JP2020035376A - 粘性流体デバイスの駆動制御方法及び駆動制御装置 - Google Patents

粘性流体デバイスの駆動制御方法及び駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】可動部の動きが複雑であっても適切な制動力が付与されるよう粘性流体デバイスの駆動を制御する。【解決手段】粘性流体デバイスの駆動制御方法は、可動部へ制動力を付与する複数の粘性流体デバイスに複数のイベントを発生させる駆動制御方法であって、複数のセンサにより検知された前記可動部の位置及び変位の少なくとも1つを受け付けるステップと、前記位置及び前記変位の少なくとも1つに基づいて、前記複数のイベントのそれぞれに対するトリガ条件が成立したか否かを判断するステップと、成立したと判断された前記トリガ条件に対する前記イベントを発生させる少なくとも1つの前記粘性流体デバイスの駆動波形を、成立したと判断された前記トリガ条件に対応付けられた波形情報に基づいて生成するステップと、前記駆動波形に応じて前記イベントを発生させる少なくとも1つの前記粘性流体デバイスを駆動するステップと、を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、粘性流体デバイスの駆動制御方法及び駆動制御装置に関する。
磁界又は電界の強度に基づいて粘性流体の粘度を変化させることによって、可動部へ任意の制動力を付与する粘性流体デバイスが知られている。
特許文献1の入力装置は、磁気粘性流体を利用して回転体にブレーキ力を付与するブレーキ付与部と、磁界で回転トルクを発生するトルク付与部とを設けることで、操作部を操作する手に、適度な抵抗感や引き込み感を与える。
特開2018−045641号公報
しかしながら、特許文献1の入力装置は、回転体が所定の位置にある場合にブレーキ力を付与することが記載されているに過ぎず、ブレーキ力を制御する具体的な構成が不明である。また、特許文献1の入力装置は、回転体が回転中心線の周りを回転するだけの単純な動きしかできないため、複雑な動きをする操作部に対してブレーキ力を適切に付与することができない可能性がある。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、上述のような問題点を解決することを課題の一例とする。すなわち、本発明の課題の一例は、可動部の動きが複雑であっても適切な制動力が付与されるよう粘性流体デバイスの駆動を制御することである。
本発明に係る粘性流体デバイスの駆動制御方法は、磁界又は電界の強度に基づいて粘性流体の粘度を変化させることによって可動部へ任意の制動力を付与する複数の粘性流体デバイスに複数のイベントを発生させる粘性流体デバイスの駆動制御方法であって、複数のセンサにより検知された前記可動部の位置及び変位の少なくとも1つを受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けられた前記位置及び前記変位の少なくとも1つに基づいて、前記複数のイベントのそれぞれに対するトリガ条件が成立したか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより成立したと判断された前記トリガ条件に対する前記イベントを発生させる少なくとも1つの前記粘性流体デバイスの駆動波形を、成立したと判断された前記トリガ条件に対応付けられた波形情報に基づいて生成する生成ステップと、前記生成ステップにより生成された前記駆動波形に応じて、前記イベントを発生させる少なくとも1つの前記粘性流体デバイスを駆動する駆動ステップと、を備える。
好適には、前記粘性流体デバイスの駆動制御方法において、前記波形情報は、前記位置及び前記変位の少なくとも1つに応じて前記制動力を変化させるための第1波形情報と、時間に応じて前記制動力を変化させるための第2波形情報とを含み、前記生成ステップは、前記第1波形情報及び前記第2波形情報の少なくとも1つに基づいて、前記駆動波形を生成する。
好適には、前記粘性流体デバイスの駆動制御方法において、前記可動部は、複数の座標軸に沿って動くこと、及び/又は、複数の回転軸を中心として動くことが可能であり、前記複数の粘性流体デバイスは、前記可動部が動いた前記複数の座標軸及び/又は前記複数の回転軸について、それぞれ前記制動力を付与し、前記複数のセンサは、前記複数の座標軸及び/又は前記複数の回転軸における前記位置及び前記変位の少なくとも1つを検知し、前記生成ステップは、前記複数の座標軸及び/又は前記複数の回転軸のうちの少なくとも1つにおける前記位置及び前記変位の少なくとも1つが変化すると、少なくとも1つの前記粘性流体デバイスの前記駆動波形を変化させる。
好適には、前記粘性流体デバイスの駆動制御方法において、前記生成ステップは、前記複数の座標軸及び/又は前記複数の回転軸のうちの少なくとも1つにおける前記位置及び前記変位の少なくとも1つが変化すると、前記位置及び前記変位の少なくとも1つが変化した前記座標軸及び/又は前記回転軸について前記制動力を付与する前記粘性流体デバイスの前記駆動波形と、前記位置及び前記変位の何れもが変化していない前記座標軸及び/又は前記回転軸について前記制動力を付与する前記粘性流体デバイスの前記駆動波形と、を同期して変化させる。
好適には、前記粘性流体デバイスの駆動制御方法において、前記生成ステップは、前記磁界又は前記電界の発生手段へ供給される電力を制御するパルス信号のパルス幅が変化するよう前記パルス信号のデューティ比を設定することによって、前記駆動波形を変化させる。
好適には、前記粘性流体デバイスの駆動制御方法において、前記デューティ比は、所定の時間間隔ごとに予め定められて記憶されており、前記生成ステップは、前記デューティ比の読み込み方を変更することによって、前記駆動波形の周期を変更する。
好適には、前記粘性流体デバイスの駆動制御方法において、前記可動部は、ユーザが接触して操作する操作部であり、前記生成ステップは、前記駆動波形を変化させることによって、前記駆動ステップにより前記粘性流体デバイスが駆動されて前記操作部へ付与される前記制動力を変化させ、前記操作部の触感を変化させる。
好適には、前記粘性流体デバイスの駆動制御方法において、前記粘性流体は、前記磁界の強度に基づいて前記粘度が変化する磁気粘性流体であり、前記磁界の発生手段は、電磁コイルを含んで構成される。
好適には、前記粘性流体デバイスの駆動制御方法において、前記粘性流体は、前記電界の強度に基づいて前記粘度が変化する電気粘性流体であり、前記電界の発生手段は、互いに異なる電位が印加される一対の電極を含んで構成される。
本発明に係る粘性流体デバイスの駆動制御装置は、磁界又は電界の強度に基づいて粘性流体の粘度を変化させることによって可動部へ任意の制動力を付与する複数の粘性流体デバイスに複数のイベントを発生させる粘性流体デバイスの駆動制御装置であって、複数のセンサにより検知された前記可動部の位置及び変位の少なくとも1つを受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けられた前記位置及び前記変位の少なくとも1つに基づいて、前記複数のイベントのそれぞれに対するトリガ条件が成立したか否かを判断する判断部と、前記判断部により成立したと判断された前記トリガ条件に対する前記イベントを発生させる少なくとも1つの前記粘性流体デバイスの駆動波形を、成立したと判断された前記トリガ条件に対応付けられた波形情報に基づいて生成する生成部と、前記生成部により生成された前記駆動波形に応じて、前記イベントを発生させる少なくとも1つの前記粘性流体デバイスを駆動する駆動部と、を備える。
本発明は、可動部の動きが複雑であっても適切な制動力が付与されるよう粘性流体デバイスの駆動を制御することができる。
実施形態1に係る触感提供システムの構成を模式的に示す図である。 図1に示された触感提供システムの機能的構成を示すブロック図である。 トリガ条件、イベント情報、波形情報及び出力ポート情報を互いに対応付けて記憶されたテーブルと、受付部と、第1及び第2駆動回路との関係を説明するための図である。 印加電圧の波形とPWM波形との関係を説明するための図である。 所定の時間間隔ごとに定められたデューティ比を示すテーブルの図である。 印加電圧の波形とデューティ比の読み込み方との関係を説明するための図である。 図1に示された触感提供システムにおいて、操作部の操作内容に応じてユーザへ提供される触感の変化を説明するための図である。 図7に示された触感を提供するための第1及び第2粘性流体デバイスの駆動波形の具体例として、第1及び第2電磁界発生手段へ供給される第1及び第2印加電圧の波形を説明するための図である。 図7に示された触感を提供するために行われる第1及び第2粘性流体デバイスの駆動制御処理の流れを示す図である。 図10は、図9に続けて行われる駆動制御処理の流れを示す図である。 実施形態2に係る触感提供システムにおいて、操作部の操作内容に応じてユーザへ提供される触感の変化を説明するための図である。 図11に示された触感を提供するための第1及び第2粘性流体デバイスの駆動波形の具体例として、第1及び第2電磁界発生手段へ供給される第1及び第2印加電圧の波形を説明するための図である。 図11に示された触感を提供するために行われる第1及び第2粘性流体デバイスの駆動制御処理の流れを示す図である。 実施形態3に係る触感提供システムの構成を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明は、磁界又は電界の強度に基づいて粘性流体の粘度を変化させることによって、可動部へ任意の制動力を付与する粘性流体デバイスに広く適用可能である。本実施形態では、ユーザが接触して操作する操作部を可動部とし、この可動部に設けられた粘性流体デバイスに本発明を適用することによって、操作部を操作するユーザへ触感を提供する例について説明する。
[実施形態1:触感提供システムの構成]
図1は、実施形態1に係る触感提供システム1の構成を模式的に示す図である。図2は、図1に示された触感提供システム1の機能的構成を示すブロック図である。図3は、トリガ条件、イベント情報、波形情報及び出力ポート情報を互いに対応付けて記憶されたテーブルと、受付部52と、第1及び第2駆動回路40a及び40bとの関係を説明するための図である。図4は、印加電圧の波形とPWM波形との関係を説明するための図である。図5は、所定の時間間隔ごとに定められたデューティ比を示すテーブルの図である。図6は、印加電圧の波形とデューティ比の読み込み方との関係を説明するための図である。
触感提供システム1は、皮膚への刺激に起因した感覚である触覚、及び、筋力の反力に起因した感覚である力覚の少なくとも1つを通じて、操作部10を操作するユーザへ触感を提供するシステムである。触感提供システム1は、粘性流体デバイス30に種々のイベントを発生させることによって、操作部10を操作するユーザへ種々の触感を提供することができる。粘性流体デバイス30にイベントを発生させるとは、操作部10を操作するユーザへ触感を提供することができるよう、操作部10の操作内容に対応して粘性流体デバイス30を種々の態様で駆動し、操作部10の操作内容に対応した制動力を操作部10へ付与することである。制動力は、操作部10の運動を妨げようとする力であり、例えば、操作部10を操作するユーザへクリック感を提供する元となる力である。
触感提供システム1は、所定の操作内容に対応したイベントを粘性流体デバイス30に発生させる際、イベントに対応した粘性流体デバイス30の駆動波形を生成する。そして、触感提供システム1は、生成された駆動波形に応じて粘性流体デバイス30を駆動することによって、イベントに対応した制動力を操作部10へ付与することができる。
触感提供システム1は、図1又は図2に示されるように、操作部10と、複数のセンサ20と、複数の粘性流体デバイス30と、複数の駆動回路40と、制御装置50とを備える。実施形態1では、複数の駆動回路40と制御装置50とを総称して、複数の粘性流体デバイス30の「駆動制御装置」とも称する。
操作部10は、ユーザが接触して操作する装置である。操作部10は、例えば、ジョイスティック等の多方向入力装置により構成される。操作部10は、後述する軸部12がユーザにより傾倒操作されると、軸部12の傾倒方向及び傾倒角度を、XY座標軸での位置情報を表す入力信号に変換する。実施形態1では、図1に示されるように、傾倒操作されていない中立状態の軸部12が延びる方向に沿った座標軸をZ軸とし、Z軸に直交する座標軸の1つをX軸とし、X軸及びZ軸にそれぞれ直交する座標軸をY軸とする。
操作部10は、図1に示されるように、ユーザによって把持される把持部11と、一端部が把持部11に固定された軸部12と、軸部12の一端部と他端部との間に固定されたボール部13と、ボール部13を自転可能に支持する台座部14とを含む。更に、操作部10は、軸部12の一端部が外部へ露出するように台座部14を収容する筐体部15と、軸部12の他端部を筐体部15の底板に接続し傾倒状態の軸部12を中立状態に復帰させるばね部16とを含む。
更に、操作部10は、スリットを有して略円弧形状に湾曲したリンク部17を含む。リンク部17は、Y軸に沿って延びる第1リンク部17aと、X軸に沿って延びる第2リンク部17bとを含んで構成される。軸部12は、第1リンク部17aが有するスリットと第2リンク部17bが有するスリットとがZ軸から視て交差する部分に対して、挿入される。この際、軸部12は、第1リンク部17a及び第2リンク部17bのそれぞれと摺動可能に挿入される。
更に、操作部10は、リンク部17の両端部を、筐体部15の対向する側板に回動可能に支持する回動軸部18を含む。回動軸部18は、第1リンク部17aに連動して回動する第1回動軸部18aと、第2リンク部17bに連動して回動する第2回動軸部18bとを含んで構成される。操作部10は、軸部12のX軸に沿った傾倒に伴って、第1リンク部17a及び第1回動軸部18aが回動し、軸部12のY軸に沿った傾倒に伴って、第2リンク部17b及び第2回動軸部18bが回動する。なお、図1に示された操作部10としてのジョイスティックは、あくまで一例であって、触感提供システム1が備える操作部10は、他の構成から成るジョイスティック等の多方向入力装置であってよい。
センサ20は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つを検知するセンサである。センサ20は、例えば、回転型の可変抵抗器により構成される。センサ20は、第1回動軸部18aに接続される第1センサ20aと、第2回動軸部18bに接続される第2センサ20bとを含んで構成される。第1センサ20aは、第1回動軸部18aの回動に伴って、第1センサ20aの抵抗値が変化する。それにより、第1センサ20aは、第1回動軸部18aの回動角度を検知し、X軸における傾倒角度に応じた軸部12のX軸での位置を検知することができる。第2センサ20bは、第2回動軸部18bの回動に伴って、第2センサ20bの抵抗値が変化する。それにより、第2センサ20bは、第2回動軸部18bの回動角度を検知し、Y軸における傾倒角度に応じた軸部12のY軸での位置を検知することができる。その結果、センサ20は、操作部10のXY座標軸での位置及び変位の少なくとも1つを検知し、その検知結果を制御装置50へ出力することができる。なお、センサ20は、回転型の可変抵抗器に代えて、又は、回転型の可変抵抗器に加えて、ロータリエンコーダにより構成されてよい。
粘性流体デバイス30は、磁界又は電界の強度に基づいて粘度が変化する粘性流体31の粘度を変化させることによって操作部10へ任意の制動力を付与するデバイスである。粘性流体デバイス30は、図1及び図2に示されるように、操作部10へ制動力を付与する粘性流体31と、粘性流体31の粘度が変化するよう粘性流体31に作用する磁界又は電界を発生させる電磁界発生手段32とを含む。
粘性流体31は、X軸について操作部10へ制動力を付与する第1粘性流体31aと、Y軸について操作部10へ制動力を付与する第2粘性流体31bとを含んで構成される。電磁界発生手段32は、第1粘性流体31aの粘度が変化するよう第1粘性流体31aに作用する磁界又は電界を発生させる第1電磁界発生手段32aと、第2粘性流体31bの粘度が変化するよう第2粘性流体31bに作用する磁界又は電界を発生させる第2電磁界発生手段32bとを含んで構成される。粘性流体デバイス30は、第1粘性流体31a及び第1電磁界発生手段32aを含む第1粘性流体デバイス30aと、第2粘性流体31b及び第2電磁界発生手段32bを含む第2粘性流体デバイス30bとを含んで構成される。
実施形態1に係る複数の粘性流体31のそれぞれは、磁界の強度に基づいて粘度が変化する磁気粘性流体であり、複数の粘性流体デバイス30のそれぞれは、磁気粘性流体デバイスであってよい。この場合、複数の粘性流体31のそれぞれは、分散媒に強磁性体粒子を分散させたコロイド分散体であり、磁界の強度によって可逆的に固液相変化が可能な磁気粘性流体であってよい。また、この場合、複数の電磁界発生手段32のそれぞれは、例えば、電磁コイルを含んで構成される。複数の電磁界発生手段32のそれぞれは、粘性流体31に作用する磁界を発生させ、磁気粘性流体である粘性流体31の粘度を変化させる。複数の粘性流体31のそれぞれは、その粘度変化により軸部12の傾倒運動に伴って発生する複数の回動軸部18のそれぞれへの摩擦力を変化させることによって、操作部10へ制動力を付与する。
駆動回路40は、粘性流体デバイス30を駆動する回路である。駆動回路40は、第1粘性流体デバイス30aを駆動する第1駆動回路40aと、第2粘性流体デバイス30bを駆動する第2駆動回路40bとを含んで構成される。第1及び第2駆動回路40a及び40bは、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ電力を供給し、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bで磁界を発生させることによって、第1及び第2粘性流体31a及び31bの粘度を変化させる。第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される電力は、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bのそれぞれの電磁コイルへ印加される印加電圧に基づいて制御可能であってよい。
第1及び第2駆動回路40a及び40bは、正極又は負極の直流電源の出力電圧を用いて、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ印加電圧を供給する。第1及び第2駆動回路40a及び40bは、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bを負荷とし、それぞれが複数のスイッチング素子を含むフルブリッジ回路により構成される。第1及び第2駆動回路40a及び40bは、この複数のスイッチング素子のスイッチング動作により直流電源と第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bのそれぞれとを導通状態とするか非導通状態とするかを切り替えることによって、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される印加電圧を制御する。
制御装置50は、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bが操作部10へ付与する制動力を制御するための装置である。制御装置50は、プロセッサ及び記憶装置を含むと共に、操作部10へ付与される制動力を制御するための各種機能が実装された第1及び第2駆動回路40a及び40bのそれぞれの制御プログラムを含むマイクロコンピュータにより構成される。
制御装置50は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて操作部10へ付与される制動力を制御する第1制御方式と、時間に応じて操作部10へ付与される制動力を制御する第2制御方式とを用いて、操作部10へ付与される制動力を制御することができる。実施形態1では、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じた制動力を「第1制動力」とも称し、時間に応じた制動力を「第2制動力」とも称する。
具体的には、第1制御方式では、制御装置50は、第1及び第2センサ20a及び20bの検知結果に基づいて、操作部10へ制動力を付与する第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bを駆動する第1及び第2駆動回路40a及び40bを制御する。第2制御方式では、制御装置50は、後述するタイマ51の計測結果に基づいて、操作部10へ制動力を付与する第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bを駆動する第1及び第2駆動回路40a及び40bを制御する。
制御装置50は、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの駆動波形を生成し、生成された駆動波形に応じて第1及び第2駆動回路40a及び40bの動作を制御する。第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの駆動波形は、第1及び第2駆動回路40a及び40bから第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへそれぞれ供給される印加電圧の波形として具体的に表現されてよい。実施形態1では、第1電磁界発生手段32aへ供給される印加電圧を「第1印加電圧」とも称し、第2電磁界発生手段32bへ供給される印加電圧を「第2印加電圧」とも称する。
より具体的には、制御装置50は、生成された駆動波形に応じて、第1及び第2駆動回路40a及び40bのそれぞれに含まれる複数のスイッチング素子のスイッチング動作を制御する。それにより、生成された駆動波形に応じて、直流電源と第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bのそれぞれとが導通状態となるか非導通状態となるかが切り替わり、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される第1及び第2印加電圧が変化する。その結果、生成された駆動波形に応じて、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bのそれぞれで発生する磁界の強度が変化して、第1及び第2粘性流体31a及び31bの粘度が変化する。よって、制御装置50は、生成された駆動波形に応じて、操作部10へ付与するX軸及びY軸についての制動力を制御することができる。
制御装置50は、図2に示されるように、タイマ51と、受付部52と、トリガ条件記憶部53と、判断部54と、イベント情報記憶部55と、波形情報記憶部56と、電圧波形生成部57と、PWM(Pulse Width Modulation)波形生成部58と、デューティ比記憶部59とを含む。
タイマ51は、制御装置50に含まれるプロセッサの動作に用いられるクロックに基づいて時間を計測する。タイマ51は、後述するトリガ条件が成立してからの経過時間を計測することができる。タイマ51は、計測された時間を判断部54へ出力する。
受付部52は、第1及び第2センサ20a及び20bにより検知された操作部10の位置及び変位の少なくとも1つを受け付ける。第1及び第2センサ20a及び20bにより検知された操作部10の位置及び変位には、操作部10の動く方向に関する情報が含まれる。操作部10の位置は、操作部10のX軸又はY軸での位置であってよい。操作部10の変位は、操作部10のX軸又はY軸での変位であってよい。受付部52は、図3に示されるように、第1センサ20aにより検知された操作部10の位置及び変位の少なくとも1つを記憶する第1センサ記憶領域52aと、第2センサ20bにより検知された操作部10の位置及び変位の少なくとも1つを記憶する第2センサ記憶領域52bとを含んで構成される。受付部52は、第1及び第2センサ20a及び20bにより検知された操作部10の位置及び変位の少なくとも1つを受け付けると、受け付けられた位置及び変位の少なくとも1つを判断部54へ出力する。
トリガ条件記憶部53は、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bに発生させる複数のイベントのそれぞれに対するトリガ条件を記憶する。トリガ条件は、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bにイベントを発生させる契機を定める条件である。トリガ条件は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに関して予め定められた第1トリガ条件と、時間に関して予め定められた第2トリガ条件とに分類される。第1トリガ条件は、例えば、操作部10が所定の位置まで動いたこと、操作部10が所定の変位量だけ動いたこと、又は、操作部10の動く方向が異なる方向へ遷移したこと等である。第2トリガ条件は、例えば、所定の条件が成立した時点から所定の時間が経過したこと等である。
判断部54は、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bに発生させる複数のイベントのそれぞれに対するトリガ条件が成立したか否かを判断する。判断部54は、受付部52により受け付けられた操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに基づいて、第1トリガ条件が成立したか否かを判断する。判断部54は、タイマ51により計測された時間に基づいて、第2トリガ条件が成立したか否かを判断する。判断部54は、トリガ条件が成立すると、成立したと判断されたトリガ条件を、電圧波形生成部57へ出力する。
イベント情報記憶部55は、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bに発生させる複数のイベントのそれぞれを定めるイベント情報を記憶する。イベント情報は、1つのイベントを発生させる際の第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの駆動波形を示す。具体的には、イベント情報は、1つのイベントを発生させる際に第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される第1及び第2印加電圧の波形を示す。
波形情報記憶部56は、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの駆動波形を生成する際に用いられる波形情報を記憶する。具体的には、波形情報記憶部56は、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される第1及び第2印加電圧の波形を生成するための波形情報を記憶する。1つのイベントを発生させる際に供給される第1及び第2印加電圧のそれぞれの波形は、複数の電圧波形を組み合わせることによって生成される。波形情報は、1つのイベントを発生させる際に供給される第1及び第2印加電圧のそれぞれの波形を構成する複数の電圧波形と、複数の電圧波形の組み合わせ方を示す情報である。波形情報は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて変化する電圧波形の情報である第1波形情報と、時間に応じて変化する電圧波形の情報である第2波形情報とに分類される。すなわち、第1波形情報は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて、操作部10へ付与される制動力を変化させるための波形情報である。第2波形情報は、時間に応じて操作部10へ付与される制動力を変化させるための波形情報である。
電圧波形生成部57は、判断部54により成立したと判断されたトリガ条件に対するイベントを発生させる第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの駆動波形を生成する。具体的には、電圧波形生成部57は、判断部54から出力されたトリガ条件に対応するイベント情報を、イベント情報記憶部55から読み込む。そして、電圧波形生成部57は、読み込まれたイベント情報が定めるイベントを発生させる際に供給される印加電圧の波形を生成するための波形情報を、波形情報記憶部56から読み込む。そして、電圧波形生成部57は、読み込まれた波形情報に基づいて、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される第1及び第2印加電圧の波形を生成する。電圧波形生成部57は、生成された波形を、PWM波形生成部58へ出力する。
トリガ条件、イベント情報及び波形情報は、図3に示されるように、互いに対応付けられて記憶されている。また、トリガ条件、イベント情報及び波形情報には、出力ポート情報が対応付けられて記憶されている。出力ポート情報は、第1及び第2駆動回路40a及び40bの出力ポートを示す情報である。出力ポート情報が示す第1及び第2駆動回路40a及び40bは、出力ポート情報に対応するイベント情報に定められたイベントを発生させる第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bを駆動する駆動回路40である。また、トリガ条件には、その条件が成立したか否かの判断に用いられる情報を有するタイマ51、並びに、第1及び第2センサ記憶領域52a及び52bが対応付けられている。なお、図3では、トリガ条件とこれらとの対応関係の一部が図示されており、それ以外の部分の図示は省略されている。
図3の例では、トリガ条件Aには、イベント情報A1及びA2、波形情報A1及びA2、並びに、出力ポート情報PN1及びPN2が対応付けられている。このことは、トリガ条件Aが成立すると、トリガ条件Aに対応するイベント情報A1及びA2に定められたイベントを発生させることを意味する。そして、イベント情報A1に定められたイベントを発生させるために、波形情報A1に基づいて生成された波形を有する第1印加電圧が第1電磁界発生手段32aへ供給されるよう、出力ポート情報PN1として定められた第1駆動回路40aを駆動することを意味する。同様に、イベント情報A2に定められたイベントを発生させるために、波形情報A2に基づいて生成された波形を有する第2印加電圧が第2電磁界発生手段32bへ供給されるよう、出力ポート情報PN2として定められた第2駆動回路40bを駆動することを意味する。
また、図3の例では、トリガ条件Eのように、波形情報が対応付けられていない場合、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへの第1及び第2印加電圧の供給を停止することを意味する。また、トリガ条件Gのように、イベント情報G1に定められたイベントを発生させるために、波形情報G11及G12という複数の波形情報に基づいて、第1電磁界発生手段32aへ供給される第1印加電圧の波形を生成する場合もある。同様に、トリガ条件Gでは、イベント情報G2に定められたイベントを発生させるために、波形情報G21及G22という複数の波形情報に基づいて、第2電磁界発生手段32bへ供給される第2印加電圧の波形を生成する。
PWM波形生成部58は、第1及び第2駆動回路40a及び40bの動作を制御するPWM波形を生成する。具体的には、PWM波形生成部58は、電圧波形生成部57により生成された第1及び第2印加電圧の波形に応じて第1及び第2駆動回路40a及び40bを動作させるためのPWM波形を生成する。PWM波形は、第1及び第2駆動回路40a及び40bのそれぞれに含まれる複数のスイッチング素子のスイッチング動作をPWM方式で制御するためのパルス信号により構成される。
PWM波形生成部58は、電圧波形生成部57により生成された波形を有する第1及び第2印加電圧が第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給されるよう、電圧波形生成部57により生成された波形に対応するPWM波形を生成する。この際、PWM波形生成部58は、PWM波形を構成するパルス信号のパルス幅が、電圧波形生成部57により生成された第1及び第2印加電圧の波形に応じた値となるよう、パルス信号のデューティ比を設定することによって、第1及び第2印加電圧の波形に対応するPWM波形を生成する。すなわち、PWM波形生成部58は、PWM波形を構成するパルス信号のパルス幅が変化するようパルス信号のデューティ比を設定することによって、第1及び第2駆動回路40a及び40bの動作を変化させ、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される第1及び第2印加電圧の波形を変化させることができる。なお、デューティ比は、PWM波形を構成するパルス信号のパルス幅が1周期に占める割合である。
例えば、電圧波形生成部57により生成された第1又は第2印加電圧の波形が、図4に示されるような波形である場合、PWM波形生成部58は、第1又は第2印加電圧の波形を、時間軸において所定の時間間隔ごとに分割する。第1又は第2印加電圧の波形は、例えば、256個の時点で分割される。そして、PWM波形生成部58は、分割されたそれぞれの時点における電圧値と実効的に等しい電圧が得られるように、分割されたそれぞれの時点においてPWM波形を構成するパルス信号のデューティ比を設定する。設定されるデューティ比が大きいと、PWM波形を構成するパルス信号のパルス幅が大きくなり、得られる実効的な電圧値が大きくなる。PWM波形生成部58は、分割されたそれぞれの時点における実効的な電圧値が得られるようなパルス幅とするためのデューティ比を、デューティ比記憶部59から読み込むことによって、PWM波形を生成する。
なお、電圧波形生成部57により生成された第1及び第2印加電圧の波形の分割数が多い程、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bに供給される第1及び第2印加電圧の分解能が向上し、よりリニアに変化するものとなる。この分割数は、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの応答速度と制御装置50に含まれるプロセッサのクロック周波数とを考慮して予め定められる。第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの応答速度が1〜10msである場合、分割数を256個とすれば、比較的安価に入手可能なプロセッサのクロック周波数であっても、制御装置50を構成するプロセッサとして十分に機能する。
デューティ比記憶部59は、PWM波形を構成するパルス信号のデューティ比を記憶する。デューティ比は、図5に示されるように、所定の時間間隔ごとに予め定められて記憶されている。図5の左側の「No.」の列は、電圧波形生成部57により生成された第1又は第2印加電圧の波形が分割された際の、分割されたそれぞれの時点に付された通し番号である。図5の中間の「印加方向」の列は、第1又は第2電磁界発生手段32a又は32bに第1又は第2印加電圧がそれぞれ供給されることによって流れる電流の方向を示す。第1又は第2電磁界発生手段32a又は32bに含まれる電磁コイルの一端から他端へ電流が流れる場合、印加方向は「+」と表され、第1又は第2電磁界発生手段32a又は32bに含まれる電磁コイルの他端から一端へ電流が流れる場合、印加方向は「−」と表される。図5の右側の「デューティ比(%)」の列は、分割されたそれぞれの時点におけるデューティ比の値を示す。なお、図5に示されるように、印加方向を適宜「+」と「−」とで切り替えることで、粘性流体31に磁気又は電気が残留することを防ぐことができる。
PWM波形生成部58は、PWM波形を生成するためにデューティ比記憶部59からデューティ比を読み込む際、通常は1つの通し番号が付されたデューティ比を1回ずつ順に読み込む。しかし、PWM波形生成部58は、この通常の読み込み方とは異なる読み込み方で、デューティ比を読み込むことができる。
例えば、PWM波形生成部58は、1つの通し番号が付されたデューティ比を複数回ずつ順に読み込むような読み込み方である重複読み込みを行ってよい。図5の例では、PWM波形生成部58は、各通し番号が付されたデューティ比を2回ずつ順に読み込んでよい。この場合、図6に示されるように、重複読み込みで生成されたPWM波形に対応して第1又は第2電磁界発生手段32a又は32bへ供給される第1又は第2印加電圧の周期は、通常の読み込み方で生成されたPWM波形に対応して第1又は第2電磁界発生手段32a又は32bへ供給される第1又は第2印加電圧の周期より2倍の長さとなる。
また、例えば、PWM波形生成部58は、デューティ比を通し番号の順に読み込むのではなく、1又は複数個ずつ飛ばして間欠的に読み込むような読み込み方である間欠読み込みを行ってよい。図5の例では、PWM波形生成部58は、デューティ比を1つ飛ばしで間欠的に読み込んでよい。この場合、図6に示されるように、間欠読み込みで生成されたPWM波形に対応して第1又は第2電磁界発生手段32a又は32bへ供給される第1又は第2印加電圧の周期は、通常の読み込み方で生成されたPWM波形に対応して第1又は第2電磁界発生手段32a又は32bへ供給される第1又は第2印加電圧の周期の半分の長さとなる。
このように、PWM波形生成部58は、デューティ比の読み込み方を変更することによって、PWM波形を構成するパルス信号のパルス幅を変更することができ、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される第1及び第2印加電圧の波形の周期を変更することができる。すなわち、制御装置50は、デューティ比記憶部59に多数のデューティ比を予め記憶していなくても、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの駆動波形を精緻に変化させ、操作部10に付与されるX軸及びY軸についての制動力を制御することができる。
[実施形態1:操作部の触感と粘性流体デバイスの駆動波形]
図7は、図1に示された触感提供システム1において、操作部10の操作内容に応じてユーザへ提供される触感の変化を説明するための図である。図7(a)は、操作部10が初期位置から位置X1に到達する迄の間における第1及び第2粘性流体31a及び31bの様子を示す。図7(b)は、操作部10が位置X1に到達してから位置X2に到達する迄の間における第1及び第2粘性流体31a及び31bの様子を示す。図7(c)は、操作部10が位置X2に到達した時点における第1及び第2粘性流体31a及び31bの様子を示す。図7(d)は、操作部10が位置X2に到達した時点から所定の時間が経過した後における第1及び第2粘性流体31a及び31bの様子を示す。
触感提供システム1は、操作部10がX軸又はY軸に沿って傾倒操作される際に、操作部10がX軸又はY軸における所定の位置に到達するごとにクリック感を提供する。図7(a)〜図7(d)では、操作部10が、X軸に沿って傾倒操作される例を示している。図7(a)〜図7(d)において、位置X1は、第1制動力の付与が開始される位置であり、位置X2は、第1制動力が解除されると共に第2制動力の付与が開始される位置である。図7(a)〜図7(d)において、第1及び第2粘性流体31a及び31bの色が白色の場合は、第1及び第2粘性流体31a及び31bが、操作部10へ制動力を付与しないような粘度を有する状態であることを示す。第1及び第2粘性流体31a及び31bの色が灰色の場合は、第1及び第2粘性流体31a及び31bが、操作部10へ第1制動力を付与するような粘度を有する状態であることを示す。第1及び第2粘性流体31a及び31bの色が濃い灰色の場合は、第1及び第2粘性流体31a及び31bが、操作部10へ第2制動力を付与するような粘度を有する状態であることを示す。
操作部10が初期位置から位置X1に到達する迄の間、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bは、図7(a)に示されるように、操作部10へ制動力を付与しない。この場合、ユーザには、操作部10を抵抗感なくスムーズに傾倒するような触感が提供される。
操作部10が位置X1に到達してから位置X2に到達する迄の間、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bは、第1制動力を操作部10へ付与するよう駆動される。例えば、第1粘性流体デバイス30aは、図7(b)に示されるように、操作部10の位置がX1からX軸方向へ進むと、それに応じてX軸において付与される制動力が大きくなるように駆動される。また、第2粘性流体デバイス30bは、操作部10の位置がX1からX軸方向へ進むと、Y軸に沿って進んでいなくても、Y軸において一定の制動力を付与するように駆動される。この場合、ユーザには、操作部10をX軸に沿って傾倒するにつれて操作部10の動きが重たくなるような触感が提供される。また、この場合、ユーザには、操作部10をY軸に沿って傾倒しようとしても抵抗感があるような触感が提供される。
操作部10が位置X2に到達すると、第1粘性流体デバイス30aは、第2制動力を操作部10へ付与するよう駆動される。例えば、第1粘性流体デバイス30aは、図7(c)に示されるように、操作部10の位置がX2からX軸方向へ進むか否かに関わらず、所定の時間で所定の変化を伴う第2制動力をX軸について付与するよう駆動される。第2制動力は、操作部10の位置がX2に到達する直前の第1制動力よりも大きく、極短時間で解除される制動力であるとする。また、第2粘性流体デバイス30bは、図7(b)の場合と同様に、Y軸において一定の制動力を付与するよう駆動される。この場合、ユーザには、操作部10の位置がX2に到達すると、操作部10が障害物を乗り越えてX軸に沿って傾倒するようなクリック感のある触感が提供される。また、この場合、ユーザには、図7(b)の場合と同様に、操作部10をY軸に沿って傾倒しようとしても抵抗感があるような触感が提供される。
操作部10の位置がX2に到達した時点から所定の時間が経過すると、第1粘性流体デバイス30aは、図7(d)に示されるように、X軸において付与されていた第2制動力を解除するように駆動される。また、第2粘性流体デバイス30bは、図7(b)の場合と同様に、Y軸において一定の第1制動力を付与するよう駆動される。この場合、ユーザには、X軸に沿って傾倒されてクリック感のある触感が提供された後に、操作部10のX軸に沿った動きが軽くなるような触感が提供される。また、この場合、ユーザには、図7(b)の場合と同様に、操作部10をY軸に沿って傾倒しようとしても抵抗感があるような触感が提供される。なお、図7(d)では、操作部10の位置が図7(c)に対してX軸方向へ進んだ様子が記載されているが、図7(c)の時点から所定の時間が経過すると、操作部10の位置がX軸方向へ進むか否かに関わらず、第2制動力は解除される。
図8は、図7に示された触感を提供するための第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの駆動波形の具体例として、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される第1及び第2印加電圧の波形を説明するための図である。図8(a)は、操作部10へ第1制動力が付与される場合において、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される第1及び第2印加電圧の波形を示す図である。図8(b)は、操作部10へ第2制動力が付与される場合において、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される第1及び第2印加電圧の波形を示す図である。図8(c)は、図8(a)に示された波形と図8(b)に示された波形とを組み合わせた波形を示す図である。
図8(a)〜図8(c)では、図7と同様に、操作部10がX軸に沿って傾倒操作される例を示している。図8(a)〜図8(c)において、図7と同様に、位置X1は、第1制動力の付与が開始される位置であり、位置X2は、第1制動力が解除されると共に第2制動力の付与が開始される位置である。
操作部10が初期位置から位置X1に到達する迄の間、制御装置50は、図8(a)及び図8(c)に示されるように、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される第1及び第2印加電圧がゼロとなるよう、第1及び第2駆動回路40a及び40bを動作させる。この場合、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bは、操作部10へ制動力を付与しない。
操作部10が位置X1に到達してから位置X2に到達する迄の間、制御装置50は、図8(a)及び図8(c)に示されるように、第1電磁界発生手段32aへ供給される第1印加電圧が、操作部10の位置がX軸方向へ進むにつれて線形的に増加するような波形を有するよう、第1駆動回路40aを動作させる。この場合、第1粘性流体デバイス30aは、操作部10の位置がX軸方向へ進むことに応じて、その力が大きくなるような第1制動力をX軸について付与するよう駆動される。また、制御装置50は、図8(a)及び図8(c)に示されるように、第2電磁界発生手段32bへ供給される第2印加電圧が、一定の大きさで推移するような波形を有するよう、第2駆動回路40bを動作させる。この場合、第2粘性流体デバイス30bは、操作部10の位置がX軸方向へ進むか否かに関わらず、一定の大きさを有する第1制動力をY軸について付与するよう駆動される。
操作部10が位置X2に到達すると、制御装置50は、図8(b)及び図8(c)に示されるように、第1電磁界発生手段32aへ供給される第1印加電圧が、所定の時間τで所定の変化を伴うような波形を有するよう、第1駆動回路40aを動作させる。この波形は、操作部10の位置がX2に到達する直前の線形的な波形よりも波高が高く、周期がτで極短時間の正弦波に類似した形状を有する波形であってよい。この場合、第1粘性流体デバイス30aは、操作部10の位置がX2に到達する直前の第1制動力よりも大きく極短時間で解除されるような第2制動力をX軸について付与するよう駆動される。また、制御装置50は、操作部10が位置X1に到達してから位置X2に到達する迄の間と同様に、第2電磁界発生手段32bへ供給される第2印加電圧が、一定の大きさで推移するような波形を有するよう、第2駆動回路40bを動作させる。この場合、第2粘性流体デバイス30bは、操作部10の位置がX軸方向へ進むか否かに関わらず、一定の大きさを有する第1制動力をY軸について付与するよう駆動される。
操作部10の位置がX2に到達した時点から所定の時間τが経過すると、制御装置50は、図8(b)及び図8(c)に示されるように、第1電磁界発生手段32aへ供給される第1印加電圧がゼロとなるよう、第1駆動回路40aを動作させる。この場合、第1粘性流体デバイス30aは、X軸について付与されていた第2制動力を解除するよう駆動される。また、制御装置50は、操作部10が位置X1に到達してから位置X2に到達する迄の間と同様に、第2駆動回路40bを動作させる。
このように、制御装置50は、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bに供給される第1及び第2印加電圧の波形が、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて変化したり、時間に応じて変化したりするよう第1及び第2駆動回路40a及び40bを制御することによって、第1制動力を付与させたり、第2制動力を付与させたりすることができる。
また、制御装置50は、操作部10のXY座標軸における位置及び変位の少なくとも1つが変化すると、第1及び第2印加電圧の少なくとも1つの波形を変化させることができる。そして、制御装置50は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが変化したX軸又はY軸について制動力を付与する第1又は第2粘性流体デバイス30a又は30bを駆動する第1又は第2印加電圧の波形と、操作部10の位置及び変位の何れもが変化していないX軸又はY軸について制動力を付与する第1又は第2粘性流体デバイス30a又は30bを駆動する第1又は第2印加電圧の波形とを、同期して変化させることができる。図7及び図8の例では、制御装置50は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが変化したX軸について制動力を付与する第1粘性流体デバイス30aを駆動する第1印加電圧の波形と、操作部10の位置及び変位の何れもが変化していないY軸について制動力を付与する第2粘性流体デバイス30bを駆動する第2印加電圧の波形とを、同期して変化させることができる。
[実施形態1:粘性流体デバイスの駆動制御方法]
実施形態1では、粘性流体31の粘度を変化させることによって操作部10へ制動力を付与するために粘性流体デバイス30の駆動を制御する方法を、粘性流体デバイス30の「駆動制御方法」とも称する。また、実施形態1では、粘性流体デバイス30の駆動制御方法を実施するために、制御装置50によって行われる処理を、粘性流体デバイス30の「駆動制御処理」とも称する。また、実施形態1では、粘性流体デバイス30の駆動制御処理を行うためのプログラムを、粘性流体デバイス30の「駆動制御プログラム」とも称する。
図9は、図7に示された触感を提供するために行われる第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの駆動制御処理の流れを示す図である。図10は、図9に続けて行われる駆動制御処理の流れを示す図である。
ステップ901において、制御装置50は、トリガ条件A〜Cを設定する。トリガ条件A及びBは、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに関して予め定められた第1トリガ条件に分類されてよい。トリガ条件Aは、例えば、操作部10が位置X1に到達したことであってよい。トリガ条件Bは、例えば、操作部10が位置X2に到達したことであってよい。トリガ条件Cは、時間に関して予め定められた第2トリガ条件に分類されてよい。トリガ条件Cは、例えば、トリガ条件Bが成立してから所定の時間τが経過したことであってよい。
ステップ902において、制御装置50は、第1及び第2センサ20a及び20bの検知結果を受け付ける。第1及び第2センサ20a及び20bの検知結果には、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが含まれる。
ステップ903において、制御装置50は、第1及び第2センサ20a及び20bの検知結果に基づいて、トリガ条件Aが成立したか否かを判断する。すなわち、制御装置50は、操作部10が位置X1に到達したか否かを判断する。制御装置50は、トリガ条件Aが成立していない場合、ステップ902へ移行する。一方、制御装置50は、トリガ条件Aが成立した場合、ステップ904へ移行する。
ステップ904において、制御装置50は、トリガ条件Aに対応するイベント情報A1及びA2を特定する。制御装置50は、例えば、図3に示されたテーブルを用いて、トリガ条件Aに対応するイベント情報A1及びA2を特定する。
ステップ905において、制御装置50は、特定されたイベント情報A1及びA2が示す第1及び第2印加電圧の波形を生成するための波形情報A1及びA2を特定する。制御装置50は、例えば、図3に示されたテーブルを用いて、波形情報A1及びA2を特定する。波形情報A1及びA2は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて変化する電圧波形の情報である第1波形情報に分類されてよい。制御装置50は、特定された波形情報A1及びA2に基づいて、例えば、図8(a)に示されるような第1及び第2印加電圧の波形を生成することができる。
ステップ906において、制御装置50は、特定されたイベント情報A1及びA2が示す第1及び第2印加電圧の波形に対応するPWM波形を生成するためのパルス信号のデューティ比及びその読み込み方を特定する。制御装置50は、例えば、図5に示されたテーブルを用いて、パルス信号のデューティ比及びその読み込み方を特定する。
ステップ907において、制御装置50は、特定されたデューティ比及びその読み込み方に基づいて、イベント情報A1及びA2が示す第1及び第2印加電圧の波形に対応するPWM波形を生成する。
ステップ908において、制御装置50は、生成されたPWM波形を第1及び第2駆動回路40a及び40bへ出力し、生成されたPWM波形に応じて第1及び第2駆動回路40a及び40bを動作させ、操作部10へ第1制動力を付与する。生成されたPWM波形が第1及び第2駆動回路40a及び40bへ出力されると、第1及び第2駆動回路40a及び40bは、図8(a)に示されるような波形の第1及び第2印加電圧を第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給することができる。それにより、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bは、図8(a)に示されるような第1及び第2印加電圧の波形に応じた第1制動力を操作部10のX軸及びY軸について付与することができる。
ステップ909において、制御装置50は、第1及び第2センサ20a及び20bの検知結果を受け付ける。
ステップ910において、制御装置50は、第1及び第2センサ20a及び20bの検知結果に基づいて、トリガ条件Bが成立したか否かを判断する。すなわち、制御装置50は、操作部10が位置X2に到達したか否かを判断する。制御装置50は、トリガ条件Bが成立していない場合、ステップ908へ移行する。一方、制御装置50は、トリガ条件Bが成立した場合、ステップ911へ移行する。
ステップ911において、制御装置50は、タイマ51を用いて、トリガ条件Bが成立してからの経過時間を計測する。すなわち、制御装置50は、操作部10が位置X2に到達した時点からの経過時間を計測する。
ステップ912において、制御装置50は、トリガ条件Bに対応するイベント情報B1及びB2を特定する。制御装置50は、例えば、図3に示されたテーブルを用いて、トリガ条件Bに対応するイベント情報B1及びB2を特定する。
ステップ913において、制御装置50は、特定されたイベント情報B1及びB2が示す第1及び第2印加電圧の波形を生成するための波形情報B1及びB2を特定する。制御装置50は、例えば、図3に示されたテーブルを用いて、波形情報B1及びB2を特定する。波形情報B1は、時間に応じて変化する電圧波形の情報である第2波形情報に分類されてよい。波形情報B2は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて変化する電圧波形の情報である第1波形情報に分類されてよい。制御装置50は、特定された波形情報B1に基づいて、例えば、図8(b)に示されるような第1印加電圧の波形を生成し、特定された波形情報B2に基づいて、例えば、図8(a)に示されるような第2印加電圧の波形を生成することができる。
ステップ914において、制御装置50は、特定されたイベント情報B1及びB2が示す第1及び第2印加電圧の波形に対応するPWM波形を生成するためのパルス信号のデューティ比及びその読み込み方を特定する。制御装置50は、例えば、図5に示されたテーブルを用いて、パルス信号のデューティ比及びその読み込み方を特定する。
ステップ915において、制御装置50は、特定されたデューティ比及びその読み込み方に基づいて、イベント情報B1及びB2が示す第1及び第2印加電圧の波形に対応するPWM波形を生成する。
ステップ916において、制御装置50は、生成されたPWM波形を第1及び第2駆動回路40a及び40bへ出力し、生成されたPWM波形に応じて第1及び第2駆動回路40a及び40bを動作させ、X軸について第2制動力を付与し、Y軸について第1制動力を付与する。生成されたPWM波形が第1及び第2駆動回路40a及び40bへ出力されると、第1駆動回路40aは、図8(b)に示されるような波形の第1印加電圧を第1電磁界発生手段32aへ供給し、第2駆動回路40bは、図8(a)に示されるような波形の第2印加電圧を第2電磁界発生手段32bへ供給することができる。それにより、第1粘性流体デバイス30aは、図8(b)に示されるような第1印加電圧の波形に応じた第2制動力をX軸について付与し、第2粘性流体デバイス30bは、図8(a)に示されるような第2印加電圧の波形に応じた第1制動力をY軸について付与することができる。
ステップ917において、制御装置50は、タイマ51の計測結果を確認する。
ステップ918において、制御装置50は、タイマ51の計測結果に基づいて、トリガ条件Cが成立したか否かを判断する。すなわち、制御装置50は、トリガ条件Bが成立してから所定の時間τが経過したか否かを判断する。言い換えると、制御装置50は、操作部10が位置X2に到達した時点から所定の時間τが経過したか否かを判断する。制御装置50は、トリガ条件Cが成立していない場合、ステップ916へ移行する。一方、制御装置50は、トリガ条件Cが成立した場合、ステップ919へ移行する。
ステップ919において、制御装置50は、トリガ条件Cに対応するイベント情報C1及びC2を特定する。制御装置50は、例えば、図3に示されたテーブルを用いて、トリガ条件Cに対応するイベント情報C1及びC2を特定する。
ステップ920において、制御装置50は、特定されたイベント情報C1が示すように、第1電磁界発生手段32aへの第1印加電圧の供給を停止して、X軸について付与された第2制動力を解除する。
ステップ921において、制御装置50は、特定されたイベント情報C2が示す第2印加電圧の波形を生成するための波形情報C2を特定する。制御装置50は、例えば、図3に示されたテーブルを用いて、波形情報C2を特定する。波形情報C2は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて変化する電圧波形の情報である第1波形情報に分類されてよい。制御装置50は、特定された波形情報C2に基づいて、例えば、図8(a)に示されるような第2印加電圧の波形を生成することができる。
ステップ922において、制御装置50は、特定されたイベント情報C2が示す第2印加電圧の波形に対応するPWM波形を生成するためのパルス信号のデューティ比及びその読み込み方を特定する。制御装置50は、例えば、図5に示されたテーブルを用いて、パルス信号のデューティ比及びその読み込み方を特定する。
ステップ923において、制御装置50は、特定されたデューティ比及びその読み込み方に基づいて、イベント情報C2が示す第2印加電圧の波形に対応するPWM波形を生成する。
ステップ924において、制御装置50は、生成されたPWM波形を第2駆動回路40bへ出力し、生成されたPWM波形に応じて第2駆動回路40bを動作させ、Y軸について第1制動力を付与する。生成されたPWM波形が第2駆動回路40bへ出力されると、第2駆動回路40bは、図8(a)に示されるような波形の第2印加電圧を第2電磁界発生手段32bへ供給することができる。それにより、第2粘性流体デバイス30bは、図8(a)に示されるような第2印加電圧の波形に応じた第1制動力をY軸について付与することができる。その後、制御装置50は、本処理を終了する。
なお、上述のステップ902又はステップ909は、第1及び第2センサ20a及び20bにより検知された操作部10の位置及び変位の少なくとも1つを受け付ける。よって、上述のステップ902又はステップ909は、粘性流体デバイス30の駆動制御方法における「受付ステップ」を構成することができる。
上述のステップ903又は910は、第1及び第2センサ20a及び20bにより検知された操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに基づいて、トリガ条件A又はBが成立したか否かを判断する。よって、上述のステップ903又は910は、粘性流体デバイス30の駆動制御方法における「判断ステップ」を構成することができる。
上述のステップ904〜907又はステップ912〜915は、成立したと判断されたトリガ条件A又はBに対するイベントを発生させる少なくとも1つの粘性流体デバイス30の駆動波形を、成立したと判断されたトリガ条件A又はBに対応付けられた波形情報A1及びA2又はB1及びB2に基づいて生成する。よって、上述のステップ904〜907又はステップ912〜915は、粘性流体デバイス30の駆動制御方法における「生成ステップ」を構成することができる。
上述のステップ908又は916は、イベントを発生させる少なくとも1つの粘性流体デバイス30を駆動波形に応じて駆動する。よって、上述のステップ908又は916は、粘性流体デバイス30の駆動制御方法における「駆動ステップ」を構成することができる。
[実施形態1:作用効果]
以上のように、実施形態1に係る触感提供システム1は、複数のセンサ20により検知された操作部10の位置及び変位の少なくとも1つを受け付け、それに基づいて、複数の粘性流体デバイス30に発生させる複数のイベントのそれぞれに対するトリガ条件が成立したか否かを判断する。そして、実施形態1に係る触感提供システム1は、成立したと判断されたトリガ条件に対するイベントを発生させる少なくとも1つの粘性流体デバイス30の駆動波形を、成立したと判断されたトリガ条件に対応付けられた波形情報に基づいて生成する。そして、実施形態1に係る触感提供システム1は、生成された駆動波形に応じて、イベントを発生させる少なくとも1つの粘性流体デバイス30を駆動する。このため、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10が複数の座標軸に沿って動く場合や、複数の操作部10を動かす場合であっても、制御装置50が複数の粘性流体デバイス30の駆動を統合的に制御することができる。それにより、実施形態1に係る触感提供システム1は、複数の座標軸に沿って動く操作部10に対して様々な制動力を連動させて同時並行的に付与することができる。よって、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10が複雑な動きをしても、適切な制動力を付与することができ、ユーザへ所望の触感を適切に提供することができる。
更に、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて制動力を変化させるための第1波形情報、及び、時間に応じて制動力を変化させるための第2波形情報の少なくとも1つに基づいて、粘性流体デバイス30の駆動波形を生成する。すなわち、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて制御する第1制御方式と、時間に応じて制御する第2制御方式とを組み合わせて、操作部10へ付与する制動力を制御する。
操作部10へ付与する制動力が第1制御方式だけで制御される場合、ユーザが操作部10の動きを一旦停止させると、従前に付与された制動力が継続される可能性がある。このため、ユーザが操作部10の動きを再開させる際、ユーザには、操作部10の動きが一旦停止された位置で操作部10が固着するような触感が提供される可能性がある。また、操作部10へ付与する制動力が第2制御方式だけで制御される場合、ユーザによって操作部10を動かす速度にはバラツキがあるため、操作部10が所望の位置に到達した時点で触感を提供しようとしても、触感が提供される時点がずれてしまう可能性がある。
実施形態1に係る触感提供システム1は、第1制御方式と第2制御方式とを組み合わせて操作部10へ付与する制動力を制御することができる。このため、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10が所望の位置に到達した時点に合わせて、所望の制動力を付与することができ、所望の触感を忠実に発現させユーザへ提供することができる。よって、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10が複雑な動きをしても、操作部10の操作内容に即した適切な制動力を付与することができ、ユーザへ所望の触感を適切に提供することができる。
更に、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが変化した座標軸について制動力を付与する粘性流体デバイス30の駆動波形と、操作部10の位置及び変位の何れもが変化していない座標軸について制動力を付与する粘性流体デバイス30の駆動波形とを、同期して変化させることができる。例えば、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが変化したX軸について制動力を付与する粘性流体デバイス30の駆動波形と、操作部10の位置及び変位の何れもが変化していないY軸について制動力を付与する粘性流体デバイス30の駆動波形とを、同期して変化させることができる。それにより、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが変化したX軸について付与される制動力と連動させて、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが変化していないY軸について制動力を付与することができる。
操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが変化していないY軸について制動力が付与されない場合、ユーザには、操作部10がX軸に沿って傾倒するにつれて抵抗感のある触感が提供されるが、操作部10がY軸に沿って抵抗感なく傾倒してしまうため、違和感を与えてしまう。
実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが変化したX軸について付与される制動力と連動させて、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが変化していないY軸について制動力を付与することができる。このため、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10が複雑な動きをしても、操作部10の操作内容に即した一層適切な制動力を付与することができ、ユーザへ所望の触感を一層適切に提供することができる。
更に、実施形態1に係る触感提供システム1は、PWM波形を構成するパルス信号のパルス幅が変化するようデューティ比を設定することによって、複数の駆動回路40のそれぞれの動作を変化させ、複数の電磁界発生手段32のそれぞれに供給される印加電圧の波形を変化させることができる。そして、実施形態1に係る触感提供システム1は、印加電圧の波形に応じて、複数の電磁界発生手段32のそれぞれで発生する磁界の強度を変化させると共に、複数の粘性流体31のそれぞれの粘度を変化させて、操作部10へ付与する制動力を制御する。すなわち、実施形態1に係る触感提供システム1は、複数の電磁界発生手段32に印加電圧をそれぞれ供給する複数の駆動回路40のデジタル制御によって、複数の粘性流体デバイス30を駆動させ、操作部10へ付与される制動力を制御することができる。このため、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10へ付与される制動力を簡単に制御することができると共に、デジタルアナログ変換回路及びアナログ出力回路等が不要であり、複数の駆動回路40のそれぞれの回路構成を簡単にすることができる。よって、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10が複雑な動きをしても、適切な制動力を簡単に付与することができ、ユーザへ所望の触感を簡単に提供することができる。
更に、実施形態1に係る触感提供システム1は、PWM波形を構成するパルス信号のデューティ比の読み込み方を変更することによって、複数の電磁界発生手段32のそれぞれに供給される印加電圧の波形の周期を変更して、操作部10へ付与される制動力を制御することができる。このため、実施形態1に係る触感提供システム1は、デューティ比記憶部59に多数のデューティ比を予め記憶していなくても、複数の粘性流体デバイス30のそれぞれの駆動波形を精緻に変化させ、操作部10に付与される制動力を制御することができる。よって、実施形態1に係る触感提供システム1は、操作部10が複雑な動きをしても、適切な制動力を更に簡単に付与することができ、ユーザへ所望の触感を更に簡単に提供することができる。
[他の実施形態]
実施形態2〜4に係る触感提供システム1について説明する。実施形態2〜4に係る触感提供システム1の説明において、実施形態1に係る触感提供システム1と同様の構成及び動作に係る説明については、重複する説明となるため省略する。
図11は、実施形態2に係る触感提供システム1において、操作部10の操作内容に応じてユーザへ提供される触感の変化を説明するための図である。図11(a)は、操作部10が+X軸方向へ傾倒されて位置X1に到達した後における第1及び第2粘性流体31a及び31bの様子を示す。図11(b)は、操作部10が位置X1に到達した後に−X軸方向へ傾倒された場合における第1及び第2粘性流体31a及び31bの様子を示す。図12は、図11に示された触感を提供するための第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの駆動波形の具体例として、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへ供給される第1及び第2印加電圧の波形を説明するための図である。
実施形態1に係る触感提供システム1では、図9及び図10で説明したように、第1トリガ条件に分類されるトリガ条件Bが成立する前は、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて変化する制動力を、操作部10へ付与する。そして、実施形態1に係る触感提供システム1では、第1トリガ条件に分類されるトリガ条件Bが成立すると、時間に応じて変化する制動力を、操作部10へ付与する。
実施形態2に係る触感提供システム1では、第1トリガ条件に分類されるトリガ条件が成立する前は、実施形態1と同様に、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて変化する制動力を操作部10へ付与する。しかしながら、実施形態2に係る触感提供システム1では、このトリガ条件が成立すると、この付与されていた制動力を時間に応じて制御し、この付与されていた制動力を速やかに解除する。
このトリガ条件は、例えば、操作部10の動く方向が、このトリガ条件の成立より前とは異なる方向に遷移したことであってよい。図11及び図12の例では、このトリガ条件は、操作部10の傾倒操作される方向が、+X軸方向から−X軸方向へ遷移したことであってよい。
操作部10が+X軸方向へ傾倒されて位置X1に到達すると、実施形態2に係る第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bは、図11(a)に示されるように、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて変化する制動力をX軸及びY軸について付与するよう駆動される。例えば、第1粘性流体デバイス30aは、図12に示されるように、操作部10の位置がX1から+X軸方向へ進むと、それに応じてX軸についての制動力が大きくなるように駆動される。第2粘性流体デバイス30bは、図12に示されるように、操作部10のX軸での位置に関わらず、Y軸についての制動力が一定となるよう駆動される。この場合、ユーザには、操作部10をX軸に沿って傾倒するにつれて操作部10の動きが重たくなるような触感が提供される。また、この場合、ユーザには、操作部10をY軸に沿って傾倒しようとしても抵抗感があるような触感が提供される。
操作部10が位置X1に到達した後に−X軸方向へ傾倒されると、実施形態2に係る第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bは、図11(b)に示されるように、X軸及びY軸について付与されていた制動力が解除されるように駆動される。例えば、第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bは、図11に示されるように、+X軸方向へ傾倒されていた操作部10が位置X2に到達する前に−X軸方向へ傾倒されると、それまでX軸及びY軸について付与されていた制動力が時間に応じて制御され、それぞれ速やかにゼロになるように制御される。この場合、ユーザには、操作部10を−X軸方向へ傾倒し始めた瞬間に、操作部10の動きが軽くなるような触感が提供される。
図13は、図11に示された触感を提供するために行われる第1及び第2粘性流体デバイス30a及び30bの駆動制御処理の流れを示す図である。
ステップ1301において、制御装置50は、トリガ条件D及びEを設定する。トリガ条件D及びEは、第1トリガ条件に分類されてよい。トリガ条件Dは、トリガ条件Aと同様に、操作部10が位置X1に到達したことであってよい。トリガ条件Eは、上述のトリガ条件のように、操作部10の動く方向が、トリガ条件Eの成立より前とは異なる方向に遷移したことであってよい。
ステップ1302〜1309において、制御装置50は、図9のステップ902〜909と同様の処理を行う。
ステップ1310において、制御装置50は、第1及び第2センサ20a及び20bの検知結果に基づいて、トリガ条件Eが成立したか否かを判断する。すなわち、制御装置50は、操作部10の動く方向がトリガ条件Eの成立より前とは異なる方向に遷移したか否かを判断する。制御装置50は、トリガ条件Eが成立していない場合、ステップ1308へ移行する。一方、制御装置50は、トリガ条件Eが成立した場合、ステップ1311へ移行する。
ステップ1311において、制御装置50は、トリガ条件Eに対応するイベント情報Eを特定する。制御装置50は、例えば、図3に示されたテーブルを用いて、トリガ条件Eに対応するイベント情報Eを特定する。
ステップ1312において、制御装置50は、特定されたイベント情報Eが示すように、第1及び第2電磁界発生手段32a及び32bへの第1及び第2印加電圧の供給を停止して、X軸及びY軸について付与された制動力を速やかに解除する。その後、制御装置50は、本処理を終了する。
なお、上述のステップ1302又はステップ1309は、第1及び第2センサ20a及び20bにより検知された操作部10の位置及び変位の少なくとも1つを受け付ける。よって、上述のステップ1302又はステップ1309は、粘性流体デバイス30の駆動制御方法及における「受付ステップ」を構成することができる。
上述のステップ1303又は1310は、第1及び第2センサ20a及び20bにより検知された操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに基づいて、トリガ条件D又はEが成立したか否かを判断する。よって、上述のステップ1303又は1310は、粘性流体デバイス30の駆動制御方法における「判断ステップ」を構成することができる。
上述のステップ1304〜1307は、成立したと判断されたトリガ条件Dに対するイベントを発生させる少なくとも1つの粘性流体デバイス30の駆動波形を、成立したと判断されたトリガ条件Dに対応付けられた波形情報D1及びD2に基づいて生成する。よって、上述のステップ1304〜1307は、粘性流体デバイス30の駆動制御方法における「生成ステップ」を構成することができる。
上述のステップ1308は、イベントを発生させる少なくとも1つの粘性流体デバイス30を駆動波形に応じて駆動する。よって、上述のステップ1308は、粘性流体デバイス30の駆動制御方法における「駆動ステップ」を構成することができる。
このように、実施形態2に係る触感提供システム1は、操作部10の動く方向が異なる方向に遷移すると、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて制御されていた制動力を、時間に応じて制御して速やかに解除する。操作部10の動く方向が異なる方向に遷移しても、この制動力を操作部10の位置及び変位の少なくとも1つに応じて制御し続けると、操作部10の動く方向が異なる方向に遷移しても、ユーザには、操作部10の動きが重いままの触感が提供される可能性がある。実施形態2に係る触感提供システム1は、操作部10の動く方向が異なる方向に遷移すると、この制動力を時間に応じて制御して速やかに解除するため、操作部10の動く方向が遷移した瞬間に、操作部10の動きが軽くなるような触感を提供することができる。よって、実施形態2に係る触感提供システム1は、操作部10が複雑な動きをしても、操作部10の操作内容に即した適切な制動力を付与することができ、ユーザへ所望の触感を適切に提供することができる。
図14は、実施形態3に係る触感提供システム1の構成を模式的に示す図である。
実施形態3に係る触感提供システム1は、操作部10が、X軸及びY軸に沿って傾倒する動きだけでなく、他の動きも可能なように構成されてよい。例えば、操作部10は、X軸及びY軸に沿って傾倒する動きだけでなく、X軸及びY軸に沿ってスライドする動きや、Z軸に沿って押圧される動きや、Z軸を中心として回転する動きも可能なように構成されてよい。すなわち、実施形態3に係る触感提供システム1は、操作部10が、複数の座標軸に沿って動くこと、及び/又は、複数の回転軸を中心として動くことが可能であるように構成されてよい。この場合、実施形態3に係る複数の粘性流体デバイス30は、操作部10が動いた複数の座標軸及び/又は複数の回転軸について、それぞれ制動力を付与する。実施形態3に係る複数のセンサ20は、複数の座標軸及び/又は複数の回転軸において、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つを検知する。実施形態3に係る制御装置50は、複数の座標軸及び/又は複数の回転軸のうちの少なくとも1つにおいて、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが変化すると、少なくとも1つの粘性流体デバイス30の駆動波形を変化させる。また、実施形態3に係る制御装置50は、複数の座標軸及び/又は複数の回転軸のうちの少なくとも1つにおいて、操作部10の位置及び変位の少なくとも1つが変化すると、位置及び変位の少なくとも1つが変化した座標軸及び/又は回転軸について制動力を付与する粘性流体デバイス30の駆動波形と、位置及び変位の何れもが変化していない座標軸及び/又は回転軸について制動力を付与する粘性流体デバイス30の駆動波形と、を同期して変化させる。
例えば、図14に示された操作部10は、X軸及びY軸に沿ってスライドする動きが可能なジョイスティック等の多方向入力装置である。この操作部10では、把持部11に固定された軸部12と摺動可能に設けられた第1リンク部17a及び第2リンク部17bが、第1スライド板部19a及び第2スライド板部19bにそれぞれ取り付けられる。第1スライド板部19a及び第2スライド板部19bは、それぞれ、X軸及びY軸に沿って基板部19c上をスライド移動するように配置される。図14に示された操作部10は、軸部12のX軸に沿ったスライド操作に伴って、第1リンク部17a及び第1スライド板部19aが連動してX軸に沿ってスライド移動し、軸部12のY軸に沿ったスライド操作に伴って、第2リンク部17b及び第2スライド板部19bが連動してY軸に沿ってスライド移動する。この場合、第1粘性流体デバイス30aは、第1スライド板部19aに沿って配置され、第1スライド板部19aのスライド移動に対して制動力を付与することができる。第2粘性流体デバイス30bは、第2スライド板部19bに沿って配置され、第2スライド板部19bのスライド移動に対して制動力を付与することができる。
実施形態3に係る触感提供システム1は、操作部10が、複数の座標軸に沿って動くこと、及び/又は、複数の回転軸を中心として動くことが可能であっても、実施形態1と同様に、適切な制動力を付与することができ、ユーザへ所望の触感を適切に提供することができる。
実施形態4に係る触感提供システム1は、複数の粘性流体31のそれぞれが、電界の強度に基づいて粘度が変化する電気粘性流体であり、複数の粘性流体デバイス30のそれぞれが、電気粘性流体デバイスであってよい。この場合、複数の粘性流体31のそれぞれは、分散媒に、分散媒との誘電率に差がある粒子を分散させたコロイド分散体であり、電界の強度によって可逆的に固液相変化が可能な電気粘性流体であってよい。また、この場合、複数の電磁界発生手段32のそれぞれは、例えば、互いに異なる電位が印加される一対の電極を含んで構成され、一対の電極の間に粘性流体31を挟持するように設けられてよい。複数の電磁界発生手段32のそれぞれは、粘性流体31に作用する電界を発生させ、電気粘性流体である粘性流体31の粘度を変化させる。複数の粘性流体31のそれぞれは、その粘度変化により軸部12の傾倒運動に伴って発生する複数の回動軸部18のそれぞれへの摩擦力を変化させることによって、操作部10へ制動力を付与する。
実施形態4に係る触感提供システム1は、複数の粘性流体デバイス30のそれぞれが電気粘性流体デバイスであっても、実施形態1と同様に、複雑な動きをする操作部10へ適切に制動力を付与することができ、ユーザへ所望の触感を適切に提供することができる。
[その他]
上述の実施形態では、粘性流体デバイス30のそれぞれによって制動力を付与される可動部が、ユーザが接触して操作する操作部10であるとし、操作部10を操作するユーザへ触感を提供する例について説明されている。しかしながら、本発明は、操作部10以外の可動部へ制動力を付与する粘性流体デバイスに対して適用可能である。例えば、本発明は、車両用のブレーキ、クラッチ若しくはサスペンション、又は、建造物の免震用若しくは制振用のダンパ等を可動部とし、これらの可動部へ制動力を付与する粘性流体デバイスに対して適用することができる。このように、本発明は、可動部の動きが複雑であっても、可動部の可動内容に即した適切な制動力を付与することができる。
上述の実施形態は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用することができる。上述の実施形態は、本発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない程度に変更を加えることができる。
上述の実施形態及び特許請求の範囲で使用される用語は、限定的でない用語として解釈されるべきである。例えば、「含む」という用語は、「含むものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「備える」という用語は、「備えるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。
1 触感提供システム
10 操作部
11 把持部
12 軸部
13 ボール部
14 台座部
15 筐体部
16 ばね部
17 リンク部
17a 第1リンク部
17b 第2リンク部
18 回動軸部
18a 第1回動軸部
18b 第2回動軸部
19a 第1スライド板部
19b 第2スライド板部
19c 基板部
20 センサ
20a 第1センサ
20b 第2センサ
30 粘性流体デバイス
30a 第1粘性流体デバイス
30b 第2粘性流体デバイス
31 粘性流体
31a 第1粘性流体
31b 第2粘性流体
32 電磁界発生手段
32a 第1電磁界発生手段
32b 第2電磁界発生手段
40 駆動回路
40a 第1駆動回路
40b 第2駆動回路
50 制御装置
51 タイマ
52 受付部
52a 第1センサ記憶領域
52b 第2センサ記憶領域
53 トリガ条件記憶部
54 判断部
55 イベント情報記憶部
56 波形情報記憶部
57 電圧波形生成部
58 PWM波形生成部
59 デューティ比記憶部

Claims (10)

  1. 磁界又は電界の強度に基づいて粘性流体の粘度を変化させることによって可動部へ任意の制動力を付与する複数の粘性流体デバイスに複数のイベントを発生させる粘性流体デバイスの駆動制御方法であって、
    複数のセンサにより検知された前記可動部の位置及び変位の少なくとも1つを受け付ける受付ステップと、
    前記受付ステップにより受け付けられた前記位置及び前記変位の少なくとも1つに基づいて、前記複数のイベントのそれぞれに対するトリガ条件が成立したか否かを判断する判断ステップと、
    前記判断ステップにより成立したと判断された前記トリガ条件に対する前記イベントを発生させる少なくとも1つの前記粘性流体デバイスの駆動波形を、成立したと判断された前記トリガ条件に対応付けられた波形情報に基づいて生成する生成ステップと、
    前記生成ステップにより生成された前記駆動波形に応じて、前記イベントを発生させる少なくとも1つの前記粘性流体デバイスを駆動する駆動ステップと、
    を備える粘性流体デバイスの駆動制御方法。
  2. 前記波形情報は、前記位置及び前記変位の少なくとも1つに応じて前記制動力を変化させるための第1波形情報と、時間に応じて前記制動力を変化させるための第2波形情報とを含み、
    前記生成ステップは、前記第1波形情報及び前記第2波形情報の少なくとも1つに基づいて、前記駆動波形を生成する、
    請求項1に記載された粘性流体デバイスの駆動制御方法。
  3. 前記可動部は、複数の座標軸に沿って動くこと、及び/又は、複数の回転軸を中心として動くことが可能であり、
    前記複数の粘性流体デバイスは、前記可動部が動いた前記複数の座標軸及び/又は前記複数の回転軸について、それぞれ前記制動力を付与し、
    前記複数のセンサは、前記複数の座標軸及び/又は前記複数の回転軸における前記位置及び前記変位の少なくとも1つを検知し、
    前記生成ステップは、前記複数の座標軸及び/又は前記複数の回転軸のうちの少なくとも1つにおける前記位置及び前記変位の少なくとも1つが変化すると、少なくとも1つの前記粘性流体デバイスの前記駆動波形を変化させる、
    請求項1又は2に記載にされた粘性流体デバイスの駆動制御方法。
  4. 前記生成ステップは、前記複数の座標軸及び/又は前記複数の回転軸のうちの少なくとも1つにおける前記位置及び前記変位の少なくとも1つが変化すると、
    前記位置及び前記変位の少なくとも1つが変化した前記座標軸及び/又は前記回転軸について前記制動力を付与する前記粘性流体デバイスの前記駆動波形と、
    前記位置及び前記変位の何れもが変化していない前記座標軸及び/又は前記回転軸について前記制動力を付与する前記粘性流体デバイスの前記駆動波形と、
    を同期して変化させる、
    請求項3に記載にされた粘性流体デバイスの駆動制御方法。
  5. 前記生成ステップは、前記磁界又は前記電界の発生手段へ供給される電力を制御するパルス信号のパルス幅が変化するよう前記パルス信号のデューティ比を設定することによって、前記駆動波形を変化させる、
    請求項1〜4の何れか1項に記載された粘性流体デバイスの駆動制御方法。
  6. 前記デューティ比は、所定の時間間隔ごとに予め定められて記憶されており、
    前記生成ステップは、前記デューティ比の読み込み方を変更することによって、前記駆動波形の周期を変更する、
    請求項5に記載された粘性流体デバイスの駆動制御方法。
  7. 前記可動部は、ユーザが接触して操作する操作部であり、
    前記生成ステップは、前記駆動波形を変化させることによって、前記駆動ステップにより前記粘性流体デバイスが駆動されて前記操作部へ付与される前記制動力を変化させ、前記操作部の触感を変化させる、
    請求項1〜6の何れか1項に記載された粘性流体デバイスの駆動制御方法。
  8. 前記粘性流体は、前記磁界の強度に基づいて前記粘度が変化する磁気粘性流体であり、
    前記磁界の発生手段は、電磁コイルを含んで構成される、
    請求項1〜7の何れか1項に記載された粘性流体デバイスの駆動制御方法。
  9. 前記粘性流体は、前記電界の強度に基づいて前記粘度が変化する電気粘性流体であり、
    前記電界の発生手段は、互いに異なる電位が印加される一対の電極を含んで構成される、
    請求項1〜7の何れか1項に記載された粘性流体デバイスの駆動制御方法。
  10. 磁界又は電界の強度に基づいて粘性流体の粘度を変化させることによって可動部へ任意の制動力を付与する複数の粘性流体デバイスに複数のイベントを発生させる粘性流体デバイスの駆動制御装置であって、
    複数のセンサにより検知された前記可動部の位置及び変位の少なくとも1つを受け付ける受付部と、
    前記受付部により受け付けられた前記位置及び前記変位の少なくとも1つに基づいて、前記複数のイベントのそれぞれに対するトリガ条件が成立したか否かを判断する判断部と、
    前記判断部により成立したと判断された前記トリガ条件に対する前記イベントを発生させる少なくとも1つの前記粘性流体デバイスの駆動波形を、成立したと判断された前記トリガ条件に対応付けられた波形情報に基づいて生成する生成部と、
    前記生成部により生成された前記駆動波形に応じて、前記イベントを発生させる少なくとも1つの前記粘性流体デバイスを駆動する駆動部と、
    を備える粘性流体デバイスの駆動制御装置。
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