JP2020027557A - 超解像装置およびそのプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
そして、この手法は、入力画像が予め原画像を低解像度化した画像であって、原画像をオクターブ分解した帯域別のスペクトルパワー代表値を既知の情報として外部から入力する。あるいは、この手法は、自己相似性を前提として、入力画像をオクターブ分解した帯域別のスペクトルパワー代表値を、そのまま、水平・垂直方向に2倍した帯域のスペクトルパワー代表値とする。
さらに、この手法は、入力画像のスペクトルと空間高周波スペクトルとを、外部から入力したスペクトルパワー代表値、あるいは、帯域別に入力画像から求めたスペクトルパワー代表値となるように補正する。
そして、この手法は、補正した入力画像のスペクトルと空間高周波スペクトルとに対して、逆直交変換を行うことで、高解像度化した画像を生成する。
また、この手法は、拡大ブロックと同じ大きさの参照ブロックを入力画像から順次切り出し、縮小劣化させて複数の劣化ブロックを生成する。そして、この手法は、劣化ブロックを水平・垂直方向に2倍し、処理ブロックとの間の損失成分を生成する。
そして、この手法は、処理ブロックを水平・垂直方向に2倍し、拡大後の処理ブロックに、拡大前の処理ブロックと劣化ブロックとの類似度に応じて損失成分を合成することで、超解像ブロックを生成する。
しかし、このような原画像に対する情報は、必ずしも得られるわけではない。そのため、従来手法1では、元となる原画像がない画像からは、高解像度の画像を生成することができないという問題がある。
しかし、この別の手法は、スペクトルパワーの調整のみでしか、空間高周波スペクトルを推定することができない。このように、スペクトルパワー代表値を用いたスペクトルパワーの調整のみでは、細かい空間周波数単位でのスペクトルの調整には限界がある。そのため、従来の手法に対して、さらなる高画質化の要望があった。
また、超解像装置は、アップサンプリング手段によって、パラメータに応じて低解像信号をアップサンプリングし、学習用の入力信号を模擬した復元模擬信号を生成する。この復元模擬信号と学習用の入力信号との誤差が小さければ、パラメータは、超解像のパラメータとして適していることになる。
そして、超解像装置は、パラメータ更新手段によって、入力信号と復元模擬信号との誤差が小さくなるようにパラメータを更新する。
このように、低解像信号から入力信号と近似する相似的な復元模擬信号を生成するようにパラメータを学習することで、当該パラメータは、自己相似性を仮定したパラメータとなる。
なお、超解像装置は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるための超解像プログラムで動作させることができる。
本発明によれば、入力信号と、ダウンサンプリングおよびアップサンプリングを行った復元模擬信号との誤差を小さくする方向にパラメータを学習するため、自己相似性に基づいた超解像を実現するパラメータを学習することができる。これによって、本発明は、学習したパラメータを用いて、入力信号から高品質な超解像信号を生成することができる。
<超解像装置の構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る超解像装置1の構成について説明する。
なお、入力画像は、画像全体であってもよいし、所定区間(ブロック等、画像の一部分)であっても構わない。
また、超解像画像の画像座標(x,y)における画素値をJ(x,y)とする。また、超解像画像の解像度を幅R×X画素、高さS×Y画素とする。ここで、実数Rは水平方向の倍率、実数Sは垂直方向の倍率(以下、RおよびSを総称して超解像の拡大率と称する)である。RおよびSの少なくとも一方は、1よりも大きい値とする。例えば、R=S=2とする。
学習モードは、学習用の入力画像の解像度を向上させる変換処理(アップサンプリング)のパラメータを学習するモードである。
実行モードは、学習モードで学習したパラメータを用いて変換処理を行い、超解像対象の入力画像Iを超解像画像Jに変換するモードである。
なお、学習モードで入力する学習用の画像は任意の画像でよいが、実行モードで実際に超解像を行う超解像対象の画像を入力画像としてもよい。
モード切替信号mが学習モードを示す(例えば、m=0)場合、切替手段10は、入力画像Iを、ダウンサンプリング手段11およびパラメータ更新手段14に出力する。一方、モード切替信号mが実行モードを示す(例えば、m=1)場合、切替手段10は、入力画像Iを、アップサンプリング手段13に出力する。
具体的には、ダウンサンプリング手段11は、以下の式(1)によって、入力画像Iを低解像画像Dに変換する。
例えば、ダウンサンプリング手段11は、以下の式(2)によって、間引きフィルタhと標本の間引きとにより、入力画像Iを低解像画像Dに変換する。
例えば、平均平滑化による間引きフィルタhは、以下の式(3)となる。
なお、パラメータは、後記するアップサンプリング手段13を、ニューラルネットワークで構成する場合、ニューラルネットワークの結合重み係数、バイアス値等である。また、このパラメータは、後記するアップサンプリング手段13を、デジタルフィルタを用いた畳み込み手段で構成した場合、そのデジタルフィルタに設定されるタップ係数列である。
このパラメータは、アップサンプリング手段13およびパラメータ更新手段14によって参照され、パラメータ更新手段14によって更新される。
このアップサンプリング手段13は、学習モードにおいて、パラメータ記憶手段12に記憶されているパラメータを用いて、ダウンサンプリング手段11でダウンサンプリングされた低解像画像Dをアップサンプリングする。なお、学習モードにおいて、アップサンプリング手段13は、パラメータ更新手段14から、新たなパラメータを用いて、アップサンプリングを行う旨の指示を通知されるたびに、低解像画像Dをアップサンプリングする。
また、アップサンプリング手段13は、実行モードにおいて、パラメータ記憶手段12に記憶されているパラメータを用いて、切替手段10から入力される入力画像Iをアップサンプリングする。
図2に示すように、アップサンプリング手段13は、内挿手段20と、畳み込み手段21(211〜218)と、活性化関数適用手段22(221〜228)と、加算手段23(231〜233)と、を備える。
この内挿手段20は、処理前画像Lの標本化の密度を、超解像の拡大率である水平方向にR倍、垂直方向にS倍にすることで、補間画像(補間信号)Mを生成する。
この内挿手段20における内挿処理は、例えば、0次補間、双一次補間、双三次補間、Lanczos−3補間等、一般的な手法を用いることができる。
なお、内挿手段20は、必須の構成ではない。しかし、拡大率に応じて処理前画像Lの標本化の密度を拡大することで、学習モード時におけるパラメータの収束時間を早めることができる効果があり、内挿手段20を備えることが好ましい。
ここで、畳み込み手段21kが行う畳み込み演算を、4階テンソルAと3階テンソルXとに対する演算として、以下の式(8)により定義する。なお、P,Q,N,W,H,D,Nは、畳み込み手段21kごとに、予めニューラルネットワークのモデルとして定めた定数である。
活性化関数適用手段22kは、以下の式(10)に示すように、入力された3階テンソルYkの各成分に対して、活性化関数φを適用し、3階テンソルZkを生成する。
例えば、活性化関数φを非線形関数とする場合、活性化関数φとして、以下の式(12)に示すReLU(Rectified Linear Unit)を用いることができる。
例えば、加算手段231は、直前の活性化関数適用手段223の出力に活性化関数適用手段221の出力を加算して、畳み込み手段214に出力する。また、例えば、加算手段232は、直前の活性化関数適用手段225の出力に加算手段231の出力を加算して、畳み込み手段216に出力する。
なお、加算手段23(231〜233)は、必須の構成ではない。しかし、加算手段23を用いて、畳み込み処理をショートカットさせることで、少ない畳み込み処理の階層でも、その階層の深度を深めることで、より推定精度の高いニューラルネットワークを構成することができる。
図1に戻って、超解像装置1の構成について説明を続ける。
このとき、アップサンプリング手段13において、低解像画像Dをアップサンプリングした画像は、入力画像Iを模擬して復元した画像(復元模擬画像I^〔Iハット〕)となる。
また、アップサンプリング手段13において、入力画像Iをアップサンプリングした画像は、入力画像Iを超解像した画像(超解像画像J)となる。
パラメータ更新手段14は、切替手段10から入力される入力画像Iと、入力画像Iをダウンサンプリングおよびアップサンプリングすることで生成された切替手段15から入力される復元模擬画像I^との誤差をより小さくするようにパラメータを更新する。
さらに、パラメータ更新手段14は、初期状態または最初の入力画像Iが入力された直後において、動作モードとして学習モードを示すモード切替信号(例えば、m=0)を、切替手段10,15に出力する。
切替手段15は、パラメータ更新手段14から動作モードとしてモード切替信号を入力されることで画像の出力先を切り替える。
モード切替信号mが学習モードを示す(例えば、m=0)場合、切替手段15は、アップサンプリング後の画像(復元模擬画像I^)を、パラメータ更新手段14に出力する。一方、モード切替信号mが実行モードを示す(例えば、m=1)場合、切替手段15は、アップサンプリング後の画像(超解像画像J)を、超解像装置1の出力結果として外部に出力する。
これによって、超解像装置1は、入力画像を高品質に高解像度化することができる。
なお、超解像装置1は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるためのプログラム(超解像プログラム)により動作させることができる。
次に、図3,図4を参照して、本発明の実施形態に係る超解像装置1の動作について説明する。図3は、超解像装置1の学習モードの動作を示すフローチャートである。図4は、超解像装置1の実行モードの動作を示すフローチャートである。
以下、超解像装置1における学習モードの動作と実行モードの動作とを順に説明する。
まず、図3を参照(構成については、適宜図1,図2参照)して、超解像装置1の学習モードの動作について説明する。なお、パラメータ記憶手段12には、予めパラメータの初期値が記憶されているものとする。
ステップS2において、ダウンサンプリング手段11は、予め設定された超解像の拡大率の逆数倍で入力画像Iをダウンサンプリングし、低解像画像Dを生成する。
このステップS3では、アップサンプリング手段13は、内挿手段20によって、低解像画像Dに対して超解像の拡大率に応じた内挿処理を行うことで、補間画像を生成する。
そして、アップサンプリング手段13は、畳み込み手段21と、活性化関数適用手段22と、加算手段23とで構成されるニューラルネットワークにより、補間画像から復元模擬画像I^を生成する。
ここで、パラメータの学習が終了したと判定されなかった場合(ステップS5でNo)、超解像装置1は、ステップS3に戻って、更新後のパラメータを用いてアップサンプリングを行い、順次、パラメータの更新を行う処理を行う。
一方、パラメータの学習が終了したと判定された場合(ステップS5でYes)、超解像装置1は、学習モードでの動作を終了し、後記する図4で説明する実行モードの動作に移行する。
以上の動作によって、超解像装置1は、入力画像を超解像するための自己相似性を仮定したパラメータを学習することができる。
次に、図4を参照(構成については、適宜図1,図2参照)して、超解像装置1の実行モードの動作について説明する。
このステップS11では、アップサンプリング手段13は、内挿手段20によって、入力画像Iに対して超解像の拡大率に応じた内挿処理を行うことで、補間画像を生成する。
そして、アップサンプリング手段13は、畳み込み手段21と、活性化関数適用手段22と、加算手段23とで構成されるニューラルネットワークにより、補間画像から超解像画像Jを生成する。
また、超解像装置1は、自己相似性を仮定したパラメータを用いるため、入力画像が自己相似性を有する画像の場合、例えば、画像中に直線等の同様の幾何学的パターンや、植物の葉、海岸線等の同様の形状のパターンが含まれている場合、さらに、高精細に画像を超解像化することができる。
ここでは、アップサンプリング手段13をニューラルネットワークで構成したが、デジタルフィルタを用いて実現してもよい。
その場合、アップサンプリング手段13は、図5に示すように、内挿手段20と、複数の畳み込み手段21(211〜218)で構成したアップサンプリング手段13Bとすればよい。
内挿手段20および畳み込み手段21は、図2で説明したものと同じ構成であるため説明を省略する。この内挿手段20は省略しても構わない。
なお、畳み込み手段21において、前記式(8)で説明した4階テンソルAおよび1階テンソルBが、デジタルフィルタのタップ係数列で、パラメータpに相当する。
しかし、入力信号は、2次元の画像に限定されるものではない。
例えば、入力信号は、2次元の画像をフレームとして構成する映像であっても構わない。また、例えば、入力信号は、標本化方向が3次元である立体画像や立体映像であっても構わない。また、例えば、入力信号は、標本化方向が1次元である音声信号であっても構わない。なお、これらの信号は、標本化方向であるダウンサンプリングやアップサンプリングの標本化対象が増減するだけで、処理内容は、入力信号を2次元の画像とした場合と同様である。例えば、3次元の立体画像を入力信号とする場合、前記式(8),式(9)において、p,qおよびw,hにそれぞれさらに1次元の変数を追加すればよい。
これによって、超解像装置1は、2次元画像だけでなく、映像、立体画像、立体映像、音声についても超解像化することができる。
10 切替手段(第1切替手段)
11 ダウンサンプリング手段
12 パラメータ記憶手段
13,13B アップサンプリング手段
14 パラメータ更新手段
15 切替手段(第2切替手段)
20 内挿手段
211,…,218 畳み込み手段
221,…,228 活性化関数適用手段
231,…,238 加算手段
Claims (6)
- 予め設定された超解像の拡大率で入力信号を高解像度化する超解像装置であって、
学習用の入力信号を前記拡大率の逆数倍でダウンサンプリングして低解像信号を生成するダウンサンプリング手段と、
パラメータに応じて前記低解像信号をアップサンプリングし、前記学習用の入力信号を模擬した復元模擬信号を生成するアップサンプリング手段と、
前記低解像信号と前記復元模擬信号との誤差が小さくなるように前記パラメータを更新するパラメータ更新手段と、を備え、
前記アップサンプリング手段は、前記パラメータ更新手段における前記パラメータの更新中に、新たなパラメータで前記低解像信号をアップサンプリングし、前記パラメータの更新後に、更新後のパラメータで超解像対象の入力信号をアップサンプリングすることにより超解像信号を生成することを特徴とする超解像装置。 - 請求項1に記載の超解像装置において、
前記パラメータを学習する学習モードと前記超解像信号を生成する実行モードとで、出力先を切り替える第1切替手段と第2切替手段とを備え、
前記第1切替手段は、前記学習モードにおいて、前記学習用の入力信号を前記ダウンサンプリング手段および前記パラメータ更新手段に出力し、前記実行モードにおいて、前記超解像対象の入力信号を前記アップサンプリング手段に出力し、
前記第2切替手段は、前記学習モードにおいて、前記アップサンプリング手段で生成される前記復元模擬信号を前記パラメータ更新手段に出力し、前記実行モードにおいて、前記アップサンプリング手段で生成される前記超解像信号を外部に出力することを特徴とする超解像装置。 - 請求項1または請求項2に記載の超解像装置において、
前記アップサンプリング手段は、畳み込み手段を備えたニューラルネットワークで構成され、
前記パラメータ更新手段は、前記パラメータを誤差逆伝播法により更新することを特徴とする超解像装置。 - 請求項1または請求項2に記載の超解像装置において、
前記アップサンプリング手段は、タップ係数列による畳み込みを行う畳み込み手段を備え、
前記パラメータ更新手段は、前記タップ係数列を前記パラメータとして更新することを特徴とする超解像装置。 - 請求項3または請求項4に記載の超解像装置において、
前記アップサンプリング手段は、前記畳み込み手段の前段に、当該アップサンプリング手段に入力される信号に対して前記拡大率で内挿を行う内挿手段を備えることを特徴とする超解像装置。 - コンピュータを、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の超解像装置として機能させるための超解像プログラム。
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