JP2020020821A - 投写型表示装置 - Google Patents

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【課題】遮光マスクとカバーガラスを有する光変調素子が密閉空間に配置された構成において、マスクからの熱放射により、カバーガラスに温度ムラが発生し、投影画像に色ムラを生じる。【解決手段】防塵カバーにより密閉された、カバーガラスを有する光変調素子と、遮光マスクにおいて、遮光マスクに熱放射率が小さい領域を設けることにより、遮光マスクから、カバーガラスへの熱放射を低減する。【選択図】図1

Description

本発明は、投写型表示装置に関する。
投写型表示装置に使用される液晶パネルにおいて、液晶パネルやカバーガラスに塵埃が付着すると、投影画像に塵埃が映し出され画質を劣化させることがある。そのため、液晶パネルとカバーガラスと、光源からの不要光を遮光するマスクと、液晶パネルとカバーガラス及びマスクを保持するヒートシンクの一部を密閉空間に配置する。これにより密閉空間外にあるヒートシンクに冷却風を当てる構成にすることがある。
このような構成において、カバーガラスや液晶パネル及び遮光マスクには直接冷却風を当てることができないため、温度分布が生じる可能性がある。遮光マスクや液晶パネルの光吸収による発熱により近傍のカバーガラスや液晶パネルに温度ムラが生じると、線膨張差による応力分布により光弾性が発生する。これにより、投影画像における色ムラを生じる可能性がある。
従来、液晶パネルの温度ムラを低減するために、液晶パネルとヒートシンクの間に充填する熱伝導グリスの厚みを、不均一に充填する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2010−14809号公報
しかし、特許文献1に記載の方法の場合、液晶パネルの温度ムラを低減することはできても、マスクの熱放射の影響による、カバーガラスの温度ムラの低減には効果が少ない。密閉されたカバーガラスが受けるマスクの熱放射の影響を小さくするためには、マスクとカバーガラスの距離を遠ざける必要がある。
しかし、マスクとカバーガラスを遠ざけると、バックフォーカスの増大及び、それに伴う装置の大型化を招いてしまう。よって、マスクとカバーガラスの距離を最小にしつつ、カバーガラスへの熱放射を低減する必要がある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る投射表示装置は、
カバーガラスを含むと光変調素子と、該光変調素子が取り付けられる放熱部材と前記放熱部材に取り付けられ、前記光変調素子へ入射する光束のうち不要なものを遮光する遮光部材を有する投射表示装置において前記光変調素子と、遮光部材と、放熱部材の一部は密閉空間の内部にあり、前記遮光部材のうち、前記光変調素子と対向する面のすべてもしくは一部に、他の部分よりも熱放射率が低い領域を有することを特徴とする。
本発明によれば、装置の大型化を招くことなく遮光部材からパネルのカバーガラスへの熱放射を低減し、色ムラの少ない画像を得られる投射型表示装置を提供することができる。
本発明の光変調素子ブロックの分解斜視図 本発明の光変調素子ブロック 本発明の模式図 本発明の模式断面図 本発明の模式断面図 本発明の第2の形態の光変調素子ブロックの分解斜視図 本発明の投写型表示装置外観概略図 本発明の投写型表示装置の全体構成説明図
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図5は投写型表示装置の外観を示す概略図であり、図6は、投写型表示装置の全体構成を説明する図である。以下、図6を参照して、投写型表示装置の全体構成について説明する。
1は光源、2は光源1からの光を光変調素子ブロック3に導く光学部品を収納する光学ブロック、4は光変調素子と対向配置されるプリズム、5は光源1からの光を外部スクリーンへ拡大投射する投写レンズである。また、6は光変調素子を含む光学部品を冷却する風を光学部品まで導風する光学冷却ダクト、7は光変調素子を冷却するシロッコファンである光学冷却ファン、8はこれらの部品を収納する外装ケース(図5では不図示)を示す。
図5の外装ケース8には、装置前面に冷却風の取り込み口である吸気口81が設けられ、そこには図6に示す集塵フィルター9が取り付けられている。
光学冷却ファン7の駆動によって、フィルター9を通過して吸気口81から侵入した外気は光学冷却ダクト6を通過し、光変調素子ユニット3に向かって吹きつけられる。この際、大気中に浮遊する塵埃の多くはフィルター9によって侵入を阻害され、捕集される。しかし、微小な粒子はフィルター9の目を通過して冷却風に乗って光変調素子に吹き付けられることがある。このため、光変調素子プロック3には、微小な塵埃粒子が付着しないような防塵構造が必要となる。
次に、本発明の光変調素子ブロック3の構成について図1から図2を用いて説明する。尚、図1は光変調素子ブロック3の分解斜視図、図2は各部品が組み付いた状態の光変調素子ブロック3、図3(b)は図2の断面図、図4は図3(c)のA部拡大図である。
31は光入射面にカバーガラス313が接着された光変調素子311と放熱器312とが取付けられた光変調素子ユニットであり、32は光変調素子311の有効画素領域より大きな開口を有し、有効画素領域に合わせて開口を位置調整固定される遮光マスク32である。33は放熱器312と接触し光変調素子311のカバーガラス313表面に異物が付着するのを防止する第一の防塵カバーであり、34は後述する波長板保持部材35と防塵カバー33の間で挟持される第二の防塵部材である。35は後述する波長板36を保持し遮光マスク32の開口よりも大きな開口を有し、光変調素子311に対して波長板36を回転調整する波長板保持部材、36は波長板を示す。遮光マスク32及び放熱器312は熱伝導率の高いアルミニウム合金で構成され、遮光マスク32は反射率低減のために黒色アルマイトメッキが施されている。
第一の防塵カバー33は放熱器312のフィン部312aと反対側の面から、放熱器312を抱え込むように取り付けられ、強固に保持することで、放熱器312と防塵カバー33との隙間を除去することができる。また、第二の防塵部材34は低硬度の材質で成形され、第一の防塵カバー33と波長板保持部材35の間で圧接されることで、部材間の隙間を除く構成をとる。波長板保持部材が回転調整された場合も、当接する部材面に追従し隙間の発生を防止する。このような構成をとることで、カバーガラス313及び遮光マスク32は、波長板36と波長板保持部材35及び、防塵カバー33により密閉される。一方で放熱器312のフィン部312aは密閉空間の外部に配置される。これにより、光学冷却ファン6の送風によってある程度の風圧がかかったとしてもカバーガラス313や光変調素子311への異物の侵入を抑止できる。また光学冷却ファン6の送風を放熱器312のフィン部312aに当てることができる。遮光マスク32や光変調素子311及びカバーガラス313から、放熱器312に伝熱された熱は、フィン部312aにおいて、密閉空間の外部へ放熱される。
次に図3を用いて本発明の特徴について説明する。図3(c)に示す光変調素子311のカバーガラス313は、遮光マスク32と共に空間Aにおいて密閉される。遮光マスク32は反射防止の表面処理が施されているため、遮光マスク32は光吸収率が高くなる。また、光吸収率が高いことと、熱放射率が高いことは等価であるため、熱放射率も高くなる。したがって、遮光マスクからの熱放射によって、光変調素子311のカバーガラス313の温度が上昇する。ところで、光源1から照射された光束は遮光マスク32によりカットされた後、開口部Bを通過し光変調素子311に照射される。遮光マスク32は、光源からの光束が照射される領域Cと、そうでない領域Dで温度分布を生じる。したがって、温度分布を持った遮光マスク32の熱放射により光変調素子311のカバーガラス313は、遮光マスク32の開口Bと光軸方向において重なる領域B’と、遮光マスク32の領域C及びDと光軸方向において重なる領域C’及びD’でそれぞれ熱放射による温度上昇の値に差が生じる。この温度差が色ムラの原因の一つとなる。
本発明の遮光マスク32は、光変調素子311と対向する面に、反射率が25%以上の鏡面処理部321を有する。この鏡面処理により、遮光マスク32のうち鏡面処理部321の領域においては、反射率が向上する。すなわち熱放射率が低減され、光変調素子311への熱放射が軽減される。さらに、光変調素子311のカバーガラス313の有効光束が通過しない領域C’及びD’において、波長が780nm以上の赤外光の反射率を向上する反射膜が施された反射部313aを有する。これにより、遮光マスク32から放射された熱エネルギーが、光変調素子311のカバーガラス313に吸収されるのを抑制できる。さらに、放熱部材312の一部に熱吸収率を上昇させるための、黒色アルマイトメッキ処理が施された表面処理部312bを有する。これにより、遮光マスク32から放射された熱エネルギーを持つ赤外光のうち放熱部材312が吸収する割合が高くなる。すなわち、光変調素子311のカバーガラス313が吸収する熱エネルギーが低減する。放熱器312は一部が空間Aの外側に配置されているため、遮光マスク32からの熱放射により吸収した熱エネルギーは、強制空冷によって放熱される。
以上の構成により、遮光マスク32とカバーガラス313の距離を増大することなく、遮光マスク32から放射される熱エネルギーを低減することができる。さらに遮光マスク32から放射される熱エネルギーの内、カバーガラス313の吸収する熱エネルギーを小さくすることができる。バックフォーカスの増大を抑制しつつ、色ムラを低減することが可能となる。
実施例1では、遮光マスク32に鏡面処理部321、カバーガラス313に反射防止部313a、放熱部材312に反射防止処理312bをそれぞれ有する構成としたが、いずれか1つまたは2つのみであってもカバーガラスの部分的な温度上昇の低減に効果がある。
また、鏡面処理部321は、マスキングにより部分的に反射防止処理を施さない領域を設けたり、熱放射率の低い別部材を部分的に貼り合わせることで構成しても同様の効果を有する。
実施例2では、遮光マスク32に熱放射率の低い別部材を部分的に貼り合わせる構成について説明する。なお、遮光マスク32以外の構成は実施例1と同様であるため説明は割愛する。
図4は実施例2における変調素子ブロックの分解斜視図である。熱放射低減部材38は例えばアルミ輻射断熱シートであり、遮光マスク32の、カバーガラス313と対向する面に貼り合わされる。
アルミ輻射断熱シートは一般的に反射率が80%以上あるため、遮光マスク32のカバーガラス313と対向する面に貼り合わせることで、カバーガラス313への熱放射が低減される。そのためカバーガラス313の吸収する熱エネルギーを小さくすることができるため、色ムラの抑制が可能となる。すなわち実施例1で示した鏡面処理部と同様の効果を、シートを貼りつけることで、安易に得ることができる構成である。
実施例2では、遮光マスク32にアルミ輻射断熱シートを張り合わせる構成としたが、熱放射低減部材38として、鏡面処理を施した、アルミやステンレスを、接着固定してもよい。
1 光源、2 光学ブロック、3 変調素子ブロック、4 プリズム、
5 投写レンズ、6 冷却ダクト、7 冷却ファン、8 外装ケース、
9 フィルター、31 変調素子ユニット、311 光変調素子、
312 放熱器、313 カバーガラス、32 遮光マスク、
33 防塵カバー、34 第一の防塵リング、35 波長板保持板、
36 波長板、37 第二の防塵リング、81 吸気口

Claims (6)

  1. カバーガラスを含む光変調素子と、該光変調素子が取り付けられる放熱部材と、前記放熱部材に取り付けられ、前記パネルへ入射する光束のうち不要なものを遮光するマスクと、を有する投射表示装置において、
    前記光変調素子と、遮光マスクと、放熱部材の一部は密閉空間の内部にあり、前記遮光マスクのうち、前記光変調素子と対向する面のすべてもしくは一部に、他の部分よりも熱放射率が低い領域を有することを特徴とする投射表示装置。
  2. 前記マスクの、熱放射率が低いい領域は、熱放射率が0.35以下であることを特徴とする請求項1に記載の投射表示装置。
  3. 前記遮光マスクの熱放射率が低い領域は、鏡面処理が施されている事を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投射表示装置。
  4. 前記カバーガラスの、光が入射する範囲以外の領域に、反射膜が施されたことを特徴と請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の投射表示装置。
  5. 前記放熱部材は、カバーガラスと対向する面に反射率低減の表面処理が施されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の投射表示装置。
  6. 前記マスクは、前記放熱部材に対して、熱伝導性部材を介して取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の投射表示装置。
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