JP2020034089A - 燃料ガス充填システム及び燃料ガス充填方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、コリオリ式質量流量計は高額であり、システム全体のコストアップの一要因となっている。また、コリオリ式質量流量計を用いることでシステム全体の複雑化の要因ともなっている。
もっとも、このような場合でも、大まかな充填量の管理や法的に要求される充填中における流量監視を行うことは必要であり、流量計を燃料ガス充填システムの構成機器から外すということはできない。
前記燃料ガスを貯留する蓄圧器と、前記蓄圧器の内部のガス温度を測定する温度測定装置と、前記蓄圧器の内部のガス圧力を測定する圧力測定装置と、該圧力測定装置の測定値と前記温度測定装置の測定値を入力して、前記充填容器に充填された燃料ガス量を演算する演算装置とを備え、
該演算装置は、前記充填容器への燃料ガスの充填前後の前記蓄圧器のガス温度、前記ガス圧力及び前記蓄圧器の容量に基づいて、前記蓄圧器から前記充填容器に充填された燃料ガス量を演算することを特徴とするものである。
燃料ガスの充填完了時又は充填停止時又は所定時間経過ごとに燃料ガスの充填量を演算する燃料ガス充填量演算工程を有し、
該燃料ガス充填量演算工程は、充填前の前記蓄圧器の内部のガス温度、ガス圧力、前記蓄圧器の容量に基づいて充填前の前記蓄圧器内の燃料ガス量である充填前燃料ガス量を演算し、充填完了時又は充填停止時又は所定時間経過ごとに前記蓄圧器の内部のガス温度、ガス圧力、前記蓄圧器の容量に基づいて充填後の前記蓄圧器内の燃料ガス量である充填後燃料ガス量を演算し、前記充填前燃料ガス量と前記充填後燃料ガス量の差分によって燃料ガスの充填量を演算することを特徴とするものである。
本発明を適用した一実施形態である水素ガス充填システム1の構成を、模式的に示す系統図である図1に基づいて説明する。
温度計19−1〜19−Nは、局所的な温度変化のない位置の温度検知をできるように設けることが好ましい。局所的な温度変化のない位置としては、例えば、蓄圧器内部であって、蓄圧器端部プラグ部、蓄圧器元弁、蓄圧器と蓄圧器元弁の間の配管流路ガス接触部などのいずれか、またはそれぞれに設けることもできる。蓄圧器端部や配管部分など、外部環境温度に影響を受けやすい箇所に設置する場合、温度計を設置した上から保温材を巻いて、外部環境に影響されにくいような措置を施すのが好ましい。
制御装置10は圧力計21−1〜21−N、圧力計26と電気的に接続されており、各圧力計21、26から測定値を受信する。また、制御装置10は、温度計19とも電気的に接続されており、各温度計19から測定値を受信する。さらに、制御装置10は、遮断弁22−1〜22−N、遮断弁24、及び遮断弁29と電気的に接続されており、制御部10aが各遮断弁22、24、29に対して開閉を制御する信号を送信する。
また、制御装置10は、調節弁23と電気的に接続されており、制御部10aが調節弁23に対して開度を調節する信号を送信する。したがって、制御装置10の制御部10aによる制御によって遮断弁22−1〜22−Nのいずれかが開放されると、開放された遮断弁22−1〜22−Nに接続されている蓄圧器20−1〜20−Nから水素ガスが対応する枝管11に供給される。
なお、演算部10bの具体的な演算方法は後述する。
遮断弁22−1〜22−Nは、蓄圧器20−1〜20−Nに貯留されている水素ガスの遮断弁22の二次側への供給を遮断可能な弁であり、制御装置10からの制御信号に応じて開閉される。
また、充填終了後は、FCV3からカプラ28が取り外される。
水素ガスの供給対象となるFCV3が水素ガス充填システム1に到着すると、先ず、FCV3の車載タンクとカプラ28とを接続し、FCV3側の弁を開放する。なお、水素ガス充填システム1の初期状態では、全ての遮断弁22、24、29が閉状態である。
その後、制御装置10は、使用中蓄圧器を切り替えながら、FCV3の車載タンク内への充填を行う。そして、規定の充填終了の条件、例えば、車載タンク内の圧力が規定圧力(例えば、70MPa)に達したら、遮断弁24が閉止され、充填は終了となる。
次いで、供給配管12内の圧力が減少して、圧力計26の測定値が予め設定された圧力(例えば、0.3MPa)に達したとき、水素ガスの放散は終了となり、制御装置10からの制御信号によって遮断弁29が閉止される。最後に、カプラ28がFCV3から外されて、水素ガスの充填作業が完了する。
《充填開始前》
充填開始前に、演算部10bは蓄圧器20−1〜20−Nの容量、圧力、温度に基づいて充填前の各蓄圧器20内の水素ガスの量を演算する。
例えば、蓄圧器20−1の場合、まず、充填開始前の蓄圧器20−1の圧力P20-1(MPa)、水素ガス温度T20-1(K)とから水素密度ρ20-1(kg/m3)を算出する。
ρ20-1=P20-1×106×T20-1/(z×4124.566)
z:圧縮係数、4124.566は水素の気体定数
ρ20-1を用いて、蓄圧器20−1の容積(V20-1)から水素量(M20-1)を計算する
M20-1(kg)=ρ20-1×V20-1
同様にして、蓄圧器20−2〜20−Nについて、M20-2〜M20-Nを求める。
車載タンクへの水素ガスの充填中においては、充填が終了した蓄圧器20について、充填終了時の水素量を演算する。例えば、蓄圧器20−1の充填が終了すると、充填終了時の蓄圧器20−1の圧力P´20-1(MPa)と水素ガス温度T´20-1(K)とから水素密度ρ´20-1(kg/m3)を算出し、さらにρ´20-1を用いて、充填終了時の蓄圧器20−1の水素量M´20-1を求める。
M20-1とM´20-1の差分が蓄圧器20−1から車載タンクに充填された水素量となる。
車載タンクへの充填が完了した時点(満タンになった時点)で、各蓄圧器20からの充填量を足し算することで、車載タンクへの充填量を求めることができる。
この場合、充填開始前の演算部10bの処理は上記と同様であるが、その後、充填を開始すると、1秒ごとに充填水素量を演算して、演算結果を出力して例えば表示器(図示なし)に表示等するようにする。このようにすれば、充填完了、充填停止時における充填量に加えて、充填途中における充填量を知ることができる。
なお、所定時間ごとに充填量を演算すれば、経過時間で割り算することで、充填中の瞬時流量(kg/h、kg/min、kg/sなど)も算出可能である。算出間隔については任意に実施できる。
(i)蓄圧器200L×1本、300L×2本、3バンクシステムを想定する。
第1バンク 200L
第2,3バンク 300L
(ii)各蓄圧器の充填前の初期圧力・ガス温度は、89MPa,6℃とする。
(iii)各蓄圧器の充填前後の圧力と温度の変化は以下の通りであった。
第1バンク 89MPa ⇒ 53MPa
6℃ ⇒ -35℃
第2バンク 89MPa ⇒ 72MPa
6℃ ⇒ -5℃
第3バンク 89MPa ⇒ 83MPa
6℃ ⇒ 0℃
(iV)上記数値から、各バンクの充填量を計算すると以下の通りである。
第1バンク 2.074kg(密度変化48.41⇒38.04)
第2バンク 1.563kg(密度変化48.41⇒43.20)
第3バンク 0.468kg(密度変化48.41⇒46.85)
(V)各バンクの充填量を合算して、充填量は4.105kgと計算できる。
また、上記の実施の形態では、燃料ガスとして水素ガスを例に説明したが、燃料ガスは電気化学反応によって電力を発生させてFCV3に用いることができるガスであればどのようなガスであってもよい。
3 FCV
10 制御装置
10a 制御部
10b 演算部
11(11−1〜11−N) 枝管
12 供給配管
13 枝管(供給配管)
15 放散配管
19(19−1〜19−N) 温度計
20(20−1〜20−N) 蓄圧器
21(21−1〜21−N) 圧力計
22(22−1〜22−N) 遮断弁
23 調節弁
24 遮断弁(供給配管)
26 圧力計(遮断弁の二次側)
28 カプラ
29 遮断弁(放散配管)
Claims (5)
- 燃料ガスが所定の圧力で貯留された蓄圧器と、前記燃料ガスを充填する充填容器との差圧によって、前記燃料ガスを前記充填容器に充填する燃料ガス充填システムであって、
前記燃料ガスを貯留する蓄圧器と、前記蓄圧器の内部のガス温度を測定する温度測定装置と、前記蓄圧器の内部のガス圧力を測定する圧力測定装置と、該圧力測定装置の測定値と前記温度測定装置の測定値を入力して、前記充填容器に充填された燃料ガス量を演算する演算装置とを備え、
該演算装置は、前記充填容器への燃料ガスの充填前後の前記蓄圧器のガス温度、前記ガス圧力及び前記蓄圧器の容量に基づいて、前記蓄圧器から前記充填容器に充填された燃料ガス量を演算することを特徴とする燃料ガス充填システム。 - 前記演算装置は、前記充填容器への燃料ガスの充填が完了又は停止した時点で充填された燃料ガス量を演算することを特徴とする請求項1記載の燃料ガス充填システム。
- 前記演算装置は、前記燃料ガスの充填中において、予め設定した所定時間間隔で燃料ガスの充填量を演算することを特徴とする請求項1記載の燃料ガス充填システム。
- 前記温度測定装置は、前記蓄圧器に複数設けられており、前記演算装置は各温度測定装置の測定値を入力して、その平均値を当該蓄圧器の温度の測定値として充填量を演算することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料ガス充填システム。
- 燃料ガスが所定の圧力で貯留された蓄圧器と、前記燃料ガスを充填する充填容器との差圧によって、前記燃料ガスを前記充填容器に充填するものにおいて、
燃料ガスの充填完了時又は充填停止時又は所定時間経過ごとに燃料ガスの充填量を演算する燃料ガス充填量演算工程を有し、
該燃料ガス充填量演算工程は、充填前の前記蓄圧器の内部のガス温度、ガス圧力、前記蓄圧器の容量に基づいて充填前の前記蓄圧器内の燃料ガス量である充填前燃料ガス量を演算し、充填完了時又は充填停止時又は所定時間経過ごとに前記蓄圧器の内部のガス温度、ガス圧力、前記蓄圧器の容量に基づいて充填後の前記蓄圧器内の燃料ガス量である充填後燃料ガス量を演算し、前記充填前燃料ガス量と前記充填後燃料ガス量の差分によって燃料ガスの充填量を演算することを特徴とする燃料ガス充填方法。
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