JP2020021339A - 電子カルテシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】電子カルテなどに入力される臨床病名を管理する電子カルテシステムを提供することを目的とする。【解決手段】電子カルテシステムであって,患者の臨床病名と,実施処置および/または実施処方との入力を受け付ける電子カルテ情報入力受付処理部と,臨床病名と,実施処置および/または実施処方と,適応病名とを用いて保険病名を提示する処理を実行する保険病名処理部と,を有する電子カルテシステムである。【選択図】 図1

Description

本発明は,電子カルテなどに入力される臨床病名を管理する電子カルテシステムに関する。
医師が患者を診察した場合,どのような薬剤を処方したか,どのような処置をしたか,どのような病名であるか,などの診察の結果を電子カルテに記録することが求められている。そして,医師が電子カルテに病名を記録する場合,電子カルテは診察の記録であるため,本来は,患者の状態を実際に反映する病名を記録することが求められる。
電子カルテに記録される情報には,大別して「診療録記載」の情報と「オーダリング」の情報とがある。「診療録記載」の情報とは,医師が患者を診察した際の情報であって,一般的には患者から聴取した主訴,現病歴,既往歴,内服薬などのほか,医師が診察の結果,判断した臨床病名,所見,経過などの情報が含まれる。また,「オーダリング」の情報とは,医師が看護師や薬剤師などの医療従事者に対して行う,患者に対する処置や検査,処方する薬剤などの指示内容の情報である。この患者に対する処置や検査が実施処置であり,処方する薬剤の情報が実施処方である。なお,主訴とは患者による症状の訴えであり,現病歴とは,主訴がいつからどのように始まり,どのような経過をとってきたのか,などを示す情報であり,主訴に付随する情報である。所見とは,患者を診察した医師による見解を示す情報であり,経過とは患者に対してどのような実施処置や処方をしたかを示す情報であり,既往歴とは患者の過去の病歴であり,内服薬は患者が日頃から服用している薬剤を示す。
日本においては保険診療をすることが一般的となっている。保険診療では,実施処置や実施処方に対応する保険病名を記録しておき,実施処置や実施処方,保険病名とに基づいて診療報酬請求が行われる。この診療報酬請求は,電子カルテにおける「オーダリング」の情報をもとに行われる。そのため,電子カルテの「オーダリング」の情報において,保険病名を記録することを目的とした入力欄が存在しており,医師は,そこに保険病名を必ず記録することとなる。その結果として,電子カルテ上に,確実に記録が残る患者の病名はこの保険病名となる。
ところが,この保険病名は,「患者の病状を正確に反映した病名(臨床病名)」(医師が患者の病状に対して最適と想起して診療録記載において含めた病名)とはかけ離れていることも多い。
たとえば,医師が外来患者に鎮痛薬を処方した場合,実際の患者の病名(臨床病名)にかかわらず,保険診療の対象とするため,保険病名としてすべて「腰痛症」が記録されていたり,心電図検査を行った患者のすべてに,臨床病名にかかわらず,保険病名として「不整脈」が記録されていたりする現象が生じている。
また,経過が長い患者の場合,その都度の処置や検査に対応した保険病名が電子カルテに記載されるため,保険病名が100病名を超えることもある。そのため,電子カルテに記載された保険病名のリストを見ただけでは,どれが患者の実際の病名である臨床病名であるのか,すぐに判別することは容易ではない。
一方,医師の立場からすれば,患者の診察のために臨床病名を把握していれば足りることから,患者の臨床病名は医師の記憶の中,または電子カルテにおける「診療録記載」の自由テキスト内に備忘程度に記録されていれば十分である。このようなことから,電子カルテ上に病名(臨床病名)のリストは適切に記録されていないことが多い。
これを具体的に示すのが図9および図10である。図9(a)はある患者に対する電子カルテの診療録記載の記録の一部の一例である。図9(b)は図9(a)の電子カルテのオーダリングの情報に記録された実施処置および/または実施処方(以下,「実施処置・実施処方」と表記する)の一例である。また図10は当該実施処置・実施処方について保険診療が適応可能な病名(適応病名)を示す表である。なお,実施処置とは患者に対して行った処置や検査を示しており,実施処方とは,患者に対して処方した薬剤を示している。それぞれの実施処置・実施処方には保険診療における単価が定められており,診療報酬請求の基礎となる情報である。
上述のように,日本では保険診療を行うことが前提となるので,医師が患者に対して行った実施処置・実施処方に対応させて,それぞれの適応病名のなかから,適宜,医師が病名(保険病名)を選択し,記録することとなる。そのため,図9の患者の場合,「帯状疱疹」という病名が臨床的には主たる病名であるにもかかわらず,実際の電子カルテの記録上は,実施処置・実施処方として,心電図,胸部レントゲンの各検査を行い,ロキソニン錠,バルトレックス,メチコバールが処方されたとなっているので,それぞれの実施処置・実施処方について,「不整脈疑い」,「肺炎疑い」,「胸痛症」,「帯状疱疹」,「ビタミンB12欠乏症」などが保険病名として記録されることとなる。したがって,この保険病名を見ただけでは,医師であってもすぐには患者の主たる臨床病名が「帯状疱疹」であることは判定できないし,保険病名のリストしかなければ,医学研究上も何ら有益な情報とはいえない。
電子カルテ(図9)の診療録記載の情報における自由テキスト記載の部分を詳細に確認をすれば,帯状疱疹を念頭に置いていることが理解できるものの,それをしない限り,臨床病名の把握が難しい。
このように,電子カルテに構造化されて蓄積された保険病名,実施処置,実施処方の情報から適切な臨床病名を推測するのは容易ではなく,臨床病名を知るためには,電子カルテの診療録記載の情報を詳細に読み返すことが必要である。
現在,地域にある複数の病院で患者情報を共有する地域連携カルテや,PHR(Personal Health Record)プロジェクトが行われているが,電子カルテに臨床病名が明示的な情報として記録されていない,またはメモ程度でしか記録されていないことから,これらのシステムにおいては,患者自身の個人情報のほか,処方した薬剤や処置,検査結果の内容などを共有するにとどまっており,本来,もっとも重要な医療情報である臨床病名は共有していない。これは,上述のような事情から,保険病名を共有しても,患者の病状把握にあたっては無意味に近いこと,また臨床病名が電子カルテに明示的に記録されていない場合が多いことなどの理由に基づく。
このように,従来の電子カルテでは,保険病名が中心となっており,臨床病名については明示的に記録される入力欄は設けられておらず,副次的な取り扱いとなっている。もちろん,保険病名は,保険診療における診療報酬請求に際して必須となる病名であることから,診療報酬請求の観点からは,電子カルテ上の重要な情報であって,必ず記録が求められる情報である。しかし,臨床業務や医学研究の観点,また地域や個人単位の病名情報共有の観点から重要なのは,当然のことながら臨床病名である。
以上のように,電子カルテでは臨床病名の管理が本質的には求められているものの,実際の電子カルテシステムでは,臨床病名の入力欄自体が設けられていない。そこで,たとえば下記非特許文献1のように,電子カルテに臨床病名の記載の試みがなされている。
日経デジタルヘルス,"電子化されたプロブレムリストを連携情報の核に",[online],インターネット<URL:https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/event/15/062600168/072300004/?ST=health&P=3>
上述の非特許文献1のような臨床病名を管理する欄を設けた電子カルテシステムであっても,保険診療の診療報酬請求を行うため,保険病名の記録は必須である。したがって,保険病名の入力に加えて,臨床病名(非特許文献1では「プロブレムリスト」)の入力を行うこととなる。このシステムを用いることによって臨床病名の管理を行うことができるが,その一方,電子カルテに入力をする医師は,保険病名と臨床病名の双方の入力を行わなければならない。しかし,電子カルテに必須の病名の入力欄には保険病名が記録されることから,その保険病名に追加して,さらに臨床病名の入力をすることは,臨床業務を行う多忙な医師にとっては煩雑である。とくに,一秒を争う救急や急性期の患者を診察する医師にとっては煩雑この上ない。そのため,このような二重入力を強いるシステムの場合には情報が十分に収集されない,という問題が当然のごとく発生する。このようなことから,一般的な電子カルテには,必須である保険病名の入力欄のほかに,臨床病名の入力欄を設けることは行われていない。
また保険病名の入力を若手医師や医療事務担当者が行う場合もあるが,それは人員や体制が整った医療機関でなければ行えず,必ずしもどこの医療機関でも行えるわけではない。また,保険病名の記録とその管理は,医師により行われるべきと行政機関から求められている。
このように,電子カルテシステムで医師に臨床病名の記録を求める場合,臨床病名を情報共有等のために管理するには,電子カルテシステムに臨床病名の入力欄を設け,そこに臨床病名の入力を医師に求めることとなる。しかし,保険診療における診療報酬請求で必須の情報である保険病名の入力を合わせて行う必要性があることから,結局,保険病名と臨床病名の双方の入力を行う必要性が出てくるので,医師に対して二重の負担を強いることとなってしまう。
また別の方法として,記録されている実施処置・実施処方や保険病名から臨床病名を推測することも考えられる。しかしあくまでも推測にとどまり,医師が念頭に置いている臨床病名と常に一致しているとは限らない。とくに患者の生命や健康にかかわる臨床病名の推測は,仮にその推測が誤っていた場合には,患者の生命や健康に影響を与えかねない。
本発明者は上記課題に鑑み,本発明の電子カルテシステムを発明した。
第1の発明は,電子カルテシステムであって,患者の臨床病名と,実施処置および/または実施処方との入力を受け付ける電子カルテ情報入力受付処理部と,前記臨床病名と,前記実施処置および/または実施処方と,適応病名とを用いて保険病名を提示する処理を実行する保険病名処理部と,を有する電子カルテシステムである。
本発明のように構成することで,臨床業務や医学研究の観点から重要な臨床病名の管理を電子カルテシステムで行うことが可能となる。一方,保険診療の診療報酬請求の観点から重要な保険病名は,臨床病名,実施処置・実施処方,適応病名を用いて提示することで,保険病名の入力負担を医師に課さずに行うことができる。
上述の発明において,前記保険病名処理部は,前記実施処置および/または実施処方の適応病名に,前記臨床病名が含まれているかを判定し,含まれていることを判定した場合には,前記臨床病名を保険病名として提示する,電子カルテシステムのように構成することができる。
実施処置・実施処方の適応病名として臨床病名が含まれている場合には,本発明の処理を行うことで,臨床病名に基づいて保険病名を提示することができる。
上述の発明において,前記保険病名処理部は,前記実施処置および/または実施処方の適応病名に,前記臨床病名が含まれているかを判定し,含まれていないことを判定した場合には,前記適応病名に,前記臨床病名と関連性についての所定条件を充足する病名があるかを判定し,充足する病名があると判定した場合にはその病名を保険病名または保険病名の候補として提示する,電子カルテシステムのように構成することができる。
臨床病名が適応病名として含まれていない場合であっても,臨床病名と関連性のある病名が適応病名として含まれていれば,それを保険病名とすることがよい。これによって,診療報酬請求の審査において不備等の指摘を免れることとなる。
上述の発明において,前記保険病名処理部は,前記適応病名に,前記臨床病名と関連性についての所定条件を充足する病名がないと判定した場合には,前記適応病名を保険病名または保険病名の候補として提示する,電子カルテシステムのように構成することができる。
臨床病名と関連性のある病名が適応病名として含まれていない場合には,従来通り,適応病名から保険病名を提示する必要がある。そのため,本発明の処理を行うとよい。
上述の発明において,前記保険病名処理部は,前記臨床病名の統一コードと適応病名の統一コードとを用いて関連性についての所定条件を充足する病名があるかを判定する,自然言語解析を用いて関連性についての所定条件を充足する病名があるかを判定する,病名ペアの距離を用いて関連性についての所定条件を充足する病名があるかを判定する,または病名同士の関連性の情報を参照することで関連性についての所定条件を充足する病名があるかを判定する,のいずれか一以上の判定処理を用いる,電子カルテシステムのように構成することができる。
臨床病名と,適応病名との関連性の判定にはさまざまな方法があるが,たとえば本発明の判定処理を用いることができる。
上述の発明において,前記保険病名処理部は,前記特定した保険病名の候補を,医療従事者または医療事務担当者が操作するコンピュータに表示させ,前記実施処置および/または実施処方に対する保険病名の選択を受け付ける,電子カルテシステムのように構成することができる。
特定した保険病名の候補が複数ある場合にはそれを一つに特定する必要がある。そこで医師などの医療従事者や医療事務担当者が操作するコンピュータにその候補を表示させ,選択を受け付けるとよい。とくに医療事務担当者が操作するコンピュータに表示させることで,医師などの医療従事者の負担を減らすことができる。また,保険病名の特定については,従来,医療事務担当者が行うこともあったが,その場合,医療事務担当者には医療に関する専門的知識がないことから,適切な保険病名が特定されていない場合もあった。しかし,本発明のように,臨床病名,実施処置・実施処方,適応病名を用いて保険病名の候補を提示した上で,保険病名の選択をさせることで,医療に関する専門的知識を有さない医療事務担当者であっても,適切に保険病名を特定できる可能性を高めることができる。
上述の発明において,前記保険病名処理部は,前記特定した保険病名を,医師が操作するコンピュータに表示させ,前記実施処置および/または実施処方に対する保険病名の承認を求める,電子カルテシステムのように構成することができる。
上述の発明において,前記電子カルテシステムは,医師が操作するコンピュータから前記実施処置および/または実施処方に対する保険病名の承認を受け付け,その承認を受け付けると,前記実施処置および/または実施処方に対する保険病名として確定させる承認受付処理部,を有する電子カルテシステムのように構成することができる。
保険病名の最終的な確定は医師が行うことが求められている。そこで,これらの発明のように構成することが好ましい。
上述の発明において,前記電子カルテシステムは,前記臨床病名の入力欄を備えている,電子カルテシステムのように構成することができる。
臨床病名を電子カルテで適切に管理するためには,電子カルテに臨床病名の入力欄を設けることが好ましい。これによって,電子カルテにおいて臨床病名を適切に管理することができる。
上述の発明において,前記電子カルテシステムは,前記臨床病名がテキスト入力された場合,前記入力された臨床病名に基づいて,病名の標準表記および表記パターンを記憶する照合辞書記憶部を参照することで,前記臨床病名を標準的な表記に変更をする標準化処理部,を有する電子カルテシステムのように構成することができる。
臨床病名の入力には,テキスト入力や,プルダウンメニューまたはマスタからの検索などのさまざまな方法を用いることができる。そして臨床業務を行う医師にとってもっとも負担がないのは,自由に入力ができるテキスト入力である。しかし,テキスト入力の場合,医師によって病名の表記が異なることも多い。そこで,本発明の処理を行うことで,テキスト入力された臨床病名を標準表記に変更し,保険病名の特定の処理のために用いるようにすることができる。
第1の発明は本発明のプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することで実現できる。すなわち,コンピュータを,患者の臨床病名と,実施処置および/または実施処方との入力を受け付ける電子カルテ情報入力受付処理部,前記臨床病名と,前記実施処置および/または実施処方と,適応病名とを用いて保険病名を提示する処理を実行する保険病名処理部,として機能させる電子カルテプログラムである。
本発明の電子カルテシステムを用いることで,医師は臨床病名の入力をすればよいので,臨床業務や医学研究の観点から重要な臨床病名の管理を電子カルテシステムで行うことが可能となる。一方,保険診療の診療報酬請求の観点から重要な保険病名は,臨床病名,実施処置・実施処方,適応病名にもとづいて提示することで,保険病名の入力負担を医師に課さずに行うことができる。
本発明の電子カルテシステムの全体の処理機能の一例を模式的に示すブロック図である。 本発明の電子カルテシステムが機能するコンピュータのハードウェア構成の一例を模式的に示す概念図である。 本発明の電子カルテシステムの全体の処理プロセスの一例を模式的に示すフローチャートである。 本発明の電子カルテシステムにおける保険病名処理の処理プロセスの一例を模式的に示すフローチャートである。 電子カルテの記録の一部の一例を示す図である。 照合辞書記憶部の一例を示す図である。 適応病名記憶部の一例を示す図である。 医師により入力された電子カルテの一例を示す図である。 従来の電子カルテの一例を示す図である。 実施処置・実施処方の適応病名を示す表の一例である。
本発明の電子カルテシステム1の全体の処理機能の一例を図1のブロック図に示す。また本発明の電子カルテシステム1を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を図2に示す。
電子カルテシステム1は管理端末2と入力者端末3とを用いる。管理端末2は電子カルテシステム1における処理を実行するコンピュータであり,入力者端末3は電子カルテに情報を入力する医師や看護師などの医療従事者のほか,保険診療に関する処理を担当する医療事務担当者などが用いるコンピュータである。
電子カルテシステム1で用いるコンピュータは,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と,情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と,ディスプレイ(画面)などの表示装置72と,キーボードやポインティングデバイス(マウスやテンキーなど)などの入力装置73と,演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置74とを有している。コンピュータ上で実現する各機能(各手段)は,その処理を実行する手段(プログラムやモジュールなど)が演算装置70に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は,記憶装置71に記憶した情報をその処理において使用する場合には,該当する情報を当該記憶装置71から読み出し,読み出した情報を適宜,演算装置70における処理に用いる。また,図1の管理端末2や入力者端末3は一台のコンピュータで実現される場合を示したが,複数のコンピュータに,その機能が分散配置されていてもよい。なお,コンピュータには,サーバやパーソナルコンピュータ,ワークステーションなど各種の情報処理装置が含まれる。また,いわゆるクラウド形式であってもよい。
コンピュータがタッチパネルディスプレイを備えている場合には,表示装置72と入力装置73とが一体的に構成されていてもよい。タッチパネルディスプレイは,たとえばタブレット型コンピュータやスマートフォンなどの可搬型通信端末などで利用されることが多いが,それに限定するものではない。またコンピュータは音声入力が可能であってもよい。この場合,医師などの医療従事者や医療事務担当者が発話した音声を所定のマイク(集音装置)で集音し,テキスト化して対応箇所にテキスト入力を行う。
タッチパネルディスプレイは,そのディスプレイ上で,直接,所定の入力デバイス(タッチパネル用のペンなど)や指などによって入力を行える点で,表示装置72と入力装置73の機能が一体化した装置である。
本発明における各手段は,その機能が論理的に区別されているのみであって,物理上あるいは事実上は同一の領域を為していてもよい。
管理端末2は,電子カルテ情報入力受付処理部20と電子カルテ情報記憶部21と標準化処理部22と照合辞書記憶部23と適応病名記憶部24と保険病名処理部25と承認受付処理部26とを有する。
電子カルテ情報入力受付処理部20は,入力者端末3から,医師が患者を診察した際に電子カルテに記録する情報の入力を受け付ける。救急や急性期の診察の際に入力を受け付けてもよい。電子カルテ情報は,電子カルテとして記録される情報であることが好ましいが,それに限定されず,たとえば一般的な初診外来記録の書き方に準じた情報も含む。電子カルテ情報入力受付処理部20は,キーボードによる入力を受け付けるほか,音声入力された情報がテキスト変換されたテキストの入力を受け付けてもよい。
電子カルテ情報入力受付処理部20では,上述のように電子カルテに記録する情報を受け付けるが,少なくとも臨床病名と,実施処置・実施処方の情報とを少なくとも受け付ければよい。
「オーダリング」の情報における実施処置,実施処方は,保険診療の診療報酬請求の基礎となる情報である。したがって,すべての実施処置,実施処方には全国標準コード(レセプト電算処理コード)が付与されており,単価も定められている。したがって,電子カルテにおける「オーダリング」の情報として入力される実施処置・実施処方はプルダウンメニューまたはマスタからの検索による入力方式が採用されている。
また「診療録記載」の情報は,適宜,入力欄が設けられている。本発明の電子カルテシステム1においては,「臨床病名」の入力欄が少なくとも設けられていることが好ましく,その入力欄にテキストや,プルダウンメニュー,マスタによる検索での入力を受け付ける。なお,臨床病名の入力欄が設けられていない場合には,電子カルテにおける診療録記載の情報から,自然言語解析などの技術を用いて,臨床病名を特定してもよい。
電子カルテ情報入力受付処理部20では,後述する保険病名処理部25における保険病名の候補の選択や承認操作などのほかは,医師による保険病名の直接の入力(修正や承認など以外の入力)を受け付けないように構成されていてもよい。
電子カルテ情報記憶部21は,電子カルテ情報入力受付処理部20で受け付けた電子カルテ情報を記憶する。電子カルテ情報の一例を図5に示す。図5(a)では,電子カルテにおける臨床病名の入力欄に臨床病名が,図5(b)では,オーダリングの情報の実施処置・実施処方が,図5(c)では,上記以外の主訴,現病歴,所見,経過などの情報が入力されている状態を示している。なお,電子カルテ情報の記憶はこれに限定するものではなく,任意でよい。
標準化処理部22は,電子カルテ情報の一部として入力された臨床病名がテキスト入力であった場合,後述する照合辞書記憶部23を参照して標準的な表記に変更をする標準化処理を実行する。
すなわち標準化処理部22は,臨床病名にテキストで入力された場合,その病名について,後述する照合辞書記憶部23を参照し,その表記パターンに一致する文字列がある場合には,あらかじめ定められた標準的な表記を追加または標準的な表記に変更するとともに,標準的なコードなどを追加し,その表記を統一する。
照合辞書記憶部23は,病名に対する標準表記,コード,表記パターンを記憶する。図6に,病名についての照合辞書記憶部23の一例を示す。図6の照合辞書記憶部23では,標準病名,ICDコード(国際標準コード),病名変換コード(国内汎用カルテコード),病名の表記パターンを対応づけて記憶している場合を示している。
適応病名記憶部24は,実施処置・実施処方と,その実施処置・実施処方について保険診療における報酬請求が可能な病名(適応病名)とを対応づけて記憶する。図7に適応病名記憶部24の一例を模式的に示す。図7では,実施処置としての「心電図」に対する適応病名として「不整脈」,「狭心症」などが対応づけられており,実施処方としての「ロキソニン錠」に対する適応病名として「腰痛症」,「上気道炎」などが対応づけられていることを示している。なお,この際の適応病名は,全国共通のレセプト電算処理コードと対応しており,これを介して標準病名やICDコードなどと対応づけられている。
保険病名処理部25は,臨床病名,実施処置・実施処方,当該実施処置・実施処方が対応する適応病名のうち少なくとも一以上を用いて,医師が行った実施処置・実施処方に対する保険病名を提示し,その記録処理を実行する。
まず,保険病名処理部25は,電子カルテの「オーダリング」の情報として記録された各実施処置・実施処方について適応病名記憶部24を参照し,電子カルテの臨床病名(このましくは標準化された臨床病名)が,当該実施処置・実施処方に対応する適応病名に含まれているかを判定する。もし含まれている場合には,臨床病名をそのまま当該実施処置・実施処方の保険病名とする。
もし臨床病名が,当該実施処置・実施処方に対応する適応病名に含まれていない場合には,臨床病名と関連性が高い病名が,当該実施処置・実施処方に対応する適応病名に含まれているかを判定し,含まれている場合には,関連性が高い病名を保険病名の候補とする。関連性が高い病名が複数ある場合にはすべてを保険病名の候補としてもよいし,もっとも関連性が高い病名を保険病名の候補としてもよい。また,適応病名に,臨床病名と関連性が高い病名が含まれていない場合には,当該実施処置・実施処方に対応する適応病名を適応病名記憶部24から抽出し,その病名を保険病名の候補とする。
そして,候補とした保険病名を,医師などの医療従事者または医療事務担当者が操作する入力者端末3に表示して提示し,保険病名としてどの病名を選択するかを受け付ける。選択を受け付けた病名を当該実施処置・実施処方に対する保険病名とする。
このような処理を,電子カルテ情報におけるすべての実施処置・実施処方に対して行う。
すべての実施処置・実施処方に対して以上の処理を実行すると,所定のタイミングで,医師が操作する入力者端末3に対して,実施処置・実施処方として記録する保険病名を表示して提示する。
臨床病名と関連性が高い病名であるか否かの判定にはさまざまな処理方法を用いることができる。たとえば,臨床病名が対応するICDコードと,適応病名が対応するICDコードの類似度を算出して比較する方法がある。ICDコードは,前方の桁から大分類,中分類,小分類を示しているので,ICDコードの類似度に応じて関連性が高いか否かを判定することができる。そしてICDコードの類似度が,あらかじめ定めた閾値以上の場合には関連性が高い病名と判定し,あらかじめ定めた閾値未満の場合には関連性が高くない病名と判定できる。
また,上述のようにICDコードは階層構造で定められていることから,大分類,中分類,小分類の順に優先して類似度を判定してもよい。すなわち,大分類,中分類で一致しており,小分類のみが相違する適応病名と,大分類が一致しており,中分類,小分類が相違する適応病名では前者の適応病名の方が関連性が高いと判定できる。
このようにICDコードを用いた方法のほか,形態素解析と自然言語のベクトル化手法(たとえばword2vecなど)とを組み合わせて類似語を判定する方法,医師などの医療従事者の専門知識による病名ペアの距離を手動で定量化する方法,あらかじめ病名同士の関連性を対応づけておく,などを用いることもできるが,これらに限定するものではない。
なお上述の保険病名処理部25において,ICDコードや病名変換コード,レセプト電算処理コードなどの統一コードを用いて処理を行うことも含まれる。
承認受付処理部26は,保険病名処理部25において,医師が操作する入力者端末3に対して表示させた,実施処置・実施処方として記録する保険病名の承認の操作を受け付ける。承認の操作を受け付けることによって,電子カルテ情報記憶部21に,実施処置・実施処方に対する確定した保険病名として記録される。なお,実施処置・実施処方に対して保険病名を確定するとは,その内容にて診療報酬明細書(レセプト)の作成を行わせることを意味する。
つぎに本発明の電子カルテシステム1の処理プロセスの一例を,図3および図4のフローチャートを用いて説明する。
医師が患者を診察した際に,電子カルテシステム1の「診療録記載」の情報として,主訴,現病歴,所見,経過などを入力するほか,臨床病名の入力欄に臨床病名を入力する。この入力はテキスト入力であってもよいし,プルダウンメニューやマスタからの検索であってもよい。テキスト入力の場合には医師が自由に入力でき,プルダウンメニューまたはマスタからの検索の場合には,あらかじめ記憶されている病名からの選択となる。プルダウンメニューまたはマスタからの検索による入力の場合,入力される病名は標準化された標準病名の表記であって,ICDコード,病名変換コード,レセプト電算処理コードなどと対応づけられている。
また,医師は,電子カルテシステム1の「オーダリング」の情報として,患者に対して行った実施処置・実施処方の情報の入力を行う。ここで入力された実施処置・実施処方は,プルダウンメニューまたはマスタからの検索による入力となる。
このように入力された電子カルテの情報,とくに臨床病名,実施処置・実施処方の各情報は,電子カルテ情報入力受付処理部20で入力を受け付け(S100),電子カルテ情報の一部として電子カルテ情報記憶部21に記憶される(S110)。ここで入力された電子カルテ情報が図8であったとする。
図8の電子カルテ情報では,臨床病名「VZV感染疑い」が臨床病名の入力欄にテキスト入力された場合であって(図8(a)),またオーダリングの情報の実施処置として,「心電図」,「胸部レントゲン」が,実施処方として「ロキソンニン錠」,「バルトレックス」,「メチコバール」が入力されており(図8(b)),主訴,現病歴,所見,経過などの情報がテキスト入力されている(図8(c))。なお,臨床病名をテキストで入力する場合,ICDコード,病名変換コード,レセプト電算処理コードは,臨床病名が標準化されていないので特定できず,空欄となる。プルダウンメニューまたはマスタでの検索による入力の場合には,標準化された臨床病名が最初から記録されるので,ICDコード,病名変換コード,レセプト電算処理コードも最初から(標準化処理を経ずに)記録されることとなる。
臨床病名についてテキスト入力を受け付けている場合やICDコード,病名変換コード,レセプト電算処理コードが記録されていない場合(S110),標準化処理部22は,テキスト入力された臨床病名に基づいて照合辞書記憶部23を参照し,表記パターンと一致(完全一致のほか,部分一致でもよい)する標準病名,対応する統一コード,たとえばICDコード,病名変換コード,レセプト電算処理コードを特定することで標準的な表記に変更をする標準化処理を実行する(S120)。たとえば図8(a)の場合,臨床病名として「VZV感染疑い」とテキスト入力されているので,標準化処理部22は,入力された臨床病名「VZV感染疑い」と照合辞書記憶部23の表記パターンとを照合する。そして,「VZV感染」が標準病名「帯状疱疹」の表記パターンと一致するので,臨床病名を「帯状疱疹」,ICDコードを「B029」,病名変換コードを「KE2D」,レセプト電算処理コードを特定し,臨床病名の表記を変更して電子カルテ情報記憶部21に記憶させる。すなわち電子カルテ情報として図5のように更新する。標準化処理部22において,臨床病名に入力した病名を標準化した場合,標準化したことを示すフラグを電子カルテ情報記憶部21に記憶させてもよいし,またその表示を電子カルテ上で行ってもよい。この際の表示としては,臨床病名の入力欄の色を変更する,フォントを変更するなどの表示態様の変更のほか,メッセージを通知したり,音を出力してもよい。なお,標準化処理部22が表記を変更した臨床病名が誤っているなどの場合には,その修正入力を受け付けてもよい。
臨床病名についてテキスト入力ではなく,プルダウンメニューまたはマスタからの検索による場合には,あらかじめ標準化された病名,ICDコード,病名変換コードが付されているので,標準化処理を実行しなくてよい。この場合は,最初から図5(a)のように記録されることとなる。
以上のように臨床病名が標準化された病名で電子カルテ情報として記録された後,保険病名処理部25は,保険病名処理を実行する(S130)。
まず,保険病名処理部25は,電子カルテ情報に記録された臨床病名(標準化された臨床病名)と,電子カルテのオーダリングの情報として記録された各実施処置・実施処方とを特定する。図5の場合,臨床病名として「帯状疱疹」,実施処置・実施処方として「心電図」,「胸部レントゲン」,「ロキソンニン錠」,「バルトレックス」,「メチコバール」を特定する。
そして,実施処置・実施処方としての「心電図」について適応病名記憶部24を参照し,適応病名として「帯状疱疹」が含まれているかを判定する(S200)。ここでは含まれていないので,つぎに臨床病名である「帯状疱疹」と関連性が高い病名が,「心電図」の適応病名が含まれているかを判定する(S210)。ここでは「心電図」の適応病名として「不整脈疑い」,「狭心症」などであり,それらは「帯状疱疹」とは関連性が高くないので,実施処置・実施処方としての「心電図」の保険病名の候補を,「心電図」の適応病名である「不整脈疑い」,「狭心症」などとする(S230)。このようにして選択された保険病名の候補を,保険病名処理部25は入力者端末3(医師などの医療従事者または保険診療の診療報酬請求に関する事務処理を行う医療事務担当者が操作する入力者端末3)に表示させ,保険病名の選択を受け付ける(S250)。たとえば「不整脈疑い」の選択を受け付ける。
このように保険病名の選択を受け付けると,つぎの実施処置・実施処方としての「胸部レントゲン」に対する処理を,上記と同様に実行する(S260)。実施処置・実施処方としての「胸部レントゲン」についても臨床病名「帯状疱疹」は適応病名には含まれておらず(S200),また関連性が高い適応病名もない(S210)。そのため,「胸部レントゲン」の適応病名「肺炎疑い」,「心不全」などを保険病名の候補とし(S230),入力者端末3に表示させ,保険病名の選択を受け付ける(S250)。たとえば「肺炎疑い」の選択を受け付ける。
つぎの実施処置・実施処方としての「ロキソンニン錠」に対する処理を,上記と同様に実行する(S260)。実施処置・実施処方としての「ロキソンニン錠」についても臨床病名「帯状疱疹」は適応病名には含まれていないが(S200),適応病名のうち「神経痛」は「帯状疱疹」に関連性が高い病名(帯状疱疹には帯状疱疹後神経痛という病態があり,帯状疱疹は神経痛を起こす)として含まれている(S210)。そのため,実施処置・実施処方としての「ロキソンニン錠」の保険病名の候補として「神経痛」とし(S240),それを保険病名処理部25は入力者端末3(好ましくは医師が操作する入力者端末3)に表示させ,保険病名の選択を受け付ける(S250)。
つぎの実施処置・実施処方としての「バルトレックス」に対する処理を,上記と同様に実行する(S260)。実施処置・実施処方としての「バルトレックス」について臨床病名「帯状疱疹」は適応病名には含まれているので(S200),実施処置・実施処方としての「バルトレックス」に対する保険病名として「帯状疱疹」とする(S220)。
つぎの実施処置・実施処方としての「バルトレックス」に対する処理を,上記と同様に実行する(S260)。実施処置・実施処方としての「バルトレックス」について臨床病名「帯状疱疹」は適応病名には含まれているので(S200),実施処置・実施処方としての「バルトレックス」に対する保険病名として「帯状疱疹」とする(S220)。
つぎの実施処置・実施処方としての「メチコバール」に対する処理を,上記と同様に実行する(S260)。実施処置・実施処方としての「メチコバール」についても臨床病名「帯状疱疹」は適応病名には含まれていないが(S200),適応病名のうち「末梢神経障害」は関連性が高い病名として含まれている(S210)。そのため,実施処置・実施処方としての「メチコバール」の保険病名の候補として「末梢神経障害」とし(S240),それを保険病名処理部25は入力者端末3(好ましくは医師が操作する入力者端末3)に表示させ,保険病名の選択を受け付ける(S250)。
以上のようにすべての実施処置・実施処方に対して保険病名の設定がされると(S260),所定のタイミングで,医師が操作する入力者端末3に対して,実施処置・実施処方として記録する保険病名を表示させる。すなわち,実施処置・実施処方「心電図」の保険病名として「不整脈疑い」,実施処置・実施処方「胸部レントゲン」の保険病名として「肺炎疑い」,実施処置・実施処方「ロキソンニン錠」の保険病名として「神経痛」,実施処置・実施処方「バルトレックス」の保険病名として「帯状疱疹」,実施処置・実施処方「メチコバール」の保険病名として「末梢神経障害」を表示させる。
このように実施処置・実施処方とそれに対応する保険病名を,好ましくは医師が操作する入力者端末3から承認操作を,承認受付処理部26で受け付ける(S140)。そして承認受付処理部26で受け付けた承認の情報に基づいて,電子カルテ情報記憶部21に,実施処置・実施処方に対する保険病名として記録する(S150)。
以上のような処理を実行することで,患者の診察時における電子カルテへの入力の際には臨床病名のみとすることができ,保険病名の記録については,診察後などの任意のタイミングで行うことができる。また保険病名処理部25が実行する臨床病名に基づく保険病名の選択については医師ではなく,医療事務担当者が選択操作を行っておき,最終的な承認処理を医師が行うこととすることで,医師が臨床病名,保険病名の双方を記録しなくても済むようになる。この際の承認処理は,電子カルテ情報に記録される,電子カルテを記入した医師の識別情報に基づいて,当該医師が電子カルテシステム1にログインしたタイミングなどの所定のタイミングで,医師が操作する入力者端末3に,承認が必要な保険病名があることの表示をさせることで行える。
上述の処理では,保険病名処理部25が実施処置・実施処方に対する保険病名またはその候補を特定し,入力者端末3に表示させる場合を示したが,臨床病名と実施処置・実施処方と適応病名とを入力者端末3に表示させることで,そのなかから保険病名のプルダウンメニューまたはマスタによる検索での入力を受け付けるようにしてもよい。
上述の処理は一例に過ぎず,その処理プロセスを適宜,変更することは可能である。たとえば実施処置・実施処方に対する保険病名の候補の選択を入力者端末3から受け付けたあと,つぎの実施処置・実施処方の処理を行っているが,先にすべての実施処置・実施処方に対する保険病名の特定または保険病名の候補の特定をしたあと,まとめてそれらを入力者端末3に表示させ,保険病名の選択を受け付けるように構成することもできる。
本発明の電子カルテシステム1を用いることで,医師は臨床病名の入力をすればよいので,臨床業務や医学研究の観点から重要な臨床病名の管理を電子カルテシステム1で行うことが可能となる。一方,保険診療の診療報酬請求の観点から重要な保険病名は,臨床病名,実施処置・実施処方,適応病名にもとづいて提示することで,保険病名の入力負担を医師に課さずに行うことができる。
1:電子カルテシステム
2:管理端末
3:入力者端末
20:電子カルテ情報入力受付処理部
21:電子カルテ情報記憶部
22:標準化処理部
23:照合辞書記憶部
24:適応病名記憶部
25:保険病名処理部
26:承認受付処理部
70:演算装置
71:記憶装置
72:表示装置
73:入力装置
74:通信装置

Claims (11)

  1. 電子カルテシステムであって,
    患者の臨床病名と,実施処置および/または実施処方との入力を受け付ける電子カルテ情報入力受付処理部と,
    前記臨床病名と,前記実施処置および/または実施処方と,適応病名とを用いて保険病名を提示する処理を実行する保険病名処理部と,
    を有することを特徴とする電子カルテシステム。
  2. 前記保険病名処理部は,
    前記実施処置および/または実施処方の適応病名に,前記臨床病名が含まれているかを判定し,
    含まれていることを判定した場合には,前記臨床病名を保険病名として提示する,
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子カルテシステム。
  3. 前記保険病名処理部は,
    前記実施処置および/または実施処方の適応病名に,前記臨床病名が含まれているかを判定し,
    含まれていないことを判定した場合には,前記適応病名に,前記臨床病名と関連性についての所定条件を充足する病名があるかを判定し,充足する病名があると判定した場合にはその病名を保険病名または保険病名の候補として提示する,
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子カルテシステム。
  4. 前記保険病名処理部は,
    前記適応病名に,前記臨床病名と関連性についての所定条件を充足する病名がないと判定した場合には,前記適応病名を保険病名または保険病名の候補として提示する,
    ことを特徴とする請求項3に記載の電子カルテシステム。
  5. 前記保険病名処理部は,
    前記臨床病名の統一コードと適応病名の統一コードとを用いて関連性についての所定条件を充足する病名があるかを判定する,自然言語解析を用いて関連性についての所定条件を充足する病名があるかを判定する,病名ペアの距離を用いて関連性についての所定条件を充足する病名があるかを判定する,または病名同士の関連性の情報を参照することで関連性についての所定条件を充足する病名があるかを判定する,のいずれか一以上の判定処理を用いる,
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子カルテシステム。
  6. 前記保険病名処理部は,
    前記特定した保険病名の候補を,医療従事者または医療事務担当者が操作するコンピュータに表示させ,前記実施処置および/または実施処方に対する保険病名の選択を受け付ける,
    ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の電子カルテシステム。
  7. 前記保険病名処理部は,
    前記特定した保険病名を,医師が操作するコンピュータに表示させ,前記実施処置および/または実施処方に対する保険病名の承認を求める,
    ことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれかに記載の電子カルテシステム。
  8. 前記電子カルテシステムは,
    医師が操作するコンピュータから前記実施処置および/または実施処方に対する保険病名の承認を受け付け,その承認を受け付けると,前記実施処置および/または実施処方に対する保険病名として確定させる承認受付処理部,
    を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の電子カルテシステム。
  9. 前記電子カルテシステムは,
    前記臨床病名の入力欄を備えている,
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の電子カルテシステム。
  10. 前記電子カルテシステムは,
    前記臨床病名がテキスト入力された場合,前記入力された臨床病名に基づいて,病名の標準表記および表記パターンを記憶する照合辞書記憶部を参照することで,前記臨床病名を標準的な表記に変更をする標準化処理部,
    を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の電子カルテシステム。
  11. コンピュータを,
    患者の臨床病名と,実施処置および/または実施処方との入力を受け付ける電子カルテ情報入力受付処理部,
    前記臨床病名と,前記実施処置および/または実施処方と,適応病名とを用いて保険病名を提示する処理を実行する保険病名処理部,
    として機能させることを特徴とする電子カルテプログラム。
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