JP2020034084A - 高圧タンク - Google Patents

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康博 飯田
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Abstract

【課題】破裂試験時の破壊圧力のバラツキを抑えることができる高圧タンクを提供することである。【解決手段】ガスが充填されるライナ11と、繊維強化樹脂がライナの外面に複数層構造で巻回された繊維強化樹脂層12と、を有する高圧タンク10であって、繊維強化樹脂層の複数層構造のいずれかの層間の所定箇所には、繊維強化樹脂の強化繊維の繊維径以下の直径の粒子が配置された脆弱部30が形成されており、脆弱部に配置された粒子は、所定箇所の層間のライナ側の層に対して1質量%以上、5質量%以下の質量比率で配置される構成にした。【選択図】図2

Description

本発明は、高圧タンクに関する。
従来、高圧タンクとして、ガス等の高圧流体が充填されるライナを繊維強化樹脂層で外側から補強したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の高圧タンクの製造工程には、いわゆるフィラメントワインディング工法(以下、FW工法と称する)が採用されている。未硬化樹脂を含浸した強化繊維がFW工法によってライナの外面に幾重にも巻き付けられた後に、樹脂が硬化されてライナの外面に強化繊維と樹脂によって繊維強化樹脂層が形成される。これにより、高圧タンクの充填圧力が高められると共に軽量化が実現されている。
特許第4639085号公報
ところで、高圧タンクの強度を確認するために破裂試験が実施されるが、タンクにおける破壊起点の位置が変わることで、破裂試験時の破壊圧力のバラツキが大きくなるという問題があった。
本発明では、破裂試験時の破壊圧力のバラツキを抑えることができる高圧タンクを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る高圧タンクは、ガスが充填されるライナと、繊維強化樹脂が前記ライナの外面に複数層構造で巻回された繊維強化樹脂層と、を有する高圧タンクであって、前記繊維強化樹脂層の複数層構造のいずれかの層間の所定箇所には、前記繊維強化樹脂の強化繊維の繊維径以下の直径の粒子が配置された脆弱部が形成されており、前記脆弱部に配置された粒子は、前記所定箇所の層間の前記ライナ側の層に対して1質量%以上、5質量%以下の質量比率で配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、繊維強化樹脂層のいずれかの層間に部分的に強化繊維の繊維径以下の直径の粒子が配置されて脆弱部が形成されているため、破裂試験時に脆弱部を破壊起点にして高圧タンクを破壊させることができる。脆弱部が破壊起点となることから、高圧タンクの同じ位置で破壊するように破壊起点をコントロールすることができる。よって、高圧タンクの破壊位置の違いに起因した破裂試験時の破壊圧力のバラツキを簡易な構成で抑えることができる。
本実施形態に係る高圧タンクの断面模式図である。 図1に示す高圧タンクの部分拡大図である。 高圧タンクの破壊強度を示す図である。 本実施形態に係る高圧タンクの製造方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る高圧タンク10の断面模式図であり、高圧タンク10を長手方向の中心軸CXを含む面で切断した側方断面構造を示している。なお、以下の説明では、高圧タンク10として車載用の燃料電池システムで燃料電池に水素等の燃料ガスを貯蔵する燃料タンクを例示して説明するが、高圧タンク10は燃料電池システム以外の任意の用途で使用されてもよい。
図1に示すように、高圧タンク10は、タンクの基材となるライナ11の外面を繊維強化樹脂層12で被覆したタンク本体13を有している。タンク本体13は、円筒状の胴体部14の両端から一対のドーム部15、16を半球状に膨出させた外面形状を有している。各ドーム部15、16の頂点部分は開口しており、各ドーム部15、16のそれぞれの開口に口金21、25が取り付けられている。一方の口金21にはバルブ28が取り付けられており、バルブ28によってタンク本体13内のガスの放出および流入が行われる。他方の口金25でドーム部16の開口が遮蔽されており、口金25によってタンク本体13内が気密に封止されている。
ライナ11には、燃料ガスに対するガスバリア性を有する樹脂によって、燃料ガスの貯蔵空間19が形成されている。ライナ11の樹脂材料としては、例えば、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレン等の樹脂を用いることができる。ライナ11には、燃料ガスとして水素ガスの他に、例えば、CNG(圧縮天然ガス)等の各種圧縮ガス、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)等の各種液化ガス、その他の各種加圧物質が充填されてもよい。なお、ライナ11は、樹脂材料に代えてアルミニウム合金等の金属材料によって成形されていてもよい。
繊維強化樹脂層12は、一方向に引き揃えられた強化繊維に、未硬化樹脂(未硬化の熱可塑性樹脂)が含浸された繊維強化樹脂をライナ11の外面に幾重にも巻き付けて、加熱炉で未硬化樹脂を硬化させることでライナ11の外面を被覆するように複数層構造で形成される。繊維強化樹脂の巻き付け態様としては、フープ巻き、ヘリカル巻き等を採用することができる。強化繊維に含浸される熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂等を挙げることができる。強化繊維としては炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等を採用してもよい。繊維強化樹脂層12によってライナ11が外側から補強されることで強度向上と軽量化が実現されている。本実施形態では、強化繊維に含浸される樹脂に熱硬化性樹脂を用いるが、例えば、この樹脂に、ナイロンなどの熱可塑性樹脂を用いてもよい。この場合には、熱可塑性樹脂が軟化した状態で、繊維強化樹脂を巻き付け後、これを放冷し、熱可塑性樹脂を硬化させればよい。
一方の口金21はアルミニウムまたはその合金等の金属製であり、口金21の本体となる筒状部22の外周にはフランジ部23が設けられている。口金21は、一方のドーム部15の内側にフランジ部23を押し当てるようにして、筒状部22の一端をドーム部15から外部に突出させている。筒状部22にはバルブ28から延びるノズル29が差し込まれており、このノズル29が貯蔵空間19から燃料ガスを排出する排出口および貯蔵空間19に燃料ガスを充填する充填口になっている。なお、ノズル29が排出口および充填口を兼用する構成に限らず、バルブ28には燃料ガスの排出流路と充填流路とが個別に設けられていてもよい。
他方の口金25は、一方の口金21と同様に、アルミニウムまたはその合金等の金属製であり、口金25の本体となる筒状部26の外周にはフランジ部27が設けられている。口金25は、他方のドーム部16の内側にフランジ部27を押し当てるようにして、筒状部26の一端をドーム部16から外部に突出させている。他方の口金25の筒状部26の内側が途中で遮蔽されており、口金25によって貯蔵空間19が密閉されている。このようにして、高圧タンク10には、タンク本体13、一対の口金21、25によって形成された貯蔵空間19に高圧状態の燃料ガスが適宜取り出し可能な状態で貯蔵されている。
ところで、高圧タンク10の強度を確認するために破裂試験が実施されるが、一般的な高圧タンクでは破壊起点が同じ位置になるとは限らない。高圧タンクの製造時の繊維強化樹脂層内のボイド量や繊維うねりの発生位置に応じて破壊起点の位置が変化するため、高圧タンクの強度は破壊起点の発生位置によって破裂試験時の破壊強度にバラツキが生じてしまう。より詳細には、高圧タンクの中央付近を起点に破壊した場合には破壊強度が比較的高く、高圧タンクの中央から離れた位置を起点に破壊した場合には破壊強度が低くなるという傾向がある。
そこで、本実施形態の高圧タンク10では、繊維強化樹脂層12内に部分的に粒子を配置して、塗布部分の強度を意図的に下げることで脆弱部30(図2参照)を形成している。これにより、脆弱部30を破壊起点にして、破裂試験時に高圧タンク10が略同じ位置で破壊されて破壊圧力のバラツキが抑えられる。このとき、粒径の大きさ、粒子が配置される所定部分に対する粒子の質量比率を調整することで、破壊強度の極端な低下が抑えられている。さらに、高圧タンク10の中央付近に粒子を配置して脆弱部30を形成することで、比較的高い破壊強度を得ることが可能になっている。
以下、本実施形態の高圧タンク10の繊維強化樹脂層12について説明する。図2は、図1の高圧タンク10の部分拡大図であり、繊維強化樹脂層12の脆弱部30付近を模式的に示している。図3は、高圧タンクの破壊強度を示すグラフであり、粒子の質量%と破壊強度の関係を示している。
図2に示すように、繊維強化樹脂層12は、ライナ11の外面に巻き付け態様を変えながら、強化繊維を束にした繊維強化樹脂を幾重にも巻き付けて複数層構造に形成されている。繊維強化樹脂層12の1層目は繊維強化樹脂をヘリカル巻きしたヘリカル層L1、2層目は繊維強化樹脂をフープ巻きしたフープ層L2、3層目は繊維強化樹脂をフープ巻きしたフープ層L3、4層目は繊維強化樹脂をヘリカル巻きしたヘリカル層L4になっている。ヘリカル層L1、L4は、繊維強化樹脂がライナ11の中心軸CX(図1参照)に対して10°から60°の角度で巻き付けられた層であり、フープ層L2、L3は、繊維強化樹脂がライナ11の中心軸CXに対して略垂直に巻き付けられた層である。
2層目と3層目のフープ層L2、L3の間には、タンク本体13(図1参照)の長手方向の中央位置に粒子が配置されて脆弱部30が形成されている。脆弱部30には、繊維強化樹脂内の強化繊維の繊維径以下(例えば、5μm以下)の直径の粒子が配置されている。粒子の直径とは、JIS−Z8801に規定する試験用篩いを用いて測定した平均粒径のことである。粒子の配置方法は、特に限定されないが、例えばフープ層L2の表面に粒子を吹き付けなどにより塗布してもよい。脆弱部30の粒子は、タンク中央におけるライナ11側のフープ層L2、すなわちフープ層L2の所定部分Aに対して1質量%以上、5質量%以下の質量比率で配置されている。
粒子としては、繊維強化樹脂層12の層間のせん断強度を脆弱化させるものであれば特に限定されず、例えば、強化繊維と熱硬化性樹脂の間で熱硬化性樹脂の熱硬化を化学的に阻害する粒子が採用されてもよいし、層間に異物として介在して層間の接合強度を物理的に低下させる粒子が採用されてもよい。樹脂の硬化を阻害する粒子としては、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂の重合反応を抑制し、エポキシ樹脂の熱硬化を抑制する酸化チタン粒子が使用されてもよい。異物として介在する粒子としては、その他のセラミック粒子、金属粒子等の無機材料からなる粒子が使用されてもよい。特に酸化チタン粒子であれば、エポキシ樹脂の熱硬化を抑制すると共に、層間の接合強度を物理的に低下させることができる。フープ層L2、L3の間に粒子を入れることで、部分的に層間剥離性を上げて脆弱部30を剥離起点にすることが可能になっている。
脆弱部30は、比較的強度が高いタンク中央に形成されていたとしても、繊維強化樹脂層12の所定部分Aに対する粒子の質量比率が高すぎると剥離面積が広くなり、亀裂進展の範囲が拡大して強度を担保することができない。同様に、強化繊維の繊維径に対して粒子の直径が大きすぎても剥離面積が広くなる。このため、上記したように繊維強化樹脂層12の所定部分Aに対する1質量%以上、5質量%以下の質量比率で、強化繊維の繊維径以下の直径の粒子を配置して脆弱部30を形成している。質量比率を上記範囲とすることにより、フープ層L2、L3の層間の剥離面積が広くなることなく、破壊強度の大幅な低下を抑えた脆弱部30を剥離起点にすることができる。
ここで、繊維強化樹脂層12の粒子の質量比率と破壊強度の関係について説明する。図3に示すように、粒子を配置しない通常生産の高圧タンク、繊維強化樹脂層12に適正な質量比率(1質量%以上、5質量%以下)で粒子を配置した高圧タンク、繊維強化樹脂層12に適正比率を超えた質量比率(5質量%より高く10質量%以下)で粒子を配置した高圧タンクに破裂試験を実施して破壊強度を比較した。各高圧タンクのライナ11としては、樹脂性のものを採用し、繊維強化樹脂層12としては、強化繊維に平均直径5μmの炭素繊維、強化繊維に含浸された樹脂にエポキシ樹脂、粒子に平均粒径5μmのチタン粒子を使用したものを採用した。
この結果、通常生産の高圧タンクは、約180MPaから約200MPaの約20MPaの範囲で破壊強度にバラツキが生じた。これは、上記したように高圧タンクの製造時のボイドや繊維うねりの発生位置や大きさが不規則で、破壊起点の位置が破裂試験毎に変わるからである。これに対して、繊維強化樹脂層12に適正な質量比率で粒子を配置した高圧タンクは、約195MPaから約205MPaの約10MPaの範囲に破壊強度のバラツキが抑えられた。比較的強度が高いタンク中央付近が破壊起点になるため、破壊強度のバラツキを抑えつつ高い破壊強度が得られている。
また、繊維強化樹脂層12に適正比率を超えた質量比率で粒子を配置した高圧タンクは、約170MPaから約185MPaの約15MPaの範囲で破壊強度にバラツキが生じた。通常生産の高圧タンクと比較して破壊強度のバラツキが抑えられているものの、繊維強化樹脂層12に適正な質量比率で粒子を配置した高圧タンクと比較して破壊強度のバラツキが大きくなると共に破壊強度が大幅に低下している。これは、比較的強度が高いタンク中央付近が破壊起点になるが、フープ層L2、L3間の剥離面積が広くなって亀裂の進展範囲が拡大するからである。
上記の試験結果から、1質量%以上、5質量%以下の適正な質量比率で粒子を配置することで、破壊強度を下げることなく破壊起点のバラツキを抑えることができることが分かった。よって、タンク本体13の長手方向の中央位置に適正な質量比率で粒子を配置するという簡易な構成で意図的に脆弱部30を形成することができる。なお、粒子を配置した各高圧タンクについては、繊維強化樹脂層12のフープ層L2、L3間に脆弱部30を形成したが、ヘリカル層L1とフープ層L2の間や、フープ層L3とヘリカル層L4の間に脆弱部30を形成した場合も同様な効果を奏しうる。
続いて、本実施形態の高圧タンク10の製造方法について説明する。図4は、本実施の形態の高圧タンク10の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、ライナ11が準備されると、FW工法によってライナ11の外面に繊維強化樹脂層12の形成処理が開始される。この場合、未硬化樹脂を強化繊維に含浸して纏めた繊維強化樹脂が用意され、ライナ11の外面にヘリカル巻きで繊維強化樹脂が巻き付けられて1層目のヘリカル層L1が形成される(ステップS01)。次に、ヘリカル層L1の外面にフープ巻きで繊維強化樹脂が巻き付けられて2層目のフープ層L2が形成される(ステップS02)。なお、1層目のヘリカル巻きから2層目のフープ巻きへの移行は、中心軸CXに対する繊維強化樹脂の巻き付け角度を変化させながら巻き付けることで行われる。
次に、2層目のフープ層L2の外面でタンク本体13の長手方向の中間位置(好ましくは中央位置)に粉末が塗布される(ステップS03)。粉末は、強化繊維の繊維径以下(例えば、5μm以下)の直径の粒子で構成されており、タンク中央におけるフープ層L2の所定部分に対して1質量%以上、5質量%以下の質量比率に設定されている。高圧タンク10はフープ巻きによって強度が高められるため、フープ層L2、L3間に粉末を塗布することで破壊起点になる効果を高めることができる。なお、粉末の塗布は、フープ層L2の表面に粉末を塗布する構成に限らず、液体に粉末が混合されたインク等を塗布してもよい。
次に、2層目のフープ層L2の外面にフープ巻きで繊維強化樹脂が巻き付けられて3層目のフープ層L3が形成される(ステップS04)。これにより、フープ層L2、L3間でタンク中央に、剥離起点として機能する脆弱部30が形成される。次に、3層目のフープ層L3の外面にヘリカル巻きで繊維強化樹脂が巻き付けられて4層目のヘリカル層L4が形成される(ステップS05)。なお、3層目のフープ巻きから4層目のヘリカル巻きへの移行は、中心軸CXに対する繊維強化樹脂の巻き付け角度を変化させながら巻き付けることで行われる。
FW工法によってライナ11の外面に繊維強化樹脂が巻き付けられると、加熱炉にて加熱されて強化繊維に含浸された未硬化樹脂が硬化される(ステップS06)。これにより、隣接する各層が接着されて繊維強化樹脂層12が形成されると共に、繊維強化樹脂層12の所定箇所で粉末を構成する粒子が樹脂の硬化の阻害または異物として介在することで、フープ層L2、L3間に部分的な脆弱部30が形成される。このようにして、比較的強度の高いタンク中央付近を破壊起点とした高圧タンク10が製造され、破裂試験時に高圧タンク10の破壊強度のバラツキを抑えることができる。
なお、上記した高圧タンク10の製造方法では、粉末の塗布工程にて2層目のフープ層L2と3層目のフープ層L3の間の所定箇所に粒子を配置する構成にしたが、1層目のヘリカル層L1と2層目のフープ層L2の間、3層目のフープ層L3と4層目のヘリカル層L4の間の所定箇所に粒子を配置してもよい。また、粉末の塗布工程が2層目と3層目のフープ巻きの間の工程間で行われる構成に限定されず、これに加えて1層目のヘリカル巻きと2層目のフープ巻きの間、3層目のフープ巻きと4層目のヘリカル巻きの間等の複数の工程間で行われてもよい。粉末の塗布工程が増えても、繊維強化樹脂層12の一部となり、粉末が塗布される層部分に対して、粒子の質量比率は1質量%以上、5質量%以下に設定される。
また、安全性の観点から比較的強度が高いタンク本体13の長手方向の中央位置に粒子が配置されることが好ましいが、タンク本体13のいずれの箇所に粒子を配置しても破壊起点となる脆弱部30を形成することができる。繊維強化樹脂層12に部分的な脆弱部30が形成されれば、少なくとも破壊圧力のバラツキを抑えるという効果を得ることができる。また、脆弱部30は破壊圧力のバラツキが所定範囲に収まるのであれば複数箇所に形成されてもよい。このように、繊維強化樹脂層12の所定箇所とは、繊維強化樹脂層12の複数層構造のいずれかの層間の所定箇所であってもよいし、複数層構造の全ての層間の所定箇所であってもよい。
以上のように、本実施形態の高圧タンク10では、繊維強化樹脂層12のいずれかの層間に部分的に強化繊維の繊維径以下の直径の粒子が配置されて脆弱部30が形成されているため、破裂試験時に脆弱部30を破壊起点にして高圧タンク10を破壊させることができる。脆弱部30が破壊起点となることから、高圧タンク10の同じ位置で破壊するように破壊起点をコントロールすることができる。よって、高圧タンク10の破壊位置の違いに起因した破裂試験時の破壊圧力のバラツキを簡易な構成で抑えることができる。
なお、本実施形態について説明したが、他の実施形態として実施形態および変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。さらに、本開示の技術は本実施の形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩または派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
10:高圧タンク、11:ライナ、12:繊維強化樹脂層、30:脆弱部

Claims (1)

  1. ガスが充填されるライナと、繊維強化樹脂が前記ライナの外面に複数層構造で巻回された繊維強化樹脂層と、を有する高圧タンクであって、
    前記繊維強化樹脂層の複数層構造のいずれかの層間の所定箇所には、前記繊維強化樹脂の強化繊維の繊維径以下の直径の粒子が配置された脆弱部が形成されており、前記脆弱部に配置された粒子は、前記所定箇所の層間の前記ライナ側の層に対して1質量%以上、5質量%以下の質量比率で配置されていることを特徴とする高圧タンク。
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