JP2020041716A - 空気調和機 - Google Patents

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大輔 川添
Daisuke Kawazoe
大輔 川添
庸浩 金森
Yasuhiro Kanamori
庸浩 金森
広田 正宣
Masanori Hirota
正宣 広田
悠二 渡邉
Yuji Watanabe
悠二 渡邉
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【課題】空気調和機において、使用者の温冷感を考慮して、使用者にとって快適な運転を実現する。【解決手段】被空調空間の空気調和を行う空気調和機であって、被空調空間に存在する使用者のバイタルデータを取得するバイタルデータ取得部と、バイタルデータより使用者の快・不快情報を推定し空気調和機の風量、風向、風温のうち、少なくとも1つを制御する制御部と、を備え、推定した快・不快情報に応じて、使用者を快の範囲に誘導するように前記制御部が制御を行う前記空気調和機において、制御部はバイタルデータから推定された快・不快情報が統計学的に妥当である値であるかどうかを判定する判定部を有し、判定部が、快・不快情報を妥当でないと判定した場合の快・不快情報を用いず、妥当であると判定した快・不快情報のみを用いて得られた快・不快情報に基づいて制御する。【選択図】図8

Description

本発明は、空気調和機に関する。
従来より、使用者の心拍に基づいて運転を行う空気調和機が知られている。例えば、特許文献1に記載された空気調和機の場合、心拍波形におけるR−R間隔の波形部分をスペクトル解析する。次に、そのスペクトル解析に基づいて、低周波成分(LF)に対する高周波成分(HF)の比HF/LFを算出する。このHF/LFにより、使用者のストレス度を判断し、そのストレス度に基づいて運転を制御する、特に風量や風向について制御する。例えば、ストレス度が高い場合、そのストレスを下げるために、風量を減少させる、または使用者に風が当たらないように風向を上向きにする。一方、ストレス度が低い場合、そのストレスを上げるために、風量を増加する、使用者に風が当たるように風向を下向きする、または温度を下げる。
特開2002−89927号公報
しかしながら、特許文献1に記載された空気調和機の場合、使用者が快適と感じない運転を行う可能性がある。具体的に言えば、使用者が、暑くてストレスを感じている場合(暑くて不快な場合)と、寒くてストレスを感じている場合(寒くて不快)とを区別していない。すなわち、暑い、暖かい、涼しい、寒いなど、温度についての使用者の体感(温冷感)を考慮していない。そのため、例えば、冷房運転時に暑くて大きいストレスを感じているときに、風量を減少させてしまう、または使用者に風があたらないように風向を変更する、といった制御をしてしまうことによって、本来は冷やすべきところが冷えずに逆にストレスが大きくなる可能性がある。
また例えば、暖房運転時、快適に暖かくストレスを感じていないときに、風量を増加させる、または使用者に風が当たるように風向を変更する、といった制御をしてしまうことによって、本来は暖めるべきところが、逆に暑くてストレスが大きくなる可能性がある。その結果として、使用者が不快と感じる可能性がある。
そこで、本発明は、使用者の温冷感を考慮して、使用者にとって快適な運転を実行する空気調和機を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の空気調和機は、被空調空間の空気調和を行う空気調和機であって、前記被空調空間に存在する使用者のバイタルデータを取得するバイタルデータ取得部と、前記バイタルデータより前記使用者の快・不快情報を推定し前記空気調和機の風量、風向、風温のうち、少なくとも1つを制御する制御部と、を備え、前記推定した快・不快情報に応じて、前記使用者を快の範囲に誘導するように前記制御部が制御を行う前記空気調和機において、前記制御部は前記バイタルデータから推定された快・不快情報が統計学的に妥当である値であるかどうかを判定する判定部を有し、前記判定部が、快・不快情報を妥当でないと判定した場合の快・不快情報を用いず、妥当であると判定した快・不快情報のみを用いて得られた快・不快情報に基づいて制御するものである。
これによって、使用者にとって快適な空気調和を高精度で実現することができる。
本発明の空気調和機は、使用者の温冷感を考慮して使用者にとって快適な空気調和運転を実行することができる。
心拍波形の一例を示す図 PI度数分布の一例を示す図 温度環境による分散量を示す概念図 温度環境によるトーン値の分散量の実測値を示す図 温度環境によるエントロピー値の分散量の実測値を示す図 本発明の一実施の形態における空気調和機の配置を示す図 空気調和機の構成の概略図 空気調和機の制御系を示すブロック図 本発明の別の実施の形態における空気調和機の配置を示す図
第1の発明は、被空調空間の空気調和を行う空気調和機であって、被空調空間に存在する使用者のバイタルデータを取得するバイタルデータ取得部と、バイタルデータより使用者の快・不快情報を推定し空気調和機の風量、風向、風温のうち、少なくとも1つを制御する制御部と、を備え、推定した快・不快情報に応じて、使用者を快の範囲に誘導するように制御部が制御を行う前記空気調和機において、制御部がバイタルデータから推定された快・不快情報が統計学的に妥当である値であるかどうかを判定する判定部を有し、判定部が、快・不快情報を妥当でないと判定した場合の快・不快情報を用いず、妥当であると判定した快・不快情報のみを用いて得られた快・不快情報に基づいて制御することにより、使用者の温冷感を考慮して、使用者にとって快適な空気調和運転を高精度で実行することができる。
例えば、前記空気調和機の、前記運転制御部が、ある一定時間内又は心拍回数内で取得したデータから、前記トーン/エントロピー算出部によって算出されるトーン値とエントロピー値を基に前記分散量算出部を用いて前記使用者の快適な温冷感に対応する快適範囲Vsに収まるように、前記空気調和機の運転を制御する。
なお、快適と判定する、統計量として定義できる指標は、トーンおよびエントロピーの絶対値によってもよいし、前記トーンおよびエントロピーの分散量であってもよい。
空気調和機は、バイタルデータ取得部であるバイタルデータ測定デバイスとして、ミリ波を使用者に向かって出射し、当該使用者によって反射されたミリ波を受信し、その受信したミリ波に基づいて当該使用者の心拍を測定する心拍測定デバイスを有してもよい。
空気調和機は、前記バイタルデータ測定デバイスとして、使用者をカメラによって連続的に撮影し、その連続撮影画像に写る使用者の皮膚(顔面等)の色合いの変化に基づいて脈拍を測定する脈拍測定デバイスを有してもよい。
空気調和機は、前記バイタルデータ測定デバイスとして、使用者に装着され、使用者の心拍を測定する心電計を有してもよい。
空気調和機は、前記バイタルデータ測定デバイスとして、使用者に装着され、赤外線を使用者に向かって出射し、当該使用者によって反射された赤外線を受信し、その受信した赤外線に基づいて当該使用者の脈拍を測定する脈拍測定デバイスを有してもよい。
第2の発明は、バイタルデータ取得部は、前記使用者の心電位、脈波、心拍、体動、体温、人体からの放熱量のうち、少なくともひとつのバイタルデータを計測するセンシング手段を持ち、計測し取得した前記バイタルデータを用いて快・不快情報を推定することによって、使用者の快・不快に係る感覚を正確に推定し制御するので、快適な空気調和運転を高精度で実行することができる。
第3の発明は、時系列分析法を用いて前記バイタルデータから快・不快情報を推定するので、快適な空気調和運転を高精度で実行することができる。
第4の発明は、前記時系列分析法のうち、トーン・エントロピー法を用いて前記バイタルデータから快・不快情報を推定するので快適な空気調和運転を高精度で実行することができる。
第5の発明は、快・不快情報が生理学的に妥当であるか否かを判断するので、快適な空気調和運転を高精度で実行することができる。
第6の発明は、バイタルデータの情報あるいは快・不快情報のうち、妥当でない情報を判断して訂正するエラー訂正部を有するので、快適な空気調和運転を高精度で実行することができる。
第7の発明は、エラー訂正部が妥当と判断した情報のみを時間連続的に用いて制御するので、快適な空気調和運転を高精度で実行することができる。
第8の発明は、ある時刻の情報が妥当でないと判断された場合、前記時刻の直近の情報を用いて制御するので、快適な空気調和運転を高精度で実行することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明に係る空気調和機は、トーン・エントロピー法に基づいたものの応用である。具体的には、トーン・エントロピー法に基づいて算出される「トーン値」と「エントロピー値」とに基づいて算出される両値の分散量を用いて運転を制御する。以下トーン・エントロピー法について、まず説明する。
トーン・エントロピー法は、図1に示すように、心拍波形(心電図波形)におけるR−R間隔、すなわち心室の興奮周期の変化率に基づく心臓自律神経活動計測法であり、様々な分野で使用されている。このトーン・エントロピー法では、まず、R−R間隔の変化率PI(Percentage Index)を算出する。n(整数)番目のR−R間隔RRI(n)からn+1番目のR−R間隔RRI(n+1)への変化率PI(n)は、数式(1)を用いて算出される。
Figure 2020041716
数式(1)を用いて算出されるPIは、心拍数に関連している。PIが正の値である場合、それは心拍数が上昇していることを示している。心拍数の上昇は、交感神経系の活動が、副交感神経系の活動に比べて優位であることを示している。
一方、PIが負の値である場合、それは心拍数が減少していることを示している。心拍数の減少は、副交感神経系の活動が、交感神経系の活動に比べて優位であることを示している。
トーン値とエントロピー値とを算出するために、PIは一定の時間の間計測される(N(整数)個のPI値が取得される)。そのN個のPI値は、M(整数)個の階級別に分類される。その結果、図2に示すようなPIヒストグラム(PI度数分布)が作製される。例えば、階級iは、0〜1%の範囲であり、階級iの度数は、fiで示される。
トーン値Tは、PI度数分布におけるPIの平均値である。トーン値Tは、数式(2)を用いて算出される。
Figure 2020041716
数式(2)を用いて算出されるトーン値Tは、心拍数の増減のバランスを示しており、また、交感神経系と副交感神経系がどのようなバランスで活動しているかを示している。
エントロピー値Eは、PI度数分布における分布の均一性を示す指標である。エントロピー値Eは、数式(3)を用いて算出される。
Figure 2020041716
ここで、数式(3)内のp(i)は、階級iの生起確率である。生起確率p(i)は、数式(4)を用いて算出される。
Figure 2020041716
ここで、数式(4)内のfsumは、全階級の度数の合計である。
数式(3)〜(4)を用いて算出するエントロピー値Eが相対的に小さい値である場合、PI度数分布は、ゼロのPI値に近い階級(図2の場合、階級i、i−1)の度数が他の階級の度数に比べて著しく大きい分布(急峻な山形状の分布)をとる。このことは、自律神経の活動が弱く、心拍数がほとんど変化していないことを示している。一方、エントロピー値Eが相対的に大きい値である場合、PI度数分布は、各階級の度数が概ね均一な分布をとる。すなわち、R−R間隔の変化幅が大きく、PI値の絶対値が大きい。このことは、自律神経の活動が活発で、心拍数が大きく変動していることを示している。したがって、エントロピー値は、自律神経の活動の強弱を示している。
なお,トーン値とエントロピー値とを算出するために必要な心拍波形におけるR−R間隔RRIの代わりとして、心拍数や脈拍数を利用することも可能である。R−R間隔が、心拍数や脈拍数と対応関係にあるからである。例えば、R−R間隔が1秒である場合、心臓の心室が一秒間に一回収縮しているため、心拍数(1分あたり)は60回である。また、不整脈などの疾患がない場合には、心拍数と脈拍数は同一である。したがって、トーン値やエントロピー値を算出するために、心拍数や脈拍数を利用することが可能である。
トーン値やエントロピー値を利用するにあたって、それぞれの分散や標準偏差や変動係数等の統計学的な指標を用いる。例えば分散度合を示す統計量である分散Vを用いてもよい。一拍毎に算出されるトーン値又はエントロピー値をある一定数貯えトーン値又はエントロピー値の個々のデータ(x(i))と平均(X)の差を2乗し、それらを合計したものをデータの個数で割ることによって、トーン値T又はエントロピー値Eの分散の大きさを表す統計量(5)が算出される。
Figure 2020041716
このようなトーン・エントロピー法に基づくトーン値Tとエントロピー値Eとを空気調和機の運転制御に用いる理由は、本発明の発明者がトーン値Tとエントロピー値Eの分散量が、図3に示すように、空気調和機の使用者の「温冷感」と対応していることを発見したからである。なお、ここでの「温冷感」は、暑さ、温かさ、涼しさ、寒さなどの使用者の周囲環境温度についての体感を言う。
図3は、一被験者の複数の温度環境下におけるトーン値とエントロピー値の統計量の模式図である。省略しているが、縦軸はトーン値あるいはエントロピー値の分散量を表している。
発明者は、図3に示すように、暑すぎることもなくまた寒すぎることもない快適な体感(例えばPMV0の環境下)に対応するトーン値とエントロピー値の統計量範囲が存在することを、実験的に突き止めた。すなわち、使用者が快適と感じる快適な統計量の範囲Vsの存在を突き止めた。
また、発明者は同図に示すように、暑くて不快な体感に対応するトーン値とエントロピー値の統計量、不快な統計量範囲Vhを実験的に突き止めた。
さらに、発明者は同図に示すように、寒くて不快な体感に対応するトーン値とエントロピー値の統計量、不快な統計量範囲Vcを実験的に突き止めた。
このようなトーン値とエントロピー値の統計量と使用者の温冷感との対応関係は、温度が異なる複数の温度環境下に複数の使用者(被験者)をおき、その複数の使用者のトーン値とエントロピー値の統計量を計測することによって求めた。
図4は、一被験者の複数の温度環境下における上記の各体感に対するトーン値の統計量の実測値を示している。
また、図5は、一被験者の複数の温度環境下におけるエントロピー値の統計量の実測値を示している。
図4、図5に示すように、PMV1の温度環境下、すなわち被験者が暑くて不快に感じる環境下でのトーン値とエントロピー値の統計量と、PMV−1の温度環境下、すなわち被験者が寒くて不快に感じる環境下でのトーン値とエントロピー値の統計量とPMV−0の温度環境下、すなわち被験者が快適と感じる環境下でのトーン値とエントロピー値の統計量とは、それぞれの統計量が異なることがわかる。このことを利用して、分散量を求めれば被験者が感じている温冷感を一義的に求めることができる。
より具体的には、図4に示すように、暑くて不快である場合(PMV1の場合)のトーン値の統計量は、0.0016以上の数値を示し、一方、寒くて不快である場合(PMV−1の場合)のエントロピー値の分散量は、0.0012以下の数値を示している。
また、図5に示すように、暑くて不快である場合(PMV1の場合)のエントロピー値の分散量は、0.019以上の数値を示し、一方、寒くて不快である場合(PMV−1の場合)のエントロピー値の分散量は、0.011以下の数値を示している。
このように、図4、図5からも明らかなように、暑くて不快である場合の不快分散量は、寒くて不快である不快分散量Vcに対して、分散量は大きい。したがって、分散量に基づいて、使用者が、暑くて不快であるのか、あるいは寒くて不快であるのかを区別することが可能である。
また、図4、図5が示すように、使用者が快適と感じる場合(PMV0の場合)、その分散量は、暑すぎる場合の不快分散量範囲Vhと、寒すぎる場合の不快分散量範囲Vcとの中間範囲に分散量が収束する。
ところで、前述の各デバイスにより取得したバイタルデータは、様々なノイズ成分を含みうる。すなわち、例えば使用者がバイタルデータ測定デバイスとして心電計を装着し、心拍数を計測する場合において、使用者が体を動かすと、心電計には心電位に加え筋電位が入力し、心拍数を実際よりも多く計量する、あるいは筋電位の影響で心電位が計測できず、心拍数を実際よりも低く計量することが起り得る。
この筋電位に由来するノイズにより、計測値が実際の値と異なる状況が繰り返される場合は、デバイス出力に基づき演算を行う空気調和機の制御部においては、R−R間隔は変化幅が大きいと認識、自律神経系の活動が活発と誤判定することになる。
この場合、使用者は実際には自律神経系の活動が活発ではないにもかかわらず、空気調和機の制御部は活発であるとの判定に基づき、使用者を快適にすべく空気調和機の各要素を制御することになるため、使用者にとって不快な空調制御を行うことになる。
このため、空気調和機を快適に制御するには、バイタルデータ測定デバイスからの出力から、異常値を除去する必要がある。
本実施の形態においては、異常値の判定には、平均や分散、標準偏差等の統計学的に分散を表す指標を用いる。
平均μと標準偏差σの正規分布の場合、データが平均μから± 1σの区間に入る確率は0.683、同様に±2σの区間に入る確率は0.955、±3σの区間に入る確率は0.997である。このことを用いて異常値を排除することができる。
特に、心拍数やR−R間隔などのバイタルデータは、安静時において人体が安定的に制御しているため、平均μからの分散、すなわち標準偏差σは小さく、正規分布の確率密度関数をグラフ化した正規分布曲線は、鋭い釣鐘形状となる。
換言すれば正常なバイタルデータは、標準偏差σが小さいため、平均μの近傍の値をとることになる。このため、±3σの区間に入らないデータはすべてノイズとみなして除去し、残りのデータのみを正常データとしても差し支えない。±3σの区間に入らないデータを、空気調和機の制御に用いるデータから除外することで、空気調和機を使用者の正しいバイタルデータに基づいて制御することが可能となる。
このように、異常値の判定に平均μや標準偏差σなど統計学的な値を用いることで、判定するために特定の絶対値に依存することなく、異常値を除外することが可能となる。
また、使用者のバイタルデータは、既述のように人体が安定的に制御をしているため、通常、大きな変動は発生しない。しかしながら、例えば帰宅時のように現在の温熱環境と直前の温度履歴に変化がある場合や、空気調和機の運転や外気温が変動することにより、被空調室内の温熱環境が変化している場合や、使用者が着替えをおこなった場合など、使用者が安静にしていたとしても、現状の温熱環境に人体が適用するため、バイタルデータが変動することがあり得る。
空気調和機を使用している環境が概ね快適に近い温度環境に対し、安静にしている人体が適応する場合、各種のバイタルデータは鋭敏に反応するのではなく、緩やかに時間をかけて変化していくことになる。
この場合、バイタルデータが変化していくことにより、バイタルデータ測定デバイスから出力されるデータの平均μや標準偏差σは、データのサンプリング間隔により変動していくことになる。ここで、バイタルデータの変化は緩慢であるため、時間的限られた区間の統計学的な値の変化は微小となり、事実上変化しないものとみなしても差し支えはない。
本願発明者らの知見によれば、10分以内の時間であれば、完全に変動していないものとみなして差し支えなく、30分以内であれば、異常値を判定する際に問題は発生しなかった。むろん、異常値を除去する際に用いる「時間的に限られた区間」は、これらの時間に限定する必要はない。
また、空気調和機が使用者個人を識別する手段と使用者個人の過去のバイタルデータを蓄積する手段を搭載することもできる。
この場合、この使用者個人に対し、直近に空気調和機を運転した際に取得したバイタルデータに基づく直近の平均μp、直近の標準偏差σpに基づき、前述の手法で、今回の空調運転時におけるバイタルデータ測定デバイスから出力されるデータからの異常値を排除する。
この手法は、今回の空調運転時において、データの異常を判定するために充分なデータ量が蓄積されていない場合や、空気調和機の運転開始直後や、使用者が新たに被空調室内に入室してきた際において特に有用である。
異常値の判定には、バイタルデータ測定デバイスから得られた値が、生理学的に人の正常なバイタルデータとして妥当かどうかで判断することもできる。
安静時の心拍数の心拍数が、100回/分(bpm)を超える状態である頻脈から、さらに上回る状態の、例えば心拍数120bpm以上となる出力が一時的に発生すれば、そのデータは採用しない。
また、安静時の心拍数が60bpm未満の状態は、徐脈と定義される。この値からさらに下回る、例えば心拍数50bpm未満となる出力が一時的に発生すれば、そのデータは採用しない。
このように、各バイタルデータ計測デバイスから出力される値が、安静時の健康な人体として妥当な値であるかを、生理学的観点から判定する手段を、空気調和機の制御装置に持たせることで、異常値を除去することができる。
前述のように、各種の手段に基づいて異常データを除去する際には、使用者の安静状態を検知する手段、使用者の活動量を検知する手段、使用者の入室を検知する手段、使用者の着衣量を検知する手段、使用者の体温を検知する手段、使用者の放熱量を検知する手段、使用者個人を識別する手段、使用者個人の過去のバイタルデータを蓄積する手段、の少なくとも一つ、空気調和機に搭載する。これにより、精度よくバイタルデータ測定デバイスの出力から、データ異常値を除去することが可能となる。
なお、本段落に示した各種手段は、一つのデバイスが複数の手段を兼ねてもよく、またバイタルデータ測定デバイスが、各種手段を兼ねてもよい。
なお、上述した手段を含む各種の手段に基づいて、バイタルデータ測定デバイスの出力から異常データを除去することにより、例えば時間軸に対しデータの空白が生じるなどデータ欠損が発生し、これが空気調和機を制御する上で支障が出る場合は、この欠損を所定時間における平均μで補完することもできるし、欠損したデータの時間軸を詰めて、データを時間的に連続したものとみなして処理することもできる。
この所定時間は任意の時間を設定することが可能であるが、バイタルデータの時間変化を考慮し、10分以内のデータで補完することが望ましい。
本実施の形態においては、バイタルデータ測定デバイスの出力から、空気調和機に搭載されたエラー判定手段であるエラー訂正部により、各種の手法で異常判断されたデータ(以下、これを外れ値と呼ぶ)にはエラー情報が付与され、空気調和機の制御には採用されない。そして、エラー訂正部が妥当と判断したデータのみを連続的に用いて、空気調和機の制御をおこなう。
すなわち、外れ値を除去することにより、データ欠損が発生した場合は、データの空白を発生させず、欠損したデータの時間軸を詰めて、データを時間的に連続したものとみなして処理している。これにより連続したバイタルデータを取得することができる。
前述のトーン・エントロピー法などの処理を行った際においても、使用者の実際のバイタルデータと乖離のある空調を実施することを防止できる。
上述の通り、バイタルデータ測定デバイスの出力が、外れ値である場合におけるエラー訂正について説明したが、「トーン・エントロピー法」により算出される快・不快の判定結果から、誤りを訂正することもできる。
すなわち、被空調室内の温熱環境から算出されるPMVや室温情報に基づくと、明らかに不快と考えることが至当の温熱環境(例えば室温が10℃以下や35℃以上、PMVが±3の場合など)においても、快適と判定される場合は、「トーン・エントロピー法」により算出に基づく判定のほうが誤りとみなすことができる。
また、空気調和機が温度を変化させた場合、例えば室温を上昇させた場合において、「トーン・エントロピー法」により算出された温冷感が寒い方向に振れている場合、もしくは逆に室温を低下させた場合おいてに、算出された温冷感が暑い方向に上昇している場合は、「トーン・エントロピー法」によって算出された温冷感は誤りと判定し、空気調和機の制御は使用しないエラー判定手段を搭載することもできる。
以下、使用者のバイタルデータに基づき快適な空調を実現する空気調和機について、具体的に説明する。
図6は、本発明の一実施の形態に係る空気調和機が設置された室内(部屋)を概略的に示している。また、図7は、空気調和機の概略的な構成図である。さらに、図8は、空気調和機の制御系のブロック図である。
図7に示すように、本実施の形態に係る空気調和機10は、室内機12と室外機14とを有する。
図6に示すように、空気調和機10の室内機12は、部屋R内(室内)に設置される。室外機14は、部屋Rの外部(室外)に設置される。空気調和機10の使用者Uは、室内機12が設置された部屋R内に居る。
図7に示すように、空気調和機10は、室内機12に設けられた室内熱交換器16と、室外機14に設けられた室外熱交換器18と、冷媒を圧縮する圧縮機20と、冷媒の流れ方向を切り換える四方弁22と、冷媒を減圧する膨張弁24と、これらを接続する冷媒配管26とを有する。また、室内機12には、室内熱交換器16と熱交換した後の空気を室内に送風する室内ファン28と、室内機12から送出される風Wの向きを変更する上下ルーバー30とが設けられている。さらに、室外機14には、室外熱交換器18と熱交換した後の空気を屋外に送風する室外ファン32が設けられている。
図7は、冷房運転時の空気調和機10の状態を示している。冷房運転時、圧縮機20から吐出された冷媒は、四方弁22、室外熱交換器18、膨張弁24、室内熱交換器16、および四方弁22を順に通過して圧縮機20に戻る。一方、暖房運転時、圧縮機20から吐出された冷媒は、四方弁22、室内熱交換器16、膨張弁24、室外熱交換器18、および四方
室内ファン28は、冷房運転時には室内熱交換器16との熱交換によって冷やされた空気を部屋R内に向かって送風し、暖房運転時には室内熱交換器16との熱交換によって温められた空気を送風する。
上下ルーバー30は、室内機12から部屋R内に向かって送風される空気(室内熱交換器16と熱交換した後の空気)(風W)の向きを変更する。上下ルーバー30は、例えば部屋Rの天井に空気が向かう方向と床に空気が向かう方向との間で、送風方向を変更する。
室外ファン32は、室外熱交換器18と熱交換した後の屋外空気を再び屋外に排出する。
図8に示すように、空気調和機10は、圧縮機20、四方弁22、室内ファン28、上下ルーバー30、および室外ファン32を制御する制御装置50を有する。
制御装置50は、空気調和機10の運転を制御する、すなわち圧縮機20、四方弁22、室内ファン28、上下ルーバー30、および室外ファン32を制御する運転制御部52を有する。また、制御装置50は、使用者の心拍データを取得する心拍データ取得部54と、使用者のトーン値Tとエントロピー値Eとを算出するトーン/エントロピー値算出部56と、記憶部58と統計量算出部61とエラー訂正部62を有する。
制御装置50(その運転制御部52、心拍データ取得部54、およびトーン/エントロピー算出部56、統計量算出部61、エラー訂正部62)は、例えば室外機14に設けられ、マイクロコンピュータなどのCPU(演算処理装置)、ROMやRAMなどのメモリ(記憶部58)、これらを接続する回路、外部と通信するためのポートなどが設けられた制御基板である。制御装置50はまた、圧縮機20、四方弁22、室内ファン28、上下ルーバー30、および室外ファン32を制御するために、これらに対して信号線を介して接続されている。さらに、制御装置50は、記憶装置に記憶されているプログラムを演算処理装置が実行することにより、様々な動作を実行する。
図8に示すように、制御装置50は、リモートコントローラ34とバイタルデータ測定デバイス36と通信接続されている。
リモートコントローラ34は、図6に示すように、使用者Uが空気調和機10を操作するためのデバイス、すなわち空気調和機10の運転条件を使用者Uが設定するためのデバイスである。例えば、使用者がリモートコントローラ34を介して部屋R内の室内温度を設定すると(設定温度を入力すると)、その設定温度を維持するように室内温度を調節するために、制御装置50の運転制御部52が圧縮機20の出力を調節する。
また、使用者Uがリモートコントローラ34を介して冷房運転から暖房運転またはその逆に運転を変更した場合、運転制御部52が四方弁22を制御して冷媒の流れ方向を切り換える。
さらに、使用者Uがリモートコントローラ34を介して室内機12からの送風量を設定すると(設定風量を入力すると)、その設定風量を維持するように、運転制御部52が室内ファン28の回転数を調節する。
さらにまた、使用者Uがリモートコントローラ34を介して室内機12の送風方向を設定すると、その設定された送風方向になるように、運転制御部52が上下ルーバー30の水平軸に対する傾きを調節する。すなわち、風向を変えることにより、使用者Uへの送風量を調節する。
加えて、使用者Uがリモートコントローラ34を介して所定の室内湿度を設定すると(設定湿度を入力すると)、その設定湿度を実現するために、除湿運転では、運転制御部52は圧縮機20と四方弁22とを制御して実行し、加湿運転では、不図示の加湿手段(例えは空気調和機10と一体化した吸着デシカント式の無給水加湿手段や空気調和機10が制御可能な通信手段をもった別体式の加湿器等)を制御して実行する。
バイタルデータ測定デバイス36は、本実施の形態の場合、使用者の心拍測定を該使用者に接触することなく実行する非接触式デバイスであって、図6に示すように室内機12に搭載されている。
バイタルデータ測定デバイス36は、本実施の形態の場合、ミリ波を使用者Uに向かって出射し、当該使用者Uによって反射されたミリ波を受信し、その受信したミリ波に基づいて当該使用者の心拍を測定するように構成されている非接触式心拍測定デバイスである。バイタルデータ測定デバイス36は、定期的に使用者Uの心拍測定を行う。また、バイタルデータ測定デバイス36によって測定された心拍データは、制御装置50の心拍データ取得部54に送信される。
なお、バイタルデータ測定デバイス36は、使用者Uをカメラによって連続的に撮影し、その連続撮影画像に写る使用者の皮膚(特に顔の像)の色合いの変化に基づいて脈拍を測定する脈拍デバイスであってもよい。上述したように、心拍と脈拍は対応するからである。
バイタルデータ測定デバイス36からの心拍データを制御装置50の心拍データ取得部54が取得すると、そのデータはエラー訂正部62により、外れ値が除外される。
この外れ値の除外については、既に詳述しているため、ここでは説明を省略する。
このエラー訂正部62により訂正された心拍データは、制御装置50のトーン/エントロピー算出部56に送信され、トーン/エントロピー算出部56は、その取得したエラー訂正後の心拍データからトーン値Tとエントロピー値Eとを算出し(上述の数式(1)〜(4)に基づいて)、統計量算出部61は、ある一定時間又は、ある一定心拍数から取得した心拍データから快適・不快領域を示す統計量を算出する(上述の数式(1)〜(5)に基づいて)。
運転制御部52は、トーン/エントロピー算出部56によって算出されたトーン値Tおよびエントロピー値Eと、記憶部58に記憶されているトーン値とエントロピー値60を基に統計量算出部61によって算出された統計量に基づいて、使用者Uの温冷感を確認する。
ここで、トーン値Tおよびエントロピー値Eは、トーン/エントロピー算出部56によって、エラー訂正部62により外れ値が除去された心拍データに基づき算出されているため、使用者Uの実際のバイタルデータに基づいており、記憶部58に記憶されているトーン値とエントロピー値60を基に統計量算出部61によって算出された統計量に基づいてえられた、使用者Uの温冷感は、使用者Uの正確なバイタルデータを反映している。
トーン/エントロピー算出部56によって算出された統計量が図3における快適分散量範囲Vsに存在する場合、運転制御部52は、使用者が快適と感じている環境を維持するために、現在実行中の運転を維持する(すなわち、室内温度、送風量、送風方向、および室内湿度を維持する)。これにより、使用者の快適な体感を維持することができる。
また、トーン/エントロピー算出部56によって算出された分散量が図3における快適分散量範囲Vsの外に存在する場合、運転制御部52は、これからトーン/エントロピー算出部56によって算出されるトーン値Tとエントロピー値Eが快適分散量Vsに存在するように、運転を制御する。具体的には、圧縮機20、四方弁22、および室内ファン28、上下ルーバー30の少なくとも1つを制御して、室内温度、送風量、送風方向、および室内湿度の少なくとも1つを調節する。その調節が適当であるか否かは、その調節後に算出された分散量が快適分散量範囲Vsに収まるか否かで判断することができる。これにより、使用者を快適な体感にすることができる。
さらに、図3に示すように、トーン/エントロピー算出部56によって算出された分散量が使用者Uの暑くて不快な体感に対応する不快分散量範囲Vhに存在する場合、運転制御部52は、冷房運転時において、室内温度を低下させる運転、使用者Uへの送風量を増加させる運転、および室内湿度を低下させる運転の少なくとも1つを実行する。室内温度を低下させるために、圧縮機20の出力を上昇させる。また、使用者Uへの送風量を増加させるために、室内ファン28の回転数を上げる、および/または上下ルーバー30によって送風方向を床方向に変更する。さらに室内湿度を低下させるために除湿運転を行う。例えば、圧縮機20の出力が最大である場合には、室内ファン28の回転数が上げられる。なお、冷房運転時に使用者Uが暑くて不快な体感になる状況として、例えば、夏の暑い日に外出していた使用者Uが冷房運転によって十分に冷えた部屋Rに帰ってきた状況が挙げられる。
一方、暖房運転時においては、運転制御部52は、室内温度を低下させる運転、使用者Uへの送風量を減少させる運転、および室内湿度を低下させる運転の少なくとも1つを実行する。なお、暖房運転時に使用者Uが暑くて不快な体感になる状況として、例えば、使用者Uが暖かい食事をとった直後や風呂あがりの直後が挙げられる。
これらの運転制御により、不快分散量範囲Vhから快適分散量範囲Vsにシフトさせることができる。これにより、暑くて不快な使用者Uの体感を快適な体感にシフトさせることができる。
さらにまた、図3に示すように、トーン/エントロピー算出部56によって算出された分散量が使用者Uの寒くて不快な体感に対応する不快分散量範囲Vcに存在する場合、運転制御部52は、冷房運転時において、室内温度を上昇させる運転、使用者Uへの送風量を減少させる運転、および室内湿度を上昇させる運転の少なくとも1つを実行する。室内温度を上昇させるために、圧縮機20の出力を低下させる。使用者Uへの送風量を減少させるために、室内ファン28の回転数を下げる、および/または上下ルーバー30によって送風方向を天井方向に変更する。なお、冷房運転時に使用者Uが寒くて不快な体感になる状況として、例えば、使用者が冷たい食事をとった直後や服を脱いだ状況が挙げられる。
一方、暖房運転時においては、運転制御部52は、室内温度を上昇させる運転、使用者Uへの送風量を増加させる運転、および室内湿度を上昇させる運転の少なくとも1つを実行する。なお、暖房運転時に使用者Uが寒くて不快な体感になる状況として、例えば、使用者が、冬の寒い日に外出していた使用者Uが暖房運転によって十分に温められた部屋Rに帰ってきた状況が挙げられる。
これらの運転制御により、不快分散量範囲Vcから快適分散量範囲Vsにシフトさせることができる。これにより、寒くて不快な使用者Uの体感を快適な体感にシフトさせることができる。
以上、このような本実施の形態によれば、空気調和機において、使用者の温冷感を考慮して、使用者にとって快適な運転を実行することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、上述の実施の形態の場合、図3に示す分散量を用いて、空気調和機10の運転が使用者にとって快適な運転となるように制御される。しかしながら、本発明の実施の形態は、分散量に限らない。例えば、予め求められた、トーン値の分散量およびエントロピー値の分散量の組み合わせと使用者の温冷感との間の対応関係を示すテーブルや数式を用いてもよい。
また例えば、上述の実施の形態の場合、図6に示すように、使用者Uの心拍(対応する脈拍)を測定するバイタルデータ測定デバイス36は、空気調和機10(その室内機12)に搭載される、非接触式の測定デバイスである。これに代わって、バイタルデータ測定デバイスは、接触式であってもよい。
図9は、本発明の別の実施の形態に係る空気調和機が配置された部屋を示している。
図9に示す空気調和機110は、バイタルデータ測定デバイスを除いて、上述の実施の形態に係る空気調和機10と実質的に同一である。
図9に示す空気調和機110は、使用者に着脱可能に装着される接触式バイタルデータ測定デバイス136を有する。このバイタルデータ測定デバイス136は、例えばベルト(図示せず)を介して使用者Uの胸に装着され、使用者Uの心拍を測定する心拍計である。また、このバイタルデータ測定デバイス136は、無線通信を介して、室内機112(制御装置の心拍データ取得部)に心拍データを送信するように構成されている。
なお、これに代わって、使用者に装着される接触式バイタルデータ測定デバイス136は、腕時計型であって、赤外線を使用者の血液(血管)に向かって出射し、当該使用者によって反射された赤外線を受信し、その受信した赤外線(その反射量)に基づいて当該使用者の脈拍を測定する脈拍測定デバイスであってもよい。
すなわち、本発明の実施の形態に係る空気調和機は、広義には、室内にいる使用者の脈拍または心拍を測定するバイタルデータ測定デバイスと、トーン・エントロピー法を用いて前記バイタルデータ測定デバイスの検出結果から、エラー訂正部により外れ値が除外されたデータを用いて、トーン値とエントロピー値とを算出するトーン/エントロピー算出部と、トーン値およびエントロピー値の組み合わせと前記使用者の温冷感との間の対応関係に基づいて、前記トーン/エントロピー算出部によって算出されるトーン値とエントロピー値とが前記使用者の快適な温冷感に対応するトーン値およびエントロピー値の組み合わせとなるように、前記空気調和機の運転を制御する運転制御部と、を有する空気調和機である。
本実施の形態においては、バイタルデータとして心拍を採用した例を詳述している。
空気調和機が制御に使用するバイタルデータは、心拍のみに限定されず、心拍、心電位、脈波、体動、体温、人体からの放熱量、を含むバイタルデータのうち、少なくともひとつをセンシング可能なバイタルデータ計測デバイスを具備し、前記バイタルデータ計測デバイスの出力を用いて、公知である各種の判定手法に基づき、使用者の快・不快情報、乃至は温冷感を算出することができる手段を備えた、空気調和機においても有用である。
この場合、バイタルデータ計測デバイス36からの出力は、同様にエラー訂正部62により外れ値が除外されたのち、制御装置50内に搭載されている快・不快情報算出部(この一例が、先述の「トーン/エントロピー算出部60」および「統計量算出部61」である。)において、使用者Uの快・不快情報、乃至は温冷感情報を出力する。
これにより、使用者の実際のバイタルデータと乖離のある空調を実施することを防止でき、使用者に対し快適な温度環境に制御可能な、空調調和機を提供できる。
本発明は、空気調和機であれば適用可能である。
10 空気調和機
12 室内機
14 室外機
16 室内熱交換器
18 室外熱交換器
20 圧縮機
22 四方弁
24 膨張弁
28 室内ファン
30 上下ルーバー
32 室外ファン
34 リモートコントローラ
36 バイタルデータ測定デバイス
52 運転制御部
54 心拍データ取得部
56 トーン/エントロピー算出部
58 記憶部
61 統計量算出部
62 エラー訂正部

Claims (8)

  1. 被空調空間の空気調和を行う空気調和機であって、前記被空調空間に存在する使用者のバイタルデータを取得するバイタルデータ取得部と、前記バイタルデータより前記使用者の快・不快情報を推定し前記空気調和機の風量、風向、風温のうち、少なくとも1つを制御する制御部と、を備え、前記推定した快・不快情報に応じて、前記使用者を快の範囲に誘導するように前記制御部が制御を行う前記空気調和機において、前記制御部は前記バイタルデータから推定された快・不快情報が統計学的に妥当である値であるかどうかを判定する判定部を有し、前記判定部が、快・不快情報を妥当でないと判定した場合の快・不快情報を用いず、妥当であると判定した快・不快情報のみを用いて得られた快・不快情報に基づいて制御することを特徴とする空気調和機。
  2. 前記バイタルデータ取得部は、前記使用者の心電位、脈波、心拍、体動、体温、人体からの放熱量のうち、少なくともひとつのバイタルデータを計測するセンシング手段を持ち、計測し取得した前記バイタルデータを用いて快・不快情報を推定することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 時系列分析法を用いて前記バイタルデータから快・不快情報を推定することを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の空気調和機。
  4. 前記時系列分析法のうち、トーン・エントロピー法を用いて前記バイタルデータから快・不快情報を推定することを特徴とする請求項3に記載の空気調和機。
  5. 前記快・不快情報が生理学的に妥当であるか否かを判断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気調和機。
  6. 前記バイタルデータの情報あるいは快・不快情報のうち、妥当でない情報を判断して訂正するエラー訂正部を有することを特徴とする請求項請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気調和機。
  7. 前記エラー訂正部が妥当と判断した情報のみを時間連続的に用いて制御することを特徴とする請求項6に記載の空気調和機。
  8. ある時刻の情報が妥当でないと判断された場合、前記時刻の直近の情報を用いて制御することを特徴とする請求項6記載の空気調和機。
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