以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態〜第5実施形態について説明する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1〜図6を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る充電料金設定方法が適用される充電ステーション10の構成を説明する図である。充電ステーション10は、EV及びハイブリッド車両等の充電を行うための充電インフラ設備、特に自動車ディーラーなどに設けられる。
充電ステーション10は、商用電源100に接続された充電電力制御装置12と、複数の充電ポートp(第1充電ポートp1及び第2充電ポートp2)と、料金管理ユニット14と、を有している。
充電電力制御装置12は、商用電源100からの供給電力Pcに基づき、第1充電ポートp1に配置された第1充電器22から電動車両V1への充電電力、及び第2充電ポートp2に配置された第2充電器24から電動車両V2への充電電力を制御する。
充電電力制御装置12は、商用電源100の三相交流を直流に変換するインバータ及び電圧を調整するDCDCコンバータ等の電力制御回路と、電力制御回路を動作させるためのプログラムを実行するコントローラ等により構成される。
特に、充電電力制御装置12は、第1充電器22による充電で要求される充電電力量(以下、「第1充電電量力」とも称する)及び第2充電器24による充電で要求される充電電力量(以下、「第2充電電量力」とも称する)を満たすように、第1充電器22に設定された第1充電器設定電力Ps1及び第2充電器24に設定された第2充電器設定電力Ps2を満たすように充電を制御する。ここで、第1充電器設定電力Ps1は、例えば、第1充電器22の仕様に応じて定まる当該第1充電器22の出力可能電力(最大充電電力)である。また、第2充電器設定電力Ps2は、例えば、第2充電器24の仕様に応じて定まる当該第2充電器24の出力可能電力(最大充電電力)である。
第1充電ポートp1は、充電対象である電動車両V1が配置される駐車位置L1と、第1充電器22と、を有している。
第1充電器22は、上記第1充電器設定電力Ps1で駐車位置L1に停止している電動車両V1に供給するための装置である。第1充電器22は、電動車両V1の充電口に接続させる充電ケーブル及びコネクタを備えた充電インターフェース26を備えている。
一方、第2充電ポートp2は、充電対象である電動車両V2が配置される駐車位置L2と、第2充電器24と、を有している。
第2充電器24は、第2充電器設定電力Ps2で駐車位置L2に停止している電動車両V2に供給するための装置である。第2充電器24は、電動車両V2の充電口に接続させる充電ケーブル及びコネクタを備えた充電インターフェース28を備えている。
なお、本実施形態では、第1充電器22の充電電力として設定される第1充電器設定電力Ps1が、第2充電器24の充電電力として設定される第2充電器設定電力Ps2よりも大きくなるように構成されている。すなわち、第1充電器22が、高出力の急速充電器として構成され、第2充電器24が低出力の普通充電器として構成される。
料金管理ユニット14は、本実施形態における充電料金設定方法を統括する装置である。具体的に、料金管理ユニット14は、演算手段、記憶手段、入力手段、及び出力出段を備えた一又は複数のコンピュータで構成される。そして、料金管理ユニット14の記憶手段には、本実施形態に係る充電料金設定方法を実行するプログラムが格納されている。
なお、料金管理ユニット14は、充電ステーション10の敷地内若しくは施設内に配置されるサーバ、又はいわゆるクラウドコンピューティングによって実現されても良い。
図2は、本実施形態の充電料金設定システム20の構成を説明する図である。図示のように、充電料金設定システム20は、第1充電器22、第2充電器24、及び料金管理ユニット14を含む。そして、料金管理ユニット14は、所定のネットワーク200(LAN等の狭域ネットワーク又はインターネット等の広域ネットワーク)を介して第1充電器22及び第2充電器24と通信可能に構成されている。
また、第1充電器22は、充電を希望する電動車両V1のユーザから料金の支払いを受け付ける第1料金受け付け装置22aと、充電料金等の充電に関連する情報を表示するディスプレイ22bと、を有する。また、第2充電器24は、充電を希望する電動車両V2のユーザから料金の支払いを受け付ける第2料金受け付け装置24aと、充電料金等の充電に関連する情報を表示するディスプレイ24bと、を有する。
なお、第1料金受け付け装置22a及び第2料金受け付け装置24aは、例えば、紙幣及び硬貨による支払いを受け付けるとともにその金額を検出する現金受領装置、及びICカードなどを介した電子マネー決済若しくはクレジットカード決済を受け付ける非接触通信装置などにより構成される。
ディスプレイ22bは、第1充電器22を用いた充電における充電単価(以下、「第1充電単価C1」とも称する)、後述する補正第1充電単価C1_r、要求充電電力量(以下、「第1要求充電電力量」とも称する)に応じた第1充電器22による充電にかかる時間(以下、「第1充電時間Tc1」とも称する)、及び電動車両V1のユーザが充電の料金として支払うべき充電料金(以下、「第1充電料金Ct1」とも称する)等を表示する。
また、ディスプレイ24bは、第2充電器24を用いた充電における充電単価(以下、「第2充電単価C2」とも称する)、要求充電電力量(以下、「第2要求充電電力量」とも称する)に応じた第2充電器24による充電にかかる時間(以下、「第2充電時間Tc2」とも称する)、及び電動車両V2のユーザが充電の料金として支払うべき充電料金(以下、「第2充電料金Ct2」とも称する)等を表示する。
料金管理ユニット14は、単価記憶部30と、繁忙期判定部34と、料金設定部36と、を有する。
単価記憶部30は、第1充電器22による充電に対する基本単価として予め設定された第1充電単価C1、第2充電器24による充電に対する基本単価として予め設定された第2充電単価C2、及び後述する繁忙期の第1充電器22による充電単価として設定される補正第1充電単価C1_rを記憶している。
繁忙期判定部34は、現在が充電ステーション10の繁忙期にあたるか非繁忙期であるか判定する。
本実施形態の繁忙期判定部34は、季節、月、曜日、又は時間帯等の所定期間単位で分類された参照時期perに対して、予め「繁忙期」と「非繁忙期」を設定して記憶させた判定用記憶領域34aを有している。
ここで、「繁忙期」とは、おおよそ、祝祭日、年末年始、大型連休、及び通勤や外出する者が比較的多い午前〜午後を跨ぐ時間帯若しくは夕方(例えば、午前10時〜午後2時又は午後4時〜午後6時など)などの特定の参照時期perを意味する。また、「非繁忙期」とは、「非繁忙期」以外の参照時期perである。すなわち、「繁忙期」とは、充電ステーション10を利用するか、利用することを希望する電動車両Vのユーザが「非繁忙期」に比べて平均的に増大する参照時期perにあたる。
そして、繁忙期判定部34は、上記判定用記憶領域34aを参照し、現在が、「繁忙期」に設定された参照時期perに該当するのか、或いは「非繁忙期」に設定された参照時期perに該当するのかを判断する。
料金設定部36は、第1充電器22の充電による充電料金としての第1充電料金Ct1、第2充電器24の充電による充電料金としての第2充電料金Ct2を設定する。
特に、本実施形態の料金設定部36は、繁忙期判定部34により現在が「繁忙期」と判断された場合に、「非繁忙期」と判断される場合よりも低い第1充電料金Ct1を設定する。
より具体的に、料金設定部36は、「非繁忙期」と判断された場合に第1充電器22の充電にかかる充電単価として第1充電単価C1を設定する一方で、「繁忙期」と判断された場合には第1充電単価C1よりも低額の補正第1充電単価C1_rを当該充電単価として設定する。
なお、本実施形態の料金設定部36は、第2充電器24の充電にかかる充電単価について、「繁忙期」と判断された場合及び「非繁忙期」と判断された場合の何れであっても、同一の第2充電単価C2を設定する。
また、料金設定部36は、第1要求充電電力量及び第1充電器設定電力Ps1に基づいて、「非繁忙期」に設定される第1充電単価C1又は「繁忙期」の場合に設定される低額の補正第1充電単価C1_rから第1充電時間Tc1及び第1充電料金Ct1を演算する。
さらに、料金管理ユニット14は、第2要求充電電力量及び第2充電器設定電力Ps2に基づいて、第2充電単価C2に基づき、第2充電器設定電力Ps2及び第2要求充電電力量から第2充電時間Tc2及び第2充電料金Ct2を演算する。
以下、本実施形態の充電料金設定についてより詳細に説明する。
図3は、本実施形態の充電料金設定処理の流れを示すフローチャートである。
図示のように、ステップS110において、料金管理ユニット14(繁忙期判定部34)は、判定用記憶領域34aを参照して現在が繁忙期であるか否かを判定する。
そして、料金管理ユニット14は、現在が「繁忙期」にあたると判断すると、ステップS120に移行する。一方、「繁忙期」ではないと判断すると(すなわち、「非繁忙期」であると判断すると)、ステップS120の処理に移行する。
ステップS120において、料金管理ユニット14は、単価記憶部30から補正第1充電単価C1_r及び第2充電単価C2を抽出して設定する。
一方、ステップS130では、料金管理ユニット14は、単価記憶部30から第1充電単価C1及び第2充電単価C2を抽出して設定する。
すなわち、料金管理ユニット14は、繁忙期と判断した場合には、第1充電器22の充電単価として、非繁忙期における第1充電単価C1よりも安い補正第1充電単価C1_rを設定することとなる。
そして、料金管理ユニット14は、ステップS120又はステップS130の処理を経て、ステップS140の処理に移行する。
ステップS140において、料金管理ユニット14は、第1充電時間Tc1、第2充電時間Tc2、第1充電料金Ct1、及び第2充電料金Ct2を演算する。
具体的に、料金管理ユニット14は、指定された第1要求充電電力量を第1充電器設定電力Ps1で除して第1充電時間Tc1を演算する。また、料金管理ユニット14は、演算した第1充電時間Tc1に、繁忙期と判断される場合に設定される補正第1充電単価C1_r又は非繁忙期と判断される場合に設定される第1充電単価C1を乗じて第1充電料金Ct1を演算する。
さらに、料金管理ユニット14は、指定された第2要求充電電力量を第2充電器設定電力Ps2で除して第2充電時間Tc2を演算する。また、料金管理ユニット14は、演算した第2充電時間Tc2に、第2充電単価C2を乗じて第2充電料金Ct2を演算する。
ステップS150において、料金管理ユニット14は、演算した第1充電料金Ct1及び第2充電料金Ct2をそれぞれ、第1充電器22にかかる充電料金及び第2充電器24にかかる充電料金として設定する。
なお、料金管理ユニット14は、適宜、当該第1充電料金Ct1及び第2充電料金Ct2の設定の後に、これらをそれぞれ、第1充電時間Tc1及び第2充電時間Tc2ともに、ディスプレイ22b及びディスプレイ24bに表示させる処理を行っても良い。また、
料金管理ユニット14は、ステップS150で設定された充電料金の支払いを検出した後に、充電電力制御装置12に充電の開始を指令するようにプログラムされていても良い。
設定された第1充電料金Ct1及び第2充電料金Ct2の具体例について説明する。
図4Aは、非繁忙期における各充電器の充電単価及び充電料金の一例を示す表である。また、図4Bは、繁忙期における各充電器の充電単価及び充電料金の一例を示す表である。
なお、説明の簡略化のため、図4A及び図4Bにおいては、第1要求充電電力量及び第2要求充電電力量が相互に等しい(約33.3kWh)と仮定する。
図4Aに示す非繁忙期では、第1充電器22において、第1充電器設定電力Ps1が200kW、及び第1充電単価C1が300円/分に設定され、第1要求充電電力量に応じた第1充電時間Tc1は10分となっている。したがって、第1充電料金Ct1は、これらを乗じた3000円となっている。
また、第2充電器24においては、第2充電器設定電力Ps2が100kW、及び第2充電単価C2が50円/分に設定され、第2要求充電電力量に応じた第2充電時間Tc2は20分となっている。したがって、第2充電料金Ct2は、これらを乗じた1000円となっている。
図4Aの例では、第1充電器22の第1充電器設定電力Ps1は、第2充電器24の第2充電器設定電力Ps2よりも2倍程度大きく設定される。このため、同一の要求充電電力量分を充電するための第1充電時間Tc1は、第2充電時間Tc2の1/2となっている。
一方で、第1充電器22の第1充電単価C1(300円/分)は、第2充電器24の第2充電単価C2(50円/分)の6倍に設定されている。このため、同一の要求充電電力量分を充電する場合には、第1充電料金Ct1が第2充電料金Ct2の3倍となる。
したがって、図4に示す充電料金の設定態様であれば、第1充電器22による充電サービスは、料金の大小よりも短時間で充電を完了させることを優先するユーザのニーズに好適に合わせることができる。一方で、第2充電器24による充電サービスは、短時間で充電を完了させるよりも料金を抑えることを優先するユーザのニーズに好適に合わせることができる
一方で、このようなユーザの状況に応じて異なる充電サービスを選択し得る充電ステーション10において、上述した「繁忙期」には、充電ステーション10における充電待ちのユーザが「非繁忙期」と比べて増加する。
このように充電ステーション10に訪れる電動車両Vのユーザ母数が増加すると、第1充電器22による充電を希望するユーザ及び第2充電器24による充電を希望するユーザのそれぞれの数も増加することが想定される。
しかしながら、低充電電力の第2充電器24において単位時間あたりに充電処理を完了させることのできる電動車両V2の台数(以下、「充電処理可能台数μ2」とも称する)は、高充電電力の第1充電器22のそれ(以下、「充電処理可能台数μ1」とも称する)よりも少ない。
このため、第1充電器22と比べて第2充電器24における充電待ち台数が増大しやすい。特に、第1充電器22における充電が行われておらず且つ充電待ち台数がゼロであるにもかかわらず、第2充電器24における充電待ち台数は多数という状況も生じ得る。
この場合、第1充電器22による充電が可能な状態であるにもかかわらず、実行されていない。すなわち、第1充電器22及び第2充電器24の双方を含む充電ステーション10全体としては、充電処理を行う余裕があるにもかかわらず、これが活用されず、充電ステーション10全体の単位時間あたりの充電処理可能台数μが、理論上の値より低下することが考えられる。すなわち、充電ステーション10の実質的な稼働率が低下することとなる。
このような状況に対して、本実施形態では、図4Bに示すように、「繁忙期」においては、第1充電器22の充電単価を、「非繁忙期」に設定された「300円/分」に代えて、これよりも安い「200円/分」に設定している。したがって、第1要求電力量に応じた第1充電料金Ct1は、「繁忙期」においては、「非繁忙期」における「3000円」から「2000円」に減額される。
これにより、元々は充電時間の短さよりも料金の安さを優先して第2充電器24による充電を希望していたユーザに対して、第1充電器22による充電を希望するインセンティブを与えることできる。言い換えれば、第2充電器24による充電を希望するユーザを、第1充電器22による充電を行うように促すことができる。
特に、第2充電器24による充電を待っているユーザの少なくとも一部には、第2充電器24による充電をこのまま長時間待ち続けるよりも、普段(非繁忙期)よりも低額の第1充電器22による充電に変更した方が良いと考える者が存在することが想定される。したがって、上述のように、繁忙期において、充電時間の短い第1充電器22の充電料金を減額することで、第2充電器24による充電を待つユーザの少なくとも一部を第1充電器22による充電へ誘導することができる。
結果として、第1充電器22の充電料金を減額していなければ第2充電器24による充電を待っており、未だ充電処理が開始されていないであろう電動車両Vの一部を、第1充電器22によって処理することができる。したがって、上述のように、「繁忙期」に第1充電料金Ct1を安くすることで、第2充電器24の充電を待つユーザの一部を第1充電器22による充電へ誘導することで、充電ステーション10の充電処理可能台数μの低下を抑制し、その実質的な稼働率を向上させることができる。
図5は、「非繁忙期」における第1充電器22及び第2充電器24の所定時間あたりの実充電処理台数を説明するタイミングチャートである。特に、図5(a)は第1充電器22の所定時間あたりの実充電処理台数(以下、「実充電処理台数μ1r」とも称する)を示す。また、図5(b)は第2充電器24の実充電処理台数(以下、「実充電処理台数μ2r」とも称する)を示す。
図5(a)では、「非繁忙期」を想定しているところ、高充電電力の第1充電器22の理論上の充電処理可能台数μ1に対して、実充電処理台数μ1r(図5(a)では2台)が低くなっている状況(すなわち、稼働率が100%未満の状況)を示している。
一方で、図5(b)では、「非繁忙期」であるものの、低充電電力の第2充電器24の理論上の充電処理可能台数μ2と実充電処理台数μ2r(図5(b)では2台)が略等しい状況(稼働率が100%の状況)を示している。
図6は、「繁忙期」における実充電処理台数μ1r及び実充電処理台数μ2rを説明するタイミングチャートである。特に、図6(a)は第1充電器22の実充電処理台数μ1rを示す。また、図6(b)は第2充電器24の実充電処理台数μ2rを示す。
ここで、図6(b)に示されるように、「繁忙期」における第2充電器24の実充電処理台数μ2rは、図5(b)における「非繁忙期」の場合と同一である。これは、第2充電器24の実充電処理台数μ2rが理論上の充電処理可能台数μ2に達しているためである。
一方で、「繁忙期」においては第2充電器24による充電を希望するユーザが、「非繁忙期」の場合よりも増加するため、第2充電器24における充電待ち台数が増加することが想定される。
一方、図6(a)に示されるように、「繁忙期」における第1充電器22の実充電処理台数μ1r(図6(a)では4台)は、「非繁忙期」の場合(図5(a)参照)よりも増大している。
これは、上述のように、高充電電力の第1充電器22は「非繁忙期」において充電処理可能台数μ1に余裕があったこと、「繁忙期」には第1充電器22による充電を希望するユーザが増加すること、及び上述のように第1充電料金Ct1を減額したことで第2充電器24による充電を待つユーザの一部が第1充電器22による充電に回ったことに起因する。
そして、図6(a)から理解されるように、第1充電器22の充電処理可能台数μ1が第2充電器24の充電処理可能台数μ2よりも大きい。このため、第1充電器22の実充電処理台数μ1rを増加したとしても、当該増加分を含めて効率的に充電処理を行うことができる。すなわち、「繁忙期」において第1充電器22に設定される第1充電料金Ct1を減額することなく、第2充電器24による充電を待つユーザに対して何ら対処を行わない場合と比べて充電ステーション10の稼働率を向上させることができる。
以上説明した構成を有する本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態によれば、電動車両Vの充電が行われる複数の充電器の内、充電電力(第1充電器設定電力Ps1)が高い第1充電器22に相対的に高額の第1充電料金Ct1を設定し、充電電力(第2充電器設定電力Ps2)が低い第2充電器24に相対的に低額の第2充電料金Ct2を設定する充電料金設定方法が提供される。
この充電料金設定方法では、現在が繁忙期であるか非繁忙期であるかを判定し(図2のステップS110)、繁忙期である場合には、非繁忙期である場合に比べて第1充電料金Ct1を低く設定する(ステップS120〜ステップS150)。
これにより、繁忙期においては、充電電力が高い(充電時間が短い)第1充電器22による充電の第1充電料金Ct1が、非繁忙期の場合と比べて低下する。したがって、繁忙期には、第1充電器22による充電に対してユーザが負担すべき料金が減額されることとなる。このため、繁忙期においては、本来は充電電力が低い(充電時間が長い)第2充電器24による充電を希望していたユーザを、第1充電器22による充電へ好適に誘導することができる。
すなわち、繁忙期において第2充電器24における充電待ち車両を、処理能力の高い第1充電器22による充電処理に回すことができる。これにより、本実施形態の充電料金設定方法が適用される充電ステーション10の実質的な稼働率を向上させることができる。
そして、このように、本実施形態の充電ステーション10の実質的な稼働率が向上することで、当該充電ステーション10を利用して電動車両Vの充電を行うことを希望するユーザ全体の平均的な充電サービスを受けるための待ち時間を短縮することができる。
結果として、充電ステーション10において充電を希望するユーザの利便性を向上させることができる。また、上述のように、充電ステーション10の実質的な稼働率を向上させることができるので、当該充電ステーション10を運営する充電事業者の収益も増大させることができる。
そして、このように電動車両Vのユーザの利便性の向上及び充電事業者の収益の向上をもたらすことができることによって、潜在的な充電事業者に充電インフラ設備の運営を行うインセンティブを与えることができるとともに、一般消費者に対してはEV等の電動車両Vの購入意欲を促すことができる。結果として、電動車両V及び充電インフラ設備のさらなる普及に寄与することができる。
また、本実施形態の充電料金設定方法では、繁忙期でない場合に、第1充電器22による充電の単価として第1充電単価C1を設定し、第2充電器24による充電の単価として第2充電単価C2を設定する(図2のステップS110及びステップS130)。また、繁忙期である場合に、第1充電単価C1よりも低額の補正第1充電単価C1_rを第1充電器22による充電の単価として設定する。
すなわち、繁忙期において、第1充電器22による充電の単価そのものを安く設定する。これにより、繁忙期における第1充電料金Ct1を、非繁忙期の場合よりも低くするための具体的な処理が実現される。
なお、補正第1充電単価C1_rは、第2充電単価C2よりは高額に設定されることが好ましい。これにより、「繁忙期」に設定された第1充電料金Ct1であっても、第2充電料金Ct2よりは高額に設定されることとなる。
また、本実施形態によれば、上記充電料金設定方法を実行するために好適な充電料金設定システム20が提供される。
具体的に、本実施形態では、電動車両Vの充電が行われる複数の充電器と、複数の充電器の内、充電電力(第1充電器設定電力Ps1)が高い第1充電器22に相対的に高額の第1充電料金Ct1を設定し、充電電力(第2充電器設定電力Ps2)が低い第2充電器24に相対的に低額の第2充電料金Ct2を設定する料金管理ユニット14と、を備えた、充電料金設定システム20が提供される。
そして、料金管理ユニット14は、現在が繁忙期であるか非繁忙期であるかを判定する繁忙期判定部34と、繁忙期である場合には、非繁忙期である場合に比べて第1充電料金Ct1を低く設定する料金設定部36と、を備える。
これにより、上記充電料金設定方法の実行に適した具体的なシステム構成が提供されることとなる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について主に図7、及び図8A〜図8Cを参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、上述した「繁忙期」と「非繁忙期」を判断するためのより具体的な態様の一例について説明する。
本実施形態の料金管理ユニット14は、季節、月、日付、及び時間帯等の所定期間単位で分割された参照時期perに対して、単位時間当たりの平均的な第1充電器22の待ち台数として定義される第1平均待ち台数w1、及び単位時間当たりの平均的な第2充電器24の待ち台数として定義される第2平均待ち台数w2を取得する。
例えば、料金管理ユニット14は、第1充電器22における利用履歴及び第2充電器24における利用履歴から任意の統計的手法により、第1平均待ち台数w1及び第2平均待ち台数w2を演算する。
なお、本実施形態の第1平均待ち台数w1は、第1充電器22により一台の電動車両V1が充電されており、且つ第1充電器22に待ち車両が存在しない状態である場合に0〜1の間の値をとるように適宜規格化される。第2平均待ち台数w2についても同様である。
そして、料金管理ユニット14は、少なくとも第2平均待ち台数w2、好もしくは第1平均待ち台数w1及び第2平均待ち台数w2が所定条件を満たす参照時期perを「繁忙期」と対応付けし、及び当該所定条件を満たさない参照時期perを「非繁忙期」と対応付けして、繁忙期判定部34の判定用記憶領域34aに予め記憶させる。
なお、この判定用記憶領域34aに記憶させる処理は、料金管理ユニット14以外のコンピュータにより実行しても良い。
図7は、判定用記憶領域34aに記憶させるデータを構築するためのロジックを説明するフローチャートである。
図示のように、ステップS210において、第1充電器22及び第2充電器24の利用履歴から、参照時期perと、この参照時期perに対応する第1平均待ち台数w1及び第2平均待ち台数w2を抽出する。
ステップS220及びステップS230において、抽出した第1平均待ち台数w1及び第2平均待ち台数w2について、w1−w2≦ε及び2≦w2を満たすか否かをそれぞれ判定する。
そして、ステップS220における判定及びステップS230における判定が何れも肯定的である場合には、ステップS240に進み、抽出した参照時期perを「繁忙期」と設定する。一方、これらの判定の何れかが否定的である場合には、ステップS250に進み、抽出した参照時期perを「非繁忙期」と設定する。
ここで、εは、第1充電器22の充電電力と第2充電器24の充電電力の差を考慮した上でも、第2充電器24の待ち車両を第1充電器22へ誘導した場合に、却って充電ステーション10の実質的な稼働率が低下する程度に、第1平均待ち台数w1が第2平均待ち台数w2を大きく上回るかという観点から定められる値である。なお、このような状況が現実的に生じ得ないと考えられる場合には、ステップS220の判定を省略しても良い。
そして、ステップS260において、抽出した参照時期per、及びこれに設定された「繁忙期」若しくは「非繁忙期」とラベルして判定用記憶領域34aに記憶させる。
次に、図8A〜図8Cにおいて、図7で説明したロジックにしたがい、ある参照時期perが「繁忙期」にラベルされる場合において、当該参照時期perに該当する時期において平均的に生じていると想定される具体的な状況の例を説明する。
図8Aには、第1充電器22及び第2充電器24が使用中、第2充電器24に2台以上の待ち車両が存在する状況(0<w1<1且つ2≦w2)を示す。すなわち、本実施形態では、参照時期perに該当する時期の間において平均的に図8Aに示す状態となる場合には、参照時期perが「繁忙期」とラベルされることとなる。
図8Bには、第1充電器22及び第2充電器24が使用中で、第1充電器22に1台以上の待ち車両が存在し、且つ第2充電器24に2台以上の待ち車両が存在する状況(1≦w1且つ2≦w2)を示す。
すなわち、これは、第2充電器24に並んでいる電動車両Vよりも第1充電器22に並んでいる電動車両Vが少ない場合である。本実施形態では、参照時期perに該当する時期の間において平均的にこのような状態となる場合には、参照時期perが「繁忙期」とラベルされることとなる。
図8Cには、第1充電器22が使用されておらず、第2充電器24が使用中で、且つ第2充電器24に2台以上の待ち車両が存在する状況(w1=0且つ2≦w2)を示す。すなわち、これは、第1充電器22が使用されず、第2充電器24が混雑している状況である。本実施形態では、参照時期perに該当する時期の間において平均的にこのような状態となる場合には、参照時期perが「繁忙期」とラベルされることとなる。
以上説明したように、第1平均待ち台数w1及び第2平均待ち台数w2に基づいて「繁忙期」若しくは「非繁忙期」とラベルされた参照時期perを設定して判定用記憶領域34aに記憶させておけば、図3で示すステップS120において現在が「繁忙期」であるか「非繁忙期」かの判断を、参照時期perを照合しつつ好適に実行することができる。
これにより、上記充電ステーション10の実質的な稼働率を向上させる観点から、第2充電器24による充電を希望していたユーザを第1充電器22による充電へ誘導するための第1充電料金Ct1を低くするべき基準となる「繁忙期」をより好適に設定することができる。
以上説明した構成を有する本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態の充電料金設定方法では、繁忙期であるか否かを、充電器(第1充電器22及び第2充電器24)における充電待ち車両台数(第1平均待ち台数w1及び第2平均待ち台数w2)からなる繁忙期判定パラメータに基づいて判定する。
これにより、料金管理ユニット14は、第1充電器22及び第2充電器24におけるそれぞれの平均的な待ち台数に相関する繁忙期判定パラメータを用いて、繁忙期と非繁忙期を判断することができる。
すなわち、充電ステーション10の実質的な稼働率を向上させる観点からより好適な繁忙期の判断ロジックが提供されることとなる。結果として、充電を希望するユーザの利便性の向上及び充電ステーション10を運営する充電事業者の収益の増大をより好適に実現することができる。
また、本実施形態の充電料金設定方法では、所定期間単位ごとに分割された複数の参照時期(参照時期per)に対して、繁忙期判定パラメータとしての第1平均待ち台数w1及び第2平均待ち台数w2に基づいて繁忙期又は非繁忙期を対応させて記憶領域である判定用記憶領域34aに記憶する(図7参照)。そして、現在が繁忙期であるか否かの判定を、判定用記憶領域34aを参照して実行する。
これにより、繁忙期と非繁忙期を判断するために参照する判定用記憶領域34aのデータ構造を構築する具体的手段が実現される。また、現在が繁忙期であるか否かの判定を、判定用記憶領域34aを参照するという簡易な処理で行うことができるので、料金管理ユニット14の演算負担も軽減される。
なお、本実施形態では、第1充電器22における平均的な充電待ち車両台数を表す第1平均待ち台数w1、及び第2充電器24における平均的な充電待ち車両台数を表す第2平均待ち台数w2を繁忙期判定パラメータとする例について説明した。
しかしながら、相対的に高額で且つ充電料金が高い第1充電器22の充電待ち車両台数が、充電ステーション10の実質的な稼働率を低下させる程度に第2充電器24の充電待ち車両台数よりも多くなる可能性が現実的に低いことを考慮して、第1平均待ち台数w1のみを繁忙期判定パラメータとしても良い。
また、上記充電待ち車両台数に代えて、またはこれとともに、各充電器の充電待ち時間、及び利用率を繁忙期判定パラメータとしても良い。
より具体的には、参照時期perにおいて、単位時間当たりの平均的な第2充電器24の充電待ち時間、及び利用率((実充電処理台数μ2r)/(充電処理可能台数μ2))を繁忙期判定パラメータとしても良い。また、この場合、適宜、単位時間当たりの平均的な第1充電器22の充電待ち時間及び利用率((実充電処理台数μ2r)/(充電処理可能台数μ2))も繁忙期判定パラメータに含めても良い。
すなわち、各充電器の充電待ち時間及び利用率は、充電待ち車両台数と同様に各充電器の混雑度合いを表す指標であるので、これに基づいても同様に第1充電料金Ct1を低くするべき基準となる「繁忙期」を好適に判断することができる。
また、所定の参照時期perに対して、「繁忙期」又は「非繁忙期」所定の参照時期perに対して「繁忙期」又は「非繁忙期」を対応付け(ラベル付け)する処理を、第1充電器22及び第2充電器24の利用履歴に含まれる上記充電待ち車両台数、充電待ち時間、及び利用率以外の種々の情報(充電処理を行った電動車両Vの車種情報など)からなるデータ群から機械学習等により実行しても良い。
この場合、上記データ群から、充電ステーション10の実質的な稼働率を最適化することを目的とした最適化モデルに基づいて、上記参照時期perに対する「繁忙期」又は「非繁忙期」のラベル付けを行うように学習アルゴリズムを設定することができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について主に図9を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態又は第2実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の料金管理ユニット14は、「繁忙期」と判断した場合の第2充電料金Ct2を「非繁忙期」と判断した場合に比べて高く設定する。
図9は、本実施形態による充電料金設定処理の流れを説明するフローチャートである。図示のように、本実施形態では、現在が「繁忙期」と判断した場合(図2のステップS110のYes)に実行されるステップS120の処理に代えて、ステップS120´の処理を行う。
具体的に、ステップS120´では、料金管理ユニット14は、既に説明した補正第1充電単価C1_rに加え、補正第2充電単価C2_rを抽出して設定する。補正第2充電単価C2_rは、「非繁忙期」における第2充電単価C2よりも高額に設定されている。
そして、料金管理ユニット14は、「繁忙期」である場合に、この補正第2充電単価C2_rに基づいて第2充電料金Ct2を演算及び設定することとなる(ステップS140及びステップS150)。したがって、これにより、「繁忙期」と判断した場合の第2充電料金Ct2は、「非繁忙期」と判断した場合と比べて高く設定されることとなる。
図10は、本実施形態における繁忙期における各充電器の充電単価及び充電料金の一例を示す表である。
図10及び図4A(非繁忙期の料金)から理解されるように、本例では、「非繁忙期」における第2充電器24の充電単価(第2充電単価C2)が「50円/分」に設定されている一方で、「繁忙期」における補正第2充電単価C2_rは「75円/分」に設定されている。したがって、「繁忙期」における第2充電料金Ct2は、「非繁忙期」における「1000円」から「1500円」に増額して設定される。
したがって、本実施形態では、「繁忙期」においては、第1充電器22における第1充電料金Ct1を実質的に値下げすることに加えて、第2充電器24における第2充電料金Ct2を実質的に値上げすることで、第1充電料金Ct1と第2充電料金Ct2の間の価格差が小さくなる。
以上説明した構成を有する本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態の料金管理ユニット14は、繁忙期である場合には、非繁忙期である場合に比べて第2充電料金Ct2を高く設定する。
すなわち、繁忙期においては、既に説明したように第1充電料金Ct1を低くする一方で、第2充電料金Ct2を高くすることとなる。このため、繁忙期における第1充電料金Ct1と第2充電料金Ct2の差がより小さくなる。結果として、繁忙期においては、第1充電器22と第2充電器24の料金差がより小さくなるので、充電時間の短さよりも料金の安さを優先するユーザに対しても、より効果的に第1充電器22による充電を行うインセンティブを与えることができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について主に図11を参照しつつ説明する。なお、第1〜第3実施形態の何れかと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、第1充電器22は、当該第1充電器22において充電を受ける電動車両V1の滞在時間である第1滞在時間Tst1を検出する。また、第2充電器24は、当該第2充電器24において充電を受ける電動車両V2の滞在時間である第2滞在時間Tst2を検出する。
図11は、本実施形態における第1滞在時間Tst1の意義を説明する図である。図9から理解されるように、第1滞在時間Tst1は、第1充電ポートp1の駐車位置L1に電動車両V1への充電インターフェース26の接続が開始されてから当該接続に費やされる時間、接続後に実際に充電が実行される実充電時間、及び充電の完了後に充電インターフェース26が脱離に費やされる時間の和である充電オペレーション時間として定義される。第2滞在時間Tst2についても同様である。
そして、料金管理ユニット14は、第1滞在時間Tst1が短いほど第1充電料金Ct1を低く補正する処理を行う。また、料金管理ユニット14は、第2滞在時間Tst2が短いほど第1充電料金Ct1を低く補正する処理を行う。
以上説明した構成を有する本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態の充電料金設定方法では、第1充電器22において充電を受ける電動車両V1の滞在時間である第1滞在時間Tst1が短いほど第1充電料金Ct1を低く補正する。また、第2充電器24において充電を受ける電動車両V2の滞在時間である第2滞在時間Tst2が短いほど第2充電料金Ct2を低く補正する。
これにより、第1充電器22による充電を行うユーザ及び第2充電器24による充電を行うユーザに対して、充電インターフェース26、28の脱着作業を速やかに実行するなどの充電オペレーション時間をより短縮させるインセンティブを与えることができる。
結果として、充電ステーション10の実質的な稼働率をより一層向上させて、ユーザの利便性の向上及び充電ステーション10を運営する充電事業者の収益の増大の効果をより一層高めることができる。
なお、ユーザに対して上記「第1滞在時間Tst1」及び「第2滞在時間Tst2」をより短くするインセンティブを与える観点から、料金管理ユニット14が以下のような処理を行うように構成されても良い。
具体的に、料金管理ユニット14が、第1充電器22において充電を受ける電動車両V1の要求充電電力量としての第1要求充電電力量が少ないほど第1充電料金Ct1を低く補正する処理を行っても良い。また、料金管理ユニット14が、第2充電器24において充電を受ける電動車両V2の要求充電電力量としての第2要求充電電力量が少ないほど第2充電料金Ct2を低く補正する処理を行っても良い。
これにより、第1充電器22又は第2充電器24において充電を行う際に、ユーザに対して比較的低い目標充電電力量を指定するインセンティブを与えることができる。このため、第1充電器22又は第2充電器24における一人のユーザ当たりの平均的な実充電時間を減少させることができる。
結果として、ユーザが高い電力量を指定し一人当たりの実充電時間が長期化して、他のユーザの充電待ち時間が長くなることをより効果的に抑制することができる。すなわち、充電を希望するユーザの利便性をさらに向上させることができる。
また、料金管理ユニット14が、第1充電器22において充電を受ける電動車両V1の駐車時間が長いほど高額の第1追加料金を設定し、第2充電器24において充電を受ける電動車両V2の駐車時間が長いほど高額の第2追加料金を設定する処理を行って良い。
これにより、第1充電器22又は第2充電器24において充電を行うユーザが充電にかかる作業以外の行動などのために駐車位置L1や駐車位置L2に車両を停止させるなどの、第1充電器22又は第2充電器24の利用を妨げうる長時間の駐車を抑制することができる。結果として、電動車両Vのユーザの利便性の向上及び充電事業者の収益の向上に資することができる。
なお、第1充電器22における電動車両V1の駐車時間又は第2充電器24における電動車両V2の駐車時間が、上記「第1滞在時間Tst1」及び「第2滞在時間Tst2」を考慮した上で定められる上限時間(例えば、第1滞在時間Tst1又は第2滞在時間Tst2の3倍以上など)を超えた場合に、第1追加料金又は第2追加料金をより高くするようにしても良い。これにより、第1充電器22又は第2充電器24の利用を大きく妨げうる長時間の駐車をより効果的に抑制することができる。
さらに、第1駐車時間又は第2駐車時間が上限駐車時間を超えた分については、当該越えた時間分に応じて第1追加料金又は第2追加料金を増加させるようにしても良い。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について主に図12を参照しつつ説明する。なお、第1〜第4実施形態の何れかと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図12は、本実施形態の充電料金設定方法を実行する充電料金設定システム20の構成を説明する図である。
図示のように、本実施形態の充電料金設定システム20では、料金管理ユニット14が、ネットワーク200を介して一又は複数の端末U1〜Un(1≦n)に接続される。端末U1〜Unは、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、及びデジタルサイネージ等である。
すなわち、端末U1〜Unは、それぞれ、充電ステーション10の内部又は外部に設置され、ディスプレイ若しくはスピーカ等の出力機能を備えた定置型コンピュータ又はモバイル型コンピュータにより構成される。
そして、本実施形態の料金管理ユニット14は、図2又は図9におけるステップS140において、予め指定される第1要求充電電力量に応じて演算された第1充電料金Ct1及び第1充電時間Tc1、予め指定される第2要求充電電力量に応じて演算された第2充電料金Ct2及び第2充電時間Tc2を出力(表示又は音声出力)する指令を端末U1〜Unに送信する。
これにより、本実施形態では、第1充電器22及び第2充電器24におけるそれぞれの要求電力量に応じた充電料金及び充電時間を、料金管理ユニット14とネットワーク200を介して接続された端末U1〜Unの出力機能により報知することができる。
なお、料金管理ユニット14は、ユーザの所有するスマートフォン等から当該ユーザの希望などに基づいて予め指定された第1要求充電電力量及び第2要求充電電力量をネットワーク200又はその他の通信網を介して取得する。一方、料金管理ユニット14はユーザの希望以外の観点から予め指定された第1要求充電電力量及び第2要求充電電力量を、当該第1要求充電電力量及び第2要求充電電力量を情報として記憶している任意の装置との通信により取得しても良い。
以上説明した構成を有する本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態の充電料金設定方法では、第1充電器22による充電で要求される充電電力量(第1要求充電電力量)、及び第2充電器24による充電で要求される充電電力量(第2要求充電電力量)を予め取得する。
これにより、第1充電器22及び第2充電器24において、予め目標となる充電電力量を把握することができる。このため、第1充電器22及び第2充電器24における混雑度合(例えば、上記第1平均待ち台数w1及び第2平均待ち台数w2)を事前に把握することができる。このため、充電ステーション10の全体における充電オペレーションの効率化をより実現し易くなる。
なお、スマートフォン等を介して料金管理ユニット14に対して第1要求充電電力量又は第2要求充電電力量を予め指定したユーザに対して、第1充電料金Ct1又は第2充電料金Ct2を減額する処理を行っても良い。これにより、ユーザに対して、予め第1要求充電電力量又は第2要求充電電力量を指定することのインセンティブを与えることができるので、充電オペレーションのさらなる効率化に資することとなる。
本実施形態の充電料金設定方法では、第1充電器22の充電料金である第1充電料金Ct1、及び第2充電器24の充電料金である第2充電料金Ct2を電動車両Vのユーザに事前に報知する。
また、本実施形態の充電料金設定方法では、第1充電器22における充電時間としての第1充電時間Tc1及び第2充電器24における充電時間としての第2充電時間Tc2を電動車両Vのユーザに事前に報知する。
これにより、電動車両Vのユーザは、第1充電器22及び第2充電器24において、事前に充電時間及び充電料金を事前に把握することができる。
特に、本実施形態の充電料金設定方法によれば、繁忙期と非繁忙期の間で異なる第1充電料金Ct1又は第2充電料金Ct2が設定される。そのため、例えば、ユーザが充電ステーション10に到着して充電を実行する直前の段階になって第1充電料金Ct1が低下していることを知った結果、第1充電器22及び第2充電器24のどちらで充電を行うか迷うことで充電ステーション10の混雑が引き起こされることが想定される。これに対して、本実施形態では、事前に充電時間及び充電料金をユーザに事前に報知するので、このような事象の発生を抑制することができる。
特に、ユーザの所有するスマートフォン等を上記端末U1〜Unとして設定することで、ユーザが自宅等の充電ステーション10の外部にいる段階においても、充電時間及び充電料金を報知することが可能となる。
なお、上記端末U1〜Unは、ユーザが所有する特定のハードウェアを備えるコンピュータに限定されるものではない。すなわち、料金管理ユニット14が、ネットワーク200を介して上記第1充電料金Ct1、第2充電料金Ct2、第1充電時間Tc1、及び第2充電時間Tc2をアップロード可能な所定のWebページ又はソーシャルネットワークサービス等も上記端末U1〜Unの概念に含まれる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記各実施形態及び各変形例は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上記各実施形態では、充電電力が高い第1充電器22及び充電電力が低い第2充電器24を一台ずつ設けた充電料金設定システム20を前提に説明を行った。しかしながら、複数の第1充電器22、及び/又は複数の第2充電器24を有する充電ステーション10において、上記各実施形態で説明した構成(特に、繁忙期である場合には、非繁忙期である場合に比べて第1充電料金Ct1を低く設定すること)を適用しても良い。
例えば、図13に示す1台の第1充電器22と2台の第2充電器24を備える充電ステーション10において、上記実施形態で説明した構成を適用しても良い。
さらに、上記実施形態における第1充電器22の充電電力(第1充電器設定電力Ps1)及び第2充電器24の充電電力(第2充電器設定電力Ps2)は、図4A等に示した200kW及び100kWに限られるものではない。
すなわち、第1充電器22の充電電力が相対的に高く、第2充電器24が相対的に低いという関係を満たしていれば、第1充電器22の第1充電器設定電力Ps1を350kW及び第2充電器24の第2充電器設定電力Ps2を200kWなどの他の充電電力値に設定しても良い。
また、「繁忙期」と「非繁忙期」を定めるためのロジックは、第2実施形態に説明した例に限られない。例えば、「繁忙期」と「非繁忙期」は、単位時間あたりに充電ステーション10を利用する目的で到着する電動車両Vの平均台数(平均到着台数λ)と、充電ステーション10の第1充電器22及び第2充電器24の双方により単位時間あたりに充電を完了させることのできる電動車両Vの台数(充電処理可能台数μ)と、の大小関係に応じて設定しても良い。
例えば、平均到着台数λ/充電処理可能台数μが所定値以上となる参照時期perを「繁忙期」、それ以外の参照時期perを「非繁忙期」と定め、予め判定用記憶領域34aに記憶させても良い。
なお、上記各実施形態では、充電料金を設定する料金管理ユニット14と充電電力を制御する充電電力制御装置12を別体のハードウェアで構成する例を説明した。しかしながら、これら一体のハードウェアで構成し、ユーザによる充電料金の支払いを検出すると、各第1充電器22及び第2充電器24による充電制御を開始するようにしても良い。
また、上記実施形態は適宜、組み合わせが可能である。