JP2020044774A - ゴム押出方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロスヘッドを用いてゴム材料を押し出す場合に、押出を再開させた時の押出初期から安定した品質のゴム押出物を得られるゴム押出方法および装置を提供する。【解決手段】押出を一時的に停止する停止期間中は、開閉部10によりクロスヘッド6に形成された押出流路6aを閉じて圧力センサ9による検知圧力を目標圧力範囲に維持するようにスクリュー4の回転を制御し、押出を再開する前に、上流側温度センサ8aによる検知温度とゴム材料R1に対して設定された目標温度範囲とに基づいて流量調整体7により押出流路6aの流路断面積を調整し、押出を再開する際に、開閉部10により押出流路6aを開いてスクリュー4を定型回転に戻しつつ、維持操作として下流側温度センサ8bによる検知温度、圧力センサ9による検知圧力をそれぞれ最終目標温度範囲、最終目標圧力範囲に維持するように流量調整体7により流路断面積を調整する。【選択図】図5

Description

本発明は、クロスヘッドを用いたゴム押出方法および装置に関し、さらに詳しくは、ゴム材料の押出を再開させた時の押出初期から安定した品質のゴム押出物を得ることができるゴム押出方法および装置に関するものである。
タイヤ等のゴム製品を製造する際には、押出機などの押出手段を用いた押出工程がある。押出工程では、未加硫のゴム材料が所望の可塑度(粘度)にされ、所定形状に型付けされたゴム押出物が押し出される。押出機のシリンダの内部では、回転するスクリューによって未加硫のゴム材料がシリンダの前方に向かって送られつつ練られて、押出口からゴム押出物として押し出される(例えば、特許文献1参照)。
押出工程では、設備の段替えや前工程や後工程の都合に起因して、ゴム材料の押出を一時的に停止させることある。ゴム材料の押出停止中には、シリンダの内部に残存しているゴム材料の温度が適正値から乖離して、押出を再開させた時にゴム押出物の温度を所定範囲に安定させるまでに時間を要する。所定範囲外の温度で押出されたゴム押出物は、意図しない形状に変形したり表面が粗くなる等、一定品質をクリアできない傾向がある。シリンダの先端部に設置されるヘッドには、シリンダの延在方向に交差する方向に延在するクロスヘッドが使用されることがある。クロスヘッドを用いた場合にも、上記の問題が生じるため、ゴム材料の押出を再開させた時の押出初期からゴム押出物の品質を安定させるには改善の余地がある。
特開2018−69666号公報
本発明の目的は、クロスヘッドを用いてゴム材料を押し出す場合に、ゴム材料の押出を再開させた時の押出初期から安定した品質のゴム押出物を得ることができるゴム押出方法および装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のゴム押出方法は、筒状のシリンダに内設されたスクリューを有する押出手段により、未加硫のゴム材料を前記スクリューにより練りつつ前記シリンダの先端部に設置されたクロスヘッドに形成された押出流路を通じて前記クロスヘッドに取付けられたダイスの押出口から押出すゴム押出方法において、
前記押出流路の内部で前記押出流路の延在方向に移動することにより流路断面積を変化させる流量調整体を配置し、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも上流側の位置に前記ゴム材料の温度を検知する上流側温度センサを配置するとともに、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも下流側の位置に前記ゴム材料の温度を検知する下流側温度センサおよび前記押出流路の内圧を検知する圧力センサを配置し、前記下流側温度センサおよび前記圧力センサと前記押出口との間に前記押出流路を開閉する開閉部を配置しておき、
前記押出手段による前記ゴム材料の押出を一時的に停止する停止期間中は、前記開閉部により前記押出流路を閉じた状態にして、前記圧力センサによる検知圧力を予め設定された目標圧力範囲に維持するように前記スクリューの回転を制御し、
前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する前には、前記上流側温度センサによる検知温度と、前記ゴム材料に対して予め設定された目標温度範囲とに基づいて、前記流量調整体により前記流路断面積を調整し、
前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する際には、前記開閉部により前記押出流路を開いた状態にして、前記スクリューを予め設定された定型回転に戻しつつ、前記下流側温度センサによる検知温度を予め設定された最終目標温度範囲に維持するとともに前記圧力センサによる検知圧力を予め設定された最終目標圧力範囲に維持するように、維持操作として前記流量調整体により前記流路断面積を調整することを特徴とする。
本発明の別のゴム押出方法は、筒状のシリンダに内設されたスクリューを有する押出手段により、未加硫のゴム材料を前記スクリューにより練りつつ前記シリンダの先端部に設置されたクロスヘッドに形成された押出流路を通じて前記クロスヘッドに取付けられたダイスの押出口から押出すゴム押出方法において、
前記押出流路の内部で前記押出流路の延在方向に移動することにより流路断面積を変化させ、かつ、前記押出流路を開閉できる流量調整体を配置し、この流量調整体は前記押出流路の延在方向に貫通する貫通孔を有し、この貫通孔に線材が挿通していて、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも上流側の位置に前記ゴム材料の温度を検知する上流側温度センサを配置するとともに、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも下流側の位置に前記ゴム材料の温度を検知する下流側温度センサおよび前記押出流路の内圧を検知する圧力センサを配置しておき、
前記押出手段による前記ゴム材料の押出を一時的に停止する停止期間中は、前記流量調整体により前記押出流路を閉じた状態にして、前記圧力センサによる検知圧力を予め設定された目標圧力範囲に維持するように前記スクリューの回転を制御し、前記線材の前記押出流路の延在方向の移動を停止させ、
前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する際には、前記流量調整体により前記押出流路を開いた状態にして、前記スクリューを予め設定された定型回転に戻しつつ、前記線材を前記押出口に向かって移動させ、前記下流側温度センサによる検知温度を予め設定された最終目標温度範囲に維持するとともに前記圧力センサによる検知圧力を予め設定された最終目標圧力範囲に維持するように、維持操作として前記流量調整体により前記流路断面積を調整して、前記押出口から前記線材を被覆した状態にした前記ゴム材料を押し出すことを特徴とする。
本発明のゴム押出装置は、筒状のシリンダに内設されたスクリューを有する押出手段と、前記シリンダの先端部に設置されるクロスヘッドと、前記ヘッドに設置されるダイスと、前記スクリューの回転を制御する制御部とを備えて、未加硫のゴム材料が前記スクリューにより練りつつ前記クロスヘッドに形成された押出流路を通じて前記ダイスの押出口から押出される構成にしたゴム押出装置において、
記押出流路の内部で前記押出流路の延在方向に移動することにより前記押出流路の流路断面積を変化させる流量調整体と、前記押出流路の前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも上流側の位置に配置されて前記ゴム材料の温度を検知する上流側温度センサと、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも下流側の位置に配置されて前記ゴム材料の温度を検知する下流側温度センサおよび前記押出流路の内圧を検知する圧力センサと、前記下流側温度センサおよび前記圧力センサと前記押出口との間で前記押出流路を開閉する開閉部と、それぞれの前記温度センサによる検知温度データおよび前記圧力センサによる検知圧力データが入力される演算部とを有し、前記流量調整体および前記開閉部の動きが前記制御部により制御され、
前記押出手段による前記ゴム材料の押出を一時的に停止する停止期間中は、前記開閉部により前記押出流路が閉じた状態にされて、前記検知圧力データに基づいて前記スクリューの回転が制御されることにより、前記押出流路の内圧が予め設定された目標圧力範囲に維持される構成にして、
前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する前には、前記上流側温度センサによる検知温度データと、前記ゴム材料に対して予め設定された目標温度範囲とに基づいて前記流量調整体が制御されて、前記ゴム材料の温度を前記目標温度範囲にさせるように前記流路断面積が調整される構成にして、
前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する際には、前記開閉部により前記押出流路が開いた状態にされて、前記スクリューが予め設定された定型回転に戻されつつ、維持操作として前記下流側温度センサによる検知温度データおよび前記圧力センサによる検知圧力データに基づいて前記流量調整体が制御されて、前記ゴム材料が予め設定された最終目標温度範囲に維持されるとともに前記押出流路の内圧が予め設定された最終目標圧力範囲に維持されるように前記流路断面積が調整される構成にしたことを特徴とする。
本発明の別のゴム押出装置は、筒状のシリンダに内設されたスクリューを有する押出手段と、前記シリンダの先端部に設置されるクロスヘッドと、前記ヘッドに設置されるダイスと、前記スクリューの回転を制御する制御部とを備えて、未加硫のゴム材料が前記スクリューにより練られつつ前記クロスヘッドに形成された押出流路を通じて前記ダイスの押出口から押出される構成にしたゴム押出装置において、
前記押出流路の内部で前記押出流路の延在方向に移動することにより流路断面積を変化させ、かつ、前記押出流路を開閉できる流量調整体と、前記押出流路の前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも上流側の位置に配置されて前記ゴム材料の温度を検知する上流側温度センサと、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも下流側の位置に配置されて前記ゴム材料の温度を検知する下流側温度センサおよび前記押出流路の内圧を検知する圧力センサと、それぞれの前記温度センサによる検知温度データおよび前記圧力センサによる検知圧力データが入力される演算部とを有し、前記流量調整体が前記押出流路の延在方向に貫通する貫通孔を有し、この貫通孔に線材が挿通していて、前記流量調整体の動きが前記制御部により制御され、
前記押出手段による前記ゴム材料の押出を一時的に停止する停止期間中は、前記流量調整体により前記押出流路が閉じた状態にされて、前記検知圧力データに基づいて前記スクリューの回転が制御されることにより、前記押出流路の内圧が予め設定された目標圧力範囲に維持されるとともに、前記線材の前記押出流路の延在方向の移動が停止される構成にして、
前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する際には、前記流量調整体により前記押出流路が開いた状態にされて、前記スクリューが予め設定された定型回転に戻されつつ、前記線材が前記押出口に向かって移動され、維持操作として前記下流側温度センサによる検知温度データおよび前記圧力センサによる検知圧力データに基づいて前記流量調整体が制御されて、前記ゴム材料が予め設定された最終目標温度範囲に維持されるとともに前記押出流路の内圧が予め設定された最終目標圧力範囲に維持されるように前記流路断面積が調整されて、前記押出口から前記線材を被覆した状態にした前記ゴム材料が押し出される構成にしたことを特徴とする。
本発明の前者のゴム押出方法および装置によれば、ゴム材料の押出を一時的に停止する停止期間中は、開閉部により押出流路を閉じた状態にして、圧力センサによる検知圧力を予め設定された目標圧力範囲に維持するようにスクリューの回転を制御することで、シリンダの内部に残存しているゴム材料の温度が過剰に低下または上昇することを回避できる。そして、押出を再開する前には、ゴム材料の温度を目標範囲にするために流量調整体によって流路断面積を適切に調整しておき、押出を再開する際には、ゴム材料を最終目標温度範囲に維持するとともに押出流路の内圧を最終目標圧力範囲に維持するように、維持操作として流量調整体によって流路断面積を調整する。これにより、ゴム押出物の温度および圧力が、ゴム材料の押出の再開から短時間で安定するため、押出初期から、安定した品質のゴム押出物を得ることが可能になる。
本発明の後者のゴム押出方法および装置によれば、ゴム材料の押出を一時的に停止する停止期間中は、流量調整体により押出流路を閉じた状態にして、圧力センサによる検知圧力を予め設定された目標圧力範囲に維持するようにスクリューの回転を制御することで、シリンダの内部に残存しているゴム材料の温度が過剰に低下または上昇することを回避できる。そして、押出を再開する際には、ゴム材料を最終目標温度範囲に維持するとともに押出流路の内圧を最終目標圧力範囲に維持するように、維持操作として流量調整体によって流路断面積を調整する。これにより、ゴム押出物の温度および圧力が、ゴム材料の押出の再開から短時間で安定するため、押出初期から、安定した品質のゴム押出物を得ることが可能になる。
本発明のゴム押出装置を、平面視で押出機の内部構造を示して例示する説明図である。 図1の押出機を側面視で例示する説明図である。 図1のダイスおよびヘッドを正面視で例示する説明図である。 図1のゴム押出装置によるゴム材料の押出を再開させる前の状態を例示する説明図である。 図4のゴム押出装置によるゴム材料の押出を再開させた状態を例示する説明図である。 ゴム押出装置の別の実施形態を、平面視で押出機の内部構造を示して例示する説明図である。 図6のゴム押出装置によるゴム材料の押出を停止している状態を例示する説明図である。 図7のゴム押出装置によるゴム材料の押出を再開させた状態を例示する説明図である。 ゴム押出装置のさらに別の実施形態を、平面視で押出機の内部構造を示して例示する説明図である。 図9のゴム押出装置によるゴム材料の押出を停止している状態を例示する説明図である。 図10のゴム押出装置によるゴム材料の押出を再開させる前の状態を例示する説明図である。 図11のゴム押出装置によるゴム材料の押出を再開させた状態を例示する説明図である。
以下、本発明のゴム押出方法および装置を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1〜図3に例示する本発明のゴム押出装置1は、筒状のシリンダ3に内設されたスクリュー4を有する押出機2と、シリンダ3の先端部に設置されるクロスヘッド6と、クロスヘッド6に設置されるダイス13と、スクリュー4の回転を制御する制御部12とを備えている。シリンダ3の後端部にはスクリュー4を回転駆動する駆動モータ5が配置されている。シリンダ4の後端側上面には投入口3aが形成されていて、投入口3aを囲むようにホッパ3bが取付けられている。スクリュー4は、スクリュー軸の軸方向(シリンダ3の長手方向)に間隔をあけて配置された螺旋状のスクリュー刃を有している。
クロスヘッド6は、シリンダ3の延在方向に交差する方向に延在している。シリンダ3の先端部がクロスヘッド6の側面に連結されていて、所望形状の押出口13aを有するダイス13がクロスヘッド6の延在方向先端部に着脱自在に設置される。クロスヘッド6には押出流路6aが形成されていて、ダイス13は押出流路6aに連通する押出口13aを有している。この実施形態では、クロスヘッド6は、大径の円筒部の先端部に先細に傾斜する傾斜面(円錐面)を有し、この傾斜面の先端に小径の円筒部が連結されている。この実施形態では、シリンダ3に対してクロスヘッド6が直交(両者の交差角度が90°)しているが、この交差角度は90°に限定されない。
投入口3aを通じてシリンダ2の内部に投入された未加硫のゴム材料Rは、回転するスクリュー4により練られつつクロスヘッド6に送られる。練られたゴム材料R1は、押出流路6aを通じて押出口13aからゴム押出物R2として押出される。図1〜図3に例示するゴム押出装置1は、ゴム材料R1の押出を一時的に停止している状態である。
さらにゴム押出装置1は、流量調整体7と、押出流路6aの流量調整体7の先端よりも上流側の位置に配置される上流側温度センサ8aと、押出流路6aの流量調整体7の先端よりも下流側の位置に配置される下流側温度センサ8bおよび圧力センサ9と、下流側温度センサ8bおよび圧力センサ9と押出口13aとの間に配置された開閉部10と、演算部11とを有している。演算部11と制御部12とは通信可能に接続されている。この実施形態では演算部11と制御部12とを個別に設けているが、例えば、1台のコンピュータを演算部11および制御部12として用いることができる。
流量調整体7は、押出流路6aの内部で押出流路6a(クロスヘッド7)の延在方向に移動することにより押出流路6aの流路断面積を変化させる。この実施形態では、円柱体の先端部に先細に傾斜する傾斜面(円錐面)を有する流量調整体7が使用されている。流量調整体7の先端側が押出流路6aに挿入されていて、流体シリンダ等のロッドの進退移動によって押出流路6aに対する流量調整体7の挿入長さが可変になっている。この挿入長さを変えることにより、押出流路6aの流路断面積が変化する。流量調整体7の挿入長さを大きくすると、クロスヘッド6の先端部の傾斜面内面と、流量調整体7の先端部の傾斜面とのすき間が小さくなるので流路断面積が減少する。一方、流量調整体7の挿入長さを小さくすると、クロスヘッド6の先端部の傾斜面内面と、流量調整体7の先端部の傾斜面とのすき間が大きくなるので流路断面積が増加する。流量調整体7の押出流路6aに対する挿入長さを変える動きは制御部12により制御される。
上流側温度センサ8a、下流側温度センサ8bは、それぞれ配置された位置でゴム材料R1の温度を逐次検知する。ゴム材料R1の温度を検知できれば、公知の種々の温度センサを用いることができる。上流側温度センサ8a、下流側温度センサ8bによる検知温度データは演算部11に逐次入力される。この実施形態では上流側温度センサ8aは、クロスヘッド6の大径の円筒部に設置され、下流側温度センサ8bは小径の円筒部に配置されている。
圧力センサ9は、配置された位置で押出流路6aの内圧を逐次検知する。即ち、押出流路6aに充填されているゴム材料R1の圧力が圧力センサ9により検知される。押出流路6aの内圧を検知できれば、公知の種々の圧力センサを用いることができる。圧力センサ9による検知圧力データは演算部11に逐次入力される。この実施形態では圧力センサ9はクロスヘッド6の小径の円筒部に配置されている。
開閉部10は、下流側温度センサ8bおよび圧力センサ9と押出口13aとの間で押出流路6aを開閉する。この実施形態では、板状の開閉部10が使用されている。開閉部10の一部が押出流路6aに挿入されていて、流体シリンダ等のロッドの進退移動によって押出流路6aに対する開閉部10の挿入深さが可変になっている。この挿入深さを変えることにより、押出流路6aの開閉が行われる。開閉部10の押出流路6aに対する挿入深さを変える動きは制御部12により制御される。開閉部10は例示した構造に限らず、例えば公知の開閉弁の構造を採用することができる。
次に、本発明のゴム押出方法によりゴム押出物を製造する手順の一例を説明する。
押出機2にゴム材料Rを投入して、練られたゴム材料R1を押出口13aから押出して所望の断面形状のゴム押出物R2を製造していた時に、一時的にゴム材料R1の押出を停止することがある。ゴム材料R1の押出の停止期間中は、今まで開いていた押出流路6aを図1〜図3に例示するように開閉部10によって閉じた状態(全閉状態)にする。この状態で、圧力センサ9による検知圧力を予め設定された目標圧力範囲P1に維持するようにスクリュー4の回転を制御する。即ち、押出口13aの前で押出流路6aを閉じた状態にして、検知圧力データに基づいてスクリュー4の回転を制御することにより、押出流路6aの内圧を予め設定された目標圧力範囲P1に維持する。スクリュー4を回転させると押出流路6aの内圧は上昇するので、目標圧力範囲P1に維持するように、スクリュー4を断続的または連続的に回転させる。
この操作によって、ゴム材料R1の押出が停止していても、シリンダ4の内部に残存しているゴム材料R1は回転するスクリュー4によってせん断力が付与されるので、適度に加熱される。これにより、押出の停止期間中は、シリンダ4の内部に残存しているゴム材料R1の温度が過剰に低下または上昇することを回避する。尚、押出流路6aを開閉部10によって閉じた状態にしてスクリュー4を回転させることで、前方のクロスヘッド6に送られたゴム材料R1は後方に移動(流動)してシリンダ4の内部を循環する。
次いで、図4に例示するように、押出機2によるゴム材料R1の押出を再開する前には、上流側温度センサ8aによる検知温度と、ゴム材料R1に対して予め設定された目標温度範囲T1とに基づいて、流量調整体7により流路断面積を調整する。流路断面積を小さくすると、より狭くなった押出流路6aを通過することでゴム材料R1にはより大きなせん断力が付与され、これに伴って加熱される。そのため、ゴム材料R1の温度は上昇する。そこで、上流側温度センサ8aによる検知温度データと目標温度範囲T1とが演算部11によって比較される。この比較結果に基づいて、上流側温度センサ8aによる検知温度データが目標温度範囲Tになるように、制御部12によって流量調整体7の挿入長さを制御して流路断面積が調整される。
この調整操作はゴム材料R1の押出を再開する直前にするとよい。尚、この時点でもゴム材料R1の押出を停止している停止期間中なので、圧力センサ9による検知圧力を予め設定された目標圧力範囲P1に維持するようにスクリュー4の回転を制御する。
次いで、図5に例示するように、押出機2によるゴム材料R1の押出を再開する際には、開閉部10により押出流路6aを開いた状態(全開状態)にして、スクリュー4を予め設定された定型回転に戻す。この定型回転とは、この押出装置1によってゴム押出物R2を製造している時のスクリュー4の回転状態であり、例えば、ゴム材料Rの仕様毎に定常の回転数が設定されている。
このようにスクリュー4を定型回転に戻しつつ、維持操作として、下流側温度センサ8bによる検知温度を予め設定された最終目標温度範囲Tfに維持するとともに圧力センサ9による検知圧力を予め設定された最終目標圧力範囲Pfに維持するように流量調整体7により流路断面積を調整する。そこで、下流側温度センサ8bによる検知温度データと最終目標温度範囲Tfとが演算部11によって比較される。また、圧力センサ9による検知圧力データと最終目標圧力範囲Pfとが演算部11によって比較される。
これらの比較結果に基づいて、下流側温度センサ8bによる検知温度データが最終目標温度範囲Tfになり、かつ、圧力センサ9による検知圧力データが最終目標圧力範囲Pfになるように、制御部12によって流量調整体7の挿入長さを制御して流路断面積を調整する。この維持操作をすることで、シリンダ4の内部に残存していたゴム材料R1を順次、押出流路6aを通じて押出口13aから押出してゴム押出物R2の製造を再開させる。
この実施形態によれば、ゴム材料R1の押出の停止期間中は、上述したように、シリンダ4の内部に残存しているゴム材料R1の温度が過剰に低下または上昇することを回避できる。そして、ゴム材料R1の押出を再開する前には、流量調整体7により押出流路6aの流路断面積を調整することで、予めゴム材料R1の温度を目標範囲T1にしておくので、ゴム材料R1の押出を再開すると、ゴム材料R1を迅速に最終目標温度範囲Tfにさせるとともに押出流路6aの内圧を最終目標圧力範囲Pfにさせ易い。この時、最終目標温度範囲Tfおよび最終目標圧力範囲Pfを維持するように、流量調整体7によって流路断面積を調整することで、ゴム押出物R2の温度(見かけの粘度)および圧力(吐出量)を、ゴム材料R1の押出の再開から短時間で安定させることができる。
即ち、ダイス13を通過した後の未加硫ゴム(ゴム押出物R2)のスエルがゴム材料R1の押出の再開から短時間で安定するので、ゴム押出物R2の意図しない形状変形や表面が粗くなる等の不具合の発生を抑制できる。そのため、押出初期から、安定した品質のゴム押出物R2を得ることが可能になり、ゴム押出物R2の歩留りが向上する。
維持操作は上述したように、流量調整体7により流路断面積を調整することが主要な操作であるが、最終目標温度範囲Tfを維持するとともに最終目標圧力範囲Pfを維持することを、迅速に、或いは、高精度で実現できない場合もある。そこで、維持操作中に、スクリュー4の回転を制御することにより最終目標圧力範囲Pfを維持する微調整操作および流量調整体7を制御することにより最終目標温度範囲Tfを維持する微調整操作をそれぞれ行うこともできる。スクリュー4の回転数は予め設定された許容範囲内で変化させる。これらの微調整操作は後述する実施形態でも行うことができる。
目標温度範囲T1と最終目標温度範囲Tfとは、例えばT1の中心値をTfの中心値の±5%(Tfの中心値×0.95≦T1の中心値≦Tfの中心値×1.05)程度にして概ね近似した範囲に設定されるが、両者を同じ温度範囲に設定することもできる。同様に、目標圧力範囲P1と最終目標圧力範囲Pfとは、例えばP1の中心値をPfの中心値の±5%(Pfの中心値×0.95≦P1の中心値≦Pfの中心値×1.05)程度にして概ね近似した範囲に設定されるが、両者を同じ圧力範囲に設定することもできる。目標温度範囲T1、最終目標温度範囲Tf、目標圧力範囲P1、最終目標圧力範囲Pfは、例えばゴム材料Rの仕様毎に事前に試験押出を行って、一定品質のゴム押出物R2を確保できる適切な範囲を設定しておく。
ゴム材料R1の押出を一時的に停止させる停止期間の長さは例えば180秒以下である。この停止期間が180秒を超えると、シリンダ3の内部に残留しているゴム材料R1の物性の変化が過大になるため、安定した品質のゴム押出物R2を得ることが難しくなる。この停止期間はより好ましくは120秒以下にする。
図6〜図8に例示するゴム押出装置1の別の実施形態は、先の実施形態とは流量調整体7の仕様が異なっている。この流量調整体7は、押出流路6aの内部で押出流路6aの延在方向に移動することにより流路断面積を変化させるだけでなく、押出流路6aを開閉することができる。即ち、この流量調整体7は、先の実施形態における開閉部10の機能も有している。そのため、この実施形態では、先の実施形態が備えていた開閉部10を備えていない。また、この流量調整体7は長手方向(押出流路6aの延在方向)に貫通する貫通孔7bを有している。この貫通孔7bにスチールコードや有機繊維コードなどの線材Cが挿通している。その他の構成は先の実施形態と同様である。
次に、このゴム押出装置1を用いたゴム押出方法によりゴム押出物を製造する手順の一例を説明する。
図6に例示するように、この実施形態では、押出機2にゴム材料Rを投入して、練られたゴム材料R1を、貫通孔7bに挿通させている線材Cとともに押出口13aから押出す。これにより、線材Cがゴム材料R1により被覆された所望の断面形状のゴム押出物R2が製造される。
そのゴム押出物R2を製造していた時に、一時的にゴム材料R1の押出を停止することがある。このゴム材料R1の押出の停止期間中は、今まで開いていた押出流路6aを図7に例示するように流量調整体7によって閉じた状態(全閉状態)にする。線材Cの押出流路6aの延在方向の移動も停止させる。
この状態で、圧力センサ9による検知圧力を予め設定された目標圧力範囲P1に維持するようにスクリュー4の回転を制御する。即ち、押出口13aの前で押出流路6aを閉じた状態にして、検知圧力データに基づいてスクリュー4の回転を制御することにより、押出流路6aの内圧を予め設定された目標圧力範囲P1に維持する。
この操作によって、ゴム材料R1の押出が停止していても、シリンダ4の内部に残存しているゴム材料R1は回転するスクリュー4によってせん断力が付与されるので、適度に加熱される。これにより、押出の停止期間中は、シリンダ4の内部に残存しているゴム材料R1の温度が過剰に低下または上昇することを回避する。
次いで、図8に例示するように、押出機2によるゴム材料R1の押出を再開する際には、流量調整体7により押出流路6aを開いた状態(全開状態)にして、スクリュー4を予め設定された定型回転に戻す。スクリュー4を定型回転に戻しつつ、線材Cを押出口13aに向かって移動させる。そして、維持操作として下流側温度センサ8bによる検知温度を予め設定された最終目標温度範囲Tfにするとともに圧力センサ9による検知圧力を予め設定された最終目標圧力範囲Pfに維持するように流量調整体7により流路断面積を調整する。そこで、下流側温度センサ8bによる検知温度データと最終目標温度範囲Tfとが演算部11によって比較される。また、圧力センサ9による検知圧力データと最終目標圧力範囲Pfとが演算部11によって比較される。
これらの比較結果に基づいて、下流側温度センサ8bによる検知温度データが最終目標温度範囲Tfになり、かつ、圧力センサ9による検知圧力データが最終目標圧力範囲Pfになるように、制御部12によって流量調整体7の挿入長さを制御して流路断面積を調整する。この維持操作をすることで、シリンダ4の内部に残存していたゴム材料R1を順次、押出流路6aを通じて押出口13aから押出してゴム押出物R2の製造を再開させる。
この実施形態においても、ゴム材料R1の押出の停止期間中は、上述したように、シリンダ4の内部に残存しているゴム材料R1の温度が過剰に低下または上昇することを回避できる。そして、ゴム材料R1の押出を再開すると、最終目標温度範囲Tfおよび最終目標圧力範囲Pfを維持するように、流量調整体7によって流路断面積を調整することで、ゴム押出物R2の温度(見かけの粘度)および圧力(吐出量)を、ゴム材料R1の押出の再開から短時間で安定させることができる。
これにより、ダイス13を通過した後の未加硫ゴム(ゴム押出物R2)のスエルがゴム材料R1の押出の再開から短時間で安定するので、ゴム押出物R2の意図しない形状変形や表面が粗くなる等の不具合の発生を抑制できる。そのため、押出初期から、安定した品質のゴム押出物R2を得ることが可能になり、ゴム押出物R2の歩留りが向上する。この実施形態でも先の実施形態で言及した様々なアレンジを適用することができる。
図9〜図12に例示するゴム押出装置1のさらに別の実施形態は、図6〜図8に例示した実施形態とは流量調整体7の仕様が異なっていて、その他の構成は同じである。この流量調整体7は、芯部に長手方向(押出流路6aの延在方向)に延在する円筒状の開閉部7aを有している。この開閉部7aに貫通孔7bが形成されている。この開閉部7aは、単独で長手方向に移動することができる。
次に、このゴム押出装置1を用いたゴム押出方法によりゴム押出物を製造する手順の一例を説明する。
図9に例示するように、この実施形態では、図6〜8に例示した実施形態と同様に、線材Cがゴム材料R1により被覆された所望の断面形状のゴム押出物R2が製造される。そのゴム押出物R2を製造していた時に、一時的にゴム材料R1の押出を停止する停止期間中は、今まで開いていた押出流路6aを図10に例示するように開閉部7aの先端部分によってクロスヘッド6の小径の円筒部を塞ぐことにより、押出流路6aを閉じた状態(全閉状態)にする。線材Cの押出流路6aの延在方向の移動も停止させる。
この状態で、圧力センサ9による検知圧力を予め設定された目標圧力範囲P1に維持するようにスクリュー4の回転を制御する。即ち、押出口13aの前で押出流路6aを閉じた状態にして、検知圧力データに基づいてスクリュー4の回転を制御することにより、押出流路6aの内圧を予め設定された目標圧力範囲P1に維持する。
この操作によって、ゴム材料R1の押出が停止していても、シリンダ4の内部に残存しているゴム材料R1は回転するスクリュー4によってせん断力が付与されるので、適度に加熱される。これにより、押出の停止期間中は、シリンダ4の内部に残存しているゴム材料R1の温度が過剰に低下または上昇することを回避する。
次いで、図11に例示するように、押出機2によるゴム材料R1の押出を再開する前には、開閉部7aによって押出流路6aを閉じた状態にしたまま、上流側温度センサ8aによる検知温度と、ゴム材料R1に対して予め設定された目標温度範囲T1とに基づいて、流量調整体7により流路断面積を調整する。そこで、上流側温度センサ8aによる検知温度データと目標温度範囲T1とが演算部11によって比較される。この比較結果に基づいて、上流側温度センサ8aによる検知温度データが目標温度範囲Tになるように、制御部12によって、流量調整体7(開閉部7aを除いた部分)の挿入長さを制御して流路断面積が調整される。
この調整操作はゴム材料R1の押出を再開する直前にするとよい。尚、この時点でもゴム材料R1の押出を停止している停止期間中なので、圧力センサ9による検知圧力を予め設定された目標圧力範囲P1に維持するようにスクリュー4の回転を制御する。
次いで、図12に例示するように、押出機2によるゴム材料R1の押出を再開する際には、開閉部7aを押出流路6aの延在方向後方に移動させることにより押出流路6aを開いた状態(全開状態)にして、スクリュー4を予め設定された定型回転に戻す。スクリュー4を定型回転に戻しつつ、線材Cを押出口13aに向かって移動させる。そして、維持操作として下流側温度センサ8bによる検知温度を予め設定された最終目標温度範囲Tfにするとともに圧力センサ9による検知圧力を予め設定された最終目標圧力範囲Pfに維持するように流量調整体7により流路断面積を調整する。そこで、下流側温度センサ8bによる検知温度データと最終目標温度範囲Tfとが演算部11によって比較される。また、圧力センサ9による検知圧力データと最終目標圧力範囲Pfとが演算部11によって比較される。
これらの比較結果に基づいて、下流側温度センサ8bによる検知温度データが最終目標温度範囲Tfになり、かつ、圧力センサ9による検知圧力データが最終目標圧力範囲Pfになるように、制御部12によって流量調整体7の挿入長さを制御して流路断面積を調整する。この維持操作をすることで、シリンダ4の内部に残存していたゴム材料R1を順次、押出流路6aを通じて押出口13aから押出してゴム押出物R2の製造を再開させる。
この実施形態においても、ゴム材料R1の押出の停止期間中は、上述したように、シリンダ4の内部に残存しているゴム材料R1の温度が過剰に低下または上昇することを回避できる。そして、ゴム材料R1の押出を再開する前には、流量調整体7(開閉部7aを除いた部分)により押出流路6aの流路断面積を調整することで、予めゴム材料R1の温度を目標範囲T1にしておくので、ゴム材料R1の押出を再開すると、ゴム材料R1を迅速に最終目標温度範囲Tfにさせるとともに押出流路6aの内圧を最終目標圧力範囲Pfにさせ易い。この時、最終目標温度範囲Tfおよび最終目標圧力範囲Pfを維持するように、流量調整体7によって流路断面積を調整することで、ゴム押出物R2の温度(見かけの粘度)および圧力(吐出量)を、ゴム材料R1の押出の再開から短時間で安定させることができる。
これにより、ダイス13を通過した後の未加硫ゴム(ゴム押出物R2)のスエルがゴム材料R1の押出の再開から短時間で安定するので、ゴム押出物R2の意図しない形状変形や表面が粗くなる等の不具合の発生を抑制できる。そのため、押出初期から、安定した品質のゴム押出物R2を得ることが可能になり、線材Cが埋設されたゴム押出物R2の歩留りが向上する。この実施形態でも既述の実施形態で言及した様々なアレンジを適用することができる。
既述のそれぞれの実施形態では、押出機2を押出手段として例示したが、本発明ではゴム射出機を押出手段として用いることもできる。本発明は、加硫系配合剤が含有されていないゴム材料Rを練って押出す場合にも、加硫系配合剤が含有されているゴム材料Rを練って押出す場合にも適用することができる。
1 押出装置
2 押出機(押出手段)
3 シリンダ
3a 投入口
3b ホッパ
4 スクリュー
5 駆動モータ
6 クロスヘッド
6a 押出流路
7 流量調整体
7a 開閉部
7b 貫通孔
8a 上流側温度センサ
8b 下流側温度センサ
9 圧力センサ
10 開閉部
11 演算部
12 制御部
13 ダイス
13a 押出口
R 未加硫のゴム材料
R1 練られたゴム材料
R2 ゴム押出物
C 線材

Claims (9)

  1. 筒状のシリンダに内設されたスクリューを有する押出手段により、未加硫のゴム材料を前記スクリューにより練りつつ前記シリンダの先端部に設置されたクロスヘッドに形成された押出流路を通じて前記クロスヘッドに取付けられたダイスの押出口から押出すゴム押出方法において、
    前記押出流路の内部で前記押出流路の延在方向に移動することにより流路断面積を変化させる流量調整体を配置し、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも上流側の位置に前記ゴム材料の温度を検知する上流側温度センサを配置するとともに、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも下流側の位置に前記ゴム材料の温度を検知する下流側温度センサおよび前記押出流路の内圧を検知する圧力センサを配置し、前記下流側温度センサおよび前記圧力センサと前記押出口との間に前記押出流路を開閉する開閉部を配置しておき、
    前記押出手段による前記ゴム材料の押出を一時的に停止する停止期間中は、前記開閉部により前記押出流路を閉じた状態にして、前記圧力センサによる検知圧力を予め設定された目標圧力範囲に維持するように前記スクリューの回転を制御し、
    前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する前には、前記上流側温度センサによる検知温度と、前記ゴム材料に対して予め設定された目標温度範囲とに基づいて、前記流量調整体により前記流路断面積を調整し、
    前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する際には、前記開閉部により前記押出流路を開いた状態にして、前記スクリューを予め設定された定型回転に戻しつつ、前記下流側温度センサによる検知温度を予め設定された最終目標温度範囲に維持するとともに前記圧力センサによる検知圧力を予め設定された最終目標圧力範囲に維持するように、維持操作として前記流量調整体により前記流路断面積を調整することを特徴とするゴム押出方法。
  2. 筒状のシリンダに内設されたスクリューを有する押出手段により、未加硫のゴム材料を前記スクリューにより練りつつ前記シリンダの先端部に設置されたクロスヘッドに形成された押出流路を通じて前記クロスヘッドに取付けられたダイスの押出口から押出すゴム押出方法において、
    前記押出流路の内部で前記押出流路の延在方向に移動することにより流路断面積を変化させ、かつ、前記押出流路を開閉できる流量調整体を配置し、この流量調整体は前記押出流路の延在方向に貫通する貫通孔を有し、この貫通孔に線材が挿通していて、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも上流側の位置に前記ゴム材料の温度を検知する上流側温度センサを配置するとともに、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも下流側の位置に前記ゴム材料の温度を検知する下流側温度センサおよび前記押出流路の内圧を検知する圧力センサを配置しておき、
    前記押出手段による前記ゴム材料の押出を一時的に停止する停止期間中は、前記流量調整体により前記押出流路を閉じた状態にして、前記圧力センサによる検知圧力を予め設定された目標圧力範囲に維持するように前記スクリューの回転を制御し、前記線材の前記押出流路の延在方向の移動を停止させ、
    前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する際には、前記流量調整体により前記押出流路を開いた状態にして、前記スクリューを予め設定された定型回転に戻しつつ、前記線材を前記押出口に向かって移動させ、前記下流側温度センサによる検知温度を予め設定された最終目標温度範囲に維持するとともに前記圧力センサによる検知圧力を予め設定された最終目標圧力範囲に維持するように、維持操作として前記流量調整体により前記流路断面積を調整して、前記押出口から前記線材を被覆した状態にした前記ゴム材料を押し出すことを特徴とするゴム押出方法。
  3. 前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する前には、前記上流側温度センサによる検知温度と、前記ゴム材料に対して予め設定された目標温度範囲とに基づいて、前記流量調整体により前記流路断面積を調整する請求項2に記載のゴム押出方法。
  4. 前記維持操作中に、前記スクリューの回転を制御することにより前記最終目標圧力範囲を維持する微調整操作および前記流量調整体を制御することにより前記最終目標温度範囲を維持する微調整操作を行う請求項1〜3のいずれかに記載のゴム押出方法。
  5. 前記停止期間の長さが180秒以下である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム押出方法。
  6. 筒状のシリンダに内設されたスクリューを有する押出手段と、前記シリンダの先端部に設置されるクロスヘッドと、前記ヘッドに設置されるダイスと、前記スクリューの回転を制御する制御部とを備えて、未加硫のゴム材料が前記スクリューにより練りつつ前記クロスヘッドに形成された押出流路を通じて前記ダイスの押出口から押出される構成にしたゴム押出装置において、
    記押出流路の内部で前記押出流路の延在方向に移動することにより前記押出流路の流路断面積を変化させる流量調整体と、前記押出流路の前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも上流側の位置に配置されて前記ゴム材料の温度を検知する上流側温度センサと、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも下流側の位置に配置されて前記ゴム材料の温度を検知する下流側温度センサおよび前記押出流路の内圧を検知する圧力センサと、前記下流側温度センサおよび前記圧力センサと前記押出口との間で前記押出流路を開閉する開閉部と、それぞれの前記温度センサによる検知温度データおよび前記圧力センサによる検知圧力データが入力される演算部とを有し、前記流量調整体および前記開閉部の動きが前記制御部により制御され、
    前記押出手段による前記ゴム材料の押出を一時的に停止する停止期間中は、前記開閉部により前記押出流路が閉じた状態にされて、前記検知圧力データに基づいて前記スクリューの回転が制御されることにより、前記押出流路の内圧が予め設定された目標圧力範囲に維持される構成にして、
    前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する前には、前記上流側温度センサによる検知温度データと、前記ゴム材料に対して予め設定された目標温度範囲とに基づいて前記流量調整体が制御されて、前記ゴム材料の温度を前記目標温度範囲にさせるように前記流路断面積が調整される構成にして、
    前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する際には、前記開閉部により前記押出流路が開いた状態にされて、前記スクリューが予め設定された定型回転に戻されつつ、維持操作として前記下流側温度センサによる検知温度データおよび前記圧力センサによる検知圧力データに基づいて前記流量調整体が制御されて、前記ゴム材料が予め設定された最終目標温度範囲に維持されるとともに前記押出流路の内圧が予め設定された最終目標圧力範囲に維持されるように前記流路断面積が調整される構成にしたことを特徴とするゴム押出装置。
  7. 筒状のシリンダに内設されたスクリューを有する押出手段と、前記シリンダの先端部に設置されるクロスヘッドと、前記ヘッドに設置されるダイスと、前記スクリューの回転を制御する制御部とを備えて、未加硫のゴム材料が前記スクリューにより練られつつ前記クロスヘッドに形成された押出流路を通じて前記ダイスの押出口から押出される構成にしたゴム押出装置において、
    前記押出流路の内部で前記押出流路の延在方向に移動することにより流路断面積を変化させ、かつ、前記押出流路を開閉できる流量調整体と、前記押出流路の前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも上流側の位置に配置されて前記ゴム材料の温度を検知する上流側温度センサと、前記押出流路の前記流量調整体の先端よりも下流側の位置に配置されて前記ゴム材料の温度を検知する下流側温度センサおよび前記押出流路の内圧を検知する圧力センサと、それぞれの前記温度センサによる検知温度データおよび前記圧力センサによる検知圧力データが入力される演算部とを有し、前記流量調整体が前記押出流路の延在方向に貫通する貫通孔を有し、この貫通孔に線材が挿通していて、前記流量調整体の動きが前記制御部により制御され、
    前記押出手段による前記ゴム材料の押出を一時的に停止する停止期間中は、前記流量調整体により前記押出流路が閉じた状態にされて、前記検知圧力データに基づいて前記スクリューの回転が制御されることにより、前記押出流路の内圧が予め設定された目標圧力範囲に維持されるとともに、前記線材の前記押出流路の延在方向の移動が停止される構成にして、
    前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する際には、前記流量調整体により前記押出流路が開いた状態にされて、前記スクリューが予め設定された定型回転に戻されつつ、前記線材が前記押出口に向かって移動され、維持操作として前記下流側温度センサによる検知温度データおよび前記圧力センサによる検知圧力データに基づいて前記流量調整体が制御されて、前記ゴム材料が予め設定された最終目標温度範囲に維持されるとともに前記押出流路の内圧が予め設定された最終目標圧力範囲に維持されるように前記流路断面積が調整されて、前記押出口から前記線材を被覆した状態にした前記ゴム材料が押し出される構成にしたことを特徴とするゴム押出装置。
  8. 前記押出手段による前記ゴム材料の押出を再開する前には、前記上流側温度センサによる検知温度データと、前記ゴム材料に対して予め設定された目標温度範囲とに基づいて前記流量調整体が制御されて、前記ゴム材料の温度を前記目標温度範囲にさせるように前記流路断面積が調整される構成にした請求項7に記載のゴム押出装置。
  9. 前記維持操作中に、前記スクリューの回転が制御されることにより前記最終目標圧力範囲を維持する微調整操作および前記流量調整体が制御されることにより前記最終目標温度範囲を維持する微調整操作が行われる構成にした請求項7または8に記載のゴム押出装置。
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