JP2020034837A - 光方向制御装置 - Google Patents

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乗松 孝好
Takayoshi Norimatsu
孝好 乗松
航平 山ノ井
Kohei Yamanoi
航平 山ノ井
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Abstract

【課題】簡易な構成で光の進行方向を制御する。【解決手段】光方向制御装置(100)は、第1電極(110)と、第2電極(120)と、第1液晶層(130)とを備える。第1液晶層(130)は、第1電極(110)と第2電極(120)との間に位置する。第1電極(110)は、第1端部(110a)と、第2端部(110b)とを有する。第1端部(110a)は、第1電源(210)に接続される。第2端部(110b)は、接地される。【選択図】図2

Description

本発明は、光方向制御装置に関する。
光は、照明、加工および通信だけでなく種々の用途で利用される。光の方向を制御するために、液晶を用いることが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1には、互いに対向する2つの基板のそれぞれに透明電極パターンを形成し、2つの透明電極パターンに印加される電位差を調節した制御装置が記載されている。特許文献1の制御装置では、液晶層の屈折率を調節することで、制御装置を通過する光の方向および形状を制御している。
特開2009−500671号公報
特許文献1の制御装置では、微細な透明電極パターンを形成することが必要であり、簡易な構成で光の進行方向を制御できなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で光の進行方向を制御可能な光方向制御装置を提供することにある。
本発明による光方向制御装置は、第1電極と、第2電極と、第1液晶層とを備える。前記第1液晶層は、前記第1電極と前記第2電極との間に位置する。前記第1電極は、第1端部と、第2端部とを有する。前記第1端部および前記第2端部のうちの一方は第1電源に接続され、前記第1端部および前記第2端部のうちの他方は接地される。
ある実施形態では、前記第2電極は接地される。
ある実施形態では、前記第1電源が電圧を印加しない場合、前記第1液晶層に入射する光は進行方向を変化せずに前記第1液晶層を通過し、前記第1電源が電圧を印加する場合、前記第1液晶層は入射する光は進行方向を変化して前記第1液晶層を通過する。
ある実施形態では、前記光方向制御装置は、切替部をさらに備え、前記切替部は、前記第1電極の前記第1端部が前記第1電源に接続され、前記第1電極の前記第2端部が接地される状態と、前記第1電極の前記第1端部が接地され、前記第1電極の前記第2端部が前記第1電源に接続される状態とを切り替える。
ある実施形態では、前記光方向制御装置は、前記第1電極および前記第2電極の一方に対して、前記第1液晶層とは反対側に配置された反射部材をさらに備える。
ある実施形態では、前記光方向制御装置は、第3電極と、第4電極と、前記第3電極と前記第4電極との間に位置する第2液晶層とをさらに備え、前記第4電極は、第2電源と接続された第1端部と、接地された第2端部とを有する。
ある実施形態では、前記第3電極は接地される。
ある実施形態では、前記第4電極のうちの前記第2電源に接続される端部は、前記第4電極に入射する光に対して、前記第1電極のうちの前記第1電源に接続される前記一方の端部と直交する位置に配置される。
本発明によれば、簡易な構成で光の進行方向を制御できる。
本発明による光方向制御装置の実施形態の模式図である。 本実施形態の光方向制御装置の模式的な斜視図である。 (a)は本実施形態の光方向制御装置の模式図であり、(b)は光方向制御装置における第1電極および第2電極のX方向に沿った電位の変化を示すグラフである。 (a)は本実施形態の光方向制御装置において電源が第1電極に電圧を印加しない場合の光の進行方向を示す模式図であり、(b)は本実施形態の光方向制御装置において電源が第1電極に電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図である。 本実施形態の光方向制御装置の模式的な斜視図である。 (a)は印加電圧に応じて光の進行方向を−X方向側と+X方向側との間で変更可能な本実施形態の光方向制御装置において電源が第1電極に電圧を印加しない場合の光の進行方向を示す模式図であり、(b)は本実施形態の光方向制御装置において電源が第1電極に中間電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図であり、(c)は本実施形態の光方向制御装置において電源が第1電極に中間電圧よりも高い第2電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図である。 (a)は第1電極の2つの端部と電源および接地との接続の切り替えによって光の進行方向を−X方向側と+X方向側との間で変更可能な本実施形態の光方向制御装置の模式図であり、(b)は本実施形態の光方向制御装置において電源が第1電極と接続されない場合の光の進行方向を示す模式図であり、(c)は本実施形態の光方向制御装置において電源が第1電極の一方の端部と接続した場合の光の進行方向を示す模式図であり、(d)は本実施形態の光方向制御装置において電源が第1電極の他方の端部と接続した場合の光の進行方向を示す模式図である。 反射型である本実施形態の光方向制御装置の模式図である。 (a)は図8の光方向制御装置において電源が第1電極に電圧を印加しない場合の光の進行方向を示す模式図であり、(b)は図8の光方向制御装置において電源が第1電極に電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図である。 2つの液晶層を備えた本実施形態の光方向制御装置の模式図である。 2つの液晶層を用いて光の進行方向を−X方向側と+X方向側との間で変更可能な本実施形態の光方向制御装置の模式的な斜視図である。 (a)は図11の光方向制御装置において一方の電源が第1電極に電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図であり、(b)は図11の光方向制御装置において他方の電源が第4電極に電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図である。 光の進行方向をX方向およびY方向のそれぞれに沿って変更可能な本実施形態の光方向制御装置の模式的な斜視図である。 (a)は図13の光方向制御装置において2つの電源のいずれも電圧を印加しない場合の光の進行方向を示す模式図であり、(b)は図13の光方向制御装置において一方の電源が第1電極に電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図であり、(c)は図13の光方向制御装置において他方の電源が第4電極に電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図である。 2つの液晶層を備えた反射型の本実施形態の光方向制御装置の模式図である。
以下、図面を参照して、本発明による光方向制御装置の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を記載することがある。典型的には、X方向およびY方向は水平方向に平行であり、Z方向は鉛直方向に平行である。
まず、図1を参照して、本発明による光方向制御装置100の実施形態を説明する。光方向制御装置100は、第1電極110と、第2電極120と、第1液晶層130とを備える。
第1電極110および第2電極120は互いに対向する。第1電極110および第2電極120は互いに平行に延びる。第1電極110は、導電性を有する。第2電極120は、導電性を有する。また、第1電極110および第2電極120は、光透過性を有する。第1電極110および第2電極120は、透明であってもよく透光性を有してもよい。
第1電極110および第2電極120の電気伝導率は、102S/m以上であることが好ましく、103S/m以上であることがさらに好ましい。また、第2電極120の電気伝導率は第1電極110の電気伝導率よりも高いことが好ましい。あるいは、第2電極120の電気伝導率は第1電極110の電気伝導率とほぼ等しくてもよい。
第1電極110および第2電極120は、透明導電膜を有することが好ましい。例えば、透明導電膜は、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide:ITO)を含んでもよく、酸化スズ(SnO2)を含んでもよい。
第1液晶層130は、第1電極110と第2電極120との間に位置する。典型的には、第1液晶層130の厚さ(Z方向に沿った長さ)は場所によらず一定である。第1液晶層130は、液晶を含む。第1液晶層130の液晶分子の配向方向は、第1電極110と第2電極120との間の電圧に応じて変化する。第1液晶層130の屈折率は、液晶層130の液晶分子の配向方向に応じて変化する。このため、第1液晶層130の屈折率は、第1電極110と第2電極120との間の電圧に応じて変化する。なお、本明細書において、第1液晶層130を単に液晶層130と記載することがある。
上述したように、液晶層130は、液晶を含む。例えば、液晶層は、ネマチック液晶を含む。なお、液晶層130の液晶の種類は、ネマチック液晶に限定されない。液晶層130の液晶は、コレステリック液晶であってもよく、スメクチック液晶であってもよい。
以下に、図2を参照して本実施形態の光方向制御装置100を説明する。図2は、光方向制御装置100の模式的な斜視図である。
第1電極110には第1電源210が接続される。本実施形態の光方向制御装置100において、第1電極110の電位は第1電極110の位置に応じて異なる。
例えば、第1電極110は薄板状である。また、第1電極110は、矩形状である。第1電極110は、端部110aと、端部110bと、端部110cと、端部110dとを有する。
ここでは、第1電極110は、XY平面に広がる薄板状である。端部110aは、第1電極110の+X方向側に位置し、端部110bは、第1電極110の−X方向側に位置する。また、端部110cは、第1電極110の−Y方向側に位置し、端部110dは、第1電極110の+Y方向側に位置する。
端部110bは、端部110aと向かい合って位置し、端部110dは、端部110cと向かい合って位置する。端部110cは、端部110aおよび端部110bと接続する。また、端部110dは、端部110aおよび端部110bと接続する。
また、第1電極110と同様に、第2電極120も、薄板かつ矩形状である。第2電極120は、端部120aと、端部120bと、端部120cと、端部120dとを有する。端部120aは、第2電極120の+X方向側に位置し、端部120bは、第2電極120の−X方向側に位置する。また、端部120cは、第2電極120の−Y方向側に位置し、端部120dは、第2電極120の+Y方向側に位置する。
端部120bは、端部120aと向かい合って位置し、端部120dは、端部120cと向かい合って位置する。端部120cは、端部120aおよび端部120bと接続する。また、端部120dは、端部120aおよび端部120bと接続する。第2電極120の端部120a、端部120b、端部120cおよび端部120dは、液晶層130を介して、第1電極110の端部110a、端部110b、端部110cおよび端部110dと対向する。
本実施形態の光方向制御装置100において、第1電極110の端部110aには第1電源210が接続される。第1電源210が第1電極110に印加する電圧は、1V以上であってもよく、3V以上であってもよい。また、第1電源210が第1電極110に印加する電圧は、100V以下であってもよく、10V以下であってもよい。あるいは、第1電源210が第1電極110に印加する電圧は、100V以上であってもよい。なお、本明細書において、第1電源210を単に電源210と記載することがある。
第1電極110の端部110bは接地される。第1電極110の端部110bは接地電位に設定された電源または配線に接続されてもよい。
端部110aは、第1電極110の一端に位置し、端部110bは、第1電極110の他端に位置する。端部110aの電位は端部110bの電位とは異なる。ここでは、端部110aは、第1電極110の長手方向(X方向)の一端に位置し、端部110bは、第1電極110の長手方向(X方向)の他端に位置する。
上述したように、第1電極110の端部110aは第1電源210に接続されており、第1電極110の端部110bは接地される。このため、第1電極110の電位は、端部110aから端部110bに向かって連続的に変化する。具体的には、第1電極110の電位は、+X方向から−X方向に向かって連続的に低下する。ただし、第1電極110の電位は、Y方向に沿って一定である。
また、ここでは、第2電極120の電位は第2電極120の位置によらず一定である。例えば、第2電極120の電位は接地電位であることが好ましい。一例として、第2電極120は接地電位に設定された電源または配線に接続されてもよい。例えば、第2電極120の端部120bは接地される。
本実施形態の光方向制御装置100において、第1電源210が第1電極110に電圧を印加すると、液晶層130のうち端部110a側(+X方向側)の電位が高く、液晶層130のうち端部110b側(−X方向側)の電位が低くなる。このため、第1電極110と第2電極120との間に挟まれた液晶層130に印加される電圧は位置に応じて異なる。
本実施形態の光方向制御装置100において、第1電源210が第1電極110に電圧を印加する場合、+X方向に向かうにつれて液晶層130の屈折率は大きくなり、−X方向に向かうにつれて液晶層130の屈折率の変化量は小さくなる。
なお、液晶層130のうち端部110aと端部110bとの間の中間の領域では、液晶層130に印加される電圧は、端部110aからの距離および端部110bからの距離に応じて変化する。このため、液晶層130の屈折率は、端部110aからの距離に応じて連続的に変化する。
本実施形態の光方向制御装置100では、液晶層130の屈折率がX方向の位置に応じて連続的に変化するため、液晶層130を通過する光の進行方向を所定の方向に変化させることができる。具体的には、液晶層130を通過する光は、屈折率の高い方向に曲げることができる。
例えば、第1電源210が第1電極110に電圧を印加しない場合、光方向制御装置100は光の進行方向を変化させない。一方で、第1電源210が電圧を印加する場合、光方向制御装置100は光の進行方向を変更できる。さらに、第1電源210が別の電圧を印加する場合、光方向制御装置100は光の進行方向を別の方向に変更できる。
あるいは、第1電源210が第1電極110に電圧を印加しない場合、光方向制御装置100は光の進行方向を第1方向に変更し、第1電源210が電圧を印加する場合、光方向制御装置100は光の進行方向を第1方向とは異なる第2方向に変更してもよい。
なお、電源210は第1電極110に交流電圧を印加することが好ましい。交流電圧が印加されることにより、液晶層130に印加される電流が交流となり、液晶層130の劣化を抑制できる。例えば、交流電圧の振幅は0Vより大きく100V以下であってもよい。また、交流電圧の振幅は0Vより大きく10V以下であってもよい。あるいは、交流電圧の振幅は、100V以上であってもよい。
光方向制御装置100は、入射光を透過した透過光の方向を制御してもよい。あるいは、光方向制御装置100は、入射光を反射した反射光の方向を制御してもよい。
本実施形態の光方向制御装置100では、入射光は、屈折により、曲がって進行する。また、光方向制御装置100は、入射光の波長よりも長い周期構造を有しておらず、入射光は回折しない。このため、光方向制御装置100は、簡易な構造で光の進行方向を効率的に変更できる。
なお、光方向制御装置100においてX方向に沿った液晶層130の屈折率の変化の割合(変化率)はほぼ一定であることが好ましい。この場合、光方向制御装置100のうち液晶層130のうち光の通過する面積が比較的大きくても、光の進行方向を均一に変更できる。
上述したように、光方向制御装置100における第2電極120は透明であることが好ましい。また、第2電極120の電気伝導率は比較的高いことが好ましい。第2電極120の電気伝導率が比較的高いことにより、第2電極120上のX方向の位置によらず第2電極120の電位をほぼ一定にできる。このため、第2電極120の電位によることなく第1電極110の電位(位置)に応じて液晶層130の印加電圧を変化できる。例えば、第2電極120はITOから形成されることが好ましい。
次に、図3を参照して本実施形態の光方向制御装置100を説明する。図3(a)は光方向制御装置100の模式図である。ここでは、光方向制御装置100は、第1電極110、第2電極120および液晶層130に加えて、基板112、基板122およびセパレータ132をさらに備える。基板112は、第1電極110を支持する。基板122は、第2電極120を支持する。基板112および基板122により、第1電極110および第2電極120は保護される。
基板112および基板122の少なくとも一方は、透明であってもよく、透光性を有してもよい。例えば、基板112および基板122はガラス基板または石英基板であってもよい。あるいは、基板112および基板122は樹脂基板であってもよい。
セパレータ132は、液晶層130の周囲を囲む。セパレータ132により、第1電極110と第2電極120とは互いに接触することなく所定の距離で維持される。セパレータ132は絶縁部材から形成される。
なお、一般に、液晶を表示装置に用いる場合、偏光素子を用いるが、本実施形態の光方向制御装置100では偏光素子を用いなくてもよい。ただし、光方向制御装置100は偏光素子を備えてもよい。例えば、偏光素子は基板112および/または基板122の外側に貼り付けられてもよい。
図3(b)は光方向制御装置100における第1電極110および第2電極120のX方向に沿った電位の変化を示すグラフである。図3(b)に示すように、第1電極110の電位は、第1電極110上のX方向の位置に応じて異なる。ここでは、第1電極110の端部110aの電位(V1a)は高く、端部110bの電位(V1b)は低い。一方、第2電極120の電位は、第2電極120上のX方向の位置に応じて一定である。ここでは、第2電極120は接地されており、第2電極120の端部120aの電位(V2a)および端部120bの電位(V2b)は、端部110bの電位(V1b)と等しい。
このように、第1電極110に電圧を印加すると、液晶層130の屈折率の勾配が形成される。光方向制御装置100を通過する光は、屈折率の高い方向に曲がって進行する。このため、光方向制御装置100は、通過する光の進行方向を制御できる。例えば、光方向制御装置100は、入射光を透過した透過光の進行方向を制御できる。
例えば、図3に示した光方向制御装置100において、第1電極110がSnO2から形成される場合、第1電極110の比抵抗は3×10-2Ωcmである。第2電極120がITOから形成される場合、第2電極120の比抵抗は3×10-4Ωcmである。第1電極110および第2電極120が長さ1cm、幅1cmおよび厚さ0.2μmの矩形状薄板であるとすると、第1電極110の抵抗は1.5kΩであり、第2電極120の抵抗は15Ωである。
ここで、液晶層130の厚さを10μmとし、液晶層130の誘電率を10ε0とすると、光方向制御装置100の電気容量(C)は、C=10ε0×S/t(=10×8.85×10-12(F/m)×1×10-4(m2)/(10×10-6))=8.85×10-11(F)となる。この電気容量は抵抗成分に比べて充分に小さいため、光方向制御装置100の時定数(T)のオーダーは、T=CR=1×10-10(s)となる。
このように、光方向制御装置100の時定数は小さいため、電源210からの電圧印加に伴う第1電極110の電位の立ち上がりは、光の進行方向の変化にほとんど影響しない。なお、典型的には、液晶層130の液晶分子の応答速度はミリ秒オーダーであるため、液晶の応答速度が光の進行方向の変化に対して律速となる。この光方向制御装置100に対して電源210から5Vの電圧を印加すると、消費電力は0.0016Wであり、光方向制御装置100の消費電力は極めて小さい。
次に、図4を参照して本実施形態の光方向制御装置100を説明する。ここでは、光方向制御装置100は透過型である。光方向制御装置100は−Z方向から+Z方向に向かって進行する光を透過する。
図4(a)は、本実施形態の光方向制御装置100において第1電源210が電圧を印加しない場合の光の進行方向を示す模式図である。図4(a)に示すように、光方向制御装置100は、光源310から出射された光が入射するように配置される。ここでは、光源310から出射された光は、第2電極120および液晶層130に対して垂直に入射する。
光源310として光を出射する任意の光源を用いることができる。光源310は、ランプを含んでもよい。または、光源310は、レーザ装置を含んでもよい。あるいは、光源310は、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を含んでもよい。光源310から出射される光はある程度の指向性を有することが好ましい。光源310から出射された光は、光方向制御装置100に入射光Liとして入射される。なお、光方向制御装置100は、太陽光または発熱体からの光の方向を制御できる。このため、光源310として、太陽または発熱体を用いてもよい。
図4(a)に示すように、電源210が第1電極110に電圧を印加しない場合、光方向制御装置100は、入射光Liの進行方向を変化することなく通過光Loとして通過させる。
図4(b)は、本実施形態の光方向制御装置100において第1電源210が第1電極110に電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図である。図4(b)に示すように、電源210が第1電極110に電圧を印加する場合、光方向制御装置100は、入射光Liの進行方向を変化させた通過光Loとして光を通過させる。
このとき、液晶層130の屈折率は、−X方向側から+X方向側に向かって変化する。この場合、光は、液晶層130に入射する際および液晶層130から出射する際だけでなく、液晶層130の進行中にも曲がる。したがって、第1電源210が第1電極110に電圧を印加する場合の通過光Loの進行方向は、第1電源210が第1電極110に電圧を印加しない場合の通過光Loの進行方向とは異なる。
本実施形態の光方向制御装置100は、第1電極110および第2電極120のいずれにも微細構造を形成することなく入射光Liの進行方向に対する通過光Loの進行方向を制御できる。また、光方向制御装置100は、電源210から印加される電圧に応じて光の進行方向を制御できるため、機械的に操作せずに光の照射方向を変化できる。
例えば、本実施形態の光方向制御装置100は、自動車のヘッドライトに好適に利用される。また、光方向制御装置100は、電源210から印加される電圧に応じて光の進行方向を制御できるため、アクチュエータなしに光の方向を変化できる。例えば、光方向制御装置100は、自動車のハンドルの操作に応じて光の進行方向を制御してもよい。
また、光方向制御装置100は、レーザ加工装置におけるレーザ光の進行方向を制御する部品として好適に利用されてもよい。
あるいは、光方向制御装置100は、光通信に利用されてもよい。例えば、光方向制御装置100は、軽量に形成できるため、衛星間光通信に好適に用いられる。
なお、図2〜図4に示した光方向制御装置100では、第1電源210に接続された第1電極110は液晶層130に対して+Z方向側に位置し、接地された第2電極120は液晶層130に対して−Z方向側に位置したが、本実施形態はこれに限定されない。第1電源210に接続された第1電極110は液晶層130に対して−Z方向側に位置し、接地された第2電極120は液晶層130に対して+Z方向側に位置してもよい。
また、図2〜図4に示した光方向制御装置100では、第2電極120は接地されたが、本実施形態はこれに限定されない。第2電極120は接地されなくてもよい。ただし、第2電極120の電位が接地電位であることにより、第1電極110に印加される電圧を液晶層130に印加する電圧として好適に利用できる。
なお、図2に示した光方向制御装置100では、第1電極110は電源210と直接接続されたが、本実施形態はこれに限定されない。第1電極110は電源210と間接的に接続されてもよい。
次に、図5を参照して、光方向制御装置100を説明する。図5は、本実施形態の光方向制御装置100の模式的な斜視図である。図5に示した光方向制御装置100は、導電部材114および導電部材116をさらに備える点を除いて、図2を参照して上述した光方向制御装置100と同様の構成を有している。このため、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
図5に示すように、光方向制御装置100は、第1電極110、第2電極120および液晶層130に加えて導電部材114および導電部材116を備える。導電部材114は、第1電極110の端部110aに配置される。導電部材114は電源210と直接接続される。導電部材116は、第1電極110の端部110bに配置される。導電部材116は接地される。
導電部材114の電気伝導率は、第1電極110の電気伝導率よりも高い。導電部材114の電気伝導率は、5×106S/m以上であることが好ましく、107S/m以上であることがさらに好ましい。典型的には、導電部材114は金属から形成されることが好ましい。
導電部材114は、第1電極110のうちY方向に延びる端部110aの両端にわたって配置される。このため、第1電極110の端部110aの電位を均一に保つことができ、液晶層130にX方向に沿って均一に変化する電場を形成できる。導電部材114は、第1電極110の端部110aの上面に配置されてもよい。あるいは、導電部材114は、第1電極110の端部110aの側面に配置されてもよい。
同様に、導電部材116の電気伝導率は、第1電極110の電気伝導率よりも高い。導電部材116の電気伝導率は、5×106S/m以上であることが好ましく、107S/m以上であることがさらに好ましい。典型的には、導電部材116は金属から形成されることが好ましい。
導電部材116は、第1電極110のうちY方向に延びる端部110bの両端にわたって配置される。このため、第1電極110の端部110bの電位を均一に保つことができ、液晶層130のX方向に沿って均一に変化する電場を形成できる。導電部材116は、第1電極110の端部110bの上面に配置されてもよい。あるいは、導電部材116は、第1電極110の端部110bの側面に配置されてもよい。
なお、図4を参照して上述した光方向制御装置100では、電源210が電圧を印加しない場合、光方向制御装置100は光の進行方向を変化させなかったが、本実施形態はこれに限定されない。光方向制御装置100は、電源210が電圧を印加しない場合でも光の進行方向を変化させてもよい。
次に、図6を参照して、印加電圧に応じて入射光の進行方向に対する通過光の進行方向を反対側に曲げる光方向制御装置100を説明する。本実施形態の光方向制御装置100は、印加電圧に応じて光の進行方向を−X方向側と+X方向側との間で変更できる。本実施形態の光方向制御装置100において、液晶層130のうちの第1電極110の端部110a側の厚さは液晶層130のうちの端部110b側の厚さよりも小さい。
図6(a)は、本実施形態の光方向制御装置100において第1電源210が第1電極110に電圧を印加しない場合の光の進行方向を示す模式図である。実施形態の光方向制御装置100において、液晶層130の厚さが変化する。詳細には、液晶層130のうち第1電極110の端部110a側の厚さは、第1電極110の端部110b側の厚さよりも大きい。また、液晶層130の厚さは、端部110bから端部110a側に向かって連続的に小さくなる。図6(a)に示すように、第1電源210が第1電極110に電圧を印加しない場合、液晶層130に入射した入射光Liは、液晶層130から出るときに−X方向側に曲がり、通過光Loは、入射光Liに対して−X方向側に曲がった方向に進行する。
図6(b)は、本実施形態の光方向制御装置100において第1電源210が第1電極110に中間電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図である。図6(b)に示すように、第1電源210が第1電極110に中間電圧を印加した場合、液晶層130に入射した入射光Liは、液晶層130を通過中にわずかに+X方向側に曲がるため、液晶層130と第1電極110との境界面における屈折がキャンセルされる。その結果、通過光Loは、入射光Liと同じ方向に進行する。
図6(c)は、本実施形態の光方向制御装置100において第1電源210が第1電極110に中間電圧よりも高い電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図である。図6(c)に示すように、第1電源210が第1電極110に中間電圧よりも高い電圧を印加した場合、液晶層130に入射した入射光Liは、液晶層130を通過中に+X方向側に曲がり、通過光Loは、入射光Liに対して+X方向側に曲がった方向に進行する。
以上のように、光方向制御装置100は、第1電極110に印加する電圧に応じて、入射光Liに対する通過光Loの進行方向を+X方向側または−X方向側に曲がるように制御してもよい。
なお、図6を参照して上述した光方向制御装置100では、第1電極110の端部110aは電源210に接続され、第1電極110の端部110bは接地されていたが、本実施形態はこれに限定されない。第1電極110において電源210に接続される端部および接地される端部を適宜切り替えてもよい。
次に、図7を参照して、第1電極110において電源210に接続される端部および接地される端部を適宜切り替え可能な光方向制御装置100を説明する。本実施形態の光方向制御装置100は第1電極110の端部110a、110bと第1電源210および接地と接続を切り替えることによって光の進行方向を−X方向側と+X方向側との間で変更できる。
図7(a)は、本実施形態の光方向制御装置100の模式図である。光方向制御装置100は、第1電極110、第2電極120および液晶層130に加えて切替部104をさらに備える。切替部104は、端子104a、端子104b、端子104cおよび端子104dを有する。端子104aは、第1電極110の端部110aと電気的に接続しており、端子104bは、第1電極110の端部110bと電気的に接続している。また、端子104cは電源210と電気的に接続し、端子104dは接地される。
切替部104において、端子104aは端子104cおよび端子104dのいずれかと接続するように切替可能である。また、端子104bは端子104cおよび端子104dのいずれかと接続するように切替可能である。なお、端子104aが端子104cと接続する場合、端子104bは端子104dと接続できる。また、端子104aが端子104dと接続する場合、端子104bは端子104cと接続できる。
図7(b)は、本実施形態の光方向制御装置100において第1電源210が第1電極110と接続されない場合の光の進行方向を示す模式図である。図7(b)に示すように、切替部104において、端子104aは端子104cおよび端子104dのいずれとも接続せず、端子104bは端子104cおよび端子104dのいずれかともと接続しない。このように、切替部104において、端子104cが端子104aおよび端子104bのいずれとも接続しない場合、第1電極110には電源210から電圧が印加されない。この場合、液晶層130の屈折率は変化しないため、通過光Loの進行方向は入射光Liから変化しない。
図7(c)は、光方向制御装置100において第1電源210が第1電極110の端部110aと接続した場合の光の進行方向を示す模式図である。図7(c)に示すように、切替部104において、端子104aが端子104cと接続し、端子104bは端子104dと接続する。このように、切替部104において、端子104aが端子104cと接続し、端子104bが端子104dと接続するため、第1電源210は第1電極110の端部110aに電圧を印加する。この場合、第1電極110の端部110aの電位が高いため、通過光Loは、入射光Liに対して+X方向側に変化して進行する。
図7(d)は、光方向制御装置100において第1電源210が第1電極110の端部110bと接続した場合の光の進行方向を示す模式図である。図7(d)に示すように、切替部104において、端子104aが端子104dと接続し、端子104bは端子104cと接続する。このように、切替部104において、端子104bが端子104cと接続し、端子104aが端子104dと接続するため、第1電源210は第1電極110の端部110bに電圧を印加する。この場合、第1電極110の端部110bの電位が高いため、通過光Loは、入射光Liに対して−X方向側に変化して進行する。
以上のように、本実施形態の光方向制御装置100によれば、切替部104の切り替えにより、入射光Liに対する通過光Loの進行方向を切替できる。また、本実施形態の光方向制御装置100によれば、第1電極110に電圧が印加されない場合には、通過光Loの進行方向は入射光Liから変化しないため、仮に切替部104の切り替えが適切に行われなかった場合でも、通過光Loの進行方向を入射光Liの進行方向から変更することなく維持できる。
なお、図2〜図7を参照して上述した説明では、光方向制御装置100は透過型であったが、本実施形態はこれに限定されない。光方向制御装置100は反射型であってもよい。
次に、図8および図9を参照して、反射型の光方向制御装置100を説明する。図8は、本実施形態の光方向制御装置100の模式図である。
図8に示すように、光方向制御装置100は、第1電極110、第2電極120および液晶層130に加えて反射部材102をさらに備える。反射部材102は、第1電極110および第2電極120の一方に対して、液晶層130とは反対側に配置される。ここでは、反射部材102は、第2電極120に対して、液晶層130とは反対側に配置される。
反射部材102は、入射光を反射する。反射部材102は、多層構造を有してもよい。反射部材102は、入射光を反射することによって反射光を生成する。
図9(a)は、図8の光方向制御装置100において第1電源210が第1電極110に電圧を印加しない場合の光の進行方向を示す模式図である。図9(a)に示すように、光方向制御装置100に入射した入射光Liは、反射部材102において反射され、通過光Loとして進行する。
第1電極110に電圧が印加されない場合、第1電極110の電位は、第1電極110上のX方向の位置にかかわらず等しい。例えば、第1電極110の端部110aの電位は、第1電極110の端部110bの電位と等しい。このとき、液晶層130の屈折率は全面にわたって均一である。
このため、光が液晶層130に入射する際に、光は、第1電極110と液晶層130との界面において屈折する。その後、光は、進行方向を変更することなく液晶層130中を直進し、反射部材102において反射される。反射された光は、進行方向を変更することなく液晶層130中を直進し、第1電極110と液晶層130との界面において屈折して外部に出射される。
図9(b)は、図8の光方向制御装置100において第1電源210が第1電極110に電圧を印加する場合の光の進行方向を示す模式図である。図9(b)に示すように、第1電極110に電圧が印加される場合、第1電極110の電位は第1電極110上のX方向の位置に応じて変化する。第1電極110の端部110aの電位は第1電極110の端部110bの電位よりも高い。
このとき、液晶層130の屈折率は、−X方向側から+X方向側に向かって変化する。この場合、光は、液晶層130に入射する際および液晶層130から出射する際だけでなく、液晶層130の進行中にも曲がる。したがって、第1電源210が第1電極110に電圧を印加する場合の通過光Loの進行方向は、第1電源210が第1電極110に電圧を印加しない場合の通過光Loの進行方向とは異なる。
なお、図8および図9を参照して上述したように、光方向制御装置100は反射型であってもよい。ただし、光方向制御装置100が高強度の光の進行方向を制御する場合、光方向制御装置100の損傷を低減させるために、光方向制御装置100は透過型として利用されることが好ましい。
なお、図1〜図9を参照して上述した説明では、光方向制御装置100は、第1液晶層130を備えていたが、光方向制御装置100は、本実施形態はこれに限定されない。光方向制御装置100は2以上の液晶層を備えてもよい。
次に、図10を参照して、液晶層を2つ備えた光方向制御装置100を説明する。図10は、本実施形態の光方向制御装置100の模式図である。本実施形態の光方向制御装置100は、第1電極110、第2電極120および第1液晶層130に加えて、基板112、基板122、基板152、第3電極140、第4電極150および第2液晶層160をさらに備える。なお、図10に示した光方向制御装置100は、基板112、基板122、基板152、第3電極140、第4電極150および第2液晶層160をさらに備える点を除いて、図1を参照して上述した光方向制御装置100と同様の構成を有している。このため、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
基板112は、第1電極110のうち第1液晶層130と向かい合う主面とは反対側の主面に配置される。基板112は、第1電極110を支持する。
基板122は、第2電極120と第3電極140との間に位置する。基板122は、第2電極120および第3電極140を支持する。
基板152は、第4電極150のうち第2液晶層160と向かい合う主面とは反対側の主面に配置される。基板152は、第4電極150を支持する。
基板112、基板122および基板152は、光を透過する。基板112、基板122および基板152は、透明であってもよく、透光性を有してもよい。例えば、基板112、基板122および基板152はガラス基板または石英基板であってもよい。あるいは、基板112、基板122および基板152は樹脂基板であってもよい。また、基板112、基板122および基板152は、絶縁性であってもよく、導電性であってもよい。
第3電極140は、導電性を有する。第4電極150は、導電性を有する。また、第3電極140および第4電極150は光透過性を有する。第3電極140および第4電極150は、透明であってもよく透光性を有してもよい。
第3電極140および第4電極150の電気伝導率は、102S/m以上であることが好ましく、103S/m以上であることがさらに好ましい。また、第3電極140の電気伝導率は第4電極150の電気伝導率よりも高いことが好ましい。あるいは、第3電極140の電気伝導率は第4電極150の電気伝導率とほぼ等しくてもよい。
第3電極140および第4電極150は、透明導電膜を有することが好ましい。例えば、透明導電膜は、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide:ITO)を含んでもよく、酸化スズ(SnO2)を含んでもよい。
第3電極140および第4電極150は互いに対向する。第2液晶層160は、第3電極140と第4電極150との間に位置する。第2液晶層160は、液晶を含む。第2液晶層160の液晶分子の配向方向は、第3電極140と第4電極150との間の電圧に応じて変化する。第2液晶層160の屈折率は、液晶層130の液晶分子の配向方向に応じて変化する。このため、第2液晶層160の屈折率は、第3電極140と第4電極150との間の電圧に応じて変化する。なお、本明細書において、第2液晶層160を単に液晶層130と記載することがある。
上述したように、液晶層160は、液晶を含む。例えば、液晶層は、ネマチック液晶を含む。なお、液晶層160の液晶の種類は、ネマチック液晶に限定されない。液晶層160の液晶は、コレステリック液晶であってもよく、スメクチック液晶であってもよい。
なお、図10を参照して上述した説明では、光方向制御装置100は、第1電極110および第4電極150を保護する基板112および基板152を備えたが、本実施形態はこれに限定されない。基板112および基板152は省略されてもよい。
また、図10を参照して上述した説明では、光方向制御装置100は、第2電極120と第3電極140との間に位置する基板122を備えたが、本実施形態はこれに限定されない。基板122は省略され、第2電極120と第3電極140は直接接触してもよい。あるいは、第2電極120と第3電極140とは一体化し、1つの電極として形成されてもよい。
なお、図6および図7を参照して上述した説明では、光方向制御装置100は、第1電極110に印加する電圧に応じて第1液晶層130の屈折率を変化させて、光の進行方向を反対側(例えば、+X方向側と−X方向側)に変更したが、光方向制御装置100は、本実施形態はこれに限定されない。光方向制御装置100は、第1液晶層130および第2液晶層160の屈折率を変化させて、光の進行方向を反対側(例えば、+X方向側と−X方向側)に変更してもよい。
次に、図11および図12を参照して、液晶層130および液晶層160を用いて光の進行方向を−X方向側と+X方向側との間で変更可能な本実施形態の光方向制御装置100を説明する。図11は、光方向制御装置100の模式的な斜視図である。
光方向制御装置100は、第1電極110、第2電極120、基板122、第1液晶層130、第3電極140、第4電極150および第2液晶層160を備える。なお、図11および図12に示した光方向制御装置100は、基板122、第3電極140、第4電極150および第2液晶層160をさらに備える点を除いて、図2を参照して上述した光方向制御装置100と同様の構成を有している。このため、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
第3電極140は、薄板かつ矩形状である。第3電極140は、端部140aと、端部140bと、端部140cと、端部140dとを有する。端部140aは、第3電極140の+X方向側に位置し、端部140bは、第3電極140の−X方向側に位置する。また、端部140cは、第3電極140の−Y方向側に位置し、端部140dは、第3電極140の+Y方向側に位置する。
端部140bは、端部140aと向かい合って位置し、端部140dは、端部140cと向かい合って位置する。端部140cは、端部140aおよび端部140bと接続する。また、端部140dは、端部140aおよび端部140bと接続する。
第4電極150には第2電源220が接続される。本実施形態の光方向制御装置100において、第4電極150の電位は第4電極150上のX方向の位置に応じて異なる。
例えば、第4電極150は薄板状である。また、第4電極150は、矩形状である。第4電極150は、端部150aと、端部150bと、端部150cと、端部150dとを有する。
第4電極150は、XY平面に広がる薄板状である。端部150aは、第4電極150の+X方向側に位置し、端部150bは、第4電極150の−X方向側に位置する。また、端部150cは、第4電極150の−Y方向側に位置し、端部150dは、第4電極150の+Y方向側に位置する。
端部150bは、端部150aと向かい合って位置し、端部150dは、端部150cと向かい合って位置する。端部150cは、端部150aおよび端部150bと接続する。また、端部150dは、端部150aおよび端部150bと接続する。第4電極150の端部150a、端部150b、端部150cおよび端部150dは、液晶層160を介して、第3電極140の端部140a、端部140b、端部140cおよび端部140dと対向する。
第3電極140は接地される。ここでは、第3電極140の端部140bが接地される。第3電極140の端部140bの電位は接地電位に設定される。例えば、端部140bは接地電位に設定された電源に接続されてもよい。
第4電極150の端部150bには第2電源220が接続される。第4電極150の端部150aは接地される。本実施形態の光方向制御装置100では、端部150aの電位は端部150bの電位とは異なる。第4電極150の電位は第4電極150上のX方向の位置に応じて異なる。
本実施形態の光方向制御装置100において、第1電極110の端部110aには第1電源210が接続されており、第1電極110の端部110bは接地される。また、第4電極150の端部150bには第2電源220が接続されており、第4電極150の端部150aは接地される。
図12(a)は、図11の光方向制御装置100において第1電源210が電圧を印加する場合の光の進行方向を示す模式図である。図12(a)に示すように、第1電源210が第1電極110に電圧を印加する一方で、第2電源220が第4電極150に電圧を印加しない場合、第2液晶層160は、通過する光の進行方向を変更せず、第1液晶層130は、通過する光の進行方向を変更する。
図12(b)は、図11の光方向制御装置100において第2電源220が電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図である。図12(b)に示すように、第1電源210が第1電極110に電圧を印加しない一方で、第2電源220が第4電極150に電圧を印加する場合、第2液晶層160は、通過する光の進行方向を変更し、第1液晶層130は、通過する光の進行方向を変更しない。
以上のように、光方向制御装置100は、第1電極110および第4電極150に印加する電圧に応じて、入射光Liに対する通過光Loの進行方向を+X方向側または−X方向側に曲がるように制御できる。
なお、図10〜図12に示した光方向制御装置100では、第2電源220に接続された第4電極150は液晶層160に対して−Z方向側に位置し、接地された第3電極140は液晶層160に対して+Z方向側に位置したが、本実施形態はこれに限定されない。第2電源220に接続された第4電極150は液晶層130に対して+Z方向側に位置し、接地された第3電極140は液晶層130に対して−Z方向側に位置してもよい。
なお、図11および図12を参照して上述した説明では、光の進行方向は、第1電源210が第1電極110に電圧を印加した場合に+X方向側に変化し、第2電源220が第4電極150に電圧を印加し場合に−X方向側に変化したが、本実施形態はこれに限定されない。光の進行方向は、別方向に変化してもよい。
次に、図13および図14を参照して、光の進行方向が別方向に変化する光方向制御装置100を説明する。図13は、本実施形態の光方向制御装置100の模式的な斜視図である。図13に示した光方向制御装置100は、第2電源220が第4電極150の端部150cに接続される点を除いて、図11および図12を参照して上述した光方向制御装置100と同様の構成を有している。このため、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
光方向制御装置100は、第1電極110、第2電極120、基板122、第1液晶層130、第3電極140、第4電極150および第2液晶層160を備える。第1電極110には、第1電源210が接続される。第1電極110の端部110aに第1電源210が接続されており、第1電極110の端部110bは接地される。
第2電極120は接地される。また、第3電極140は接地される。
第4電極150には、第2電源220が接続される。第4電極150の端部150cに第2電源220が接続されており、第4電極150の端部150dが接地される。
上述したように、第1電極110のうち第1電源210と接続する端部110aは、第1電極110の+X方向側に位置する。また、第4電極150のうち第2電源220と接続する端部150cは、第4電極150の−Y方向側に位置する。この場合、光方向制御装置100にZ方向に沿って光が入射すると、光方向制御装置100は、X方向およびY方向に沿って任意の割合で光の進行方向を変化させることができる。このため、第4電極150の端部150aは、第4電極150に入射する光に対して、第1電極110のうちの第1電源210に接続される端部110aと直交する位置に配置されることが好ましい。
図14(a)は、図13の光方向制御装置100において第1電源210および第2電源220のいずれも電圧を印加しない場合の光の進行方向を示す模式図である。図14(a)に示すように、第1電源210および第2電源220のいずれも電圧を印加しない場合、入射光Liは進行方向を変更することなく通過光Loとして進行する。この場合、XY平面に沿って第1液晶層130の屈折率は一定である。このため、光が第1液晶層130を進行する際に、光の進行方向は変化しない。同様に、XY平面に沿って第2液晶層160の屈折率は一定である。このため、光が第2液晶層160を進行する際に、光の進行方向は変化しない。
図14(b)は、図13の光方向制御装置100において第1電源210が電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図である。図14(b)に示すように、第1電源210が第1電極110に電圧を印加する一方で第2電源220が第4電極150に電圧を印加しない場合、第2液晶層160は、通過する光の進行方向を変更せず、第1液晶層130は、通過する光の進行方向を+X方向側に変更する。
図14(c)は、図13の光方向制御装置100において第2電源220が電圧を印加した場合の光の進行方向を示す模式図である。図14(c)に示すように、第1電源210が第1電極110に電圧を印加しない一方で第2電源220が第4電極150に電圧を印加する場合、第2液晶層160は、通過する光の進行方向を変更し、第1液晶層130は、通過する光の進行方向を−Y方向側に変更する。
なお、図10〜図14を参照して、第1液晶層130および第2液晶層160を備えた透過型の光方向制御装置100を説明したが、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態の光方向制御装置100は、第1液晶層130および第2液晶層160を備え、反射型であってもよい。
ここで、図15を参照して、第1液晶層130および第2液晶層160を備えた反射型の光方向制御装置100を説明する。図15は、本実施形態の光方向制御装置100の模式図である。
図15に示すように、光方向制御装置100は、反射部材102、基板106、第1電極110、第2電極120、基板122、第1液晶層130、第3電極140、第4電極150および第2液晶層160に加えて、反射部材102および基板106をさらに備える。反射部材102は、第4電極150のうち第2液晶層160と向かい合う主面とは反対側の主面に配置される。
反射部材102は、入射光を反射する。反射部材102は、多層構造を有してもよい。反射部材102は、入射光を反射することによって反射光を生成する。反射部材102は絶縁性である。
基板106は、反射部材102のうち第4電極150と向かい合う主面とは反対側の主面に配置される。基板106は、反射部材102および第1電極110から第4電極150までの構造を支持する。基板106は、透明であってよく透明でなくてもよい。基板106は、絶縁性であってもよく導電性であってもよい。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施形態として実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果を実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本実施形態の光方向制御装置は、種々の用途に適用可能である。例えば、本実施形態の光方向制御装置は、照明、レーザ加工および/または光通信に好適に用いられる。
100 光方向制御装置
110 第1電極
120 第2電極
130 液晶層

Claims (8)

  1. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に位置する第1液晶層と
    を備え、
    前記第1電極は、第1端部と、第2端部とを有し、
    前記第1端部および前記第2端部のうちの一方は第1電源に接続され、前記第1端部および前記第2端部のうちの他方は接地される、光方向制御装置。
  2. 前記第2電極は接地される、請求項1に記載の光方向制御装置。
  3. 前記第1電源が電圧を印加しない場合、前記第1液晶層に入射する光は進行方向を変化せずに前記第1液晶層を通過し、
    前記第1電源が電圧を印加する場合、前記第1液晶層は入射する光は進行方向を変化して前記第1液晶層を通過する、請求項1または2に記載の光方向制御装置。
  4. 切替部をさらに備え、
    前記切替部は、
    前記第1電極の前記第1端部が前記第1電源に接続され、前記第1電極の前記第2端部が接地される状態と、
    前記第1電極の前記第1端部が接地され、前記第1電極の前記第2端部が前記第1電源に接続される状態と
    を切り替える、請求項1から3のいずれかに記載の光方向制御装置。
  5. 前記第1電極および前記第2電極の一方に対して、前記第1液晶層とは反対側に配置された反射部材をさらに備える、請求項1から4のいずれかに記載の光方向制御装置。
  6. 第3電極と、
    第4電極と、
    前記第3電極と前記第4電極との間に位置する第2液晶層と
    をさらに備え、
    前記第4電極は、
    第2電源と接続される端部と、
    接地された端部と
    を有する、請求項1から5のいずれかに記載の光方向制御装置。
  7. 前記第3電極は接地される、請求項6に記載の光方向制御装置。
  8. 前記第4電極のうちの前記第2電源に接続される端部は、前記第4電極に入射する光に対して、前記第1電極のうちの前記第1電源に接続される前記一方の端部と直交する位置に配置される、請求項6または7に記載の光方向制御装置。
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