JP2020025338A - パッチアンテナ及び車載用アンテナ装置 - Google Patents

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Hirotoshi Mizuno
浩年 水野
正幸 後藤
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正幸 後藤
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Abstract

【課題】その保持構造の複雑化や高価な材料や加工・成形の難しい材料の使用によるコスト増を招くこと無く複数の周波数帯の信号を安定的に受信可能な小型低背のパッチアンテナを提供する。【解決手段】両面を有する誘電体12の上方面に第1放射素子11、誘電体12の下方面に第2放射素子13を設ける。第2放射素子13と地導体15との間には、誘電体12よりも比誘電率が小さい樹脂製の基台14が配置されている。第1放射素子11と第2放射素子13は、それぞれ異なる周波数帯の信号を受信する。【選択図】図1

Description

本発明は、パッチアンテナ及び車載用アンテナ装置に関する。
近年、GNSS(Global Navigation Satellite System)で取得した車両の位置情報を利用したITS(Intelligent Transport Systems)やADAS(advanced driver
assistance system)の開発が進められている。このようなシステムでは、車両の位置情報の精度を高めることが重要となる。車両の位置情報の精度を高める簡易な手段は、その車両で複数の衛星からのGNSS信号を受信し、相互に補完することであるが、車載用アンテナ装置の場合、設置領域が限られることからそれが困難である。
すなわち、衛星からの各GNSS信号はそれぞれ異なる周波数帯(バンド)で搬送される。増幅器などもその周波数帯用に調整されている。そのため、受信したい周波数帯の数だけアンテナや増幅器などを並べると、車載用アンテナ装置が大型化してしまう。
このような問題を解決するため、特許文献1に開示された車載用アンテナ装置では、誘電体の片面に放射素子を実装したパッチアンテナを二段に重ね、受信したGNSS信号を増幅する際に二つの周波数帯で利得のピークが得られるようにしている。
米国特許出願公開第2006/220970号明細書
パッチアンテナは、放射素子を実装する誘電体としてセラミックを用いるものが多い。セラミックは、成形する際に高温による焼成などの工程が不可欠になることから一般に高価である。成形・焼成後は非常に固くなるので、それを保持するためのネジ穴などを事後に形成することも難しい。そのため、特許文献1に開示された車載用アンテナ装置のようにパッチアンテナを二段重ねる構造のものは、材料費が嵩むだけでなく、二段のパッチアンテナを長期間にわたって安定的に保持し続けるための保持構造が複雑なものとなり、車載用アンテナ装置全体のコスト上昇要因になる。特許文献1に開示された車載用アンテナ装置は、また、パッチアンテナの高さも同様のセラミック材料を使えば2倍以上になり、車載用アンテナ装置を低背化することができない。
本発明は、その保持構造が複雑になることや素材が高価で加工の難しいセラミック材料の使用量増でコスト増を招くこと無く複数の周波数帯の信号を安定的に受信可能な小型低背のパッチアンテナを提供することを目的とする。
本発明の他の課題は、複数のパッチアンテナを搭載しても小型低背化が容易な車載用アンテナ装置を提供することにある。
本発明のパッチアンテナは、第1周波数帯の信号を受信する第1放射素子と、前記第1周波数帯と異なる第2周波数帯の信号を受信する第2放射素子と、前記第1放射素子及び前記第2放射素子の間に配置される誘電体と、を有し、前記第1放射素子及び前記第2放射素子がそれぞれ地導体から隔れていることを特徴とする。
本発明によれば、一つの誘電体を二つの放射素子が挟んで配置しており、地導体からも離れているので、一つの誘電体と一つの放射素子を有するパッチアンテナを二段重ねた場合と同等の動作特性のパッチアンテナを小型低背で安価に実現することができ、一つの誘電体と一つの放射素子を有するパッチアンテナを二段重ねた場合に比べて保持構造を容易に実現することできる。また、このようなパッチアンテナを搭載することで、小型低背化が容易で安価となる車載用アンテナ装置を実現することができ、さらに、このようなパッチアンテナを容易に保持した車載用アンテナ装置を実現できる。
(a)は本実施形態に係るパッチアンテナの上面図、(b)は側面図。 本実施形態に係るパッチアンテナの分解斜視図。 本実施形態に係るパッチアンテナの利得特性図。 基台の材質を変えた場合の利得変化を示すシミュレーション図。 基台の厚みを変えた場合の利得変化を示すシミュレーション図。 (a)〜(d)はアンテナ部品の形状のバリエーション例を示した図。 (a)は、変形例4に係るパッチアンテナの上面図、(b)は側面図。 変形例4のパッチアンテナにおける利得変化を示すシミュレーション図。 変形例4のパッチアンテナにおける軸比変化を示すシミュレーション図。
以下、本発明を、一つで複数の周波数帯のGNSS信号を受信可能なパッチアンテナに適用した場合の実施の形態例を説明する。
本実施形態のパッチアンテナは、衛星から第1周波数帯の一例となる1.2GHz帯のGNSS信号と、第2周波数帯の一例となる1.6GHz帯のGNSS信号とを受信する。1.2GHz帯のGNSS信号を受信する素子を「第1放射素子」、1.6GHz帯のGNSS信号を受信する素子を「第2放射素子」と呼ぶ。各放射素子は、円偏波を受信するための放射素子であり、二次元構造の導体パターンで構成される。導体パターンは、例えば両端が開放されたマイクロストリップ線路と同等の構造を有するものであっても良く、ミアンダ状、フラクタル状、面状あるいはこれらを組み合わせた形状のパターンであっても良い。本実施形態では、一辺の長さが1/2波長の整数倍に一致する周波数帯で共振する四角形状の導体パターンであるものとする。
パッチアンテナ1の実施の態様は様々であるが、本実施形態では、電波透過性のアンテナケースに収容して車載用アンテナ装置のアンテナ部品として実施することを想定している。アンテナケースの形状及びサイズは、受信する周波数帯がパッチアンテナ1よりも低いアンテナを同梱する場合は、同梱するアンテナの形状及びサイズに依存したものとなる。本明細書では、アンテナケースを取り付ける車両側の取付面(例えば車両ルーフ)に対して鉛直上方を「上」、鉛直下方(大地方向)を「下」とする。
<パッチアンテナの構成例>
図1は本実施形態のパッチアンテナ1の外観図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。また、図2は、パッチアンテナ1の分解斜視図である。
本実施形態のパッチアンテナ1は、互いに大きさが異なる第1放射素子11と第2放射素子13が、一つの誘電体12を挟んで配置された構造を有する。すなわち、第1放射素子11と第2放射素子13との間に誘電体13が存在する構造を有する。誘電体12は、例えば比誘電率が約20のセラミック製であり、地導体15と平行の平面における一辺の長さが46mm、地導体15から垂直方向の高さ、つまり厚みが7mmの四角柱状に成形されている。四角柱状のうち、地導体15から最も離れた点を含む面部を「第1面」、地導体15に最も近い点を含む面部を「第2面」と呼ぶ。
第1放射素子11は、地導体15と平行の平面における一辺の長さが25mmの導体パターンであり、誘電体12の第1面のほぼ中央部に実装される。第2放射素子13は地導体15と平行の平面における一辺の長さが46mmの導体パターンであり、誘電体12の第2面のほぼ全面に実装される。誘電体12への第1放射素子11及び第2放射素子13の実装の仕方は公知の手法を用いることができる。
第2放射素子13と地導体15とが隙間無く面接触していると、第2放射素子13が放射素子として動作しなくなる(相応の隙間があると放射素子として動作する)。つまり、パッチアンテナ1が1つの周波数帯用の放射素子を備えた通常のパッチアンテナと同じになってしまう。本実施形態では、第2放射素子13が地導体15から電気的に離れた状態にするために、第2放射素子13と地導体15との間に、絶縁性部材で構成された基台14を介在させている。基台14が絶縁性部材なので、誘電体12(第2放射素子13)を基台14に接合させても、短絡などの問題を生じることもない。
絶縁性部材には、例えばネジ止め可能な硬度を有する樹脂を用いることができる。樹脂は安価な絶縁性部材であり、射出成形などで容易に成形できる。また、予め所定形状に作成されたものの一部を削り取るなど事後の成形や加工も容易である。硬質部材や配線部材などの周囲をモールドすることもできる。
基台14を樹脂で構成することにより、地導体15への保持構造を容易に実現することができる。例えばネジを用いた基台14の保持構造を第1放射素子11及び第2放射素子13の動作特性に影響を与えない任意の部位に複数設けることができる。そのため、長期にわたって変位の無い保持構造を容易に実現することができる。
なお、基台14は絶縁体(導体・磁性体を除く)であればどのような材質であっても良い。本実施形態の基台14は、比誘電率が約4.3の樹脂製で、地導体15と平行の平面における一辺の長さが47mm、地導体15から垂直方向の高さ、つまり厚みが5mmの四角柱状に成形されているものとする。
地導体15は、基台14よりも面積が大きい導体板であり、地板と呼ばれる場合もある。この地導体15は給電時に同軸の接地側を接続することで接地電位となり、第1放射素子11及び第2放射素子13と対になってパッチアンテナを構成する。基台14の地導体15への投影面積は、誘電体12の投影面積よりも大きい。つまり、パッチアンテナ1を上方から見た各部品の面積は、地導体15、基台14、誘電体12及び第2放射素子13、第1放射素子11の順に小さくなる。なお、第2放射素子13の面積は、誘電体12の第2面の面積より小さくても良い。
<利得特性>
次に、上記のように構成されるパッチアンテナ1の動作特性、特に周波数ごとの利得特性について説明する。図3は、パッチアンテナ1の利得特性図である。横軸は周波数(GHz)、縦軸は利得(dBic)である。「dBic」は円偏波利得の大きさを表す。実線101は各周波数における利得の変化を表す。
図3に示すように、パッチアンテナ1は、利得は1.2GHz帯と1.6GHz帯の両方でピークを示す。つまり、1.2GHz用のパッチアンテナと1.6GHz帯のパッチアンテナとを二つ重ねた従来構造のパッチアンテナとほぼ同等の利得特性となる。
<本実施形態の効果>
上記の通り本実施形態のパッチアンテナ1は、高価で加工が困難な誘電体12を一つしか備えなくとも、従来構造のように二つのパッチアンテナ(誘電体も二つ)を重ねた場合と同等の利得特性が得られる。二つの誘電体を重ねる必要が無いので、パッチアンテナ1の保持構造を複雑にする必要が無い。また、高価な誘電体12を一つしか備えていないので、パッチアンテナ1の製造コストが著しく低減するという効果が得られる。また、このようなパッチアンテナ1を搭載することで、車載用アンテナの小型低背化が容易になるという効果が得られる。
本実施形態では、また、第2放射素子13と地導体15との間が、樹脂製の基台14によって電気的に離れているので、第2放射素子13が接地電位になることがなく、第2周波数帯の信号受信に用いることができる。
また、従来構造のようにパッチアンテナを二つ重ねた場合、上段のパッチアンテナと下段のパッチアンテナは物理的に異なるサイズとすることが一般的である。例えば、下段のパッチアンテナが上段のパッチアンテナよりも大きい場合、誘電体も下段のものが上段のものよりも大きくなる。これに対して、本実施形態のパッチアンテナ1は、第2放射素子13が誘電体12上に実装され、第2放射素子と地導体15とを基台14により電気的に離しているので、基台14と第2放射素子13を物理的に異なるサイズとする必要がなく、基台14を第2放射素子13よりも物理的に大きくする必要がない。そのため、パッチアンテナを二つ重ねる従来構造に対して物理的に小さい方の誘電体サイズを選択可能であり、従来構造のものよりも小型低背化できるという効果が得られる。
また、従来構造のように同種のセラミックなどの誘電体パッチアンテナを二つ重ねる場合、下段のパッチアンテナの放射素子は上段のパッチアンテナの放射素子よりも大きくする傾向にある。この場合、上段のパッチアンテナの放射素子の受信周波数帯は、下段のパッチアンテナの放射素子の受信周波数帯よりも高くする必要がある。これに対して、本実施形態のパッチアンテナ1では、第1放射素子11が1.2GHz帯用であり、第2放射素子13が1.6GHz帯用であるように、放射素子の高さ方向の位置関係による受信可能とする周波数帯の制約は無い。そのため、本実施形態によれば、パッチアンテナ1の設計の自由度が向上するという効果が得られる。
本実施形態で用いる基台14は、ネジ止め可能な硬度を有する樹脂を用いるので、基台14を保持するためにネジなどを用いる保持構造を任意かつ事後に変更可能で設計することができ、この観点からも、パッチアンテナ1の設計の自由度が向上するという効果が得られる。
<変形例1>
本実施形態では、基台14の材質が比誘電率4.3の樹脂である場合の例を説明したが、空気あるいはアルミナのような絶縁性部材、すなわち比誘電率が異なる材質のもので置き換えることができる。空気の場合は樹脂製の枠組(スケルトン)あるいは小型スペーサで基台14を構成することになる。図4は、基台14の材質ごとのパッチアンテナ1の周波数(横軸:GHz)と利得(縦軸:dBic)との関係を示したシミュレーション図である。実線101は上述した樹脂(比誘電率4.3)の場合の特性、短破線102は空気(比誘電率1)の場合の特性、長破線103は、アルミナ(比誘電率9.5)の場合の特性を示す。
図4に示すように、基台14を比誘電率が異なる材質に置き換えても、すなわち基台14を構成する絶縁材の材質が変わっても、1.2GHz帯のピークの利得の大きさには大きな差はない。一方で、1.6GHz帯のピークの利得の大きさは、基台14がアルミナである場合(長破線103)が一番高く、二番目が樹脂の場合(実線101)、三番目が空気の場合(短破線102)となる。つまり、パッチアンテナ1の利得だけに着目すれば、アルミナのような高い比誘電率の材質で基台14を作成することもできるが、アルミナはセラミックと同様、高価であり、製造コストが増加する。空気の場合は、枠組などを別途用意しなければならず、それがコスト増につながる。成形・加工が容易な樹脂製の基台14がコスト・パフォーマンスでは最も優れたものとなる。
<変形例2>
本実施形態では、基台14(地導体15と平行の平面における一辺の長さが47mmの樹脂製)の高さが5mmである場合の例を説明したが、基台14の高さは、アンテナケースの大きさや同梱する他の周波数帯のアンテナとの関係で、適宜変更することができる。図5は、基台14の厚みを変えたときのパッチアンテナ1の周波数(横軸:GHz)と利得(縦軸:dBic)との関係を示したシミュレーション図である。実線101は上述した5mmの場合の特性、破線104は2mmの場合の特性、一点鎖線105は8mmの場合の特性を示す。
基台14の厚みを変えると、第1放射素子11と地導体15との間の電気長が変わる。しかし、基台14の比誘電率は誘電体12よりも低いので、第1放射素子11と地導体15との間の電気長は、主に誘電体12の大きさに依存する。そのため、基台14の厚みを変えることによる第1放射素子11の利得特性の変化は、第2放射素子13の利得特性の変化に比べて小さいものとなる。
実際、図5に示すように、基台14の厚みが変わっても、1.2GHz帯のピークの利得の大きさには大きな差はなかった。1.6GHz帯のピークの利得の大きさも、基台14の厚みが5mm(実線101)の場合も8mm(一点鎖線105)の場合も大きな差はなかった。
一方で、基台14の厚みが2mm(破線104)の場合は、基台14の厚みが5mm(実線101)と8mm(一点鎖線105)の場合に比べて、パッチアンテナ1の利得が僅かに低下するほか、利得がピークとなる周波数が低い方にずれる。1.2GHz帯と1.6GHz帯以外の周波数帯では利得の高低は無関係なので、基台14の厚みが約5mmであれば、それ以上の厚みにする必要がないので、パッチアンテナ1の低背化に寄与することができる。
なお、1.6GHz帯のうち低い周波数の信号受信に用いる用途では、約2mm以上約5mm以下にしても良いことは言うまでもない。
<変形例3>
本実施形態では、誘電体12、基台14及び地導体15の全てが、上方から見て四角形状である場合の例を説明したが、これらの形状は、パッチアンテナ1の設置可能スペース及び求められる動作特性に応じて適宜変更が可能である。
図6(a)〜(d)は、パッチアンテナ1の上面図のバリエーションを示した上面図である。第1放射素子11及び第2放射素子13は、いずれも上方から見て四角形状の導体パターンであるものとする。
図6(a)は誘電体12及び地導体15は四角形状であるが、基台24が円形状の例である。基台24は誘電体12の外接円となる。そのため、誘電体12と基台24の上方から見たときの面積は、ほぼ同じとなる。
図6(b)は基台14及び地導体15は四角形状であるが、誘電体22が円形状の例である。誘電体22は基台14の内接円となる。
図6(c)は誘電体12は四角形状であるが、基台24及び地導体25が円形状の例である。基台24は誘電体12の外接円となる。
図6(d)は誘電体22、基台24及び地導体25が円形状の例である。内径は誘電体22、基台24、地導体25の順に大きくなる。
本発明者らのシミュレーションによれば、上方から見た各部品の形状のバリエーションが変わっても、基台24の面積が誘電体12の面積とほぼ同等であれば、第1実施形態のパッチアンテナ1と同様、利得のピークが1.2GHz帯と1.6GHz帯に表れることが判明している。そのため、パッチアンテナ1を収容するアンテナケースの形状や設置スペースあるいは固定構造に応じて任意の部品形状にすることができ、パッチアンテナ1の設計の自由度を向上させることができる。
<変形例4>
誘電体12に比べて樹脂製の基台14の成形・加工が容易であることは、上述した通りである。第2放射素子13は基台14と対面しているので、両者の端が近接している。第1実施形態で説明した基台14は比誘電率が4.3であり、空気の比誘電率は1.0なので、両者の端の境目の部分で、第2放射素子13の利得が比誘電率の差に起因する影響を受ける。そこで、変形例4では、基台14の大きさが第2放射素子13に与える影響について説明する。
図7(a)は、変形例4に係るパッチアンテナの上面図、同(b)は(a)の紙面上方を0度としたときに180度の方向から見た側面図である。地導体15は省略しているが、図6(c)に対応する。このパッチアンテナは、上方から見た部品形状が、第1放射素子11及び誘電体12(その第2面の第2放射素子13も同様)が四角形状で、基台241,242,243が円形状の場合の例である。第1放射素子の一辺の長さは25mm、誘電体12及び第2放射素子13の一辺の長さは47mmである。内径は、基台241が44mm、基台242が56mm,基台243が68mmである。基台242の面積は、第1実施形態の基台14とほぼ同じになる。誘電体12の厚みは7mm、基台241,242,243の厚みは5mmである。
図8は、変形例4に係るパッチアンテナの周波数(横軸:GHz)と利得(縦軸:dBic)との関係を示したシミュレーション図である。また、図9は、変形例4に係るパッチアンテナの周波数(横軸:GHz)とアンテナ軸比(縦軸:dBic)との関係を示したシミュレーション図である。アンテナ軸比は、完全な円偏波にどの位近いかを表す指標であり、受信する周波数帯で3dB以内であれば、均等(ほぼ完全な円偏波)ということができる。これらの図において、実線101は第1実施形態の基台14の場合の特性、短破線202は基台241の場合の特性、一点鎖線203は基台242の場合の特性、長破線204は基台243の場合の特性を示す。
図8及び図9に示すように、基台242の場合のパッチアンテナ(一点破線203)では、第1実施形態のパッチアンテナ1(実線101)と同様、利得は1.2GHz帯と1.6GHz帯の両方でピークを示し、アンテナ軸比もほぼ均等となる。つまり、面積がほぼ同じであれば、利得特性やアンテナ軸比に変化はみられなかった。
一方、基台241の場合のパッチアンテナ(短破線202)では、利得のピークを示す周波数が1.6GHz帯から高い周波数帯に変わる。また、基台243の場合のパッチアンテナ(長破線204)では、利得のピークを示す周波数が1.6GHz帯から低い周波数帯に変わる。アンテナ軸比は、1.0GHz〜1.6GHzの間では、いずれもほぼ均等となるが、基台241の場合のパッチアンテナ(短破線202)では高い周波数帯ほど均等となり、基台243の場合のパッチアンテナ(長破線204)では低い周波数帯ほど均等となる。
これは、パッチアンテナ1の動作特性、例えば上記の利得特性や軸比などを変えたい場合は、第1放射素子11又は第2放射素子13の大きさや位置を変えるのが一般的であるが、そのようにしなくとも、比較的加工が容易で安価な基台14の上方から見た面積や厚みを調整することで目的達成が可能になることを意味する。特に、基台14の面積等を変えることにより、第2放射素子13の利得特性を大きく変えることができる。
<変形例5>
本実施形態では、第1放射素子11と第2放射素子13とが誘電体12を挟んで配置され、第1放射素子11及び第2放射素子13がそれぞれ地導体15から隔れることで、パッチアンテナ1の利得が2カ所でピークを示すことを説明したが、二つの放射素子11,13で利得のピークを三つ以上とすることもできる。
例えば、第1放射素子11と第2放射素子13の少なくとも一方の導体パターンの一部を、電気長が全体の導体パターン(上記の二つの利得のピークを生じさせる長さ)と異なるスロット、スリットあるいはこれらの組み合わせとする。スロットやスリットは、給電点を起点とした内壁の長さが電気長となる。これにより、利得がピークとなる周波数帯を三つ以上にすることができる。
<その他の変形例>
以上の説明は、第1放射素子11,誘電体12,第2放射素子13,基台14,地導体15の形状が、上方から見て四角形状あるいは円形状である場合の例であるが、四角形状と円形状は形状の代表例であって、略四角形状、略円形状ないし楕円形状、略楕円形状であっても、同様の説明が成り立つものである。
また、四角形状に限らず、三角形状あるいは五角形状以上の多角形状(あるいは略多角形状)であっても、基台の面積が誘電体12の面積とほぼ同等であれば、第1実施形態のパッチアンテナ1とほぼ同等の利得特性となる。
なお、以上の説明では、基台14の比誘電率が誘電体12の比誘電率より低い例について説明したが、常にそのようにしなければならない訳ではない。用途によっては、基台14の比誘電率を誘電体12の比誘電率より高くしても良い。

Claims (5)

  1. 地導体と、
    第1面及び前記第1面の背面側となる第2面を有する誘電体と、
    前記第1面に実装された第1放射素子と、
    前記第2面に実装された第2放射素子と、を備え、
    前記第2面は前記地導体と対向し、
    前記第2放射素子と前記地導体との間に介在し、前記第1放射素子及び前記第2放射素子の実装後に、前記第1放射素子及び前記第2放射素子の少なくとも一方の動作特性を変化させる樹脂を有することを特徴とする、
    パッチアンテナ。
  2. 前記第1放射素子と前記第2放射素子とがそれぞれ導体パターンで形成されており、
    給電点に対していずれかの導体パターンが複数の電気長となるサイズであることを特徴とする、
    請求項1に記載のパッチアンテナ。
  3. 前記樹脂が、前記誘電体を前記地導体に対して保持する保持構造であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のパッチアンテナ。
  4. 前記導体パターンの一部に、スロット、スリット、ミアンダ、フラクタルあるいはこれらの組合せが形成されていることを特徴とする、
    請求項2又は3に記載のパッチアンテナ。
  5. アンテナケースと、
    前記アンテナケースに収容されるパッチアンテナと、を備え、
    前記パッチアンテナが請求項1から4のいずれか一項に記載されたパッチアンテナであることを特徴とする、
    車載用アンテナ装置。
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