JP2020041693A - 伝動用vベルトおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で、生産性に優れ、圧縮ゴム層における亀裂の発生を低減できるローエッジタイプVベルトを提供する。【解決手段】圧縮ゴム層5の内周面の少なくとも一部の領域を樹脂被膜6で被覆してローエッジタイプVベルト1を作製する。前記熱可塑性樹脂の融点は、ベルトの加硫温度よりも低く、かつベルト使用時の温度よりも高くてもよい。前記熱可塑性樹脂はポリプロピレン系樹脂であってもよい。前記樹脂被膜の平均厚みは10〜100μmであってもよい。前記ローエッジタイプVベルトの圧縮ゴム層がコグ部を有し、かつ樹脂被膜が少なくともコグ部のコグ谷を被覆していてもよい。前記樹脂被膜は圧縮ゴム層の内周面全体を被覆してもよい。前記ローエッジタイプVベルトは、ローエッジコグドVベルトであってもよい。【選択図】図3

Description

本発明は、ローエッジVベルトやローエッジコグドVベルトなどのローエッジタイプの伝動用Vベルトおよびその製造方法に関する。
摩擦伝動により動力を伝達するVベルト(伝動用Vベルト)には、摩擦伝動面(V字状側面)が露出したゴム層であるローエッジ(Raw-Edge)タイプ(ローエッジVベルト)と、摩擦伝動面がカバー布で覆われたラップド(Wrapped)タイプ(ラップドVベルト)とがあり、摩擦伝動面の表面性状(ゴム層とカバー布との摩擦係数)の違いから用途に応じて使い分けられている。また、ローエッジタイプのベルトには、コグを設けないローエッジVベルトの他、ベルトの下面(内周面)のみにコグを設けて屈曲性を改善したローエッジコグドVベルトや、ベルトの下面(内周面)および上面(外周面)の両方にコグを設けて屈曲性を改善したローエッジコグドVベルト(ローエッジダブルコグドVベルト)がある。
ローエッジVベルトは、耐側圧性や伝達力を向上する観点からはベルト全体の厚みを厚くする要求がある。一方で、耐屈曲疲労性や伝達効率を向上する観点からはベルト全体の厚みを薄くするなどして、屈曲性を良好に保つ要求もある。ローエッジコグドVベルトはローエッジVベルトにコグを設けることで、このような二律背反の要求に応えることができる。つまり、コグ山により摩擦伝動面を大きくして耐側圧性や伝達力を向上することができると同時に、コグ谷により屈曲性を良好に保つ工夫がなされている。ローエッジコグドVベルトの外観は歯付ベルトと類似する部分はあるものの、歯部がプーリ溝と嵌合してかみ合い伝動を行う歯付ベルトとは動力伝達機構が全く異なる別の種類の伝動ベルトである。つまり、ローエッジコグドVベルトの下面(内周面)はプーリとは接触せずに、側面がプーリと接触して摩擦伝動を行う。
ところで、前記の通りローエッジコグドVベルトは、コグ谷の存在により屈曲性を向上させているため、プーリに巻きかかる際にはコグ谷の屈曲がコグ山の屈曲よりも大きくなる。そのため、コグ谷において繰り返し屈曲される圧縮ゴム層の疲労が大きくなり、コグ山に比べてコグ谷の圧縮ゴム層に亀裂が発生し易くなる。
このようなコグ谷における亀裂の発生を抑制する方法として、コグ部の表面を織布などの補強布で覆うことが広く行われている。例えば、特開2016−164455号公報(特許文献1)には、圧縮ゴム層のコグ部が補強布で覆われ、前記補強布がコグ山に対応する位置で接合されている伝動ベルトが開示されている。このような構成によると、コグ谷における応力の均一化を図ることができ、屈曲時に補強布の伸縮の追随が不十分となることも抑制される。また、耐屈曲疲労性を向上することができ、コグ谷において早期に亀裂が生じてしまうことを抑制できると記載されている。
特許文献1に開示されるように、コグ部を補強布で覆う方法は一定の効果が得られるものの、コグ山よりもコグ谷での亀裂が発生し易いことは避けられない問題であり、さらなる改良が求められている。また、補強布で覆う方法では、補強布に起因する特有の問題も発生する。
まず、特許文献1の製造方法では、織布などを伝動ベルトの補強布として用いるには、切断工程、接着液浸漬工程、広角処理工程、乾燥工程を含む補強布作製工程を経る必要がある。さらに、補強布や未加硫ゴムシートを積層して積層体を形成する工程では、補強布をピニオンロールなどによってコグ付き型に押し込む必要がある。そのため、生産性を向上する点からも、補強布の使用は好ましくない。
一方、コグ谷を補強する別の方法として、特開2010−151253号公報(特許文献2)には、ベルト内周面の側面または全面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなるコーティング膜が形成されているコグ付Vベルトが開示されている。このような構成によると、巻き付き径が小さくなる小径プーリに使用された場合であっても、コグ亀裂が発生しないことが記載されている。そして、DLC膜をコーティングする方法として公知の高周波プラズマCVD法が利用できること、DLC膜の膜厚は1〜5μmであることが記載されている。
しかし、特許文献2に開示の構成は、ベルト1本毎にDLC膜を形成する作業を行わなければならないため、生産性が低下する上に、新たな設備投資が必要でコスト面からも不利である。
特開2016−164455号公報(請求項1、段落[0017][0065][0106]、図13) 特開2010−151253号公報(請求項1および3、段落[0014])
従って、本発明の目的は、安価で、生産性に優れ、圧縮ゴム層における亀裂の発生を低減できるローエッジタイプVベルトおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、圧縮ゴム層の亀裂の発生を低減できるローエッジタイプVベルトの開発に当たり、補強布で内周面のコグ部を被覆したローエッジコグドVベルトの圧縮ゴム層における亀裂の原因を解明することから着手したが、特許文献1にも記載の通り、ベルトの屈曲時に応力が集中し易いため、コグ谷(ベルトが一番薄い部分)に亀裂が入ることが多かった。一方、本発明者らが原因解明のための試行を続けると、同一のスリーブから切り出した複数のベルト(同ロット品)を同じ条件で耐久試験すると、いずれのベルトでも周内の同じ位置でコグ谷の亀裂が発生し易い傾向があることが判明した。すなわち、数あるコグ谷の中でも、特定のコグ谷において亀裂が発生し易くなる現象が確認できた。このような現象について観察および解析を繰り返した結果、本発明者らは、以下のような原因によって起こると推定した。
ローエッジコグドVベルトは、コグ溝が形成されたコグ付き型(平金型や特許文献1の図12に記載されている円筒状金型など)のコグ溝に、特許文献1の図13に記載されているように、ピニオンロールを使用して補強布を押し込んだ後、未加硫ゴムシートを補強布で被覆されたコグ溝に圧入して、補強布とゴム組成物との積層体で形成されたコグパッドを製造する過程を経て得られる。コグ溝に押し込まれた補強布は、柔軟性に優れている場合には、図1に示すように、補強布11は、コグ付き型12の表面に形成されたコグ溝に沿って隙間なく押し込まれるが、実際の補強布は、平織り帆布であり、柔軟性が十分ではないため、図2に示すように、一部のコグ溝においては、補強布とコグ溝との間に隙間13が生じると推定される。すなわち、補強布をピニオンロールなどによってコグ付き型に押し込んだとしても、補強布の全長に亘ってコグ付き型に完全に沿わせるのは困難であり、補強布がコグ付き型に十分押し込まれない部分が発生して、補強布がコグ付き型表面から幾分浮いた状態となっていると推定される。図2のような隙間が生じると、隙間が生じていないコグ溝に比べて、その隙間によってコグ付き型(ベルトのコグ山)に対して補強布の長さが不足するため、未加硫ゴムシートを圧入する際に、他のコグ溝と比較して補強布が過剰に伸長される。余計に伸ばされた補強布は厚みが薄くなって強度が低下すると共に、補強布が伸びる際に経糸と緯糸とのなす角が小さくなることにより補強布の伸縮性が低下する。補強布の伸縮性が低下すると、ベルトの屈曲性が低下するため、屈曲性が低下した部分では、ベルトが屈曲する際に他の部分と比較して大きな応力が発生するようになる。そのため、補強布が伸ばされた箇所では屈曲疲労が他の部分よりも促進されて、コグ谷の亀裂が発生し易くなると推定できる。
補強布としては、伸縮性を向上させるために、ベルト長手方向に対して織り目(経糸と緯糸)が斜めを向いたバイアス帆布が使用され、さらに経糸と緯糸との角度を120°程度の広角に形成した広角帆布も利用されている。しかし、バイアス処理や広角処理を施して糸がベルト長さ方向に対して大きな角をなすようにして伸縮性を高めても、前述のような隙間が発生すると、織布が伸び切って柔軟性が低下する。
このような現象は、未加硫ゴムシートが圧入されると、隙間が消失して肉眼では異変を容易に観察できず、当業者であっても気付くことは困難であるため、これまで適切な対応がなされてこなかったと思われる。これに対して、本発明者らは、このような補強布により起こる不具合を解消するために、ローエッジタイプの伝動用Vベルトの圧縮ゴム層の内周面を被覆する補強布の代わりに柔軟性や伸縮性に優れた樹脂被膜を用いることにより、安価で、生産性に優れ、圧縮ゴム層における亀裂の発生を低減できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のローエッジタイプVベルトは、圧縮ゴム層と、この圧縮ゴム層の内周面の少なくとも一部の領域を被覆する樹脂被膜とを含む。前記樹脂被膜が熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。前記熱可塑性樹脂の融点は、ベルトの加硫温度よりも低く、かつベルト使用時の温度よりも高くてもよい。前記熱可塑性樹脂はポリプロピレン系樹脂であってもよい。前記樹脂被膜の平均厚みは10〜100μmであってもよい。前記ローエッジタイプVベルトの圧縮ゴム層がコグ部を有し、かつ樹脂被膜が少なくとも前記コグ部のコグ谷を被覆していてもよい。前記樹脂被膜は圧縮ゴム層の内周面全体を被覆してもよい。前記ローエッジタイプVベルトは、ローエッジコグドVベルトまたはローエッジダブルコグドVベルトであってもよい。
本発明には、圧縮ゴム層の内周面の少なくとも一部の領域を樹脂被膜用前駆体で被覆した状態で加硫することにより樹脂被膜を形成する樹脂被膜形成工程を含む前記ローエッジタイプVベルトの製造方法も含まれる。前記樹脂被膜形成工程において、圧縮ゴム層用シートの一方の面を樹脂被膜用前駆体で被覆し、コグ付き型に圧入してコグ部前駆体を形成した後、加硫することによりローエッジコグドVベルトを製造してもよい。前記樹脂被膜用前駆体は熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。この熱可塑性樹脂の引張弾性率は1000MPa以下であり、かつ引張伸度は300%以上であってもよい。
本発明では、ローエッジタイプVベルトの圧縮ゴム層の内周面を樹脂被膜で被覆すると、安価で、生産性に優れ、圧縮ゴム層における亀裂の発生を低減でき、ベルト寿命を向上できる。特に、ローエッジコグドVベルトにおいて、ベルト周内の特定の箇所における亀裂の発生を抑制できる。
図1は、ローエッジコグドVベルトの製造過程において、補強布がコグ付き型に隙間なく押し込まれた理想の状態を示す概略図である。 図2は、ローエッジコグドVベルトの製造過程において、補強布がコグ付き型に押し込まれた実際の状態を示す概略図である。 図3は、本発明のローエッジコグドVベルトの一例を示す概略部分断面斜視図である。 図4は、図3のローエッジコグドVベルトをベルト長手方向に切断した概略断面図である。 図5は、本発明のローエッジコグドVベルトの製造方法における樹脂被膜形成工程を説明するための概略図である。 図6は、実施例および比較例で得られたローエッジコグドVベルトの耐久走行試験を説明するための概略図である。
[ローエッジタイプVベルト]
本発明のローエッジタイプVベルト(ローエッジタイプの伝動用Vベルト)は、少なくとも一部の領域が樹脂被膜で被覆された圧縮ゴム層を含むローエッジタイプVベルトであれば、特に限定されない。ローエッジタイプVベルトには、ローエッジVベルト、ローエッジコグドVベルトが含まれる。さらに、ローエッジコグドVベルトは、ローエッジVベルトの内周側のみにコグが形成されたローエッジコグドVベルトと、ローエッジVベルトの内周側及び外周側の双方にコグが形成されたローエッジダブルコグドVベルトとに大別できる。これらのうち、コグ谷(コグ底)で発生する亀裂を効果的に抑制できる点から、ローエッジVベルトの少なくとも内周側にコグ部が形成されたローエッジコグドVベルトが好ましい。
図3は、本発明のローエッジコグドVベルトの一例を示す概略部分断面斜視図であり、図4は、図3のローエッジコグドVベルトをベルト長手方向に切断した概略断面図である。
この例では、ローエッジコグドVベルト1は、ベルト本体の内周面に、ベルトの長手方向(図中のA方向)に沿ってコグ山1aとコグ谷1bとが交互に並んで形成されたコグ部を有しており、このコグ山1aの長手方向における断面形状は略半円状(湾曲状又は波形状)であり、長手方向に対して直交する方向(幅方向又は図中のB方向)における断面形状は台形状である。すなわち、各コグ山1aは、ベルト厚み方向において、コグ谷1bからA方向の断面において略半円状に突出している。ローエッジコグドVベルト1は、積層構造を有しており、ベルト外周側から内周側(コグ部が形成された側)に向かって、補強布2、伸張ゴム層3、接着ゴム層4、圧縮ゴム層5、樹脂被膜6が順次積層されている。ベルト幅方向における断面形状は、ベルト外周側から内周側に向かってベルト幅が小さくなる台形状である。さらに、接着ゴム層4内には、芯体4aが埋設されており、前記コグ部は、コグ付き成形型により圧縮ゴム層5に形成されている。
[樹脂被膜]
本発明では、圧縮ゴム層の少なくとも一部の領域を樹脂被膜で被覆することにより、圧縮ゴム層における亀裂の発生を低減できるとともに、ベルトの生産性も向上できる。詳しくは、品質面では、樹脂被膜の柔軟性および伸縮性により、ローエッジタイプVベルトが繰り返し屈曲されたとしても亀裂の発生を抑制できる。また、従来の補強布のような糸角度の変化によるベルト屈曲性への影響を排除できるため、特定の箇所で屈曲性が低下するのを抑制でき、亀裂の発生を防止してローエッジタイプVベルトの寿命を向上できる。
特に、少なくとも内周側にコグ部を有するローエッジコグドVベルトでは、樹脂被膜は補強布と比較して柔軟性や伸縮性に富むため、従来の補強布を用いた製造方法のように、予めコグ付き型に押し込む必要はなく、樹脂被膜と未加硫ゴムシートとの積層体を直接、コグ付き型に圧入することにより、コグ表面が樹脂被膜で被覆されたコグパッドを得ることができる。すなわち、製造方法の詳細は後述するが、図5に示すように、圧縮ゴム層を形成するための未加硫ゴムシート15の一方の面に樹脂被膜を形成するためのシート状前駆体14を積層した積層体のシート状前駆体14をコグ付き型16と対向させ、積層体をコグ付き型のコグに圧入することにより(図5(a))、前記積層体の樹脂被膜側の表面にコグ山15aが形成されたコグパッドが得られ(図5(b))、このコグパッドを加硫することにより、ローエッジコグドVベルトを製造できる。このような製造方法では、補強布をコグ付き型に押し込む工程が不要であるため、ベルトの生産性を向上できる。また、樹脂被膜の柔軟性や伸縮性が十分でない場合や樹脂被膜の厚みの均一性を向上させたい場合などは、補強布を用いた従来の製造方法と同様に、樹脂被膜のみをピニオンロールなどでコグ付き型に押し込んだ後に未加硫ゴムシートを圧入する方法を採用することもできる。この場合は、樹脂被膜を押し込む工程は省略できないものの、より多くの工程を必要とする補強布作製工程は省略できるため、従来の製造方法に比べて生産性は格段に向上する。
樹脂被膜に含まれる樹脂成分は、熱硬化性樹脂であってもよいが、柔軟性や伸縮性に優れ、コグ表面に沿わせ易く、ベルトの屈曲性を阻害しない点から、熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂など)、ポリエステル系樹脂(脂肪族ポリエステルなど)、ポリカーボネート系樹脂(脂肪族ポリカーボネートなど)、ポリアミド系樹脂(脂肪族ポリアミドなど)、ポリウレタン系樹脂(ポリエステル型ポリウレタンなど)などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
熱可塑性樹脂は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの結晶性樹脂であってもよく、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどの非晶性樹脂であってもよいが、脆くなく、圧縮ゴム層の亀裂を抑制できる点から、結晶性樹脂が好ましい。さらに、これらの熱可塑性樹脂のうち、金型への非付着性とゴム(特に、エチレン−α−オレフィンエラストマー)に対する接着性とのバランスに優れる点から、ポリオレフィンが好ましく、ポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー(単独重合体)であってもよく、ポリプロピレンコポリマー(共重合体)であってもよい。コポリマーに含まれる共重合性単量体としては、例えば、プロピレン以外の前記α−オレフィンや、前記α−オレフィン以外の共重合性単量体などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの共重合性単量体のうち、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン、1−オクテンなどのα−C2−8オレフィンが好ましい。共重合性単量体の割合は好ましくは30モル%以下(例えば0.01〜30モル%)、より好ましくは20モル%以下(例えば0.1〜20モル%)、さらに好ましくは10モル%以下(例えば1〜10モル%)程度である。コポリマーは、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などであってもよい。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレンと共重合可能なモノマーとの共重合体(プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体などの二元共重合体;プロピレン−エチレン−ブテン−1などの三元共重合体)などが含まれる。これらのポリプロピレン系樹脂のうち、ポリプロピレン(プロピレンの単独重合体)が好ましい。ポリプロピレン系樹脂は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
熱可塑性樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)において(ポリスチレン換算)、例えば1万〜100万、好ましくは2万〜50万、さらに好ましくは3万〜30万程度である。分子量が小さすぎると、機械的特性が低下して、圧縮ゴム層の亀裂を抑制する効果が低下する虞がある。一方、大きすぎると、圧縮ゴム層に対する接着性が低下したり、ベルトの屈曲性が低下して耐久性が低下する虞がある。
熱可塑性樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)の融点は、ベルトの加硫温度よりも低く、かつベルト使用時の温度よりも高い温度であるのが好ましく、例えば、ベルトの加硫温度をT℃とするとき、例えば(T−100)℃〜(T−1)℃、好ましくは(T−50)℃〜(T−2)℃、さらに好ましくは(T−30)℃〜(T−3)℃程度である。具体的な熱可塑性樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)の融点は、例えば100〜180℃(例えば100〜165℃)、好ましくは130〜170℃、さらに好ましくは140〜165℃(特に145〜160℃)程度である。熱可塑性樹脂の融点がこのような範囲にあると、ベルト作製時には被膜を容易に形成することができると共に、ベルト使用時には被膜としての強度を損なわない。熱可塑性樹脂の融点がベルト使用時の温度よりも低いと、ベルト使用時に樹脂が溶融して被膜としての機能を果たせない虞がある。逆に、加硫温度よりも高いと、熱可塑性樹脂が加硫時に溶解しないためにゴムへの密着性が低下して、使用中に剥がれる虞がある。
熱可塑性樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)の引張弾性率は1000MPa以下であってもよく、例えば100〜1000MPa、好ましくは200〜900MPa、さらに好ましくは300〜800MPa、より好ましくは500〜750MPa、最も好ましくは600〜730MPa程度である。引張弾性率が大きすぎると、コグパッド作製時の圧入が困難となる虞がある。
熱可塑性樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)の引張伸度は300%以上であってもよく、例えば300〜2000%、好ましくは400〜1500%、さらに好ましくは500〜1000%、より好ましくは550〜800%、最も好ましくは570〜700%程度である。引張伸度が小さすぎると、コグパッド作製時の圧入が困難となる虞がある。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、引張弾性率および引張伸度は、JIS K7127(1999)に準拠して測定できる。また、本明細書および特許請求の範囲において、熱可塑性樹脂の引張弾性率および引張伸度は、樹脂被膜用前駆体を構成する熱可塑性樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)の引張弾性率および引張伸度を意味する。
本発明では、熱可塑性樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)の引張弾性率および引張伸度が前記範囲を有することにより、コグパッド作製時の圧入を円滑に進めることができる。このような引張弾性率および引張伸度を有する熱可塑性樹脂(樹脂被膜用前駆体を構成する熱可塑性樹脂)は、延伸樹脂フィルムであってもよいが、生産性の点から、無延伸樹脂フィルムである場合が多く、無延伸ポリプロピレン系樹脂(または無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム)が特に好ましい。
樹脂成分(特に、熱可塑性樹脂)の割合は、樹脂被膜中50質量%以上であってもよく、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、100質量%(樹脂成分のみ)であってもよい。樹脂成分の割合が少なすぎると、樹脂被膜の柔軟性が低下する虞がある。
樹脂被膜は、樹脂成分に加えて、慣用の添加剤、例えば、可塑剤、軟化剤、接着性改善剤、着色剤、粘着付与剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、潤滑剤、難燃剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。慣用の添加剤の割合は、樹脂成分100質量部に対して30質量部以下(例えば0.1〜10質量部程度)である。
樹脂被膜は、圧縮ゴム層の内周面の少なくとも一部の領域を被覆していればよいが、圧縮ゴム層における亀裂の発生を有効に低減できる点から、内周面全体の面積に対して50%以上であってもよく、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上であり、耐亀裂性の向上加えて、生産性も向上できる点から、100%(圧縮ゴム層の内周面全体を被覆)が最も好ましい。
ローエッジVベルトの少なくとも内周側にコグ部が形成され、圧縮ゴム層がコグ部を有する場合は、樹脂被膜は、圧縮ゴム層の内周面において、少なくともコグ部のコグ谷を被覆するのが好ましい。さらに、圧縮ゴム層がコグを有する場合でも、耐亀裂性および生産性を向上できる点から、圧縮ゴム層の内周面全体を樹脂被膜で被覆するのが最も好ましい。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、コグ部のコグ谷とは、コグ部を有する圧縮ゴム層の薄肉部を形成する部分を意味し、通常、ベルト内周側に突起した隣接するコグ山間にある曲面状または平面状の谷部または溝部(湾曲した溝部またはベルト面方向に平行な面状溝部)を意味する。
樹脂被膜の平均厚みは、例えば10〜100μm、好ましくは15〜80μm、さらに好ましくは20〜50μm(特に25〜40μm)程度である。樹脂被膜の厚みが薄すぎると、作業性の低下や被膜としての強度が低下する虞があり、厚すぎると、ベルトの屈曲性を低下させる虞がある。
本明細書および特許請求の範囲において、樹脂被膜の平均厚みはベルト断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真において、任意の5箇所の厚みを平均して求めることができる。
なお、樹脂被膜は、圧縮ゴム層の内周面を被覆していればよく、圧縮ゴム層の側面を含むベルト側面も樹脂被膜で被覆してもよいが、生産性や経済性などの点から、ベルト側面は樹脂被膜で被覆されていないのが好ましい。
[圧縮ゴム層]
本発明のローエッジタイプVベルトにおいて、圧縮ゴム層は、第1のゴム成分を含むゴム組成物(加硫ゴム組成物)で形成されている。
(第1のゴム成分)
第1のゴム成分としては、加硫または架橋可能なゴムを用いてよく、例えば、ジエン系ゴム[天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、水素化ニトリルゴムなど]、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。これらのゴム成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
これらのうち、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴムが好ましく、ベルト重量の低減などにより、省燃費性を向上でき、かつ耐オゾン性、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐亀裂性などの耐久性を向上できる点から、エチレン−α−オレフィンエラストマー[エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)など]が特に好ましい。
第1のゴム成分がエチレン−α−オレフィンエラストマーを含む場合、第1のゴム成分中のエチレン−α−オレフィンエラストマーの割合は、省燃費性および耐久性を向上できる点から、50質量%以上であってもよく、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上(特に90〜100質量%)であり、100質量%(エチレン−α−オレフィンエラストマーのみ)が最も好ましい。第1のゴム成分がクロロプレンゴムを含む場合のクロロプレンゴムの割合も、前記エチレン−α−オレフィンエラストマーの割合と同様である。
(第1の短繊維)
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物は、第1の短繊維をさらに含んでいてもよい。第1の短繊維としては、ポリアミド短繊維(ポリアミド6短繊維、ポリアミド66短繊維、ポリアミド46短繊維、アラミド短繊維など)、ポリアルキレンアリレート短繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)短繊維、ポリエチレンナフタレート短繊維など)、液晶ポリエステル短繊維、ポリアリレート短繊維(非晶質全芳香族ポリエステル短繊維など)、ビニロン短繊維、ポリビニルアルコール系短繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)短繊維などの合成短繊維;綿、麻、羊毛などの天然短繊維;カーボン短繊維などの無機短繊維などが挙げられる。これら第1の短繊維は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、アラミド短繊維、PBO短繊維が好ましく、アラミド短繊維が特に好ましい。
第1の短繊維は、繊維状に延伸した繊維を所定の長さにカットした短繊維であってもよい。第1の短繊維は、プーリからの側圧に対するベルトの圧縮変形を抑制するため(耐側圧性を高めるため)、ベルト幅方向に配向して圧縮ゴム層中に埋設されることが好ましい。また、表面の摩擦係数を低下させてノイズ(発音)を抑制したり、プーリとの擦れによる摩耗を低減できるため、圧縮ゴム層の表面より短繊維を突出させるのが好ましい。
第1の短繊維の平均繊維長は、屈曲性を低下させることなく耐側圧性および耐摩耗性を向上できる点から、例えば0.1〜20mm、好ましくは0.5〜15mm(例えば0.5〜10mm)、さらに好ましくは1〜6mm(特に2〜4mm)程度であってもよい。第1の短繊維の繊維長が短すぎると、列理方向の力学特性を十分に高めることができずに耐側圧性および耐摩耗性が低下する虞があり、逆に長すぎると、ゴム組成物中の短繊維の配向性が低下することにより屈曲性が低下する虞がある。
第1の短繊維の単糸繊度は、屈曲性を低下させることなく高い補強効果を付与できる点から、例えば1〜12dtex、好ましくは1.2〜10dtex(例えば1.5〜8dtex)、さらに好ましくは2〜5dtex(特に2〜3dtex)程度である。単糸繊度が大きすぎると配合量当たりの耐側圧性や耐摩耗性が低下する虞があり、単糸繊度が小さすぎるとゴムへの分散性が低下することにより屈曲性が低下する虞がある。
第1の短繊維は、第1のゴム成分との接着力を高めるために、汎用の接着処理を行ってもよい。このような接着処理としては、エポキシ化合物またはポリイソシアネート化合物を含む処理液に浸漬する方法、レゾルシンとホルムアルデヒドとラテックスとを含むRFL処理液に浸漬する方法、ゴム糊に浸漬する方法などが挙げられる。これらの処理は単独で適用してもよく、2種以上を組み合わせて適用してもよい。
第1の短繊維の割合は、第1のゴム成分100質量部に対して、例えば5〜50質量部、好ましくは5〜40質量部(例えば8〜35質量部)、さらに好ましくは10〜30質量部(特に20〜30質量部)程度である。第1の短繊維が少なすぎると耐側圧性および耐摩耗性が低下し、多すぎると加工性が低下したり、ベルトの屈曲性が低下することで耐久性が低下する虞がある。
(他の成分)
圧縮ゴム層を形成するゴム組成物は、加硫剤または架橋剤(または架橋剤系)(硫黄系加硫剤など)、共架橋剤(ビスマレイミド類など)、加硫助剤または加硫促進剤(チウラム系促進剤など)、加硫遅延剤、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン、酸化アルミニウムなど)、補強剤(カーボンブラックや、含水シリカなどの酸化ケイ素)、充填剤(クレー、炭酸カルシウム、タルク、マイカなど)、軟化剤(パラフィンオイルやナフテン系オイルなどのオイル類など)、加工剤または加工助剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワックス、パラフィン、脂肪酸アマイドなど)、老化防止剤(酸化防止剤、熱老化防止剤、屈曲き裂防止剤、オゾン劣化防止剤など)、着色剤、粘着付与剤、可塑剤、カップリング剤(シランカップリング剤など)、安定剤(紫外線吸収剤、熱安定剤など)、難燃剤、帯電防止剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。なお、金属酸化物は架橋剤として作用してもよい。
[伸張ゴム層]
本発明のローエッジタイプVベルトは、第2のゴム成分を含むゴム組成物(加硫ゴム組成物)で形成された伸張ゴム層をさらに含んでいてもよい。
第2のゴム成分としては、第1のゴム成分で例示されたゴム成分を利用でき、好ましい態様も第1のゴム成分と同一である。第2のゴム成分は、第1のゴム成分と異なるゴム成分であってもよいが、通常、第1のゴム成分と同一である。
伸張ゴム層を形成するゴム組成物も、耐側圧性および耐摩耗性をより向上できる点から、第2の短繊維を含むのが好ましい。圧縮ゴム層だけでなく、伸張ゴム層も短繊維として第2の短繊維を含むと、耐側圧性および耐摩耗性がさらに向上する。第2の短繊維としては、第1の短繊維で例示された短繊維を利用でき、好ましい態様および割合も第1の短繊維と同一である。第2の短繊維は、第1の短繊維と異なる短繊維であってもよいが、通常、第1の短繊維と同一である。
伸張ゴム層を形成するゴム組成物も、圧縮ゴム層を形成するゴム組成物で例示された他の成分をさらに含んでいてもよい。
[接着ゴム層]
本発明の伝動用Vベルトは、第3のゴム成分を含むゴム組成物(加硫ゴム組成物)で形成された接着ゴム層をさらに含んでいてもよい。
第3のゴム成分としては、第1のゴム成分で例示されたゴム成分を利用でき、好ましい態様も第1のゴム成分と同一である。第3のゴム成分は、第1のゴム成分と異なるゴム成分であってもよいが、通常、第1のゴム成分と同一である。
接着ゴム層を形成するゴム組成物も、圧縮ゴム層を形成するゴム組成物で例示された短繊維や他の成分をさらに含んでいてもよい。
[芯体]
芯体としては、特に限定されないが、通常、ベルト幅方向に所定間隔で配列した心線(撚りコード)を使用できる。心線は、ベルトの長手方向に延びて配設され、通常、ベルトの長手方向に平行に所定のピッチで並列的に延びて配設されている。心線は、少なくともその一部が接着ゴム層と接していればよく、接着ゴム層が心線を埋設する形態、接着ゴム層と伸張ゴム層との間に心線を埋設する形態、接着ゴム層と圧縮ゴム層との間に心線を埋設する形態のいずれの形態であってもよい。これらのうち、耐久性を向上できる点から、接着ゴム層が心線を埋設する形態が好ましい。
心線を構成する繊維としては、前記短繊維と同様の繊維が例示できる。前記繊維のうち、高モジュラスの点から、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレートなどのC2−4アルキレン−アリレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維(ポリアルキレンアリレート系繊維)、アラミド繊維などの合成繊維、炭素繊維などの無機繊維などが汎用され、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート系繊維、ポリエチレンナフタレート系繊維など)、ポリアミド繊維が好ましい。繊維はマルチフィラメント糸であってもよい。マルチフィラメント糸の繊度は、例えば2000〜10000dtex(特に4000〜8000dtex)程度であってもよい。マルチフィラメント糸は、例えば100〜5000本であってもよく、好ましくは500〜4000本、さらに好ましくは1000〜3000本程度のモノフィラメント糸を含んでいてもよい。
心線としては、通常、マルチフィラメント糸を使用した撚りコード(例えば、諸撚り、片撚り、ラング撚りなど)を使用できる。心線の平均線径(撚りコードの直径)は、例えば0.5〜3mmであってもよく、好ましくは0.6〜2mm、さらに好ましくは0.7〜1.5mm程度であってもよい。
心線は、ゴム成分との接着性を改善するため、短繊維と同様の方法で接着処理(または表面処理)されていてもよい。心線は、少なくともRFL液で接着処理するのが好ましい。
[補強布]
本発明のローエッジタイプVベルトにおいて、補強布を使用する場合、伸張ゴム層の表面に補強布を積層する形態に限定されず、例えば、伸張ゴム層に補強層を埋設する形態(例えば、特開2010−230146号公報に記載の形態など)であってもよい。補強布は、例えば、織布、広角度帆布、編布、不織布などの布材(好ましくは織布)などで形成でき、必要であれば、前記接着処理、例えば、RFL液で処理(浸漬処理など)したり、接着ゴムを前記布材に擦り込むフリクションや、前記接着ゴムと前記布材とを積層(コーティング)した後、伸張ゴム層の表面に積層してもよい。
[ローエッジタイプVベルトの製造方法]
本発明の伝動用Vベルトの製造方法は、圧縮ゴム層の内周面の少なくとも一部の領域を樹脂被膜用前駆体で被覆した状態で加硫することにより樹脂被膜を形成する樹脂被膜形成工程を含む以外は、特に限定されず、各層の積層工程(ベルトスリーブの製造方法)に関しては、慣用の方法を利用できる。
樹脂被膜形成工程では、圧縮ゴム層の内周面の少なくとも一部の領域を樹脂被膜用前駆体で被覆するが、被覆方法は、特に限定されず、樹脂被膜用前駆体の形態に応じて慣用の方法を利用できる。ローエッジコグドVベルトの場合、内周面全体を被覆する方法としては、前述のように、図5に記載された方法(圧縮ゴム層用シートの一方の面を樹脂被膜用前駆体で被覆し、樹脂被膜用前駆体と圧縮ゴム層用シートとの積層体を一体的にコグ付き型に圧入する方法)や、樹脂被膜用前駆体のみをピニオンロールなどでコグ付き型に押し込んだ後に圧縮ゴム層用シートを圧入する方法などを利用できる。これらの方法のうち、生産性に優れる点から、前記積層体を一体的にコグ付き型に圧入する方法が好ましい。
樹脂被膜は、加硫後に膜(フィルム)を形成していればよいため、樹脂被膜用前駆体の形態は特に限定されない。すなわち、樹脂被膜用前駆体の形態は、フィルムまたはシートに限定されず、加硫時の熱によって溶解して膜を形成可能な形態、例えば、不織布、織布、編布などの繊維構造体(布帛)であってもよく、粉体や絡合していない短繊維の集合物(非成形体)などであってもよい。樹脂被膜用前駆体が非成形体である場合は、慣用の粉体塗装方法やコーティング方法を利用して圧縮ゴム層用シート(未加硫ゴム)の表面を被覆してもよい。
樹脂被膜用前駆体がフィルム状またはシート状である場合、圧縮ゴム層用シートとの間にエアが溜まって接着不良が発生するのを防止するため、フィルムまたはシート状前駆体に微小な孔(貫通孔)を形成するのが好ましい。微小孔の平均孔径(直径)は、例えば0.1〜0.5mm、好ましくは0.2mm程度である。微小孔のピッチ(間隔)は、例えば1〜2mm、好ましくは1mm程度である。微小な孔の形成方法(孔加工法)は、特に限定されず、例えば、物理的に穿孔する方法として、表面に複数の針(突起)を有するローラを転がす方法などを利用できる。
また、樹脂被膜用前駆体がフィルム状またはシート状である場合、圧縮ゴム層用シートとの接着性を向上させるために、フィルムまたはシート状前駆体に表面処理を施すのが好ましい。表面処理には、表面粗面化加工および/または表面化学修飾が含まれる。表面処理方法としては、例えば、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、サンドブラスト、化学薬品処理(ナフタレンエッチング、アンモニアエッチングなど)などが例示できる。これらのうち、化学薬品処理以外の方法は、表面粗面化加工の効果が得られ、化学薬品処理は、表面粗面化加工と表面化学修飾との両方の効果が同時に得られる処理であってもよい。
さらに、樹脂被膜用前駆体がフィルム状またはシート状である場合、樹脂被膜用前駆体の平均厚みは、例えば20〜150μm、好ましくは25〜100μm、さらに好ましくは30〜80μm(特に40〜60μm)程度である。樹脂被膜用前駆体の厚みが薄すぎると、樹脂被膜が破れたり、作業性が低下する虞があり、厚すぎると、ベルトの屈曲性を低下させる虞がある。
例えば、図5に記載の方法でローエッジコグドVベルトを製造する場合、シート状樹脂被膜用前駆体と圧縮ゴム層用シート(未加硫ゴム)とからなる積層体を、前記樹脂被膜用前駆体を下にして歯部と溝部とを交互に配した平坦なコグ付き型に設置し、温度60〜100℃(特に70〜80℃)程度でプレス加圧することによってコグ部を型付けしたコグパッド(完全には加硫しておらず、半加硫状態にあるパッド)を作製した後、このコグパッドの両端をコグ山の頂部から垂直に切断してもよい。さらに、円筒状の金型に歯部と溝部とを交互に配した内母型を被せ、この歯部と溝部に係合させてコグパッドを巻き付けてコグ山の頂部でジョイントし、この巻き付けたコグパッドの上に第1の接着ゴム層用シート(下接着ゴム:未加硫ゴム)を積層した後、芯体となる心線を螺旋状にスピニングし、この上に第2の接着ゴム層用シート(上接着ゴム:前記第1の接着ゴム層用シートと同じ)、伸張ゴム層用シート(未加硫ゴム)、補強布(上布)を順次巻き付けて成形体を作製してもよい。その後、ジャケットを被せて金型を加硫缶に設置し、温度120〜200℃(特に150〜180℃)程度で加硫してベルトスリーブを調製した後、カッターなどを用いて、V状に切断加工してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例で使用した使用材料の詳細を以下に示す。
[使用材料]
CR(クロロプレンゴム):DENKA(株)製「PM−40」
EPDM:ダウ・デュポン社製「NORDEL(登録商標)IP4640」、エチレン含有量55質量%、エチリデンノルボルネン含有量4.9質量%
アラミド短繊維:帝人(株)製「トワロン(登録商標)」、モジュラス88cN、繊度2.2dtex、繊維長3mm
ナフテン系オイル:出光興産(株)製「ダイアナ(登録商標)プロセスオイルNS−90S」
カーボンブラックHAF:東海カーボン(株)製「シースト(登録商標)3」
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック(登録商標)AD−F」
加硫促進剤DM:大内新興化学工業(株)製「ノクセラー(登録商標)DM」
加硫促進剤TT:大内新興化学工業(株)製「ノクセラー(登録商標)TT」
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製「ノクセラー(登録商標)CZ」
シリカ:エボニックジャパン(株)製、「ULTRASIL(登録商標)VN3」、BET比表面積175m/g
心線:1100dtexのアラミド繊維を2×3の撚り構成で、上撚り係数3.0、下撚り係数3.0で諸撚りした総繊度6600dtexの撚りコードに接着処理を施した処理コード
帆布:PET繊維とアラミド繊維からなる平織り帆布に120度の広角処理および接着処理を施した処理帆布
無延伸PP1:サントックス(株)製「LU02」、無延伸ポリプロピレン、厚み50μm、引張弾性率720MPa、引張伸度610%
無延伸PP2:サントックス(株)製「LU02」、無延伸ポリプロピレン、厚み30μm、引張弾性率750MPa、引張伸度550%
無延伸PP3:サントックス(株)製「LU02」、無延伸ポリプロピレン、厚み20μm、引張弾性率840MPa、引張伸度490%
延伸PP:東レ(株)製「トレファンBO」、引張伸度60%
綿短繊維:繊維径15μm、長さ0.5mm。
実施例1〜5および比較例1〜2
[ゴム層の形成]
表1(圧縮ゴム層、伸張ゴム層)および表2(接着ゴム層)のゴム組成物は、それぞれ、バンバリーミキサーなどの公知の方法を用いてゴム練りを行い、この練りゴムをカレンダーロールに通して圧延ゴムシート(圧縮ゴム層用シート、伸張ゴム層用シート、接着ゴム層用シート)を作製した。なお、短繊維は、RFL液(レゾルシン及びホルムアルデヒドと、ラテックスとしてのビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックスとを含有)で接着処理し、固形分の付着率6質量%の短繊維を用いた。RFL液として、レゾルシン2.6質量部、37%ホルマリン1.4質量部、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス17.2質量部、水78.8質量部を用いた。
Figure 2020041693
Figure 2020041693
得られた圧縮ゴム層用シートの加硫ゴム物性を評価した結果を表3に示す。
[ベルトの製造]
実施例1〜2および4〜5では、圧入によってコグパッドを製造した。すなわち、表3に示す樹脂被膜用前駆体(無延伸PP1〜3)と表3に示す圧縮ゴム層用シート(未加硫ゴム)との積層体を、樹脂被膜用前駆体を下にして歯部と溝部とを交互に配した平坦なコグ付き型に設置し、75℃でプレス加圧することによってコグ部を型付けしたコグパッド(完全には加硫しておらず、半加硫状態にある)を作製した。
一方、実施例3および比較例1では、歯部と溝部とを交互に配した平坦なコグ付き型に、ピニオンロールにより樹脂被膜用前駆体としての延伸PPまたは補強布用前駆体としての帆布を押し込んだ。その上に表3に示す圧縮ゴム層用シート(未加硫ゴム)を設置し、75℃でプレス加圧することによってコグ部を型付けしたコグパッド(完全には加硫しておらず、半加硫状態にある)を作製した。
さらに、比較例2では、歯部と溝部とを交互に配した平坦なコグ付き型のコグ表面に、補強布用前駆体としての綿短繊維を静電付着させ、その上に表3に示す圧縮ゴム層用シート(未加硫ゴム)を設置し、75℃でプレス加圧することによってコグ部を型付けしたコグパッド(完全には加硫しておらず、半加硫状態にある)を作製した。
次に、それぞれ得られたコグパッドの両端をコグ山の頂部から垂直に切断した。
円筒状の金型に歯部と溝部とを交互に配した内母型を被せ、この歯部と溝部に係合させてコグパッドを巻き付けてコグ山の頂部でジョイントし、この巻き付けたコグパッドの上に、表3に示す接着ゴム層用シート(未加硫ゴム)を積層した後、心線を螺旋状にスピニングし、この上に接着ゴム層用シート(上記接着ゴム層用シートと同じ)と表3に示す伸張ゴム層用シート(未加硫ゴム)とを順次巻き付けて成形体を作製した。その後、ベルト外周側にコグ形状を形成するための外母型およびジャケットを被せて金型を加硫缶に設置し、温度170℃、時間40分で加硫してベルトスリーブを得た。このスリーブをカッターでV字状に切断して、ベルト内周側と外周側にコグを有する変速ベルトであるローエッジダブルコグドVベルト(サイズ:上幅33.0mm、厚み16.0mm、内側のコグ高さ6.0mm、内側のコグ数77、外周910mm)を作製した。なお、ベルト背面にはマークが付されており、マークがスタートする位置の内側のコグ谷をコグ谷位置No.1とし、そこから順にコグ谷位置No.2〜コグ谷位置No.77として識別することとし、特定のコグ谷で亀裂が発生しやすくなっているかどうかを確認できるようにした。
[耐久走行試験]
耐久走行試験は、図6に示すように、直径120mmの駆動プーリ22、直径120mmの従動プーリ23、直径75mmの背面アイドラプーリ24を備える走行試験機を用いて行った。各プーリにローエッジコグドVベルト21を掛架し、アイドラプーリ24へのベルト巻きかけ角度が160度となるように調節し、駆動プーリ22の回転数を3600rpm、軸荷重付加機構25によって発生させる軸荷重(デッドウェイト)を115kgfとし、雰囲気温度70℃にてベルト21を走行させ、コグ谷に亀裂が発生するまでの時間を測定した。試験は同じスリーブから切り出したベルト3本について連続して試験を行い、亀裂が発生したコグ谷位置No.を記録した。
実施例1〜5および比較例1〜2で得られたローエッジダブルコグドVベルトの評価結果を表3に示す。
Figure 2020041693
表3の結果から明らかなように、補強布として帆布を用いた比較例1ではコグ谷亀裂発生までの時間が短かった。また、走行させた3本のベルトは全てコグ谷位置No.52に亀裂が発生しており、特定のコグ谷で亀裂が発生しやすくなる現象が確認された。
また、ベルト底面を綿短繊維で被覆した比較例2でもコグ谷亀裂発生までの時間は18時間と短く、耐久性が特に低い結果であった。このような結果は、短繊維同士の繋がりがないために屈曲による亀裂の発生や成長を抑制する効果が極めて弱いことによると推定できる。
一方、ベルト底面を無延伸ポリプロピレンのフィルムで被覆した実施例1では、コグ谷亀裂発生までの時間が延び、耐久性の向上が見られた。また、EPDM系のゴム配合とした実施例2では、コグ谷亀裂発生までの時間がさらに延びた。EPDM自体の耐亀裂性の高さや、ポリプロピレン被膜とEPDM系のゴム組成物との接着性の高さにより、CR系のゴム組成物とした実施例1よりも良好な結果になったと考えられる。実施例1および2ともにコグ谷亀裂が発生したコグ谷位置No.は3本のベルトで異なっており、帆布で補強した場合のような特定のコグ谷で亀裂が発生し易くなる現象は確認されなかった。
また、実施例3は、実施例2の無延伸ポリプロピレンフィルムを延伸ポリプロピレンフィルムに変更した例であるが、耐久性は実施例2と同等であった。なお、実施例3では、実施例1のように、樹脂被膜用前駆体と圧縮ゴム層用シートとの積層体を一体的にコグ付き型に圧入することによって、コグパッドを作製しようとしたが、前記前駆体であるポリプロピレンフィルムの伸びが不足して、フィルムに破れが発生したため、比較例1と同様に、ピニオンロールを用いて樹脂被膜用前駆体である延伸ポリプロピレンフィルムをコグ付き型にあらかじめ押し込んだ後に圧縮ゴム層用シートを圧入する必要があった。そのため、実施例2と比較すると、ピニオンロール使用による工数が増加し、生産性が低かった。
さらに、実施例4および5は、実施例2の無延伸ポリプロピレンフィルムの厚みを変更した例であるが、厚み30μmのフィルムを用いた実施例4では、ベルトのコグ表面を被覆する樹脂被膜の厚みは16μmとなり、厚み20μmのフィルムを用いた実施例5では、ベルトのコグ表面を被覆する樹脂被膜の厚みは10μmとなった。実施例4ではベルトの耐久性は、実施例2と比べると若干低下したものの、問題ないレベルであったが、コグ付き型に樹脂フィルムおよび未加硫ゴムシートを積層する際に、樹脂フィルムが皺になりやすく、作業性が若干低下した。また、実施例5では、樹脂被膜の一部に破れが見られ、耐久走行試験には供していないが、耐久性の低下が懸念された。
本発明のローエッジタイプVベルトは、ローエッジVベルト、コグ部を有するローエッジコグドVベルトなどに適用でき、コグ谷での亀裂を有効に抑制できる点から、ローエッジコグドVベルト、ローエッジダブルコグドVベルトに有用である。
1…ローエッジコグドVベルト
2…補強布
3…伸張ゴム層
4…接着ゴム層
4a…芯体
5…圧縮ゴム層
6…樹脂被膜

Claims (11)

  1. 圧縮ゴム層と、この圧縮ゴム層の内周面の少なくとも一部の領域を被覆する樹脂被膜とを含む、ローエッジタイプVベルト。
  2. 樹脂被膜が熱可塑性樹脂を含む請求項1記載のローエッジタイプVベルト。
  3. 熱可塑性樹脂の融点がベルトの加硫温度よりも低く、かつベルト使用時の温度よりも高い請求項2記載のローエッジタイプVベルト。
  4. 熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂である請求項2または3記載のローエッジタイプVベルト。
  5. 樹脂被膜の平均厚みが10〜100μmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のローエッジタイプVベルト。
  6. 圧縮ゴム層がコグ部を有し、かつ樹脂被膜が少なくとも前記コグ部のコグ谷を被覆する請求項1〜5のいずれか一項に記載のローエッジタイプVベルト。
  7. 樹脂被膜が圧縮ゴム層の内周面全体を被覆する請求項1〜6のいずれか一項に記載のローエッジタイプVベルト。
  8. ローエッジコグドVベルトまたはローエッジダブルコグドVベルトである請求項1〜7のいずれか一項に記載のローエッジタイプVベルト。
  9. 圧縮ゴム層の内周面の少なくとも一部の領域を樹脂被膜用前駆体で被覆した状態で加硫することにより樹脂被膜を形成する樹脂被膜形成工程を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載のローエッジタイプVベルトの製造方法。
  10. 樹脂被膜形成工程において、圧縮ゴム層用シートの一方の面を樹脂被膜用前駆体で被覆し、コグ付き型に圧入してコグ部前駆体を形成した後、加硫することによりローエッジコグドVベルトを製造する請求項9記載の製造方法。
  11. 樹脂被膜用前駆体が熱可塑性樹脂を含み、この熱可塑性樹脂の引張弾性率が1000MPa以下であり、かつ引張伸度が300%以上である請求項9または10記載の製造方法。
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