JP2020035397A - 移動体情報通知装置及び移動体情報通知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成により高い精度で移動体を検知し、その情報を通知し得るようにする。【解決手段】移動体情報通知システム10では、対象路側機11AのLiDAR部25により計測範囲AR1内における距離を計測して得られる距離計測結果を基に移動体を検知し、各移動体の無線タグ51から車両種別等のタグ情報を読み出す。続いて移動体情報通知システム10では、検知した移動体に関する移動体情報を基に移動体情報を生成し、これを他路側機11Zへ送信して他移動体へ通知させる。これにより移動体情報通知システム10では、周囲の明るさ等に影響を受けることなく、対象道路2Aにおける移動体に関する極めて高精度な移動体情報を生成でき、この移動体情報を他道路2Z上の他移動体に通知することで、交差点1において死角があることに起因した事故の防止や軽減に繋げることができる。【選択図】図3

Description

本発明は移動体情報通知装置及び移動体情報通知システムに関し、例えば交差点の近傍を走行する車両等の移動体に対し、当該移動体から見て死角となる位置にある他の移動体に関する情報を通知する移動体情報通知システムに適用して好適なものである。
従来、移動体情報通知システムとして、交差点の近傍を走行する車両に対し、当該車両から死角となる箇所を走行している他の車両に関する情報を通知するものが提案されている。このような移動体情報通知システムとしては、例えば交差点の近傍における路上などにレーダーを設置し、該レーダーにより対象物の移動状況を検知し、危険車両の存在を車両に通知するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−149231号公報(図2等)
しかしながら、かかる構成の移動体情報通知システムは、構成が複雑でありコストが高いレーダーを設置する必要があるため、例えば比較的大きな交差点のように、設置できる場所が限定されてしまう。このためこの移動体情報通知システムは、比較的小さく見通しの悪い交差点のように、設置の必要性が高い場所に必ずしも設置できない、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成により高い精度で移動体を検知し、その情報を通知し得る移動体情報通知装置及び移動体情報通知システムを提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の移動体情報通知装置においては、道路に設定された基準位置から、該道路における所定の計測方向側において、光を用いて計測した該基準位置からの距離を基に、道路を移動する移動体を検知する移動体検知部と、移動体から該移動体の種別を表す種別情報を取得する種別情報取得部と、移動体検知部による検知結果及び種別情報取得部により取得した種別情報を基に、道路における計測方向と異なる他方向側において基準位置の近傍を移動する他の移動体に通知すべき移動体情報を生成する移動体情報生成部と、移動体情報を他の移動体に通知する通知部とを設けるようにした。
また本発明の移動体情報通知システムにおいては、道路上の移動体に関する情報を表す通知情報を生成して他の道路上の他の移動体へ通知する移動体情報通知システムであって、道路に設定された基準位置から、該道路における所定の計測方向側において、光を用いて計測した該基準位置からの距離を基に、該道路を移動する移動体を検知する移動体検知部と、移動体から該移動体の種別を表す種別情報を取得する種別情報取得部と、移動体検知部による検知結果及び種別情報取得部により取得した種別情報を基に、道路における計測方向と異なる他方向側において基準位置の近傍を移動する他の移動体に通知すべき移動体情報を生成する移動体情報生成部と、移動体情報を他の移動体に通知する通知部とを設けるようにした。
本発明は、移動体検知部において光を用いて距離を計測し、得られた計測結果を基に道路上の移動体を、その外形や移動速度及び移動方向と共に高い精度で検知できる。これに加えて本発明は、移動体検知部により検知した移動体から種別情報を取得し、これを該移動体の情報と組み合わせることにより、該移動体に関する極めて精度の高い移動体情報を生成でき、これを他の移動体に通知できる。この結果、他の移動体は、死角に存在する移動体に関する情報を運転者等に通知でき、事故の発生を未然に防止できる。
本発明によれば、簡易な構成により高い精度で移動体を検知し、その情報を通知し得る移動体情報通知装置及び移動体情報通知システムを実現できる。
交差点近傍における道路の構成及び移動体情報通知装置の設置の様子を示す略線的平面図である。 移動体情報通知装置の設置の様子を示す略線的側面図である。 移動体情報通知装置の構成を示す略線図である。 LiDARによる計測結果に基づく2次元画像を示す略線図である。 自動車のブロック構成を示す略線図である。 タグ情報テーブルの構成を示す略線図である。 通行区分及び車両種別を示す略線図である。 設置処理手順を示すフローチャートである。 移動体情報通知処理手順を示すフローチャートである。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.交差点近傍における道路の構成及び移動体情報通知装置の設置]
図1は、交差点1を中心として4本の道路2(2N、2E、2W及び2S)が交差する様子を表す模式的な平面図である。4本の道路2(2N、2E、2W及び2S)は、交差点1からそれぞれ北方向、東方向、西方向及び南方向に向けて形成されている。また図2は、交差点1から北方向へ向かう道路2Nを東側から見た様子を表す模式的な側面図である。
説明の都合上、以下では、道路2において交差点1へ近接する方向を上り方向とも呼び、また該交差点1から離隔する方向を下り方向とも呼ぶ。例えば北側の道路2Nでは、図2に示したように、南方向が上り方向となり、北方向が下り方向となる。
交差点1の近傍には、地面に対して4本の支柱3(3N、3E、3W及び3S)がそれぞれ上方向に向けて立設されている。各支柱3は、上端寄りの箇所において、概ね水平方向へ向けて水平支柱4(4N、4E、4W及び4S)がそれぞれ垂設されている。
各道路2には、複数の自動車5(5A、5B、5C及び5D)が走行又は停車しており、また自転車7A並びに歩行者8A及び8B等も存在している。因みに自動車5は、日本国の交通法規に則り、道路の進行方向に対して左側を走行している。説明の都合上、以下では、自動車5、自転車7及び歩行者8、或いは図示しない自動二輪車(オートバイ)や車椅子等、道路2上を移動する種々のものをまとめて移動体と呼ぶ。
さらに交差点1の近傍における道路2以外の部分には、図示しない建物や塀等が設置されている。このため道路2(例えば東側の道路2E)上を走行している自動車5の運転者や該道路2上を歩行している歩行者8A等は、交差点1において交差する他の道路2(例えば道路2N及び2S)を走行している他の自動車5や歩行者8等を視認できない可能性がある。
これに加えて交差点1の近傍には、各道路2に対応するように、各水平支柱4に、移動体情報通知装置としての路側機11(11N、11E、11W及び11S)がそれぞれ設置されている。この路側機11は、後述するように、対応する道路2上の移動体を検知し、当該移動体に関する情報を生成し、さらに通知するようになっている。
図3に示すように、4台の路側機11(11N、11E、11W及び11S)は、ネットワーク12を介して相互に接続されることにより、移動体情報通知システム10を形成している。なお4台の路側機11は、何れも同等に構成されている。そこで以下では、路側機11Nを例に説明する。
説明の都合上、以下では着目している路側機11Nを対象路側機11Aとも呼び、該対象路側機11A以外の他の路側機11E、11W及び11Sを他路側機11Zとも呼ぶ。また以下では、路側機11Nが設置されている北側の道路2Nを対象道路2Aとも呼び、交差点1に接続されている他の道路2、すなわち道路2E、2W及び2Sを他道路2Zとも呼ぶ。
[1−1.路側機の構成]
路側機11Nは、図2に示したように、全体として直方体状に構成されており、対象道路2A(すなわち道路2N)の下り方向(すなわち北方向)にその正面を向けるようにして、水平支柱4に取り付けられている。また路側機11Nは、図3に示したように、その内部において、バス20を介して制御部21、記憶部22、通信部23、位置方位検知部24、LiDAR(Light Detection and Ranging)部25及びタグリーダ部26が相互に接続された構成となっている。
制御部21は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)や記憶部22等から所定のプログラムを読み出し、図示しないRAM(Random Access Memory)をワークエリアとして使用しながら、種々の処理を実行する。
この制御部21は、例えば記憶部22から移動体情報通知プログラムを読み出して実行することにより、機能ブロックとして移動体検知部31、除外処理部32及び移動体情報生成部33をそれぞれ形成する。移動体検知部31は、後述するLiDAR部25から得られる計測結果を基に、道路2上を移動する移動体(自動車5や歩行者8等)を検知する処理をおこなう。この移動体検知部31は、さらにその内部に機能ブロックとして抽出処理部41及び移動状態認識部42(詳しくは後述する)をそれぞれ形成する。
除外処理部32は、移動体検知部31により検知した移動体に関する情報のうち、通知すべきでない移動体に関する情報を除外する除外処理を行う。説明の都合上、以下では、該除外処理部32により除外される移動体を除外移動体と呼ぶ。
移動体情報生成部33は、移動体検知部31により検知された移動体のうち、除外移動体を除いた残りの移動体(以下これを対象移動体と呼ぶ)に関する情報を基に移動体情報を生成する。この移動体情報は、後述するように、他道路2Zを走行している他の移動体(以下これを他移動体とも呼ぶ)に通知される。
記憶部22は、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリ等のような不揮発性の情報記憶媒体であり、初期設定プログラムや移動体情報通知プログラム等の各種プログラムや各種設定情報、或いは検知した移動体に関する種々の情報等を記憶する。通信部23は、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g/n/ac等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)のインタフェースであり、他の路側機11や自動車5等との間で無線接続を確立し、種々の情報を送受信することができる。
位置情報取得部及び方位情報取得部としての位置方位検知部24は、GPS(Global Position System)受信回路やGPSアンテナ等(図示せず)を有しており、GPS衛星から送信される信号等を基に路側機11Nの位置(例えば緯度、経度及び高度等)を検知し、これを基に位置情報を生成して制御部21へ送信する。また位置方位検知部24は、地磁気等を基に方位を検知する方位センサを有しており、路側機11Nの正面が向いている方向、すなわち対象道路2Aの下り方向の方位を検知し、これを基に方位情報を生成して制御部21へ送信する。
LiDAR部25は、レーザ等の照射光を発光する発光部、該照射光が移動体等において反射されてなる反射光を受光して受光信号を生成する受光部、及び受光信号に所定の信号処理を施す信号処理部等(何れも図示せず)を有している。またLiDAR部25は、照射光を反射させるミラーや、当該ミラーの姿勢(角度)を変化させるアクチュエータ等を有し、当該照射光の照射方向を様々な方向へ順次変化させて走査させる走査部も有している。因みにLiDAR部25は、発光部から例えば紫外光、可視光、又は近赤外光でなるレーザを照射光として発光する。
このLiDAR部25は、発光部により路側機11Nの正面ないし下側に向けてレーザをパルス状に発光して照射光とし、該照射光が照射された対象物(例えば自動車5等)において反射及び散乱されることにより戻ってきた反射光を、受光部により受光して受光信号を生成する。さらにLiDAR部25は、走査部により照射光の照射方向を水平方向に沿って順次変化させ、さらにはこれと交差する垂直方向にも変化させることにより、図1及び図2に示す計測範囲AR1内を順次走査しながら、照射光の照射及び反射光の受光を繰り返す。
続いてLiDAR部25は、順次得られる受光信号を基に所定の演算処理を行うことにより、路側機11の位置を基準位置として、各照射方向において照射光が反射された位置、すなわち何らかの物体が存在する位置までの距離をそれぞれ算出する。さらにLiDAR部25は、平面内で照射方向に応じた位置にこれらの距離をそれぞれ配置することにより、計測範囲AR1の距離計測結果を生成し、これを制御部21に供給する。この距離計測結果は、LiDAR部25において照射光の走査範囲(すなわち計測範囲AR1)に相当する画像を撮像した場合における、各画素を距離により表したものに相当する。
例えば、LiDAR部25により得られた距離計測結果において、各照射方向での距離が短いほど輝度を大きくし、距離が長いほど輝度を小さくする等、距離に応じて輝度を割り当てた場合、図4に示すような距離計測画像として表すことができる。説明の都合上、以下では、路側機11の正面が向いた方向(例えば北方向)がLiDAR部25により距離を計測する方向でもあることから、この方向を計測方向とも呼ぶ。
タグリーダ部26は、所定周波数の無線信号を受信するアンテナ、受信した信号の復調処理や復号化処理等を行う信号回路等を有している。このタグリーダ部26は、自動車5等の移動体に搭載された無線タグ(詳しくは後述する)からタグ情報を読み出し、制御部21へ送信する。因みにタグリーダ部26によりタグ情報を読出可能な範囲、すなわち該タグリーダ部26の通信可能な範囲は、図1のタグ読出範囲AR2であり、LiDAR部25の計測範囲AR1よりも狭くなっている。
[1−2.自動車の構成]
自動車5(図1)は、図5に示すように、無線タグ51、通信部52、表示処理部53及び表示部54を有している。無線タグ51は、いわゆるRFID(Radio Frequency Identification)タグとして構成されており、その内部に無線信号の送受信を行うアンテナ部61、各種信号の変調及び復調等を行う信号処理部62、種々の情報を記憶する記憶部63を有している。このうち記憶部63には、自動車5に関する種々の情報として、図6に示すタグ情報テーブルT1が記憶されている。
タグ情報テーブルT1には、例えば「通行区分」、「車両種別」、「車体番号」及び「所有者情報」等のような項目が設けられており、当該自動車5に関するそれぞれの値が格納されている。このうち「通行区分」の項目には、例えば図7(A)に示すように、「一般」、「優先」及び「緊急」のような値が用意されており、この何れかの値がタグ情報テーブルT1に格納される。このうち「緊急」は、例えば警察車両や救急車両、或いは消防車両等の場合に設定される。また「優先」は、例えば身体に障碍を有する人が運転する車両等の場合に設定される。「一般」は、通常の人が運転する車両の場合に設定される。
また「車両種別」の項目には、図7(B)に示すように、車両(すなわち移動体)の大きさや構造、或いは移動速度等に応じた大まかな種別を表す情報として、例えば普通自動車、大型自動車、自動二輪車、路面電車及び自転車といった値が用意されており、この何れかの値がタグ情報テーブルT1に格納される。
ところで自動車5は、その製造時や販売時等のタイミングで、すなわち道路2を走行するよりも前に、無線タグ51のタグ情報テーブルT1に当該自動車5に関する正しい情報が格納される。因みに、道路2を走行する自転車7や自動二輪車(図示せず)等にも、それぞれに関する正しい情報がタグ情報テーブルT1に格納された上で、無線タグ51が取り付けられている。
これに加えて歩行者8は、スマートフォン等の電子機器を携帯しており、当該電子機器に無線タグ51と同等の機能が組み込まれている。またこの電子機器は、GPS受信器や振動センサ等も有しており、これから得られる位置情報や移動速度、或いは振動の様子等から、当該電子機器を所持している使用者が歩行しているか(すなわち歩行者8であるか)、或いは自動車等に乗車して移動しているか等を判断する。その上で電子機器は、使用者が歩行している場合には無線タグ51の機能を有効化する一方、当該使用者が自動車等に乗車して移動している場合には当該無線タグ51の機能を無効化するようになっている。
自動車5の通信部52(図5)は、路側機11Nの通信部23と同様、例えばIEEE802.11a/b/g/n/ac等の規格に準拠した無線LANのインタフェースであり、該路側機11Nの通信部23との間で無線接続を確立し、種々の情報を送受信することができる。この通信部52は、路側機11Nから移動体情報を受信し、これを表示処理部53に供給する。
表示処理部53は、通信部52から供給される移動体情報を基に移動体に関する表示データを生成し、これを表示部54へ供給する。表示部54は、例えば液晶パネル等であり、表示処理部53から供給される表示データに基づく表示画面を表示し、自動車5の運転者等に視認させる。
[2.移動体情報通知処理]
次に、移動体情報通知システム10の路側機11Nにおける初期設定処理及び移動体情報通知処理について、それぞれ詳細に説明する。
[2−1.初期設定処理]
路側機11Nの制御部21は、水平支柱4N(図1)に取り付けられた後、最初に電源が投入されると、記憶部22に予め記憶されている初期設定プログラムを読み出して実行することにより、図8に示す初期設定処理手順RT1を開始し、最初のステップSP1に移る。
ステップSP1において制御部21は、通信部23を介して他路側機11Z(すなわち路側機11W、11E及び11S)との通信を試み、次のステップSP2へ移る。このとき制御部21は、他路側機11Zとの間で通信が成功すると、互いに情報を交換することにより、交差点1に設置されている他路側機11Zの存在や台数等を把握し、これらを他路側機11Zに関する情報として記憶部22に記憶させる。
ステップSP2において制御部21は、位置方位検知部24により、路側機11Nの現在位置を表す位置情報を取得すると共に該路側機11Nの正面が向いている方向の方位を表す方位情報を取得し、これらを制御部21に供給して次のステップSP3に移る。ステップSP3において制御部21は、位置情報及び方位情報を記憶部22に記憶させ、次のステップSP4に移る。
ステップSP4において制御部21は、LiDAR部25により計測範囲AR1(図1)に順次照射光を照射して走査することにより、該計測範囲AR1内に移動体が存在しない状態での距離計測結果を生成し、次のステップSP5に移る。このとき制御部21は、例えば所定の時間間隔を設けながら複数回に渡って距離計測結果を生成し、複数の距離計測結果の間で概ね一致した場合に、計測範囲AR1内に移動体が存在しないと見なし、この距離結果を採用する。
ステップSP5において制御部21は、ステップSP4で生成した距離計測結果を基準距離情報として記憶部22に記憶させた後、次のステップSP6に移って初期設定処理手順RT1を終了する。このとき記憶部22に記憶された基準距離情報は、LiDAR部25により距離計測を行う場合に、基準として(すなわち比較対象として)使用される。
因みに制御部21は、例えば保守作業が行われて水平支柱4Nに対する取付位置や取付角度等が変化した場合等に、保守作業者が操作する所定の端末装置等から通信部23を介して所定の初期化実行命令を受信したときにも、初期設定処理手順RT1を実行するようになっている。
[2−2.移動体情報通知処理手順]
次に、路側機11Nによる移動体情報通知処理について説明する。路側機11Nの制御部21は、記憶部22に予め記憶されている移動体情報通知プログラムを読み出して実行することにより、図1に示した移動体検知部31等の各機能ブロックを内部に形成した上で、図9に示す移動体情報通知処理手順RT2を開始して最初のステップSP11へ移る。
ステップSP11において制御部21は、LiDAR部25により計測範囲AR1内で距離計測を行い、得られた距離計測結果を該LiDAR部25から取得すると共に記憶部22に記憶させ、次のステップSP12へ移る。因みに記憶部22には、過去所定期間における距離計測結果が記憶されており、直近の距離計測結果を残すように逐次更新される。
ステップSP12において制御部21は、移動体検知部31(図1)により距離計測結果から移動体を検知し、次のステップSP13へ移る。具体的に移動体検知部31は、まず抽出処理部41により、今回得られた距離計測結果を過去の距離計測結果や基準距離情報と比較することにより、移動体と見なし得る部分を抽出する。さらに移動体検知部31は、移動状態認識部42により、距離計測結果の時間的な変化等を基に、抽出した移動体の移動方向や移動速度等を認識する。
ステップSP13において制御部21は、ステップSP12において検知した各移動体に関する情報、すなわち移動方向や移動速度等でなる検知結果を移動体検知情報として記憶部22に記憶させ、次のステップSP14へ移る。因みに記憶部22には、過去所定期間における各移動体の移動状態が記憶され、直近の移動状態を残すように逐次更新される。例えば制御部21は、計測範囲AR1外へ移動したために距離計測結果から検知できなくなった移動体があった場合、当該移動体に関する移動体検知情報を消去する。
ステップSP14において制御部21は、計測範囲AR1内に新たに侵入した移動体(以下これを侵入移動体と呼ぶ)があるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、侵入移動体が新たに計測範囲AR1内へ侵入してきたものの、この段階では距離計測結果を基に当該侵入移動体の大まかな大きさや進行方向及び移動速度等が判明しているに過ぎず、車両種別等の詳細な情報が不明であることを表している。このとき制御部21は、次のステップSP15へ移る。
ステップSP15において制御部21は、侵入移動体がタグ読出範囲AR2内に入ったタイミングでタグリーダ部26により当該移動体からのタグ情報の読み取りを試み、次のステップSP16に移る。具体的に制御部21は、タグ読出範囲AR2にある各移動体からそれぞれタグ情報を読み取り、これらを過去に読み出したタグ情報と比較することにより、新たに得られたタグ情報を侵入移動体のタグ情報として特定する。
ステップSP16において制御部21は、侵入移動体のタグ情報を読み出し得たか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、制御部21は次のステップSP17に移る。ステップSP17において制御部21は、新たに得られたタグ情報の内容、すなわち通行区分や車両種別等を、侵入移動体の移動体検知情報と対応付けて記憶部22に記憶させ、次のステップSP18へ移る。
一方、ステップSP16において否定結果が得られると、このことは侵入移動体が無線タグ51を有していない等の理由によりタグ情報を読み出し得なかったことを表している。この場合、制御部21は、距離計測結果を基に得られた侵入移動体の大まかな大きさや形状等を基に車両種別を判定し、該車両種別を該侵入移動体の移動体検知情報に含める。
ステップSP18において制御部21は、暫定的な処理として、この段階で検知している全ての移動体を通知対象に設定し、次のステップSP19へ移る。この通知対象とは、対象道路2A(すなわち道路2N)上に存在し対象路側機11Aにより検知された移動体のうち、他道路2Z(すなわち道路2E、2W及び2S)上に存在する他移動体に対して、情報を通知するべきものとして選定されたことを意味する。
ステップSP19において制御部21は、除外処理部32(図3)により、通知対象のうち、対象道路2A(すなわち道路2N)を下り方向へ、すなわち交差点1から離隔する北方向へ移動する移動体があるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、制御部21は次のステップSP20へ移る。ステップSP20において制御部21は、ステップSP19において下り方向へ移動していると判定された移動体の移動速度が所定の基準速度(例えば10[km/h])以上であるか否かを判定する。
ここで肯定結果が得られると、このことは当該移動体が交差点1から比較的大きい速度で下り方向へ遠ざかっているため、仮に他道路2Zから対象道路2Aに新たな移動体が進行してきたとしても、当該移動体に衝突する可能性が極めて低く、当該移動体に関する情報を他移動体に通知する必要性が極めて低いことを表している。このとき制御部21は、次のステップSP21に移り、除外処理部32により、当該移動体を通知対象から除外して、その次のステップSP22に移る。
一方、ステップSP19において否定結果が得られると、このことは通知対象が上り方向へ移動しているか、或いは停止している移動体であるため、仮に他道路2Zから対象道路2Aに新たな移動体が進行してきた場合、当該移動体に衝突する可能性があり、当該移動体に関する情報を他移動体に通知する必要性があることを表している。このとき制御部21は、当該移動体を通知対象としたまま、次のステップSP22に移る。
また、ステップSP20において否定結果が得られると、このことは通知対象が下り方向へ移動しているものの、その移動速度が比較的小さい移動体、例えば歩行者8等であるため、仮に他道路2Zから対象道路2Aに新たな移動体が進行してきた場合、当該移動体に衝突する可能性があり、当該移動体に関する情報を他移動体に通知する必要性があることを表している。このとき制御部21は、やはり当該移動体を通知対象としたまま、次のステップSP22に移る。
ステップSP22において制御部21は、移動体情報生成部33により、通知対象である各移動体に関する移動体検知情報を記憶部22から読み出して移動体情報を生成し、次のステップSP23へ移る。この移動体情報には、計測方向における通知対象の移動体に関する情報として、当該移動体の移動方向や移動速度の他、タグ情報に含まれていた車両種別や通行区分等が含まれる。また移動体情報には、対象路側機11A(すなわち路側機11N)の位置や方位を表す情報等も含まれる。
ステップSP23において制御部21は、通信部23により移動体情報を他路側機11Z(すなわち路側機11E、11W及び11S)へ、換言すれば計測方向と異なる他方向を向いた各路側機11へ送信した後、次のステップSP24に移って移動体情報通知処理手順RT2を終了する。
これに応じて他路側機11Zは、受信した移動体情報を他道路2Z上の他移動体に対して送信する。例えば他道路2Zである道路2E(図1)を走行している自動車5Cは、通信部52(図5)により移動体情報を受信すると、これを表示処理部53に供給する。表示処理部53は、当該自動車5Cが道路2Eを上り方向へ、すなわち交差点1へ向けて進行している場合、例えば移動体情報に含まれる移動体の種別情報、位置及び速度等に基づいた画像データを生成し、これを表示部54に供給して表示させ、これにより運転者等に視認させる。
[3.効果等]
以上の構成において、本実施の形態による移動体情報通知システム10では、対象路側機11Aに設けられたLiDAR部25により計測範囲AR1内の移動体を検知し、また各移動体の無線タグ51からタグ情報を読み出し、これらを基に生成した移動体情報を他路側機11Zへ送信して他移動体へ通知させるようにした。
このとき対象路側機11Aでは、距離センサとしての性質を有するLiDAR部25により多数の照射方向を走査するようにパルス状のレーザでなる照射光を照射し、戻ってくる反射光を基に各照射方向の距離をそれぞれ計測し、これらを平面上における照射方向に応じた位置に配置して、2次元画像状の距離計測結果を生成する(図4)。
このため対象路側機11Aでは、例えばカメラ等により画像を撮像し画像処理等によって各移動体の外形を抽出し、或いはその位置を算出する場合と比較して、各照射方向の距離を極めて精度良く検知できるため、これを基に移動体の有無やその形状、或いは移動速度や移動方向についても極めて高精度に検知できる。
この結果、移動体情報通知システム10では、周囲の明るさ等に影響を受けることなく、対象道路2Aにおける移動体に関する極めて高精度な情報でなる移動体情報を生成できる。これに伴い、移動体情報通知システム10では、この移動体情報を他道路2Z上の他移動体に通知することで、交差点1において死角があることに起因した事故の防止や軽減に繋げることができる。
またLiDAR部25は、パルス状の照射光を照射して得られる戻り光の受光結果を基に距離を計測しており、電磁波を利用するレーダーと比較して、より短い波長を利用しているためにより高精度に距離を計測することができる。また一般に、LiDAR部25は、レーダーよりも低コストで構成できる。このため移動体情報通知システム10では、レーダーを使用する場合と比較して、コストを低く抑えながら、高精度に移動体を検知することができる。
さらに対象路側機11Aでは、LiDAR部25の計測範囲AR1に新たに入ってきた侵入移動体から、タグリーダ部26によりタグ情報を読み出し、これを該侵入移動体の移動体検知情報に追加するようにした(図9、ステップSP15〜SP17)。これにより対象路側機11Aは、LiDAR部25により得られる距離計測結果のみからでは知り得ない情報、例えば通行区分等のような種別を表す情報を移動体情報に含めることができる。
この結果、移動体情報通知システム10では、例えば交差点1において死角となる対象道路2Aから緊急車両が近づいてくることを、他道路2Z上の各移動体に対し、当該緊急車両を視認する前から知覚させることができ、交差点1へ進入せずに緊急車両を通過させる等、車両の種別に応じた適切な対処を行わせることができる。
また対象路側機11Aでは、LiDAR部25により得られる距離計測結果からでは車両種別の判別が難しい場合であっても、タグ情報を基に正確な車両種別を取得して移動体通知情報に加えることができる。例えば対象路側機11Aは、自動二輪車及び自転車のように、それぞれの正面を表す距離計測結果のみからでは判別が困難な場合であっても、タグ情報を基に、その車両種別を正確に知得できる。
これにより移動体情報通知システム10では、他道路2Z上の各移動体の運転者に対し、交差点1において死角となる対象道路2Aを走行している車両の種別を視認する前から知覚させることができ、各移動体の特性や形状等に応じた適切な対応を、事前に余裕をもって準備させることができる。
また対象路側機11Aでは、移動体情報に該対象路側機11Aの位置や方位に関する情報も含めるようにした。これにより移動体情報通知システム10では、交差点1における所定の道路2を走行している車両が、他の各道路2に関する移動体情報を受信した場合であっても、各移動体情報が何れの道路2から通知された情報であるかを正確に判断でき、運転者等に対し正確な情報を伝えることができる。
そのうえ対象路側機11Aでは、通知対象のうち対象道路2Aを交差点1から離隔する下り方向へ移動する移動体の移動体検知情報を除外するようにした(図9、ステップSP19及びSP21)。これにより移動体情報通知システム10では、他道路2Zから対象道路2Aに新たな移動体が進行してきたとしても、当該移動体に衝突する可能性が極めて低いため、当該移動体を通知対象から除外することにより、他の通知対象を埋もれさせること無く際立たせること、すなわち危険性のより高い移動体に関する重要な情報に着目させることができる。
これに加えて対象路側機11Aでは、通知対象のうち対象道路2Aを交差点1から離隔する下り方向へ移動する移動体であっても、その移動速度が基準速度未満である場合、通知対象から除外しないようにした(ステップSP9、ステップSP20)。これにより移動体情報通知システム10では、比較的低速に移動する歩行者8等を通知対象として残すことができるので、他道路2Zから対象道路2Aに新たな移動体が進行してきたときに、交差点1の近傍に存在する可能性が高い移動体に関する情報を確実に通知することができる。
さらに移動体情報通知システム10では、交差点1に接続される各道路2に対し、互いに同等に構成された路側機11をそれぞれ設置し、各路側機11をネットワーク12により接続し(図3)、初期設定処理手順RT1(図8)において自動的に相互を認識するようにした。このため移動体情報通知システム10は、交差点1に接続される道路2の本数が様々に相違する場合や、該交差点1に接続される道路2のうち一部のみに路側機11を設置する場合であっても、各路側機11の構成を変更する必要なく、様々な環境に対し柔軟に且つ容易に対応できる。
以上の構成によれば、本実施の形態による移動体情報通知システム10では、対象路側機11AのLiDAR部25により計測範囲AR1内における距離を計測して得られる距離計測結果を基に移動体を検知し、各移動体の無線タグ51から車両種別等のタグ情報を読み出す。続いて移動体情報通知システム10では、検知した移動体に関する移動体検知情報を基に移動体情報を生成し、これを他路側機11Zへ送信して他移動体へ通知させる。これにより移動体情報通知システム10では、周囲の明るさ等に影響を受けることなく、対象道路2Aにおける移動体に関する極めて高精度な移動体情報を生成でき、この移動体情報を他道路2Z上の他移動体に通知することで、交差点1において死角があることに起因した事故の防止や軽減に繋げることができる。
[4.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、通知対象とした移動体のうち下り方向へ移動するものを通知対象から除外する場合について述べた(図9、ステップSP19及びSP21)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば道路2において上り車線及び下り車線が明確に分かれている場合に、下り車線を走行している移動体を通知対象から除外しても良い。或いは、これと反対に、通知対象となった全ての移動体を除外すること無く移動体情報として通知しても良い。
また上述した実施の形態においては、通知対象とした移動体のうち下り方向へ移動するものを除外する際、基準速度未満の移動体については除外しない場合について述べた(図9、ステップSP20)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば速度に拘わらず、下り方向へ移動する移動体を全て通知対象から除外しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、LiDAR部25により計測範囲AR1内で距離計測を行って得られた距離計測結果を基に、過去の距離計測結果及び基準距離情報を基に移動体を検知する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば過去の距離計測結果及び基準距離情報の何れか一方のみを基に移動体を検知しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、初期設定処理手順RT1(図8)において基準距離情報を生成して記憶部22に記憶させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば交通量が少ない時間帯(例えば深夜等)等、任意のタイミングでLiDAR部25により計測範囲AR1内における距離を計測し、得られた計測結果を基に基準距離情報を更新しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、1本の道路2に1個の路側機11を設置する場合について述べた(図1)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば道路2に複数の車線が設定されている場合に、車線ごとに路側機11を設置しても良い。この場合、例えば各路側機11の計測範囲AR1及びタグ読出範囲AR2を何れも1本の車線内とするように調整することにより、距離計測結果から検知される移動体とタグ情報との対応付けの精度を高めることができる。或いは、例えば1本の道路に対してLiDAR部25を1個設ける一方でタグリーダ部26を車線ごとに設置しても良く、これによりLiDAR部25の個数を必要最小限に抑えることができ、構成の簡易化によるコストの低減化を図ることができる。
さらに上述した実施の形態においては、1箇所の交差点1に接続されるそれぞれの道路2に路側機11を設け、各路側機11に1本の道路2のみを対象に距離を計測するLiDAR部25をそれぞれ設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば1箇所の交差点1に1個のLiDAR部を設け、該LiDAR部の走査部においてミラーを水平方向に360°の範囲で回転させる等して、全ての道路2を対象に距離を計測しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、レーザをパルス状に照射するLiDAR部25により計測範囲AR1の距離計測結果を生成して移動体を検知する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、光を用いた他の種々の手段により計測範囲AR1の距離計測結果を生成し、これを基に移動体を検知しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、タグ情報として通行区分及び車両情報、すなわち移動体のおおよその大きさを表す情報や、該移動体のおおよその移動速度を表す情報、或いは優先されるべき度合を表す情報を格納する場合について述べた(図6及び図7)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば車両の全長、全幅及び全高のような詳細な大きさに関する情報や、バスやタクシー、若しくは配達の業務を行う車両であり人の乗降等のために停車する可能性があることを表す情報等、移動体の種別を表す種々の情報を格納しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、初期設定処理手順RT1(図8)において位置方位検知部24(図3)により生成した位置情報及び方位情報を、移動体情報通知処理手順RT2(図9)において移動体情報に含めて送信する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば位置情報及び方位情報の少なくとも一方を移動体情報から省略しても良い。この場合、位置方位検知部24から位置検知に関する部品や方位検知に関する部品を省略でき、これにより構成を簡略化することができる。
さらに上述した実施の形態においては、路側機11に位置方位検知部24(図3)を設け、該位置方位検知部24により路側機11の位置及び方位を検知して位置情報及び方位情報をそれぞれ生成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば路側機11の設置時に作業員等が所定の位置計測器や方位計測器等を用いて位置及び方位を計測し、これにより得られた位置情報及び方位情報を路側機11の記憶部22に記憶させても良い。この場合、路側機11から位置方位検知部24を省略して構成を簡略化することができる。
さらに上述した実施の形態においては、初期設定処理手順RT1(図8)において、他の路側機11に関する情報を取得する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば路側機11の設置時に作業員等が他の路側機11に関する情報を手動で設定するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、対象路側機11Aにより生成した移動体情報を他路側機11Zへ送信することにより、該他路側機11Zから他道路2Z上の移動体へ該移動体情報を送信させる場合について述べた(図9、ステップSP23)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば対象路側機11Aの通信部23(図3)から他道路2Zの移動体へ移動体情報を直接送信しても良い。また、移動体に移動体情報を送信するための手段としては、無線LANに限らず、例えば4Gや5Gと呼ばれる携帯電話用の移動体通信網を利用しても良く、或いは交差点1にDSRC(Dedicated Short Range Communication)装置等のような他の通信可能な機器が設置されている場合に、これを利用しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、4本の道路2が交差する交差点1において、各道路2にそれぞれ路側機11を設置する場合について述べた(図1)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば山道のように見通しの悪い急カーブがある箇所において、該急カーブにおける両側の道路にそれぞれ路側機11を設置し、それぞれ移動体情報を生成するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、交差点1に接続された全ての道路2にそれぞれ路側機11を設ける場合について述べた(図1)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば幅が広い道路と幅が狭い道路とが交差する交差点において、幅が広い道路にのみ路側機11を設置し、該幅が広い道路上の移動体に関する移動体情報を生成して、幅が狭い道路を移動する移動体にこれを通知しても良い。要は、対象道路から見て他の道路が死角となる恐れがある場合に、当該他の道路上の移動体に関する移動体情報を対象道路上の移動体に通知できれば良い。
さらに本発明は、上述した実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、移動体検知部としてのLiDAR部25及び移動体検知部31と、種別情報取得部としてのタグリーダ部26と、移動体情報生成部としての移動体情報生成部33と、通知部としての通信部23とによって移動体情報通知装置としての路側機11を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる移動体検知部と、種別情報取得部と、移動体情報生成部と、通知部とによって移動体情報通知装置を構成しても良い。
本発明は、例えば交差点の近傍の道路を走行する車両に対し、他の道路を走行する車両に関する情報を通知する種々のシステムでも利用できる。
1……交差点、2……道路、2A……対象道路、2Z……他道路、5……自動車、8……歩行者、10……移動体情報通知システム、11……路側機、11A……対象路側機、11Z……他路側機、21……制御部、22……記憶部、23……通信部、24……位置方位検知部、25……LiDAR部、26……タグリーダ部、31……移動体検知部、32……除外処理部、33……移動体情報生成部、41……抽出処理部、42……移動状態認識部、51……無線タグ、52……通信部、61……アンテナ部、62……信号処理部、63……記憶部、AR1……計測範囲、AR2……タグ読出範囲、T1……タグ情報テーブル。

Claims (11)

  1. 道路に設定された基準位置から、該道路における所定の計測方向側において、光を用いて計測した該基準位置からの距離を基に、前記道路を移動する移動体を検知する移動体検知部と、
    前記移動体から該移動体の種別を表す種別情報を取得する種別情報取得部と、
    前記移動体検知部による検知結果及び前記種別情報取得部により取得した前記種別情報を基に、前記道路における前記計測方向と異なる他方向側において前記基準位置の近傍を移動する他の移動体に通知すべき移動体情報を生成する移動体情報生成部と、
    前記移動体情報を前記他の移動体に通知する通知部と
    を具えることを特徴とする移動体情報通知装置。
  2. 前記移動体検知部は、前記基準位置からの距離を基に、前記移動体の移動方向を検知し、
    前記移動体情報生成部は、前記基準位置から遠ざかる方向へ進行する前記移動体に関する情報を除外して前記移動体情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動体情報通知装置。
  3. 前記移動体検知部は、前記基準位置からの距離を基に、前記移動体の移動方向及び移動速度を検知し、
    前記移動体情報生成部は、所定の基準速度よりも大きい速度で前記基準位置から遠ざかる方向へ進行する前記移動体に関する情報を除外して前記移動体情報を生成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の移動体情報通知装置。
  4. 前記移動体検知部は、前記基準位置からの距離を基に、前記移動体の大きさ及び移動速度を検知し、
    前記移動体情報生成部は、前記種別情報取得部により前記移動体から前記種別情報を取得できなかった場合、前記移動体検知部により検知された当該移動体の大きさ及び移動速度を基に種別を判定し、得られた判定結果を用いて前記移動体情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動体情報通知装置。
  5. 前記移動体検知部は、前記道路における車線ごとに前記移動体を検知し、
    前記種別情報取得部は、前記車線ごとに前記移動体の前記種別情報を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動体情報通知装置。
  6. 前記基準位置を表す位置情報を取得する位置情報取得部
    をさらに具え、
    前記移動体情報生成部は、前記移動体情報に前記位置情報を含めて生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動体情報通知装置。
  7. 前記計測方向の方位を表す方位情報を取得する方位情報取得部
    をさらに具え、
    前記移動体情報生成部は、前記移動体情報に前記方位情報を含めて生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動体情報通知装置。
  8. 前記種別情報は、前記移動体の大きさに基づいて区分されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動体情報通知装置。
  9. 前記種別情報は、前記移動体の移動速度に基づいて区分されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動体情報通知装置。
  10. 前記種別情報は、前記移動体が前記道路を通行する際に優先されるべき度合に基づいて区分されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動体情報通知装置。
  11. 道路上の移動体に関する情報を表す通知情報を生成して他の道路上の他の移動体へ通知する移動体情報通知システムであって、
    前記道路に設定された基準位置から、該道路における所定の計測方向側において、光を用いて計測した該基準位置からの距離を基に、該道路を移動する前記移動体を検知する移動体検知部と、
    前記移動体から該移動体の種別を表す種別情報を取得する種別情報取得部と、
    前記移動体検知部による検知結果及び前記種別情報取得部により取得した前記種別情報を基に、前記道路における前記計測方向と異なる他方向側において前記基準位置の近傍を移動する他の移動体に通知すべき移動体情報を生成する移動体情報生成部と、
    前記移動体情報を前記他の移動体に通知する通知部と
    を具えることを特徴とする移動体情報通知システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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