JP2020038246A - 偏光子保護フィルム、偏光子保護フィルム用転写体、偏光板、画像表示装置、および偏光子保護フィルムの製造方法 - Google Patents

偏光子保護フィルム、偏光子保護フィルム用転写体、偏光板、画像表示装置、および偏光子保護フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄型化を図ることができ、かつ偏光サングラス越しに表示画像を観察した場合であっても視認性の低下を抑制できる偏光子保護フィルムを提供できる。【解決手段】本発明の一の態様によれば、基材レスの偏光子保護フィルム20であって、第1電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む第1樹脂層21と、第1樹脂層21の一方の面側に配置され、かつ少なくとも液晶化合物を含む第2電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む第2樹脂層22と、を備える、偏光子保護フィルム20が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子保護フィルム、偏光子保護フィルム用転写体、偏光板、画像表示装置、および偏光子保護フィルムの製造方法に関する。
近年、表示素子として、有機発光ダイオード(OLED)素子を用いた画像表示装置の開発が進んでいる。有機発光ダイオード素子を用いた画像表示装置は、液晶表示装置に代表される非発光型の表示装置とは異なり、自発光型であり、バックライト装置などの光源が不要であるため、薄型化および軽量化を図ることが可能である。
現在、偏光子を保護し、かつ偏光子よりも観察者側に配置される偏光子保護フィルムとして、シクロオレフィンポリマー基材(COP基材)と、COP基材上に設けられたハードコート層とを有するフィルムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−200709号公報
現在、画像表示装置の更なる薄型化が求められている。偏光子保護フィルムの基材として用いられているCOP基材の厚みは厚いが、COP基材を薄くすることは困難であるので、画像表示装置の更なる薄型化を図るためには、偏光子保護フィルムにCOP基材を用いることができない。
一方で、屋外等ではサングラスを装着して、画像表示装置の表示画像を観察することがあるが、サングラスが偏光サングラスである場合、偏光サングラス越しに表示画像を観察すると、視認性が低下するおそれがある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、薄型化を図ることができ、かつ偏光サングラス越しに表示画像を観察した場合であっても視認性の低下を抑制できる偏光子保護フィルム、これを備える偏光子保護フィルム用転写体、偏光板、および画像表示装置ならびにこのような偏光子保護フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の発明を含む。
[1]基材レスの偏光子保護フィルムであって、第1電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む第1樹脂層と、前記第1樹脂層の一方の面側に配置され、かつ少なくとも液晶化合物を含む第2電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む第2樹脂層と、
を備える、偏光子保護フィルム。
[2]前記第2樹脂層の膜厚が、0.1μm以上10μm以下である、[1]に記載の偏光子保護フィルム。
[3]前記偏光子保護フィルムの波長589nmにおける面内位相差が、80nm以上220nm以下である、上記[1]または[2]に記載の偏光子保護フィルム。
[4]前記第1樹脂層のインデンテーション硬さが、前記第2樹脂層のインデンテーション硬さよりも大きい、上記[1]ないし[3]のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルム。
[5]前記偏光子保護フィルムの厚みが、15μm以下である、上記[1]ないし[4]のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルム。
[6]前記第1樹脂層が、紫外線吸収剤を含む、上記[1]ないし[5]のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルム。
[7]上記[1]ないし[6]のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルムと、前記偏光子保護フィルムの前記第1樹脂層側に設けられた離型フィルムと、を備える、偏光子保護フィルム用転写体。
[8]偏光子と、前記偏光子に貼り付けられた上記[1]ないし[6]のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルムと、を備え、前記偏光子保護フィルムの前記第2樹脂層が前記第1樹脂層よりも前記偏光子側に位置している、偏光板。
[9]表示素子と、前記表示素子よりも観察者側に配置された上記[8]に記載の偏光板と、を備え、前記偏光子保護フィルムが、前記偏光子よりも観察者側に位置している、画像表示装置。
[10]前記表示素子が発光素子であり、前記発光素子の青色光の発光ピーク波長をλ1とし、前記第1樹脂層の吸収開始波長をλ2とし、前記第2樹脂層の吸収開始波長をλ3としたとき、λ1>λ2>λ3の関係を満たす、上記[9]に記載の画像表示装置。
[11]前記表示素子が、有機発光ダイオードである、上記[9]または[10]に記載の画像表示装置。
[12]偏光子保護フィルムの製造方法であって、離型フィルムの一方の面に、第1電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、電離放射線の照射により硬化させて、第1樹脂層を形成する工程と、前記第2樹脂層側に、液晶化合物を含む第2電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、電離放射線の照射により硬化させて、前記第1樹脂層上に第2樹脂層を形成する工程と、前記第1樹脂層から前記離型フィルムを剥離する工程と、を備える、偏光子保護フィルムの製造方法。
本発明によれば、薄型化を図ることができ、かつ偏光サングラス越しに表示画像を観察した場合であっても視認性の低下を抑制できる偏光子保護フィルム、これを備える偏光子保護フィルム用転写体、偏光板、および画像表示装置ならびにこのような偏光子保護フィルムの製造方法を提供できる。
実施形態に係る偏光子保護フィルム用転写体の概略構成図である。 実施形態に係る偏光子保護フィルム用転写体の製造工程を模式的に示した図である。 実施形態に係る偏光子保護フィルム用転写体の製造工程を模式的に示した図である。 実施形態に係る偏光子保護フィルム用転写体の製造工程を模式的に示した図である。 実施形態に係る画像表示装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施形態に係る偏光子保護フィルム、偏光子保護フィルム用転写体、偏光板、および画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「フィルム」、「シート」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「フィルム」はシートとも呼ばれるような部材も含む意味で用いられる。図1は本実施形態に係る偏光子保護フィルム用転写体の概略構成図であり、図2〜図4は本実施形態に係る偏光子保護フィルム用転写体の製造工程を模式的に示した図である。図5は本実施形態に係る画像表示装置の概略構成図である。
[偏光子保護フィルムおよび偏光子保護フィルム用転写体]
図1に示される偏光子保護フィルム用転写体10は、偏光子を保護するための偏光子保護フィルム20と、偏光子保護フィルム20に積層された離型フィルム30とを備えている。
<<<<偏光子保護フィルム>>>>
偏光子保護フィルム20は、基材を備えていない、すなわち、基材レスのフィルムである。本明細書における「基材」とは、偏光子保護フィルムを形成するための支持体であり、かつ偏光子保護フィルムの使用時にも偏光子保護フィルム中に存在するフィルムまたはシートである。基材としては、例えば、トリアセチルセルロース等のセルロースアシレート基材、シクロオレフィンポリマー基材、ポリカーボネート基材、アクリル基材、ポリエチレンテレフタレート基材等のポリエステル基材、またはガラス基材が挙げられる。なお、離型フィルム30は、偏光子保護フィルムの使用時には剥離されるものであるので、基材とはみなさない。
偏光子保護フィルム20の厚みは、薄型化を図る観点から、20μm以下であることが好ましい。偏光子保護フィルム20の厚みの下限は、低透湿性の観点から、1μm以上、2μm以上、3μm以上であることが好ましい(数値が大きいほど好ましい)。また、偏光子保護フィルム20の厚みの上限は、15μm以下、13μm以下、10μm以下であることが好ましい(数値が小さいほど好ましい)。偏光子保護フィルム20の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、偏光子保護フィルム20の断面を撮影し、その断面の画像において偏光子保護フィルム20の厚みを10箇所測定し、その10箇所の膜みの算術平均値を求めることによって求めることができる。
具体的な断面写真の撮影方法は以下の通りとする。まず、1mm×10mmに切り出した偏光子保護フィルムを包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、このブロックから一般的な切片作製方法によって穴等がない均一な、厚さ70nm〜300nm程度の切片を切り出す。切片の作製には、「ウルトラミクロトーム EM UC7」(ライカ マイクロシステムズ株式会社)等を用いる。そして、この穴等がない均一な切片が切り出された残りのブロックを測定サンプルとする。その後、走査型電子顕微鏡(SEM)(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、測定サンプルの断面写真を撮影する。上記S−4800を用いて断面写真を撮影する際には、検出器を「SE」、加速電圧を「3kV」、エミッション電流を「10μA」にして断面観察を行う。倍率については、フォーカスを調節しコントラストおよび明るさを各層が見分けられるか観察しながら100〜10万倍、好ましくは偏光子保護フィルムの膜厚に応じて1000倍〜1万倍で適宜調節する。なお、厚みの測定ぶれを低減するために、偏光子保護フィルムの厚みを極力低倍率で測定することが推奨される。さらに、アパーチャーを「ビームモニタ絞り1」にし、対物レンズ絞りを「2」にし、またW.D.を「8mm」にする。
偏光子保護フィルム20の波長589nmにおける面内位相差(面内リタデーション、Re)は、80nm以上220nm以下であることが好ましい。偏光子保護フィルム20の波長589nmにおける面内位相差が、上記範囲であれば、偏光子保護フィルム20は、λ/4位相差フィルムとして機能する。この面内位相差の下限は、90nm以上、100nm以上であることがより好ましく(数値が大きいほど好ましい)、上限は、180nm以下、155nm以下であることがより好ましい(数値が小さいほど好ましい)。本明細書において、「偏光子保護フィルムの面内位相差」とは、偏光子保護フィルム全体の面内位相差であり、偏光子保護フィルム全体で測定するものとする。また、偏光子保護フィルムの面内位相差は、偏光子保護フィルムの面内における遅相軸方向の屈折率をnx、偏光子保護フィルムの面内におけるnxに直交する方向の屈折率をny、第2樹脂層の膜厚をd(nm)とした際に、下記数式(1)で表すことができる。
面内位相差(Re)=(nx−ny)×d …(1)
偏光子保護フィルム20の上記面内位相差は、以下のようにして測定することができる。まず、光学的等方性を有するガラス(縦30mm×横30mm、厚み1mm)に粘着層(製品名「パナクリーン(登録商標)PD−S1」、パナック株式会社)を貼り付け、さらに偏光子保護フィルム用転写体を第2樹脂層が粘着層と接触し、かつ折れや皺がないように貼り合わせる。その後、偏光子保護フィルムから離型フィルムを剥離して、第1樹脂層を露出させて、測定サンプルを得る。なお、測定サンプルに用いる偏光子保護フィルム用転写体は、偏光子保護フィルム用転写体の中央部分から縦40mm×横40mmの大きさに切り出したものを使用する。そして、位相差測定装置(製品名「KOBRA−WR」、王子計測機器株式会社製、測定スポット:直径5mm)を用いて、この測定サンプルの波長589nmにおける面内位相差(リタデーション)を測定する。上記面内位相差は、測定サンプル1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とする。
偏光子保護フィルム20が円偏光板や画像表示装置に組み込まれている場合、偏光子保護フィルム20は、粘着層や接着層を介して他のフィルムと貼り合わせられている。この場合には、他のフィルムから剥離した状態で上記面内位相差の測定を行う。偏光子保護フィルム20から他のフィルムを剥離する場合には、まず、端にカッターの刃を入れて他のフィルムを剥離する。容易に剥離しない場合は、無理に剥離せずに、次工程に移る。次いで、40℃の温水に10秒浸し取り出すことを3回繰り返す。その後にカッターなどで粘着層または接着層の剥がれ具合を確認し、場合によっては、40℃の温水に10秒浸し、取り出すことを更に3回繰り返す。その後、粘着層や接着層を、ゆっくりと偏光子保護フィルムに傷が付かないようなツール(薄く平らだが刃のないもの)で粘着層または接着層を剥いでいく。なお、全面剥離できなくとも、測定したい部位で剥離できればよい。また、粘着層や接着層自体は、面内位相差がほぼ無視できるレベルであるので、偏光子保護フィルム20側に残っていてもよい。
偏光子保護フィルム20の透湿度は、600g/(m・24h)以下であることが好ましい。偏光子保護フィルムの透湿度が600g/(m・24h)以下であれば、耐久試験で偏光子保護フィルム20の膨潤を抑制できる。本明細書における「透湿度」とは、JIS Z0208:1976に記載の透湿度試験方法(カップ法)に準拠した手法によって、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下で測定される保護フィルムを24時間に通過する水蒸気の量(g/(m・24h))を意味する。透湿度は、3回測定して得られた値の算術平均値とする。なお、偏光子保護フィルム20の透湿度は、離型フィルム30を剥離した状態で測定するものとする。偏光子保護フィルム20の透湿度の下限は、500g/(m・24h)以下、400g/(m・24h)以下、300g/(m・24h)以下であることがより好ましい(数値が小さいほど好ましい)。
偏光子保護フィルム20は、ヘイズ値(全ヘイズ値)が1%以下であることが好ましい。偏光子保護フィルム20のヘイズ値を1%以下であれば、偏光子保護フィルム20をモバイル機器に用いた場合、画面の白化を抑制できる。偏光子保護フィルム20のヘイズ値の上限は0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下であることがより好ましい(数値が小さいほど好ましい)。
上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、株式会社村上色彩技術研究所製)を用いてJIS K7136:2000に準拠した方法により測定することができる。なお、偏光子保護フィルム20のヘイズ値は、離型フィルム30を剥離した状態で測定するものとする。上記ヘイズ値は、偏光子保護フィルムを50mm×50mmの大きさに切り出した後、カールや皺がなく、かつ指紋や埃等がない状態で設置し、偏光子保護フィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とする。本明細書における「3回測定する」とは、同じ場所を3回測定するのではなく、異なる3箇所を測定することを意味するものとする。偏光子保護フィルム20においては、目視した表面は平坦であり、かつ第1樹脂層等の積層する層も平坦であり、また膜厚のばらつきも±15%の範囲内に収まる。したがって、切り出した偏光子保護フィルムの異なる3箇所でヘイズ値を測定することで、おおよその偏光子保護フィルムの面内全体のヘイズ値の平均値が得られると考えられる。ヘイズ値のばらつきは、測定対象が1m×3000mと長尺であっても、5インチのスマートフォン程度の大きさであっても、±10%以内である。なお、偏光子保護フィルムを上記大きさに切り出せない場合には、例えば、HM−150は測定する際の入口開口が20mmφであるので、直径21mm以上となるようなサンプル大きさが必要になる。このため、22mm×22mm以上の大きさに偏光子保護フィルムを適宜切り出してもよい。偏光子保護フィルムの大きさが小さい場合は、光源スポットが外れない範囲で少しずつずらす、または角度を変えるなどして測定点を3箇所にする。
偏光子保護フィルム20は、波長380nmにおける分光透過率が1%未満となっており、波長410nmにおける分光透過率が0.5%以上30%未満となっており、かつ波長440nmにおける分光透過率が35%以上となっていることが好ましい。偏光子保護フィルム20における波長380nmにおける分光透過率が1%未満であれば、優れたブルーライトの遮蔽率を達成できる。また、偏光子保護フィルム20における波長410nmにおける分光透過率が0.5%以上であれば、円偏光子保護フィルム20の黄色味を抑制でき、また波長410nmにおける分光透過率が30%未満であると、透過光に悪影響を与えずに優れたブルーライトの遮蔽率を達成できる。偏光子保護フィルム20における波長440nmにおける分光透過率が35%以上であれば、イエローインデックスが低く偏光子保護フィルム20自体の色味が黄色くならず、また可視光領域の透過率低下を抑制できる。偏光子保護フィルム20の波長410nmにおける分光透過率の下限は1%以上であることがより好ましく、上限は25%以下であることがより好ましい。偏光子保護フィルム20の波長440nmにおける分光透過率の下限は、40%以上、45%以上であることがより好ましい(数値が大きいほど好ましい)。
分光透過率は、50mm×50mmの大きさに切り出し、離型フィルムを剥離した偏光子保護フィルムを、透過率が0.5nm刻みにて測定可能な分光光度計(製品名「UV−2450」、株式会社島津製作所製、光源:タングステンランプおよび重水素ランプ)内に偏光子保護フィルムの第2樹脂層側が光源側となるように配置した状態で、以下の測定条件で、波長380nm、410nm、および440nmにおいてそれぞれ前後1nmの間で最低5ポイント分の透過率を測定し、その平均値を算出することによって求めるものとする。なお、波長380nm、410nm、および440nmにおける分光透過率は、それぞれ3回測定して得られた値の算術平均値とする。また、分光透過率のスペクトルにうねりが出るようであれば、デルタ5.0nmでスムージング処理を行ってもよい。
(測定条件)
・波長域:300nm〜780nm
・スキャン速度:高速
・スリット幅:2.0
・サンプリング間隔:オート(0.5nm間隔)
・照明:C
・光源:D2およびWI
・視野:2°
・光源切替波長:360nm
・S/R切替:標準
・検出器:PM
・オートゼロ:ベースラインのスキャン後550nmにて実施
偏光子保護フィルム20は、波長420nmにおける分光透過率が5%以上25%以下であることが好ましい。波長420nmにおける分光透過率をこの範囲内にすることによって、ブルーライト遮蔽性能の発揮、着色による視認性低下の抑制および透明性の確保を図ることができる。偏光子保護フィルム20における波長420nmにおける分光透過率も、波長380nm等における分光透過率と同様に測定するものとする。
偏光子保護フィルム20は、イエローインデックス(YI)が15以下であることが好ましい。偏光子保護フィルム20のYIが15以下であれば、偏光子保護フィルム20の黄色味を抑制でき、透明性が求められる用途にも適用できる。イエローインデックス(YI)は、50mm×50mmの大きさに切り出し、かつ離型フィルムを剥離した状態の偏光子保護フィルムを、分光光度計(製品名「UV−2450」、株式会社島津製作所製、光源:タングステンランプおよび重水素ランプ)内に偏光子保護フィルムの第2樹脂層側が光源側となるように配置した状態で測定した偏光子保護フィルムの波長300nm〜780nmの透過率から、JIS Z8722:2009に記載された演算式に従って色度三刺激値X、Y、Zを計算し、三刺激値X、Y、ZからASTM D1925:1962に記載された演算式に従って算出される値である。イエローインデックス(YI)は、偏光子保護フィルム1枚に対して波長300nm〜780nmの透過率を3回測定することによって3回算出し、3回算出して得られた値の算術平均値とする。なお、UV−2450においては、イエローインデックスは、UV−2450に接続されたモニター上で、上記透過率の測定データを読み込み、計算項目にて「YI」の項目にチェックを入れることによって算出される。波長300nm〜780nmの透過率の測定条件は、上記波長380nm、410nm、および440nmにおける分光透過率の測定条件と同様である。YIの下限は、本来は高透明性の確保という観点から低い方が好ましいが、ブルーライトカット性能も付与することを考えると、1以上、2以上、3以上であることがより好ましい(数値が大きい方が好ましい)。ただし、YIが大きすぎると今度は黄色味が強くなってしまう場合がある。このため、YIの上限は、10以下、7以下、6以下であることがより好ましい(数値が小さい方が好ましい)。
偏光子保護フィルム20に対し、JIS K5600−5−1:1999に準じるマンドレル試験(2mmから32mmの金属製円柱にサンプルを巻きつける試験)を行ったとき、偏光子保護フィルム20にクラック(ひび)が発生しなかったときの円柱の最小直径は6mm以下であることが好ましい。最小直径が6mm以下であれば、優れたフレキシブル性を得ることができる。マンドレル試験は、50mm×50mmの大きさに切り出し、かつ離型フィルムを剥離した状態の偏光子保護フィルムを、第1樹脂層が内側となるように円柱に巻き付けて行うものとする。
偏光子保護フィルム20が円偏光板や画像表示装置に組み込まれている場合には、偏光子保護フィルム20は、粘着層や接着層を介して他のフィルムと貼り合わせられているが、この場合には、上記した方法で偏光子保護フィルム20から他のフィルムを剥離した後に、透湿度、ヘイズ値、分光透過率、YIの測定およびマンドレル試験を行うものとする。なお、このような剥離工程があったとしても、各測定には大きな影響はない。
離型フィルム30剥離後の偏光子保護フィルム20の表面(第1樹脂層21の表面)は、柔軟性を得る観点から、鉛筆硬度試験で測定されたときの硬度(鉛筆硬度)が、3B〜Hであることが好ましい。鉛筆硬度試験は、50mm×100mmの大きさに切り出した偏光子保護フィルム用転写体をアクリル系電離放射線硬化性接着剤でガラス板に折れや皺がないよう貼り合わせ、偏光子保護フィルムから離型フィルムを剥離し、第1樹脂層の表面を露出した状態で、第1樹脂層の表面に対し鉛筆硬度試験機(製品名「鉛筆引っかき塗膜硬さ試験機(電動式)」、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、鉛筆(製品名「ユニ」、三菱鉛筆株式会社製)に300gの荷重を加えながら3mm/秒の移動速度で移動させることにより行うものとする。鉛筆硬度は、鉛筆硬度試験において偏光子保護フィルム20の表面に傷が付かなかった最も高い硬度とする。なお、鉛筆硬度の測定の際には、硬度が異なる鉛筆を複数本用いて行うが、鉛筆1本につき5回鉛筆硬度試験を行い、5回のうち4回以上偏光子保護フィルム20の表面に傷が付かなかった場合には、この硬度の鉛筆においては偏光子保護フィルム20の表面に傷が付かなかったと判断する。上記傷は、鉛筆硬度試験を行った偏光子保護フィルム20の表面を蛍光灯下で透過観察して視認されるものを指す。
偏光子保護フィルム20の用途は、特に制限されず、例えば、ノートパーソナルコンピュータ等を含むパーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、デジタルサイネージ、テレビジョン等の画像表示装置が挙げられる。
偏光子保護フィルム20は、所望の大きさにカットされていてもよいが、ロール状であってもよい。偏光子保護フィルム20が所望の大きさにカットされている場合、偏光子保護フィルムの大きさは、特に制限されず、用途(例えば、画像表示装置に用いられる場合には、画像表示装置の表示面の大きさ)に応じて適宜決定される。具体的には、偏光子保護フィルム20の大きさは、例えば、1インチ以上500インチ以下となっていてもよく、2.8インチ以上500インチ以下となっていてもよい。本明細書における「インチ」とは、偏光子保護フィルムが四角形状である場合には対角線の長さを意味し、円形状である場合には直径を意味し、楕円形状である場合には、短径と長径の和の平均値を意味するものとする。ここで、偏光子保護フィルムが四角形状である場合、上記インチを求める際の偏光子保護フィルムの縦横比は、画像表示装置の表示面として問題がなければ特に限定されない。例えば、縦:横=1:1、4:3、16:10、16:9、2:1等が挙げられる。ただし、特に、デザイン性に富む車載用途やデジタルサイネージにおいては、このような縦横比に限定されない。また、偏光子保護フィルム20の大きさが大きい場合には、任意の位置からA5サイズ(148mm×210mm)に切り出した後、各測定項目の大きさに切り出すものとする。
偏光子保護フィルム20は、第1樹脂層21と、第1樹脂層21の一方の面側に配置された第1樹脂層21とを備えている。偏光子保護フィルム20は、第1樹脂層21と第1樹脂層21との間に第3樹脂層23をさらに備えているが、第3樹脂層23を備えていなくともよい。
<<<第1樹脂層>>>
第1樹脂層21は、第1電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む層である。第1樹脂層21は、ハードコート層として機能する層である。
第1樹脂層21は、波長360nm以上430nm以下の波長域に吸収開始波長を有することが好ましい。この波長域に吸収開始波長を有する紫外線吸収剤を用いることにより、後述する発光素子から放出される青色光の吸収を抑制できるとともに、紫外線による第2樹脂層22の劣化を抑制できる。上記波長域に吸収開始波長を有する第1樹脂層21は、後述する紫外線吸収剤を含有することにより得られる。
第1樹脂層21のインデンテーション硬さは、第2樹脂層22のインデンテーション硬さよりも大きいことが好ましい。第1樹脂層21のインデンテーション硬さが、第2樹脂層22のインデンテーション硬さよりも大きいことにより、折り畳み性と表示装置内部の部材が損傷を受けにくい耐衝撃性の両立を図ることができる。
第1樹脂層21のインデンテーション硬さは、100MPa以上600MPa以下となっていることが好ましい。第1樹脂層21のインデンテーション硬さが、100MPa以上であれば、所望の硬度を得ることができるとともに耐擦傷性の低下を抑制でき、また600MPa以下であれば、柔軟性に優れた第1樹脂層21を得ることができる。第1樹脂層21のインデンテーション硬さの下限は150MPa以上であることが好ましく、上限は500MPa以下であることが好ましい。本明細書における「インデンテーション硬さ」とは、圧子の負荷から除荷までの荷重−変位曲線から求められる値である。
インデンテーション硬さ(HIT)は、HYSITRON(ハイジトロン)社製のTI950 TriboIndenterを用いて測定することができる。具体的には、まず、1mm×10mmに切り出した偏光子保護フィルムを包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、ナノインデンテーション法での硬度測定に適した測定用サンプルを作製する。測定用サンプルの作製には、「ウルトラミクロトーム EM UC7」(ライカ マイクロシステムズ株式会社)等を用いることができる。次いで、測定サンプルの圧子を押し込む面がステージの載置面と平行となるように測定サンプルをHYSITRON(ハイジトロン)社製のTI950 TriboIndenterのステージに固定する。そして、樹脂層の断面中央の平坦な部分に、荷重制御方法で、最大押し込み荷重が300μNとなるように、荷重速度10μN/秒でバーコビッチ型圧子を、30秒で荷重0μNから300μNまで負荷を加えながら樹脂層に押し込み、その後300μNで5秒間保持した後、30秒で300μNから0μNまで除荷する。そして、このときの押し込み荷重F(N)に対応する押し込み深さh(nm)を連続的に測定し、荷重−変位曲線を作成する。作成された荷重−変位曲線からインデンテーション硬さHITを、下記数式(2)のように最大押し込み荷重Fmax(N)を、圧子と樹脂層が接している投影面積A(mm)で除した値により求めることができる。インデンテーション硬さは、10箇所測定して得られた値の算術平均値とする。
IT=Fmax/A …(2)
ここで、Aは下記数式(3)によって求められる値である。
=23.96(hmax−0.75(hmax−h)) …(3)
上記数式(3)中、hmaxは最大押し込み深さであり、hはFmaxにおける除荷曲線の接線が横軸(変位)の交点の値である。
第1樹脂層21の膜厚は、0.5μm以上15μm以下であることが好ましい。第1樹脂層21の膜厚が、0.5μm以上であれば、生産工程での傷付き防止可能な硬度を得ることができ、また15μm以下であれば、折り曲げ時や湾曲時におけるクラックの発生を抑制できる。第1樹脂層21の膜厚の下限は、1μm以上、2μm以上、3μm以上であることがより好ましく(数値が大きいほど好ましい)、上限は、18μm以下、15μm以下、10μm以下であることがより好ましい。
第1樹脂層の膜厚は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、第1樹脂層の断面を撮影し、その断面の画像において第1樹脂層の膜厚を10箇所測定し、その10箇所の膜厚の算術平均値とする。具体的な断面写真の撮影方法を以下に記載する。まず、1mm×10mmに切り出した偏光子保護フィルムを包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、このブロックから一般的な切片作製方法によって穴等がない均一な、厚さ70nm以上100nm以下の切片を切り出す。切片の作製には、「ウルトラミクロトーム EM UC7」(ライカ マイクロシステムズ株式会社)等を用いることができる。そして、この穴等がない均一な切片を測定サンプルとする。その後、走査透過型電子顕微鏡(STEM)(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、測定サンプルの断面写真を撮影する。この断面写真の撮影の際には、検出器を「TE」、加速電圧を30kV、エミッションを「10μA」にして断面観察を行う。倍率については、フォーカスを調節しコントラストおよび明るさを各層が見分けられるか観察しながら5000倍〜20万倍で適宜調節する。好ましい倍率は、1万倍〜10万倍、更に好ましい倍率は1万倍〜5万倍であり、最も好ましい倍率2.5万倍〜5万倍である。なお、断面写真の撮影の際には、さらに、アパーチャーをビームモニタ絞り3にし、対物レンズ絞りを3にし、またW.D.を8mmにしてもよい。第1樹脂層の膜厚を測定する際には、断面観察した折に、第1樹脂層と他の層(例えば、第3樹脂層)との界面コントラストが可能な限り明確に観察できることが重要となる。仮に、コントラスト不足でこの界面が見え難い場合には、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、リンタングステン酸など染色処理を施すと、有機層間の界面が見やすくなるので、染色処理を行ってもよい。また、界面のコントラストは高倍率である方が分かりにくい場合がある。その場合には、低倍率も同時に観察する。例えば、2.5万倍と5万倍や、5万倍と10万倍など、高低の2つの倍率で観察し、両倍率で上記した算術平均値を求め、さらにその平均値を第1樹脂層の膜厚の値とする。
<<第1電離放射線硬化性樹脂組成物>>
第1電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線によって硬化する樹脂組成物であり、硬化物に含まれる樹脂を構成する電離放射線重合性化合物を少なくとも含む。電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線重合性化合物の他、紫外線吸収剤、溶剤乾燥型樹脂、熱硬化性化合物、重合開始剤、溶剤等を含んでいてもよい。
第1電離放射線硬化性樹脂組成物中における原料の含有割合(固形分)として特に限定されないが、5質量%以上70質量%以下が好ましく、25質量%以上60質量%以下がより好ましい。
第1電離放射線硬化性樹脂組成物には、硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する、および/または防眩性を付与する等の目的に応じて、従来公知の分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等を添加していてもよい。
第1電離放射線硬化性樹脂組成物の調製方法としては各成分を均一に混合できれば特に限定されず、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー、ミキサー等の公知の装置を使用して行うことができる。
第1電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化に用いられる電離放射線として、紫外線を用いる場合、紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯等の光源が挙げられる。また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
<電離放射線重合性化合物>
電離放射線重合性化合物は、電離放射線重合性基を少なくとも1つ有するものである。本明細書における、「電離放射線重合性基」とは、電離放射線照射により重合反応し得る官能基である。電離放射線重合性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和基が挙げられる。なお、本明細書における「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。また、電離放射線重合性化合物を重合する際に照射される電離放射線としては、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、およびγ線が挙げられる。
電離放射線重合性化合物としては、電離放射線重合性モノマー、電離放射線重合性オリゴマー、または電離放射線重合性プレポリマーが挙げられ、これらを適宜調整して用いることができる。電離放射線重合性化合物としては、電離放射線重合性モノマーと、電離放射線重合性オリゴマーまたは電離放射線重合性プレポリマーとの組み合わせが好ましい。
(電離放射線重合性モノマー)
電離放射線重合性モノマーとしては、電離放射線重合性官能基を2つ(すなわち、2官能)以上有する多官能モノマーが好ましい。電離放射線重合性モノマーとしては、アルキレンオキサイド変性、ウレタン変性、エポキシ変性、またはアルコキシ変性等の変性基を導入した電離放射線重合性モノマーが挙げられる。これらの中でも、離型フィルムからの剥離性が良く、またタック性を有し、かつ機械的強度の高い保護フィルムを得る観点から、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートが好ましい。アルキレンオキサイドとしては、メチレンオキサイド、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも良好な剥離性および耐擦傷性を得る観点から、エチレンオキサイド変性(EO変性)アクリレート、プロピレンオキサイド変性(PO変性)アクリレートがより好ましい。さらに、これらの中でも、剥離性と耐擦傷性のバランスが良好であることから、PO変性アクリレートが特に好ましい。
(電離放射線重合性オリゴマー)
電離放射線重合性オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等のオリゴマー等が挙げられる。
(電離放射線重合性プレポリマー)
電離放射線重合性プレポリマーとしては10000以上80000以下が好ましく、10000以上40000以下がより好ましい。重量平均分子量が80000を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる保護フィルムの外観が悪化するおそれがある。電離放射線重合性プレポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等のプレポリマー等が挙げられる。これらの中でもコア層との層間密着性を高める観点から、ウレタンアクリレートプレポリマーが好ましい。
電離放射線重合性モノマーと電離放射線重合性プレポリマーとの好適な組み合わせは、電離放射線重合性モノマーがEO変性アクリレートであり、かつ電離放射線重合性プレポリマーがウレタンアクリレートプレポリマーである。
電離放射線重合性モノマーと電離放射線重合性プレポリマーは、90:10〜70:30で含有させることが好ましい。この範囲で電離放射線重合性モノマーと電離放射線重合性プレポリマーを含有させることにより、硬度を低下させずに柔軟性や靭性を向上させることができる。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収するものであれば、特に限定されないが、上記した理由から波長360nm以上430nm以下の波長域に吸収開始波長を有するものであることが好ましい。紫外線吸収剤においては、波長360nm以上430nm以下の波長域内での最大吸光度は、0.5以上であることが好ましい。
波長360nm以上430nm以下の波長域に吸収開始波長を有する紫外線吸収剤としては、例えば、セサモール型ベンゾトリアゾール系化合物およびインドール系化合物の少なくともいずれかが挙げられる。
第1樹脂層21が、紫外線吸収剤を含むか否かは、まず、第1樹脂層21の欠片を採取して、その欠片を赤外分光分析(IR)によって測定し、得られた赤外吸収スペクトルを市販の紫外線吸収剤と比べることによって調べることができる。紫外線吸収剤は、第1樹脂層21を構成する樹脂中に共重合体として含まれていてもよい。
(セサモール型ベンゾトリアゾール系化合物)
セサモール型ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。下記一般式(A)で表される化合物であれば、波長360nm以上400nm以下の波長域の光を吸収することができる。下記一般式(A)で表される化合物は、第1樹脂層21を構成する樹脂中に単量体単位として含まれる。
Figure 2020038246
式(A)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基または炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のオキシアルキレン基を表す。
上記一般式(A)で表されるセサモール型ベンゾトリアゾール系化合物は、ベンゾトリアゾール環の2位の窒素原子にセサモールを結合させた化合物からの誘導体であり、ベンゾトリアゾール環のベンゼン部位に重合性2重結合を導入した分子構造を有する。最大吸収波長λmaxは365nm以上であり、波長300nm以上400nm以下の波長域を包括する広い範囲の紫外線吸収スペクトルを有し、400nm付近の長波長域まで紫外線吸収能力を有する。
上記セサモール型ベンゾトリアゾール系化合物としては特に制限されないが、具体的な物質名としては、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルメタクリレート、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルアクリレート、3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロピルメタクリレート、3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロピルアクリレート、4−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]ブチルメタクリレート、4−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]ブチルアクリレート、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[3−{2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]エチルメタクリレート、2−[3−{2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]エチルアクリレート、4−[3−{2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[3−{2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]ブチルアクリレート、2−[3−{2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]エチルメタクリレート、2−[3−{2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]エチルアクリレート、2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5カルボキシレート、2−(アクリロイルオキシ)エチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、4−(メタクリロイルオキシ)ブチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、4−(アクリロイルオキシ)ブチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート等を挙げることができる。また、これらセサモール型ベンゾトリアゾール系化合物は1種類で用いることもできるし、2種類以上を用いることもできる。
(インドール系化合物)
インドール系化合物としては、例えば、下記一般式(B)で表される化合物が挙げられる。下記一般式(B)で表される化合物であれば、波長380nm以上400nm以下の波長域の光を吸収することができる。
Figure 2020038246
式(B)中、Rは、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基またはアラルキル基を表し、Rは、−CNまたは−COORを表し、ここで、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基またはアラルキル基(ただし、Rがメチル基である場合はエチル基を除く。)を表す。
の炭素数は、炭素数1〜12とすることが可能である。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、(イソ)ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ベンジル基等が挙げられる。Rの具体例としては、例えば上記Rで例示した基およびβ−シアノエチル基、β−クロロエチル基、エトキシプロピル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基が挙げられる。ただし、Rがメチル基である場合、Rはエチル基ではない。
インドール系化合物としては、オリヱント化学工業株式会社製のBONASORB UA−3911等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤は、例えば、第1樹脂層21中に0.05質量%以上50質量%以下で含有されていてもよい。このような範囲で紫外線吸収剤が含有されていることで、波長360nm以上400nm以下の波長域の紫外線を有効に吸収することができる。なお、上記紫外線吸収剤がセサモール型ベンゾトリアゾール系化合物である場合には、第1樹脂層21中に0.1質量%以上50質量%以下で含有されていてもよい。
<溶剤乾燥型樹脂>
溶剤乾燥型樹脂は、熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂である。溶剤乾燥型樹脂を併用することによって、塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。上記電離放射線重合性化合物と併用して使用することができる溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや重合性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性の観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
<熱硬化性化合物>
熱硬化性化合物としては、特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
<重合開始剤>
重合開始剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、重合開始剤としては、具体例には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
重合開始剤としては、上記電離放射線重合性化合物がラジカル重合性基を有する場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることが好ましい。また、上記電離放射線重合性化合物がカチオン重合性基を有する場合は、重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることが好ましい。
第1電離放射線硬化性樹脂組成物における上記重合開始剤の含有量は、上記電離放射線重合性化合物100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。1質量部以上であれば、第1樹脂層21の硬度が不充分なるおそれがなく、また10質量部以下であれば、塗膜の深部まで電離放射線が届くので、内部でも硬化が促進され、目標とする第1樹脂層の表面の硬度(例えば、鉛筆硬度でB以上)が得られる。
上記重合開始剤の含有量の下限は2質量部以上であることがより好ましく、上限は8質量部以下であることがより好ましい。上記重合開始剤の含有量がこの範囲にあることで、膜厚方向に硬度分布が発生せず、均一な硬度になりやすくなる。
<溶剤>
溶剤としては、使用する電離放射線重合性化合物の種類および溶解性に応じて選択して使用することができ、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合溶媒であってもよい。
<<<第2樹脂層>>>
第2樹脂層22は、第2電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む層である。第2樹脂層22は、λ/4位相差層として機能する層である。
第2樹脂層22の膜厚は、付与する面内位相差を考慮して、0.1μm以上10μm以下の範囲で適宜調整することができる。なお、下記の面内位相差を求める式から分かるように、第2樹脂層22の厚みを小さくすると、面内位相差は小さくなる傾向がある。第2樹脂層の膜厚は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、第2樹脂層の断面を撮影し、その断面の画像において第2樹脂層の厚みを10箇所測定し、その10箇所の厚みの算術平均値とする。
第2樹脂層22は、波長589nmにおける面内位相差(面内リタデーション、Re)が80nm以上220nm以下であることが好ましい。第2樹脂層22の波長589nmにおける面内位相差が、上記範囲であれば、第2樹脂層22は、λ/4位相差層として機能する。この面内位相差の下限は、90nm以上、100nm以上であることがより好ましく(数値が大きいほど好ましい)、上限は、180nm以下、155nm以下であることがより好ましい(数値が小さいほど好ましい)。第2樹脂層の面内位相差は、第2樹脂層の面内における遅相軸方向の屈折率をnx、第2樹脂層の面内におけるnxに直交する方向の屈折率をny、第2樹脂層の膜厚をd(nm)とした際に、上記数式(1)から求めることができる。
第2樹脂層22は、逆分散性を示すものであってもよいが、逆分散性を示すものよりも紫外線により劣化しにくいことから正分散性を示すものであることが好ましい。なお、逆分散性とは、透過光の波長が長くなるに従って透過光に与える位相差が増大する特性であり、具体的には、波長450nmにおけるリタデーション(Re450)と、波長550nmにおけるリタデーション(Re550)との関係が、Re450<Re550となる特性である。一方の正分散性は、Re450>Re550となる特性である。
<<第2電離放射線硬化性樹脂組成物>>
第2電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線によって硬化する樹脂組成物であり、液晶化合物および硬化物に含まれる樹脂を構成する電離放射線重合性化合物を少なくとも含む。ただし、電離放射線重合性化合物は、後述する電離放射線重合性液晶であってもよい。液晶化合物が電離放射線重合性液晶化合物ない場合には、第2電離放射線硬化性樹脂組成物に電離放射線重合性化合物を更に含ませる必要があるが、液晶化合物が電離放射線重合性液晶化合物である場合には、第2電離放射線硬化性樹脂組成物に電離放射線重合性化合物を更に含ませてもよいし、含ませなくともよい。第2電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線重合性化合物の他、重合開始剤、界面活性剤、溶剤等を含んでいてもよい。
<液晶化合物>
液晶化合物としては、ネマティック液晶化合物およびスメクティック液晶化合物等の棒状液晶化合物、コレステリック液晶化合物、ディスコティック液晶化合物が挙げられる。これらの中でも、棒状液晶化合物およびディスコティック液晶化合物が好ましい。
また、液晶化合物は電離放射線重合性液晶化合物であることが好ましい。液晶化合物が電離放射線重合性液晶化合物であることにより、第2樹脂層中に液晶化合物を固定することができる。電離放射線重合性液晶化合物は、電離放射線重合性基を有する液晶化合物であり、電離放射線重合性基が1つの単官能性液晶化合物、重合性基が2以上の多官能性液晶化合物が挙げられる。これらの中でも多官能性液晶化合物が好ましく、重合性基の数が2〜3の多官能液晶化合物がより好ましく、重合性基の数が2の多官能液晶化合物がさらに好ましい。
第2樹脂層22において、液晶化合物は、垂直配向、水平配向、ハイブリッド配向および傾斜配向のいずれかの配向状態に固定化されていることが好ましい。例えば、棒状液晶化合物の長軸が位相差層の表面に対して実質的に水平であることが好ましい。また、ディスコティック液晶化合物の円盤面がフィルム面(光学異方性層面)に対して実質的に垂直であることが好ましい。
棒状液晶化合物が実質的に水平とは、位相差層の表面と棒状液晶化合物のダイレクターとのなす鋭角側の角度が0°〜20°の範囲内であることを意味する。0°〜10°がより好ましく、0°〜5°がさらに好ましい。また、ディスコティック液晶化合物が実質的に垂直とは、位相差層の表面とディスコティック液晶化合物の円盤面とのなす鋭角側の角度の平均値が70°〜90°の範囲内であることを意味する。80°〜90°がより好ましく、85°〜90°がさらに好ましい。
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。棒状液晶化合物としては、これらの低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。また、棒状液晶化合物は重合性基を有することが好ましい。棒状液晶化合物の一分子中の電離放射線重合性基の数は2〜3であることが好ましく、2であることがより好ましい。
棒状液晶化合物の具体例としては、下記化学式(1)〜(17)に示す化合物が挙げられる。
Figure 2020038246
Figure 2020038246
ディスコティック液晶化合物は、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されている。ディスコティック液晶化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
ディスコティック液晶化合物は、電離放射線重合性基を有するものが好ましい。例えば、ディスコティック液晶化合物の円盤状コアに、置換基として電離放射線重合性基を結合させた構造が考えられるが、円盤状コアに電離放射線重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと電離放射線重合性基との間に連結基を有する構造が好ましい。即ち、重合性基を有するディスコティック液晶化合物は、下記式で表される化合物であることが好ましい。
D(−L−P)
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは電離放射線重合性基であり、nは1〜12の整数である。前記式中の円盤状コア(D)、二価の連結基(L)および電離放射線重合性基(P)の好ましい具体例は、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)であり、同公報に記載の内容を好ましく用いることができる。なお、ディスコティック液晶化合物の相転移温度は、30℃以上300℃以下が好ましく、30℃以上170℃以下がさらに好ましい。
また、逆分散性を示す液晶性化合物としては、特表2010−537954号公報、特表2010−537955号公報、特表2010−522892号公報、特表2010−522893号公報、及び特表2013−509458号公報等の各公開公報、並びに、特許第5892158号、特許第5979136号、特許第5994777号、特許第6015655号、特許6055569等の各特許公報に記載されている化合物またはそれらの混合物が例示される。例えば、特許6055569には、下記化学式(18)で示される重合性液晶化合物および下記化学式(19)で示される重合性液晶化合物の混合物が開示されている。
Figure 2020038246
Figure 2020038246
液晶化合物は、1種単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。1種単独の場合、該1種の液晶化合物は重合性液晶化合物であることが好ましい。また、2種以上を組み合わせて用いる場合、少なくとも1種が電離放射線重合性液晶化合物であることが好ましく、全てが電離放射線重合性液晶化合物であることがより好ましい。
第1電離放射線硬化性樹脂組成物中の電離放射線重合性液晶化合物の含有量は、第1電離放射線硬化性樹脂組成物中の全固形に対して、60質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、65質量%以上98質量%以下であることがより好ましい。
<電離放射線重合性化合物>
電離放射線重合性化合物としては、第1電離放射線硬化性樹脂組成物の欄で説明した電離放射線重合性化合物と同様のものを使用できるので、ここでは説明を省略するものとする。
<重合開始剤>
重合開始剤としては、第1電離放射線硬化性樹脂組成物の欄で説明した重合開始剤と同様のものを使用できる。
重合開始剤の含有量は、第1電離放射線硬化性樹脂組成物の全固形分の0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、電離放射線重合性基を有するフッ素系界面活性剤および電離放射線重合性基を有するシリコン系界面活性剤より選択される1種以上を選択して用いることが好ましい。
界面活性剤の含有量は、第2電離放射線硬化性樹脂組成物の全固形分の0.01質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましい。
<溶剤>
溶剤としては、第2電離放射線硬化性樹脂組成物の欄で説明した溶剤と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
第2電離放射線硬化性樹脂組成物における溶剤の含有量は、第2電離放射線硬化性樹脂組成物中の50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、70質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
<<<第3樹脂層>>>
第3樹脂層23は、第2樹脂層22を形成する際に、第2電離放射線硬化性樹脂組成物中の液晶化合物を所定の方向に配向させるため配向層として機能するものである。第2樹脂層22形成後においては、光学調整層として機能してもよい。第3樹脂層23が光学調整層として機能する場合には、第3樹脂層23の屈折率を第1樹脂層21の屈折率と第2樹脂層22の屈折率との間となるように調整する。このような屈折率を有する第3樹脂層23を形成することにより、第1樹脂層21と第2樹脂層22の界面で生じる反射を低減でき、ヘイズを低下させることができる。
第3樹脂層23は、第1樹脂層21上に、第3樹脂層用組成物を塗布し、配向規制力を付与することにより配向層とすることができる。第3樹脂層用組成物は、光二量化型の材料等の従来公知のものから適宜選択して用いることができる。第3樹脂層23に配向規制力を付与する手段は、従来公知のものとすることができ、例えば、ラビング法、光配向法、賦形法などが挙げられる。
第3樹脂層23の膜厚は、1nm以上1000nm以下であることが好ましい。第3樹脂層23の膜厚が、1nm以上であれば、膜形成ができ、また1000nm以下であれば、フレキシブル性が良好となる。第3樹脂層23の膜厚の下限は、5nm以上、10nm以上、100nm以上であることがより好ましく(数値が大きいほど好ましい)、上限は、900nm以下、800nm以下、500nm以下であることがより好ましい。第3樹脂層の膜厚は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、第3樹脂層の断面を撮影し、その断面の画像において第3樹脂層の厚みを10箇所測定し、その10箇所の厚みの算術平均値とする。
<<<離型フィルム>>>
離型フィルム30は、偏光子保護フィルム20から剥離することによって、偏光子保護フィルム20を後述する偏光子に転写するためのものである。離型フィルム30は、光透過性であってもよいが、偏光子に偏光子保護フィルム20を転写した後に、離型フィルム30は剥離されるので、光透過性でなくともよい。
離型フィルム30の厚みは、特に限定されないが、25μm以上100μm以下とすることが好ましい。離型フィルムの厚みが25μm未満であると、電離放射線によって第2電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化した際に第1樹脂層の硬化収縮の影響を顕著に現われてしまい、離型フィルムに強い皺が発生しやすくなり、また離型フィルムの厚みが100μmを超えると、製造コストが高くなる。
離型フィルム30としては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。第3樹脂層23の形成の際に、100℃程度に加熱するので、離型フィルムとしてポリエチレンフィルムを用いると、熱収縮を起こすおそれがあるが、PETフィルムであれば、耐熱性に優れているので、第3樹脂層23の形成の際に、熱収縮を起こすおそれもない。また、PETフィルムは、平滑性にも優れている。
PETフィルムの中でも、少なくとも片面が未処理のPETフィルムが好適に用いられる。この場合、PETフィルムの未処理側の面が剥離面として用いられる。少なくとも片面が未処理のPETフィルムは、第1樹脂層との離型性に優れる他、安価であるため偏光子保護フィルム用転写体10の製造コストを低く抑えることが可能となる。例えば、上記離型フィルムとして、ケイ素原子を含有するSi系の離型剤等が塗布されている離型フィルムを使用すると、該離型フィルムの剥離性は良好である一方で、偏光子保護フィルムの転写時に離型剤の成分が第1樹脂層側に移行してしまい、第2樹脂層の表面の凹凸が大きくなってしまうおそれがある。これに対し、離型フィルム30として、少なくとも片面が未処理のPETフィルムを使用すると、偏光子保護フィルムの転写時に第1樹脂層21に転写される成分がないため、第1樹脂層21の表面の凹凸が小さく、また転写後の第1樹脂層21の表面において水の接触角の変化が生じにくい。本明細書において、「少なくとも片面が未処理のポリエチレンテレフタレートフィルム」とは、表面処理がされていない面を有するPETフィルムを意味する。したがって、少なくとも片面が未処理のPETフィルムの未処理側の面には、剥離性を高めるための離型剤は存在していない。
離型フィルム30としては、一方の面が未処理であり、他方の面に下地層を有するPETフィルムがより好ましい。このようなPETフィルムであれば、上記した効果を有するとともに、下地層がブロッキング防止層として機能するので、偏光子保護フィルム用転写体10をロール状に巻いたときの偏光子保護フィルム用転写体10同士の貼り付きを抑制することができる。
[偏光子保護フィルムおよび偏光子保護フィルム用転写体の製造方法]
偏光子保護フィルム用転写体10および偏光子保護フィルム20は、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、離型フィルム30の一方の面30Aに第1電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させて、図2(A)に示されるように第1電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜24を形成する。
第1電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の公知の方法が挙げられる。
次いで、図2(B)に示されるように塗膜24に紫外線等の電離放射線を照射して、第1電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより塗膜24を硬化させる。これにより、第1樹脂層21が形成される。
第1樹脂層21を形成した後、第2樹脂層22の表面に第3層用組成物を塗布し、乾燥させて、図3(A)に示されるように第3樹脂層用組成物の塗膜25を形成する。
次いで、図3(B)に示されるように、塗膜25を60℃以上150℃以下の温度で加熱して、塗膜25を硬化させる。これにより、第3樹脂層23が形成される。
第3樹脂層23を形成した後、第3樹脂層23の表面に第2電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させて、図4(A)に示されるように第2電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜26を形成する。
次いで、図4(B)に示されるように塗膜26に紫外線等の電離放射線を照射して、第2電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより塗膜26を硬化させる。これにより、第2樹脂層22が形成され、図1に示される偏光子保護フィルム用転写体10が得られる。
偏光子保護フィルム用転写体10から偏光子保護フィルム20単体を得る場合には、図4(C)に示されるように、偏光子保護フィルム20から離型フィルム30を剥離する。離型フィルム30の剥離は、偏光子保護フィルム用転写体10を偏光子に貼り付けた状態で行うことが好ましい。
[偏光板および画像表示装置]
図5に示される画像表示装置40は、観察者側に向けて、表示素子50と、円偏光板60と、タッチセンサ70と、カバー部材80とをこの順で備えている。表示素子50と円偏光板60の間、円偏光板60とタッチセンサ70の間、タッチセンサ70とカバー部材80との間は、接着層91〜93を介して接着されている。本明細書における「接着」とは粘着を含む概念である。
<<<表示素子>>>
表示素子50としては、液晶素子、有機発光ダイオード素子(以下、「OLED素子」と称することもある。)、無機発光ダイオード素子、マイクロLED、プラズマ素子等が挙げられる。有機発光ダイオード素子としては、公知の有機発光ダイオード素子を用いることができる。また、液晶表示素子は、タッチパネル機能を素子内に備えたインセルタッチパネル液晶表示素子であってもよい。
表示素子50がOLED素子等の発光素子である場合、発光素子の青色光の発光ピーク波長をλ1とし、第1樹脂層21の吸収開始波長をλ2とし、第2樹脂層22の吸収開始波長をλ3としたとき、λ1>λ2>λ3の関係を満たすことが好ましい。画像表示装置40が、このような関係を満たすことにより、発光素子から放出される青色光の吸収を抑制できるとともに、紫外線による第2樹脂層22の劣化を抑制できる。
表示素子50の発光波長λ1の測定は、分光放射輝度計(製品名「CS2000」、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、測定角1°の条件で測定することができる。また、第1樹脂層21の吸収開始波長λ2および第2樹脂層23の吸収開始波長λ3を求める際には、まず、カラーフィルタ分光特性測定装置(装置名「LCF−100MA−SF」、大塚電子株式会社製)を用いて、スポット径2μm、ハロゲンランプ光源にて各層の380nm以上480nm以下の波長域の透過スペクトルを測定するとともに、波長10nm刻みで透過スペクトルの傾きを求める。そして、傾きのデータを大局して見たときに傾きが急激に低下する波長を見付けて、その波長を吸収開始波長とする。
<<<円偏光板>>>
円偏光板60は、外光をカットする機能を有する。円偏光板60は、例えば、観察者側に向けて、第1位相差フィルム61(以下、単に「位相差フィルム61」と称することもある。)と、接着層62と、第2位相差フィルム63(以下、単に「位相差フィルム63」と称することもある。)と、接着層64と、偏光子保護フィルム65と、偏光子66と、接着層67、偏光子保護フィルム20とを、この順で備えている。
円偏光板60においては、偏光子保護フィルム20の第2樹脂層22が第1樹脂層21よりも偏光子66側に位置している。このように偏光子保護フィルム20を配置することにより、第1樹脂層21によって第2樹脂層の紫外線劣化を抑制できる。
円偏光板60の厚みは、薄型化を図る観点から、250μm以下であることが好ましい。円偏光板60の厚みの下限は、強度低下による加工性の観点から、25μm以上、30μm以上、35μm以上であることが好ましい(数値が大きいほど好ましい)。また、円偏光板60の厚みの上限は、250μm以下、200μm以下、150μm以下であることが好ましい(数値が小さいほど好ましい)。円偏光板60の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、円偏光板60の断面を撮影し、その断面の画像において円偏光板60の厚みを10箇所測定し、その10箇所の膜みの算術平均値を求めることによって求めることができる。
円偏光板60は、偏光子保護フィルム20の欄で説明した理由と同様の理由から、波長380nmにおける分光透過率が1%未満となっており、波長410nmにおける分光透過率が0.5%以上30%未満となっており、かつ波長440nmにおける分光透過率が35%以上となっていることが好ましい。円偏光板60の波長410nmにおける分光透過率の下限は1%以上であることがより好ましく、上限は25%以下であることがより好ましい。円偏光板60の波長440nmにおける分光透過率の下限は、40%以上、45%以上であることがより好ましい(数値が大きいほど好ましい)。円偏光板60における波長380nm等の分光透過率は、偏光子保護フィルム20における波長380nm等の分光透過率と同様にして測定するものとする。
円偏光板60は、偏光子保護フィルム20の欄で説明した理由と同様の理由から、波長420nmにおける分光透過率が5%以上25%以下であることが好ましい。円偏光板60における波長420nmにおける分光透過率も、波長380nm等における分光透過率と同様に測定するものとする。
円偏光板60は、偏光子保護フィルム20の欄で説明した理由と同様の理由から、イエローインデックス(YI)が15以下であることが好ましい。YIの下限は、本来は高透明性の確保という観点から低い方が好ましいが、ブルーライトカット性能も付与することを考えると、1以上、2以上、3以上であることがより好ましい(数値が大きい方が好ましい)。ただし、YIが大きすぎると今度は黄色味が強くなってしまう場合がある。このため、YIの上限は、10以下、7以下、6以下であることがより好ましい(数値が小さい方が好ましい)。円偏光板60のYIは、偏光子保護フィルム20のYIと同様にして測定するものとする。
円偏光板60に対し、JIS K5600−5−1:1999に準じるマンドレル試験(2mmから32mmの金属製円柱にサンプルを巻きつける試験)を行ったとき、偏光子保護フィルム20の欄で説明した理由と同様の理由から、円偏光板60にクラック(ひび)が発生しなかったときの円柱の最小直径は6mm以下であることが好ましい。円偏光板60のマンドレル試験は、偏光子保護フィルム20のマンドレル試験と同様にして測定するものとする。
円偏光板60に粘着層や接着層を介して他のフィルムと貼り合わせられている場合には、偏光子保護フィルム20の欄で記載した方法と同様の方法によって他のフィルムを剥離してから、分光透過率、YIの測定およびマンドレル試験を行うものとする。なお、このような剥離工程があったとしても、各測定には大きな影響はない。
<<第1の位相差フィルム>>
位相差フィルム61としては、ポジティブCプレートまたはλ/4位相差フィルムを用いることができる。
<ポジティブCプレート>
ポジティブCプレートは、面内方向の屈折率をnx、nyとし、厚さ方向の屈折率をnzとすると、nx≒ny<nzの関係を満たすフィルムである。ポジティブCプレートを配置することにより、表示画面の法線方向に対して斜め方向から見たときの色味を改善できる。ポジティブCプレートは、例えば、垂直配向した液晶層から構成されていてもよい。
<λ/4位相差フィルム>
λ/4位相差フィルムとは、所定の光の波長(通常、可視光領域)に対して、フィルムの面内位相差が約1/4となる特性を備えるフィルムである。λ/4位相差フィルムを配置することにより、直線偏光を円偏光に、または円偏光を直線偏光に変換することができる。
λ/4位相差フィルムとしては、正の波長分散性を有するλ/4位相差フィルムや負の波長分散性を有するλ/4位相差フィルムが挙げられる。正の波長分散性を有するλ/4位相差フィルムは、長波長になるほど位相差が小さくなる性質を有するフィルムであり、負の波長分散性を有するλ/4位相差フィルムは、長波長になるほど位相差が大きくなる性質を有するフィルムである。
正の波長分散性を有するλ/4位相差フィルムは、延伸倍率を調整しながら樹脂フィルムを延伸することによって得ることができる。λ/4位相差フィルムを得るための樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、シクロオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。負の波長分散性を有するλ/4位相差フィルムは、例えば、ポリカーボネート系樹脂、芳香族構造を有する樹脂によって得ることができる。
<<接着層>>
接着層62、64、67は、電離放射線重合性化合物を含む液状の電離放射線硬化性接着剤(例えば、OCR:Optically Clear Resin)の硬化物や粘着剤(例えば、OCA:Optical Clear Adhesive)から構成することが可能である。接着層62、64、67の膜厚は、0.5μm以上50μm以下であることが好ましい。
<<第2の位相差フィルム>>
位相差フィルム61がポジティブCプレートである場合には、位相差フィルム63としては、負の波長分散性(逆波長分散性)を有するλ/4位相差フィルムを用いることができ、また位相差フィルム61がλ/4位相差フィルムである場合には、λ/2位相差フィルムを用いることができる。
<負の波長分散性を有するλ/4位相差フィルム>
負の波長分散性を有するλ/4位相差フィルムとしては、上記λ/4位相差フィルムの欄で説明した負の波長分散性を有するλ/4位相差フィルムと同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
<λ/2位相差フィルム>
λ/2位相差フィルムとは、所定の光の波長(通常、可視光領域)に対して、フィルムの面内位相差が約1/2となる特性を備えたフィルムである。λ/4位相差フィルムの他にλ/2位相差フィルムを配置することにより、広い波長帯域において円偏光に変換することができる。
λ/2位相差フィルムは、延伸倍率を調整しながら樹脂フィルムを延伸することによって得ることができる。λ/2位相差フィルムを得るための樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
<<偏光子保護フィルム>>
偏光子保護フィルム65は、偏光子66を保護するためのものである。偏光子保護フィルム65の厚みは、5μm以上80μm以下であることが好ましい。偏光子保護フィルム65の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、偏光子保護フィルム65の断面を撮影し、その断面の画像において偏光子保護フィルム65の厚みを10箇所測定し、その10箇所の膜みの算術平均値を求めることによって求めることができる。
保護フィルム65は、樹脂から構成されていることが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、アセチルセルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、OLED素子は水分によっても劣化しやすいので、水蒸気透過率が低く、OLED素子の水分による劣化を抑制する観点から、(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。これらの光透過性基材は必要に応じて、可塑剤、紫外線吸收剤、易滑剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)の少なくとも1種を構成成分とする樹脂等が挙げられる。ポリエステル基材を用いた場合、紫外光が照射されると励起されて蛍光を発する性質を有することが知られている。このような蛍光は、表示面の色味に影響を及ぼすことがあるので、ポリエステル系樹脂を用いる場合には、上述のように波長380nm以下の光はほぼ遮蔽することが好ましい。これにより樹脂としてポリエステル系樹脂を用いたとしても、蛍光が生じることを好適に防止することができる。
アセチルセルロース系樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロース系樹脂、ジアセチルセルロース系樹脂が挙げられる。トリアセチルセルロース系樹脂は、可視光域380〜780nmにおいて、平均光透過率を50%以上とすることが可能な基材である。トリアセチルセルロース系基材の平均光透過率は70%以上、更に85%以上であることが好ましい。
なお、トリアセチルセルロース系樹脂としては、純粋なトリアセチルセルロース以外に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートの如くセルロースとエステルを形成する脂肪酸として酢酸以外の成分も併用した物であってもよい。また、これらトリアセチルセルロースには、必要に応じて、ジアセチルセルロース等の他のセルロース低級脂肪酸エステルが添加されていてもよい。
シクロオレフィン系樹脂としては、例えばノルボルネン系モノマーおよび単環シクロオレフィンモノマー等の重合体からなる基材が挙げられる。シクロオレフィン系樹脂の市販品としては、例えば、日本ゼオン株式会社製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト株式会社製のスミライトFS−1700、JSR株式会社製のアートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学株式会社製のアペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製のTopas(環状オレフィン共重合体)、日立化成株式会社製のオプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート系樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル系樹脂、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体系樹脂等が挙げられる。
<<偏光子>>
偏光子66は、偏光子保護フィルム20、65間に配置されている。偏光子保護フィルム20は、偏光子保護フィルム20の遅相軸と偏光子66の吸収軸とのなす角度が30°以上60°以下となるように配置されていることが好ましい。このような角度で偏光子保護フィルム20を配置することにより、偏光サングラスがどのような角度であっても高い透過光を得ることができる。偏光子保護フィルム20の遅相軸と偏光子66の吸収軸とのなす角度は、40°以上50°以下であることがより好ましい。
偏光子66に偏光子保護フィルム20を転写する際には、例えば、まず、偏光子66を偏光子保護フィルム65に貼り付けた後に、偏光子保護フィルム用転写体10を偏光子66に電離放射線硬化性接着剤を介して貼り付ける。そして、離型フィルム30を剥離する。
偏光子66は、ヨウ素または二色性色素により染色し、一軸延伸させたポリビニルアルコール系樹脂フィルムが上げられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂を鹸化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂は、変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等を用いることもできる。
<<<タッチセンサ>>>
タッチセンサ70としては、公知のタッチセンサを用いることができる。タッチセンサ70の種類としては、特に限定されないが、例えば、静電容量方式のタッチセンサを用いることができる。タッチセンサ70は、円偏光板とカバー部材との間に配置されているが、表示素子50と円偏光板60との間に配置されていてもよい。
<<<カバー部材>>>
カバー部材80の表面80Aは、画像表示装置40の表面40Aとなっている。カバー部材80は、カバーガラスまたは樹脂からなるカバーフィルムであってもよい。画像表示装置40が、屈曲性を有する場合には、カバー部材80は屈曲性を有するガラスや屈曲性を有する樹脂から構成されていることが好ましい。屈曲性を有する樹脂としては、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂)、またはこれらの樹脂を2以上混合した混合物等が挙げられる。
<<<接着層>>>
接着層91〜93は、電離放射線重合性化合物を含む液状の電離放射線硬化性接着剤(例えば、OCR:Optically Clear Resin)の硬化物や粘着剤(例えば、OCA:Optical Clear Adhesive)から構成することが可能である。
接着層91〜93の膜厚は、画像表示装置40の薄型化を図る観点から、0.5μm以上50μm以下であることが好ましい。接着層91〜93の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、接着層91〜93の断面を撮影し、その断面の画像において接着層91〜93の厚みを10箇所測定し、その10箇所の膜みの算術平均値を求めることによって求めることができる。
本実施形態によれば、偏光子保護フィルム20は基材を備えていないので、薄型化を図ることができる。
偏光子を備える画像表示装置の場合、画像表示装置からの出射光は直線偏光となるので、観察者が偏光サングラス越しに画像表示装置の表示画面を観察する場合には、見る角度によっては著しく表示画面が暗くなり、視認性が低下するおそれがある。これに対し、本実施形態によれば、第2樹脂層22が液晶化合物を含んでいるので、第2樹脂層22をλ/4位相差層として機能させることができる。これにより、偏光子66を透過した直線偏光を円偏光とすることができるので、偏光サングラス越しに表示画像を観察した場合であっても視認性の低下を抑制できる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。なお、文中、「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り、質量基準とする。
<第1電離放射線硬化性樹脂組成物の調製>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、第1電離放射線硬化性樹脂組成物を得た。
(第1電離放射線硬化性樹脂組成物1)
200mLの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、水銀温度計、撹拌装置を取り付け、6−[5−(2−ヒドロキシエチル)−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−オール4.0g(0.013モル)、トルエン40mL、メタクリル酸1.8g(0.021モル)、メタンスルホン酸0.4g(0.004モル)を入れて、110〜115℃で4時間還流脱水した。次いで、水30mL、炭酸ナトリウム0.6g(0.006モル)を加え、静置して下層部の水層を分離して除去し、活性炭0.2gを加え、還流撹拌して脱色させた。そして、ろ過した後に、ろ液からトルエン40mLを減圧で回収し、イソプロピルアルコール100mLを加え、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコール40mLで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥し、黄色結晶を4.2g得た。この黄色結晶4.2gをイソプロピルアルコールでリパルプ洗浄して、減圧下40℃で乾燥し、セサモール型ベンゾトリアゾール系化合物として、3.4gの2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルメタクリレートを得た。
次いで、四つ口フラスコにジムロート冷却器、水銀温時計、窒素ガス吹き込み管、攪拌装置を取り付け、合成した2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルメタクリレートを8質量部、他の単量体としてのメチルメタクリレート(MMA)を32質量部、溶媒としてのトルエン20質量部、メチルエチルケトン20質量部、および、重合開始剤としての1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)0.6質量部を入れて、攪拌しながら窒素ガス流量10mL/minで1時間フラスコ内を窒素置換後に、反応液温度90〜96℃で10時間還流状態にて重合反応を行った。
重合反応終了後、トルエン10質量部、メチルエチルケトン(MEK)10質量部を追加し、セサモール型ベンゾトリアゾール系化合物がMMAに反応結合された紫外線吸収剤としてのアクリルポリマー1を含む溶液100.6質量部を得た。
ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬株式会社製)および上記アクリルポリマー1を固形分質量比20:80で混ぜ合わせ、固形分25%まで溶剤(メチルエチルケトンおよびトルエンの質量比80:20)にて希釈して樹脂組成物を調製した。
次いで、得られた樹脂組成物160質量部に対し、重合開始剤(IGM Resins B.V.社製のOmnirad184およびOmnirad819の質量比50:50)4質量部と、レベリング剤(製品名「F568」、DIC株式会社製)0.2質量部とを混ぜ合わせ、よく攪拌することで、第1電離放射線硬化性樹脂組成物1を調製した。
(第1電離放射線硬化性樹脂組成物2)
ウレタンアクリレート(製品名「UV−3310B」、日本合成化学工業株式会社製)を固形分25%までメチルエチルケトンにて希釈して樹脂組成物を調製した。次いで、得られた樹脂組成物120質量部に対し、重合開始剤(IGM Resins B.V.社製のOmnirad184およびOmnirad819の質量比50:50)4質量部、紫外線吸収剤としてのインドール系化合物(製品名「BONASORB UA−3912」、オリヱント化学工業株式会社製)3質量部、およびベンゾトリアゾール化合物(製品名「JF−79」、城北化学株式会社製)5質量部、レベリング剤(製品名「F568」、DIC株式会社製)0.2質量部を混ぜ合わせ、よく攪拌することで、第1電離放射線硬化性樹脂組成物2を調製した。
(第1電離放射線硬化性樹脂組成物3)
ジシクロペンテニルアクリレート(製品名「FA-511AS」、日立化成株式会社製)50質量部、電離放射線重合性化合物であるペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬株式会社製)50質量部、重合開始剤(製品名「Omnirad184」、IGM Resins B.V.社製)4質量部、およびレベリング剤(製品名「F568」、DIC株式会社製)0.2質量部を混ぜ合わせ、その混合物に溶剤(メチルイソブチルケトン)を添加して攪拌し、固形分濃度25%の第1電離放射線硬化性樹脂組成物3を調製した。
<第2電離放射線硬化性樹脂組成物の調製>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、第2電離放射線硬化性樹脂組成物を得た。
(第2電離放射線硬化性樹脂組成物1)
・上記化学式(11)で表される液晶化合物:20質量部
・重合開始剤(製品名「Omnirad184」、IGM Resins B.V.社製):5質量部
・フッ素系界面活性剤(製品名「メガファックF477」、DIC株式会社製):0.4質量部
・混合溶剤(MEK:NMP=1:1):74.6質量部
(第2電離放射線硬化性樹脂組成物2)
上記化学式(18)で表される液晶化合物0.99gおよび上記化学式(19)で表される液晶化合物10mgを1,3−ジオキソラン0.3gおよびシクロペンタノン2.0gの混合溶媒に溶解させて、混合物1を得た。そして、下記に示す組成となるように各成分を配合して、第2電離放射線硬化性樹脂組成物2を得た。
・混合物1:20質量部
・重合開始剤(製品名「Omnirad184」、IGM Resins B.V.社製):5質量部
・フッ素系界面活性剤(製品名「メガファックF477」、DIC株式会社製):0.4質量部
・混合溶剤(MEK:NMP=1:1):74.6質量部
<電離放射線硬化性接着剤組成物1>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、電離放射線硬化性接着剤組成物1を得た。
・ヒドロキシアクリルアミド(製品名「HEAA」、KJケミカルズ社製):40質量部
・トリプロピレングリコールジアクリレート(製品名「M−220」、東亞合成社製):20質量部
・アクリロイルモルホリン(製品名「ACMO」、KJケミカルズ社製):40質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア819」、BASFジャパン社製):1.4質量部
<実施例1>
まず、離型フィルムとしての厚さ100μmの片面易接着処理がされたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、製品名「コスモシャインA4100」、東洋紡株式会社製)を準備し、PETフィルムの未処理側面に、第1電離放射線硬化性樹脂組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.5m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が200mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させた。これにより、膜厚8μmの第1樹脂層としてのハードコート層を形成した。
ハードコート層を形成した後、第1樹脂層上に、ポリシンナメート系化合物を含有する配向膜形成組成物(固形分4%、プロピレングリコールモノメチルエーテル希釈)を塗布し、塗膜を形成した。得られた塗膜を120℃で1分間乾燥して、偏光露光20mJ/cm(310nm)照射を行い、膜厚200nmの第3層としての配向膜を形成した。
次いで、配向膜上に、第2電離放射線硬化性樹脂組成物1をバーコーターで塗布し、乾燥させて、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、120℃の乾燥空気を60秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、その後紫外線を積算光量が200mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させた。これにより、膜厚2.0μmの第2樹脂層としてのλ/4位相差層を形成した。これにより、厚さ10.2μmの偏光子保護フィルムおよび離型フィルムからなる偏光子保護フィルム用転写体を得た。
第1樹脂層の膜厚は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて、第1樹脂層の断面を撮影し、その断面の画像において第1樹脂層の膜厚を10箇所測定し、その10箇所の膜厚の算術平均値とした。具体的な断面写真の撮影方法を以下に記載する。まず、1mm×10mmに切り出した偏光子保護フィルムを包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、このブロックから一般的な切片作製方法によって穴等がない均一な、厚さ70nm以上100nm以下の切片を切り出す。切片の作製には、「ウルトラミクロトーム EM UC7」(ライカ マイクロシステムズ株式会社)を用いた。そして、この穴等がない均一な切片を測定サンプルとした。その後、走査透過型電子顕微鏡(STEM)(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、測定サンプルの断面写真を撮影した。この断面写真の撮影の際には、検出器を「TE」、加速電圧を30kV、エミッションを「10μA」にして断面観察を行う。倍率については、フォーカスを調節しコントラストおよび明るさを各層が見分けられるか観察しながら5000倍〜20万倍で適宜調節した。なお、断面写真の撮影の際には、さらに、アパーチャーをビームモニタ絞り3にし、対物レンズ絞りを3にし、またW.D.を8mmにした。第2樹脂層および第3樹脂層の膜厚も、第1樹脂層の膜厚と同様にして測定した。
一方で、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させ、その後、一軸延伸して配向させることによって、偏光子を作製し、また偏光子の片面にポリビニルアルコール系接着剤(ポリビニルアルコール樹脂(製品名「PVA−117」、クラレ社製)を純水にて固形分5%に希釈したポリビニルアルコール水溶液)を塗布した。そして、偏光子の一方の面に鹸化処理済みの厚さ25μmのトリアセチルセルロース基材(製品名「TJ25UL」、富士フイルム株式会社製)である偏光子保護フィルムが接するように、偏光子および偏光子保護フィルムを配置した。この状態で、100℃で10分間乾燥して、偏光子および偏光子保護フィルムがポリビニルアルコール系接着剤で貼り合わせられた中間体を得た。
中間体を得た後、偏光子の他方の面に電離放射線硬化性接着剤1を塗布し、その上からλ/4位相差層が電離放射線硬化性接着剤に接するように偏光子保護フィルム用転写体を配置した。偏光子保護フィルム用転写体は、偏光子の吸収軸とλ/4位相差層の遅相軸がなす角度が45°となるように配置された。この状態で、TAC基材から構成された偏光子保護フィルム側から紫外線を積算光量が200mJ/cmになるように照射して電離放射線硬化性接着剤を硬化させた。これにより、中間体と偏光子保護フィルム用転写体が貼り合わせられた。
そして、偏光子保護フィルム用転写体から離型フィルムであるPETフィルムを剥離して、ハードコート層が表面に露出した偏光板を得た。
偏光板を得た後、偏光板のTAC基材からなる偏光子保護フィルム側の面に、粘着層(製品名「パナクリーン(登録商標)PD−S1」、パナック株式会社製)を介して、λ/2位相差フィルムを貼り合せた。λ/2位相差フィルムは、厚さ100μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム(製品名「ゼオノアZF−14」、日本ゼオン株式会社製)を、550nmの波長における面内リタデーションが270nmとなるように150℃で延伸することによって得た。さらに、λ/2位相差フィルムにおける偏光板側の面とは反対側の面に、粘着層(製品名「パナクリーン(登録商標)PD−S1」、パナック株式会社製)を介して、λ/4位相差フィルムを貼り合せた。これにより、円偏光板を得た。λ/4位相差フィルムは、厚さ100μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム(製品名「ゼオノアZF−14」、日本ゼオン株式会社製)を、550nmの波長における面内リタデーションが140nmとなるように150℃で延伸することによって得た。
円偏光板を得た後、円偏光板のλ/4位相差フィルムにおけるλ/2位相差フィルム側の面とは反対側の面に、粘着層(製品名「パナクリーン(登録商標)PD−S1」、パナック株式会社製)を介して、有機ELディスプレイ(製品名「Galaxy SII」、Samsung社製)から取り出した有機発光ダイオード素子を含む有機発光ダイオードパネル(OLEDパネル)を貼り合せた。これにより、観察者側に向けて、OLEDパネル、粘着層、円偏光板をこの順で積層した画像表示装置を得た。
<実施例2>
実施例2においては、第1電離放射線硬化性樹脂組成物1の代わりに、第1電離放射線硬化性樹脂組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護フィルム、偏光子保護フィルム転写体、円偏光板および画像表示装置を得た。
<実施例3>
実施例3においては、第1電離放射線硬化性樹脂組成物1の代わりに、第1電離放射線硬化性樹脂組成物3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護フィルム、偏光子保護フィルム転写体、円偏光板および画像表示装置を得た。
<実施例4>
実施例4においては、第2電離放射線硬化性樹脂組成物1の代わりに、第2電離放射線硬化性樹脂組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護フィルム、偏光子保護フィルム転写体、円偏光板および画像表示装置を得た。
<比較例1>
比較例1においては、観察者側の偏光子保護フィルムを、シクロオレフィンポリマー基材とハードコート層から構成したこと以外は、実施例1と同様にして、円偏光板および画像表示装置を得た。
比較例1に係る偏光子保護フィルムは、以下のようにして形成された。まず、厚さ100μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム(製品名「ゼオノアZF−14」、日本ゼオン株式会社製)を、550nmの波長における面内位相差が140nmとなるように150℃で延伸することで厚さ25μmのシクロオレフィンポリマー基材(COP基材)を得た。そして、このCOP基材の一方の面に、第1電離放射線硬化性樹脂組成物3を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.5m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が200mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させた。これにより、膜厚5μmのハードコート層を形成し、偏光子保護フィルムを得た。
<比較例2>
比較例2においては、観察者側の偏光子保護フィルムを、ハードコート層のみから構成したこと以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護フィルム、偏光子保護フィルム転写体、円偏光板および画像表示装置を得た。
比較例2に係る偏光子保護フィルムは、以下のようにして形成された。まず、離型フィルムとしての厚さ100μmの片面易接着処理がされたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、製品名「コスモシャインA4100」、東洋紡株式会社製)を準備し、PETフィルムの未処理側面に、第1電離放射線硬化性樹脂組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.5m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が200mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させた。これにより、膜厚10μmのハードコート層を形成し、偏光子保護フィルムを得た。
<位相差値測定>
実施例および比較例に係る偏光子保護フィルムの位相差値を測定した。具体的には、まず、光学的等方性を有するガラス(縦30mm×横30mm、厚み1mm)に粘着層(製品名「パナクリーン(登録商標)PD−S1」、パナック株式会社)を貼り付け、偏光子保護フィルム用転写体をλ/4位相差層が粘着層と接触するように貼り合わせた。その後、偏光子保護フィルムからPETフィルムを剥離して、ハードコート層を露出させて、測定サンプルを得た。測定サンプルに用いた偏光子保護フィルム用転写体は、偏光子保護フィルム用転写体の中央部分から縦40mm×横40mmの大きさに切り出したものを使用した。そして、位相差測定装置(製品名「KOBRA−WR」、王子計測機器株式会社製、測定スポット:直径5mm)を用いて、この測定サンプルの波長589nmにおける面内位相差(リタデーション)を測定した。
<OLEDパネルの発光波長測定>
実施例および比較例で用いたOLEDパネルの発光波長λ1を測定した。OLEDパネルの発光波長の測定は、分光放射輝度計(製品名「CS2000」、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、測定角1°の条件で測定した。
<ハードコート層およびλ/4位相差層の吸収開始波長測定>
実施例および比較例に係る偏光子保護フィルムにおけるハードコート層の吸収開始波長λ2およびλ/4位相差層の吸収開始波長λ3を測定した。具体的には、まず、カラーフィルタ分光特性測定装置(装置名「LCF−100MA−SF」、大塚電子株式会社製)を用いて、スポット径2μm、ハロゲンランプ光源にて各層の380nm以上480nm以下の波長域の透過スペクトルを測定するとともに、波長10nm刻みで透過スペクトルの傾きを求めた。そして、傾きのデータを大局して見たときに傾きが急激に低下する波長を見付け、その波長を吸収開始波長とした。
<インデンテーション硬さ(HIT)>
実施例に係る円偏光板において、λ/4位相差層およびハードコート層のインデンテーション硬さを測定した。すなわち、インデンテーション硬さ(HIT)は、HYSITRON(ハイジトロン)社製のTI950 TriboIndenterを用いて測定した。具体的には、まず、1mm×10mmに切り出した円偏光板を包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、ナノインデンテーション法での硬度測定に適した測定用サンプルを作製した。測定用サンプルの作製には、「ウルトラミクロトーム EM UC7」(ライカ マイクロシステムズ株式会社)を用いた。次いで、測定用サンプルの圧子を押し込む面がステージの載置面と平行となるように測定サンプルをHYSITRON(ハイジトロン)社製のTI950 TriboIndenterのステージに固定した。そして、λ/4位相差層の断面中央の平坦な部分に、荷重制御方法で、荷重速度10μN/秒でバーコビッチ型圧子を、30秒で荷重0μNから300μNまで負荷を加えながらλ/4位相差層の断面中央部に押し込み、その後300μNで5秒間保持した後、30秒で300μNから0μNまで除荷した。そして、このときの押し込み荷重F(N)に対応する押し込み深さh(nm)を連続的に測定し、荷重−変位曲線を作成した。作成された荷重−変位曲線からインデンテーション硬さHITを、上記数式(2)のように最大押し込み荷重Fmax(N)を、圧子とλ/4位相差層が接している投影面積A(mm)で除した値により求めた。インデンテーション硬さは、10箇所測定して得られた値の算術平均値とした。なお、Aは上記数式(3)によって求められる値であった。また、λ/4位相差層と同様の条件で、ハードコート層のインデンテーション硬さも測定した。
<視認性評価>
実施例および比較例に係る画像表示装置において、耐光性試験前後における視認性を評価した。具体的には、まず、暗所にて、耐光性試験前における画像表示装置を白表示とし、偏光サングラスの吸収軸と偏光子の吸収軸とのなす角度が0°(パラレルニコル)から90°(クロスニコル)となるように回転させて、表示画像を視認できるか否か、評価した。その後、耐光性試験機(製品名「紫外線フェードメータU48AU」、スガ試験機株式会社製)を用いて、42℃、相対湿度50%の環境下でカーボンアークランプからの光を画像表示装置に50時間照射する耐光性試験を行った。そして、再度、暗所にて、耐光性試験後における画像表示装置において、上記と同様の条件で、表示画像を視認できるか否か、評価した。評価基準は、以下の通りとした。
◎:どのような角度でも表示画像を視認できた(偏光サングラス対応ができていた)。
○:角度によっては、視認性がやや低下するが、実使用上問題ないレベルであった。
×:角度によって、表示画像を視認できなかった(偏光サングラス対応ができていなかった)。
<フレキブル性>
実施例に係る円偏光板において、マンドレル試験(2mmから32mmの金属製円柱にサンプルを巻きつける試験)を行い、フレキシブル性を評価した。具体的には、50mm×50mmの大きさに切り出した円偏光板に対し、JIS K5600−5−1:1999に準じてマンドレル試験を行い、第2の樹脂層が内側となるように円偏光板を円柱に巻き付けたときの円偏光板にクラック(ひび)が発生しなかった円柱の最小直径を求めた。評価結果は、以下の通りとした。
○:最小直径が6mm以下であった。
×:最小直径が6mmを超えていた。
以下、結果を表1に示す。
Figure 2020038246
表1に示されたように、比較例1に係る観察者側の偏光子保護フィルムは、COP基材を備えていたので、厚みが厚かった。これに対し、実施例1〜4に係る偏光子保護フィルムは、基材を備えていないので、薄かった。
表1に示されるように、比較例2に係る観察者側の偏光子保護フィルムは、液晶化合物を含むλ/4位相差層を備えていなかったので、偏光サングラス越しの視認性に劣っていた。これに対し、実施例1〜4に係る画像表示装置は、液晶化合物を含むλ/4位相差層を備えていたので、偏光サングラス越しの視認性に優れていた。
実施例1に係る画像表示装置における耐光試験後の偏光サングラス越しの視認性は、実施例3に係る画像表示装置における耐光試験後の偏光サングラス越しの視認性よりも優れていた。これは、実施例1に係る偏光子保護フィルムのハードコート層が紫外線吸収剤を含んでいたので、λ/4位相差層中の液晶化合物の紫外線劣化を抑制できたためである。
10…偏光子保護フィルム用転写体
20…偏光子保護フィルム
21…第1樹脂層
22…第2樹脂層
23…第3樹脂層
30…離型フィルム
40…画像表示装置
50…表示素子
60…円偏光板

Claims (12)

  1. 基材レスの偏光子保護フィルムであって、
    第1電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む第1樹脂層と、
    前記第1樹脂層の一方の面側に配置され、かつ少なくとも液晶化合物を含む第2電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む第2樹脂層と、
    を備える、偏光子保護フィルム。
  2. 前記第2樹脂層の膜厚が、0.1μm以上10μm以下である、請求項1に記載の偏光子保護フィルム。
  3. 前記偏光子保護フィルムの波長589nmにおける面内位相差が、80nm以上220nm以下である、請求項1または2に記載の偏光子保護フィルム。
  4. 前記第1樹脂層のインデンテーション硬さが、前記第2樹脂層のインデンテーション硬さよりも大きい、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルム。
  5. 前記偏光子保護フィルムの厚みが、20μm以下である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルム。
  6. 前記第1樹脂層が、紫外線吸収剤を含む、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルム。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルムと、
    前記偏光子保護フィルムの前記第1樹脂層側に設けられた離型フィルムと、
    を備える、偏光子保護フィルム用転写体。
  8. 偏光子と、
    前記偏光子に貼り付けられた請求項1ないし6のいずれか一項に記載の偏光子保護フィルムと、を備え、
    前記偏光子保護フィルムの前記第2樹脂層が前記第1樹脂層よりも前記偏光子側に位置している、偏光板。
  9. 表示素子と、
    前記表示素子よりも観察者側に配置された請求項8に記載の偏光板と、を備え、
    前記偏光子保護フィルムが、前記偏光子よりも観察者側に位置している、画像表示装置。
  10. 前記表示素子が発光素子であり、前記発光素子の青色光の発光ピーク波長をλ1とし、前記第1樹脂層の吸収開始波長をλ2とし、前記第2樹脂層の吸収開始波長をλ3としたとき、λ1>λ2>λ3の関係を満たす、請求項9に記載の画像表示装置。
  11. 前記表示素子が、有機発光ダイオードである、請求項9または10に記載の画像表示装置。
  12. 偏光子保護フィルムの製造方法であって、
    離型フィルムの一方の面に、第1電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、電離放射線の照射により硬化させて、第1樹脂層を形成する工程と、
    前記第2樹脂層側に、液晶化合物を含む第2電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、電離放射線の照射により硬化させて、前記第1樹脂層上に第2樹脂層を形成する工程と、
    前記第1樹脂層から前記離型フィルムを剥離する工程と、
    を備える、偏光子保護フィルムの製造方法。

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