JP2013135262A - アンテナ装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】板状の誘電体12と、放射導体10と、板状の接地導体11とを有し、放射導体10の中心に孔13a、放射導体10の対向する部分に一対の切り欠き部10a,10aがそれぞれ形成されたパッチアンテナ1において、切り欠き部10a,10a同士を結ぶ第1の線分上の偏心位置に孔13bを有し、第1の線分と直交する第2の線分上の偏心位置に孔13c,13dを有する。これにより、中心の孔以外に複数の孔を上記偏心位置に予め形成しておけば、中心にだけ孔を必要とする電子機器のみならず、中心の孔以外に孔を必要とする電子機器に対応できるアンテナを得ることができる。
【選択図】図1
Description
したがって、アナログ式腕時計の場合には、文字板の上で駆動される分針及び時針の駆動軸はアンテナの中心を貫通する必要があり、そのために、アンテナの中心には当該駆動軸用の孔を設ける必要がある。
一方、いわゆるクロノグラフと呼ばれる多針の腕時計にパッチアンテナを適用する場合、アンテナの中心以外にも孔を空けることが必要となる。
パッチアンテナの場合、中心以外に無造作に孔を空けると、中心だけに孔を有するパッチアンテナとは電流の経路が異なってしまい、中心だけに孔を有するパッチアンテナと比べて、特性が大きく劣化してしまうということがある。
そのため、中心だけに孔を有するパッチアンテナと、多針用のパッチアンテナとは従来、別々に設計されるのが通常であった。そのため、設計が面倒であった。
板状の誘電体と、この誘電体の表面に設けられた板状の放射導体と、前記誘電体の裏面に設けられた板状の接地導体と、を備え、前記放射導体の中心に前記放射導体、前記誘電体及び前記接地導体を貫通する孔が形成され、円偏波特性を有する位置で給電するパッチアンテナにおいて、
前記放射導体には当該放射導体の中心を挟んで対向する位置にそれぞれ切り欠き部が形成され、
さらに、前記切り欠き部同士を互いに結び前記放射導体の中心を通る第1の線分と、前記第1の線分と前記放射導体の中心で直交する第2の線分とを考えた場合、前記第1の線分上で且つ当該第1の線分を前記放射導体の中心によって区切った2つの線分のうち少なくとも一方の線分上の偏心位置に孔が形成されると共に、前記第2の線分上で且つ当該第2の線分を前記放射導体の中心によって区切った2つの線分のうち少なくとも一方の線分上の偏心位置に孔が形成されていることを特徴とする。
すなわち、本発明のパッチアンテナによれば、中心の孔以外に孔を必要とする電子機器に対応できるパッチアンテナを容易に得ることができる。
図1は本発明の第1の実施形態のパッチアンテナの平面図である。
このパッチアンテナ1は、図2に示すように、板状の放射導体10及び接地導体11で板状の誘電体12を上下から挟み込んだ平面アンテナ構造となっている。
そして、放射導体10と接地導体11とは、孔13aを画成する内壁の全周に沿って付設した短絡導体15によって電気的に短絡されている。この短絡導体15は、放射導体10と接地導体11とを接続する電気接続部を構成する。
ここでは誘電体12は平面視で8角形を成している。このように誘電体12を8角形その他の多角形とすることにより、電子機器のケース内にパッチアンテナ1を組み込んだ際にその角部が位置決め部として機能し、ケースに対する誘電体12の回転防止と、ケースに対して誘電体12を組み込む際に、その角部が指標として機能し、パッチアンテナ1の向きを簡単に合わせることができる。
また、誘電体12の比誘電率は、要求されるパッチアンテナ1のサイズに応じた値に設定される。
すなわち、誘電体12を設けないとすれば、放射導体10の直径は受信電波の波長に対して1/2になっている必要がある。例えば、GPS衛星からの受信周波数が1.57542GHZだとすれば、放射導体10の直径を95.2mmとすることが必要である。しかし、それでは大きすぎて、パッチアンテナ1が適用される電子機器のケースの内に組み込むことができない場合もある。そこで、パッチアンテナ1が適用される電子機器のケースサイズに応じて、誘電体12の比誘電率を適宜に選択することで、波長短縮化を図ることとしている。
通常のパッチアンテナでは放射導体の中心位置で電圧が0Vになるため、仮に、この中心位置においてピンポイントで放射導体10と接地導体11とを接続し短絡させただけではアンテナ特性にはほとんど影響しない。
しかし、放射導体10の中心SAの位置に孔13aを設ける一方で、この孔13aを画成する内壁の全周に沿って付設した短絡導体15を介して、放射導体10と接地導体11とを接続し短絡させると、短絡導体15自身がアンテナ素子として機能する。その結果、短絡導体15が存在する分だけ、電波を受ける面積または容積が増加し,アンテナ利得が増加する。
このような理由から、実施形態のパッチアンテナ1では、放射導体10と接地導体11とを円筒状の短絡導体15で接続している。
3つの孔13b,13c,13dのうち孔13bは、一対の切り欠き部10a,10aを結び放射導体10の中心SAを通る線分(第1の線分:Y(+)−Y(−)線)のうち、Y(+)側の線分上に形成されている。
また、孔13cは、第1の線分に放射導体10の中心SAで直交する線分(第2の線分:X(+)−X(−)線)のうち、X(+)側に形成され、孔13dは、第2の線分のうち、X(−)側に形成されている。
ここで孔が存在すると、電流がその孔を迂回することによって経路が長くなり周波数が低くなる。そこで、電流の流れる経路の上である第1の線分及び第2の線分上に孔を形成し、孔の大きさや数を変更することで、他方の電流による周波数に影響を与えずに経路の長さを容易に調整することができ、パッチアンテナ1の中心SA以外に孔を形成した場合であっても周波数の調整が容易となる。
また給電点と中心SAを通る線分上は直線偏波の軸になるため、この線分上に孔を形成すると、給電特性が悪化してしまい孔を形成する位置に不向きである。つまり、パッチアンテナ1を右旋円偏波とするには複数の孔を対称に形成することが望ましく、そのためには第1の線分及び第2の線分上に孔を形成するほうが、他の位置に孔を形成するよりも望ましい。
この実施形態のハッチアンテナ1の給電点Sは、一対の切り欠き部10a,10aを結び放射導体10の中心SAを通る線分(第1の線分:Y(+)−Y(−)線)と、放射導体10の中心SAと当該給電点Sとを結ぶ線分(SA−S)とがX(−),Y(−)の領域において45°となるような位置に設定されている。これによって、右旋円偏波に対応したアンテナが実現される。
なお、パッチアンテナ1を右旋円偏波とするのに、給電点Sを、一対の切り欠き部10a,10aを結び放射導体10の中心SAを通る線分(第1の線分:Y(+)−Y(−)線)と、放射導体10の中心SAと当該給電点Sとを結ぶ線分(SA−S)とがX(+),Y(+)の領域において45°となるような位置に設定してもよい。
なおちなみに、パッチアンテナ1を右旋円偏波でなく左旋円偏波とする場合には、給電点Sを、一対の切り欠き部10a,10aを結び放射導体10の中心SAを通る線分(第1の線分:Y(+)−Y(−)線)と、放射導体10の中心SAと当該給電点Sとを結ぶ線分(SA−S)とがX(+),Y(−)の領域またはX(−),Y(+)の領域において45°となるような位置に設定する。
続いて、放射導体10の中心SAから給電点Sまでの距離について言えば、その距離はインピーダンスが例えば50Ωとなるように設定されている。
なお、このシミュレーションでは、腕時計に使用されるパッチアンテナを想定し、アンテナの最大径を29.5mm、孔13aの直径を2.5mm、それ以外の孔の直径を1.5mmとした。また、1.5mmの孔は放射導体10の中心から7.5mmずれた位置に形成した。さらに、放射導体10と接地導体11とを円筒状の短絡導体15で接続した。
図8は、この比較例1のパッチアンテナ1Aの放射特性のシミュレーション結果を示したグラフである。
同図においては、実線81がYZ平面での右旋偏波に対する放射特性を示し、破線82がZX平面での右旋偏波に対する放射特性を示し、2点鎖線83が左旋偏波に対する放射特性を示している。
この図8からは、パッチアンテナ1Aの天頂方向(0°の方向)では右旋偏波の利得(dBic)が左旋偏波の利得よりも大きく、しかも、両者の利得差が大きくなっている。すなわち、比較例1のパッチアンテナ1Aは円偏波特性に優れていることが分かる。
図10は、比較例2のパッチアンテナ1Bの放射特性のシミュレーション結果を示したグラフである。
同図においては実線101がYZ平面での右旋偏波に対する放射特性を示し、破線102がZX平面での右旋偏波に対する放射特性を示し、2点鎖線103が左旋偏波に対する放射特性を示している。
この図10からは、比較例1のパッチアンテナ1Aに比較して、パッチアンテナ1の天頂方向では、右旋偏波の利得と左旋偏波の利得との差が小さく円偏波特性に劣り、しかも、右旋偏波で約4dBicの利得低下が生じていることが分かる。
また、図11は比較例3のパッチアンテナ1Cの平面図である。このパッチアンテナ1Cは、一対の切り欠き部10a,10aを結び放射導体10の中心SAを通る線分(第1の線分:X(+)−X(−)線)に中心SAで直交する線分(第2の線分:Y(+)−Y(−)線)上で且つ給電点Sの側(Y(−)側)に孔13fを孔13aの他に1つ形成したアンテナである。
図12は、比較例3のパッチアンテナ1Cの放射特性のシミュレーション結果を示したグラフである。同図においては実線121がZX平面での右旋偏波に対する放射特性を示し、2点鎖線122がZX平面での左旋偏波に対する放射特性を示している。
この図12からは、比較例1のパッチアンテナ1Aが右旋偏波特性であるのに対して、比較例3のパッチアンテナ1Cでは、パッチアンテナ1Cの天頂方向で左旋偏波の利得が右旋偏波の利得よりも大きくなっていて、左旋偏波特性となってしまっていることが分かる。
また、図6は実施形態のパッチアンテナ1の放射特性のシミュレーション結果を示したグラフである。
同図においては、実線51がYZ平面での右旋偏波に対する放射特性を示し、破線52がZX平面での右旋偏波に対する放射特性を示し、2点鎖線53がYZ平面での左旋偏波に対する放射特性を示している。
この図6からは、パッチアンテナ1の天頂方向(0°の方向)では右旋偏波の利得(dBic)が左旋偏波の利得よりも大きく、しかも、両者の利得差が大きくなっている。すなわち、実施形態のパッチアンテナ1は円偏波特性に優れていることが分かる。
そして、この図6と図8とを比較すると、実施形態のパッチアンテナ1では、比較例1のパッチアンテナ100と同等或いはそれ以上の利得特性が得られることが分かる。
すなわち、実施形態のパッチアンテナ1によれば、中心の孔13a以外の孔を有しないパッチアンテナと同等或いはそれ以上の効果を得ることができる。
これにより、中心の孔13a以外に3つの孔13b,13c,13dをパッチアンテナ1に予め形成しておけば、中心にだけ孔13aを必要とする電子機器のみならず、中心の孔13a以外に1〜3個の孔を必要とする電子機器に対応できるパッチアンテナ1を得ることができる。つまり、電流の流れる経路の上である第1の線分及び第2の線分上に孔を形成することで、中心の孔13a以外に1〜3個の孔を必要とする電子機器に対応できるパッチアンテナ1を容易に得ることができる。
図13は本発明の第2の実施形態のパッチアンテナの平面図である。
この第2の実施形態のパッチアンテナ1Dが第1の実施形態のパッチアンテナ1と異なるのは、放射導体10の中心SAから偏心した位置に形成される孔は3つではなくて2つである点である。
すなわち、この第2の実施形態のパッチアンテナ1Dでは、一対の切り欠き部10a,10aを結び且つ放射導体10の中心SAを通る線分(第1の線分:X(+)−X(−)線)のうち、X(+)側の線分に孔13gが形成され、また、第1の線分に放射導体10の中心SAで直交する線分(第2の線分:Y(+)−Y(−)線)のうち、Y(+)側に孔13hが形成されている。
また、この実施形態のハッチアンテナ1Dの給電点Sは、一対の切り欠き部10a,10aを結び放射導体10の中心SAを通る線分(第1の線分:Y(+)−Y(−)線)と、放射導体10の中心SAと当該給電点Sとを結ぶ線分(SA−S)とがX(−),Y(−)の領域において45°となるような位置に設定されている。この給電点Sの位置は目的等に応じて変更可能である。
また、図15はパッチアンテナ1Dの放射特性のシミュレーション結果を示したグラフである。
同図においては、実線151がYZ平面での右旋偏波に対する放射特性を示し、破線152がZX平面での右旋偏波に対する放射特性を示し、2点鎖線153がYZ平面での左旋偏波に対する放射特性を示している。
この図15からは、パッチアンテナ1Dの天頂方向(0°の方向)では右旋偏波の利得(dBic)が左旋偏波の利得よりも大きく、しかも、両者の利得差が大きくなっている。すなわち、パッチアンテナ1Dは円偏波特性に優れていることが分かる。
そして、この図15と図8とを比較すると、この第2の実施形態のパッチアンテナ1Dによれば、比較例1のパッチアンテナ1Aと同等又はそれ以上の利得特性となっていることが分かる。
すなわち、パッチアンテナ1Dによれば、中心の孔13a以外の孔を有しないパッチアンテナと同等の効果を得ることができる。
これにより、中心の孔13a以外に2つの孔13g,13hを予め形成しておけば、中心にだけ孔13aを必要とする電子機器のみならず、中心の孔13a以外に1〜2個の孔を必要とする電子機器に対応できるパッチアンテナ1Dを得ることができる。つまり、電流の流れる経路の上である第1の線分及び第2の線分上に孔を形成することで、中心の孔13a以外に1〜2個の孔を必要とする電子機器に対応できるパッチアンテナ1Dを容易に得ることができる。
図16は本発明の第3の実施形態のパッチアンテナの平面図である。
この第3の実施形態のパッチアンテナ1Eが第1の実施形態のパッチアンテナ1と異なるのは、放射導体10の中心SAから偏心した位置に形成される孔は3つではなくて4つである点である。
すなわち、この第3の実施形態のパッチアンテナ1Eでは、一対の切り欠き部10a,10aを結び放射導体10の中心SAを通る線分(第1の線分:X(+)−X(−)線)のうち、X(+)側の線分上に孔13iが形成され、X(−)側の線分上に孔13jが形成され、第1の線分に放射導体10の中心SAで直交する線分(第2の線分:Y(+)−Y(−)線)のうち、Y(+)側に孔13kが形成され、Y(−)側の線分上に孔13lが形成されている。
また、この実施形態のハッチアンテナ1Eの給電点Sは、一対の切り欠き部10a,10aを結び放射導体10の中心SAを通る線分(第1の線分:Y(+)−Y(−)線)と、放射導体10の中心SAと当該給電点Sとを結ぶ線分(SA−S)とがX(−),Y(−)の領域において45°となるような位置に設定されている。この給電点Sの位置は目的等に応じて変更可能である。
また、図18は、このパッチアンテナ1Eの放射特性のシミュレーション結果を示したグラフである。
同図においては、実線181がZX平面及びYZ平面での右旋偏波に対する放射特性、2点鎖線182がZX平面での左旋偏波に対する放射特性を示している。
この図18からは、パッチアンテナ1Eの天頂方向(0°の方向)では右旋偏波の利得(dBic)が左旋偏波の利得よりも大きく、しかも、両者の利得差が大きくなっている。すなわち、このパッチアンテナ1Eは円偏波特性に優れていることが分かる。
そして、この図18と図8とを比較すると、この第3の実施形態のパッチアンテナ1Eによれば、比較例1のパッチアンテナ1Aと同等或いはそれ以上の利得特性となっていることが分かる。
すなわち、パッチアンテナ1Eによれば、中心の孔13a以外の孔を有しないパッチアンテナと同等の効果を得ることができる。
これにより、中心の孔13a以外に4つの孔13i〜13lをパッチアンテナ1Eに予め形成しておけば、中心にだけ孔13aを必要とする電子機器のみならず、中心の孔13a以外に1〜4個の孔を必要とする電子機器に対応できるパッチアンテナ1Eを得ることができる。つまり、電流の流れる経路の上である第1の線分及び第2の線分上に孔を形成し、孔の大きさや数を変更することで、中心の孔13a以外に1〜4個の孔を必要とする電子機器に対応できるパッチアンテナ1Eを容易に得ることができる。
図19は変形例1のパッチアンテナ1Fを示している。このパッチアンテナ1Fでは、誘電体12Fを平面視で正方形とすると共に、放射導体10Fを平面視でほぼ正方形とし、この放射導体10Fの一対の対向する角部に三角形状に切りかかれた切り欠き部10b、10bをそれぞれ形成したものである。また、このパッチアンテナ1Fは、中心の孔13aの他に、一対の切り欠き部10b,10bを結び放射導体10Fの中心SAを通る線分のうち、中心SAで区切られる一方の線上に孔13mが形成されている。また、第1の線分に放射導体10Fの中心SAで直交する線分のうち、中心SAで区切られる一方の線上に孔13nが形成され、他方の線上に孔13oが形成されている。この図19には接地導体が図示されていないが、誘電体12Fの下面には接地導体が形成されている。
なお、図19には誘電点Sは図示されていないが、誘電点Sは、パッチアンテナ1Cが右旋偏波特性又は左旋偏波特性を有し、且つ、インピーダンス調整された位置に設置される。その他の構造は、第1の実施形態と同様である。
このパッチアンテナ1Fによれば、電流が流れる方向は対角線上となるため、上記第1〜3の実施形態と同じに、4角形状のパッチアンテナで中心にだけ孔13aを有するものと、ほぼ同等の効果を得ることができる。
これにより、中心の孔13a以外に3つの孔13m,13n,13oをパッチアンテナ1Fに予め形成しておけば、中心にだけ孔13aを必要とする電子機器のみならず、中心の孔13a以外に1〜3個の孔を必要とする電子機器に対応できるパッチアンテナ1Fを得ることができる。
図20は変形例1のパッチアンテナ1Gを示している。このパッチアンテナ1Gでは、誘電体12F及び放射導体10Fの形は変形例1と同じとなっている。
このパッチアンテナ1Gは、中心の孔13aの他に、一対の切り欠き部10b,10bを結び放射導体10Fの中心SAを通る線分のうち、中心SAで区切られる一方の線上に孔13pが形成され、また、第1の線分に放射導体10Fの中心SAで直交する線分のうち、中心SAで区切られる一方の線上に孔13qが形成されている。この図20には接地導体が図示されていないが、誘電体10Fの下面には接地導体が形成されている。
なお、図20には誘電点Sは図示されていないが、誘電点Sは、パッチアンテナ1Cが右旋偏波特性又は左旋偏波特性を有し、且つ、インピーダンス調整された位置に設置される。その他の構造は、第1の実施形態と同様である。
このパッチアンテナ1Gによれば、電流が流れる方向は対角線上となるため、上記第1〜3の実施形態と同じに、4角形状のパッチアンテナで中心にだけ孔13aを有するものと、ほぼ同等の効果を得ることができる。
これにより、中心の孔13a以外に2つの孔13p,13qをパッチアンテナ1Gに予め形成しておけば、中心にだけ孔13aを必要とする電子機器のみならず、中心の孔13a以外に1〜2個の孔を必要とする電子機器に対応できるパッチアンテナ1Gを得ることができる。
また、各々の孔を同心円状に形成しているが、第1の線分又は第2の線分上であれば、同心円状に形成しなくてもよい。
〔付記〕
<請求項1>
板状の誘電体と、この誘電体の表面に設けられた板状の放射導体と、前記誘電体の裏面に設けられた板状の接地導体と、を備え、前記放射導体の中心に前記放射導体、前記誘電体及び前記接地導体を貫通する孔が形成され、円偏波特性を有する位置で給電するパッチアンテナにおいて、
前記放射導体には当該放射導体の中心を挟んで対向する位置にそれぞれ切り欠き部が形成され、
さらに、前記切り欠き部同士を互いに結び前記放射導体の中心を通る第1の線分と、前記第1の線分と前記放射導体の中心で直交する第2の線分とを考えた場合、前記第1の線分上で且つ当該第1の線分を前記放射導体の中心によって区切った2つの線分のうち少なくとも一方の線分上の偏心位置に孔が形成されると共に、前記第2の線分上で且つ当該第2の線分を前記放射導体の中心によって区切った2つの線分のうち少なくとも一方の線分上の偏心位置に孔が形成されていることを特徴とするパッチアンテナ。
<請求項2>
前記第1の線分上で且つ当該第1の線分を前記放射導体の中心によって区切った2つの線分のうち一方の線分上の偏心位置に1つの孔が形成されると共に、前記第2の線分上で且つ前記放射導体の中心によって区切られる2つの線分のうち一方の線分上の偏心位置に1つの孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパッチアンテナ。
<請求項3>
さらに、前記第2の線分上で且つ前記放射導体の中心によって区切られる2つの線分のうち他の線分上の偏心位置に1つの孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のパッチアンテナ。
<請求項4>
さらに、前記第1の線分上で且つ前記放射導体の中心によって区切られる2つの線分のうち他の線分上の偏心位置に1つの孔が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のパッチアンテナ。
<請求項5>
請求項1〜4いずれか一項に記載のパッチアンテナを機器本体に備えることを特徴とする電子機器。
10,10F 放射導体
10a,10b 切り欠き部
11 接地導体
12,12F 誘電体
13a〜13q 孔
SA 中心
S 給電点
Claims (5)
- 板状の誘電体と、この誘電体の表面に設けられた板状の放射導体と、前記誘電体の裏面に設けられた板状の接地導体と、を備え、前記放射導体の中心に前記放射導体、前記誘電体及び前記接地導体を貫通する孔が形成され、円偏波特性を有する位置で給電するパッチアンテナにおいて、
前記放射導体には当該放射導体の中心を挟んで対向する位置にそれぞれ切り欠き部が形成され、
さらに、前記切り欠き部同士を互いに結び前記放射導体の中心を通る第1の線分と、前記第1の線分と前記放射導体の中心で直交する第2の線分とを考えた場合、前記第1の線分上で且つ当該第1の線分を前記放射導体の中心によって区切った2つの線分のうち少なくとも一方の線分上の偏心位置に孔が形成されると共に、前記第2の線分上で且つ当該第2の線分を前記放射導体の中心によって区切った2つの線分のうち少なくとも一方の線分上の偏心位置に孔が形成されていることを特徴とするパッチアンテナ。 - 前記第1の線分上で且つ当該第1の線分を前記放射導体の中心によって区切った2つの線分のうち一方の線分上の偏心位置に1つの孔が形成されると共に、前記第2の線分上で且つ前記放射導体の中心によって区切られる2つの線分のうち一方の線分上の偏心位置に1つの孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパッチアンテナ。
- さらに、前記第2の線分上で且つ前記放射導体の中心によって区切られる2つの線分のうち他の線分上の偏心位置に1つの孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のパッチアンテナ。
- さらに、前記第1の線分上で且つ前記放射導体の中心によって区切られる2つの線分のうち他の線分上の偏心位置に1つの孔が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のパッチアンテナ。
- 請求項1〜4いずれか一項に記載のパッチアンテナを機器本体に備えることを特徴とする電子機器。
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