JP2020049160A - 洗浄具 - Google Patents

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はるひ 金子
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Abstract

【課題】高い洗浄力を確保すると共に、持ちやすい洗浄具を提供する。【解決手段】一実施形態に係る洗浄具1は、熱可塑性樹脂からなるコイル状フィラメントによって形成された本体部2と、本体部2の内部に形成された中空部3と、を備える。該洗浄具は、前記中空部が形成されていることにより前記本体部を容易に変形させることができ、手で持ちやすくすることができる。また、該洗浄具は、外力で容易に変形させることができ、高い追従性を有するので、溝のような狭い空間に入り込ませることができ、前記空間に溜まった汚れを掻き落とすことができる。【選択図】図2

Description

本開示の一側面は、洗浄具に関する。
特許文献1には、溶融結合された不織布製品とその製造方法が記載されている。不織布製品は、線状の部材が不規則に絡まるように形成されたウェブから成る磨き用製品を含んでいる。磨き用製品の製造方法では、ウェブ形成域において捲縮されたステープル繊維からウェブ先駆体が形成され、ウェブ先駆体が加熱で溶融結合されることによってウェブが形成される。
ウェブは、一対のローラ間を通過し、バインダー先駆体溶液と研磨粒子を含有する液状バインダー先駆体スラリーが塗布される。ウェブに塗布されたバインダー先駆体スラリーの量は一対のローラ間をウェブが通ることによって調整される。また、ウェブのバインダー先駆体溶液は硬化され、このとき、ウェブは、繊維と硬化樹脂の層を有し、硬化樹脂の層はバインダーが存在するため他の部位よりも緻密とされている。そして、ウェブは再度加熱される。再度加熱されたウェブは、バインダー及び研磨粒子が塗布された繊維の下方部分と、バインダーも研磨粒子も有しない上方部分とを有する。
前述のウェブは2つの熱融着縁を更に有し、2つの熱融着縁がウェブの両端のそれぞれに一対に配置されている。熱融着縁は直線状とされており、熱融着縁の幅は可変とされている。熱融着縁は他の部分よりもざらついた触感とされており、熱融着縁の幅が狭い場合には粗い縁の触感が低減され、熱融着縁の幅が広い場合には堅くこびりついた食物かす等を磨いて擦り落としやすくすることが可能となる。
特表平8−500642号公報
前述した磨き用製品等の洗浄具は、線状の部材が不規則に絡まるように形成されたウェブを有し、洗浄対象物を磨いて洗浄するときに線状の部材の一つ一つが食物かす等の汚れを掻き落とすため、洗浄対象物の汚れを強力に掻き落とすことが可能である。しかしながら、この種の洗浄具では硬いことが問題となる可能性がある。具体的には、硬い洗浄具では、例えば、持ったときに角が手に当たって持ちにくいことがあったり、大きい洗浄具では持つこと自体が難しい場合も想定される。更に、硬い洗浄具は、追従性が低いため、溝のような狭い空間に十分に入り込まないことがあり、狭い空間に溜まった汚れを十分に落とせないことも想定される。従って、高い洗浄力を確保すると共に持ちやすい洗浄具を提供することが求められる。
本開示の一形態に係る洗浄具は、熱可塑性樹脂からなるコイル状フィラメントによって形成された本体部と、本体部の内部に形成された中空部と、を備える。
この形態に係る洗浄具では、本体部が熱可塑性樹脂からなるコイル状フィラメントによって形成されている。コイル状フィラメントでは熱可塑性樹脂からなる線状の部材が絡み合って形成されているため、本体部を洗浄対象物に擦り付けることによって洗浄対象物の汚れを掻き落とすことができ高い洗浄力を発揮する。また、この洗浄具では、本体部の内部に中空部が形成されている。よって、本体部の内部に中空部が形成されていることにより、本体部を持ったときに本体部を容易に変形させることができると共に、手で洗浄具を持ちやすくすることができる。また、この洗浄具は、外力で容易に変形させることができ、高い追従性を有するので、溝のような狭い空間の奥に容易に入り込ませることができる。従って、狭い空間に溜まった汚れを十分に掻き落とすことができるので、高い洗浄力を発揮することができる。
別の形態において、本体部及び中空部の体積の合計に対する中空部の容積の割合を示す中空率が8%以上且つ60%以下であってもよい。
本開示の別の形態に係る洗浄具は、熱可塑性樹脂からなるコイル状フィラメントによって形成された本体部と、本体部の内部に形成される中空部に収容されており本体部よりも柔らかい柔軟性部材と、を備える。
この形態に係る洗浄具では、本体部が熱可塑性樹脂からなるコイル状フィラメントによって形成されているので、前述の洗浄具と同様、本体部を洗浄対象物に擦り付けることによって洗浄対象物の汚れを十分に掻き落とすことができ高い洗浄力を発揮する。また、この洗浄具では、本体部の内部に形成された中空部に柔軟性部材が収容されている。従って、中空部に柔軟性部材が収容されていることにより、本体部を持ったときに本体部を容易に変形させて手で持ちやすくすることができる。更に、高い追従性を有することにより狭い箇所に洗浄具を入り込ませることができるので、狭い箇所に対しても高い洗浄力を発揮することができる。この洗浄具では、中空部に柔軟性部材が収容されていることにより、洗剤を洗浄具に塗布したときに柔軟性部材によって洗剤の泡立ちを良好にすることができる。従って、更なる洗浄力の向上に寄与する。
別の形態において、中空部は閉鎖空間とされていてもよい。
別の形態において、本体部は、球体状又は長円体状であってもよいし、本体部の直径又は長軸の長さが50mm以上且つ120mm以下であってもよい。
別の形態に係る洗浄具において、本体部のコイル状フィラメントの密度は均一とされていてもよい。
別の形態に係る洗浄具において、本体部は、コイル状フィラメントの密度が他の部分よりも高密度とされた高密度部を有してもよい。
別の形態に係る洗浄具において、高密度部が環状に形成されていてもよい。
本発明によれば、高い洗浄力を確保すると共に、持ちやすい洗浄具を提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る洗浄具の例を示す図である。 図2は、図1の洗浄具の断面図である。 図3は、図1の洗浄具の製造方法の一例を示す図である。 図4は、図3の製造方法の続きの工程の例を示す図である。 図5は、図3又は図4の製造方法の続きの工程の例を示す図である。 図6は、図4又は図5の製造方法の続きの工程の例を示す図である。 図7は、図6の製造方法の続きの工程の例を示す図である。 図8は、第2実施形態に係る洗浄具の例を示す図である。 図9は、図8の洗浄具の断面図である。 図10は、第3実施形態に係る洗浄具の例を示す断面図である。 図11は、第4実施形態に係る洗浄具の例を示す断面図である。 図12は、第5実施形態に係る洗浄具の例を示す斜視図である。 図13は、第6実施形態に係る洗浄具の例を示す側面図である。 図14(a)は、実施例に係る洗浄具の実験結果の例を示す図である。図14(b)は、比較例に係る洗浄具の実験結果の例を示す図である。 図15(a)及び図15(b)は、比較例に係る洗浄具の実験結果の例を示す図である。 図16(a)は、実施例に係る洗浄具の実験結果の例を示す図である。図16(b)及び図16(c)は、比較例に係る洗浄具の実験結果の例を示す図である。 図17(a)は、実施例に係る洗浄具と実験装置の例を示す図である。図17(b)は、比較例に係る洗浄具と実験装置の例を示す図である。
以下では、図面を参照しながら本開示に係る洗浄具の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解を容易にするため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
本実施形態に係る洗浄具は、洗浄対象物を洗浄して洗浄対象物に付着した汚れ等を除去するものである。本明細書における「洗浄対象物」とは、洗浄の対象となる物を示しており、例えば、調理器具、食器、衣類、機械又は構造物等、種々の物が含まれる。「洗浄」は、汚れを取り除くことを示しており、例えば、洗浄具を洗浄対象物に擦り付けて洗浄対象物の汚れを掻き落とすこと、水又は洗剤等を用いて汚れを除去すること、及び錆等の付着物を磨いて除去することを含んでいる。「汚れ」は、付着することが好ましくない物を示しており、例えば、油汚れ、食物かす、石けんかす、水アカ及び錆等を含んでいる。
本実施形態に係る洗浄具は、熱可塑性樹脂からなるコイル状フィラメントによって形成されている。本明細書における「熱可塑性樹脂」は、加熱によって軟化し熱が加えられることによって成形可能な材料を示しており、熱可塑性弾性樹脂及び熱可塑性樹脂エラストマーを含んでいる。「コイル状フィラメント」は、複数の線状の樹脂部材が互いに絡み合って形成された構造体を示しており、コイルドウェブ、コイル状不織布フィラメントウェブ、立体網状構造体、立体網目構造体、又は三次元樹脂構造体と称することもある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る洗浄具1を示す図である。図2は、洗浄具1を半分に割った例を示す断面図である。図1及び図2に示されるように、洗浄具1は、コイル状フィラメントによって形成された本体部2と、本体部2の内部に形成された中空部3とを備える。本実施形態において、洗浄具1は、中空構造を有するたわしである。洗浄具1は、中空構造を有することによって変形しやすく、例えば、凹凸面等に対する追従性がより高いたわしとされている。洗浄具1は、一例として、調理器具の汚れを掻き取って調理器具の洗浄を行うたわしであって、食品工場又は調理場に配置されており調理器具又は食器の洗浄を行うときに用いられる。洗浄具1は、洗剤が塗布された状態で調理器具に擦り付けられるものであってもよい。
一例として、洗浄具1の外観は球体状とされており、手で握りやすい大きさとされている。本明細書において「球体状」とは、厳密な球体に限られず、外力の付与や塑性変形等によって多少変形された球状、及び微小な凹凸が形成された球状等を含んでいる。洗浄具1の直径は、例えば、50mm以上且つ120mm以下である。洗浄具1の直径の上限は110mm、100mm又は90mmであってもよく、洗浄具1の直径の下限は60mm、70mm又は80mmであってもよい。
但し、洗浄具1の直径の値は上記に限定されない。なお、後述では、洗浄具1が「中空丸たわし」である例について説明するが、「中空丸たわし」とは中空部を有する球体状又は長円体状(楕円体状を含む)のたわしのことを示している。「長円体状」とは、球がある一方向に長く延びた形状を示しており、楕円体状、及び一方向に長く延びる球体状を含んでいる。
本体部2は、例えば、複数の半割状部材が互いに接着又は融着されることによって形成された網状構造体である。本体部2は、一例として、球体状にされていると共に一定の厚さT1を有する。例えば、本体部2の厚さT1の下限は10mm以上且つ12mm以下であり、本体部2の厚さT1の上限は15mm以上且つ25mm以下であるが、これらの値は適宜変更可能である。
本体部2の厚さT1は、例えば小野測器社製のディジタルリニアゲージKG―850等の厚み計を用いて求められた値である。本体部2は、例えば、不織布によって形成されている。また、本体部2は、熱可塑性樹脂によって形成されており、例えば、耐熱性、耐油性、靱性及び耐摩耗性を有する材料によって構成されていてもよい。
本体部2の材料(原反)は、例えば、ポリアミド系、ポリオレフィン系及びポリエステル系の材料の少なくともいずれかを含んでいてもよい。一例として、本体部2の原反はナイロン系の材料によって構成されている。また、本体部2は、研磨粒子及びバインダーの少なくともいずれかを含んでいてもよく、バインダーはイソシアネート樹脂、イソシアヌレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ワニス、アクリル樹脂及びこれらの混合物の少なくともいずれかを含んでもよい。研磨粒子としては、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド等からなる鉱物粒子、ナイロン樹脂、メラミン樹脂等からなる樹脂粒子、及びこれらの混合物の少なくともいずれかを含んでもよい。
例えば、本体部2は着色されており、これにより色鮮やかな洗浄具1とすることが可能である。本体部2の色彩は、一例として、青、黒又は橙であるが、黄、緑、赤、茶色又は桃色であってもよく適宜変更可能である。なお、本体部2の色彩が青である場合、青の食品が少ないことにより、万が一本体部2の樹脂部材2aが食品に混入しても当該混入を発見しやすくすることができる。また、上記のように、本体部2が着色されている場合、複数の洗浄具1を用途別又は研磨力別に使い分けることが可能となる。本体部2は、線状の複数の樹脂部材2aが互いに絡み合って形成されている。複数の樹脂部材2aによって形成される本体部2の空間の空隙率は、例えば80%以上且つ98%以下である。空隙率は、例えば以下の式によって算出された値である。
空隙率(%)
=((本体部全体の体積−樹脂部材が占める体積)/本体部全体の体積)×100
樹脂部材が占める体積(コイルドウェブの体積)は、一例として、後述の方法によって算出される。
まず、カップに水を注ぎ、そのときの水位を例えばカップの外面に印として記録する。次に、十分に乾燥した樹脂部材(コイルドウェブ)を上記のカップの中に空気が入らないように完全に浸漬させる。その後、例えばシリンジでカップの中の水を吸い取って樹脂部材の浸漬に伴って上昇した水位を記録した水位まで下げ、そのときまでにシリンジで吸い取った水の量を樹脂部材が占める体積とした。
各樹脂部材2aの線径(繊維径)は、例えば、0.1mm以上且つ10mm以下であるが、0.6mm以上且つ0.7mm以下であってもよく、適宜変更可能である。繊維径は、例えば、ノギスによってランダムに10箇所の樹脂部材2aの直径を測定し、その測定値の平均値に相当する値である。本体部2の伸び率(MD(Machine Direction)方向への伸び率)は、例えば、450%以上且つ1600%以下である。
前述したように、本実施形態に係る本体部2は複数の半割状部材が互いに接着又は融着されることによって形成されており、例えば、複数の半割状部材の間に接着部2Aが設けられる。接着部2Aは、例えば、ホットメルトシートが溶融された後に硬化した部位であって、本体部2の接着部2A以外の部分2Bよりも変形しにくく且つ硬い。接着部2Aは、本体部2において環状に形成されており、一例として、本体部2の中心2bを通る直線Lに沿って円環状に形成されている。但し、接着部の形状、大きさ、数及び配置態様は適宜変更可能である。
例えば、洗浄具1(本体部2)の重量は、5g以上且つ20g以下であり、9g以上且つ15g以下であってもよい。例えば、接着部2Aの最大応力値は380MPa以上且つ430MPa以下であり、本体部2の接着部2A以外の部分2Bの最大応力値は300MPa以上且つ350MPa以下である。一例として、接着部2Aの弾性率は220MPa以上且つ270MPa以下であり、本体部2の接着部2A以外の部分2Bの弾性率は170MPa以上且つ220MPa以下である。
洗浄具1は、本体部2の内部に中空部3を備える。本明細書において「中空部」とは、洗浄具の本体部の内部に形成された空間を含む部分を示しており、例えば、本体部の内部空間、及び、本体部よりもコイル状フィラメントの密度が低く且つより広い空間が形成された部分を含んでいる。更に、中空部は、閉鎖空間及び閉鎖されていない開放空間の両方を含む。
「閉鎖空間」とは、あるものに略全体が覆われた空間を示している。中空部は、更に、例えば、球体状の本体部の内部空間、楕円体状の本体部の内部空間、円柱状又は楕円柱状の本体部の内部空間、多角柱状の本体部の内部空間、多角錘状の本体部の内部空間、及び筒状の本体部の内部空間、を含んでいてもよい。なお、本実施形態に係る洗浄具1では、中空部3が球体状の本体部2の閉鎖空間である例を示している。
洗浄具1の中空部3の中空率は、例えば、8%以上且つ60%以下である。本明細書において「中空率」とは、洗浄具の全体の体積(本体部の外面が占める部分の体積)に対する中空部の容積の割合を示している。また、中空率の上限は50%であってもよく、中空率の下限は10%であってもよく、中空率の値は適宜変更可能である。なお、中空率は、例えば以下の式によって算出した値である。
中空率(%)=(中空部の容積/洗浄具の全体の体積)×100
洗浄具1の直径と中空率との関係の一例について、例えば、洗浄具1の直径が50mmであるときの中空率の値は8.1%以上且つ12.1%以下である。また、洗浄具1の直径が120mmであるときの中空率の値は44.5%以上且つ49.2%である。但し、これらの値は適宜変更可能である。
次に、本体部2及び中空部3を備える洗浄具1の製造方法の例について説明する。以下では、洗浄具1が直径100mmの中空丸たわしである場合の例について説明する。まず、図3及び図4に示されるように、直径130mmの円形状に打ち抜いた2枚のコイルドウェブCを作製し、作製した2枚のコイルドウェブCのそれぞれを半球状のカップPの凹部P1に押し込む。カップPは、例えば、ボンブ型のアルミ製のカップであるが、カップPの材料等は適宜変更可能である。
また、図5に示されるように、各コイルドウェブCの外周に凹部C1を形成してもよい。凹部C1は、一例として、コイルドウェブCへの切り込みによって形成される。この場合、一対のコイルドウェブCの外周を互いに接着して接着部2Aを形成するときに、凹部C1を噛み合わせることができるので接着部2Aに生じるしわを低減させることができると共に、本体部2のコイルドウェブの密度を均一にすることができる。なお、凹部C1の形状、大きさ、数及び配置は、図5に示される態様に限られず適宜変更可能である。
図6に示されるように、カップPの凹部P1に押し込んだ一対のコイルドウェブCの一方にホットメルトシートHを載せる。ホットメルトシートHについては、例えば、直径100mmの円形状に打ち抜いたものを予め用意しておいてもよい。また、ホットメルトシートHとしては、例えば、クレハトレーディング社製のホットメルトシート(LNS0030)が用いられ、カップPとしてはアルミ製のボンブ型が用いられる。しかしながら、ホットメルトシート及びカップの種類、形状、大きさ、材料、数及び配置態様は適宜変更可能である。
そして、図7に示されるように、一対のコイルドウェブCがホットメルトシートHを挟むように一対のカップPを合わせ、合わせて一対の球体状とされたカップPをクリップKで固定する。例えば、複数(一例として3個)のクリップKを球体状とされたカップPの周方向に沿って配置し、当該複数のクリップKのそれぞれで球体状とされたカップPを固定してもよい。クリップKで固定された球体状のカップPを加熱し、その後、冷まして一対のカップPを外すことにより、図1に示される球体状の洗浄具1が完成する。このとき、例えば150℃のオーブンで球体状のカップPを15分間加熱し、その後、常温で冷ましてからカップPを外してもよい。
次に、本実施形態に係る洗浄具1の作用効果について説明する。
本実施形態に係る洗浄具1では、本体部2が熱可塑性樹脂からなるコイル状フィラメント(コイルドウェブ)によって形成されている。コイル状フィラメントでは熱可塑性樹脂からなる線状の部材(樹脂部材2a)が絡み合って形成されているため、本体部2を洗浄対象物に擦り付けることによって洗浄対象物の汚れを掻き落とすことができ高い洗浄力を発揮する。
洗浄具1は、熱可塑性樹脂から構成されており、金属製の所謂金たわしとは異なる。金たわしの場合は、金属製の線状部材の切れの問題が懸念される。具体的には、金たわしは、錆びると切れやすくなり、また、切れた破片が流水等で除去しきれず食材に混入されることが懸念され、食材に混入した場合、人体に影響を及ぼすことが懸念される。これに対し、洗浄具1では、万が一線状の樹脂部材2aが切れて分離しても錆びることはなく、しかも分離した樹脂部材2aは流水で流れやすく、分離した樹脂部材2aを回収しやすくできる利点がある。そして、洗浄具1では、樹脂部材2aが切れて分離したとしても、流水等で除去しやすい上に、万が一食材に混入したとしても消化されずに排出されるので人体への影響もないという利点がある。
洗浄具1では、本体部2の内部に中空部3が形成されている。よって、本体部2の内部に中空部3が形成されていることにより、本体部2を持ったときに本体部2を容易に変形させることができると共に、手で洗浄具1を持ちやすくすることができる。また、洗浄具1は、外力で容易に変形させることができ、高い追従性を有するので、溝のような狭い空間の奥に容易に入り込ませることができる。従って、狭い空間に溜まった汚れを十分に落とすことができるので、洗浄力を高めることができる。
本体部2及び中空部3の体積の合計に対する中空部3の容積の割合を示す中空率は8%以上且つ60%以下であってもよい。中空率が8%以上であることにより、本体部2を更に容易に変形させることができると共により高い追従性を発揮することができるので、より持ちやすく且つ洗浄力が高い洗浄具1とすることができる。また、中空率が60%以下であることにより、本体部2の強度の低下を抑制することができる。
中空部3は閉鎖空間とされていてもよい。この場合、中空部が開放空間である場合と比較して本体部2の弾性力を高めることができ、洗浄具1の握り心地をより良好にすることができる。すなわち、本体部2の弾性力及び追従性を適度に高めて洗浄具1を一層持ちやすくすることができる。
本体部2は球体状であって、本体部2の直径の長さが50mm以上且つ120mm以下であってもよい。この場合、本体部2の体積が手にフィットするサイズとなるため、洗浄具1を握りやすくすることができる。従って、洗浄具1を更に持ちやすくすることができる。
本体部2のコイル状フィラメントの密度は均一とされていてもよい。前述したように、各コイルドウェブCの外周に凹部C1を形成して一対のコイルドウェブCの外周を互いに接着することにより、本体部2の密度を均一にすることが可能となる。このように、本体部2の密度を均一にすることにより、一層握り心地がよい洗浄具1とすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る洗浄具11について図8及び図9を参照しながら説明する。洗浄具11は、第1実施形態に係る洗浄具1と同様、本体部12及び中空部13を有するが、本体部12及び中空部13の形状が第1実施形態とは異なっている。以下では、前述した実施形態と重複する説明を適宜省略する。
本体部12は、例えば、長円体状とされている。本体部12の長軸の長さN1は、例えば、50mm以上且つ120mm以下であり、長軸の長さN1の上限は110mm、100mm又は90mmであってもよく、長軸の長さN1の下限は70mm又は80mmであってもよい。但し、長軸の長さN1の値は上記に限定されない。また、本体部12の短軸の値は、本体部12の長軸より短ければよく適宜変更可能である。なお、本体部12及び中空部13を備える長円体状の洗浄具11も前述した「中空丸たわし」に含まれる。
例えば、本体部12は、本体部12の長軸方向に沿って環状に延びる接着部12Aを有する。なお、接着部12Aの位置、形状及び大きさは、上記の例に限定されず適宜変更可能である。接着部12Aは、本体部12の接着部12A以外の部分12Bよりもコイル状フィラメントの密度が高い高密度部である。
本体部12及び中空部13を有する洗浄具11の製造方法では、例えば、図5に示される凹部C1を備えたコイルドウェブCに形成しなくてもよい。図3に示される凹部C1を備えないコイルドウェブCをカップPの凹部P1に押し込んだ状態でホットメルトシートHを挟んで加熱及び冷却を行うと、一対のコイルドウェブCの接続部分(接着部12A)の密度が高くなって高密度部(接着部12A)を形成できる。
以上、第2実施形態に係る洗浄具11では、洗浄具1と同様、本体部12の内部に中空部13が形成されている。よって、本体部12を持ったときに本体部12を容易に変形させることができると共に、手で洗浄具11を持ちやすくすることができる。そして、洗浄具11は、外力で容易に変形し、高い追従性を有するので、狭い空間に溜まった汚れを十分に落とすことができ高い洗浄力を発揮する。また、本体部12は長円体状であって、本体部12の長軸の長さN1が50mm以上且つ120mm以下であってもよい。この場合、本体部12の体積が手にフィットするサイズとなるため、洗浄具11を握りやすくすることができ、洗浄具11を更に持ちやすくすることができる。
また、本体部12は、コイル状フィラメントの密度が他の部分12Bよりも高密度とされた高密度部(接着部12A)を有する。従って、例えば本体部12の高密度部以外の部分12Bを手で持って高密度部で洗浄対象物を擦ることにより、本体部12を手で持ちやすくすることができると共に洗浄対象物に対する洗浄力をより強力にすることができる。
更に、前述した高密度部が環状に形成されていてもよい。この場合、環状に形成された高密度部の両側に位置する柔らかい部分12Bを手で持って高密度部で洗浄対象物を擦ることにより、洗浄具11を持ちやすくすることができると共に洗浄力を更に高めることができる。従って、前述した持ちやすさ及び洗浄力に関する効果を更に顕著にすることができる。
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態に係る洗浄具21について図10を参照しながら説明する。洗浄具21は本体部22及び中空部23を備えており、本体部22の形状が直方体状とされている。具体例として、本体部22の外形は、角部が丸められた直方体状とされていてもよい。本体部22の角部が丸められていることによって指に対する圧力を低減させることができる。
また、第3実施形態に係る洗浄具21は、洗浄具1と同様、本体部22の内部に中空部23が形成されている。よって、本体部22を持ったときに本体部22を容易に変形させることができるので手で洗浄具21を持ちやすくすることができる。そして、洗浄具21は、外力で容易に変形させることができ、高い追従性を有する。従って、狭い空間に溜まった汚れを十分に落とすことができ高い洗浄力を発揮することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る洗浄具31について図11を参照しながら説明する。洗浄具31は、前述の各実施形態と同様、本体部32及び中空部33を備えており、更に柔軟性部材35を備える。柔軟性部材35は、中空部33の全ての領域に充填されていてもよいし、中空部33の一部の領域に充填されていてもよい。すなわち、柔軟性部材35は、例えば、中空部33に充填されていてもよく、この場合、洗浄具31は中空の部分を有しなくてもよい。柔軟性部材35は、本体部32よりも柔らかい柔軟性素材である。一例として、柔軟性部材35は、綿、スポンジ又は不織布等を用いることができる。
以上のように、第4実施形態に係る洗浄具31は、本体部32と、本体部32の内部に形成される中空部33に収容されており本体部32よりも柔らかい柔軟性部材35とを備える。従って、中空部33に柔軟性部材35が収容されていることにより、本体部32を持ったときに本体部32を容易に変形させて手で持ちやすくすることができる。また、洗浄具31は、高い追従性を有するので、高い洗浄力を発揮することができる。更に、洗浄具31では、中空部33に柔軟性部材35が収容されていることにより、洗剤を洗浄具31に塗布したときに柔軟性部材35によって洗剤の泡立ちを良好にすることができる。従って、更なる洗浄力の向上に寄与する。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る洗浄具41について図12を参照しながら説明する。洗浄具41は、筒状の本体部42と、本体部42の内部に位置する中空部43とを備える。例えば、筒状の本体部42の軸線方向両端は開放されている。一例として、本体部42は円筒状とされている。しかしながら、本体部42は、断面が長円とされた長円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。本体部42の径方向の厚さT2は、例えば10mm以上且つ25mm以下である。また、本体部42の外径は50mm以上且つ120mm以下であってもよいし、本体部42の軸線方向の長さは50mm以上且つ120mm以下であってもよい。但し、本体部42の厚さ、外径及び軸線方向の長さは上記の各値に限られず適宜変更可能である。
以上、第5実施形態に係る洗浄具41は、本体部42の内部に中空部43が形成されている。よって、本体部42を持ったときに本体部42を容易に変形させることができると共に洗浄具41を持ちやすくすることができる。そして、洗浄具41は、高い追従性を有するので洗浄力を高めることができる。特に、洗浄具41では、本体部42の環状(又は枠状)とされた端部で洗浄対象物を擦ることによって洗浄対象物の汚れを確実に落とすことができ高い洗浄力を発揮する。
(第6実施形態)
続いて、第6実施形態に係る洗浄具51について図13を参照しながら説明する。図13に示されるように、洗浄具51は、洗浄部52と把持部53とを備え、例えば、洗浄部52は、本体部52Aと中空部52Bとを有する。本体部52A及び中空部52Bの構成は、例えば、前述した本体部2及び中空部3の構成と同様であってもよい。また、洗浄部52の構成は、前述した洗浄具1,11,21,31,41のいずれかと同様であってもよい。
把持部53は、例えば、棒状とされており、把持部53の先端に洗浄部52が取り付けられている。なお、把持部53の形状は棒状以外の形状であってもよく適宜変更可能である。把持部53を持って洗浄部52で洗浄対象物を擦ることによって洗浄対象物を洗浄することができる。なお、洗浄具51は、例えば、把持部53を手で持って洗浄部52を構造物に擦り付けることにより、当該構造物に付着した汚れを除去するものであってもよい。
第6実施形態に係る洗浄具51では、前述した各実施形態と同様、本体部52Aの内部に中空部52Bが形成されている。よって、把持部53を持って洗浄部52の本体部52Aを洗浄対象物に当てることにより、本体部52Aを容易に変形させることができる。従って、洗浄具51の洗浄部52は高い追従性を有するので、洗浄力を高めることができる。特に、本体部52Aは変形しやすいことにより、本体部52Aを狭い空間の奥に変形させて挿入することができるので、狭い空間の奥にこびりついた汚れも確実に落とすことができる。
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示は前述した各実施形態に限定されるものではない。すなわち、本体部の形状、大きさ及び材料、並びに中空部の形状及び大きさは適宜変更可能である。また、洗浄具の洗浄対象物の種類も適宜変更可能である。一例として、洗浄対象物は構造物であってもよい。構造物としては、例えば、建物、機械及び車両等が挙げられる。建物は壁、柱、窓、及び建物の内部設備等を含んでいてもよいし、機械は工作機械、搬送機械及びその他のロボット等を含んでいてもよいし、車両は、自動車及び自転車等を含んでいてもよい。これらの洗浄対象物に対しても洗浄具を適用させることが可能である。
(実施例)
次に、本開示に係る洗浄具の実施例について説明する。本開示は、以下の実施例に限定されない。実施例では、後述する種々の実験を行い、実施例に係る洗浄具の有効性を確認した。
(洗浄具を押しつける実験)
図14(a)、図14(b)、図15(a)及び図15(b)に示されるように、中空丸たわしである実施例1に係る洗浄具E1、中実丸たわしである比較例1に係る洗浄具R1、及び中実板状たわしである比較例2に係る洗浄具R2、のそれぞれを角部Dに押しつけて各洗浄具E1,R1,R2の変形度合いを確認する実験を行った。
実施例1に係る洗浄具E1は、3M(スリーエム)社製“スコッチ・ブライト(登録商標)パープルパワーパッドNo.2003”を前述の加工方法により成型した直径90mmの中空丸たわしであって前述した洗浄具1と同様のたわしとした。
比較例1に係る洗浄具R1は、コイルドウェブが詰められた厚さ約30mmの中実丸たわしであり、3M(スリーエム)社製“スコッチ・ブライト(登録商標)がんこたわし荒目”を熱成型して球形とした。
比較例2に係る洗浄具R2は、コイルドウェブによって中実とされた厚さ約10mmの板状たわしであり、3M(スリーエム)社製“スコッチ・ブライト(登録商標)パープルパワーパッドNo.2003”とした。
上記の実施例1及び比較例1,2の各洗浄具E1,R1,R2を角部Dに押しつけた結果、まず、図14(b)に示されるように、比較例1に係る洗浄具R1は、手で押しつけても殆ど変形せず角部Dの形状に追従させることができないことが分かった。一方、図15(a)及び図15(b)に示されるように、比較例2の洗浄具R2は、角部Dを形成する2つの面D1,D2のそれぞれに沿うように手を曲げて洗浄具R2を押しつけた場合にのみ角部Dに追従させることができた。
これに対し、図14(a)に示されるように、実施例1に係る洗浄具E1は、手を曲げず、比較例1のときと同様に手で角部Dに押しつけるだけで洗浄具E1を角部Dに追従させることができた。このことから、中空丸たわしである洗浄具E1は、変形しやすく且つ高い追従性を有することを確認できた。
(洗浄具を押し込む実験)
図16(a)、図16(b)及び図16(c)に示されるように、前述した実施例1に係る洗浄具E1、比較例1に係る洗浄具R1、及び比較例2に係る洗浄具R2のそれぞれを狭い空間を形成する凹部Fに押し込む実験を行った。凹部FはV溝状とされている。図16(b)に示されるように、比較例1に係る中実丸たわしである洗浄具R1は、凹部Fに洗浄具R1を押し込んでも凹部Fの形状に追従せず凹部Fの奥に到達できていないことが分かった。比較例2に係る中実板状たわしである洗浄具R2は、比較例1のときと同様に手で洗浄具R2を凹部Fに押し込んでも凹部Fの形状に追従せず凹部Fの奥に到達できなかったが、指を曲げて指を凹部Fの奥に押し込んだ場合には凹部Fの形状に洗浄具R2を追従させることができた。
これに対し、実施例1に係る中空丸たわしである洗浄具E1は、指を曲げる必要がなく、比較例1と同様に手で洗浄具E1を凹部Fに押し込むだけで洗浄具E1を凹部Fの形状に追従させることができ凹部Fの奥に洗浄具E1を到達させることができた。このように、凹部Fの奥のような狭い空間に対しても洗浄具E1を到達させることができたので、洗浄具E1が高い追従性を有することが分かった。
(握りやすさ、及び指への負荷に関する評価)
以下の実施例2及び比較例3,4に係る洗浄具に対し、握りやすさに関する評価、及び指への負荷に関する評価に関する実験を行った。評価は、それぞれ3段階評価で行い、5名の被検者が後述のように点数付けした。
(握りやすさの程度)
握りにくく長い間使用したくない。 ・・・1
握りにくくはなくしばらく使用できる。 ・・・3
握りやすく掴みやすく長い間使用できる。 ・・・5
(指への負荷)
指への負荷が大きく痛すぎて快適ではない。 ・・・1
指への負荷が若干大きく痛いが許容できる。 ・・・3
指への負荷が小さく痛くなく快適である。 ・・・5
また、実施例2及び比較例3,4の洗浄具としては以下のものを用いた。
実施例2に係る洗浄具は、3M(スリーエム)社製“スコッチ・ブライト(登録商標)パープルパワーパッドNo.2003”を前述の加工方法により成型した直径90mmの中空丸たわしであって前述した洗浄具1と同様のたわしである。
比較例3に係る洗浄具は、コイルドウェブによって中実とされた縦130mm×横100mm×厚さ10mmの板状たわしであり、3M(スリーエム)社製“スコッチ・ブライト(登録商標)パープルパワーパッド No.2003”とした。
比較例4に係る洗浄具は、コイルドウェブによって中実とされた縦60mm×横125mm×厚さ32mmの直方体状たわしであり、3M(スリーエム)社製“スコッチ・ブライト(登録商標)傷つきにくいがんこたわし、荒目”とした。
以上の実施例2及び比較例3,4に係る洗浄具に対する握りやすさ、及び指への負荷に関する結果(5名の被検者による評価の結果の平均値)を以下の表1に示す。
表1から、中実とされた厚さ35mmの直方体状たわしである比較例4では、握りにくく長い間使用したくないという評価が多く、特に指への負荷が大きく痛すぎて快適でないことが分かった。中実とされた厚さ10mmの板状たわしである比較例3では、比較例4よりは良好であるものの特に握りやすさの点で改善の余地があった。これに対し、中空丸たわしである実施例2では、握りやすさの程度、及び指への負荷、共に評価結果が5に近く、握りやすく且つ指への負荷が小さいことが分かった。実施例2に係る洗浄具では、前述したように中空部を備えており、変形しやすく且つ追従性が高いため、握りやすく且つ指への負荷が小さいという結果が得られたものと考えられる。
(洗浄具の大きさに関する評価)
直径が異なる複数の中空丸たわしを用意して、どのたわしが使いやすいかを検証する評価に関する実験を行った。直径120mm、直径100mm、直径90mm、直径80mm、直径70mm、直径50mmのそれぞれの中空丸たわしを用意し、使い心地がよい大きさのたわしを5名の被検者が複数選択した。
上記の実験を行った結果、直径100mmのたわしを選択した被検者の数が3名、直径90mmのたわしを選択した被検者の数が4名、直径80mmのたわしを選択した被検者の数が3名、直径70mmのたわしを選択した被検者の数が1名であった。以上より、直径70mm以上且つ100mm以下のたわしがより使いやすく、直径90mmのたわしが最も良好な評価を得た。
(圧縮試験)
図17(a)及び図17(b)に示されるように、実施例3に係る洗浄具E3、及び比較例5に係る洗浄具R5に対し、圧縮試験を行った。圧縮試験は、一対のチャックY1と圧子Y2とを備えた圧縮試験機Yを用い、一対のチャックY1の間に位置する洗浄具E3,R5のそれぞれに対して圧子Y2を押しつけた。圧縮試験機Yとしては、エー・アンド・デイ社製のRTC1225(圧縮型曲げ試験治具)を用いた。まず、一対のチャックY1の間隔を洗浄具E3,R5に接触しないように広げて、試験速度(圧子Y2の押しつけの速度)を300mm/min、圧縮量を30mmとし、当該圧縮量における最大応力値(MPa)及び弾性率(%)を測定した。
実施例3に係る洗浄具E3は、3M(スリーエム)社製“スコッチ・ブライト(登録商標)パープルパワーパッドNo.2003”を前述の加工方法により成型した中空丸たわしであって環状の接着部12A(図8参照)を有する洗浄具11と同様の長軸が70mmのたわしである。比較例5に係る洗浄具R5は、前述と同様のコイルドウェブからなる中実直方体状たわしとした。比較例5に係る洗浄具R5は、50mm×50mmに切断したウェブを実施例3の洗浄具E3と同じ高さにまで積層し、これを中実の直方体状たわしとした。
圧縮試験では実施例3の洗浄具E3と比較例5の洗浄具R5の最大応力値を測定し、洗浄具E3については、環状の接着部E31、及び接着部E31以外の部分E32、の2箇所の最大応力値を測定した。すなわち、洗浄具E3では、2枚のコイルドウェブを貼り合わせた接着部E31を水平方向に向けて接着部E31以外の部分E32を上方から押圧した場合、及び接着部E31を上方に向けて接着部E31を上方から押圧した場合、のそれぞれについて測定を行った。測定の結果を後述の表2に示す。なお、表2に示す結果は、5つのサンプルに対して試験を行った結果の平均値を示している。
表2の圧縮試験の結果から、中空丸たわしである実施例3は、中実直方体状たわしである比較例5よりも最大応力値及び弾性率が小さく、比較例5よりも柔らかく且つ変形しやすいことが分かった。また、実施例3の洗浄具E3の接着部E31の最大応力値及び弾性率は、接着部E31以外の部分E32の最大応力値及び弾性率より高く、部分E32よりも接着部E31は変形しにくく且つ硬いことが分かった。
1,11,21,31,41,51…洗浄具、2,12,22,32,42,52A…本体部、2A…接着部、2a…樹脂部材、2b…中心、3,13,23,33,43,52B…中空部、35…柔軟性部材、52…洗浄部、53…把持部、C…コイルドウェブ(コイル状フィラメント)、C1…凹部、D…角部、D1,D2…面、E1,E3…洗浄具、E31…接着部、E32…部分、F…凹部、H…ホットメルトシート、K…クリップ、L…直線、P…カップ、P1…凹部、Y…圧縮試験機、Y1…チャック、Y2…圧子。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂からなるコイル状フィラメントによって形成された本体部と、
    前記本体部の内部に形成された中空部と、
    を備える洗浄具。
  2. 前記本体部及び前記中空部の体積の合計に対する前記中空部の容積の割合を示す中空率が8%以上且つ60%以下である、
    請求項1に記載の洗浄具。
  3. 熱可塑性樹脂からなるコイル状フィラメントによって形成された本体部と、
    前記本体部の内部に形成される中空部に収容されており前記本体部よりも柔らかい柔軟性部材と、
    を備える洗浄具。
  4. 前記中空部は閉鎖空間とされている、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄具。
  5. 前記本体部は、球体状又は長円体状であって、
    前記本体部の直径又は長軸の長さが50mm以上且つ120mm以下である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗浄具。
  6. 前記本体部の前記コイル状フィラメントの密度は均一とされている、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗浄具。
  7. 前記本体部は、前記コイル状フィラメントの密度が他の部分よりも高密度とされた高密度部を有する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗浄具。
  8. 前記高密度部が環状に形成されている、
    請求項7に記載の洗浄具。
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