JP2020035107A - プラントデータ解析システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザの使い勝手を向上できるようにしたプラントデータ解析システムを提供すること。【解決手段】プラントデータ解析システム1は、解析対象部位の設計情報を取得する設計情報取得部106と、複数の解析対象項目の中から選択された解析対象項目と選択された設計情報とに基づいて、解析モデル記憶部107に記憶された複数の第1解析モデルの中から所定の第1解析モデルを抽出し、抽出された所定の第1解析モデルを結合させることにより第2解析モデル109を作成する解析モデル作成部108と、第2解析モデルで使用する所定の解析条件を第2解析モデルに設定する解析条件設定部105と、所定の解析条件を第2解析モデルへ入力することにより得られた解析結果を出力する解析結果出力部110と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、プラントデータ解析システムに関する。
発電プラントや化学プラントなどのプラント設備では、プラントの監視および制御のために、温度計、圧力計、流量計などの多くのセンサが設置されている。近年、これらセンサのデータを活用することにより、製品の収率を高めたり、運用の効率を向上させたりといったニーズが大きくなっている。
このようなニーズを満足させるためには、プラントの状態を判別し、状態が変化している場合はその原因を見つけ、原因に応じた対策を取る必要がある。対策には、運用条件を変更する場合と保守作業を実施する場合とがあり、新しい運転計画や保守計画を立案する必要がある。運用条件を変更する場合は、新しい運用条件の下で、過渡的な運転状態や熱応力などに問題が生じないかを検証しなければならない場合がある。この場合、動特性解析または熱応力解析等を実行するが、それらの解析に適したモデルを選択するのは容易ではなく、手間がかかる。
プラントの運転データを遠隔監視し、プラントの異常や劣化を評価して保全策を決定してユーザへ通知するシステムは知られている(特許文献1)。
なお、クラスタリング技術の1つである適応共鳴理論(Adaptive Resonance Theory:ART)を用いてデータを分類する技術は、特許文献2に記載されている。
特開2003−114294号公報 特開2005−258649号公報
従来技術では、プラントの状態を遠隔監視してその状態を評価することができるが、プラントには種々の状態があるため、それら各種状態を随時適切に評価するために、ユーザは様々な解析ツールを必要があり、手間と時間がかかる。さらに、解析ツールごとに解析条件をそれぞれ設定する必要があるため、ユーザの作業が煩雑となる。
本発明の目的は、ユーザの使い勝手を向上できるようにしたプラントデータ解析システムを提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明に従うプラントデータ解析システムは、プラントデータを解析するプラントデータ解析システムであって、選択された解析対象部位の設計情報を取得する設計情報取得部と、複数の解析対象項目の中から選択された解析対象項目と選択された設計情報とに基づいて、解析モデル記憶部に記憶された複数の第1解析モデルの中から所定の第1解析モデルを抽出し、抽出された所定の第1解析モデルを結合させることにより第2解析モデルを作成する解析モデル作成部と、第2解析モデルで使用する所定の解析条件を第2解析モデルに設定する解析条件設定部と、所定の解析条件を第2解析モデルへ入力することにより得られた解析結果を出力する解析結果出力部と、を備える。
本発明によれば、所定の解析対象項目に対応する第2解析モデルを、複数の第1解析モデルの中から抽出された所定の第1解析モデルを結合させることにより作成し、第2解析モデルに解析条件を設定して解析させることができる。したがって、ユーザの解析作業の使い勝手を向上させることができる。
実施形態の全体概要を示す説明図である。 プラントデータを解析する処理を示すフローチャートである。 解析対象部位と解析対象項目を設定する様子を示す画面例である。 解析対象項目の初期値を設定する様子を示す画面例である。 解析対象部位に対応する計器の運転データを示すグラフである。 運転データのパターン分類を示す説明図である。 カテゴリ別に分類された結果を示すグラフである。 図7の分類結果を別の方法で示す説明図である。 運転パターン毎の運転条件の例を示す説明図である。 解析結果を出力する画面例である。 解析結果を3Dモデルで表示する画面例である。 解析対象部位のパラメータに応じて解析結果を示す説明図である。 モデルの定義の例を示す説明図である。 解析に使用するモデル(第2解析モデル)とそのモデルを構成する一つまたは複数の他のモデル(第1解析モデル)との関係を示す説明図である。 モデルのデータ形式の一例を示す説明図である。 図2中のステップS21の詳細を示すフローチャートである。 解析に使用するモデルを決定する様子を示す画面例である。 解析に必要な条件の入力を要求する様子を示す画面例である。 第2実施例に係り、プラントデータ解析システムのブロック図である。 減肉量の解析結果と実測値とを比較して示す説明図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態に係るプラントデータ解析システムでは、ユーザは、解析対象部位および解析対象項目等を入力するだけで解析結果を得ることができる。本実施形態に係るプラントデータ解析システムでは、ユーザから入力される情報に基づいて、ユーザの希望する解析を実行するための解析モデルを自動的に作成することができる。
本実施形態に係るプラントデータ解析システムでは、ユーザは、個々の解析モデル(第1解析モデル)の仕様や使い方に習熟していなくても、目的とする解析を行うための解析モデル(第2解析モデル)を得ることができる。
本実施形態において「モデル」とは、コンピュータにより実行されるコンピュータプログラム(または、コンピュータプログラムおよびデータ)であり、所定の数式またはデータベース(テーブル)を用いることにより入力情報から出力情報を得る数理モデルの一種である。本実施形態に登場する「解析モデル」は、入力情報(解析条件)と所定のアルゴリズムとに基づいて、出力情報(解析結果)を生成するソフトウェア部品である。
本実施形態に係るプラントデータ解析システムは、例えば、化学プラント、石油プラント、発電プラント、食品プラント、ゴミ焼却プラント、海水淡水化プラント、水処理プラントといった各種プラントに適用することができる。「解析対象部位」とは、解析対象となる機器、装置、または配管等である。機器、装置、配管の全体である必要はなく、その一部でもよい。「解析対象項目」とは、解析対象を特定する情報であり、例えば、障害原因となり得る項目、性能劣化に関する項目等である。具体的には、例えば減肉量、腐食量、配管の詰まり量、エネルギの伝達ロス、部品寿命等である。
以下、水、水蒸気、化学薬品、燃料等の流体を取り扱う化学プラントにおいて、配管の減肉量(配管の管壁が削られる量)を解析する場合を例に挙げて説明する。化学プラント以外のプラントにおいて減肉量以外の項目を解析する場合にも、本実施形態を適用することができる。
図1〜図18を用いて第1実施例を説明する。図1は、プラントデータ解析システム1の機能構成およびハードウェア構成を示す。
先にハードウェア構成を説明する。図1の下側に示すように、プラントデータ解析システム1は、コンピュータ10を用いて構成することができる。コンピュータ10は、例えば、マイクロプロセッサ(図中、CPU:Central Processing Unit)11、メモリ12、通信インターフェース装置13、入出力回路(図中、I/O)14、ユーザインターフェース装置15を備える。図中では、「装置」等を省略して示している。
メモリ12は、主記憶装置と補助記憶装置(いずれも不図示)を含む。メモリ12には、所定のコンピュータプログラム100が格納されている。マイクロプロセッサ11が所定のコンピュータプログラム100を実行することにより、図1中の上側に示す各機能101〜109が実現される。
通信インターフェース13(図中、インターフェースをIFと略記)は、通信ネットワークCNを介して他の装置と通信する。他の装置としては、例えば、プラントに設置されたセンサ、カメラ、マイクロフォン、現場コントローラ、データロガーや、コンピュータ端末20がある。入出力回路14は、通信ネットワークCNに代えて、現場のセンサ等と接続するための装置である。
ユーザインターフェース装置15は、システム管理者等のユーザとプラントデータ解析システム1とが情報を交換するための装置である。ユーザインターフェース装置15は、情報入力装置と情報出力装置(いずれも不図示)を含む。情報入力装置は、ユーザがプラントデータ解析システム1へ情報を入力するための装置であり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、音声指示装置等がある。情報出力装置は、プラントデータ解析システム1がユーザへ情報を伝えるための装置であり、例えば、ディスプレイ、プリンタ、音声合成装置等がある。情報出力の方法として、電子メール等の電子的メッセージを出力してもよい。情報入力装置と情報出力装置とが一体化されたユーザインターフェース装置でもよい。
ユーザは、コンピュータ端末20を介してコンピュータ10にアクセスすることにより、プラントデータ解析システム1を利用することもできる。あるいは、ユーザは、ユーザインターフェース装置15を介してコンピュータ10を操作することにより、プラントデータ解析システム1を利用することもできる。
コンピュータ10は、プラントを管理する事務所内に設置されてもよいし、いわゆるクラウドコンピューティングシステムとしてインターネット等の通信ネットワーク上に設けられてもよい。コンピュータ10をクラウドコンピューティングシステムとして構成する場合、プラントデータ解析システム1は、複数のプラントのデータをそれぞれ解析して、各プラントへ解析結果を返すこともできる。
図1の上側を参照して、プラントデータ解析システム1の機能構成を説明する。プラントデータ解析システム1(以下、システム1と呼ぶ場合がある)は、例えば、運転データ取得部101、プラント系統図取得部102、3Dモデル取得部103、解析メニュー設定部104、解析条件設定/作成部105、プラント設計情報抽出部106、解析モデルライブラリ107、解析モデル作成部108、解析モデル109、解析結果出力部110を備える。以下、これらの構成要素について説明する。
運転データ取得部101は、プラントの運転に関する運転データD1を取得する機能である。運転データD1には、例えば、計測データ、操作量データ、設定値(目標値)データがある。
図3で後述するように、プラントには、例えば、ポンプPP、タンクRT、バルブEV、配管L、センサSR等の各種の設備や機器を備える。これら設備や機器に関して、運転データ取得部101は、例えば、温度、圧力、流量、流速、重量、電流、電圧、色彩、湿度、水分量などの時系列の計測データを運転データとして得ることができる。
さらに、運転データ取得部101は、作業員または制御装置(不図示)により設定される、アクチュエータに対する操作量データ(例えばバルブ開度等)を運転データとして取得することができる。
運転データ取得部101は、作業員または制御装置により現場の設備や現場コントローラ等に設定される目標値(設定値)を運転データとして取得することもできる。以下では、計測データ、操作量データ、設定値データを合わせて「運転データ」と呼ぶ。ただし、計測データのみを運転データと呼ぶ場合もある。運転データ取得部101は、例えば、取得時刻と、値と、運転データの発生元を識別する識別子等とを対応付けることにより、運転データD1を管理する。
プラント系統図取得部102は、プラント系統図D2を取得する機能である。プラント系統図D2は、配管計装線図または、P&ID(Piping & Instrument Flow Diagram)とも呼ばれる電子ファイルである。プラント系統図D2には、例えば、プラントを構成する機器、接続配管、主要な計測機器の仕様等が記載されている。
3次元モデル取得部103は、3次元モデルD3を取得する機能である。図中では、3次元モデルを「3D」と略記する。3次元モデルD3は、プラントの3次元モデルであり、3次元CADソフトウェア等で作成される。3次元モデルD3は、プラントを構成する各機器、各配管、各バルブ等の形状を記述する。
解析メニュー設定部104は、ユーザが実施したい解析メニューを選択して設定する機能である。プラントデータ解析システム1を利用するユーザは、解析メニューに登録された解析対象項目の中から、所望の解析対象項目を少なくとも一つ選択する。
解析条件設定/作成部105は、解析メニュー設定部で設定した解析メニューに応じた解析条件をプラント系統図を活用し、運転データから抽出する機能である。解析条件設定/作成部105は、「解析条件設定部」の例である。
プラント設計情報抽出部106は、プラントに関するデータの解析に必要な情報を抽出する機能である。すなわち、プラント設計情報抽出部106は、プラントに関するデータの解析に必要な情報としての3次元形状および系統情報を、3次元モデルD3およびプラント系統図D2から抽出する。プラント設計情報抽出部106は、「設計情報取得部」の例である。
ここで、プラントに関するデータ(プラントデータ)は、例えば、プラントの運転状態に関するデータ、プラントの保守に関するデータ、プラントの生産効率に関するデータ等である。
解析モデルライブラリ107は、「第2解析モデル」としての結合モデル109を構成する基礎的な解析モデル(第1解析モデル)のライブラリを格納する機能である。後述のように、結合モデル109は、一つまたは複数の(通常は複数の)基礎的な解析モデルを所定の順番で結合させることにより構成される。解析モデルライブラリ107は、「解析モデル記憶部」の例である。
本実施例では、基礎的な解析モデルのライブラリは、実際のプラントの構造等に合わせて階層的に管理されている。すなわち、モデルライブラリは、プラント全体の構成に関する「プラント解析モデル」と、プラントを構成する機器、配管、バルブ等に関する「機器解析モデル」と、機器の材料およびその特性に関する「材料解析モデル」と、「経営解析モデル」との各階層で用意されている。経営解析モデルとは、プラントモデルの上位に位置し、プラントの運用または運営を解析するためのモデルである。
なお、階層毎のモデルライブラリは、同一の解析対象部位であったとしても、解析対象の種類毎に用意される。例えば、配管モデルの場合、配管内部の流体の流れを計算できる基礎的な解析モデルと、配管に生じる熱応力を解析できる基礎的な解析モデルとは、それぞれ別々のモデルライブラリとして登録されている。
解析モデル作成部108は、解析メニュー設定部104で設定された解析メニューと、プラント設計情報抽出部106により抽出された設計情報(設計条件)とから、解析モデル109を作成する機能である。
解析モデル作成部108は、例えば、配管とバルブとからなる解析対象部位の流れを解析をする場合、流れ計算用の配管モデルと流れ計算用のバルブモデルとを組合せることにより、結合解析モデル109を作成する。
結合解析モデル109は、解析条件設定/作成部105から入力される解析条件に基づいて計算し、その計算結果を解析結果出力部110に出力する。解析結果出力部110は、その解析結果をディスプレイ等のユーザインターフェース装置15を介してユーザへ通知する。
以下、配管の減肉量を評価する場合を例に挙げて、プラントデータ解析システム1の動作を説明する。
図2のフローチャートを用い、配管の減肉量の評価について概略を説明する。配管の減肉を評価するためには、以下のステップが必要となる。ステップS1:減肉評価の対象となる配管形状を取得する、ステップS2:減肉を評価するために必要な運転条件を求める、ステップS3:必要な解析モデルを選択し、減肉量を計算する。各ステップS1〜S3の詳細について説明する。
ステップS11:
図3は、プラントデータ解析システム1の操作画面G1の例を示す。ステップS11において、操作画面G1には、プラントの一部または全部についての3次元モデルが表示される。ユーザは、操作画面G1のメニューバーから解析メニューGP1を呼び出すことができる。ここでは、複数の解析対象項目を含むメニュー一覧の中から、配管の減肉を評価するメニュー(解析対象項目)を選択する例を示す。
ユーザは、操作画面G1上で、配管の減肉を評価するメニューを選択した後で、3次元モデル上で減肉の評価を希望する配管を選択する。ユーザは、評価対象(解析対象)の配管を例えば、マウス等のポインティングデバイスまたはタッチパネルで選択できる。プラントの各配管に識別番号等が設定されている場合、対象の配管の識別番号等をキーボードから入力することにより選択することもできる。対象の配管の識別番号等をプラントデータ解析システム1へ音声入力してもよい。
ステップS12:
図4に示すように、ステップS12において、ユーザは、画面GP2を通じて、解析のための初期状態を設定する。ユーザは、解析のための初期状態として、例えば、減肉を評価する期間と、評価開始時点での減肉量とを設定することができる。ここでは、プラントの稼働開始日(2010年10月10日)を評価の開始時点として設定している。稼働開始時が評価開始時点であるため、減肉量の初期値は0mmと設定される。
ステップS13:
ステップS13では、ステップS11で指定された配管の形状情報と、指定された配管の前後に位置する各部品の情報とを取得する。配管の形状情報としては、例えば、配管番号、配管の外径寸法、肉厚寸法、配管の材質、長さ寸法、ルート情報がある。指定された配管に曲がった箇所がある場合は、その曲がった箇所の曲率半径RもステップS13で取得する。指定された配管の前後の部品としては、例えば、配管が接続されたバルブ、配管の分岐、フランジ等がある。指定された配管の前後の部品情報として、それら部品の種類を取得する。指定された配管の前後に位置する部品のメーカ名および型式等の情報も取得できる場合は、取得する。
解析メニュー設定部104が上述のステップS11〜S13を実行することにより、ユーザの希望する解析対象部位および解析対象項目が決定される。
解析モデル作成部108は、解析メニュー設定部104から渡された情報(解析対象部位、解析対象項目)に基づいて、必要な基礎的な解析モデルを決定する。必要な基礎的解析モデルが決定されることにより、必要な解析条件(条件、運転条件、運転データ、入力条件とも呼ぶ)も決定される。配管の減肉を解析するために必要な基礎的な解析モデルを決定するステップS21については、他の全てのステップを説明した後で説明する。
ステップS22:
一般に、3次元モデルには計器のモデルは含まれていなため、ステップS22では、プラント系統図D2の情報を活用することにより、必要な計器のタグ名を取得する。例えば、ステップS13で取得した配管番号に対応する配管をプラント系統図D3の中から探し出し、配管の接続関係から必要なタグ情報を抽出する。
本実施例では、系統図用CAD(不図示)を用いて作図されたプラント系統図D3を利用するため、配管、機器、計器等の接続情報をプラント系統図D3から抽出できる。解析条件設定/作成部105は、解析対象として指定された配管内を流れる流体のデータ(運転データ)を、運転データ取得部101から取得する。本実施例では、配管を流れる流体のデータとして流量、温度、圧力を使用する。ステップS22では、これらのデータ(流量、温度、圧力)を計測する計器のタグを、タグFI−001、タグTI−001、タグPI−001として抽出する。
ステップS23:
図5に示すように、ステップS23では、ステップS22で抽出された計器のタグに対応するデータについて、ステップS12で指定された評価開始日から現在までのデータ(運転データ)を抽出する。図5は、抽出された運転データの一部を時系列グラフとして示している。縦軸は、流量、温度、圧力それぞれの値を示す。図5のグラフは、3つの縦軸をまとめて一つの縦軸であるかのように示すが、実際には、各パラメータに応じた目盛りの縦軸を持つ。図5に示す例では、圧力がほぼ一定で推移しているが、流量はある時点で大きく変化している。
ステップS24:
ステップS24では、ステップS23で抽出された運転データを、いくつかのパターンに分類する。配管の減肉は、流速(流量から計算される)、圧力、温度の影響を受けるため、これらのパラメータの値の組合せが類似するものを1つのカテゴリに分類する。本実施例では、クラスタリング技術の1つである適応共鳴理論(ART)を用いてデータを分類する。
ARTは、人間のパターン認識アルゴリズムを模擬したモデルである。ARTを用いることにより、多次元のデータを、その類似度に応じて複数のカテゴリに分類することができる。
図6を用いて、ARTを使ったデータの分類方法を説明する。一般にARTに入力する運転データは、4次元以上のデータである。しかし、ここではデータを単純化し、図6の上側に示すように、2次元の時系列データ(データd1、データd2)を分類する場合について考える。この時系列データの各時刻におけるデータは、データd1およびデータd2の2次元データとなる。
この2次元データをARTに入力すると、ARTは、入力された2次元データから複数のパターン(カテゴリ)を抽出する。例えば、データd1の値が大きく、かつデータd2の値が小さい領域R1のデータは、カテゴリc1に分類される。領域R2のデータは、領域R1と比べると、データd1とデータd2との関係が異なるため、別のカテゴリc2として分類される。同様に、領域R3のデータはカテゴリc3に分類され、領域R4のデータはカテゴリc4に分類される。
図7は、運転データを、データd1とデータd2を軸とする2次元グラフにプロットした場合を示す。図7から、各運転データがそれぞれのカテゴリに分類されていることが分かる。図7中のX印は、各カテゴリに分類されたデータの重心を表しており、各カテゴリに分類されたデータの代表値として利用できる。
図8に、分類結果の例を示す。図8の例では、図5に示した運転データが4つのカテゴリc1〜c4、すなわち4つの運転パターンに分類された。
なお、本実施例では、図5に示した3項目のデータ(流量、温度、圧力)をARTに入力して分類した。
ステップS25:
図2のステップS25では、ステップS24で分類された運転パターン毎に、減肉量の計算に必要な運転条件を求める。ステップS23でのデータの分類結果から、それぞれの運転パターン(カテゴリ)に分類されたデータの重心とデータ数とが算出される。図9は、各運転パターンについて運転条件を算出した結果を示す。すなわち、前述した運転データは、4つの運転パターンp1〜p4に分類され、各運転パターンp1〜p4における運転条件は、図9に示した通りとなる。
ステップS31:
図2に戻る。ステップS31では、ステップS25で計算した各運転条件にしたがって、配管の減肉速度を求める。配管の減肉速度を求める方法にはいくつかの方法があるが、ここでは、算出された運転条件を、解析モデル作成部108で作成された結合解析モデル109に必要な入力形式に変更する。
本実施例では、配管の流れを1次元で解析し、配管の前後に接続された接続部品の情報に基づいて減肉速度を補正する解析モデル109を使用する。この結合解析モデル109では、運転データから、配管内の流体の平均流速[m/s]と、温度と、圧力とを入力する必要がある。さらに、溶存酸素濃度とクロム(Cr)の含有量も解析モデル109へ入力する。本実施例では、下記の式1にしたがって、ステップS24で求めた流量F[t/h]を流速FR[m/s]に変換する。
FR=F*1000^3/(0.25*π*(OD-2*Th)^2)/3600・・・(式1)
ここで、ODは配管外径、Thは配管の肉厚である。溶存酸素濃度とペーハー値pHについては、解析対象のプラントで定期的に測定されている値を一定値として利用することができる。これに代えて、溶存酸素濃度およびペーハー値を、現場に設けられたセンサによって遠隔監視してもよい。クロム含有量は、配管の材質から求めることができる。
ステップS32:
ステップS32では、各運転条件での減肉速度とステップS12で取得された運転期間とから、これまでの減肉量を下記の式2にしたがって評価する。
m=m0(Temp, FR)*fpH*fDO(Temp)*fCr*fKc・・・(式2)
m:補正後の減肉量
:補正前の減肉量
Temp:温度
FR:流速
pH:pHによる補正係数
DO:DO(溶存酸素量)による補正係数
Cr:Cr含有量による補正係数
Kc :形状による補正係数
ここで、m(Temp,FR)、fDO(Temp)の関係は、解析モデルライブラリ107の一部としてデータベース化されている。従って、例えば、m0の場合は、解析条件の温度Tempと流速FRとを所定のモデルへ入力すると算出できる。
形状による補正係数fKcは、解析対象の配管の上流側に設置されている機器によって決まる。その機器のオリフィス、分岐、バルブ等から補正係数fKcを算出できる。
このように、各運転パターンにおける運転条件を解析モデル109へ入力すると、各運転パターンでの減肉速度[mm/year]を算出することができる。
ステップS33:
ステップS33では、ステップS12で設定された評価期間に対して、各運転パターンで運転された時間を集計し、配管の減肉が最も進展した箇所での減肉量を評価する。各運転パターンに分類されたデータ数は、ステップS24で求めているため、下記の式3から最大減肉量mtotalを算出する。
mtotal=(1/ΣNi)Σmi*Ni*Δt・・・(式3)
ここで、Nは、運転パターンiに分類されたデータ数である。mは、運転パターンiでの減肉速度である。
図10に示すように、解析モデル109による解析結果は、画面G1上の結果欄GP3に数値で表示することができる。
図11に示すように、解析対象の3次元モデル上に減肉量を数値またはグラフィックのいずれかまたは両方で表示してもよい。図11の例では、配管の表面上に減肉量をグラデーションGP4として示している。上述の式3では、最大減肉量を算出するが、図12に示すように、最大減肉量と配管流れ方向の減肉量の推定関数とを用いて近似計算することにより、配管の流れ方向における減肉の様子を算出することができる。図12の縦軸は減肉量を示し、横軸は配管の長さ方向の距離を示す。
以上述べたステップS22〜S33により、解析対象の配管の減肉量を求めることができる。
次に、図2に示すステップS21について説明する。ステップS21において、解析モデル作成部108は、減肉量の解析に使用する解析モデルを作成する
図13は、本実施例におけるモデルの定義を示す。モデルとは、ある入力を与えると、モデル内で規定された演算により、ある出力が決定されるコンピュータプログラム(あるいは関数、データベース)である。
減肉量を評価するモデルでは、配管流体の温度と流速と溶存酸素濃度等とが入力となり、出力が減肉速度となる。配管内の流速を求めるモデルでは、配管の外径と肉厚情報と配管内流体の流量とが入力となり、出力が配管内平均流速である。このように、本実施例のモデルとは、規定された入力に基づき、規定された出力を計算するものである。
したがって、配管の減肉量を求める場合には、配管流量と配管形状とから平均流速を求めるモデルMAと、配管流速から減肉量を求めるモデルMBとを組合せることにより、最終的な結果を得る。
ただし、配管流速から減肉量を求めることのできるモデルは、モデルMBだけではなく、他のモデルMCでも可能である。モデルMCは、モデルMBよりも詳細な計算式を持つモデルとして定義されてもよい。
配管内の流れを1次元で解析するのではなく、3次元の詳細な流れ解析を実施するモデルMDを利用してもよい。そして、モデルMDと、流れの分布から減肉量を求めるモデルMEとを組合せることによって、減肉量を計算することもできる。
なお、配管の流量および形状が入力されると減肉量を出力するモデルMFが存在する場合、そのモデルMFだけで減肉量を計算することもできる。
図14に示すように、同じ解析対象部位、同じ解析対象項目であっても、複数の方法(モデルの結合パターン)で、解析結果を得ることができる。同じ入力条件(運転データ)から一つまたは複数の基礎的な解析モデルMA〜MFを介して、出力結果を得ることができる。解析モデル作成部108は、このような全ての結合パターンの中から、最適なモデルの結合を選択することにより、結合解析モデル109を作成する。
図16を用いて、最適な結合解析モデル109を決定する方法を説明する。図16のフローチャートは、図2に示すステップS21の詳細な一例である。
ステップS211:
ステップS211では、基礎的な解析モデルの使用条件とユーザにより指定された解析対象項目とに基づいて、解析対象項目の解析に利用可能な基礎的解析モデルを解析モデルライブラリ107から抽出する。
解析モデルの使用条件とは、各解析モデルを使用する条件である。例えば、減肉速度を計算する解析モデルの場合は、解析対象部位、解析対象部位の材質、流体の温度範囲、流体の種類等の入力が使用条件となる。例えば、配管のみを解析可能なモデル、クロム鋼の材質についてのみ解析可能なモデル、流体が水である場合のみ解析可能なモデルが知られている。したがって、ステップS211では、解析対象項目である減肉量を得るために利用可能な基礎的解析モデルを抽出する。
基礎的解析モデルは、その種類に応じて、解析モデルライブラリ107内で階層管理されている。上述のように階層とは、例えば、経営解析モデル、プラント解析モデル、機器解析モデル、材料解析モデルである。
複数の階層ごとに解析モデルを管理する理由は、プラントを構成する要素が機器、配管、バルブ等であり、さらにそれら要素の元になるのが材料だからである。さらに、プラント全体の運用または運営に関する解析モデルについては、経営解析モデルとして管理している。本実施例では、基礎的解析モデルを階層的に管理することで、基礎的解析モデルの結合パターンについて効率よく計算することができる。
ステップS212:
ステップS212では、目的の解析を実現可能な結合解析モデルを構成するための、基礎的解析モデルの結合パターンを計算して全てリストアップする。ある基礎的解析モデルと他の基礎的解析モデルとが結合可能であるか否かは、基礎的解析モデル同士の入出力が一致するか否かで判定する。
本実施例では、基礎的解析モデルの入出力を、データ形式を特定する識別子(データ形式ID)で管理している。そして、本実施例では、データ形式IDが同一であるか、あるいは包含する形式であるなら、それら基礎的解析モデル同士は接続可能と判断する。
図15にデータ形式の例を示す。例えば、データ形式ID「Type−0100」は、配管のデータ形式の1つであり、外径、肉厚、長さ、材質の情報を持つ。他のデータ形式ID「Type−0101」には、「Type−0100」の情報に加えて、保温材の情報が追加されている。
したがって、ある基礎的解析モデルの入力形式がID「Type−0100」のデータ形式である場合、出力形式が同じである、ID「Type−0100」のデータ形式を持つ他の基礎的解析モデルと接続可能である。
さらに、ID「Type−0101」のデータ形式は、ID「Type−0100」のデータ形式を含むデータ形式であるため、ID「Type−100」の入力データ形式を持つ基礎的解析モデルは、ID「Type−0101」の出力データ形式を持つ他の基礎的解析モデルとも接続可能である。
本実施例では、上述のように、基礎的解析モデル同士の接続可能性を考慮して、各基礎的解析モデルのデータ形式を分類することによりIDを付与する。データ形式IDは、基礎的解析モデル同士の接続可能性を考慮して構成されている。したがって、本実施例によれば、各基礎的解析モデルの使用条件(データ形式)を一つ一つ判断する必要がなく、データ形式IDを照合するだけで基礎的解析モデル同士が接続可能であるか判断することができる。
図14は、目的の解析を実現するための基礎的解析モデルの結合パターンの一例を示している。図14の例では、基礎的解析モデルMAの出力と、基礎的解析モデルMBおよび基礎的解析モデルMCの入力とが一致する。したがって、モデルMA−MB、モデルMA−MCの結合が可能である。これに対し、モデルMAの出力とモデルMEの出力とは異なるため、モデルMA−MEという結合は生じない。
他の結合パターンとして、モデルMD−MEもある。基礎的解析モデルMFは、それ単独で目的の解析対象(配管の減肉)を実現できるため、他の基礎的解析モデルとは結合していない。
ステップS212では、図14に示す結合パターンをリストアップする。ここで、入力の種類が同じである複数の解析モデルであっても、その範囲が異なる場合がある。この場合、入力種類の異なる解析モデルよりも先に実行されるモデル(上流のモデル)の計算結果がわからないと、いずれのモデルを選択すべきか判定できない。
そこで、本実施例では、結合パターンをリストアップする段階では、入力種類以外の制限は検討しない。例えば、モデルMB,MCの入力はいずれも「流速」であるが、一方のモデルMBの流速範囲と他方のモデルMCの流速範囲とが異なる場合、結合パターンをリストアップする時点では区別しない。
ステップS213:
最後に、ステップS213では、ステップS212で選定された基礎的解析モデルの結合パターンの中から、少なくとも一つの結合パターンを結合解析モデル109の候補として選択する。
ここでは、図14に示す結合パターンの中から結合解析モデル109を選択する場合を説明する。入力条件から出力結果までの基礎的解析モデルの結合パターンには、以下のように、結合パターンbp1:MA−MB、結合パターンbp2:MA−MC、結合パターンbp3:MD−ME、結合パターンbp4:MFの4つがある。
ステップS213では、抽出された各結合パターンの中から、所定の評価基準にしたがって少なくとも一つの結合パターンを選択する。
所定の評価基準の1つに、解析モデル109の精度がある。ここでは配管の減肉速度(減肉量)を求めるため、減肉速度の誤差が小さい解析モデル109が選択される。結合解析モデル109の誤差は、その結合解析モデル109を構成する各基礎的解析モデルの誤差の和として求めることができる。
結合パターンbp1は、基礎的解析モデルMAの次に基礎的解析モデルMBを接続することにより構成されている。解析モデルMAは、流量から平均流速を求めるため、その誤差はゼロであるとする。解析モデルMBは、平均流速から減肉速度を求めるため、その誤差は20%であるとする。結合パターンbp1の誤差、すなわち、そのパターンbp1から得られる結合解析モデル109の誤差は、式4から20%と求められる。
(1+0)×(1+0.20)=1.20・・・(式4)
一方、結合パターンbp3は、基礎的解析モデルMDの次に基礎的解析モデルMEを接続することにより構成されている。解析モデルMDは、流れを詳細に解析するモデルであり、その計算誤差は3%であるとする。解析モデルMEは、詳細な流れから減肉速度を計算するモデルであり、その誤差が8%であるとする。結合パターンbp3から得られる結合解析モデル109の誤差は、式5から11.2%と求められる。
(1+0.03)×(1+0.08)=1.1124・・・(式5)
以上のように他の結合パターンbp2,4についても、合計誤差を算出する。次に、ステップS213では、他の評価基準として、結合解析モデル109の計算に要する時間を求める。
結合パターンbp1は、計算が単純であるため、計算時間は1秒以内であるとする。結合パターンbp4は、解析モデルMDが詳細な流体計算を実行するため、一つの運転条件のパターンについて3時間かかるとする。したがって、4つの運転条件について計算する必要があるため、計算時間は12時間となる。
本実施例では、結合解析モデル109の誤差(精度)と計算時間との両方を考慮して、結合パターンを少なくとも一つ選択する。
図17に示す例では、結合解析モデルの第1候補として、「モデル誤差:11.2%、予想計算時間:12時間」の結合パターンをユーザへ提案している。第2候補として、「モデル誤差:20.0%、予想計算時間:5秒」の結合パターンを提案してもよい。
複数の評価基準がある場合、評価基準ごとに最適な結合解析モデルの候補をユーザへ提案してもよい。最適な結合解析モデル候補とは、ある評価基準にしたがって最大値または最小値を獲得した結合パターンである。
なお、図14に示した各結合パターンbp1〜bp4のうち、いずれかの結合パターンについては、各評価基準のいずれかについて評価値を算出できない場合がある。もしも例えば、解析モデルMAで計算された流速の値が、解析モデルMBの計算可能範囲および解析モデルMCの計算可能範囲のいずれからも逸脱している場合、パターンMA−MBとパターンMA−MCについては、評価値の計算対象外とする。これにより、無駄な計算が行われるのを抑制し、プラントデータ解析システム1の使い勝手を向上できる。
なお、解析に必要な条件の少なくとも一部が不足する場合、解析モデルライブラリ107に格納された基礎的解析モデルだけでは、ユーザにより選択された解析対象項目についての解析できない可能性がある。すなわち、入力条件が不足すると、その不足した入力条件を使用する基礎的解析モデルは、結合解析モデル109の構成要素として選択することができなくなる。そこで、不足した入力条件のユーザへ通知し、情報(不足している入力条件)の追加を要求することもできる。
図18は、不足している入力条件をユーザへ問い合わせする画面例である。溶存酸素濃度の情報が不足している旨が、不足情報通知画面GP6に表示される。ユーザは、プラントデータ解析システム1が要求する情報を画面GP6へ入力する。手動で情報を入力してもよいし、音声で入力してもよいし、記憶媒体または他のコンピュータから必要な情報を入力させてもよい。
解析処理に際して不足する入力情報の数は少ない方が良い。そこで、基礎的解析モデルの結合パターンを選択する際の評価基準の1つとして、不足する入力条件の数を用いてもよい。すなわち、解析モデルの誤差(精度)が同程度の場合、不足する入力条件の数が少ない基礎的解析モデルの結合パターンを選択してもよい。
本実施例では、解析のための条件を運転条件から作成したが、新規プラントでの減肉を評価する場合には、プラントの運転データを出力できるプラント解析モデルを用いることにより運転データを作成してもよい。
このように構成される本実施例によれば、効率的に適切な解析モデルを作成でき、プラントの保守、運用等の使い勝手が向上する。
図19,図20を用いて第2実施例を説明する。本実施例は、第1実施例の変形例に該当するため、第1実施例との相違を中心に述べる。本実施例のプラントデータ解析システム1Aでは、第1実施例で述べたプラントデータ解析システム1に対して、保守/点検データ取得部111と解析モデル調整部112とが追加されている。
保守/点検データ取得部111は、例えば、定期点検時のデータや日々の点検データ等を取得して保存する。保守/点検データ取得部111は、例えば、定期点検時に測定される配管の減肉量(実測値)を保存する。
解析モデル調整部112は、保守/点検データ取得部111と、解析条件設定/作成部105と、解析モデル109と、解析結果出力部110とに接続されている。解析モデル調整部112は、解析モデル109で算出された解析結果と実際の点検で測定された実測値とを比較することにより、解析モデル109の入力条件または解析モデルパラメータのいずれかまたは両方を調整する。以下、解析モデル調整部112の動作を説明する。
図20は、例えば、配管LA,LB,LCの3種類の配管について、ある時点での減肉量の計算値と実際に測定された検査値(実測値)とを対比した結果を示す。配管LA,LB,LCは、いずれも上流側が分岐しており、式(2)のfkcは同じ値となる。また、各配管LA,LB,LCは、同じ系統に分類される配管であるため、溶存酸素濃度も同じとなる。
図20より、いずれの解析結果(シミュレーション結果)も実際の検査値に比べて約2割小さい。従って、解析モデルパラメータであるfkcを1.2倍することにより、解析結果と検査値との誤差を最小にできる。
なお、溶存酸素濃度の値として設計値を入力する場合、実際の運転データでは、溶存酸素濃度の値が設計値と異なる可能性がある。この場合、解析結果と検査値とが一致するように、溶存酸素濃度を調整してもよい。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例によれば、実際の検査値と解析結果との差に基づいて、解析モデルのパラメータまたは入力条件を調整するため、解析精度を向上させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。上述の実施形態において、添付図面に図示した構成例に限定されない。本発明の目的を達成する範囲内で、実施形態の構成や処理方法は適宜変更することが可能である。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれる。さらに特許請求の範囲に記載された構成は、特許請求の範囲で明示している組合せ以外にも組み合わせることができる。
本実施形態は、下記のように、プラントデータを解析するコンピュータプログラムとして表現することもできる。
「コンピュータを、プラントデータを解析するプラントデータ解析システムとして機能させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
選択された解析対象部位の設計情報を取得する設計情報取得部と、
複数の解析対象項目の中から選択された解析対象項目と前記選択された設計情報とに基づいて、解析モデル記憶部に記憶された複数の第1解析モデルの中から所定の第1解析モデルを抽出し、前記抽出された所定の第1解析モデルを結合させることにより第2解析モデルを作成する解析モデル作成部と、
前記第2解析モデルで使用する所定の解析条件を前記第2解析モデルに設定する解析条件設定部と、
前記所定の解析条件を前記第2解析モデルへ入力することにより得られた解析結果を出力する解析結果出力部と、
を実現させるコンピュータプログラム。」
1,1A:プラントデータ解析システム、10:コンピュータ、101:運転データ取得部、102:プラント系統図取得部、103:3次元モデル取得部、104:解析メニュー設定部、105:解析条件設定/作成部、106:プラント設計情報抽出部、107:解析モデルライブラリ、108:解析モデル作成部、109:解析モデル、110:解析結果出力部、111:保守/点検データ取得部、112:解析モデル調整部

Claims (7)

  1. プラントデータを解析するプラントデータ解析システムであって、
    選択された解析対象部位の設計情報を取得する設計情報取得部と、
    複数の解析対象項目の中から選択された解析対象項目と前記選択された設計情報とに基づいて、解析モデル記憶部に記憶された複数の第1解析モデルの中から所定の第1解析モデルを抽出し、前記抽出された所定の第1解析モデルを結合させることにより第2解析モデルを作成する解析モデル作成部と、
    前記第2解析モデルで使用する所定の解析条件を前記第2解析モデルに設定する解析条件設定部と、
    前記所定の解析条件を前記第2解析モデルへ入力することにより得られた解析結果を出力する解析結果出力部と、
    を備えるプラントデータ解析システム。
  2. 前記解析モデル記憶部は、前記各第1解析モデルを使用可能な使用条件と解析モデル性能とを前記各第1解析モデルの属性として記憶しており、
    前記解析モデル作成部は、前記各第1解析モデルの属性に基づいて、前記所定の第1解析モデルを抽出する、
    請求項1に記載のプラントデータ解析システム。
  3. 前記解析モデル性能は、解析モデル誤差と解析モデルの計算時間とを含んでおり、
    前記解析モデル作成部は、前記使用条件と前記解析モデル誤差と前記計算時間とに基づいて、前記所定の第1解析モデルを抽出する、
    請求項2に記載のプラントデータ解析システム。
  4. 前記解析条件設定部は、前記プラントの運転データのうち前記解析対象部位に対応する所定の運転データを前記所定の解析条件として取得し、前記取得した所定の運転データを少なくとも一つのパターンに分類し、前記分類されたパターンごとに前記第2解析モデルに設定する、
    請求項1に記載のプラントデータ解析システム。
  5. 前記解析モデル記憶部は、前記各第1解析モデルを、少なくとも経営解析モデルとプラント解析モデルを含む複数の階層で管理する、
    請求項1に記載のプラントデータ解析システム。
  6. 前記解析結果出力部の出力する前記解析結果と前記解析対象項目について実測された値との比較結果に基づいて、前記第2解析モデルに使用するパラメータまたは前記所定の解析条件を調整する調整部をさらに備える、
    請求項1に記載のプラントデータ解析システム。
  7. 前記プラントの運転データから前記所定の解析条件の全てを取得できない場合、前記解析条件設定部は、前記所定の解析条件のうち不足した解析条件の入力を要求する、
    請求項1に記載のプラントデータ解析システム。
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