JP2020042235A - 撮像装置、および赤外吸収膜 - Google Patents

撮像装置、および赤外吸収膜 Download PDF

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裕亮 村田
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耕治 畠山
泰典 川部
Yasunori Kawabe
泰典 川部
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準人 生井
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    • H04N23/10Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof for generating image signals from different wavelengths

Abstract

【課題】高品質な画像を取得することが可能な撮像装置、およびこの撮像装置に適用可能な赤外吸収膜を提供する。【解決手段】撮像装置は、少なくとも一つの光電変換素子、少なくとも一つの光電変換素子上のカラーフィルタ、少なくとも一つの光電変換素子上に位置し、650nmから2000nmの間に吸収極大を有する赤外吸収膜、少なくとも一つの光電変換素子上の誘電体多層膜、およびカラーフィルタ、赤外吸収膜、ならびに誘電体多層膜の上に位置するマイクロレンズを有する。赤外吸収膜は、650nmと1100nmの間に吸収極大を示す有機化合物、および1100nmと2000nmの間に吸収極大を示す無機酸化物を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、撮像装置、および撮像装置に適用可能な赤外吸収膜に関する。
画像を取得するためにデジタルカメラやデジタルビデオカメラ、携帯電話などに搭載される撮像装置には、入射された光を電気信号へ変換するための電荷結合素子(CCD)センサや相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ(これらのセンサを以下、総じて撮像素子と記す)が備えられる。これらの撮像装置では、撮像装置に照射された光が三原色に分離されて撮像素子に入射され、分離された光の量(強度)がそれぞれの色ごとに電気信号に変換される。この電気信号の強弱を三原色ごとに再現することで画像が得られる。この原理に従って、撮像装置は撮像素子に加え、光を三原色に分離するカラーフィルタ、および撮像素子に効率よく光を集めるためのマイクロレンズを基本的な構成として有している。さらに特許文献1、2に開示されているように、撮像装置には、赤外線などの可視光以外の光が撮像素子に照射されることを防ぐための光吸収膜、あるいは反射膜が設けられる。これにより、可視光以外の光による影響を防ぎ、肉眼で検知される色と撮像装置によって再現される色が相違する現象(メタメリズム)を抑制することができ、色再現性の高い高品質な画像を取得することができる撮像装置を提供することができる。
特開2010−256633号公報 特開2017−163124号公報
本発明の実施形態の一つは、より高品質な画像を取得することが可能な撮像装置を提供することを課題の一つとする。あるいは本発明の実施形態の一つは、このような撮像装置に適用可能な赤外吸収膜を提供することを課題の一つとする。
本発明の実施形態の一つは、撮像装置である。この撮像装置は、少なくとも一つの光電変換素子、少なくとも一つの光電変換素子上のカラーフィルタ、少なくとも一つの光電変換素子上に位置し、650nmから2000nmの間に吸収極大を有する赤外吸収膜、少なくとも一つの光電変換素子上の誘電体多層膜、およびカラーフィルタ、前記赤外吸収膜、ならびに誘電体多層膜の上に位置するマイクロレンズを有する。
本発明の実施形態の一つは、赤外吸収膜である。この赤外吸収膜は、650nmと1100nmの間に吸収極大を示す有機化合物、および1100nmと2000nmの間に吸収極大を示す無機酸化物を含む。
本発明の一実施形態の撮像装置の上面模式図。 本発明の一実施形態の撮像装置の断面模式図。 本発明の一実施形態の撮像装置の断面模式図。 本発明の一実施形態の撮像装置の断面模式図。 本発明の一実施形態の撮像装置の断面模式図。 本発明の一実施形態の撮像装置の断面模式図。 従来の撮像装置の断面模式図。 実施例1で用いた素子の断面模式図。 実施例2で用いた素子の断面模式図。
以下、本発明の各実施形態について、図面などを参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
本明細書および請求項において、「ある構造体が他の構造体から露出するという」という表現は、ある構造体の一部が他の構造体によって覆われていない態様を意味し、この他の構造体によって覆われていない部分は、さらに別の構造体によって覆われる態様も含む。
本明細書および図面において、同一、あるいは類似する複数の構成を総じて表記する際には同一の符号を用い、これら複数の構成のそれぞれを区別して表記する際には、さらに小文字のアルファベットを用いる。
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明の実施形態の一つである撮像装置100に関して説明する。
1.全体構成
撮像装置100の模式的上面図を図1に示す。撮像装置100は、基板102上に画素部104、垂直走査回路108、水平走査回路110、増幅回路112、アナログ/デジタル変換回路114、タイミング発生回路116などを有している。画素部104は複数の画素106によって構成される。複数の画素106は周期的に設けられ、例えばm行n列(mとnは2以上の自然数)のマトリクス状に配置される。撮像装置100の構成は図1に示された構成に限られず、例えば垂直走査回路108や水平走査回路110を複数設けてもよい。図示しないが、撮像装置100は、各画素106から得られる検出信号を保持するための保持回路などを備えてもよい。
各画素106には撮像素子が配置され、これらの撮像素子はそれぞれ光電変換素子118(後述)や容量素子、トランジスタなどの種々の素子によって構成される。撮像素子の回路構成には限定は無く、CMOSセンサやCCDセンサなどの機能を発揮できる回路構成を適宜採用することができる。
2.断面構造
撮像装置100の断面模式図を図2に示す。図2には、隣接する三つの画素(第1の画素106a、第2の画素106b、第3の画素106c)の断面模式図であり、これらの画素106はそれぞれ異なる色(波長)の光を電気信号に変換するよう構成される。撮像装置100では、各画素106は、光電変換素子118、光電変換素子118上の配線層140、配線層140上のカラーフィルタ144、カラーフィルタ144上の赤外吸収膜148、赤外吸収膜148上の誘電体多層膜150、および誘電体多層膜150上のマイクロレンズ152を基本的な構成として有する。以下、これらの構成について説明する。
2−1.基板
基板102としては半導体基板が用いられる。半導体基板としては、例えばシリコン基板や、ガラスや石英などの絶縁性基板上にシリコン層が設けられた基板(SOI基板)などが用いられる。シリコン基板を用いる場合、その上部のシリコンを適宜不純物を用いてドープすることで光電変換素子118が形成される。したがって、シリコン基板の下部を基板102として認識することができ、その基板102上に位置し、光電変換素子118が形成される上部が光電変換素子118に相当すると認識することができる。一方SOI基板を用いる場合、SOI基板のシリコン層を利用して光電変換素子118が形成される。この場合、絶縁性基板が基板102として機能し、光電変換素子118は絶縁性基板上に配置される。
2−2.配線層
配線層140は、パターニングされた種々の絶縁膜や半導体膜、導電膜の積層であり、撮像素子の回路を構築する層である。図2では、撮像素子に含まれるトランジスタのうちの一つが模式的に示されている(図2において点線楕円で囲まれた素子)。
配線層140には遮光膜142を設けてもよい。遮光膜142は可視光を遮蔽するように構成され、隣接する画素の間に形成される。遮光膜142を設けることで、マイクロレンズ152を介して一つの画素106に入射した光が隣接する画素106の光電変換素子118に入射されることを防ぐことができる。遮光膜142は、撮像素子が有する容量素子やトランジスタに光が照射されるのを防ぐように配置してもよい。
2−3.カラーフィルタ
カラーフィルタ144は、撮像装置100に照射される可視光を三原色に分離するために設けられる。このため、隣接する三つの画素106間で光学特性の異なるカラーフィルタ(第1のカラーフィルタ144a、第2のカラーフィルタ144b、第3のカラーフィルタ144c)が設けられ、各画素106には対応する一つのカラーフィルタ144が配置される。例えば第1の画素106a、第2の画素106b、第3の画素106cにはそれぞれ、赤色の光(概ね波長610nmから780nmの光)、緑色の光(概ね波長500nmから570nmの光)、青色の光(概ね波長430から460nmの光)を選択的に透過する第1のカラーフィルタ144aから第3のカラーフィルタ144cをそれぞれ設けることができる。これにより、赤、緑、青色の光がそれぞれ第1の画素106a、第2の画素106b、第3の画素106cによって検知される。
カラーフィルタ144は、バインダとして機能する樹脂、および特定の波長領域に吸収を有する色素(染料、あるいは顔料)を含む。一つのカラーフィルタ144は複数の色素を含んでもよい。
2−4.オーバーコート
任意の構成として、撮像装置100はカラーフィルタ144上に、カラーフィルタ144と接するオーバーコート146を有してもよい。オーバーコート146は画素部104全体に設けられ、隣接する画素106にわたって設けられる。オーバーコート146は、カラーフィルタ144を保護するため、あるいはカラーフィルタ144に起因して凹凸が生じた際、この凹凸を吸収するために設けられる。カラーフィルタ144は酸化ケイ素や窒化ケイ素などの無機化合物、あるいはエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの高分子化合物を含むことができる。
2−5.赤外吸収膜、および誘電体多層膜
カラーフィルタ144上には、赤外吸収膜148、および赤外吸収膜148上の誘電体多層膜150が形成される。オーバーコート146が設けられる場合には、赤外吸収膜148はオーバーコート146と接するが、オーバーコート146を設けない場合には、赤外吸収膜148はカラーフィルタ144と接する。
赤外吸収膜148と誘電体多層膜150はそれぞれ近赤外線を吸収、反射するように構成されるが、前者の吸収極大波長は後者の反射率の極大波長よりも短い。したがって、赤外吸収膜148は近赤外線のうちより可視光領域に近い光を遮断し、誘電体多層膜150は、赤外吸収膜148が遮断する光の波長よりも長い波長の光を遮断する。シリコンを用いて形成される光電変換素子118は近赤外線に対しても高い感度を有している。このため、近赤外線を遮断しない場合、撮像装置によって再現される画像には近赤外線に由来する成分が含まれることになり、画像が赤みを帯びる。その結果、肉眼によって感知される色と異なる色が再現されるメタメリズムと呼ばれる現象が生じる。これに対し、赤外吸収膜148と誘電体多層膜150を設けることで近赤外線を効果的に遮断することができ、メタメリズムの発生が抑制され、高品質の画像を得ることが可能となる。以下、赤外吸収膜148と誘電体多層膜150について説明する。
2−5−1.赤外吸収膜
本発明の一実施形態である赤外吸収膜148は、バインダ、および近赤外線を吸収する一つ、あるいは複数の化合物(赤外線吸収剤)を含み、650nmから2000nmの間に少なくとも一つの吸収極大を有するように構成される。バインダは、可溶性高分子、および架橋性高分子を含む。任意の構成として、赤外吸収膜148はさらに、添加剤を含んでもよい。以下、赤外線吸収剤、可溶性高分子、架橋性高分子、および添加剤について説明する。
(1)赤外線吸収剤
赤外線吸収剤の一例としては、650nmから1100nmの間に吸収極大を示す有機化合物、および1100nmから2000nmの間に吸収極大を示す無機化合物の組み合わせが挙げられる。これらの化合物を組み合わせて用いることで、650nmから2000nmの間に少なくとも一つの吸収極大を有する赤外吸収膜148を与えることができる。
有機化合物の例としては、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、ポルフィリン系化合物、ピロロピロール系化合物、オキソノール系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物、金属ジチオール系化合物、銅化合物などが挙げられる。
無機化合物としては、タングステン化合物、金属ホウ化物が例示される。タングステン化合物としては酸化タングステン化合物、セシウム酸化タングステン、ルビジルム酸化タングステン、セシウム酸化タングステンが挙げられる。セシウム酸化タングステンの組成式としてはCs0.33WO3などが挙げられ、またルビジルム酸化タングステンの組成式としてはRb0.33WO3などを挙げることができる。酸化タングステン系化合物は、例えば、住友金属鉱山株式会社製のYMF−02Aなどのタングステン微粒子の分散物としても入手可能である。
フタロシアニン系化合物やナフタロシアニン系化合物の有機化合物、ならびにタングステン化合物の無機化合物は、高い可視光透過性を有しつつ近赤外線遮蔽性または赤外線遮蔽機能を有し、また高い熱安定性を有しているため、これらの有機化合物と無機化合物を組み合わせることにより、熱安定性に優れた赤外吸収膜148を形成することができる。
(2)可溶性高分子
可溶性高分子としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサンなどが挙げられる。以下、代表的な例としてアクリル樹脂とポリシロキサンに関して説明する。
(2−1)アクリル樹脂
アクリル樹脂の構造に限定はないが、以下の(a)〜(d)のいずれかであることが、熱安定性が高くなるため好ましい。
(a)1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と含酸素飽和複素環基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、
(b)1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体とブロックイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、
(c)側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するカルボキシル基含有重合体、
(d)1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体であって、酸価が0〜300mgKOH/gである共重合体。
(2−2)ポリシロキサン
ポリシロキサンは、加水分解性シラン化合物の加水分解縮合物であることが好ましい。具体的には、下記式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解縮合物を挙げることができる。
Figure 2020042235
式(1)において、xは0〜3の整数を示し、R1およびR2は、独立に1価の有機基を示す。
1およびR2としては、置換若しくは非置換の脂肪族炭化水素基、置換若しくは非置換の脂環式炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基を挙げることができる。なお「脂肪族炭化水素基」とは、環状構造を有さない炭化水素基を指す。
脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基における置換基としては、オキシラニル基、オキセタニル基、エピスルフィド基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルファニル基、イソシアネート基、アミノ基、ウレイド基などを挙げることができる。その中でも、オキシラニル基、(メタ)アクリロイル基、およびスルファニル基から選ばれる少なくとも1種の置換基が好ましい。
本発明の一実施形態において、可溶性高分子は単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
(3)架橋性高分子
本明細書において架橋性高分子とは、2個以上の重合性置換基を有する化合物(以下、多官能性化合物)を重合することによって得られる高分子である。多官能性化合物の分子量は、4,000以下、2,500以下、あるいは1,500以下であることが好ましい。重合性置換基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−ヒドロキシメチルアミノ基、N−アルコキシメチルアミノ基などを挙げることができる。多官能性化合物としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、または2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましい。多官能性化合物は、単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
(4)添加剤
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナなどの充填剤のほか、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、残渣改善剤、現像性改善剤、分散剤などが挙げられる。
(5)組成
赤外吸収膜148は、赤外線吸収剤の種類、およびその含有率が一定であれば、膜厚を増加させるほど赤外線の吸収特性を向上させることができる。それによって、撮像装置100はより高いS/N比を得ることができ、高感度の撮像を行うことが可能となる。しかしながら、赤外吸収膜148の膜厚を増加させると、撮像装置100の厚さが増大する。逆に、赤外吸収膜148を薄膜化すると、赤外線の遮断能力が低下し、赤外線によるメタメリズムが顕在化する。一方、赤外線吸収剤の含有率を増加させると、赤外吸収膜148を形成する他の成分の一つであるバインダの割合が減少し、赤外吸収膜148の硬度が低下する。
したがって、赤外吸収膜148における赤外線吸収剤の割合が0.1〜80質量%、1〜70質量%、あるいは3〜60質量%となるように赤外吸収膜148を構成することが好ましい。この構成により、赤外吸収膜148の膜厚を小さくしても、十分に近赤外線を吸収することが可能である。
赤外吸収膜148における架橋性高分子の含有量は、赤外線吸収剤100質量部に対して、10〜1,000質量部が好ましく、15〜500質量部がより好ましく、20〜150質量部が好ましい。このような組成とすることで、硬化性、密着性が向上する。
可溶性高分子として不飽和単量体(1)と不飽和単量体(2)の共重合体を用いる場合、共重合体中の不飽和単量体(1)の割合は、5〜50質量%、あるいは10〜40質量%とすればよい。このような割合を採用することで、アルカリ現像性に優れた塗膜を得ることができる。
添加剤として界面活性剤を用いる場合、その濃度は、赤外線吸収剤、可溶性高分子、架橋性高分子の総和に対し、1〜50質量部が好ましい。添加剤として分散剤を用いる場合、その濃度は、赤外線吸収剤、可溶性高分子、架橋性高分子の総和に対し、5〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましく、20〜70質量部がさらに好ましい。
(6)赤外吸収膜の作製方法
赤外吸収膜148は、赤外線吸収剤、可溶性高分子、および架橋性高分子の原料となる多官能性化合物を溶媒に溶解、あるいは分散させて得られる液状組成物を湿式成膜法を利用して塗布し、その後、重合開始剤を用いて多官能性化合物を重合することで作製することができる。作製方法の詳細については後述する。
(6−1)溶媒
溶媒としては、赤外線吸収剤、可溶性高分子、および多官能性化合物に対して高い溶解性を示し、湿式成膜法によって容易に塗布可能であるものが好ましい。例えば、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、乳酸アルキルエステル類、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、他のエーテル類、ケトン類、ジアセテート類、アルコキシカルボン酸エステル類、他のエステル類が好ましく、特にプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノンなどが好ましい。溶媒は、単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
液状組成物における溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、赤外線吸収剤、可溶性高分子、および多官能性化合物の合計濃度が、5〜50質量%となる量が好ましく、10〜30質量%となる量がより好ましい。このような濃度とすることにより、湿式成膜法によって容易に液状組成物を塗布することができる。
(6−2)重合開始剤
重合開始剤は、熱、あるいは光によって酸、またはラジカルを発生できるものであれば特に限定されない。重合開始剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
光によって酸、またはラジカルを発生できる光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物などを挙げることができる。その中でも、ビイミダゾール系化合物、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物が好ましい。光重合開始剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
液状組成物における重合開始剤の含有量は、赤外線吸収剤、可溶性高分子、および多官能性化合物の総量に対し、0.03〜10質量%、0.1〜8質量%、あるいは0.5〜6質量%とすればよい。このような濃度とすることで、速やかに多官能性化合物を重合し、架橋度の高い架橋性高分子を与えることができ、その結果、高い強度を有する赤外吸収膜148を形成することができる。
(6−3)赤外吸収膜の製造工程
赤外吸収膜148は、以下の工程(1)〜(4)の順に行うことができる。
(1)上記液状組成物を塗布して塗膜を形成する工程
(2)塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程
(3)塗膜を現像する工程(現像工程)
(4)塗膜を加熱する工程(加熱工程)
ア.工程(1)
まず、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法などの湿式成膜法を利用し、液状組成物を配線層140上に塗布する。本実施形態の撮像装置100の作製時には、配線層140を介して基板102の全面に塗布すればよい。その後、塗膜を加熱(プレベーク)することにより溶媒を除去して、塗膜を形成する。
プリベークは、オーブン、ホットプレート、IRヒーターなどの加熱手段を用いることが可能であり、減圧下で行ってもよい。加熱条件は、各成分の種類、組成などによっても異なるが、例えば、温度60〜200℃で30秒〜15分程度とすることができる。
イ.工程(2)
工程(2)は、工程(1)で形成された塗膜の一部、または全部に放射線を照射(露光)する工程である。塗膜の一部を露光する場合には、例えば、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。具体的には、画素部104と重なる領域に放射線を遮断する遮光部を有するフォトマスク、あるいは画素部104と重なる領域以外の領域に放射線を遮断する遮光部を有するフォトマスクを介して露光すればよい。
露光に使用される放射線としては、電子線、KrF、ArF、g線、h線、i線などの紫外線や可視光が挙げられ、その中でも、KrF、g線、h線、i線が好ましい。露光方式としては、ステッパ露光や高圧水銀灯による露光などが挙げられる。露光量は、5〜3000mJ/cm2、10〜2000mJ/cm2、あるいは50〜1000mJ/cm2の範囲から選択される。露光装置としては特に制限はなく、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が挙げられる。
ウ.工程(3)
工程(3)は、工程(2)で得られた塗膜を、アルカリ現像液を用いて現像することにより、不要な部分(ポジ型の場合は放射線の照射部分、ネガ型の場合は放射線の非照射部分)を溶解し、除去する工程である。
アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネンなどの水溶液が挙げられる。アルカリ現像液には、例えば、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤などを適量添加してもよい。アルカリ現像後、水による洗浄を行ってもよい。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法などを適用することができる。現像条件は、例えば常温で5〜300秒である。
エ.工程(4)
工程(4)では、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置を用い、工程(1)〜(3)により得られるパターニングされた塗膜、または工程(1)、および必要に応じて行われる工程(2)により得られるパターニングされていない塗膜を加熱することによって、赤外吸収膜148を形成する。本工程における加熱温度は、例えば、120℃〜250℃である。加熱時間は、例えば、ホットプレート上で加熱工程を行う場合には1分間〜30分間、オーブン中で加熱工程を行う場合には5分間〜90分間とすることができる。また、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法を用いることもできる。
このようにして作製される赤外吸収膜148は、0.1μm〜15μm、0.2μm〜3μm、0.3μm〜2μm、あるいは0.5〜1.5μmの厚さで設けられる。赤外吸収膜148をこのような膜厚で形成することで、撮像装置100の厚さを小さくすることができる。
2−5−2.誘電体多層膜
誘電体多層膜150は、屈折率の異なる複数の無機化合物の薄膜(以下、無機薄膜)が交互に積層された構造を有する。無機化合物としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化酸化ケイ素などのケイ素含有無機化合物や、酸化チタンなどのチタンを含む無機化合物が挙げられる。例えば誘電体多層膜150は、k層の酸化ケイ素を含む無機薄膜とk層、(k−1)層、あるいは(k+1)層の酸化チタンを含む無機薄膜を、これらの膜が交互するように積層することで形成される。ここで、kは2以上の自然数である。各無機薄膜の厚さは適宜設定することができる。例えば遮断する光の吸収帯の中心波長をλとすると、各無機薄膜の光学厚さがλ/4となるように設定することができる。ここで光学厚さとは、膜の厚さと、膜に含まれる材料の屈折率との積である。
誘電体多層膜150は、化学気相堆積(CVD)法、あるいはスパッタリング法を適用して形成すればよい。誘電体多層膜150における無機薄膜の積層数は限定されないが、例えば5以上30以下、10以上10以下、あるいは10以上20以下とすることができる。また、誘電体多層膜150は、隣接する画素106間で同一の構造を有するよう、画素部104の全体にわたって形成することができる。このため、すべての画素106上に同一工程で誘電体多層膜150を形成することができる。
上述したように、本実施形態の撮像装置100には、近赤外線を遮断するために誘電体多層膜150に加えて赤外吸収膜148が設けられる。このため、赤外吸収膜148に含まれる赤外線吸収剤の組成を高くすることで、誘電体多層膜150の無機薄膜の積層数を減らすことが可能である。実際、実施例において実験的に示されるように、赤外吸収膜148の厚みを0.3μmから2.0μmとした場合、赤外吸収膜148における赤外線吸収剤としてのセシウム酸タングステンの濃度が10質量%から90質量%、より好ましくは30質量%から70質量%とすることで、可視光透過性の低下を抑制しつつ誘電体多層膜150の積層数を15から20程度に抑制しても効果的に近赤外線を遮断することが可能である。このため、本実施形態を適用することで、厚さの小さい薄型撮像装置を提供することが可能となる。
2−6.マイクロレンズ
撮像装置100には、基板102の法線に平行な方向だけでなく、様々な方向から光が入射される。マイクロレンズ152は、入射角の異なる光を集光し、効率よく光電変換素子118へ光を供給するために設けられる。したがって、マイクロレンズ152は可視光に対する透過性が高く、図2に示すように平凸レンズ形状を有するように構成される。本実施形態の撮像装置100では、マイクロレンズ152は誘電体多層膜150と接するように配置される。
マイクロレンズ152はエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの樹脂を含む。マイクロレンズ152の形成においては、まず、ポジ型の感光性樹脂を誘電体多層膜150上に塗布して塗膜を形成し、マイクロレンズ152を設ける領域を遮光するフォトマスクを介して塗膜に対して露光を行う。あるいは、ネガ型の感光性樹脂を用い、マイクロレンズ152を設ける領域を選択的に露光するためのフォトマスクを介して露光を行う。感光性樹脂としては、例えばビス(トリフルオロメチル)ヒドロキシメチル基などの三級水酸基、エポキシ基、オキセタン基、あるいはエチレンカルボナート基を有する(メタ)アクリル酸エステルやスチレン誘導体の重合体と光酸発生剤の混合物が例示される。露光後、塗膜を現像することで、誘電体多層膜150上において島状に配置され、断面がほぼ四角形の樹脂が得られる。これを加熱することで樹脂の一部が溶融し、樹脂は流動性を獲得する。この加熱工程において、樹脂は図2に示すような平凸レンズ形状へ変形する。その後樹脂を冷却することで、平凸レンズ形状を有するマイクロレンズ152が得られる。
上述したように、本実施形態の撮像装置100では、マイクロレンズ152は誘電体多層膜150の上に設けられる。すなわち、外部からの光はマイクロレンズ152を通過した後に誘電体多層膜150に入射される。誘電体多層膜150では、入射された光が各無機層の間の界面で反射して干渉しあう。このため、誘電体多層膜150の法線方向に沿って撮像装置100の上から光を入射すると、各無機層の光学厚さの4倍の波長λを有する反射光は互いに強め合って増幅され、逆に撮像装置100側へ進む光は打ち消しあって減衰する。その結果、λ、あるいはそれに近い波長を有する光は誘電体多層膜150によって効果的に反射し、遮断される。このメカニズムを利用することで近赤外線を効果的に遮断することができる。
しかしながら、撮像装置100に対して斜めに入射する光、すなわち入射角が0°よりも大きな光は、各無機膜においてその膜厚以上の距離を進む。したがって、互いに干渉する光の波長はλ/4以上となる。すなわち、入射角によって干渉効果が変化し、その結果、誘電体多層膜150の光学特性に入射角依存性が生まれる。このため、撮像装置100に対して斜めに入射する近赤外線の一部は効果的に遮断されず、光電変換素子118にまで達し、メタリズムの原因となる。
これに対し、本実施形態の撮像装置100では、外光がまずマイクロレンズ152に入射されるため、撮像装置100に対して斜めに入射する光は、その入射角が0°に近づくように進行方向が矯正される。したがって、誘電体多層膜150の光学特性の入射角依存性が低下し、メタリズムの発生を効果的に抑制することが可能となる。
また、本実施形態を適用することで、撮像装置100の厚さを小さくすることができるだけでなく、マイクロレンズ152の形状に基づく構造的歪みを防止することができる。例えば図7に示すように、マイクロレンズ152をカラーフィルタ144上に配置し、その上に赤外吸収膜148や誘電体多層膜150を形成する場合、マイクロレンズ152に起因する凹凸を吸収し、平坦な面上に赤外吸収膜148や誘電体多層膜150を形成してこれらの膜の光学的均一性を確保するためには、平坦化膜156を設ける必要がある。しかしながら、マイクロレンズ152は0.5μmから5.0μmという非常に大きな厚さで形成されるため、平坦化膜156の上面を平坦にすることは必ずしも容易ではなく、平坦化膜156の上面形状にはマイクロレンズ152の形状が反映される。その結果、実施例でも示すように、赤外吸収膜148や誘電体多層膜150を平坦に、かつ複数の画素106にわたって均等な厚さで形成することが困難となる。
しかしながら本実施形態の撮像装置100では、マイクロレンズ152は赤外吸収膜148や誘電体多層膜150上に配置される。誘電体多層膜150、およびそれよりも基板102側に配置され、光電変換素子118や配線層140、カラーフィルタ144を構成する種々の半導体膜、絶縁膜、導電膜の厚さは、マイクロレンズ152の厚さと比べると極めて小さい。このため、赤外吸収膜148は平面性の高いカラーフィルタ144、あるいはオーバーコート146上に設けることができ、その厚さは画素106間で均一であり、かつ、平坦な上面を持つ。したがって、誘電体多層膜150は画素106間で均一な厚さを有し、平坦な上面を与える。このため、平坦化膜156を用いる必要がなく、撮像装置100の厚さを小さくすることがでる。また、マイクロレンズ152の形状に起因する影響を完全に無視することができる。このような理由から、本実施形態を適用することにより、より高品質な画像を取得することが可能な撮像装置を提供することができる。
さらに撮像装置100では、赤外吸収膜148と誘電体多層膜150は、それぞれ同一の工程ですべての画素106上に形成することができ、すべての画素106において同一の構造を有することができる。換言すると、隣接する画素106間で構造が異なるように構成する必要がない。したがって、より簡便に撮像装置100を製造することができるため、低コスト、かつ高い歩留りで撮像装置を製造することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態の撮像装置100と異なる構造を有する撮像装置120、122、124、126、128について説明する。第1実施形態と同様、あるいは類似する構成については説明を割愛することがある。図3、図4(A)、図4(B)、図5(A)、図5(B)は、それぞれ撮像装置120、122、124、126、128の模式的断面図である。なお、図4(A)から図5(B)では、基板102や光電変換素子118は図示されていないが、撮像装置100、120と同様、撮像装置122、124、126、128においても各画素106には配線層140の下に光電変換素子118が設けられる。
撮像装置120の断面模式図を図3に示す。図3に示すように、撮像装置120は、赤外吸収膜148と誘電体多層膜150の位置関係が異なる点で撮像装置100と異なる。具体的には、撮像装置120においては、赤外吸収膜148は誘電体多層膜150の上に配置され、その上にマイクロレンズ152が設けられる。誘電体多層膜150はオーバーコート146と接してもよく、オーバーコート146を用いない場合にはカラーフィルタ144と接するように形成することができる。
撮像装置100、120では、カラーフィルタ144上に赤外吸収膜148や誘電体多層膜150が設けられるが、本発明の実施形態の撮像装置はこのような構成に限られない。例えば図4(A)、図4(B)に示す撮像装置122、124のように、赤外吸収膜148と誘電体多層膜150上にカラーフィルタ144を配置してもよい。この場合、赤外吸収膜148と誘電体多層膜150の上下関係にも限定は無く、誘電体多層膜150を赤外吸収膜148の上に配置してもよく(図4(A))、あるいは赤外吸収膜148を、誘電体多層膜150の上に配置してもよい(図4(B))。
図示しないが、撮像装置122、124においてもオーバーコート146を設けてもよい。オーバーコート146は、赤外吸収膜148と誘電体多層膜150の間に、これらと接するように設けてもよく、あるいはカラーフィルタ144とマイクロレンズ152の間に、これらと接するように設けてもよい。
あるいは図5(A)、図5(B)に示すように、カラーフィルタ144を赤外吸収膜148と誘電体多層膜150の間に挟持するように撮像装置を構成してもよい。この場合でも、撮像装置126のように誘電体多層膜150をカラーフィルタ144の上に設けてもよく(図5(A))、撮像装置128のように赤外吸収膜148をカラーフィルタ144の上に設けてもよい(図5(B))。図示しないが、オーバーコート146を赤外吸収膜148とカラーフィルタ144の間に、これらと接するように配置してもよい。あるいは、オーバーコート146を誘電体多層膜150とカラーフィルタ144の間に、これらと接するように配置してもよい。
撮像装置120、122、124、126、128においても、外光はマイクロレンズ152を通過した後に直接、あるいは赤外吸収膜148やカラーフィルタ144の一方、もしくは両者を介して誘電体多層膜150に入射されるため、誘電体多層膜150の光学特性の入射角依存性が低い。したがって、本実施形態を適用することで、高品質の画像を取得可能な撮像装置を低コストで提供することができる。
赤外線吸収剤としてセシウム酸化タングステンを用いる場合、赤外吸収膜148上に誘電体多層膜150を設けることで、酸素などの不純物の撮像装置100内部への侵入を防ぐことができ、セシウム酸化タングステンの赤外線吸収機能の低下を抑制することができる。そのため、赤外線吸収剤としてセシウム酸化タングステンを用いる場合、誘電体多層膜150は赤外吸収膜148上に設けることが好ましい。例えば第1実施形態の撮像装置100と同様、撮像装置122、126の構造を用いることで、赤外吸収膜148の劣化を防ぐことができる。さらに、撮像装置100、126のように赤外吸収膜148とカラーフィルタ144の上に誘電体多層膜150を設けることで、赤外吸収膜148のみならずカラーフィルタ144への不純物の侵入も防ぐことができ、より信頼性の高い撮像装置を提供することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態の撮像装置100、120、122、124、126、128と異なる構造を有する撮像装置130について説明する。第1、第2実施形態と同様、あるいは類似する構成については説明を割愛することがある。
撮像装置130の断面模式図を図6に示す。図6に示すように、撮像装置130は、誘電体多層膜150とマイクロレンズ152の間に形状安定化層154を有する点で撮像装置100、120、122、124、126、128と異なる。形状安定化層154はマイクロレンズ152と接し、隣接する画素106間で形状安定化層154はマイクロレンズ152から一部が露出してもよい。形状安定化層154は、隣接する画素106にわたり、画素部104上に一つの絶縁膜として形成することができる。図示しないが、撮像装置120や128のように赤外吸収膜148が誘電体多層膜150やカラーフィルタ144の上に位置する場合、形状安定化層154は赤外吸収膜148の上に、赤外吸収膜148と接するように設けられる。一方、撮像装置122や124のようにカラーフィルタ144が赤外吸収膜148や誘電体多層膜150の上に位置する場合、形状安定化層154はカラーフィルタ144の上に、カラーフィルタ144と接するように設けられる。なお、オーバーコート146を赤外吸収膜148、誘電体多層膜150、およびカラーフィルタ144の上に設ける場合には、形状安定化層154はオーバーコート146上に、オーバーコート146に接するように設けることができる。
形状安定化層154は、マイクロレンズ152に含まれるアクリル樹脂と高い親和性を有し、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂を含む。この場合、形状安定化層154は、湿式成膜法を適用することで形成することができる。形状安定化層154とマイクロレンズ152の組成は同一でも良い。例えば、第1実施形態で述べたマイクロレンズ152を形成するための混合物と同一の混合物を用いて形状安定化層154形成してもよい。
誘電体多層膜150がカラーフィルタ144や赤外吸収膜148の上に設けられる場合、形状安定化層154は、誘電体多層膜150の表面に存在するシラノール基などの反応性基を化学処理して得られる薄膜でも良い。この場合、形状安定化層154は、ケイ素上の酸素と結合したアルキル基やアリール基である。化学処理では、例えばケイ素上に置換基を有するトリクロロシランやジクロロシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシランなどのシランカップリング剤を用いることができる。ケイ素上の置換基としては、炭素数が1から6のアルキル基、フェニル基や置換フェニル基などのアリール基が挙げられる。置換フェニル基の置換基としては、炭素数が1から6のアルキル基が例示される。形状安定化層154を化学処理によって形成する場合、誘電体多層膜150の最上層は酸化ケイ素を含む無機膜であることが好ましい。
形状安定化層154を設けることで、マイクロレンズ152の原料である樹脂の塗膜の密着性が向上する。このため、加熱による溶融処理において、現像後の塗膜の底面の面積や形状の変化が抑制され、各画素106間においてマイクロレンズ152の形状ばらつきを抑制することができる。その結果、高品質な画像を取得可能な撮像素子を提供することが可能となる。
1.実施例1
上述した赤外吸収膜148の光学特性と耐熱性を評価するため、図8(A)、図8(B)にそれぞれ示すモデル素子と比較素子を作製し、その近赤外線の遮断効果を評価した。以下、本実施例を詳述する。
1−1.フタロシアニン系赤外線吸収剤の合成
下記化学式で表されるフタロシアニン系赤外線吸収剤を合成した。合成は、特開平05−25177の段落[0020]〜[0025](実施例1)に記載の方法に従って行った。本化合物のトルエンにおける吸収極大波長は692nmである。
Figure 2020042235
1−2.無機系赤外線吸収剤の合成
組成式Cs0.33WO3のセシウム酸化タングステンの粉末を特許第4096205号公報の段落[0113]に記載の方法を用いて合成した。
1−3.可溶性高分子の合成
反応容器内でベンジルメタクリレート14g、N−フェニルマレイミド12g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15g、2−エチルヘキシルメタクリレート29g、スチレン10g、およびメタクリル酸20gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200gに溶解した。この溶液に2,2’−アゾイソブチロニトリル3gとα−メチルスチレンダイマー5gを加えた。反応容器内を窒素でパージした後、窒素をバブリングしながら80℃で5時間攪拌し、バインダの構成の一つである可溶性高分子を含む溶液(以下、樹脂溶液、固形分濃度35質量%)を得た。得られた可溶性高分子を、ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)装置(昭和電工社製 GPC‐104型、カラム:昭和電工社製 LF‐604を3本とKF‐602を結合したもの、展開溶剤:テトラヒドロフラン)を用いて、ポリスチレン換算の分子量を測定したところ、Mwは9700、Mnは5700、Mw/Mnは1.70であった。
1−4.液状組成物の作製
赤外吸収膜148を形成するための液状組成物を作製した。具体的には、セシウム酸化タングステン粉末を25質量部、分散剤としてのBTK−LPN6919(ビックケミー社製)を13質量部、溶媒としてのシクロペンタノンを62質量部、および0.1mm径のジルコニアビーズ2000質量部を容器に充填し、ペイントシェーカーで分散を行うことで、平均粒子径(D50)が19nmのセシウム酸化タングステン粉末の分散液を得た。粒子径は、光散乱測定装置(ドイツALV社製 ALV−5000)を用いてDLS法により測定した。
この分散液に上記フタロシアニン系赤外線吸収剤、樹脂溶液、多官能性化合物としてKAYARAD DPHA(日本化薬社製)、重合開始剤としてNCI−930(ADEKA社製O−アシルオキシム系化合物)、追加溶媒としてシクロペンタノンを添加し、液状組成物を得た。得られた液状組成物中における各成分の組成比を表1に示す。表1に示すように、液状組成物1から4を作製した。これらの液状組成物においてフタロシアニン系赤外線吸収剤の濃度は同一であるのに対し、液状組成物1、2、3の順で無機系赤外線吸収剤であるセシウム酸化タングステンの組成が増大する。液状組成物4には可溶性高分子は含まれていない。
Figure 2020042235
1−5.モデル素子の作製
まず、液状組成物をガラス基板160上にスピンコート法にて塗布した後、100℃で120秒間加熱し、i線ステッパにて1000mJ/cm2の露光量で露光を行い、次いで220℃で300秒間加熱することで、ガラス基板160上に赤外吸収膜148を形成した。赤外吸収膜148の厚さは触針式段差計(ケーエルエー・テンコール(株)製、アルファステップIQ)にて測定した。
引き続き、赤外吸収膜148上に、特開2016−146619号公報の段落[0177]〜[0178]に記載の方法により、酸化ケイ素を含む無機薄膜と酸化チタンを含む無機薄膜が交互に積層された誘電体多層膜150を形成した。作製したモデル素子の構造を表2に纏める。
1−6.比較素子の作製
ガラス基板160上に直接誘電体多層膜150を形成して比較素子1を作製した。誘電体多層膜150の形成は、モデル素子の誘電体多層膜150と同様の方法によって行った。無機薄膜の積層数は28であった。
1−7.透過率
得られたモデル素子1から4、および比較素子1の透過率、および耐熱性を分光光度計(日本分光(株)製、V−7300)を用いて測定した。具体的には、波長が700〜1100nmの近赤外線を入射角0°で照射し、モデル素子1−4と比較素子1の平均透過率を算出することで透過率を評価した。耐熱性の評価は、ホットプレートを用いてこれらの素子を260℃で300秒間加熱し、加熱前の素子が700〜900nmの範囲で最も低い透過率を与える波長(λ´)における加熱前後の透過率を用いて行った。
評価結果を表2に示す。平均透過率の評価は、平均透過率が10%未満のものを〇、10%以上15%未満のものを△として表されている。耐熱性の評価は、加熱後の波長λ´における吸光度(A2)に対する加熱前の同波長における吸光度(A1)の比(100×A1/A2)が60%以上90%未満のものを〇、30%以上60%未満のものを△として表されている。
Figure 2020042235
表2に示すように、誘電体多層膜150を本実施形態の一つである赤外吸収膜148と組み合わせることで、近赤外線を効果的に遮断できることが確認された。これに対し、赤外吸収膜148を持たない比較素子1では、700nm〜900nm、900nm〜1100nmのいずれの波長範囲でもモデル素子と比較して透過率が高く、近赤外線を十分に遮断できないことが分かった。また、赤外線吸収剤の一つであるセシウム酸タングステンの組成比を増大させることで、誘電体多層膜の積層数を大幅に減少させても高い近赤外線遮断能が得られることが分かった(モデル素子1から3参照)。
さらに、フタロシアニン系化合物や無機化合物の高い耐熱性に起因し、可溶性高分子を含まないモデル素子4では加熱後の吸光度はやや低下するものの、可溶性高分子を含むモデル素子1から3ではいずれも高い赤外線遮断能が維持されることが分かった。このことから、本発明の実施形態の一つである赤外吸収膜148を誘電体多層膜150と組み合わせることで、高い熱安定性を有し、近赤外線を効果的に遮断できる光学膜が得られると言える。
2.実施例2
上述したように、本発明の実施形態である撮像装置では、マイクロレンズ152が赤外吸収膜148や誘電体多層膜150上に直接、あるいは形状安定化層154を介して設けられている。これらの構造がもたらす構造的な安定性を評価するため、それぞれ図9(A)、図9(B)に示すモデル素子5、6、および図9(C)に示す比較素子2を作製した。
2−1.モデル素子5の作製
特開2018−365566の段落[0177]〜[0178]の[実施例1]に従い、マイクロレンズ152を形成するための組成物を合成した。この組成物をモデル素子1上にクリーントラック(東京エレクトロン社製、以下同じ)を用いて塗布した後、90℃にて90秒間プレベークして膜厚0.5μmの塗膜を形成した。縮小投影露光機(ニコン社製 NSR2205i12D、NA=0.63、λ=365nm(i線))を用い、露光時間を変化させて、0.25μmスペース・1.15μmドットのパターンを有するマスクを介して塗膜に露光を行った。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、25℃、1分間現像を行った。塗膜を水で洗浄し、乾燥することでパターンを形成した。次に、露光機(キヤノン社製 PLA−501F、超高圧水銀ランプ。以下同様)を用い、積算照射量が300mJ/cm2となるように塗膜に対して露光を行った。続いて、ホットプレートを用いて140℃で10分間塗膜を加熱し、さらに200℃で10分間加熱してパターンを溶融(メルトフロー)させマイクロレンズ152を形成した。
2−2.モデル素子6の作製
特開2018−0365566の段落[0177]〜[0178]の[実施例1]に記載の組成物を合成し、形状安定化層154を形成するための組成物として用いた。この組成物をモデル素子1上にクリーントラックを用いて塗布した後、90℃にて90秒間プレベークして膜厚0.5μmの塗膜を形成した。次に、露光機を用い、積算照射量が300mJ/cm2となるように塗膜に対して露光を行った。続いて、ホットプレートを用いて140℃で10分間塗膜を加熱し、さらに200℃で10分間加熱して形状安定化層154を形成した。
この後、モデル素子5と同様の方法を用いてマイクロレンズ152を形成し、モデル素子6を作製した。
2−3.比較素子2の作製
モデル素子5の作製と同様の方法を適用し、ガラス基板160の上にマイクロレンズ152を直接形成した。
次に、特開2008−208235の段落[0115]〜[0121]の[実施例1]に記載の組成物をマイクロレンズ152上に滴下し、300rpmで5秒、1500rpmで40秒ガラス基板160を回転することで、この組成物の塗膜を得た。次いで窒素雰囲気下で高圧水銀灯により0.6mJ/cm2で塗膜を硬化させ、厚さ約1μmの平坦化膜156を得た。
引き続き、モデル素子1の形成と同様、平坦化膜156上に赤外吸収膜148と誘電体多層膜150(28層)を形成し、比較素子2を作製した。
2−4.マイクロレンズ形状の均一性
モデル素子5、6、および比較素子2の断面を集束イオンビーム(FIB)加工で切り出し、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製 SU8030)を用いて複数のマイクロレンズ152の形状を評価した。具体的には、任意の30個のマイクロレンズ152に対し、その底部の幅(A)と高さ(B)を測定し、アスペクト比(B/A)を算出した。アスペクト比の平均値(Ave)と標準偏差(Std)から変動係数(Std/Ave)を算出し、断面形状の均一性の指標とした。結果を表3に示す。表3では、均一性の評価は、変動係数が5%未満であれば◎、5%以上10%未満であれば〇、15%以上であれば×として表されている。
表3に示すように、比較素子2のマイクロレンズ152の形状は不均一である。この原因として、比較素子2では、マイクロレンズ152の形成後に、平坦化膜156や赤外吸収膜148を形成するための加熱処理が行われるためにマイクロレンズ152が変形することが挙げられる。さらに、マイクロレンズ152の上に形成される誘電体多層膜は、内部に蓄積される応力によって反りが生じやすく、これに起因してマイクロレンズ152が変形するためと考えられる。
これに対し、モデル素子5、6では高い均一性が得られることが確認された。特に、モデル素子5よりも、形状安定化層154を有するモデル素子6のマイクロレンズ152の形状均一性が高く、この結果は、マイクロレンズ152の形状ばらつきを抑制する上で、形状安定化層154が高い効果を有していることを示している。
2−5.赤外吸収膜148の平坦性
モデル素子5、6、および比較素子2のそれぞれの赤外吸収膜148上の任意に選択された10μm×10μmの範囲について、原子間力顕微鏡(AFM:日立ハイテクサイエンス製、高分解能多機能型ユニットS−image、プローブ顕微鏡ステーションNanoNaviReal)観察で得られる最大高さと最小高さの差を求め、平坦性を評価した。結果を表3にまとめる。表3では、平坦性の評価は、最大高さと最小高さの差が0.1μm未満であれば○、0.1μm以上であれば×として表されている。
表3に示すように、平坦化膜156を介してマイクロレンズ152上に形成された赤外吸収膜148の平坦性は低い(比較素子2)。これは、マイクロレンズ152の凹凸形状は、1μmほどの厚さを有する平坦化膜156では完全に吸収できないことを意味している。このため、平坦性の高い表面上に赤外吸収膜148や誘電体多層膜150を形成するためには、より厚い平坦化膜156が必要となり、これは撮像装置の厚膜化を招く。また、平坦性の低い赤外吸収膜148上に誘電体多層膜150を形成した場合、その厚さも不均一になることが考えられる。
これに対し、ガラス基板160上に直接形成される赤外吸収膜148は高い平坦性を有している(モデル素子5、6)。配線層140に含まれる半導体膜や導電膜の厚さは通常数十nmから数百nmのオーダーであり、この程度の薄い膜に起因する凹凸は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などの樹脂を層間膜として使用することで容易に吸収することができ、その結果、平坦な面を容易に作り出すことができる。また、配線層140上に設けられるカラーフィルタ144もスピンコーティング法やインクジェット法を用いて形成されるため、通常、高い平坦性を有する。したがって、本発明の実施形態に係る撮像装置の作製においては、高い平坦性を有する面上に赤外吸収膜148や誘電体多層膜150を形成することが可能である。したがって、画素106間においてこれらの膜の厚さのばらつきを効果的に抑制することができる。また、これらの膜上に形成されるマイクロレンズ152の形状のばらつきも抑制することができる。
以上のことから、本発明の実施形態を適用することで、画素106間で厚さのばらつきが小さい赤外吸収膜148や誘電体多層膜150を形成でき、かつ、形状ばらつきの小さいマイクロレンズ152を形成することができる。その結果、各画素106に設けられるこれらの膜やレンズの光学特性を均一にすることができる。画素106間における光の検出感度が均一となる。このことは、高品質な画像を取得可能な撮像装置を提供することに大きく寄与する。
Figure 2020042235
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
100:撮像装置、102:基板、104:画素部、106:画素、106a:第1の画素、106b:第2の画素、106c:第3の画素、108:垂直走査回路、110:水平走査回路、112:増幅回路、114:アナログ/デジタル変換回路、116:タイミング発生回路、118:光電変換素子、120:撮像装置、122:撮像装置、124:撮像装置、126:撮像装置、128:撮像装置、130:撮像装置、140:配線層、142:遮光膜、144:カラーフィルタ、144a:第1のカラーフィルタ、144b:第2のカラーフィルタ、144c:第3のカラーフィルタ、146:オーバーコート、148:赤外吸収膜、150:誘電体多層膜、150:直接誘電体多層膜、152:マイクロレンズ、154:形状安定化層、156:平坦化膜、160:ガラス基板

Claims (20)

  1. 少なくとも一つの光電変換素子、
    前記少なくとも一つの光電変換素子上のカラーフィルタ、
    前記少なくとも一つの光電変換素子上に位置し、650nmから2000nmの間に吸収極大を有する赤外吸収膜、
    前記少なくとも一つの光電変換素子上の誘電体多層膜、および
    前記カラーフィルタ、前記赤外吸収膜、ならびに前記誘電体多層膜の上に位置するマイクロレンズを有する撮像装置。
  2. 前記誘電体多層膜は前記赤外吸収膜上に位置する、請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記誘電体多層膜と前記赤外吸収膜は、前記カラーフィルタ上に位置する、請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記カラーフィルタは、前記誘電体多層膜と前記赤外吸収膜上に位置する、請求項2に記載の撮像装置。
  5. 前記赤外吸収膜は前記誘電体多層膜上に位置する、請求項1に記載の撮像装置。
  6. 前記カラーフィルタは、前記誘電体多層膜と前記赤外吸収膜上に位置する、請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記誘電体多層膜と前記赤外吸収膜は、前記カラーフィルタ上に位置する、請求項5に記載の撮像装置。
  8. 前記カラーフィルタは、前記赤外吸収膜と前記誘電体多層膜の間に位置する、請求項1に記載の撮像装置。
  9. 前記赤外吸収膜は、650nmから1100nmの間に吸収極大を示す有機化合物を含む、請求項1に記載の撮像装置。
  10. 前記有機化合物はフタロシアニン系化合物である、請求項9に記載の撮像装置。
  11. 前記赤外吸収膜は無機酸化物をさらに有する、請求項9に記載の撮像装置。
  12. 前記無機酸化物は、1100nmから2000nmの間に吸収極大を示す、請求項11に記載の撮像装置。
  13. 前記無機酸化物はセシウム酸化タングステンである、請求項11に記載の撮像装置。
  14. 前記赤外吸収膜はバインダをさらに有する、請求項9に記載の撮像装置。
  15. 前記赤外吸収膜と前記誘電体多層膜は互いに接する、請求項1に記載の撮像装置。
  16. 前記カラーフィルタと前記赤外吸収膜の間に、前記カラーフィルタと前記赤外吸収膜と接する有機膜をさらに有する、請求項1に記載の撮像装置。
  17. 前記誘電体多層膜と前記マイクロレンズとの間、あるいは前記赤外吸収膜と前記マイクロレンズの間に、前記マイクロレンズと接する形状安定化層をさらに含む、請求項1に記載の撮像装置。
    に記載の撮像装置。
  18. 前記形状安定化層は有機化合物を含む、請求項17に記載の撮像装置。
  19. 前記誘電体多層膜は複数の無機膜を含み、
    前記複数の無機膜の総数は10以上20以下である、請求項1に記載の撮像装置。
  20. 前記少なくとも一つの光電変換素子は複数の光電変換素子を含み、
    前記赤外吸収膜は、隣接する前記光電変換素子にわたって位置し、
    隣接する前記光電変換素子上において、前記赤外吸収膜は同一の構造を有する、請求項1に記載の撮像装置。
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