JP2020025804A - 転倒防止装置 - Google Patents

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伸一 関根
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【課題】家具の上面と天井との間に円滑に取り付けることができる転倒防止装置を提供する。【解決手段】転倒防止装置は、ダンパ1、一対のベース部2A,2B、保持部材3及び制動部材4を備えている。ダンパ1はシリンダ5とシリンダ5に対して伸縮自在なロッド6を有する。ダンパ1は床面上に設置された家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けられる。このダンパ1は伸長方向に付勢力を発生する。一対のベース部2A,2Bはダンパ1の長さ方向の両端部に夫々連結されている。一方のベース部2Aが家具Fの上面に当接し、他方のベース部2Bが天井Cに当接する。保持部材3はダンパ1を所望の長さの収縮状態に保持する。制動部材4は保持部材3がダンパ1の収縮状態を解除してダンパ1が伸長する際に、シリンダの外周面との間に抵抗を付与しつつ保持部材3と共に移動する。【選択図】図1

Description

本発明は転倒防止装置に関するものである。
特許文献1は従来の転倒防止装置を開示している。この転倒防止装置は収縮して減衰力を発生させるダンパと一対のベース部とを備えている。転倒防止装置は床面上に設置された物品である家具の上面と天井との間に取り付けられている。一対のベース部はダンパの両端部のそれぞれの回動軸周りに回動自在に軸支されている。一方のベース部は家具の上面に当接し、他方のベース部は天井に当接している。このようにして、転倒防止装置は、地震等の揺れによって家具が傾くと、各ベース部に対してダンパが回動軸周りに回動し伸縮し、各ベース部が家具の上面と天井とに当接した状態を維持することができる。よって、この転倒防止装置は、ダンパの減衰力により家具の傾きを抑制して家具の転倒を防止することができる。
特開2015−6330号公報
上記の転倒防止装置を家具の上面と天井との間に取り付ける際、ダンパは、天井側に位置するベース部が天井から離れて位置する収縮状態に保持しておくことが望まれる。例えば、ダンパを適当な拘束手段にて上記収縮状態に保持するようにすればよい。そして、その後に拘束手段による拘束を解いてやれば、ダンパを伸長させて天井と家具の上面との間で突っ張らせた状態で取り付けることができる。
しかし、単純に上記方法を採用すると、ダンパの伸長に伴って上側のベース部が天井に勢いよく突き当たってしまい、大きな衝突音を発生させてしまう虞がある。その回避のためには、ダンパの伸びがゆっくりとなされるような操作が作業者に強いられることも想定されるが、これでは、円滑な取付け作業に支障を来す懸念がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、取付け作業を円滑に行うことができる転倒防止装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の転倒防止装置は、ダンパ、一対のベース部、保持部材及び制動部材を備えている。ダンパはシリンダとシリンダに対して伸縮自在なロッドとを有している。この、ダンパは設置面上に設置された物品の上面と天井との間に取り付けられる。また、このダンパは伸長方向に付勢力を発生する。一対のベース部はダンパの長さ方向の両端部に夫々連結されている。一方のベース部は物品の上面に当接し、他方のベース部は天井に当接する。保持部材はダンパを所望の長さの収縮状態に保持する。制動部材は、保持部材がダンパの収縮状態を解除してダンパが伸長する際に、シリンダの外周面との間に抵抗を付与しつつ保持部材と共に移動する。
この転倒防止装置を物品の上面と天井との間に設置する場合、ダンパは予め物品の上面と天井との間隔より短い所望の長さの収縮状態に保持されている。この状態で、保持部材がダンパの収縮状態を解除すると、ダンパの伸長動作が開始されると共に保持部材も天井に向けて移動する。これに伴い、制動部材がダンパのシリンダの外周面との間で抵抗を発生させるため、ダンパは制動されつつ伸長する。このため、ベース部はゆっくりと天井に突き当てられるから、大きな衝突音を生じることなく取付け作業を円滑に行うことができる。
したがって、本発明の転倒防止装置は取付け作業を円滑に行うことができる。
本発明の転倒防止装置では、ダンパが収縮状態にあるときにおいて、制動部材は、シリンダの上端より下方でかつダンパに設定された伸縮ストローク範囲を超えて位置し得る。この場合、制動部材は、ダンパの全ストローク範囲に亘ってシリンダから外れてしまうことがなく、この間、確実に制動力を作用させることができる。
また、本発明の転倒防止装置では、制動部材が、保持部材に取り付けられてシリンダの外周面に接触しており、ダンパが伸長する際にはシリンダの外周面に接触してシリンダとの間で摩擦力を発生させ得る。この場合、ダンパが伸長する際に制動部材とシリンダの外周面とが擦れ合って摩擦力を生じさせる。この摩擦力がシリンダの伸長動作に対する制動力として作用する。
さらに、本発明の転倒防止装置では、制動部材は、ダンパが伸長する際に、シリンダとの間において発生する磁力によって、ダンパの伸長方向への移動を制動し得る。この場合、この転倒防止装置は磁力を利用してダンパの伸長動作に制動力を加えることができる。
ここで、物品とは、家具、複数の寝台を上下方向に連結したベッド、大型テレビ、冷蔵庫、書棚、ショーケース、サーバーラック等、地震の揺れ等によって転倒する虞のあるものが含まれる。
実施形態1の転倒防止装置において、ダンパを収縮状態にして家具の上面と天井との間にセットしたときの状態を示す側面図である。 実施形態1の転倒防止装置において、保持部材と制動部材とを示す斜視図である。 実施形態1の転倒防止装置において、ダンパを伸長状態にして天井との間で突っ張らせた取付け状態を示す側面図である。 実施形態1の転倒防止装置において、第1ベース部と保持部材との連結状態を示す正面図である。 実施形態1の転倒防止装置において、第2ベース部と保持部材との連結状態を示す正面図である。 実施形態1の転倒防止装置において、制動部材とダンパとの嵌り合い状態を示す断面図であり、図1におけるA−A線断面図である。 実施形態2の転倒防止装置において、制動部材、保持部材及びダンパを示す斜視図である。
本発明の転倒防止装置を具体化した実施形態1及び2について、図面を参照しつつ説明する。
<実施形態1>
実施形態1の転倒防止装置は、図1に示すように、家具Fの上面と天井Cとの間に少なくとも1個以上が取り付けられる。家具Fは、床面上(図示しない)から鉛直方向に延びた壁面Wに背面を対向させて床面上に設置されている。なお、家具Fは、転倒防止装置が取り付けられていなければ、地震等の揺れがあったとき、前方向(図1における右方向)に傾いて転倒するおそれがある。
転倒防止装置は、ダンパ1、一対のベース部2A,2B、保持部材3及び制動部材4を備えている。ダンパ1は、シリンダ5、ロッド6、2個のジョイント部7及び図示しないピストン、同じく図示省略のロッドガイドを有している。シリンダ5は軸方向に長い有底筒状に形成され、内部には作動油と圧縮ガスが封入されている。シリンダ5の開口部はロッドガイドによって封鎖されている。ピストンはシリンダ5内に摺動自在に挿入されている。ロッド6は基端部がピストンに連結されている。また、ロッド6は、ロッドガイドを挿通して先端側がシリンダ5から外方へ突出している。さらに、各ジョイント部7は平板状の金具を折り曲げて形成されている。また、各ジョイント部7はシリンダ5の底部とロッド6の先端部にそれぞれ接続されている。各ジョイント部7にはダンパ1の中心軸と直交する方向に貫通して貫通孔が形成されている。
ダンパ1は、収縮動作時に発生する減衰力が伸長動作時に発生する減衰力よりも大きい圧効きダンパ1である。ここで、ダンパ1の伸長動作とは、シリンダ5からのロッド6の突出長さが長くなっていく動作、つまりダンパ1の全長が長くなっていく動作を意味する。また、ダンパ1の収縮動作とは、シリンダ5からのロッド6の突出長さが短くなっていく動作、つまりダンパ1の全長が短くなっていく動作を意味する。また、ダンパ1はシリンダ5内に封入された圧縮ガスの膨張力が伸長方向への反発力として働く。つまり、ダンパ1は伸長方向に付勢力を発生する。
一対のベース部2A,2Bは、ダンパ1の下端部に接続された第1ベース部2Aとダンパ1の上端部に接続された第2ベース部2Bとを有している。第1ベース部2Aは、両ジョイント部7のうちシリンダ5の底部に接続されたジョイント部7に連結されている。第2ベース部2Bは、両ジョイント部7のうちロッド6の先端部に接続されたジョイント部7に連結されている。第1ベース部2Aは家具Fの上面に当接して載置され、第2ベース部2Bは天井Cに当接する。第1・第2のベース部2A,2Bは共に同一構造である。各ベース部2A,2Bは、図4及び図6に示すように、ベース部本体88、ボルト9、ナット10、ブッシュ11及び滑り止め部12を有している。
ベース部本体8は、平面視において長方形状に形成されており、図1に示す左右方向が長手方向となっている。また、転倒防止装置が家具Fの上面に取り付けられた状態において、ベース部本体8の下面は平坦な水平面をなすようにしてある。一方、ベース部本体8の上面は上方へ膨らんだ円弧面となっている。
ベース部本体8の上面の中央部には、図4に示す奥行方向(図1では左右方向)に沿うようにして溝部13が凹み形成されている。溝部13の底面は水平な平坦面となっている。このように、溝部13はベース部本体8における円弧面部分の中央部を長手方向に沿って抉るようにして形成されていることから、溝部13の深さは両端部側において浅く、中央部において最も深くなっている。図1に示すように、溝部13の底面には被差込孔14が形成されている。この被差込孔14には後述する角度規制部15に設けられた差込部16が差し込まれて抜け止め状態で係止する。
図4、図6に示すように、溝部13内の長手方向中央部には、溝部13の内壁面に接続した状態で一対の凸部17が向き合って突出している。両凸部17は同軸で対向し、ダンパ1に対する軸受として機能する。すなわち、これら凸部17の間に、ダンパ1のジョイント部7及び後述するブッシュ11が嵌り込むようにしている。また、一対の凸部17にはボルト9の軸部9Bが挿通するボルト孔18が同軸で貫通している。
ベース部本体8の上面であって前記した一対の凸部17が形成され壁の両外側は弧状に抉られるように除肉され一対の窪み部19が形成されている。窪み部19はベース部本体8において、溝部13に対して薄い壁面(凸部17が突出形成された壁面)を残した状態で凹み形成されている。この窪み部19には凸部17を貫通したボルト孔18が側面に開口している。窪み部19には後述するボルト9の頭部9A、このボルト9にねじ込まれたナット10、ボルト9の頭部9A及びナット10に外嵌した第1連結部20の嵌合部22又は第2連結部21の嵌合部22のそれぞれが配置されている。窪み部19は上方へ向かうにつれ長手方向に広がるように形成されている。これにより、ボルト9に対するねじ込み作業をし易くなっている。
ボルト9は上記したボルト孔の一方から軸部9Bが挿入され、ナット10は他方のボルト孔18から突出した軸部9Bにねじ込まれている。このボルト9の中心軸が各ベース部2A,2Bにおけるダンパ1の回動軸となる。
ブッシュ11は、略円筒形状をなす弾性体である。ブッシュ11の長さはベース部本体8に設けられた一対の凸部17の内壁面同士の間隔よりも僅かに小さい。ブッシュ11の軸方向の中央部には全周に亘って凹溝が形成されている。この凹溝の外径はダンパ1のジョイント部7に形成された孔の内径に略等しくしてある。ブッシュ11は、ダンパ1のジョイント部7に形成された孔に弾性変形しながら挿入される。そして、ブッシュ11はジョイント部7に形成された孔に凹溝が嵌り込むことで、ジョイント部7に取付けられる。
ブッシュ11の内径はボルト9の軸部9Bの外径よりも僅かに大きいため、ブッシュ11はボルト9の軸部9B周りに回動自在である。つまり、ブッシュ11がジョイント部7に取り付けられた状態のダンパ1は、ボルト9の軸部9B周りに回動自在である。また、ブッシュ11が取り付けられたダンパ1のジョイント部7とブッシュ11との間、及びブッシュ11とボルト9の軸部9Bとの間の僅かな隙間や、ブッシュ11の形状に基づいて、ダンパ1は回動方向と交差する方向に揺動することが許容されている。
滑り止め部12は、ほぼ平板状をなし、ベース部本体8の外形に対して僅かに大きい外形である。滑り止め部12はゴムや可撓性を有した熱可塑性樹脂等で形成されている。また、滑り止め部12は、家具Fの上面に当接して載置された状態の第1ベース部2Aにおいて、ベース部本体8の下端開口に嵌合されている。また、天井Cに向けて配置された状態の第2ベース部2Bにおいて、滑り止め部12はベース部本体8の上端開口に嵌合されている。
図1に示すように、角度規制部15は、第1ベース部2Aに着脱自在に取り付けられていて、角度規制部15を取り外した状態で梱包することによって転倒防止装置の出荷形態が嵩張らないようにしている。
角度規制部15は、支持部23と規制部24とを有している。規制部24は第1ベース部2Aに取り付けられた状態で、ほぼ鉛直方向に延びていて、支持部23上に起立して設けられている。角度規制部15は支持部23に設けられた差込部16を第1ベース部2Aの被差込孔14へ挿入して係止させることによって第1ベース部2Aに抜け止め状態で取り付けられている。
規制部24は半円環状に形成されている。規制部24は半円環状の内側がダンパ1のシリンダ5の外周面の一部を囲むように配置されている。規制部24は、ダンパ1のシリンダ5が規制部24に当接することによってダンパ1を所定の傾斜姿勢にして、ダンパ1がその傾斜姿勢から倒れないように傾斜角度を規制している。ダンパ1の傾斜角度としては15°〜25°が好ましい。
保持部材3は、ポリプロピレン等の樹脂材料等で形成され、全体として適度な弾性を有している。図2に示すように、保持部材3は第1ベース部2Aに取り付けられる第1連結部20と、第2ベース部2Bに取り付けられる第2連結部21、及び平板帯状をなして第1連結部20と第2連結部21との間を連結するバンド部25を有している。
バンド部25の長手方向の両端部はU字状に分岐して第1連結部20あるいは第2連結部21が形成されている。各連結部20,21の先端部には共にリング状に形成された一対の嵌合部22がそれぞれ接続されている。
両嵌合部22は保持部材3の長手方向と直交する方向に開口して形成され、互いに同軸をなしている。各嵌合部22は、第1ベース部2Aあるいは第2ベース部2Bのベース部本体8に取り付けられている。嵌合部22には、ダンパ1の回転軸であるボルト9が通される。嵌合部22はボルト9の頭部9Aの外径、ナット10の外径よりも僅かに大きい孔径を有している。ボルト9が通された一対の嵌合部22には、ボルト9の頭部9A、及びこのボルト9の軸部9Bにねじ込まれるナット10が収容される。
保持部材3を第1ベース部2A及び第2ベース部2Bに取り付ける場合、ダンパ1は所定の収縮状態に保持される。この保持に際して、第1ベース部2A及び第2ベース部2Bに対してボルト9、ナット10を介して第1連結部20及び第2連結部21の取り付けがなされる。これにより、保持部材3はダンパ1の上下両端部間に橋渡されて、両端部にて接続される。こうして、保持部材3によってダンパ1は伸長することなく収縮状態に保持される。
ダンパ1は、図1に示すように、保持部材3の一面側において長手方向に沿うようにして配置される。保持部材3は、図2に示すように、上下対称に形成されており、つまり上下を逆にしても同じ形状である。このことから、保持部材3を第1ベース部2A、第2ベース部2Bに取り付ける際、上下の向きを考慮する必要がなくなる。
バンド部25は平板の帯状をなして一方向に延びており、ほぼ全長に亘って均一な幅と厚みを有している。バンド部25には長手方向に離間してカット部26が2箇所、設けられている。カット部26はバンド部25の長手方向と直交する方向に延びている。カット部26はバンド部25の表裏両方向から同じ深さで除肉され、全幅に亘って薄肉化されることによって形成されている。
また、保持部材3において第1連結部20と第2連結部21の近傍にはそれぞれ円形の孔部27が貫通して形成されている。この孔部27の機能は、例えば次のとおりである。保持部材3が一方のカット部26において切断された場合には、保持部材3によるダンパ1の収縮状態が解除される。したがって、ダンパ1は伸長状態となって両孔部27間の間隔が広がる。こうして転倒防止装置は家具の上面と天井との間に取り付けられるが、転倒防止装置を再セットしたい場合がある。そのような場合には、両孔部27にワイヤや紐等の連結部材を通して引き締めることによって、広がっていた両孔部27間の間隔を強制的に接近させる。こうすることで、ダンパ1を初期の収縮状態に復帰させることができる。
図2に示すように、バンド部25におけるダンパ1と対向する側の面であって、カット部26より長手方向の内側でかつカット部26の近傍の位置には一対の突出部28が突出して形成されている。各突出部28は円柱状に形成されている。図1に示すように、各突出部28の先端はダンパ1のシリンダ5の外周面に当接して、保持部材3のバンド部25とダンパ1のシリンダ5の外周面との間に所定の隙間が保有されるようにしている。この隙間によって、例えばカット部26を切断する際の作業上のスペースが確保される。
図2に示すように、バンド部25におけるダンパ1と対向する側の面における長手方向の中央部であって、両突出部28に挟まれた部位には制動部材4が設けられている。制動部材4は、2本の脚部29とこの脚部29によって支持される制動部30とを有している。両脚部29はそれぞれ円柱状に形成され、長手方向に離間している。両脚部29の高さ(突出高さ)は上記した両突出部28より僅かに低くなっている。両脚部29は両突出部28同士を結ぶ直線上に設けられている。
制動部30は両脚部29の先端に接続されて全体が支持されている。制動部30は全体として両端が開口する円筒状をなしている。制動部30の中心軸は保持部材3の長手方向、つまりダンパ1の軸方向に沿う方向となっている。
また、制動部30には全長に亘って割り溝31が設けられている。割り溝31によって制動部30は開口幅を広げるような弾性変形が許容されている。図5に示すように、割り溝31は、制動部30の中心軸を直径方向に挟んで脚部29とは反対側に設けられている。
制動部30の内部にはダンパ1のシリンダ5が通される。制動部30が自然状態にあるときの制動部30の内径は、シリンダ5の外径より小さい。したがって、ダンパ1のシリンダ5が制動部30へ挿通される際には、割り溝31を拡開させつつ軸方向に沿った挿入作業がなされる。このため、制動部30内にシリンダ5が挿通された状態では、シリンダ5は割り溝31によって開口している領域を除き、制動部30の内周面の全面から中心軸に向かう締め付け力が付与されている。
図3に示すように、保持部材3が下側のカット部26にて切断されると、図1に示される、保持部材3によるダンパ1の収縮状態が解除される。保持部材3の切断に伴い、ダンパ1は伸長動作を開始するため、保持部材3における切断されたカット部26より上部側は下部側から切り離されて上方へ変位する。このため、制動部材4もダンパ1のシリンダ5の外周面に摺接しつつ上方へ変位するから、上記した締め付け力はシリンダ5の外周面と制動部30の内周面との間に生じる摩擦力となって作用する。この摩擦力が制動力となってダンパ1の伸長動作が制動される。
ダンパ1が伸長する際に、制動部30がシリンダ5の外周面に沿って摺動することから、制動部30はダンパ1の伸縮ストロークの範囲内でシリンダ5から外れてしまわないようにしておかねばならない。そのため、ダンパ1が収縮状態にあるときのシリンダ5に対する制動部30の嵌め合いの位置は、シリンダ5の上端より下方の位置であり、かつ第2ベース部2Bが天井Cに突き当たるまでダンパ1が伸長してもシリンダ5から外れない位置(シリンダ5に対する嵌め合い状態が維持される位置)であることが必要である。したがって、ダンパ1が収縮状態にあるときの制動部30の設置位置は、シリンダ5の上端から少なくともダンパ1の伸長ストローク範囲を超える距離よりも下方である。
上記のように構成された転倒防止装置は、ダンパ1及び保持部材3が第1ベース部2A及び第2ベース部2Bに対して接続された状態であるが、角度規制部15は取り外された状態で梱包されて工場から出荷される。
次に、梱包された転倒防止装置を家具Fの上面と天井Cとの間に取り付ける作業について説明する。角度規制部15の取付けは、第1ベース部2Aに設けられた被差込孔14に差込部16を差し込んで角度規制部15の取付けを行う。そして、角度規制部15が取り付けられた第1ベース部2Aを、家具Fの上面でかつ壁面W寄りに滑り止め部12を当接させて載置する。この際、角度規制部15はダンパ1より家具Fの正面側に配置される。また、保持部材3はダンパ1より家具Fの背面側に配置される。また、第1ベース部2Aを家具Fの上面に載置した状態で、ダンパ1の回動軸であるボルト9の軸部9Bは、家具Fが地震等の揺れによって傾く方向に対して直交する方向に延びている。つまり、地震等の揺れによって家具Fが前方(図1における右方)に傾いた際に、ボルト9の軸部9Bを介して第1ベース部2Aに対してダンパ1が回動自在となることで、第1ベース部2Aが家具Fの上面に当接した状態を維持することができるように、第1ベース部2Aが家具Fの上面に載置される。
そして、シリンダ5が角度規制部15の規制部24に当接するようにダンパ1を傾斜姿勢とする。この状態で、ダンパ1の傾斜角度が15°〜25°の範囲となるようにしておくことが望ましい。また、第2ベース部2B側のボルト9の軸部9Bが、第1ベース部2A側のボルト9の軸部9Bと平行となるように、第2ベース部2Bの向きを調整しておく。そして、第2ベース部2B側の滑り止め部12が天井Cと平行となるよう、ダンパ1に対して第2ベース部2Bを回動させておく。このとき、保持部材3と第2ベース部2B側のボルト9との間に生じる摩擦力によって、天井Cに対する第2ベース部2Bの滑り止め部12の向きがおおよそ平行の状態に保持されている。
上記の状態で、保持部材3における下側のカット部26を切断する。この際には、バンド部25とシリンダ5との間には突出部28によって隙間が設けられているため、この隙間にニッパ等の工具を差し込むことでバンド部25の切断作業を容易に行うことができる。こうしてバンド部25が上下に切り離されると、シリンダ5内に封入された圧縮ガスの膨張力によってダンパ1が伸長し、第2ベース部2Bの滑り止め部12が天井Cに沿って当接する。
上記したダンパ1の伸長動作に伴い、保持部材3はカットされた部分より上位側は上方へ変位する。これと同時に、制動部材4の制動部30はシリンダ5の外周面に沿って摺動する。制動部30からはシリンダ5の外周面に対して中心軸に向けて全方位から締め付け力が付与されているため、制動部30がシリンダ5の外周面上を摺動する間は、上記締め付け力がダンパ1の伸び方向と反対向きに作用する摩擦力となっている。このため、この摩擦力が保持部材3を介してダンパ1に対する制動力として加わる。したがって、第2ベース部2Bは制動された状態でゆっくりと天井Cに当接するため、小さな衝突音に抑制することができる。つまり、ダンパ1が伸長する際に、作業者がダンパ1の制動を行う必要がないため、転倒防止装置の取り付け作業を円滑に行うことができる。
また、保持部材3が切断される前においてダンパ1に対する制動部材4の制動部30の位置は、シリンダ5の上端よりも下方でダンパ1に設定された最大の伸長ストローク範囲を超えた位置にあるため、ダンパ1の伸長動作の間、制動部30がシリンダ5から外れてしまうことがなく、円滑な制動動作を確保することもできる。
こうして、転倒防止装置が家具Fと天井Cとの間に取り付けられる。なお、転倒防止装置が取り付けられた後は、角度規制部15、保持部材3及び制動部材4は取外しても構わない。
<実施形態2>
図7は本発明の実施形態2を示している。ダンパ1に対して制動力を付与する手段が磁石51である点が主たる相違点である。具体的には、制動部材50は、保持部材3においてダンパ1と対向する側の面の長手方向の中央部に突出した状態で設けられている。制動部材50は、支持板部52と2つの磁石51を有している。
支持板部52は、平面視において保持部材3の長手方向に沿った長方形状であり、ダンパ1と対向する面は中央部側に向けて凹む円弧状の支持面となっていて、ダンパ1の外周面の湾曲形状に沿うようにしてある。ダンパ1が伸長する際、支持板部52の支持面52Aはダンパ1の外周面に対して摺動する。
磁石51は、支持板部52の支持面52Aにおいて長手方向に離間した2箇所に設けられている。両磁石51は円板状に形成され、一面側は吸着面51Aを支持面52Aに露出している。両磁石51は、吸着面51Aが支持面52Aと面一となるよう、支持面52Aに埋め込まれた状態で取り付けられている。また、両磁石51の吸着面51Aは共にシリンダ5の外周面に全面が密着状態で当接し、ダンパ1に対し吸着方向への磁力を生じさせている。
他の構成は実施形態1と同様であるため、重複した説明は省略する。
このように構成された実施形態2においても、保持部材3がカット部26において切断されると、ダンパ1の収縮状態が解除されて保持部材3のうちカット部26分より上部側は上方へ変位する。この間、磁石51はシリンダ5の外周面に吸着しているため、ダンパ1の伸長に伴ってシリンダ5と磁石51との間にはダンパ1の伸び方向と逆向きの摩擦力が生じている。このため、このときの摩擦力がダンパ1の伸長動作に対する制動力となる。
こうして、ダンパ1はゆっくりと伸長するため、第2ベース部2Bは緩速にて天井Cに突き当たる。したがって、大きな衝突音が生じることもなく、転倒防止装置の取り付け作業を円滑に行うことができる。
また、実施形態2では、実施形態1の制動部30のようにシリンダ5をほぼ全周から包み込むのではなく、シリンダ5の一部に宛がっているだけであるため、実施形態1のようなシリンダ5を制動部30へ挿通させる作業がなく、その分、転倒防止装置の取り付け作業を簡単に行うことができる。
以上説明したように、実施形態1及び2の転倒防止装置は、ダンパ1、一対のベース部2A,2B、保持部材3及び制動部材4,50を備えている。ダンパ1はシリンダ5とシリンダ5に対して伸縮自在なロッド6とを有している。この、ダンパ1は床面上に設置された家具Fの上面と天井Cとの間に取り付けられる。また、このダンパ1は伸長方向に付勢力を発生する。一対のベース部2A,2Bはダンパ1の長さ方向の両端部に夫々連結されている。一方のベース部2Aは家具Fの上面に当接し、他方のベース部2Bは天井C面に当接する。保持部材3はダンパ1を所望の長さの収縮状態に保持する。制動部材4,50は、保持部材3がダンパ1の収縮状態を解除してダンパ1が伸長する際に、シリンダ5の外周面との間に抵抗を付与しつつ保持部材3と共に移動する。
この転倒防止装置を家具Fの上面と天井Cとの間に設置する場合、ダンパ1は予め家具Fの上面と天井Cとの間隔より短い所望の長さの収縮状態に保持されている。この状態で、保持部材3がダンパ1の収縮状態を解除すると、ダンパ1の伸長動作が開始されると共に保持部材3も天井Cに向けて移動する。これに伴い、制動部材4,50がダンパ1のシリンダ5の外周面との間で抵抗を発生させるため、ダンパ1は制動されつつ伸長する。このため、ベース部2Bはゆっくりと天井Cに突き当てられるから、大きな衝突音を生じることなく取付け作業を円滑に行うことができる。
したがって、実施形態1及び2の転倒防止装置は取付け作業を円滑に行うことができる。
実施形態1及び2転倒防止装置では、ダンパ1が収縮状態にあるときにおいて、制動部材4,50は、シリンダ5の上端より下方でかつダンパ1に設定された伸縮ストローク範囲を超えて位置している。このため、制動部材4,50は、ダンパ1の全ストローク範囲に亘ってシリンダ5から外れてしまうことがなく、この間、確実に制動力を作用させることができる。
実施形態1の転倒防止装置では、制動部材4が、保持部材3に取り付けられてシリンダ5の外周面に接触しており、ダンパ1が伸長する際にはシリンダ5の外周面に接触してシリンダ5との間で摩擦力を発生させる。このため、ダンパ1が伸長する際に制動部材4とシリンダ5の外周面とが擦れ合って摩擦力を生じさせる。この摩擦力がシリンダ5の伸長動作に対する制動力として作用する。
実施形態2の転倒防止装置では、制動部材50は、ダンパ1が伸長する際に、シリンダ5との間において発生する磁力によって、ダンパ1の伸長方向への移動を制動する。このため、この転倒防止装置は磁力を利用してダンパ1の伸長動作に制動力を加えることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1及び2では、転倒防止装置を壁面Wに背面を対向させて床面上に載置された家具Fに対して取り付けたが、壁面Wに隣接させずに床面上に載置された家具F等に対して取り付けてもよい。
(2)実施形態1及び2では、角度規制部15を備えていたが、角度規制部15を備えずに、作業者が角度を確認しつつ転倒防止装置の取付けを行うようにしてもよい。
(3)実施形態1及び2では、シリンダ5内に圧縮ガスを封入してダンパ1の伸長方向に反発力を働かせるようにしたが、圧縮ガスに代えてコイルばねとしてもよい。
1…ダンパ、2A,2B…第1、第2ベース部、3…保持部材、4,50…制動部材、5…シリンダ、6…ロッド、30…制動部、51…磁石

Claims (4)

  1. シリンダと前記シリンダに対して伸縮自在なロッドを有するとともに、設置面上に設置された物品の上面と天井との間に取り付けられて伸長方向に付勢力を発生するダンパと、
    前記ダンパの長さ方向の両端部にそれぞれ連結され、一方が前記物品の上面に当接し、他方が前記天井に当接する一対のベース部と、
    前記ダンパを所望の長さの収縮状態に保持する保持部材と、
    前記保持部材が前記ダンパの収縮状態を解除して前記ダンパが伸長する際に、前記シリンダの外周面との間に抵抗を付与しつつ前記保持部材と共に移動する制動部材と、
    を備えていることを特徴とする転倒防止装置。
  2. 前記ダンパが収縮状態にあるときにおいて、
    前記制動部材は、前記シリンダの上端より下方でかつ前記ダンパに設定された伸縮ストローク範囲を超えて位置していることを特徴とする請求項1に記載の転倒防止装置。
  3. 前記制動部材は、前記保持部材に取り付けられて前記シリンダの外周面に接触しており、前記ダンパが伸長する際には前記シリンダの外周面に接触して前記シリンダとの間で摩擦力を発生させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転倒防止装置。
  4. 前記制動部材は、前記ダンパが伸長する際に、前記シリンダとの間において発生する磁力によって前記ダンパの伸長方向への移動を制動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転倒防止装置。
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