JP2020040617A - 重畳画像表示装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

重畳画像表示装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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賢二 渡邊
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Abstract

【課題】複数の画像が重複することを防止し、車両の乗員に複数の画像を継続して明確に視認させることを可能にした重畳画像表示装置及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】車両から視認される周辺環境の変化に連動して表示位置が変化する第1案内画像56と、車両から視認される周辺環境の変化に表示位置が連動しない第2案内画像57と、を車両周辺の周辺環境に重畳して視認させる場合において、第1案内画像56と第2案内画像57が重複することが予測される場合に、第1案内画像56と第2案内画像57が重複する前に第1案内画像56と重複しない態様へと第2案内画像57の表示態様を変更するように構成する。【選択図】図8

Description

本発明は、車両の走行支援を行う重畳画像表示装置及びコンピュータプログラムに関する。
従来より、車両の乗員に対して経路案内や障害物の警告等の車両の走行支援を行う為の各種情報を提供する情報提供手段として、様々な手段が用いられている。例えば、車両に設置された液晶ディスプレイによる表示や、スピーカから出力する音声等である。そして、近年、このような情報提供手段の一つとして、ヘッドアップディスプレイ(以下、HUDという)やウインドウシールドディスプレイ(以下、WSDという)のように車両の周辺環境(風景、実景)に重畳する画像を表示することによって、情報の提供を行う装置がある。
例えば、特開2005−201635号公報には、車両のフロントガラスに対して画像を表示する手段を備え、案内経路に沿った車両の進行方向を示す矢印の画像をフロントガラスに対して表示する際に、車両の乗員に車両前方の道路に重畳して矢印を視認させる為の表示位置を3次元地図情報に基づいて算出し、算出された表示位置に対して矢印の画像を表示する技術について開示されている。
特開2005−201635号公報(第6−8頁)
ここで、車両の周辺環境に重畳して視認させる画像によって車両の乗員に提供する情報としては様々な情報がある。例えば上記特許文献1のような車両の進行方向を示す矢印の画像以外に、車両周辺にある他車両や歩行者に対する警告画像や車両に関する情報(例えば現在車速)を案内する画像等を表示対象とする。
また、各画像の表示位置は画像毎の条件に基づいて決定される。例えば車両の進行方向を示す矢印の画像は車両の乗員から視認される前方の道路に対して重畳する位置に表示され、警告画像は車両の乗員から視認される他車両や歩行者に対して重畳する位置に表示され、車両に関する情報を案内する画像は周辺環境に関わらず固定位置(例えばフロントガラスの下縁中央付近)に表示される。従って、複数の画像を同時に表示する場合では、特定の状況において複数の画像が重複して表示される問題があった。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、車両の周辺環境に重畳して視認させる複数の画像について今後に重複することが予想される場合に、表示態様を変更しても影響が少ない画像について重複する前に予め表示態様を変更することによって、複数の画像が重複することを防止し、車両の乗員に複数の画像を継続して明確に視認させることを可能にした重畳画像表示装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明に係る重畳画像表示装置は、車両に搭載され、画像を前記車両周辺の周辺環境に重畳して視認させる重畳画像表示装置であって、前記画像は、前記車両から視認される周辺環境の変化に連動して表示位置が変化する第1の案内画像と、前記車両から視認される周辺環境の変化に表示位置が連動しない第2の案内画像と、を含み、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する表示態様変更手段を有する。
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、車両の走行支援を行うプログラムである。具体的には、車両に搭載され、画像を前記車両周辺の周辺環境に重畳して視認させる重畳画像表示装置を、前記画像として、前記車両から視認される周辺環境の変化に連動して表示位置が変化する第1の案内画像と、前記車両から視認される周辺環境の変化に表示位置が連動しない第2の案内画像と、を表示する案内画像表示手段と、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する表示態様変更手段と、して機能させる。
前記構成を有する本発明に係る重畳画像表示装置及びコンピュータプログラムによれば、車両の周辺環境に重畳して視認させる第1の案内画像と第2の案内画像について今後に重複することが予想される場合に、表示態様を変更しても影響が少ない第2の案内画像について重複する前に予め表示態様を変更することによって、第1の案内画像と第2の案内画像が重複することを防止する。それによって、第1の案内画像と第2の案内画像によって提供する情報に大きな影響を与えることなく、車両の乗員に第1の案内画像と第2の案内画像のいずれについても継続して明確に視認させることを可能にする。
本実施形態に係る重畳画像表示装置の概略構成図である。 本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。 本実施形態に係る走行支援処理プログラムのフローチャートである。 車両の今後の走行軌跡の算出例を示した図である。 車両の乗員から視認される第1案内画像及び第2案内画像の虚像の例を示した図である。 警告対象物の今後の移動軌跡の算出例を示した図である。 車両の乗員から視認される第1案内画像と第2案内画像の虚像が重複する例を示した図である。 第2案内画像の表示位置を変更することによって第1案内画像と第2案内画像の虚像の重複を回避する例を示した図である。 第2案内画像の表示サイズを変更することによって第1案内画像と第2案内画像の虚像の重複を回避する例を示した図である。 第1案内画像において車両の乗員に視認させることが重要な領域を示した図である。 表示範囲決定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
以下、本発明に係る重畳画像表示装置を具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る重畳画像表示装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係る重畳画像表示装置1の概略構成図である。
図1に示すように重畳画像表示装置1は、車両2に搭載されたナビゲーション装置3と、同じく車両2に搭載されるとともにナビゲーション装置3と接続されたフロントディスプレイ4とを基本的に有する。尚、フロントディスプレイ4は後述のように車両2のフロントガラス5とともにヘッドアップディスプレイとして機能し、車両2の乗員6に対して様々な情報の提供を行う情報提供手段となる。
ここで、ナビゲーション装置3は、目的地までの推奨経路を探索したり、サーバから取得したりメモリに格納された地図データに基づいて車両2の現在位置周辺の地図画像を表示したり、設定された案内経路に沿った走行案内や障害物に対する警告等をフロントディスプレイ4とともに行う機能を有する。尚、上記機能の全てをナビゲーション装置3が備えている必要はなく、少なくとも案内経路に沿った走行案内や障害物に対する警告等を行う機能を有していれば本願発明を構成することが可能である。尚、ナビゲーション装置3の構造の詳細については後述する。
一方、フロントディスプレイ4は、車両2のダッシュボード7内部に設置され、前面に設けられた映像表示面に対して映像を表示する機能を有する液晶ディスプレイである。バックライトとしては例えばCCFL(冷陰極管)や白色LEDが用いられる。尚、フロントディスプレイ4としては、液晶ディスプレイ以外に、有機ELディスプレイや液晶プロジェクタとスクリーンの組み合わせを用いても良い。
そして、フロントディスプレイ4は車両2のフロントガラス5とともにヘッドアップディスプレイとして機能し、フロントディスプレイ4から出力される映像を、運転席の前方のフロントガラス5に反射させて車両2の乗員6に視認させるように構成されている。尚、フロントディスプレイ4に表示される映像としては、車両2に関する情報や乗員6の運転の支援の為に用いられる各種情報がある。例えば乗員6に対して警告対象となる対象物(他車両、歩行者、案内標識)に対する警告、ナビゲーション装置3で設定された案内経路や案内経路に基づく案内情報(右左折方向を示す矢印等)、路面に表示する警告(追突注意、制限速度等)、現在車速、シフト位置、エネルギ残量、広告画像、施設情報、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ番組等がある。
また、フロントガラス5を反射して乗員6がフロントディスプレイ4に表示された映像を視認した場合に、乗員6にはフロントガラス5の位置ではなく、フロントガラス5の先の遠方の位置にフロントディスプレイ4に表示された映像が虚像10として視認されるように構成される。また、虚像10は車両前方の周辺環境(風景、実景)に重畳して表示されることとなり、例えば車両前方に位置する任意の対象物(路面、建築物、警告対象となる物等)に重畳させて表示させることも可能である。
ここで、虚像10を生成する位置、より具体的には乗員6から虚像10までの距離(以下、結像距離という)Lについては、フロントディスプレイ4の位置によって決定される。例えば、フロントディスプレイ4において映像の表示された位置からフロントガラス5までの光路に沿った距離(光路長)によって結像距離Lが決定される。例えば結像距離Lが1.5mとなるように光路長が設定されている。
また、本実施形態では車両前方の周辺環境に重畳する画像を表示する手段としてフロントディスプレイ4を用いているが、他の手段を用いても良い。例えば、フロントガラス5に対して映像を表示するウインドウシールドディスプレイ(WSD)を用いても良い。WSDでは、フロントガラス5をスクリーンとしてプロジェクタから映像を表示しても良いし、フロントガラス5を透過液晶ディスプレイとしても良い。WSDによってフロントガラス5に対して表示された画像は、フロントディスプレイ4と同様に車両前方の周辺環境に重畳する画像となる。
更に、後述のフロントカメラ11で撮像した車両前方の周辺環境を車内の液晶ディスプレイに表示し、同一の液晶ディスプレイ内において表示された周辺環境に重畳する画像を表示することも可能である。その場合においても液晶ディスプレイに表示された画像は、フロントディスプレイ4と同様に車両前方の周辺環境に重畳する画像となる。
また、車両のフロントバンパの上方やルームミラーの裏側等にはフロントカメラ11が設置される。フロントカメラ11は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラを有する撮像装置であり、光軸方向を車両の進行方向前方に向けて設置される。そして、フロントカメラ11により撮像された撮像画像に対して画像処理が行われることによって、フロントガラス越しに乗員6に視認される前方環境(即ち虚像10が重畳される環境)の状況等が検出される。尚、フロントカメラ11の代わりにミリ波レーダ等のセンサを用いても良い。
また、車両のインストルメントパネルの上面には車内カメラ12が設置される。車内カメラ12は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラを有する撮像装置であり、光軸方向を運転席に向けて設置される。車内において一般的に乗員の顔が位置すると予想される範囲を検出範囲(車内カメラ12の撮像範囲)として設定し、運転席に座った乗員6の顔を撮像する。そして、車内カメラ12により撮像された撮像画像に対して画像処理が行われることによって、乗員6の目の位置(視線開始点)や視線方向を検出する。
次に、上記重畳画像表示装置1を構成するナビゲーション装置3の概略構成について図2を用いて説明する。図2は本実施形態に係るナビゲーション装置3を示したブロック図である。
図2に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置3は、ナビゲーション装置3が搭載された車両2の現在位置を検出する現在位置検出部13と、各種のデータが記録されたデータ記録部14と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU15と、ユーザからの操作を受け付ける操作部16と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の関する施設情報を表示する液晶ディスプレイ17と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ18と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ19と、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール20と、を有する。また、ナビゲーション装置3はCAN等の車載ネットワークを介して、前述したフロントディスプレイ4、フロントカメラ11及び車内カメラ12等が接続されている。
以下に、ナビゲーション装置3が有する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部13は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU15に出力する。そして、ナビゲーションECU15は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置3が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置3が備える構成としても良い。
また、データ記録部14は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部14はハードディスクの代わりにフラッシュメモリやメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクを有していても良い。また、地図情報DB31は外部のサーバに格納させ、ナビゲーション装置3が通信により取得する構成としても良い。
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ32、ノード点に関するノードデータ33、施設等の地点に関する地点データ34、各交差点に関する交差点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
ここで、リンクデータ32としては、例えば、該リンクを識別するリンクID、該リンクの端部に位置するノードを特定する端部ノード情報、該リンクが構成する道路の道路種別等が記憶される。また、ノードデータ33としては、該ノードを識別するノードID、該ノードの位置座標、該ノードがリンクを介して接続される接続先ノードを特定する接続先ノード情報等が記憶される。また、地点データ34としては、目的地への設定対象となる施設に関する各種情報が記憶される。例えば、施設を特定するID、施設名称、位置座標、ジャンル、住所等が記憶される。
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)15は、ナビゲーション装置3の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の走行支援処理プログラム(図3)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU15は、処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、表示態様変更手段は、第1の案内画像と第2の案内画像が重複することが予測される場合に、第1の案内画像と第2の案内画像が重複する前に第1の案内画像と重複しない態様へと第2の案内画像の表示態様を変更する。
操作部16は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)を有する。そして、ナビゲーションECU15は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部16は液晶ディスプレイ17の前面に設けたタッチパネルを有していても良い。また、マイクと音声認識装置を有していても良い。
また、液晶ディスプレイ17には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、本実施形態では情報の表示手段としてフロントディスプレイ4を備えているので、上記地図画像等の表示をフロントディスプレイ4で行う構成とすれば液晶ディスプレイ17は省略しても良い。
また、スピーカ18は、ナビゲーションECU15からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
また、DVDドライブ19は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。尚、DVDドライブ19に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
また、通信モジュール20は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
続いて、前記構成を有する重畳画像表示装置1の内、特にナビゲーション装置3において実行する走行支援処理プログラムについて図3に基づき説明する。図3は本実施形態に係る走行支援処理プログラムのフローチャートである。ここで、走行支援処理プログラムは車両のACC電源(accessory power supply)がONされた後に実行され、フロントディスプレイ4に表示された画像を車両周辺の周辺環境に重畳して視認させることによって、車両の乗員に対する各種情報の提供を行うプログラムである。尚、以下の図3及び図11にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置3が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
以下の説明では特にフロントディスプレイ4を用いて、車両2の乗員6への警告対象となる対象物(例えば他車両、歩行者、案内標識)に対する警告案内と、自車両に関する情報(例えば現在車速、シフト位置、エネルギ残量)の提供を行う例について説明する。但し、上記以外の案内や情報提供を行うことも可能である。例えば、ナビゲーション装置3で設定された案内経路や案内経路に基づく案内情報(右左折方向を示す矢印等)の提供、路面に表示する警告(追突注意、制限速度等)、広告画像、施設情報、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ番組の表示等が可能である。
先ず、走行支援処理プログラムでは、ステップ(以下、Sと略記する)1においてCPU41は、自車の現在位置情報、自車周辺の地図情報、自車の走行予定経路に関する情報をそれぞれ取得する。尚、自車の現在位置は例えばGPS21や車速センサ22等を用いて検出する。自車が複数車線からなる道路を走行する場合には自車の走行する車線についても特定するのが望ましい。また、自車周辺の地図情報は地図情報DB31或いは外部サーバから取得する。尚、地図情報には、道路の形状や車線区分を特定する情報が含まれる。また、自車の走行予定経路に関してはナビゲーション装置3において案内経路が設定されている場合には、該案内経路を自車の走行予定経路とする。一方、ナビゲーション装置3において案内経路が設定されていない場合には、自車の現在位置から道なりに進む経路を自車の走行予定経路とする。
次に、S2においてCPU41は、前記S1で取得した各情報に基づいて、自車の今後の走行軌跡を算出する。例えば、図4に示すように自車51が片側2車線の道路を走行する場合において走行予定経路が前方の交差点52を右折する経路である場合には、自車の今後の走行軌跡53として右側の右折レーンへと車線変更し、交差点52で右折する軌跡が算出される。尚、前記S2では現在時点から所定時間後(例えば3秒後)までの走行軌跡が算出される。
続いて、S3においてCPU41は、フロントカメラ11により撮像した撮像画像に対して2値化処理等の画像処理を行うことによって、自車両の周辺にあるオブジェクト(ピクセルの集合体)を検出する。尚、前記S3で検出されるオブジェクトには、車両2の乗員6への警告対象となる対象物(例えば他車両、歩行者、案内標識)の他、警告対象とならない物(例えば街路樹、看板等)についても含まれることとなる。
その後、S4においてCPU41は、前記S3で検出したオブジェクトに対して個別の番号を割り当てるラベリング処理を行う。ラベリング処理を行うことによって、フロントカメラ11で撮像した画像内(即ち自車両の周辺)にいくつのオブジェクトが存在しているのか、オブジェクトがどのような特徴(形、大きさ等)を有し、画像内のどこに存在しているのかを特定することが可能となる。
続いて、S5においてCPU41は、前記S4のラベリング処理の結果に基づいて、車両の進行方向前方に車両の乗員に対して警告対象となる対象物(以下、警告対象物という)があるか否か判定する。ここで、警告対象物は車両に乗車する乗員が注視すべき物とし、例えば“自車両に対して接近する他車両、歩行者、2輪車”並びに“自車両の走行する道路に設置された道路標識”とする。尚、信号機等についても警告対象物に含めても良い。
そして、車両の進行方向前方に警告対象物があると判定された場合(S5:YES)には、S6へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方に警告対象物がないと判定された場合(S5:NO)には、S12へと移行する。
S6においてCPU41は、車両の進行方向前方にあると判定された警告対象物の具体的な位置を3次元位置座標で特定する。尚、警告対象物の位置は、例えば前記S4のラベリング処理の結果に基づいて特定しても良いし、ミリ波レーダ等のセンサを用いて特定しても良い。また、警告対象物が他車両である場合には他車両との間の車車間通信で位置を取得しても良い。また、警告対象物の位置は絶対位置を取得しても良いし、自車両(乗員)に対する相対位置を取得しても良い。尚、警告対象物が複数ある場合には、複数の警告対象物の位置をそれぞれ取得する。
また、警告対象物の位置の特定は、走行支援処理プログラムが終了するまで以後継続的に行われる。例えば、警告対象物の位置の特定をフロントカメラ11で撮像した撮像画像の1フレーム毎に行うこととすれば、継続的に警告対象物の現在の位置を特定することが可能となり、更に警告対象物の移動方向や移動速度についても特定することが可能となる。
その後、S7においてCPU41は、後述の表示範囲決定処理(図11)を行う。表示範囲決定処理では、フロントガラス5に対して案内画像を投影する範囲(即ちフロントディスプレイ4において案内画像を表示する範囲)を決定する。尚、S7以降では、自車両の乗員への警告対象となる警告対象物を案内する画像(以下、第1案内画像という)と自車両に関する情報を案内する画像(以下、第2案内画像という)の2種類の画像を表示対象とする。従って、S7では第1案内画像及び第2案内画像の夫々の表示範囲を決定する。
続いて、S8においてCPU41は、フロントディスプレイ4に対して制御信号を送信し、フロントディスプレイ4に対して第1案内画像及び第2案内画像を前記S7で決定された表示範囲に表示する。その結果、第1案内画像及び第2案内画像の虚像が、車両の乗員から車両前方の周辺環境に重畳して視認される。特に第1案内画像の虚像は、車両の乗員が視認した際に警告対象物と重複して視認される。
ここで、図5は車両の乗員から視認される第1案内画像及び第2案内画像の虚像の一例を示した図である。
図5に示すように、車両のフロントガラス5越しには、周辺環境の内、特に警告対象物である案内標識55に重畳する第1案内画像56の虚像が車両の乗員から視認される。図5に示す例では第1案内画像56は特に警告対象物を囲む枠の画像とする。その結果、乗員の視線を第1案内画像56によって警告対象物である案内標識55へと誘導し、案内標識55を乗員に確実に視認させることが可能となる。尚、第1案内画像56の表示は、基本的に警告対象物が検出されてからその後に車両の前方から警告対象物が消失するまでの間において行われる。
一方、車両のフロントガラス5の下縁中央付近には、周辺環境に重畳する第2案内画像57の虚像が車両の乗員から視認される。図5に示す例では第2案内画像57は特に車両の現在の車速を示す画像とする。その結果、乗員は視線を進行方向前方から移動させることなく車両の現在の車速を把握することが可能となる。尚、第2案内画像57の表示は、基本的にフロントディスプレイ4による表示機能がONされている状態では常時行われる。
また、警告対象物が複数ある場合には、基本的に乗員(自車両)に最も近い警告対象物のみを対象として第1案内画像56が表示される。但し、複数の警告対象物のそれぞれに重畳して第1案内画像56を表示しても良い。また、警告対象物の種類に基づいて第1案内画像56を重畳させる警告対象物を選択しても良い。例えば、警告対象物として歩行者を含む場合には、歩行者を優先的に選択して第1案内画像56を重畳させることが可能である。
また、第1案内画像56は自車両の乗員から視認される警告対象物に重畳させる必要があるので、自車両が移動したり警告対象物が移動する(即ち車両から視認される周辺環境の位置や大きさが変化する)と、前記S8で新たに第1案内画像56の表示範囲が決定され、表示範囲が更新される。即ち、車両から視認される周辺環境が変化すると、それに連動して第1案内画像56の表示位置や表示サイズも変化する。言い換えれば第1案内画像56は、周辺環境において重畳する位置が関連付けられた画像である。
一方、第2案内画像57は特定の対象物に重畳させる必要が無いので基本的にフロントガラス5の固定位置(例えば下縁中央付近)に表示される。即ち、第2案内画像57は自車両から視認される周辺環境の変化に表示位置は連動せず、最初に前記S8で決定された表示範囲は基本的に変わらない。言い換えれば第2案内画像57は、周辺環境において重畳する位置が関連付けられていない画像である。但し、後述のように第1案内画像56と第2案内画像57が重複することが予想される場合については、第2案内画像57の表示範囲が変化する場合がある(S11)。
次に、S9においてCPU41は、今後の自車両の挙動と第1案内画像56で重畳対象となっている警告対象物の挙動とに基づいて、自車両の乗員から視認される警告対象物の今後の位置の変位を予測する。より具体的には、乗員から視認したフロントガラス5上における警告対象物の今後の移動軌跡を算出する。尚、今後の自車両の挙動は前記S2で算出された走行軌跡が相当する。一方、警告対象物の挙動については、上述したS4のラベリング処理により特定した警告対象物の位置を過去のフレームとの間で比較することによって特定する。具体的には、警告対象物の移動方向と移動速度を警告対象物の挙動として特定する。尚、警告対象物が静止物(例えば道路標識)である場合については警告対象物の挙動を考慮する必要は無い。尚、前記S9では現在時点から所定時間後(例えば3秒後)までの移動軌跡が算出される。
例えば、図6に示す例は、警告対象物として案内標識55に重畳する第1案内画像56が表示されている場合において、フロントガラス5上における案内標識55の今後の移動軌跡60を示した図である。図6に示すように車両が進行方向前方に進むと、それに伴ってフロントガラス5上における案内標識55の位置(乗員から見える案内標識55の位置)が徐々に車両側へと移動することとなる。また、案内標識55の見かけ上の大きさも徐々に大きくなる。前記S9では警告対象物の位置の変化に加えて形状(見かけ上の大きさ)の変化についても予測を行う。
その後、S10においてCPU41は、前記S9で算出された警告対象物の今後の移動軌跡に基づいて、現時点から所定時間以内(例えば3秒以内)に第1案内画像と第2案内画像が重複するか否かを判定する。但し、重複する期間が極めて短い場合には、仮に画像が重複しても影響が小さいと予測されるので、特に所定期間(例えば0.5秒)以上継続して重複するか否かを判定する。
例えば、図7に示す例は、現時点では案内標識55に重畳する第1案内画像56と第2案内画像57は重複していない。しかしながら、その後に自車両が移動することによって案内標識55の位置や見かけ上の大きさが変化すると、それに伴って第1案内画像56の表示位置や大きさが変化する。その結果、第1案内画像56と第2案内画像57が重複することとなる。
そして、現時点から所定時間以内(例えば3秒以内)に第1案内画像と第2案内画像が重複すると判定された場合(S10:YES)には、S11へと移行する。それに対して、現時点から所定時間以内(例えば3秒以内)に第1案内画像と第2案内画像が重複しないと判定された場合(S10:NO)には、継続して第1案内画像及び第2案内画像を現在の表示態様で表示する。
S11においてCPU41は、第1案内画像と第2案内画像が重複する前に、第1案内画像と重複しない態様へと第2案内画像の表示態様を変更する。具体的には第1案内画像と第2案内画像が重複する前に第2案内画像の表示位置を段階的に移動させる。例えば、図8に示すように第1案内画像56と第2案内画像57が重複する前に、予め第2案内画像57の表示位置を徐々に右方向に移動させる。それによって、第1案内画像56と第2案内画像57が重複することを防止することが可能となる。尚、一度に表示位置を切り換えるのではなく徐々に表示位置を移動させるので、車両の乗員に違和感を与えることが無く、第2案内画像57を継続して視認させることが可能となる。また、第2案内画像57は、周辺環境において重畳する位置が関連付けられていない画像であるので表示位置を変更しても、提供する情報に大きな影響を与えることが無い。
尚、前記S11では第2案内画像57の表示サイズを変更することによって第1案内画像56と第2案内画像57の重複を防止するようにしても良い。具体的には第1案内画像と第2案内画像が重複する前に第2案内画像の表示サイズを段階的に縮小する。例えば、図9に示すように第1案内画像56と第2案内画像57が重複する前に、予め第2案内画像57の表示サイズを徐々に縮小する。それによって、第1案内画像56と第2案内画像57が重複することを防止することが可能となる。尚、一度に表示サイズを切り換えるのではなく徐々に表示サイズを変更するので、車両の乗員に違和感を与えることが無く、第2案内画像57を継続して視認させることが可能となる。また、第2案内画像57は、周辺環境において重畳する位置が関連付けられていない画像であるので表示サイズを変更しても、提供する情報に大きな影響を与えることが無い。
尚、前記S11で変更した第2案内画像の表示態様は、重複対象となっていた警告対象物が車両の前方から消失した時点、或いは重複の虞がなくなった時点で元に戻すのが望ましい。尚、表示態様を戻す場合においても一度に切り替えるのではなく段階的に表示位置や表示サイズを変更する。
また、第1案内画像の内、所定割合以上(例えば3割以上)の領域が第2案内画像と重複することが予測される場合のみに、S11の処理を実行しても良い。ここで、仮に第1案内画像と第2案内画像が重複する場合であっても、重複する領域がごく一部の場合には、仮に画像が重複しても影響が小さいと予測される。従って、表示態様を変更することなく継続して第1案内画像と第2案内画像を表示する。
また、第1案内画像の内、所定領域が第2案内画像と重複することが予測される場合のみに、S11の処理を実行しても良い。所定領域は、乗員にとって視認させることが重要な領域とし、第1案内画像が重畳する警告対象物の種別によって設定される。例えば、図10に示すような案内標識55に重畳する第1案内画像56が表示されている場合には、案内標識55の識別内容が含まれる上方の領域が乗員にとって視認させることが重要な領域であり、所定領域とする。ここで、仮に第1案内画像と第2案内画像が重複する場合であっても、重複する領域が上記所定領域以外の場合には、仮に画像が重複しても影響が小さいと予測される。従って、表示態様を変更することなく継続して第1案内画像と第2案内画像を表示する。
一方、前記S5の判定処理において、車両の進行方向前方に警告対象物がないと判定された場合(S7:NO)に実行されるS12では、S7と同様に後述の表示範囲決定処理(図11)を行う。但し、S12では第2案内画像のみを表示対象とし、第2案内画像の表示範囲のみを決定する。
その後、S13においてCPU41は、フロントディスプレイ4に対して制御信号を送信し、フロントディスプレイ4に対して第2案内画像を前記S12で決定された表示範囲に表示する。その結果、第2案内画像の虚像が、車両の乗員から車両前方の周辺環境に重畳して視認される。尚、その後に車両の進行方向前方に警告対象物が新たに検出された場合にはS6へと移行し、第2案内画像を継続して表示した状態で第1案内画像についても新たに表示されることとなる。
次に、前記S7及びS12において実行される表示範囲決定処理のサブ処理について図11に基づき説明する。図11は表示範囲決定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
先ず、S21においてCPU41は、車両の乗員の目の位置(視線開始点)を車内カメラ12で撮像した撮像画像に基づいて検出する。尚、検出された目の位置は3次元の位置座標で特定される。
次に、S22においてCPU41は、フロントディスプレイ4の表示がONになっているか否かを判定する。尚、フロントディスプレイ4の表示のON又はOFFの切り替えは車両の乗員の操作によって行うことが可能である。また、周辺状況や車両の状態に基づいてON又はOFFを自動で切り替えても良い。
そして、フロントディスプレイ4の表示がONになっていると判定された場合(S22:YES)には、S23へと移行する。一方、フロントディスプレイ4の表示がOFFになっていると判定された場合(S22:NO)には、フロントディスプレイ4による第1案内画像及び第2案内画像の虚像の表示を行うことなく終了する。
S23においてCPU41は、フロントディスプレイ4によって画像を投影する対象となるフロントガラス5の位置座標を取得する。尚、フロントガラス5の位置座標は3次元の位置座標で特定される。
次に、S24においてCPU41は、前記S6で検出された警告対象物の位置座標と、前記S21で検出した車両の乗員の目の位置(視線開始点)の位置座標と、前記S23で取得したフロントガラス5の位置座標とに基づいて、フロントガラス5上において第1案内画像及び第2案内画像を表示する位置座標を算出する。具体的には、第1案内画像の表示位置は、図5に示すように第1案内画像56の虚像が警告対象物と重複して車両の乗員から視認される位置とする。一方、第2案内画像の表示位置は、図5に示すようにフロントガラス5の固定位置(例えば下縁中央付近)とする。
続いて、S25においてCPU41は、前記S24で算出された位置座標に基づいて、フロントガラス5における第1案内画像及び第2案内画像の投影範囲を決定する。更に、決定された投影範囲からフロントディスプレイ4における第1案内画像及び第2案内画像の表示範囲についても決定する。その後、S8やS13へと移行し、決定された投影範囲や表示範囲に基づいて第1案内画像及び第2案内画像の虚像の表示を行う。尚、フロントディスプレイ4の表示がオフになるまで繰り返しS1〜S13の処理を行うこととなる。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る重畳画像表示装置及び重畳画像表示装置において実行されるコンピュータプログラムによれば、車両から視認される周辺環境の変化に連動して表示位置が変化する第1案内画像と、車両から視認される周辺環境の変化に表示位置が連動しない第2案内画像と、を車両周辺の周辺環境に重畳して視認させる場合において、第1案内画像と第2案内画像が重複することが予測される場合に、第1案内画像と第2案内画像が重複する前に第1案内画像と重複しない態様へと第2案内画像の表示態様を変更する(S11)ので、第1案内画像と第2案内画像によって提供する情報に大きな影響を与えることなく、車両の乗員に第1案内画像と第2案内画像のいずれについても継続して明確に視認させることを可能にする。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記本実施形態では、フロントディスプレイ4によって車両2のフロントガラス5の前方に虚像を生成する構成としているが、フロントガラス5以外のウィンドウの前方に虚像を生成する構成としても良い。また、フロントディスプレイ4により映像を反射させる対象はフロントガラス5自身ではなくフロントガラス5の周辺に設置されたバイザー(コンバイナー)であっても良い。
また、本実施形態では、周辺環境に重畳する画像を表示する手段としてフロントディスプレイ4を用いているが、フロントガラス5に対して画像を表示するウインドウシールドディスプレイ(WSD)を用いても良い。或いはナビゲーション装置3の液晶ディスプレイ17に表示した実景に、案内画像を重畳させる表示装置でもよい。
また、本実施形態では第1案内画像と第2案内画像が重複することが予測される場合に、第2案内画像の表示位置又は表示サイズを変更することによって第1案内画像と第2案内画像が重複することを回避しているが、重複が回避できるのであれば他の方法を用いても良い。例えば、第2案内画像の向きを変更することや、透過率を変更する方法が挙げられる。
また、本実施形態ではフロントカメラ11を用いて警告対象物の検出を行っているが、ミリ波レーダ等のセンサを用いて検出しても良い。また、車車間通信や外部サーバとの通信によって警告対象物の存在を取得しても良い。
また、第1案内画像は車両から視認される周辺環境の変化に連動して表示位置が変化する画像(即ち周辺環境において重畳する位置が関連付けられた画像)であれば上記例に限られない。同じく、第2案内画像は車両から視認される周辺環境の変化に表示位置が連動しない画像(即ち周辺環境において重畳する位置が関連付けられていない画像)であれば上記例に限られない。
また、本実施形態では、走行支援処理プログラム(図3)の処理をナビゲーション装置3のナビゲーションECU15が実行する構成としているが、実行主体は適宜変更することが可能である。例えば、フロントディスプレイ4の制御部、車両制御ECU、その他の車載器が実行する構成としても良い。尚、フロントディスプレイ4の制御部が実行する場合には、本発明に係る重畳画像表示装置はフロントディスプレイ4のみで構成することも可能である。
また、本発明に係る重畳画像表示装置を具体化した実施例について上記に説明したが、重畳画像表示装置は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
車両(2)に搭載され、画像を前記車両周辺の周辺環境に重畳して視認させる重畳画像表示装置(1)であって、前記画像は、前記車両から視認される周辺環境の変化に連動して表示位置が変化する第1の案内画像(56)と、前記車両から視認される周辺環境の変化に表示位置が連動しない第2の案内画像(57)と、を含み、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する表示態様変更手段(41)を有する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、車両の周辺環境に重畳して視認させる第1の案内画像と第2の案内画像について今後に重複することが予想される場合に、表示態様を変更しても影響が少ない第2の案内画像について重複する前に予め表示態様を変更することによって、第1の案内画像と第2の案内画像が重複することを防止する。それによって、第1の案内画像と第2の案内画像によって提供する情報に大きな影響を与えることなく、車両の乗員に第1の案内画像と第2の案内画像のいずれについても継続して明確に視認させることを可能にする。
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記表示態様変更手段(41)は、前記第1の案内画像(56)と前記第2の案内画像(57)が重複する前に前記第2の案内画像の表示位置を段階的に移動させる。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、第2の案内画像の表示位置を一度に切り換えるのではなく徐々に表示位置を移動させるので、第1の案内画像と第2の案内画像が重複することを防止する一方で、表示位置の変化によって車両の乗員に違和感を与えることが無く、第2の案内画像を継続して視認させることが可能となる。
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記表示態様変更手段(41)は、前記第1の案内画像(56)と前記第2の案内画像(57)が重複する前に前記第2の案内画像の表示サイズを段階的に縮小する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、第2の案内画像の表示サイズを一度に切り換えるのではなく徐々に表示サイズを縮小するので、第1の案内画像と第2の案内画像が重複することを防止する一方で、表示サイズの変化によって車両の乗員に違和感を与えることが無く、第2の案内画像を継続して視認させることが可能となる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記第1の案内画像(56)は、前記車両の乗員への警告対象となる警告対象物(55)を案内する画像である。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、車両の乗員への警告対象となる警告対象物を案内する画像が他の画像と重複することを防止することが可能となり、警告対象物への警告を適切に行うことが可能となる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記車両の挙動と前記警告対象物の挙動とに基づいて、前記車両から視認される前記警告対象物(55)の今後の位置の変位を予測する変位予測手段(41)を有し、前記表示態様変更手段(41)は、前記変位予測手段の予測結果に基づいて、所定時間以内に前記第1の案内画像(56)と前記第2の案内画像(57)が重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、車両の挙動と警告対象物の挙動とに基づいて、今後に第1の案内画像と第2の案内画像とが重複するか否かを正確に判定することが可能となる。
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記第2の案内画像(57)は、前記車両に関する情報を案内する画像である。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、車両に関する情報を案内する画像が他の画像と重複することを防止することが可能となり、車両に関する情報を適切に提供することが可能となる。
また、第7の構成は以下のとおりである。
前記第1の案内画像(56)の内、所定割合以上の領域が前記第2の案内画像(57)と重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、仮に第1の案内画像と第2の案内画像が重複する場合であっても、影響が小さいと予測される場合には表示態様を変更することなく継続して第1の案内画像と第2の案内画像を表示するので、必要以上の表示制御が行われることをできる限り抑制し、処理負担を軽減することが可能となる。
また、第8の構成は以下のとおりである。
前記第1の案内画像(56)の内、所定領域が前記第2の案内画像(57)と重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、仮に第1の案内画像と第2の案内画像が重複する場合であっても、影響が小さいと予測される場合には表示態様を変更することなく継続して第1の案内画像と第2の案内画像を表示するので、必要以上の表示制御が行われることをできる限り抑制し、処理負担を軽減することが可能となる。
また、第9の構成は以下のとおりである。
前記第1の案内画像(56)と前記第2の案内画像(57)が所定期間以上継続して重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、仮に第1の案内画像と第2の案内画像が重複する場合であっても、影響が小さいと予測される場合には表示態様を変更することなく継続して第1の案内画像と第2の案内画像を表示するので、必要以上の表示制御をできる限り抑制し、処理負担を軽減することが可能となる。
また、第10の構成は以下のとおりである。
前記第1の案内画像(56)及び前記第2の案内画像(57)は虚像として表示される。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、車両の乗員の視線を進行方向前方からできる限り移動させることなく、案内画像を視認させることが可能となる。
1 重畳画像表示装置
2 車両
3 ナビゲーション装置
4 フロントディスプレイ
5 フロントガラス
6 乗員
7 ダッシュボード
41 CPU
42 RAM
43 ROM
55 案内標識
56 第1案内画像
57 第2案内画像

Claims (11)

  1. 車両に搭載され、画像を前記車両周辺の周辺環境に重畳して視認させる重畳画像表示装置であって、
    前記画像は、前記車両から視認される周辺環境の変化に連動して表示位置が変化する第1の案内画像と、前記車両から視認される周辺環境の変化に表示位置が連動しない第2の案内画像と、を含み、
    前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する表示態様変更手段を有する重畳画像表示装置。
  2. 前記表示態様変更手段は、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第2の案内画像の表示位置を段階的に移動させる請求項1に記載の重畳画像表示装置。
  3. 前記表示態様変更手段は、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第2の案内画像の表示サイズを段階的に縮小する請求項1に記載の重畳画像表示装置。
  4. 前記第1の案内画像は、前記車両の乗員への警告対象となる警告対象物を案内する画像である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の重畳画像表示装置。
  5. 前記車両の挙動と前記警告対象物の挙動とに基づいて、前記車両から視認される前記警告対象物の今後の位置の変位を予測する変位予測手段を有し、
    前記表示態様変更手段は、前記変位予測手段の予測結果に基づいて、所定時間以内に前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する請求項4に記載の重畳画像表示装置。
  6. 前記第2の案内画像は、前記車両に関する情報を案内する画像である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の重畳画像表示装置。
  7. 前記第1の案内画像の内、所定割合以上の領域が前記第2の案内画像と重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の重畳画像表示装置。
  8. 前記第1の案内画像の内、所定領域が前記第2の案内画像と重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の重畳画像表示装置。
  9. 前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が所定期間以上継続して重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の重畳画像表示装置。
  10. 前記第1の案内画像及び前記第2の案内画像は虚像として表示される請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の重畳画像表示装置。
  11. 車両に搭載され、画像を前記車両周辺の周辺環境に重畳して視認させる重畳画像表示装置を、
    前記画像として、前記車両から視認される周辺環境の変化に連動して表示位置が変化する第1の案内画像と、前記車両から視認される周辺環境の変化に表示位置が連動しない第2の案内画像と、を表示する案内画像表示手段と、
    前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複することが予測される場合に、前記第1の案内画像と前記第2の案内画像が重複する前に前記第1の案内画像と重複しない態様へと前記第2の案内画像の表示態様を変更する表示態様変更手段と、して機能させる為のコンピュータプログラム。
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