以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、分析システム300の構成の概要を示す。分析システム300は、分析装置100および施設200を含む。また、分析システム300は、分析装置100と連結された、エネルギーデータ記憶部110と、管理情報記憶部120と、エネルギー管理装置130と、入出力装置140とを備える。
分析装置100は、施設200に関する分析対象データADを分析する。一例において、分析装置100は、施設200の稼働状況に応じた情報を分析する。例えば、分析装置100は、施設200に異常が生じた場合に、施設200の異常の原因を分析する。
分析対象データADには、後述の通り、施設200から取得したエネルギーデータED、EMU管理情報MIおよびユーザからの入力データIDの少なくとも1つが含まれる。また、分析対象データADには、エネルギーデータED等のデータを演算した後の演算データが含まれてもよい。分析対象データADには、設備上の異常に関連するデータが含まれてもよい。分析対象データADは、気象庁等が提供する気象情報等の環境情報、暦情報、エネルギー事業者が計画したイベント情報等が含まれてもよい。
施設200は、計測制御部210と、計測部220と、設備230とを備える。施設200は、1又は複数の計測制御部210と、1又は複数の計測部220と、1又は複数の設備230をと備えてもよい。施設200は、一例として工場である。
計測制御部210は、計測部220の動作を制御する。一例において、計測制御部210は、計測部220の計測のオンオフを制御する。
計測部220は、設備230のエネルギーに関するデータを計測する。例えば、計測部220は、センサおよびアクチュエータ等の計測機器を有する。計測部220のセンサは、温度センサ、圧力センサおよび流量センサ等の任意のセンサであってもよく、これに限られない。
設備230は、計測部220の計測対象となる設備である。例えば、設備230には、プラント(例えば、工場全体)、機器(例えば、ボイラー、熱交換器)および装置等が含まれる。但し、設備230は、分析装置100の分析対象と関連するものであれば、これらに限定されない。設備230は、エネルギーまたは材料等が供給され、中間生成物またはエネルギー等を排出する。それぞれの設備230には、他の設備230が出力する中間生成物またはエネルギー等が供給されてもよい。
エネルギーデータ記憶部110は、施設200のエネルギーデータEDを記憶する。エネルギーデータ記憶部110は、分析装置100および施設200と接続されている。エネルギーデータ記憶部110は、計測制御部210と接続され、計測部220が計測したエネルギーデータEDを収集して記憶する。エネルギーデータ記憶部110は、記憶したエネルギーデータEDを分析装置100に出力する。
エネルギーデータEDは、施設200におけるエネルギー消費に関するデータである。エネルギーデータEDは、計測部220が計測した計測値を含む。エネルギーデータEDは、計測部220の計測値の時系列データであってもよい。エネルギーデータEDは、変動により施設200でのエネルギー消費に影響を与えるデータを含んでよく、施設200でのエネルギー消費の変動の影響を受けるデータを含んでもよい。例えば、エネルギーデータEDは、施設200におけるエネルギー効率を含む。また、エネルギーデータEDは、温度、圧力、流量等の計測値を含んでよい。
エネルギー管理装置130は、エネルギー制御ユニット(EMU:Energy Management Unit)の情報を管理する。エネルギー管理装置130は、入出力装置140および管理情報記憶部120と接続されている。エネルギー管理装置130は、入出力装置140によりユーザが入力した情報に基づいて、EMU管理情報MIを管理してもよい。
EMU管理情報MIは、施設200のエネルギー動作を制御するための情報である。EMU管理情報MIは、施設200の動作状況や、動作制御値等が含まれる。例えば、EMU管理情報MIは、設備230を動作させるか否かを制御するための情報を含む。EMU管理情報MIは、施設200におけるエネルギーの入力および出力を制御するための情報を含んでもよい。
管理情報記憶部120は、EMU管理情報MIを記憶する。管理情報記憶部120は、分析装置100およびエネルギー管理装置130と接続されている。管理情報記憶部120は、記憶したEMU管理情報MIを分析装置100に出力する。
入出力装置140は、入力データIDを分析装置100に出力する。入出力装置140は、キーボードやマウス等の入力装置およびディスプレイ等の出力装置を含む。入力データIDは、ユーザから入力されたデータである。入力データIDは、入出力装置140を用いてユーザにより入力されてもよい。
分析装置100は、エネルギーデータ記憶部110に記憶されたエネルギーデータEDと、管理情報記憶部120に記憶されたEMU管理情報MIと、入出力装置140から入力された入力データIDとに基づき、施設200に関するデータを分析する。
図2は、実施例1に係る分析装置100の構成の一例を示す。本例の分析装置100は、データ取得部10と、分類部20と、グループ化データ記憶部25と、計算部30と、表示部40とを備える。
データ取得部10は、分析対象データADを取得する。データ取得部10は、エネルギーデータ記憶部110と、管理情報記憶部120と、入出力装置140とに接続されている。これにより、データ取得部10は、分析対象データADとして、エネルギーデータED、EMU管理情報MIおよび入力データIDを取得する。
分類部20は、分析対象データADを複数のグループに分類する。分類部20には、分析対象データADとして、エネルギーデータED、EMU管理情報MIおよび入力データIDが入力される。例えば、分類部20は、エネルギーデータED、EMU管理情報MIおよび入力データIDに基づき、分析対象データADを複数のグループに分類する。
グループ化データ記憶部25は、分析対象データADをグループ化した後のグループ化データGDを記憶する。例えば、グループ化データGDは、エネルギー効率の良し悪しによりグループ化されたデータである。エネルギー効率の良し悪しは、EMU管理情報MIの項目毎に判断されてもよい。
計算部30は、分析対象データADを分析し、複数のグループ同士の差異要因を計算する。計算部30は、グループ化データGDを参照して、グループ間に差異が生じている要因を分析する。例えば、計算部30は、グループ毎に付されたグループラベルを目的変数として決定木分析することにより、複数のグループ同士の差異要因を計算する。差異要因とは、それぞれの分析対象データADが各グループに分類された要因である。なお、計算部30は、決定木分析の他に、回帰分析、相関分析およびグラフィカルモデリング等の他の手法を用いてもよい。また、計算部30は、主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)または部分最小二乗法(PLS:Partial Least Squares)を用いて、グループ間の差異要因を分析してもよい。
表示部40は、計算部30による計測結果を表示する。例えば、表示部40は、計算部30が計算した差異要因をユーザに表示する。表示部40は、分析装置100に必要な情報をリアルタイムで表示してもよい。なお、表示部40は、分類部20が後述する散布図を用いて分析対象データADを分類する場合、散布図をユーザに表示することにより、ユーザに複数のグループを選択させてもよい。
図3は、エネルギーデータ記憶部110に記憶されたエネルギーデータEDの一例を示す。エネルギーデータEDの項目番号、項目名および計測値等は一例であり、本例に限られない。
エネルギーデータEDは、複数の項目を有する。エネルギーデータEDは、複数の項目毎に時系列データを有する。例えば、各項目には、項目番号および項目名が付されている。本例のエネルギーデータEDは、001〜512までの項目番号を有する。各項目番号には、電力量、ボイラ燃料流量および蒸気流量等のエネルギーに関する項目が設定されている。例えば、項目番号001の項目は、電力量である。
また、エネルギーデータEDの時系列データは、任意のタイムスタンプ毎に計測値を含む。このように、エネルギーデータ記憶部110は、エネルギーデータEDとして、各項目に対応した計測値の時系列データを記憶している。エネルギーデータEDの項目は、後述する決定木分析の説明変数となる。エネルギーデータEDのタイムスタンプの間隔は、分析対象となる施設200に応じて適宜変更されてもよい。本例のエネルギーデータEDは、1秒毎に取得されている。
図4は、管理情報記憶部120に記憶されたEMU管理情報MIの一例を示す。EMU管理情報MIのユニット番号、ユニット名、項目番号、項目名および属性等は一例であり、本例に限られない。
EMU管理情報MIは、複数のユニットに関する情報を含む。本明細書において、ユニットは、EMUに対応する。ユニットは、1つの機器を指してもよく、複数の機器の集合を指してもよい。EMU管理情報MIは、複数のユニット毎に時系列データを有する。例えば、各ユニットには、エネルギーデータEDの項目毎の属性が記憶されている。本例のEMU管理情報MIは、001〜015までのユニット番号を有する。各ユニット番号は、メインボイラ等のユニットがそれぞれ設定されている。例えば、ユニットがメインボイラの場合、電力量、ボイラ燃料流量および蒸気流量等の項目について属性が付されている。各項目の属性は、それぞれのエネルギーが入力であるか出力であるかを示している。
図5は、グループ化データ記憶部25に記憶されたグループ化データGDの一例を示す。グループ化データGDのユニット番号、ユニット名、項目番号および計測値等は一例であり、本例に限られない。
グループ化データGDは、予め定められたユニットに対応した複数のデータ行を有する。複数のデータ行は、それぞれ時系列データを含む。複数のデータ行には、データ収集日時であるタイムスタンプと、各項目番号に対応する項目の計測値、および、グループラベルが含まれる。グループラベルは、グループ化機能において付与された情報である。グループラベルは、データ行が属するグループの番号に対応している。本例では、グループラベルとして「1」又は「2」の番号が付されている。
図6は、分析装置100の動作例を示すフローチャートである。本例のフローチャートは、分析装置100の動作の全体像を示している。
ユーザは、システムの運用を開始して、EMU管理情報MIを設定する(S100)。そして、エネルギーデータ記憶部110は、施設200の運転に伴うエネルギーデータEDを収集して、エネルギーデータEDを記憶する(S200)。エネルギーデータ記憶部110は、エネルギーデータEDを継続的に収集して、記憶してもよい。その後、分類部20は、エネルギーデータEDのグループ化処理を行い、各データに対してグループラベルを付与する(S300)。これにより、エネルギーデータEDが複数のグループにグループ化される。計算部30は、グループ間の差異要因を計算する(S400)。表示部40は、計算部30の差異要因の計算結果を表示する(S500)。
図7は、第1の分類法の動作例を示すフローチャートである。本例のフローチャートは、図6のグループ化処理(S300)の具体的な動作の一例を示す。
分類部20は、分析対象データADの項目の値と、予め定められた閾値との比較に基づいて、グループラベルを付与する。まず、ユーザが、グループ化するEMUと対象期間を指定する(S301)。次に、分析装置100は、指定されたEMUの項目の一覧を表示する(S302)。ユーザは、EMUの項目一覧からグループ化の基準とする項目を選択し、任意の閾値を設定する(S303)。システムは、設定された項目の計測値と閾値との比較に基づいて、各タイムスタンプのデータにグループラベルを付与する。分類部20は、複数の閾値を設定することにより、複数のグループにグループ化してもよい(S304)。例えば、分類部20は、2つの閾値を設定することにより、分析対象データADを3つのグループにグループ化する。
本例の分析装置100は、閾値との比較に基づいて、分析対象データADにグループラベルを容易に付与することができる。本例の第1の分類法は、他の分類法と組み合わせて用いられてもよい。これにより、分類法の精度が向上する。
図8Aは、第2の分類法の動作例を示すフローチャートである。本例のフローチャートは、図6のグループ化処理(S300)の具体的な動作の一例を示す。
分類部20は、分析対象データADがプロットされた散布図を生成し、散布図上で複数の領域を指定することにより、分析対象データADにグループラベルを付与する。ユーザは、グループ化するEMUと対象期間を指定する(S311)。次にシステムが、指定されたEMUの項目一覧を表示する(S312)。ユーザは、項目一覧からグラフ表示する2つの項目を指定する(S313)。表示部40は、指定された項目を横軸および縦軸とする散布図を表示する(S314)。ユーザは、表示部40が表示した散布図上で、複数の領域を指定する(S315)。例えば、ユーザは、マウスポインタを用いて散布図上の複数の領域を指定する。分類部20は、ユーザにより指定された領域のそれぞれについて、同じ領域に含まれている分析対象データADが同じグループラベルとなるように、分析対象データADにグループラベルを付与する(S316)。
図8Bは、第2の分類法の具体的な実行例を示す。同図は、蒸気生産ユニットの実績データを示す。縦軸は蒸気生産量を示し、横軸は投入エネルギーを示す。同図のプロットは、分析対象データADをそれぞれ示している。本例では、図8Aで示した第2の分類法の手法を用いて、分析対象データADをグループ化している。
分析装置100は、分析結果を施設200で製造する製品等の品質管理に応用してもよい。この場合、分析装置100は、分析対象データADとして施設200で製造される製品の品質を取得する。分析装置100は、品質に応じて複数のグループに分類し、良品のグループと不良品のグループとの差異要因を分析する。これにより、分析装置100は、製品が不良品となる要因となる項目を特定することができる。また、分析装置100は、差異要因として特定された項目を改善することにより、良品率を向上させることができる。
図9Aは、第3の分類法の動作例を示すフローチャートである。本例のフローチャートは、図6のグループ化処理(S300)の具体的な動作の一例を示す。
分類部20は、ユーザが定義した演算式と閾値を用いてグループ化する。本例の分類部20は、分析対象データADの指定された一つまたは複数の項目に対して演算した演算結果と、予め定められた閾値との比較に基づいてグループラベルを付与する。
まず、グループ化するEMUと対象期間をユーザが指定する(S321)。次にシステムが、指定されたEMU管理情報MIの項目一覧を表示する(S322)。ユーザは、EMU管理情報MIの項目一覧から、使用する項目を一つまたは複数選択する(S323)。さらに、選択した項目を使った演算式と、グループ化の基準とする閾値を設定する。システムは、対象期間の各データに対して、定義された演算式を実行し、閾値との大小関係を判定する(S324)。演算された値が閾値より上であるか下であるかに応じて、各データにグループラベルを付与する。このとき、複数の閾値が設定されて場合は、複数のグループに分ける(S325)。
図9Bは、第3の分類法の具体的な実行例を示す。同図は、蒸気生産ユニットの実績データを示す。縦軸は蒸気生産量を示し、横軸は投入エネルギーを示す。同図のプロットは、分析対象データADをそれぞれ示している。本例では、図9Aで示した第3の分類法の手法を用いて、分析対象データADをグループ化している。
破線Lは、分類部20でグループ化するための演算式に基づく破線である。破線Lは、分析対象データADをグループ1およびグループ2に分類するために用いられる。例えば、破線Lよりも蒸気生産量の大きな領域をグループ1に分類し、破線Lよりも蒸気生産量の小さな領域をグループ2に分類する。分類部20は、演算式を用いることにより、容易に分析対象データADをグループ化することができる。なお、本例では、演算式に基づく破線Lを散布図に表示しているものの、散布図を用いずに、演算式により得られた閾値との比較に基づいて分類してもよい。
なお、分類部20は、第1の分類法〜第3の分類法の内、少なくとも2つの分類法を組み合わせてもよい。例えば、分類部20は、第2の分類法と第3の分類法とを組み合わせる。これにより、分類部20による分類の精度が向上する。
また、分類部20は、第1の分類法の後に、第2の分類法を実行してもよい。例えば、第1の分類法によりグループ化を実行した後に、第1の分類法によるグループ化が十分でなかった場合に第2の分類法を実行する。
また、第3の分類法の後に、第2の分類法を実行してもよい。例えば、第3の分類法によりグループ化を実行した後に、第3の分類法によるグループ化の結果に基づいて第2の分類法を実行する。これにより、第2の分類法において、散布図を用いた分類の判断がしやすくなる。
また、第2の分類法の後に、第3の分類法を実行してもよい。例えば、第2の分類法において、散布図を用いたグループ化が困難な場合に、第3の分類法のベースラインを補助的に用いて第2の分類法を実行してもよい。例えば、ユーザによる散布図を用いたグループ化が困難な場合に特に有効である。この場合、第3の分類法の破線Lは、過去のデータに基づいて決定されてもよい。
図10は、差異要因計算の動作例を示すフローチャートである。本例のフローチャートは、図6のグループ間の差異要因計算(S400)の一例を示す。
分析装置100は、グループ化データGDを参照して、処理するデータを取得する(S401)。例えば、グループ化データGDを参照して、効率の良いグループのデータと、効率の悪いグループのデータを取得する。計算部30は、グループ化データGDに基づいて、決定木(CART)分析を行う。本例の計算部30は、分類部20が付したグループラベルを目的変数とし、他の項目を説明変数として決定木分析を行う(S402)。決定木分析により、グループごとの差異要因が得られる。表示部40は、得られた決定木をユーザに表示する(S403)。
図11は、表示部40に表示される決定木の具体例を示す。本例では、効率の「良」と「悪」の2つのグループに分類した場合を考える。分類部20は、効率の「良」の分析対象データADをグループ1に分類する。分類部20は、効率の「悪」の分析対象データADをグループ2に分類する。
決定木は、効率が外気温、ボイラ温度および蒸気圧に依存していることを示している。例えば、決定木は、外気温が効率の良し悪しに影響しているので、季節性の差異要因の可能性を示唆している。また、ボイラ温度が高い場合に、蒸気差圧が効率の良し悪しに影響しているので、運転条件を見直すことで効率を改善することができる。
例えば、グループ2の効率が悪い場合、外気温が20度以下であるか否かを確認する(S600)。外気温が20度以下である場合、さらに外気温が0度以下であるか否かを確認する(S602)。外気温が0度以下でない場合、効率が悪い原因が外気温である可能性が考えられる。そのため、ユーザは、差異要因が外気温であるとして、効率が悪化した原因に対処することができる。例えば、ユーザは、季節に応じて、施設200の制御方法を変更する。
一方、外気温が20度以下でない場合、ボイラ温度が360℃以下であるか否かを確認する(S604)。ボイラ温度が360℃以下である場合、効率が悪い原因がボイラ温度である可能性が考えられる。そのため、ユーザは、差異要因がボイラ温度であるとして、効率が悪化した原因に対処することができる。例えば、ユーザは、ボイラ温度を360℃よりも大きくすることにより、効率を改善することができる。
また、ボイラ温度が360℃以下でない場合、蒸気差圧が0.1以下であるか否かを確認する(S606)。蒸気差圧が0.1以下である場合、ユーザは、差異要因が蒸気差圧であるとして、効率が悪化した原因に対処することができる。例えば、ユーザは、蒸気差圧を0.1よりも大きくすることにより、効率を改善することができる。
このように、分析装置100は、決定木を表示することにより、グループ同士の差異要因をユーザに特定させることができる。また、分析装置100は、決定木に基づいて、グループ同士の差異要因を自動で特定してもよい。この場合、分析装置100は、特定した差異要因をユーザに表示してもよい。
図12は、実施例2に係る分析装置100の構成の一例を示す。本例の分析装置100は、相関算出部50を更に備える点で、図2の分析装置100と相違する。
相関算出部50は、分析対象データADの複数の項目について、相関強度を算出する。相関算出部50は、予め定められた第1の項目と第2の項目との相関強度を算出する。更に、相関算出部50は、予め定められた第1の項目と第3の項目との相関強度を算出してもよい。例えば、相関算出部50は、図8Bや図9Bで示したように、蒸気生産量と投入エネルギーとの相関強度を算出する。
分類部20は、相関算出部50により分析対象データADの相関強度を向上させた後に、分析対象データADにグループラベルを付与する。分類部20は、相関算出部50が算出した相関強度に基づいて、異なる相関を有する複数のグループに分類することにより、容易にグループ化することができる。特に、複数のグループが近い相関強度を有する場合、グループ化の前に相関強度を調整することにより、グループ化が容易となる。
本例の分析装置100は、相関強度を向上させた後にグループ化処理を実行するので、容易に分類部20のグループ化処理を実行することができる。分析装置100は、相関算出部50により相関係数を算出する場合、図8A又は図9Aのフローチャートで示したグループ化の手法を用いてもよい。一例において、分析装置100は、図8A又は図9Aのフローチャートで示したグループ化の手法ではグループ化が困難な場合に、相関算出部50により算出した相関係数に基づいて、再度グループ化を実行してもよい。相関算出部50は、第1の分類法〜第3の分類法のいずれかの分類法と組み合わせて用いられてもよい。
本例の分析装置100は、エネルギー関連の計測データ実績を分析するに際し、エネルギー効率などに違いが生じているデータグループ間の差異要因を計算して提示する機能を提供する。これにより、分析装置100は、エネルギー効率悪化の原因分析や、エネルギー効率向上の施策立案に有効な情報を提供することができる。
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてもよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてもよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてもよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてもよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてもよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してもよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図13は、差異要因計算後の動作例を示す処理フローチャートである。本例のフローチャートは、図6のグループ間の差異要因計算(S400)の後の動作例を示す。
分析装置100は、決定木の葉(leaf)の通番を分類番号として取得する(S451)。分析装置100は、図11で示した決定木の葉に分類番号1〜5をそれぞれ付与する。例えば、S602において、Yesの場合を分類番号1とし、Noの場合を分類番号2とする。また、S604において、Yesの場合を分類番号3とする。S606において、Yesの場合を分類番号4とし、Noの場合を分類番号5とする。分析装置100は、取得した分類番号を、グループ化データGDの各データ行に追加格納する(S452)。例えば、計算部30は、決定木分析で用いた決定木の分類結果に応じた分類番号1〜5を、分析対象データADの各行に付与する。
図14は、分類番号を格納したグループ化データGDの一例を示す。分類番号は、グループ化データGDの各データ行に追加で格納されている。本例では、データ行に分類番号1〜分類番号5のいずれかが付与されている。例えば、グループ1のデータ行に対して、分類番号1または分類番号3が付与されている。また、グループ2のデータ行に対して分類番号5が付与されている。このように、データ行に対して分類番号を付与することにより、表示部40は、各データ行と分類番号とを関連付けて表示することができる。
図15は、分析機能の処理フローチャートの一例を示す。本例のフローチャートは、図6のグループ間の差異要因の計算結果の表示(S500)の一例を示す。
分析装置100は、グループ化データGDを参照して、処理するデータを取得する(S501)。分類部20は、各データ行に決定木の分類結果である分類番号を付与する。表示部40は、分類番号毎に、散布図および時系列グラフの少なくとも1つをユーザに表示する。表示部40は、2変数を指定して取得したデータの散布図を表示する(S502)。表示部40は、分類番号毎にデータアイコンを分けて表示してもよい。また、表示部40は、期間と変数を指定して取得したデータの時系列グラフを表示する(S503)。表示部40は、分類番号毎にデータアイコンを分けて表示してもよい。
図16Aは、表示部40が散布図を表示する場合の分析画面の一例である。散布図の2軸は、ユーザが指定した任意の2変数であってもよい。本例の散布図の縦軸は蒸気生産量を示し、横軸は投入エネルギーを示す。各プロットは、グループ化データGDの各データ行に対応する。本例の各プロットには、分類番号1〜5のいずれかがそれぞれ付されている。表示部40は、分類番号毎に、表示するデータアイコンを分けてもよい。これにより、ユーザは、分類番号毎に、蒸気生産量と投入エネルギーとの関係を容易に把握することができる。
図16Bは、表示部40が時系列グラフを表示する場合の分析画面の一例である。時系列グラフの縦軸は、ユーザが指定した任意の変数であってもよい。本例の時系列グラフの縦軸は蒸気生産量を示し、横軸は日時を示す。これにより、時系列グラフは、ユーザが指定した期間における指定した変数の値の推移を示す。各プロットは、グループ化データGDの各データ行に対応する。本例の各プロットには、分類番号1〜5のいずれかがそれぞれ付されている。表示部40は、分類番号毎に、表示するデータアイコンを分けてもよい。これにより、ユーザは、分類番号毎に、蒸気生産量の時間変化を容易に把握することができる。
本例の分析装置100は、差異要因としてデータを分類して散布図や時系列グラフとして表示することにより、各データ変数の値の範囲に応じたエネルギー効率の変化や、エネルギー効率およびデータ変数値の時間変化を分析することができる。これにより、分析装置100は、エネルギー効率悪化の原因分析や、エネルギー効率向上の施策立案に有効な情報を提供することができる。
図17は、実施例3に係る分析装置100の構成の一例を示す。本例の分析装置100は、モデル化部60およびモデルデータ記憶部65を更に備える点で、図2の分析装置100と相違する。本例の分析装置100は、予め定められたモデルグループと分析対象グループとの差異度合いや差異要因を分析する。
モデル化部60は、分類部20がグループ化した複数のグループから、いずれかのグループをモデル化する。一例において、モデル化部60は、過去の経験から正常であると判断されたグループがある場合、そのグループをモデルグループとして選択する。モデル化部60は、モデルグループの特性パラメータを計算する。
モデルデータ記憶部65は、モデル化部60が計算した特性パラメータをモデルデータMDとして記憶する。モデルデータ記憶部65は、あるグループが正常運転であると判断された場合には、その特定のグループのデータをモデルデータMDとして記憶する。また、モデルデータ記憶部65は、より適切なグループが発見された場合は、モデルデータMDを更新してもよい。
計算部30は、モデルグループのデータと、分析対象グループのデータとの差異度合いおよび差異要因を計算する。計算部30は、モデルデータMDに基づいて、差異度合いおよび差異要因を計算する。例えば、計算部30は、主成分分析(PCA)または部分最小二乗法(PLS)を用いて、モデル化および差異計算を実行する。
表示部40は、モデルグループと分析対象グループとの間の差異度合いおよび差異要因を表示する。表示部40は、差異度合いおよび差異要因を同時に表示してもよい。また、表示部40は、差異度合いおよび差異要因に加えて、散布図等の他の情報を同時に表示してもよい。
図18は、分析装置100の動作例を示すフローチャートである。本例のフローチャートは、分析装置100の動作の全体像を示した図6のフローチャートに加えて、モデルグループを算出するステップS350を有する。一例において、モデルグループを算出するステップS350は、グループ化処理(S300)の後であって、グループ間の差異要因計算(S400)の前に実行される。
図19は、モデル計算機能の動作例を示すフローチャートである。本例のフローチャートは、図18のモデルグループの算出(S350)の具体例を示す。
分析装置100は、グループ化データGDを参照して、ユーザがモデルとして使用するモデルグループを指定する(S351)。モデル化部60は、グループ化データ記憶部25のデータベースを参照して、指定されたモデルグループのデータを取得する(S352)。次に、モデル化部60は、取得したデータを学習用データとしてモデルの特性パラメータを計算する(S353)。モデルの特性パラメータの計算方法として、具体的には、主成分分析(PCA)または部分最小二乗法(PLS)を用いることができる。モデル化部60は、計算した特性パラメータをモデルデータMDとしてモデルデータ記憶部65に格納する(S354)。
図20は、モデル化を用いた差異要因計算機能の動作例を示すフローチャートである。まず、ユーザが差異要因を計算する分析対象グループを指定する(S411)。モデル化部60がグループ化データ記憶部25を参照して、処理するグループ化データGDを取得する(S412)。モデル化部60は、グループ化データ記憶部25のデータベースを参照して、モデルグループの特性パラメータを取得する(S413)。次に、計算部30は、モデルグループの特性パラメータに基づいて、分析対象グループとモデルグループとの差異要因を計算する(S414)。計算部30は、差異要因の計算方法として、主成分分析(PCA)または部分最小二乗法(PLS)を用いる。また、計算部30は、差異の大きさの判断としては、分析対象グループの各点の統計量(QおよびT2)を使用する。差異要因としては、分析対象グループ各点の寄与率が大きい変数を候補として提示することができる。表示部40は、計算部30の計算結果を表示する(S415)。
図21は、モデル使用時の分析結果の表示例を示す。表示部40は、モデルグループと、分析対象グループの分析対象データADを散布図で表示している。一例において、表示部40は、蒸気生産ユニットの実績データを表示する。
表示部40は、差異度合いを、モデルデータMDに基づいて算出した統計量の大小として提示する。本例の表示部40は、データグループ各点の統計量として、Q統計量およびT2統計量を表示している。Q統計量およびT2統計量は、データグループ各点のばらつきを示す。
また、表示部40は、差異要因を、モデルデータMDに基づいて算出した変数毎の寄与率として表示する。例えば、表示部40は、差異要因として、ヘッダ差圧、主蒸気流量、A部温度、B圧力、C圧力、およびD流量を表示しており、この順に寄与率が高いことを示している。寄与率が高い変数ほど、モデルとの差異に影響していることを示す。
分析装置100は、ある期間やある条件の時には正常運転であるという知見がある場合には、正常運転時のデータをモデルグループのデータとして用いればよい。これにより、分析装置100は、正常時との差異が生じた要因を計算してユーザに表示することができる。
図22は、分析結果表示画面の遷移の一例を示す。一例において、表示部40は、画面(a)、画面(b)、画面(c)のいずれかを選択的に表示する。
画面(a)は、分析対象データADがグループ毎にプロットされた散布図を示す。本例では、計算部30が、分析対象データADをエネルギー効率の「良」と「悪」の2つのグループに分類した場合を考える。分類部20は、エネルギー効率の「良」の分析対象データADをグループ1に分類し、エネルギー効率の「悪」の分析対象データADをグループ2に分類する。
画面(b)は、分析対象データADを要素毎に複数の階層に分類したツリー構造を示す。計算部30が差異要因の計算方法として決定木分析を用いた場合に、表示部40は、決定木分析で用いた決定木に従って、ツリー構造を表示する。表示部40は、エネルギー効率の「良」と「悪」の2つのグループの差異要因を、要因条件と、要因条件に合致するデータの分析結果グラフとで表示する。本例では、分析結果グラフは、グループ1のデータ数とグループ2のデータ数との比率を示す円グラフである。
挿入図(d)は、画面(b)に示されるツリー構造における1つの分岐を示す拡大図である。ツリー構造の分岐には、対応する差異要因と、グループ1のデータ数とグループ2のデータ数との比率を示す円グラフと、グループ1およびグループ2のそれぞれのデータ数とが示される。本例では、分岐に対応する変数名が蒸気圧Aであり、閾値が0.4MPaである。グループ1およびグループ2のデータ数はそれぞれ30および100であり、円グラフは、グループ1のデータ数とグループ2のデータ数との比率が30:100であることを示す。
画面(c)は、指定された分析結果グラフに対応する分析対象データADの時間帯別分布を示すグループ毎の時間帯別ヒストグラムを示す。画面(c)は、詳細グラフを示す画面の一例である。本例では、画面(b)においてユーザが任意の円グラフをクリックすることにより、表示部40は画面(c)を表示する。画面(c)は、クリックにより指定された円グラフと、指定された円グラフに対応する分析対象データADがグループ毎にプロットされたグラフとを示す。
図23は、分析結果表示画面の詳細図の一例として、図22の画面(c)の詳細グラフを示す。表示部40は、ツリー構造の要素が選択された場合に、選択された要素に応じた詳細グラフを表示する。画面(c)は、要因条件2310、円グラフ2320、グループ毎のヒストグラム2330、ヒストグラム2340を示す。
要因条件2310は、グループ分けするための条件である。本例の要因条件2310は、蒸気流量が895kg/h以下であることである。円グラフ2320は、要因条件2310によりグループ分けされたデータ数をグラフ化したものである。円グラフ2320は、グループ1のデータ数84点とグループ2のデータ数297点との比率、換言すると、要因条件2310を満たすデータ数84点と、満たさないデータ数297点との比率を示す。
ヒストグラム2330は、分析対象データADの蒸気流量に対する分布を示すグループ毎のヒストグラムである。ヒストグラム2340は、分析対象データADの時間帯別分布を示すグループ毎のヒストグラムである。一例において、画面(c)において、グラフの表示色をグループ毎に設定することができる。
以上のように、表示部40は、エネルギー効率の差異要因と、エネルギー効率の「良」のデータ数と「悪」のデータ数との比率を示す円グラフとをツリー構造と関連付けて表示する。さらに、表示部40は、ユーザの選択に応じて画面を切り替え、差異要因とデータとの関係を様々な態様で表示することができる。これによりユーザは、エネルギー効率が悪化しているときの主要因を容易に分析することができる。
図24は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてもよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてもよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してもよい。
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてもよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してもよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してもよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてもよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してもよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してもよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してもよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてもよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。