以下では、本開示の固体撮像装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る固体撮像装置の全体構成を説明する。
[1.全体構成]
図1は、実施の形態1に係る固体撮像装置の全体構成を示すブロック図である。同図に示された固体撮像装置1は、画素アレイ部10と、駆動制御部20と、垂直走査部30と、水平走査部40と、信号保持部50と、電流源60と、基準信号生成部70と、第1スイッチ部80Aと、第2スイッチ部80Bとを備える。また、画素アレイ部10及びその周辺領域には、画素列ごとに垂直信号線210が配置され、画素行ごとに走査線220が配置されている。
画素アレイ部10は、複数の画素100が行列状に配置された撮像部である。
垂直走査部30は、行単位で画素100のリセット動作、電荷の蓄積動作、及び読み出し動作を制御する機能を有する。
電流源60は、垂直信号線210に接続され、垂直信号線210に対応して配置されている。電流源60は、画素100が有する増幅トランジスタとともにソースフォロワ回路を構成し、画素100に蓄積された電荷に対応した電圧を増幅する機能を有する。
信号保持部50は、画素100から出力された画素信号と当該画素100に対応したリセット信号との差分信号を保持し、後述する水平走査部40の指示に従い当該差分信号を出力する信号保持部である。
基準信号生成部70は、画素100に対応したリセット信号を生成する。
第1スイッチ部80Aは、垂直信号線210に接続され、垂直信号線210に対応して配置されている。第1スイッチ部80Aは、画素100から信号保持部50への画素信号の入力及び遮断を切り替える。
第2スイッチ部80Bは、基準信号生成部70に接続され、垂直信号線210に対応して配置されている。第2スイッチ部80Bは、基準信号生成部70から信号保持部50へのリセット信号の入力及び遮断を切り替える。
水平走査部40は、信号保持部50に保持された一行分の上記差分信号を順次選択し、信号保持部50の出力側に配置された出力回路(図示せず)へ読み出す機能を有する。
駆動制御部20は、垂直走査部30、水平走査部40、信号保持部50、基準信号生成部70、第1スイッチ部80A、及び第2スイッチ部80Bに対して各種制御信号を供給することにより各部を制御する。具体的には、例えば、駆動制御部20は、まず、第2スイッチ部80Bを導通状態にして信号保持部50に上記リセット信号を保持させる。次に、駆動制御部20は、信号保持部50が上記リセット信号を保持した状態で、第1スイッチ部80Aを導通状態にして信号保持部50に垂直信号線210を介して画素信号を入力させる。これにより、信号保持部50は、画素100から信号保持部50へ出力された画素信号と、当該画素100に対応したリセット信号との差分信号を保持する。
[2.各部構成]
図2は、実施の形態1に係る画素及び基準信号生成部の回路構成の一例を示す図である。同図には、画素100、基準信号生成部70、電流源60、及び各スイッチ部の具体的な回路構成例が示されている。
[2−1.画素]
画素100は、光電変換素子101と、リセットトランジスタ102と、増幅トランジスタ103と、選択トランジスタ104と、電荷蓄積部105とを備える。
光電変換素子101は、入射光を信号電荷に光電変換する光電変換部である。具体的には、光電変換素子101は、上部電極と下部電極と両電極に挟まれた光電変換膜とで構成されており、光電変換膜は、例えば、高い光吸収能を有する有機分子を含む。また、光電変換膜の厚さは、例えば、約500nmである。また、光電変換膜は、例えば、真空蒸着法を用いて形成される。上記有機分子は波長約400nmから約700nmの可視光全域にわたって高い光吸収機能を有する。
なお、本実施の形態に係る画素100が備える光電変換素子は、上述した有機光電変換膜で構成されていることに限定されず、例えば、無機材料で構成されたフォトダイオードであってもよい。
電荷蓄積部105は、光電変換素子101に接続され、信号電荷を蓄積する。
増幅トランジスタ103は、ゲートが電荷蓄積部105に接続され、ドレインに電源電圧VDDが供給され、電荷蓄積部105に蓄積された信号電荷の電荷量に応じた画素信号を出力する。
リセットトランジスタ102は、ドレインにリセット電圧VRSTが供給され、ソースが電荷蓄積部105に接続され、電荷蓄積部105の電位をリセットする。
選択トランジスタ104は、ドレインが増幅トランジスタ103のソースに接続され、ソースが垂直信号線210に接続され、増幅トランジスタ103から画素信号を出力するタイミングを決定する。
[2−2.基準信号生成部]
基準信号生成部70は、トランジスタ72〜75を備える。
トランジスタ73は、ドレインに電源電圧VDDが供給された第1トランジスタである。
トランジスタ74は、ドレインがトランジスタ73のソースに接続され、ソースがスイッチ部80Bのスイッチトランジスタ82に接続された第2トランジスタである。
トランジスタ72は、ドレインにリセット電圧VRSTが供給され、ソースがトランジスタ73のゲートに接続された第3トランジスタである。
トランジスタ75は、ドレインがトランジスタ74のソースに接続され、ソースが接地された電流源トランジスタである。
基準信号生成部70の上記回路構成は、光電変換素子101を除いた画素100と電流源トランジスタ61とを合わせた回路構成と同じとなっている。
[2−3.電流源]
電流源トランジスタ61は、ドレインが垂直信号線210に接続され、ソースが接地され、図1に示された電流源60を構成する。
[2−4.スイッチ部]
スイッチトランジスタ81は、ドレインが垂直信号線210に接続され、ソースが信号保持部50に接地された第1スイッチ部80Aである。
スイッチトランジスタ82は、ドレインが基準信号線271に接続され、ソースが信号保持部50に接地された第2スイッチ部80Bである。
基準信号生成部70の上記構成により、CDS処理におけるリセット動作時の信号処理として、リセット信号を、画素100から垂直信号線210を介して信号保持部50へ出力する代わりに、基準信号生成部70から基準信号線271を介して信号保持部50へ出力する。
これにより、画素列方向に延在し大容量を有する垂直信号線210をリセット電圧VRSTで充放電する時間をかけずとも、画素100のリセット信号に対応したリセット信号を短時間で信号保持部50に保持させることが可能となる。
ここで、トランジスタ73の電気特性は、増幅トランジスタ103の電気特性と実質的に同一であることが好ましい。
また、トランジスタ74の電気特性は、選択トランジスタ104の電気特性と実質的に同一であることが好ましい。
また、トランジスタ72の電気特性は、リセットトランジスタ102の電気特性と実質的に同一であることが好ましい。
また、トランジスタ75の電気特性は、電流源トランジスタ61の電気特性と実質的に同一であることが好ましい。
また、基準信号生成部70は、基準信号線271を駆動するために、トランジスタを並列接続する等により、複数のアレイ構成としてもよい。これにより、基準信号生成部70の出力インピーダンスを下げることができるので、駆動能力を上げ、また、ノイズレベルを下げることが可能となる。
これにより、基準信号生成部70の回路構成と光電変換素子101を除いた画素100の回路構成とを略同一にすることができる。つまり、基準信号生成部70の回路構成は、画素100におけるソースフォロワ回路のレプリカとなっている。よって、基準信号生成部70から出力されるリセット信号電圧を、リセットトランジスタ102をオン状態にして画素100から出力されるリセット信号電圧と略同一にすることが可能となる。よって、画素100の電荷蓄積部105の電位をリセットすることなく、信号保持部50にてCDS処理を実行できるので、高速かつ高精度な非破壊読み出しが可能となる。
なお、基準信号生成部70によるリセット動作の詳細については、図5及び図6を用いて後述する。
[2−5.基準信号生成部の変形例]
図3は、実施の形態1の変形例に係る画素及び基準信号生成部の回路構成の一例を示す図である。同図に示された画素及び基準信号生成部の回路構成は、図2に示された画素及び基準信号生成部の回路構成と比較して、基準信号生成部の回路構成のみが異なる。以下、図2に示された回路構成と異なる点を中心に説明する。
基準信号生成部71は、トランジスタ73〜75を備え、トランジスタ73のゲートにリセット電圧VRSTを供給するトランジスタ72を備えない。トランジスタ73のゲートには、バイアス電圧供給線によりバイアス電圧VBIASが供給される。
本変形例に係る基準信号生成部71の構成によれば、基準信号生成部71の回路構成と光電変換素子101を除いた画素100の回路構成とを略同一にすることができる。よって、基準信号生成部71から出力されるリセット信号電圧を、画素100から出力されるリセット信号電圧と略同一にすることが可能となる。よって、画素100の電荷蓄積部105の電位をリセットすることなく、信号保持部50にてCDS処理を実行できるので、高速かつ高精度な非破壊読み出しが可能となる。
なお、基準信号生成部71は、基準信号生成部70と比較して、トランジスタ73のゲートに一定電圧が印加されるので、より安定したリセット信号を供給することが可能である。一方、基準信号生成部70は、リセットトランジスタ102に対応したトランジスタ72を備えるので、リセットトランジスタ102がオフ状態である場合、トランジスタ74のゲートはフローティング状態となりノイズの影響を受け易くなる。しかし、リセットトランジスタ102がオフ状態である場合、容量結合によるオフセットを反映したリセット信号を再現できる点で、より高精度なCDS処理を実現できる。
[2−6.信号保持部]
図4は、実施の形態1に係る信号保持部及びその周辺部の回路構成の一例を示す図である。同図に示された信号保持回路50Aは、垂直信号線210に対応して配置され、スイッチトランジスタ81を介して垂直信号線210に接続され、スイッチトランジスタ82を介して基準信号線271に接続されている。垂直信号線210に対応して配置された複数の信号保持回路50Aは、信号保持部50を構成している。
信号保持回路50Aは、入力容量51と、トランジスタ52〜54と、信号保持容量55とを備える。本構成により、信号保持回路50Aは、垂直信号線210を介して画素100から出力される画素信号電圧、及び、基準信号線271を介して基準信号生成部70から出力されるリセット信号電圧を信号保持容量55に保持する。そして、水平走査部40の制御によりトランジスタ54をオン状態とすることで、上記画素信号電圧と上記リセット信号電圧との差分電圧であるCDS画素信号を水平信号線254へ順次水平方向に転送し、出力回路(図示せず)に出力する。
なお、信号保持回路50AによるCDS動作の詳細については、図5を用いて後述する。
[2−7.CDS読み出し動作]
図5は、実施の形態1に係る固体撮像装置及び従来の固体撮像装置における画素信号のCDS処理を説明する動作タイミングチャートである。同図には、上から順に、選択トランジスタ104の導通状態を制御する選択信号SEL、スイッチトランジスタ81の導通状態を制御する制御信号S1、スイッチトランジスタ82の導通状態を制御する制御信号N1、信号保持回路50Aの入力端子OUT1、トランジスタ54の導通状態を制御する制御信号HSEL、トランジスタ53の導通状態を制御する制御信号NCSH、トランジスタ52の導通状態を制御する制御信号NCCL、トランジスタ53、54及び信号保持容量55の接続端子OUT2、従来方式における選択信号SEL、従来方式における選択信号RST、及び従来方式における入力端子OUT1、の電圧レベルが表されている。
[2−7−1.従来のCDS読み出し動作]
まず、従来方式の読み出し動作(破壊読み出し動作)について説明する。
時刻T1において、垂直走査部は選択信号SELをハイレベルにして選択トランジスタ104をオン状態にする。また同時に、制御信号NCSH及びNCCLをハイレベルにしてトランジスタ53及び52をオン状態にする。これにより、入力端子OUT1の電位が画素信号電圧へと収束すると同時に、接続端子OUT2の電位は参照電圧VREFにクランプされる(収束する)。
次に、時刻T2において、制御信号NCCLをローレベルにしてトランジスタ52をオフ状態にする。これにより、入力容量51に画素信号電圧が保持される。
次に、時刻T3において、垂直走査部は制御信号RSTをハイレベルにしてリセットトランジスタ102をオン状態にする。これにより、電荷蓄積部105の電位がリセット電圧VRSTでリセットされる。
次に、時刻T5において、垂直走査部は制御信号RSTをローレベルにしてリセットトランジスタ102をオフ状態にする。これにより、電荷蓄積部105のリセット電圧VRSTが、垂直信号線210を介して入力端子OUT1に伝達され、接続端子OUT2の電位は、画素信号電圧とリセット信号電圧との差分電圧へと収束する。ここで、従来方式の読み出し動作の場合、電荷蓄積部105がリセット電圧VRSTとなった時点から入力端子OUT1の電位がリセット電圧VRSTに収束するまでの期間はP2である。この期間P2は、リセット電圧VRSTを伝達する垂直信号線210の時定数に依存する。
次に、時刻T6において、制御信号NCSHをローレベルにしてトランジスタ53をオフ状態にする。これにより、信号保持容量55に上記差分電圧であるCDS画素信号が保持される。
次に、時刻T8において、水平走査部は、制御信号HSELをハイレベルにしてトランジスタ54をオン状態にする。これにより、上記差分電圧であるCDS画素信号が水平信号線254へ読み出される。
[2−7−2.CDS非破壊読み出し動作]
ここで、本実施の形態に係る読み出し動作(非破壊読み出し動作)について説明する。
時刻T1において、垂直走査部30は、選択信号SELをハイレベルにして選択トランジスタ104をオン状態にする。また同時に、制御信号S1、NCSH及びNCCLをハイレベルにしてスイッチトランジスタ81、トランジスタ53及び52をオン状態にする。これにより、入力端子OUT1の電位が画素信号電圧へと収束すると同時に、接続端子OUT2の電位は参照電圧VREFにクランプされる(収束する)。
次に、時刻T2において、制御信号NCCLをローレベルにしてトランジスタ52をオフ状態にする。これにより、接続端子OUT2の電位は参照電圧VREFから画素信号電圧へと収束する。
次に、時刻T3において、制御信号S1をローレベルにしてスイッチトランジスタ81をオフ状態にする。
次に、時刻T4において、制御信号N1をハイレベルにしてスイッチトランジスタ82をオン状態にする。これにより、基準信号生成部70から出力されるリセット電圧VRSTが、基準信号線271を介して入力端子OUT1に伝達される。ここで、本実施の形態に係る読み出し動作の場合、スイッチトランジスタ82がオン状態となった時点から入力端子OUT1の電位がリセット電圧VRSTに収束するまでの期間はP1である。この期間P1は、リセット電圧VRSTを伝達する基準信号線271の時定数に依存する。
次に、時刻T6において、制御信号NCSHをローレベルにしてトランジスタ53をオフ状態にする。これにより、接続端子OUT2の電位は、画素信号電圧とリセット信号電圧との差分電圧へと収束する。
次に、時刻T8において、水平走査部は、制御信号HSELをハイレベルにしてトランジスタ54をオン状態にする。これにより、上記差分電圧であるCDS画素信号が水平信号線254へ読み出される。
上述したCDS読み出し動作において、入力端子OUT1の電位がリセット信号電圧レベルに収束するまでの期間が、CDS読み出し速度を決定する。従来のCDS読み出し動作では、期間P2は垂直信号線210の時定数に依存し、本実施の形態に係る読み出し動作では、期間P1は、基準信号線271の時定数に依存する。垂直信号線210は、画素列方向に沿って画素領域にわたり延在する配線であり、また画素列数だけ配置されているため、配線厚みや幅は制限される。これに対して、基準信号線271は、少なくとも一本以上配置されていればよく、また、基準信号生成部70の配置レイアウトも自由度がある。例えば、基準信号生成部70は、基準信号線271を駆動するために、トランジスタを並列接続する等により、複数のアレイ構成としてもよい。これにより、基準信号生成部70出力インピーダンスが下がるので、駆動能力が向上し、ノイズレベルが低下する。よって、基準信号線271の時定数を、垂直信号線210の時定数よりも十分小さく設定できる。
なお、本実施の形態に係る読み出し動作において、画素100をリセットしてもよい。
図6は、実施の形態1の変形例に係る固体撮像装置及び従来の固体撮像装置における画素信号のCDS処理を説明する動作タイミングチャートである。同図に示された動作タイミングチャートは、図5に示された動作タイミングチャートと比較して、リセットトランジスタ102の導通状態を制御する制御信号RSTの動作タイミング、及び、電荷蓄積部105の電圧が示されている点が異なる。以下、図5に示された動作タイミングチャートと異なる点のみ説明する。
上記非破壊読み出し動作の後で、画素100をリセットしたい場合には、制御信号NCSHをローレベルとした後に、リセットトランジスタ102の制御信号RSTをハイレベルにしてリセットトランジスタ102をオン状態にすればよい。なお、上記制御信号RSTをハイレベルにするタイミングは、制御信号SELをローレベルにした後(図6において、時刻T7とT8との間のタイミング)が望ましい。制御信号SELがローレベルとなることにより、画素100と垂直信号線210とが電気的に切断される。これにより、図6に示すように、画素100の電荷蓄積部105を、垂直信号線210の負荷の影響を受けずに高速にリセットできる。
なお、本変形例に係る読み出し動作は、非破壊読み出しを継続させる場合には実行されない。
以上より、本実施の形態に係る固体撮像装置1によれば、上記期間P1を上記期間P2よりも短くすることができるので、高速な非破壊CDS読み出しを実現することが可能となる。
さらに、本実施の形態に係る固体撮像装置1では、信号保持部50にて画素信号電圧とリセット信号電圧とを切り替えて保持するにあたり、スイッチトキャパシタを有する積分器のような構成を用いず、垂直信号線210と基準信号線271とを切り替えるスイッチトランジスタという簡略化された構成を用いている。また、画素100の回路構成と基準信号生成部70の回路構成とを略同一としている。これにより、例えば、画素信号とリセット信号とを切り替えるスイッチング動作において、オフセット電圧が発生しない。よって、画素信号のダイナミックレンジの制限を伴わない、高速かつ高精度なCDS非破壊読み出しを実現することが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、基準信号生成部の配置レイアウトにより、読み出し動作の高速性及び読み出し精度を向上させている。
図7は、実施の形態2に係る固体撮像装置の全体構成を示すブロック図である。同図に示された固体撮像装置2は、画素アレイ部10と、駆動制御部20と、垂直走査部30と、水平走査部40と、信号保持部50と、電流源60と、基準信号生成部170と、第1スイッチ部80Aと、第2スイッチ部80Bとを備える。また、画素アレイ部10及びその周辺領域には、画素列ごとに垂直信号線210が配置され、画素行ごとに走査線220が配置されている。
固体撮像装置2は、実施の形態1に係る固体撮像装置1と比較して、基準信号生成部170の配置及び構成が異なる。以下、実施の形態1に係る固体撮像装置1と同じ点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
基準信号生成部170は、画素100に対応したリセット信号を生成する。
基準信号生成部170は、いわゆる、垂直OB(Optical Black)領域に配置されている。なお、電流源60は、本実施の形態において、垂直OB領域に配置されていないが、垂直OB領域に配置されてもよい。垂直OB領域とは、有効画素領域の列方向である上下いずれか(または両方)に、有効画素領域に隣接して配置された第1周辺領域である。有効画素領域とは、被写体から入射する光を結像させることにより2次元画像の各点に対応する画素信号を出力する複数の画素100で形成された領域である。
垂直OB領域は、光を遮る以外は基本的に画素100と同じ構造及び回路構成を備える複数の遮光画素を、画素100と同じ平面状に並べ、画素100と同様の制御と読み出しを行うことで、画素信号の明るさレベルを決めるための黒レベル信号を出力する。
基準信号生成部170は、上記複数の遮光画素が配置された垂直OB領域に配置される。
図8は、実施の形態2に係る固体撮像装置の回路構成の一例を示す図である。同図には、図7に示された固体撮像装置2の全体構成に対応した具体的回路構成が示されている。
垂直OB領域には、複数の基準信号生成回路170Aが画素列に対応して配置され、当該複数の基準信号生成回路170Aは、基準信号生成部170を構成している。基準信号生成回路170Aは、画素列ごとに配置されたスイッチトランジスタ82に接続されている。基準信号生成回路170Aの回路構成は、実施の形態1に係る基準信号生成部70の回路構成と同じであり、トランジスタ74のソース端子が、スイッチトランジスタ82のドレイン端子に接続されている。なお、基準信号生成回路170Aの回路構成は、実施の形態1の変形例に係る基準信号生成部71の回路構成と同じであってもよい。
また、信号保持部50は、画素列ごとに配置された複数の信号保持回路50Aを備える。信号保持回路50Aは、画素列ごとに配置されたスイッチトランジスタ81及び82の接続点と接続されている。
上記構成のように、基準信号生成部170を有効画素領域に隣接する垂直OB領域に配置することにより、基準信号生成回路170Aの構造を画素100の構造と酷似させることが可能となる。これにより、基準信号生成回路170Aから出力されるリセット信号を、画素100から出力されるリセット信号に高精度に合わせることが可能となり、より高精度な非破壊CDS動作が実現される。
また、基準信号生成回路170Aが画素列ごとに配置されているので、トランジスタ75と電流源トランジスタ61とを近接して配置することができるので、列毎に精度よくリセット信号を追従させることができる。また、電流源トランジスタから電流が流れることにより発生するグランド電圧の変動が、画素列の位置(例えば、行(水平)方向で、画素の中央と画素端)に依存しないので、列毎に精度よくリセット信号を追従させることができる。これにより、基準信号生成部170から出力されるリセット信号が、画素100に依存しない要因により変動することを抑制できるので、高精度なリセット信号を信号保持部50に供給することが可能となる。
なお、基準信号生成回路170Aが画素列ごとに配置されていることにより、画素列ごとに基準信号生成回路170Aの電流源トランジスタから電流が流れて電力が上昇することが想定される。この対策として、例えば、リセット信号を出力するなどの必要な場合のみ電流源トランジスタから電流を流す回路構成を付加することが望ましい。
また、消費電力低減対策として、画素信号の出力時に必要な電流源とリセット信号の出力時に必要な電流源とを共有させてもよい。つまり、図7において、同じ画素列に配置された電流源トランジスタ61及びトランジスタ75を、共用の電流源トランジスタとする。具体的には、電流源トランジスタ61及びトランジスタ75の代わりに、スイッチトランジスタ81及び82の接続点と信号保持回路50Aの入力端子とを接続する配線上に共用の電流源トランジスタのドレインを接続する。これにより、画素信号出力時またはリセット信号出力時において排他的に電流源トランジスタから電流が流れるので、消費電力を低減することが可能となる。
また、基準信号生成回路170Aの回路構成が基準信号生成部70の回路構成と同じである場合、基準信号生成回路170Aは遮光されていることが望ましい。リセットトランジスタとして機能するトランジスタ72が、入射光により導通状態の変動を受けることを排除するためである。
また、基準信号生成回路170Aからスイッチトランジスタ82を介して出力されるリセット信号は、画素列間で共通化されてもよい。この場合、1つの基準信号生成回路170Aから複数の画素列にリセット信号を出力するために、基準信号生成回路170Aを構成するトランジスタは並列接続されることが好ましい。上記並列接続によるアレイ構成により、出力インピーダンスを下げることができるので、駆動能力を上げる、及び、ノイズレベルを下げることができる。また、トランジスタ75と電流源トランジスタ61とを近接して配置することにより、電流源トランジスタから電流が流れることにより発生するグランド電圧の変動に対する影響を抑制(平均化)することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、基準信号生成部の配置レイアウトにより、読み出し動作の高速性及び読み出し精度の向上に加え、消費電力の低減を実現させている。
図9は、実施の形態3に係る固体撮像装置の全体構成を示すブロック図である。同図に示された固体撮像装置3は、画素アレイ部10と、駆動制御部20と、垂直走査部30と、水平走査部40と、信号保持部50と、電流源60と、基準信号生成部270と、第1スイッチ部80Aと、第2スイッチ部80Bとを備える。また、画素アレイ部10及びその周辺領域には、画素列ごとに垂直信号線210が配置され、画素行ごとに走査線220が配置されている。
固体撮像装置3は、実施の形態1に係る固体撮像装置1と比較して、基準信号生成部270の配置及び構成が異なる。以下、実施の形態1に係る固体撮像装置1と同じ点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
基準信号生成部270は、画素100に対応したリセット信号を生成する。
基準信号生成部270は、垂直OB領域及び水平OB領域の双方に隣接する第3周辺領域に配置されている。垂直OB領域とは、有効画素領域の列方向である上下いずれか(または両方)に、有効画素領域に隣接して配置された第1周辺領域である。また、水平OB領域とは、有効画素領域の行方向である左右いずれか(または両方)に、有効画素領域に隣接して配置された第2周辺領域である。有効画素領域とは、被写体から入射する光を結像させることにより2次元画像の各点に対応する画素信号を出力する複数の画素100で形成された領域である。
垂直OB領域及び水平OB領域は、光を遮る以外は基本的に画素100と同じ構造及び回路構成を備える複数の遮光画素を、画素100と同じ平面状に並べ、画素100と同様の制御と読み出しを行うことで、画素信号の明るさレベルを決めるための黒レベル信号を出力する。
電流源60は、画素列に対応して配置され、第1スイッチ部80A及び第2スイッチ部80Bの接続点と信号保持部50との間に配置されている。
図10は、実施の形態3に係る固体撮像装置の回路構成の一例を示す図である。同図には、図9に示された固体撮像装置3の全体構成に対応した具体的回路構成が示されている。
垂直OB領域及び水平OB領域の双方に隣接する第3周辺領域には、基準信号生成部270が配置されている。基準信号生成部270は、トランジスタ72〜74を備え、トランジスタ74のソース端子が基準信号線271を介して、画素列ごとに配置されたスイッチトランジスタ82に接続されている。基準信号生成部270は、実施の形態1に係る基準信号生成部70と比較して、トランジスタ75を備えない点のみが異なる。
電流源トランジスタ62は、ドレイン端子が垂直信号線210に接続されている。これにより、電流源トランジスタ62は、スイッチトランジスタ81が導通状態の場合には、画素100の画素信号を出力する際の電流源として機能し、スイッチトランジスタ82が導通状態の場合には、基準信号生成部270のリセット信号を出力する際の電流源として機能する。
第3周辺領域は、垂直OB領域及び水平OB領域と比べて面積が小さいため、実施の形態2に係る基準信号生成部170のように、画素列ごとに基準信号生成回路170Aを配置させることは困難である。この観点から、電流源トランジスタ62が、基準信号生成部270の電流源と画素100の電流源とを兼用することにより、基準信号生成部270内の電流源トランジスタが削減できるので、領域面積が狭い第3周辺領域に基準信号生成部を配置することが容易となる。
なお、図10に示された基準信号生成部270では、1組のトランジスタ72〜74が配置されているが、第3周辺領域の面積に応じて、また、画素列数に応じてトランジスタ72〜74で構成される基準信号生成回路を複数配置してもよい。これにより、各画素列に供給されるリセット信号に対して基準信号生成部270の負荷が低減され、安定したリセット信号を出力することが可能となる。
なお、基準信号生成部270の回路構成は、実施の形態1の変形例に係る基準信号生成部71の回路構成と同じであってもよい。
上記構成のように、基準信号生成部270を水平OB領域及び垂直OB領域に隣接する第3周辺領域に配置することにより、基準信号生成部270の構造を画素100の構造と酷似させることが可能となる。これにより、基準信号生成部270から出力されるリセット信号を、画素100から出力されるリセット信号に高精度に合わせることが可能となり、より高精度な非破壊CDS動作が実現される。
[変形例]
なお、第3周辺領域の面積の制約により、基準信号生成回路の配置数には制限がある。よって、大面積及び多画素化に伴い、基準信号生成部の負荷変動が大きくなるとともに基準信号線271の電位変動が大きくなることが想定される。本変形例に係る固体撮像装置は、実施の形態3に係る固体撮像装置3に対して、基準信号線271の電位変動を抑制する構成が付加されている。
図11は、実施の形態3の変形例に係る固体撮像装置の回路構成の一例を示す図である。同図に示された固体撮像装置3Aは、実施の形態3に係る固体撮像装置3と比較して、基準信号生成部及び電流源の構成が異なる。以下、実施の形態3に係る固体撮像装置3と同じ点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
基準信号生成部270Aは、トランジスタ72〜75と、バッファアンプ91とを備える。トランジスタ72〜75の接続構成は、基準信号生成部70におけるトランジスタ72〜75の接続構成と同じである。バッファアンプは、負入力端子と出力端子とが短絡されたボルテージフォロワ型のバッファ回路を構成している。
電流源トランジスタ61は、画素列ごとに配置され、垂直信号線210に接続されている。
これにより、バッファアンプ91の入力側のリセット信号電圧は、負荷変動があっても、出力側である基準信号線271へ安定して伝達される。よって、基準信号生成部270Aを構成する基準信号生成回路が少数であっても、リセット信号を駆動する能力が高まるので、負荷変動に影響されない高精度なリセット信号を信号保持部50に供給することが可能となる。
本変形例では、リセット信号の駆動能力を高める回路構成として、負入力端子と出力端子とが短絡されたボルテージフォロワ型のバッファ回路を挙げたが、リセット信号の駆動能力を高める回路構成は、これに限定されない。回路の出力インピーダンスを下げ、当該回路の入力電圧に、出力電圧が追従する構成であればどのような回路構成であってもよい。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3では、画素100から垂直信号線210を介して信号保持部50へ出力されるリセット信号の代わりに、基準信号生成部で生成されたリセット信号を信号保持部50へ出力することにより非破壊CDS読み出しを実現する。これに対して、本実施の形態では、垂直信号線を基準電圧でリセットした上で、画素信号を、当該垂直信号線を介して信号保持部50へ出力する。これにより、非破壊CDS読み出しを実現する。
図12は、実施の形態4に係る画素及び基準信号生成部の回路構成の一例を示す図である。同図には、画素110、電流源トランジスタ61、基準信号生成部370、スイッチトランジスタ81及び82、垂直走査部30、ならびに信号保持部50が示されている。なお、本実施の形態に係る固体撮像装置は、図12に示された構成要素を備えるのに加えて、実施の形態1〜3と同様に駆動制御部20及び水平走査部40を備える。
画素110の回路構成は、画素100と比較して、リセットトランジスタ102のドレインがリセット電源に接続されず、基準信号生成部370に接続されている点のみが異なる。
基準信号生成部370は、実施の形態1に係る基準信号生成部70の各構成要素に加え、反転増幅器95を備える。反転増幅器95は、第2入力端子である正入力端子がリセット電圧V1を供給する基準信号線295に接続され、第1入力端子である負入力端子が垂直信号線210に接続され、出力端子はリセットトランジスタ102のドレイン端子に接続されてたバッファアンプである。
スイッチトランジスタ81は、ドレインが垂直信号線210に接続され、ソースが信号保持部50に接続され、ゲートが制御信号S1を供給する制御線に接続された第1スイッチ部である。
スイッチトランジスタ82は、ドレインが基準信号線295に接続され、ソースが信号保持部50に接続され、ゲートが制御信号N1を供給する制御線に接続された第2スイッチ部である。
ここで、上記構成におけるCDS非破壊読み出し動作について説明する。
図13は、実施の形態4に係る固体撮像装置及び従来の固体撮像装置における画素信号のCDS処理を説明する動作タイミングチャートである。以下、図13を参照して、本実施の形態に係るCDS非破壊読み出し動作を説明する。
まず、時刻T1において、垂直走査部30は、選択信号SELをハイレベルにして選択トランジスタ104をオン状態にする。また同時に、制御信号S1、信号保持部50に供給される制御信号NCSH及びNCCL(図4に図示)をハイレベルにしてスイッチトランジスタ81、信号保持部50のトランジスタ53及び52(図4に図示)をオン状態にする。これにより、入力端子OUT1の電位が画素信号電圧へと収束すると同時に、信号保持部50の接続端子OUT2(図4に図示)の電位は参照電圧VREF(図4に図示)にクランプされる(収束する)。
次に、時刻T2において、制御信号NCCLをローレベルにしてトランジスタ52をオフ状態にする。これにより、接続端子OUT2の電位は参照電圧VREFから画素信号電圧へと収束する。
次に、時刻T3において、制御信号S1をローレベルにしてスイッチトランジスタ81をオフ状態にする。
次に、時刻T4において、制御信号N1をハイレベルにしてスイッチトランジスタ82をオン状態にする。これにより、基準信号生成部370から出力されるリセット電圧V1が、基準信号線295を介して入力端子OUT1に伝達される。ここで、本実施の形態に係る読み出し動作の場合、スイッチトランジスタ82がオン状態となった時点から入力端子OUT1の電位がリセット電圧V1に収束するまでの期間はP1である。この期間P1は、リセット電圧V1を伝達する基準信号線295の時定数に依存する。
これにより、画素110の電荷蓄積部105の電位をリセットすることなく、信号保持部50にてCDS処理を実行できるので、高速かつ高精度な非破壊読み出しが可能となる。
次に、時刻T6において、制御信号NCSHをローレベルにしてトランジスタ53をオフ状態にする。これにより、接続端子OUT2の電位は、画素信号電圧とリセット信号電圧との差分電圧へと収束する。
次に、時刻T8において、水平走査部は、制御信号HSELをハイレベルにしてトランジスタ54をオン状態にする。これにより、上記差分電圧であるCDS画素信号が水平信号線254へ読み出される。
ここで、画素110をリセットする際に、垂直信号線210を基準信号生成部370のリセット信号V1に設定する動作について説明する。時刻T7以降の時刻T7’において、リセット信号RSTをハイレベルにしてリセットトランジスタ102をオン状態にする。このとき、反転増幅器95の作用により、垂直信号線210に接続される負入力端子の電圧は、基準信号線295に接続される正入力端子のリセット電圧V1と同じ電圧になるよう収束する。
これにより、画素110をリセットする際に、垂直信号線210を基準信号生成部370のリセット信号V1に設定することができる。本実施の形態の特徴及び効果として、反転増幅器95の作用により、画素部のトランジスタのばらつきや、電流源のばらつきに依存することなく、垂直信号線210に接続される負入力端子の電圧は、基準信号線295に接続される正入力端子のリセット電圧V1と同じ電圧になるよう精度よく収束させることができる。つまり、垂直信号線からの入力電圧が無(暗)信号の場合に、基準電圧V1との差は発生しないため、ダイナミックレンジを損なうことなく、高速な非破壊読み出しが可能な固体撮像装置を提供することができる。
また、画素110をリセットする際に、画素のリセットにはP2に相当する期間が必要となるが、例えば水平転送期間と同一期間に動作させることで、高速性(フレームレート)を損なうことなく、駆動させることができる。
(実施の形態5)
実施の形態1〜3では、画素100から垂直信号線210を介して信号保持部50へ出力されるリセット信号の代わりに、基準信号生成部で生成されたリセット信号を信号保持部50へ出力することにより、非破壊CDS読み出しを実現する。これに対して、本実施の形態では、垂直信号線を基準電圧でリセットした上で、画素信号を、当該垂直信号線を介して信号保持部50へ出力する。これにより、非破壊CDS読み出しを実現する。
図14は、実施の形態5に係る画素及び基準信号生成部の回路構成の一例を示す図である。同図には、画素110、電流源トランジスタ61、基準信号生成部470、スイッチトランジスタ81及び82、垂直走査部30、ならびに信号保持部50が示されている。なお、本実施の形態に係る固体撮像装置は、図14に示された構成要素を備えるのに加えて、実施の形態1〜3と同様に駆動制御部20及び水平走査部40を備える。
画素110の回路構成は、画素100と比較して、リセットトランジスタ102のドレインがリセット電源に接続されず、スイッチトランジスタ81を介して基準信号生成部470に接続されている点のみが異なる。
基準信号生成部470は、実施の形態1に係る基準信号生成部70の各構成要素に加え、反転増幅器96を備える。反転増幅器96は、第2入力端子である正入力端子がリセット電圧V1を供給する基準信号線296に接続され、第1入力端子である負入力端子がスイッチトランジスタ82を介して垂直信号線210に接続され、出力端子がスイッチトランジスタ81を介してリセットトランジスタ102のドレインに接続されたバッファアンプである。さらに、反転増幅器96の負入力端子と出力端子とは、スイッチトランジスタ83を介して接続されている。
スイッチトランジスタ81は、ドレインがリセットトランジスタ102のドレインに接続され、ソースが反転増幅器96の負入力端子に接続され、ゲートが制御信号S1を供給する制御線に接続された第4スイッチトランジスタである。
スイッチトランジスタ82は、ドレインが垂直信号線210に接続され、ソースが反転増幅器96の負入力端子及びスイッチトランジスタ83の一端に接続され、ゲートが制御信号S1を供給する制御線に接続された第5スイッチトランジスタである。
スイッチトランジスタ81及び82は、第1スイッチ部を構成する。
スイッチトランジスタ83は、ソース及びドレインの一端が反転増幅器96の負入力端子及びスイッチトランジスタ82のソースに接続され、ソース及びドレインの他端が反転増幅器96の出力端子及びスイッチトランジスタ81のソースに接続された第2スイッチ部である。
ここで、上記構成におけるCDS非破壊読み出し動作について説明する。
図15は、実施の形態5に係る固体撮像装置及び従来の固体撮像装置における画素信号のCDS処理を説明する動作タイミングチャートである。以下、図15を参照して、本実施の形態に係るCDS非破壊読み出し動作を説明する。
まず、時刻T1において、垂直走査部30は、選択信号SELをハイレベルにして選択トランジスタ104をオン状態にする。また同時に、制御信号S1、信号保持部50に供給される制御信号NCSH及びNCCL(図4に図示)をハイレベルにしてスイッチトランジスタ81、スイッチトランジスタ82、トランジスタ53及び52(図4に図示)をオン状態にする。これにより、入力端子OUT1の電位が画素信号電圧へと収束すると同時に、信号保持部50の接続端子OUT2(図4に図示)の電位は参照電圧VREF(図4に図示)にクランプされる(収束する)。
次に、時刻T2において、制御信号NCCLをローレベルにしてトランジスタ52をオフ状態にする。これにより、接続端子OUT2の電位は参照電圧VREFから画素信号電圧へと収束する。
次に、時刻T3において、制御信号S1をローレベルにしてスイッチトランジスタ81及びスイッチトランジスタ82をオフ状態にする。
次に、時刻T4において、制御信号N1をハイレベルにしてスイッチトランジスタ83をオン状態にする。これにより、反転増幅器96の負入力端子と出力端子が接続され、反転増幅器96はボルテージフォロア回路として動作することができる。そのため、基準信号生成部470から出力されるリセット電圧V1が、基準信号線296を介して反転増幅器96の正入力端子に伝達され、反転増幅器96を介して、リセット電圧V1が入力端子OUT1に伝達される。ここで、本実施の形態に係る読み出し動作の場合、スイッチトランジスタ82がオン状態となった時点から入力端子OUT1の電位がリセット電圧V1に収束するまでの期間はP1である。この期間P1は、リセット電圧V1を伝達する基準信号線295の時定数に依存する。
これにより、画素110の電荷蓄積部105の電位をリセットすることなく、信号保持部50にてCDS処理を実行できるので、高速かつ高精度な非破壊読み出しが可能となる。
次に、時刻T6において、制御信号NCSHをローレベルにしてトランジスタ53をオフ状態にする。これにより、接続端子OUT2の電位は、画素信号電圧とリセット信号電圧との差分電圧へと収束する。
次に、時刻T8において、水平走査部は、制御信号HSELをハイレベルにしてトランジスタ54をオン状態にする。これにより、上記差分電圧であるCDS画素信号が水平信号線254へ読み出される。
ここで、画素110をリセットする際に、垂直信号線210を基準信号生成部470のリセット信号V1に設定する動作について説明する。時刻T7以降の時刻T7’において、リセット信号RSTをハイレベルにしてリセットトランジスタ102をオン状態にする。また、制御信号S1をハイレベルにしてスイッチトランジスタ81及び82をオン状態にし、制御信号N1をローレベルにしてスイッチトランジスタ83をオフ状態にする。反転増幅器96の作用により、垂直信号線210に接続される負入力端子の電圧は、基準信号線296に接続される正入力端子のリセット電圧V1と同じ電圧になるよう収束する。
これにより、画素110をリセットする際に、垂直信号線210を基準信号生成部470のリセット信号V1に設定することができる。本実施の形態の特徴及び効果として、反転増幅器96の作用により、画素110のトランジスタのばらつきや、電流源のばらつきに依存することなく、垂直信号線210に接続される負入力端子の電圧は、基準信号線296に接続される正入力端子のリセット電圧V1と同じ電圧になるよう精度よく収束させることができる。本実施の形態では、時刻T5からT6の間のリセット時のリセット信号V1設定時も、時刻T7’で画素部をリセットする際のリセット信号V1設定時も、共に反転増幅器96の負入力端子でリセット信号V1を設定することができるため、リセット信号V1のオフセット差をなくすことができる。つまり、垂直信号線からの入力電圧が無(暗)信号の場合に、基準電圧V1との差は発生しないため、ダイナミックレンジを損なうことなく、高速な非破壊読み出しが可能な固体撮像装置を提供することができる。
また、画素110をリセットする際に、画素のリセットにはP2に相当する期間が必要となるが、例えば水平転送期間と同一期間に動作させることで、高速性(フレームレート)を損なうことなく、駆動させることができる。
(実施の形態6)
実施の形態1〜5に係る固体撮像装置は、デジタル出力型のイメージセンサに適用することが可能である。
図16は、実施の形態6に係る固体撮像装置の全体構成を示すブロック図である。同図に記載された固体撮像装置4は、デジタル出力型のイメージセンサであり、画素アレイ部510と、垂直走査部530と、タイミング制御回路520と、AD変換(アナログ/デジタルコンバータ)回路540と、電流源560と、基準信号生成部570と、第1スイッチ部581と、第2スイッチ部582と、参照信号生成部590と、出力I/F546とを備える。
画素アレイ部510は、実施の形態1に係る画素100と同様の構成を有する。各画素は、垂直走査部530で制御される走査線と、画素信号をAD変換回路540に伝達する垂直信号線610とに接続される。
タイミング制御回路520は、外部端子を介して入力されたマスタークロックCLK0およびデータDATAを受け取り、種々の内部クロックを生成し、垂直走査部530、基準信号生成部570、参照信号生成部590、第1スイッチ部581、及び第2スイッチ部582を制御する。
参照信号生成部590は、AD変換回路540のカラムAD回路541にAD変換用の参照電圧RAMPを供給する。
AD変換回路540は、画素列に対応して設けられたカラムAD回路541を複数有する。カラムAD回路541は、参照信号生成部590で生成される参照電圧RAMPを用いて、画素100から出力された画素信号及び基準信号生成部570から出力されたリセット信号であるアナログの電圧信号をデジタル信号に変換する。
カラムAD回路541は、電圧比較部542、カウンタ部543、スイッチ544及びメモリ545から構成される。電圧比較部542は、画素100から垂直信号線610を経由して得られるアナログの画素信号を参照電圧RAMPと比較する。また、電圧比較部542は、基準信号生成部570から基準信号線571を経由して得られるアナログのリセット信号を参照電圧RAMPと比較する。メモリ545は、電圧比較部542が比較処理を完了するまでの時間とカウンタ部543を利用してカウントした結果とを保持する。
電圧比較部542の一方の入力端子には、他の電圧比較部542の入力端子と共通に、参照信号生成部590で生成される階段状の参照電圧RAMPが入力され、他方の入力端子には、画素100からの画素信号または基準信号生成部570からのリセット信号が入力される。電圧比較部542の出力信号はカウンタ部543に供給される。
カラムAD回路541は、電圧比較部542に参照電圧RAMPが供給されると同時にクロック信号でのカウント(計数)を開始し、入力されたアナログの電圧信号を参照電圧RAMPと比較することによってパルス信号が得られるまでカウントすることでAD変換を行う。
この際、カラムAD回路541は、AD変換とともに、リセット信号レベル(ノイズレベル)と画素信号レベルとの差分をとる処理を行う。これにより、ノイズ信号成分を電圧信号から取り除くことができる。
なお、カラムAD回路541は、リセット信号レベルをダウンカウントし、画素信号レベルをアップカウントすることで真の信号レベルのみを取り出す構成であり、このカラムAD回路541でデジタル化された信号は、水平信号線547を介して出力I/F546に入力される。
上記構成において、固体撮像装置4は、第1スイッチ部581を導通状態にして画素信号をAD変換回路540へ出力し、その後、第2スイッチ部582を導通状態にして基準信号生成部570からのリセット信号をAD変換回路540へ出力する。
これにより、画素列方向に延在し大容量を有する垂直信号線610をリセット電圧VRSTで充放電する時間をかけずとも、画素のリセット信号に対応したリセット信号を短時間でAD変換回路540に保持させることが可能となる。
また、基準信号生成部570の回路構成と光電変換素子を除いた画素の回路構成とを略同一にすることにより、基準信号生成部570から出力されるリセット信号電圧を、リセットトランジスタ102をオン状態にして画素から出力されるリセット信号電圧と略同一にすることが可能となる。よって、画素をリセットすることなく、AD変換回路540にてCDS処理を実行できるので、高速かつ高精度なデジタル出力信号の非破壊読み出しが可能となる。
(実施の形態7)
実施の形態1〜6に係る固体撮像装置では、非破壊CDS処理を実行するための構成、つまり、基準信号生成部、電流源、スイッチ部、及び信号保持部は、画素100が配置される有効画素領域の周辺に配置される。上記構成が付加されることにより、固体撮像装置のチップサイズは大きくなり、また、多画素化に伴う画素間の狭ピッチ化が制約されることになる。
本実施の形態に係る固体撮像装置は、非破壊CDS処理を実行するための上記構成を小型化するものである。
図17は、実施の形態7に係る固体撮像装置の全体構成を示すブロック図である。同図に示された固体撮像装置5は、画素アレイ部10と、駆動制御部20と、垂直走査部30と、水平走査部40と、信号保持部50と、電流源60と、基準信号生成部70と、第1スイッチ部80Aと、第2スイッチ部80Bと、マルチプレクサ150とを備える。また、画素アレイ部10及びその周辺領域には、画素列ごとに垂直信号線210が配置され、画素行ごとに走査線220が配置されている。
本実施の形態に係る固体撮像装置5は、実施の形態1に係る固体撮像装置1と比較して、マルチプレクサ150を備える点が構成として異なる。以下、実施の形態1に係る固体撮像装置1と同じ点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
マルチプレクサ150は、2つの入力端子と1つの出力端子とを有し、隣接する2つの画素列ごとに配置されている。上記2つの入力端子のそれぞれは、隣接する2本の垂直信号線210のそれぞれに接続されており、上記出力端子は、上記隣接する2つの画素列ごとに配置された電流源60及び第1スイッチ部80Aに接続されている。
基準信号生成部70は、上記隣接する2つの画素列ごとに配置された第2スイッチ部80Bに接続されている。
信号保持部50は、上記隣接する2つの画素列ごとに配置された信号保持回路50Aを備える。信号保持回路50Aの入力端子は、第1スイッチ部80A及び第2スイッチ部80Bの接続点に接続されている。
上記構成において、固体撮像装置5は、例えば、以下の動作を行う。
まず、マルチプレクサ150に対して、奇数列目の垂直信号線210との接続を選択させる。
次に、第1スイッチ部80Aを導通させて奇数列の画素100から画素信号を信号保持回路50Aへ出力させる。
次に、第2スイッチ部80Bを導通させて基準信号生成部70からリセット信号を信号保持回路50Aへ出力させる。
次に、信号保持回路50Aは、上記画素信号及びリセット信号から奇数画素列のCDS画素信号を生成し、保持する。
次に、マルチプレクサ150に対して、偶数列目の垂直信号線210との接続を選択させる。
次に、第1スイッチ部80Aを導通させて偶数列の画素100から画素信号を信号保持回路50Aへ出力させる。
次に、第2スイッチ部80Bを導通させて基準信号生成部70からリセット信号を信号保持回路50Aへ出力させる。
次に、信号保持回路50Aは、上記画素信号及びリセット信号から偶数画素列のCDS画素信号を生成し、保持する。
水平走査部により、奇数画素列のCDS画素信号及び偶数画素列のCDS画素信号が信号保持部50から読み出される。
上記構成によれば、非破壊CDS読み出し動作を実行するにあたり、電流源60、第1スイッチ部80A、第2スイッチ部80B、及び信号保持回路50Aを画素列ごとに配置する必要がなく、2画素列ごとに配置すればよい。よって、画素アレイ部10の周辺に配置される回路面積を縮小することが可能となり、固体撮像装置を小型化することが可能となる。
なお、実施の形態2に係る固体撮像装置2のように、基準信号生成回路170Aが画素列ごとに配置されるような構成において、本実施の形態に係るマルチプレクサ150を、垂直信号線210上に配置することにより、基準信号生成回路170Aの配置数を半減させることができる。この場合においても、画素アレイ部10の周辺に配置される回路面積を縮小することが可能となり、固体撮像装置を小型化することが可能となる。
また、1つのマルチプレクサ150により選択可能な画素列数は2に限られず、信号保持回路50Aの信号保持能力に応じて3以上の画素列を接続してもよい。
(効果など)
以上のように、上記実施の形態に係る固体撮像装置は、行列状に配置された複数の画素100を有する画素アレイ部10と、画素列ごとに設けられた垂直信号線210と、複数の画素100から出力された画素信号と画素100に対応したリセット信号との差分信号を出力する信号保持部50と、垂直信号線210に接続され画素100から信号保持部50への画素信号の入力及び遮断を切り替える第1スイッチ部80Aと、リセット信号を生成する基準信号生成部70と、基準信号生成部70に接続され基準信号生成部70から信号保持部50へのリセット信号の入力及び遮断を切り替える第2スイッチ部80Bとを備える。
これにより、画素列方向に延在し大容量を有する垂直信号線210をリセット電圧で充放電する時間をかけずとも、画素100のリセット信号に対応したリセット信号を短時間で信号保持部50に保持させることができる。よって、高速な非破壊読み出しが可能となる。
また、さらに、第1スイッチ部80Aを導通状態かつ第2スイッチ部80Bを非導通状態にして信号保持部50に画素信号を保持させ、信号保持部50が画素信号を保持した状態で第1スイッチ部80Aを非導通状態かつ第2スイッチ部80Bを導通状態にして信号保持部50にリセット信号を入力させることにより、信号保持部50に差分信号を保持させる駆動制御部20を備えてもよい。
これにより、画素100の電荷蓄積部105の電位をリセットすることなく、信号保持部50にてCDS処理を実行でき、高速な非破壊読み出しが可能となる。
また、画素100は、入射光を信号電荷に光電変換する光電変換素子101と、光電変換素子101に接続され信号電荷を蓄積する電荷蓄積部105と、ゲートが電荷蓄積部105に接続されドレインに電源電圧が供給され信号電荷の電荷量に応じた画素信号を出力する増幅トランジスタ103と、ドレインにリセット電圧が供給されソースが電荷蓄積部105に接続され電荷蓄積部105の電位をリセットするリセットトランジスタ102と、ドレインが増幅トランジスタ103のソースに接続されソースが垂直信号線210に接続され増幅トランジスタから画素信号を出力するタイミングを決定する選択トランジスタ104とを備え、基準信号生成部70は、ドレインに電源電圧が供給されたトランジスタ73と、ドレインがトランジスタ73のソースに接続されソースが第2スイッチ部80Bに接続されたトランジスタ74とを備えてもよい。
また、トランジスタ73は、増幅トランジスタ103と実質的に同一の電気特性を有し、トランジスタ74は、選択トランジスタ104と実質的に同一の電気特性を有してもよい。
また、基準信号生成部70は、さらに、ドレインにリセット電圧が供給され、ソースがトランジスタ73のゲートに接続されたトランジスタ72を備えてもよい。
また、トランジスタ72は、リセットトランジスタ102と実質的に同一の電気特性を有してもよい。
これらによれば、基準信号生成部70の回路構成と光電変換素子101を除いた画素100の回路構成とを略同一にすることができる。つまり、基準信号生成部70の回路構成は、画素100におけるソースフォロワ回路のレプリカとなっている。よって、基準信号生成部70から出力されるリセット信号電圧を、リセットトランジスタ102をオン状態にして画素100から出力されるリセット信号電圧と略同一にすることが可能となる。よって、画素100の電荷蓄積部105の電位をリセットすることなく、信号保持部50にてCDS処理を実行できるので、高速かつ高精度な非破壊読み出しが可能となる。
また、第1スイッチ部80Aの一方の端子は、垂直信号線210に接続され、第2スイッチ部80Bの一方の端子は、トランジスタ74のソースに接続され、さらに、ドレインが第1スイッチ部80Aの他方の端子及び第2スイッチ部80Bの他方の端子に接続され、ソースが接地された電流源トランジスタ62を備えてもよい。
これにより、電流源トランジスタ62は、第1スイッチ部80Aが導通状態の場合には、画素100の画素信号を出力する際の電流源として機能し、第2スイッチ部80Bが導通状態の場合には、基準信号生成部のリセット信号を出力する際の電流源として機能する。よって、基準信号生成部内の電流源トランジスタが削減できるので、基準信号生成部を省面積化することが容易となる。
また、画素100は、画素アレイ部10において、被写体からの入射光を受光することにより画素信号を生成する有効画素領域を形成し、基準信号生成部170は、有効画素領域の列方向に隣接する第1周辺領域に配置されている。
これにより、基準信号生成部170を有効画素領域に隣接する第1周辺領域に配置することにより、基準信号生成回路170Aの構造を画素100の構造と酷似させることが可能となる。これにより、基準信号生成回路170Aから出力されるリセット信号を、画素100から出力されるリセット信号に高精度に合わせることが可能となり、より高精度な非破壊CDS動作が実現される。
また、基準信号生成回路170Aを画素列ごとに配置することが可能となるので、基準信号生成部170と第2スイッチ部80Bとの距離を短くでき、また、基準信号生成部170の電力負荷を複数の基準信号生成回路170Aで分散できる。これにより、基準信号生成部170から出力されるリセット信号が、画素100に依存しない要因により変動することを抑制できるので、高精度なリセット信号を信号保持部50に供給することが可能となる。
また、基準信号生成部270は、有効画素領域の列方向に隣接する第1周辺領域と、有効画素領域の行方向に隣接する第2周辺領域との双方に隣接する第3周辺領域に配置されてもよい。
これにより、基準信号生成部270の構造を画素100の構造と酷似させることが可能となる。これにより、基準信号生成部270から出力されるリセット信号を、画素100から出力されるリセット信号に高精度に合わせることが可能となり、より高精度な非破壊CDS動作が実現される。
また、基準信号生成部270Aは、リセット信号の出力端子と第2スイッチ部80Bとの間に、バッファアンプ91が挿入されてもよい。
これにより、バッファアンプ91の入力側のリセット信号電圧は、負荷変動があっても、出力側である基準信号線271へ安定して伝達される。よって、基準信号生成部270Aを構成する基準信号生成回路が少数であっても、リセット信号を駆動する能力が高まるので、負荷変動に影響されない高精度なリセット信号を信号保持部50に供給することが可能となる。
また、画素110は、入射光を信号電荷に光電変換する光電変換素子101と、光電変換素子101に接続され信号電荷を蓄積する電荷蓄積部105と、ゲートが電荷蓄積部105に接続されドレインに電源電圧が供給され、信号電荷の電荷量に応じた画素信号を出力する増幅トランジスタ103と、ソースが電荷蓄積部105に接続され電荷蓄積部105の電位をリセットするリセットトランジスタ102と、ドレインが増幅トランジスタ103のソースに接続されソースが垂直信号線210に接続され増幅トランジスタ103から画素信号を出力するタイミングを決定する選択トランジスタ104とを備え、基準信号生成部370は、ドレインに電源電圧が供給されたトランジスタ73と、ドレインがトランジスタ73のソースに接続されソースが第2スイッチ部80Bに接続されたトランジスタ74と、第1入力端子、第2入力端子及び出力端子を有する反転増幅器95とを備え、第1入力端子は垂直信号線210及び第1スイッチ部80Aに接続され、第2入力端子は第2スイッチ部80Bと接続されるとともに第2入力端子にはリセット信号であるリセット電圧V1が入力され、出力端子はリセットトランジスタ102のドレインに接続されている。
これにより、画素110の電荷蓄積部105の電位をリセットすることなく、信号保持部50にてCDS処理を実行できるので、高速かつ高精度な非破壊読み出しが可能となる。また、画素110をリセットする際に、垂直信号線210を基準信号生成部370のリセット信号V1に設定することができる。反転増幅器95の作用により、画素110が有する各トランジスタのばらつきや、電流源のばらつきに依存することなく、垂直信号線210に接続される負入力端子の電圧は、基準信号線295に接続される正入力端子のリセット電圧V1と同じ電圧になるよう精度よく収束させることができる。つまり、垂直信号線210からの入力電圧が無(暗)信号の場合に、基準電圧V1との差は発生しないため、ダイナミックレンジを損なうことなく、高速な非破壊読み出しが可能な固体撮像装置を提供することができる。
また、画素110は、入射光を信号電荷に光電変換する光電変換素子101と、光電変換素子101に接続され信号電荷を蓄積する電荷蓄積部105と、ゲートが電荷蓄積部105に接続されドレインに電源電圧が供給され、信号電荷の電荷量に応じた画素信号を出力する増幅トランジスタ103と、ソースが電荷蓄積部105に接続され電荷蓄積部105の電位をリセットするリセットトランジスタ102と、ドレインが増幅トランジスタ103のソースに接続されソースが垂直信号線210に接続され増幅トランジスタ103から画素信号を出力するタイミングを決定する選択トランジスタ104とを備え、第1スイッチ部80Aは、スイッチトランジスタ81及びスイッチトランジスタ82を有し、基準信号生成部470は、ドレインに電源電圧が供給されたトランジスタ73と、ドレインがトランジスタ73のソースに接続されたトランジスタ74と、第1入力端子、第2入力端子及び出力端子を有する反転増幅器96とを備え、スイッチトランジスタ81のドレインはリセットトランジスタ102のドレインに接続され、スイッチトランジスタ82のドレインは垂直信号線210に接続され、第2入力端子はスイッチトランジスタ82のソース及び第2スイッチ部80Bの一端に接続され、第1入力端子にはリセット信号であるリセット電圧が入力され、出力端子はスイッチトランジスタ81のソース及び第2スイッチ部80Bの他端に接続されている。
これにより、画素110の電荷蓄積部105の電位をリセットすることなく、信号保持部50にてCDS処理を実行できるので、高速かつ高精度な非破壊読み出しが可能となる。また、画素110をリセットする際に、垂直信号線210を基準信号生成部470のリセット信号V1に設定することができる。反転増幅器96の作用により、画素110が有する各トランジスタのばらつきや、電流源のばらつきに依存することなく、垂直信号線210に接続される負入力端子の電圧は、基準信号線296に接続される正入力端子のリセット電圧V1と同じ電圧になるよう精度よく収束させることができる。また、リセット信号V1のオフセット差をなくすことができる。つまり、垂直信号線210からの入力電圧が無(暗)信号の場合に、基準電圧V1との差は発生しないため、ダイナミックレンジを損なうことなく、高速な非破壊読み出しが可能な固体撮像装置を提供することができる。
また、さらに、複数の垂直信号線210と第1スイッチ部80Aとに間に配置され、複数の垂直信号線210のうちの一の垂直信号線210と第1スイッチ部80Aとの接続を選択的に切り替えるマルチプレクサ150を備え、第1スイッチ部80A及び第2スイッチ部80Bは、それぞれ、マルチプレクサ150に対応して配置されてもよい。
これにより、非破壊CDS読み出し動作を実行するにあたり、電流源60、第1スイッチ部80A、第2スイッチ部80B、及び信号保持回路50Aを画素列ごとに配置する必要がなく、複数の画素列ごとに配置すればよい。よって、画素アレイ部10の周辺に配置される回路面積を縮小することが可能となり、固体撮像装置を小型化することが可能となる。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の固体撮像装置について、実施の形態1〜7に基づいて説明したが、本発明は実施の形態1〜7に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
また、上記実施の形態に係る固体撮像装置は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、上記実施形態に係る固体撮像装置の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
また、上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
また、上記実施の形態では、選択トランジスタ104及びトランジスタ74を有する例を示したが、増幅トランジスタ103及びトランジスタ73の電源をパルス駆動するなどにより、選択トランジスタ104及びトランジスタ74を有しない画素構成を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、NchタイプのMOSトランジスタを用いた例を示したが、Pchタイプのトランジスタを用いてもよい。
また、上記説明では、MOSトランジスタを用いた例を示したが、他のトランジスタを用いてもよい。
また、上記実施の形態では、信号保持部50のリセット動作として、画素信号を保持した後にリセットする動作を例に示したが、信号保持部50をリセットした後に、画素信号を保持するなど、発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
更に、本発明の主旨を逸脱しない限り、本実施形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。