JP2020025196A - 通信装置、通信方法、プログラムおよび通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】外乱が生じたときの迅速な偏光補正および外乱が生じていない定常時の偏光補正の安定化を両立することができる通信装置、通信方法、プログラムおよび通信システムを提供する。【解決手段】通信装置は、推定部と、決定部と、を備える。推定部は、量子暗号通信に用いる光子の偏光回転量を推定する。決定部は、偏光回転量の推定に用いる条件であって、光子の観測量に関する観測条件を決定する。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、通信装置、通信方法、プログラムおよび通信システムに関する。
情報通信技術の進展により多様なデータがやり取りされるようになり、送信する情報の秘匿性および安全性の確保が大きな課題となっている。その中でも、コンピュータの計算能力が向上しても解読できない暗号技術として量子暗号通信技術があり、実用化が期待されている。
量子暗号通信装置には、鍵情報を干渉計で生じる2つのパルスの位相差にエンコードするタイプ(位相エンコード型)、および、光子の偏光にエンコードするタイプなどがある。位相エンコード型の量子暗号通信装置として、受信装置(受信機)側の干渉計において偏光による光路選択を利用して鍵の生成速度を改善する装置が提案されている。通信路の温度変化や振動により発生する偏光の回転を補正することで、光路選択を安定的に行うことができる。
英国特許第2399220号明細書 英国特許第2404103号明細書
しかしながら、偏光の回転を補正する場合、従来技術では、強風などにより通信路に大きく速い外乱が生じたときの迅速な偏光変化の補正(偏光補正)、および、外乱が生じていない定常時の偏光補正の安定化が両立されていなかった。
実施形態の通信装置は、推定部と、決定部と、を備える。推定部は、量子暗号通信に用いる光子の偏光回転量を推定する。決定部は、偏光回転量の推定に用いる条件であって、光子の観測量に関する観測条件を決定する。
第1の実施形態の通信システムの機能ブロック図。 第1の実施形態の光子送信部および光子受信部の機能ブロック図。 第1の実施形態の制御部の機能ブロック図。 第1の実施形態における制御処理のフローチャート。 変形例1の光子送信部および光子受信部の機能ブロック図。 第2の実施形態の光子送信部および光子受信部の機能ブロック図。 第2の実施形態の制御部の機能ブロック図。 第2の実施形態における通信処理のフローチャート。 第2の実施形態における制御処理のフローチャート。 第3の実施形態の光子送信部および光子受信部の機能ブロック図。 第3の実施形態の制御部の機能ブロック図。 第3の実施形態における制御処理のフローチャート。 第1〜第3の実施形態の装置の主要部のハードウェア構成図。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる通信装置の好適な実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
従来技術では、偏光を補正するための信号の観測時間が一定である。このため、外乱時の迅速な偏光変化の補正、および、定常時の偏光補正の安定化が両立されていなかった。第1の実施形態の通信システムは、偏光による光路選択により高い鍵配送速度が得られるようにした位相エンコード型の量子暗号通信システムである。第1の実施形態では、外乱などにより偏光の回転が速く大きく生じた場合に観測時間を短く、すなわち制御周期を短くする。これにより、外乱時の迅速な偏光補正と、定常時の安定的な偏光補正を両立することが可能となる。また、外乱時のみ制御周期を短くすることで、不必要なまでに頻繁な制御による装置への負担も軽減できる。なお定常時とは、偏光の回転が生じていない状態、または、偏光の回転が所定の範囲内である状態をいう。
次に、第1の実施形態の通信システムの構成例について説明する。図1は、第1の実施形態の通信システムの機能構成例を示すブロック図である。図1に示すように、通信システムは、送信装置100と、受信装置200(通信装置の一例)とが、量子通信路11および古典通信路12を介して接続された構成となっている。
まず送信装置100について説明する。送信装置100は、光子送信部110と、鍵生成部120と、記憶部131と、を備えている。
光子送信部110は、量子暗号通信に用いる光子を受信装置200に送信する。例えば光子送信部110は、量子鍵配送(QKD:Quantum Key Distribution)技術により暗号鍵を共有するために用いる、量子信号を示す光子を送信する。量子鍵配送は、光ファイバにより接続された送信装置100と受信装置200との間で連続的に送信された単一光子を利用して、安全に暗号鍵を共有する技術である。光子送信部110の機能の詳細は後述する。
鍵生成部120は、光子送信部110の動作を制御し、暗号鍵を生成する。例えば鍵生成部120は、量子鍵配送のシフティング処理、誤り訂正処理、および、秘匿性増強処理を実行し、受信装置200との間で共有する暗号鍵を生成する。
記憶部131は、送信装置100で実行される各種処理で用いられる各種情報を記憶する。例えば記憶部131は、秘匿性増強処理によって生成された暗号鍵情報を記憶する。
次に、受信装置200について説明する。受信装置200は、光子受信部210と、鍵生成部220と、記憶部231と、を備えている。
光子受信部210は、量子暗号通信に用いる光子を送信装置100から受信する。例えば光子受信部210は、量子鍵配送技術により暗号鍵を共有するために用いる、量子信号を示す光子を受信する。光子受信部210の機能の詳細は後述する。
鍵生成部220は、光子受信部210の動作を制御、及び受信した光子の情報を元に暗号鍵を生成する。例えば鍵生成部220は、量子鍵配送のシフティング処理、誤り訂正処理、および、秘匿性増強処理を実行し、送信装置100との間で共有する暗号鍵を生成する。
記憶部231は、受信装置200で実行される各種処理で用いられる各種情報を記憶する。例えば記憶部231は、秘匿性増強処理によって生成された暗号鍵情報を記憶する。
量子通信路11は、光子の伝送経路(光通信路)である。量子通信路11は、光ファイバに限られず、自由空間であってもよい。古典通信路12は、例えば送信装置100と受信装置200との間の同期を取るための制御情報などの送受信に用いられる。古典通信路12は、通常、量子通信路11とは別の光ファイバを使用する。量子通信路11および古典通信路12は、標準的なシングルモード光ファイバがよく用いられるが、マルチモード光ファイバが用いられてもよい。
上記各部(鍵生成部120、鍵生成部220)は、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
記憶部131、231は、フラッシュメモリ、メモリカード、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、および、光ディスクなどの一般的に利用されているあらゆる記憶媒体により構成することができる。
次に、光子送信部110および光子受信部210の詳細について説明する。図2は、光子送信部110および光子受信部210の機能構成例を示すブロック図である。
光子送信部110は、無偏光光源101と、偏光ビームスプリッタ102と、位相変調器103と、合波器104と、遅延回路105と、を備えている。
無偏光光源101は、量子信号となる、無偏光の光(光子)を放出する光源である。
偏光ビームスプリッタ102は、無偏光光源101から放出された光を、偏光が相互に異なる2つの光に分割する。例えば偏光ビームスプリッタ102は、第1の偏光を持つ光子を第1の光路に送り、第1の偏光と直交する第2の偏光を持つ光子を第2の光路に送る。第1の光路は、位相変調器103を含む光路である。第2の光路は、遅延回路105を含む光路である。
位相変調器103は、第1の光路に進んだ光子の位相を変調する。例えば位相変調器103は、鍵生成部120からの指示に従い、第2の光路へ進んだ光子に対して4通りの位相差からランダムに選択された位相差を有するように光子の位相を変調する。
遅延回路105は、第2の光路に進んだ光子を遅延させて合波器104に到達させるための回路である。
合波器104は、第1の光路および第2の光路を進んだ光子を合波して出力する。
偏光ビームスプリッタ102、位相変調器103、合波器104、および、遅延回路105は、光に情報をエンコードするための干渉計に相当する。
光子受信部210は、偏光回転装置201と、偏光ビームスプリッタ202と、位相変調器203と、遅延回路204と、ビームスプリッタ205と、光子検出器206、207と、制御部208と、を備えている。
偏光回転装置201は、量子通信路11で発生した偏光の回転を補正する。例えば偏光回転装置201は、制御部208からの制御信号に従い、偏光の回転を補正する。
偏光ビームスプリッタ202は、第1の偏光を持つ光子を第3の光路に送り、第2の偏光を持つ光子を第4の光路へ送る。第3の光路は、遅延回路204を含む光路である。第4の光路は、位相変調器203を含む光路である。
位相変調器203は、第4の光路に進んだ光子の位相を変調する。例えば位相変調器203は、鍵生成部220からの指示に従い、2通りの位相からランダムに選択された位相分、光子の位相を変調する。
遅延回路204は、第3の光路に進んだ光子を遅延させてビームスプリッタ205に到達させるための回路である。
ビームスプリッタ205は、第3の光路へ進んだ光子と第4の光路へ進んだ光子との干渉結果に応じて、光子の光路を選択する。例えばビームスプリッタ205は、干渉した光子を光子検出器206に送り、干渉しない光子を光子検出器207に送る。
偏光ビームスプリッタ202、位相変調器203、遅延回路204、および、ビームスプリッタ205は、光の情報を読み出し可能な状態へ変化させる干渉計に相当する。
光子検出器206、207は、光子を検出して、光の状態を読み出す。光子検出器206、207による検出結果である観測信号は、制御部208に出力される。
制御部208は、観測信号の情報を鍵生成部220に出力し、さらに偏光回転装置201による偏光の回転の補正を制御する。例えば制御部208は、光子検出器206、207から観測信号を入力し、鍵生成部220へと出力する。さらに、観測信号から偏光回転量を推定する。制御部208は、推定結果に応じて、回転の補正制御に用いる制御条件を偏光回転装置201へ出力する。制御部208は、観測信号から次の推定に用いる観測条件を決定する。
図3は、制御部208の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、制御部208は、偏光推定部251と、偏光補正出力部252と、条件決定部253と、信号出力部254と、を備えている。
偏光推定部251は、量子暗号通信に用いる光子の偏光回転量を推定する。例えば偏光推定部251は、量子暗号通信に用いる光子の観測量(一定時間観測した光子数など)の変化に基づいて、偏光回転量を推定する。
偏光補正出力部252は、偏光回転量を参照して、例えば偏光の回転を補正する量(偏光補正量)を偏光回転装置201へ出力する。
条件決定部253は、量子暗号通信に用いる光子の観測量(一定時間観測した光子数など)に応じて、偏光推定部251による推定に用いる条件であって、光子の観測量に関する観測条件を決定する。観測条件は、例えば、光子を観測する観測時間、および、光子のカウント数などである。条件決定部253は、例えば光子の観測量が大きく変動した場合に、観測時間を短くする、または、カウント数を小さくすることにより、推定に用いられる光子の観測量を小さくする。光子の観測量を小さくすることは、推定にかかる時間を短くすること、最終的には偏光の補正の制御周期を短くすることに相当する。条件決定部253が用いる光子の観測量は、偏光推定部251が推定用いる観測量と同じである必要はない。
信号出力部254は、光の情報(観測信号)を光子検出器206と207から受け取り、鍵生成部220へ出力(送信)する。
制御部208は、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば制御部208は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。制御部208は、高速な制御が可能となるFPGAや専用のICなどのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。制御部208は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、制御部208の各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
次に、このように構成された第1の実施形態にかかる通信システムによる制御処理について説明する。制御処理は、光子の観測量に基づき偏光の回転の補正を制御する処理である。本実施形態の制御処理は、例えば量子鍵配送技術により暗号鍵を共有するために用いる光子を送受信する処理(通信処理)を含んでいる。図4は、第1の実施形態における制御処理の一例を示すフローチャートである。
無偏光光源101は、光子を放出する(ステップS101)。偏光ビームスプリッタ102は、第1の偏光を持つ光子を第1の光路に送り、第1の偏光と直交する第2の偏光を持つ光子を第2の光路に送る。
位相変調器103は、第1の光路に進んだ光子の位相をエンコードする(ステップS102)。例えば位相変調器103は、第1の光路に進んだ光子の位相を、第2の光路へ進んだ光子に対して4通りからランダムに選んだ位相差を持つように変調する。第2の光路へ進んだ光子は、遅延回路105により第1の光路に進んだ光子に対して遅れて合波器104に送られる。合波器104は、第1の光路に進んだ光子、および、第2の光路に進んだ光子を合波する。
合波器104で合波された光子は、量子通信路11を通過して光子受信部210へ伝達される(ステップS103)。光子受信部210の偏光回転装置201は、制御部208からの制御信号に従い、量子通信路11中で発生した偏光の回転を補正する(ステップS104)。
偏光ビームスプリッタ202は、第1の偏光を持つ光子を第3の光路へ送り、第2の偏光を持つ光子を第4の光路へと送る。位相変調器203は、第4の光路に進んだ光子の位相をデコードする(ステップS105)。例えば位相変調器203は、第4の光路に進んだ光子の位相を2通りからランダムに選んだ位相分だけ変調する。第3の光路へ進んだ光子は、遅延回路105と同じ長さの遅延回路204により、第4の光路に進んだ光子と同じタイミングでビームスプリッタ205に送られる。これにより、第3の光路へ進んだ光子と第4の光路へ進んだ光子が干渉する。
ビームスプリッタ205は、干渉の結果に応じて光子の光路を選択する。光子検出器206または207は、光子を検出することにより、光の情報(信号)を読み出す(ステップS106)。制御部208の信号出力部254は、光の情報を光子検出器206と207から受け取り、鍵生成部220へ送信する。
制御部208の偏光推定部251は、量子暗号通信に用いるための光子を観測信号とし、光子検出器206と207で検出した光子数の合計値を一定時間観測し、検出した合計値から偏光回転量を推定する(ステップS107)。制御部208の偏光補正出力部252は、偏光回転量を補正する偏光補正量を指示するための制御信号を偏光回転装置201へ送信する。
制御部208の条件決定部253は、量子暗号通信に用いるための光子を観測信号とし、光子検出器206と207で検出した光子数の合計値を一定時間観測し、検出した合計値から、次の推定に用いる観測条件として、例えば次の観測時間を決定する(ステップS108)。
ステップS101〜ステップS108までの処理が繰り返し実行される。次のサイクルでは、ステップS108で決定された観測時間に観測された光子数の合計値が、偏光回転量の推定に用いられる(ステップS107)。
次に、偏光推定部251による偏光回転量の推定方法の詳細について説明する。
量子通信路11における偏光の回転は、例えば、風による架空ファイバの揺れ、温度変化、および、振動の影響により、光ファイバ内部の屈折率が変化することで生じる。
偏光を補正しない場合には、偏光ビームスプリッタ202において第1の偏光の光子が第4の光路へ進む割合、および、第2の偏光の光子が第3の光路へ進む割合が増える。その場合には、第1の偏光の光子と第2の偏光の光子がビームスプリッタ205に到達するタイミングが同時ではなくなり、干渉が起こらなくなる。この結果、適切な情報が取り出せなくなり、最終的に暗号鍵の生成率が低下する。これを防ぐためには、光子受信部210の偏光ビームスプリッタ202に入る前に偏光を補正する必要がある。
偏光を補正するためには、偏光回転量を推定する必要がある。偏光推定部251は、ビームスプリッタ205に同時に到達した光子のみを観測信号として取り出し、これを一定時間取得して、その単位時間あたりの観測量(光子数)の基準値からの減少率を用いて偏光回転量を推定する。基準値は、例えば、予め測定しておいた偏光が回転していない時の観測量、または、長期間観測量を計測した場合の最大値から設定する。基準値に対する減少率は、偏光回転量θに対して、以下の(1)式に示す関係にある。偏光推定部251は、(1)式に従い、減少率に対応する偏光回転量θを算出(推定)する。
基準値からの減少率(%)=(1−0.5×cosθ)×100 ・・・(1)
偏光推定部251による偏光回転量の推定方法はこれに限られるものではない。例えば偏光推定部251は、基準値からの減少量に比例したステップサイズを設定し、段階的な値となる偏光回転量を推定してもよい。
基準値からの減少率の代わりに、ビームスプリッタ205に同時に到達しなかった光子のみを観測信号として取り出し、その観測信号のゼロからの増加量を推定に用いてもよい。この場合、観測信号のゼロからの増加量は、基準値に対して以下の(2)式に示す関係にある。偏光推定部251は、(2)式に従い、増加量に対応する偏光回転量θを算出(推定)する。
増加量=基準値×0.5×sinθ ・・・(2)
偏光補正出力部252は、推定された偏光回転量を補正する偏光補正量を指示するための制御信号を偏光回転装置201へ送信することにより、回転を補正する。制御部208は、PID(Proportional Integral Differential)制御などのフィードバック制御手法を用いてもよい。
偏光推定部251は、光ファイバの近傍に設置された風力センサ、および、光ファイバに取り付けた加速度センサなどの、量子通信路11の屈折率に影響する要因を検知するセンサからの出力信号に基づいて、偏光回転量を推定してもよい。
次に、条件決定部253による、推定に用いられる観測条件を決定する方法の詳細について説明する。
例えば条件決定部253は、ビームスプリッタ205に同時に到達した光子のみを観測信号として取り出し、その一定時間当たりの観測量が閾値(例えば定常時の75%)を下回った場合に、観測時間を短くするよう決定する。
量子信号に使用する光子は非常に少なく、平均光子数が1光子以下となるように設定されている。このため、偏光推定部251が偏光の回転量を精度良く推定するためには一定の観測時間が必要となる。特にレーザー光を用いて疑似単一光子を生成する場合には、平均光子数が0.5光子以下となるように設定することもある。光子数の変化から偏光回転量を推定するためには1000から10000個の光子を集める必要がある。ダークカウントと呼ばれるノイズ光子がカウントに含まれることもあるため、さらに長い時間光子を観測する必要がある。そのため観測時間は例えば100ミリ秒に設定される。この場合、観測時間経過後に偏光制御装置へ補正量の出力が行われるため、偏光制御周期は100ミリ秒以上となる。
一方、例えば電柱間に設置された光ファイバを用いる場合には、強風の影響でファイバが速く大きく揺れることで、偏光制御が間に合わずに、補正できない偏光回転の影響が大きく生じる場合がある。具体的には暗号鍵の生成率の大幅な減少が挙げられる。このような場合には、偏光回転量の推定精度を落としてでも、偏光回転量を推定する時間を短くして偏光制御周期を短くすることで、風による偏光回転に対して偏光補正を追従させることができる。本実施形態によれば、条件決定部253は、観測信号の一定量の減少を確認した場合に、観測時間を短くするよう決定する。例えば上記観測時間を5ミリ秒と短く決定することで迅速なフィードバック補正を可能とする。なお、推定に用いられる観測時間を短くすることはすなわち推定に用いられる観測信号(光子)のカウント数を少なくすることと同義である。
低気圧の接近などによる強風の場合には観測信号は減少し続けるのではなく風の強弱によって観測量が大きく変動し、それが数十分から数十時間継続する。そのため、風以外の装置の故障などによる減少と区別するために、条件決定部253は、一定期間の観測量の標準偏差が閾値以上(例えば定常時の10%)である場合に、観測時間を短くするよう決定してもよい。なお風以外の振動や温度変化による偏光回転は、強風と比較して変化が緩やかであるため区別が可能である。
(変形例1)
偏光回転装置201は、光子送信部側に設置されていてもよい。図5は、このように構成された変形例1にかかる光子送信部110bおよび光子受信部210bの機能構成例を示すブロック図である。
変形例1の光子送信部110bは、偏光回転装置201をさらに備える点が、第1の実施形態の光子送信部110と異なっている。変形例1の光子受信部210bは、偏光回転装置201を備えない点が、第1の実施形態の光子受信部210と異なっている。
本変形例では、制御部208は、例えば古典通信路12を介して、制御信号を光子送信部110b内の偏光回転装置201に送信する。
本変形例によれば、例えば、偏光回転装置201により回転が補正された光子が、量子信号の強度を最適化する減衰器を通過するように構成できる。このため、偏光回転装置201による光子の損失を避けることが可能となる。なお、偏光回転装置を光子送信部側に設置する変形は、以下の各実施形態に対しても適用できる。
(変形例2)
変形例2では、量子通信路11の長さ(通信距離)に応じて、推定に用いられる観測条件の初期値を決定する方法について説明する。本変形例では、条件決定部253は、定常時に一定時間観測した光子の観測量に基づいて観測条件の初期値を決定する。
ここではカウントレートを1秒あたりの光子のビットカウントと定義する。光子送信部110から放出される光子は、盗聴を防ぐためには1光子以下の強度でなければならない。一方、量子通信路11の途中では、量子状態を検出して増幅することができない。また、量子通信路11が長いほど、量子通信路11である光ファイバ内の不純物での吸収や散乱により、次第に光子の数が減少する。例えば通信波長帯の一般的なシングルモードファイバを用いた場合、1キロメートルあたり0.2デシベルの減衰がある。従って、光ファイバでの損失のみを考慮した場合のカウントレートの距離依存性は以下の(3)式で表される。
距離Lのカウントレート=
距離ゼロのカウントレート×10^(−0.2×L/10) ・・・(3)
例えば、量子通信路11が10キロメートルで観測信号のカウントレートが10メガビット毎秒である場合、減衰の原因がファイバ中での損失のみであると仮定すると、量子通信路11が30キロメートルでのカウントレートが4メガビット毎秒まで減衰すると予測される。
前述のように、光子数の変化から偏光回転量を推定するためには一定量の光子を集める必要がある。上記(3)式より、一定の光子のビットカウントCを得るのに必要な観測時間Tは以下の(4)式で表される。
観測時間=C/距離ゼロでのカウントレート×10^(0.2×L/10)・・・(4)
例えば必要なビットカウントが10000であるとすると、条件決定部253は、量子通信路11が10キロメートルの場合には1ミリ秒を、量子通信路11が30キロメートルの場合には、量子通信路11が10キロメートルに対して2.5倍である2.5ミリ秒を、推定に用いられる観測時間の初期値として決定する。
このように、条件決定部253は、定常時の光子の観測量が大きいほど(量子通信路11の距離が短いほど)、推定に用いられる観測量がより小さくなることを示す観測条件の初期値を決定する。変形例2によれば、例えば、通信距離が短い場合には観測時間を短く、通信距離が長い場合には観測時間を長くすることで定常時の安定的な偏光補正が可能となる。なお、観測条件の初期値を決定する変形は、以下の各実施形態に対しても適用できる。
以上のように、第1の実施形態によれば、偏光の回転が速く大きく生じた場合のみに観測時間を短くすることで、強風時の迅速な偏光補正と、定常時の安定的な偏光補正を両立することが可能となる。また、強風時のみ制御周期を短くすることで、不必要なまでに頻繁な制御による装置への負担も軽減できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の通信システムは、量子暗号通信に用いる光子と異なる光子(参照光)の観測量を用いて、量子暗号通信に用いる光子の偏光に回転を推定する。
図6は、第2の実施形態にかかる光子送信部110−2および光子受信部210−2の機能構成例を示すブロック図である。図7は、制御部208−2の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、光子送信部110−2は、無偏光光源101と、偏光ビームスプリッタ102と、位相変調器103−2と、合波器104と、遅延回路105と、参照光源106−2と、合波器107−2と、を備えている。
光子受信部210−2は、偏光回転装置201と、偏光ビームスプリッタ202と、位相変調器203−2と、遅延回路204と、ビームスプリッタ205と、光子検出器206、207と、制御部208−2と、を備えている。図7に示すように、制御部208−2は、偏光推定部251−2と、条件決定部253と、偏光補正出力部252と、信号出力部254と、を備えている。
第2の実施形態の光子送信部110−2は、参照光源106−2と合波器107−2とを追加したこと、および、位相変調器103−2の機能が、第1の実施形態の光子送信部110と異なっている。第2の実施形態の光子受信部210−2は、位相変調器203−2および制御部208−2(偏光推定部251−2)の機能が第1の実施形態の光子受信部210と異なっている。その他の構成および機能は、第1の実施形態にかかる通信システムのブロック図である図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。
参照光源106−2は、偏光回転量を推定するために用いる参照光を放出する光源である。参照光源106−2は、無偏光光源101が兼ねてもよい。
合波器107−2は、参照光源106−2から放出された参照光を、無偏光光源101から放出された光子と同じ経路に入射するために用いられる。
位相変調器103−2は、参照光の位相を変調する機能をさらに有する点が、第1の実施形態の位相変調器103と異なっている。例えば位相変調器103−2は、第2の光路へ進んだ参照光の光子に対して固定の位相差を有するように、第1の光路に進んだ参照光の光子の位相を変調する。
位相変調器203−2は、参照光の位相を変調する機能をさらに有する点が、第1の実施形態の位相変調器203と異なっている。例えば位相変調器203−2は、第4の光路に進んだ参照光の光子が第3の経路に進んだ参照光と干渉した結果、すべて光子検出器206へと進むように位相を変調する。
偏光推定部251−2は、参照光を用いて、量子暗号通信に用いる光子の偏光回転量を推定する。
次に、このように構成された第2の実施形態にかかる通信システムによる通信処理について説明する。通信処理は、例えば量子鍵配送技術により暗号鍵を共有するために用いる光子を送受信する処理である。図8は、第2の実施形態における通信処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS201からステップS206は、第1の実施形態にかかる通信システムにおけるステップS101からステップS106と同様の処理なので、その説明を省略する。このように、第2の実施形態では、検出された量子信号は偏光回転量の推定に用いられない。
次に、第2の実施形態にかかる通信システムによる制御処理について説明する。図9は、第2の実施形態における制御処理の一例を示すフローチャートである。
合波器107−2は、参照光源106−2から放出された参照光を、量子信号を示す光子と同じ干渉計へ入射する(ステップS301)。偏光ビームスプリッタ102は、第1の偏光を持つ参照光を第1の光路に送り、第1の偏光と直交する第2の偏光を持つ参照光を第2の光路に送る。
位相変調器103−2は、第1の光路に進んだ光子の位相を変調する(ステップS302)。例えば位相変調器103−2は、第1の光路に進んだ光子の位相を、第2の光路へ進んだ光子に対して固定の位相差を持つように変調する。第2の光路へ進んだ光子は、遅延回路105により第1の光路に進んだ光子に対して遅れて合波器104に送られる。合波器104は、第1の光路に進んだ光子、および、第2の光路に進んだ光子を合波する。
合波器104で合波された光子は、量子通信路11を通過して光子受信部210−2へ伝達される(ステップS303)。光子受信部210−2の偏光回転装置201は、制御部208からの制御信号に従い、量子通信路11中で発生した偏光の回転を補正する(ステップS304)。
偏光ビームスプリッタ202は、第1の偏光を持つ光子を第3の光路へ送り、第2の偏光を持つ光子を第4の光路へと送る。位相変調器203−3は、第4の光路に進んだ光子の位相を変調する(ステップS305)。例えば位相変調器203−2は、第4の光路に進んだ光子の位相を、すべての光子が光子検出器206へと進むように変調する。第3の光路へ進んだ光子は、遅延回路105と同じ長さの遅延回路204により、第4の光路に進んだ光子と同じタイミングでビームスプリッタ205に送られる。これにより、第3の光路へ進んだ光子と第4の光路へ進んだ光子が干渉する。
ビームスプリッタ205で干渉した参照光は偏光の回転が生じなければすべて光子検出器206へと進む。光子検出器206は、ビームスプリッタ205により干渉した参照光を検出する(ステップS306)。
制御部208−2の偏光推定部251−2は、検出された参照光の光子を用いて量子信号に用いられる光子の偏光回転量を推定する(ステップS307)。例えば偏光推定部251−2は、ビームスプリッタ205に同時に到達し、かつ、光子検出器206に到達した参照光のみを観測信号として一定時間取得し、観測信号の単位時間あたりの観測量の減少量から偏光回転量を推定する。参照光であっても、量子信号として用いられる光子と同じ経路を経由しており、例えば量子信号と交互に送信することで、量子信号として用いられる光子の偏光の回転量と近い量を推定することができる。偏光補正出力部252は、推定した偏光回転量を補正する偏光補正量を指示するための制御信号を偏光回転装置201へ送信する。
制御部208−2の条件決定部253は、推定に用いる観測条件として、例えば次のサイクルの観測時間を決定する(ステップS308)。例えば条件決定部253は、光子検出器206に到達した参照光の光子のみを観測信号として取り出し、その一定時間当たりの観測量が閾値(例えば定常時の75%)を下回った場合に、推定に用いられる観測時間を短くするよう決定する。光子検出器207に到達した参照光の光子のみを観測信号として取り出し、その一定時間あたりの観測量が閾値を上回った場合に、推定に用いられる観測時間を短くするよう決定してもよい。
量子信号検出のノイズを抑えるために、参照光は量子信号が送信されていないタイミングで合波することが望ましい。すなわち、図8の通信処理は、図9の制御処理とは異なるタイミングで実行されることが望ましい。参照光は、量子信号に比べて強くできる一方、参照光をあまり多く挿入すると量子信号の挿入できる時間スロットが減る。通信処理および制御処理のタイミングは、これらの要素を考慮して決定すればよい。
このように、第2の実施形態では、偏光の回転が速く大きく生じた場合のみに参照光の観測時間を短くすることで、強風時の迅速な偏光補正と、定常時の安定的な偏光補正を両立することが可能となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第2の実施形態と異なる方法で、参照光を用いた偏光回転量の推定を実現する。
図10は、第3の実施形態にかかる光子送信部110−3および光子受信部210−3の機能構成例を示すブロック図である。図11は、制御部208−3の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、光子送信部110−3は、無偏光光源101と、偏光ビームスプリッタ102と、位相変調器103と、合波器104と、遅延回路105と、参照光源106−3と、合波器107−3と、を備えている。
光子受信部210−3は、偏光回転装置201と、偏光ビームスプリッタ202と、位相変調器203と、遅延回路204と、ビームスプリッタ205と、光子検出器206、207と、信号出力部254−3と、制御部208−3と、分波器209−3と、偏光回転量測定器211−3と、を備えている。図11に示すように、制御部208−3は、偏光推定部251−3と、条件決定部253と、偏光補正出力部252と、を備えている。
第3の実施形態の光子送信部110−3は、参照光源106−3と合波器107−3とを追加したこと、さらに信号出力部254−3が制御部208−3から独立していることが、第1の実施形態の光子送信部110と異なっている。第3の実施形態の光子受信部210−3は、制御部208−3(偏光推定部251−3)の機能、および、分波器209−3と偏光回転量測定器211−3とを追加したことが第1の実施形態の光子受信部210と異なっている。その他の構成および機能は、第1の実施形態にかかる通信システムのブロック図である図2と同様であるので、同一符号を付し、ここでの説明は省略する。
参照光源106−3は、偏光回転量を推定するために用いる参照光を放出する光源である。参照光源106−3は、無偏光光源101が兼ねてもよい。
合波器107−3は、参照光源106−3から放出された参照光を、無偏光光源101から放出された光子と同じ経路に入射するために用いられる。
分波器209−3は、量子信号を示す光子と、参照光とを分波する。例えば分波器209−3は、量子信号を示す光子と参照光とを波長により区別し、量子信号を示す光子を偏光回転装置201へ送り、参照光を偏光回転量測定器211−3に送る。
偏光回転量測定器211−3は、参照光の偏光回転量を測定する。例えば偏光回転量測定器211−3は、参照光を観測信号として取り出し、基準の偏光からの偏光回転量を一定時間取得して、その単位時間あたりの平均偏光回転量を測定する。偏光回転量測定器211−3は、偏光測定器により構成してもよいし、偏光ビームスプリッタと光子検出器との組み合わせにより構成してもよい。
偏光推定部251−3は、偏光回転量測定器211−3からの出力信号(観測信号)を用いて、量子暗号通信に用いる光子の偏光回転量を推定する。参照光の偏光回転量をそのまま推定値に用いてもよいし、量子暗号通信に用いる光子と参照光の波長が異なる場合にはその補正を行った値を用いてもよい。
次に、このように構成された第3の実施形態にかかる通信システムによる制御処理について説明する。なお、通信処理は第2の実施形態と同様であるため説明を省略する。図12は、第3の実施形態における制御処理の一例を示すフローチャートである。
合波器107−3は、参照光源106−3から放出された参照光を、量子信号を示す光子と同じ経路へ入射する(ステップS401)。入射された参照光は、量子通信路11を通過して光子受信部210−3へ伝達される(ステップS402)。光子受信部210−3の分波器209−3は、参照光を偏光回転量測定器211−3に向かう光路に分波する(ステップS403)。偏光回転量測定器211−3は、参照光の偏光回転量を測定する(ステップS404)。偏光回転量測定器211−3の測定値を元に制御部208−3の偏光推定部251―3が量子暗号通信に用いる光子に生じた偏光回転量を推定する。その推定値を元に、偏光補正出力部252は、測定された偏光回転量を補正する偏光補正量を指示するための制御信号を偏光回転装置201へ送信する。偏光回転装置201は、通信処理を実行するときに、この制御信号に従って偏光を補正する。
制御部208−3の条件決定部253は、偏光回転量測定器211−3の測定結果に応じて、回転の観測条件として、例えば次のサイクルの観測時間を決定する(ステップS405)。
量子信号検出のノイズを抑えるために、量子信号を示す光子とは異なる波長の参照光を放出する参照光源106−3を用いるとともに、分波器209−3は波長により光を区別して取り出す機構を備えることが望ましい。異なる波長の参照光を用いる場合は、量子信号と参照光は同じタイミングで分波器209−3へ到達してもよい。信号光と同じ波長の参照光を用いる場合には、到達時間で区別するために分波器209−3に異なるタイミングで到達する必要がある。
第3の実施形態も第2の実施形態と同様に、偏光の回転が速く大きく生じた場合のみに偏光回転量を推定するための参照光の観測時間を短くすることで、強風時の迅速な偏光補正と、定常時の安定的な偏光補正を両立することが可能となる。
以上説明したとおり、第1から第3の実施形態によれば、大きく速い外乱が生じたときの迅速な偏光補正、および、定常時の偏光補正の安定化が両立可能となる。
最後に、第1〜第3の実施形態の各装置(送信装置、受信装置)の主要部のハードウェア構成の例について説明する。
図13は、第1〜第3の実施形態の装置の主要部のハードウェア構成の例を示す図である。第1〜第3の実施形態の装置は、制御装置51、主記憶装置52、補助記憶装置53、光学処理装置54および通信I/F55を備える。制御装置51、主記憶装置52、補助記憶装置53、光学処理装置54および通信I/F55は、バス61を介して接続されている。
制御装置51は、補助記憶装置53から主記憶装置52に読み出されたプログラムを実行する。制御装置51は、例えばCPUである。主記憶装置52はROM(Read Only Memory)、および、RAM等のメモリである。補助記憶装置53はメモリカード、および、HDD等である。
光学処理装置54は、量子通信路11を介して、上述の単一光子を送信または受信する。通信I/F55は、光ファイバおよびイーサネット(登録商標)等の古典通信路12を介して、制御情報等を送信または受信する。
第1〜第3の実施形態の装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、メモリカード、CD−R、および、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供される。
また第1〜第3の実施形態の装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また第1〜第3の実施形態の装置が実行するプログラムを、ダウンロードさせずにインターネット等のネットワーク経由で提供するように構成してもよい。
また第1〜第3の実施形態の装置で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
第1〜第3の実施形態の送信装置で実行されるプログラムは、上述の第1〜第3の実施形態の送信装置の機能構成のうち、プログラムにより実現可能な機能を含むモジュール構成となっている。また、第1〜第3の実施形態の受信装置で実行されるプログラムは、上述の第1〜第3の実施形態の受信装置の機能構成のうち、プログラムにより実現可能な機能を含むモジュール構成となっている。
プログラムにより実現される機能は、制御装置51が補助記憶装置53等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、プログラムにより実現される機能が主記憶装置52にロードされる。すなわちプログラムにより実現される機能は、主記憶装置52上に生成される。
なお第1〜第3の実施形態の装置の機能の一部を、IC等のハードウェアにより実現してもよい。ICは、例えば専用の処理を実行するプロセッサである。また複数のプロセッサを用いて各機能を実現する場合、各プロセッサは、各機能のうち1つを実現してもよいし、各機能のうち2以上を実現してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11 量子通信路
12 古典通信路
51 制御装置
52 主記憶装置
53 補助記憶装置
54 光学処理装置
55 通信I/F
61 バス
100 送信装置
101 無偏光光源
102 偏光ビームスプリッタ
103、103−2 位相変調器
104 合波器
105 遅延回路
106−2、106−3 参照光源
107−2、107−3 合波器
110 光子送信部
120 鍵生成部
131 記憶部
200 受信装置
201 偏光回転装置
202 偏光ビームスプリッタ
203、203−2 位相変調器
204 遅延回路
205 ビームスプリッタ
206、 207光子検出器
208、208−2、208−3 制御部
209−3 分波器
210 光子受信部
211−3 偏光回転量測定器
220 鍵生成部
231 記憶部
251、251−2、251−3 偏光推定部
252 偏光補正出力部
253 条件決定部
254 信号出力部

Claims (13)

  1. 量子暗号通信に用いる光子の偏光回転量を推定する推定部と、
    前記偏光回転量の推定に用いる条件であって、光子の観測量に関する観測条件を決定する決定部と、
    を備える通信装置。
  2. 前記推定部は、光子の観測量の変化に基づいて、前記量子暗号通信に用いる光子の偏光回転量を推定する、
    請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記決定部は、一定時間観測した光子の量の標準偏差が第1閾値以上である場合に、一定時間観測した光子の量の標準偏差が第1閾値より小さい場合より前記観測量を小さくすることを示す前記観測条件を決定する、
    請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記決定部は、一定時間観測した光子の量が第2閾値より小さい場合に、一定時間観測した光子の量が前記第2閾値以上である場合より前記観測量を小さくすることを示す前記観測条件を決定する、
    請求項2に記載の通信装置。
  5. 前記推定部は、前記量子暗号通信に用いる光子の観測量の変化に基づいて、前記量子暗号通信に用いる光子の偏光回転量を推定する、
    請求項2に記載の通信装置。
  6. 前記推定部は、前記量子暗号通信に用いる光子と異なる光子の観測量の変化に基づいて、前記量子暗号通信に用いる光子の偏光回転量を推定する、
    請求項2に記載の通信装置。
  7. 前記決定部は、定常時に一定時間観測した光子の量に基づいて、前記観測条件の初期値を決定する、
    請求項1に記載の通信装置。
  8. 前記決定部は、前記定常時に一定時間観測した光子の量が大きいほど、前記観測量がより小さくなることを示す前記初期値を決定する、
    請求項7に記載の通信装置。
  9. 前記推定部は、前記光子の送信に用いられる光通信路の屈折率に影響する要因を検知するセンサからの出力信号に基づいて、前記光子の偏光回転量を推定する、
    請求項1に記載の通信装置。
  10. 前記観測条件は、光子の観測時間、または、光子のカウント数である、
    請求項1に記載の通信装置。
  11. 量子暗号通信に用いる光子の偏光回転量を推定する推定ステップと、
    前記偏光回転量の推定に用いる条件であって、光子の観測量に関する観測条件を決定する決定ステップと、
    を含む通信方法。
  12. コンピュータを、
    量子暗号通信に用いる光子の偏光回転量を推定する推定部と、
    前記偏光回転量の推定に用いる条件であって、光子の観測量に関する観測条件を決定する決定部と、
    として機能させるためのプログラム。
  13. 送信装置と、受信装置とを備える通信システムであって、
    前記送信装置は、
    量子暗号通信に用いる光子を前記受信装置に送信する光子送信部を備え、
    前記受信装置は、
    前記送信装置から送信された前記光子の偏光回転量を推定する推定部と、
    前記偏光回転量の推定に用いる条件であって、光子の観測量に関する観測条件を決定する決定部と、を備える、
    通信システム。
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