JP2020031854A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
Description
このような遊技機においては、表示装置自体を移動可能に構成して、表示装置の移動に応じて演出に関わる情報を表示するようにした遊技機も知られている(特許文献1)。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1〜図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2e、メダル投入口2f、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、表示装置8、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、役物装置16、ドラムユニット18、主制御装置10、副制御装置20を備える。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体1b(図3参照)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を前方から見た状態で左右方向を示す。
前扉1aの上部であって表示装置8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、表示装置8は、表示器装飾枠15の開口部から表示器8aの表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
役物装置16は、図6(e)に示すように、表示器装飾枠15の後方に配設される可動部材としての役物本体16aと、役物本体16aを変換駆動させるソレノイド等からなる電気的駆動源(図示省略)とから構成される。
そして、電気的駆動源の作動により、図6(e)に示すように、連結部16cの上端側が中央方向に傾倒することで、役物本体16aの所定部として、連結部16cの一部と装飾部16bの全部が表示器装飾枠15の後方から表示器8aの前方に現出する作動状態(第2状態)に変換するようになっている。また、役物本体16aの作動状態への変換により、装飾部16bの全体が表示器8aの表示面の前方位置に完全に現出すようになっている。
また、装飾部16bの内部には発光源(LED)が配設され、役物本体16aの作動状態への変換に応じて、内部の発光源が発光して装飾効果を高めるようになっている。
また、表示装置8の左右の各々には、ランプ11が配設され、例えば、表示装置8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
上部演出ボタン2eは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2eの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2eの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2eの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2eの操作が有効である旨を報知可能にしている。
前面パネル19の後方には、リール4を備えたドラムユニット18が配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
メダル投入口2fは、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2fの内部には、メダル投入口2fに投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、リール4a、4b、4cに対応して停止ボタン5a、5b、5cが横方向に所定間隔で配設される。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値となり、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定となっている。
なお、ボーナス役の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルを、メダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
ドアセンサ1cは、前扉1aが本体1bから開放されたことを検出するセンサであり、主制御装置10は該センサからの検出信号に基づき、前扉1aが本体1bから開放されたことを検出可能となっている。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
なお、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づきCZ状態やART状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す画像演出、役物本体16aの状態変換に応じた画像演出(演出表示)、効果音の出力、ランプ演出等を、表示装置8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。また、役物装置16の駆動源の駆動制御を行い、役物本体16aを常態から作動状態への変換動作を行う。
主制御装置10及び副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、抽選手段、表示制御手段、移動手段、演出制御手段、特定演出実行手段、保留手段、可動部材制御手段が構成される。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
このような定常回転に達すると、各リール4a〜4cに対応して設けられた停止ボタン5a〜5cが押圧操作可能な状態となる。
入賞の判定は、表示窓6内の上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役及びチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されている。
そして、リプレイ役(押し順リプレイ役)には、非RTからRTへの移行に係る図柄の組合せに対応する昇格リプレイ役、RTから非RTへの移行に係る図柄の組合せに対応する転落リプレイ役が設定されている。これらの当選役についても押し順が対応付けられ、例えば、昇格リプレイ役に関しては、6通りある押し順のうちの1通りの押し順によって非RTからRTへの移行に係る昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止し、転落リプレイ役に関しては、6通りある押し順のうちの5通りの押し順によってRTから非RTへの移行に係る転落リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止する。
したがって、AT中に昇格リプレイ役の当選により、当選した昇格リプレイ役に対応する押し順が報知されて、昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、RTに移行することとなるが、このRT中にもATの状態が継続することで、遊技状態がリプレイ当選高確率状態と押し順ナビが行われる状態が重複するART状態となる。
ボーナス役に当選した場合には、ボーナス役の当選状態は、対応する図柄の組合せが停止するまで持ち越される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a〜5cを操作したときには、メダルは払い出されない。
なお、ベル役については、後述するART状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
また、弱チェリー役及び強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
また、昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止により、リプレイ役の当選確率が高められるRTに移行し、RT中に転落リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止により、非RTに移行する。
ボーナス状態中は、所定の小役(例えば、共通ベル役)に高確率で当選する状態となり、メダルの払い出し数が所定数(例えば、メダル200枚)を超えると終了する。
また、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンスリプレイ役、強チェリー役、強スイカ役は、当選し難い当選役という意味でレア役と称する。
図3は、本実施形態に係るスロットマシン1における遊技状態を説明するための図である。
主制御装置10、副制御装置20は、スロットマシン1を、複数の遊技状態に制御可能であり、各遊技状態における各種処理、遊技状態間の移行の制御(以下単に「移行」ともいう)等を、以下のように行う。
通常遊技状態、ボーナス状態、CZ状態では、非RTに制御される。また、ART状態中はATに制御されるが、CZ状態中もATに制御するようにしてもよい。
通常区間は、通常遊技状態において遊技可能な区間が含まれる。
有利区間は、通常区間から他の遊技状態に移行後、再度通常区間に戻るまで継続して滞在する。
有利区間は、ボーナス状態、CZ状態、CZ状態の当選高確率状態、CZ状態の前兆状態、ART状態の前兆状態、ART状態において遊技可能な区間が含まれる。制御部25bは、有利区間に滞在中に、連続して実行されたゲームの回数をカウント(計数)する。遊技状態が有利区間中である場合には、有利区間ランプ13が点灯される。なお、有利区間ランプ13は、CZ状態、ART状態、ボーナス状態等の実施に遊技者が当該状態を有利であると認識できる間に点灯するようにしてもよい。
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。なお、RTに関する種別は、同じ遊技状態に滞在中であっても、昇格リプレイ等によって変化するが、基本的には、以下のように設定されている。
通常遊技状態のRTに関する種別は、基本的に非RTである。つまり、通常遊技状態は、非RTに滞在しやすい遊技状態である。このため、通常遊技状態の遊技は、遊技者にとっては不利である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、ART状態、ボーナス状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からART状態に直接移行しないようにしてもよい。
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役の当選に基づいて、ART状態への移行抽選処理を行う。例えば、強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、10%)で、ART状態への移行処理を行う。ART状態への移行条件が成立した場合には、基本的な遊技状態がATに制御され、昇格リプレイ役に当選して、昇格リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが停止するとART状態に移行する。また、遊技者にART状態の移行権利としてのセット数が1つ付与されるとともに、ART状態中の実行可能ゲーム数として初期ゲーム数(例えば、50ゲーム)が付与される。なお、主制御装置10は、付与する初期ゲーム数を複数の異なるゲーム数のうちからいずれか1つを抽選する抽選処理を行ってもよい。
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、弱チェリー役当選時、強チェリー役当選時に所定の確率でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態へ移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
なお、確率設定装置14において、ボーナス役の当選確率を変更した場合や、主制御装置10のシステムリセットが行われた場合には、通常確率状態により遊技が開始可能となるが、確率設定装置14での設定値毎に、所定の確率で高確率状態により遊技を開始可能としてもよい。
また、CZ前兆演出においては、最終的にCZ状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、表示器8aにおいて、最終ゲームから所定ゲーム(例えば、3ゲーム)前から連続的な演出(例えば、キャラクタによる対戦演出)の結果によりCZ状態への移行に関する報知を行ってもよいし、最終ゲームのみで完結する演出の結果によりCZ状態への移行に関する報知を行ってもよい。
主制御装置10は、ボーナス役の抽選を行う抽選手段として機能し、ゲームの実行に基づき、ボーナス役の抽選を所定の確率で行う。ボーナス役の抽選確率値は、確率設定装置14で設定可能な設定1〜6に応じた複数段階の確率値(例えば、設定1の1/250〜設定6の1/200)で制御可能であり、確率設定装置14で設定されている確率値に基づく抽選により、ボーナス役に当選すると、リール4においてボーナス役に対応した図柄の組み合わせである「7・7・7」を停止可能となり、遊技者の操作によりボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止すると、ボーナス状態への移行処理が行われる。
したがって、ボーナス役に当選した場合でも直ぐにボーナス状態へ移行するのではなく、ボーナス役に対応した図柄の組み合わせを停止可能なボーナス当選状態を経由してボーナス状態に移行することとなる。この移行態様は、通常遊技状態以外の遊技状態においてボーナス役に当選した場合でも同様である。
また、ボーナス役に当選していないゲームにおいても、最終的にボーナス役に当選していないことを報知する演出として、所定の確率でボーナス発生演出と同様のボーナスガセ発生演出が表示器8aにおいて表示される。
CZ状態のRT種別は、基本的に非RTである。CZ状態は、押し順ベル役や押し順リプレイ役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時のみ押し順ナビが実行されるATに制御してもよい。また、CZ状態滞在中は、各ゲームにおいてART移行抽選処理(後述する)が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも、ART状態へ移行しやすい。このため、一連の遊技の流れにおいて、CZ状態は、通常遊技状態よりも有利に位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最大で10回である。
なお、CZ状態では、昇格リプレイ役に当選した場合でも、押し順を報知しないので、基本的に非RTが維持される。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、表示器8aにおいて、CZ状態中の各種演出、残ゲーム数が、表示器8aに表示される。
CZ状態では、各ゲームにおいて、ART移行抽選処理を行う。
ART移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。ART移行抽選処理の当選確率は、例えば、ボーナス役当選時が100%、レア役当選時が50%、ベル役当選時及びリプレイ役当選時が10%、ハズレ役当選時が5%である。ART移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、ART状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームでART状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態がART状態へ移行することとなる。
なお、ART移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でもART移行抽選は実行される。
CZ状態において、ART移行抽選に当選しなかった場合には、CZ状態中のゲーム数の実行の後、通常遊技状態に移行する。このとき、CZ演出において、主人公キャラクタが敗北してART状態へ移行しないことが報知される。
また、CZ状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
CZ状態においては、前述した通常遊技状態と同様にゲーム毎にボーナス役の抽選が行われる。したがって、主制御装置10は、通常遊技状態と同様に確率設定装置14での設定値に基づいてボーナス役の抽選を行い、ボーナス役に当選すると、リール4においてボーナス役に対応した図柄の組み合わせである「7・7・7」を停止可能な状態となる。このとき、ART状態への移行権利が確定するので、CZ状態は終了し、遊技者の操作によりボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止すると、遊技状態がボーナス状態への移行することとなる。
CZ状態中にボーナス役に当選した場合、通常遊技状態とは異なりボーナス発生演出は行われずに、ボーナス役に当選したゲームにおいてボーナス役に当選したことの報知が表示器8aにおいて実行される。
ART状態へ最初に移行した時点でのRT種別は、基本的に非RTであるが、ATの状態となっているので、昇格リプレイ役の入賞によってRTに昇格し易くなっている。RT状態は、獲得メダルの増加が見込めるため、ART状態は、遊技者にとっては、通常遊技状態、CZ状態よりも有利である。
なお、ART状態における押し順リプレイ役の当選確率は、基本的に、RTに対応した一定の確率となる。
ART状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、ART状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、表示器8aにおいて、ART状態中の各種演出の画像表示が行われる。また、ART状態中の、残ゲーム数、一連のART状態中に獲得したメダルの総数、ART状態中に実行された総ゲーム数が、表示器8aに表示される。
ART状態において、ART状態を継続させる残ゲーム数が無くなるとART状態は終了し、遊技状態は通常遊技状態に移行することとなる。
ART状態から通常遊技状態へ移行した場合には、CZ状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、ART状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
ART状態においては、前述した通常遊技状態、CZ状態と同様にゲーム毎にボーナス役の抽選が行われる。したがって、主制御装置10は、通常遊技状態、CZ状態と同様に確率設定装置14での設定値に基づいてボーナス役の抽選を行い、ボーナス役に当選すると、リール4においてボーナス役に対応した図柄の組み合わせである「7・7・7」を停止可能な状態となる。このとき、ART状態は一旦中断され、遊技者の操作によりボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止すると、遊技状態がボーナス状態への移行することとなる。なお、一旦中断されたART状態は、ボーナス状態の終了後に復帰することとなる。
なお、ART状態中にボーナス役に当選した場合には、所定のゲーム数をART状態の残ゲーム数に加算(上乗せ)するようにしてもよい。
ボーナス状態は、各ゲームにおいてベル役の抽選が高確率で行われ、遊技者が多数のメダルを獲得可能な状態となる。また、前述したようにCZ状態中のボーナス役の当選時は、ART状態の移行抽選は行われるが、通常遊技状態中のボーナス役の当選時も所定の確率でART状態の移行抽選を行うようにしてもよい。ただし、ボーナス役の当選からボーナス状態が発生するまでの間(ボーナス当選状態中)のゲームにおいてはART状態の移行抽選は行われない。なお、ボーナス状態中に実行されるゲーム毎に、ART状態の移行抽選を行うようにしてもよい。
また、主制御装置10から副制御装置20に対して、ボーナス状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、表示器8aにおいて、ボーナス状態中の各種演出、獲得枚数情報等の画像表示が行われる。
ボーナス状態中において、払い出されたメダル数が所定数(例えば、200枚)に達した場合、ボーナス状態は終了して、遊技状態がボーナス状態から通常遊技状態に移行される。
また、ボーナス状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のエンディング状態が設定され、エンディング状態中においては、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像が表示器8aにより表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
また、ボーナス状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
ボーナス状態からART状態に移行する条件としては、CZ状態中にボーナス役に当選した場合と、ART状態中にボーナス役に当選した場合とがある。
CZ状態或いはART状態から移行したボーナス状態中において、払い出されたメダル数が所定数(例えば、200枚)に達した場合、ボーナス状態は終了して、遊技状態がボーナス状態からART状態に移行される。このとき、CZ状態からの移行の場合には、ART状態は初期状態から開始されるが、ART状態からの移行の場合には、ART状態は中断された時点の状態から再開されることとなる。したがって、ART状態の中断時の残ゲーム数からART状態が再開することとなる。また、獲得メダル数は、ART状態とボーナス状態が一連して発生した場合には、それらの総数となるので、ART状態の再開時には、ボーナス状態中に獲得したメダル数が加算されて獲得メダル数が表示される。
以上のようにスロットマシン1における基本的な遊技状態の移行が行われるが、主制御装置10及び副制御装置20には、スロットマシン1における各種異常を監視する機能が備えられている。すなわち、主制御装置10及び副制御装置20には、スロットマシン1における異常状態の発生を監視可能な異常監視手段が備えられ、異常監視手段が各遊技状態中において異常の発生を検出した場合に、各遊技状態から異常状態への移行が行われる。
なお、異常監視手段は、主制御装置10及び副制御装置20の各々に備えてもよいし、主制御装置10及び副制御装置20の協働により構成してもよい。
また、主制御装置10から副制御装置20への制御情報の送信により、表示器8aにおいて、異常状態である旨を報知する画像や異常の種類を識別可能な画像が表示されるとともに、スピーカ9やランプ11から異常状態である旨を報知する音声や光が出力される。
なお、異常状態中における表示器8aの駆動の継続は、主制御装置10から副制御装置20への制御情報の送信により行ってもよいし、副制御装置20独自の判断で行ってもよい。
発生した異常状態が復旧不能な異常の場合には、スロットマシン1のシステムリセットを行う必要があり、この場合、異常状態の解除後には遊技状態は初期状態、すなわち、通常遊技状態に移行することとなる。
一方、発生した異常状態が復旧可能な異常の場合には、係員の解除作業及びリセット操作により異常状態が解除した場合には、バックアップされている記憶情報に基づき異常が生じた時点の遊技状態に移行することとなる。
以上のようにスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
図4は、スロットマシン1における表示装置8を示す正面図と、スロットマシン1を、側方側(正面視左側)から見た側面図である。なお、説明上、表示装置8の動作状態とは直接的に関係していない部材の図示は省略している。図4(a)は、表示装置8(表示器8a)が作動していない常態(例えば、通常遊技状態)において表示器8aが第1の位置に復帰している状態を示し、図4(b)は、主制御装置10及び副制御装置20の制御による駆動源の作動により、表示装置8(表示器8a)が作動状態(例えば、ART状態)において表示器8aが第2の位置に移動した状態を示している。
表示装置8の表示器8aは、常態においては、側方から見て表示器8aが起立した状態であって、表示器装飾枠15の中央に形成された開口部から表示面が前方に臨む最下方位置(第1の位置)に配設される。したがって、表示器8aは、常態においてはスロットマシン1の前面よりもやや後方側に配設されることとなっている。なお、図示は省略しているが表示装置8には、表示器8aを上下に移動させるための駆動源(モータ)と駆動機構が備えられている。駆動機構は、ギヤ、スライドレール、各種リンク機構等周知の技術を利用したものでよく、表示器8aを上下に移動させることができるものであれば何れのものでもよい。
また、表示装置8は、表示器8aの上端部側が徐々に前方に傾倒するように表示器8aを上方に移動させる構成となっているので、表示器8aが最上方位置に移動した場合には、表示器8aの上下方向略中央部分よりも上方部が、表示器装飾枠15よりも前方に位置するとともに、表示器の下端部が表示器装飾枠15の開口部内に位置することで、側方から見て表示器8aの上端側が前方に傾倒した状態に変換されることとなる。
このように、主制御装置10及び副制御装置20と役物装置16は、表示器8aを最下方位置(第1の位置)から最上方位置(第2の位置)に移動可能な移動手段を構成することとなる。
一方、CZ状態やART状態に移行した場合には、表示装置8の駆動源を作動させることにより、表示器8aを第2の位置に移動させた状態で各種演出画像の表示が行われる。
また、表示器8aの移動中においても表示器8aにおいて所定の演出画像の表示が行われる。
本実施形態においては、表示器8aを第1の位置から第2の位置に移動させるまでの時間、及び、第2の位置から第1の位置まで移動させるまでの時間は、スロットマシン1において1ゲームに要する最短時間(例えば、4.1秒)よりも長い時間となっている。
図5は、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、遊技状態の変化に応じて、表示器8aが第1の位置と第2の位置との間を移動する場合のタイミングチャートを示している。
図5に示すように、通常遊技状態におけるゲームの開始時(タイミングt0)に、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選すると、CZ状態の抽選が行われるとともに、CZ状態の前兆演出が開始される。このとき表示器8aにおいてはCZ状態の前兆演出中の画像が表示される。
なお、図5の例では、CZ状態の抽選結果は、CZ状態の当選時を示しているが、非当選時には、ガセ前兆演出が開始することとなる。
CZ状態の前兆演出中は、表示器8aは常態位置である最下方位置(第1の位置)に復帰している状態を維持し、この状態で演出画像が表示される。
CZ状態が開始する最初のゲーム(11ゲーム目)では、遊技状態を所定時間フリーズ状態に制御される。このフリーズ状態は、ゲームの進行を所定時間中断する制御で、この間はゲームの進行に関わる入力(例えば、停止ボタン5の入力)を無効として演出のみが実行される状態である。フリーズ状態はCZ状態の開始(タイミングt1)から所定時間(例えば、5秒)経過後の時点(タイミングt2)まで継続する。
そして、所定時間経過後の時点(タイミングt2)で表示器8aの上方への移動が完了し、表示器8aは移動可能限界である最上位位置(第2の位置)に到達することとなる。また、移動中の表示器8aにおいては、CZ状態が開始される旨を報知する開始画像が表示される。
このように、表示器8aの移動が完了するまでの時間を長く設定することで、面積や質量の大きい表示器8aを、より離れた位置に移動させる場合でも、何ら問題が生じることがなくなるのである。
図5は、CZ状態中にART状態の抽選に当選しなかった場合の例を示し、CZ状態の最終ゲーム(20ゲーム目)の終了により遊技状態は通常遊技状態に移行している。
また、最上方位置の表示器8aには、フリーズ状態が終了する時点(タイミングt2)からCZ状態の最終ゲームの終了時点(タイミングt3)まで、前述したCZ状態中の演出画像(対戦準備演出中の画像、対戦演出中の画像)が表示される。
図5に示す例では、ART状態に当選していないので、ART状態の非当選を報知する画像が表示器8aにおいて表示されることとなる。
なお、図5に示す例では、CZ状態の最終ゲームの次のゲームは、予め設定されたゲームの最短時間(例えば、4.1秒)で実行されたものとしている。
したがって、図5に示すように、表示器8aが下方への移動を開始したゲームの次のゲーム(22ゲーム目)を即座に開始した場合には、当該ゲーム中にも未だ表示器8aの下方への移動は継続して行われることとなる。
CZ状態の終了画像は、所定の背景画像上に所定のキャラクタが登場して、例えば、「残念」等の文字情報が表示されるが、この背景画像やキャラクタ画像は予め複数設けられていて、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14における設定値に応じて、何れかの背景画像及びキャラクタ画像が選択されて表示器8aにおいて表示される。
このようなキャラクタ画像の選択制御により、キャラクタ画像Aが表示された場合よりも、キャラクタ画像Bが表示された場合の方が確率設定装置14の設定値が比較的高設定であることの期待度が高くなる。
また、CZ状態の終了画面は、表示器8aの下方への移動中に行われるので、比較的長時間を要する表示器8aの移動時間利用して効率よく設定示唆画像を表示することができ、さらに、設定示唆画像は、ART状態の非当選時表示されるので、ART状態に移行させられなかった遊技者に対して遊技意欲が低下してしまうことを防止できるようになるのである。
例えば、ゲームの抽選結果がボーナス役の当選であった場合には、ボーナス役に当選したか否かを報知するボーナス発生演出を表示器8aにおいて表示する必要があるため、設定示唆画像に替えてボーナス発生演出が表示される。
ボーナス役に当選した場合には、前述したように複数ゲーム(例えば、3ゲーム)に跨ってボーナス発生演出が表示器8aにおいて表示される。すなわち、抽選手段としての主制御装置10による抽選結果に基づき、演出制御手段としての主制御装置10及び副制御装置20により、表示器8a(表示手段)において所定期間演出(ボーナス発生演出)が実行されるが、主制御装置10及び副制御装置20は、この演出を移動手段が表示器8aの最上方位置から最下方位置への復帰を開始するゲームにおいて実行するのである。
ボーナス発生演出中は、主人公キャラクタと敵キャラクタが攻防を繰り広げる対戦演出で実行される。
また、後述するように、ボーナス発生演出中の各ゲームにおいては、上部演出ボタン2eの使用を伴うボタン演出も実行可能となっている。
したがって、表示器8aが最上方位置から最下方位置に移動して、その移動が完了しても、ボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)は継続して実行されることから、ボーナス役の抽選の当否に対応する画像として、キャラクタによる対戦結果を報知する画像は、表示器8aが常態位置として最下方位置(第1の位置)に復帰した状態で表示されることとなる。
特に、ボーナス役の当選を報知する場合に、報知に対応した多彩な演出を実行する場合には、より効果的な演出を行うことができ、後述するように役物装置16の作動を伴う演出を実行する場合には、さらに演出効果を高めることが可能となるのである。
また、ボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)は、複数ゲームに跨る演出であれば、3ゲーム間実行されるもの以外に2ゲームや4ゲーム以上のものでもよい。
また、表示器8aが下方に移動中に、ボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)を表示する場合に、CZ状態の終了画像に替えてボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)を表示するようにしているが、例えば、画面分割や小画面の使用等により、CZ状態の終了画像とボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)を同時に表示するようにしてもよい。
以上のように、遊技状態の変化に応じて、表示装置8における表示器8aの移動や画像表示が行われる。
図6は、各遊技状態の変化に応じて表示器8aが移動する場合のスロットマシン1の正面図を示している。
図6(a)に示すように、表示器8aが最上方位置に移動したCZ状態中には、表示器8aは前扉1aの上端部よりも上方に突出した状態となる。このとき表示器8aは、表示器装飾枠15の所定部の前面を覆う状態となり、上下方向の長さの半分以上が前扉1aの上端部よりも上方に突出される。
そして、最上方位置に移動した表示器8aにおいては、CZ状態中の演出画像40として、例えば、所定の背景画像やキャラクタ画像が表示される。
また、CZ状態の終了以降にART状態が発生する場合には、表示器8aは最上方位置に維持されるので、CZ状態同様にART状態中の各種効果を高めることも可能となる。
図6(b)に示すように、CZ状態が終了して次のゲームが行われる間においては、CZ状態中同様、表示器8aは最上方位置を維持し、表示器8aは前扉1aの上端部よりも上方に突出した状態となる。
このように、表示器8aが最上方位置において、ART状態の当否を報知するので、確実にART状態の当否を遊技者に認識させることができるとともに、ART状態に当選した場合には、遊技者の喜びを一層高めることが可能となる。
図6(c)に示すように、CZ状態の終了後の次のゲームが開始すると、表示器8aは最上方位置から最下方位置に向けて移動することとなるが、このゲームにおいてボーナス役に当選した場合(或いはボーナスガセ発生演出の成立条件を満たした場合)、移動中の表示器8aにおいて、ボーナス発生演出として発生演出画像22として、例えば、キャラクタによる対戦演出画像が表示される。
このように、表示器8aが最上方位置から最下方位置へ移動中においても、ボーナス発生演出が行われるので、表示器8aがどの状態でもボーナス役の当選に関わる演出を実行できるようになり、遊技の興趣性を高めることが可能となる。
また、ボーナス役は、他の小役(例えば、強チェリー役)と完全に重複当選するものとしなくてもよく、所定の割合で単独当選するようにした場合でも、その割合に応じて上記課題を極力防止することが可能となる。
ボーナス発生演出は、所定ゲーム数(3ゲーム)の間に跨り実行されることとなるが、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、所定確率で各ゲームにおいて上部演出ボタン2eの操作を伴うボタン演出を実行可能となっている。
ボタン演出は、表示器8aにおいて上部演出ボタン2eの操作を促す画像を表示するとともに、上部演出ボタン2eの操作を有効にし、その間に遊技者が上部演出ボタン2eを操作した場合に、表示器8aにおいてボーナス役の当選に対する期待感を高める画像(例えば、「チャンス」等の文字情報)を表示することにより実行される。
上部演出ボタン2eの操作を促す画像は、操作するボタンの種類とボタンの位置を遊技者が識別可能な態様で表示される。
すなわち、ボーナス発生演出中に表示器8aが移動している場合には、表示器8aと上部演出ボタン2eの相対位置が変化するので、両者の位置関係に応じて上部演出ボタン2eの操作を促す画像の位置も変更するようになっている。
図6(d)に示すように、ボーナス発生演出が開始された最初のゲームにおいては、移動中の表示器8aは、まだ移動開始直後であることから比較的上方部に位置しているので、表示器8aに対して上部演出ボタン2eは右下方向に位置することとなる。
ボーナス発生演出が終了する最終ゲームの終了時に、ボーナス役に当選している場合には、ボーナス役の当選に対応する画像として、主人公キャラクタが勝利する画像が表示されることとなるが、図6(e)は、このときに特定演出実行手段としての主制御装置10及び副制御装置20が、役物装置16の変換、及びそれに伴う表示器8aでの画像表示による特定演出を実行する場合の例を示している。
すなわち、表示器8aが最上方位置から最下方位置に復帰するまでの時間は、ボーナス発生演出の実行時間よりも短く設定されているので、ボーナス発生演出の終了時(ボーナス役の当選に対応する画像を表示するとき)には、表示器8aは常態位置に復帰していることとなり、この状態において役物装置16を第2状態に変換することにより、装飾部16bの現出に応じた効果的な装飾表示を表示器8aにおいて行うことが可能となるのである。
なお、役物装置16の第2状態への変換は、ボーナス役の当選に対応する画像を表示する場合に必ず行うようにしてもよし、所定確率(例えば、50%)で行うようにしてもよい。
ボーナス発生演出が終了した後のゲームにおいては、遊技者はボーナス役に対応する図柄の組合せ(例えば、「7,7,7」)をリール4上に停止させることとなるが、このきと、表示器8aにおいて狙うべき図柄の組合せを報知する画像が表示される。
したがって、表示器8aが最上方位置から最下方位置に復帰するまでの時間は、ボーナス発生演出の実行時間よりも短く設定されているので、ボーナス発生演出が終了した後のゲーム実行時(ボーナス役に対応する図柄を停止させるとき)には、表示器8aは常態位置に復帰していることとなり、この状態において各指示画像28a〜28cを表示器8aに表示することにより、各リール4a〜4cに対応した効果的な操作の指示を表示器8aおいて行うことが可能となるのである。
また、ボーナス発生演出が終了する最終ゲーム(図5の23ゲーム目)の終了から次ゲーム開始までの間(図5のタイミングt7〜タイミングt8の間)では、ボーナス役の当選を報知する画像が表示されるが、この画像と一緒に各指示画像28a〜28cを表示するようにしてもよい。
単ゲーム演出は、主制御装置10及び副制御装置20の制御により実行され、単ゲーム演出中には、上部演出ボタン2eの操作や、役物装置16の第1状態から第2状態への変換を伴う特定演出が実行される。
このように、単ゲーム演出は、一連の演出が1ゲームの間で完結するような内容となっている。
なお、ボーナス役の当選を報知する以外に、例えば、所定のレア役に当選時のゲーム直後に、上部演出ボタン2eの操作を促し、上部演出ボタン2eが操作された場合に、役物装置16を変換動作させた後に、「チャンス!」或いは「激アツ!」等の期待度を高める文字情報を表示することで単ゲーム演出を実行するようにしてもよい。
そこで、本実施形態においては、CZ状態が終了した次ゲーム(図5の21ゲーム目)等の、表示器8aが最下方位置に存在していない状態において単ゲーム演出の実行条件が成立した場合には、図7に示すように、単ゲーム演出の実行を表示器8aが最下方位置に復帰するまで保留するようにしている。
図7(a)に示すように、表示器8aが最上方位置から最下方位置に向けて移動を開始したゲーム(図5の21ゲーム目)において単ゲーム演出の契機役(例えば、レア役やボーナス役等)に当選した場合には、当該ゲームにおいては本来実行されるはずの単ゲーム演出は実行されずに、所定期間実行が保留される。このとき、表示器8aには、所定の背景画像やキャラクタ画像からなるCZ状態の終了画像29と一緒に、単ゲーム演出が保留(待機)されている旨を報知する待機画像30aと、単ゲーム演出中に操作する上部演出ボタン2eの操作が保留されている旨を報知する操作保留画像30bが表示される。
待機時間画像で最初に表示される時間値は、表示器8aがそのときの位置(例えば、最上方位置)から最下方位置に移動するまでに必要な時間となっていて、その必要時間を当該ゲームの開始時に表示するとともに、その後時間経過に対応して減算表示されるようになっている。
また、表示器8aが最下方位置に復帰するまでは、上部演出ボタン2eの操作は無効となっている。
図7(b)に示すように、表示器8aが最下方位置に復帰すると、待機画像30a中の待機時間画像の時間値が0となるとともに、操作保留画像30bが消去して替わりに操作画像25とエフェクト画像24が表示される。また、上部演出ボタン2eの操作を促す操作案内画像23として、「押せ!」の文字情報も画面の左側に表示され、上部演出ボタン2eの操作が促される。このとき上部演出ボタン2eの操作が有効となる。
図7(c)に示すように、上部演出ボタン2eが操作されると、役物本体16aが第1状態から第2状態に変換し、装飾部16bが表示器装飾枠15から現出するとともに装飾部16b自体が発光する。また、表示器8aには、装飾部16bから周囲に光が拡散している状態を模した装飾画像26が表示される。
このとき表示器8aは最下方位置に復帰しているので、装飾部16bは表示器8aの表示面前方に位置するようになり、表示器8aに表示される装飾画像26との位置が適正に保たれることとなる。
また、単ゲーム演出(特定演出)が保留されている場合には、表示器8aにおいて、保留(待機状態)が解除されるまでの残り時間が表示されるので、表示器8aが復帰するまで遊技者にイライラ感を与えることがなくなるばかりか、その復帰時間を利用して効率よく遊技者の期待感を高めることが可能となる。
図8は、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、遊技状態の変化に応じて、表示器8aが第1の位置と第2の位置との間を移動する場合のタイミングチャートを示し、図5と異なる点は、ボーナス発生演出の終了前(タイミングt6)にボーナス役に対応する図柄の組合せが停止するのみである。したがって、図5と重複する内容についての説明は省略する。
ボーナス発生演出は、本来ならば3ゲーム間に跨って実行され、演出の最終ゲーム(23ゲーム目)の終了時(例えば、3番目の停止ボタン5を離したとき)に、表示器8aにおいてボーナス役の抽選の当否に対応する画像として、キャラクタによる対戦結果を報知する画像が表示されるが、図8に示す例では、ボーナス発生演出の2ゲーム目(図8の22ゲーム目)にボーナス役に対応する図柄の組合せが停止した場合を示している。
すなわち、表示器8aが最上方位置から最下方位置まで復帰する時間は、1ゲームの最短実行時間よりも長いが、2ゲームを最短で実行する時間よりも短く設定されているため、表示器8aが最下方位置に復帰する時点(タイミングt5)は、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止する時点(22ゲーム目が終了するタイミングt6)よりも前となることから、ボーナス状態の発生画像は、必ず表示器が下方位置に復帰を完了した状態で表示されることとなる。
また、前述したようにボーナス役の当選は所定のレア役との重複当選を条件としているので、停止図柄の優先制御によりボーナス役に当選したゲームではボーナス役に対応する図柄の組合せが停止することはなく、表示器8aが最下方位置に完全に復帰してからボーナス役に対応する図柄の組合せが停止することとなるのである。
そして、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止したゲームの次ゲームの開始により、遊技状態がボーナス状態に移行することとなる。
図5で説明したように、表示器8aは、遊技状態が通常遊技状態からCZ状態に移行するゲームにおいて、最下方位置から最上方位置に移動するが、この間に異常状態が発生した場合には、以下のような制御が行われる。
図9に示すように、CZ状態が開始する最初のゲーム開始(タイミングt1)から表示器8aを上方へ移動させる駆動制御が開始され、表示器8aの最下方位置(第1の位置)から最上方位置(第2の位置)への移動が開始されるが、この表示器8aの移動中における所定の時期(タイミングt2)で異常状態が発生した場合には、その時点の遊技状態(CZ状態)は一旦中断されて遊技状態は異常状態に移行する。
異常状態が発生した場合には、表示器8aに異常画像として、「エラーが発生しました。係員をお呼びください。」等の文字情報や、異常の種類を特定可能なエラーコードが表示される。また、スピーカ9及びランプ11において、異常状態の発生を報知する音声や所定態様の光が出力される。
すなわち、表示手段としての主制御装置10及び副制御装置20は、表示器8aの移動中において、異常検視手段により所定の異常状態が検出された場合に、所定の異常情報(異常画像)を移動中の表示器8aに表示させる制御を実行可能する一方、所定の異常状態の検出が解除された場合に、第2の位置の表示器8aにおいて、CZ状態(特定遊技状態)に関連する情報を表示させる制御を実行可能にするのである。
したがって、CZ状態に復帰した場合には、既に表示器8aは最上方位置への移動を完了しているので、表示器8aが適正位置に移動している状態で直ぐにCZ状態中のゲームを開始することが可能となる。
また、主制御装置10は、フリーズ状態を中断しても本来のフリーズ状態の制御時間の経過はそのまま監視し、異常状態が解除された時点で、本来のフリーズ状態の制御時間が残っていた場合には、異常状態の解除後に、残りの制御時間分フリーズ状態を継続するようにする。したがって、この場合には、異常状態が解除された時点では、表示器8aの最上方位置への移動が完了していないこととなるので、異常状態の解除後にフリーズ状態が復帰して未だ移動中の表示器8aは上方への移動を継続することとなる。
なお、異常状態が発生した場合には、本来のフリーズ状態の制御時間の経過を監視せずに、フリーズ状態を途中で中断して、異常状態が解除された時点で必ずフリーズ状態を中断した時点から再開するようにしてもよい。
また、フリーズ状態を発生させない場合に、異常状態を、既に開始されているゲームのみは実行可能とする場合には、当該ゲームの終了時点で異常状態に移行させることとなるが、この場合には、異常状態の発生時点で表示器8aに異常画像を表示するようにしてもよいし、ゲーム終了時点で異常画像を表示するようにしてもよいが、いずれにしても表示器8aの移動は継続して行うようにする。
また、表示器8aが最上方位置から最下方位置への復帰中に異常状態が発生した場合でも、上記同様に、表示器8aには異常画像を表示するとともに、表示器8aの最下方位置への移動は継続して行われる。そして、異常状態が解除した場合には、常態位置である表示器8aが最下方位置において、直ぐに復帰後の遊技状態においてゲームを実行可能な状態にする。
さらに、係員の異常解除作業は比較的長時間を要することもあることから、ゲームの中断時間が長時間となってしまうこともある。すなわち、異常状態が解除された場合に、遊技者は異常状態の発生前の遊技状態がどのようになっていたかを忘れてしまう虞もあるが、異常状態の解除後には表示器8aは適正位置に移動しているので、このような場合でも何ら違和感なく遊技者はゲームを再開することが可能となる。
図10に示す変形例では、表示器8aの移動をゲーム間で行うようにしている。すなわち、前述した図9に示す例では、CZ状態が開始する最初のゲームの実行中に表示器8aを上方に移動させるようにしているが、図10に示す例では、CZ状態が開始する直前のゲーム(10ゲーム目)と開始ゲーム(11ゲーム目)との間で表示器8aを上方に移動させるようにしている。
したがって、図10では、遊技状態がCZ状態に移行する前には、表示器8aの最上方位置への移動は完了している。そして、このゲーム間での表示器8aの上方への移動中に異常状態が発生した場合を示している。
そして、前兆演出の最終ゲーム(10ゲーム目)の終了から所定時間(例えば、1秒)経過後の時点(タイミングt1)で表示器8aを上方へ移動させる駆動制御が開始され、表示器8aが下方位置(第1の位置)から上方位置(第2の位置)への移動が開始される。
そして、この表示器8aの移動中の時点(タイミングt2)で異常状態が発生した場合には、その時点の遊技状態(通常遊技状態)は一旦中断されて遊技状態は異常状態に移行する。
したがって、表示器8aは、異常状態が発生しない場合と同様に最上方位置までの移動を継続して最上方位置に移動した時点(タイミングt3)で移動を終了する。
したがって、通常遊技状態に復帰した場合には、既に表示器8aは最上方位置への移動を完了しているので、表示器8aが適正位置に移動している状態で直ぐにCZ状態の最初のゲームを開始することが可能となる。
また、主制御装置10は、フリーズ状態を中断しても本来のフリーズ状態の制御時間の経過はそのまま監視し、異常状態が解除された時点で、本来のフリーズ状態の制御時間が残っていた場合には、異常状態の解除後に、残りの制御時間分フリーズ状態を継続するようにしてもよい。したがって、この場合には、異常状態が解除された時点では、表示器8aの最上方位置への移動が完了していないこととなるので、異常状態の解除後にフリーズ状態が復帰して未だ移動中の表示器8aは上方への移動を継続することとなる。
また、異常状態が発生した場合には、本来のフリーズ状態の制御時間の経過を監視せずに、フリーズ状態を途中で中断して、異常状態が解除された時点で必ずフリーズ状態を中断した時点から再開するようにしてもよい。
特に、メダル異常通過、メダル滞留異常、エンプティ異常、払い出し異常、メダル詰まり異常等の異常状態は、ゲーム間において発生する可能性が高いので、ゲーム間で表示器8aを移動させる場合でも、異常状態の発生により違和感のあるゲームの実行となったり、ゲームの進行に支障が生じたりすることを防止できる。
図11は、各遊技状態の変化に応じて表示器8aが移動する場合のスロットマシン1の正面図を示している。
CZ状態の直前のゲーム(図10の10ゲーム目)とCZ状態の最初のゲーム(図10の11ゲーム目)においては、図11に示すように表示器8aは上方に移動することとなるが、この間に表示器8aにはCZ状態が開始される旨を報知可能な開始画像31が表示される。
図11(b)に示すように、表示器8aの移動中に異常状態が発生した場合には、表示器8aの最上方位置への移動は継続するとともに、移動中の表示器8aにおいては、異常状態が発生している旨を報知する異常画像32が表示される。この異常状態中は、各種センサ(スタートレバー3等)からの信号の入力は無効とされ、遊技の進行は不能とされる。
表示器8aは異常画像32を表示した状態で上方への移動を継続し、最上方位置(第2の位置)に到達すると移動は停止する。
図11(c)に示すように、異常状態が解除された時点(図10のタイミングt4)では、表示器8aは最上方位置に移動を完了していて、この状態でゲームが開始されると遊技状態はCZ状態に移行し、表示器8aには、異常画像32に替わりCZ状態中の演出画像40が表示される。
このように、CZ状態の開始直前に異常状態が発生した場合でも、CZ状態が開始する時点では、表示器8aは最上方位置に移動しているので、表示器8aの位置変化によりCZ状態が発生していることを遊技者に確実に報知することが可能となるとともに、CZ状態中のゲームをスムーズに行うことが可能となる。
図12に示す例では、図10に示した例と同様に、CZ状態が開始する直前のゲーム(10ゲーム目)とCZ状態の最初のゲーム(11ゲーム目)の間において表示器8aが上方に移動し、この間に異常状態が発生している。CZ状態が開始するまでの表示器8aの移動や表示する情報は図10と同様であるので説明は省略する。
CZ状態中においては、各ゲームの実行毎にART状態の抽選が行われるが、ゲームの実行時にレア役に当選した場合には、ART状態の当選に対する期待度が高まることとなる。このような期待度をより高めるために図12に示す例では、役物装置16を第1状態から第2状態へ変換させることで遊技者の期待感を高めるようにしている。
すなわち、可動部材制御手段としての主制御装置10及び副制御装置20は、CZ状態(特定遊技状態)中のゲームにおいて、抽選手段の抽選結果が所定の結果となった場合に、可動部材としての役物本体16aを第1状態から第2状態に変換させる制御を実行可能としているのである。
したがって、遊技状態がCZ状態に移行して最初のゲームの実行により所定のレア役に当選した場合には、そのゲームの開始時点(タイミングt5)で役物装置16を第1状態から第2状態に変換される。
また、役物装置16の変換に対応して、表示器8aにおいては、役物装置16の変換を演出する演出画像が所定時間表示される。
また、前述したように、表示器8aは、CZ状態の開始直前で異常状態が発生した場合でも、移動が継続して行われ、CZ状態が開始する時点では、最上方位置に移動を完了しているので、CZ状態の最初のゲームで役物装置16が第2状態に変換されても、何ら問題なく現出する役物本体16a(装飾部16b)の位置に応じた演出画像が表示器8aにおいて表示されることとなる。
図13は、各遊技状態の変化に応じて表示器8aが移動する場合のスロットマシン1の正面図を示している。
CZ状態の直前のゲーム(図12の10ゲーム目)とCZ状態の最初のゲーム(図12の11ゲーム目)においては、図13に示すように表示器8aは上方に移動することとなるが、この間に表示器8aにはCZ状態が開始される旨を報知可能な開始画像31が表示される。
図13(b)に示すように、表示器8aの移動中に異常状態が発生した場合には、表示器8aの最上方位置への移動は継続するとともに、移動中の表示器8aにおいては、異常状態が発生している旨を報知する異常画像32が表示される。この異常状態中は、各種センサ(スタートレバー3等)からの信号の入力は無効とされ、遊技の進行は不能とされる。
表示器8aは異常画像32を表示した状態で上方への移動を継続し、最上方位置(第2の位置)に到達すると移動は停止する。
図13(c)に示すように、異常状態が解除された時点(図12のタイミングt4)では、表示器8aは最上方位置に移動を完了していて、この状態でCZ状態の最初のゲームが開始されると、表示器8aにはCZ状態中の演出画像40が表示される。
変換装飾画像33は、下方の装飾部16bから光が拡散された状態を模した画像からなり、副制御装置20において最上方位置の表示器8aの表示面に表示される位置が予め設定されている。
それに対して、本変形例における主制御装置10及び副制御装置20は、可動部材制御手段による可動部材としての役物本体16aの第1状態から第2状態への変換に基づき、役物本体16aの変換に関連した所定の情報(変換装飾画像33)を第2の位置の表示器8aに表示させる制御を実行可能としたので、上記した課題を解決することができるのである。
スロットマシン1においては、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、通常遊技状態中に所定条件が成立すると、表示器8aにおいて呼び込み表示が行われる。
呼び込み表示が行われる条件としては、スロットマシン1の電源投入直後の通常遊技状態中や、通常遊技状態にゲームが所定時間(例えば、5分)実行されなかった場合等が設定されている。また、実行された呼び込み表示は、ベット数の入力やゲームの開始により終了する。
図14(a)に示すように、通常遊技状態中(電源投入時以外)には、上下動可能な表示器8aは最下方位置の状態で呼び込み表示が実行される。
このとき、表示器8aには、呼び込み表示として、当該スロットマシン1の機種名を示す機種名画像34が表示される。また、図示は省略するが機種名画像34の他に、登場するキャラクタの紹介画像や対戦演出のデモ画像等が、機種名画像34と一緒に、或いは交互に表示される。
主制御装置10及び副制御装置20は、スロットマシン1の電源投入時には、表示装置8の電気的駆動源を作動させて表示器8aを最上方位置に移動させるように制御している。したがって、図14(b)に示すように、電源投入直後の通常遊技状態中には、表示器8aは最上方位置の状態で呼び込み表示が実行される。
また、電源投入直後の通常遊技状態中には、機種名画像34は、通常遊技状態中にゲームが所定時間実行されなかった場合よりも、表示器8aの表示面のやや上方に移動した位置に表示されるとともに、表示面の下方には、構成物画像35aと外形画像35bが表示される。
すなわち、表示器8aの最上方位置への移動により、略ロ字状の表示器装飾枠15の上辺の一部が表示器8aの後方に隠れることとなるが、この隠れた箇所である表示器装飾枠15の上辺の一部を画像で補うように表示面の下方の左右方向に掛けて構成物画像35aが表示される。
なお、構成物画像35aは、表示器8aの周囲に配設される構成物で、表示器8aの移動により後方に隠れるものであればどのようなものでもよく、例えば、装飾ランプやスピーカ等が表示器8aの後方に隠れた場合にそれを模した画像となる。
図15(a)は、表示器8aが最下方位置に復帰した場合のスロットマシン1の正面図を示している。
表示器8aが最下方位置に存在している状態において、上部演出ボタン2eの操作を有効とする条件が成立した場合には、表示器8aに上部演出ボタン2eの操作を促す操作画像25とエフェクト画像24が表示される。また、上部演出ボタン2eの操作を促す操作案内画像23として、「押せ!」の文字情報も画面の左側に表示され、上部演出ボタン2eの操作が促される。このとき有効となった上部演出ボタン2eの内部の発光源が点灯し、上部演出ボタン2e自体が発光する。
図15(b)に示すように、遊技状態がCZ状態やART状態中には、表示器8aは最上方位置(第2の位置)に存在している。この状態では、上部演出ボタン2eは表示器8aの右斜め下に位置することとなる。
したがって、表示器8aの位置が変化した場合でも、操作すべき操作ボタンの位置を遊技者に正確に報知することが可能となるのである。
本実施形態においては、ART状態中に獲得したメダル数が所定数(例えば、1000枚)に到達した場合に、当該獲得メダル数が所定数に達した旨を報知する情報を表示器8aに表示するようにしている。この情報を表示する場合に、表示態様制御手段は、表示器8aの位置に応じて表示態様を変更するようにしている。
図16(a)に示すように、表示器8aが最下方位置を維持している状態においては、表示態様制御手段は、獲得メダル数が所定数に達した旨を報知する情報として、所定数のメダルを獲得した遊技者を称賛する、「1000枚達成おめでとう!」の文字情報からなる第1報知画像36を表示するようにしている。
図16(b)に示すように、表示器8aが最上方位置を維持している状態においては、表示態様制御手段は、獲得メダル数が所定数に達した旨を報知する情報として、所定数のメダルを獲得したことを他の遊技者にアピールする「1000枚達成この台すごい!」の文字情報からなる第2報知画像37を表示するようにしている。
ART状態中に、表示器8aを上下動させる所定条件は、ART状態中における所定ゲーム数毎や、所定時間毎など何れの条件でもよく、また、スロットマシン1の所定部に入力手段を備えて、遊技者による入力手段の入力操作により表示器8aを上下動させるようにしてもよい。
このようにすれば、ART状態中における遊技状態に応じて表示器8aの位置が変化するので、表示器8aの位置によりART状態中における遊技状態を遊技者に明確に報知することが可能となる。
このようにすれば、複数に変化する遊技状態に応じて、表示器8aの位置により各遊技状態を遊技者に明確に報知することが可能となる。
前述した実施形態においては、役物装置16を表示器の左側に備え、役物装置16が第1状態から第2状態に変換した場合には、装飾部16bは、表示器8aの前方に変換して、表示面の前面に装飾部16bの現出するようにしているが、図17に示す変形例では、役物装置17を表示器8aの左右各々に一対備え、役物装置17が第1状態から第2状態に変換する場合の変換態様が異なっている。
役物装置17の各々は、図17(a)に示すように、表示器装飾枠15の後方に配設される役物本体17aと、役物本体17aを変換駆動させるソレノイド等からなる電気的駆動源(図示省略)とから構成される。
また、装飾部17bの内部には発光源(LED)が配設され、役物本体17aの作動状態への変換に応じて、内部の発光源が発光して装飾効果を高めるようになっている。
また、図示は省略したが、役物本体17aが第2状態に変換した場合には、表示器8aにおいては、役物本体17aの第2状態への変換に応じた装飾画像が表示される。この場合の装飾画像は、例えば、表示器8aの下方に変換された役物本体17aに対応して、下方から照射された光が上方に放射される旨を模した画像が表示される。
したがって、比較的大型の表示器8aおよび役物装置17を配設した場合でも、何ら問題なく役物装置17を第2状態に変換することが可能となり、効果的な演出を実行することが可能となるのである。特に、役物装置17の前後方向の寸法が大きいものを配設することが可能となり、より立体感のある迫力のある演出が可能となる。
したがって、例えば、遊技状態のCZ状態への移行に応じて、表示器8aを最上方位置に移動している間に異常状態が発生した場合でも、異常状態の解除によりCZ状態中のゲームを開始する際には、表示器8aが最上方位置への移動は完了しているので、当該ゲームで役物装置17を第2状態に何ら問題なく変換させることが可能となるのである。
また、特典としては、ボーナス状態、CZ状態、ART状態、ART状態中におけるゲーム数の上乗せ、等が例示される。
また、特定遊技状態は、メダルを獲得する可能性が高められた遊技状態、役の抽選確率が高められた遊技状態等、遊技者にとって有利な遊技状態であれば何れでもよく、ボーナス状態、CZ状態、ART状態等が例示される。
また、演出は、ボーナス発生演出(ボーナスガセ発生演出)でもよいし、CZ状態やART状態の前兆演出(ガセ前兆演出)でもよい。
また、演出制御手段が、第2の位置から第1の位置への復帰中の表示手段において演出を実行した場合とは、表示手段が第2の位置から第1の位置へ復帰を開始した時点で演出を開始した場合の他、表示手段が第2の位置から第1の位置へ復帰中の所定の時点で演出を開始した場合も含む。
ここで、表示手段の所定部は、表示手段の全部でもよいし、一部でもよい。
したがって、表示手段が移動した場合に、より表示手段を目立たせることが可能となり、表示手段による画像表示に対する報知効果や演出効果を向上させるばかりか、表示手段自体で報知効果や演出効果をより向上させることが可能となる。
また、表示手段を第2の位置から第1の位置まで復帰させるまでの期間が、ゲームの実行に要する最短期間よりも長くなるように設定されていても、復帰を完了するまでの期間は、複数ゲームに跨り実行される演出の実行期間よりも短くなるので、表示手段の第1の位置への復帰の完了以降に演出の結果を表示手段に表示させることができ、効果的かつ正確な報知を実行することが可能となる。
したがって、演出制御手段が表示手段の移動中に演出を実行し、この演出の結果を表示する際に特定演出を実行する場合でも、移動中の表示手段は、演出の終了前にその移動が完了して、移動の完了後に特定演出が実行されることとなり、表示手段が第1の位置に存在していることを前提とした、可動部材の第1状態から第2状態への変換、及びその変換に応じた表示手段での情報表示からなる特定演出を確実に実行することが可能となる。
したがって、表示手段が第2の位置から第1の位置への復帰中において、特定演出の実行条件が成立した場合でも、保留手段により特定演出の実行が保留され、表示手段が第1の位置へ復帰した状態で特定演出が実行されることとなり、表示手段が第1の位置に存在していることを前提とした、可動部材の第1状態から第2状態への変換、及びその変換に応じた表示手段での情報表示からなる特定演出を確実に実行することが可能となる。
ここで、表示手段の移動中とは、第1の位置から第2の位置への移動中、第2の位置から第1の位置への移動中を含む。
したがって、表示手段の移動中に異常状態が発生した場合でも、表示手段の移動は継続されるので、異常状態が解除した場合には、既に表示手段は適正位置への移動が完了していることとなり、異常状態の解除後に、表示手段が適正位置の状態において即座にゲームを実行可能となる。
しかしながら、従来の遊技機においては、単に画像表示装置の移動に応じて演出に関わる情報を表示させるだけであり、単調な遊技性になってしまい興趣性を高めるものではなかった。
このように、本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
例えば、本実施形態では、特典としてART状態(ART)を付与するものとしたが、AT又はRTを付与するようにしてもよい。
この場合、表示器8aが最上方位置に移動した際には、奥手側の別表示器により、表示器8aが最下方位置に存在しているときに表示される画像を替わりに表示するようにしてもよい。
この場合、表示器8aが最下方位置に復帰している状態では、タッチ画像を表示器8aの表示面の略中央に表示し、表示器8aが最上方位置に移動している状態では、タッチ画像を表示器8aの表示面の下方に表示することにより、表示器8aの位置に応じてタッチ画像の表示位置を変更するようにしてもよい。
このようにすれば、表示器8aと遊技者との位置が変化しても、遊技者の接触し易い位置にタッチ画像が移動するので、遊技者が操作し易い演出を実行することが可能となる。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、表示器8aが最上方位置に移動する際に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
さらに、表示器8aを上方位置に移動させる場合に、ART状態中においては、表示器8aの位置を、上方位置のうちの最上方位置である第1上方位置に移動させ、CZ状態中においては、上方位置のうちの第1上方位置よりも位置の低い第2上方位置に移動させるようにし、表示器8aの位置がより上方位置に移動する毎に、振動手段による振動の度合いを強めたり、送風手段による送風の度合いを強めたりするようにしてもよい。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
2e:上部演出ボタン
4:リール
8a:表示器
10:主制御装置
15:表示器装飾枠
16:役物装置
20:副制御装置
Claims (6)
- 遊技者に対して特典を付与するか否かを抽選可能な抽選手段と、複数の情報を表示可能な表示手段と、前記抽選手段の抽選結果に基づき前記表示手段に所定の情報を表示させる制御を実行可能な表示制御手段と、を備えた遊技機において、
前記表示手段を第1の位置から前記第1の位置とは異なる第2の位置に移動可能な移動手段を備え、
前記表示制御手段は、前記抽選手段の抽選結果に基づき、前記表示手段において所定期間演出を実行可能な演出制御手段を備え、
前記移動手段は、遊技者にとって有利な特定遊技状態が発生する場合に、前記表示手段を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるものとし、
前記移動手段が前記表示手段を前記第2の位置から前記第1の位置まで復帰させるまでの期間を、前記演出制御手段による前記演出の実行期間よりも短く設定することで、前記演出制御手段が、前記第2の位置から前記第1の位置への復帰中の前記表示手段において前記演出を実行した場合に、前記演出の結果を前記第1の位置に復帰した状態の前記表示手段において表示させるように制御可能とした
ことを特徴とする遊技機。 - 前記移動手段による前記表示手段の前記第1の位置から前記第2の位置への移動により、前記表示手段の所定部を当該遊技機の外側に突出可能とした
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 当該遊技機は、遊技者の開始操作に基づきゲームを開始可能とするとともに、遊技者の停止操作に基づき前記ゲームを終了可能とするスロットマシンで構成され、
前記移動手段は、前記表示手段の前記第2の位置から前記第1の位置への復帰を、前記ゲームの開始に基づき実行可能とするとともに、前記表示手段を前記第2の位置から前記第1の位置まで復帰させるまでの期間を、前記ゲームの実行に要する最短期間よりも長くなるように設定可能とし、
前記演出制御手段は、前記演出を複数ゲームに跨り実行可能とするとともに、前記移動手段が前記表示手段の前記第2の位置から前記第1の位置への復帰を開始する前記ゲームにおいて前記演出を開始可能とした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。 - 第1状態と、所定部が前記表示手段の前方位置となる第2状態とに変換可能な可動部材と、
前記可動部材を前記第1状態から前記第2状態へ変換させるとともに、前記可動部材の前記第1状態から前記第2状態への変換に応じた情報を前記表示手段に表示させる特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、
を備え、
前記特定演出実行手段は、前記演出制御手段が前記表示手段に前記演出の結果を表示する場合に、前記特定演出を実行可能とした
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。 - 第1状態と、所定部が前記表示手段の前方位置となる第2状態とに変換可能な可動部材と、
前記可動部材を前記第1状態から前記第2状態へ変換させるとともに、前記可動部材の前記第1状態から前記第2状態への変換に応じた情報を前記表示手段に表示させる特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、
を備え、
前記特定演出実行手段は、前記表示手段が前記第2の位置から前記第1の位置への復帰中において、前記特定演出の実行条件が成立した場合に、前記特定演出の実行を、前記表示手段の第1の位置への復帰が完了するまで保留する保留手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。 - 前記移動手段は、前記表示手段の移動中において、所定の異常状態が発生した場合に、前記表示手段の移動を継続可能とした
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の遊技機。
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