JP2003303020A - プラント監視・診断システム - Google Patents

プラント監視・診断システム

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JP2003303020A
JP2003303020A JP2002110145A JP2002110145A JP2003303020A JP 2003303020 A JP2003303020 A JP 2003303020A JP 2002110145 A JP2002110145 A JP 2002110145A JP 2002110145 A JP2002110145 A JP 2002110145A JP 2003303020 A JP2003303020 A JP 2003303020A
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plant
model
characteristic model
monitoring
abnormality
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Hiroyuki Imanari
成 宏 幸 今
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シミュレータの模擬動作の解析によりプラン
トの異常発生の有無について監視・診断を行う場合に、
プラントの異常発生個所を迅速且つ正確に特定すること
が可能なプラント監視・診断システムを提供する。 【解決手段】 データ収集装置3は、プラント1及びプ
ラント制御装置2からのプラントデータを収集してモデ
ル同定手段5に出力する。モデル同定手段5はこれに基
づきパラメータ等の数値を決定し、これをプラント特性
モデル6及び基準プラント特性モデル7に出力する。プ
ラント特性モデル6及び基準プラント特性モデル7は、
階層化された複数のモデルにより構成されている。比較
手段8は、双方のモデルの各パラメータ等の数値を入力
し、両者の偏差を異常判定手段9に出力する。異常判定
手段9は、両者の数値間の誤差が所定値を超えていれば
異常と判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラント監視・診
断システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラントには、鉄・非鉄製造分野におけ
る製銑、製鋼、圧延工程等を対象とするもの、石油化学
分野における製油工程等を対象とするもの、あるいは紙
・パルプ製造分野におけるパルプ製造、製紙工程等を対
象とするものなど種々のプラントがある。よって、本明
細書における「プラント」とは、ある原材料に対して燃
料・エネルギーを投入することにより製品(電気などの
無体物も含むものとする)又は半製品を作り出す1つの
システムを指すものとする。例えば、圧延プラントで
は、原材料であるスラブを圧延ラインに投入し、電動機
等を駆動するための電力の供給によって、製品である鋼
板、形鋼、棒鋼等が作り出される。
【0003】このようなプラントは、多数のプラント機
器により構成されており、ある1つの機器の異常又は故
障がときとしてプラント全体に大きな影響を及ぼすこと
がある。したがって、プラントに対して異常又は故障の
発生の有無を監視・診断することはプラントの管理上非
常に重要なことである。ここで、「監視」、「診断」と
いう用語については、それほど厳密な使い分けがなされ
ているわけではないが、一般には、監視とはプラントの
操業状態が正常であるか否かを監視することを指し、診
断とはプラント内の機器の品質劣化等について診断する
ことを指している。
【0004】そして、従来のプラントの操業状態の監視
は、プラント内の所定個所に設置されたセンサからの情
報が直接に又は制御システムを経由してメータや記録計
などに表示されるようにしたり、あるいはプリンタで印
刷されるようにしておき、これらの情報を運転員が確認
することにより行うようにしていた。また、プラント内
の機器の診断は、診断対象となる機器の運転を一旦停止
し、運転員がその機器を分解したり制御基板の1枚1枚
を抜き出したりして調査し、あるいは製作メーカがその
機器を自社に持ち帰って調査すること等により行われて
いた。
【0005】上記した従来の伝統的とも言えるプラント
の操業状態の監視では、運転員に対する依存度が大きな
ものとなっている。すなわち、運転員は、操業状態がい
つもと異なる場合には何らかの変化がプラントに発生し
たと判断し、適切な処置を取るようにする。例えば、自
動制御がうまく働かないと判断したのであれば、運転員
は手動運転に切り換える等の処置を取るようにする。あ
るいは、製品の品質に大きな変化が現れた場合も何らか
の変化がプラント内部に発生したと考えられる。例え
ば、定期修繕前に閉めた水系や油圧系のバルブを、運転
員が定期修繕終了時に開けるのを忘れたままで操業を開
始すると、ある機能が正常に働かないために製品品質に
悪影響が及ぶ場合がある。このような場合、運転員は、
品質の劣化をセンサで検知した後、一旦プラントの運転
を停止させた状態でどこに異常があるかについて調査を
行うようにする。
【0006】また、品質管理担当者など運転員以外の人
間により品質不良が発見される場合もある。例えば、圧
延ロール表面の疵が転写することにより鋼板につく小さ
な表面の疵等は、製品を遠方から目視により監視してい
る運転員では発見するのが困難であるため、製品に対す
る精査が可能な品質管理担当者によって見つけ出される
ことが多い。
【0007】更に、プラント内の機器の診断を行う場合
も、特別な機材を現場に持ち込まなければならないなど
人的作業を伴う場合が多く、運転員及びその他の者に対
する依存度が大きなものとなっている。例えば、ある電
動機の制御基板の不具合(半田付け不良や熱破壊等)が
徐々に進行する場合、その電動機の制御は次第におかし
くなるので、事前に不具合を発見するためには予防保全
として定期的に不具合基板の探索や診断を行うことが必
要になる。
【0008】上記した従来の伝統的手法による監視・診
断では運転員等に対する依存度が大きなために、これら
の者は少なからず労力の負担を強いられる結果となって
いる。特に、このような手法では、監視・診断のために
調査すべきデータは非常に多いものであり、また、異常
データ又は異常兆候を示すデータが他のデータの中に埋
没した状態になっているため、これらのデータを正確に
取り出すことが非常に困難になっている。このように、
従来の伝統的手法では、人的作業が多くなるために監視
・診断のためのコストが大きくなっている。また、この
ような手法では、作業ミスなどの人的ミスが発生するこ
とがあり、そのため製品品質の不良や操業阻害といった
事態を招くことがあった。もちろん、運転員等のための
マニュアル作成等によりこのような人的ミスの発生を防
止する対策も講じられているが完全に防止することは困
難である。
【0009】そこで、最近では、運転員等の労力を軽減
し、人的ミスに起因する不具合の発生を防止し得る監視
・診断手法としてシミュレータを利用する手法が次第に
多く採用されてきている。すなわち、プラントの運転状
態を模擬するシミュレータを作成し、プラントに加える
入力と同じ信号をこのシミュレータに加え、プラントの
出力とシミュレータとの出力を比較することにより、プ
ラントに異常があったか否かを調べる手法である。この
ようなシミュレータを用いる監視・診断手法によれば、
実際のプラントの運転状態と同じ状態をコンピュータ上
で作り出すことができるので、運転員は実際に現場に行
くことなく異常の発生を正確に監視・診断することがで
き、労力を大幅に軽減することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなシ
ミュレータを用いる手法ではプラント出力とシミュレー
タ出力との相違によりプラントに異常が発生しているこ
とを知ることができたとしても、プラントのどの個所に
異常に発生しているのかを即座に判断することはでき
ず、特に、複雑な構成のプラントでは異常発生個所を特
定することは非常に困難であった。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、シミュレータの模擬動作の解析によりプラントの
異常発生の有無について監視・診断を行う場合に、プラ
ントの異常発生個所を迅速且つ正確に特定することが可
能なプラント監視・診断システムを提供することを目的
としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、請求項1記載の発明は、プラントの運転
状態を模擬するためのモデルを作成し、このモデルの模
擬動作を解析することによりプラントでの異常発生の有
無について監視・診断を行うプラント監視・診断システ
ムにおいて、前記モデルとして作成され、前記異常発生
の有無について判定を行う際の基準となる模擬動作を行
う基準プラント特性モデルと、前記モデルとして作成さ
れ、診断対象となる運転状態に対応する模擬動作を行う
プラント特性モデルと、前記プラント及びこのプラント
の運転を制御するプラント制御装置からの正常時のプラ
ントデータを入力し、この入力に基づき前記基準プラン
ト特性モデルを同定すると共に、前記プラント及びこの
プラントの運転を制御するプラント制御装置からの診断
対象時のプラントデータを入力し、この入力に基づき前
記プラント特性モデルを同定するモデル同定手段と、前
記基準プラント特性モデルと前記プラント特性モデルと
を比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づ
き前記プラントでの異常発生の有無についての判定を行
う異常判定手段と、を備え、しかも、前記基準プラント
特性モデル及び前記プラント特性モデルは、予め設定さ
れた基準に従って階層化された複数のモデルにより構成
されるものである、ことを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記基準プラント特性モデル及び前記プラ
ント特性モデルは、前記プラントに係る伝達関数又は状
態方程式のうちの少なくともいずれか一方の表現形式に
より作成された基準プラント動特性モデル及びプラント
動特性モデルであり、前記モデル同定手段の同定は、前
記両モデルを表現する演算式のパラメータ又は次数を決
定することにより行うものである、ことを特徴とする。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記基準プラント特性モデル及び前記プラ
ント特性モデルは、前記プラントに係る統計解析手法の
関係式に基づく表現形式により作成された基準プラント
静特性モデル及びプラント静特性モデルであり、前記モ
デル同定手段は、前記両モデルを表現する演算式のパラ
メータを決定することにより行うものである、ことを特
徴とする。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の発明において、前記モデル同定手段に
よるプラント特性モデルの同定は、下位側階層に属する
ものから上位側階層に向かって順次行われるものであ
る、ことを特徴とする。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の発明において、前記モデル同定手段が
モデル同定のために用いる前記プラントデータは、前記
プラント及びプラント制御装置間の制御ループを一旦遮
断して開ループとし、同定対象に対応するプラント機器
に同定用信号のみを入力させたときに得られる制御量で
ある、ことを特徴とする。
【0017】請求項6記載の発明は、1乃至4のいずれ
かに記載の発明において、前記モデル同定手段がモデル
同定のために用いる前記プラントデータは、前記プラン
ト及びプラント制御装置間の制御ループを閉ループと
し、同定対象に対応するプラント機器に同定用信号と通
常運転時の制御信号との双方を入力させたときに得られ
る制御量である、ことを特徴とする。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の
いずれかに記載の発明において、前記異常判定手段は前
記プラント側から遠隔の地に設置されており、前記比較
手段からの比較結果を伝送ケーブルを介して入力すると
共に、その異常判定結果を伝送ケーブルを介して前記プ
ラント側に出力するものである、ことを特徴とする。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項1乃至6の
いずれかに記載の発明において、前記比較手段及び前記
異常判定手段の双方が前記プラント側から遠隔の地に設
置されており、前記比較手段は前記基準プラント特性モ
デル及び前記プラント特性モデルからのデータを伝送ケ
ーブルを介して入力し、前記異常判定手段はその異常判
定結果を伝送ケーブルを介して前記プラント側に出力す
るものである、ことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
に係るプラント監視・診断システムの構成を示すブロッ
ク図である。この図に示すように、本システムは、プラ
ント1を制御するプラント制御装置2と、データ収集装
置3と、プラント監視・診断装置4と、HMI(ヒュー
マン・マシン・インタフェース)装置11とを備えてい
る。そして、プラント監視・診断装置4は、モデル同定
手段5、プラント特性モデル6、基準プラント特性モデ
ル7、比較手段8、異常判定手段9、及びスイッチ手段
10を含んで構成されている。また、上記の各装置は、
プラント1周辺の所定地域すなわちプラント近傍地域1
2内に設置されている。
【0021】プラント1はプラント制御装置2により制
御されるようになっており、両者間で各種データの授受
が行われるようになっている。データ収集装置3は、プ
ラント1及びプラント制御装置2の双方からデータを収
集し、これを保存するようになっている。例えば、製鉄
所における薄板圧延プラントでは、プラント制御装置2
は、品質センサーの1つである板厚計で厚みを測定し、
この測定した厚みをフィードバック制御用に使用してい
るが、データ収集装置3は、このような測定値をデータ
として収集して保存している。また、製紙プラントにお
いては、坪量計で紙の厚みを測定するようになってお
り、プラント制御装置2はこの測定値をフィードバック
制御に使用するが、データ収集装置3はこの測定値をデ
ータとして収集するようにしている。データ収集装置3
内に蓄えられたこのようなデータは、従来から技術者の
解析用・同定用に供されたり、異常時の原因究明用とし
て用いられるようになっていた。
【0022】プラント監視・診断装置4内のプラント特
性モデル6は、プラント1の診断対象となる運転状態に
対応する模擬動作を行うシミュレータである。そして、
基準プラント特性モデル7は、プラント特性モデル6と
同様の模擬動作を行うものであるが、その模擬動作はプ
ラント特性モデル6の模擬動作を異常判定する際の基準
となり得るものであり、監視・診断時においてはその動
作が正常であることが確認されているものである。ま
た、これらプラント特性モデル6及び基準プラント特性
モデル7は階層化された複数のモデルにより構成されて
いる。このように階層化されたモデルにつき模擬動作を
行わせることにより、どの個所に異常が発生しているか
否かを迅速且つ正確に知ることができる。
【0023】上記のプラント特性モデル6及び基準プラ
ント特性モデル7は、パラメータ等の数値を用いた所定
の表現形式で表されており、プラント1の運転状態に対
応する模擬動作を行うためには、このパラメータ等の数
値を決定する必要がある。モデル同定手段5は、このパ
ラメータ等の数値を決定して、プラント特性モデル6及
び基準プラント特性モデル7の具体的モデル構成を同定
するための手段である。このようなモデル同定を行うた
め、モデル同定手段5は、プラント制御装置2に対して
同定用信号を出力し、その制御に関するデータすなわち
プラントデータを収集装置3から取得し、この取得した
プラントデータに基づき決定した上記のパラメータ等の
数値をプラント特性モデル6及び基準プラント特性モデ
ル7に出力するようになっている。なお、スイッチ手段
10は、モデル同定手段5から基準プラント特性モデル
7へデータ出力を行う際はオンになっているが、基準プ
ラント特性モデル7が同定された後はオフになる。
【0024】比較手段8は、プラント特性モデル6及び
基準プラント特性モデル7が模擬動作を行ったときのパ
ラメータ等の数値を比較し、その比較結果を異常判定手
段9及びHMI装置11に出力するようになっている。
異常判定手段9は、比較手段8の比較結果に基づき異常
発生の有無についての判定を行い、その判定結果をHM
I装置11に出力するようになっている。HMI装置1
1を操作する担当運転員は、この判定結果に応じて適切
な処置を講じることができる。
【0025】次に、図1の動作につき説明する。まず、
モデル同定手段5がプラント制御装置2に対して同定用
信号を出力すると、プラント制御装置2は、この同定用
信号に基づきプラント1に対する制御を行う。そして、
データ収集装置3は、そのときのプラント1及びプラン
ト制御装置2からのプラントデータを収集し、これをモ
デル同定手段5に出力する。モデル同定手段5は、この
入力したプラントデータに基づきパラメータ等の数値を
決定し、これをプラント特性モデル6及び基準プラント
特性モデル7に出力する。なお、このときスイッチ手段
10はオン状態になっている。
【0026】プラント特性モデル6及び基準プラント特
性モデル7は、前述したように、階層化された複数のモ
デルにより構成されているが、モデル同定手段5はこれ
ら全てのモデルに対する同定を行う。このときこれら両
モデル6,7に出力されるパラメータ等の数値は全く同
一のものであり、したがって、当初においてはプラント
特性モデル6と基準プラント特性モデル7とは互いに全
く同一のモデル構成となる。
【0027】モデル同定手段5は、全ての階層のプラン
ト特性モデル6及び基準プラント特性モデル7に対する
同定を終了し、更に、この同定時の前記のパラメータ等
の数値が正常であることを確認したならばスイッチ手段
10をオフ状態に切り換える。これにより、プラント監
視・診断装置4の監視・診断準備が完了する。
【0028】この状態で、プラント制御装置2がプラン
ト1に対して通常の運転制御を行うと、データ収集装置
3がプラント1及びプラント制御装置2からのプラント
データを入力し、これをモデル同定手段5に出力する。
モデル同定手段5は、入力したプラントデータに基づき
パラメータ等の数値を決定し、これを出力するが、この
ときスイッチ手段10はオフになっているので、プラン
ト特性モデル6に対してのみ出力が行われる。
【0029】比較手段8は、プラント特性モデル6及び
基準プラント特性モデル7の双方の各パラメータ等の数
値を入力し、両者の偏差を異常判定手段9に出力する。
この場合、プラント特性モデル6側のパラメータ等の数
値はプラント1の実際の運転状態に対応するものであ
り、一方、基準プラント特性モデル7側のパラメータ数
値は既に正常であることが確認されたものである。した
がって、異常判定手段9は、両者の数値間の誤差が所定
値以内であれば正常と判定し、所定値を超えていれば異
常と判定する。このときの比較手段8の比較結果、及び
異常判定手段9の判定結果はHMI装置11に出力され
る。
【0030】そして、比較手段8及び異常判定手段9に
よる比較及び判定は、プラント特性モデル6を構成する
全ての階層のモデルに対して行われるので、HMI装置
11と対話を行う運転員は、これら上位側モデルから下
位側モデルにわたる判定結果にもとづき異常発生個所を
容易に絞り込むことができる。
【0031】上記のように、図1に示した第1の実施形
態によれば、運転員は実際に現場に行くことなくプラン
トにおける異常発生の有無について監視・診断を行うこ
とができ、更に、その異常発生個所の特定を迅速且つ容
易に行うことができる。また、経年変化によりプラント
1の特性は次第に変化してくるため、ある程度の期間が
経過すると基準プラント特性モデル7の構成を変更して
やる必要が生じるが、このような場合、運転員はスイッ
チ手段10をオンにして、モデル同定手段5による同定
をやり直すことで容易に対処することができる。
【0032】ところで、上記の第1の実施形態では特に
言及しなかったが、プラント特性には動特性と静特性と
がある。動特性とは、プラントを起動又は停止するとき
のような過渡期間中における特性のことであり、静特性
とはプラントの運転が安定した状態になっている安定期
間中における特性のことである。第1の実施形態におけ
るプラント特性モデル6及び基準プラント特性モデル7
は、いずれの特性についても対応し得るものであること
を前提としているが、実際には、動特性を対象にする場
合と、静特性を対象にする場合とでは、その表現形式が
異なるものとなる。そこで、以下では、動特性を対象に
したシステムを第2の実施形態として説明し、静特性を
対象にしたシステムを第3の実施形態として説明する。
【0033】図2は、本発明の第2の実施形態に係るプ
ラント監視・診断システムの構成を示すブロック図であ
る。図2が図1と異なる点は、図1のプラント特性モデ
ル6及び基準プラント特性モデル7がそれぞれプラント
動特性モデル6A及び基準プラント動特性モデル7Aに
置き換わっている点のみである。
【0034】この実施形態では、プラント動特性モデル
6A及び基準プラント動特性モデル7Aを表現する形式
として2つの形式を説明する。第1の形式は伝達関数を
用いる形式であり、第2の形式は状態方程式を用いる形
式である。本実施形態は、第1及び第2の双方の形式を
用いる形態、あるいはいずれか一方のみを用いる形態の
いずれであってもよい。
【0035】まず、伝達関数を用いる第1の表現形式に
つき説明する。伝達関数をG(s)とすると、このG(s)は一
般に下記の(1)式により表すことができる。(1)式
において、sはラプラス演算子、nは伝達関数の次数、
an-1,…,a1,a0、bn-1,…,b1,b0は伝達関数の特性を
表すパラメータである。ここで、伝達関数は入出力関係
を表す手法であり、入力U(s)が与えられたとき、出力Y
(s)を表現する式は(2)式で与えられる。そして、
(1)式の分母を0とおきsについて解いた根(極とい
う)を要素に持つ多項式と、分子を0とおきsについて
解いた根(ゼロ点という)を要素に持つ多項式とで
(1)式を書き改めることにより(3)式が得られる。
(3)式において、αは極であり、βはゼロ点である。
これらは一般に複素数であるが、実数の場合もある。
【0036】
【数1】 伝達関数の特徴として、すべての極αの実数部がマイナ
ス(−)であれば、伝達関数は安定であり、1つでもプ
ラス(+)の極があれば伝達関数全体が不安定(振動・
発散してしまうこと)になるという性質がある。但し、
極がマイナス(−)である場合においても、その極が原
点から遠い地点にあればプラント全体としては振動的に
なりにくいが、原点に近い地点にある場合には条件によ
っては振動的になる場合がある。
【0037】図4は、ラプラス演算子sを複素数として
表し、(4)式で表される伝達関数G(s)の分母におい
て、横軸に実数部、縦軸に虚数部を取ったいわゆるs平
面の一例を表している。この(4)式の分子は任意のs
に関する多項式である。分母=0とおいた時のsの解を
プロットするとs平面が得られる。図4に示されるよう
に、ある伝達関数の中に、点A(s=0.1)のような虚軸よ
り右側に位置する点すなわち実数部が(+)のsが1つ
でもある場合、伝達関数は全体が不安定になる。つまり
(4)式の場合は、不安定である。一方、点B(s=-1/
3)〜点F(s=-7)までに示すように、全てのsの実数部
が(−)である場合は安定である。つまり、もし伝達関
数が(4)式でなく、(5)式で表されているならば、
その伝達関数は安定である。
【0038】
【数2】 また、伝達関数は次のような性質も持っている。例え
ば、点Fと点Eのいずれかが伝達関数内にある場合は、よ
り原点に近い点Fがある方がより速い応答をする部分を
内包することになる。あるいは、極に虚数を含む場合は
振動的になり、すべての極が実数ならば振動的にはなら
ない。更に、ゼロ点((4)式で分子g(s)=0とおい
て得られるsの解)は、実数部が(+)であっても不安
定にならないが、振動的になりやすい。したがって、こ
のような性質を有する伝達関数の極やゼロ点を調べるこ
とで、伝達関数の全体の挙動を知ることができる。
【0039】それ故、同定したモデルを伝達関数で表す
ことにすれば、(3)式の形に記述して極及びゼロ点を
求めることにより、同定対象となるプラントの全体ある
いは一部について、安定又は不安定のいずれであるか、
あるいは振動的であるか否かについて判定することがで
きる。また、基準となるモデルにおいて振動的でない原
点から遠方の位置の極を示していたものが、現状を同定
した結果、原点に近づいて来たのなら、何らかの変化が
生じて振動的になりつつあり、制御系に異常が生じてい
る可能性があると推測することができる。
【0040】このように、プラント動特性モデル6A及
び基準プラント動特性モデル7Aの表現形式として伝達
関数を選択することとすれば、プラントの動特性を的確
に表現する特性パラメータとして伝達関数の極やゼロ点
を用いることができる。なお、この場合、モデル同定手
段5がデータ収集装置3からのプラントデータの入力に
基づき決定する「パラメータ等の数値」とは、例えば、
(1)式におけるan-1,…,a1,a0、bn-1,…,b1,b0
等のパラメータの値、及び伝達関数の次数nなどであ
る。また、プラント動特性モデル6Aの次数は、基準プ
ラント動特性モデル7Aの次数に合わせるようにする。
つまり、一般に、実機データを用いて同定されるモデル
の次数は高くなりやすいので、モデルの低次元化処理を
基準プラント動特性モデル7Aの次数と同じにすること
が好ましい。これにより比較手段8は、パラメータ同士
の比較を容易に行うことができる。
【0041】次に、状態方程式を用いる第2の表現形式
につき説明する。状態方程式は、一般に、(6)〜
(8)式の形で表すことができる。これらの式におい
て、xは状態ベクトル、uは操作量ベクトル、yは出力
ベクトルである。なお、一般のプラントではD=0の場
合が多い。そして、状態方程式は(9)式を用いて伝達
関数に変換することができる(この式におけるIは単位
行列)。したがって、状態方程式でモデルが表現された
場合も、安定又は不安定のいずれであるか、あるいは振
動的であるか否かについての判定を、一旦、伝達関数に
変換して行うこともできる。
【0042】
【数3】 そして、状態方程式でモデルが表現された場合における
安定/不安定についての判定は、(8)式における行列
Aの内容を調べることにより行う。すなわち、行列Aの
固有値の実数部が全て負の場合は安定である。なお、状
態方程式を用いた場合における安定性を「内部安定性」
と呼び、一方、伝達関数を用いた場合における安定性を
「外部安定性」と呼ぶことがある。状態方程式を用いた
場合の特徴は、入出力関係に現れない不安定性について
も抽出できることである。これに対し、伝達関数を用い
た場合、全ての極が原点よりマイナス側にあれば安定と
判別できるが、これは極を観測できる場合のことであ
り、極を観測できない場合は不安定さを知ることができ
ない。但し、極を観測できる場合に不安定さが分かれば
問題はない。
【0043】上記のように、図2におけるプラント動特
性モデル6A及び基準プラント動特性モデル7Aは、伝
達関数及び状態方程式のいずれか一方又は双方を用いた
表現形式を取ることができるが、この実施形態では双方
を用いた表現形式であるものとする。比較手段8は、プ
ラント動特性モデル6A及び基準プラント動特性モデル
7Aについて伝達関数表現による極及びゼロ点の差を明
確にし、また、状態方程式表現による内部安定性の差を
明確にする。そして、この比較結果はHMI装置11に
出力され、運転員や保守員の注意が喚起される。
【0044】異常判定手段9は、比較手段8の比較結果
すなわち伝達関数表現による極及びゼロ点の差並びに状
態方程式表現による内部安定性の差が設定値を超えた場
合に異常と判定し、そうでない場合に正常と判定し、こ
の判定結果をHMI装置11に出力する。
【0045】ここで、モデル同定手段5による同定動作
につき説明する。なお、一般には、「システム同定」と
いう表現が用いられるが、本発明では「モデル同定」と
いう表現を用いている。図5(a)は、モデル同定手段
5による同定が開ループ制御において行われる場合を示
す制御ブロック図、図5(b)は閉ループ制御において
行われる場合を示す制御ブロック図である。
【0046】図5(a)において、伝達関数C(s)を有す
るプラント制御装置2内の制御器13と、伝達関数P(s)
を有するプラント1内の制御対象機器14とは切換スイ
ッチ15を介して接続されている。減算器16は、図示
を省略してある指令回路からの目標値と制御対象機器1
4からフィードバックされる制御量との偏差を制御器1
3に出力し、制御器13はこの偏差がゼロになるように
制御対象機器14に対して制御を行う。切換スイッチ1
5の接点は通常運転時には端子a側に位置しているが同
定時には端子b側に切り換わり、開ループとなる。そし
て、モデル同定手段5からの同定用信号が制御対象機器
14に入力され、この入力に基づく制御量がモデル同定
手段5に出力される。モデル同定手段5は、この制御対
象機器14からの制御量をプラントデータとして入力
し、前述したパラメータ等の数値を決定する。
【0047】このような開ループにおける同定は、一旦
制御ループを切断し、同定対象にのみ同定用信号を加え
る手法であり、同定時には制御器13が働かないため制
御系が不安定になることがある。しかし、同定対象から
は直接の応答信号を得ることができるので、同定が容易
であるという長所がある。
【0048】これに対し、図5(b)の場合は、制御器
13と制御対象機器14との間に加算器17が設けられ
た閉ループとなっており、制御対象機器14には制御器
13からの操作量にモデル同定手段5からの同定用信号
が加わった信号が入力されるようになっている。すなわ
ち、図5(b)の場合は、制御ループを切断することな
く、プラントの運転を継続した状態で同定用信号を入力
する構成となっており、常に制御器13が働いているた
め制御系が不安定になることはない。したがって、この
ような閉ループにおける同定は、既設プラントに対して
好適である。なお、このような閉ループにおいて同定を
行った場合、伝達関数C(s)の制御器13を含んだ同定と
なるが、C(s)は既知であり、これを除いてP(s)のみを取
り出すことが可能である。
【0049】なお、システム同定手法としては、外部入
力のある自己回帰モデル(ARXモデル)が用いられる
ことが多い。この同定手法については、例えば、「MA
TLABによる制御のためのシステム同定」(足立修一
著 東京電機大学出版局)に記載されている。
【0050】次に、図2の実施形態に適用されるプラン
ト1の具体的な構成例を図6を参照しつつ説明する。こ
の構成例は、熱間圧延設備全体をプラント1として考え
たものであり、図6には図面の都合上この熱間圧延設備
の一部のみを図示している。
【0051】図6において、圧延材18は一対の圧延ス
タンド19a,19bを通過するようになっており、こ
れらのスタンド間における圧延材18の張力はルーパ2
0により制御されるようになっている。圧延スタンド1
9a,19bは、圧延ロール21a,21b、主電動機
22a,22b、及び油圧シリンダで駆動される圧下制
御装置23a,23bにより構成されている。ルーパ2
0のルーパ角度はルーパ電動機24により制御されるよ
うになっており、圧延材18の張力の値はルーパ20の
下方に配設されているロードセル25により検出される
ようになっている。また、下流側圧延スタンド19bの
出側には品質センサ26が配設されており、圧延材18
の板厚が測定されるようになっている。
【0052】主電動機22a,22bは、速度制御装置
27a,27bにより速度制御されるようになってい
る。圧下制御装置23a,23bは、位置制御装置28
による各油圧シリンダの位置制御に基づき圧下量が制御
されるようになっている。ルーパ電動機24は、トルク
制御装置29によりトルクが制御されるようになってお
り、ロードセル25からの検出信号は張力検出装置30
に入力されるようになっている。また、品質センサ26
からの検出信号は板厚制御装置31に入力されるように
なっている。
【0053】そして、速度制御装置27a,27b、位
置制御装置28、トルク制御装置29、張力検出装置3
0、及び板厚制御装置31はLAN32に接続されてお
り、これらの制御信号及び検出信号等はプラント制御装
置2を介してあるいは直接にデータ収集装置3に送られ
るようになっている。
【0054】次に、本発明では、プラントの模擬動作を
行うモデルは階層化されたものとなっているが、この階
層化の具体例につき説明する。図7(a)は実際の熱間
圧延設備の構成例を示す斜視図であり、図7(b)はこ
れに対応して階層化されたモデルの説明図である。
【0055】図7(a)に示すように、熱間圧延設備3
3は、加熱炉34、粗圧延機35、仕上圧延機36、ラ
ンアウトテーブル37、及び巻取り機38により構成さ
れている。
【0056】また、図7(b)に示すように、プラント
に対応するモデルは第1段〜第5段に階層化されてい
る。すなわち、第1段モデルは熱間圧延設備対象モデル
33Mであり、第2段モデルは、加熱炉制御対象モデル
34M、粗圧延機制御対象モデル35M、仕上圧延機制
御対象モデル36M、ROT制御対象モデル37M、及
び巻取り機制御対象モデル38Mにより構成されてい
る。そして、第3段以降は図面の都合上、代表例として
仕上圧延機制御対象モデル36Mの下位に属する一部の
モデルのみを図示している。
【0057】すなわち、第3段モデルとして、第1,第
2スタンド間対象モデル39M、…、第6,第7スタン
ド間対象モデル40Mが設定されており、第4段モデル
として、第1,第2スタンド間対象モデル39Mの下位
に属する板厚制御対象モデル41M、ルーパ制御対象モ
デル42M等が設定されている。そして、第5段モデル
として、板厚制御対象モデル41Mの下位に属する油圧
圧下対象モデル43Mと、ルーパ制御対象モデル42M
の下位に属する主電動機制御対象モデル44M及びルー
パ角度制御対象モデル45Mとが設定されている。図6
に図示されていた各プラント機器は、図7(b)におけ
る第3段以降のモデルに対応するものである。
【0058】図8は、図7(b)の第4段モデルとして
設定されたルーパ制御対象モデル42Mに対応する制御
ブロック図である。この図において、減算器46は、ル
ーパ角度目標値θREFとルーパ角度θとの偏差を、伝達
関数Gc(s)を有するコントローラ47に出力し、コント
ローラ47はこの入力に基づき圧延ロール速度指令値V
R-REFを、伝達関数1/(1+Ts)を有する主電動機速
度応答制御ブロック48に出力する。制御ブロック48
は、この入力に基づき実績値となる出力信号VRを出力
する。加算器49は、この出力VRに速度外乱を加えた
ものをルーパ角速度応答制御ブロック50に出力する。
制御ブロック50は、この入力に基づきルーパ角速度ω
を出力し、積分器51はこの角速度ωを積分してルーパ
角度θを出力する。
【0059】図8の制御ループは閉ループであり、モデ
ル同定手段5が同定を行う場合は、ルーパ角度目標値θ
REFを変化させて、圧延ロール速度指令値VR-REF、及び
ルーパ角度θについてのデータを取得する。これら取得
したデータにより、ルーパ角度目標値θREFの入力から
ルーパ角度θの出力までの閉ループ伝達関数が同定され
る。そして、コントローラの伝達関数Gc(s)は既知であ
るため、同定された閉ループ伝達関数からコントローラ
の伝達関数Gc(s)を差し引いて、制御ブロック48から
積分器51までの伝達関数G(s)を(10)式で表すこと
ができる。この(10)式におけるζは減衰係数、ωn
は共振周波数である。ここで、既により正確な主電動機
速度応答を表す時定数Tが求められているので、これを
(10)式に反映することにより、伝達関数G(s)を(1
1)式により表すことができる。(11)式中のパラメ
ータζ、ωnは、圧延材料の特性や圧延状態、あるいは
ルーパ電動機の制御によって変化するが、圧延材の鋼種
や厚み等でほぼ分類できるので、これらのパラメータが
変化する範囲を限定することができる。
【0060】
【数4】 なお、実際には主電動機制御の下位制御としてトルク制
御等もあるが、ここではデータ収集装置3で収集できる
データのうち最も下位レベルのデータが主電動機速度で
あると仮定している。したがって、もし更に下位レベル
のデータが収集可能であると仮定するならば、このよう
な速度制御モデルの下位に属するトルク制御モデルにつ
いても同定することができる。
【0061】また、図7(b)に示した階層化モデルか
ら明らかなように、図8の閉ループ制御系において同定
したルーパ制御対象モデル42Mに板厚制御対象モデル
41Mを加えて第1,第2スタンド間対象モデル39M
とすることができる。このように、ある階層のモデルを
同定する場合は、下位側のモデルを先に同定し、その結
果を使用することで上位側のモデルを正確に同定するこ
とが好ましい。これは、下位側のモデルになるほどモデ
ル構成が簡単になるため、その分正確な同定が可能にな
るからである。
【0062】このようにして同定が行われたプラント動
特性モデル6A及び基準プラント動特性モデル7Aを比
較手段8が比較した場合、制御ブロック48の速度応答
特性を示す時定数Tが主電動機やその駆動装置の状態に
よって変化している可能性がある。例えば、基準プラン
ト動特性モデル7A側ではT=0.1(秒)であったも
のがプラント動特性モデル6A側ではT=0.2(秒)
と応答が遅くなっていたとすれば主電動機22a,22
bまわりに何らかの異常が発生していると推定すること
ができる。
【0063】また、(11)式中の減衰係数ζは、制御
対象の振動の度合いを示す指標となり得るものであり、
この値が小さなものほど振動が発生しやすくなっている
ということができる。したがって、例えば、基準プラン
ト動特性モデル7A側ではζ=0.4であったものがプ
ラント動特性モデル6A側ではζ=0.2になっていた
とすれば、ルーパ電動機24まわりに何らかの異常が発
生していると推定することができる。
【0064】そして、異常判定手段9の判定基準とし
て、予め各階層のプラント動特性モデル6A側のパラメ
ータ等の数値が基準プラント動特性モデル7A側の数値
から何%以上ずれたら異常と判別するかにつき許容範囲
が決められており、この許容範囲から逸脱した場合に、
異常判定手段9は異常であることを判別する。この場
合、振動・不安定方向、つまり伝達関数表現における極
の原点方向への移動および実軸から遠方への離間につい
て、移動距離及び離間距離についての許容値を厳密に決
めておく必要がある。
【0065】なお、設備の稼動年数が長くなるにつれて
保守に力を入れても経年劣化する場合があり、一定期間
が経過したら基準プラント動特性モデル7A側の更新が
必要なことは既述したとおりである。また、プラント内
の設備機器を入れ換えた場合、それがプラントの各階層
のモデルに影響する虞があるので、この場合にも基準プ
ラント動特性モデル7A側の更新が必要である。
【0066】図3は、本発明の第3の実施形態に係るプ
ラント監視・診断システムの構成を示すブロック図であ
る。図3が図1と異なる点は、図1のプラント特性モデ
ル6及び基準プラント特性モデル7がそれぞれプラント
静特性モデル6B及び基準プラント静特性モデル7Bに
置き換わっている点のみである。
【0067】この実施形態では、プラント静特性モデル
6B及び基準プラント静特性モデル7Bを統計解析手法
の関係式により表現している。例えば、プラントのある
状態変数yが他の状態変数x1,x2,…,xnによって
表されることが分かっており、これらy,x1,x2,
…,xnのデータ数が多い場合には、yを従属変数、x
1,x2,…,xnを独立変数、a0,a1,a2…anを特
性パラメータ(回帰係数)として、yを(12)式で表
すことができる。
【0068】
【数5】 例えば、図7(a)に示されている仕上圧延機入側材料
温度TFEと仕上圧延機出側材料温度TFDとの差として表
される材料温度降下分(TFE−TFD)に対して、仕上圧
延機36のスタンド間に設置されている冷却水流量Q
1,Q2,…,Qnが与える影響を調べるための静特性モ
デルを同定する場合につき考えてみる。この場合は、従
属変数をy=TFE−TFDとし、独立変数をx1=Q1,x
2=Q2,…,xn=Qnとして、(12)式を適用するこ
とができる。そして、この(12)式における特性パラ
メータa0,a1,a2…anの値は一般的な回帰分析の手
法により求めることができる。
【0069】図9は、上記の特性パラメータa0,a1,
a2…anの求め方についての説明図であり、(a)は複
数種類のプラントデータを実機からある周期毎に採取し
て得られるテーブルTb1と、これらのプラントデータの
m回分を1個のデータウィンドとしてまとめた場合にお
ける各データウィンド毎の特性パラメータの値を示すテ
ーブルTb2とを示す説明図、(b)は特性パラメータa
0,a1,a2…anのいずれかについてデータウィンド毎
の値を時系列的に表した説明図である。
【0070】テーブルTb1に示すように、板厚、温度、
冷却水流量、圧延加重…等のプラントデータについて第
1回目に採取されたものが「データ1」、第2回目に採
取されたものが「データ2」であり、同様に第m回目に
採取されたものが「データm」である。そして、「デー
タ1」〜「データm」までをデータウィンドDW1、
「データ2」〜「データm+1」までをデータウィンド
DW2、というようにデータウィンドを作成していき、
各データウィンド毎の特性パラメータの値を統計的手法
により決定していく。このような各データウィンド毎の
特性パラメータの値を時系列的に繰り返しプロットして
得られたグラフが図9(b)である。
【0071】例えば、もし冷却水流量を制御するバルブ
等に故障が発生した場合、圧延操業を中止するほどの大
きな影響はないものの、徐々にその影響が大きくなるた
め、故障した個所の回帰係数すなわち特性パラメータの
値は異常な値となる。図7(b)では、データウィンド
DWN-2,DWN-1,DWNにおける特性パラメータが異
常値になっていることを示している。
【0072】比較手段8は、各階層におけるプラント静
特性モデル6Bの特性パラメータを基準プラント静特性
モデル7Bの特性パラメータと比較し、異常判定手段9
は前者の値が後者の値の許容変化変化領域から逸脱して
いる場合に異常が発生していると判定する。
【0073】なお、モデル同定の際のデータ収集間隔
(サンプリングピッチ)について説明すると、動特性モ
デルに対して同定を行う場合のサンプリングピッチは短
くする必要がある。一般に、周期的に変動するデータに
基づき同定を行う場合は、その周期の1/10程度のサ
ンプリングピッチが必要であるが、ステップ応答等のデ
ータに基づき同定を行うときには、応答開始から完了ま
での時間の1/5〜1/10程度のサンプリングピッチ
が必要である。例えば、ステップ応答のデータで、応答
完了までの時間が0.1秒であったとすると、サンプリ
ングピッチが0.01〜0.02秒であれば同定できる
ことになる。これに対し、静特性モデルの同定の場合に
は、このようなサンプリングピッチの制約はなく、高速
でデータ収集する必要はない。
【0074】図10は、本発明の第4の実施形態に係る
プラント監視・診断システムの構成を示すブロック図で
ある。第1乃至第3の実施形態では、プラント近傍地域
12内に全ての構成要素が設置されており、プラント所
有者自身がプラントの全ての監視・診断を行うものであ
った。しかし、複雑な構成を有するプラントの場合、監
視・診断結果について一定レベル以上の正確性を確保す
ると共に、監視・診断結果から異常内容や傾向・予兆等
などの種々の情報を読み取ることを期待するならば高度
な専門的知識が必要となる。そこで、この実施形態では
このような期待に答えるべく、最終的な異常判定結果を
システムメーカやシステムサービス会社(以下、「シス
テム管理会社」と呼ぶ)が行うのに好適な構成としたも
のである。なお、通常、システム管理会社は有償にてこ
のような監視・診断業務を行うことになる。
【0075】図10において、プラント監視・診断装置
4Cは、モデル同定手段5、プラント特性モデル6、基
準プラント特性モデル7、比較手段8、及びスイッチ手
段10を含んで構成されている。プラント近傍地域12
外の遠隔の地に位置するシステム管理会社にはシステム
管理会社側通信装置52が設置されており、これに異常
判定手段9が設けられている。そして、比較手段8から
の比較結果は伝送ケーブル53を介して異常判定手段9
に伝送されるようになっている。また、異常判定手段9
の判定結果はプラント近傍地域12内に居るプラント管
理者が保有するプラント管理者側通信装置54に送信さ
れるようになっている。
【0076】このような構成によれば、プラント所有者
側からシステム管理会社側へのデータ伝送量の増大を抑
制することができる。つまり、システム管理会社側で最
終的な異常判定を行うのであれば、プラント監視・診断
装置4C自体をシステム管理会社に設置する構成が通常
考えられるところであるが、それではデータ収集装置3
からの多量のデータを遠隔地に伝送することになり、デ
ータ伝送に要する時間及びコストが増大してしまうこと
になる。しかし、図10の構成ではプラント監視・診断
装置4の一部である異常判定手段9のみを遠隔地に設置
しているので、比較手段8からの限られたデータのみを
長距離にわたって伝送すればよいことになる。したがっ
て、データ伝送に要する時間及びコストの増大を抑制す
ることができる。
【0077】さらに大量のデータの中に埋没しがちな貴
重な情報を、モデルパラメータという陽の形で表示する
ことができるため、監視および診断を即時に行うことが
でき、業務の効率化及びコストダウンを図ることができ
る。
【0078】図11は、本発明の第5の実施形態に係る
プラント監視・診断システムの構成を示すブロック図で
ある。図11が図10と異なる点は、プラント監視・診
断装置4Dから比較手段8が取り除かれ、これがシステ
ム管理会社側通信装置52A内に異常判定手段9と共に
設けられている点である。
【0079】この実施形態によれば、システム管理会社
側は異常判定手段9の判定データだけでなく、比較手段
8の比較データについても入手できるので、図10の構
成に比べてより深い分析を行うことが可能になる。
【0080】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、シミュ
レータの模擬動作の解析によりプラントの異常発生の有
無について監視・診断を行う場合に、プラントの異常発
生個所を迅速且つ正確に特定することが可能なプラント
監視・診断システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプラント監視・
診断システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るプラント監視・
診断システムの構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るプラント監視・
診断システムの構成を示すブロック図。
【図4】図2におけるモデル6A,7Aの表現形式の一
つである伝達関数についてのs平面を示した説明図。
【図5】図2におけるモデル同定手段5による同定を説
明するための制御ブロック図であり、(a)は開ループ
制御の場合、(b)は閉ループ制御の場合を示す。
【図6】図2の第2の実施形態に適用されるプラント1
の具体的な構成例を示すブロック図。
【図7】図6に示されたプラント1の具体的な構成例で
ある熱間圧延設備についての説明図であり、(a)は実
際の熱間圧延設備の構成例を示す斜視図、(b)はこれ
に対応して階層化されたモデルの説明図である。
【図8】図7(b)の第4段モデルとして設定されたル
ーパ制御対象モデル42Mに対応する制御ブロック図。
【図9】図3の第3の実施形態における特性パラメータ
a0,a1,a2…anの求め方についての説明図であり、
(a)は複数種類のプラントデータを実機からある周期
毎に採取して得られるテーブルTb1と、これらのプラン
トデータのm回分を1個のデータウィンドとしてまとめ
た場合における各データウィンド毎の特性パラメータの
値を示すテーブルTb2とを示す説明図、(b)は特性パ
ラメータa0,a1,a2…anのいずれかについてデータ
ウィンド毎の値を時系列的に表した説明図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るプラント監視
・診断システムの構成を示すブロック図。
【図11】本発明の第5の実施形態に係るプラント監視
・診断システムの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 プラント 2 プラント制御装置 3 データ収集装置 4 プラント監視・診断装置 5 モデル同定手段 6 プラント特性モデル 6A プラント動特性モデル 6B プラント静特性モデル 7 基準プラント特性モデル 7A 基準プラント動特性モデル 7B 基準プラント静特性モデル 8 比較手段 9 異常判定手段 10 スイッチ手段 11 HMI装置 12 プラント近傍地域 13 制御器 14 制御対象機器 15 切換スイッチ 16 減算器 17 加算器 18 圧延材 19a,19b 圧延スタンド 20 ルーパ 21a,21b 圧延ロール 22a,22b 主電動機 23a,23b 圧下制御装置 24 ルーパ電動機 25 ロードセル 26 品質センサ 27a,27b 速度制御装置 28 位置制御装置 29 トルク制御装置 30 張力検出装置 31 板厚制御装置 32 LAN 33 熱間圧延設備 34 加熱炉 35 粗圧延機 36 仕上圧延機 37 ランアウトテーブル 38 巻取り機 33M 熱間圧延設備対象モデル 34M 加熱炉制御対象モデル 35M 粗圧延機制御対象モデル 36M 仕上圧延機制御対象モデル 37M ROT制御対象モデル 38M 巻取り機制御対象モデル 39M 第1,第2スタンド間対象モデル 40M 第6,第7スタンド間対象モデル 41M 板厚制御対象モデル 42M ルーパ制御対象モデル 43M 油圧圧下対象モデル 44M 主電動機制御対象モデル 45M ルーパ電動機対象モデル 52 システム管理会社側通信装置 53 伝送ケーブル 54 プラント管理者側通信装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラントの運転状態を模擬するためのモデ
    ルを作成し、このモデルの模擬動作を解析することによ
    りプラントでの異常発生の有無について監視・診断を行
    うプラント監視・診断システムにおいて、 前記モデルとして作成され、前記異常発生の有無につい
    て判定を行う際の基準となる模擬動作を行う基準プラン
    ト特性モデルと、 前記モデルとして作成され、診断対象となる運転状態に
    対応する模擬動作を行うプラント特性モデルと、 前記プラント及びこのプラントの運転を制御するプラン
    ト制御装置からの正常時のプラントデータを入力し、こ
    の入力に基づき前記基準プラント特性モデルを同定する
    と共に、前記プラント及びこのプラントの運転を制御す
    るプラント制御装置からの診断対象時のプラントデータ
    を入力し、この入力に基づき前記プラント特性モデルを
    同定するモデル同定手段と、 前記基準プラント特性モデルと前記プラント特性モデル
    とを比較する比較手段と、 前記比較手段の比較結果に基づき前記プラントでの異常
    発生の有無についての判定を行う異常判定手段と、 を備え、しかも、前記基準プラント特性モデル及び前記
    プラント特性モデルは、予め設定された基準に従って階
    層化された複数のモデルにより構成されるものである、 ことを特徴とするプラント監視・診断システム。
  2. 【請求項2】前記基準プラント特性モデル及び前記プラ
    ント特性モデルは、前記プラントに係る伝達関数又は状
    態方程式のうちの少なくともいずれか一方の表現形式に
    より作成された基準プラント動特性モデル及びプラント
    動特性モデルであり、 前記モデル同定手段の同定は、前記両モデルを表現する
    演算式のパラメータ又は次数を決定することにより行う
    ものである、 ことを特徴とする請求項1記載のプラント監視・診断シ
    ステム。
  3. 【請求項3】前記基準プラント特性モデル及び前記プラ
    ント特性モデルは、前記プラントに係る統計解析手法の
    関係式に基づく表現形式により作成された基準プラント
    静特性モデル及びプラント静特性モデルであり、 前記モデル同定手段は、前記両モデルを表現する演算式
    のパラメータを決定することにより行うものである、 ことを特徴とする請求項1記載のプラント監視・診断シ
    ステム。
  4. 【請求項4】前記モデル同定手段によるプラント特性モ
    デルの同定は、下位側階層に属するものから上位側階層
    に向かって順次行われるものである、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプ
    ラント監視・診断システム。
  5. 【請求項5】前記モデル同定手段がモデル同定のために
    用いる前記プラントデータは、前記プラント及びプラン
    ト制御装置間の制御ループを一旦遮断して開ループと
    し、同定対象に対応するプラント機器に同定用信号のみ
    を入力させたときに得られる制御量である、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプ
    ラント監視・診断システム。
  6. 【請求項6】前記モデル同定手段がモデル同定のために
    用いる前記プラントデータは、前記プラント及びプラン
    ト制御装置間の制御ループを閉ループとし、同定対象に
    対応するプラント機器に同定用信号と通常運転時の制御
    信号との双方を入力させたときに得られる制御量であ
    る、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプ
    ラント監視・診断システム。
  7. 【請求項7】前記異常判定手段は前記プラント側から遠
    隔の地に設置されており、前記比較手段からの比較結果
    を伝送ケーブルを介して入力すると共に、その異常判定
    結果を伝送ケーブルを介して前記プラント側に出力する
    ものである、 ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプ
    ラント監視・診断システム。
  8. 【請求項8】前記比較手段及び前記異常判定手段の双方
    が前記プラント側から遠隔の地に設置されており、前記
    比較手段は前記基準プラント特性モデル及び前記プラン
    ト特性モデルからのデータを伝送ケーブルを介して入力
    し、前記異常判定手段はその異常判定結果を伝送ケーブ
    ルを介して前記プラント側に出力するものである、 ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプ
    ラント監視・診断システム。
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