JP2020034717A - 電子鍵盤楽器の鍵盤装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】押鍵時にハンマーから鍵に作用する荷重が増加するのを抑制でき、それにより、弱打を行う場合であっても、演奏者にとって鍵が重く感じることがなく、良好な演奏性を得ることができる電子鍵盤楽器の鍵盤装置を提供する。【解決手段】前後方向に延びるとともにバランスピン13を中心として揺動自在の鍵2と、前後方向に延び、ハンマー支点軸63を中心として上下方向に回動自在に支持されるとともに、鍵2の揺動に連動して回動するハンマー5と、を備え、ハンマー5は、前後方向に延び、後端部においてハンマー支点軸63を中心として回動自在のハンマー本体71と、ハンマー本体71の下面の後端部から突出し、鍵2の上面の後端部に上方から当接する鍵当接部76と、を有し、鍵当接部76は、ハンマー5が回動する際に、鍵2の上面に当接する当接部位とハンマー支点軸63との距離がほぼ一定になるように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、前後方向に延びる揺動自在の鍵の後端部で突き上げられることにより、ハンマーが上方に回動する電子鍵盤楽器の鍵盤装置に関し、特に、ハンマーの鍵に当接する部分の構造に関する。
従来、この種の鍵盤装置として、例えば本出願人が既に出願した特許文献1に開示されたものが知られている。この鍵盤装置は、前後方向に延びる揺動自在の鍵と、この鍵の後端部の上側において上下方向に回動自在のハンマーとを備えている。鍵は、その長さ方向の中央付近に立設されたバランスピンを支点として、揺動自在に支持されている。一方、ハンマーは、前後方向に延びるアーム状に形成された合成樹脂製のハンマー本体と、その左右の側面の前端部に取り付けられた金属製の一対の錘板と、ハンマー本体の下面後部にねじ込まれたキャプスタンスクリューなどで構成されている。ハンマー本体の後端部には、円弧状の軸穴が形成されており、その軸穴がハンマーサポートのハンマー支軸に係合することによって、ハンマーが上下方向に回動自在に支持されている。また、ハンマー本体にねじ込まれたキャプスタンスクリューの下端部には、下面が球面状に形成された頭部が設けられている。そして、このキャプスタンスクリューの頭部は、鍵の上面後端部に、フェルトから成るクロスを介して当接している。
上記のように構成された鍵盤装置では、離鍵状態において、キャプスタンスクリューは、その軸線が鉛直線に対し傾斜した姿勢に保持される。具体的には、キャプスタンスクリューは、下位ほど後方に位置するように、すなわち、後ろ下がりに傾斜した姿勢になる。この場合、キャプスタンスクリューの頭部は、その下面の前半部が、鍵の上面後端部に当接する。
上記の離鍵状態から、鍵の前端部が押し下げられると、その鍵はバランスピンを中心として揺動し、鍵の後端部が上昇する。これに伴い、ハンマーは、キャプスタンスクリューを介して突き上げられ、ハンマー支軸を中心として上方に回動する。なお、鍵が押し切られたとき、すなわち鍵の前端部が最下位まで押し下げられたときには、ハンマーは、その上面前端部がハンマーストッパに当接し、それ以上の回動が阻止される。
特開2013−125236号公報(図1〜図4)
上記のように、鍵の押鍵に伴いハンマーが上方に回動する場合、鍵の上面後端部に当接するキャプスタンスクリューの姿勢が変化する。具体的には、キャプスタンスクリューは、その上端部に対し、下端部の頭部が相対的に前方に移動し、それにより、前下がりに傾斜した姿勢になる。この場合、キャプスタンスクリューの頭部は、その下面の後半部が、鍵の上面後端部に当接する。つまり、鍵の押鍵に伴いハンマーが上方に回動する場合、鍵の上面後端部とキャプスタンスクリューの頭部との接点、すなわちハンマーに対する鍵の作用点は、上方に移動するとともに、キャプスタンスクリューの頭部下面の前半部から後半部に移動する。これにより、鍵の押下げにつれて、ハンマーを回動自在に支持するハンマー支軸と上記作用点との間の距離が、次第に短くなる。この場合には、ハンマーから鍵に作用する荷重が次第に増加し、特に、演奏時に鍵をゆっくり押し下げる弱打を行う場合、その押下げの終了近くにおける荷重の増加により、演奏者にとって、鍵が重く感じてしまうことがある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、押鍵時にハンマーから鍵に作用する荷重が増加するのを抑制でき、それにより、弱打を行う場合であっても、演奏者にとって鍵が重く感じることがなく、良好な演奏性を得ることができる電子鍵盤楽器の鍵盤装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、前後方向に延びるとともに長さ方向の中央付近の鍵支点を中心として揺動自在の鍵と、前後方向に延び、後端部において鍵の後端付近に設けられたハンマー支点を中心として上下方向に回動自在に支持されるとともに鍵の上面の後端部に載置され、鍵の揺動に連動して回動するハンマーと、を備え、ハンマーは、前後方向に延び、後端部においてハンマー支点を中心として回動自在のハンマー本体と、このハンマー本体の下面の後端部から下方に突出するように設けられ、鍵の上面の後端部に上方から当接する鍵当接部と、を有し、鍵当接部は、ハンマーが回動する際に、鍵の上面に当接する当接部位とハンマー支点との距離がほぼ一定になるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、前後方向に延びる鍵が、その長さ方向の中央付近の鍵支点を中心として揺動自在であり、前後方向に延びるハンマーが、その後端部において、鍵の後端付近に設けられたハンマー支点を中心として上下方向に回動自在に支持されている。また、ハンマーは、前後方向に延びるハンマー本体の下面後端部から下方に突出し、鍵の上面後端部に上方から当接する鍵当接部を有している。そして、この鍵当接部は、ハンマーが回動する際に、鍵の上面に当接する当接部位とハンマー支点との距離がほぼ一定になるように構成されている。これにより、キャプスタンスクリューを介して、ハンマーが鍵の上面後端部に載置された従来の鍵盤装置と異なり、押鍵に伴ってハンマーが回動する際に、ハンマーから鍵に作用する荷重の増加を抑制することができる。それにより、演奏時に鍵をゆっくり押し下げる弱打を行う場合であっても、演奏者にとって鍵が重く感じることがなく、良好な演奏性を得ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電子鍵盤楽器の鍵盤装置において、鍵当接部は、側面形状がほぼ円弧状に形成された底部を有しており、底部は、底部の前半部を構成し、鍵に当接可能な前底部と、底部の後半部を構成し、鍵に当接不能な後底部とで構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、側面形状がほぼ円弧状に形成された底部を有する鍵当接部において、その底部の前半部である前底部を、鍵に当接可能に構成する一方、底部の後半部である後底部を、鍵に当接不能に構成している。これにより、鍵の押鍵に伴いハンマーが上方に回動する場合、ハンマーの鍵当接部において、その前半部の前底部のみが鍵の上面後端部に当接するので、キャプスタンスクリューの頭部の後半部が鍵の上面後端部に当接する従来の鍵盤装置と異なり、鍵当接部が鍵の上面に当接する当接部位とハンマー支点との距離が短くなるのを、比較的容易に抑制でき、それにより、前述した請求項1の作用、効果を容易に実現することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の電子鍵盤楽器の鍵盤装置において、鍵の上面の後端部において、鍵当接部の直ぐ前側に設けられ、離鍵状態においてハンマーの下面の所定部分が上方から当接するハンマークッションを、さらに備え、前底部は、ハンマークッションの経年変形の前後において、離鍵状態におけるハンマーをほぼ同じ姿勢に維持するために、所定の曲率半径を有する円弧状に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、鍵の上面後端部には、鍵当接部の直ぐ前側にハンマークッションが設けられ、離鍵状態において、ハンマーの下面の所定部分が上方から当接する。これにより、押鍵された鍵の離鍵に伴い、ハンマーが元の位置に戻る際にハンマークッションに当接することで、ハンマーが元の位置に戻る際の衝撃や弾みなどを抑制することができる。
また、電子鍵盤楽器の長期間の使用により、ハンマークッションは、ハンマーで上方から繰り返し押圧されることにより、次第に押しつぶされて経年変形することで、ハンマークッションの上面高さが下がることがある。この場合、鍵当接部の前底部が、比較的小さな曲率半径を有する円弧状に形成されているときには、離鍵状態において、ハンマーの姿勢が、ハンマークッションの経年変形前における適正な姿勢に比べて前下がりに傾斜し、その結果、電子鍵盤楽器における楽音の発生タイミングや音量などが、適正なものに対してずれてしまうおそれがある。そこで、鍵当接部の前底部を、ハンマークッションの経年変形の前後において、離鍵状態におけるハンマーをほぼ同じ姿勢に維持するよう、比較的大きな所定の曲率半径を有する円弧状に形成する。これにより、ハンマークッションが経年変形する場合であっても、離鍵状態において、ハンマーを適正な姿勢に長期間にわたって維持することができ、上記のような不具合の発生を防止することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載の電子鍵盤楽器の鍵盤装置において、鍵当接部は、ハンマー本体と一体に成形され、下方に突出する凸状に形成された当接凸部と、前底部及び後底部を有し、当接凸部に着脱自在に取り付けられた凸部カバーと、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、前記前底部及び後底部を有する凸部カバーを、ハンマー本体と一体に成形された当接凸部に取り付けることにより、前底部及び後底部を有する鍵当接部を、比較的容易に構成することができる。また、凸部カバーがハンマー本体の当接凸部に着脱自在であるので、前底部及び後底部の設計変更を行う場合などに、ハンマー全体を変更することなく、凸部カバーのみの変更によって、容易に対応することができる。
本発明の一実施形態による鍵盤装置を適用した電子ピアノの鍵盤装置の一部を示しており、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 フロントピンが立設された前レール及び筬前の一部を示す斜視図であり、(a)は前レールに筬前が取り付けられた状態、(b)は前レールを省略した状態を示す。 互いに連結される2つの筬前成形品を示す斜視図であり、(a)は連結の前後の両筬前成形品を斜め上から見たときの状態、(b)は連結の前後の両筬前成形品を斜め下から見たときの状態を示している。 互いに連結される2つの筬前成形品を示す平面図であり、(a)は両筬前成形品を連結した状態、(b)は両筬前成形品の連結前の状態を示す。 (a)は、白鍵及び黒鍵を示す斜視図であり、(b)は、両鍵の後端部を拡大した斜視図であって、各鍵のハンマー当接高さ規定部及びハンマークッションを分解して示している。 ハンマーサポートを示す斜視図であり、(a)は1オクターブ分のハンマーサポートの全体を示し、(b)はその一部を切り欠いた状態を示すとともに、ハンマー支点軸の断面を拡大して示す。 ハンマーサポートを示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 ハンマーを示す斜視図である。 ハンマー及びその当接凸部に取り付けられた凸部カバーを説明するための図であり、(a)はハンマーの側面図、(b)は当接凸部及び凸部カバーを中心とするハンマーの一部を縦に切断した断面図であり、(c)は凸部カバーを示す斜視図である。 鍵に対するハンマーの当接位置を説明するためにハンマーの後部を拡大して示す図であり、(a)は離鍵状態、(b)は押鍵状態を示している。 (a)及び(b)はそれぞれ図10(a)及び(b)に対応し、比較例のハンマーの後部を拡大して示す図である。 鍵の押鍵の開始から離鍵の終了までの鍵ストロークに応じた荷重の推移の一例を、実施例と比較例について示す図である。 鍵を押し切った状態から離鍵によって元の位置に戻るときの鍵ストロークの推移の一例を、実施例と比較例について示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態による鍵盤装置を適用した電子ピアノの鍵盤装置の一部を、離鍵状態において示している。両図に示すように、この鍵盤装置1は、電子ピアノの左右方向に並んだ多数の鍵2(図1(a)では2つの白鍵2a、1つの黒鍵2bを図示)と、これらの鍵2を支持する鍵盤シャーシ3と、この鍵盤シャーシ3の後端部に連結されたハンマーサポート4と、鍵2ごとに設けられ、押鍵された鍵2に連動して回動する多数のハンマー5(図1(a)では、白鍵用ハンマー5a及び黒鍵用ハンマー5bを1つずつ図示)と、ハンマー5ごとに設けられ、鍵2の押鍵時にレットオフ感を付与するための多数のレットオフ部品6(図1(b)において1つのみ図示)と、鍵2の押鍵情報を検出するための鍵スイッチ7などで構成されている。
鍵盤シャーシ3は、いずれも左右方向に延びかつ互いに前後方向に所定距離を隔てて配置された前レール9a、中レール9b及び後レール9cから成る3本の支持レール9と、前後方向に延びる複数の補強用のリブ10とを、井桁状に組み立てたものであり、図示しない棚板上に固定されている。これらの支持レール9及びリブ10はいずれも、プレスによる打抜き及び折曲げ加工によって所定の形状に形成された金属板で構成されている。
前レール9aの下面及び中レール9bの上面にはそれぞれ、筬前11及び筬中12が固定されている。筬前11及び筬中12は、合成樹脂から成る肉厚の板状のものであり、前レール9a及び中レール9bの全体にわたって左右方向に延びている。筬中12には、白鍵2a及び黒鍵2bに対応する前後の位置に、多数のバランスピン13(鍵支点、図1(a)では、2つの白鍵用バランスピン13a、1つの黒鍵用バランスピン13bを図示)が、左右方向に並んだ状態で立設されている。また、筬前11には、多数のフロントピン14が、左右方向に並んだ状態で立設されている。
図2は、フロントピン14が立設された前レール9a及び筬前11の一部を示しており、(a)は前レール9aに筬前11が取り付けられた状態、(b)は前レール9aを省略した状態を示している。同図(a)に示すように、前レール9aの天板15には、複数のフロントピン14にそれぞれ対応する位置に、フロントピン14の外径よりも大きな直径を有する複数のピン用開口15aが形成され、それらのピン用開口15aを介して、フロントピン14が上方に突出している。なお、図2に示す2つのねじ16、16は、鍵盤シャーシ3のリブ10(図1(b)参照)の前部を、前レール9aの天板15の下面に固定するためのものである。
筬前11は、左右方向に延びる複数の筬前成形品21を、互いに左右方向に連結することによって構成されている。図3及び図4は、筬前11の一部を構成する2つの筬前成形品21、21を示している。各筬前成形品21は、所定の合成樹脂(例えばABS樹脂又はポリスチレン)から成り、フロントピン14を固定するための複数のピン孔22a、22bを有する本体部22と、この本体部22の右端部及び左端部からそれぞれ突出するように設けられ、隣り合う筬前成形品21、21同士を連結するための右連結部23及び左連結部24とで構成されている。
本体部22の前端部には、白鍵2a用のフロントピン14a(図1、2参照)を、その下端部が圧入された状態で立設するための7つのピン孔22aが、左右方向に所定間隔ごとに形成されている。一方、本体部22の後端部には、黒鍵2b用のフロントピン14b(図1、2参照)を、白鍵2bのそれと同様にして立設するための5つのピン孔22bが、左右方向に所定間隔ごとに形成されている。なお、図3及び図4に示す各筬前成形品21はいずれも、1オクターブに対応するように構成されたものである。
一方、右連結部23及び左連結部24はそれぞれ、下半部及び上半部がほぼ切り欠かれた状態に形成されている。また、一方の筬前成形品21の右連結部23と、他方の筬前成形品21の左連結部24は、互いに上下に嵌め合わされた状態で、相対的に前後方向及び左右方向に移動不能な状態に係合するように構成されている。
具体的には、右連結部23は、本体部22の右端部に連なりかつこれと同程度の前後方向の幅を有する基部25と、この基部25から右方に突出し、平面形状が横T字状に形成された連結係合凸部26とを有している。すなわち、この連結係合凸部26は、基部25の前後方向の幅よりも小さい幅を有しかつ基部25から右方に所定長さ突出する狭幅部26aと、この狭幅部26aに連なって右方に所定長さ突出し、前後方向の幅が狭幅部26aのそれよりも大きくかつ基部25のそれよりも小さい拡幅部26bとで構成されている。
また、右連結部23の基部25には、前端部及び後端部にそれぞれ、上下方向に貫通しかつ左右方向に若干延びる長孔25a、25bが形成されている。さらに、図3(b)に示すように、連結係合凸部26の下面の所定位置には、下方に所定長さ突出し、内周面に雌ねじが形成されている円筒状のねじ凸部26cが突設されている。
一方、左連結部24は、本体部22の左端部に連なり、平面形状が右連結部23の上述した基部25及び連結係合凸部26とほぼ同一で、それらの厚さ分、一段低い状態に形成された連結係合凹部27を有している。より具体的には、連結係合凹部27は、連結係合凸部26の狭幅部26a及び拡幅部26bにそれぞれ対応し、それらの外形寸法とほぼ同じ内側寸法を有する狭幅部27a及び拡幅部27bを備えている。また、連結係合凹部27の中央には、上下方向に貫通し、筬前成形品21、21同士の連結時に、ねじ凸部26cが挿入される挿入孔27cが形成されている。さらに、連結係合凹部27の左方の前端部及び後端部にはそれぞれ、上下方向に貫通しかつ左右方向に若干延びる長孔28a、28bが形成されている。
加えて、左連結部24には、その下面側から上面側に接着剤を注入するための複数(本実施形態では4つ)の接着剤注入孔29が設けられている。具体的には、連結係合凹部27の挿入孔27cを中心として、その周囲に、上下方向に貫通する接着剤注入孔29が形成されている。また、連結係合凹部27の上面には、各接着剤注入孔29を中心として、それに連なるとともに径方向に放射状に延びる複数(本実施形態では8つ)の溝29aが形成されている。
以上のように構成された筬前成形品21は、以下のように連結されることによって、左右方向に延びる筬前11を構成する。まず、連結すべき2つの筬前成形品21、21において、一方の筬前成形品21の連結係合凸部26及びねじ凸部26cを、他方の筬前成形品21の連結係合凹部27及び挿入孔27cにそれぞれ上方から嵌め合わせる。次いで、挿入孔27cに挿入されたねじ凸部26cに、圧着用ねじ31をねじ込む(図3(b)参照)。そして、4つの接着剤注入孔29にそれぞれ、所定の接着剤を注入する。これにより、各接着剤注入孔29に注入された接着剤は、その接着剤注入孔29に連なる放射状の各溝29aに流れ、一方の筬前成形品21の連結係合凸部26と、他方の筬前成形品21の連結係合凹部27が接着される。
以上のようにして、複数の筬前成形品21が連結されることによって構成された筬前11は、互いに連結された両筬前成形品21、21の左右の連結部23、24における前側の長孔25a、28a、及び後ろ側の長孔25b、28bに取付けねじ32a及び32bを下方からそれぞれ挿通し、前レール9aの天板15のねじ孔にねじ込むことによって、前レール9aに固定される。
図5(a)は、白鍵2a及び黒鍵2bを示している。同図に示すように、鍵2は、前後方向に延びるとともに矩形状の横断面を有する木製の鍵本体41と、その前半部の上面及び前面に接着された合成樹脂製の鍵カバー42とを有している。鍵本体41の長さ方向の中央付近には、バランスピン孔43が形成されており、鍵2は、このバランスピン孔43を介して、筬中12に立設されたバランスピン13に揺動自在に支持されている。
鍵2の各バランスピン孔43は、鍵本体41の下面付近にほぼ円形の孔が形成されるとともに、その孔に連なる上部全体が、鍵本体41の長さ方向に延びる長孔状に形成されている。また、バランスピン孔43の左右の内面には、鍵2が揺動する際に、バランスピン13に対して円滑に摺動させるために、フェルト43aが設けられている。
また、鍵本体41の上面には、バランスピン孔43の後ろ側にクッション44が接着されている。このクッション44は、演奏時やメンテナンス時などに、ハンマー5の前端部が鍵2に直接当たるのを防止するためのものである。
また、鍵本体41の前部の所定位置には、下方に開放するフロントピン孔45(図1(b)参照)が形成されており、このフロントピン孔45が、筬前11に立設されたフロントピン14に係合することによって、鍵2が揺動する際の左右方向のぶれが防止される。
さらに、図5(a)及び(b)に示すように、白鍵2a及び黒鍵2bの鍵本体41の後端部には、離鍵状態におけるハンマー5の当接高さを規定するためのハンマー当接高さ規定部46と、離鍵状態においてハンマー5が当接するとともに、押鍵に伴って回動したハンマー5が元の位置に戻る際に当接するハンマークッション47が取り付けられている。
ハンマー当接高さ規定部46は、硬質の合成樹脂(例えばABS樹脂)から成る所定形状の成形品で構成されている。具体的には、前後方向に所定長さ延びる上片51と、この上片51の後部に連なり下方に延びる後片52と、この後片52の下端部に連なり前方に所定長さ延びる下片53とにより、側面形状がコ字状に形成されている。また、ハンマー当接高さ規定部46の左側面には、上片51及び後片52に連なる側壁54が設けられている。
図5(b)に示すように、上片51は、その前半部を構成するとともに、上片51自体を鍵本体41の上面後端部に固定するための上片固定部51aと、上片51の後半部を構成するとともに、上面が平坦に形成され、ハンマー5の後述する鍵当接部76を下方から支持した状態で受けるハンマー受け部51bとを有している。上片固定部51aは、ハンマー受け部51bよりも厚さが薄く形成されており、図示しないコ字状の固定金具が上方から打ち込まれることにより、上片51が鍵本体41の上面後端部に固定されている。
また、上片51の上片固定部51a上には、ブロック状に形成された前記ハンマークッション47が接着によって固定されている。このハンマークッション47は、低反発弾性を有する軟質ウレタンフォームで構成されている。この軟質ウレタンフォームは、低反発弾性に加えて、軽量で、衝撃吸収性やクッション性に優れている。上記のハンマークッション47は、押鍵後の離鍵に伴ってハンマー5が押鍵前の元の位置に戻る際に、そのハンマー5の後述するクッション当接部84が当接することで、ハンマー5の弾みを抑制するためのものである。
上記のハンマー当接高さ規定部46は、上片51の下面、後片52の前面及び側壁54の三面がそれぞれ、鍵本体41の後端部における上面、後端面及び左側面の三面にぴったりと接するとともに、下片53が鍵本体41の下面後端部に当接した状態で、鍵本体41の後端部に取り付けられている。
ハンマー当接高さ規定部46が取り付けられた鍵2は、図1(b)に示すように、離鍵状態において、ハンマー当接高さ規定部46の後片52が、後レール9c上に固定されたクッション55に載置される。これにより、離鍵状態における全ての鍵2では、ハンマー当接高さ規定部46のハンマー受け部51bの高さが同じ高さになる。
図6及び図7は、ハンマーサポート4を示している。両図に示すように、ハンマーサポート4は、合成樹脂で構成され、例えば1オクターブ分の複数の成形品を互いに左右方向に連結したものであり、全てのハンマー5にわたるように左右方向に延びるとともに、鍵盤シャーシ3の後レール9cにねじ止めされている。ハンマーサポート4は、後レール9c付近から直立するハンマー支持部61と、その上端部から前方に斜め上がりに延びるスイッチ取付部62などで構成されている。ハンマー支持部61の上端部には、各ハンマー5を回動自在に支持するためのハンマー支点軸63(ハンマー支点)が設けられている。
また、ハンマーサポート4は、互いに左右方向に所定間隔を隔てた状態で、隣り合うハンマー5を仕切る複数の仕切壁64を有しており、隣り合う仕切壁64、64の間に、前記ハンマー支点軸63が左右方向に延びている。このハンマー支点軸63は、図6(b)に示すように、ハンマー支点軸63の軸心を中心とする円の前後2カ所を切り欠いた、いわゆる小判形の断面形状を有している。
具体的には、このハンマー支点軸63の外周面は、上下一対の曲面部63a、63aと、これらの曲面部63a、63aの間に延びる前後一対の平面部63b、63bとで構成されている。このように構成されたハンマー支点軸63では、上下の曲面部63a、63aが、長さL1の直径を有する円弧に設定される一方、前後の平面部63b、63b間が、上記の長さL1よりも短い長さL2に設定されている。
図8及び図9(a)は、ハンマー5を示している。両図に示すように、ハンマー5は、前後方向に延びるアーム状のハンマー本体71と、その左右の側面の前端部に、リベット70を介して取り付けられた2つの錘板72、72とを有している。ハンマー本体71は、硬質の合成樹脂で構成され、錘板72は、比重が比較的大きな鉄などの金属材料で構成されている。
ハンマー本体71の後端部には、ハンマーサポート4のハンマー支点軸63に係合する係合部73が設けられている。この係合部73は、側面形状がC字状に形成された円弧状の軸穴74が形成されており、その開口部に、外方に向かって広がるように形成された前後のガイド面75、75が設けられている。軸穴74は、ハンマー支点軸63の上下の曲面部63a、63aによる直径(長さL1)よりも若干大きな直径を有するとともに、開口部の幅L3が、ハンマー支点軸63の前後の平面部63b、63b間の長さL2よりも若干大きくかつ上記の長さL1よりも小さくなっている。そして、ハンマー5は、軸穴74の開口部を介して、ハンマーサポート4のハンマー支点軸63に対して着脱可能になっており、軸穴74がハンマー支点軸63に係合することによって、ハンマーサポート4に回動自在に支持されている。
また、図9(a)に示すように、ハンマー5の底面後部の所定位置には、下方に突出し、鍵2の前述したハンマー当接高さ規定部46に上方から当接する鍵当接部76が設けられている。この鍵当接部76は、ハンマー5のハンマー本体71と一体に成形された当接凸部77と、この当接凸部77を覆った状態に、ハンマー本体71に取り付けられた凸部カバー78とで構成されている。
図9(b)に示すように、鍵当接部76の当接凸部77は、下方に突出し、下面が円弧状に形成されている。また、ハンマー本体71には、当接凸部77の前側上部に、凸部カバー78の後述するフック82が係合するフック受け部79が形成されている。フック受け部79は、下方に開放する凹状に形成されており、その上端部に係止凹部79aを有している。
一方、凸部カバー78は、所定の弾性材料(例えばエラストマー)から成り、所定形状の成形品で構成されている。具体的には、図9(b)及び(c)に示すように、凸部カバー78は、上方に開放し、上記当接凸部77を覆った状態で収容するカバー本体81と、このカバー本体81の前端部から上方に延び、ハンマー本体71のフック受け部79に係合するフック82とを有している。
また、図9(b)及び(c)に示すように、カバー本体81の底面の前半部(図9(b)の左半部)には、比較的大きい曲率半径を有する円弧状の前底部81aが設けられる一方、後半部には、前底部81aよりも小さい曲率半径を有する円弧状の後底部81bが設けられている。この後底部81bは、カバー本体81の底部の後半部が切り欠かれたように形成され、前底部81aに対し、その円弧状の外形線を後方に延長したときの仮想線よりも内側(上側)に位置することで、段差を有するように形成されている。
また、凸部カバー78のフック82の上端部には、爪部82aが設けられており、この爪部82aがフック受け部79の係止凹部79aに係止されることにより、凸部カバー78は、当接凸部77に装着された状態で、ハンマー本体71にしっかりと取り付けられる。
図8及び図9(a)に示すように、ハンマー本体71の底面には、鍵2の上面後端部に固定されたハンマークッション47に当接するクッション当接部84(所定部分)が設けられている。このクッション当接部84は、上記鍵当接部76の前方の所定位置に設けられ、下面が平坦に構成されている。
また、ハンマー本体71には、後端部の係合部73の前側上部に、押鍵時に鍵スイッチ7を押圧することによって作動させるためのアクチュエータ部86が設けられている。さらに、ハンマー本体71には、その上面の前後方向の中央付近に、押鍵時にレットオフ部品6に係合する板状の係合突起87が突設されている。
図1に示すように、鍵スイッチ7は、プリント基板から成るスイッチ基板7aと、このスイッチ基板7aの下面に、鍵2ごとに設けられたゴムスイッチから成るスイッチ本体7bで構成されている。スイッチ基板7aは、その後端部がハンマーサポート4のスイッチ取付部62に差し込まれるとともに、スイッチ取付部62にねじ止めされている。また、スイッチ本体7bは、離鍵状態において、ハンマー5のアクチュエータ部86に隙間を隔てて対向している。
また、レットオフ部品6は、弾性材料から成る所定形状の成形品で構成されており、図1(b)に示すように、ハンマーサポート4のスイッチ取付部62に取り付けられている。レットオフ部品6は、スイッチ取付部62から斜め後ろ下がりに延びており、その先端部には、くびれ部を介して頭部6aが形成されている。この頭部6aは、離鍵状態において、ハンマー5の係合突起87に対向している。
さらに、図1に示すように、ハンマーサポート4のスイッチ取付部62には、前端部の底面に、ハンマー5の上方への回動を規制するハンマーストッパ88が設けられている。このハンマーストッパ88は、左右方向に延びるように、スイッチ取付部62に取り付けられている。
次に、以上のように構成された鍵盤装置1の動作について説明する。図1に示す離鍵状態から鍵2が押鍵されると、鍵2は、バランスピン13を中心として、図1(b)の反時計方向に回動し、それに伴い、ハンマー5は、鍵当接部76を介して突き上げられ、ハンマー支点軸63を中心として、上方(図1(b)の時計方向)に回動する。
このハンマー5の回動の途中で、その係合突起87が、レットオフ部品6の頭部6aに係合し、頭部6aを介してレットオフ部品6を圧縮させながら押圧することにより、レットオフ部品6からハンマー5に作用する反力が増大する。ハンマー5の回動が進むと、係合突起87が頭部6aから外れることで、レットオフ部品6からの反力が急激に消失する。このようなレットオフ部品6の反力の増大と消失によって、アコースティックピアノに近似したレットオフ感が得られる。
その後、ハンマー5の前部が、上方のハンマーストッパ88に当接することによって、ハンマー5の上方への回動が終了する。また、ハンマー5の上方への回動の間、そのアクチュエータ部86が鍵スイッチ7のスイッチ本体7bを押圧し、鍵スイッチ7をONすることによって、ハンマー5の回動量に応じた鍵2の押鍵情報が検出され、発音制御装置(図示せず)に出力される。そして、この発音制御装置により、検出された押鍵情報に基づいて、電子ピアノの発音が制御される。
ここで、図10〜図12を参照して、鍵2とハンマー5との当接状態、及び押鍵時のタッチ重さについて説明する。図10(a)及び(b)はそれぞれ、離鍵状態及び押鍵状態において、鍵2に対するハンマー5の当接位置、すなわち、鍵2の後端部におけるハンマー当接高さ規定部46のハンマー受け部51b(図10及び11では上面の位置のみ図示)に対し、ハンマー5の鍵当接部76の当接位置を示している。図10(a)に示すように、離鍵状態では、ハンマー5の鍵当接部76は、その凸カバー78の底面において、前底部81aの所定位置P1が、鍵2のハンマー受け部51bに当接している。この場合、ハンマーサポート4のハンマー支点軸63の中心と上記所定位置P1との間は、距離R1になっている。またこの場合、ハンマー5のクッション当接部84は、鍵2のハンマークッション47に載置されている。
また、図10(b)に示すように、押鍵状態では、ハンマー5の鍵当接部76は、その凸カバー78の底面において、前底部81aの所定位置、より具体的には、前記所定位置P1よりも若干後方で、前底部81aの後端部の所定位置P2が、鍵2のハンマー受け部51bに当接している。この場合、ハンマーサポート4のハンマー支点軸63の中心と上記所定位置P2との間の距離R2は、離鍵状態における距離R1とほぼ同じになっている(R2≒R1)。つまり、鍵2の押鍵の開始から終了(鍵2を押し切った状態)までの間では、鍵2のハンマー受け部51bとハンマー5の鍵当接部76との接点、すなわち、ハンマー5に対する鍵2の作用点と、ハンマー支点軸63の中心との距離は、ほぼ一定になっている。
一方、図11(a)及び(b)は、上述した図10(a)及び(b)にそれぞれ対応し、鍵当接部76において、図10の底部に段差を有する凸部カバー78に代えて、底面が滑らかな円弧状の底部90aを有する凸部カバー90を用いるとともに、鍵2の上面後端部からハンマークッション47を省略した比較例を示している。図11(a)に示す離鍵状態では、ハンマー5の鍵当接部76は、凸部カバー90の底部90aにおいて、前側の所定位置Q1が、鍵2のハンマー受け部51bに当接している。この場合、ハンマーサポート4のハンマー支点軸63の中心と上記所定位置Q1との間の距離S1は、図10(a)で示す距離R1とほぼ同じである(S1≒R1)。
また、図11(b)に示す押鍵状態では、ハンマー5の鍵当接部76は、凸部カバー90の底部90aにおいて、後ろ側の所定位置Q2が、鍵2のハンマー受け部51bに当接している。この場合、ハンマーサポート4のハンマー支点軸63の中心と上記所定位置Q2との間の距離S2は、上記距離S1よりも短くなっている(S2<S1)。つまり、ハンマー5の鍵当接部76に凸部カバー90を適用した比較例では、鍵2の押鍵の開始から終了までの間において、ハンマー5に対する鍵2の作用点と、ハンマー支点軸63の中心との距離は、次第に短くなる。
図12は、押鍵時における鍵2の前端の下方への変位である鍵ストロークと、その鍵ストロークに応じたタッチ重さとしての荷重の推移の一例を、上述した本実施形態の実施例(実線)と比較例(破線)について、押鍵の開始時から離鍵の終了時にわたって示している。同図に示すように、鍵ストロークが0mm〜約6mmの範囲においては、実施例及び比較例はあまり相違はない。また、鍵ストロークが約6mm〜約8mmの範囲においては、レットオフ部品6による反力の増大と消失によるレットオフ感を生じさせており、実施例及び比較例ではいずれも同様のレットオフ感が得られている。
さらに、鍵ストロークが約8mm〜約9mmの範囲においては、比較例の荷重の上昇が実施例に比べて大きくなっている。このことから、比較例では、レットオフ感が付与された直後において、鍵2の押下げが重く感じてしまうことになる。これに対し、実施例では、レットオフ感の付与直後において、比較例に比べて、荷重の上昇が緩やかであり、鍵2の押下げが重く感じることがなく、アコースティックピアノに近似したタッチ感を得ることができる。なお、鍵ストロークが約9mm〜約10mmの範囲において、荷重が急激に大きくなるのは、上方に回動したハンマー5がハンマーストッパ88に当接することで、それ以上の回動が阻止されることによるものである。
上述した鍵2の押鍵の終了後、離鍵されると、上方に回動していたハンマー5が自重によって下方に回動し、鍵当接部76を介して、鍵2の後端部を下方に押し下げる。これに伴い、鍵2は、押鍵時と反対方向に回動し、図1に示す離鍵状態に復帰する。またこの場合、ハンマー5は、そのクッション当接部84が鍵2のハンマークッション47に上方から当接することにより、弾みが抑制される。
図13は、鍵2を押し切った状態から離鍵によって元の位置に戻るときの鍵ストロークの推移の一例を、本実施形態の実施例(実線)と、鍵2の上面後端部からハンマークッション47を省略した比較例(破線)について示している。なお、同図に示す鍵ストロークの0mmの位置が、離鍵状態における鍵2の位置(以下「基準位置」という)である。
鍵2を押し切った状態から離鍵が開始されると、図13に示すように、実施例及び比較例ではいずれも、鍵2は、その前端が上昇した後、基準位置を中心として上下に振動して停止する。この鍵2の振動は、上方に回動していたハンマー5が下方に回動し、元の位置に戻る際の勢いによる上下の弾みに伴って生じるものである。
前述したように、比較例では、鍵2の上面後端部にハンマークッション47がないので、上方に回動したハンマー5が元の位置に戻る際に、上下の弾みが抑制されることがない。このため、図13において破線で示すように、比較例の鍵2は、基準位置を中心として上下に比較的大きく振動し、停止するまでの時間が長くなってしまう。
これに対し、実施例では、上方に回動したハンマー5が元の位置に戻る際に、ハンマークッション47に上方から当接することで、ハンマー5の弾みが抑制される。その結果、図13に実線で示すように、実施例の鍵2は、比較例に比べて、基準位置を中心とする鍵2の振動が抑制されるとともに、停止するまでの時間が短くなる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、鍵2の押鍵に伴って上方に回動したハンマー5は、離鍵によって下方に回動し、押鍵前の元の位置に戻る際に、クッション当接部84を介して、鍵2の上面後端部のハンマークッション47に当接する。これにより、押鍵後にハンマー5が元の位置に戻る際の弾みを抑制でき、その結果、鍵2が押鍵前の元の位置に早期に戻ることで、素早い演奏が可能となり、良好な演奏性を得ることができる。
また、ハンマークッション47は、鍵2の上面後端部(ハンマー当接高さ規定部46の上片固定部51a)に設けられ、加えて、そのハンマークッション47に当接するハンマー5のクッション当接部84が、鍵2でハンマー5を回動させるときの作用点としての鍵当接部76の直ぐ前側に設けられている。これにより、例えば、ハンマー5が押鍵前の元の位置に戻る際に、ハンマー5の下面前端部がハンマークッションに当接するように構成する場合に比べて、比較的早期に、ハンマー5をハンマークッション47に当接させることができるとともに、ハンマークッション47に与える衝撃を低減することができる。その結果、ハンマー5が押鍵前の元の位置に戻る際に、比較的広い回動範囲において、ハンマー5の弾み抑制効果を得ることができるとともに、ハンマークッション47を長期間にわたって使用することができる。
さらに、ハンマー5の鍵当接部76において、ハンマー5が回動する際に、前底部81aのみが、鍵2の上面後端部(ハンマー当接高さ規定部46のハンマー受け部51b)に当接することにより、その当接部位とハンマーサポート4のハンマー支点軸63の中心との間の距離がほぼ一定になっている。これにより、押鍵に伴ってハンマー5が回動する際に、ハンマー5から鍵2に作用する荷重の増加を抑制することができる。それにより、演奏時に鍵2をゆっくり押し下げる弱打を行う場合であっても、演奏者にとって鍵2が重く感じることがなく、良好な演奏性を得ることができる。
また、電子ピアノの長期間の使用により、ハンマークッション47が、ハンマー5の繰り返しの押圧で次第に押しつぶされ、ハンマークッション47の上面高さが下がることがある。しかし、ハンマー5の鍵当接部76の前底部81aは、比較的大きな曲率半径を有する円弧状に形成されているので、上記の上面高さが下がっても、ハンマー5と鍵2との当接高さは、ほとんど変化することがなく、それにより、離鍵状態において、ハンマー5を適正な姿勢に長期間にわたって維持することができる。
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、ハンマー5の鍵当接部76において、凸部カバー78の底部に、鍵2に当接可能な前底部81a及び鍵2に当接不能な後底部81bを形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンマー本体71に一体に成形することも可能である。
また、実施形態で示した鍵盤装置1、鍵2、ハンマー5及び鍵当接部76の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
1 鍵盤装置
2 鍵
4 ハンマーサポート
5 ハンマー
13 バランスピン(鍵支点)
47 ハンマークッション
51 上片
51b ハンマー受け部
63 ハンマーサポートのハンマー支点軸(ハンマー支点)
71 ハンマー本体
76 鍵当接部
77 当接凸部
78 凸部カバー
81 カバー本体
81a カバー本体の前底部
81b カバー本体の後底部
84 クッション当接部(所定部分)
P1 当接部位
P2 当接部位

Claims (4)

  1. 前後方向に延びるとともに長さ方向の中央付近の鍵支点を中心として揺動自在の鍵と、
    前後方向に延び、後端部において前記鍵の後端付近に設けられたハンマー支点を中心として上下方向に回動自在に支持されるとともに前記鍵の上面の後端部に載置され、当該鍵の揺動に連動して回動するハンマーと、
    を備え、
    前記ハンマーは、
    前後方向に延び、後端部において前記ハンマー支点を中心として回動自在のハンマー本体と、
    このハンマー本体の下面の後端部から下方に突出するように設けられ、前記鍵の上面の後端部に上方から当接する鍵当接部と、
    を有し、
    前記鍵当接部は、前記ハンマーが回動する際に、前記鍵の上面に当接する当接部位と前記ハンマー支点との距離がほぼ一定になるように構成されていることを特徴とする電子鍵盤楽器の鍵盤装置。
  2. 前記鍵当接部は、側面形状がほぼ円弧状に形成された底部を有しており、
    前記底部は、当該底部の前半部を構成し、前記鍵に当接可能な前底部と、前記底部の後半部を構成し、前記鍵に当接不能な後底部とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子鍵盤楽器の鍵盤装置。
  3. 前記鍵の上面の後端部において、前記鍵当接部の直ぐ前側に設けられ、離鍵状態において前記ハンマーの下面の所定部分が上方から当接するハンマークッションを、さらに備え、
    前記前底部は、前記ハンマークッションの経年変形の前後において、離鍵状態における前記ハンマーをほぼ同じ姿勢に維持するために、所定の曲率半径を有する円弧状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電子鍵盤楽器の鍵盤装置。
  4. 前記鍵当接部は、
    前記ハンマー本体と一体に成形され、下方に突出する凸状に形成された当接凸部と、
    前記前底部及び前記後底部を有し、前記当接凸部に着脱自在に取り付けられた凸部カバーと、
    を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子鍵盤楽器の鍵盤装置。
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