JP2020027234A - 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステージ上に搭載されたセンサを切り換えて使用することによってステージの位置情報を安定して計測する。【解決手段】 露光装置は、投影光学系PL直下の領域を除くステージWST1の移動範囲をカバーするスケール板21に、ウエハステージWST1上に搭載された4つのセンサ611〜614を用いて計測ビームを照射することによって、ステージWST1の位置情報を計測するエンコーダシステムを備えている。4つのセンサのうち、例えばY方向に離れた2つのセンサ611、614間の2つの計測点の組み合わせのY方向に関する離間距離のうちの最大離間距離B1は、スケール板21の開口21aのY方向の幅biより小さく、X方向に離れた2つ611、612のセンサ間の2つの計測点の組み合わせのX方向に関する離間距離のうちの最小離間距離A2は、開口21aのX方向の幅aiより大きい。【選択図】図2
Description
本発明は、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法に係り、特に、半導体素子などのマイクロデバイス(電子デバイス)を製造するリソグラフィ工程で用いられる露光装置及び露光方法、並びに露光装置又は露光方法を用いるデバイス製造方法に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが、主として用いられている。
この種の露光装置では、半導体素子の高集積化によるデバイスパターンの微細化に伴い、高い重ね合わせ精度(位置合わせ精度)が要求されるようになってきた。このため、パターンが形成されるウエハ又はガラスプレート等の基板の位置計測にも一層高い精度が要求されるようになってきた。
かかる要求に応える装置として、基板テーブル上に搭載された複数のエンコーダタイプのセンサ(エンコーダヘッド)を用いる位置計測システムを備えた露光装置が提案されている(例えば特許文献1、2及び3参照)。これらの文献に記載の露光装置では、エンコーダヘッドは、基板テーブルに対向して配置されたスケールに計測ビームを照射し、スケールからの戻りビームを受光することによって、基板テーブルの位置を計測する。
しかるに、特許文献1ないし3に記載の露光装置では、実際の運用としては、基板テーブルの位置に応じて、複数のエンコーダヘッドの中からスケールに対向するエンコーダヘッドを切り換えて使用する必要がある。
本発明の第1の態様によれば、投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光装置であって、前記基板を保持するステージと、前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように前記ステージを移動する駆動系と、前記ステージ上にそれぞれ配置され、それぞれ前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子が形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する第1、第2、第3及び第4センサを有し、該4つのセンサのうち、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つのセンサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得する計測系と、前記計測系により取得された前記位置情報に基づいて前記駆動系を制御する制御系と、を備え、前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面内における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、前記制御系は、前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部を同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換え、前記4つのセンサのうち、前記第1方向及び前記第2方向の一方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記一方の方向に関する離間距離のうちの最大離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最小幅より小さく、前記第1方向及び前記第2方向の他方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記他方の方向に関する離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記他方の方向に関する最大幅より大きい露光装置が、提供される。
本発明の第2の態様によれば、投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光装置であって、前記基板を保持するステージと、前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように前記ステージを移動する駆動系と、前記ステージ上にそれぞれ配置され、それぞれ前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子が形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する第1、第2、第3及び第4センサを有し、該4つのセンサのうち、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つのセンサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得する計測系と、前記計測系により取得された前記位置情報に基づいて前記駆動系を制御する制御系と、を備え、前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面内における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、前記制御系は、前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部を同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換え、前記4つのセンサのうち、前記第1方向及び第2方向の一方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記一方の方向に関する離間距離のうちの最大離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最大幅より小さく、前記離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最小幅より大きく、前記第1方向及び第2方向の他方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記他方の方向に関する離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記他方の方向に関する最小幅より大きい露光装置が、提供される。
本発明の第3の態様によれば、投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光装置であって、前記基板を保持するステージと、前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように前記ステージを移動する駆動系と、前記ステージ上にそれぞれ配置され、それぞれ前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子が形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する第1、第2、第3及び第4センサを有し、該4つのセンサのうち、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つのセンサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得する計測系と、前記計測系により取得された前記位置情報に基づいて前記駆動系を制御する制御系と、を備え、前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、前記制御系は、前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部を同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換え、前記ステージが、前記投影光学系の直下を含む露光時移動領域内を前記第1方向及び前記第2方向の一方の方向に沿って移動するとき、常時、前記4つのセンサのうち少なくとも2つが同時に前記スケール部材に対向し、前記センサの計測情報の切り換えに際し、前記4つのセンサのうち2つのセンサのみが前記スケール部材に対向して前記計測ビームを照射可能な第1状態と、前記2つのセンサを含む少なくとも3つのセンサが前記スケール部材に同時に対向して前記計測ビームを照射可能な第2状態と、の一方から他方に遷移する露光装置が、提供される。
第1、第2、第3の態様に係る各露光装置によれば、ステージの位置に応じて4つのセンサの中からスケール部材に対向するセンサの計測情報を切り換えて使用して、ステージの位置情報を計測することが可能となる。
本発明の第4の態様によれば、デバイス製造方法であって、第1ないし第3の態様のいずれかに係る露光装置を用いて基板を露光することと、露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が、提供される。
本発明の第5の態様によれば、投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光方法であって、前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように、前記基板を保持する前記ステージを移動することと、前記ステージ上にそれぞれ配置される4つのセンサであって、前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子がそれぞれ形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する前記4つのセンサを有する計測系によって、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つの前記センサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得することと、前記計測系により取得される前記位置情報に基づいて前記ステージの駆動を制御することと、を含み、前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面内における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部が同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換えられ、前記4つのセンサのうち、前記第1方向及び前記第2方向の一方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記一方の方向に関する離間距離のうちの最大離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最小幅より小さく、前記第1方向及び前記第2方向の他方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記他方の方向に関する離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記他方の方向に関する最大幅より大きく設定される露光方法が、提供される。
本発明の第6の態様によれば、投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光方法であって、前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように、前記基板を保持するステージを移動することと、前記ステージ上にそれぞれ配置される4つのセンサであって、前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子がそれぞれ形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する前記4つのセンサを有する計測系によって、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つの前記センサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得することと、前記計測系により取得される前記位置情報に基づいて前記ステージの駆動を制御することと、を含み、前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面内における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部が同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換えられ、前記4つのセンサのうち、前記第1方向及び第2方向の一方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記一方の方向に関する離間距離のうちの最大離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最大幅より小さく、前記離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最小幅より大きく設定され、前記第1方向及び第2方向の他方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記他方の方向に関する離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記他方の方向に関する最小幅より大きく設定される露光方法が、提供される。
本発明の第7の態様によれば、投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光方法であって、前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように、前記基板を保持するステージを移動することと、前記ステージ上にそれぞれ配置される4つのセンサであって、前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子がそれぞれ形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する前記4つのセンサを有する計測系によって、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つの前記センサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得することと、前記計測系により取得される前記位置情報に基づいて前記ステージの駆動を制御することと、を含み、前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面内における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部が同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換えられ、前記ステージが、前記投影光学系の直下を含む露光時移動領域内を前記第1方向及び前記第2方向の一方の方向に沿って移動するとき、常時、前記4つのセンサのうち少なくとも2つが同時に前記スケール部材に対向し、前記センサの計測情報の切り換えに際し、前記4つのセンサのうち2つのセンサのみが前記スケール部材に対向して前記計測ビームを照射可能な第1状態と、前記2つのセンサを含む少なくとも3つのセンサが前記スケール部材に同時に対向して前記計測ビームを照射可能な第2状態と、の一方から他方に遷移する露光方法が、提供される。
本発明の第8の態様によれば、デバイス製造方法であって、第5ないし第7の態様のいずれかに係る露光方法を用いて基板を露光することと、露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が、提供される。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図12(D)に基づいて説明する。
以下、第1の実施形態について、図1〜図12(D)に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、すなわち、いわゆるスキャナである。後述するように、本実施形態では投影光学系PLが設けられており、以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内でレチクルとウエハとが相対走査される方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行なう。
露光装置100は、照明系10、レチクルRを保持するレチクルステージRST、投影ユニットPU、ウエハWが載置されるウエハステージWST1,WST2を含むウエハステージ装置50、及びこれらの制御系等を備えている。
照明系10は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源と、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、及びレチクルブラインド等(いずれも不図示)を有する照明光学系とを含む。照明系10は、レチクルブラインド(マスキングシステム)で設定(制限)されたレチクルR上のスリット状の照明領域IARを照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。
レチクルステージRST上には、回路パターンなどがそのパターン面(図1における下面)に形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系11(図1では不図示、図8参照)によって、XY平面内で微少駆動可能であるとともに、走査方向(図1における紙面直交方向であるY軸方向)に所定の走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのXY平面(移動面)内の位置情報(θz方向の位置(θz回転量)の情報を含む)は、レチクルステージ位置計測系16(図9参照)によって検出される。レチクルステージ位置計測系16として、一例として、図1に示される、移動鏡15(実際には、Y軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡(あるいは、レトロリフレクタ)とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられている)に測長ビームを照射するレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)を用いることができ、該レチクル干渉計によってレチクルステージRSTのXY平面(移動面)内の位置情報が例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。なお、レチクルRの少なくとも3自由度方向の位置情報を計測するためのレチクルステージ位置計測系16として、レチクル干渉計の代わりに、あるいはそれと組み合わせて、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号明細書などに開示されているエンコーダシステムを用いても良い。
投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図1における下方(−Z側)に配置され、不図示のボディの一部を構成するメインフレーム(メトロロジーフレームとも呼ばれる)に保持されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、該鏡筒40に保持された複数の光学素子から成る投影光学系PLとを有している。投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向と平行な光軸AXに沿って配列された複数の光学素子(レンズエレメント)からなる屈折光学系が用いられている。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで、所定の投影倍率(例えば1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する。このため、照明系10からの照明光ILによって照明領域IARが照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、投影光学系PLの第2面(像面)側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の、前記照明領域IARに共役な領域(露光領域)IAに形成される。そして、レチクルステージRSTとウエハステージWST1又はWST2との同期駆動によって、照明領域IAR(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動させることで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では照明系10、及び投影光学系PLによってウエハW上にレチクルRのパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。
なお、メインフレームは、従来用いられている門型、及び例えば米国特許出願公開第2008/0068568号明細書などに開示される吊り下げ支持型のいずれであっても良い。
鏡筒40の−Z側端部の周囲には、例えば鏡筒40の下端面とほぼ同一面となる高さで、スケール板21がXY平面に平行に配置されている。スケール板21は、本実施形態では図2に示されるように、例えばL字状の4つの部分(部品)211,212,213,214から構成され、その中央に形成される例えば矩形の開口21a内に鏡筒40の−Z側端部が挿入されている。したがって、本実施形態では、平面視で開口21a内の所定点、ここでは中心点に投影光学系PLの光軸に一致(露光領域IAの中心にも一致)する露光中心Pが設定される。
ここで、スケール板21のX軸方向及びY軸方向の幅はそれぞれa及びb、開口21aのX軸方向及びY軸方向の幅はそれぞれai及びbiである。
スケール板21から+X方向に離間した位置には、図1に示されるように、スケール板21とほぼ同一平面上にスケール板22が、配置されている。スケール板22も、図3に示されるように、例えばL字状の4つの部分(部品)221,222,223,224から構成され、その中央に形成される例えば矩形の開口22a内に後述するアライメント系ALGの−Z側端部が挿入されている。本実施形態では、平面視で開口22a内の所定点、ここでは中心点にアライメント系ALG検出中心Qが設定される。
スケール板22のX軸方向及びY軸方向の幅はそれぞれa及びb、開口22aのX軸方向及びY軸方向の幅はそれぞれai及びbiである。なお、本実施形態ではX軸方向及びY軸方向に関してスケール板21、22の幅、及び開口21a、22aの幅をそれぞれ同一としたが、必ずしも同一の幅とする必要はなく、X軸及びY軸方向の少なくとも一方に関してその幅を異ならせても良い。
本実施形態では、スケール板21,22は、投影ユニットPU及びアライメント系ALGを支持する不図示のメインフレーム(メトロロジーフレーム)に吊り下げ支持されている。スケール板21,22の下面(−Z側の面)には、露光中心P、検出中心Qをそれぞれ原点とするXY直交座標系において、X軸を基準とする−45度方向(Y軸を基準とする−135度方向)を周期方向とする所定ピッチ、例えば1μmの格子と、X軸を基準とする45度方向(Y軸を基準とする−45度方向)を周期方向とする所定ピッチ、例えば1μmの格子とから成る反射型の2次元グレーティングRG(図2、図3及び図4参照)が形成されている。なお、2次元グレーティングRG及び後述するエンコーダヘッドの構成上、実際には、スケール板21,22を構成する部分211〜214,221〜224のそれぞれの外縁近傍には図2に示される幅tの非有効領域が含まれるが、以下では、説明の簡略化のため、幅tの非有効領域についての説明は省略する。スケール板21,22の2次元グレーティングRGは、それぞれ、少なくとも露光動作時及びアライメント(計測)時におけるウエハステージWST1,WST2の移動範囲をカバーしている。
ウエハステージ装置50は、図1に示されるように、床面上に複数(例えば3つ又は4つ)の防振機構(図示省略)によって、あるいは単一の防振機構によって複数箇所(例えば3箇所又は4箇所)で、ほぼ水平に支持されたステージベース12、ステージベース12上に配置されたウエハステージWST1,WST2、ウエハステージWST1,WST2を駆動するウエハステージ駆動系27(図1では一部のみ図示、図8参照)、及びウエハステージWST1,WST2の位置を計測する計測系等を備えている。計測系は、図8に示される、エンコーダシステム70,71及びウエハレーザ干渉計システム(以下、ウエハ干渉計システムと略称する)18等を備えている。なお、エンコーダシステム70,71及びウエハ干渉計システム18については、さらに後述する。ただし、本実施形態では、ウエハ干渉計システム18は必ずしも設けなくても良い。
ステージベース12は、図1に示されるように、平板状の外形を有する部材からなり、その上面は平坦度が高く仕上げられ、ウエハステージWST1,WST2の移動の際のガイド面とされている。ステージベース12の内部には、XY二次元方向を行方向、列方向としてマトリックス状に配置された複数のコイル14aを含むコイルユニットが、収容されている。
なお、ステージベース12とは別にこれを浮上支持するための別のベース部材を設けて、ステージベース12を、ウエハステージWST1,WST2の駆動力の反力の作用により、運動量保存則に従って移動するカウンターマス(反力キャンセラ)として機能させても良い。
ウエハステージWST1は、図1に示されるように、ステージ本体91と、該ステージ本体91の上方に配置され、Z・チルト駆動機構32a(図1では不図示、図8参照)によって、ステージ本体91に対して非接触で支持されたウエハテーブルWTB1とを有している。同様に、ウエハステージWST2は、図1に示されるように、ステージ本体91と、該ステージ本体91の上方に配置され、Z・チルト駆動機構32b(図1では不図示、図8参照)によって、ステージ本体91に対して非接触で支持されたウエハテーブルWTB2とを有している。
本実施形態では、ウエハステージWST2とウエハステージWST1とは、同様に構成されているので、以下では、ウエハステージWST1を代表的に取り上げて説明する。ただし、必要に応じ、ウエハステージWST2についても説明する。
ウエハテーブルWTB1は、Z・チルト駆動機構32aによって、電磁力等の上向きの力(斥力)と、自重を含む下向きの力(引力)との釣り合いを3点で調整することで、非接触で支持されるとともに、少なくともZ軸方向、θx方向、及びθy方向の3自由度方向に微小駆動される。ステージ本体91の底部には、スライダ部91aが設けられている。スライダ部91aは、XY平面内でXY二次元配列された複数の磁石から成る磁石ユニットと、該磁石ユニットを収容する筐体と、該筐体の底面の周囲に設けられた複数のエアベアリングとを有している。磁石ユニットは、前述のコイルユニットとともに、例えば米国特許第5,196,745号明細書などに開示される電磁力(ローレンツ力)駆動による平面モータ30a(図8参照)を構成している。
ウエハステージWST1は、上記複数のエアベアリングによってステージベース12上に所定のクリアランス(隙間/間隔/間隙(ギャップ)/空間距離)、例えば数μm程度のクリアランスを介して浮上支持され、平面モータ30aによって、X軸方向、Y軸方向及びθz方向に駆動される。従って、ウエハテーブルWTB1(ウエハW)は、ステージベース12に対して、6自由度方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θx方向、θy方向及びθz方向(以下、X,Y,Z,θx、θy、θz)と略記する)に駆動可能である。
コイルユニットを構成する各コイル14aに供給される電流の大きさ及び方向が、主制御装置20によって制御される。
本実施形態では、ウエハステージWST2の駆動系も、平面モータ30bと、Z・チルト駆動機構32bとを有し、上述したウエハステージWST1の駆動系と同様に構成されている。ウエハステージWST2の駆動系を構成する平面モータ30bは、平面モータ30aとは、別の可動子(磁石ユニット)と共通の固定子(コイルユニット)とを有している。本実施形態では、図8に示されるように、ウエハステージWST1及びWST2をそれぞれ駆動する共通の固定子(コイルユニット)を有する一対の平面モータ30a、30bと、ウエハステージWST1及びWST2がそれぞれ備えるZ・チルト駆動機構32a、32bと、を含んで、ウエハステージ駆動系27が構成されている。
なお、平面モータ30a、30bとしては、ローレンツ力駆動方式に限らず、可変磁気抵抗駆動方式の平面モータを用いることもできる。また、平面モータ30a、30bはムービングマグネット方式に限らず、ムービングコイル方式でも良い。また、平面モータ30a、30bとして、磁気浮上方式の平面モータを用いても良い。この場合、前述のエアベアリングを設けなくても良い。また、磁気浮上方式の平面モータ30a、30bによってウエハステージWST1、WST2を6自由度方向に駆動することとしても良い。また、ウエハテーブルWTB1、WST2を、X軸方向、Y軸方向、θz方向のうちの少なくとも一方向に微動可能としても良い。すなわち、ウエハステージWST1、WST2を粗微動ステージにより構成しても良い。
ウエハテーブルWTB1、WTB2上には、不図示のウエハホルダを介してウエハWが載置され、不図示のチャック機構によって例えば真空吸着(又は静電吸着)され、固定されている。図示は省略されているが、ウエハテーブルWTB1、WTB2上には、後述する一対のレチクルアライメント系13A,13B及びアライメント系ALGのそれぞれにより検出される一対の第1基準マーク、及び第2基準マーク等の複数の基準マークが形成された1つ又は複数の基準マーク部材が設けられている。
エンコーダシステム70,71は、それぞれ、投影光学系PL直下の領域を含む露光時移動領域とアライメント系ALG直下の領域を含む計測時移動領域とにおけるウエハテーブルWTB1,WTB2の6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz)の位置情報を求める(計測する)。ここで、エンコーダシステム70,71の構成等について詳述する。なお、露光時移動領域(第1移動領域)は、投影光学系PLを介してウエハの露光が行われる露光ステーション(第1領域)内で、露光動作中にウエハステージWST1、WST2が移動される領域であり、その露光動作は、例えばウエハ上でパターンを転写すべき全てのショット領域の露光だけでなく、その露光のための準備動作(例えば、前述の基準マークの検出)なども含む。計測時移動領域(第2移動領域)は、アライメント系ALGによるウエハのアライメントマークの検出によってその位置情報の計測が行われる計測ステーション(第2領域)内で、計測動作中にウエハステージWST1、WST2が移動される領域であり、その計測動作は、例えばウエハの複数のアライメントマークの検出だけでなく、アライメント系ALGによる基準マークの検出(さらには、Z軸方向に関するウエハの位置情報(段差情報)の計測)なども含む。
ウエハテーブルWTB1、WTB2には、図5にウエハテーブルWTB1について代表的に示されるように、その上面の所定の基準点を原点oとする2次元直交座標系(xy座標系)を仮定し、その座標系によって規定されるxy座標平面上の第1象限、第2象限、第3象限及び第4象限内の領域内(ここでは、それぞれの領域のコーナー部分)に、第1センサ611、第2センサ612、第3センサ613、及び第4センサ614がそれぞれ配置されている。本実施形態では、基準点として、平面視でウエハWの中心に実質的に一致する点が定められている。第1センサ、第2センサ、第3センサ、及び第4センサのそれぞれを、第1象限センサ、第2象限センサ、第3象限センサ、及び第4象限センサと呼ぶこともできる。
第1センサ611は、ウエハテーブルWTB1、WTB2上面の+x側かつ+y側のコーナー部分に配置され、筐体と筐体内に収容された2つのエンコーダヘッド(以下、適宜、ヘッドと略称する)601a,601bを含む。本実施形態では、2つのヘッド601a,601bは、x軸に対して135度(−45度)を成す直線上に所定距離離れて配置されている。
第2センサ612は、ウエハテーブルWTB1、WTB2上面の−x側かつ+y側のコーナー部分に配置され、筐体と筐体内に収容された2つのヘッド602a,602bを含む。2つのヘッド602a,602bは、本実施形態では、ウエハテーブルWTB1、WTB2上に、y軸に関して、2つのヘッド601a,601bと対称となる配置で設けられている。
第3センサ613は、ウエハテーブルWTB1、WTB2上面の−x側かつ−y側のコーナー部分に配置され、筐体と筐体内に収容された2つのヘッド603a,603bを含む。2つのヘッド603a,603bは、本実施形態では、ウエハテーブルWTB1、WTB2上に、上述の原点oに関して、2つのヘッド601a,601bと対称(点対称)となる配置で設けられている。
第4センサ614は、ウエハテーブルWTB1、WTB2上面の+x側かつ−y側のコーナー部分に配置され、筐体と筐体内に収容された2つのヘッド604a,604bを含む。2つのヘッド604a,604bは、本実施形態では、ウエハテーブルWTB1、WTB2上に、x軸に関して、2つのヘッド601a,601bと対称となる配置で設けられている。
図2には、露光中心Pを原点とする2次元直交座標系であるXY座標系(静止座標系)と、前述の基準点を原点oとするウエハテーブルWTB1上の2次元直交座標系であるxy座標系(移動座標系)とが、一致する(完全に重なる)位置にウエハステージWST1が位置決めされた状態の平面図が示されている。この図2に示されるように、ヘッド601b,602b間のX軸方向の離間距離と、ヘッド603b,604b間のX軸方向の離間距離とは、互いに等しくA1である。より正確には、センサ611が備えるヘッド601bの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点と、センサ611に対してX軸方向に離れたセンサ612が備えるヘッド602bの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点とのX軸方向の離間距離と、センサ613が備えるヘッド603bの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点と、センサ613に対してX軸方向に離れたセンサ614が備えるヘッド604bの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点とのX軸方向の離間距離は、ともにA1である。
また、ヘッド601a,602a間のX軸方向の離間距離と、ヘッド603a,604a間のX軸方向の離間距離とは、互いに等しくA2(<A1)である。より正確には、センサ611が備えるヘッド601aの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点と、センサ611に対してX軸方向に離れたセンサ612が備えるヘッド602aの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点とのX軸方向の離間距離と、センサ613が備えるヘッド603aの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点と、センサ613に対してX軸方向に離れたセンサ614が備えるヘッド604aの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点とのX軸方向の離間距離は、ともにA2(<A1)である。
また、ヘッド601a,604a間のY軸方向の離間距離とヘッド602a,603a間のY軸方向の離間距離は互いに等しくB1である。より正確には、センサ611が備えるヘッド601aの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点と、センサ611に対してY軸方向に離れたセンサ614が備えるヘッド604aの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点とのY軸方向の離間距離と、センサ612が備えるヘッド602aの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点と、センサ612に対してY軸方向に離れたセンサ613が備えるヘッド603aの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点とのY軸方向の離間距離は、ともにB1である。
また、ヘッド601b,604b間のY軸方向の離間距離とヘッド602b,603b間のY軸方向の離間距離は互いに等しくB2(<B1)である。より正確には、センサ611が備えるヘッド601bの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点と、センサ611に対してY軸方向に離れたセンサ614が備えるヘッド604bの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点とのY軸方向の離間距離と、センサ612が備えるヘッド602bの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点と、センサ612に対してY軸方向に離れたセンサ613が備えるヘッド603bの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点とのY軸方向の離間距離は、ともにB2(<B1)である。
離間距離A2は、スケール板21の開口21aのX軸方向の幅aiよりも大きく、離間距離B1は、スケール板21の開口21aのY軸方向の幅biよりも小さい。
ところで、ウエハステージWST1(WST2)の移動範囲内でのθz回転量(すなわちXY座標系(静止座標系)に対するxy座標系(移動座標系)のθz回転量)は、実際には、微小量であるから、位置情報として、そのθz回転量を計測する場合、及びその計測されたθz回転量に基づいて、ウエハステージWST1(WST2)のθz方向の位置制御(回転制御)を行う場合を除き、ウエハテーブルWTB1(WTB2)に固定のxy座標系(ウエハステージWST1(WST2)の移動に伴って移動する移動座標系)と、露光中心を原点とする静止座標系であるXY座標系とは、回転方向が実質的に一致しているものと考えて差し支えない。 また、ウエハテーブルWTB1のθx及びθy方向の回転量(傾斜角)は、微小量であるから、θx及びθy方向の回転量を計測する場合、及び計測されたθx及びθy方向の回転量に基づいて、ウエハテーブルWTB1(WTB2)のθz方向の位置制御(回転制御)を行う場合を除き、無視して差し支えない。そこで、XY座標系(静止座標系)の座標面とxy座標系の座標系の座標面とは、互いに平行であることを前提としている。したがって、先に図2を用いて説明した、ヘッド間の離間距離(対応するセンサの計測点間の離間距離)と、開口の幅との大小関係は、正しい関係である(常時成り立つ)ものと考えて差し支えない。また、かかる前提の下、本明細書では、以下においても、特に区別が必要な場合を除き、x軸方向とX軸方向、及びy軸方向とY軸方向とを区別せず、前者をX軸方向、後者をY軸方向と称する。この点に関しては、後述する第2の実施形態においても同様である。
また、センサ611〜614のそれぞれは、図4にセンサ611を代表的に採り上げて示されるように、ウエハテーブルWTB1,WTB2に形成されたZ軸方向の所定深さの穴の内部にそれぞれ収容されている。また、それぞれのセンサ61i(i=1〜4)の筐体の内部に各2つのヘッド60ia、60ibが配置されている。なお、センサ611〜614のそれぞれを、ウエハステージWST1、WST2の内部に設けるのではなく、ウエハテーブルWTB1、WTB2(ウエハステージWST1、WST2)の上面の外側に配置されるようにウエハステージWST1、WST2の側面に固定しても良い。この際、ウエハテーブルWTB1、WTB2(ウエハステージWST1、WST2)の4隅を切り落としてその側面に固定しても良い。かかる場合にも、センサは、ウエハステージ上に配置されていると言うことができる。すなわち、本明細書では、かかる場合を含んで、センサがステージ上に配置されると表現している。
第1センサ611が備えるヘッド601aは、図5及び図6に示されるように、x軸を基準として135度(−45度)の方向及びZ軸方向を計測方向とする2次元ヘッドであり、ヘッド601bは、x軸を基準として45度(−135度)の方向及びZ軸方向を計測方向とする2次元ヘッドである。同様に、第3センサ613が備えるヘッド603a、603bは、図5及び図7(A)に示されるように、x軸を基準として135度(−45度)の方向及びZ軸方向を計測方向とする2次元ヘッドであり、ヘッド603bは、x軸を基準として45度(−135度)の方向及びZ軸方向を計測方向とする2次元ヘッドである。
第2センサ612が備えるヘッド602aは、図5及び図7(B)に示されるように、x軸を基準として45度(−135度)の方向及びZ軸方向を計測方向とする2次元ヘッドであり、ヘッド602bは、x軸を基準として135度(−45度)の方向及びZ軸方向を計測方向とする2次元ヘッドである。同様に、第4センサ614が備えるヘッド604a、は、図5及び図7(C)に示されるように、x軸を基準として45度(−135度)の方向及びZ軸方向を計測方向とする2次元ヘッドであり、ヘッド604bは、x軸を基準として135度(−45度)の方向及びZ軸方向を計測方向とする2次元ヘッドである。
第1センサ611が備えるヘッド(601a、601b)、第2センサ612が備えるヘッド(602a、602b)、第3センサ613が備えるヘッド(603a、603b)、及び第4センサ614が備えるヘッド(604a、604b)は、図2及び図4から明らかなように、それぞれ、対向するスケール板21の部分211、212、213、214、又はスケール板22の部分221、222、223、224の下面(表面)に形成された2次元グレーティングRGに計測ビーム(図4中の符号MB参照)を下方から照射し、2次元グレーティングRGからの反射・回折ビームを受光することにより、それぞれの計測方向についてのウエハテーブルWTB1,WTB2(ウエハステージWST1,WST2)の位置情報を計測する。
上述のようにして構成されたヘッド601a、601b、602a、602b、603a、603b、604a及び604bのそれぞれでは、計測ビームの空気中での光路長が極短いため、空気揺らぎの影響が殆ど無視できる。ただし、本実施形態では、光源及び光検出器は各ヘッドの外部、具体的には、ステージ本体91の内部(又は外部)に設けられ、光学系のみが各ヘッドの内部に設けられている。そして、光源及び光検出器と、光学系とは、不図示の光ファイバを介して光学的に接続されている。ウエハテーブルWTB1(又はWTB2)の位置決め精度を向上させるため、ステージ本体91とウエハテーブルWTB1(又はWTB2)との間で、レーザ光等を空中伝送しても良い。
ウエハステージWST1,WST2が前述の露光時移動領域内に位置する際には、第1センサ611が備えるヘッド601a、601bは、スケール板21(の部分211)に対向するときに、スケール板21(の部分211)に計測ビーム(計測光)をそれぞれ照射し、スケール板21の表面(下面)に形成された2次元グレーティングRGからの反射・回折ビームをそれぞれ受光する。一方のヘッド601aは、2次元グレーティングRGを構成するX軸を基準として135度の方向、すなわちX軸を基準として−45度の方向(以下、適宜、−45度方向又はα方向と称する)を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のα方向(−45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ701a及び711a(図8参照)を構成する。他方のヘッド601bは、2次元グレーティングRGを構成するX軸を基準として−135度の方向、すなわちX軸を基準として45度の方向(以下、適宜、45度方向又はβ方向と称する)を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1,WTB2のβ方向(45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ701b及び711b(図8参照)を構成する。
ウエハステージWST1,WST2が前述の露光時移動領域内に位置する際には、第2センサ612が備えるヘッド602a、602bは、スケール板21(の部分212)に対向するときに、スケール板21(の部分212)に計測ビーム(計測光)をそれぞれ照射し、スケール板21の表面(下面)に形成された2次元グレーティングRGからの反射・回折ビームをそれぞれ受光する。一方のヘッド602aは、2次元グレーティングRGを構成するβ方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のβ方向(45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ702a及び712a(図8参照)を構成する。他方のヘッド602bは、2次元グレーティングRGを構成するα方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のα方向(−45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ702b及び712b(図8参照)を構成する。
ウエハステージWST1,WST2が前述の露光時移動領域内に位置する際には、第3センサ613が備えるヘッド603a、603bは、スケール板21(の部分213)に対向するときに、スケール板21(の部分213)に計測ビーム(計測光)をそれぞれ照射し、スケール板21の表面(下面)に形成された2次元グレーティングRGからの反射・回折ビームをそれぞれ受光する。一方のヘッド604aは、2次元グレーティングRGを構成するα方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のα方向(−45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ703a及び713a(図8参照)を構成する。他方のヘッド603bは、2次元グレーティングRGを構成するβ方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のβ方向(45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ703b及び713b(図8参照)を構成する。
ウエハステージWST1,WST2が前述の露光時移動領域内に位置する際には、第4センサ614が備えるヘッド604a、604bは、スケール板21(の部分214)に対向するときに、スケール板21(の部分214)に計測ビーム(計測光)をそれぞれ照射し、スケール板21の表面(下面)に形成された2次元グレーティングRGからの反射・回折ビームをそれぞれ受光する。一方のヘッド604aは、2次元グレーティングRGを構成するβ方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のβ方向(45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ704a及び714a(図8参照)を構成する。他方のヘッド604bは、2次元グレーティングRGを構成するα方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のα方向(−45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ704b及び714b(図8参照)を構成する。
また、ウエハステージWST1,WST2が前述の計測時移動領域内に位置する際には、第1センサ611が備えるヘッド601a、601bは、は、スケール板22(の部分221)に対向するときに、スケール板22(の部分221)に計測ビーム(計測光)をそれぞれ照射し、スケール板22の表面(下面)に形成された2次元グレーティングRGからの反射・回折ビームをそれぞれ受光する。一方のヘッド601aは、2次元グレーティングRGを構成するα方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のα方向(−45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ701a及び711a(図8参照)を構成する。他方のヘッド601bは、2次元グレーティングRGを構成するβ方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のβ方向(45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ701b及び711b(図8参照)を構成する。
ウエハステージWST1,WST2が前述の計測時移動領域内に位置する際には、第2センサ612が備えるヘッド602a、602bは、スケール板22(の部分222)に対向するときに、スケール板22(の部分222)に計測ビーム(計測光)をそれぞれ照射し、スケール板22の表面(下面)に形成された2次元グレーティングRGからの反射・回折ビームをそれぞれ受光する。一方のヘッド602aは、2次元グレーティングRGを構成するβ方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のβ方向(45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ702a及び712a(図8参照)を構成する。他方のヘッド602bは、2次元グレーティングRGを構成するα方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のα方向(−45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ702b及び712b(図8参照)を構成する。
ウエハステージWST1,WST2が前述の計測時移動領域内に位置する際には、第3センサ613が備えるヘッド603a、603bは、スケール板22(の部分223)に対向するときに、スケール板22(の部分223)に計測ビーム(計測光)をそれぞれ照射し、スケール板22の表面(下面)に形成された2次元グレーティングRGからの反射・回折ビームをそれぞれ受光する。一方のヘッド603aは、2次元グレーティングRGを構成するα方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のα方向(−45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ703a及び713a(図8参照)を構成する。他方のヘッド603bは、2次元グレーティングRGを構成するβ方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のβ方向(45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ703b及び713b(図8参照)を構成する。
ウエハステージWST1,WST2が前述の計測時移動領域内に位置する際には、第4センサ614が備えるヘッド604a、604bは、スケール板22(の部分224)に対向するときに、スケール板22(の部分224)に計測ビーム(計測光)をそれぞれ照射し、スケール板22の表面(下面)に形成された2次元グレーティングRGからの反射・回折ビームをそれぞれ受光する。一方のヘッド604aは、2次元グレーティングRGを構成するβ方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のβ方向(45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ704a及び714a(図8参照)を構成する。他方のヘッド604bは、2次元グレーティングRGを構成するα方向を周期方向とする格子からの回折ビームを受光して、ウエハテーブルWTB1、WTB2のα方向(−45度方向)及びZ軸方向の位置情報を計測する2次元エンコーダ704b及び714b(図8参照)を構成する。
上述の説明からわかるように、本実施形態では、ウエハテーブルWTB1,WTB2に設けられるセンサ61i(i=1〜4)として、スケール板21、22それぞれの4つの部分21i、22i(i=1〜4)のうち対応する1つの部分21i、22iに対してXY平面内で位置が異なる2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、XY平面内の2方向(すなわちα方向及びβ方向)それぞれに関するウエハテーブルWTB1、WTB2の第1、第2位置情報と、XY平面に直交するZ軸方向(光軸AXの方向)に関するウエハテーブルWTB1、WTB2の第3、第4位置情報と、を計測する4次元センサ(4次元ヘッド、あるいは4つの位置情報(XY平面内2方向の位置情報及び異なる2点のZ軸方向の位置情報)を計測可能な3次元ヘッドと呼ぶこともできる)が用いられている。
また、上述の説明からわかるように、本実施形態では、スケール板21,22のどちらに計測ビーム(計測光)を照射するか、すなわち、ウエハステージWST1,WST2が前述の露光時移動領域、計測時移動領域のいずれの領域内にあるかにかかわらず、ウエハステージWST1上のヘッド601a、601b、602a、602b、603a、603b、604a及び604bは、計測ビーム(計測光)を照射しているスケール板とともに、それぞれ2次元エンコーダ701a、701b、702a、702b、703a、703b、704a、704bを構成し、ウエハステージWST2上のヘッド601a、601b、602a、602b、603a、603b、604a及び604bは、計測ビーム(計測光)を照射しているスケール板とともに、それぞれ2次元エンコーダ711a、711b、712a、712b、713a、713b、714a、714bを構成するものとしている。
2次元エンコーダ(以下、適宜、エンコーダと略記する)701a、701b、702a、702b、703a、703b、704a、704b、711a、711b、712a、712b、713a、713b、714a、714bそれぞれの計測値は、主制御装置20(図8参照)に供給される。主制御装置20は、エンコーダ701a、701b、702a、702b、703a、703b、704a、704b、又はエンコーダ711a、711b、712a、712b、713a、713b、714a、714bのうち、2次元グレーティングRGが形成されたスケール板21(を構成する部分211〜214)の下面に対向するヘッドによって構成されるエンコーダのうちの少なくとも3つのエンコーダ(すなわち、有効な計測値を出力している少なくとも3つのエンコーダ)の計測値に基づいて、投影光学系PL直下の領域を含む露光時移動領域内でのウエハテーブルWTB1,WTB2の6自由度方向(X、Y、Z、θx、θy、θz)の位置情報を求める。ここで、上記の少なくとも3つのエンコーダが出力している有効な計測値とは、スケール板21(を構成する部分211〜214)の下面に対向する少なくとも2つのセンサ61i(i=1、2、3、4)の計測値と言い換えることができる。
同様に、主制御装置20は、エンコーダ701a、701b、702a、702b、703a、703b、704a、704b、又はエンコーダ711a、711b、712a、712b、713a、713b、714a、714bのうち、2次元グレーティングRGが形成されたスケール板(を構成する部分221〜224)の下面に対向するヘッドによって構成されるエンコーダのうちの少なくとも3つのエンコーダ(すなわち、有効な計測値を出力している少なくとも3つのエンコーダ)の計測値に基づいて、アライメント系ALG直下の領域を含む計測時移動領域内でのウエハテーブルWTB1,WTB2の6自由度方向(X、Y、Z、θx、θy、θz)の位置情報を求める。ここで、上記の少なくとも3つのエンコーダが出力している有効な計測値とは、スケール板22(を構成する部分221〜224)の下面に対向する少なくとも2つのセンサ61i(i=1、2、3、4)の計測値と言い換えることができる。
また、本実施形態の露光装置100では、ウエハステージWST1,WST2(ウエハテーブルWTB1,WTB2)の位置は、ウエハ干渉計システム18(図8参照)によって、エンコーダシステム70,71とは独立して、計測可能である。ウエハ干渉計システム18の計測値は、例えばエンコーダシステム70,71の出力異常時のバックアップ用などとして補助的に用いられる。なお、ウエハ干渉計システム18の詳細は省略する。
アライメント系ALGは、図1に示されるように、投影光学系PLの+X側に所定間隔を隔てて配置されたオフアクシス方式のアライメント系である。本実施形態では、アライメント系ALGとして、一例としてハロゲンランプ等のブロードバンド(広帯域)光でマークを照明し、このマーク画像を画像処理することによってマーク位置を計測する画像処理方式のアライメントセンサの一種であるFIA(Field Image Alignment)系が用いられている。アライメント系ALGからの撮像信号は、不図示のアライメント信号処理系を介して主制御装置20(図8参照)に供給される。
なお、アライメント系ALGとしては、FIA系に限らず、例えばコヒーレントな検出光をマークに照射し、そのマークから発生する散乱光又は回折光を検出する、あるいはマークから発生する2つの回折光(例えば同次数の回折光、あるいは同方向に回折する回折光)を干渉させて検出するアライメントセンサを単独であるいは適宜組み合わせて用いることは勿論可能である。アライメント系ALGとして、例えば米国特許出願公開第2008/0088843号明細書などに開示される、複数の検出領域を有するアライメント系を採用しても良い。
この他、本実施形態の露光装置100には、アライメント系ALGと一緒に計測ステーションに配置され、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示されるものと同様の構成の斜入射方式の多点焦点位置検出系(以下、多点AF系と略述する)AF(図1では不図示、図8参照)が設けられている。多点AF系AFによる計測動作はその少なくとも一部がアライメント系ALGによるマーク検出動作と並行して行われるとともに、前述のエンコーダシステムによってその計測動作中にウエハテーブルの位置情報が計測される。多点AF系AFの検出信号は、AF信号処理系(不図示)を介して主制御装置20に供給される(図8参照)。主制御装置20は、多点AF系AFの検出信号と前述のエンコーダシステムの計測情報に基づいて、ウエハW表面のZ軸方向の位置情報(段差情報/凹凸情報)を検出し、露光動作ではその事前検出情報と前述のエンコーダシステムの計測情報(Z軸、θx及びθy方向の位置情報)とに基づいて走査露光中のウエハWのいわゆるフォーカス・レベリング制御を実行する。なお、露光ステーション内で投影ユニットPUの近傍に多点AF系を設け、露光動作時にウエハ表面の位置情報(凹凸情報)を計測しつつウエハテーブルを駆動して、ウエハWのフォーカス・レベリング制御を実行することとしても良い。
露光装置100では、さらに、レチクルRの上方に、例えば米国特許第5,646,413号明細書などに開示される露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)方式の一対のレチクルアライメント系13A,13B(図1では不図示、図8参照)が設けられている。レチクルアライメント系13A,13Bの検出信号は、不図示のアライメント信号処理系を介して主制御装置20に供給される。なお、レチクルアライメント系に代えて、ウエハステージWSTに設けられた不図示の空間像計測器(例えば、ウエハステージ上面に配置される光透過部材を介して照明光を検出するセンサ)を用いてレチクルアライメントを行っても良い。
図8には、露光装置100のステージ制御に関連する制御系が一部省略して、ブロック図にて示されている。この制御系は、主制御装置20を中心として構成されている。主制御装置20は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等からなるいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含み、装置全体を統括して制御する。
上述のようにして構成された露光装置100では、デバイスの製造に際し、主制御装置20により、ウエハがローディングされたウエハステージWST1,WST2の一方を計測ステーション(計測時移動領域)内で移動して、アライメント系ALG及び多点AF系によるウエハの計測動作が実行される。すなわち、計測時移動領域内でウエハステージWST1,WST2の一方に保持されたウエハWに対して、アライメント系ALGを用いたマーク検出、いわゆるウエハアライメント(例えば米国特許第4,780,617号明細書などに開示されるエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)など)と、多点AF系を用いたウエハの面情報(段差/凹凸情報)の計測とが行われる。その際、エンコーダシステム70(エンコーダ701a〜704a及びエンコーダ701b〜704b)又はエンコーダシステム71(エンコーダ711a〜714a及びエンコーダ711b〜714b)により、ウエハテーブルWTB1,WTB2の6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz)の位置情報が求められる(計測される)。なお、ウエハアライメントの開始前又は終了後に、主制御装置20により、アライメント系ALGを用いて、ウエハステージWST1,WST2の一方に設けられた基準マーク部材上の第2基準マークの位置が計測されている。そして、ウエハアライメントの結果として算出されたウエハW上の複数のショット領域の配列座標は、第2基準マークを基準とする配列座標に置き換えられている。
ウエハアライメントなどの計測動作後、一方のウエハステージ(WST1又はWST2)は露光時移動領域に移動し、主制御装置20により、レチクルアライメント系13A,13B、ウエハテーブル(WTB1又はWTB2)上の基準マーク部材(不図示)などを用いて、通常のスキャニング・ステッパと同様の手順で、レチクルパターンの投影中心と一対の第1基準マークの中心との位置関係を求めるレチクルアライメント等が行われる。
そして、主制御装置20により、そのレチクルアライメントの結果とウエハアライメントの結果として得られた第2基準マークを基準とする複数のショット領域の配列座標とに基づいて、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行われ、ウエハW上の複数のショット領域にレチクルRのパターンがそれぞれ転写される。ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作は、レチクルステージRSTとウエハステージWST1又はWST2との同期移動を行う走査露光動作と、ウエハステージWST1又はWST2をショット領域の露光のための加速開始位置に移動させるショット間移動(ステッピング)動作とを交互に繰り返すことで行われる。露光動作時には、エンコーダシステム70(エンコーダ701a〜704a及びエンコーダ701b〜704b)又はエンコーダシステム71(エンコーダ711a〜714a及びエンコーダ711b〜714b)により、一方のウエハテーブル(WTB1又はWTB2)の6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz)の位置情報が求められる(計測される)。
また、本実施形態の露光装置100は、2つのウエハステージWST1,WST2を備えている。そこで、一方のウエハステージ、例えばウエハステージWST1上にロードされたウエハに対してステップ・アンド・スキャン方式の露光を行うのと並行して、他方のウエハステージWST2上に載置されたウエハに対してウエハアライメントなどを行う、並行処理動作が行われる。
本実施形態の露光装置100では、前述の通り、主制御装置20は、露光時移動領域内及び計測時移動領域内のいずれにおいても、エンコーダシステム70(図8参照)を用いて、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz)の位置情報を求める(計測する)。また、主制御装置20は、露光時移動領域内及び計測時移動領域内のいずれにおいても、エンコーダシステム71(図8参照)を用いて、ウエハテーブルWTB2の6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz)の位置情報を求める(計測する)。
本実施形態では、前述のようなエンコーダヘッド(601a〜604a、601b〜604b)及びスケール板21の構成及び配置を採用するとともに、露光時移動領域内ではセンサ611〜614のうち、少なくとも2つのセンサが、スケール板21(の対応する部分211〜214)に対向するウエハステージWST1(及びWST2)の移動シーケンスが採用されている。したがって、少なくとも2つのセンサが各2つ備える合計8つのヘッド(601a〜604a、601b〜604b)のうち、少なくとも2つのセンサが備える少なくとも4つのヘッドが、常時、スケール板21(の対応する部分211〜214)に対向する。
ここで、エンコーダシステム70,71によるXY平面内の3自由度方向(X軸方向,Y軸方向及びθz方向(X,Y,θz)とも表記する))の位置計測の原理などについてさらに説明する。ここでは、各エンコーダヘッド又はエンコーダの計測値は、エンコーダヘッド又はエンコーダのZ軸方向でない計測方向の計測値を意味する。なお、ウエハステージWST2はウエハステージWST1と同様に構成されているので、ここではウエハステージWST1を、代表的に取り上げて説明する。また、ここでは、説明の便宜上、図9に示されるように、ウエハテーブルWTB1(ウエハステージWST1)の上面の四隅に、α方向及びZ軸方向を計測方向とする一対のヘッド601、603と、β方向及びZ軸方向を計測方向とする一対のヘッド602、604と、が配置されている場合を取り上げて説明する。
主制御装置20は、ヘッド601〜604(各ヘッドのそれぞれに対応するエンコーダを、エンコーダ701〜704と表記する)の計測値に基づいて、ウエハステージWST1のXY平面内での位置(X,Y,θz)を算出する。ここで、エンコーダ701〜704の計測値(それぞれC1〜C4と表記する)は、ウエハステージWST1の位置(X,Y,θz)に対して、次式(1)〜(4)のように依存する。
C1=−(cosθz+sinθz)X/√2
+(cosθz−sinθz)Y/√2+√2psinθz…(1)
C2=−(cosθz−sinθz)X/√2
−(cosθz+sinθz)Y/√2+√2psinθz…(2)
C3= (cosθz+sinθz)X/√2
−(cosθz−sinθz)Y/√2+√2psinθz…(3)
C4= (cosθz−sinθz)X/√2
+(cosθz+sinθz)Y/√2+√2psinθz…(4)
ただし、pは、図5に示されるように、ウエハテーブルWTB1の基準点(ウエハWの中心に実質的に一致する原点o)からのヘッド601〜604それぞれのx軸方向及びy軸方向に関する距離である。したがって、xy座標系におけるヘッド601、602、603、604の位置座標が、それぞれ(p,p)、(-p,p)、(-p、−p)、(p,−p)となる。
+(cosθz−sinθz)Y/√2+√2psinθz…(1)
C2=−(cosθz−sinθz)X/√2
−(cosθz+sinθz)Y/√2+√2psinθz…(2)
C3= (cosθz+sinθz)X/√2
−(cosθz−sinθz)Y/√2+√2psinθz…(3)
C4= (cosθz−sinθz)X/√2
+(cosθz+sinθz)Y/√2+√2psinθz…(4)
ただし、pは、図5に示されるように、ウエハテーブルWTB1の基準点(ウエハWの中心に実質的に一致する原点o)からのヘッド601〜604それぞれのx軸方向及びy軸方向に関する距離である。したがって、xy座標系におけるヘッド601、602、603、604の位置座標が、それぞれ(p,p)、(-p,p)、(-p、−p)、(p,−p)となる。
露光装置100が、図9に示されるウエハテーブルWTB1を備えている場合、スケール板21がX軸方向及びY軸方向に関して対称の形状を有し、ウエハステージWST1上のヘッド601〜604の配置が、前述したように、xy座標系の原点、x軸及びy軸に関して対称の配置となっている。このため、ウエハテーブルWTB1の基準点o(ウエハの中心に一致する原点o)が、露光時移動領域内で、かつ露光中心(投影光学系PLの光軸に一致する露光領域IAの中心)Pに対して、どのような位置関係の領域(位置)にあれば、4つのヘッド60i(i=1、2、3、4)のそれぞれが、スケール板21の4つの部分211〜214のうちの対応する部分21i(i=1、2、3、4)に対向するかは設計上既知である。
そこで、主制御装置20は、ウエハステージWST1の位置する露光時移動領域内の領域に応じてスケール板21に対向する3つのヘッド(エンコーダ)を特定し、それらの計測値が従う式を上式(1)〜(4)から選択して連立方程式を立て、3つのヘッド(エンコーダ)の計測値を用いて連立方程式を解くことにより、ウエハステージWST1のXY平面内での位置(X,Y,θz)を算出する。例えば、3つのヘッド601,602,604が、スケール板21に対向する領域内にウエハステージWST1が位置する場合、主制御装置20は、ヘッド601,602,604(エンコーダ701,702,704)の計測値が従う式(1),(2),及び(4)から連立方程式を立て、式(1),(2),及び(4)それぞれの左辺に各ヘッドの計測値を代入して連立方程式を解く。
主制御装置20は、上の算出結果(X,Y,θz)に基づいて、露光時移動領域内でウエハステージWST1を駆動(位置制御)する。
次に、露光装置100が、図9に示されるウエハテーブルWTB1を備えている場合について、エンコーダシステム70,71による、残りの3自由度方向(Z,θx,θy)の位置計測の原理などについてさらに説明する。ここでは、エンコーダヘッド601〜604又はエンコーダ701〜704の計測値は、エンコーダヘッド601〜604又はエンコーダ701〜704のZ軸方向の計測値を意味する。
露光時移動領域内では、ウエハステージWST1の位置する領域に応じて、エンコーダヘッド601〜604のうちの少なくとも3つがスケール板21(の対応する部分211〜214)に対向する。スケール板21に対向するヘッド(エンコーダ)から有効な計測値が主制御装置20に送られる。
主制御装置20は、エンコーダ701〜704の計測値に基づいて、ウエハテーブルWTB1の位置(Z,θx,θy)を算出する。ここで、エンコーダ701〜704のZ軸方向に関する計測値(前述のZ軸方向ではない計測方向、すなわちXY平面内の一軸方向についての計測値C1〜C4と区別して、それぞれ、D1〜D4と表記する)は、ウエハテーブルWTB1の位置(Z,θx,θy)に対して、次式(5)〜(8)のように依存する。
D1=−ptanθy+ptanθx+Z …(5)
D2= ptanθy+ptanθx+Z …(6)
D3= ptanθy−ptanθx+Z …(7)
D4=−ptanθy−ptanθx+Z …(8)
D2= ptanθy+ptanθx+Z …(6)
D3= ptanθy−ptanθx+Z …(7)
D4=−ptanθy−ptanθx+Z …(8)
主制御装置20は、ウエハステージWST1の位置する領域に応じて3つのヘッド(エンコーダ)の計測値の従う式を上式(5)〜(8)から選択し、選択した3つの式から構成される連立方程式に3つのヘッド(エンコーダ)の計測値を代入して解くことにより、ウエハテーブルWTB1の位置(Z,θx,θy)を算出する。例えば、3つのヘッド601,602,604が、スケール板21に対向する領域内にウエハステージWST1が位置する場合、主制御装置20は、ヘッド601,602,604(エンコーダ701,702,704)の計測値が従う式(5),(6),及び(8)から連立方程式を立て、式(5),(6),及び(8)それぞれの左辺に計測値を代入して解く。
主制御装置20は、上の算出結果(Z,θx,θy)と前述の段差情報(フォーカスマッピングデータ)とに基づいて、露光時移動領域内でウエハテーブルWTB1(又はWTB2)をフォーカス・レベリング制御する。
ここで、図2に示されるような、スケール板21及びウエハテーブルWTB1(ウエハステージWST1)を備えた、本実施形態に係る露光装置100におけるエンコーダシステム70,71によるウエハテーブルの位置情報の計測について、簡単に説明する。
主制御装置20は、ヘッド601a〜604a、601b〜604b(エンコーダ701a〜704a、701b〜704b)のうちの3つのヘッドの計測値(Z軸方向でない計測方向の計測値)に基づいて、ウエハステージWST1のXY平面内での位置(X,Y,θz)を算出する。ここで、エンコーダ701a〜704a、701b〜704bの計測値を、それぞれC1〜C4、C5〜C8と表記すると、計測値C1〜C8は、次式(1a)〜(4b)のような関数で表せる。
C1=f1(X、Y、θz) …(1a)
C2=f2(X、Y、θz) …(2a)
C3=f3(X、Y、θz) …(3a)
C4=f4(X、Y、θz) …(4a)
C5=f5(X、Y、θz) …(1b)
C6=f6(X、Y、θz) …(2b)
C7=f7(X、Y、θz) …(3b)
C8=f8(X、Y、θz) …(4b)
ここで、関数f1(X、Y、θz)〜f8(X、Y、θz)は、前述した式(1)〜式(4)と同様の形の関数となる。関数f1(X、Y、θz)〜f8(X、Y、θz)のそれぞれは、ウエハテーブルWTB1(WTB2)の基準点であるウエハWの中心に実質的に一致する点を原点oとするxy座標系上におけるそれぞれのヘッドの位置(位置座標)に応じて定まる。
C2=f2(X、Y、θz) …(2a)
C3=f3(X、Y、θz) …(3a)
C4=f4(X、Y、θz) …(4a)
C5=f5(X、Y、θz) …(1b)
C6=f6(X、Y、θz) …(2b)
C7=f7(X、Y、θz) …(3b)
C8=f8(X、Y、θz) …(4b)
ここで、関数f1(X、Y、θz)〜f8(X、Y、θz)は、前述した式(1)〜式(4)と同様の形の関数となる。関数f1(X、Y、θz)〜f8(X、Y、θz)のそれぞれは、ウエハテーブルWTB1(WTB2)の基準点であるウエハWの中心に実質的に一致する点を原点oとするxy座標系上におけるそれぞれのヘッドの位置(位置座標)に応じて定まる。
例えば図2から明らかなように、本実施形態に係る露光装置100では、スケール板21がX軸方向及びY軸方向に関して対称の形状を有し、ウエハテーブルWTB1上のセンサ(及びヘッド)の配置が、ウエハWの中心に実質的に一致する基準点に対してX軸方向及びY軸方向に関して対称になっている。これを前提として、図2及び図10(A)及び図10(B)を総合的に見れば明らかなように、ウエハテーブルWTB1の基準点(ウエハの中心に一致)oが、露光時移動領域内で、かつ露光中心(露光領域IAの中心)Pに対して、どのような位置関係の領域(位置)にあれば、4つのセンサ61i(i=1、2、3、4)のそれぞれが、スケール板21(又は22)の4つの部分211〜214のうちの対応する部分21i(i=1、2、3、4)に対向するか否かは設計上既知である。また、それぞれのセンサ61i上での各ヘッドの位置も既知である。したがって、ウエハテーブルWTB1の中心(ウエハの中心に一致)oが、露光時移動領域内で、かつ露光中心(露光領域IAの中心)Pに対して、どのような位置関係の領域(位置)にあれば、4つのセンサ61iがそれぞれ備える各2つのヘッド60ia、60ibが、スケール板21(又はスケール板22)の4つの部分211〜214(又は221〜224)のうちの対応する部分21i(22i)に対向するか否かは既知である。
主制御装置20は、例えば、ウエハステージWST1の位置する領域に応じてスケール板21に対向する少なくとも2つのセンサを特定し、特定したセンサが備えるヘッドのうちのXY平面内の計測方向がα方向であるヘッドとXY平面内の計測方向がβ方向であるヘッドとを少なくとも各1つ含む、合計3つのヘッド(エンコーダ)の計測値が従う式を上式(1a)〜(4b)の8つの中から選択して連立方程式を立て、3つのヘッド(エンコーダ)の計測値を用いて連立方程式を解くことにより、ウエハステージWST1のXY平面内での位置情報(X,Y,θz)を算出(取得)する。
例えば、ウエハステージWST1が図10(A)に示される位置にある場合、主制御装置20は、スケール板21に対向するセンサ612、613を特定し、センサ612、613が備えるヘッド602a,602b、603a、603bのうちの3つのヘッド、例えば、ヘッド602a,602b、603a(エンコーダ702a,702b、703a)の計測値が従う式(2a)、(2b)、及び(3a)から連立方程式を立て、式(2a)、(2b)、及び(3a)それぞれの左辺に各ヘッドの計測値を代入した後連立方程式を解くことで、ウエハステージWSTのXY平面内の3自由度方向の位置情報(X、Y、θz)を算出(取得)する。
また、例えばウエハステージWST1が図10(B)に示される位置にある場合、主制御装置20は、スケール板21に対向するセンサ611、612、613を特定し、センサ611、612、613が備えるヘッド601a、601b、602a,602b、603a、603bのうちの3つのヘッド、例えば、ヘッド601a、602a,603a(エンコーダ701a、702a,703a)の計測値が従う式(1a)、(2a)、及び(3a)から連立方程式を立て、式(1a)、(2a)、及び(3a)それぞれの左辺に各ヘッドの計測値を代入した後連立方程式を解くことで、ウエハステージWSTのXY平面内の3自由度方向の位置情報(X、Y、θz)を算出(取得)する。
主制御装置20は、上述の算出結果(X,Y,θz)に基づいて、露光時移動領域内でウエハステージWST1を駆動(位置制御)する。
また、主制御装置20は、ウエハステージWST1が露光時移動領域内で移動するとき、ヘッド601a〜604a、601b〜604b(エンコーダ701a〜704a、701b〜704b)のうちの3つのヘッドの計測値に基づいて、ウエハステージWST1のXY平面内ではない3自由度方向の位置(Z,θx,θy)を算出する。ここで、エンコーダ701a〜704a、701b〜704bの計測値を、それぞれD1〜D4、D5〜D8と表記すると、計測値D1〜D8は、次式(1a)〜(4b)のような関数で表せる。
D1=g1(Z、θx、θy) …(5a)
D2=g2(Z、θx、θy) …(6a)
D3=g3(Z、θx、θy) …(7a)
D4=g4(Z、θx、θy) …(8a)
D5=g5(Z、θx、θy) …(5b)
D6=g6(Z、θx、θy) …(6b)
D7=g7(Z、θx、θy) …(7b)
D8=g8(Z、θx、θy) …(8b)
D2=g2(Z、θx、θy) …(6a)
D3=g3(Z、θx、θy) …(7a)
D4=g4(Z、θx、θy) …(8a)
D5=g5(Z、θx、θy) …(5b)
D6=g6(Z、θx、θy) …(6b)
D7=g7(Z、θx、θy) …(7b)
D8=g8(Z、θx、θy) …(8b)
関数g1(Z、θx、θy)〜f8(Z、θx、θy)は、前述した式(5)〜式(8)と同様の形の関数となる。関数g1(Z、θx、θy)〜f8(Z、θx、θy)のそれぞれは、ウエハテーブルWTB1(WTB2)の基準点であるウエハWの中心に実質的に一致する点を原点とするxy座標系上におけるそれぞれのヘッドの位置(位置座標)に応じて定まる。
主制御装置20は、前述したウエハテーブルWTB1のXY平面内の位置(X、Y、θz)の計測のため、選択される3つのヘッド(エンコーダ)の計測値(Z軸方向の計測値)が従う式を上式(5a)〜(8b)から選択して連立方程式を立て、3つのヘッド(エンコーダ)の計測値を用いて連立方程式を解くことにより、ウエハテーブルWTB1の位置(Z,θx,θy)を算出(取得)する。
例えば、ウエハステージWST1が図10(A)に示される位置にある場合、主制御装置20は、スケール板21に対向するセンサ612、613を特定し、センサ612、613が備えるヘッド602a,602b、603a、603bのうちの3つのヘッド、例えば、ヘッド602a,602b、603a(エンコーダ702a,702b、703a)の計測値が従う式(6a)、(6b)、及び(7a)から連立方程式を立て、式(6a)、(6b)、及び(7a)それぞれの左辺に各ヘッドの計測値を代入した後連立方程式を解くことで、ウエハテーブルWTB1のXY平面内でない3自由度方向の位置情報(Z、θx、θy)を算出(取得)する。
また、例えばウエハステージWST1が図10(B)に示される位置にある場合、主制御装置20は、スケール板21に対向するセンサ611、612、613を特定し、センサ611、612、613が備えるヘッド601a、601b、602a,602b、603a、603bのうちの3つのヘッド、例えば、ヘッド601a、602a,603a(エンコーダ701a、702a,703a)の計測値が従う式(5a)、(6a)、及び(7a)から連立方程式を組立て、式(5a)、(6a)、及び(7a)それぞれの左辺に各ヘッドの計測値を代入した後連立方程式を解くことで、ウエハステージWSTのXY平面内でない3自由度方向の位置情報(Z、θx、θy)を算出(取得)する。
主制御装置20は、上の算出結果(Z,θx,θy)と前述の段差情報(フォーカスマッピングデータ)とに基づいて、露光時移動領域内でウエハテーブルWTB1をフォーカス・レベリング制御する。
ウエハステージWST1が、計測時移動領域内に位置する場合、主制御装置20は、エンコーダシステム70のヘッド601a〜604a、601b〜604b(エンコーダ701a〜704a、701b〜704b)のうちの3つのヘッドの計測値を用いて3自由度方向(X,Y,θz)の位置情報、及び残りの3自由度方向(Z,θx,θy)の位置情報を計測する。ここで、計測原理等は、露光中心Pがアライメント系ALGの検出中心Qに、スケール板21(の部分211〜214)がスケール板22(の部分221〜224)に置き換わる以外、ウエハステージWST1が先の露光時移動領域内に位置する場合と同様である。
主制御装置20は、上述の算出結果(X,Y,θz)に基づいて、計測時移動領域内でウエハステージWST1を駆動(位置制御)する。また、主制御装置20は、上の算出結果(Z,θx,θy)に基づいて、ウエハテーブルWTB1をフォーカス・レベリング制御する。なお、計測時移動領域(計測ステーション)では必ずしもフォーカス・レベリング制御を行わなくても良い。すなわち、マーク位置及び段差情報(フォーカスマッピングデータ)の取得を行っておき、その段差情報から段差情報取得時(計測時)のウエハテーブルのZ・チルト分を差し引くことで、ウエハテーブルの基準面、例えば上面を基準とする段差情報得て置く。そして、露光時には、この段差情報とウエハテーブル(の基準面)の3自由度方向(Z,θx,θy)の位置情報とに基づいて、フォーカス・レベリング制御が可能になるからである。
さらに、主制御装置20は、ウエハステージWST1の移動によるスケール板21の開口21aと4つのセンサとの位置関係の変化(すなわち、露光中心Pと4つのセンサとの位置関係の変化)に伴って、エンコーダシステム70でウエハテーブルWTB1(ウエハステージWST1)の位置情報の取得に用いられる少なくとも2つのセンサの計測情報の一部を同一又は異なるセンサで計測される別の計測情報に切り換える。すなわち、主制御装置20は、ウエハテーブルWTB1(ウエハステージWST1)の露光時移動領域内の位置に応じて、スケール板21に対向する各ヘッドの計測情報(対応するセンサの計測点における計測情報)のうちの3つを、少なくとも1つが異なる3つのヘッドの計測情報(対応するセンサの計測点における計測情報)に切り換えて使用する。
主制御装置20は、4つのセンサのうち、スケール板21、22の対応する部分に対向し、スケール板21、22に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射し、スケール板からの戻りビームを受光する少なくとも2つの切り換え前に用いられるセンサの各2つのヘッドのうち、3つのヘッド(対応する計測点における)計測情報から、前述したようにしてウエハテーブルWTBの6自由度方向の位置を取得し、その6自由度方向の位置の情報を用いて、切り換え後に新たに用いられるヘッドが計測すべき位置情報を求める。主制御装置20は、切り換え後に新たに用いられるヘッドが計測すべき位置情報を、切り換え前に、取得した6自由度方向の位置を、切り換え後に新たに用いられるヘッドの計測値が従う、前述した式(1a)〜(4b)のいずれか、及び式(5a)〜(8b)のいずれかにより算出する。そして、切り換え後には、新たに用いられるヘッドと、切り換え前に用いられていた2つのヘッドとを含む3つのヘッド(対応する計測点における)計測情報に基づいて、ウエハテーブルWTB1(ウエハステージWST1)の位置情報を取得しつつ、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置の計測、制御を行う。
ここで、ウエハテーブルWTB1(ウエハステージWST1)の位置情報の取得に用いられる計測情報を切り換える際には、例えば米国特許出願公開第2008/0094592号明細書などに開示されているエンコーダヘッドの切り換えの際と同様の、ウエハテーブル(ウエハステージ)の位置の計測値の連続性を保証するためのつなぎ処理が行われる。
次に、本実施形態に係る露光装置100で行われる、露光時移動領域における、センサの切り換えの第1のシーケンスについて、図11(A)から図11(D)に基づいて説明する。以下の説明では、センサが備える各2つのヘッドの少なくとも一方から、スケール板21の対応する部分(に形成された2次元グレーティングRG)に計測ビームが照射可能である状態を、センサのオン状態と呼ぶ。一方、センサが備えるいずれのヘッドからもスケール板21に計測ビームを照射できない状態を、センサのオフ状態と呼ぶ。
図11(A)に示される位置に、ウエハステージWST1(又はWST2)があるとき、2つのセンサ612、613が、スケール板21の対応する部分212、213にそれぞれ対向している。このとき、センサ612が備える2つのヘッド602a、602bのそれぞれからスケール板21の対応する部分212に計測ビームを照射可能であるとともに、センサ613が備える2つのヘッド603a、603bのそれぞれからスケール板21の対応する部分213に計測ビームを照射可能である。一方、残りの2つのセンサ611、614は、スケール板21に対向しておらず、これらのセンサが備えるいずれのヘッドからもスケール板21に計測ビームを照射することはできない。すなわち、センサ612、613はオン状態にある一方、センサ611、614は、オフ状態にある。
オン状態にあるセンサ612の2つのヘッド602a、602bのそれぞれからの計測ビームは、2次元グレーティングRG上において、それぞれのヘッドの配置に対応する位置関係の2つの照射点に照射され、この2つの照射点が、センサ612の2つの計測点となる。センサ613についても同様である。
また、このとき、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置(位置情報)は、4つのヘッド602a、602b、603a、603bのうちの3つのヘッドによって、前述したように計測され、その計測結果に基づいて、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置が制御されている。ここでは、一例としてヘッド602a、602b、603bが、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置(位置情報)の計測に用いられるものとする。すなわち、図11(A)に示される位置に、ウエハステージWST1が位置しているときには、4つのセンサ611〜614のうちの2つのセンサ612、613を用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御が行われている。
図11(A)に示される位置から、ウエハステージWST1が+X方向に所定距離移動して図11(B)に示される位置に位置すると、センサ611のヘッド601bとセンサ614のヘッド604bとが、それぞれ、スケール板21の対応する部分211、214に対向し、2次元グレーティングRG上の1つの照射点に計測ビームを照射可能となる。すなわち、センサ611,614がオフ状態からオン状態に遷移する。このとき、センサ612、613はオン状態のままである。ヘッド601b、604bそれぞれからの計測ビームの照射点が、センサ611,614それぞれの1つの計測点となる。
主制御装置20では、この時点で、ウエハテーブルWTBの位置情報の計測(取得)に用いる3つのヘッド602a、602b、603bの計測情報のうちの1つを、ヘッド601b、604bの一方の計測情報と切り換える。以下では、適宜、「ヘッドの計測情報」の切り換えという代わりに、ヘッドの切り換えという。ここでは、一例として、ヘッド602aを、ヘッド601b又はヘッド604bと切り換えるものとする。この場合、切り換え後には、3つのヘッド602b、603b、601b、又は3つのヘッド602b、603b、604bが、ウエハテーブルWTBの位置情報の計測に用いられることになるが、この場合の切り換え後に用いられる3つのヘッドには、計測方向にα方向を含むヘッドと、計測方向にβ方向を含むヘッドとが少なくとも各1つ含まれている。
これに限らず、主制御装置20は、ウエハテーブルWTBの位置情報の計測(取得)に用いる3つのヘッド602a、602b、603bのうち2つのヘッドを、ヘッド601b、604bと切り換えても良い。例えば、ヘッド602a、603bを、ヘッド601b、604bと切り換えることとしても良い。この場合も、切り換え後に用いられる3つのヘッド602b、601b、604bには、計測方向にα方向を含むヘッドと、計測方向にβ方向を含むヘッドとが少なくとも各1つ含まれる。
いずれにしても、ウエハステージWST1が図11(B)に示される位置に位置すると、4つのセンサ611〜614のうちの2つのセンサ612、613を用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御から、4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御に切り換え可能である。
ウエハステージWST1が、図11(B)に示される位置から+X方向にさらに移動して図11(C)に示される位置に位置すると、センサ611、614がそれぞれ備えるヘッド601a、604aが、ヘッド601b、604bとともに、それぞれ、スケール板21の対応する部分211、214に対向するようになる。このとき、センサ612、613はオン状態のままであるので、4つのセンサのオン状態が維持される。そこで、図11(B)の時点で切り換えたヘッドを含む、切り換え後の3つのヘッドを用いる、すなわち4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御を続行する。
これに限らず、その3つのヘッドに含まれるヘッド601bをヘッド601aに切り換える、ヘッド604bをヘッド604aに切り換える、あるいはヘッド601b、604bをヘッド601a、604aに切り換えることとしても良い。そして、切り換え後の3つのヘッドを用いて、4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御を行っても良い。
図11(C)の位置から、ウエハステージWST1が+X方向にさらに移動して図11(D)に示される位置に位置すると、センサ612、613が、スケール板21に対向しなくなる。すなわち、センサ612、613が、オン状態からオフ状態に遷移する。このとき、センサ611,614は、オン状態のままである。そこで、主制御装置20では、4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御から、2つのセンサ611,614が備える合計4つのヘッド601a、601b、604a、604bのうちの3つのヘッドを用いる(2つのセンサ611,614を用いる)ウエハテーブルWTBの位置の計測、制御に切り換える。
センサ611の2つのヘッド601a、601bを用いる場合、ヘッド601a、601bのそれぞれからの計測ビームは、2次元グレーティングRG上において、それぞれのヘッドの配置に対応する位置関係の2つの照射点に照射され、この2つの照射点が、センサ612の2つの計測点となる。センサ614についても同様である。
なお、ウエハステージWST1が、図11(B)に位置した時点では、上述したヘッドの切り換え、すなわち4つのセンサ611〜614のうちの2つのセンサ612、613を用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御から、4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御への切り換えは必ずしも行わなくても良い。この場合には、センサ612、613を用いた、すなわちヘッド602a、602b、603bを用いたウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置(位置情報)の計測を続行すれば良い。
次に、本実施形態に係る露光装置100で行われる、露光時移動領域における、センサの切り換えの第2のシーケンスについて、図12(A)から図12(D)に基づいて説明する。この場合おいても、センサが備える各2つのヘッドの少なくとも一方から、スケール板21の対応する部分(に形成された2次元グレーティングRG)に計測ビームが照射可能である状態を、センサのオン状態と呼ぶ。
図12(A)の位置に、ウエハステージWST1(又はWST2)があるとき、3つのセンサ611、612、613が、スケール板21の対応する部分211、212、213にそれぞれ対向している。このとき、センサ611が備える2つのヘッド601a、601bのそれぞれからスケール板21の対応する部分211に計測ビームを照射可能であり、センサ612が備える2つのヘッド602a、602bのそれぞれからスケール板21の対応する部分212に計測ビームを照射可能であり、センサ613が備える2つのヘッド603a、603bのそれぞれからスケール板21の対応する部分213に計測ビームを照射可能である。一方、残りのセンサ614は、スケール板21に対向しておらず、このセンサ614が備えるいずれのヘッドからもスケール板21に計測ビームを照射することはできない。すなわち、センサ611,612、613はオン状態にある一方、センサ614は、オフ状態にある。
オン状態にあるセンサ611の2つのヘッド601a、601bのそれぞれからの計測ビームは、2次元グレーティングRG上において、それぞれのヘッドの配置に対応する位置関係の2つの照射点に照射され、この2つの照射点が、センサ612の2つの計測点となる。センサ612、613についても同様である。
また、このとき、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置(位置情報)は、3つのセンサ611、612,613がそれぞれ有する各2のヘッドから各1つ選択された合計3つヘッドによって、前述したように計測され、その計測結果に基づいて、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置が制御されている。ここでは、一例としてヘッド601a、602a、603aが、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置(位置情報)の計測(取得)に用いられるものとする。すなわち、図12(A)に示される位置に、ウエハステージWST1が位置しているときには、4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサ611、612、613を用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御が行われている。
図12(A)に示される位置から、ウエハステージWST1が−Y方向に所定距離移動して図12(B)に示される位置に位置すると、センサ611がスケール板21に対向しなくなる。すなわち、センサ611が、オン状態からオフ状態に遷移する。このとき、センサ612,613は、オン状態のままであり、センサ614はオフ状態のままである。そこで、主制御装置20では、4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサ611、612、613を用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御から、2つのセンサ612,613が備える合計4つのヘッド602a、602b、603a、603bのうちの3つのヘッドを用いる(すなわち、2つのセンサ612,613を用いる)ウエハテーブルWTBの位置の計測、制御に切り換える。切り換え後、例えばヘッド602a、603a、及び602b、又はヘッド602a、603a、及び603bを用いて、ウエハテーブルWTBの位置が計測される。
図12(B)の位置から、ウエハステージWST1が−Y方向にさらに移動して図12(C)に示される位置に位置すると、センサ614のヘッド604aが、スケール板21の対応する部分214に対向し、2次元グレーティングRG上の1つの照射点に計測ビームを照射可能となる。すなわち、センサ614がオフ状態からオン状態に遷移する。このとき、センサ612、613はオン状態のままであり、センサ611はオフ状態のままである。ヘッド604aからの計測ビームの照射点がセンサ614の1つの計測点となる。
主制御装置20では、この時点で、ウエハテーブルWTBの位置情報の計測に用いる3つのヘッドのうちの1つを、ヘッド604aと切り換える。ここでは、一例として、ヘッド602b又は603bを、ヘッド604aと切り換えるものとする。この場合、切り換え後には、3つのヘッド602a、603a、604aが、ウエハテーブルWTBの位置情報の計測に用いられることになるが、この場合の切り換え後に用いられる3つのヘッドには、計測方向にα方向を含むヘッドと、計測方向にβ方向を含むヘッドとが少なくとも各1つ含まれている。
ウエハステージWST1が図12(C)に示される位置に位置すると、4つのセンサ611〜614のうちの2つのセンサ612、613を用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御から、4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサ612、613、614を用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御に切り換え可能である。
ウエハステージWST1が、図12(C)に示される位置から−Y方向にさらに移動して図12(D)に示される位置に位置すると、センサ614が備えるヘッド604bがヘッド604aとともに、スケール板21の対応する部分214に対向するようになる。このとき、センサ612、613はオン状態のままであるので、3つのセンサ612、613、614のオン状態が維持される。そこで、図12(C)の時点で切り換えたヘッドを含む、切り換え後の3つのヘッドを用いる、すなわち4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御を続行する。
これに限らず、その3つのヘッドに含まれるヘッド604aをヘッド604bに切り換えることとしても良い。そして、切り換え後の3つのヘッドを用いて、4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御を行っても良い。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る露光装置100は、ウエハWの中心に実質的に一致する基準点を原点oとするウエハテーブルWTB上のxy座標平面上の第1象限、第2象限、第3象限及び第4象限内の領域にそれぞれ配置され、それぞれ露光中心を原点とするXY平面内で互いに直交する2方向、すなわち前述のα方向及びβ方向を周期方向とする2次元グレーティングRG(2次元の反射型格子)が形成されるL字型の4つの部分211〜214と、4つの部分に囲まれる開口21aと、を有するスケール板21に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する第1、第2、第3及び第4センサ611〜614を有し、該4つのセンサのうち、スケール板21からの戻りビームを受光する少なくとも2つのセンサの計測情報に基づいて6自由度方向(X、Y、Z、θx,θy、θz)に関するウエハテーブルWTBの位置情報を計測(取得)するエンコーダシステム70と、エンコーダシステム70により求められる位置情報に基づいてウエハステージ駆動系27(平面モータ30a及びZ・チルト駆動機構32)を制御する主制御装置20と、を備えている。
スケール板21は、投影光学系PLが開口21a内に位置するように設けられている。
4つのセンサ611〜614のそれぞれは、スケール板21の4つの部分211〜214のうち対応する1つの部分に対してXY平面内で位置が異なる2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、α方向及びβ方向それぞれに関するウエハステージWST1の第1、第2位置情報と、XY平面に直交するZ軸方向(投影光学系PLの光軸方向)に関するウエハステージWST1の第3、第4位置情報とを計測する。
主制御装置20は、ウエハステージWST1の移動によるスケール板21の開口21aと4つのセンサ611〜614との位置関係の変化に伴って、エンコーダシステム70でウエハステージWST1の位置情報の取得に用いられる少なくとも2つのセンサの計測情報の一部を同一又は異なるセンサで計測される別の計測情報に切り換える。
本実施形態に係る露光装置100では、4つのセンサのうち、X軸方向に離れた2つのセンサ(611、612)、(613、614)間の計測点相互のX軸方向の離間距離のうち、最小の離間距離A2は、スケール板21の開口21aのX軸方向の幅aiよりも大きく、Y軸方向に離れた2つのセンサ(611、614)、(612、613)間の計測点相互のY軸方向の離間距離のうち、最大の離間距離B1は、開口21aのY軸方向の幅biよりも小さく設定されている(図2参照)。
このため、前述の露光時移動領域内にウエハステージWST1がある間は、4つのセンサ611〜614のうちの少なくとも2つのセンサが、スケール板21の対応する部分21iに対向し、その少なくとも2つのセンサから、スケール板21の対応する部分に設定される2つの計測点に対して複数の計測ビームを照射することができ、これによりその少なくとも2つのセンサによって、それぞれ、α方向及びβ方向それぞれに関するウエハステージWST1の第1、第2位置情報と、XY平面に直交するZ軸方向(投影光学系PLの光軸方向)に関するウエハステージWST1の第3、第4位置情報の計測が可能となる。したがって、露光時移動領域内にウエハステージWST1がある間は、その2つのセンサの計測情報を用いて、ウエハステージWST1の6自由度方向の位置情報の計測、及びその計測結果に基づく、位置制御が可能である。
また、本実施形態に係る露光装置100によると、前述した露光時移動領域における、センサの切り換えの第1のシーケンスの説明から明らかなように、主制御装置20は、スケール板21の開口21aのX軸方向の幅aiよりも大きい、前述の最小の離間距離A2に対応するX軸方向に沿ったウエハステージWST1の移動(図11(A)〜図11(D)参照)に伴い、ウエハステージWST1の位置情報の取得に用いられる計測情報を、2つのセンサ(図11(A)に示されるセンサ612,613)の計測情報から別の2つのセンサ(図11(D)に示されるセンサ611,614)の計測情報に切り換える。図11(A)〜図11(D)に示されるウエハステージWST1の移動中、スケール板の対応する部分に対向するセンサの数は、2→4→2と遷移するが、この間ずっと、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態が維持されている。
また、本実施形態に係る露光装置100によると、前述した露光時移動領域におけるセンサの切り換えの第2のシーケンスの説明から明らかなように、主制御装置20は、スケール板21の開口21aのY軸方向の幅biよりも大きい、前述の最大の離間距離B1に対応するY軸方向に沿ったウエハステージWST1の移動(図12(A)〜図12(D)参照)に伴い、ウエハステージWST1の位置情報の取得に用いられる計測情報を、3つの象限センサ(図12(A)に示されるセンサ611、612,613)の計測情報から、その3つの象限センサと1つが異なる3つの象限センサ(図12(D)に示されるセンサ612,613、614)の計測情報に切り換える。図12(A)〜図12(D)に示されるウエハステージWST1の移動中、スケール板の対応する部分に対向するセンサの数は、3→2→3と遷移するが、この間ずっと、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態が維持されている。
本実施形態に係る露光装置100では、ウエハステージWST1(WST2)の露光時移動領域内での移動中、常時、ウエハテーブルWTB1(WTB2)上の4つのセンサ611〜614のうちの少なくとも2つがスケール板21(の対応する部分)に同時に対向し、いずれかの時点で4つのセンサ611〜614のうちの3つ以上が必ず同時にスケール板21(の対応する部分)に対向する。このため、前述した露光時移動領域におけるセンサの切り換えの第1、第2のシーケンスの説明からもわかるように、センサの切り換え(センサの計測情報の切り換え)に際し、4つのセンサ611〜614のうち2つのセンサのみがスケール板21に対向して計測ビームを照射可能な第1状態と、その2つのセンサを含む少なくとも3つのセンサがスケール板21に同時に対向して計測ビームを照射可能な第2状態と、の一方から他方に遷移する。
したがって、本実施形態に係る露光装置100によると、露光時移動領域において、ウエハステージWST1の6自由度方向の位置の計測、制御を維持しつつ、その位置の計測、制御に用いられる、上述したセンサ(の計測情報)の切り換えが可能になる。
また、本実施形態に係る露光装置100によると、スケール板21の開口21aをY軸方向の幅biが、Y軸方向に離間したセンサ相互の離間距離B1よりも大きく(ウエハステージWST1のY軸方向の長さよりも大きく)設定することができる。スケール板21の開口21aのX軸方向の幅ai、Y軸方向の幅biが、X軸方向に離間したセンサ相互の離間距離A2、Y軸方向に離間したセンサ相互の離間距離B2よりも小さい場合に比べて、開口21aのY軸方向の幅biを大きくすることができ、その分スケール板21の面積を小さくすることができる。したがって、スケール板のコストの低減が可能である。また、開口21aが広くなったため、開口21a内に必要に応じてより多くの部品などを配置することが可能になり、スペース効率の向上を図ることができる。
なお、上記実施形態では、4つのセンサ611〜614のうち、Y軸方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点のY軸方向に関する最大離間距離(B1)が、開口21aのY軸方向の幅biより小さく、X軸方向の離れた2つのセンサ間の2つの計測点のX軸方向に関する最小離間距離(A2)が、開口21aのX軸方向の幅aiより大きく設定された場合について説明した。これに限らず、Y軸方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点のY軸方向の最小離間距離(B2)が、開口21aのY軸方向の幅より大きく、X軸方向の離れた2つのセンサ間の2つの計測点のX軸方向に関する最大離間距離(A1)が、開口21aのX軸方向の幅より小さくなるような矩形の開口を、スケール板21に形成しても良い。
あるいは、図13に示されるように、スケール板21の開口21aを、L字状の4つの部分211〜214によって囲まれたほぼ正方形状とし、ウエハテーブルWTB1(ウエハステージWST1)を、Y軸方向の長さが、開口21aのY軸方向の幅より短い、X軸方向に長い矩形状としても良い。かかる場合には、ウエハステージWST1のX軸方向の長さが開口21aのX軸方向の幅より大きく、ウエハステージWST1のY軸方向の長さが開口21aのY軸方向の幅より大きい場合に比べて、ウエハステージWST1を小型化することができる。この場合、4つのセンサ611〜614のうち、Y軸方向に離れた2つのセンサ相互のY軸方向の離間距離は、開口21aのY軸方向の幅より小さく、X軸方向に離れた2つのセンサ相互のX軸方向の離間距離は、開口21aのX軸方向の幅より大きく設定される。
あるいは、スケール板21の開口21aをほぼ正方形とし、ウエハステージWST1の形状をY軸方向に長い矩形状としても良い。Y軸方向に離れた2つのセンサ相互のY軸方向の離間距離が、開口21aのY軸方向の幅より大きく、X軸方向の離れた2つのセンサ相互のX軸方向の離間距離が、開口21aのX軸方向の 幅aiより小さく設定される。
なお、上記実施形態では、矩形の開口21aが形成されたスケール板21を用いる場合について説明したが、これに代えて、Y軸方向に関する幅及びX軸方向に関する幅の一方が、一律な平行四辺形の開口が形成されたスケール板を用いても良い。例えば、Y軸方向に関する幅が一律な平行四辺形の開口が形成されたスケール板を、上記実施形態の露光装置100で用いる場合、前述のヘッド601a,604a間(ヘッド602a,603a間)のY軸方向の離間距離(それぞれのヘッドからの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点(すなわち対応するセンサの計測点)間の離間距離)B1が、開口のY軸方向の幅より小さく、ヘッド601a,602a間(ヘッド603a,604a間)X軸方向の離間距離(それぞれのヘッドからの計測ビームの2次元グレーティングRG上での照射点(すなわち対応するセンサの計測点)間の離間距離)A2が、開口のX軸方向に関する最大幅より大きくなるように、開口の形状及びサイズを定めれば良い。
なお、矩形及び平行四辺形ではないが、Y軸方向又はX軸方向に平行な2辺を有する四角形の開口が形成されたスケール板を用いても良い。例えば、Y軸方向に平行な2辺を有する四角形の開口が形成されたスケール板を用いる場合、前述の離間距離A2が、その開口のX軸方向に関する最大幅より大きく、かつ前述の離間距離B1が、その開口のY軸方向に関する最小幅により小さくなるように、開口の形状及びサイズを定めれば良い。
また、上記実施形態では、4つのセンサ611〜614を、X軸方向及びY軸方向に関して対称の配置となるように、ウエハテーブルWTB上に配置する場合、すなわち、4つのセンサの各2つ、合計8つのヘッド(したがって、ヘッドからの計測ビームの2次元グレーティング上での照射点(対応するセンサの計測点)が、X軸方向及びY軸方向に関して対称の配置である場合について説明した。しかしながら、これに限らず、4つのセンサの計測点の配置は、スケール板(スケール部材)の開口の形状及びサイズに応じて定めれば良い。例えば、4つのセンサのうち、Y軸方向及びX軸方向の一方の方向(一例としてX軸方向とする)に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせのX軸方向に関する離間距離のうちの最大離間距離が、開口のX軸方向に関する最小幅より小さく、Y軸方向及びX軸方向の他方(ここでは、Y軸方向)に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせのY軸方向に関する離間距離のうちの最小離間距離が、開口のY軸方向に関する最大幅より大きくなる条件を満足するように、スケール板(スケール部材)の開口の形状及びサイズに応じて、4つのセンサの計測点の配置を定めれば良い。反対に、4つのセンサの計測点の配置が先に決まっている場合には、上述の条件を満足するように、4つのセンサの計測点の配置に応じてスケール板(スケール部材)の開口の形状及びサイズを定めれば良い。
あるいは、X軸方向に離れた2つのセンサ(611、612)間の離間距離と、X軸方向に離れた2つのセンサ(614、613)間の離間距離と、を互いに異ならせても良いし、2つのセンサ(611、612)と2つのセンサ(614、613)とを、X軸方向に関して僅かにずらして配置しても良い。かかる場合には、結果的に、例えばスケール板に同時に対向している2つのセンサが、ウエハステージのX軸方向の移動中に、スケール板に対して徐々に(時間差を持って)対向しなくなる、あるいは例えばスケール板に対向していない2つのセンサが、スケール板に徐々に(時間差を持って)対向するようになる。これにより、例えばセンサ611とセンサ614(又は、センサ612とセンサ613)を、徐々にオン状態とオフ状態との一方から他方に遷移させることが可能になる。Y軸方向に離れた2つのセンサ(611、612)と、Y軸方向に離れた2つのセンサ(614、613)についても同様である。
なお、上記実施形態において、一方のウエハテーブルWTB1(ウエハステージWST1)について、説明した内容は、他方のウエハテーブルWTB2(ウエハステージWST2)についても、そのまま適用できる。また、前述の如く、平面モータ30a、30bによってウエハステージWST1、WST2を6自由度方向に駆動することとしても良く、かかる場合には、ウエハステージWST1、WST2が6自由度方向に可動な単一のステージによって構成可能になる。したがって、この場合には、これまでの説明中のウエハテーブルを、ウエハステージと言い換えることができる。後述する第2の実施形態においても、同様である。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、図14〜図15(C)に基づいて説明する。本第2の実施形態に係る露光装置は、スケール板21に代えて、図14に示されるような、八角形の開口121aを有するスケール板121が、設けられている点が、前述の第1の実施形態に係る露光装置100と相違する。その他の部分の構成は、露光装置100と同一である。ここで、前述した第1の実施形態と同一の構成部分については、同一の符号を用いるとともに、その詳細説明を省略する。以下、露光装置100との構成上の相違点を中心に、本第2の実施形態に係る露光装置について説明する。
次に、第2の実施形態について、図14〜図15(C)に基づいて説明する。本第2の実施形態に係る露光装置は、スケール板21に代えて、図14に示されるような、八角形の開口121aを有するスケール板121が、設けられている点が、前述の第1の実施形態に係る露光装置100と相違する。その他の部分の構成は、露光装置100と同一である。ここで、前述した第1の実施形態と同一の構成部分については、同一の符号を用いるとともに、その詳細説明を省略する。以下、露光装置100との構成上の相違点を中心に、本第2の実施形態に係る露光装置について説明する。
本第2の実施形態に係る露光装置では、投影光学系PL(投影ユニットPU)の鏡筒40の−Z側端部の周囲に、例えば鏡筒40の下端面とほぼ同一面となる高さで、スケール板121がXY平面に平行に配置されている。スケール板121は、図14の平面図に示されるように、例えば略L字状の4つの部分(部品)1211,1212,1213,1214から構成され、その中央に形成される八角形の開口121a内に鏡筒40の−Z側端部が挿入されている。スケール板121の下面には、前述した2次元グレーティングRGが形成されている。開口121aは、Y軸方向及びX軸方向の各2辺を有する矩形の四隅を切り落とした形状の八角形の開口である。なお、図14は、図2と同様、露光中心Pを原点とする2次元直交座標系であるXY座標系(静止座標系)と、前述の基準点を原点oとするウエハテーブルWTB1上の2次元直交座標系であるxy座標系(移動座標系)とが、一致する(完全に重なる)位置にウエハステージWST1が位置決めされた状態を示す平面図である。
スケール板121のX軸方向及びY軸方向の幅は、スケール板21と同様、それぞれa及びbである。開口121aは、図14に示されるように、Y軸方向に関して最大幅bi1(>B1)、最小幅bi2(<B2)を有するとともに、X軸方向に関して最大幅ai1(>A1)、最小幅ai2(<A2)を有する八角形である。
図14から明らかなように、本第2の実施系形態に係る露光装置では、前述した露光装置100と同様、ウエハステージWST1(WST2)の露光時移動領域内での移動中、常時、ウエハテーブルWTB1(WTB2)上の4つのセンサ611〜614のうちの少なくとも2つがスケール板121(の対応する部分)に同時に対向し、いずれかの時点で4つのセンサ611〜614のうちの3つ以上が必ず同時にスケール板121(の対応する部分)に対向するという、所定の条件を満足している。換言すれば、本第2の実施系形態に係る露光装置では、上記の所定の条件を満足するように、ウエハテーブルWTB1(WTB2)上の4つのセンサ611〜614の配置に基づいて、スケール板121の形状及び大きさ、特に開口121aの形状、大きさが設定されている。
本第2の実施系形態に係る露光装置では、その他の部分は、前述した第1の実施形態に係る露光装置100と同様に構成されている。したがって、計測時移動領域におけるウエハテーブルWTB1(WTB2)の位置計測用のスケール板として、スケール板22が用いられている。ただし、これに限らず、計測時移動領域におけるウエハテーブルWTB1(WTB2)の位置計測用のスケール板として、スケール板121と同様にその一部、例えば中央に八角形の開口が形成されたスケール板を用いても良い。この場合、その開口内にアライメント系ALGの−Z側端部が挿入される。この場合において、スケール板121と同一サイズ、同一形状のスケール板を用いても良いが、スケール板121とはX軸方向及びY軸方向の少なくとも一方に関してその幅を異ならせても良いし、開口のサイズ、形状の少なくとも一方を異ならせても良い。
次に、本第2の実施形態に係る露光装置で行われる、露光時移動領域における、センサの切り換えのシーケンスの一例について、図15(A)から図15(C)に基づいて説明する。以下の説明では、センサが備える各2つのヘッドの少なくとも一方から、スケール板121の対応する部分(に形成された2次元グレーティングRG)に計測ビームが照射可能である状態を、センサのオン状態と呼び、センサがスケール板121に対向せず、各2つのヘッドのいずれからもスケール板121に計測ビームを照射できない状態をセンサのオフ状態と呼ぶ。また、2つのウエハステージのうちの一方、ウエハステージWST1を代表的に取り上げて説明する。
図15(A)に示される位置に、ウエハステージWST1があるとき、3つのセンサ612、613、614が、スケール板121の対応する部分1212、1213、1214にそれぞれ対向している。このとき、センサ612が備える2つのヘッド602a、602bのそれぞれからスケール板121の対応する部分1212に計測ビームを照射可能であり、センサ613が備える2つのヘッド603a、603bのそれぞれからスケール板121の対応する部分1213に計測ビームを照射可能であり、センサ614が備える2つのヘッド604a、604bのそれぞれからスケール板121の対応する部分1214に計測ビームを照射可能である。一方、残りのセンサ611は、スケール板121に対向しておらず、このセンサ611が備えるいずれのヘッドからもスケール板121に計測ビームを照射することはできない。すなわち、センサ612、613、614はオン状態にある一方、センサ611は、オフ状態にある。
オン状態にあるセンサ612の2つのヘッド602a、602bのそれぞれからの計測ビームは、2次元グレーティングRG上において、それぞれのヘッドの配置に対応する位置関係の2つの照射点に照射され、この2つの照射点が、センサ612の2つの計測点となる。センサ613、614についても同様である。
また、このとき、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置(位置情報)は、3つのセンサ612、613,614がそれぞれ有する各2つのヘッドから各1つ選択された合計3つヘッドによって、前述したように計測され、その計測結果に基づいて、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置が制御されている。ここで、上記3つのヘッドには、計測方向にα方向を含むヘッドと、計測方向にβ方向を含むヘッドとが少なくとも各1つ含まれる。ここでは、一例としてヘッド602b、603b、604aが、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置(位置情報)の計測に用いられるものとする。すなわち、図15(A)に示される位置に、ウエハステージWST1が位置しているときには、4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサ612、613、614を用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御が行われている。
図15(A)に示される位置から、ウエハステージWST1が+X方向に所定距離移動して図15(B)に示される位置に位置すると、センサ612がスケール板121に対向しなくなる。すなわち、センサ612が、オン状態からオフ状態に遷移する。このとき、センサ613、614は、オン状態のままであり、センサ611はオフ状態のままである。そこで、主制御装置20では、センサ612が、オン状態からオフ状態に遷移する前、例えば直前に4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサ612、613、614を用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御から、2つのセンサ613,614が備える合計4つのヘッド603a、603b、604a、604bのうちの3つのヘッドを用いる(すなわち、2つのセンサ613,614を用いる)ウエハテーブルWTBの位置の計測、制御に切り換える。切り換え後、例えばヘッド603a、603b、及び604a、又はヘッド603b、604a、及び604bを用いて、ウエハテーブルWTBの位置が計測される。この場合の切り換え後に用いられる3つのヘッドには、計測方向にα方向を含むヘッドと、計測方向にβ方向を含むヘッドとが少なくとも各1つ含まれている。
図15(B)の位置から、ウエハステージWST1が+X方向にさらに移動して図15(C)に示される位置に位置すると、センサ611が、スケール板121の対応する部分1211に対向し、センサ611が備えるヘッド601a、601bから2次元グレーティングRG上の2つの照射点に計測ビームを照射可能となる。すなわち、センサ611がオフ状態からオン状態に遷移する。このとき、センサ613、614はオン状態のままであり、センサ612はオフ状態のままである。そこで、主制御装置20は、4つのセンサ611〜614のうちの2つのセンサ613,614を用いるウエハテーブルWTBの位置の計測、制御から、3つのセンサ611、613、614が備える各2つのヘッドのうちから各1つ選択された3つのヘッドを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御に切り換える。この場合、切り換え後に用いられる3つのヘッドに、計測方向にα方向を含むヘッドと、計測方向にβ方向を含むヘッドとが少なくとも各1つ含まれるように、ヘッドの切り換えが行わる。
なお、ウエハステージWST1が図15(C)に示される位置に達する前に、センサ611の1つのヘッド601bのみがスケール板121の対応する部分に計測ビームを照射可能になる場合には、主制御装置20では、この時点で、ウエハテーブルWTBの位置情報の計測に用いる3つのヘッドのうちの1つを、ヘッド601bと切り換えても良い。この場合も、切り換え後、3つのセンサ611、613、614が備える各2つのヘッドのうちから各1つ選択された3つのヘッドを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御が行われる。切り換え後に用いられる3つのヘッドに、計測方向にα方向を含むヘッドと、計測方向にβ方向を含むヘッドとが少なくとも各1つ含まれるように、ヘッドの切り換えが行わる。
以上説明したように、本第2の実施形態に係る露光装置によると、図14に示されるように、Y軸方向に関して最大幅bi1(>B1)、最小幅bi2(<B2)を有するとともに、X軸方向に関して最大幅ai1(>A1)、最小幅ai2(<A2)を有する八角形の開口121aを有するスケール板121が、採用され、前述した所定の条件を満足するように、ウエハテーブルWTB1(WTB2)上の4つのセンサ611〜614の配置に基づいて、スケール板121の形状及び大きさ、特に開口121aの形状、大きさが設定されている。ここで、所定の条件とは、ウエハステージWST1(WST2)の露光時移動領域内での移動中、常時、ウエハテーブルWTB1(WTB2)上の4つのセンサ611〜614のうちの少なくとも2つがスケール板121(の対応する部分)に同時に対向し、いずれかの時点で4つのセンサ611〜614のうちの3つ以上が必ず同時にスケール板121(の対応する部分)に対向するという条件である。このため、前述の露光時移動領域内にウエハステージWST1がある間は、4つのセンサ611〜614のうちの少なくとも2つのセンサが、スケール板121の対応する部分121iに対向し、その少なくとも2つのセンサから、スケール板121の対応する部分に設定される2つの計測点に対して複数の計測ビームを照射することができ、これによりその少なくとも2つのセンサによって、それぞれ、α方向及びβ方向それぞれに関するウエハステージWST1の第1、第2位置情報と、XY平面に直交するZ軸方向(投影光学系PLの光軸方向)に関するウエハステージWST1の第3、第4位置情報の計測が可能となる。したがって、露光時移動領域内にウエハステージWST1がある間は、その2つのセンサの計測情報を用いて、ウエハステージWST1の6自由度方向の位置情報の計測、及びその計測結果に基づく、位置制御が可能である。
また、本第2の実施形態に係る露光装置によると、前述した露光時移動領域におけるセンサの切り換えのシーケンスの一例の説明から明らかなように、主制御装置20は、ウエハステージWST1のX軸方向の移動(図15(A)〜図15(C)参照)に伴い、ウエハステージWST1の位置情報の取得に用いられる計測情報を、3つのセンサ(図15(A)に示されるセンサ612、613,614)の計測情報から、その3つのセンサと1つが異なる3つのセンサ(図15(C)に示されるセンサ611,613、614)の計測情報に切り換える。図15(A)〜図15(C)に示されるウエハステージWST1の移動中、スケール板の対応する部分に対向するセンサの数は、3→2→3と遷移するが、この間ずっと、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態が維持されている。
また、前述した露光時移動領域におけるセンサの切り換えのシーケンスの説明からもわかるように、センサの切り換え(センサの計測情報の切り換え)に際し、4つのセンサ611〜614のうち2つのセンサのみがスケール板121に対向して計測ビームを照射可能な第1状態と、その2つのセンサを含む少なくとも3つのセンサがスケール板121に同時に対向して計測ビームを照射可能な第2状態と、の一方から他方に遷移するようになっている。
したがって、本第2の実施形態に係る露光装置によると、露光時移動領域において、ウエハステージWST1の6自由度方向の位置の計測、制御を維持しつつ、その位置の計測、制御に用いられる、上述したセンサ(の計測情報)の切り換えが可能になる。
さらに、本第2の実施形態に係る露光装置によると、スケール板121の開口121aのX軸方向の最大幅がX軸方向に離間したセンサ相互の離間距離A2より小さく、かつ開口121aのY軸方向の最大幅が、Y軸方向に離間したセンサ相互の離間距離B2よりも小さい場合に比べて、開口121aが大きい分、スペース効率の向上を図ることができるとともに、スケール板121の面積が小さくなる分、コストの低減が可能である。
なお、上では、ウエハステージWST1を、X軸方向に沿って移動することで、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、スケール板の対応する部分に対向するセンサの数を、3→2→3と遷移させる、すなわちウエハテーブルWTB1の位置情報の計測に用いるセンサの数を、3→2→3と切り換える場合について説明した。しかるに、本第2の実施形態に係る露光装置では、ウエハステージWST1を、図15(A)に示される位置から+Y方向に移動することで、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、ウエハテーブルWTB1の位置情報の計測に用いるセンサの数を、3→2→3と切り換えることも可能である。
また、詳細説明は省略するが、本第2の実施形態に係る露光装置では、ウエハステージWST1を、図15(A)に示される位置より所定距離+Y方向に移動させた位置、すなわち、ウエハテーブルWTB1上のセンサ612、613が備える各2つのヘッドがスケール板121に対向し、センサ611、614がスケール板121に対向しない位置から、+X方向への移動を開始し、図15(A)に示される位置より所定距離+Y方向に移動させた位置、すなわち、ウエハテーブルWTB1上のセンサ614、611が備える各2つのヘッドがスケール板121に新たに対向し、センサ612、613がスケール板121に対向しなくなる位置まで移動させることで、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、ウエハテーブルWTB1の位置情報の計測に用いるセンサの数を、2→4→2と切り換えることも可能である。また、ウエハステージWST1を、例えば図15(B)に示される位置から+Y方向に移動することで、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、ウエハテーブルWTB1の位置情報の計測に用いるセンサの数を、2→4→2と切り換えることも可能である。
すなわち、本第2の実施形態に係る露光装置では、Y軸方向に関して最大幅bi1(>B1)、最小幅bi2(<B2)を有するとともに、X軸方向に関して最大幅ai1(>A1)、最小幅ai2(<A2)を有する八角形の開口121aを有するスケール板121とび4つのセンサ611〜614との組み合わせを用いる場合について説明したが、これに限らず、たとえばY軸方向に関して最大幅bi1(>B1)、最小幅bi2(<B2)を有するとともに、X軸方向に関して最小幅ai2(<A2)、最大幅ai1(≦A1)を有する八角形の開口が形成されたスケール板を、4つのセンサ611〜614と組み合わせて用いても良い。この場合、センサ611、612間、又はセンサ613、614間の2つの計測点のX軸方向の離間距離を、上記第2の実施形態に比べて大きくする必要から、ウエハテーブルとして、上記第2の実施形態のウエハテーブルWTB1などと比べて、X軸方向の長さが長い矩形のウエハテーブルを備えたウエハステージWST1が用いられる。この場合、露光時移動領域内で、ウエハステージWST1を、X軸方向に移動することで、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、ウエハテーブルWTB1の位置情報の計測に用いるセンサの数を、例えば2→4→2と切り換えることが可能になる。また、この場合、露光時移動領域内で、ウエハステージWST1を、Y軸方向に移動することで、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、ウエハテーブルWTB1の位置情報の計測に用いるセンサの数を、例えば3→2→3と切り換えることが可能になる。すなわち、露光時移動領域内で、ウエハステージWST1を、X軸方向に移動する場合に、ウエハテーブルWTB1上の4つのセンサ611〜614のうちの2つが、同時にスケール板121(の対応する部分)に対向しなくなるときがあるが、4つのセンサ611〜614のうちの3つ以上が、同時にスケール板121(の対応する部分)に対向しなくなることはない。
同様に、例えばX軸方向に関して最大幅ai1(>A1)、最小幅ai2(<A2)を有するとともに、Y軸方向に関して最小幅bi2(<B2)、最大幅bi1(≦B1)を有する八角形の開口が形成されたスケール板を、4つのセンサ611〜614と組み合わせて用いても良い。この場合、露光時移動領域内で、ウエハステージWST1を、Y軸方向に移動することで、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、ウエハテーブルWTB1の位置情報の計測に用いるセンサの数を、2→4→2と切り換えることが可能になる。また、この場合、露光時移動領域内で、ウエハステージWST1を、X軸方向に移動することで、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、ウエハテーブルWTB1の位置情報の計測に用いるセンサの数を、3→2→3と切り換えることが可能になる。
《第2の実施形態の変形例》
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。本変形例に係る露光装置では、スケール板121に代えて、図16に示されるように、Y軸方向に関して非対称かつX軸方向に関して非対称な八角形の開口221aが形成されたスケール板221が設けられている。図16は、図2、図14と同様、露光中心Pを原点とする2次元直交座標系であるXY座標系(静止座標系)と、前述の基準点を原点oとするウエハテーブルWTB1上の2次元直交座標系であるxy座標系(移動座標系)とが、一致する(完全に重なる)位置にウエハステージWST1が位置決めされた状態を示す平面図である。図16に示されるように、スケール板221のX軸方向及びY軸方向の幅(長さ)は、スケール板121と同様、それぞれa及びbである。スケール板221の開口221aは、前述の開口121aと同様に、Y軸方向に関して最大幅bi1(>B1)、最小幅bi2(<B2)を有するとともに、X軸方向に関して最大幅ai1(>A1)、最小幅ai2(<A2)を有する八角形である。
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。本変形例に係る露光装置では、スケール板121に代えて、図16に示されるように、Y軸方向に関して非対称かつX軸方向に関して非対称な八角形の開口221aが形成されたスケール板221が設けられている。図16は、図2、図14と同様、露光中心Pを原点とする2次元直交座標系であるXY座標系(静止座標系)と、前述の基準点を原点oとするウエハテーブルWTB1上の2次元直交座標系であるxy座標系(移動座標系)とが、一致する(完全に重なる)位置にウエハステージWST1が位置決めされた状態を示す平面図である。図16に示されるように、スケール板221のX軸方向及びY軸方向の幅(長さ)は、スケール板121と同様、それぞれa及びbである。スケール板221の開口221aは、前述の開口121aと同様に、Y軸方向に関して最大幅bi1(>B1)、最小幅bi2(<B2)を有するとともに、X軸方向に関して最大幅ai1(>A1)、最小幅ai2(<A2)を有する八角形である。
スケール板221は、開口221aの形状を除き、スケール板121及びスケール板21と同様に構成され、投影光学系PL(投影ユニットPU)の鏡筒40の−Z側端部の周囲に、例えば鏡筒40の下端面とほぼ同一面となる高さで、XY平面に平行に配置されている。したがって、スケール板221は、開口221aを区画する、下面に2次元グレーティングRGが形成された4つの部分2211〜2214を有する。ただし、開口221aは、X軸方向及びY軸方向に平行な各2辺を有する矩形の4つの頂点を切り落とした八角形の開口であって、+X側かつ+Y側の頂点と、−X側かつ−Y側の頂点とを結ぶスケール板221の対角線方向の幅(距離)が、−X側かつ+Y側の頂点と+X側かつ−Y側の頂点とを結ぶスケール板221の対角線方向の幅(距離)より短い、Y軸方向に関して非対称かつX軸方向に関して非対称な八角形の開口である。
本変形例に係る露光装置は、その他の部分の構成は、第2の実施形態に係る露光装置と同様である。
次に、本変形例に係る露光装置で行われる、露光時移動領域における、センサの切り換えのシーケンスの一例について、図17(A)から図17(C)に基づいて説明する。以下の説明では、センサが備える各2つのヘッドの少なくとも一方から、スケール板221の対応する部分(に形成された2次元グレーティングRG)に計測ビームが照射可能である状態を、センサのオン状態と呼ぶ。一方、センサが備えるいずれのヘッドからもスケール板221に計測ビームを照射できない状態を、センサのオフ状態と呼ぶ。
図17(A)に示される位置に、ウエハステージWST1(又はWST2)があるとき、2つのセンサ612、613が、スケール板221の対応する部分2212、2213にそれぞれ対向している。このとき、センサ612が備える2つのヘッド602a、602bのそれぞれからスケール板221の対応する部分2212に計測ビームを照射可能であるとともに、センサ613が備える2つのヘッド603a、603bのそれぞれからスケール板221の対応する部分2213に計測ビームを照射可能である。一方、残りの2つのセンサ611、614は、スケール板221に対向しておらず、これらのセンサが備えるいずれのヘッドからもスケール板221に計測ビームを照射することはできない。すなわち、センサ612、613はオン状態にある一方、センサ611、614は、オフ状態にある。
オン状態にあるセンサ612の2つのヘッド602a、602bのそれぞれからの計測ビームは、2次元グレーティングRG上において、それぞれのヘッドの配置に対応する位置関係の2つの照射点に照射され、この2つの照射点が、センサ612の2つの計測点となる。センサ613についても同様である。
また、このとき、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置(位置情報)は、4つのヘッド602a、602b、603a、603bのうちの3つのヘッドによって、前述したように計測され、その計測結果に基づいて、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置が制御されている。ここでは、一例としてヘッド602a、602b、603bが、ウエハテーブルWTB1の6自由度方向の位置(位置情報)の計測に用いられるものとする。すなわち、図17(A)に示される位置に、ウエハステージWST1が位置しているときには、4つのセンサ611〜614のうちの2つのセンサ612、613を用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御が行われている。
図17(A)に示される位置から、ウエハステージWST1が−Y方向に所定距離移動して図17(B)に示される位置に位置すると、センサ614のヘッド604a、604bが、スケール板221の対応する部分2214に対向し、2次元グレーティングRG上の2つの照射点に計測ビームを照射可能となる。すなわち、センサ614がオフ状態からオン状態に遷移する。このとき、センサ612、613はオン状態のままであり、センサ611はオフ状態のままである。ヘッド64a、604bそれぞれからの計測ビームの照射点が、センサ614の2つの計測点となる。
主制御装置20では、ウエハテーブルWTBの位置情報の計測(取得)に用いる3つのヘッド602a、602b、603b(の計測情報)のうちの1つを、ヘッド604a、604bの一方(の計測情報)と切り換える。ここでは、一例として、ヘッド602aを、ヘッド604a又はヘッド604bと切り換えるものとする。この場合、切り換え後には、3つのヘッド602b、603b、604a、又は3つのヘッド602b、603b、604bが、ウエハテーブルWTBの位置情報の計測に用いられることになるが、この場合の切り換え後に用いられる3つのヘッドには、計測方向にα方向を含むヘッドと、計測方向にβ方向を含むヘッドとが少なくとも各1つ含まれている。
このように、ウエハステージWST1が図17(B)に示される位置に位置すると、4つのセンサ611〜614のうちの2つのセンサ612、613を用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御から、4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御に切り換え可能である。
図17(B)の位置から、ウエハステージWST1が−Y方向にさらに移動して図17(C)に示される位置に位置すると、センサ612が、スケール板221に対向しなくなる。すなわち、センサ612が、オン状態からオフ状態に遷移する。このとき、センサ613,614は、オン状態のままであり、センサ611は、オフ状態のままである。そこで、主制御装置20では、4つのセンサ611〜614のうちの3つのセンサを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御から、2つのセンサ613,614が備える合計4つのヘッド601a、601b、604a、604bのうちの3つのヘッドを用いる(2つのセンサ613,614を用いる)ウエハテーブルWTBの位置の計測、制御に切り換える。
センサ613の2つのヘッド603a、603bを用いる場合、ヘッド603a、603bのそれぞれからの計測ビームは、2次元グレーティングRG上において、それぞれのヘッドの配置に対応する位置関係の2つの照射点に照射され、この2つの照射点が、センサ613の2つの計測点となる。センサ614についても同様である。
なお、ウエハステージWST1が図17(B)に示される位置に達する前に、センサ614の1つのヘッド604aのみがスケール板221の対応する部分に計測ビームを照射可能になる場合には、主制御装置20では、この時点で、ウエハテーブルWTBの位置情報の計測に用いる3つのヘッドのうちの1つを、ヘッド604aと切り換えても良い。この場合も、切り換え後、3つのセンサ612、613、614が備える各2つのヘッドのうちから各1つ選択された3つのヘッドを用いるウエハテーブルWTB1の位置の計測、制御が行われる。切り換え後に用いられる3つのヘッドに、計測方向にα方向を含むヘッドと、計測方向にβ方向を含むヘッドとが少なくとも各1つ含まれるように、ヘッドの切り換えが行わる。
なお、上の説明では、ウエハステージWST1を、図17(A)に示される位置から−Y方向に移動することで、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、ウエハテーブルWTB1の位置情報の計測に用いるセンサの数を、2→3→2と切り換えるものとした。しかし、これに限らず、本変形例に係る露光装置では、ウエハステージWST1を、初期状態として適切な位置に位置させた状態で、X軸方向に移動することで、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、ウエハテーブルWTB1の位置情報の計測に用いるセンサの数を、2→3→2と切り換えることも可能である。
なお、上記変形例では、センサ611〜614をウエハテーブルWTB上で矩形の各頂点位置に配置する、矩形のセンサ配置と、スケール板の開口をX軸及びY軸に対して非対称な八角形にする(非対称な八角形の開口)との組み合わせを採用する場合について説明したが、この代わりに、対称八角形の開口と、平行四辺形のセンサ配置との組み合わせを採用しても良い。すなわち、センサ611〜614をウエハテーブルWTB上で平行四辺形の各頂点位置に配置するとともに、スケール板の開口をX軸及びY軸に対して対称な八角形にしても良い。かかる場合にも、ウエハステージWST1を、初期状態として適切な位置に位置させた状態で、X軸方向又はY軸方向に移動することで、エンコーダシステム70による、少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく6自由度方向に関するウエハステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、ウエハテーブルWTB1の位置情報の計測に用いるセンサの数を、2→3→2と切り換えることは可能である。
なお、上記第1、第2の実施形態(以下、上記各実施形態と称する)において、4つのセンサ61i(i=1〜4)がそれぞれ備える2つのヘッド60ia、60ibの位置を入れ替えても良い。あるいは、図18(A)のウエハテーブルWTBの斜視図及び図18(B)のウエハテーブルWTBの平面図に示されるように、4つのセンサ61iを、2つのヘッド60ia、60ibが、ウエハテーブルの対角線に平行な方向に沿って配置されるように、ウエハテーブルの上面の四隅に配置しても良い。図18(A)及び図18(B)において、図中の矢印は、各ヘッドの計測方向を示す。この場合において、4つのセンサ61i(i=1〜4)がそれぞれ備える2つのヘッド60ia、60ibの位置を入れ替えても勿論良い。
なお、上記各実施形態の露光装置において、レチクルステージ位置計測系16として、レチクル干渉計の代わりに、前述のエンコーダシステム(便宜上、レチクル側エンコーダシステムと呼ぶ)が用いられる場合、エンコーダシステム70(又は71)及びレチクル側エンコーダシステムの計測情報に基づいて、照明光に対してレチクルRとウエハWをそれぞれ相対移動するウエハの走査露光が行われるように、レチクルステージRSTおよびウエハステージWST1(又はWST2)の移動が制御される。
なお、上記各実施形態の露光装置において、センサ61iが備える各2つのヘッド60ia、60ibは、いずれもZ軸方向を計測方向に含むので、例えば米国特許出願2015/0286147号明細書に記載の露光装置と同様、スケール板の対応する部分の2次元グレーティングRGのZグリッドの変動量の監視及び較正を行うこととしても良い。また、各センサに、α方向を計測方向に含むヘッド及びβ方向を計測方向に含むヘッドの少なくとも一方を2つ配置して、米国特許出願2015/0286147号明細書に記載の露光装置と同様スケール板の対応する部分の2次元グレーティングRGのαグリッド変動量及びβグリッド変動量の少なくとも一方の監視及び較正を行うこととしても良い。
なお、上記各実施形態では、例えば、各センサが、ウエハテーブルWTB1、WTB2の6自由度方向の位置の算出に必要なヘッドを含み、センサの計測自由度が6自由度を超え、その計測情報に、α方向、β方向、又はZ軸方向の位置情報が2つ以上含まれる場合、その2つ以上の位置情報の平均を、ウエハテーブルWTB1、WTB2の6自由度方向の位置の算出に用いることとしても良い。かかる場合には、平均化効果により、より精度の高い位置計測が可能になる。
また、上記各実施形態の露光装置では、センサが備える各ヘッドとして、XY平面内の1方向及びZ軸方向の2方向を計測方向とする2次元ヘッドが用いられる場合について説明したが、センサの構成は、これに限られるものではない。例えば、α方向又はβ方向を計測方向とする1次元ヘッドと、Z軸方向を計測方向とする非エンコーダ方式の面位置センサの組み合わせを、各ヘッドとして採用しても良いし、α方向及びβ方向を計測方向とする2次元ヘッドと、Z軸方向を計測方向とする非エンコーダ方式の面位置センサの組み合わせを、各ヘッドとして採用しても良い。また、XY平面内の直交2方向及びZ軸方向を計測方向とする3次元ヘッドを各ヘッドとして採用しても良い。
また、上記各実施形態の露光装置では、センサ611〜614のそれぞれが、同一筐体内に配置された2つのヘッドを有する場合について説明したが、センサは、物理的に単一なセンサであっても勿論良いが、物理的に分離した複数部分の集合であっても良い。例えばウエハテーブル上に仮定された前述のxy座標面の第1、第2、第3及び第4象限内の領域のそれぞれに、互いに分離した前述した種々のヘッド、面一センサなどを組み合わせて配置した、いわばヘッド群(あるいはセンサ群)であっても良い。本明細書では、かかる意味でセンサなる用語を用いている。
要は、4つのセンサのそれぞれが、スケール板21、スケール板121又はスケール板221(及びスケール板22)それぞれの4つの部分のうち対応する1つの部分に対してXY平面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、XY平面内におけるウエハテーブルの第1、第2位置情報(好ましくは、XY平面内の2方向それぞれに関するウエハテーブルの第1、第2位置情報)と、Z軸方向に関するウエハテーブルの第3、第4位置情報とを計測できれば良い。
なお、上記各実施形態では、α方向及びβ方向を周期方向とする2次元グレーティングRGが形成されたスケール板が用いられるものとしたが、これに限らず、XY平面内で互いに交差する2方向、例えばX軸方向とY軸方向とを周期方向とする2次元グレーティング形成されたスケール板を用いることもできる。この場合、各センサは、少なくと1つのヘッドの計測方向は、X軸方向を含み、別の少なくとも1つのヘッドの計測方向は、Y軸方向を含むことになる。
さらに、上記各実施形態に係る露光装置において、スケール板の開口の形状、サイズに加えて、ショット領域のX軸方向の幅及びY軸方向の幅を考慮して、センサの配置を定めても良い。これにより、ウエハを露光するためにウエハを保持するウエハステージWST1,WST2を少なくとも走査(等速)駆動する間は、ヘッド601〜604を切り換えることなしにウエハステージWST1,WST2の位置情報を計測することが可能になる。
なお、上記各実施形態では、ヘッドの切換を、切り換え前に用いていた3つのヘッドによって計測されるウエハテーブルの位置情報に基づいて、切り換え後に新たに用いられるヘッドで計測すべき位置情報を算出し、その算出された位置情報に基づいて切り換え後に新たに使用されるヘッドを用いた位置情報の計測を開始する(結果的に、ヘッドの切り換えを一瞬で行う)ものしたが、切換前ヘッドと切換後ヘッドの両方がアクティブな期間が存在する場合、その期間の少なくとも一部において切換前後の2つのヘッドを両方とも使って位置情報を決定しても良い。切換前ヘッドと切換後ヘッドの両方がアクティブな期間では、ウエハテーブルWTB1、WTB2の6自由度方向の位置の算出に必要なヘッドを含み、センサの計測自由度が6自由度を超え、冗長なヘッド(6自由度の位置の計測にとって必須でないヘッド)が存在する。そこで、切換前に用いられていたヘッドと切換後に用いられるヘッドとを含む切換前後に用いられる複数のヘッド(冗長なヘッドを含む)の全てを、それぞれの計測値に重み付けを行って、用いても良い。この際、切り換えにより使用されなくなるヘッドの重みを1から徐々に小さくして最終的に0(ゼロ)にするのと並行して、切り換えにより新たに使用が開始されるヘッドの重みをゼロから徐々に大きくして最終的に1にすることで、ヘッドの切り換えを徐々に行っても良い。
なお、上記各実施形態では、スケール板21、22、121、221が、それぞれ4つの部分から構成され、これに対応してウエハテーブルWTB1、WTB2(ウエハステージWST1、WST2)上に4つのセンサ611〜614が設けられる場合について説明したが、これに限らず、スケール板21、22、121、221は、単一の部材によって構成されていても良い。この場合、2次元グレーティングRGは、大面積の単一の2次元グレーティングであっても良い。
また、上記各実施形態では、エンコーダシステム70又は71の計測情報に基づいて、ウエハテーブルWTB1、WTB2の6自由度方向に関する位置計測及び位置制御を行う場合について説明したが、これに限らず、エンコーダシステムの計測情報に基づいて、例えばXY平面内の3自由度方向に関する、あるいは残りの3自由度方向に関するウエハテーブルWTB1、WTB2の位置計測及び位置制御を行うこととしても良い。例えばXY平面内の3自由度方向に関するウエハテーブルの位置計測及び位置制御を行う場合、4つのセンサのそれぞれが、ウエハテーブルのXY平面内の2方向に関する位置情報を計測できれば、上記各実施形態で説明した、種々のセンサの切り換えシーケンスを実行できる。この場合、4つのセンサのそれぞれを、所定方向(例えば前述のα方向)の位置情報を計測する1つの1次元ヘッドと所定方向に直交する方向(例えば前述のβ方向)の位置情報を計測する1つの1次元ヘッドとの組み合わせによって構成することとしても良いが、必ずしも2つのヘッドを用いることなく、例えばXY平面内で交差する2方向、例えば直交2方向(前述のα方向及びβ方向)の位置情報を計測可能な1つの2次元ヘッドによって構成することも可能である。
なお、上記各実施形態では、露光装置がスキャニング・ステッパである場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に上記実施形態を適用しても良い。ステッパなどであっても、露光対象の物体が搭載されたステージの位置をエンコーダで計測することにより、干渉計によりステージの位置を計測する場合と異なり、空気揺らぎに起因する位置計測誤差の発生を殆ど零にすることができ、エンコーダの計測値に基づいて、ステージを高精度に位置決めすることが可能になり、結果的に高精度なレチクルパターンのウエハ上への転写が可能になる。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の投影露光装置にも上記実施形態は適用することができる。
また、上記実施形態では露光装置100が、2つのウエハステージを備えたツインステージ型の露光装置である場合について例示したが、これに限らず、例えば、米国特許出願公開第2007/0211235号明細書及び米国特許出願公開第2007/0127006号明細書などに開示されるようにウエハステージとは別に、計測部材(例えば、基準マーク、及び/又はセンサなど)を含む計測ステージを備える露光装置、又はウエハステージを1つのみ備えるシングルステージ型の露光装置に上記実施形態を適用しても良い。
また、上記各実施形態の露光装置を、例えば国際公開第99/49504号、米国特許出願公開第2005/0259234号明細書などに開示される液浸型としても良い。例えば局所液浸型の露光装置は、投影光学系の下端部を取り囲むように設けられ、投影光学系の下に液体で液浸領域を形成するノズル部材(ノズルユニット)を備える。基板(ウエハ)は、投影光学系と液浸領域の液体とを介して照明光で露光される。かかる局所液浸型の露光装置として、上記各実施形態の露光装置を構成する場合、ノズル部材の少なくとも一部を、スケール板21の開口21a(又はスケール板121の開口121a)内に配置することができる。
また、上記各実施形態の露光装置における投影光学系は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、照明光ILは、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に限らず、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いても良い。かかる可変成形マスクを用いる場合には、ウエハ又はガラスプレート等が搭載されるステージが、可変成形マスクに対して走査されるので、そのステージの位置をエンコーダを用いて計測することで、上記実施形態と同等の効果を得ることができる。
また、例えば国際公開第2001/035168号に開示されているように、干渉縞をウエハW上に形成することによって、ウエハW上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも上記各実施形態を適用することができる。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを、投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記各実施形態を適用することができる。
なお、上記各実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものでなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど他の物体でも良い。
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記各実施形態を適用できる。
半導体などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、上記各実施形態の露光装置で、マスクに形成されたパターンをウエハ等の物体上に転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハ(物体)を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記各実施形態の露光装置及び露光方法が用いられるので、高集積度のデバイスを歩留り良く製造することができる。
また、上記各実施形態の露光装置(パターン形成装置)は、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
以上説明したように、本発明の露光装置及び露光方法は、基板を露光するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、半導体素子又は液晶表示素子などの電子デバイスを製造するのに適している。
16…レチクルステージ位置計測系、20…主制御装置、211、212、213、214…部分、21a…開口、21…スケール板、221、222、223、224…部分、22a…開口、22…スケール板、27…ウエハステージ駆動系、601a、602a、603a、604a…ヘッド、601b、602b、603b、604b…ヘッド、611、612、613、614…センサ、70、71…エンコーダシステム、100…露光装置、ALG…アライメント系、AX…光軸、IL…照明光、PL…投影光学系、R…レチクル、RG…2次元グレーティング、RST…レチクルステージ、W…ウエハ、WST1…ウエハステージ、WST2…ウエハステージ。
Claims (40)
- 投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光装置であって、
前記基板を保持するステージと、
前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように前記ステージを移動する駆動系と、
前記ステージ上にそれぞれ配置され、それぞれ前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子が形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する第1、第2、第3及び第4センサを有し、該4つのセンサのうち、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つのセンサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得する計測系と、
前記計測系により取得された前記位置情報に基づいて前記駆動系を制御する制御系と、を備え、
前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、
前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面内における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、
前記制御系は、前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部を同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換え、
前記4つのセンサのうち、前記第1方向及び前記第2方向の一方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記一方の方向に関する離間距離のうちの最大離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最小幅より小さく、前記第1方向及び前記第2方向の他方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記他方の方向に関する離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記他方の方向に関する最大幅より大きい露光装置。 - 請求項1に記載の露光装置において、
前記制御系は、前記計測系による、前記少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、前記ステージの前記他方の方向の移動に伴い、前記ステージの位置情報の取得に用いられる計測情報を、2つのセンサの計測情報から別の2つのセンサの計測情報に切り換える露光装置。 - 請求項1に記載の露光装置において、
前記制御系は、前記計測系による、前記少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、前記ステージの前記一方の方向の移動に伴い、前記ステージの位置情報の取得に用いられる計測情報を、3つのセンサの計測情報から、前記3つのセンサと1つが異なる3つのセンサの計測情報に切り換える露光装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の露光装置において、
前記スケール部材は、前記第1方向及び前記第2方向の少なくとも一方の方向に平行な2辺を有する四角形の前記開口を有する露光装置。 - 請求項4に記載の露光装置において、
前記スケール部材の前記開口は、前記第1方向に関する幅及び前記第2方向に関する幅の少なくとも一方が、一律な、平行四辺形又は矩形の開口である露光装置。 - 投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光装置であって、
前記基板を保持するステージと、
前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように前記ステージを移動する駆動系と、
前記ステージ上にそれぞれ配置され、それぞれ前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子が形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する第1、第2、第3及び第4センサを有し、該4つのセンサのうち、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つのセンサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得する計測系と、
前記計測系により取得された前記位置情報に基づいて前記駆動系を制御する制御系と、を備え、
前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、
前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面内における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、
前記制御系は、前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部を同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換え、
前記4つのセンサのうち、前記第1方向及び第2方向の一方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記一方の方向に関する離間距離のうちの最大離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最大幅より小さく、前記離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最小幅より大きく、
前記第1方向及び第2方向の他方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記他方の方向に関する離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記他方の方向に関する最小幅より大きい露光装置。 - 請求項6に記載の露光装置において、
前記他方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記他方の方向に関する離間距離のうちの最大離間距離は、前記開口の前記他方の方向に関する最大幅より小さい露光装置。 - 請求項6に記載の露光装置において、
前記制御系は、前記計測系による、前記少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、前記ステージの前記一方の方向の移動に伴い、前記ステージの位置情報の取得に用いられる計測情報を、3つのセンサの計測情報から、前記3つのセンサと1つが異なる3つのセンサの計測情報に切り換える露光装置。 - 請求項6に記載の露光装置において、
前記制御系は、前記計測系による、前記少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、前記ステージの前記他方の方向の移動に伴い、前記ステージの位置情報の取得に用いられる計測情報を、2つのセンサの計測情報から別の2つのセンサの計測情報に切り換える露光装置。 - 請求項6〜9のいずれか一項に記載の露光装置において、
前記スケール部材の前記開口は、前記第1方向及び第2方向の各2辺を有する矩形の四隅を切り落とした八角形の開口である露光装置。 - 請求項1〜10のいずれか一項に記載の露光装置において、
前記ステージが、前記投影光学系の直下を含む露光時移動領域内を前記第1方向及び前記第2方向の一方の方向に沿って移動するとき、常時、前記4つのセンサのうち少なくとも2つが同時に前記スケール部材に対向し、
前記センサの計測情報の切り換えに際し、前記4つのセンサのうち2つのセンサのみが前記スケール部材に対向して前記計測ビームを照射可能な第1状態と、前記2つのセンサを含む少なくとも3つのセンサが前記スケール部材に同時に対向して前記計測ビームを照射可能な第2状態と、の一方から他方に遷移する露光装置。 - 投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光装置であって、
前記基板を保持するステージと、
前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように前記ステージを移動する駆動系と、
前記ステージ上にそれぞれ配置され、それぞれ前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子が形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する第1、第2、第3及び第4センサを有し、該4つのセンサのうち、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つのセンサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得する計測系と、
前記計測系により取得された前記位置情報に基づいて前記駆動系を制御する制御系と、を備え、
前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、
前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面内における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、
前記制御系は、前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部を同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換え、
前記ステージが、前記投影光学系の直下を含む露光時移動領域内を前記第1方向及び前記第2方向の一方の方向に沿って移動するとき、常時、前記4つのセンサのうち少なくとも2つが同時に前記スケール部材に対向し、
前記センサの計測情報の切り換えに際し、前記4つのセンサのうち2つのセンサのみが前記スケール部材に対向して前記計測ビームを照射可能な第1状態と、前記2つのセンサを含む少なくとも3つのセンサが前記スケール部材に同時に対向して前記計測ビームを照射可能な第2状態と、の一方から他方に遷移する露光装置。 - 請求項1〜12のいずれか一項に記載の露光装置において、
前記制御系は、前記センサの計測情報の切り換えに際し、前記切り換え前に前記ステージの位置情報の計測に用いられていた少なくとも2つのセンサの計測情報に基づいて、前記ステージの6自由度方向に関する位置を算出し、その算出した位置の情報を用いて、前記切り換え後に計測情報が新たに用いられるセンサの計測点で計測すべき位置情報を求める露光装置。 - 請求項1〜13のいずれか一項に記載の露光装置において、
前記スケール部材の前記4つの部分には、前記所定面内で互いに直交する2方向を周期方向とする2次元グレーティングが形成されている露光装置。 - 請求項14に記載の露光装置において、
前記4つのセンサの少なくとも1つは、前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる2つの計測点の一方に計測ビームを照射し、前記2方向の一方に関する前記ステージの前記第1位置情報と、前記第3位置情報及び第4位置情報の一方とを計測する第1ヘッドと、前記2つの計測点の他方に計測ビームを照射し、前記2方向の他方に関する前記ステージの前記第2位置情報と前記第3位置情報及び第4位置情報の他方とを計測する第2ヘッドと、を含む露光装置。 - 請求項1〜15のいずれか一項に記載の露光装置において、
前記投影光学系から離れて配置され、前記基板の位置情報を検出する検出系と、
前記4つの部分と異なる、それぞれ反射型格子が形成される4つの部分と、前記開口と異なる開口と、を有し、前記スケール部材と異なるスケール部材と、をさらに備え、
前記異なるスケール部材は、前記検出系が前記異なる開口内に位置するように前記スケール部材とほぼ同一平面内に配置され、
前記検出系による前記基板の検出動作中、前記計測系によって前記ステージの位置情報が計測される露光装置。 - 請求項1〜16のいずれか一項に記載の露光装置において、
前記照明光で照明されるマスクを保持するマスクステージと、
前記マスクステージの位置情報を計測する、前記計測系と異なるエンコーダシステムと、をさらに備え、
前記照明光に対して前記マスクと前記基板をそれぞれ相対移動する前記基板の走査露光が行われるように前記マスクステージおよび前記ステージの移動が制御される露光装置。 - 請求項1〜17のいずれか一項に記載の露光装置において、
前記ステージと異なるステージを、さらに備え、前記異なるステージには、前記4つのセンサと同様に構成されかつ同様に配置された前記4つのセンサと異なる4つのセンサが設けられ、
前記計測系は、前記スケール部材に下方から計測ビームを照射する前記異なる4つのセンサの少なくとも2つによって、前記6自由度方向に関する前記異なるステージの位置情報を計測する露光装置。 - 請求項1〜18のいずれか一項に記載の露光装置において、
前記投影光学系の下端部を取り囲むように設けられ、前記投影光学系の下に液体で液浸領域を形成するノズル部材を、さらに備え、
前記ノズル部材の少なくとも一部は、前記スケール部材の前記開口内に配置され、
前記基板は、前記投影光学系と前記液浸領域の液体とを介して前記照明光で露光される露光装置。 - デバイス製造方法であって、
請求項1〜19のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。 - 投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光方法であって、
前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように、前記基板を保持する前記ステージを移動することと、
前記ステージ上にそれぞれ配置される4つのセンサであって、前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子がそれぞれ形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する前記4つのセンサを有する計測系によって、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つの前記センサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得することと、
前記計測系により取得される前記位置情報に基づいて前記ステージの駆動を制御することと、を含み、
前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、
前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面内における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、
前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部が同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換えられ、
前記4つのセンサのうち、前記第1方向及び前記第2方向の一方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記一方の方向に関する離間距離のうちの最大離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最小幅より小さく、前記第1方向及び前記第2方向の他方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記他方の方向に関する離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記他方の方向に関する最大幅より大きく設定される露光方法。 - 請求項21に記載の露光方法において、
前記計測系による、前記少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、前記ステージの前記他方の方向の移動に伴い、前記ステージの位置情報の取得に用いられる計測情報が、2つのセンサの計測情報から別の2つのセンサの計測情報に切り換えられる露光方法。 - 請求項21に記載の露光方法において、
前記計測系による、前記少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、前記ステージの前記一方の方向の移動に伴い、前記ステージの位置情報の取得に用いられる計測情報が、3つのセンサの計測情報から、前記3つのセンサと1つが異なる3つのセンサの計測情報に切り換えられる露光方法。 - 請求項21〜23のいずれか一項に記載の露光方法において、
前記スケール部材には、前記第1方向及び前記第2方向の少なくとも一方の方向に平行な2辺を有する四角形の前記開口が形成されている露光方法。 - 請求項23に記載の露光方法において、
前記スケール部材には、前記第1方向に関する幅及び前記第2方向に関する幅の少なくとも一方が、一律な、平行四辺形又は矩形の前記開口が形成されている露光方法。 - 投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光方法であって、
前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように、前記基板を保持するステージを移動することと、
前記ステージ上にそれぞれ配置される4つのセンサであって、前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子がそれぞれ形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する前記4つのセンサを有する計測系によって、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つの前記センサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得することと、
前記計測系により取得される前記位置情報に基づいて前記ステージの駆動を制御することと、を含み、
前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、
前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面内における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、
前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部が同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換えられ、
前記4つのセンサのうち、前記第1方向及び第2方向の一方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記一方の方向に関する離間距離のうちの最大離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最大幅より小さく、前記離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記一方の方向に関する最小幅より大きく設定され、
前記第1方向及び第2方向の他方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記他方の方向に関する離間距離のうちの最小離間距離は、前記開口の前記他方の方向に関する最小幅より大きく設定される露光方法。 - 請求項26に記載の露光方法において、
前記他方の方向に離れた2つのセンサ間の2つの計測点の組み合わせの前記他方の方向に関する離間距離のうちの最大離間距離は、前記開口の前記他方の方向に関する最大幅より小さく設定される露光方法。 - 請求項26に記載の露光方法において、
前記計測系による、前記少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、前記ステージの前記一方の方向の移動に伴い、前記ステージの位置情報の取得に用いられる計測情報が、3つのセンサの計測情報から、前記3つのセンサと1つが異なる3つのセンサの計測情報に切り換えられる露光方法。 - 請求項26に記載の露光方法において、
前記計測系による、前記少なくとも2つのセンサの計測情報に基づく前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報の取得状態を維持しつつ、前記ステージの前記他方の方向の移動に伴い、前記ステージの位置情報の取得に用いられる計測情報を、2つのセンサの計測情報から別の2つのセンサの計測情報に切り換えられる露光方法。 - 請求項26〜29のいずれか一項に記載の露光方法において、
前記スケール部材には、前記第1方向及び第2方向の各2辺を有する矩形の四隅を切り落とした八角形の開口が形成されている露光方法。 - 請求項21〜30のいずれか一項に記載の露光方法において、
前記ステージが、前記投影光学系の直下を含む露光時移動領域内を前記第1方向及び前記第2方向の一方の方向に沿って移動するとき、常時、前記4つのセンサのうち少なくとも2つが同時に前記スケール部材に対向し、
前記センサの計測情報の切り換えに際し、前記4つのセンサのうち2つのセンサのみが前記スケール部材に対向して前記計測ビームを照射可能な第1状態と、前記2つのセンサを含む少なくとも3つのセンサが前記スケール部材に同時に対向して前記計測ビームを照射可能な第2状態と、の一方から他方に遷移する露光方法。 - 投影光学系を介して照明光で基板を露光する露光方法であって、
前記投影光学系の光軸と垂直な所定面内で互いに直交する第1方向及び第2方向を含む6自由度方向に関して前記基板が移動されるように、前記基板を保持するステージを移動することと、
前記ステージ上にそれぞれ配置される4つのセンサであって、前記所定面内で互いに交差する2方向を周期方向とする2次元の反射型格子がそれぞれ形成される4つの部分と、前記4つの部分に囲まれる開口とを有するスケール部材に対してその下方からそれぞれ計測ビームを照射する前記4つのセンサを有する計測系によって、前記スケール部材からの戻りビームを受光する少なくとも2つの前記センサの計測情報に基づいて前記6自由度方向に関する前記ステージの位置情報を取得することと、
前記計測系により取得される前記位置情報に基づいて前記ステージの駆動を制御することと、を含み、
前記スケール部材は、前記所定面に実質的に平行に配置されるとともに、前記投影光学系が前記開口内に位置するように設けられ、
前記4つのセンサのそれぞれは、前記スケール部材の前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる少なくとも2つの点を計測点として複数の計測ビームを照射し、前記所定面内における前記ステージの第1、第2位置情報と、前記所定面に直交する第3方向に関する前記ステージの第3、第4位置情報とを計測し、
前記ステージの移動による前記スケール部材の前記開口と前記4つのセンサとの位置関係の変化に伴って、前記計測系で前記ステージの位置情報の取得に用いられる前記少なくとも2つのセンサの計測情報の一部が同一のセンサ及び異なるセンサの少なくとも一方で計測される別の計測情報に切り換えられ、
前記ステージが、前記投影光学系の直下を含む露光時移動領域内を前記第1方向及び前記第2方向の一方の方向に沿って移動するとき、常時、前記4つのセンサのうち少なくとも2つが同時に前記スケール部材に対向し、
前記センサの計測情報の切り換えに際し、前記4つのセンサのうち2つのセンサのみが前記スケール部材に対向して前記計測ビームを照射可能な第1状態と、前記2つのセンサを含む少なくとも3つのセンサが前記スケール部材に同時に対向して前記計測ビームを照射可能な第2状態と、の一方から他方に遷移する露光方法。 - 請求項21〜32のいずれか一項に記載の露光方法において、
前記センサの計測情報の切り換えに際し、前記切り換え前に前記ステージの位置情報の計測に用いられていた少なくとも2つのセンサの計測情報に基づいて、前記ステージの6自由度方向に関する位置が算出され、その算出された位置の情報を用いて、前記切り換え後に計測情報が新たに用いられるセンサの計測点で計測すべき位置情報が求められる露光方法。 - 請求項21〜33のいずれか一項に記載の露光方法において、
前記スケール部材の前記4つの部分には、前記所定面内で互いに直交する2方向を周期方向とする2次元グレーティングが形成されている露光方法。 - 請求項34に記載の露光方法において、
前記4つのセンサの少なくとも1つは、前記4つの部分のうち対応する1つの部分に対して前記所定面内で位置が異なる2つの計測点の一方に計測ビームを照射し、前記2方向の一方に関する前記ステージの前記第1位置情報と、前記第3位置情報及び第4位置情報の一方とを計測する第1ヘッドと、前記2つの計測点の他方に計測ビームを照射し、前記2方向の他方に関する前記ステージの前記第2位置情報と前記第3位置情報及び第4位置情報の他方とを計測する第2ヘッドと、を含む露光方法。 - 請求項21〜35のいずれか一項に記載の露光方法において、
前記投影光学系から離れて配置される検出系によって前記基板の位置情報が検出され、
前記4つの部分と異なる、それぞれ反射型格子が形成される4つの部分と、前記開口と異なる開口と、を有し、前記スケール部材と異なるスケール部材は、前記検出系が前記異なる開口内に位置するように前記スケール部材とほぼ同一平面内に配置され、
前記検出系による前記基板の検出動作中、前記計測系によって前記ステージの位置情報が計測される露光方法。 - 請求項21〜36のいずれか一項に記載の露光方法において、
前記計測系と異なるエンコーダシステムによって、前記照明光で照明されるマスクを保持するマスクステージの位置情報が計測され、
前記照明光に対して前記マスクと前記基板をそれぞれ相対移動する前記基板の走査露光が行われるように前記マスクステージおよび前記ステージの移動が制御される露光方法。 - 請求項21〜37のいずれか一項に記載の露光方法において、
前記4つのセンサと同様に構成されかつ同様に配置された前記4つのセンサと異なる4つのセンサを有し、前記ステージと異なるステージで基板が保持され、
前記スケール部材に下方から計測ビームを照射する前記異なる4つのセンサの少なくとも2つによって、前記6自由度方向に関する前記異なるステージの位置情報が計測される露光方法。 - 請求項21〜38のいずれか一項に記載の露光方法において、
前記投影光学系の下端部を取り囲むように設けられるノズル部材によって、前記投影光学系の下に液体で液浸領域が形成されるとともに、前記基板は、前記投影光学系と前記液浸領域の液体とを介して前記照明光で露光され、
前記ノズル部材の少なくとも一部が、前記スケール部材の前記開口内に配置される露光方法。 - デバイス製造方法であって、
請求項21〜39のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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