JP2020031546A - ゲノム編集技術 - Google Patents

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Abstract

【課題】生殖細胞においてより効率的にゲノム編集することができる技術を提供すること。【解決手段】ゲノム編集用ヌクレアーゼのコード配列、及び該コード配列の3’側に配置されたnanos 3遺伝子3’UTRを含む、ポリヌクレオチドを用いた、ゲノム編集技術。【選択図】なし

Description

本発明は、ゲノム編集技術等に関する。
ガイドRNAとCasタンパク質との組合せにより、細胞のゲノム上の特定配列にDNA2本鎖切断を発生させることができる。このDNA切断端ではDNAのランダムな削り込みや付加等の変異が高頻度に起こるため、ガイドRNAとCasタンパク質との組合せにより、容易にゲノム編集が可能である。この技術は、CRISPR/Casシステムといわれており、近年、急速に開発・改良が進められている(特許文献1)。また、CISPR/Casシステム以外にも、TALENやZFN等、ゲノム編集用ヌクレアーゼは各種報告されている。
特表第2018−500037号公報
ゲノム編集用ヌクレアーゼで受精卵のゲノム編集を行う際に、ファウンダー世代ではある程度の割合でモザイク状態となるため、生殖細胞にゲノム編集が起こらない場合も多い。この場合、次世代動物に生殖系列伝播した個体の作出や変異特定に手間や時間を要してしまう。
具体的には、例えば次のような事例が存在する。ゲノム編集技術を用いて変異を導入した脊椎動物を作成する場合、受精卵(初期胚)にガイド RNAを導入する方法が取られる。しかし、導入されたガイドRNAやCasタンパク質が発生過程のすべての細胞に均一に働くわけではないので、ファウンダー世代は(F0世代)はモザイク(変異が導入された細胞とされていない細胞が混在している)状態となる。F0 世代では目的遺伝子が改変されたかはわからないため、F1 世代でスクリーニングを行うが、目的の遺伝子が改変されている可能性は一般的に 10% 程度であるといわれている。そこで、F1 世代を掛け合せてホモ(F2)を選抜する。このため、ホモの選抜までに多大な労力を要する。
そこで、本発明は、生殖細胞においてより効率的にゲノム編集することができる技術を提供することを課題とする。
本発明者は、次世代に形質を伝えるためには、体細胞ではなく、生殖細胞特異的にゲノム編集できれば良いことに着目した。ファウンダー世代(F0)の生殖細胞をゲノム編集できれば、F1 世代は 100% ヘテロが得られる。当該F1 を掛け合せれば簡単にホモ(F2)が得られるので、ホモの選抜まで要する労力と時間を大幅に削減することが出来る。そこで、初期胚の初期生殖細胞に効率的にゲノム編集用ヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドを導入する方法を検討した。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、ゲノム編集用ヌクレアーゼのコード配列、及び該コード配列の3’側に配置されたnanos 3遺伝子3’UTRを含む、ポリヌクレオチドを用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。この知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明が完成した。
即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1. ゲノム編集用ヌクレアーゼのコード配列、及び該コード配列の3’側に配置されたnanos 3遺伝子3’UTRを含む、ポリヌクレオチド。
項2. 前記ゲノム編集用ヌクレアーゼがCasタンパク質である、項1に記載のポリヌクレオチド。
項3. 前記nanos 3遺伝子が動物由来nanos 3遺伝子である、項1又は2に記載のポリヌクレオチド。
項4. 前記ゲノム編集用ヌクレアーゼが、核移行シグナルが付加されたゲノム編集用ヌクレアーゼである、項1〜3のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
項5. mRNAである、項1又は2に記載のポリヌクレオチド。
項6. ベクターである、項1〜4のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
項7. 前記ゲノム編集用ヌクレアーゼのコード配列の5’側に配置されたプロモーターを含む、項6に記載のポリヌクレオチド。
項8. さらに、ガイドRNA発現カセットを含む、項6又は7に記載のポリヌクレオチド。
項9. 項1〜8のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む、細胞。
項10. 項1〜8のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む、ゲノム編集用組成物。
項11. 項1〜8のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む、ゲノム編集用キット。
項12. 項1〜8のいずれかに記載のポリヌクレオチドを生物又は細胞に導入する工程を含む、ゲノム編集方法。
項13. 前記ポリヌクレオチドの導入対象が受精卵である、項12に記載のゲノム編集方法。
項14. 項1〜8のいずれかに記載のポリヌクレオチドを生物又は細胞に導入する工程を含む、ゲノム編集された生物又は細胞の製造方法。
項15. 前記ポリヌクレオチドの導入対象が受精卵である、項14に記載の製造方法。
本発明によれば、生殖細胞においてより効率的にゲノム編集することができる技術を提供することができる。これにより、例えば受精卵を対象としてゲノム編集する場合であれば、より多くの生殖細胞がゲノム編集されたファウンダー世代を作出することができ、ゲノム編集動物をより簡便且つ効率的に作出することができる。
nanos 3遺伝子3’UTRを含むCas9 mRNAの発現ベクター(pCS2+hSpCas9-nos3 3’UTR (Cas9-nos3UTR))の調製方法(実施例1)の概略を示す。 実施例2-2の観察像の例を示す。EGFR(+)は、生殖細胞が残って光っているメダカ幼魚(横向の緑筋が見えている)。この緑筋は通常50-100個の生殖細胞からなるため、ギザギザに見えている(上部の赤は脊椎骨)。EGFR(-)は生殖細胞が全く光っていないメダカ幼魚。すなわちすべての生殖細胞のEGFP 遺伝子が破壊されている。 実施例2-2の観察像から、EGFR(+/-)を判定した結果を示す。「Cas9-nos3 3’UTR mRNA」は、3’側にnanos 3遺伝子3’UTRが配置されたCas9 mRNAを導入した場合を示す。「Cas9 mRNA」はnanos 3遺伝子3’UTRを含まないCas9 mRNAを導入した場合を示す。EGFR(+/-)の判定は、図2を参照。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
本明細書中において、アミノ酸配列の「同一性」とは、2以上の対比可能なアミノ酸配列の、お互いに対するアミノ酸配列の一致の程度をいう。従って、ある2つのアミノ酸配列の一致性が高いほど、それらの配列の同一性又は類似性は高い。アミノ酸配列の同一性のレベルは、例えば、配列分析用ツールであるFASTAを用い、デフォルトパラメータを用いて決定される。若しくは、Karlin及びAltschulによるアルゴリズムBLAST(KarlinS,Altschul SF.“Methods for assessing the statistical significance of molecular sequence features by using general scoringschemes”Proc Natl Acad Sci USA.87:2264−2268(1990)、KarlinS,Altschul SF.“Applications and statistics for multiple high−scoring segments in molecular sequences.”Proc Natl Acad Sci USA.90:5873−7(1993))を用いて決定できる。このようなBLASTのアルゴリズムに基づいたblastpと呼ばれるプログラムやtblastnと呼ばれるプログラムが開発されている。これらの解析方法の具体的な手法は公知であり、National Center of Biotechnology Information(NCBI)のウェエブサイト(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を参照すればよい。また、塩基配列の「同一性」も上記に準じて定義される。
本明細書中において、「保存的置換」とは、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基に置換されることを意味する。例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジンといった塩基性側鎖を有するアミノ酸残基同士で置換されることが、保存的な置換にあたる。その他、アスパラギン酸、グルタミン酸といった酸性側鎖を有するアミノ酸残基;グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システインといった非帯電性極性側鎖を有するアミノ酸残基;アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンといった非極性側鎖を有するアミノ酸残基;スレオニン、バリン、イソロイシンといったβ−分枝側鎖を有するアミノ酸残基;チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンといった芳香族側鎖を有するアミノ酸残基同士での置換も同様に、保存的な置換にあたる。
1.ポリヌクレオチド
本発明は、その一態様において、ゲノム編集用ヌクレアーゼのコード配列、及び該コード配列の3’側に配置されたnanos 3遺伝子3’UTRを含む、ポリヌクレオチド(本明細書において、「本発明のポリヌクレオチド」と示すこともある。)に関する。以下、これについて説明する。
ゲノム編集用ヌクレアーゼのコード配列は、ゲノム編集用ヌクレアーゼのアミノ酸配列をコードする塩基配列である限り特に制限されない。
ゲノム編集用ヌクレアーゼは、ゲノムDNA上の任意の箇所(意図した箇所)を切断して、切断断片を生じさせることができるヌクレアーゼである限り特に制限されない。ゲノム編集用ヌクレアーゼとしては、例えばTALEN、ZFN、Casタンパク質、などが挙げられる。
TALENは、DNA切断ドメイン(例えばFokIドメイン)に加えて転写活性化因子様(TAL)エフェクターのDNA結合ドメインを含む人工ヌクレアーゼである。TALENを細胞内に導入することにより、TALENがDNA結合ドメインを介して標的部位に結合し、そこでDNAを切断する。標的部位に結合するDNA結合ドメインは、公知のスキーム(例えばZhang, Feng et. al. (2011) Nature Biotechnology 29 (2);この論文は、本明細書に参考として援用される)に従って設計することができる。
ZFNは、ジンクフィンガーアレイを含むDNA結合ドメインにコンジュゲートした核酸切断ドメインを含む人工ヌクレアーゼである。ZNFを細胞内に導入することにより、ZFNがDNA結合ドメインを介して標的部位に結合し、そこでDNAを切断する。標的部位に結合するDNA結合ドメインは、公知のスキームに従って設計することができる。
Casタンパク質は、ガイドRNA(gRNA)と共に細胞内で協調して働くことにより、ゲノム中に切断断片を生じさせることができる。具体的には、ガイドRNAが標的部位に結合し、該都合部位に呼び込まれたCasタンパク質によってDNAを切断することができる。
本発明においては、好ましくはCasタンパク質が使用される。以下では、Casタンパク質について詳述する。
Casタンパク質は、CRISPR/Casシステムにおいて用いられるものであれば特に制限されず、例えばガイドRNAと複合体を形成した状態でゲノムDNAの標的部位に結合し、該標的部位を切断できるものを各種使用することができる。Casタンパク質としては、各種生物由来のものが知られており、例えばS. pyogenes由来のCas9タンパク質(II型)、S. solfataricus由来のCas9タンパク質(I-A1型)、S. solfataricus由来のCas9タンパク質(I-A2型)、H. walsbyl由来のCas9タンパク質(I-B型)、E. coli由来のCas9タンパク質(I-E型)、E. coli由来のCas9タンパク質(I-F型)、P. aeruginosa由来のCas9タンパク質(I-F型)、S. Thermophilus由来のCas9タンパク質(II-A型)、S. agalactiae由来のCas9タンパク質(II-A型)、S. aureus由来のCas9タンパク質、N. meningitidis由来のCas9タンパク質、T. denticola由来のCas9タンパク質、F. novicida由来のCpf1タンパク質(V型)等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはCas9タンパク質が挙げられ、より好ましくはストレプトコッカス属に属する細菌が内在的に有するCas9タンパク質が挙げられる。各種Casタンパク質のアミノ酸配列、及びそのコード配列の情報は、NCBI等の各種データベース上で容易に得ることができる。
Casタンパク質は、野生型の2本鎖切断型Casタンパク質であってもよいし、ニッカーゼ型Casタンパク質であってもよい。2本鎖切断型Casタンパク質は、通常、標的鎖の切断に関与するドメイン(RuvCドメイン)及び非標的鎖の切断に関与するドメイン(HNHドメイン)を含む。ニッカーゼ型Casタンパク質としては、例えば2本鎖切断型Casタンパク質のこれら2つのドメインの内のいずれかのドメインにおいて、その切断活性を損なわせる(例えば、その切断活性を1/2、1/5、1/10、1/100、1/1000以下にする)変異を有するタンパク質が挙げられる。
Casタンパク質は、その活性を損なわない限りにおいて、アミノ酸配列の変異(例えば、置換、欠失、挿入、付加等)を有していてもよい。この観点から、Casタンパク質は、野生型Casタンパク質のアミノ酸配列と、例えば85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つその活性(ガイドRNAと複合体を形成した状態でゲノムDNAの標的部位に結合し、該標的部位を切断する活性)を有するタンパク質であってもよい。或いは、同様の観点から、Casタンパク質は、野生型Casタンパク質のアミノ酸配列に対して1若しくは複数個(例えば2〜100個、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個、さらに好ましくは2〜10個、よりさらに好ましくは2〜5個、特に好ましくは2個)のアミノ酸が置換、欠失、付加、又は挿入(好ましくは保存的置換)されたアミノ酸配列からなり、且つその活性(ガイドRNAと複合体を形成した状態でゲノムDNAの標的部位に結合し、該標的部位を切断する活性)を有するタンパク質であってもよい。なお、上記「活性」は、in vitro又はin vivoにおいて、公知の方法に従って又は準じて評価することができる。
Casタンパク質は、上記「活性」を有する限りにおいて、公知のタンパク質タグ、シグナル配列、酵素タンパク質等のタンパク質が付加されたものであってもよい。タンパク質タグとしては、例えばビオチン、Hisタグ、FLAGタグ、Haloタグ、MBPタグ、HAタグ、Mycタグ、V5タグ、PAタグ等が挙げられる。シグナル配列としては、例えば核移行シグナル等が挙げられる。酵素タンパク質としては、例えば、各種ヒストン修飾酵素、脱アミノ酵素等が挙げられる。
nanos 3遺伝子3’UTRは、nanos 3遺伝子の3’UTRである限り、特に制限されない。nanos 3遺伝子は初期生殖細胞の形成に関わっている遺伝子である。本発明では、初期生殖細胞の形成に関わっている遺伝子の中でもnanos 3遺伝子の3’UTRを採用することにより、生殖細胞においてより効率的に、且つ生殖細胞においてより特異的に、ゲノム編集することができる。
nanos 3遺伝子は、本発明のゲノム編集技術の対象生物由来のnanos 3遺伝子であってもよいし、異なる生物由来のnanos 3遺伝子であってもよい。nanos 3遺伝子の由来生物としては、例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ等の哺乳類動物; アフリカツメガエル等の両生類動物; ゼブラフィッシュ、メダカ、トラフグ等の魚類動物; ホヤ等の脊索動物; ショウジョウバエ、カイコ等の節足動物;等の動物: シロイヌナズナ、イネ、コムギ、タバコ等の植物:等が挙げられる。各種生物由来のnanos 3遺伝子は、(例えばNCBIデータベース上で、又は既報(例えば、ZOOLOGICAL SCIENCE 26: 112-118 (2009))で)公知であるか、又は公知のnanos 3遺伝子との相同性検索及び/又はシンテニー解析によって容易に決定できる。
nanos 3遺伝子の3’UTRは、nanos 3遺伝子の既知のmRNA配列又は推定されるmRNA配列に基づいて、容易に決定することができる。典型的には、3’UTRは、nanos 3遺伝子コード配列のストップコドン直後から、ポリAテールまで、より具体的には、mRNA上、nanos 3遺伝子コード配列3’末端の3’側隣接塩基から、ポリAテール5’末端の5’側隣接塩基までである。
nanos 3遺伝子の3’UTRの塩基配列の具体例としては、メダカであれば例えば配列番号2で示される塩基配列が挙げられ、マウスであれば例えば配列番号5で示される塩基配列が挙げられ、ラットであれば例えば配列番号6で示される塩基配列が挙げられ、ヒトであれば例えば配列番号7で示される塩基配列が挙げられ、Xenopus tropicalisであれば例えば配列番号8で示される塩基配列が挙げられ、
nanos 3遺伝子3’UTRは、その活性を損なわない限りにおいて、塩基配列の変異(例えば、置換、欠失、挿入、付加等)を有していてもよい。この観点から、nanos 3遺伝子3’UTRは、野生型nanos 3遺伝子3’UTRの塩基配列と、例えば85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の同一性を有する塩基配列であってもよい。或いは、同様の観点から、nanos 3遺伝子3’UTRは、野生型nanos 3遺伝子3’UTRの塩基配列に対して1若しくは複数個(例えば2〜8個、好ましくは2〜5個、より好ましくは2〜3個、さらに好ましくは2個)の塩基が置換、欠失、付加、又は挿入された塩基配列であってもよい。
本発明のポリヌクレオチドにおいて、nanos 3遺伝子3’UTRは、ゲノム編集用ヌクレアーゼコード配列の3’側に配置されている。具体的な配置の態様としては、例えばゲノム編集用ヌクレアーゼコード配列の3’側直下にnanos 3遺伝子3’UTRが配置されている態様(例えば、ゲノム編集用ヌクレアーゼコード配列3’末端の塩基とnanos 3遺伝子3’UTRの5´末端の塩基との間の塩基長が、例えば100塩基長以下、好ましくは50塩基長以下、より好ましくは20塩基長以下、さらに好ましくは10塩基長以下である態様)が挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドは、nanos 3遺伝子3’UTRの3’側に、ポリA付加シグナル配列、又はポリAテールを含むことが好ましい。具体的な配置の態様としては、例えばnanos 3遺伝子3’UTRの3’側直下にポリA付加シグナル配列又はポリAテールが配置されている態様(例えば、nanos 3遺伝子3’UTRの3’末端の塩基とポリA付加シグナル配列又はポリAテールの5´末端の塩基との間の塩基長が、例えば100塩基長以下、好ましくは50塩基長以下、より好ましくは20塩基長以下、さらに好ましくは10塩基長以下である態様)が挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドは、1本鎖であってもよいし、2本鎖であってもよい。また、本発明のポリヌクレオチドは、DNA、RNAのみならず、これらに、次に例示するように、公知の化学修飾が施されたものも包含する。ヌクレアーゼなどの加水分解酵素による分解を防ぐために、各ヌクレオチドのリン酸残基(ホスフェート)を、例えば、ホスホロチオエート(PS)、メチルホスホネート、ホスホロジチオネート等の化学修飾リン酸残基に置換することができる。また、各リボヌクレオチドの糖(リボース)の2位の水酸基を、-OR(Rは、例えばCH3(2´-O-Me)、CH2CH2OCH3(2´-O-MOE)、CH2CH2NHC(NH)NH2、CH2CONHCH3、CH2CH2CN等を示す)に置換してもよい。さらに、塩基部分(ピリミジン、プリン)に化学修飾を施してもよく、例えば、ピリミジン塩基の5位へのメチル基やカチオン性官能基の導入、あるいは2位のカルボニル基のチオカルボニルへの置換などが挙げられる。さらには、リン酸部分やヒドロキシル部分が、例えば、ビオチン、アミノ基、低級アルキルアミン基、アセチル基等で修飾されたものなどを挙げることができるが、これに限定されない。また、「ポリヌクレオチド」の語は、天然の核酸だけでなく、BNA(Bridged Nucleic Acid)、LNA(Locked Nucleic Acid)、PNA(Peptide Nucleic Acid)等の何れも包含する。
本発明のポリヌクレオチドは、その一態様においては、1本鎖ポリヌクレオチド(例えばmRNA)である。この態様であれば、ゲノム編集対象に導入後、mRNAの転写工程を経ずに、ゲノム編集用ヌクレアーゼを対象細胞内で産生させることができる。
本発明のポリヌクレオチドは、別の一態様においては、2本鎖ポリヌクレオチド(例えばベクター)である。この態様においては、ゲノム編集対象に導入後、mRNAを産生し、それに基づいてゲノム編集用ヌクレアーゼを対象細胞内で産生させることができる。
ベクターの種類は、特に制限されず、例えば動物細胞発現プラスミド等のプラスミドベクター; レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、センダイウイルス等のウイルスベクター;等が挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドが2本鎖ポリヌクレオチドである場合、本発明のポリヌクレオチドは、さらにゲノム編集用ヌクレアーゼのコード配列の5’側に配置されたプロモーターを含むことが好ましい。プロモーターとしては、特に制限されず、例えばpol II系プロモーターを各種使用することができる、pol II系プロモーターとしては、特に制限されないが、例えば例えばCMVプロモーター、EF1プロモーター、SV40プロモーター、MSCVプロモーター、hTERTプロモーター、βアクチンプロモーター、CAGプロモーター等が挙げられる。具体的な配置の態様としては、例えばプロモーターの3’側直下にゲノム編集用ヌクレアーゼのコード配列が配置されている態様(例えば、プロモーター3’末端の塩基からゲノム編集用ヌクレアーゼのコード配列の5´末端の塩基までの間の塩基対数(bp)が、例えば100 bp以下、好ましくは50 bp以下である態様)が挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドが2本鎖ポリヌクレオチドであり、且つゲノム編集用ヌクレアーゼがCasタンパク質である場合、本発明のポリヌクレオチドは、さらにガイドRNA発現カセットを含むことが好ましい。Casタンパク質発現カセットとガイドRNA発現カセットが同一分子(ポリヌクレオチド)内に存在していることによって、Casタンパク質とガイドRNAとを効率的に細胞内で発現させることができ、ひいてはゲノム編集効率をより高めることが可能である。
ガイドRNA発現カセットの典型例としては、プロモーター、及び該プロモーターの制御下に配置されたガイドRNA全体又は一部のコード配列を含むポリヌクレオチドが挙げられる。
ガイドRNA発現カセットのプロモーターとしては、特に制限されず、pol II系プロモーターを使用することもできるが、比較的短いRNAの転写をより正確に行わせるという観点から、pol III系プロモーターが好ましい。pol II系プロモーターとしては、例えばCMVプロモーター、EF1プロモーター、SV40プロモーター、MSCVプロモーター、hTERTプロモーター、βアクチンプロモーター、CAGプロモーター等が挙げられる。pol III系プロモーターとしては、例えばU6-snRNA(例えばU6.1-snRNA、U6.26-snRNA等)プロモーター、U3-snRNAプロモーター等が挙げられる。
ガイドRNAコード配列は、ガイドRNAをコードする塩基配列である限り特に制限されない。
ガイドRNAは、CRISPR/Casシステムにおいて用いられるものであれば特に制限されず、例えばゲノムDNAの標的部位に結合し、且つCasタンパク質と結合することにより、Casタンパク質をゲノムDNAの標的部位に誘導可能なものを各種使用することができる。
本明細書において、標的部位とは、PAM(Proto-spacer Adjacent Motif)配列及びその5´側に隣接する17〜30塩基長(好ましくは18〜25塩基長、より好ましくは19〜22塩基長、特に好ましくは20塩基長)程度の配列からなるDNA鎖(標的鎖)とその相補DNA鎖(非標的鎖)からなる、ゲノムDNA上の部位である。
PAM配列は、利用するCasタンパク質の種類によって異なる。例えば、S. pyogenes由来のCas9タンパク質(II型)に対応するPAM配列は5´-NGGであり、S. solfataricus由来のCas9タンパク質(I-A1型)に対応するPAM配列は5´-CCNであり、S. solfataricus由来のCas9タンパク質(I-A2型)に対応するPAM配列は5´-TCNであり、H. walsbyl由来のCas9タンパク質(I-B型)に対応するPAM配列は5´-TTCであり、E. coli由来のCas9タンパク質(I-E型)に対応するPAM配列は5´-AWGであり、E. coli由来のCas9タンパク質(I-F型)に対応するPAM配列は5´-CCであり、P. aeruginosa由来のCas9タンパク質(I-F型)に対応するPAM配列は5´-CCであり、S. Thermophilus由来のCas9タンパク質(II-A型)に対応するPAM配列は5´-NNAGAAであり、S. agalactiae由来のCas9タンパク質(II-A型)に対応するPAM配列は5´-NGGであり、S. aureus由来のCas9タンパク質に対応するPAM配列は、5´-NGRRT又は5´-NGRRNであり、N. meningitidis由来のCas9タンパク質に対応するPAM配列は、5´-NNNNGATTであり、T. denticola由来のCas9タンパク質に対応するPAM配列は、5´-NAAAACである。
ガイドRNAはゲノムDNAの標的部位への結合に関与する配列(crRNA(CRISPR RNA)配列といわれることもある)を有しており、このcrRNA配列が、非標的鎖のPAM配列相補配列を除いてなる配列に相補的(好ましくは、相補的且つ特異的)に結合することにより、ガイドRNAはゲノムDNAの標的部位に結合することができる。
なお、「相補的」に結合とは、完全な相補関係(AとT、及びGとC)に基づいて結合する場合のみならず、ストリンジェントな条件でハイブリダイズすることができる程度の相補関係に基づいて結合する場合も包含される。ストリンジェントな条件は、Berger and Kimmel (1987, Guide to Molecular Cloning Techniques Methods in Enzymology, Vol. 152, Academic Press, San Diego CA) に教示されるように、複合体或いはプローブを結合する核酸の融解温度(Tm)に基づいて決定することができる。例えばハイブリダイズ後の洗浄条件として、通常「1×SSC、0.1%SDS、37℃」程度の条件を挙げることができる。かかる条件で洗浄してもハイブリダイズ状態を維持するものであることが好ましい。特に制限されないが、より厳しいハイブリダイズ条件として「0.5×SSC、0.1%SDS、42℃」程度、さらに厳しいハイブリダイズ条件として「0.1×SSC、0.1%SDS、65℃」程度の洗浄条件を挙げることができる。
具体的には、crRNA配列の内、標的配列に結合する配列は、標的鎖と例えば90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、特に好ましくは100%の同一性を有する。
ガイドRNAは、Casタンパク質との結合に関与する配列(tracrRNA(trans-activating crRNA)配列といわれることもある)を有しており、このtracrRNA配列が、Casタンパク質に結合することにより、Casタンパク質をゲノムDNAの標的部位に誘導することができる。
tracrRNA配列は、特に制限されない。tracrRNA配列は、典型的には、複数(通常、3つ)のステムループを形成可能な50〜100塩基長程度の配列からなるRNAであり、利用するCasタンパク質の種類に応じてその配列は異なる。tracrRNA配列としては、利用するCasタンパク質の種類に応じて、公知の配列を各種採用することができる。
ガイドRNAは、通常、上記したcrRNA配列とtracr RNA配列を含む。ガイドRNAの態様は、crRNA配列とtracr RNA配列を含む一本鎖RNA(sgRNA)であってもよいし、crRNA配列を含むRNAとtracrRNA配列を含むRNAとが相補的に結合してなるRNA複合体であってもよい。
本発明のポリヌクレオチドは、公知の遺伝子工学的手法に従って容易に作製することができる。例えば、PCR、制限酵素切断、DNA連結技術、in vitro転写技術等を利用して作製することができる。
2.ゲノム編集用組成物、ゲノム編集用キット
本発明のポリヌクレオチドは、ゲノム編集用組成物として利用することもできるし、或いはゲノム編集用キットとして利用することもできる。
ゲノム編集用組成物は、本発明のポリヌクレオチドを含有する限りにおいて特に制限されず、必要に応じてさらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、特に限定されるものではないが、例えば基剤、担体、溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増粘剤、保湿剤、着色料、香料、キレート剤等が挙げられる。本発明のポリヌクレオチドが1本鎖ポリヌクレオチドである場合であれば、ゲノム編集用組成物は、必要に応じて、ガイドRNA発現カセットを含むポリヌクレオチドを含んでいてもよい。また、必要に応じて、ドナーポリヌクレオチドを含んでいてもよい。
ゲノム編集用キットは、本発明のポリヌクレオチドが含まれている限りにおいて特に制限されず、必要に応じて核酸導入試薬、緩衝液等、本発明のゲノム編集方法の実施に必要な他の材料、試薬、器具等を適宜含んでいてもよい。本発明のゲノム編集方法の実施に必要な他の材料としては、本発明のポリヌクレオチドが1本鎖ポリヌクレオチドである場合であれば、ガイドRNA発現カセットを含むポリヌクレオチドが挙げられ、また必要に応じてドナーポリヌクレオチドが挙げられる。
3.ゲノム編集方法、ゲノム編集された生物又は細胞の製造方法
本発明のポリヌクレオチドを生物又は細胞に導入する工程を含む方法により、これらの生物又は細胞のゲノムを編集することができる。
導入対象である生物としては、特に制限されないが、例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ等の哺乳類動物; アフリカツメガエル等の両生類動物; ゼブラフィッシュ、メダカ、トラフグ等の魚類動物; ホヤ等の脊索動物; ショウジョウバエ、カイコ等の節足動物;等の動物: シロイヌナズナ、イネ、コムギ、タバコ等の植物:等が挙げられる。
導入対象である細胞としては、特に制限されないが、各種組織由来又は各種性質の細胞、例えば血液細胞、造血幹細胞・前駆細胞、配偶子(精子、卵子)、受精卵、線維芽細胞、上皮細胞、血管内皮細胞、神経細胞、肝細胞、ケラチン生成細胞、筋細胞、表皮細胞、内分泌細胞、ES細胞、iPS細胞、組織幹細胞、がん細胞等が挙げられる。
導入対象として、受精卵(例えば、受精直後の卵、前核期胚、初期胚、胚盤胞など)を使用することにより、生殖細胞においてより効率的にゲノム編集することができる。
導入方法は、特に制限されず、対象細胞又は生物の種類、本発明のポリヌクレオチドの種類に応じて、適宜選択することができる。導入方法としては、例えばマイクロインジェクション、エレクトロポレーション、DEAE-デキストラン処理、リポフェクション、ナノ粒子媒介性トランスフェクション、ウイルス媒介性核酸送達等が挙げられる。
導入により、本発明のポリヌクレオチドを含む、細胞又は生物が得られる。導入してから一定時間経過後に、対象細生物又は対象細胞内でゲノム編集が起こるので、この細胞又は生物を回収することにより、ゲノム編集された生物又は細胞を得ることができる。また、ファウンダー世代を作出後、該世代同士を掛け合わせることにより、全細胞がゲノム編集された生物又は細胞集団を得ることができる。
本発明によれば、生殖細胞においてより効率的にゲノム編集することができる。さらには、体細胞におけるゲノム編集を低減しつつも、生殖細胞特異的により効率的にゲノム編集することも可能である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、本実施例及び図面においては、nanos 3を「nos3」と表記することもある。
実施例1.メダカ由来nanos 3遺伝子3’UTRを含むCas9 mRNAの調製
まず、nanos 3遺伝子3’UTRを含むCas9 mRNAの発現ベクター(pCS2+hSpCas9-nos3 3’UTR (Cas9-nos3UTR))を調製した。該ベクターの調製方法の概略を図1に示す。図1中に示される塩基配列の内、「Cas9-nos3UTR」の塩基配列は配列番号1に示し、「nos3UTR」の塩基配列は配列番号2に示す。nanos3 cDNAを鋳型として、5’側にXbaI認識配列が付加されたプライマーセット(nos3-F-XbaI:配列番号3と、nos3-R-XbaI:配列番号4とのセット)を用いてPCRを行い、nanos 3遺伝子3’UTRを含むDNA断片を得た。得られたDNA断片をXbaIで消化し、pCS2+hSpCas9 (addgene #51815)のXbaIサイトへ挿入して、pCS2+hSpCas9-nos3 3’UTR (Cas9-nos3UTR)を得た。
続いて、作製したベクターをNotI制限酵素処理により線状化した後に、mMESSAGE mMACHINE(登録商標) SP6 Transcription Kit (Invitrogen, AM1340)を用いて、3’側にnanos 3遺伝子3’UTRが配置されたCas9 mRNA(Cas9-nos3 3’UTR mRNA)を合成した。
一方で、nanos 3遺伝子3’UTRを含まないCas9 mRNAの発現ベクター(pCS2+hSpCas9)から、同様にしてmRNA(Cas9 mRNA)を合成した。
実施例2.ゲノム編集試験
<実施例2-1.卵細胞へのベクターの注入、及び生育>
ゲノム編集対象として、生殖細胞をEGFPで可視化できるolvas-EGFPと軟骨細胞及び生殖腺体細胞をDsRedで可視化できるsox9b-DsRedの二重トランスジェニックメダカ(PNAS, vol.98, No.5, 2544-2549, 2001.)の受精卵を用いた。Cas9-nos3 3’UTR mRNA又はCas9 mRNA(濃度50ng/μl-100ng/μl )と、EGFP及びDsRed遺伝子をターゲットとするgRNA(濃度10ng/μl-50ng/μl)とを、ガラスキャピラリー(Warner Instruments, G100F-4)に充填し、マイクロインジェクター FemtoJet (eppendorf)を用いて、メダカ受精卵の1細胞期に注入した。注入後、得られた受精卵を発生させ、受精後7日のメダカ胚を得た。
<実施例2-2.卵細胞の観察>
実施例蛍光実体顕微鏡SZX12(オリンパス)を用いて、メダカ胚のEGFP及びDsRedの蛍光を観察し、顕微鏡用カメラDP74(オリンパス)で撮影した。
<実施例2-3.結果>
観察像の例を図2に示す。生殖細胞が1つでも残って光っているメダカ胚をEGFR(+)と判定し、生殖細胞が全く光っていないメダカ胚、すなわちすべての生殖細胞のEGFP 遺伝子が破壊されているメダカ胚をEGFR(-)と判定した。
判定結果を図3に示す。Cas9-nos3 3’UTR mRNAを導入した場合は生殖細胞がまったく見えなくなった割合が50%以上増加していた。またこのグラフには表れていないが、例え生殖細胞が見えていたとしても(EGFP+と判断されても)その数は大幅に減っていた。以上より、nanos 3遺伝子3’UTRがCasコード配列の3’側に配置されたCas mRNAを用いることにより、効率的に生殖細胞内でゲノム編集が起こることが分かった。
また、試験に用いたメダカでは、DsRedで一部の体細胞が可視化されている。上記試験では、DsRedを標的とするgRNAも導入したが、DsRed由来の蛍光は消失していなかった。このことから、nanos 3遺伝子3’UTRがCasコード配列の3’側に配置されたCas mRNAを用いることにより、生殖細胞内特異的にゲノム編集が起こることが示唆された。

Claims (15)

  1. ゲノム編集用ヌクレアーゼのコード配列、及び該コード配列の3’側に配置されたnanos 3遺伝子3’UTRを含む、ポリヌクレオチド。
  2. 前記ゲノム編集用ヌクレアーゼがCasタンパク質である、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  3. 前記nanos 3遺伝子が動物由来nanos 3遺伝子である、請求項1又は2に記載のポリヌクレオチド。
  4. 前記ゲノム編集用ヌクレアーゼが、核移行シグナルが付加されたゲノム編集用ヌクレアーゼである、請求項1〜3のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
  5. mRNAである、請求項1又は2に記載のポリヌクレオチド。
  6. ベクターである、請求項1〜4のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
  7. 前記ゲノム編集用ヌクレアーゼのコード配列の5’側に配置されたプロモーターを含む、請求項6に記載のポリヌクレオチド。
  8. さらに、ガイドRNA発現カセットを含む、請求項6又は7に記載のポリヌクレオチド。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む、細胞。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む、ゲノム編集用組成物。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む、ゲノム編集用キット。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載のポリヌクレオチドを生物又は細胞に導入する工程を含む、ゲノム編集方法。
  13. 前記ポリヌクレオチドの導入対象が受精卵である、請求項12に記載のゲノム編集方法。
  14. 請求項1〜8のいずれかに記載のポリヌクレオチドを生物又は細胞に導入する工程を含む、ゲノム編集された生物又は細胞の製造方法。
  15. 前記ポリヌクレオチドの導入対象が受精卵である、請求項14に記載の製造方法。
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