪くなる傾向がある。
そこで近年は、吸収体を薄くする技術の研究開発が活発に行われている。具体的には、吸収体のパルプ繊維の量を減らすことによって、吸収体を薄くする技術が研究開発され、その結果、高吸収性ポリマー粒子をシート状にするものが開発された。具体的には、下方に配置した不織布と上方に配置した不織布の間(2枚の不織布の間)に高吸収性ポリマー粒子を挟み込んで固定したものがある。このような製品は、一般的にSAP(Super Absorbent Polymer)シートと呼ばれている。
吸収性物品にSAPシートを用いたものとして、例えば下記特許文献1がある。この吸収性物品は、液透過性シート、第一吸収体、第二吸収体、および液不透過性シートを、この順序で備えたものであり、第一吸収体が吸収性ポリマー粒子を第1コアラップで挟んだものであり、第2吸収体がパルプ繊維と吸収性ポリマー粉末を第2コアラップで包んだものである。
特開2018−50835号公報
しかし、SAPシートを吸収性物品に用いる場合、吸収体の厚みが薄くなるため、装着感が良好になるものの、新たな別の問題が生じる。
例えば、一般的なSAPシートにはパルプ繊維が含まれていないため、尿などの排泄液を吸収するスピードが遅い。そのため、SAPシートの表面に排泄液が滞留し、その排泄液が着用者の肌と接触して、不快感を覚えるという問題がある。
また、SAPシートにパルプ繊維が含まれていないため、SAPシートの内部に一時的に排泄液を保持する能力が低い。そのため、SAPシートの内部で、高吸収性ポリマー粒子に吸収されていない排泄液は、SAPシートの端部へ流れ、外部へ染み出すという問題もある。
また、前記特許文献1に記載された吸収性物品は、第1吸収体と第2吸収体を重ねた二層構造であるため、厚みがあって装着感が悪いという問題もある。
さらに、吸収性物品の吸収可能量は、吸収体のすべての領域で吸収されたときに最大となるが、現実には、複数回の排泄によって繰り返し吸収する場合であっても、吸収体全体にまんべんなく排泄液が拡散することはない。そのため、吸収体のすべてを有効に使い切ることはできない。つまり、吸収可能量を増やすためには、吸収体の素材とその含有量だけでなく、拡散性についても改善する必要がある。
そこで、本発明の主たる課題は、吸収体の薄型化を図ることにある。そして、従たる課題は、排泄液を漏れにくくすることにある。
上記課題を解決した本発明の代表的態様は以下のとおりである。
<第1の態様>
複数の吸収要素が前後方向に直列に配置された吸収性物品であって、
前記複数の吸収要素は、
前後方向の前側に設けた前方吸収要素と、
前後方向の中間に設けた中間吸収要素と、
前後方向の後側に設けた後方吸収要素とを有し、
前記中間吸収要素は、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子の集積体を包装シートで包んだものであり、
前記前方吸収要素および前記後方吸収要素は、表側に設けられた第1不織布層と、裏側に設けられた第2不織布層と、これら第1不織布層と第2不織布層との間に保持された高吸収性ポリマー粒子とを有する積層体であり、
前記前方吸収要素の後端部と前記中間吸収要素の前端部が隣接し、または重なり合っており、
前記中間吸収要素の後端部と前記後方吸収要素の前端部が隣接し、または重なり合っている、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本態様では、吸収性物品の前側に前方吸収要素が設けられ、この前方吸収要素が、第1不織布層と第2不織布層の間に高吸収性ポリマー粒子を保持した積層体である。このような態様にすることで、吸収性物品の前後方向前側部分の厚さが薄くなり、吸収性物品の装着感の向上を図っている。その他、前方吸収要素をパルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子の集積体を包装シートで包んだものにした場合と比べて、前方吸収要素を前記積層体とすることにより、剛度を高くすることができる。前記積層体を製造する際に、第1不織布層と第2不織布層に対して接着剤を多量に塗布することが多いため、積層体の方が剛度が高くなることが多いからである。この場合における剛度とは、JIS L 1913:2010「41.5°カンチレバー法」で計測したものをいう(以下同じ)。その結果、ウエスト周りに配置した弾性部材が幅方向へ収縮した際に、当該部位に皺ができにくくなり、着用者の肌と前方吸収要素の間に隙間が生じにくくなる結果、排泄液の腹漏れを抑止することができるという利点がある。
また、吸収性物品の前後方向中間に中間吸収要素が設けられ、この中間吸収要素にパルプ繊維が含まれている。中間吸収要素がパルプ繊維を含むことで、中間吸収要素の吸収スピードが速まり、排泄液を速やかに吸収する。そのため、中間吸収要素の肌側外方に排泄液が滞留し、滞留した排泄液が着用者の肌と接触して、着用者が不快感を感じることを防ぐことができる。その他、中間吸収要素の構造として、第1不織布層と第2不織布層との間に保持された高吸収性ポリマー粒子とを有する積層体ではなく、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子の集積体を用いることで、剛度が低いものになる。その結果、動きの多い股下部への追従性が高まり、吸収性物品のフィット性を高めることができるという利点がある。
また、吸収性物品の後側に後方吸収要素が設けられ、この後方吸収要素が、第1不織布層と第2不織布層の間に高吸収性ポリマー粒子を保持した積層体である。このような態様にすることで、吸収性物品の前後方向後側部分の厚さが薄くなり、吸収性物品の装着感の向上を図っている。一般的に、後方吸収要素を配置する場所は、体圧のかかりやすい場所であるため、排泄液の逆戻りが生じやすい。そこで、当該部位に、後方吸収要素50Bとして、第1不織布層と第2不織布層との間に高吸収性ポリマー粒子を保持した積層体を配置することにより、逆戻りを抑止することができる。すなわち、当該後方吸収要素50Bは、パルプ繊維を含まない(もしくはパルプ繊維を含んだとしても少量である。たとえば、0〜5g/m2程度である)ため、逆戻りを抑止する効果が高い。
以上のように、本態様によれば、吸収要素の薄型化を図ることができる。それとともに、排泄液を漏れにくくすることもできる。
<第2の態様>
前記第1不織布層の不織布及び前記第2不織布層の不織布の少なくとも一方は、スパンボンド不織布またはSMS不織布である前記第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
一般的に、スパンボンド不織布やSMS不織布は、嵩が少ない。そのため、第1不織布層の不織布及び第2不織布層の不織布の少なくとも一方に、スパンボンド不織布またはSMS不織布を用いることで、前方吸収要素の厚みが薄くなり、着用者の不快感の軽減がより顕著になる。前方吸収要素に代えて、後方吸収要素において、第1不織布層の不織布及び第2不織布層の不織布の少なくとも一方を、スパンボンド不織布またはSMS不織布にしてもよい。さらに、前方吸収要素と後方吸収要素の両方において、第1不織布層の不織布及び第2不織布層の不織布の少なくとも一方を、スパンボンド不織布またはSMS不織布にしてもよい。
<第3の態様>
前記前方吸収要素および前記後方吸収要素に含まれる前記高吸収性ポリマー粒子は、前記第1不織布層及び前記第2不織布層の両方に固定され、
前記第1不織布層に固定された前記高吸収性ポリマー粒子と前記第2不織布層に固定された前記高吸収性ポリマー粒子が、異なる種類のものである、
前記第1または2の態様の吸収性物品。
(作用効果)
第1不織布層及び前記第2不織布層には、異なる種類の高吸収性ポリマー粒子を配置することが好ましい。例えば、第1不織布層(上方の不織布層)には、吸収した排泄液を漏出しにくい高吸収性ポリマー粒子を用いることが好ましい。第2不織布層(下方の不織布層)は、第1不織布層のような限定をせずに、製造原価等から任意の高吸収性ポリマー粒子を用いると良い。
また、高吸収性ポリマー粒子が排泄液を漏出すると、排泄液が逆戻りして、着用者が不快感を覚えやすい。そこで、第1不織布層に含まれる高吸収性ポリマー粒子を上記のものにすることで、これらの問題を解決することができる。
具体的には、例えば、第1不織布層に含まれる高吸収性ポリマー粒子をパールタイプにして、第2不織布層に含まれる高吸収性ポリマー粒子を破砕タイプすることが好ましい。パールタイプの高吸収性ポリマー粒子は、破砕タイプのそれに比べて、吸収した排泄液を手放しにくく、逆戻りが発生しにくいという利点がある。
<第4の態様>
前記第1不織布層と前記第2不織布層の間に中間不織布層が設けられ、
前記高吸収性ポリマー粒子が、前記第1不織布層と前記中間不織布層の間に保持されるとともに、前記中間不織布層と前記第2不織布層の間にも保持され、
前記第1不織布層と前記中間不織布層の間に保持された前記高吸収性ポリマー粒子と、前記中間不織布層と前記第2不織布層の間に保持された前記高吸収性ポリマー粒子が、異なる種類のものである、
前記第1または2の態様の吸収性物品。
(作用効果)
中間不織布層を境界として、第1不織布層側と第2不織布層側に別々の種類の高吸収性ポリマーを配置することが好ましい。例えば、第1不織布層(上方の不織布層。以下同じ。)と中間不織布層の間には、排泄液の吸収スピードが遅く、吸収した排泄液を漏出しにくい高吸収性ポリマー粒子を用いることが好ましい。また、第2不織布層(下方の不織布層。以下同じ。)と中間不織布層の間には、第1不織布層と中間不織布層の間のような限定を設けずに、製造原価等から任意の高吸収性ポリマー粒子を用いると良い。
第1不織布層と中間不織布層の間に位置する高吸収性ポリマー粒子の吸収スピードが速いと、その高吸収性ポリマー粒子の膨張が早く、第2不織布層と中間不織布層の間に排泄液が到着しにくい。また、第1不織布層と中間不織布層の間に位置する高吸収性ポリマー粒子が排泄液を漏出すると、排泄液が逆戻りして、着用者が不快感を覚えやすい。そこで、第1不織布層と中間不織布層の間に位置する高吸収性ポリマー粒子を上記のものにすることで、これらの問題を解決することができる。
具体的には、例えば、第1不織布層と中間不織布層の間に位置する高吸収性ポリマー粒子を破砕タイプにして、第2不織布層と中間不織布層の間に位置する高吸収性ポリマー粒子をパールタイプにすることができる。破砕タイプの高吸収性ポリマー粒子は、パールタイプのそれに比べて、排泄液の吸収スピードが遅いという利点がある。他方、パールタイプの高吸収性ポリマー粒子は、破砕タイプのそれに比べて、吸収した排泄液を手放しにくく、逆戻りが発生しにくいという利点がある。
このような前方吸収要素および後方吸収要素の製造方法としては、例えば、中間不織布層の上に高吸収性ポリマー粒子を散布した後、その中間不織布層を反対にして、別の種類の高吸収性ポリマー粒子を散布し、その後、この中間不織布層を第1不織布層と第2不織布層で挟み込む方法を挙げることができる。高吸収性ポリマー粒子が第1不織布層と中間不織布層の間に保持されるとは、高吸収性ポリマー粒子が第1不織布層と中間不織布層の間に自由に移動可能な状態で置かれている形態や、高吸収性ポリマー粒子が中間不織布層のうちの第1不織布層寄りの位置に固定されている形態や、これら2つの形態を組み合わせた形態を含むものである。同様に、高吸収性ポリマー粒子が第2不織布層と中間不織布層の間に保持されるとは、高吸収性ポリマー粒子が第2不織布層と中間不織布層の間に自由に移動可能な状態で置かれている形態や、高吸収性ポリマー粒子が中間不織布層のうちの第2不織布層寄りの位置に固定されている形態や、これら2つの形態を組み合わせた形態を含むものである。
<第5の態様>
前記第1不織布層と前記第2不織布層の間に中間不織布層が設けられ、
前記中間不織布層に前記高吸収性ポリマー粒子が固定されており、
前記中間不織布層の目付が20〜50g/m2であり、
前記中間不織布層の厚さが1〜10mmであり、
前記中間不織布層を構成する繊維の繊度が2.0〜6.0dtexである、
前記第1または2の態様の吸収性物品。
(作用効果)
第1不織布層と第2不織布層の間に中間不織布層を設けることが好ましい。この中間不織布層の目付は、20〜50g/m2にすることが好ましく、30〜40g/m2にすることがより好ましい。このとき、中間不織布層の厚さは、1mm〜10mmにすることが好ましく、3mm〜5mmにすることがより好ましい。さらに、中間不織布層を構成する繊維の繊度が2.0〜6.0dtexにすることが好ましく、3.0〜5.0dtexにすることがより好ましい。
中間不織布層の目付が20g/m2より低く、中間不織布層の厚さが10mmよりも厚く、中間不織布層を構成する繊維の繊度が6.0dtexよりも高いと、中間不織布層内の繊維間の間隙が大きくなりすぎて、中間不織布層の内部の空間に高吸収性ポリマー粒子を固定することが困難になる。高吸収性ポリマー粒子が中間不織布層内に固定されておらず、第1不織布層と中間不織布層の間(および/または中間不織布層と第2不織布層の間)の空間に、自由に移動可能な状態で置かれると、着用者の体位などの影響を受けて、高吸収性ポリマー粒子が一部分に集まり、前方吸収要素に吸収力の偏りが生じてしまう(前方吸収要素に吸収力の高い部分と低い部分が生じてしまう)という問題がある。そのような吸収力の偏りを避けるために、第1不織布層と中間不織布層(および/または中間不織布層と第2不織布層)をホットメルト接着剤などで接着すると、接着剤によって前方吸収要素が硬くなるという問題があるとともに、使用する接着剤の量が増えて原価が上昇するという問題もある。
他方、中間不織布層の目付が50g/m2より高く、中間不織布層の厚さが1mmよりも薄く、中間不織布層を構成する繊維の繊度が2.0dtexよりも低いと、中間不織布層内の繊維間の間隙が小さくなりすぎて、中間不織布層の内部の空間に高吸収性ポリマー粒子を固定することが困難になる。この場合も、前述と同様に、前方吸収要素に吸収力の偏りが生じるという問題がある。また、そのような偏りを避けるために、多量のホットメルト接着剤を使用すると、接着剤によって前方吸収要素が硬くなるという問題があるとともに、使用する接着剤の量が増えて原価が上昇するという問題もある。そして、中間不織布層の厚さが厚くなると、着用者が不快感を覚えやすいという根本的な問題もある。
前述の中間不織布層としては、20g/m2以上の目付を要し、かつ1mm以上の厚みを要するため、エアスルー不織布を用いることが好ましい。反対に、第1不織布層および第2不織布層は、前方吸収要素自体の厚みを抑えるため、薄い方が好ましい。具体的には、各不織布層の厚さを、0.2mm〜0.8mmにすることが好ましく、0.4mm〜0.6mmにすることがより好ましい。この場合、第1不織布層および第2不織布層の各不織布層の目付は、それぞれ20g/m2よりも小さくすることが好ましく、18g/m2よりも小さくすることがより好ましい。
以上の説明では、前方吸収要素について述べたが、後方吸収要素においてもすべて同様のことをいうことができる。
<第6の態様>
前記前方吸収要素の後端部と前記中間吸収要素の前端部、および前記中間吸収要素の後端部と前記後方吸収要素の前端部の少なくとも一方が、厚さ方向に重なり合っており、
この重なり合った部分の前後方向の長さが、10mm以下である前記第1〜5の態様の吸収性物品。
(作用効果)
前方吸収要素の後端部と中間吸収要素の前端部に10mm以下の重なりを設けることが好ましい。重なり部分を設けることで、中間吸収要素から前方吸収要素へ排泄液が移行しやすくなるため、吸収性物品の吸収能力が向上する。同様の理由によって、中間吸収要素の後端部と後方吸収要素の前端部に10mm以下の重なりを設けても良い。この重なり部分は、前方吸収要素と中間吸収要素の間、および中間吸収要素と後方吸収要素の間のどちらか一方に設けても良いが、両方に設けるようにすると、吸収性物品の吸収能力がより向上する。
以上のとおり、本発明によれば、吸収体の薄型化を図ることができる。また、排泄液を漏れにくくすることも可能になる。
展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、平面図である。 図1の2−2線断面図である。 図1の3−3線断面図である。 図1の4−4線断面図である。 (a)図1の5−5断面図、及び(b)図1の6−6断面図である。 中間吸収要素の断面図である。(a)第1不織布層と第2不織布層の間の空間に高吸収性ポリマー粒子がある形態、(b)中間不織布層に高吸収性ポリマー粒子が固定されている形態、(c)第1不織布層および第2不織布層に高吸収性ポリマー粒子が固定されている形態である。
以下、本発明に係る吸収性物品1の好適な実施例について、図面を参照しながら説明する。以下の説明及び図面は、本発明の実施形態の一例を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきではない。
<パンツタイプ使い捨ておむつの例>
図1〜図6は吸収性物品として、パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃Fの少なくとも胴周り部を構成する前側外装体12F及び後身頃Bの少なくとも胴周り部を構成する後側外装体12Bと、前側外装体12Fから股間部を経て後側外装体12Bまで延在するように外装体12F,12Bに設けられた内装体200とを備えており、前側外装体12Fの両側部と後側外装体12Bの両側部とが接合されてサイドシール部12Aが形成されることにより、外装体12F,12Bの前後端部により形成される開口が装着者の胴を通すウエスト開口となり、内装体200の幅方向WDの両側において外装体12F,12Bの下縁及び内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口となる。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装体12F,12Bは着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。また、符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口の縁から後身頃Bのウエスト開口の縁までの前後方向LD長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
本形態のパンツタイプ使い捨ておむつは、サイドシール部12Aを有する前後方向LD範囲(ウエスト開口から脚開口の上端に至る前後方向LD範囲)として定まる胴周り領域Tと、脚開口を形成する部分の前後方向LD範囲(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する前後方向LD領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する前後方向LD領域との間)として定まる中間領域Lとを有する。胴周り領域Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成する「ウエスト部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下方部」Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向WDの伸縮応力が変化する境界(例えば弾性部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口側の境界よりもウエスト開口側がウエスト部Wとなり、このような境界が無い場合は、内装体200よりもウエスト開口側に延び出たウエスト延出部分12Eがウエスト部Wとなる。これらの前後方向LDの長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15〜40mm、ウエスト下方部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間領域Lの両側縁は着用者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚周りに沿う部位となる。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図6に示されるように、着用者の肌側に位置するトップシート30と、裏側に位置する液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えており、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側部から装着者の脚周りに接するように延び出た起き上がりギャザー60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、液透過性を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
トップシート30の両側部は、吸収要素50の側縁で裏側に折り返しても良く、また折り返さずに吸収要素50の側縁より側方にはみ出させても良い。
トップシート30は、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」ともいう)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収要素50へ移行させて吸収要素50による吸収性能を高め、吸収した液の吸収要素50からの「逆戻り」現象を防止するためのものである。逆戻り現象を防止することを鑑みると、トップシート30と吸収要素50の間に、中間シート40を設けることが好ましい。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド不織布又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは17〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図面に例示した中間シート40は、中間吸収要素50Mの幅より短く中央に配置されているが、中間吸収要素50Mの全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の前後方向LDの長さは、おむつの全長と同一でもよいし、各吸収要素50F、50M、50Bの長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
中間シート40は、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により表側又は裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができるが、後述するカバー不織布13とのホットメルト接着剤を介した接着時に十分な接着強度を得るため、樹脂フィルムを用いるのが望ましい。
液不透過性シート11は、図示のように吸収要素50の裏側に収まる幅とする他、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側に回り込ませてトップシート30の両側部まで延在させることもできる。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
(起き上がりギャザー)
起き上がりギャザー60は、横漏れを防止するためのものであり、内装体200の両側部に沿って前後方向LDの全体にわたり延在し、内装体200の側部から表側に起立するものである。
図1、図3〜図5に示した起き上がりギャザー60は、付け根側部分60Bが幅方向WD中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側部分60Aが幅方向WD外側に向かって斜めに起立するものであるが、これに限定されるものではなく、全体として幅方向WD中央側に起立する形態等、適宜の変更が可能である。
より詳細に説明すると、図示例の起き上がりギャザー60は、内装体200の前後方向LDの長さに等しい長さを有する帯状のギャザー不織布62を、先端となる部分で幅方向WDに折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状のギャザー弾性部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向WDに間隔を空けて複数本固定してなるものである。起き上がりギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向WDにおいてシート折り返し部分と反対側の端部)は、内装体200における液不透過性シート11より裏側の側部に固定された付根部分65とされ、この付根部分65以外の部分は付根部分65から延び出る本体部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、本体部分66は、幅方向WD中央側に延びる付け根側部分60Bと、この付け根側部分60Bの先端で折り返され、幅方向WD外側に延びる先端側部分60Aとを有している。この形態は面接触タイプの起き上がりギャザー60であるが、幅方向WD外側に折り返されない線接触タイプの起き上がりギャザー60も採用することができる。そして、本体部分66のうち前後方向LDの両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対して固定された倒伏部分67とされる一方で、これらの間に位置する前後方向LD中間部は非固定の自由部分68とされ、この自由部分68の少なくとも先端部に前後方向LDに沿うギャザー弾性部材63が伸長状態で固定されている。
以上のように構成された起き上がりギャザー60では、ギャザー弾性部材63の収縮力が前後方向LD両端部を近づけるように作用するが、本体部分66のうち前後方向LD両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分68とされているため、自由部分68のみが図3に矢印で示すように身体側に当接するように起立する。特に、付根部分65が内装体200の裏側に位置していると、股間部及びその近傍において自由部分68が幅方向WD外側に開くように起立するため、起き上がりギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
図示例の起き上がりギャザー60のように、本体部分66が、幅方向WD中央側に延びる付け根側部分60Bと、この付け根側部分60Bの先端で折り返され幅方向WD外側に延びる先端側部分60Aとからなる屈曲形態では、倒伏部分67で、先端側部分60Aと付け根側部分60Bとが倒伏状態で接合されるとともに、付け根側部分60Bが倒伏状態でトップシート30に接合される。倒伏部分67における対向面の接合には、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤、及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段の少なくとも一方を用いることができる。
ギャザー不織布62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコーンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。ギャザー弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。なお、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザー不織布62の間に防水フィルム64を介在させることもでき、この場合には防水フィルム64の存在部分においてギャザー不織布62を部分的に省略することもできるが、製品の外観及び肌触りを布のようにするためには、図示例のように、少なくとも起き上がりギャザー60の基端から先端までの外面がギャザー不織布62で形成されていることが必要である。
ギャザー弾性部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、ギャザー弾性部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にもギャザー弾性部材63を配置しても良い。
図示例の起き上がりギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図3に示すように、起き上がりギャザー60の起立高さ(展開状態における本体部分66の幅方向WD長さ)W2は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、起き上がりギャザー60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W1は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
(吸収要素)
複数の吸収要素50が、吸収性物品の前後方向LDに沿って、直列に配置されている。図1の態様では、前後方向LDの前側に前方吸収要素50Fを、前後方向LDの中間に中間吸収要素50Mを、前後方向LDの後側に後方吸収要素50Bを、それぞれ設けている。より詳細には、前身頃Fのウエスト下方部Uの前後方向LD中間部分に、前方吸収要素50Fを配置している。また、前身頃Fのウエスト下方部Uの前後方向LD中間部分から、後身頃Bの中間領域Lの前後方向LD中間部分までの間に、中間吸収要素50Mを配置している。さらに、後身頃Bの中間領域Lの前後方向LD中間部分から、後身頃Bのウエスト下方部Uの前後方向LD中間部分までの間に、後方吸収要素50Bを配置している。
前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bは、表側に設けられた第1不織布層51と、裏側に設けられた第2不織布層52と、これら第1不織布層51と第2不織布層52との間に保持された高吸収性ポリマー粒子53とを有する積層体である。また、中間吸収要素50Mは、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子53の集積体(吸収体56)を包装シート58で包んだものである。これらの構造については、後に詳述する。
前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bは、長方形や正方形などの任意の形状にすることができる。前方吸収要素50Fの幅方向WDの長さは、後方吸収要素50Bの幅方向WDの長さとほぼ同じである。また、前方吸収要素50Fや後方吸収要素50Bの幅方向WDの長さは、内装体200の幅方向WDの長さとほぼ同じである。具体的には、内装体200の幅方向WDの長さが100〜200mmであるときに、前方吸収要素50Fの幅方向WDの長さを90〜220mm程度にすることが好ましく、後方吸収要素50Bの幅方向WDの長さを90〜220mm程度にすることが好ましい。すなわち、前方吸収要素50Fや後方吸収要素50Bの幅方向WDの長さは、内装体200の幅方向WDの長さの80%〜100%程度にすることが好ましく、100%程度にすることがより好ましい。90%よりも短いと、腹漏れや背漏れを生じるおそれがあり、100%よりも長いと、起き上がりギャザー60と干渉するおそれがあるからである。
男性(男の子)用の使い捨ておむつの場合、前方吸収要素50Fの前後方向LDの長さは、前身頃Fのウエスト下方部Uの前後方向LDの長さよりも短くすることが好ましい。男性の排尿口は身体の中央よりも前側に位置するため、排尿口の位置に中間吸収要素50Mを配置する必要があることを考慮すると、中間吸収要素50Mを前後方向LD前側寄りに配置する必要があるからである。具体的には、前身頃Fのウエスト下方部Uの前後方向LDの長さが65mm〜120mmであるときに、前方吸収要素50Fの前後方向LDの長さを30mm〜90mm程度にすることが好ましい。すなわち、前方吸収要素50Fの前後方向LDの長さは、前身頃Fのウエスト下方部Uの前後方向LDの長さの50%〜75%程度にすることが好ましい。50%よりも短いと、腹漏れが生じるおそれがあり、75%よりも長いと、前方吸収要素50Fの厚みにより、着用者が不快感を覚えるおそれがあるからである。
他方、後方吸収要素50Bの前後方向LDの長さは、後身頃Bの内装体200の後端から、後身頃Bの中間領域Lの前後方向LD中間までとすることが好ましい。具体的には、100mm〜300mm程度にすることが好ましい。一般的に、使い捨ておむつの着用者が座ったり横になって眠る際に、着用者の体重が当該部位(内装体200の後端から前後方向中央側に100mm〜300mm程度離れたところまでの範囲)に掛かりやすいため、当該部位で排泄液の逆戻りが生じやすい。そこで、当該部位に後方吸収要素50Bを配置することが好ましい。すなわち、後方吸収要素50Bは、パルプ繊維を含まない(もしくはパルプ繊維を含んだとしても少量である)ため、逆戻りを抑止する効果が高い。
前述のとおり、着用者の排尿口近辺と、そこから前後方向LDにある程度の長さを持たせた領域に、中間吸収要素50Mを配置することが好ましい。後述するが、中間吸収要素50Mはパルプ繊維を含むため、排泄液Liの吸収スピードが速いからである。具体的には、中間吸収要素50Mの前後方向LDの長さは、150mm〜200mm程度にすることが好ましい。
以上の説明では、男性(男の子)用の使い捨ておむつについて説明した。女性(女の子)用の使い捨ておむつの場合は、女性の排尿口が身体の中央部に位置するため、排尿口の位置に中間吸収要素50Mを配置する必要があることを考慮すると、中間吸収要素50Mを前後方向LD中央付近に配置する必要がある。そのため、図1のような男性用の使い捨ておむつに比べて、中間吸収要素50Mの位置が中央寄りになる。それに伴い、前方吸収要素50Fの前後方向LDの長さが、図1よりも長くなり、後方吸収要素50Bの前後方向LDの長さが、図1よりも短くなる。
図1の態様では、前方吸収要素50Fの前後方向LDの後端部と、中間吸収要素50Mの前後方向LDの前端部が厚み方向に重なっている。重なり部分を設けることで、中間吸収要素50Mから前方吸収要素50Fへ排泄液Liが移行しやすくなり、吸収性物品の吸収能力が向上する。図1では、この重なり部分の前後方向LDの長さを10mmにしているが、この長さは任意に変更することができる。具体的には、重なり部分の前後方向LDの長さは5mm〜10mmにすることが好ましく、5mm〜7mmにすることがより好ましい。重なり部分の前後方向LDの長さが5mmより短いと、中間吸収要素50Mから前方吸収要素50Fに排泄液Liが移行しにくいという問題がある。また、重なり部分の前後方向LDの長さが10mmより長いと、着用者が吸収要素50の厚みを感じて、不快感を覚える可能性があるという問題がある。
同様に、図1の態様では、中間吸収要素50Mの前後方向LDの後端部と、後方吸収要素50Bの前後方向LDの前端部が厚み方向に重なっている。中間吸収要素50Mから後方吸収要素50Bへ排泄液Liを移行して、吸収性物品の吸収能力を向上させるためである。図1では、この重なり部分の前後方向LDの長さを10mmにしているが、この重なり部分の前後方向LDの長さを、5mm〜10mmの範囲(より好ましくは5mm〜7mmの範囲)で任意に変更することができる。前記と同様の理由からである。
なお、前方吸収要素50Fの前後方向LD後端部と中間吸収要素50Mの前後方向LD前端部を隣接させても良い。ここで、前方吸収要素50Fと中間吸収要素50Mを隣接させるとは、前方吸収要素50Fと中間吸収要素50Mの間で重なり部分を設けず、かつ前方吸収要素50Fと中間吸収要素50Mを前後方向LDに離しすぎないで配置することをいう。前方吸収要素50Fと中間吸収要素50Mの間の離間距離は、5mm以内にすることが好ましく、3mm以内にすることが好ましく、0mmとすることがより好ましい。前方吸収要素50Fと中間吸収要素50Mが離間距離が長くなると、中間吸収要素50Mから前方吸収要素50Fへ排泄液Liが移行しにくくなるからである。
同様に、中間吸収要素50Mの前後方向LD後端部と後方吸収要素50Bの前後方向LD前端部を隣接させても良い。中間吸収要素50Mと後方吸収要素50Bを隣接させるとは、中間吸収要素50Mと後方吸収要素50Bの間で重なり部分を設けず、かつ中間吸収要素50Mと後方吸収要素50Bを前後方向LDに離しすぎないで配置することをいう。ここで、中間吸収要素50Mと後方吸収要素50Bの間の離間距離は、5mm以内にすることが好ましく、3mm以内にすることが好ましく、0mmとすることがより好ましい。前記と同様の理由からである。
図6の態様では、中間吸収要素50Mを厚み方向の裏側(下側)に配置し、前方吸収要素50F及び後方吸収要素50Bを厚み方向の肌側(上側)に配置している。中間吸収要素50Mを裏側に配置すると、中間吸収要素50Mを肌側に配置した場合と比べて、着用者の排泄口と中間吸収要素50Mの間の距離が長くなるため、中間吸収要素50Mに吸収された排泄液Liが逆戻りしにくくなる。このような利点を考慮せずに、前方吸収要素50F及び後方吸収要素50Bを下側に配置し、中間吸収要素50Mを上側に配置しても良い。
また、図1の態様において、中間吸収要素50Mの幅方向WDの長さは、前方吸収要素50Fや後方吸収要素50Bの幅方向WDの長さよりも短くなっている。中間吸収要素50Mの幅を短くすることにより、吸収性物品が着用者の足回りにフィットしやすくなる。
中間吸収要素50Mは、吸収体56Fと、この吸収体56Fの全体を包む包装シート58を有する。この包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。吸収体56の中に高吸収性ポリマー粒子53を分散保持させることが好ましい。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56は、前記繊維集合体の一部または全部に、高吸収性ポリマー粒子53を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子53とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子53としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子53の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子53としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子53の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子53としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子53としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子53の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子53は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。例えば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子53が抜け出ないシートであるのが望ましい。下層吸収体56Dを包む包装シート58として、クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
吸収体56の肌面側および裏面側にそれぞれ配置される包装シート58のうち、少なくともどちらか一方は、エアスルー製法で製造された嵩が高いエアスルー不織布を用いることが好ましい。このエアスルー不織布としては、嵩の高さが1〜5mm、目付けが25〜50g/m2のものが好ましい。嵩高のエアスルー不織布を用いることにより、高吸収性ポリマー粒子53が尿などの体液を吸収して膨潤した時における膨潤スペースを確保することができる。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性、前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子53の漏れ防止、資材点数の減少等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、かつその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、巻き重なる部分及び前後はみ出し部分の重なり部分をホットメルト接着剤、素材溶着等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(前方吸収要素、中間吸収要素、後方吸収要素)
前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bは、図7(a)〜(c)に示す例のように、第1不織布層51と、第2不織布層52と、これら第1不織布層51と第2不織布層52との間に保持された高吸収性ポリマー粒子53とを有する積層体である。以下の記述においては、前方吸収要素50Fの積層構造と、その前方吸収要素50Fに含まれる高吸収性ポリマー粒子53を例に挙げて説明するが、後方吸収要素50Bの積層構造と、その後方吸収要素50Bに含まれる高吸収性ポリマー粒子53についてもすべて同様のことをいうことができる。すなわち、前方吸収要素50Fの積層構造と、その前方吸収要素50Fに含まれる高吸収性ポリマー粒子53の説明箇所に関しては、「前方吸収要素50F」の文言を「後方吸収要素50B」の文言に置き換えることが可能である。
図7(a)に示したように、第1不織布層51と第2不織布層52の間に、高吸収性ポリマー粒子53が移動可能な状態で置かれると、着用者の体位等の影響を受けて、高吸収性ポリマー粒子53が一部分に集中し、他方、他の部分にはほとんど存在しなくなり、結果として前方吸収要素50Fの吸収力に偏りが生じてしまう。そのため、このような形態では、第1不織布層51と第2不織布層52の間を多量のホットメルト接着剤等によって接合し、高吸収性ポリマー粒子53の移動を制限することが好ましい。
一方、図7(b)に示すように、第1不織布層51と第2不織布層52の間に中間不織布層57を設け、この中間不織布層57に高吸収性ポリマー粒子53を固定する態様が好ましい態様である。この場合、中間不織布層57の目付は、20〜50g/m2にすることが好ましく、30〜40g/m2にすることがより好ましい。それとともに、中間不織布層57の厚さを、1mm〜10mmにすることが好ましく、3mm〜5mmにすることがより好ましい。さらに、それとともに、中間不織布層57を構成する繊維の繊度を2.0〜6.0dtexにすることが好ましく、3.0〜5.0dtexにすることがより好ましい。
中間不織布層57の目付が20g/m2より低く、かつ、中間不織布層57の厚さが10mmよりも厚く、かつ、中間不織布層57を構成する繊維の繊度が6.0dtexよりも高いと、中間不織布層57の内部の繊維間の間隙が大きくなりすぎて、中間不織布層57の内部の空間に高吸収性ポリマー粒子53を固定することが困難になる。例えば、製造時において、このような条件の中間不織布層57に高吸収性ポリマー粒子53を散布した場合、高吸収性ポリマー粒子57が中間不織布層57の繊維間の間隙を通って、裏側へ抜けてしまう。このように、高吸収性ポリマー粒子53が中間不織布層57の内部に固定されておらず、第1不織布層51と中間不織布層57の間の空間または中間不織布層57と第2不織布層52の間の空間に自由に移動可能な状態で置かれると、着用者の体位などの影響を受けて、高吸収性ポリマー粒子53が一部分に集まる。その結果、平面視で、前方吸収要素50Fに吸収力の高い部分と吸収力の低い部分が生じ、吸収力の偏りが生じてしまう。そして、このような吸収力の偏りを避けるために、各不織布層の間(第1不織布層51と中間不織布層57の間、および中間不織布層57と第2不織布層52の間)を多量のホットメルト接着剤などで接着すると、接着剤によって中間吸収要素50Mが硬くなってしまう。
他方、中間不織布層57の目付が50g/m2より高く、中間不織布層57の厚さが1mmよりも薄く、中間不織布層57を構成する繊維の繊度が2.0dtexよりも低いと、中間不織布層57の内部の繊維間の間隙が小さくなりすぎて、中間不織布層57内の繊維間の間隙に高吸収性ポリマー粒子53が入りにくくなるため、この場合も高吸収性ポリマー粒子53を中間不織布層57に固定することが困難である。そのため、前述と同様に、前方吸収要素50Fに吸収力の偏りが生じてしまう。そのような偏りを避けるために、多量のホットメルト接着剤を使用すると、接着剤によって中間吸収要素50Mが硬くなってしまうとともに、使用する接着剤の量が増えて原価が上昇してしまう。
また、図7(c)に示すように、第1不織布層51と第2不織布層52のそれぞれに対して、高吸収性ポリマー粒子53を固定するようにしてもよい。なお、このような構造の前方吸収要素50Fは、例えば第1不織布層51及び第2不織布層52における一方の対向面の全体にわたり連続的又は間欠的にホットメルト接着剤44を塗布し、その塗布面上に高吸収性ポリマー粒子53を散布した後に、第1不織布層51及び第2不織布層52を貼り合わせることにより製造することができる。
そのほか、前方吸収要素50Fは、第1不織布層51と第2不織布層52との間に高吸収性ポリマー粒子53が保持される限り、どのような位置に高吸収性ポリマー粒子53を含有していてもよい。
なお、前記各積層体における隣り合う層は互いにホットメルト接着剤等により接合されていることが好ましい。ただし、ホットメルト接着剤の量を多くすると、前方吸収要素50Fが硬くなり、着用者が不快感を覚えやすいため、多量に使用しない方がこの好ましい。
第1不織布層51および第2不織布層52は特に限定されないが、高吸収性ポリマー粒子53が、前方吸収要素50Fの外に漏れだすことを防ぐため、各不織布層51、52を構成する繊維の間隙が、高吸収性ポリマー粒子53の直径よりも小さいスパンボンド不織布やSMS不織布を用いることが好ましい。また、第1不織布層51および第2不織布層52は、排泄液Liを内部の空間54に移行させるために、親水性にすることが好ましい。さらに、前方吸収要素50F全体の厚さを薄くし、着用者が不快感を覚えることを防ぐために、薄いものにすることが好ましい。具体的には、第1不織布層51の目付は、8〜20g/m2にすることが好ましく、13〜18g/m2にすることがより好ましい。それとともに、第1不織布層51の厚さを、0.2〜0.8mmにすることが好ましく、0.4〜0.6mmにすることがより好ましい。さらに、それとともに、第1不織布層51を構成する繊維の繊度を1.5〜4.0dtexにすることが好ましく、2.5〜3.0dtexにすることがより好ましい。第2不織布層52についても、第1不織布層51と同様の範囲の目付、厚み、繊度とすることが好ましい。
第1不織布層51の厚さが0.8mmよりも厚く、目付が8g/cm2より低く、繊度が4.0dtexよりも大きいと、第1不織布層51を構成する繊維間の間隙が大きくなりすぎて、第1不織布層51の外部に(すなわち、前方吸収要素50Fの外側に)第1不織布層51の外部に高吸収性ポリマー粒子が漏れ出るおそれがある。前述と同様の理由から、第2不織布層52においても、第1不織布層51と同様の厚さ、目付、繊度にすることが好ましい。
前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bに含まれる高吸収性ポリマー粒子53としては、中間吸収要素50Mと同様のものを用いることができるが、中でも液透過性に優れるもの、具体的には吸水速度が20〜35秒かつ吸収量が50〜70g/gであるものが好ましい。一方、中間吸収要素50Mに含まれる高吸収性ポリマー粒子53は吸収量が多いもの、具体的には吸水速度が60〜80秒かつ吸収量が50〜70g/gであるものが好適である。中間吸収要素50Mにおける高吸収性ポリマー粒子53の目付けは適宜定めることができるが、50〜200g/m2程度とすることが好ましい。
中間吸収要素50Mは、拡散性の向上機能も担うため、前方吸収要素50F及び後方吸収要素50Bの前後方向LDの中間、かつ前方吸収要素50F及び後方吸収要素50Bの幅方向WDの中間に配置される。
特徴的には、中間吸収要素50Mの前後方向LD両端部の位置において、中間吸収要素50Mと前方吸収要素50Fとが接合された接合部80を有するとともに、中間吸収要素50Mと後方吸収要素50Bとが接合された接合部80を有し、これら接合部80の間に、中間吸収要素50Mの前後方向LD全体にわたって、中間吸収要素50Mと前方吸収要素50F、および中間吸収要素50Mと後方吸収要素50Bとが接合されていない非接合部81を有している。非接合部81の幅は特に限定されるものではないが、中間吸収要素50Mの全長(前後方向LDの長さ)の80%〜100%であると好ましい。接合部80は、幅方向WDに連続的に設ける他、幅方向WDに間欠的に設けることもできる。
排泄時には、中間吸収要素50Mに供給された排泄液Liは中間吸収要素50M内に浸透及び拡散し、一部は中間吸収要素50M内の高吸収性ポリマー粒子53およびパルプ繊維に吸収され、残りは高吸収性ポリマー粒子53およびパルプ繊維により吸収されずに浸透及び拡散し、前方吸収要素50Fや後方吸収要素50Bへ向かうこととなる。ここで、図6に矢印で排泄液Liの流れを示すように、非接合部81では中間吸収要素50Mの裏側に他の吸収要素がないため、中間吸収要素50Mから下方へ排泄液Liの移行が起こりにくい。そのため、中間吸収要素50M内の排泄液Liは周囲に拡散しやすくなり、前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bに排泄液Liが到達しやすくなる。つまり、拡散性の向上による吸収可能量の増加も図られる。
また、中間吸収要素50Mは、パルプ繊維を含むため、前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bと比べて、吸収スピードが速い。そのため、中間吸収要素50Mの肌面側に液だまりが生じにくく、排泄液Liが着用者の肌に接触することによる不快感を覚えにくい。
他方、前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bはこのパルプ繊維を含まないため(含んだとしてもごく少量であるため)、厚さを薄くすることができる。そのため、当該部分の厚さが薄くなり、着用者が不快感を覚えにくくなる。
また、前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bと、前述の中間吸収要素50Mを組み合わせることにより、効果的に、吸収体56の強度低下及び吸収体56の厚みの増加を防止しつつ、吸収可能量を向上させるとともに、吸収速度も確保することができる。
以上のように、前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bとしては、第1不織布層51と第2不織布層52の間に、高吸収性ポリマー粒子53を間欠的に配置した高吸収性ポリマーシート(SAPシート、Super Absorbent Polymer Sheet)を用いることが好ましい。この高吸収性ポリマーシートは、パルプが含まれていないため、嵩が増えにくいという利点があるからである。また、繊維集合体に高吸収性ポリマー粒子53を含有させた中間吸収要素50Mと異なり、高吸収性ポリマー粒子53が肌面側に位置することになるため、排泄液Liが逆戻りすることを防止できるという利点もある。
前方吸収要素50Fのうち、第1不織布層51に固定された高吸収性ポリマー粒子53Uや、第1不織布層51と中間不織布層57の間に保持された前記高吸収性ポリマー粒子53Uは、粒子が破砕されたタイプが好ましい。この破砕タイプの高吸収性ポリマー粒子53Uは、通液性が高く、排泄液Liが中間不織布層57よりも下方側(中間不織布層57を設けない態様では第2不織布層52)に流れ込むことを阻害しにくいからである。他方、第2不織布層52に固定される高吸収性ポリマー粒子53Dや、第2不織布層52と中間不織布層57の間に保持された前記高吸収性ポリマー粒子53Dは、破砕タイプ以外にも、破砕していないポリマー粒子、すなわちパールタイプの高吸収性ポリマー粒子53を用いることができる。
反対に、第1不織布層51に固定された高吸収性ポリマー粒子53Uや、第1不織布層51と中間不織布層57の間に保持された前記高吸収性ポリマー粒子53Uとして、通液性の高い破砕タイプ以外に、高い保水性があるパールタイプを用いても良い。第1不織布層51に固定された高吸収性ポリマー粒子53Uや、第1不織布層51と中間不織布層57の間に保持された前記高吸収性ポリマー粒子53Uとして、保水性の高い高吸収性ポリマー粒子53を用いると、破砕タイプの高吸収性ポリマー粒子53を用いた場合と比べて、尿の逆戻り防止効果が高くなる。
第1不織布層51および第2不織布層52に用いる不織布としては、目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となった疎水性繊維を含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった撥水性繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。
このとき、第1不織布層51の不織布及び第2不織布層の不織布52の少なくとも一方は、スパンボンド不織布またはSMS不織布にすることが好ましい。一般的に、スパンボンド不織布やSMS不織布は、嵩が少ないため、前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bの厚みを薄くすることができ、着用者の不快感をより軽減することができるからである。
図7(a)(b)の例においては、第1不織布層51および第2不織布層52に15g/m2のスパンボンド不織布を用いている。第1不織布層51と第2不織布層52の間の間隙54に、他の不織布を挟む場合は、例えば30g/m2のエアスルー不織布を用いることができる。
なお、第1不織布層51は複数枚の不織布を積層したものであっても良いし、一枚の不織布を折り返して複数層にしたものであっても良い。この点に関して、第2不織布層52も同様である。ただし、前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bを薄型化して、着用者の不快感を軽減するためには、第1不織布層51を一層にすることが好ましく、かつ、第2不織布層52も一層にすることが好ましい。
(外装体)
外装体12F,12Bは、前身頃Fから後身頃Bにかけて股間を通り連続する一体的なものとする等、特に限定されるものではないが、図示例では前身頃Fの少なくとも胴周り部を構成する部分である長方形の前側外装体12Fと、後身頃Bの少なくとも胴周り部を構成する部分である長方形の後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは股間側で連続しておらず、前後方向LDに離間されたものとなっている。この離間距離12dは例えば150〜250mm程度とすることができる。
外装体12F,12Bは、胴周り領域Tを有する。また、本形態では、前側外装体12Fよりも後側外装体12Bの方が前後方向LDの寸法が長くなっており、後側外装体12Bは胴周り領域Tから中間領域L側に延び出た臀部カバー部Cを有しているが、前側外装体12Fは、前記臀部カバー部Cを有していない。図示しないが、前側外装体12Fにも胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る鼠蹊カバー部を設けても良い。
外装体12F,12Bは、図示したように、後述する弾性部材15〜19の外側及び内側にそれぞれ位置する外側シート層12S及び内側シート層12Hがホットメルト接着剤や溶着等の接合手段により接合されたものである。外側シート層12Sを形成するシート材及び内側シート層12Hを形成するシート材は、図示例のように共通の一枚のシート材とする他、個別のシート材とすることもできる。すなわち、前者の場合、外装体の一部又は全部において、ウエスト開口WOの縁(股間側の縁としても良い)で折り返された一枚のシート材の内側の部分及び外側の部分により内側シート層12H及び外側シート層12Sがそれぞれ形成される。
外側シート層12S及び内側シート層12Hに用いるシート材としては、特に限定無く使用できるが不織布が好ましく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維や、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などからなる不織布を使用することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
(伸縮領域・非伸縮領域)
外装体12F,12Bには、装着者の胴周りに対するフィット性を高めるために、外側シート層12S及び内側シート層12H間に弾性部材15〜19が設けられ、弾性部材の伸縮を伴って幅方向WDに弾性伸縮する伸縮領域A2が形成されている。この伸縮領域A2では、自然長の状態では外側シート層12S及び内側シート層12Hが弾性部材の収縮に伴って収縮し、皺又は襞が形成されており、弾性部材の長手方向に伸長すると、外側シート層12S及び内側シート層12Hが皺なく伸び切る所定の伸長率まで伸長が可能である。弾性部材15〜19としては、糸ゴム等の細長状の弾性部材(図示例)のほか、帯状、網状、フィルム状等、公知の弾性部材を特に限定なく用いることができる。弾性部材15〜19としては合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。
外装体12F,12Bにおける外側シート層12S及び内側シート層12Hの貼り合わせや、その間に挟まれる弾性部材15〜19の固定には、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。外装体12F,12B全面を強固に固定すると柔軟性を損ねるため、弾性部材15〜19の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示例では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により弾性部材15〜19の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布して両シート層12S,12H間に挟むことにより、当該弾性部材15〜19の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、両シート層12S,12Hへの弾性部材15〜19の固定と、両シート層12S,12H間の固定とを行う構造となっている。弾性部材15〜19は伸縮領域における伸縮方向の両端部のみ、外側シート層12S及び内側シート層12Hに固定することができる。
図示例のウエスト下方部Uや臀部カバー部Cのように、吸収体56を有する前後方向LDの範囲に弾性部材15,16,19を設ける場合には、その一部又は全部において吸収体56の幅方向WDの収縮を防止するために、吸収体56と幅方向WDに重なる部分の一部又は全部を含む幅方向WD中間(好ましくは内外接合部201,202の全体を含む)が非伸縮領域A1とされ、その幅方向WD両側が伸縮領域A2とされる。ウエスト部Wは幅方向WDの全体にわたり伸縮領域A2とされるのが好ましいが、ウエスト下方部Uと同様に、幅方向WD中間に非伸縮領域A1を設けても良い。
このような伸縮領域A2及び非伸縮領域A1は、内側シート層12Hと、外側シート層12Sとの間に、弾性部材15〜17,19を供給し、弾性部材15,16,19を伸縮領域A2における少なくとも伸縮方向の両端部でホットメルト接着剤を介して固定し、非伸縮領域A1となる領域では固定せず、非伸縮領域A1となる領域において、弾性部材15,16,19を加圧及び加熱により幅方向WD中間の1か所で切断するか、又は多数個所で細かく切断し、伸縮領域A2に伸縮性を残しつつ非伸縮領域A1では伸縮性を殺すことにより構築することができる。前者の場合、図4に示すように、非伸縮領域A1には、伸縮領域A2の弾性部材15,16,19から連続する切断残部が不要弾性部材18として単独で自然長まで収縮した状態で、外側シート層12S及び内側シート層12H間に残ることとなり、後者の場合、図示しないが、伸縮領域A2の弾性部材15,16,19から連続する切断残部、及び両方の伸縮領域A2の弾性部材15,16,19と連続しない弾性部材の切断片が不要弾性部材として単独で自然長まで収縮した状態で、外側シート層12S及び内側シート層12H間に残ることになる。
(カバー不織布)
外装二分割タイプのパンツタイプ使い捨ておむつでは、前側外装体12F及び後側外装体12Bとの間に内装体200が露出するため、内装体200の裏面に液不透過性シート11が露出しないように、前側外装体12Fと内装体200との間から、後側外装体12Bと内装体200との間にかけて、内装体200の裏面を覆うカバー不織布13を備えていることが好ましい。
カバー不織布13に用いる不織布は、例えば外装体12F,12Bの素材と同様のものを適宜選択することができる等、繊維の種類や、繊維の結合(交絡)方法により特に限定されるものではないが、エアスルー不織布を用いることが望ましく、その場合の目付けは20〜40g/m2、厚みは0.3〜1.0mmであると好ましい。カバー不織布13としては、表裏に貫通する孔を有しない無孔不織布を用いても、また表裏に貫通する孔が間隔を空けて多数設けられた有孔不織布を用いてもよい。
カバー不織布13の前後方向LDの範囲は特に限定されず、図2及び図5に示すように、内装体200の前端から後端までの全体にわたり前後方向LDに延在していてもよく、前側外装体12Fと内装体200とが重なる領域の前後方向LD中間位置から後側外装体12Bと内装体200とが重なる領域の前後方向LD中間位置まで前後方向LDに延在していてもよい。また、図6に示す例の場合、カバー不織布13と前側外装体12Fとの重なり部分の前後方向LDの長さ13y、及びカバー不織布13と後側外装体12Bとの重なり部分の前後方向LDの長さ13yは適宜定めることができるが、通常の場合それぞれ20〜40mm程度とすることができる。
カバー不織布13の幅方向WDの範囲は、液不透過性シート11の裏面露出部分を隠しうる範囲とされる。このため、図示例では、左右の起き上がりギャザー60の基端の間に液不透過性シート11が露出するため、少なくとも一方の起き上がりギャザー60の基端部の裏側から他方の起き上がりギャザー60の基端部の裏側までの幅方向WDの範囲を覆うようにカバー不織布13が設けられている。これにより、液不透過性シート11をカバー不織布13と起き上がりギャザー60のギャザー不織布62とで隠蔽することができる。また、カバー不織布13の幅方向WD両端部が起き上がりギャザー60の基端部の裏側を覆うのではなく、ギャザー不織布62がカバー不織布13の幅方向WD両端部の裏側を覆うようにしても、カバー不織布13とギャザー不織布62とで液不透過性シート11を隠蔽することは可能である。この場合、カバー不織布13の両側部がギャザー不織布62により覆われるため、カバー不織布13の両側部が液不透過性シート11から剥がれにくくなるという利点がある。
カバー不織布13の内面及び外面は、それぞれ対向面にホットメルト接着剤を介して接着することができる。カバー不織布13の固定領域は、カバー不織布13の前後方向LD全体及び幅方向WD全体とするほか、一部を非固定とすることもできる。例えばカバー不織布13の幅方向WD両端部が非固定であると、起き上がりギャザー60の影響で吸収体56の側部がいくらか収縮した状態でもその影響を受けにくくなり、カバー不織布13に皺や折れが形成されにくいという利点がもたらされる。この場合におけるカバー不織布13の幅方向WD両端部の非固定部分の幅は適宜定めればよいが、例えば3〜10mm、好ましくは5〜8mmとすることができる。
(内外接合部)
内装体200の外装体12F,12Bに対する固定は、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により行うことができる。図示例では、内装体200の裏面、つまりこの場合は液不透過性シート11の裏面及び起き上がりギャザー60の付根部分65に塗布されたホットメルト接着剤を介して外装体12F,12Bの内面に対して固定されている。この内装体200と外装体12F,12Bとを固定する内外接合部201,202は、図2に示すように、両者が重なる領域のほぼ全体に設けることができ、例えば内装体200の幅方向WD両端部を除いた部分に設けることもできる。
(製造方法)
包装シート58の上に前方吸収要素50Fと後方吸収要素50Bを載置する。その際、前方吸収要素50Fと後方吸収要素50Bの間に間隙(製品の前後方向LDの間隙)を空ける。そして、前方吸収要素50Fと後方吸収要素50Bの上に包装シート58を被せる。そして、それらの下に中間吸収要素50Mを載置する。中間吸収要素50Mを載置する位置は、前方吸収要素50Fと後方吸収要素50Bの間の間隙部分である。その後、これらの吸収要素50F、50M、50Bの連結体を任意の位置でカットする。男性用(男の子用)の使い捨ておむつの場合は、排尿口の位置が前側にあるため、中間吸収要素50Mが、製品の前後方向LD前側の位置となるように、カットする。それに対して、女性用(女の子用)の使い捨ておむつの場合は、排尿口の位置が中央付近にあるため、中間吸収要素50Mが、製品の前後方向LD中央の位置となるように、カットする。以上のように、カット位置を変更するだけで、男女別仕様の使い捨ておむつを製造することができる。
(その他)
前記の説明においては、排尿に関するものを例示して説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、尿のほかに水分量が多い便(軟便)などにも有効である。
図面においては、前方吸収要素50Fが1つの吸収要素50から構成されるものを示したが、このような構成に限られるものではなく、複数個の吸収要素50を前後方向LDや幅方向WDに並べて、それを前方吸収要素50Fと称しても良い。この点は、中間吸収要素50Mや後方吸収要素50Bも同様である。重要な点は、前後方向LDの前側に前方吸収要素50Fが配置され、前後方向LDの中間に中間吸収要素50Mが配置され、前後方向LDの後側に後方吸収要素50Bが配置され、中間吸収要素50Mが、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子53の集積体を包装シート58で包んだものであり、前方吸収要素50Fおよび後方吸収要素50Bが、表側に設けられた第1不織布層51と、裏側に設けられた第2不織布層52と、これら第1不織布層51と第2不織布層52との間に保持された高吸収性ポリマー粒子53とを有する積層体であることである。そのため、本発明に係る吸収性物品には、前方吸収要素50F、中間吸収要素50M、後方吸収要素50B以外の吸収要素50を配置しても良いが、吸収要素50を薄型化して、着用者の不快感を軽減することを鑑みると、その他の吸収要素50は配置しないことが好ましい。特に、中間吸収要素50Mの肌側及び裏側には、他の吸収要素50を配置しないことが好ましい。中間吸収要素50Mが配置される部分は、着用者の股下であるため、着用者が吸収要素50の厚みによる不快感を感じやすいし、着用者の両足で締め付けられるため、撚れや割れが発生して排泄液Liの漏れが生じやすいから、薄型であることが特に重要である。
なお、中間要素50Mにおいて、表側に設けられた第1不織布層51と、裏側に設けられた第2不織布層52の間に高吸収性ポリマー粒子53が保持されているとは、図7(a)のように、第1不織布層51と第2不織布層52の間の間隙54に高吸収性ポリマー粒子53が配置される形態のほか、図7(b)のように、第1不織布層51や第2不織布層52の内部に高吸収性ポリマー粒子53が配置される形態も含むものである。もちろん、第1不織布層51と第2不織布層52の間の間隙54に高吸収性ポリマー粒子53を配置するとともに、第1不織布層51や第2不織布層52の内部に高吸収性ポリマー粒子53を配置する形態も含まれる。さらに、第1不織布層51と第2不織布層52のどちらか一方の層の内部に高吸収性ポリマー粒子53が配置される形態も含まれる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」WDとは前後方向LDと直交する方向(左右方向)を意味する。
・「表側」「肌面側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」「裏面側」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
・「表面」「肌面」とは部材の、パンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とはパンツタイプ使い捨ておむつを着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、10倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつや、テープタイプ使い捨ておむつの他、パッドタイプ使い捨ておむつ等、使い捨ておむつ全般に適用できるものであり、また、生理用ナプキン等の他の吸収性物品にも適用できることはいうまでもない。
11…液不透過性シート、12A…サイドシール部、12B…後側外装体、12E…ウエスト延出部分、12F…前側外装体、12H…内側シート層、12S…外側シート層、13…カバー不織布、16…カバー部弾性部材、17…ウエスト部弾性部材、18…不要弾性部材、200…内装体、201,202…内外接合部、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、50F…前方吸収要素、50M…中間吸収要素、50B…後方吸収要素、51…第1不織布層、52…第2不織布層、53…高吸収性ポリマー粒子、54…第1不織布層と第2不織布層の間隙、56…吸収体、56F…前方吸収要素の吸収体、56M…中間吸収要素の吸収体、56B…後方吸収要素の吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、60A…先端側部分、60B…付け根側部分、62…ギャザー不織布、67…倒伏部分、80…接合部、81…非接合部、A1…非伸縮領域、A2…伸縮領域、C…臀部カバー部、H…固定部、L…中間領域、LD…前後方向、T…胴周り領域、U…ウエスト下方部、W…ウエスト部、WD…幅方向、Li…排泄液(尿、便の液分など)

Claims (6)

  1. 複数の吸収要素が前後方向に直列に配置された吸収性物品であって、
    前記複数の吸収要素は、
    前後方向の前側に設けた前方吸収要素と、
    前後方向の中間に設けた中間吸収要素と、
    前後方向の後側に設けた後方吸収要素とを有し、
    前記中間吸収要素は、パルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子の集積体を包装シートで包んだものであり、
    前記前方吸収要素および前記後方吸収要素は、表側に設けられた第1不織布層と、裏側に設けられた第2不織布層と、これら第1不織布層と第2不織布層との間に保持された高吸収性ポリマー粒子とを有する積層体であり、
    前記前方吸収要素の後端部と前記中間吸収要素の前端部が隣接し、または重なり合っており、
    前記中間吸収要素の後端部と前記後方吸収要素の前端部が隣接し、または重なり合っている、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記第1不織布層の不織布及び前記第2不織布層の不織布の少なくとも一方は、スパンボンド不織布またはSMS不織布である請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記前方吸収要素および前記後方吸収要素に含まれる前記高吸収性ポリマー粒子は、前記第1不織布層及び前記第2不織布層の両方に固定され、
    前記第1不織布層に固定された前記高吸収性ポリマー粒子と前記第2不織布層に固定された前記高吸収性ポリマー粒子が、異なる種類のものである、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記第1不織布層と前記第2不織布層の間に中間不織布層が設けられ、
    前記高吸収性ポリマー粒子が、前記第1不織布層と前記中間不織布層の間に保持されるとともに、前記中間不織布層と前記第2不織布層の間にも保持され、
    前記第1不織布層と前記中間不織布層の間に保持された前記高吸収性ポリマー粒子と、前記中間不織布層と前記第2不織布層の間に保持された前記高吸収性ポリマー粒子が、異なる種類のものである、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  5. 前記第1不織布層と前記第2不織布層の間に中間不織布層が設けられ、
    前記中間不織布層に前記高吸収性ポリマー粒子が固定されており、
    前記中間不織布層の目付が20〜50g/m2であり、
    前記中間不織布層の厚さが1〜10mmであり、
    前記中間不織布層を構成する繊維の繊度が2.0〜6.0dtexである、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  6. 前記前方吸収要素の後端部と前記中間吸収要素の前端部、および前記中間吸収要素の後端部と前記後方吸収要素の前端部の少なくとも一方が、厚さ方向に重なり合っており、
    この重なり合った部分の前後方向の長さが、10mm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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