JP2020026747A - 駆動力制御装置 - Google Patents

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Yoshihiko Amano
良彦 天野
豊 秋元
Yutaka Akimoto
豊 秋元
溝口 哲也
Tetsuya Mizoguchi
哲也 溝口
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Abstract

【課題】鞍乗型車両の個体差による所定のスロットル開度のバラツキを矯正して適切な所定のスロットル開度を設定することができ、何時までたっても変速できないことを防止することができる駆動力制御装置を提供する。【解決手段】駆動力制御装置1は、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出した場合に、スロットル開度を所定のスロットル開度に変化させるように、モータ駆動回路6を制御すると共に、スロットル開度が所定のスロットル開度に到達したにも関わらず、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量が所定値未満であるときは、所定のスロットル開度を更にスロットル開度が変化する開方向又は閉方向と同じ方向に変化させ、変化量が所定値以上になったときのスロットル開度を新たな所定のスロットル開度にする。【選択図】図1

Description

本発明は、鞍乗型車両の駆動力を制御する駆動力制御装置に関する。
自動二輪車の中には、ドッグ式トランスミッションを備えるものがある。かかるドッグ式トランスミッションでは、運転者が、メインクラッチを操作することなく、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士(ドッグ歯同士)が当接してエンジンと駆動輪との一方が他方を駆動している状態で、変速を行うことができる。かかる構成によれば、運転者が、メインクラッチの操作を省略して、迅速に変速を行うことが可能となる。
ところが、エンジンと駆動輪との一方が他方を駆動している状態では、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の接触面に大きな押圧力が作用している。このため、運転者が変速のためにドッグ同士を引き離そうとしても、接触面に押圧力に比例した大きな静止摩擦力が作用しているために、運転者の操作によりドッグ同士を引き離すことが困難となる傾向がある。
かかる状況下で、特許文献1は、自動二輪車の変速制御装置に関し、エンジンと駆動輪との一方が他方を駆動している状態において運転者の変速操作が検出された場合に、電子制御によってスロットル開度を変化させてエンジンの駆動力を変化させることにより、ドッグ同士の接触を一時的に解除する構成が開示されている。
特許第4392794号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、メインクラッチの接続を検出している状態においてドッグ式トランスミッションの変速操作を検出した場合には、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めてドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、スロットル開度を所定のスロットル開度に変化させるように調整して、エンジンの出力を一時的に変化させる制御を行うが、開発車両のセンター品でのキャリブレーションによって所定のスロットル開度を設定するため、量産された車両ではエンジン出力等のバラツキによって所定のスロットル開度が適切に設定されていない可能性がある。このような場合には、量産された車両において何時までたっても変速できないおそれがある。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、鞍乗型車両の個体差による所定のスロットル開度のバラツキを矯正して適切な所定のスロットル開度を設定することができ、何時までたっても変速できないことを防止することができる駆動力制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、第1の局面において、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載され、前記メインクラッチの接続又は遮断を検出するクラッチ状態検出部と、前記ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する変速操作検出部と、前記鞍乗型車両のギヤポジションセンサの出力に基づき前記ドッグ式トランスミッションのギヤポジションを検出するギヤポジション検出部と、前記エンジンのスロットル開度を変化させるモータを駆動するモータ駆動部と、前記クラッチ状態検出部が前記メインクラッチの接続を検出している状態において前記変速操作検出部が前記ドッグ式トランスミッションの前記変速操作を検出した場合には、前記ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めて前記ドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、前記モータ駆動部を制御することによって前記スロットル開度を一時的に変化させて前記駆動力を一時的に変化させる制御部と、を備える駆動力制御装置であって、前記ドッグ同士の前記係合が解除可能な所定のスロットル開度が予め設定されており、前記制御部は、前記クラッチ状態検出部が前記メインクラッチの前記接続を検出している状態において前記変速操作検出部が前記ドッグ式トランスミッションの前記変速操作を検出した場合に、前記スロットル開度を前記所定のスロットル開度に変化させるように、前記モータ駆動部を制御すると共に、前記スロットル開度が前記所定のスロットル開度に到達したにも関わらず、前記ギヤポジションセンサの出力の変化量が所定値未満であるときは、前記所定のスロットル開度を更に前記スロットル開度が変化する開方向又は閉方向と同じ方向に変化させて前記変化量が前記所定値以上になったときに前記所定のスロットル開度の変化を停止させ、前記変化量が前記所定値以上になったときの前記スロットル開度を新たな前記所定のスロットル開度にする駆動力制御装置である。
本発明の第1の局面にかかる駆動力制御装置においては、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載され、メインクラッチの接続又は遮断を検出するクラッチ状態検出部と、ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する変速操作検出部と、鞍乗型車両のギヤポジションセンサの出力に基づきドッグ式トランスミッションのギヤポジションを検出するギヤポジション検出部と、エンジンのスロットル開度を変化させるモータを駆動するモータ駆動部と、クラッチ状態検出部がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出した場合には、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めてドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、モータ駆動部を制御することによってスロットル開度を一時的に変化させて駆動力を一時的に変化させる制御部と、を備える駆動力制御装置であって、ドッグ同士の係合が解除可能な所定のスロットル開度が予め設定されており、制御部は、クラッチ状態検出部がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出した場合に、スロットル開度を所定のスロットル開度に変化させるように、モータ駆動部を制御すると共に、スロットル開度が所定のスロットル開度に到達したにも関わらず、ギヤポジションセンサの出力の変化量が所定値未満であるときは、所定のスロットル開度を更にスロットル開度が変化する開方向又は閉方向と同じ方向に変化させて変化量が所定値以上になったときに所定のスロットル開度の変化を停止させ、変化量が所定値以上になったときのスロットル開度を新たな所定のスロットル開度にするものであるため、ライダーの身体的ストレス又は鞍乗型車両の機構へのストレスを防ぐことができる。
図1は、本発明の実施形態における駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施形態におけるシフトアップ時のノーロードライン補正処理を示すフロー図である。 図3は、本発明の実施形態における駆動力制御装置がシフトアップ時のノーロードライン補正処理を実行する場合のスロットル開度の推移を示すタイミングチャートである。 図4は、本発明の実施形態におけるシフトダウン時のノーロードライン補正処理を示すフロー図である。 図5は、本発明の実施形態における駆動力制御装置がシフトダウン時のノーロードライン補正処理を実行する場合のスロットル開度の推移を示すタイミングチャートである。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における駆動力制御装置につき、詳細に説明する。
<駆動力制御装置の構成>
図1を参照して、本実施形態における駆動力制御装置の構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態における駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態における駆動力制御装置1は、ECU(Electronic Control Unit)等の電子制御装置によって構成され、いずれも図示を省略するメインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する典型的には自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載されている。
駆動力制御装置1は、クラッチ状態検出部2、変速操作検出部3、ギヤポジション検出部4、制御部5、モータ駆動回路6、待機タイマ7、及びTH補正タイマ8を備えている。なお、これらのクラッチ状態検出部2、変速操作検出部3、ギヤポジション検出部4、制御部5、待機タイマ7、及びTH補正タイマ8は、各々ECUの機能ブロックとして示している。また、駆動力制御装置1は、図示を省略するメモリ等を備えており、メモリには、駆動力制御装置1に必要な制御プログラム及び制御データ等が格納されている。
具体的には、クラッチ状態検出部2は、運転者がメインクラッチを接続又は遮断する際のその操作に関する情報を坦持するクラッチスイッチ11からの入力信号に基づいて、メインクラッチの接続又は遮断を検出する。クラッチ状態検出部2は、このように検出したメインクラッチの断続操作に応じた電気信号を制御部5に入力する。
変速操作検出部3は、運転者がドッグ式トランスミッションの変速操作を行う際のその変速操作に関する情報を坦持する変速操作スイッチ12からの入力信号に基づいて、ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する。変速操作検出部3は、このように検出したドッグ式トランスミッションの変速操作の有無に応じた電気信号を制御部5に入力する。
ギヤポジション検出部4は、ギヤポジションセンサ14から入力されるドッグ式トランスミッションのシフトドラムの回転角を示す電気信号に基づいて、ドッグ式トランスミッションで選択されている変速段(ギヤポジション)を検出し、検出した変速段に応じた電気信号を制御部5に入力する。
制御部5は、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出した場合には、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めてドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、スロットルモータ13の駆動によるエンジンのスロットルバルブの開度(スロットル開度)、つまり実際のスロットル開度である実スロットル開度を調整して、エンジンの出力を一時的に変化させるようにこれを制御する。この際に、制御部5は、ギヤポジションセンサ14から入力される電気信号及びスロットルポジションセンサ15から入力される電気信号と、待機タイマ7及びTH補正タイマ8と、をも用いながら、後述のシフトアップ時のノーロードライン補正処理及びシフトダウン時のノーロードライン補正処理を実行する。制御部5は、このようにスロットル開度を調整するための制御信号を、モータ駆動回路6に入力する。スロットルポジションセンサ15は、エンジンのスロットル開度に応じた電気信号を入力する。
制御部5は、ギヤポジション検出部4、アクセル開度センサ16及びクランク角センサ17からの入力信号をも更に用いて、エンジンの駆動力を制御する。アクセル開度センサ16は、鞍乗型車両のアクセルグリップ等のアクセル操作部材の操作量(アクセル開度)に応じた電気信号を入力する。また、クランク角センサ17は、エンジンのクランク角(クランク軸の回転角度)に応じた電気信号を入力する。
モータ駆動回路6は、制御部5からの制御信号に従って、スロットルモータ13を駆動することによってスロットル開度を制御する。
待機タイマ7は、制御部5からの制御信号に従って計時処理を実行する。
TH補正タイマ8は、制御部5からの制御信号に従って計時処理を実行する。
以上のような構成を有する駆動力制御装置1は、以下に示すシフトアップ時のノーロードライン補正処理及びシフトダウン時のノーロードライン補正処理を実行することによって、鞍乗型車両の個体差による所定のスロットル開度のバラツキを矯正して適切な所定のスロットル開度を設定すると共に、何時までたっても変速できないことを防止する。以下、更に図2から図5をも参照して、シフトアップ時のノーロードライン補正処理及びシフトダウン時のノーロードライン補正処理を実行する際の駆動力制御装置1の動作について、詳細に説明する。
<シフトアップ時のノーロードライン補正処理>
図2及び図3を参照して、本実施形態におけるシフトアップ時のノーロードライン補正処理の具体的な流れについて詳しく説明する。
図2は、本発明の実施形態におけるシフトアップ時のノーロードライン補正処理を示すフロー図である。図3は、本発明の実施形態における駆動力制御装置がシフトアップ時のノーロードライン補正処理を実行する場合のスロットル開度の推移を示すタイミングチャートである。図3における実スロットル開度THEGSは、シフトアップ時のノーロードライン補正処理の初回実行時からの推移を示している。なお、図3は、2速から3速にシフトアップする場合を例示している。また、図3において、ライダー要求開度THCEGSは、アクセル開度センサ16からの出力値より求まる鞍乗型車両のアクセル操作部材の操作量に応じたスロットルバルブの目標開度である。
図2に示すシフトアップ時のノーロードライン補正処理は、鞍乗型車両の図示しないイグニッションスイッチがオンされて駆動力制御装置1が起動されたタイミングで開始となり、シフトアップ時のノーロードライン補正処理はステップS1の処理に進む。シフトアップ時のノーロードライン補正処理は、鞍乗型車両が起動されて駆動力制御装置1が起動されている間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、制御部5が、クラッチ状態検出部2から入力される電気信号と、変速操作検出部3から入力される電気信号と、に基づいて、駆動力制御の実施要求が有るか否かを判定する。判定の結果、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出する状態において変速操作検出部3がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出することにより駆動力制御の実施要求が有ると判定した場合には、制御部5は、シフトアップ時のノーロードライン補正処理をステップS2の処理に進める。一方、駆動力制御の実施要求が無いと判定した場合には、制御部5は、シフトアップ時のノーロードライン補正処理を終了する。この駆動力制御は、メインクラッチを操作することなく、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めてドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、スロットル開度を操作することによりエンジンのトルクを制御してギヤを切り替えるギヤ変速システムにおける制御である。
ステップS2の処理では、制御部5が、スロットルポジションセンサ15から入力される電気信号に基づいてスロットルバルブを閉じる操作(TH Close操作)が行われたか否かを判定する。判定の結果、スロットルバルブを閉じる操作が行われた場合には、制御部5は、シフトアップ時のノーロードライン補正処理をステップS3の処理に進める。一方、スロットルバルブを閉じる操作が行われなかった場合には、制御部5は、シフトアップ時のノーロードライン補正処理を終了する。このスロットルバルブを閉じる操作は、主にシフトアップ用にスロットルバルブを閉じることでエンジンのトルクを低減し、ドッグ式トランスミッションのドッグテンションを抜いて、ギヤを切り替えるための操作である。
ここで、制御部5は、駆動力制御の実施要求が有る場合であってスロットルバルブを閉じる操作が行われた場合には、実スロットル開度THEGSを調整するためのエンジンの目標スロットル開度THCTRGEGSを設定し、実スロットル開度THEGSが目標スロットル開度THCTRGEGSになるようにモータ駆動回路6の動作を制御することにより、エンジンの出力を一時的に変化させる。
具体的には、制御部5は、図3に示す時刻t=t1において、目標スロットル開度THCTRGEGSを、イニシャル開度TH1に設定する。即ち、ドッグ式トランスミッションの変速操作がシフトアップ操作(下位の変速段から上位の変速段に変速段を変化させる変速操作)である場合には、制御部5は、ノーロードラインに対応するスロットル開度(以下、「ノーロードライン開度」と記載する)TH0に対して、それを大きい値の側から小さい値の側に越えるようなイニシャル開度TH1に、目標スロットル開度THCTRGEGSを設定する。かかるノーロードライン開度TH0は、例えば開発車両のセンター品でのキャリブレーションによって設定される。ここで、ノーロードラインは、エンジンにおける抵抗力と釣り合ったエンジンの駆動力を発生させるための実スロットル開度THEGSに応じたエンジン回転数の特性線として規定されるものである。また、イニシャル開度TH1は、ノーロードライン開度TH0からエンジン回転速度に応じて偏位した開度値を有する。
また、制御部5は、シフトアップ時のノーロードライン補正処理の初回実行時の図3に示す時刻t=t1において、待機タイマ7に制御信号を出力して計時処理の実行を開始させる。
そして、シフトアップ時のノーロードライン補正処理の初回実行時には、制御部5は、目標スロットル開度THCTRGEGSを所定のスロットル開度としてのノーロードライン開度TH0に設定する。これにより、制御部5は、図3に示す時刻t=t2以降において、実スロットル開度THEGSがノーロードライン開度TH0になるようにモータ駆動回路6を制御する。
なお、制御部5は、駆動力制御において、図3に示す時刻t=t1からt8まではエンジンの駆動力を変化させるための駆動力制御実施処理を実行し、図3に示す時刻t=t8からt9までは駆動力制御実施処理によって変化させたエンジンの駆動力を元に戻すための駆動力制御復帰処理を実行する。
ステップS3の処理では、制御部5が、待機タイマ7の計時処理により計時する値が「0」より大きいか否かを判定する。判定の結果、待機タイマ7により計時する値が「0」以下の場合には、制御部5は、TH補正タイマ8に制御信号を出力して計時処理の実行を開始させると共に、シフトアップ時のノーロードライン補正処理をステップS4の処理に進める。一方、待機タイマ7により計時する値が「0」より大きい場合には、制御部5は、シフトアップ時のノーロードライン補正処理をステップS10の処理に進める。
具体的には、図3に示す時刻t=t2において、制御部5は、待機タイマ7により計時する値が「0」となるため、TH補正タイマ8に計時処理の実行を開始させる。
ステップS4の処理では、制御部5が、ギヤポジションセンサ14から入力される電気信号に基づいて、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値以上であるか否かを判定する。制御部5は、ギヤポジションセンサ14の出力を図示しないAD変換器で変換したAD値を、変化量ΔGPADとして取得する。判定の結果、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値以上の場合には、制御部5は、ドッグ同士の係合が解除されたと判断して、シフトアップ時のノーロードライン補正処理を終了する。一方、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値未満の場合には、制御部5は、シフトアップ時のノーロードライン補正処理をステップS5の処理に進める。
具体的には、図3に示す時刻t=t7において、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値としての切換え閾値SH以上になるため、制御部5は、シフトアップ時のノーロードライン補正処理を終了する。これによって、制御部5は、後述の図3に示す時刻t=t6で求めて学習したスロットル開度TH5を、ノーロードライン開度TH0に代わる所定のスロットル開度としての新たな目標スロットル開度THCTRGEGSとして設定し、実スロットル開度THEGSがこの新たな目標スロットル開度THCTRGEGSになるようにモータ駆動回路6を制御する。
ステップS5の処理では、制御部5が、TH補正タイマ8により計時する値が「0」より大きいか否かを判定する。判定の結果、TH補正タイマ8により計時する値が「0」以下の場合には、制御部5は、シフトアップ時のノーロードライン補正処理をステップS6の処理に進める。一方、TH補正タイマ8により計時する値が「0」より大きい場合には、制御部5は、シフトアップ時のノーロードライン補正処理をステップS9の処理に進める。
ステップS6の処理では、制御部5が、目標スロットル開度THCTRGEGSから所定開度を減算する。これにより、ステップS6の処理は完了し、シフトアップ時のノーロードライン補正処理はステップS7の処理に進む。
具体的には、制御部5は、TH補正タイマ8により計時する値が「0」になる図3に示す時刻t=t3において、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値としての切換え閾値SH未満であるため、ノーロードライン開度TH0から所定開度としての補正量βを減算して、実スロットル開度THEGSが変化する閉方向と同じ方向にノーロードライン開度TH0を変化させて補正する。制御部5は、ノーロードライン開度TH0を補正したスロットル開度TH2を、新たな目標スロットル開度THCTRGEGSにする。
また、制御部5は、TH補正タイマ8により計時する値が「0」になる図3に示す時刻t=t4、t5及びt6の各々において、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値としての切換え閾値SH未満であるため、時刻t=t4においてスロットル開度TH2から補正量βを減算したスロットル開度TH3を新たな目標スロットル開度THCTRGEGSにし、時刻t=t5においてスロットル開度TH3から補正量βを減算したスロットル開度TH4を新たな目標スロットル開度THCTRGEGSにすると共に、時刻t=t6においてスロットル開度TH4から補正量βを減算したスロットル開度TH5を新たな目標スロットル開度THCTRGEGSにする。
ステップS7の処理では、制御部5が、目標スロットル開度THCTRGEGSを学習し、学習した目標スロットル開度THCTRGEGSを図示しないメモリに記憶する。これにより、ステップS7の処理は完了し、シフトアップ時のノーロードライン補正処理はステップS8の処理に進む。
具体的には、制御部5は、図3に示す時刻t=t6において求めたスロットル開度TH5を新たな目標スロットル開度THCTRGEGSとして学習して記憶する。
ステップS8の処理では、制御部5が、TH補正タイマ8に所定時間をセットする。これにより、ステップS8の処理は完了し、シフトアップ時のノーロードライン補正処理は終了する。
具体的には、図3に示す時刻t=t3、t4、t5、t6において、制御部5は、TH補正タイマ8に所定時間をセットする。
ステップS9の処理では、制御部5が、TH補正タイマ8により計時する時間から所定時間を減算する。これにより、ステップS9の処理は完了し、シフトアップ時のノーロードライン補正処理は終了する。
具体的には、図3に示す時刻t=t2とt3との間、t3とt4との間、t4とt5との間、及びt5とt6との間において、TH補正タイマ8により計時する時間から所定時間を減算する。
ステップS10の処理では、制御部5が、待機タイマ7により計時する時間から所定時間を減算する。これにより、ステップS10の処理は完了し、シフトアップ時のノーロードライン補正処理は終了する。
具体的には、図3に示す時刻t=t1とt2との間において、待機タイマ7により計時する時間から所定時間を減算する。
上記のシフトアップ時のノーロードライン補正処理を実行することにより、ノーロードライン開度TH0の鞍乗型車両毎のバラツキを矯正して無くすることができる。また、ノーロードライン開度TH0をスロットル開度TH5に補正(偏差を補正)して新たな目標スロットル開度THCTRGEGSに設定して、実スロットル開度THEGSがこの新たな目標スロットル開度THCTRGEGSになるように制御することにより、何時までたっても変速できないことを防止することができ、ライダーの身体的ストレス又は鞍乗型車両の機構へのストレスを防ぐことができる。
また、上記のシフトアップ時のノーロードライン補正処理において、所定のスロットル開度としての目標スロットル開度THCTRGEGSを変化させる処理は、目標スロットル開度THCTRGEGSを変化させてから、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが切換え閾値SHを超え得るTH補正タイマ8で計時する所定時間が経過してから実施することにより、機械的な応答遅れによる目標スロットル開度THCTRGEGSの過剰な補正を防止することができ、目標スロットル開度THCTRGEGSを適切な補正量で補正することができる。
<シフトダウン時のノーロードライン補正処理>
図4及び図5を参照して、本実施形態におけるシフトダウン時のノーロードライン補正処理の具体的な流れについて詳しく説明する。
図4は、本発明の実施形態におけるシフトダウン時のノーロードライン補正処理を示すフロー図である。図5は、本発明の実施形態における駆動力制御装置がシフトダウン時のノーロードライン補正処理を実行する場合のスロットル開度の推移を示すタイミングチャートである。図4における実スロットル開度THEGSは、シフトダウン時のノーロードライン補正処理の初回実行時からの推移を示している。なお、図5は、3速から2速にシフトダウンする場合を例示している。また、図5において、ライダー要求開度THCEGSは、アクセル開度センサ16からの出力値より求まる鞍乗型車両のアクセル操作部材の操作量に応じたスロットルバルブの目標開度である。
図4に示すシフトダウン時のノーロードライン補正処理は、鞍乗型車両の図示しないイグニッションスイッチがオンされて駆動力制御装置1が起動されたタイミングで開始となり、シフトダウン時のノーロードライン補正処理はステップS21の処理に進む。シフトダウン時のノーロードライン補正処理は、鞍乗型車両が起動されて駆動力制御装置1が起動されている間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS21の処理では、制御部5が、クラッチ状態検出部2から入力される電気信号と、変速操作検出部3から入力される電気信号と、に基づいて、駆動力制御の実施要求が有るか否かを判定する。判定の結果、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出する状態において変速操作検出部3がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出することにより駆動力制御の実施要求が有ると判定した場合には、制御部5は、シフトダウン時のノーロードライン補正処理をステップS22の処理に進める。一方、駆動力制御の実施要求が無いと判定した場合には、制御部5は、シフトダウン時のノーロードライン補正処理を終了する。この駆動力制御は、メインクラッチを操作することなく、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めてドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、スロットル開度を操作することによりエンジンのトルクを制御してギヤを切り替えるギヤ変速システムにおける制御である。
ステップS22の処理では、制御部5が、スロットルポジションセンサ15から入力される電気信号に基づいてスロットルバルブを開く操作(TH open操作)が行われたか否かを判定する。判定の結果、スロットルバルブを閉じる操作が行われた場合には、制御部5は、シフトダウン時のノーロードライン補正処理をステップS23の処理に進める。一方、スロットルバルブを閉じる操作が行われなかった場合には、制御部5は、シフトダウン時のノーロードライン補正処理を終了する。このスロットルバルブを開く操作は、主にシフトダウン用にスロットルバルブを開くことでエンジンのトルクを低減し、ドッグ式トランスミッションのドッグテンションを抜いて、ギヤを切り替えるための操作である。
ここで、制御部5は、駆動力制御の実施要求が有る場合であってスロットルバルブを開く操作が行われた場合には、実スロットル開度THEGSを調整するためのエンジンの目標スロットル開度THCTRGEGSを設定し、実スロットル開度THEGSが目標スロットル開度THCTRGEGSになるようにモータ駆動回路6の動作を制御することにより、エンジンの出力を一時的に変化させる。
具体的には、制御部5は、図5に示す時刻t=t11において、目標スロットル開度THCTRGEGSを、イニシャル開度TH11に設定する。即ち、ドッグ式トランスミッションの変速操作がシフトダウン操作(上位の変速段から下位の変速段に変速段を変化させる変速操作)である場合には、制御部5は、ノーロードライン開度TH10に対して、それを大きい値の側から小さい値の側に越えるようなイニシャル開度TH11に、目標スロットル開度THCTRGEGSを設定する。かかるノーロードライン開度TH10は、例えば開発車両のセンター品でのキャリブレーションによって設定される。ここで、イニシャル開度TH11は、ノーロードライン開度TH10からエンジン回転速度に応じて偏位した開度値を有する。
また、制御部5は、シフトダウン時のノーロードライン補正処理の初回実行時の図5に示す時刻t=t11において、待機タイマ7に制御信号を出力して計時処理の実行を開始させる。
そして、シフトダウン時のノーロードライン補正処理の初回実行時には、制御部5は、目標スロットル開度THCTRGEGSを所定のスロットル開度としてのノーロードライン開度TH10に設定する。これにより、制御部5は、図5に示す時刻t=t12以降において、実スロットル開度THEGSがノーロードライン開度TH10になるようにモータ駆動回路6を制御する。
なお、制御部5は、駆動力制御において、図5に示す時刻t=t11からt17まではエンジンの駆動力を変化させるための駆動力制御実施処理を実行し、図5に示す時刻t=t17からt18までは駆動力制御実施処理によって変化させたエンジンの駆動力を元に戻すための駆動力制御復帰処理を実行する。
ステップS23の処理では、制御部5が、待機タイマ7の計時処理により計時する値が「0」より大きいか否かを判定する。判定の結果、待機タイマ7により計時する値が「0」以下の場合には、制御部5は、TH補正タイマ8に制御信号を出力して計時処理の実行を開始させると共に、シフトダウン時のノーロードライン補正処理をステップS24の処理に進める。一方、待機タイマ7により計時する値が「0」より大きい場合には、制御部5は、シフトダウン時のノーロードライン補正処理をステップS30の処理に進める。
具体的には、図5に示す時刻t=t12において、制御部5は、待機タイマ7により計時する値が「0」となるため、TH補正タイマ8に計時処理の実行を開始させる。
ステップS24の処理では、制御部5が、ギヤポジションセンサ14から入力される電気信号に基づいて、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値以上であるか否かを判定する。制御部5は、ギヤポジションセンサ14の出力を図示しないAD変換器で変換したAD値を、変化量ΔGPADとして取得する。判定の結果、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値以上の場合には、制御部5は、ドッグ同士の係合が解除されたと判断して、シフトダウン時のノーロードライン補正処理を終了する。一方、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値未満の場合には、制御部5は、シフトダウン時のノーロードライン補正処理をステップS25の処理に進める。
具体的には、図5に示す時刻t=t16において、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値としての切換え閾値SH以上になるため、制御部5は、シフトダウン時のノーロードライン補正処理を終了する。これによって、制御部5は、後述の図5に示す時刻t=t15で求めて学習したスロットル開度TH14を、ノーロードライン開度TH10に代わる所定のスロットル開度としての新たな目標スロットル開度THCTRGEGSとして設定し、実スロットル開度THEGSがこの新たな目標スロットル開度THCTRGEGSになるようにモータ駆動回路6を制御する。
ステップS25の処理では、制御部5が、TH補正タイマ8により計時する値が「0」より大きいか否かを判定する。判定の結果、TH補正タイマ8により計時する値が「0」以下の場合には、制御部5は、シフトダウン時のノーロードライン補正処理をステップS26の処理に進める。一方、TH補正タイマ8により計時する値が「0」より大きい場合には、制御部5は、シフトダウン時のノーロードライン補正処理をステップS29の処理に進める。
ステップS26の処理では、制御部5が、目標スロットル開度THCTRGEGSに所定開度を加算する。これにより、ステップS26の処理は完了し、シフトダウン時のノーロードライン補正処理はステップS27の処理に進む。
具体的には、制御部5は、TH補正タイマ8により計時する値が「0」になる図5に示す時刻t=t13において、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値としての切換え閾値SH未満であるため、ノーロードライン開度TH10に所定開度としての補正量βを加算して、実スロットル開度THEGSが変化する開方向と同じ方向にノーロードライン開度TH10を変化させて補正する。制御部5は、ノーロードライン開度TH10を補正したスロットル開度TH12を、新たな目標スロットル開度THCTRGEGSにする。
また、制御部5は、TH補正タイマ8により計時する値が「0」になる図5に示す時刻t=t14及びt15の各々において、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが所定値としての切換え閾値SH未満であるため、時刻t=t14においてスロットル開度TH12に補正量βを加算したスロットル開度TH13を新たな目標スロットル開度THCTRGEGSにすると共に、時刻t=t15においてスロットル開度TH13に補正量βを加算したスロットル開度TH14を新たな目標スロットル開度THCTRGEGSにする。
ステップS27の処理では、制御部5が、目標スロットル開度THCTRGEGSを学習し、学習した目標スロットル開度THCTRGEGSを図示しないメモリに記憶する。これにより、ステップS27の処理は完了し、シフトダウン時のノーロードライン補正処理はステップS28の処理に進む。
具体的には、制御部5は、図5に示す時刻t=t15において求めたスロットル開度TH14を新たな目標スロットル開度THCTRGEGSとして学習して記憶する。
ステップS28の処理では、制御部5が、TH補正タイマ8に所定時間をセットする。これにより、ステップS28の処理は完了し、シフトダウン時のノーロードライン補正処理は終了する。
具体的には、図5に示す時刻t=t13、t14、t15において、制御部5は、TH補正タイマ8に所定時間をセットする。
ステップS29の処理では、制御部5が、TH補正タイマ8により計時する時間から所定時間を減算する。これにより、ステップS29の処理は完了し、シフトダウン時のノーロードライン補正処理は終了する。
具体的には、図5に示す時刻t=t12とt13との間、t13とt14との間、t14とt15との間、及びt15とt16との間において、TH補正タイマ8により計時する時間から所定時間を減算する。
ステップS30の処理では、制御部5が、待機タイマ7により計時する時間から所定時間を減算する。これにより、ステップS30の処理は完了し、シフトダウン時のノーロードライン補正処理は終了する。
具体的には、図5に示す時刻t=t11とt12との間において、待機タイマ7により計時する時間から所定時間を減算する。
上記のシフトダウン時のノーロードライン補正処理を実行することにより、ノーロードライン開度TH10の鞍乗型車両毎のバラツキを矯正して無くすることができる。また、ノーロードライン開度TH10をスロットル開度TH14に補正(偏差を補正)して新たな目標スロットル開度THCTRGEGSに設定して、実スロットル開度THEGSがこの新たな目標スロットル開度THCTRGEGSになるように制御することにより、何時までたっても変速できないことを防止することができ、ライダーの身体的ストレス又は鞍乗型車両の機構へのストレスを防ぐことができる。
また、上記のシフトダウン時のノーロードライン補正処理において、所定のスロットル開度としての目標スロットル開度THCTRGEGSを変化させる処理は、目標スロットル開度THCTRGEGSを変化させてから、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量ΔGPADが切換え閾値SHを超え得るTH補正タイマ8で計時する所定時間が経過してから実施することにより、機械的な応答遅れによる目標スロットル開度THCTRGEGSの過剰な補正を防止することができ、目標スロットル開度THCTRGEGSを適切な補正量で補正することができる。
以上の本実施形態における駆動力制御装置では、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載され、メインクラッチの接続又は遮断を検出するクラッチ状態検出部2と、ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する変速操作検出部3と、鞍乗型車両のギヤポジションセンサ14の出力に基づきドッグ式トランスミッションのギヤポジションを検出するギヤポジション検出部4と、エンジンのスロットル開度を変化させるモータを駆動するモータ駆動回路6と、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出した場合には、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めてドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、モータ駆動回路6を制御することによってスロットル開度を一時的に変化させて駆動力を一時的に変化させる制御部5と、を備える駆動力制御装置であって、ドッグ同士の係合が解除可能な所定のスロットル開度が予め設定されており、制御部5は、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出した場合に、スロットル開度を所定のスロットル開度に変化させるように、モータ駆動回路6を制御すると共に、スロットル開度が所定のスロットル開度に到達したにも関わらず、ギヤポジションセンサ14の出力の変化量が所定値未満であるときは、所定のスロットル開度を更にスロットル開度が変化する開方向又は閉方向と同じ方向に変化させて変化量が所定値以上になったときに所定のスロットル開度の変化を停止させ、変化量が所定値以上になったときのスロットル開度を新たな所定のスロットル開度にするものであるため、鞍乗型車両の個体差による所定のスロットル開度のバラツキを矯正して適切な所定のスロットル開度を設定することができ、何時までたっても変速できないことを防止することができる。
本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
具体的には、上記実施形態において、シフトアップ時のノーロードライン補正処理及びシフトダウン時のノーロードライン補正処理における補正量βをエンジンの回転数に応じた値にしてもよい。例えば、エンジン回転数が下がる場合の補正量βを、エンジン回転数が上がる場合の補正量βよりも小さい値にする。
以上のように、本発明においては、鞍乗型車両の個体差による所定のスロットル開度のバラツキを矯正して適切な所定のスロットル開度を設定することができ、何時までたっても変速できないことを防止することが可能な駆動力制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から自動二輪車等の鞍乗型車両の駆動力制御装置に広範に適用され得るものと期待される。
1…駆動力制御装置
2…クラッチ状態検出部
3…変速操作検出部
4…ギヤポジション検出部
5…制御部
6…モータ駆動回路
7…待機タイマ
8…TH補正タイマ
11…クラッチスイッチ
12…変速操作スイッチ
13…スロットルモータ
14…ギヤポジションセンサ
15…スロットルポジションセンサ
16…アクセル開度センサ
17…クランク角度センサ

Claims (1)

  1. メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載され、前記メインクラッチの接続又は遮断を検出するクラッチ状態検出部と、前記ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する変速操作検出部と、前記鞍乗型車両のギヤポジションセンサの出力に基づき前記ドッグ式トランスミッションのギヤポジションを検出するギヤポジション検出部と、前記エンジンのスロットル開度を変化させるモータを駆動するモータ駆動部と、前記クラッチ状態検出部が前記メインクラッチの接続を検出している状態において前記変速操作検出部が前記ドッグ式トランスミッションの前記変速操作を検出した場合には、前記ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めて前記ドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、前記モータ駆動部を制御することによって前記スロットル開度を一時的に変化させて前記駆動力を一時的に変化させる制御部と、を備える駆動力制御装置であって、
    前記ドッグ同士の前記係合が解除可能な所定のスロットル開度が予め設定されており、
    前記制御部は、前記クラッチ状態検出部が前記メインクラッチの前記接続を検出している状態において前記変速操作検出部が前記ドッグ式トランスミッションの前記変速操作を検出した場合に、前記スロットル開度を前記所定のスロットル開度に変化させるように、前記モータ駆動部を制御すると共に、前記スロットル開度が前記所定のスロットル開度に到達したにも関わらず、前記ギヤポジションセンサの出力の変化量が所定値未満であるときは、前記所定のスロットル開度を更に前記スロットル開度が変化する開方向又は閉方向と同じ方向に変化させて前記変化量が前記所定値以上になったときに前記所定のスロットル開度の変化を停止させ、前記変化量が前記所定値以上になったときの前記スロットル開度を新たな前記所定のスロットル開度にする、
    ことを特徴とする駆動力制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021129757A (ja) * 2020-02-20 2021-09-09 株式会社大一商会 遊技機
JP2021129758A (ja) * 2020-02-20 2021-09-09 株式会社大一商会 遊技機
JP2021129759A (ja) * 2020-02-20 2021-09-09 株式会社大一商会 遊技機

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