JP2020026181A - 係留システム - Google Patents

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Abstract

【課題】係留張力の変動を抑制するとともに浮体の揺動を抑制する。【解決手段】係留システム1では、水面91に浮かぶ浮体2と、水底92に固定された係留基体3と、係留ライン4と、減揺部5とを備える。浮体2は、上下方向に平行な対称面について面対称形状を有する。係留ライン4は、浮体2と係留基体3とを1点係留にて接続する。係留ライン4は、浮体2の重心Gから側方に離間した係留点21にて浮体2に接続される。減揺部5は、浮体2に接続されて浮体2のピッチングを抑制する。これにより、係留ライン4に作用する係留張力の変動を抑制することができるとともに、浮体2の揺動を抑制することもできる。【選択図】図1

Description

本発明は、浮体を係留する係留システムに関する。
従来、浮魚礁等の海中または海面に浮遊する浮体を係留する係留システムでは、浮体と海底に設けられた係留基体とがチェーン等の係留ラインにより連結されている。例えば、特許文献1および特許文献2では、水没状態で水中を浮遊する水産用水中構造物を1点係留する係留システムが開示されている。当該係留システムでは、平面視において三角形の枠状の水中構造物が、海底に設置されたアンカーに係留索を介して1点係留される。係留索は、水中構造物の1つの頂点(すなわち、上流側の端部)に設けられた係留点に接続されており、水中構造物の浮心は、当該係留点と水中構造物の重心との間に位置する。これにより、構造物が水中において姿勢を自己保持することができるため、外乱に対して安定した状態が維持される。
なお、特許文献3では、海面に浮遊する係留ブイを、複数のチェーンを介して海底に多点係留し、当該係留ブイから側方に突出するヨーク(すなわち、剛体であるくびき)を介してバージを係留する係留システムが開示されている。当該係留システムでは、バージによりヨークおよび係留ブイに作用する係留力を軽減することを目的として、バージにフィンが装着されている。なお、多点係留とは、1つの浮体(例えば、上述の係留ブイや水中構造物等)を、海底に設けられた2つ以上の係留基体(例えば、上述のアンカー等)に接続して係留する係留方法である。一方、1点係留とは、1つの浮体を、海底に設けられた1つの係留基体のみに接続して係留する係留方法である。
特公昭59−37051号公報 実公昭57−42305号公報 実開昭63−32997号公報
ところで、海面に浮かぶ浮体と、海底に設けられた係留基体とを係留ラインにより係留する場合、波浪、潮流および風等の外力が浮体に作用することにより、係留ラインに作用する係留張力が大きくなる。特に、特許文献3のように多点係留の場合、浮体に作用する外力の方向が急激に変化した場合等、係留ラインに衝撃力が作用するおそれもある。
一方、海面に浮かぶ浮体と海底の係留基体とを1点係留にて接続した場合、外力を受けた浮体が振れ回ることにより、係留ラインに作用する係留張力はある程度小さくなる。しかしながら、このような係留システムでは、波浪等の外力の変動に伴う係留張力の変動の更なる抑制が求められている。また、当該係留システムでは、外力を受けた浮体が比較的大きく揺動するおそれもある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、係留張力の変動を抑制するとともに浮体の揺動を抑制することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、浮体を係留する係留システムであって、上下方向に平行な対称面について面対称形状を有し、水面に浮かぶ浮体と、水底に固定された係留基体と、前記浮体の重心から側方に離間した係留点にて前記浮体に接続され、前記浮体と前記係留基体とを1点係留にて接続する係留ラインと、前記浮体に接続されて前記浮体のピッチングを抑制する減揺部とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の係留システムであって、前記浮体は、上下方向を向く中心軸を中心とする軸対称形状を有し、前記係留点は、前記中心軸から径方向外側に離間した位置に位置する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の係留システムであって、前記係留点は、前記浮体の径方向外端部に位置する。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の係留システムであって、前記減揺部は、前記重心を挟んで前記係留点の反対側にて前記浮体の外側面から外方に突出する板状のフィンを備える。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の係留システムであって、前記フィンは、全周に亘って前記浮体の前記外側面から径方向外方に突出する。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の係留システムであって、前記減揺部は、前記重心を挟んで前記係留点の反対側にて前記浮体に固定される錘を備える。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の係留システムであって、前記減揺部は、前記係留ラインの途中から前記浮体に向かって延びるとともに、前記重心を挟んで前記係留点の反対側にて前記浮体に接続される補助ラインを備える。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の係留システムであって、前記減揺部は、前記係留ラインの途中から前記浮体に向かって延びるとともに2つの接続点にて前記浮体に接続される2本の補助ラインを備え、前記2つの接続点は、前記係留点および前記重心を含み上下方向に平行な仮想面に対して面対称に位置し、前記2つの接続点のそれぞれと前記重心とを結ぶ直線と、前記係留点と前記重心とを結ぶ直線との成す角度は、平面視において90°よりも大きい。
本発明では、係留張力の変動を抑制するとともに浮体の揺動を抑制することができる。
第1の実施の形態に係る係留システムの側面図である。 係留システムの平面図である。 係留張力の変動の様子を示すグラフである。 他の係留システムの平面図である。 第2の実施の形態に係る係留システムの側面図である。 第3の実施の形態に係る係留システムの側面図である。 他の係留システムの平面図である。 他の係留システムの側面図である。 他の係留システムの側面図である。 他の係留システムの側面図である。 他の係留システムの側面図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る係留システム1の構成を示す側面図である。図2は、係留システム1を示す平面図である。係留システム1は、浮体2と、係留基体3と、係留ライン4と、減揺部5とを備える。係留システム1は、水面91に浮かぶ浮体2を水底92に係留するシステムである。浮体2が海上に設置される場合、当該水面91および水底92はそれぞれ、海面および海底である。
浮体2は、水底92から上方に離間した状態で水面91に浮かぶ構造物である。浮体2は、例えば、集魚のために設置された表層浮魚礁である。浮体2は、上下方向に平行な対称面について面対称形状を有する。図1および図2に示す例では、浮体2は、上下方向を向く中心軸J1を中心とする軸対称形状を有する。浮体2は、例えば、平面視において略円形の略円柱状または略円筒状の構造物である。
係留基体3は、水底92に固定された物体である。係留基体3は、例えば、水底92に沈められたシンカー(すなわち、錘)またはアンカー(すなわち、把駐力を有する錨)である。あるいは、係留基体3は、水底92に予め設置されている固定構造物であってもよい。係留基体3は、必ずしも水底92に直接的に固定される必要はなく、例えば、水底92に固定された他の構造物を介して、水中において間接的に水底92に固定される物体であってもよい。
係留ライン4は、浮体2と係留基体3とを接続する略線状の部材である。浮体2は、1本の係留ライン4により、係留基体3に1点係留されている。1点係留とは、1つの浮体2を、水底に設けられた1つの係留基体3のみに接続して係留する係留方法である。なお、1点係留と異なる係留方法である多点係留では、1つの浮体が、水底に設けられた2つ以上の係留基体に接続されて係留される。係留ライン4は、例えば、金属製のチェーンである。あるいは、係留ライン4は、係留ロープであってもよく、チェーンと係留ロープとが接続されたものであってもよい。係留ロープは、例えば、合成繊維製または金属製のロープである。図1および図2では、図示の都合上、係留ライン4を線にて示す。後述する図4〜図11においても同様である。
係留ライン4の上端部は、浮体2に設けられた係留点21にて浮体2に接続される。図1に示す例では、係留点21は水中(すなわち、水面91よりも下方)に位置する。なお、係留点21は、水面91と上下方向の略同じ位置、あるいは、水面91よりも上方(すなわち、空気中)に位置していてもよい。係留点21は、浮体2の重心Gから側方に離間した位置に配置される。図1および図2に示す例では、浮体2の重心Gは、中心軸J1上に位置する。したがって、係留点21は、浮体2の中心軸J1から、中心軸J1を中心とする径方向(以下、単に「径方向」とも呼ぶ。)の外側に離間した位置に位置する。好ましくは、係留点21は、浮体2の径方向外端部(すなわち、平面視における浮体2の外縁近傍)に位置する。なお、係留点21は、浮体2の径方向外端部よりも径方向内側に位置してもよい。
減揺部5は、浮体2に接続される部材である。減揺部5は、例えば、浮体2の外側面から外方(すなわち、径方向外方)に突出する板状のフィン51を備える。図1および図2に示す例では、フィン51は、水面91よりも下方において、浮体2の底部近傍に固定される。フィン51は、中心軸J1を中心とする周方向(以下、単に「周方向」ともいう。)において、浮体2の全周に亘って設けられる。フィン51は、例えば、中心軸J1に対して略垂直に延びる略円環板状の部材である。フィン51は、上下方向に平行な対称面について面対称形状を有し、中心軸J1を中心とする軸対称形状を有する。フィン51は、例えば、鉄等の金属により形成される。フィン51は、ゴム等の可撓性を有する材料により形成されてもよい。
係留システム1では、浮体2に波浪、潮流および風等の外力が作用すると、浮体2は、係留基体3(または、係留ライン4のうち水底92に接している部位の係留基体3とは反対側の端部)を中心として振れ回り、外力が作用する方向(以下、「外力方向」とも呼ぶ。)の最も下流側に位置する。係留ライン4は、係留基体3から当該外力方向に沿って延びる。
係留システム1では、係留ライン4が接続される係留点21は、浮体2の重心Gから側方に離間しているため、外力方向の下流側に位置する浮体2に作用する外力が変動する場合、浮体2は、当該変動に対応して係留点21を中心として比較的小さく振れ回り、外力に対して最も抵抗が少ない向きを向く。これにより、係留ライン4に作用する係留張力を低減することができる。また、外力の変動による係留張力の変動を抑制することもできる。
一方、係留点21が浮体2の重心Gから側方に離間していることにより、浮体2の揺動は、係留点が浮体の重心と平面視において重なる場合に比べて大きくなる。そこで、係留システム1では、減揺部5により、外力による浮体2の揺動を抑制する。具体的には、減揺部5のフィン51により、浮体2の揺動方向の付加水質量(すなわち、付加質量)を増大させることにより、浮体2の揺動が低減される。
係留システム1では、外力方向に対する浮体2の縦揺れであるピッチングが、減揺部5により抑制される。また、外力方向に対する浮体2の横揺れであるローリング、および、浮体2の上下揺れであるヒービングも抑制される。係留システム1では、波浪等の外力による浮体2の揺動において、ピッチングがローリングおよびヒービングよりも大きいため、減揺部5により主にピッチングを抑制する。
図3は、外力方向の最も下流側に位置する浮体2に、外力方向の下流側へと進行する波浪が入射した場合に、係留ライン4に作用する係留張力の変動の様子を示すグラフである。図3の横軸は時間を示し、縦軸は係留張力を示す。図3中の実線81は、上述の係留システム1の係留ライン4に作用する係留張力を示し、破線82は、比較例の係留システムの係留ラインに作用する係留張力を示す。比較例の係留システムは、係留ラインと浮体とが接続される係留点が、当該浮体の重心と平面視において重なる点を除き、上記係留システム1と略同様の構造を有する。図3の係留張力は、波高および波長が一定の規則波が浮体2に入射するものとしてシミュレーションにより求めた。ただし、実線81は、係留システム1から減揺部5を省略したと仮定した場合の係留張力を示す。破線82についても同様である。図3に示すように、係留システム1の係留張力の振幅は、比較例の係留システムにおける係留張力の振幅の約半分に低減されている。
以上に説明したように、係留システム1では、水面91に浮かぶ浮体2と、水底92に固定された係留基体3と、係留ライン4と、減揺部5とを備える。浮体2は、上下方向に平行な対称面について面対称形状を有する。係留ライン4は、浮体2と係留基体3とを1点係留にて接続する。係留ライン4は、浮体2の重心Gから側方に離間した係留点21にて浮体2に接続される。減揺部5は、浮体2に接続されて浮体2のピッチングを抑制する。
これにより、上述のように、係留ライン4に作用する係留張力の変動を抑制することができるとともに、浮体2の揺動を抑制することもできる。その結果、係留張力の変動等に起因する係留ライン4の強度低下を抑制し、係留ライン4の長寿命化を実現することができる。また、係留ライン4の大径化を抑制することができ、係留システム1における係留コストの増大を抑制することができる。
上述のように、係留システム1では、係留張力の変動抑制および浮体2の揺動抑制を実現することができる。したがって、係留システム1は、1点係留されることが比較的多い浮魚礁等のように、上下方向を向く中心軸J1を中心とする軸対称形状を有する浮体2の係留に特に適している。この場合、係留点21は、中心軸J1から径方向外側に離間した位置に位置する。
上述のように、係留点21は、浮体2の径方向外端部に位置することが好ましい。これにより、係留点21と浮体2の重心Gとの間の距離を大きくすることができる。その結果、係留ライン4に作用する係留張力の変動をさらに抑制することができる。
上述のように、減揺部5は、浮体2の外側面から外方に突出する板状のフィン51を備えることが好ましい。これにより、浮体2の揺動抑制を簡素な構造で実現することができる。また、フィン51は、浮体2の全周(すなわち、周方向の全周)に亘って設けられることが好ましい。これにより、フィン51を浮体2に対して強固に接続することができる。
係留システム1では、浮体2の主たる揺動であるピッチングを抑制するという観点からは、フィン51は、必ずしも浮体2の全周に亘って設けられる必要はない。図4に示す係留システム1aでは、減揺部5は、上述のフィン51に代えて、重心Gを挟んで係留点21の反対側にて浮体2の外側面から外方に突出する板状のフィン51aを備える。換言すれば、フィン51aは、径方向において中心軸J1を挟んで係留点21の反対側にて浮体2の外側面から径方向外方に突出する。これにより、浮体2のピッチング抑制を簡素な構造で実現することができる。図4に示す例では、フィン51aは、浮体2の周方向の一部にのみ設けられる略部分円環状の部材である。中心軸J1を中心とするフィン51aの中心角は、例えば、30°〜90°である。フィン51aは、係留点21および中心軸J1を含む対称面に対して面対称である。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る係留システム1bについて説明する。図5は、係留システム1bの構成を示す側面図である。係留システム1bでは、減揺部5が、図1および図2に示すフィン51に代えて錘52を備える。係留システム1bの他の構成は、図1および図2に示す係留システム1と略同様であり、以下の説明では対応する構成に同符号を付す。
錘52は、浮体2の重心Gを挟んで係留点21の反対側にて浮体2に固定される。換言すれば、錘52は、径方向において中心軸J1を挟んで係留点21の反対側に配置される。好ましくは、錘52は、浮体2の径方向外端部(すなわち、平面視における浮体2の外縁近傍)に位置する。図5に示す例では、錘52は、水面91よりも下方において浮体2の底部に固定される。錘52は、水面91と略同じ高さ、または、水面91よりも上方に配置されてもよい。錘52は、例えば、金属やコンクリート等により形成される。
係留システム1bでは、係留システム1と同様に、係留ライン4が、浮体2の重心Gから側方に離間した係留点21にて浮体2に接続される。これにより、係留ライン4に作用する係留張力の変動を抑制することができる。
また、係留システム1bでは、減揺部5が、重心Gを挟んで係留点21の反対側にて浮体2に固定される錘52を備えることにより、外力(例えば、波浪、潮流および風等)が浮体2に作用した際に、浮体2のうち係留点21とは反対側の部位の上下方向の運動が、錘52の慣性により抑制される。その結果、浮体2のピッチング抑制を簡素な構造で実現することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る係留システム1cについて説明する。図6は、係留システム1cの構成を示す側面図である。係留システム1cでは、減揺部5が、図1および図2に示すフィン51に代えて補助ライン53を備える。係留システム1cの他の構成は、図1および図2に示す係留システム1と略同様であり、以下の説明では対応する構成に同符号を付す。
補助ライン53は、浮体2と係留ライン4とを接続する略線状の部材である。補助ライン53は、例えば、金属製のチェーンである。あるいは、補助ライン53は、係留ロープであってもよく、チェーンと係留ロープとが接続されたものであってもよい。係留ロープは、例えば、合成繊維製または金属製のロープである。図6では、図示の都合上、補助ライン53を線にて示す。
係留システム1cでは、係留システム1と同様に、係留ライン4が、浮体2の重心Gから側方に離間した係留点21にて浮体2に接続される。これにより、係留ライン4に作用する係留張力の変動を抑制することができる。
また、係留システム1cでは、補助ライン53は、係留ライン4の途中(すなわち、係留点21と水底92との間の部位)から浮体2に向かって延びる。補助ライン53は、浮体2の重心Gを挟んで係留点21の反対側にて浮体2に接続される。これにより、外力(例えば、波浪、潮流および風等)が浮体2に作用した際に、浮体2のうち係留点21とは反対側の部位の上下方向の運動が、補助ライン53により制限される。
例えば、係留ライン4がカテナリー(懸垂)係留である場合、係留ライン4のアンカー点に作用する水平力と、係留ライン4のうち水底92に接している部位(すなわち、地鎖)に作用する水底92との摩擦力との和は、浮体2の係留点21に作用する水平力と、浮体2と補助ライン53とが接続される接続点22に作用する水平力との和に等しい。同様に、上記アンカー点に作用する鉛直力は、浮体2の係留点21に作用する鉛直力と、接続点22に作用する鉛直力との和に等しい。したがって、アンカー点に作用する鉛直力がおよそ一定である場合、浮体2のピッチングにより係留点21側が沈む等して係留点21に作用する鉛直力が小さくなると、接続点22に作用する鉛直力は大きくなる。これにより、浮体2の係留点21側が沈む運動が抑制され、浮体2のピッチングが抑制される。また、浮体2のピッチングにより接続点22側が沈む等して接続点22に作用する鉛直力が小さくなると、係留点21に作用する鉛直力は大きくなる。これにより、浮体2の接続点22側が沈む運動が抑制され、浮体2のピッチングが抑制される。このように、係留システム1cでは、浮体2のピッチング抑制を簡素な構造で実現することができる。
図6に示す例では、上述の補助ライン53は、径方向において中心軸J1を挟んで係留点21の反対側にて浮体2に接続される。補助ライン53と係留ライン4との接続は、例えば、シャックル等を介して行われる。なお、シャックルに代えて、アイボルトまたはアイナット等の他の部材が、補助ライン53と係留ライン4との接続に利用されてもよい。浮体2と補助ライン53とが接続される接続点22の構造は、例えば、係留点21の構造と略同じである。
上述の補助ライン53の本数は、必ずしも1本には限定されず、2本以上であってもよい。図7に示す係留システム1dでは、減揺部5は、2本の補助ライン53を備える。2本の補助ライン53は、係留ライン4の途中から浮体2に向かって延びるとともに、2つの接続点22にて浮体2に接続される。当該2つの接続点22は、係留点21および重心Gを含み上下方向に平行な仮想面に対して面対称に位置する。また、2つの接続点22のそれぞれと重心Gとを結ぶ直線と、係留点21と重心Gとを結ぶ直線との成す角度は、平面視において90°よりも大きい。
これにより、外力(例えば、波浪、潮流および風等)が浮体2に作用した際に、浮体2のうち係留点21とは反対側の部位の上下方向の運動が、2本の補助ライン53により制限される。その結果、浮体2のピッチング抑制を簡素な構造で実現することができる。また、浮体2のローリングも、2本の補助ライン53により抑制することができる。図7に示す例では、上述の仮想面は、係留点21および中心軸J1を含む面である。また、2つの接続点22のそれぞれは、中心軸J1を中心とする周方向において、係留点21から90°よりも大きい角度(例えば、約120°)離れている。なお、係留システム1dでは、3本以上の補助ライン53が設けられてもよい。
上述の係留システム1,1a〜1dではそれぞれ、浮体2の揺動を抑制するために、フィン51、フィン51a、錘52または補助ライン53が設けられるが、これらの構成は適宜組み合わされてもよい。
例えば、図8に示す係留システム1eでは、減揺部5は、フィン51および錘52を備える。図9に示す係留システム1fでは、減揺部5は、フィン51と、1本の補助ライン53とを備える。図10に示す係留システム1gでは、減揺部5は、錘52と、1本の補助ライン53とを備える。図11に示す係留システム1hでは、減揺部5は、フィン51と、錘52と、1本の補助ライン53とを備える。係留システム1e〜1hでは、浮体2のピッチングをさらに抑制することができる。なお、係留システム1e,1f,1hでは、フィン51に代えてフィン51a(図4参照)が設けられてもよい。また、係留システム1f〜1hでは、2本または3本以上の補助ライン53が設けられてもよい。
上述の係留システム1,1a〜1hでは、様々な変更が可能である。
例えば、フィン51は、必ずしも、中心軸J1を中心とする軸対称形状を有する必要はなく、上下方向に平行な対称面について面対称である必要もない。フィン51aも、上下方向に平行な対称面について面対称である必要はない。フィン51,51aの上下方向の位置は、例えば、水面91と略同じであってもよい。フィン51,51aは、中心軸J1に対して略垂直に延びる必要はなく、例えば、中心軸J1から径方向において離れるに従って斜め下方に傾斜していてもよい。
減揺部5は、例えば、浮体2の揺動に応じて水中翼の翼角が制御されるフィンスタビライザーを備えていてもよい。あるいは、減揺部5は、浮体2の揺動に応じて2つのタンク間で水等の液体が移動する減揺タンクを備えていてもよい。当該減揺タンクでは、当該液体の移動を行うポンプが設けられ、当該ポンプが浮体2の揺動に応じて制御されてもよい。また、減揺部5は、浮体2の揺動に応じて可動錘を電動モータ等で移動させるアクティブ減揺機構を備えていてもよい。減揺部5は、大型の円板を電動モータ等により高速で回転させるジャイロスタビライザーを備えていてもよい。
浮体2は、上下方向に平行な対称面について面対称形状を有するのであれば、必ずしも中心軸J1を中心とする軸対称形状を有する必要はない。浮体2の形状は様々に変更されてよく、例えば、平面視において略楕円状、略長円状、略三角形状または略矩形状の柱型であってもよい。あるいは、浮体2の形状は、ヨットやボート等のような船型であってもよい。
浮体2は、浮魚礁以外の構造物であってもよい。浮体2は、例えば、ブイ、あるいは、洋上風力発電用の風車が立設される土台等であってもよい。浮体2は、必ずしも海面に設置される必要はなく、湖沼等の水面に設置されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1,1a〜1h 係留システム
2 浮体
21 係留点
22 接続点
3 係留基体
4 係留ライン
5 減揺部
51,51a フィン
52 錘
53 補助ライン
91 水面
92 水底
G 重心
J1 中心軸

Claims (8)

  1. 浮体を係留する係留システムであって、
    上下方向に平行な対称面について面対称形状を有し、水面に浮かぶ浮体と、
    水底に固定された係留基体と、
    前記浮体の重心から側方に離間した係留点にて前記浮体に接続され、前記浮体と前記係留基体とを1点係留にて接続する係留ラインと、
    前記浮体に接続されて前記浮体のピッチングを抑制する減揺部と、
    を備えることを特徴とする係留システム。
  2. 請求項1に記載の係留システムであって、
    前記浮体は、上下方向を向く中心軸を中心とする軸対称形状を有し、
    前記係留点は、前記中心軸から径方向外側に離間した位置に位置することを特徴とする係留システム。
  3. 請求項2に記載の係留システムであって、
    前記係留点は、前記浮体の径方向外端部に位置することを特徴とする係留システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の係留システムであって、
    前記減揺部は、前記重心を挟んで前記係留点の反対側にて前記浮体の外側面から外方に突出する板状のフィンを備えることを特徴とする係留システム。
  5. 請求項4に記載の係留システムであって、
    前記フィンは、全周に亘って前記浮体の前記外側面から径方向外方に突出することを特徴とする係留システム。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の係留システムであって、
    前記減揺部は、前記重心を挟んで前記係留点の反対側にて前記浮体に固定される錘を備えることを特徴とする係留システム。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の係留システムであって、
    前記減揺部は、前記係留ラインの途中から前記浮体に向かって延びるとともに、前記重心を挟んで前記係留点の反対側にて前記浮体に接続される補助ラインを備えることを特徴とする係留システム。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の係留システムであって、
    前記減揺部は、前記係留ラインの途中から前記浮体に向かって延びるとともに2つの接続点にて前記浮体に接続される2本の補助ラインを備え、
    前記2つの接続点は、前記係留点および前記重心を含み上下方向に平行な仮想面に対して面対称に位置し、
    前記2つの接続点のそれぞれと前記重心とを結ぶ直線と、前記係留点と前記重心とを結ぶ直線との成す角度は、平面視において90°よりも大きいことを特徴とする係留システム。
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