JP2020042144A - 光学系部品の保持部品およびその製造方法 - Google Patents

光学系部品の保持部品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学系部品を高い精度で位置決めすることが可能であるとともに容易に製造可能な保持部品を提供する。【解決手段】保持部材100には、光学系部品を収容する段差部S1〜S3が形成されている。光学系部品は、弧状の被位置決め部を有する。各段差部S1〜S3には、光学系部品が当該段差部に収容された状態で被位置決め部へ向かって突出するように位置決め部ppが設けられている。各位置決め部ppは、光学系部品の被位置決め部の弧状に対応する凹状の位置決め面psを含む。光学系部品の位置決め時に位置決め面psの少なくとも一部が被位置決め部に接触する。【選択図】図2

Description

本発明は、光学系部品の保持部品およびその製造方法に関する。
人体の頭部に装着される表示装置として、ヘルメットマウントディスプレイがある。例えば、特許文献1に記載されたヘルメットマウントディスプレイにおいては、画像表示装置から出射される光が、ヘルメット内部に設けられた光学系を通してヘルメットの前部に設けられたバイザに導かれる。それにより、バイザに虚像が結像される。
特開2007−193070号公報
上記の光学系は、レンズおよびミラーを含む複数の光学系部品で構成される。これらの光学系部品は、画像表示装置からの出射光をバイザへ正確に導くために、高い精度で位置決めされる必要がある。一または複数の光学系部品を保持する保持部品が用いられる。保持部品は、光学系部品を位置決めするための位置決め部を有する。光学系部品を高い精度で位置決めするためには、保持部品の位置決め部の寸法の公差範囲を小さく設定する必要がある。
しかしながら、小さな公差範囲を満足する位置決め部を有する保持部品を短期間で製造することは難しい。
本発明の目的は、光学系部品を高い精度で位置決めすることが可能であるとともに容易に製造可能な保持部品およびその製造方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る光学系部品の保持部品は、弧状の被位置決め部を有する光学系部品を保持する保持部品であって、光学系部品を収容可能な開口部を有する保持本体部と、光学系部品が開口部に収容された状態で被位置決め部へ向かって突出するように保持本体部に設けられた位置決め部とを備え、位置決め部は、被位置決め部の弧状に対応する凹状の位置決め面を含み、位置決め面の少なくとも一部が被位置決め部に接触可能に形成されている。
上記の保持部品においては、凹状の位置決め面の少なくとも一部が光学系部品の弧状の被位置決め部に接触する。それにより、光学系部品が保持本体部の開口部内で位置決めされる。上記のような位置決め面の形状によれば、製造誤差により位置決め面の各部の寸法が設計値からずれた場合でも、位置決め面のいずれかの部分の寸法が公差範囲内になる可能性が高い。そのため、公差範囲が小さく設定された場合でも、その公差範囲を満足する位置決め部を容易に形成することができる。したがって、光学系部品を高い精度で位置決めすることができる保持部品を容易に製造することが可能となる。
(2)保持本体部および位置決め部は、一体形成された成形品であってもよい。
上記の保持部品においては、位置決め面の少なくとも一部が公差範囲内となるように形成されていればよく、位置決め面の全ての部分が公差範囲内となるような寸法精度が要求されない。そのため、上記の成形品を作製する際に、成形条件の決定に要する時間を短縮することができる。また、この場合、成形品を作製するための金型についても高い寸法精度が要求されない。したがって、保持部品をより容易に製造することができる。
(3)光学系部品は光軸を有し、被位置決め部は、光軸を中心とする円弧形状を有し、位置決め部は、光学系部品の光軸が保持本体部の開口部内の予め定められた位置を通るように光学系部品の被位置決め部に当接可能であってもよい。
この場合、位置決め面の少なくとも一部が光学系部品の被位置決め部に当接することにより、光学系部品の光軸が保持本体部の開口部内の予め定められた位置を通るように調整される。
(4)被位置決め部の位置決め面は、光学系部品の光軸と平行に形成されてもよい。
この場合、位置決め面の少なくとも一部が光学系部品の被位置決め部に当接するときに、当該位置決め面から光学系部品の光軸までの距離にばらつきが生じにくい。したがって、光学系部品の光軸が保持本体部の開口部内の予め定められた位置を通るように容易かつ正確に調整される。
(5)保持本体部は、開口部内に複数の光学系部品を収容可能に構成され、位置決め部は複数設けられ、複数の位置決め部は、複数の光学系部品が開口部に収容された状態で複数の光学系部品の被位置決め部へそれぞれ向かって突出するように保持本体部に設けられ、複数の光学系部品の光軸が互いに一致するように複数の光学系部品の被位置決め部にそれぞれ当接可能であってもよい。
この場合、複数の位置決め部が複数の光学系部品の複数の被位置決め部にそれぞれ当接することにより、複数の光学系部品の光軸が互いに一致するように容易に調整される。
(6)光学系部品は、被位置決め部および被支持部を含む外周部を有し、被位置決め部は、予め定められた寸法精度以上の寸法精度を有し、被支持部は、被位置決め部の寸法精度よりも低い寸法精度を有し、保持部品は、位置決め部が被位置決め部に当接するように被支持部を支持する支持部をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、光学系部品の被支持部は高い寸法精度を有しない。このような場合でも、被位置決め部が予め定められた寸法精度以上の寸法精度を有するので、位置決め部が被位置決め部に当接することにより、高い精度で光学系部品が位置決めされる。その上で、被支持部が支持部により支持されることにより、光学系部品が保持部品における予め定められた位置に正確に保持される。
(7)第2の発明に係る光学系部品の保持部品の製造方法は、弧状の被位置決め部を有する光学系部品を保持する保持部品の製造方法であって、光学系部品を収容可能な開口部を有する保持本体部と、光学系部品が開口部に収容された状態で被位置決め部へ向かって突出するように保持本体部に設けられた位置決め部とを含む保持部品を作製するステップを含み、作製するステップは、位置決め部が被位置決め部の弧状に対応する凹状の位置決め面を含み、位置決め面の少なくとも一部が被位置決め部に接触可能となるように、位置決め部を形成するステップを含む。
上記の製造方法により作製される保持部品においては、凹状の位置決め面の少なくとも一部が光学系部品の弧状の被位置決め部に接触する。それにより、光学系部品が保持本体部の開口部内で位置決めされる。上記のような位置決め面の形状によれば、製造誤差により位置決め面の各部の寸法が設計値からずれた場合でも、位置決め面のいずれかの部分の寸法が公差範囲内になる可能性が高い。そのため、公差範囲が小さく設定された場合でも、その公差範囲を満足する位置決め部を容易に形成することができる。したがって、光学系部品を高い精度で位置決めすることができる保持部品を容易に製造することが可能となる。
(8)作製するステップは、保持本体部および位置決め部が一体形成された成形品を保持部品として作製するステップを含んでもよい。
製造対象となる保持部品においては、位置決め面の少なくとも一部が公差範囲内となるように形成されていればよく、位置決め面の全ての部分が公差範囲内となるような寸法精度が要求されない。そのため、上記の成形品を作製する際に、成形条件の決定に要する時間を短縮することができる。また、この場合、成形品を作製するための金型についても高い寸法精度が要求されない。したがって、保持部品をより容易に製造することができる。
本発明によれば、光学系部品を高い精度で位置決めすることが可能になるとともに保持部品の製造が容易になる。
ヘルメットマウントディスプレイの一例を示す外観斜視図である。 図1の第1の光学系装置が備える保持部材を示す図である。 図2の保持部材に複数のレンズが順次取り付けられた状態を示す模式図である。 (a)は図2(a)の一点鎖線で取り囲まれる位置決め部を拡大した拡大平面図であり、(b)は(a)に示される位置決め部の斜視図である。 図4(a)の位置決め面の各部の寸法が設計値からずれた例を示す拡大平面図である。 図4の位置決め部が成形される際の金型内部の樹脂の流れを示す模式図である。 比較例に係る保持部材の一例を示す図である。 図7(b)の位置決め面の各部の寸法が設計値からずれた例を示す拡大平面図である。 図7の位置決め部が成形される際の金型内部の樹脂の流れを示す模式図である。
本発明の一実施の形態に係る光学系部品の保持部品およびその製造方法について、図面を参照しつつ説明する。光学系部品の保持部品は、例えば人体の頭部に装着される画像表示装置に用いられる。このような画像表示装置として、ヘルメットマウントディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等がある。
[1]ヘルメットマウントディスプレイ
図1は、ヘルメットマウントディスプレイの一例を示す外観斜視図である。図1のヘルメットマウントディスプレイ1は、人体の右目および左目にそれぞれ対応する左右一対の画像表示装置10a,10b、左右一対の第1の光学系装置20a,20b、左右一対の第2の光学系装置30a,30bおよびバイザ40を備える。図1では、バイザ40が点線で示される。
右の画像表示装置10aは、使用者の右目により視認されるべき画像を形成する光を出射する。右の第1および第2の光学系装置20a,30aは、右の画像表示装置10aから出射される光をバイザ40へ導く。左の画像表示装置10bは、使用者の左目により視認されるべき画像を形成する光を出射する。左の第1および第2の光学系装置20b,30bは、左の画像表示装置10bから出射される光をバイザ40へ導く。左右の画像表示装置10a,10bから出射された光がバイザ40に導かれることにより、バイザ40における使用者の左右の眼に対向する部分にそれぞれ左右の画像が結像される。
なお、使用者の左右の眼に対応する画像表示装置10a,10bは、バイザ40の形状によっては左右が逆転して構成されてもよい。
上記の構成において、第1の光学系装置20a,20bの各々は、複数の光学系部品およびそれらを保持する保持部品から構成され、画像表示装置10a,10bから出射される光の焦点および収差等を調整する。第1の光学系装置20a,20bに設けられる複数の光学系部品は、画像表示装置10a,10bから出射される光の焦点および収差等を調整するための複数のレンズである。
第2の光学系装置30a,30bの各々は、複数の光学系部品とそれらを保持する保持部品から構成される。第2の光学系装置30a,30bに設けられる複数の光学系部品は、第1の光学系装置20a,20bを通過した光をバイザ40へ導く複数のミラーである。
第1の光学系装置20a,20bにおいては、バイザ40上に高い品質の画像が結像されるように、複数のレンズを正確に位置決めする必要がある。そこで、第1の光学系装置20a,20bには、本発明の一実施の形態に係る保持部材が用いられる。その保持部材においては、複数のレンズがそれぞれ位置決めされつつ保持される。以下、図1の第1の光学系装置20a,20bに用いられる保持部品の詳細を説明する。
[2]保持部材
図1の第1の光学系装置20a,20bは、同じ構成を有する。図2は、図1の第1の光学系装置20a,20bが備える保持部材を示す図である。また、図3は、図2の保持部材100に複数のレンズが順次取り付けられた状態を示す模式図である。
図2において、(a)は保持部材100の平面図であり、(b)は図2(a)のA−A線断面図であり、(c)は図2(a)のB−B断面図である。本実施の形態に係る保持部材100は、樹脂材料の射出成形により得られる成形品であり、図2(a),(b),(c)に示すように、中空の略円錐台形状を有する。保持部材100の内周面は、当該保持部材100の軸心方向における一端部から他端部にかけて漸次径大となっている。
保持部材100の内周面には、当該保持部材100の軸心方向に間隔をおいて並ぶように複数(本例では3つ)の段差部S1,S2,S3が形成されている。各段差部S1,S2,S3は、当該保持部材100の軸心を取り囲むように略円環状または略円弧状に形成された支持面11,12,13を有する。
また、各段差部S1,S2,S3には、複数の位置決め部ppおよび複数の支持部spが設けられている。複数の位置決め部ppおよび複数の支持部spは、各段差部S1,S2,S3の支持面11,12,13上で、保持部材100の内周面から保持部材100の内方に向かって突出するように形成されている。
段差部S1は保持部材100のうち最も径小な部分の近傍に位置し、段差部S3は保持部材100のうち最も径大な部分の近傍に位置し、段差部S2は段差部S1,S3の間に位置する。段差部S1には、2つの位置決め部ppおよび3つの支持部spが設けられている。段差部S2には、2つの位置決め部ppおよび4つの支持部spが設けられている。段差部S3には、2つの位置決め部ppおよび4つの支持部spが設けられている。
図3(a)に示すように、段差部S1の内側の開口部内にレンズL1が収容される。レンズL1は、当該レンズL1の重量を低減するために、円板形状を有するレンズから外周部の一部が切り欠かれた形状を有する。そのため、レンズL1の外周部においては、円弧状に延びる円弧部分と、直線状に延びる複数の直線部分とが形成されている。一般に、レンズは、当該レンズの外周部から光軸までの距離が一定となるように、高い寸法精度で作製される。そのため、レンズL1の円弧部分はその光軸La1に対して予め定められた位置関係を有する。一方、レンズL1の複数の直線部分は、切り欠き加工の精度によってはその光軸La1に対する位置関係が不明である。
本実施の形態では、レンズL1のうちの円弧部分が、予め定められた寸法精度以上の寸法精度を有する被位置決め部に相当する。一方、レンズL1のうちの複数の直線部分が、低い寸法精度を有する被支持部に相当する。
レンズL1は、段差部S1の開口部内に収容された状態で支持面11上に支持される。また、支持面11上に形成された2つの位置決め部ppが、レンズL1の外周部のうちの円弧部分に接触する。それにより、レンズL1の光軸La1が保持部材100の内部における予め定められた位置を通るように、レンズL1が位置決めされる。さらに、支持面11上に形成された3つの支持部spが、レンズL1の外周部のうちの複数の直線部分に接触するかまたは近接する。
図3(a)に点線で示すように、レンズL1の外周部と保持部材100の内周面との間の隙間の少なくとも一部には、接着剤が充填される。それにより、レンズL1は、2つの位置決め部ppにより位置決めされつつ支持面11および3つの支持部spにより支持された状態で固定される。なお、レンズL1の外周部と保持部材100の内周面との間の隙間の全体に接着剤が充填されてもよい。
段差部S1におけるレンズL1の収容例と同様に、図3(b),(c)に示すように、段差部S2の内側の開口部内にレンズL2が収容され、段差部S3の内側の開口部内にレンズL3が収容される。レンズL2,L3は、レンズL1と同様に、円板形状を有するレンズのうちの外周部の一部が切り欠かれた形状を有する。レンズL2,L3においても、レンズL1の例と同様に、円弧部分が被位置決め部に相当し、複数の直線部分が被支持部に相当する。
レンズL2は、段差部S2の開口部内に収容された状態で支持面12上に支持される。また、支持面12上に形成された2つの位置決め部ppが、レンズL2の外周部のうちの円弧部分に接触する。さらに、支持面12上に形成された4つの支持部spがレンズL2の外周部のうちの複数の直線部分に接触するかまたは近接する。図3(b)に点線で示すように、レンズL2の外周部と保持部材100の内周面との間の隙間の少なくとも一部には、接着剤が充填される。それにより、レンズL2は、2つの位置決め部ppにより位置決めされつつ支持面12および4つの支持部spにより支持された状態で固定される。
レンズL3は、段差部S3の開口部内に収容された状態で支持面13上に支持される。また、支持面13上に形成された2つの位置決め部ppが、レンズL3の外周部のうちの円弧部分に接触する。さらに、支持面13上に形成された4つの支持部spがレンズL3の外周部のうちの複数の直線部分に接触するかまたは近接する。図3(c)に点線で示すように、レンズL3の外周部と保持部材100の内周面との間の隙間の少なくとも一部には、接着剤が充填される。それにより、レンズL3は、2つの位置決め部ppにより位置決めされつつ支持面13および4つの支持部spにより支持された状態で固定される。
複数のレンズL1,L2,L3がそれぞれ位置決めされることにより、図2(b),(c)に示すように、保持部材100内の予め定められた位置を通るようにレンズL1,L2,L3の光軸La1,La2,La3が互いに一致する。
[3]保持部材100の位置決め部ppの形状およびその効果
段差部S1,S2,S3に設けられる複数の位置決め部ppは、基本的に同じ形状を有する。そこで、段差部S1,S2,S3に設けられる複数の位置決め部ppの形状を代表して、図2(a)の段差部S3に設けられる一方の位置決め部ppの形状について説明する。
図4(a)は図2(a)の一点鎖線で取り囲まれる位置決め部ppを拡大した拡大平面図であり、図4(b)は図4(a)に示される位置決め部ppの斜視図である。図4(a)に太い実線で示されるとともに図4(b)にハッチングで示されるように、位置決め部ppは、当該位置決め部ppが当接するレンズL3の円弧部分に対応する凹状の位置決め面psを有する。
より具体的には、図4(a),(b)の位置決め面psは、保持部材100の内方に向かって凹状に形成されている。また、図4(a),(b)の位置決め面psは、図3のレンズL3の円弧部分の曲率に等しいかまたはその曲率の誤差範囲内の曲率を有する円筒面の一部を構成するように形成されている。
上記の位置決め面psによれば、保持部材100の成形時に生じる製造誤差により位置決め面psの各部の寸法が設計値からずれた場合でも、位置決め面psのいずれかの部分の寸法が公差範囲内になる可能性が高い。
図5は図4(a)の位置決め面psの各部の寸法が設計値からずれた例を示す拡大平面図である。図5においては、設計値に従う位置決め部ppの外観形状が一点鎖線で示される。また、設計値に対する公差範囲ALが点線で示される。
図5の位置決め部ppにおいては、太い実線で示されるように、位置決め面psの大部分が公差範囲ALよりも外方に位置する。しかしながら、位置決め面psのうちの一部分は公差範囲AL内に位置する。そのため、位置決め面psのうち公差範囲AL内で最も内方に位置する部分p1がレンズL3に当接することにより、位置決め面psが設計値に従って形成される場合と同等の精度でレンズL3が位置決めされる。この場合、公差範囲ALが小さく設定された場合でも、その公差範囲ALを満足する位置決め部ppを容易に形成することができる。
上記のように、レンズL3が高い精度で位置決めされるためには、位置決め面psの少なくとも一部が公差範囲ALに収まりかつ位置決め面psの全体が公差範囲ALよりも内方に位置しないように形成されればよい。位置決め面psは、必ずしも全体の寸法が公差範囲AL内に収まるように形成される必要がない。したがって、保持部材100を作製するために、寸法誤差の発生を予防するための厳密な成形条件の算出が不要となる。また、成形に用いる金型に高い寸法精度が要求されないので、金型を容易に作製することができる。これらの結果、保持部材100の作製に要する時間が短縮され、保持部材100の製造が容易になる。
また、射出成形による保持部材100の作製時には、金型を長時間に渡って繰り返し使用するために、金型に加わる負荷を低減することが求められる。図6は図4の位置決め部ppが成形される際の金型内部の樹脂の流れを示す模式図である。図6では、保持部材100の軸心に直交しかつ図4(a)の位置決め面psを含む断面に対応する金型500の断面とその金型500内に形成される樹脂の流路510が示される。
図4の位置決め部ppにおいては、レンズL3を位置決めするための位置決め面psおよびその周辺部分の形状の変化が比較的緩やかである。それにより、射出成形時には、図6に複数の矢印で示すように金型500内の流路510に供給される樹脂が、当該流路510内を比較的円滑に流れる。それにより、射出成形時に流路510内に供給される樹脂の供給圧力を低減することができるので、金型500に加わる負荷が低減される。したがって、保持部材100の作製に用いる金型の長寿命化が実現される。
上記の各位置決め部ppにおいては、図2(c)に示すように、各位置決め面psは、保持部材100内で位置決めされたレンズL1,L2,L3の光軸La1,La2,La3に対して平行に形成されている。すなわち、保持部材100においては、位置決め面psに抜き勾配が設けられていない。この場合、位置決め面psの少なくとも一部がレンズL1,L2,L3に当接するときに、当該位置決め面psからレンズL1,L2,L3の光軸La1,La2,La3までの距離にばらつきが生じにくい。したがって、レンズL1,L2,L3の光軸La1,La2,La3が保持部材100における予め定められた位置を通るように容易かつ正確に調整される。
位置決め部ppの位置決め面psに抜き勾配が設けられない場合には、位置決め部ppを除く保持部材100の内周面の部分に抜き勾配が設けられることが望ましい。それにより、保持部材100の製造時における離形性が確保される。なお、この場合、支持部spには、抜き勾配が設けられてもよいし、抜き勾配が設けられなくてもよい。
[4]比較例
図7は、比較例に係る保持部材の一例を示す図である。図7の保持部材100Xは、位置決め部rpの形状が異なる点を除いて上記の図2の保持部材100と同じ構成を有する。図7において、(a)は保持部材100Xの平面図であり、(b)は図7(a)の一点鎖線で取り囲まれる位置決め部rpを拡大した拡大平面図であり、(c)は図7(a)に示される位置決め部rpの斜視図である。
図7(b)に太い実線で示されるとともに図7(c)にハッチングで示されるように、比較例に係る位置決め部rpは、保持部材100Xの内方に向かって凸状の位置決め面psを有する。
本比較例の位置決め部rpによれば、保持部材100Xの内方に向く各位置決め面psの頂点部分にレンズL3の円弧部分が当接することにより、レンズL3が保持部材100X内で位置決めされる。
このような構成においては、各位置決め部rpの位置決め面psにおいて、予めレンズL3に当接すべき頂点部分tpが定められている。そのため、保持部材100Xの成形時に生じる製造誤差により位置決め面psの頂点部分tpの寸法が公差範囲から外れると、位置決め面psの他の部分の寸法が公差範囲内に収まる場合でも、レンズL3について高い精度で位置決めができない可能性が高い。
図8は図7(b)の位置決め面psの各部の寸法が設計値からずれた例を示す拡大平面図である。図8においては、設計値に従う位置決め部rpの外観形状が一点鎖線で示される。また、設計値に対する公差範囲ALが点線で示される。
図8の位置決め部rpにおいては、太い実線で示されるように、位置決め面psの一部が公差範囲AL内に位置する。しかしながら、位置決め面psのうちの頂点部分tpは、公差範囲ALの外方に位置する。この場合、位置決め面psの公差範囲AL内で頂点部分tpがレンズL3に当接することはない。頂点部分tpは、公差範囲ALの外方でレンズL3に当接する。そのため、レンズL3を公差範囲AL内で位置決めすることはできない。
また、本比較例に係る保持部材100Xの作製時には、射出成形に用いる金型に過剰な負荷が加わりやすい。図9は図7の位置決め部ppが成形される際の金型内部の樹脂の流れを示す模式図である。図9では、保持部材100Xの軸心に直交しかつ図7(b)の位置決め面psを含む断面に対応する金型500Xの断面とその金型500X内に形成される樹脂の流路510Xが示される。
図7の位置決め部ppにおいては、レンズL3を位置決めするための位置決め面psおよびその周辺部分の形状の変化が、図4の位置決め部ppの例に比べて比較的大きい。それにより、射出成形時には、図9に複数の矢印で示すように金型500X内の流路510Xに供給される樹脂が、当該流路510X内で滞留しやすい。そのため、射出成形時に流路510X内に供給される樹脂の供給圧力を上昇させる必要がある。この場合、金型500Xに加わる負荷が増大する。そのため、金型500Xの長寿命化は期待できない。
また、図7の位置決め部ppにおいては、上記のように位置決め面psおよびその周辺部分の形状の変化が比較的大きいため、保持部材100の成形時における各部の温度管理が難しい。例えば、成形品の表面と内部との間の冷却速度に不均一が生じると、局所的に厚みが増大または減少する部分が発生する。したがって、高い寸法精度を有する保持部材100Xを形成することは容易ではない。
[5]実施の形態の効果
上記のように、本発明の一実施の形態に係る保持部材100においては、凹状の位置決め面psの少なくとも一部がレンズL1,L2,L3の円弧部分に接触する。それにより、レンズL1,L2,L3が保持部材100の段差部S1,S2,S3内で位置決めされる。各位置決め部ppの凹状の位置決め面psの形状によれば、公差範囲ALが小さく設定された場合でも、その公差範囲ALを満足する位置決め部ppを容易に形成することができる。したがって、レンズL1,L2,L3を高い精度で位置決めすることができる保持部材100を容易に製造することが可能となる。
[6]他の実施形態
(a)上記実施の形態においては、保持部材100は、複数の光学系部品として3つのレンズL1,L2,L3を保持するように構成されるが、保持部材100により保持される光学系部品の数は上記の例に限定されない。保持部材100は、1つの光学系部品のみを保持するように構成されてもよいし、2つまたは4つ以上の光学系部品を保持するように構成されてもよい。
(b)上記実施の形態においては、保持部材100は複数の光学系部品として複数のレンズL1,L2,L3を保持するように構成されるが、本発明はこれに限定されない。保持部材100は、1または複数の光学系部品としてミラーまたはプリズム等を保持するように構成されてもよい。この場合、保持部材100を図1の第2の光学系装置30a,30bに用いることも可能になる。
(c)上記実施の形態においては、保持部材100は樹脂材料により構成されるが、保持部材100は金属材料により構成されてもよい。また、上記の実施の形態においては、保持部材100は、射出成形により作製されるが、保持部材100は機械加工により作製されてもよい。
(d)上記実施の形態においては、保持部材100により保持されるレンズL1,L2,L3が被位置決め部としてそれぞれ円弧部分を有するが、本発明はこれに限定されない。レンズL1,L2,L3はそれぞれ被位置決め部としてそれぞれ楕円弧部分を有してもよい。この場合、保持部材100の位置決め部ppは、レンズL1,L2,L3の楕円弧部分に対応する凹状の位置決め面psを有してもよい。
(e)上記実施の形態においては、保持部材100は中空の略円錐台形状を有するが、本発明はこれに限定されない。保持部材100は、円筒形状を有してもよいし、角筒形状を有してもよいし、楕円筒形状を有してもよい。
(f)上記実施の形態においては、保持部材100により保持されるレンズL1,L2,L3にそれぞれ切り欠きが設けられているが、本発明はこれに限定されない。保持部材100により保持されるレンズL1,L2,L3には、切り欠きが設けられなくてもよい。
(g)上記実施の形態においては、保持部材100はヘルメットマウントディスプレイ1に用いられるが、本発明はこれに限定されない。上記の位置決め部ppを有する保持部材100は、1または複数の光学系部品を含む他の電子機器に用いることもできる。
[7]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、レンズL1,L2,L3が光学系部品の例であり、保持部材100のうち位置決め部ppおよび支持部spを除く部分が保持本体部の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
1…ヘルメットマウントディスプレイ,10a,10b…画像表示装置,11,12,13…支持面,20a,20b…第1の光学系装置,30a,30b…第2の光学系装置,40…バイザ,100,100X…保持部材,500,500X…金型,510,510X…流路,AL…公差範囲,L1,L2,L3…レンズ,La1,La2,La3…光軸,S1,S2,S3…段差部,p1…部分,pp,rp…位置決め部,ps…位置決め面,sp…支持部,tp…頂点部分

Claims (8)

  1. 弧状の被位置決め部を有する光学系部品を保持する保持部品であって、
    前記光学系部品を収容可能な開口部を有する保持本体部と、
    前記光学系部品が前記開口部に収容された状態で前記被位置決め部へ向かって突出するように前記保持本体部に設けられた位置決め部とを備え、
    前記位置決め部は、前記被位置決め部の弧状に対応する凹状の位置決め面を含み、前記位置決め面の少なくとも一部が前記被位置決め部に接触可能に形成された、光学系部品の保持部品。
  2. 前記保持本体部および前記位置決め部は、一体形成された成形品である、請求項1記載の光学系部品の保持部品。
  3. 前記光学系部品は光軸を有し、前記被位置決め部は、前記光軸を中心とする円弧形状を有し、
    前記位置決め部は、前記光学系部品の前記光軸が前記保持本体部の前記開口部内の予め定められた位置を通るように前記光学系部品の前記被位置決め部に当接可能である、請求項1または2記載の光学系部品の保持部品。
  4. 前記被位置決め部の前記位置決め面は、前記光学系部品の光軸と平行に形成された、請求項3記載の光学系部品の保持部品。
  5. 前記保持本体部は、前記開口部内に複数の前記光学系部品を収容可能に構成され、
    前記位置決め部は複数設けられ、
    前記複数の位置決め部は、前記複数の光学系部品が前記開口部に収容された状態で前記複数の光学系部品の前記被位置決め部へそれぞれ向かって突出するように前記保持本体部に設けられ、前記複数の光学系部品の光軸が互いに一致するように前記複数の光学系部品の前記被位置決め部にそれぞれ当接可能である、請求項3または4記載の光学系部品の保持部品。
  6. 前記光学系部品は、前記被位置決め部および被支持部を含む外周部を有し、
    前記被位置決め部は、予め定められた寸法精度以上の寸法精度を有し、前記被支持部は、前記被位置決め部の寸法精度よりも低い寸法精度を有し、
    前記保持部品は、前記位置決め部が前記被位置決め部に当接するように前記被支持部を支持する支持部をさらに備えた、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学系部品の保持部品。
  7. 弧状の被位置決め部を有する光学系部品を保持する保持部品の製造方法であって、
    前記光学系部品を収容可能な開口部を有する保持本体部と、前記光学系部品が前記開口部に収容された状態で前記被位置決め部へ向かって突出するように前記保持本体部に設けられた位置決め部とを含む前記保持部品を作製するステップを含み、
    前記作製するステップは、前記位置決め部が前記被位置決め部の弧状に対応する凹状の位置決め面を含み、前記位置決め面の少なくとも一部が前記被位置決め部に接触可能となるように、前記位置決め部を形成するステップを含む、光学系部品の保持部品の製造方法。
  8. 前記作製するステップは、前記保持本体部および前記位置決め部が一体形成された成形品を前記保持部品として作製するステップを含む、請求項7記載の光学系部品の保持部品の製造方法。
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