以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態における店舗システム1のブロック図である。店舗システム1は、小売店、飲食店、サービス提供事業所、サービスカウンタなどに設置され、POS(Point Of Sales)端末10、店舗サーバ11、無線LAN(Local Area Network)12、有線LAN13を備える情報処理システムである。
POS端末10は、商品またはサービスの代金の会計処理、各種料金の精算処理のために用いられ、情報処理装置として機能する。POS端末10は、主として店員によって使用されるレジ端末であってもよく、主として顧客によって使用されるセルフレジ端末または多機能端末であってもよい。POS端末10は、例えば、店舗においてレジカウンタにそれぞれ設けられる。POS端末10の台数は、特に限定されるものではなく、店舗の規模などに応じて任意に設置できる。POS端末10は、店舗サーバ11とともにPOSシステムを構成する。
店舗サーバ11は、例えば、店舗のバックヤードに設けられ、複数のPOS端末10と有線LAN13を介して接続されている。店舗サーバ11は、店舗で販売する商品の商品情報、在庫情報、発注情報、陳列情報、販売実績、顧客情報、従業員情報など、店舗の運営に必要とされる種々の情報を管理する。すなわち、店舗サーバ11は、POSサーバとしての機能を備える。店舗サーバ11は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、通信インターフェース、ディスプレイ、キーボードなどを備えるコンピュータシステムであり得る。無線LAN12は、典型的にはWiFi通信規格による無線通信基地局であって、店舗内のPOS端末10などと無線通信可能である。
図2は、本実施形態におけるPOS端末10の概観図である。POS端末10は、本体装置100、オペレータディスプレイ110、カスタマディスプレイ120、スキャナ130、キーボード140、プリンタ150、キャッシュドロワ160、NFC(Near Field Communication)リーダ170、カード処理部180を備える。本体装置100は、CPU、メモリなどを含むコンピュータシステムにより構成される。
オペレータディスプレイ110は、本体装置100の上部に設けられている。オペレータディスプレイ110は、店員、販売員、作業員などのオペレータによって使用される。オペレータディスプレイ110は、液晶または有機発光素子などを用いたディスプレイと、ディスプレイ上に設けられたタッチパネルとを含む。カスタマディスプレイ120は、オペレータディスプレイ110の背面側に設けられ、カスタマディスプレイ120の表示面はオペレータディスプレイ110の表示面に対して逆方向に向いている。カスタマディスプレイ120は、オペレータディスプレイ110と同様に、ディスプレイ、タッチパネルを含み、顧客によって操作され得る。
撮像部123は、カスタマディスプレイ120の上部に設けられ、顧客の顔画像を撮像可能である。また、撮像部123は、顧客の顔画像だけでなく、虹彩、指紋などの画像を生体情報として取得しても良い。
スキャナ130は、商品、カード、書面に付されたバーコード、QRコード(登録商標)などを光学的に読み取り可能である。図2に示されたスキャナ130は本体装置100に対して着脱自在であるが、本体装置100に固定されていても良い。例えば、本体装置100の筐体に透明な窓部を埋め込み、窓部の内側にスキャナ130を設けても良い。
キーボード140は、本体装置100の上部に設けられ、数字キー、取引の種別を表すキーなどを含む。オペレータは、スキャナ130を用いて商品のバーコードを読み取り、キーボード140を操作することで、所望の取引処理を実行することができる。プリンタ150は、本体装置100に接続され、レシートや領収書などを印刷可能である。図2に示されたプリンタ150は、周辺機器として本体装置100に着脱自在に接続されているが、本体装置100の一部に設けられても良い。キャッシュドロワ160は、本体装置100の下部に設けられ、紙幣および硬貨を収容可能である。なお、図示されていないが、釣銭を自動的に算出および出金する自動釣銭機構を設けても良い。
NFCリーダ170は、近距離無線通信を用いて、顧客が所持するカードや端末との通信を行い、カードや端末から決済情報、認証情報を読み取ることが可能である。カード処理部180は、本体装置100に接続され、クレジットカードなどのカード状の媒体から情報を読み取るカードリーダ、暗証番号などを入力する操作ボタンを備える。NFCリーダ170およびカード処理部180は、商品代金の支払処理だけでなく、生体情報以外の認証情報を取得するためにも用いられる。
図3は、本実施形態におけるPOS端末10のブロック図である。POS端末10は、CPU(Central Processig Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disc Drive)104、音声処理部105、無線I/F(Interface)107、LAN I/F108、オペレータディスプレイ110、カスタマディスプレイ120、NFCリーダ170、カード処理部180を含む。上述の各ユニットはバス190を介して相互に接続されている。
CPU101は、予め定められたアプリケーションプログラムに従い、POS端末10全体の動作を制御する。ROM102は、マスクメモリ、不揮発性メモリなどのように、電源遮断後においても記憶内容を保持し続ける。ROM102には、電源投入時のブートプログラムなどが書き込まれる。RAM103はCPU101の動作のためのワークエリアとして用いられる。HDD104は、上述のアプリケーションプログラム、オペレーティングシステム、商取引のためのデータベース、顧客情報などを保存可能である。
音声処理部105は、音声データをアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換回路と、アナログ信号を増幅するとともにスピーカを駆動する増幅回路とを備える。音声処理部105はPOS端末10の操作に関するガイド音声のみならず、音楽、警告音なども出力可能である。
無線I/F107は、無線LAN通信のための送受信回路とアンテナを備え、店舗サーバ11の無線LAN12と無線通信可能である。また、無線I/F107は、顧客が所持する端末と無線通信を行っても良い。LAN I/F108は、有線ネットワークインタフェースであって、店舗サーバ11とネットワークケーブルによって接続される。
オペレータディスプレイ110は、タッチパネル111およびディスプレイ112を備える。ディスプレイ112は、典型的には液晶ディスプレイまたは有機発光ディスプレイであって、駆動回路、画像処理回路を備える。タッチパネル111は、静電容量変化または抵抗変化を検出するタッチセンサを備える。カスタマディスプレイ120も同様にタッチパネル121、ディスプレイ122を備える。カスタマディスプレイ120には、さらに撮像部123が設けられる。撮像部123は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサまたはCCD(Charge Coupled Device)センサなどのエリアセンサ、アナログ・デジタル変換回路、画像処理回路を備える。
スキャナ130は、CMOSセンサまたはCCDセンサ、LED(Light Emitting Diode)光源、アナログ・デジタル変換回路、画像処理回路を備える。CMOSセンサ、CCDセンサはラインセンサであってもよく、エリアセンサであっても良い。
キーボード140は、典型的には電気接点を有する複数のスイッチから構成されるが、タッチパネルに表示された仮想的なスイッチであっても良い。プリンタ150は、ロール紙の排紙機構、インクジェット機構、駆動回路を含む。キャッシュドロワ160は、電磁ソレノイドによって駆動される電子ロックを備え、電子ロックはCPU101からの指令により開閉され得る。
NFCリーダ170は、送受信アンテナ、高周波回路、復号回路を含み、カード、タグ、携帯端末15とデータの送受信を行う。なお、NFCリーダ170は、ワイヤレス給電を行っても良い。カード処理部180は、カードリーダ181、操作ボタン182を備える。カードリーダ181は、磁気ストライプまたはICチップから情報を読み出す。操作ボタン182は、暗証番号を入力するための数字キー、記号キーを含む。
なお、図3に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の装置が追加されていてもよく、一部の装置が設けられていなくてもよい。また、一部の装置が同様の機能を有する別の装置に置換されていてもよい。さらに、本実施形態の一部の機能がネットワークを介して他の装置により提供されてもよく、本実施形態の機能が複数の装置に分散されて実現されてもよい。例えば、HDD104は、半導体メモリを用いたSSD(Solid State Drive)に置換されていてもよく、クラウドストレージに置換されてもよい。
続いて、店舗サーバ11が記憶する情報について図1、図4および図5を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態における店舗サーバ11は、顧客情報データベース11aおよび支払履歴情報データベース11bを備えている。なお、店舗サーバ11に設けられるデータベースは、図1に示されるものに限定されない。また、図4および図5に示されるデータ項目、データ内容は、あくまで一例であり、これに限定されないものとする。
図4は、本実施形態における顧客情報データベース11aが記憶する情報の一例を示す図である。顧客情報は、例えば、顧客に対して店舗の会員カードを発行する手続において事前に登録された情報であり、顧客情報の利用目的について顧客の同意が得られていると好適である。ここでは、顧客ID、顔画像、顔特徴量、氏名などが顧客情報のデータ項目として例示されている。例えば、顧客ID“0001”の顧客は、顔特徴量は“[顔特徴量D1]”、氏名は“[氏名N1]”である。なお、顔特徴量とは、例えば、目、鼻、口、耳といった特徴的な部位の位置などの顔の特徴を示す量であり得る。顔特徴量の抽出方法としては、例えば、SIFT(Scale−Invariant Feature Transform)やSURF(Speeded up robust features)、ORB(Oriented FAST and Rotated Brief)などの公知の抽出技術を用いることができる。
図5は、本実施形態における支払履歴情報データベース11bが記憶する情報の一例を示す図である。ここでは、顧客ID、請求書の費目、支払日、支払金額などが支払履歴情報のデータ項目として例示されている。図5によれば、顧客ID“0001”の顧客は、3種類の費目(水道料金/電気料金/ガス料金)についての支払いを2017年7月〜9月の各月に行っていることが分かる。
続いて、本実施形態における店舗システム1の作用および効果について図6乃至図9を参照しつつ説明する。
先ず、本実施形態における店舗システム1の動作を簡潔に説明する。図6は、本実施形態における店舗システム1の動作を表すフローチャートである。
店舗システム1は、所定の認証方法に基づいて来店した人物を特定すると(ステップS11)、保有するデータベースの中から特定した人物の請求書に対する支払履歴を取得する(ステップS12)。
次に、店舗システム1は、ステップS12において取得した支払履歴を分析し、当該人物の請求書に対する支払日および請求書の支払期限を予測・特定する(ステップS13)。例えば、電気料金に関する5件の支払履歴の分析し、過去の支払日の日付が25日、27日、30日、31日である場合には、店舗システム1は、最も遅い日付の31日を支払日と予測する。また、支払履歴に請求書の支払期限の情報(例えば、毎月末日)が含まれている場合には、店舗システム1は、当該請求書の支払期限の日付も特定できる。
次に、店舗システム1は、支払日または支払期限の所定期間前までを、請求書に関する情報の通知期間に決定する(ステップS14)。通知期間の設定における基準日を支払日と支払期限のどちらにするかについては、任意に選択できる。例えば、支払期限の日付よりも支払日の方が早い場合に、支払日の所定期間前までを通知期間に設定できる。
そして、店舗システム1は、支払履歴における直近の支払日が通知期間外であるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、店舗システム1が、直近の支払日は通知期間外であると判定した場合(ステップS15:YES)には、店舗システム1は、ステップS11で特定した人物に対して請求書に関する情報を通知し(ステップS16)、図6の処理を終了する。
これに対し、店舗システム1が、直近の支払日は通知期間内であると判定した場合(ステップS15:NO)には、ステップS11で特定した人物は通知不要の人物に該当するため、店舗システム1は、図6の処理を終了する。
上述した図6の動作は、店舗システム1を構成するPOS端末10と店舗サーバ11の連携によって、例えば以下のように行われる。図7は、本実施形態における店舗システム1の動作を表すシーケンスチャートである。顧客が店舗において所望の商品を買物かごに入れ、会計のためにPOS端末10へと向かったとする。POS端末10は、顧客が会計のために自端末に近付いたことを検知すると、撮像部123によって顧客の顔画像を撮像する(ステップS101)。
次に、POS端末10は、画像信号を店舗サーバ11に送信する(ステップS102)。次に、店舗サーバ11は、POS端末10から受信した画像信号について画像処理を行った後、顔特徴量を抽出する(ステップS103)。店舗サーバ11には、顧客の顔画像および顔特徴量が顧客情報データベース11aに予め登録されている(図1および図4参照)。このため、店舗サーバ11は、抽出された顔特徴量に最も近い顔特徴量を有する顧客を顧客情報データベース11aの中から検索することで、顧客を識別する(ステップS104)。
店舗サーバ11は、画像認識処理によって顧客を識別(特定)すると、当該顧客の請求書に対する支払履歴を支払履歴情報データベース11bの中から検索し(ステップS105)、画像信号の送信元のPOS端末10に向けて検索結果を返信する(ステップS106)。一方、POS端末10が、店舗サーバ11におけるステップS103〜S106の処理と並行して、店員による操作に応じて、買物かごの中の商品のバーコード、あるいは、顧客から受け取った請求書のバーコードをスキャナ130によって読み取ると(ステップS107)、処理はステップS108に移行する。
次に、POS端末10は、検索結果を参照し、レジカウンタにいる顧客の請求書に対する支払履歴が支払履歴情報データベース11bに有るか否かを判定する(ステップS108)。ここで、POS端末10は、請求書に対する支払履歴が有ると判定した場合(ステップS108:YES)には、支払履歴を分析し(ステップS109)、顧客に向けたリマインド情報の通知期間を決定する(ステップS110)。これに対し、POS端末10が、請求書に対する支払履歴が無いと判定した場合(ステップS108:NO)には、処理はステップS111に移行する。
なお、本実施形態における「リマインド情報」とは、請求書に対する支払いを顧客に想起・確認させるための情報を意味し、請求書に関する情報の一例である。また、ステップS109およびS110の処理の詳細は、後述するものとする。
次に、POS端末10は、商品および請求書に対する決済処理を実行すると(ステップS111)、商品の購入情報および請求書の支払情報を店舗サーバ11に送信する(ステップS112)。店舗サーバ11は、POS端末10から受信した購入情報および支払情報をデータベースに購入履歴情報および支払履歴情報としてそれぞれ登録する(ステップS113)。
次に、POS端末10は、店舗サーバ11におけるステップS113の処理と並行して、リマインド情報の通知に関する制御処理を行う。先ず、POS端末10は、現在日時が上述のステップS110で決定された通知期間内であるか否かを判定する(ステップS114)。ここで、POS端末10が、現在日時は通知期間内であると判定した場合(ステップS114:YES)には、処理はステップS115に移行する。
これに対し、POS端末10が、現在日時は通知期間内でないと判定した場合(ステップS114:NO)には、図7の処理は終了する。なお、“現在日時が通知期間内でない”の該当ケースには、現在日時が通知期間の前または後の日時である場合だけでなく、(A)支払履歴無しのためにステップS110の処理が行われなかった場合、(B)支払履歴の分析において、当月は支払月でないと判定された場合、などの通知期間が設定されていない場合も含まれるものとする。
次に、POS端末10は、支払履歴および決済処理の内容に基づいて請求書に関する直近の支払日を判定する(ステップS115)。これは、“直近の支払日”は、上述の決済処理(ステップS111)の中で、請求書に対する支払が行われたか否かによって変動する場合があるためである。例えば、決済処理が商品のみについて行われた場合には、顧客の支払履歴のうち最後の履歴の支払日が直近の支払日となる。これに対し、決済処理において請求書に対する支払が行われた場合には、現在の日付が直近の支払日となる。
次に、POS端末10は、直近の支払日が通知期間外であるか否かを判定する(ステップS116)。ここで、POS端末10は、直近の支払日が通知期間外であると判定した場合(ステップS116:YES)には、決済処理の完了に伴って発行するレシートに、請求書のリマインド情報を印刷して出力する(ステップS117)。これに対し、POS端末10が、直近の支払日が通知期間内であると判定した場合(ステップS116:NO)には、顧客は支払済であり、リマインド情報の通知は不要であるため、図7の処理は終了する。
図8は、本実施形態における請求書に関する情報の表示の一例を示す図である。ここでは、決済処理の完了に伴って発行されたレシートに、商品の取引情報とともに請求書に関するリマインド情報が表示された例が示されている。レシートの下部領域には、「お客様へのお知らせ」のタイトルと、顧客に対して請求書に対する支払いを想起・確認させるメッセージ(「下記の請求書のお支払いはもうお済みでしょうか?当店レジカウンタにてお支払い頂けますので、御利用ください。」)と、顧客による支払が予測される請求書と前回の支払日に関する情報からなる一覧とが表示されている。図8に示すように、リマインド情報は、請求書の種類(費目)、請求書に対する支払時期、および支払履歴情報の少なくとも一つを含むと好適である。
図9は、本実施形態におけるPOS端末10の動作を表すフローチャートである。この処理は、上述した図7のステップS109およびS110に対応する処理の一例である。
POS端末10は、費目ごとに支払履歴を分類すると(ステップS201)、同一費目の支払履歴を抽出する(ステップS202)。次に、POS端末10は、抽出した支払履歴が複数あるか否かを判定する(ステップS203)。ここで、POS端末10が、支払履歴は複数あると判定した場合(ステップS203:YES)には、処理はステップS204に移行する。これに対し、ここで、POS端末10が、支払履歴は複数ないと判定した場合(ステップS203:NO)には、処理はステップS208に移行する。
ステップS204において、POS端末10は、同一費目の支払履歴を分析して、支払傾向を予測する。具体的には、支払日に関する月単位や年単位での支払周期(毎月1回ずつ/2ヶ月に1回ずつ/毎年1月、6月、8月、10月の4回など)、支払日の日付の分布(毎月1日から5日の間/毎月25日から31日までの間など)を支払傾向として予測する。
次に、POS端末10は、予測した支払傾向に基づいて当月が支払月に該当するか否かを判定する(ステップS205)。ここで、POS端末10が、当月は支払月に該当すると判定した場合(ステップS205:YES)には、処理はステップS206に移行する。これに対し、POS端末10が、当月は支払月に該当しないと判定した場合(ステップS205:NO)には、通知が不要な請求費目に該当するため、処理はステップS210に移行する。
ステップS206において、POS端末10は、同一費目の複数の支払履歴において、支払日が複数の日付に分散しているか否かを判定する。ここで、POS端末10が、支払日は複数の日付に分散していると判定した場合(ステップS206:YES)には、処理はステップS207に移行する。これに対し、POS端末10が、支払日は同一の日付であると判定した場合(ステップS206:NO)には、処理はステップS208に移行する。
ステップS207において、POS端末10は、複数の支払履歴のうち、支払いが最も遅い日付を支払日と予測する。例えば、取得した5件の支払履歴の分析により、毎月1回の支払い、かつ、支払日の日付が25日、27日、30日、31日に分散した支払傾向が得られた場合には、POS端末10は、今後の支払日は最も遅い日付の31日と予測する。なお、最も早い日付など他の日付を支払日としてもよい。
一方、ステップS208において、POS端末10は、1件の支払履歴の支払日の日付を今後の支払日と予測する。例えば、支払履歴が支払日「27日」の1つだけの場合には、POS端末10は、支払日は27日と予測する。
ステップS209において、POS端末10は、予測した支払日または支払期限より前の所定期間を通知期間に設定する。例えば、POS端末10は、3件の支払履歴の分析により、毎月1回、かつ、支払日の日付が27日で共通する支払傾向を得て、支払期限日は27日と予測した場合、通知期間を27日より前の所定期間(例えば10日間)に設定できる。なお、過去の支払日は、例えば31日であったが、当月にその日付が存在しない場合には、支払日を当月の末日に、通知期間を末日以前の10日間のように前方にそれぞれシフトすればよい。また、支払日より前の所定期間を通知期間に設定し、通知期間の開始日を過去の支払日よりも任意に早めてもよい。
そして、POS端末10は、顧客の支払履歴について、分類されたすべての費目を処理したか否かを判定する(ステップS210)。ここで、POS端末10が、すべての費目を処理したと判定した場合(ステップS210:YES)には、処理は図7のステップS111に移行する。これに対し、POS端末10が、すべての費目を処理していないと判定した場合(ステップS210:YES)には、処理はステップS202へ戻る。
以上のように、本実施形態によれば、POS端末10は、支払履歴から予測した顧客の請求書に対する支払傾向に基づくタイミングで、商品およびサービスの決済処理の完了に伴って発行されるレシートを利用して顧客にリマインド情報を通知できる。これにより、顧客は、近日中に支払うべき請求書の存在に容易に気付くことができるため、顧客の支払忘れの防止および顧客満足度の向上を図ることができる。また、請求書の情報を実際に管理している公共機関や企業などの外部のサーバにアクセスする必要がないことから、システムを複雑化させずに済む。さらに、店舗に設置されているローカルなデータベースで足りることから、個人情報の拡散を防止できる利点もある。
また、POS端末10は、レジカウンタで撮像した顧客の顔画像、すなわち、顧客について取得した生体情報に基づいて顧客を特定できる。顧客からの入力操作や顧客情報が記録された媒体を必要とせずに顧客を特定できる。
また、POS端末10は、支払履歴情報の分析により得られた支払傾向に基づいて支払通知期間を設定し、支払通知期間においてリマインド情報を出力できる。これにより、顧客の支払周期に合わせた適切なタイミングで顧客に請求書の支払いを想起・確認させることができる。
また、図9のフローチャートで示したように、POS端末10は、請求書の種類(費目)ごとに支払通知期間を設定できる。これにより、請求書の種類(費目)ごとに適切なタイミングでの通知が可能になる。
また、図9のフローチャートで示したように、POS端末10は、請求書の種類ごとにリマインド情報の出力要否を設定できる。これにより、近日中に支払時期が到来すると予測される請求書の種類(費目)のみに限定した通知が可能になる。
また、POS端末10は、支払履歴情報および請求書の種類に基づいて請求書に対する支払期限を予測し、支払期限よりも前の所定期間を支払通知期間として設定できる。これにより、支払期限を経過しないと予測される期間においての通知が可能になる。
また、POS端末10は、商品またはサービスの決済に伴って発行されるレシートにリマインド情報を出力できる。これにより、顧客は、レシートに印刷された取引内容の確認する際にリマインド情報を視認できるため、効果的な通知が可能となる。また、レシートは、取引終了後、顧客によって管理される媒体であるため、プライベートな情報が他の顧客に知られてしまうことを回避することができる。
[第2の実施形態]
続いて、本実施形態における店舗システム2を説明する。なお、第1の実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。以下では、第1の実施形態と共通する箇所の説明は省略し、第1の実施形態と異なる構成および動作を中心に説明する。
図10は、本実施形態における店舗システム2のブロック図である。店舗システム2は、撮像装置14をさらに備える。また、店舗サーバ11は、通信ネットワークNWを介して基地局20と接続されている。基地局20は、公衆無線通信のためのノードであって、マクロセルあるいはマイクロセル毎に設置されている。
撮像装置14は、例えば店舗の入口に設置されたカメラである。なお、撮像装置14は、顧客の顔画像を撮像できる限り、その設置場所を問わない。例えば、店舗天井、店舗の駐車場、レジカウンタなどに設置されても良い。携帯端末15は、顧客が所持・管理する携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータなどの無線通信端末である。
続いて、本実施形態における店舗システム2の作用および効果について図11および図12を参照しつつ説明する。図11は、本実施形態における店舗システム2の動作を表すシーケンスチャートである。
先ず、撮像装置14は、顧客が店舗の入口付近に位置することを検知すると、顧客の顔画像を撮像する(ステップS301)。
次に、撮像装置14は、画像信号を店舗サーバ11に送信する(ステップS302)。次に、店舗サーバ11は、POS端末10から受信した画像信号において画像処理を行った後、顔特徴量を抽出する(ステップS303)。店舗サーバ11には、顧客の顔画像および顔特徴量が顧客情報データベース11aに予め登録されている。このため、店舗サーバ11は、抽出された顔特徴量に最も近い顔特徴量を有する顧客を顧客情報データベース11aの中から検索することで、顧客を識別する(ステップS304)。
次に、店舗サーバ11は、画像認識処理によって顧客を識別(特定)すると、当該顧客の請求書に対する支払履歴を支払履歴情報データベース11bの中から検索する(ステップS305)。
次に、店舗サーバ11は、検索結果に基づいてレジカウンタにいる顧客の請求書に対する支払履歴が支払履歴情報データベース11bに有るか否かを判定する(ステップS306)。ここで、店舗サーバ11が、請求書に対する支払履歴は有ると判定した場合(ステップS306:YES)には、支払履歴を分析し(ステップS307)、顧客に向けたリマインド情報の通知期間を設定すると(ステップS308)、処理はステップS309に移行する。これに対し、店舗サーバ11が、請求書に対する支払履歴が無いと判定した場合(ステップS306:NO)には、図11の処理は終了する。
ステップS309において、店舗サーバ11は、現在日時が上述のステップS308で設定された通知期間内であるか否かを判定する。ここで、店舗サーバ11が、現在日時は通知期間内であると判定した場合(ステップS309:YES)には、処理はステップS310に移行する。
これに対し、店舗サーバ11が、現在日時は通知期間内ではないと判定した場合(ステップS309:NO)には、図11の処理は終了する。なお、“現在日時が通知期間内でない”の該当ケースには、現在日時が通知期間の前または後の日時である場合だけでなく、(A)支払履歴無しのためにステップS308の処理が行われなかった場合、(B)支払履歴の分析において、当月は支払月でないと判定されなかった場合、などの通知期間が設定されなかった場合も含まれるものとする。
ステップS310において、店舗サーバ11は、直近の支払日が通知期間外であるか否かを判定する。本実施形態では、顧客の最後の支払履歴の支払日が直近の支払日に該当する。ここで、店舗サーバ11が、直近の支払日は通知期間外であると判定した場合(ステップS310:YES)には、店舗サーバ11は、顧客情報などを参照して顧客が所持する携帯端末15を特定するとともに、通信ネットワークNWを介して携帯端末15に向けて請求書のリマインド情報を送信する(ステップS311)。そして、携帯端末15は、店舗サーバ11から受信したリマインド情報を画面に表示する(ステップS312)。これに対し、店舗サーバ11が、直近の支払日は通知期間内であると判定した場合(ステップS316:NO)には、リマインド情報の通知は不要であるため、図11の処理は終了する。
図12は、本実施形態における請求書に関する情報の表示の一例を示す図である。ここでは、顧客が所持する携帯端末15の画面に、請求書に関するリマインド情報が表示された例が示されている。画面には、「○○様へのお知らせ」のタイトルと、顧客に対して請求書に対する支払いを想起・確認させるメッセージ(「下記の請求書のお支払いはもうお済みでしょうか?当店レジカウンタにてお支払い頂けますので、御利用ください。」)と、顧客による支払が予測される請求書と前回の支払日に関する情報からなる一覧とが表示されている。なお、各請求書の費目に対する支払履歴は、前回分以外も参照できると好適である。
以上のように、本実施形態によれば、店舗サーバ11は、支払履歴から予測した顧客の請求書に対する支払傾向に基づく通知期間において、顧客が所持する携帯端末15にリマインド情報を通知できる。第1実施形態とは異なり、顧客が所持する携帯端末15に情報を表示する構成のため、商品などの決済時に限らず、入店時などの任意のタイミングでの通知も可能になる。また、携帯端末15は、顧客によって管理される端末であるため、プライベートな情報が他の顧客に知られてしまうことを回避することができる。
[第3の実施形態]
続いて、本実施形態における店舗システム3を説明する。なお、第1および第2の実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。以下では、第1および第2の実施形態と共通する箇所の説明は省略し、第1および第2の実施形態と異なる構成および動作を中心に説明する。
図13は、本実施形態における店舗システム3のブロック図である。図13に示すように、本実施形態における店舗システム3は、店舗サーバ11に購入履歴情報データベース11cが設けられている。これにより、店舗システム3は、請求書の支払履歴情報の代わりに、購入履歴情報データベース11cに記憶されている過去の商品またはサービスの購入履歴に基づいて今後の購入が予測される商品またはサービスに関する情報(以下、「リコメンド情報」という。)を通知する点で第2の実施形態と異なっている。
図14は、本実施形態態における購入履歴情報データベース11cが記憶する情報の一例を示す図である。ここでは、顧客ID、商品名、商品種別、購入日、購入金額などが購入履歴情報のデータ項目として例示されている。図14によれば、顧客ID“0099”の顧客は、商品種別“飲料水”の商品A1や、商品種別“米”の商品B1および商品B2を各月の下旬に購入していることが分かる。
続いて、本実施形態における店舗システム3の作用および効果について図15および図16を参照しつつ説明する。図15は、本実施形態における店舗システム3の動作を表すシーケンスチャートである。
先ず、撮像装置14は、顧客が店舗の入口付近に位置することを検知すると、顧客の顔画像を撮像する(ステップS401)。
次に、撮像装置14は、画像信号を店舗サーバ11に送信する(ステップS402)。次に、店舗サーバ11は、POS端末10から受信した画像信号において画像処理を行った後、顔特徴量を抽出する(ステップS403)。店舗サーバ11には、顧客の顔画像および顔特徴量が顧客情報データベース11aに予め登録されている。このため、店舗サーバ11は、抽出された顔特徴量に最も近い顔特徴量を有する顧客を顧客情報データベース11aの中から検索することで、顧客を識別する(ステップS404)。
次に、店舗サーバ11は、画像認識処理によって顧客を識別(特定)すると、当該顧客の購入履歴を購入履歴情報データベース11cの中から検索する(ステップS405)。
次に、店舗サーバ11は、来店した顧客の購入履歴が購入履歴情報データベース11cに有るか否かを判定する(ステップS406)。ここで、店舗サーバ11は、購入履歴が有ると判定した場合(ステップS406:YES)には、購入履歴を分析し(ステップS407)、顧客に向けたリコメンド情報の通知期間を設定する(ステップS408)。そして、処理はステップS409に移行する。これに対し、店舗サーバ11が、購入履歴は無いと判定した場合(ステップS406:NO)には、図15の処理は終了する。
ステップS409において、店舗サーバ11は、現在日時が上述のステップS408で設定された通知期間内であるか否かを判定する。ここで、店舗サーバ11が、現在日時は通知期間内であると判定した場合(ステップS409:YES)には、処理はステップS410に移行する。
これに対し、店舗サーバ11が、現在日時は通知期間内ではないと判定した場合(ステップS409:NO)には、図15の処理は終了する。なお、“現在日時が通知期間内でない”の該当ケースには、現在日時が通知期間の前または後の日時である場合だけでなく、購入履歴無しのためにステップS408の処理が行われず、通知期間が設定されなかった場合なども含まれるものとする。
ステップS410において、店舗サーバ11は、直近の購入日が通知期間外であるか否かを判定する。本実施形態では、顧客の最後の購入履歴の購入日が直近の購入日に該当する。ここで、店舗サーバ11が、直近の購入日は通知期間外であると判定した場合(ステップS410:YES)には、店舗サーバ11は、顧客情報などを参照して顧客が所持する携帯端末15を特定するとともに、通信ネットワークNWを介して携帯端末15に向けて商品のリコメンド情報を送信する(ステップS411)。そして、携帯端末15は、店舗サーバ11から受信したリコメンド情報を画面に表示する(ステップS412)。これに対し、店舗サーバ11は、直近の購入日が通知期間内であると判定した場合(ステップS410:NO)には、リコメンド情報の通知は不要であるため、図15の処理を終了する。
図16は、本実施形態における商品購入を提案する情報の表示の一例を示す図である。ここでは、顧客が所持する携帯端末15の画面に、商品のリコメンド情報が表示された例が示されている。画面には、「おすすめ商品情報」のタイトルと、顧客に対して商品の購入を提案するメッセージ(「本日は、下記の商品が大変お買い得です。」)と、商品画像、特売価格などの商品情報とが表示されている。なお、リコメンド情報に含まれる商品およびサービスは、顧客が過去に購入した商品およびサービスには限られない。例えば、同一の商品種別(カテゴリ)の商品や、同時購入が予測される商品、店舗が購入を推奨する任意の商品に関する広告情報などでもよい。
以上のように、本実施形態によれば、顧客が定期的に購入する商品があるような場合に、適切なタイミングでリコメンド情報を通知することで、同一・類似商品や関連商品の売上げの向上や販売機会の損失防止を図ることができる。
[第4の実施形態]
続いて、本実施形態における情報処理システム4を説明する。なお、第1〜第3の実施形態の図中において付与した符号と共通する符号は同一の対象を示す。以下では、第1〜第3の実施形態と共通する箇所の説明は省略し、第1〜第3の実施形態と異なる構成および動作を中心に説明する。
図17は、本実施形態における情報処理システム4のブロック図である。情報処理システム4は、センタサーバ40と、複数の店舗システム1とを備えている。本実施形態では、複数の店舗システム1は、“○○ストアのA店/B店”のような系列店にそれぞれ設けられたコンピュータシステムとして説明する。なお、情報処理システム4に含まれる店舗システム1の数は限定されず、任意の数の店舗システム1がセンタサーバ40に接続され得る。
センタサーバ40は、通信ネットワークNWを介して複数の店舗サーバ11に接続され、店舗サーバ11によって集計された販売データを管理するとともに、顧客情報、支払履歴情報、購入履歴情報などを管理可能である。センタサーバ40は、コンピュータシステムから構成され、CPU、メモリ、通信インターフェース、ディスプレイ、キーボードなど備え得る。図17では、センタサーバ40は、データベースとして顧客情報データベース40aと支払履歴情報データベース40bを備えている。顧客情報データベース40aおよび支払履歴情報データベース40bは、第1の実施形態の顧客情報データベース11aおよび支払履歴情報データベース11bと同様のデータベースであるが、複数の店舗に関する情報を一元管理している点で異なっている。なお、センタサーバ40は、店舗を管理する企業サーバ、顧客情報を管理するサーバ、クレジット情報を管理するサーバなどの複数のサーバによって構成されても良い。
続いて、本実施形態における情報処理システム4の作用および効果について図18を参照しつつ説明する。図18は、本実施形態における情報処理システム4の動作を表すシーケンスチャートである。
顧客が店舗において所望の商品を買物かごに入れ、会計のためにPOS端末10へと向かったとする。POS端末10は、店員などによる操作に応じて、メンバーズカードやクレジットカードなどのカード情報を読取る(ステップS501)。
次に、POS端末10は、店舗サーバ11を介し、カード情報をセンタサーバ40に送信する(ステップS502)。次に、センタサーバ40は、カード情報に基づいて顧客情報データベース40aを参照し、顧客を特定する(ステップS503)。
センタサーバ40は、画像認識処理によって顧客を識別(特定)すると、当該顧客の請求書に対する支払履歴を支払履歴情報データベース40bの中から検索し(ステップS504)、カード情報の送信元のPOS端末10に向けて検索結果を返信する(ステップS505)。一方、POS端末10は、センタサーバ40におけるステップS503〜S505の処理と並行して、店員による操作に応じて、買物かごの中の商品のバーコード、あるいは、顧客から受け取った請求書のバーコードをスキャナ130によって読み取る(ステップS506)。そして、処理はステップS507に移行する。
ステップS507において、POS端末10は、検索結果を参照し、レジカウンタにいる顧客の請求書に対する支払履歴が支払履歴情報データベース40bに有るか否かを判定する。ここで、POS端末10が、請求書に対する支払履歴は有ると判定した場合(ステップS507:YES)には、支払履歴を分析し(ステップS508)、顧客に向けたリマインド情報の通知期間を決定する(ステップS509)。これに対し、POS端末10が、請求書に対する支払履歴は無いと判定した場合(ステップS507:NO)には、処理はステップS510に移行する。
ステップS510において、POS端末10は、商品および請求書に対する決済処理を実行する。そして、POS端末10は、商品の購入情報および請求書の支払情報をセンタサーバ40に送信する(ステップS511)。これに伴い、センタサーバ40は、POS端末10から受信した購入情報および支払情報をデータベースに登録する(ステップS512)。
POS端末10は、センタサーバ40におけるステップS512の処理と並行して、リマインド情報の通知に関する制御処理を行う。先ず、POS端末10は、現在日時が上述のステップ509で決定された通知期間内であるか否かを判定する(ステップS513)。ここで、POS端末10が、現在日時は通知期間内であると判定した場合(ステップS513:YES)には、処理はステップS514に移行する。
これに対し、POS端末10が、現在日時は通知期間内でないと判定した場合(ステップS513:NO)には、図18の処理は終了する。なお、“現在日時が通知期間内でない”の該当ケースには、現在日時が通知期間の前または後の日時である場合だけでなく、(A)支払履歴無しのためにステップS510の処理が行われなかった場合、(B)支払履歴の分析において、当月は支払月でないと判定された場合、などの通知期間が設定されなかった場合も含まれるものとする。
次に、POS端末10は、支払履歴および決済処理の内容に基づいて請求書に関する直近の支払日を判定する(ステップS514)。これは、“直近の支払日”は、上述の決済処理(ステップS510)において請求書に対する支払が行われたか否かによって変動するためである。例えば、決済処理が商品のみについて行われた場合には、顧客の支払履歴のうち最後の履歴の支払日が直近の支払日となる。これに対し、決済処理において請求書に対する支払が行われた場合には、現在の日付が直近の支払日となる。
次に、POS端末10は、直近の支払日が通知期間外であるか否かを判定する(ステップS515)。ここで、POS端末10が、直近の支払日は通知期間外であると判定した場合(ステップS515:YES)には、決済処理の完了に伴って発行されるレシートに、請求書のリマインド情報を印刷して出力する(ステップS516)。これに対し、POS端末10が、直近の支払日は通知期間内であると判定した場合(ステップS515:NO)には、リマインド情報の通知は不要であるため、図18の処理を終了する。
以上のように、本実施形態における情報処理システム4は、支払履歴情報をセンタサーバ40上で共有することで、店舗単位だけでなく、地域単位、系列店単位、提携グループ単位などでリマインド情報を通知できる。例えば、系列店単位で情報を共有すれば、顧客は自宅付近および会社付近の両方の系列店舗で通知を受けることができるため、サービスレベルの向上が図られる。
[第5の実施形態]
図19は、本実施形態における情報処理装置50のブロック図である。情報処理装置50は、顧客を特定する特定部51と、顧客の請求書に対する支払履歴情報を取得する取得部52と、顧客の支払履歴情報に基づいて、支払対象になる請求書を予測する予測部53と、請求書に関する情報を出力する出力部54と、を備える。本実施形態における情報処理装置50は、外部のサーバにアクセスすることなく、顧客に向けて請求書の支払いに関する情報を通知できる。
[変形実施形態]
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
上述の第1の実施形態においては、リコメンド情報がレシートに印刷される場合について説明したが、リコメンド情報の出力先はレシートに限られない。例えば、カスタマディスプレイ120にリコメンド情報を表示可能である。また、商品の代金支払いの際に、請求費目があることのみをPOS端末10のカスタマディスプレイ120に表示し、カスタマディスプレイ120上で顧客からの指示があった場合にのみ詳細をレシートに印刷しても良い。カスタマディスプレイ120に表示される場合には、情報の表示内容を制限することで、プライベートな情報が他の顧客に知られてしまうことを回避することができる。
上述の第2の実施形態においては、顧客が入店するタイミングで顧客を特定し、携帯端末15にリマインド情報を通知する場合について説明したが、携帯端末15においてリマインド情報を通知するタイミングは必ずしも入店時に限定されない。例えば、GPS情報などにより携帯端末15が店舗に近付いたことを検知した場合や、顧客が携帯端末15から店舗提供のアプリケーションにログインしたときに、携帯端末15に向けてリマインド情報を出力しても良い。
また、上述の実施形態では、店舗における顔認証あるいはカード情報の取得によって顧客を特定する場合について説明したが、顧客の特定手段はこれらに限られない。例えば、携帯端末15に予め保持されている認証情報(生体情報を含む)を店舗側で利用して顧客を特定し得る。
また、上述の実施形態では、過去の支払日または支払期限の日付よりも所定期間前を通知期間として設定することで、支払忘れの防止を図る構成について説明した。しかし、支払日の最遅日や支払履歴に含まれる支払期限を過ぎた場合に通知するようにしてもよい。これにより、顧客が支払いを忘れている場合にだけ通知を行うことができる。また、現在日付が支払期限の前あるいは後であるかによって、通知メッセージの内容などを変更してもよい。
上述の実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記録させ、記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体だけでなく、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。また、上述の実施形態に含まれる1または2以上の構成要素は、各構成要素の機能を実現するように構成されたASIC、FPGAなどの回路であってもよい。
該記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disk)−ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記憶媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
上述の各実施形態の機能により実現されるサービスは、SaaS(Software as a Service)の形態でユーザに対して提供することもできる。
なお、上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
上述の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載し得るが、以下には限られない。
(付記1)
顧客を特定する特定部と、
前記顧客の請求書に対する支払履歴情報を取得する取得部と、
前記顧客の前記支払履歴情報に基づいて、支払対象になる前記請求書を予測する予測部と、
前記請求書に関する情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
(付記2)
前記特定部は、店舗に位置する前記顧客について取得した生体情報に基づいて前記顧客を特定する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記予測部は、前記支払履歴情報に基づいて支払通知期間を設定し、
前記出力部は、前記支払通知期間において前記情報を出力する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記予測部は、前記請求書の種類ごとに前記支払通知期間を設定する、
付記3に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記予測部は、前記請求書の種類ごとに前記情報の出力要否を設定する、
付記3に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記予測部は、前記支払履歴情報および前記請求書の種類に基づいて前記請求書に対する支払期限を予測し、前記支払期限よりも前の所定期間を前記支払通知期間として設定する、
付記3に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記出力部は、商品またはサービスの決済に伴って発行されるレシートに前記情報を出力する、
付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記8)
前記情報は、前記請求書の費目、前記請求書に対する支払時期、および前記支払履歴情報の少なくとも一つを含む、
付記1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記9)
顧客を特定するステップと、
前記顧客の請求書に対する支払履歴情報を取得するステップと、
前記顧客の前記支払履歴情報に基づいて、支払対象になる前記請求書を予測するステップと、
前記請求書に関する情報を出力するステップと、
を備える情報処理方法。
(付記10)
コンピュータに、
顧客を特定するステップと、
前記顧客の請求書に対する支払履歴情報を取得するステップと、
前記顧客の前記支払履歴情報に基づいて、支払対象になる前記請求書を予測するステップと、
前記請求書に関する情報を出力するステップと、
を実行させるプログラム。