JP2020020589A - 自転車試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】人間による自転車の実際の使用状況に、より近い条件で試験を行う。【解決手段】加算器541は、実際の自転車走行時の人間の右足の踏力のパターンを表す右踏力パターンPRと左足の踏力のパターンを表す左踏力パターンPLを加算した加算踏力パターンを生成し、正規化部542は加算踏力パターンの波高値を1に正規化した正規化加算踏力パターンを生成し、乗算器543は、正規化加算踏力パターンに、ゲイン算出部545で算出されたゲインkを乗算し、制御マップ544として設定する。ゲイン算出部545は、正規化加算踏力パターンと速度Vから、制御パターンに従った出力トルク設定部546のクランク駆動モータ34の制御によってクランク軸に与えられるエネルギーが、目標エネルギー量TEとなるようにゲインkを算出する。【選択図】図6

Description

本発明は、電動補助自転車などの自転車の試験に用いられる自転車試験装置に関するものである。
電動補助自転車などの自転車の試験に用いられる自転車試験装置としては、自転車の後輪に当接し当該後輪の回転に対する負荷を与えるローラと、自転車のクランク軸を回転駆動する駆動装置とを備えた自転車試験装置が知られている(特許文献1)。
また、電動補助自転車のペダルを摺動自在にクランプするペダルクランプと、ペダルクランプを回転駆動するパワーユニットを備え、パワーユニットの出力軸と電動補助自転車のクランク軸とを前後方向にオフセットして配置することにより、パワーユニットを一定の駆動力で駆動するだけで電動補助自転車のペダルを乗員の踏力と同様な山谷のある正弦波状に変化する力で駆動できるようにした自転車試験装置も知られている(特許文献2)。
特開2013-36833号公報 特開2000-74792号公報
人間による自転車の実際の使用状況において人間が自転車のペダルを漕ぐ踏力には、脚力等の利用者の属性に応じた違いや、自転車の速度に応じた違いや、クランク角に応じた違いや、自転車が電動補助自転車である場合における電動補助の特性に応じた違い等の様々な違いが生じる。
一方で、自転車の試験は、できるだけ、人間による自転車の実際の使用状況に近い条件で行うことが望ましい。
本発明は、人間による自転車の実際の使用状況に、より近い条件で試験を行える自転車試験装置を提供することを課題とする。
前記課題達成のために、本発明は、自転車の試験に用いられる自転車試験装置に、前記自転車のクランク軸を回転駆動する駆動装置と、前記自転車のクランク軸の回転角を検出する回転角検出手段と、自転車の走行時に人間の右足により右クランクを介して前記クランク軸に加わるトルクの、当該クランク軸の回転角の変化に対する変化のパターンを表す右踏力パターンと、自転車の走行時に人間の左足により左クランクを介して前記自転車のクランク軸に加わるトルクの、当該クランク軸の回転角の変化に対する変化のパターンを表す左踏力パターンとを記憶したパターン記憶部と、前記右踏力パターンと前記左踏力パターンとを加算して生成した踏力パターンと同様の形態のパターンの変化で前記クランク軸に加わるトルクが前記クランク軸の回転角の変化に対して変化するように、前記回転角検出手段が検出した前記クランク軸の回転角に基づいて、前記駆動装置がクランク軸に加えるトルクを制御するクランク軸駆動制御手段とを備えたものである。
このような自転車試験装置は、予め設定されたテスト条件で規定された自転車の走行状態を模擬する自転車試験装置でもよい。この場合、前記パターン記憶部を、前記自転車の異なる複数の走行状態の各々に対応する複数の前記右踏力パターンと、前記自転車の異なる複数の走行状態の各々に対応する複数の前記左踏力パターンとを記憶するものとし、当該自転車試験装置に、前記パターン記憶部に記憶された複数の右踏力パターンと複数の左踏力パターンのうちから、当該自転車試験装置が模擬する走行状態に対応する前記右踏力パターンと前記左踏力パターンとを選定するパターン選定手段を設け、前記クランク軸駆動制御手段において、前記踏力パターンを、前記選定手段によって選定された前記右踏力パターンと前記選定手段によって選定された前記左踏力パターンとを加算して生成するようにしてもよい。
また、このような当該自転車試験装置が、前記テスト条件で規定された動的に変化する自転車の走行状態を模擬する場合には、前記パターン選定手段において、前記模擬する走行状態毎に、前記選定する前記右踏力パターンと前記左踏力パターンを個別に規定してもよい。
以上のような自転車試験装置によれば、ライダーのクランクの右足による回転駆動と左足による回転駆動とを独立に模擬することができ、人間による自転車の実際の使用状態に、より近い条件で試験を行うことができる。
上述した予め設定されたテスト条件で規定された動的に変化する自転車の走行状態を模擬する自転車試験装置は、パターン記憶部に、前記自転車の異なる複数の走行状態の各々に対応する、複数の、自転車走行時に人間の足によりクランクを介して前記クランク軸に加わるトルクの、当該クランク軸の回転角の変化に対する変化のパターンを表す踏力パターンを記憶し、パターン選定手段において、前記パターン記憶部に記憶された複数の踏力パターンから、当該自転車試験装置が模擬している走行状態に対応する前記踏力パターンを、前記模擬する走行状態の変化に伴い選定する前記踏力パターンが切り替わるように選定し、軸駆動制御手段において、前記選定手段によって選定された前記踏力パターンと同様の形態のパターンの変化で前記クランク軸に加わるトルクが前記クランク軸の回転角の変化に対して変化するように、前記回転角検出手段が検出した前記クランク軸の回転角に基づいて、前記駆動装置がクランク軸に加えるトルクを制御するように構成してもよい。
このような自転車試験装置によれば、自転車の走行状態の模擬内容に応じて、ライダーのクランク回転駆動の模擬内容を変更することができ、人間による自転車の使用状態に、より近い条件で試験を行うことができる。
以上の自転車試験装置において、当該自転車試験装置が模擬する自転車の走行状態は前記自転車の速度の状態を含むものとし、前記クランク軸駆動制御手段において、当該クランク軸駆動制御手段の前記駆動装置がクランク軸に加えるトルクのトルク制御によって、前記自転車の速度が当該自転車試験装置が模擬する前記自転車の速度となるように算定したゲインを前記踏力パターンに与えて得られるパターンの変化で前記クランク軸に加わるトルクが前記クランク軸の回転角の変化に対して変化するように、前記回転角検出手段が検出した前記クランク軸の回転角に基づいて、前記駆動装置がクランク軸に加えるトルクを制御してもよい。
また、以上の自転車試験装置において、前記自転車の走行状態は、前記自転車の速度の状態を含むものとする。ここで、前記自転車の走行状態は、前記自転車の速度の状態に加え、前記自転車の加速度の状態と前記自転車の走行路の勾配の状態とのうちの少なくとも一つの状態を含むものとしてもよい。
また、以上の自転車試験装置において、前記自転車は電動補助自転車であってよい。
以上のように、本発明によれば、人間による自転車の実際の使用状況に、より近い条件で試験を行える自転車試験装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る自転車試験装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る自転車試験装置のダイナモメータの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る自転車試験装置の自転車駆動装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る踏力パターンデータベースの内容を示す図である。 本発明の実施形態に係るクランク軸駆動制御部の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について電動補助自転車の試験を行う自転車試験装置への適用を例にとり説明する。
図1a、bに、本実施形態に係る自転車試験装置の構成を示す。
ここで、図中に示したように上下左右前後方向を定めるものとして、図1aは自転車試験装置の上面模式図を、図1bは自転車試験装置の後面模式図を示している。
図示するように自転車試験装置は、ピット1、ピット1によって構成された床の床下に配置されたダイナモメータ2、電動補助自転車のクランク軸を回転駆動する自転車駆動装置3、ピット1の床面上に配置された、電動補助自転車の前輪またはフロントフォークをピット1に対して固定する前輪固定装置4、制御装置5とを備えている。
次に、図2a、bにダイナモメータ2の構成を示す。
ここで、図2aはダイナモメータ2の上面模式図を、図2bはダイナモメータ2の後面模式図を示している。
図示するように、ダイナモメータ2は、モータ21、軸トルク計22、ローラ23、機械慣性装置24とを備えている。
ローラ23の中心軸の一端は、軸トルク計22を介在して、モータ21のシャフトに連結しており、ローラ23の中心軸の他端は機械慣性装置24に連結している。
ローラ23は、その周面によって、図1bに示すように、電動補助自転車の後輪に対して走行路を模擬するものであり、頂上部がピット1の床に設けられた開口に露出しており、ローラ23の頂上部に電動補助自転車の後輪が位置づけされる。
そして、軸トルク計22は、電動補助自転車の後輪とローラ23との間で作用する力によって、モータ21のシャフトとローラ23の中心軸との間に働く軸トルクを検出し、制御装置5に出力する。
モータ21は回転計を内蔵しており、回転計で検出したモータ21の回転速度を制御装置5に出力する。
機械慣性装置24は、回転慣性質量の異なる複数のフライホイールを備えており、制御装置5の制御に応じて、任意数の任意のフライホイールとローラ23の中心軸との連結/連結断を行うことにより、連結したフライホイールの組み合わせによって定まる回転慣性質量をローラ23に追加し、電動補助自転車の走行慣性相当の回転慣性力をローラ23に付与する。
次に、図3に自転車駆動装置3の構成を示す。
ここで、図3aは自転車駆動装置3の上面模式図を、図3bは自転車駆動装置3の後面模式図を示している。
図示するように、自転車駆動装置3は、上下方向に移動可能なZステージ31、Zステージ31に支持された前後方向に移動可能なYステージ32、Yステージ32に支持された左右方向に移動可能なXステージ33、Xステージ33に支持されたクランク駆動モータ34、駆動軸トルク計35、クランク駆動モータ34のシャフトに駆動軸トルク計35を介して連結された駆動シャフト36とを備えている。
Zステージ31は、昇降レバー311を回転させることによりジャッキ312によって上下に移動するように構成されており、Yステージ32は回転レバー321を回転させることによりYローラ322によってZステージ31に対して前後方向に移動するように構成されており、Xステージ33は回転レバー331を回転させることによりXローラ332によってYステージ32に対して前後方向に移動するように構成されている。
次に、駆動シャフト36は、駆動軸トルク計35に連結する軸体351に連結されたフランジ361と、駆動シャフト36の先端の連結ソケット362とを、両者に各々トリボールジョイントによって継がる鋼管363で連結したものである。
ここで、図1a、bに示すように、自転車駆動装置3は、およそダイナモメータ2のローラ23の頂上に後輪が載せ置かれた電動補助自転車のクランク軸の左側先端の平均的な位置付近に、駆動シャフト36の先端が位置するように一部、ピット1の床下に一部埋設された形態でピット1に対して固定されている。
そして、図1a、bに示すように、電動補助自転車からクランクを取り外した上で、駆動シャフト36の先端の連結ソケット362を、クランクを取り外すことによって露出する電動補助自転車のクランク軸の先端のテーパーに嵌合させることで、駆動シャフト36は電動補助自転車のクランク軸に連結される。
ここで、Zステージ31、Yステージ32、Xステージ33は、電動補助自転車の型式によらずに、駆動シャフト36の位置を電動補助自転車のクランク軸位置に位置づけられるように設けている。
次に、駆動軸トルク計35は、駆動シャフト36を介して、クランク駆動モータ34のシャフトから電動補助自転車のクランク軸に働く軸トルクを検出し、制御装置5に出力する。
また、クランク駆動モータ34は回転計とロータリエンコーダを内蔵しており、回転計で検出したクランク駆動モータ34の回転速度と、ロータリエンコーダで検出したクランク駆動モータ34の回転角を制御装置5に出力する。
次に、制御装置5の構成を図4に示す。
図示するように、制御装置5は、システム制御部51、速度算出部52、踏力パターンDB53、クランク軸駆動制御部54、演算部55、負荷制御部56を備えている。
演算部55は、所要エネルギー算出部551と減算器552と補正部553を備えている。
このような構成において、電動補助自転車の試験開始に先立って、システム制御部51には、試験対象の電動補助自転車が行う電動補助の性質をモデル化したアシストモデルと、試験対象の電動補助自転車の質量、車輪径サイズや、車両ロスなどの各種属性値である車両諸元と、自転車試験装置が試験において模擬する電動補助自転車の状況を規定するテスト条件が設定される。テスト条件としては、走行速度や走行距離や走行時間や走行路の勾配などの走行状態、または、当該走行状態の変化パターンや、性別や体格などのライダーの属性などを設定する。
システム制御部51は、アシストモデルと車両諸元とテスト条件を演算部55に出力し、車両諸元とテスト条件を負荷制御部56に出力し、車両諸元が表す試験対象の電動補助自転車の後輪の径を速度算出部52に設定する。
速度算出部52は、設定された後輪の径と、クランク駆動モータ34の回転計から出力される回転速度Rvとから、試験対象の電動補助自転車の速度Vを算出して、演算部55と負荷制御部56とクランク軸駆動制御部54に出力する。但し、速度算出部52は、ダイナモメータ2のモータ21の回転計から出力される回転速度と、ローラ23の径から、試験対象の電動補助自転車の速度Vを算出するものとしてもよい。
負荷制御部56は、軸トルク計22で検出された軸トルクTdを参照しながら、速度Vと車両諸元とテスト条件に従った負荷(走行抵抗)や走行慣性が、電動補助自転車の後輪にローラ23から加えられるように、モータ21の発生トルクや機械慣性装置24がローラ23に追加する回転慣性質量を制御する。
次に、演算部55の所要エネルギー算出部551は、各時点においてテスト条件に従った試験を行うために、クランク軸モータからクランク軸に加える必要のあるエネルギー量を、アシストモデルと車両諸元とテスト条件から算出する。
演算部55の減算器552は、各時点において、テスト条件が示す速度と、速度算出部52が算出している速度Vとの差を算出し、補正部553は、減算器552で算出された差に基づいて、速度算出部52が算出する速度Vがテスト条件が示す速度となるように、所要エネルギー算出部551が算出したエネルギー量を補正し、目標エネルギー量TEとして、クランク軸駆動制御部54に出力する。すなわち、補正部553は、速度算出部52が算出している速度Vがテスト条件が示す速度より大きい場合は、所要エネルギー算出部551が算出したエネルギ量を減少する補正を行って目標エネルギー量TEとしてクランク軸駆動制御部54に出力し、速度算出部52が算出している速度Vがテスト条件が示す速度より小さい場合は、所要エネルギー算出部551が算出したエネルギー量を増加する補正を行って目標エネルギー量TEとしてクランク軸駆動制御部54に出力する。
次に、図5aに示すように、踏力パターンDB53には、PR DBとPL DBとパターン管理テーブルが格納されている。PR DBには複数の右踏力パターンPRが登録されており、PL DBには複数の左踏力パターンPLが登録されている。
図5bに示すように右のクランクが上死点にあるときの回転角を0とし、前進方向への回転方向を正方向としてクランク軸の回転角を測るものとして、各右踏力パターンPRは、クランク軸が前進方向に1回転する間に、右足から右クランクを介してクランク軸に加えられるトルクの推移のパターンを回転角とトルクの関係により示すものである。各左踏力パターンPLは、クランク軸が前進方向に1回転する間に、左足から左クランクを介してクランク軸に加えられるトルクの推移のパターンを回転角とトルクの関係により示すものである。
個々の右踏力パターンPRや個々の左踏力パターンPLは、自転車試験装置においてテスト条件に従って模擬する電動補助自転車の所定の状況にそれぞれ対応しており、更に右踏力パターンPRは、対応する状況において、ライダーによって電動補助自転車の右クランクからクランク軸に加えられるトルクを表し、左踏力パターンPLは、対応する状況において、ライダーによって電動補助自転車の左クランクからクランク軸に加えられるトルクを表している。
なお、右踏力パターンPRや左踏力パターンPLが対応する電動補助自転車の状況とは、たとえば、走行速度や加速度や走行路の勾配やライダーの性別や体格や、これらの組み合わせの状況である。
そして、各右踏力パターンPRや各左踏力パターンPLは、対応する状況で実際に試験対象の電動補助自転車を走行させ、電動補助自転車の右クランクと左クランクからクランク軸に加えられるトルクを実測することにより作成する。
ここで、各電動補助自転車の状況に対応する右踏力パターンPRと左踏力パターンPLは、対応する状況毎に異なる。
すなわち、加速する状況と定速走行する状況と減速する状況では、加えられる踏力のパターンは違ったものとなるし、昇り勾配を走行する状況と平地を走行する状況と下り勾配を走行する状況では、加えられるトルクのパターンは違ったものとなる。より具体的には、たとえば、昇り勾配を低速で走行する状況では、比較的強いトルクがクランクの下死点付近まで加え続けられるのに対して、平地を定速走行する状況では、加えられるトルクはクランクの下死点付近では比較的弱くなる。
また、同じ状況に対応する右踏力パターンPRと左踏力パターンPLも、単に位相がπずれたものとは異なったものとなることがある。
たとえば、電動補助自転車の発進時の状況では、通常最初に踏み込む右足の踏力パターンが、左足の踏力パターンよりも大きくなる。また、試験において、ライダーが左右の脚力に差のある状況を模擬する場合には、当該状況に対応する右足の踏力パターンと左足の踏力パターンとは異なることとなる。
パターン管理テーブルには、以上のような電動補助自転車の状況と、左踏力パターンPLと右踏力パターンPRとの対応が登録されている。
次に、試験実施中、システム制御部51は、各時点においてテスト条件に従って模擬する電動補助自転車の状況に対応する、右踏力パターンPRと左踏力パターンPLをパターン管理テーブルを参照して求め、クランク軸駆動制御部54に設定する。
ここで、システム制御部51は、テスト条件が更新されて模擬する電動補助自転車の状況が変化したときや、走行状態の変化パターンを規定するテスト条件に従って模擬する電動補助自転車の状況を変化させたとき、テスト条件に従って模擬する電動補助自転車の状況に対応する、右踏力パターンPRと左踏力パターンPLとをクランク軸駆動制御部54に設定する。また、システム制御部51は、クランク軸に付加するトルクの制御をクランク駆動モータ34の回転角θCに同期して行うか、システム制御部51が出力する時間信号timeに同期して行うかを指示する信号である制御信号θC/timeを、クランク軸駆動制御部54に出力する。また、システム制御部51は、制御信号θC/timeによって、クランク軸に付加するトルクの制御を時間信号timeに同期して行うことを指示している期間中、テスト条件に従ったクランク駆動モータ34の回転に同期した時間信号timeをクランク軸駆動制御部54に出力する。
システム制御部51は、停止から発進するときにクランク駆動モータ34の回転角θCと制御マップ544の関係から、後述するクランク軸駆動制御部54による回転角θCに同期したトルクの制御によってはクランク軸に付加するトルクがゼロになることが予測される場合等に、制御信号θC/timeによって、クランク軸に付加するトルクの制御を時間信号timeに同期して行うことを指示して、電動補助自転車を強制的に発進させる。その後、すぐに(たとえば、クランク駆動モータ34が1回程度回転した後)、クランク軸に付加するトルクの制御をクランク駆動モータ34の回転角θCに同期して行うことを指示するように制御信号θC/timeを切り替える。
そして、クランク軸駆動制御部54は、設定された右踏力パターンPRと左踏力パターンPLを用いてクランク駆動モータ34を制御して、クランク軸に付加するトルクを制御する。
図6に、クランク軸駆動制御部54の構成を示す。
図示するように、クランク軸駆動制御部54は、加算器541、正規化部542、乗算器543、制御マップ544、ゲイン算出部545、出力トルク設定部546を備えている。
加算器541は、システム制御部51によって設定された右踏力パターンPRと左踏力パターンPLを加算した加算踏力パターンを生成し、正規化部542は加算踏力パターンの波高値(最大値)を1に正規化した正規化加算踏力パターンを生成する。
乗算器543は、正規化加算踏力パターンに、ゲイン算出部545で算出されたゲインkを乗算し、制御マップ544として設定する。
出力トルク設定部546は、クランク駆動モータ34のロータリエンコーダで検出したクランク駆動モータ34の回転角θCから求まるクランク軸の角度と、システム制御部51から送られる制御信号θC/timeと、制御マップ544から求まるトルクをクランク軸に付加するようにクランク駆動モータ34を制御する。
具体的には、制御信号θC/timeが、クランク軸に付加するトルクの制御を、クランク駆動モータ34の回転角θCに同期して行うことを指示している場合には、クランク駆動モータ34のロータリエンコーダで検出したクランク駆動モータ34の回転角θCから求まるクランク軸の角度に対して、制御マップ544が示す踏力相当のトルクをクランク軸に付加するようにクランク駆動モータ34を制御することにより、回転角θCに同期したトルクの制御を行う。
また、制御信号θC/timeが、クランク軸に付加するトルクの制御を、時間信号timeに同期して行うことを指示している場合には、システム制御部51から送られる時間信号timeに同期した回転の現時点の回転角度に対して制御マップ544が示す踏力相当のトルクをクランク軸に付加するようにクランク駆動モータ34を制御することにより、時間信号timeに同期したトルクの制御を行う。
ゲイン算出部545は、正規化加算踏力パターンと、速度算出部52が算出している速度Vから、出力トルク設定部546のクランク駆動モータ34の制御によってクランク軸に与えられるエネルギーが、演算部55から出力される目標エネルギー量TEとなるようにゲインkを算出する。
以上、本発明の実施形態について説明した。
本実施形態によれば、クランクのライダーの右足による回転駆動と左足による回転駆動とを独立に模擬することができ、人間による自転車の実際の使用状態に、より近い条件で試験を行うことができる。
また、自転車試験装置が行う自転車の走行状態の模擬内容の変化に応じて、ライダーのクランク回転駆動の模擬内容を変更することができ、人間による自転車の実際の使用状態に、より近い条件で試験を行うことができる。
なお、以上では、電動補助自転車の試験を行う自転車試験装置への適用を例にとり説明したが、本実施形態は、電動補助自転車以外の自転車の試験を行う自転車試験装置に同様に適用することができる。
また、以上の実施形態において、踏力パターンDB53を電動補助自転車の種類毎に設け、試験する電動補助自転車の種類に応じて、踏力パターンDB53を切り替えて用いるようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、制御信号θC/timeによって、出力トルク設定部546に時間信号timeに同期したトルクの制御を行わせることにより、停止から発進する状況でクランク軸に付加するトルクがゼロになることを回避したが、これは、停止から発進する状況で回転角θCとマップ544の関係から、回転角θCに同期したトルクの制御によってはクランク軸に付加するトルクがゼロになる場合等に、短期間、出力トルク設定部546に、クランク駆動モータ34の回転角θCに代えて、クランク駆動モータ34の回転角θCに所定のオフセット(たとえば、90度)加えた角度を回転角θCとして用いたトルクの制御を行わせることにより、停止から発進する状況でクランク軸に付加するトルクがゼロになることを回避するようにしてもよい。
1…ピット、2…ダイナモメータ、3…自転車駆動装置、4…前輪固定装置、5…制御装置、21…モータ、22…軸トルク計、23…ローラ、24…機械慣性装置、31…Zステージ、32…Yステージ、33…Xステージ、34…クランク駆動モータ、35…駆動軸トルク計、36…駆動シャフト、51…システム制御部、52…速度算出部、53…踏力パターンDB、54…クランク軸駆動制御部、55…演算部、56…負荷制御部、311…昇降レバー、312…ジャッキ、321…回転レバー、322…Yローラ、331…回転レバー、332…Xローラ、351…軸体、361…フランジ、362…連結ソケット、363…鋼管、541…加算器、542…正規化部、543…乗算器、544…制御マップ、545…ゲイン算出部、546…出力トルク設定部、551…所要エネルギー算出部、552…減算器、553…補正部。

Claims (7)

  1. 自転車の試験に用いられる自転車試験装置であって、
    前記自転車のクランク軸を回転駆動する駆動装置と、
    前記自転車のクランク軸の回転角を検出する回転角検出手段と、
    自転車の走行時に人間の右足により右クランクを介して前記クランク軸に加わるトルクの、当該クランク軸の回転角の変化に対する変化のパターンを表す右踏力パターンと、自転車の走行時に人間の左足により左クランクを介して前記自転車のクランク軸に加わるトルクの、当該クランク軸の回転角の変化に対する変化のパターンを表す左踏力パターンとを記憶したパターン記憶部と、
    前記右踏力パターンと前記左踏力パターンとを加算して生成した踏力パターンと同様の形態のパターンの変化で前記クランク軸に加わるトルクが前記クランク軸の回転角の変化に対して変化するように、前記回転角検出手段が検出した前記クランク軸の回転角に基づいて、前記駆動装置がクランク軸に加えるトルクを制御するクランク軸駆動制御手段とを有することを特徴とする自転車試験装置。
  2. 請求項1記載の自転車試験装置であって、
    当該自転車試験装置は、予め設定されたテスト条件で規定された自転車の走行状態を模擬する自転車試験装置であり、
    前記パターン記憶部は、前記自転車の異なる複数の走行状態の各々に対応する複数の前記右踏力パターンと、前記自転車の異なる複数の走行状態の各々に対応する複数の前記左踏力パターンとを記憶し、
    当該自転車試験装置は、前記パターン記憶部に記憶された複数の右踏力パターンと複数の左踏力パターンのうちから、当該自転車試験装置が模擬する走行状態に対応する前記右踏力パターンと前記左踏力パターンとを選定するパターン選定手段を有し、
    前記クランク軸駆動制御手段は、前記踏力パターンを、前記選定手段によって選定された前記右踏力パターンと前記選定手段によって選定された前記左踏力パターンとを加算して生成することを特徴とする自転車試験装置。
  3. 請求項2記載の自転車試験装置であって、
    当該自転車試験装置は、前記テスト条件で規定された動的に変化する自転車の走行状態を模擬し、
    当該自転車試験装置が模擬する自転車の走行状態は動的に変化し、
    前記パターン選定手段は、前記模擬する走行状態の変化に伴い、前記選定する前記右踏力パターンと前記左踏力パターンを切り替えることを特徴とする自転車試験装置。
  4. 予め設定されたテスト条件で規定された動的に変化する自転車の走行状態を模擬する自転車試験装置であって、
    前記自転車のクランク軸を回転駆動する駆動装置と、
    前記自転車のクランク軸の回転角を検出する回転角検出手段と、
    前記自転車の異なる複数の走行状態の各々に対応する、複数の、自転車走行時に人間の足によりクランクを介して前記クランク軸に加わるトルクの、当該クランク軸の回転角の変化に対する変化のパターンを表す踏力パターンを記憶したパターン記憶部と、
    前記パターン記憶部に記憶された複数の踏力パターンのうちから、当該自転車試験装置が模擬している走行状態に対応する前記踏力パターンを、前記模擬する走行状態の変化に伴い選定する前記踏力パターンが切り替わるように選定するパターン選定手段と、
    前記選定手段によって選定された前記踏力パターンと同様の形態のパターンの変化で前記クランク軸に加わるトルクが前記クランク軸の回転角の変化に対して変化するように、前記回転角検出手段が検出した前記クランク軸の回転角に基づいて、前記駆動装置がクランク軸に加えるトルクを制御するクランク軸駆動制御手段とを有することを特徴とする自転車試験装置。
  5. 請求項1、2、3または4記載の自転車試験装置であって、
    当該自転車試験装置が模擬する自転車の走行状態は前記自転車の速度の状態を含み、
    前記クランク軸駆動制御手段は、当該クランク軸駆動制御手段の前記駆動装置がクランク軸に加えるトルクの制御によって、前記自転車の速度が当該自転車試験装置が模擬する前記自転車の速度となるように算定したゲインを前記踏力パターンに与えて得られる変化のパターンで前記クランク軸に加わるトルクが前記クランク軸の回転角の変化に対して変化するように、前記回転角検出手段が検出した前記クランク軸の回転角に基づいて、前記駆動装置がクランク軸に加えるトルクを制御することを特徴とする自転車試験装置。
  6. 請求項3または4記載の自転車試験装置であって、
    前記自転車の走行状態は、前記自転車の速度の状態、または、前記自転車の加速度の状態と前記自転車の走行路の勾配の状態とのうちの少なくとも一つの状態と前記自転車の速度の状態とを含むことを特徴とする自転車試験装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6記載の自転車試験装置であって、
    前記自転車は電動補助自転車であることを特徴とする自転車試験装置。
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