図1から図3の記載は、ワークピース検査システムで用いられるTAGレンズの様々な動作原理及び用途に関して簡単な背景を与える。この簡単な背景をより綿密な説明及び理解によって補足するため、そのような動作原理及び用途の様々な態様が、前述の本願に含めた引用文献、並びに、米国特許第9,930,243号、9,736,355号、7,627,162号に記載されている。
図1は、光学撮像システム105、照明源130、ワークピースステージ110、及び制御システム部101を含む撮像/検査システム10のブロック図である。様々な実施例において、撮像/検査システム10は、マシンビジョンホストシステムに適合させるか又はスタンドアロンのシステムとして使用することができ、本明細書に開示された原理に従って動作できる。光学撮像システム105、照明源130、及びワークピースステージ110を含む撮像/検査システム10は、ワークピース20を撮像又は検査するため、全体として制御システム部101によって制御することができる。
光学撮像システム105は、画像検出器160(例えばカメラ)、1つ以上のフィールドレンズ150(例えば交換可能対物レンズを含む)、及びTAGレンズ170を含む。制御システム部101は、システムマネージャ回路/ルーチン125を含むことができ、これは入出力インタフェース139及び撮像マネージャ回路/ルーチン180を管理できる。入出力インタフェース139に、ホストシステム又は様々な個別のディスプレイデバイスもしくは入力デバイス等を接続することができる。いくつかの実施例において、ワークピースステージ110は、光学撮像システム105に対してワークピースを移動させる(任意選択的な)移動制御システムを備え得る。そのような実施例では、システムマネージャ回路及びルーチン125はワークピースプログラム発生器及び実行器(図示せず)を含むことができ、これは本願に含まれる引用文献に開示されているようにワークピース20を自動的に検査するよう撮像/検査システム10の移動制御システム及び他の要素を動作させる。図1に示されているように、撮像マネージャ回路/ルーチン180は、照明制御インタフェース132、カメラ制御インタフェース162、及びTAGレンズ制御インタフェース172を含むか又はこれらを管理する。TAGレンズ制御インタフェース172は、TAGレンズ170によって与えられる周期的合焦位置変調と同期して様々な画像露光を制御するための回路及び/又はルーチンを含むTAGレンズコントローラ(例えば撮像マネージャ回路/ルーチン180の一部にある)を含むか又はこれに接続することができる。いくつかの実施例において、TAGレンズ制御インタフェース172及びTAGレンズコントローラはマージされる及び/又は区別できない場合がある。照明制御インタフェース132は、適用可能な場合、例えば、対応する照明源(例えば照明源130)の選択、パワー、オン/オフスイッチ、及びストロボパルスタイミングを制御することができる。いくつかの実施例において、照明制御インタフェース132は、露光(ストロボ)タイムコントローラを含むか、又は他の方法でストロボタイミング信号を(例えば照明源130に)提供して、TAGレンズ合焦位置変調の所望の位相タイミングと同期した画像露光ストロボタイミングを与えることができる。カメラ制御インタフェース162は、適用可能な場合、例えばカメラの設定、露光タイミング、及びデータ出力等を制御できる。いくつかの実施例において、カメラ制御インタフェース162はタイミングコントローラを含み、カメラ画像露光タイミングをTAGレンズ合焦位置変調の所望の位相タイミング及び/又は照明タイミングと同期させることができる。
これらのコンポーネント及び以下で説明する追加のコンポーネントの各々は、1つ以上のデータ/制御バス及び/又はアプリケーションプログラミングインタフェースによって、又は様々な要素間の直接接続によって、相互接続することができる。
以下で更に詳しく記載するように、(光軸OAに沿った)撮像光路OPATHは、ワークピース20から画像検出器160までワークピース撮像光155を伝達する様々な光学コンポーネントを含む。例えば、フィールドレンズ150、TAGレンズ170、及び画像検出器160は全て、それらの光軸がワークピース20の表面と交差する同一の光軸OA上で位置合わせされるように配置できる。しかしながら、この実施例は例示のみを意図しており、限定でないことは認められよう。より一般的には、撮像光路OPATHはミラー及び/又は他の光学要素を含むことができ、既知の原理に従って画像検出器(例えば画像検出器160)を用いてワークピース20を撮像するよう動作できる任意の形態をとり得る。図示されている実施例では、撮像光路OPATHはTAGレンズ170を含み、1回以上のワークピース画像露光を用いてワークピース20の表面を撮像及び/又は測定するために使用することができる。
前述のように、共振駆動信号(例えば、制御システム部101のTAGレンズ制御インタフェース172から信号線171に入力される)に応答して、TAGレンズ170の光学パワーは高周波数で連続的に変化する。これに応じて有効合焦位置EFPが変化する。様々な実施例において、駆動信号は、TAGレンズ170の動作の共振周波数の正弦波AC信号である。TAGレンズ170の光学パワーが正弦波状に変化している間の対応する時点又は「位相タイミング」において、有効合焦位置EFPに対応する焦点距離Dfを利用できる。ノミナルの又は「ミッドレンジ(midrange)」の有効合焦位置は、光学パワーがゼロである状態のTAGレンズと組み合わせた、フィールドレンズ150(例えば対物レンズ)の(固定された)焦点距離であると考えられる。照明源130又は画像検出器160は、共振サイクルの特定の位相又は「位相タイミング」で「ストロボ発光」して、対応する有効合焦位置又は合焦距離で合焦された画像露光を得ることができる。光源光134はワークピース光155として反射又は伝送され、撮像に用いられるワークピース光はフィールドレンズ150及びTAGレンズ170を通過し、画像検出器160(例えばカメラ)によって集光される。ワークピース20の画像を含むワークピース画像露光は、画像検出器160によってキャプチャされ、信号線161上で(例えばカメラ制御インタフェース162を介して)撮像マネージャ回路/ルーチン180に出力される。様々な実施例において、画像検出器160は、既知のCCDイメージセンサ又は他の形態のカメラとすることができ、入射画像IMGを受信して、所定の信号形態を有する検出画像DIMGを撮像マネージャ回路/ルーチン180に出力することができる。
既知のコントラストベースの合焦解析方法を用いて、得られた1又は複数の画像を解析し、それらが合焦状態であるか否かを判定すること、及び/又はシステムマネージャ回路及びルーチン125又は撮像マネージャ回路/ルーチン189で使用して、ワークピース20の合焦画像を与える「自動合焦」動作を行うためにストロボ位相タイミングを調整することができる。この代わりに又はこれに加えて、そのようなコントラストベースの合焦解析方法を用いて、既知の位相タイミングセットで取得された画像セットからベストフォーカス画像を識別し、その「ベストフォーカス」位相タイミング値を出力することができる。各Z高さ又は有効合焦位置を各「ベストフォーカス」位相タイミングに関連付けるZ高さ(有効合焦位置)較正データを利用できる。このため、「ベストフォーカス」画像に関連付けられた位相タイミングに基づいて、ワークピース20の撮像された表面部分の表面高さ座標を決定できる。従って、所望の場合、光学撮像システム105及び/又は撮像/検査システム10を用いて、ワークピース20をスキャンすることによってこれを測定又はプロファイリングできる。
前述の高さ測定の記載に基づいて、TAGレンズ動作特性がドリフトした場合、その実際の動作特性は較正データから逸脱し、結果として高さ測定が不正確になり得ることは理解されよう。前述のように、本発明者は、特定の光学パワー及び/又は合焦距離を共振サイクルの特定の位相に相関付けるようにTAGレンズが精密に較正される計測システム(例えば顕微鏡システム)では、既知のTAGレンズ構成は実際、その較正に対して望ましくない不安定性及び/又はドリフトを示すことを見出している。図2を参照して、既知のTAGレンズ構成について説明する。図3から図9を参照して、本明細書に開示される原理に従った、ある範囲の動作条件において、より安定した動作特性を与える構成について説明する。
図2は、既知の要素を含むTAGレンズ170の断面の図であり、既知の意図的に(intentional)封入された気泡等の圧縮性要素IGV/ICE(以降は単に圧縮性要素IGV/ICEと称する)と、その共振で発生する定在波音波Wの図示を含む。TAGレンズ170は、レンズケース210、制御可能な音波発生要素220、及び屈折性流体250を含む。
図2に示されているように、レンズケース210のケース空洞CCは屈折性流体250の動作ボリュームOPVを含み、音波発生要素220(例えば圧電振動子)は、レンズケース210の内部において動作ボリュームOPVを貫通する光路OPATHの周りに配置されている。様々な実施例において、レンズケース210は中空の円筒形ケースであり、制御可能な音波発生要素220は、レンズケース210の内部に設置された中空の円筒形圧電振動子であり得る。様々な代替的な実施例において、レンズケース210は他の形状を有することも可能である(例えば中空の六角形等)。様々な実施例において、制御可能な音波発生要素220は、スペーサ260、261、及び262(例えば、機械的支持のためだけに使用される、エラストマから作製されたオーリング等)によって支持することができる。様々な実施例において、1つ以上のスペーサ260は、制御可能な音波発生要素220の外周面230とレンズケース210の内周空洞壁215との間(例えば間隔SP1を形成する)に配置できる。同様に、1つ以上のスペーサ261は、制御可能な音波発生要素220の上面231とレンズケース210の上部内面216との間(例えば間隔SP2を形成する)に配置でき、1つ以上のスペーサ262は、制御可能な音波発生要素220の下面232とレンズケース210の下部内面217との間(例えば間隔SP3を形成する)に配置できる。
様々な実施例において、制御可能な音波発生要素220は、駆動信号(例えば、外周面230と内周面240との間に印加されるAC電圧)によって厚さ方向に振動する。様々な実施例において、駆動信号は、信号線(例えば制御システム部101のTAGレンズ制御インタフェース172から与えられる図1の信号線171)を介し、更に電気コネクタ225を介して、音波発生要素に印加される。
様々な実施例において、信号線171に与えられる駆動信号(例えばAC電圧を含む)は、制御可能な音波発生要素220の内側の(すなわち、内周面240によって囲まれたケース空洞の部分内の)屈折性流体250に定在波音波Wを生成する共振周波数に調整することができる。このような場合、代表的な振動矢印VAで示されるように制御可能な音波発生要素220が振動すると、屈折性流体250に定在波音波Wが生じる(すなわち、屈折率が上昇及び低下する同心円状の波の領域が生じる)。定在波音波Wは、この定在波音波Wにほぼ対応した屈折率分布を与える密度勾配を生成することは理解されよう。垂直方向の破線間の光路OPATHとして表されたその屈折率分布の中央部を、撮像のために使用できる。
上述のように、ケース空洞CC(例えば、内周空洞壁215並びに上部内面216及び下部内面217によって形成される)には、屈折性流体250が充填されている。様々な実施例において、屈折性流体250は、1つ以上の入口/出口ポート(例えば入口/出口ポート211を含む)を介してケース空洞CCに投入することができ、その後これらのポートは密閉される。様々な実施例では、所望の動作条件下で、中空の円筒形の制御可能な音波発生要素220内の空洞(すなわち内周面240で囲まれている)に屈折性流体250が充填されるように、制御可能な音波発生要素220の全体が屈折性流体250に浸されている。レンズケース210の水平方向及び垂直方向のスロット又はチャネル218及び219によって、屈折性流体250は充填時に音波発生要素220の外周面230を取り囲むように流れることができる。音波発生要素220の外周全体を囲むように延出する間隔SP1とは異なり、1又は複数の垂直方向のチャネル219は離散的なチャネルであることは認められよう(例えば、ドリル穿孔又は他のプロセスによってレンズケース210に形成された垂直方向のスロットである)。屈折性流体250は、内周面240内の空洞から1又は複数の垂直方向のチャネル218内へ、また、スペーサ(例えばスペーサ260及び262)によって生成された間隔SP(例えば間隔SP1及びSP3)を介して1又は複数の垂直方向のチャネル219内へ流れることができる。このようにして、屈折性流体250は、音波発生要素220の外側を取り囲むように、音波発生要素220とレンズケース210のケース空洞CCの内周空洞壁215、上部内面216、下部内面217との間の間隔SP1、SP2、及びSP3を充填することができる。また、TAGレンズ170Aは、ケース空洞CCの上部及び下部にそれぞれ配置されて密閉された上部ウィンドウ213及び下部ウィンドウ214も含む。TAGレンズ170Aの中心を通る(例えば光軸OAに沿って中央にある)光路OPATHは、上部ウィンドウ213及び下部ウィンドウ214を通過する。
前述の共振周波数はシステム全体の特性であり、温度、及び/又は圧力、及び/又は機械的応力のようなファクタの変動に対して敏感であることは認められよう。得られる定在波音波Wのレンズ特性も同様に敏感である。従って、前述のようにTAGレンズ170は、上述の較正データ(有効合焦位置EFP又は光学パワー対位相タイミング値を特徴付けるデータ)を確立するために使用される動作状態から変動する可能性があり、その結果として高さ測定の誤差が生じる恐れがある。生じる誤差は小さいかもしれないが、精密測定の用途にとっては重大である。本明細書に開示される様々な原理及び構成は、上述の駆動ファクタにおける変動を低減させること、及び、既知の圧縮性要素IGV/ICEの移動及び/又は欠陥による変動を低減すること等を対象としている(以下で更に記載する)。既知の圧縮性要素IGV/ICEに関して、図2では、環状の形状及び意図的に封入された気泡、又は閉鎖セル圧縮性要素等の概略的な断面を表す破線の外形によって、従来技術が示されている。理想的には、圧縮性要素IGV/ICEは、少なくとも理想的な動作条件下で(例えば、図示のようにTAGレンズが直立した向きで使用される場合)、図示のように対応する環状溝内に隔離されている。圧縮性要素が意図的に封入された気泡である場合、使用されている1つの手順は、ケース空洞CCを屈折性流体250で100%充填し、次いで所望の体積を抽出し、その後に密閉することである。これにより、密閉したケース空洞CC内に意図的に封入された気泡が残され、これが図示のように対応する環状溝を充填する。圧縮性要素IGV/ICEの様々な実施例のいくつかの特徴は望ましくないことが示されている。1つの望ましくない特徴は、(例えばTAGレンズ170を傾けた場合)意図的に封入された気泡が移動し得ること、又は屈折性流体250に溶け込み、その後キャビテーションによって光路OPATHに放出され得ることである。別の望ましくない特徴は、圧縮性要素IGV/ICEが、望ましくない変動である圧力増大の結果としてのみ圧縮可能であることである。別の望ましくない特徴は、圧縮性要素IGV/ICEの大きさが限定されているので、TAGレンズ170の許容動作条件が制限されることである。従って、既知の圧縮性要素IGV/ICEは実際に存在する変動及び問題を軽減するだけであり、それらの発生を防止するわけではない。以下に開示される様々な特徴及び原理は、そのような問題を克服する及び/又は防止することを目的としている。
図3A及び図3Bは、レンズケース210及び外部貯蔵部280Aの一般的な実施例を用いたTAGレンズ170Aの等角投影図及び上面図である。図3A及び図3Bの2XX又は2XXAと番号を付けたいくつかのコンポーネントは、図2における同一の又は同様の2XXと番号を付けたコンポーネントに対応する及び/又は同様の動作を有し、類推によって及び以下で記載するように理解できることは認められよう。同様の設計及び/又は機能を有する要素を示すこの番号付けスキームは、以下の図4から図8(例えば2XXB、2XXC、2XXD、2XXE、2XXF等のコンポーネント)にも適用される。
図3A及び図3Bに示されているように、様々な実施例において、レンズケース210の外側の一方側に、外部貯蔵部280A(以下で更に記載するように、変形可能外部流体貯蔵部を含む)を位置付けることができる。また、このような実施例の追加の例を以下で図4から図8を参照して更に詳しく記載する。図7及び図8を参照して更に詳しく後述するように、種々の代替的な実施例で異なる構成を実施してもよい(例えば、外部流体貯蔵部がレンズケースの少なくとも一部の周りに延出する、及び/又は複数の外部流体貯蔵部がレンズケースの周りに配置される等)。
図3A及び図3Bに示されているように、レンズケース210は少なくとも1つの入口/出口ポート211を含み、外部貯蔵部280Aは少なくとも1つの入口/出口ポート284Aを含む。様々な実施例において、入口/出口ポート211及び284Aは、レンズケース210のケース空洞及び/又は外部貯蔵部280A内部の変形可能外部流体貯蔵部に屈折性流体250を最初に投入するため、組み合わせて使用される。これについては以下で図4を参照して更に詳しく記載する。屈折性流体250をケース空洞及び/又は変形可能外部流体貯蔵部に充填した後、入口/出口ポート211及び284Bは閉鎖/密閉される。様々な実施例において、外部貯蔵部280Aは、様々な構成(例えばボルトや溶接等)を用いてレンズケース210に固定して取り付けることができる。
図4は、外部貯蔵部280Bの第1の例示的な実施例を用いたTAGレンズ170Bの断面の図である。図4から図6において、レンズケース210内のコンポーネント及び構成は、以下に記載する点を除いて図2のものと同様又は同一であると理解される。図4に示されているように、外部貯蔵部280Bは、外部貯蔵部上部281TB(例えばマニホルド)に対して密閉された外部貯蔵部本体281BB及び変形可能外部流体貯蔵部290Bを備えている。変形可能外部流体貯蔵部290B(例えばエラストマの袋)は可変の予備体積RSV−Bを含み、これは、変形可能外部流体貯蔵部290Bがケース空洞CCから屈折性流体250を受容する場合は膨張し、屈折性流体250が変形可能外部流体貯蔵部290Bからケース空洞CCに流れる場合は収縮する。このような流体交換は、例えば「剛性の」ケース空洞CC内の屈折性流体の熱的膨張/収縮によって生じ得る。
図4の例において、例示的な変形線DEFは、TAGレンズ170Bの特定の全流体体積(例えば動作温度によって影響を受ける)において発生し得る変形可能外部流体貯蔵部290Bの変形可能部分291Bの変形(収縮)を概略的に示す。変形矢印DEFXは、変形可能部分291Bがどのように収縮するか及び/又は変形可能外部流体貯蔵部290Bの最大設計体積MDV−B(例えば外部貯蔵部280B内の全利用可能予備体積に対応する)まで膨張するかを概略的に示す。様々な実施例において、変形可能部分291Bは、外部貯蔵部上部281TBのくぼみ部285Bに受容されると共にこれに対して密閉されたリップ部292Bを含み得る。図4の実施例において、流路FLC−Bは、レンズケース210(例えば貯蔵部交換路REC内に延出している)と外部貯蔵部280Bとの間に延出するチューブTB−Bを含み、これを介して屈折性流体はケース空洞CCと外部貯蔵部280Bとの間を行ったり来たりすることができる。1つ以上の密閉要素SL(例えば密閉リング)を含ませて(例えば、レンズケース210と外部貯蔵部280Bとの間の接続を密閉するためチューブTB−Bの周りに位置付けられる)、屈折性流体250を密閉して閉じ込めることを保証する。外部貯蔵部上部281TB(例えばマニホルド)は、水平方向チャネル282B及び垂直方向チャネル283Bを含み、これらを介して屈折性流体250はチューブTB−Bと変形可能外部流体貯蔵部290Bとの間を行ったり来たりすることができる。フロー線FL2は、ケース空洞CCと変形可能外部流体貯蔵部290Bとの間で流路FLC−Bを通る屈折性流体250の流れを示す。
様々な実施例において、流路FLC−Bは少なくとも1つの流れ抑制セクションFRSを有し(例えば、貯蔵部交換路RECの一部として又は流路FLC−Bの他の部分として)、これは、音波発生要素220によって音波が印加された場合、解析及び/又は実験によって決定され得るレンズケース210内の屈折性流体250の共振中のシステム減衰効果及び/又はエネルギ損失を最小限に抑えるほど充分に小さく構成されている。また、このような実施例は、膨張又は収縮する屈折性流体の流れが、TAGレンズ170Bの動作又は輸送中に生じ得る温度変化の予想速度に遅れずについていくことができるよう構成されていることは認められよう。様々な実施例において、流れ抑制セクションFRSは、大きくても25平方ミリメートル、又は大きくても15平方ミリメートルの流断面を有し得る(例えば、レンズケース210内の屈折性流体250の共振を隔離することを含む上述の設計パラメータを達成するように、かつ、温度変化等のため生じ得るレンズケース210内の屈折性流体250の圧力変化を最小限に抑える充分な流れを可能とするように)。
様々な実施例において、変形可能外部流体貯蔵部290Bは、少なくとも−20℃から60℃までの温度範囲にわたってケース空洞CC内の屈折性流体250のほぼ一定の圧力を維持するよう構成されている。様々な実施例において、外部貯蔵部280Bは、全ての動作温度において変形可能部分291Bの外側に大気圧が作用するよう構成されている。例えば、外部貯蔵部本体281BBの一部(例えば下部)に通気口288Bを設けることができる。通気口288Bは、大気に開口し、変形可能外部流体貯蔵部290Bの外側に大気圧が作用するよう構成されている。様々な実施例において通気口288Bは、TAGレンズの動作温度にかかわらず、ケース空洞CC内の屈折性流体を約1気圧に維持するよう構成されている。
様々な実施例において、レンズケース210は少なくとも1つの入口/出口ポート211を含み、外部貯蔵部280Bは少なくとも1つの入口/出口ポート284Bを含む。様々な実施例において、入口/出口ポート211及び284Bは、ケース空洞CC又は変形可能外部流体貯蔵部290Bの少なくとも一方に屈折性流体250を最初に投入するため、組み合わせて使用される。屈折性流体250をケース空洞CC及び/又は変形可能外部流体貯蔵部290Bに充填した後、入口/出口ポート211及び284Bは閉鎖/密閉される。例えば入口/出口ポート211及び284Bは、屈折性流体250をTAGレンズ170Bに投入するためのプロセスの一部として、最初は開放することができる。最初の組み合わせ流体体積(例えば動作ボリュームOPV及び予備体積RSVを含む)が確立された後、全流体量は一定に保たれ、TAGレンズ170Bを最初に充填するため使用された入口/出口ポート211及び284Bは密閉された状態を維持する。入口/出口ポート211及び284Bとは異なり、様々な実施例において、貯蔵部交換路REC(すなわち、レンズケース210を通って延出し、流路FLCの一部である)は、外部からアクセス可能なポートでなく、TAGレンズ170Bに対する屈折性流体250の投入又は除去のための入口/出口ポートとして使用可能でないことは認められよう。
様々な実施例において、予備体積RSVに対する動作ボリュームOPVの可変の比は、少なくとも部分的に屈折性流体250の温度に応じて変動する。様々な実施例において、変形可能外部流体貯蔵部290Bは、ケース空洞CC内の屈折性流体250のほぼ一定の圧力を維持するように構成されている。例えば、ケース空洞CC内の屈折性流体250の温度が上昇して屈折性流体250が膨張した場合、屈折性流体250の少なくとも一部はケース空洞CCから変形可能外部流体貯蔵部290Bへ流れる(例えば、ケース空洞CC内の屈折性流体250の圧力をほぼ一定のレベルに維持するように)。同様に、ケース空洞CC内の屈折性流体250の温度が低下して屈折性流体250が収縮した場合、屈折性流体の少なくとも一部は変形可能外部流体貯蔵部290からケース空洞CCへ流れる(例えば、ケース空洞CC内の屈折性流体250の圧力をほぼ一定のレベルに維持するように)。
様々な実施例において、外部貯蔵部280Bは、TAGレンズ170Bの一部として含ませるのではなく、別個の要素として構成することができる(例えば別個のアクセサリとして、又は既存のTAGレンズを改造するためのアップグレードコンポーネントとして等)。そのような実施例において、外部貯蔵部280Bは、屈折性流体250の動作ボリュームOPVを収容するように構成されたケース空洞CCを備えるレンズケース210を有する可変音響式屈折率分布型(TAG)レンズに結合するよう構成できる。外部貯蔵部280Bは、屈折性流体250を収容するよう構成された変形可能外部流体貯蔵部290B及び流路部(例えばチャネル部282B及び283Bを含む)を含み得る。流路部は、変形可能外部流体貯蔵部290BをTAGレンズのケース空洞CCに接続する流路FLC−Bの一部であり得る。変形可能外部流体貯蔵部290Bは屈折性流体250の予備体積RSVを収容し、屈折性流体250の少なくとも一部は、ケース空洞CCと変形可能外部流体貯蔵部290Bとの間で流路FLCを介して行ったり来たりすることができる。レンズケース210、変形可能外部流体貯蔵部290B、及び流路FLC−Bは、密閉されたシステムとして構成できる。
様々な実施例において、屈折性流体250の動作ボリュームOPVを収容するように構成されたケース空洞CCを備えるレンズケース210と、レンズケース210の内部において動作ボリュームOPVを貫通する光路OPATHの周りに配置された制御可能な音波発生要素220と、を有する可変音響式屈折率分布型(TAG)レンズ170Bを調製及び動作させるための方法が提供される。様々な実施例において、方法は、ケース空洞CCと、レンズケース210を貫通する流路FLCによってケース空洞CCに接続されている変形可能外部流体貯蔵部290Bと、に屈折性流体250を投入することを含む。様々な実施例において、レンズケース210は入口/出口ポート211を含み、外部貯蔵部280Bは入口/出口ポート284Bを含み、これらの各々は屈折性流体250が投入される間は開放され、これらのうち少なくとも1つを介して屈折性流体250はケース空洞CC及び変形可能外部流体貯蔵部290Bに投入されるように提供される。充填に使用される屈折性流体250の所望の温度において、ケース空洞CCが屈折性流体250の動作ボリュームOPVを収容するよう充填されると共に変形可能外部流体貯蔵部290Bが屈折性流体250の所望の予備体積RSVを収容するよう充填された後、入口/出口ポート211及び284Bの各々は閉鎖される。様々な実施例において、変形可能外部流体貯蔵部290Bは、TAGレンズ170Bの所望の最大動作又は貯蔵温度において屈折性流体250の最大の所望の予備体積RSVを収容するよう充填されることが望ましい場合がある。一度入口/出口ポート211及び284Bが閉鎖/密閉されたら、レンズケース210、変形可能外部流体貯蔵部290B、及び流路FLC−Bは、密閉されたシステムとして構成される。様々な実施例において、充填及び密閉プロセスの間、流体充填体積において全てのガスは排除されている。所望の場合、密閉前に、真空チャンバ等において充填流体にガス放出手順を行うことができる。一度システムが密閉されたら、通常動作によってTAGレンズ170Bを制御して、TAGレンズ170Bの周期的に変調された光学パワー変動を与えることができる。
より明確には、様々な実施例においてTAGレンズ170は、密閉されたシステムがノミナルで(nominally)屈折性流体250のみを収容し、屈折性流体内に意図的に封入された気泡等の圧縮性成分が存在しないように構成されている。より具体的には、屈折性流体内の意図的に封入された気泡等の圧縮性成分は、レンズケース210内部の全利用可能流体体積の少なくとも最小部分(例えば2%)を構成する意図的に導入された要素として規定され、ケース空洞CCに屈折性流体250が充填される時に屈折性流体250の同等の体積を意図的に変位させるか又は置換する。これに対し、本明細書において規定される偶発的(incidental)な気泡は、ガス放出もしくはキャビテーション、又は望ましくない漏れのために生じ得る望ましくないガスを含み、意図的に封入された気泡とは認められない(すなわち、本例ではケース空洞CCの全利用ボリュームの2%未満の体積である)。
1つの具体的な例示の実施例では、20℃の動作温度において、TAGレンズ170は、変形可能外部流体貯蔵部290内の屈折性流体250の予備体積RSVが変形可能外部流体貯蔵部290の最大設計体積MDVの70%未満であるように構成されている。本明細書で規定されるように、設計体積は概して応力なしの状態及び/又は圧力なしの状態のものである。そのような構成において、温度が上昇して屈折性流体250が膨張した場合、予備体積RSVを増大させるように、ある量の屈折性流体250がケース空洞CCから変形可能外部流体貯蔵部290へ流れることは認められよう(例えば、いくつかの実施例では、動作ボリュームOPVはほぼ同一のままであり、約1気圧等のほぼ同一の圧力を維持する)。温度が低下して屈折性流体250が収縮した場合、予備体積RSVを低減させるように、ある量の屈折性流体250が変形可能外部流体貯蔵部290からケース空洞CCへ流れる(例えば、いくつかの実施例では、動作ボリュームOPVはほぼ同一のままであり、約1気圧等のほぼ同一の圧力を維持する)。
様々な実施例において、ケース空洞CCの内部に位置する屈折性流体250の動作ボリュームOPVに対する変形可能外部流体貯蔵部290の最大設計体積MDVの比は少なくとも1/7とすることができる。様々な実施例では、20℃の動作温度においてTAGレンズ170は、動作ボリュームOPVに対する予備体積RSVの比が少なくとも1/10であるように構成できる。このような実施例は、ある範囲の動作温度にわたってこの構成が有効に動作できるように、屈折性流体250の膨張及び収縮を吸収するためのマージンを与えることは認められよう。更に具体的には、いくつかの実施例において、ケース空洞CCと変形可能外部流体貯蔵部290との間で屈折性流体250を行ったり来たりさせることによって、動作ボリュームOPVをほぼ同一のままに保つと共にほぼ同一の圧力(約1気圧等)を維持しながら、予備体積RSVは増大又は低減することができる。
図5は、外部貯蔵部280Cの第2の例示的な実施例を用いたTAGレンズ170Cの断面の図である。図5に示されているように、外部貯蔵部280Cは、外部貯蔵部本体281BC、外部貯蔵部上部281TC、及び変形可能外部流体貯蔵部290Cを備えている。図5の例示的な構成において、流路FLC−Cは、レンズケース210と変形可能外部流体貯蔵部290Cとの間に延出するチューブTB−Cを含み、これを介して屈折性流体250は前述のように流れることができる。図5の例において、チューブTB−Cは、水平方向チャネルセクションTB−C1及び垂直方向チャネルセクションTB−C2を含む。
図5の構成において、変形可能外部流体貯蔵部290Cは上部ネック部292C及び下部ネック部293Cを含む。様々な実施例において、上部及び下部ネック部292C及び293Cは、これらを介して延出するチューブTB−Cの垂直方向チャネルセクションTB−C2を収容するための(例えば中央の)孔以外は、比較的厚く堅固にすることができる。様々な実施例において、上部ネック部292Cの周りにクランプ289Cを留めて、チューブTB−Cの垂直方向チャネルセクションTB−C2の周りに上部ネック部292Cを固定する。下部ネック部293Cは、外部貯蔵部本体281BCのくぼみ部286C上に置かれるか又はこれによって固定されている。
様々な実施例において、チューブTB−Cの垂直方向チャネルセクションTB−C2は、下部ネック部293Cの端部を通り過ぎて変形可能外部流体貯蔵部290C内へ延出することができ、これはいくつかの利点を与え得る(例えば、変形可能外部流体貯蔵部290C内で生じ得る偶発的な気泡は、下部ネック部293Cの下方の貯蔵部上部まで浮上するので、チューブTB−Cの垂直方向チャネルセクションTB−C2内へ流入する可能性は低い)。更に、水平方向チャネルセクションTB−C1は、レンズケース210内へ(例えば、レンズケース210の貯蔵部交換路REC内へ)延出し、追加の密閉要素(例えば密閉リング)を必要としないように固定することができる。
図6は、外部貯蔵部280Dの第3の例示的な実施例を用いたTAGレンズ170Dの断面の図である。図6の例示的な構成において、変形可能外部流体貯蔵部290Dはピストン296Dを含み、ピストン296Dは、屈折性流体250が膨張してケース空洞CCから変形可能外部流体貯蔵部290Dへ流れる場合は外部貯蔵部本体281BD内部で第1の方向(例えば下方向)に移動し、屈折性流体250が収縮して変形可能外部流体貯蔵部290Dからケース空洞CCへ流れる場合は第1の方向とは反対の第2の方向(例えば上方向)に移動する。1つ以上の密閉要素297D(例えば密閉リング)を含ませて(例えば、ピストン296Dに結合される及び/又はその周りに位置付けられる)、ピストン296Dの上方で屈折性流体250を密閉して閉じ込めることを保証する。様々な実施例において、変形可能外部流体貯蔵部290Dは更にばね298Dを含み、ばね298Dは、ピストン296Dに(例えばピストン296Dの下部に)結合されて、少なくとも20ミリメートルに及ぶ位置範囲にわたってピストン296Dのためにほぼ一定の機械的ばね定数を維持する。所望の場合、ほぼ一定の機械的ばね定数を有するこのような構成を使用して、変形可能外部流体貯蔵部290Dの予備体積RSV、及びこれに応じてケース空洞CCの動作ボリュームOPVを、1気圧以外のほぼ一定の圧力に維持できることは認められよう。所望の場合、同様の「非密閉」ばね及びピストン配置を実施して、(例えば前述のような)密閉袋構成を押圧し、密閉袋内の流体(及びケース空洞CCの関連する動作ボリュームOPV)を1気圧以外のほぼ一定の圧力に維持できることは認められよう。
図7は、外部貯蔵部280Eの第4の例示的な実施例を用いたTAGレンズ170Eの上面の図である。図7に示されているように、変形可能外部流体貯蔵部290E(円筒ドーナツ形状)は外部貯蔵部280E内に含まれ、レンズケース210の少なくとも一部の周りに延出している。図7の具体的な例示の実施例に示されているように、変形可能外部流体貯蔵部290Eはレンズケース210の全周を取り囲むように延出しているが、様々な代替的な実施例では、変形可能外部流体貯蔵部はレンズケース210の一部のみの周りに延出し得ることは認められよう。そのような実施例は、図4から図7の実施例とは異なる全体外形寸法で形成され得ることは認められよう。いくつかの用途では、図示されている構成の方が取り付けるのに望ましいか又は好都合である場合がある。
変形可能外部流体貯蔵部290Eは、レンズケース210を貫通する1つ以上の流路FLC−Eによってケース空洞CCに接続されている。図7には1つだけの流路FLC−Eが示されているが、代替的な実施例では、レンズケース210の周りに複数の流路FLCを配置できる。変形可能外部流体貯蔵部290Eは、屈折性流体250の予備体積RSV−Eを含む。流路FLC−Eによって屈折性流体250は、前述の原理に従って、ケース空洞CCと変形可能外部流体貯蔵部290Eとの間で行ったり来たりすることができる。レンズケース210、変形可能外部流体貯蔵部290E、及び流路FLC−Eは、密閉システムとして構成されている。レンズケース210は少なくとも1つの入口/出口ポート211を含み、外部貯蔵部280Eは少なくとも1つの入口/出口ポート284Eを含み、これらは上述のように屈折性流体250をTAGレンズ170Eに投入するため利用できる。様々な実施例において、外部貯蔵部280Eは、様々な構成(例えばボルトや溶接等)を用いてレンズケース210に固定して取り付けることができる。様々な体積の関係や充填方法等は、前述した原理に従って外部貯蔵部280E向けに実施できる。
図8は、デュアル外部貯蔵部280Fの第5の例示的な実施例を用いたTAGレンズ170Fの上面の図である。図8の例示的な構成において、外部貯蔵部280F1及び280F2はレンズケース210の周りに配置され、それぞれ第1及び第2の変形可能外部流体貯蔵部290F1及び290F2を含む。
第1及び第2の変形可能外部流体貯蔵部290F1及び290F2は、それぞれレンズケース210を貫通する第1及び第2の流路FLC−F1及びFLC−F2によってケース空洞CCに接続されている。第1及び第2の変形可能外部流体貯蔵部290F1及び290F2は、屈折性流体250の第1及び第2の予備体積RSV−F1及びRSV−F2をそれぞれ含み、これらは一緒に組み合わせ予備体積RSV−Fを形成する。第1及び第2の流路FLC−F1及びFLC−F2によって屈折性流体250は、前述の原理に従って、ケース空洞CCと変形可能外部流体貯蔵部290F1及び290F2との間で行ったり来たりすることができる。
レンズケース210、第1及び第2の変形可能外部流体貯蔵部290F1及び290F2、並びに第1及び第2の流路FLC−F1及びFLC−F2は、密閉システムとして構成されている。レンズケース210は少なくとも1つの入口/出口ポート211を含み、外部貯蔵部280F1及び280F2は入口/出口ポート284F1及び284F2をそれぞれ含み、これらは上述のように流体250をTAGレンズ170Fに投入するため利用できる。様々な実施例において、外部貯蔵部280F1及び280F2は、様々な構成(例えばボルトや溶接等)を用いてレンズケース210に固定して取り付けることができる。(組み合わせ体積(RSV−F1+RSV−F2)に基づく様々な体積の関係や充填方法等は、前述した原理に従って外部貯蔵部280F向けに実施できる。
図9は、本明細書に開示される原理に従って外部貯蔵部を用いたTAGレンズを調製及び動作させるためのルーチン1000の1つの例示的な実施例を示すフロー図である。上述のように、様々な実施例においてTAGレンズは、屈折性流体の動作ボリュームを収容するように構成されたケース空洞を備えるレンズケースと、レンズケースの内部において動作ボリュームを貫通する光路の周りに配置された制御可能な音波発生要素と、を有し得る。図9に示されているように、ブロック1010では、ケース空洞及び変形可能外部流体貯蔵部に屈折性流体を投入する。変形可能流体貯蔵部は外部貯蔵部に含まれ、レンズケースを貫通する流路によってケース空洞に接続されている。レンズケースは入口/出口ポートを含み、外部貯蔵部は入口/出口ポートを含み、これらの各々は屈折性流体が投入される間は開放され、これらの少なくとも1つを介して屈折性流体はケース空洞及び変形可能外部流体貯蔵部に投入されるように提供される。
図4の実施例を例示的な構成として用いると、ブロック1010における屈折性流体の投入は、最初に入口/出口ポート211及び284Bに加えて通気口288B(例えば大気に開口する)を開放することを含み得る。1つの実施例において、屈折性流体は、ケース空洞CCがいっぱいになると共に変形可能外部流体貯蔵部290Bがいっぱいになるまで、入口/出口ポート284Bを介して投入されて、変形可能外部流体貯蔵部の屈折性流体の予備体積は最大設計体積MDVのほぼ100%となり、このため空気又は他のガスを入口/出口ポート211から放出することができる(例えば、溶解した空気等のガス放出を含めて、密閉されるシステムの真空パージが基本的に実行され得る)。(前述のことは全て、TAGレンズの所望の最大動作又は貯蔵温度で実行され得る。あるいは、より低温で上述のようにシステムを充填した後、変形可能外部流体貯蔵部290Bを所望の対応状態まで収縮させるように入口/出口ポート284Bから流体を抜き取ってもよい。)このような実施例では、次いで入口/出口ポート211を密閉又は閉鎖することができる。様々な実施例では、ケース空洞CCの動作ボリュームOPVを充填したまま、ほぼ一定に保ちながら、抜き取られる屈折性流体の量によって、所望の動作温度(例えば20℃等)における変形可能外部流体貯蔵部290Bの屈折性流体の予備体積RSV−Bを変形可能外部流体貯蔵部290Bの最大設計体積MDVの70%未満とすることができる。
ブロック1020では、屈折性流体の現在の温度で、ケース空洞が屈折性流体の動作ボリュームを収容するよう充填されると共に変形可能外部流体貯蔵部が屈折性流体の所望の予備体積を収容するよう充填された後、入口/出口ポートを閉鎖/密閉する。図4の例を参照して上述したように、様々な実施例において入口/出口ポートは、屈折性流体を投入するためのプロセスに応じて異なる時点で又は様々なシーケンスで閉鎖することができる。ブロック1030では、システムを密閉した後、TAGレンズの周期的に変調される光学パワー変動を与えるようにTAGレンズを制御する。例えば、制御可能な音波発生要素を上述のように制御して、TAGレンズの周期的に変調される光学パワーを与えることができる。
本開示の好適な実施例について図示及び記載したが、本開示に基づいて、図示及び記載した要素の構成及び動作のシーケンスにおける多数の変形が当業者には明らかであろう。種々の代替的な形態を用いて本明細書に開示された原理を実施することができる。更に、上述の様々な実施例を組み合わせて別の実施例を提供することも可能である。これらの様々な特許及び出願の概念を用いて更に別の実施例を提供するために必要な場合は、上述の実施例の態様は変更可能である。
前述の記載に照らして、実施例にこれら及び他の変更を行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は本明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施例に特許請求の範囲を限定するものとして解釈されず、そのような特許請求の範囲の権利が与えられる(entitled)均等物の全範囲に加えて全ての可能な実施例を包含するものとして解釈されるべきである。