JP2020019768A - アクロレインの精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクロレインの精製方法。【解決手段】a)アクロレインを含む液体フィード流(1)を少なくとも第1の液体流(2)と第2の液体流(3)とに分割する工程、b)第1の液体流(2)を温度T1で、蒸留塔(4)へ、該蒸留塔の頂部と底部の間の箇所で導入する工程、c)第2の液体流(3)を温度T2で、蒸留塔(4)へ、該蒸留塔の頂部で導入する工程、d)アクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)を蒸留塔(4)から抜き出す工程、およびe)アクロレインの減損した底部流(6)を抜き出す工程を含み、工程c)における第2の液体流(3)の温度T2が、工程b)における第1の液体流(2)の温度T1よりも低い。【選択図】図1

Description

本発明は、アクロレインの精製方法に関する。さらに、本発明は、該精製方法から得られたアクロレインを、メチルメルカプタン、メチルメルカプタンと3−メチルチオメルカプトプロピオンアルデヒドとのヘミチオアセタールおよび/またはそれらの混合物と反応させることによる、3−メルカプトプロピオンアルデヒドの製造方法にも関する。
アクロレインは一般に、不均一系触媒の存在下でのプロペンの部分気相酸化において製造される。こうして得られたアクロレイン含有生成物ガス混合物は、不活性または非凝縮性のガス、例えば窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、プロピレンまたはプロパンおよび副生物、例えば酢酸、ホルムアルデヒド、アリルアルコール、および主としてアクリル酸も含有する。したがって、粗製アクロレインの純度を改善するには、その後の処理が必要である。第1の処理において、該部分気相酸化からのアクロレイン含有生成物ガス混合物は、クエンチ塔またはクエンチャーに供給され、そこで高沸成分、例えば酢酸およびアクリル酸が除去される。アクロレインの富化したガス流は、該クエンチャーを離れる。第2の処理において、該アクロレインは、該クエンチャーを離れるガス流から、吸収塔を使用して水へ吸収させることにより分離され、該吸収塔の底部でアクロレイン水溶液が捕集される。第3の最終的な処理において、該アクロレイン水溶液は、蒸留塔に供給され、そこで低沸点のアクロレインは、高沸点の吸収媒体から分離され、かつ液状で回収される。
蒸留は、蒸気相および液相が本質的に同じ温度および圧力で共存する領域を利用する分離単位操作である。蒸留塔内で、不規則または規則充填物、およびプレートまたはトレー等の手段が、これら2つの相を緊密に接触させるのに使用される。トレーは、上下に積み重ねられ、かつ塔を形成する円筒殻内に入れられる。また、充填物は一般に、円筒殻内で、ホールドダウンプレートとサポートプレートとの間に収容される。精製されうる化合物を含有する流は、該蒸留塔へ、該蒸留塔の頂部と底部の間の一箇所、いわゆる供給段で導入される。この箇所は、該蒸留塔を、該供給段より上の精留部と、該供給段より下の回収部とにも細分する。該塔は、多数の因子、例えば操作のスケールおよびフレキシビリティーおよびフィードの固形分に応じて、連続的にまたはバッチ式で操作してよい。蒸気相と液相との密度差のために、液体は、該塔の内部を、トレーからトレーへとカスケード状に流れ落ちるのに対し、蒸気は、各トレー上または該充填物内で液体と接触しながら該塔を上昇する。該塔の底部に達した液体は、加熱されたリボイラー中で部分的に蒸発して、該塔に送り返されるボイルアップを提供する。該底部液体の残部は、ボトムス、底部流または缶出液として抜き出される。該塔の頂部に達した蒸気は、塔頂凝縮器中で冷却および凝縮されて液体になる。この液体の一部は、該塔に還流として返送されて、液体オーバーフローを提供する。該塔頂流の残部は、留出物、または塔頂生成物として抜き出される。蒸留塔中のこの全体的なフローパターンは、該塔を通じて全てのトレー上での蒸気流および液体流の向流接触を提供する。あるトレー上の蒸気相および液相は、接触している該トレーの効率に応じた範囲まで熱平衡、圧力平衡、および組成平衡に近づく。軽い成分、すなわち、より低い沸騰温度を有する成分は、該蒸気相中に濃縮する傾向があるのに対して、重い成分、すなわち、より高い沸騰温度を有する成分は、該液相中に濃縮する。その結果、蒸気相は、該塔を上向きに通過するので、軽い成分により富むようになり、かつ液相は、下向きにカスケード状に流れるので、重い成分により富むようになる。該留出物と該ボトムスとの間で達成される総括分離は主に、該成分の比揮発度、各塔区間において接触するトレーの数、および各区間における該液相流量の該蒸気相流量に対する比に依存する。
しかしながら、当業者は、アクロレイン水溶液を標準的な蒸留手順において精製する際に幾つかの大きな問題に直面している。第1の問題は、塔頂蒸気の凝縮および還流としての蒸留塔の頂部へのその戻りが、該蒸留装置内での液状で濃縮された形の有毒化合物アクロレインの大きなホールドアップをまねくことである。化学化合物の毒性を評価するために意味のあるパラメーターは、とりわけ、いわゆるERPG(emergency response planning guidelines、緊急時対応計画ガイドライン)値である。ERPGは、空気中のある程度の化学物質濃度へのばく露からの健康上の影響を予測するために作られたばく露ガイドラインである。化学物質は、3つまでのERPG値を有しうるものであって、そのそれぞれが特定の段階の健康上の影響に相当する。3つのERPG段階は、次のとおり定義される:a)ERPG−3は、1時間までばく露しても、ほぼ全ての人が、生命を脅かす健康上の影響を経験または発現しない空気中の最大濃度であり、b)ERPG−2は、1時間までばく露しても、ほぼ全ての人が、保護による人の行動能力を損ないうる不可逆的またはその他の深刻な健康上の影響または症状を経験または発現しない空気中の最大濃度であり、かつc)ERPG−1は、1時間までばく露しても、ほぼ全ての人が、せいぜい軽微で一時的な不利な健康上の影響を経験するか、または明確に定義された不快臭を知覚しない空気中の最大濃度である。それに応じて、化学化合物のERPG値が低いほど、前記化学化合物のリスクポテンシャルが高くなる。0.05ppm(ERPG−1)、0.15ppm(ERPG−2)および1.5ppm(ERPG−3)のERPG値を有するアクロレインは、それらの化学物質の中でも最も高いリスクポテンシャルを有する。したがって、その貯蔵は回避されるべきであり、かつプラント中のアクロレインのホールドアップも、できるだけ低く維持されるべきである。蒸留によるアクロレイン水溶液の精製においてしばしば直面する第2の問題は、重合およびファウリングである。このファウリングは、アクリル酸およびアリルアクリレート等の化合物、またはアクロレイン自体までもの重合から生じる固相の堆積による。
液体アクロレインの存在およびファウリングを最小限にするために、米国特許出願公開第2005/0103616号明細書(US 2005/0103616 A1)は、アクロレイン6質量%を含有する水溶液を、底部に少なくとも1つのボイラーを備え、かつ頂部に少なくとも1つの凝縮器を備えた蒸留塔へ導入することによって、アクロレインを精製する方法を教示している。水を含む液体混合物は、該蒸留塔の底部で底部流として抜き出され、かつアクロレインを含むガス混合物は、該蒸留塔の頂部で塔頂蒸気流として抜き出される。この塔頂蒸気流は、水30〜70体積%を含有する。したがって、精製されたアクロレインを提供するためには、前記塔頂蒸気流をさらなる方法工程に供することが必要である。このさらなる方法工程において、該蒸留塔から抜き出された塔頂蒸気流は、(部分)凝縮器に供給され、そこで該塔頂蒸気流が、還流として該蒸留塔の頂部に返送される含水凝縮物と、アクロレインに富むガス混合物とを得ることを可能にする温度に冷却される。しかしながら、こうして得られた含水凝縮物は依然として、アクロレイン約20質量%を含有する。したがって、該(部分)凝縮器の付加的な使用は、該蒸留装置中で全体として、特に前記凝縮器中で、アクロレイン、特に液体アクロレインの相対的に大きい全ホールドアップをまねく。しかしながら、塔または塔に接続された外部凝縮器のようなある装置中で、特に液状の、有毒化合物の全ホールドアップは、できるだけ低く維持されるべきである―米国特許出願公開第2005/0103616号明細書の方法はこの要件を満たしていない。この方法のさらなる欠点は、付加的な凝縮器を操作するためのエネルギー需要が増加し、かつ使用される装置の複雑性が増すことである。
米国特許出願公開第2005/0103616号明細書 米国特許出願公開第2012/0165573号明細書 米国特許出願公開第2014/005437号明細書
したがって、蒸留装置中、特に蒸留塔中の濃縮された液体アクロレインのホールドアップを低下させる、改善されたアクロレイン精製方法の需要が存在していた。
この課題は、アクロレイン含有フィード流の蒸留において得られるアクロレインの富化した塔頂蒸気流を、標準的な蒸留方法のように凝縮器または外部熱交換器中で液化しないことで解決されることが見出された。それに応じて、液化した塔頂流を該蒸留塔の頂部に戻す外部還流は行わない。むしろ、該アクロレイン含有フィード流は、標準的な蒸留方法に対比して、該アクロレイン含有液体フィード流(1)を少なくとも2つの流(2)および(3)に分割することを包含する、特殊な蒸留方法に供給される。流(2)は、温度T1で、該蒸留塔へ、該蒸留塔の頂部と底部の間の箇所で導入される。前記流(2)に加えて、該フィード流(1)から分割される任意のさらなる流も、該蒸留塔の頂部と底部の間の、流(2)の導入箇所とは異なる箇所で該蒸留塔へ導入することができる。流(3)は、温度T2で、該蒸留塔へ、前記蒸留塔(4)の頂部で導入される。該精製を特に特定の精製度で達成するのに必要である液体オーバーフローを提供するために、該蒸留塔へ導入する際の流(3)の温度T2は、該蒸留塔へ導入する際の流(2)の温度T1および任意のいずれかのさらなる流の温度よりも低い。アクロレインの減損した底部流は、該蒸留塔の底部から抜き出され、かつアクロレインの富化した蒸気流は、最終的に該蒸留塔から塔頂蒸気流として抜き出される。
したがって、本発明の対象は、アクロレインの精製方法であって、
a)アクロレインを含む液体フィード流(1)を、少なくとも第1の液体流(2)と第2の液体流(3)とに分割する工程、
b)第1の液体流(2)を温度T1で、蒸留塔(4)へ、該蒸留塔の頂部と底部の間の箇所で導入する工程、
c)第2の液体流(3)を温度T2で、蒸留塔(4)へ、該蒸留塔の頂部で導入する工程、
d)アクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)を蒸留塔(4)から抜き出す工程、および
e)アクロレインの減損した底部流(6)を蒸留塔(4)から抜き出す工程
を含み、
ここで、工程c)における該流(3)の温度T2は、工程b)における該流(2)の温度T1よりも低い。
本発明によるアクロレインの精製方法の概略図である。 第1の液体流(2)を、蒸留塔(4)へ導入する前に、底部流(6)との熱交換により加熱することによる、本発明による方法の実施態様を示す。 蒸留塔(4)から抜き出した塔頂蒸気流(5)の一部を凝縮して、液化流(13)および残存蒸気流(14)を得ることによる、本発明による方法の実施態様を示す。 図2および3に示された特徴を組み合わせることによる、本発明による方法の実施態様を示す。 該塔頂蒸気流の少なくとも一部を凝縮して、さらなる処理または貯蔵タンクに供給されうる液化流(15)および、必要に応じて、残存蒸気流(14)を得ることによる、本発明による方法の別の実施態様を示す。 図4および5に示された特徴を組み合わせることによる、本発明による方法の実施態様を示す。 従来技術のアクロレインの精製方法を示し、フィード流(1)を蒸留塔(4)の供給段で導入し、蒸留塔(4)から抜き出した塔頂蒸気流(5)を部分凝縮して、残存蒸気流(14)を得て、かつ液化流(13)を蒸留塔(4)に還流として返送する。
本発明による精製方法により、副生物アリルアルコールおよびアリルアクリレートの蓄積が著しく低減されることが見出された。さらなる結果として、使用される蒸留塔中でファウリングは生じないか、または少なくともファウリングの発生が低減される。
加えて、本発明による方法は、従来技術による標準的な蒸留塔中で実施されるアクロレインの精製方法に比べて、蒸留塔(4)を操作するためのエネルギー入力の著しい節約ももたらす。殊に、本発明による方法が、蒸留塔(4)のリボイラー負荷を、従来技術による標準的な蒸留塔中で実施されるアクロレインの精製方法に比べて、最大約16%低下させることが見出された。
本発明による方法において使用される蒸留塔は、該蒸留塔中の成分を蒸発させるのに必要なエネルギーを提供する、少なくとも1つのボイラーまたはリボイラーを含む。
該蒸留塔自体に関して、本発明による精製方法は、特定の種類の蒸留塔に限定されない。むしろ、前記蒸留塔は、段塔、充填塔、または規則充填物を有する塔であってよい。
工程a)のアクロレインを含む液体フィード流(1)は、アクロレインが水に吸収されるアクロレイン吸収塔から生じる。したがって、アクロレインを含む液体フィード流(1)は、含水アクロレインを含む液体フィード流(1)である。それに応じて、第1の液体流(2)および第2の液体(3)ならびにアクロレインを含む液体フィード流(1)から分割される任意のいずれかのさらなる流は、含水アクロレインを含む液体流でもある。本発明による方法は、この液体フィード流(1)中の特定の成分、特にアクロレインの濃度に関して限定されない。同じことは必然的に、第1の液体流(2)および第2の液体流(3)および前記液体フィード流(1)から分割されるいずれかのさらなる流に当てはまる。アクロレインを含む液体フィード流(1)は典型的に、アクロレイン製造方法、特にアクロレイン吸収塔から生じるので、前記液体フィード流(1)は好ましくは、アクロレイン5〜7質量%を含む。大規模な方法からの典型的なアクロレインを含む液体フィード流(1)は、水約93質量%、アクロレイン約6質量%、ホルムアルデヒド約0.2質量%、アクリル酸約0.2質量%、アセトアルデヒド0.1質量%、アリルアルコール0.1質量%、および痕跡量の二酸化炭素、アリルアクリレートおよび窒素を含む。
液体フィード流(1)の分割は、各々の該液体流(2)および(3)ならびに第1の液体流(2)に加えて該蒸留塔へ導入されるいずれかのその他の流の割合の調節も可能にする。こうして得られた第1の液体流(2)、第2の液体流(3)および第1の液体流(2)のほかの任意のいずれかのさらなる液体流の選択された流量は、これらの流についての所望の質量割合に相当する。第1の液体流(2)および第2の液体流(3)ならびに第1の液体流(2)のほかのいずれかの液体流の合計は、液体フィード流(1)の流入流量に等しい。したがって、液体フィード流(1)の分割は、第1の液体流(2)の第2の液体流(3)に対する特定の質量流量比に調節することも可能にする。
95:5〜50:50の範囲内の第1の液体流(2)の第2の液体流(3)に対する質量流量比が、従来技術の方法に等しいか、または少なくとも匹敵する分離度を達成することに適しているだけではないことが見出された。むしろ、本発明による方法は、従来技術の蒸留方法の、該蒸留塔の頂部に達した蒸気の凝縮および該蒸留塔に還流として返送される凝縮蒸気の蒸発のためのエネルギー入力も完全に、または少なくとも一部節約する。すでに、第1の液体流(2)に対して少ない第2の液体流(3)は、従来技術の蒸留手順と同じか、または少なくとも匹敵する程度の品質を有するアクロレインの精製を達成するのに十分である。本発明による方法において、第1の液体流(2)の第2の液体流(3)に対する質量流量比は、好ましくは、95:5〜50:50、90:10〜50:50、85:15〜50:50、80:20〜50:50、75:25〜50:50、70:30〜50:50、65:35〜50:50、60:40〜50:50または55:45〜50:50の範囲にわたる。
本発明による精製方法の一実施態様において、第1の液体流(2)の第2の液体流(3)に対する質量流量比は、95:5〜50:50の範囲にわたる。
さらに、75:25〜50:50の第1の液体流(2)の第2の液体流(3)に対する質量流量比が、該蒸留塔から抜き出される塔頂蒸気流(5)中の含水率をさらにいっそう低下させることが見出された。例えば、アクロレインの精製から得られる前記塔頂蒸気流中の含水率を、約7質量%以上から5質量%未満に低下させることができる。比較して、米国特許出願公開第2005/0103616号明細書の方法は、依然として水7質量%を含有するアクロレインに富むガス混合物を与える。それに応じて、米国特許出願公開第2005/0103616号明細書の方法は、本発明による方法よりも低い純度を有するアクロレインを与える。
本発明による精製方法の好ましい実施態様において、第1の液体流(2)の第2の液体流(3)に対する質量流量比は、75:25〜50:50の範囲にわたる。
本発明による精製方法の別の実施態様において、工程c)における第2の液体流(3)の温度T2は、最高で10℃である。
第2の液体流(3)の、蒸留塔(4)へのその導入前の冷却は、アクロレインの純度に関するさらなる改善をもたらす。前記冷却は、熱交換器(9)によって実施することができ、こうして冷却された第2の液体流(3)は、蒸留塔(4)へ液体流(10)として導入される。
好ましくは、第2の液体流(3)は、蒸留塔(4)へのその導入前に冷却される。
本発明による精製方法は、まず第一に、アクロレインの富化した凝縮した塔頂蒸気流の一部を、該蒸留塔の頂部へ還流することを回避する。標準的な蒸留塔における還流の機能は、第2の液体流(3)により実施される。このことは、標準的な蒸留手順に比べて、第1の液体流(2)の質量の低下をもたらす。したがって、より少ない質量の第1の液体流(2)は、標準的な蒸留手順に比べてより少ないエネルギー入力で加熱することができ、このことは、リボイラー負荷の著しい節約をもたらす。加えて、本発明による方法は、さもなければ標準的な蒸留塔において、例えば米国特許出願公開第2005/0103616号明細書の方法において還流を提供するのに必要である外部凝縮器のエネルギー消費を節約するだけではなく、該蒸留塔内での還流の蒸発のためのリボイラー負荷も節約する。
第2の液体流(3)の、該蒸留塔へのその導入前の冷却が、リボイラー負荷の増加をまねくことを推測できるであろう。それというのも冷却器(9)の容量を、該蒸留塔のリボイラーにより補償しなければならないからである。しかしながら、第2の液体流(3)の5〜20℃の温度T2への冷却は、リボイラー負荷の単に微々たる増加をもたらすことが見出された。むしろ、第2の液体流(3)および精留部の間で導入されうる付加的ないずれかのさらなる流の冷却に加えて、第1の液体流(2)が加熱される場合に、該蒸留塔のリボイラー負荷を減少させることすらできる。好ましくは、前記第1の液体流(2)は、その沸騰温度までの温度T1に加熱される。第1の液体流(2)は、液体フィード流(1)のように、主に水および約5〜6質量%のアクロレインを含有する。したがって、該流(2)の沸点は、100℃をわずかに下回り、おおむね95℃である。したがって、第1の液体流(2)は、好ましくは、10℃超〜95℃の温度T1、特に15〜95℃または20〜95℃の温度に加熱される。
本発明による精製方法のさらなる実施態様において、第1の液体流(2)は、蒸留塔(4)へのその導入前に加熱される。
こうして加熱された第1の液体流(2)は、ついで、流(8)として蒸留塔(4)へ導入される。
本発明による精製方法の好ましい実施態様において、第1の液体流(2)は、10℃超〜95℃の温度T1に加熱される。
好ましくは、第1の液体流(2)は、15℃〜95℃または20℃〜95℃の温度T1に加熱される。
本発明による方法において、工程c)における第2の液体流(3)の温度T2が、最高で10℃であり、かつ工程b)における第1の液体流(2)の温度T1が、10℃超〜95℃の範囲にわたることが好ましい。
最適化された熱統合のために、第1の液体流(2)を、蒸留塔(4)からの底部流(6)によって加熱することが好ましい。前記底部流は、高い熱容量を有し、ひいてはできるだけ多くの熱を第1の液体流(2)に移すことができる。この加熱は、熱交換器(7)中で行うことができる。第1の液体流(2)に熱が移された後に、こうして冷却された底部流(11)は、さらなる利用に送られる。該流(11)は主に水、およびもしあったとしても、該蒸留からの副生物として数ppmにすぎない高沸成分を含有する。しかしながら、極端に少ない量のこれらの副生物は、アクロレインに全く影響を与えない。したがって、冷却された底部流(11)は、好ましくは、アクロレインの製造における吸収塔に送り返され、該吸収塔中でアクロレインが、該アクロレインを含むガス流から、水への吸収により分離される。
本発明による精製方法の好ましい別の実施態様において、第1の液体流(2)は、蒸留塔(4)からの底部流(6)との熱交換により加熱される。
本発明による方法における減圧の使用は、該方法の安全性および該アクロレインの純度に関してさらなる改善をもたらす。安全性に関して、本発明による方法における減圧の使用は、蒸留塔(4)または前記ラインの漏れが発生した場合に、蒸留塔(4)または該塔頂蒸気流をさらなる処理に導くラインから、アクロレインが逃げないという利益を有する。むしろ、空気が該装置へ吸い込まれる。減圧の使用は、蒸留塔(4)中の温度が減少するという付加的な利益を有し、このことにより、前記塔中で発生するファウリングもより少なくなる。
したがって、一実施態様において、本発明による精製方法は、減圧下で実施される。
好ましい実施態様において、本発明による精製方法は、400〜800mbar(絶対圧)の圧力で実施される。
特に、本発明による精製方法は、500〜650mbar(絶対圧)の圧力で実施される。
本発明によれば、第1の液体流(2)は、蒸留塔(4)の頂部と底部の間の箇所で導入される。この特定の箇所は、しばしば、供給段とも呼ばれる。該供給段は、該蒸留塔の中部3分の1の上端にあるように好ましくは選択され、すなわち、蒸留塔の分離段(理論段)の中部3分の1の上端の箇所である。したがって、該供給段の前記表示は、全ての種類の蒸留塔、例えば段塔、充填塔、または規則充填物を有する塔に当てはまる。好ましくは、前記供給段は、蒸留塔(4)の分離段の40〜80%、特に50〜75%が回収部、および残部が精留部を提供するように選択される。例えば、蒸留塔が14の分離段を有し、ここで1番目の分離段が頂部であり、かつ14番目の分離段が底部である場合には、液体フィード流(1)は、5番目の分離段で導入される。しかしながら、本発明による方法は、該流(1)が分割され、かつ該蒸留塔へ導入される流の数に関して全く限定されない。したがって、本発明による方法は、該蒸留塔の間の箇所で導入される、第1の液体流(2)のほかのさらなる流の数に関しても全く限定されない。液体フィード流(1)が、2よりも多くの流へ分割される場合には、第1の液体流(2)のほかの1以上の流は、第1の液体流(2)の導入箇所とは異なる、該蒸留塔の精留部の間の箇所で好ましくは導入される。好ましくは、第1の液体流(2)のほかのこのさらなる流は、蒸留塔(4)の頂部と底部の間の、流(2)の導入箇所とは異なる箇所で、特に第1の液体流(2)の導入箇所と第2の液体流(3)の導入箇所の間の箇所で、導入される。さらに、前記のさらなる流が、該蒸留塔へ導入する際の第1の液体流(2)の温度T1と、該蒸留塔へ導入する際の第2の液体流(3)の温度T2の間の温度T3で、該蒸留塔へ導入されることが好ましい。
一実施態様において、本発明による精製方法はさらに、
f)第1の液体流(2)のほかの少なくとも1つのさらなる液体流を、蒸留塔(4)へ、第1の液体流(2)の導入箇所と第2の液体流(3)の導入箇所の間の箇所で導入する工程
を含み、前記工程では、さらなる流の温度T3が、工程c)における第2の流(3)の温度T2と工程b)における第1の液体流(2)の温度T1の間にある。
本発明による精製方法の好ましい実施態様において、第1の液体流(2)は、工程b)において該蒸留塔へ、第1の液体流(2)に加えて前記蒸留塔へ導入される少なくとも1つのさらなる流よりも大きな質量流量比で、導入される。
原則的に、本発明による方法は、アクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)の少なくとも一部または全てを凝縮し、こうして液化された流を蒸留塔(4)の頂部に還流として返送することを回避することを目指している。こうして、工程d)において、前記のアクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)は、蒸留塔(4)から抜き出した後に凝縮されない。それに応じて、前記塔頂蒸気流(5)は、蒸留塔(4)から抜き出した後に全く凝縮することなく、さらに処理されてよい。
本発明による精製方法のさらにもう一つの実施態様において、蒸留塔(4)から抜き出した塔頂蒸気流(5)は、前記蒸気流を全く凝縮することなく、さらに処理される。
それにもかかわらず、蒸留塔(4)から抜き出した後の塔頂蒸気流(5)の少なくとも一部を選択的に凝縮して、還流として該蒸留塔へ、蒸留塔の頂部で返送される液化流(13)および塔頂蒸気流(5)の非凝縮部分としての残存蒸気流(14)を得てもよい。それに応じて、塔頂蒸気流(5)の大部分を構成する残存蒸気流(14)は、全く凝縮せずにさらなる処理に供給される。塔頂蒸気流(5)の部分凝縮は、凝縮器または部分凝縮器(12)中で実施される。それに応じて、従来技術の方法、例えば米国特許出願公開第2005/0103616号明細書の方法に対比して、該塔頂蒸気流の全体ではなく一部だけが、本発明による方法のこのハイブリッドな変法において凝縮器に供給される。したがって、本発明による方法のハイブリッドな変法における部分液化も、従来技術の方法、例えば米国特許出願公開第2005/0103616号明細書の方法よりもかなり少ない量で含水アクロレインを含む凝縮物が生じる。
選択的な実施態様において、本発明による精製方法はさらに、
g)蒸留塔(4)から抜き出した塔頂蒸気流(5)の一部を凝縮して、液化流(13)および残存蒸気流(14)を得る工程、および
h)工程g)の液化流(13)の少なくとも一部を還流として、蒸留塔(4)へ、前記蒸留塔の頂部で返送する工程
を含む。
塔頂蒸気流(5)が、工程g)において完全に凝縮されない場合には、該蒸気流(14)を構成する塔頂蒸気流(5)の非凝縮部分は、直接、すなわち全く凝縮せずに、さらなる処理に供給される。選択的に、塔頂蒸気流(5)を工程g)において完全に凝縮して、液化流(13)を得る場合には、該流(13)は工程h)においてさらなる処理または貯蔵タンクに供給される。
本発明による方法の有益な安全性およびエネルギー効果を提供するために、還流として該蒸留塔に返送される液化流(13)は、好ましくは、相対的に少なく、またはできるだけ小さく維持される。いずれにせよ、液化流(13)は、工程(h)において、該蒸留塔の頂部で導入される流(3)の質量よりも小さい質量流量で、還流として該蒸留塔の頂部に返送される。好ましくは、5質量%、10質量%、15質量%、20質量%、25質量%、30質量%、35質量%、40質量%、45質量%または50質量%未満の塔頂蒸気流(5)が工程g)において凝縮され、かつ還流として該蒸留塔の頂部に返送される。還流として該蒸留塔に返送される液化流(13)の質量流量を、できるだけ小さく維持するために、液化流(13)の該流(3)に対する質量流量比は、好ましくは、5:95〜45:55、5:95〜40:60、5:95〜35:65、5:95〜30:70または5:95〜25:75の比に調節される。還流として該蒸留塔に返送されない液化流(13)のその部分は、さらなる処理または貯蔵タンクに供給することができる。
本発明による精製方法の好ましい選択的な実施態様において、液化流(13)は、該蒸留塔の頂部で導入される第2の液体流(3)よりも小さい質量流量で、還流として該蒸留塔の頂部に返送される。
本発明による精製方法のさらに好ましい選択的な実施態様において、液化流(13)の第2の液体流(3)に対する質量流量比は、5:95〜45:55の範囲にわたる。
上記で詳細に説明したように、本発明による精製方法は、蒸留装置中の液体アクロレインのホールドアップの低下をもたらし、ひいてはアクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)が、該蒸留塔から抜き出される。しかしながら、製造の変動のために、本発明による方法の工程d)から得られるような、アクロレインも富化した、前記塔頂蒸気流(5)または残存蒸気流(14)を直接、さらに処理するか、または反応させることが常に可能であるとは限らない。したがって、蒸留塔(4)から抜き出した塔頂蒸気流(5)の全てまたは一部を液化して、蒸気流よりも容易に貯蔵できる液化流(15)および、必要に応じて、残存蒸気流(14)を得ることが有益である。前記残存蒸気流は、必要に応じて、さらなる処理に直接供給することができる。好ましくは、該蒸留塔から抜き出した塔頂蒸気流(5)を完全に凝縮して、液化流(15)を得て、これをさらなる処理または貯蔵タンクに供給する。蒸留塔(4)から抜き出した塔頂蒸気流(5)の液化の別の利益は、こうして得られた液体流(15)が、蒸気流よりも、容易に取り扱いでき、かつ特に容易に反応に配量できることである。
別の選択的な実施態様において、本発明による精製方法はさらに、
g’)蒸留塔(4)から抜き出した塔頂蒸気流(5)の少なくとも一部を凝縮して、アクロレインの富化した液化流(15)、および、必要に応じて、残存蒸気流(14)を得る工程、および
h’)工程g’)の液化流(15)をさらなる処理または貯蔵タンクに供給する工程
を含む。
安全性の側面に関するさらなる改善は、本発明による精製方法により得られる、アクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)、アクロレインの富化した液化流(15)および/またはアクロレインの富化した残存蒸気流(14)が、できるだけ速く、好ましくは直接、より有害でない化合物へ変換される場合に達成される。このことは、濃縮された液体アクロレインのホールドアップを完全に回避し、ならびにアクロレインのリスクポテンシャルを著しく低下させる。経済的な観点からは、こうして得られたアクロレイン由来の化合物は、関連する最終生成物または中間生成物であるべきである。中間生成物の場合に、前記のアクロレイン由来の化合物は、経済的な関連性のある他の化合物へ容易に変換可できるべきである。アクロレインは、必須アミノ酸D,L−メチオニンの製造における重要な出発化合物であり、この方法において、アクロレインは、メチルメルカプタンとの反応により3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドに変換される。3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドは、D,L−メチオニンの製造における重要な中間生成物であり、これにおいて、シアン化水素との反応によりヒダントインに変換される。こうして得られたヒダントインは、塩基性溶液中で加水分解されてメチオネートが得られ、これは、前記溶液を炭酸飽和することにより、すなわち二酸化炭素を該溶液へ導入することにより遊離メチオニンとして該溶液から沈殿する。
特定の理論に縛られることを望むものではないが、その他の化合物も、アクロレイン、メチルメルカプタンおよびアクロレインとメチルメルカプタンとの直接反応により形成される3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドを含有する溶液中に存在していることが考えられる。殊に、該3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドがさらに、メチルメルカプタンと反応して、対応するヘミチオアセタール、すなわち1,3−ビス(メチルチオ)−1−プロパノールが得られると考えられる。しかしながら、前記ヘミチオアセタールは、その個々の出発化合物3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドおよびメチルメルカプタンと平衡状態で存在する。したがって、アクロレインとメチルメルカプタンとの反応溶液および反応生成物へ導入されるアクロレインが、最初に提供されるメチルメルカプタンとだけまたは主に反応するのではなく、該ヘミチオアセタールと平衡状態で存在するメチルメルカプタンとも反応することが考えられる。それに応じて、アクロレインが、メチルメルカプタンと、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドを形成しながら反応する場合には、該溶液は、メチルメルカプタンが減損してくるので、前記メチルメルカプタンは、該ヘミチオアセタールとの平衡から再び提供される。
米国特許出願公開第2012/0165573号明細書(US 2012/0165573 A1)にはすでに、気体アクロレインを、3−メチルメルカプタンプロピオンアルデヒド、メチルメルカプタン、メチルメルカプタンと3−メチルメルカプタンプロピオンアルデヒドとから形成されるチオヘミアセタール、および触媒を含む液体混合物と反応させることが開示されている。しかしながら、この文献に開示された方法は、プロペンの酸化によるアクロレイン製造からの粗生成物ガスの使用を包含し、したがって、これはアクロレイン約6.4体積%を含有するに過ぎない。前記粗製アクロレイン生成物ガス中のその他の成分は、3−メチルメルカプタンプロピオンアルデヒドの製造において全く付加的な利益に寄与しない。むしろ、それらの成分は、極めて大きな物質流をまねき、該方法全体にわたるそれらの加熱および導通が、大きな装置設計および大きなエネルギー入力を必要とする。しかしながら、このことにより、米国特許出願公開第2012/0165573号明細書の方法は、エネルギーおよび経済的な観点の双方から、かなり魅力的とはいえないものになる。これに対して、本発明による精製方法によれば、アクロレインの富化した蒸気流、すなわち塔頂蒸気流(5)または該蒸気流(14)の流のうち1つを、メチルメルカプタン、メチルメルカプタンと3−メチルチオメルカプトプロピオンアルデヒドとのヘミチオアセタールおよび/またはそれらの混合物と反応させることにより、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドを製造する際に使用することが可能になる。したがって、本発明による3−メチルチオメルカプトプロピオンアルデヒドの製造方法により、米国特許出願公開第2012/0165573号明細書の方法よりも高い純度および少ないエネルギー入力で、前記の生成物を製造することが可能になる。米国特許出願公開第2014/005437号明細書(US 2014/005437 A1)も、アクロレインおよび3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドを製造する一体化法を開示している。しかしながら、該アクロレインの精製に関して、この文献の技術的教示による方法は、標準的な蒸留塔の使用および該蒸留塔からのアクロレイン含有留出物全体の凝縮を包含する。それに応じて、米国特許出願公開第2014/005437号明細書の方法は、アクロレインの蒸留による精製における液体アクロレインのホールドアップを低下させるのに適していない。
したがって、本発明の別の対象は、
i)アクロレインを含む液体フィード流(1)を、本発明によるアクロレインの精製方法において精製して、アクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)、アクロレインの富化した残存蒸気流(14)、および/またはアクロレインの富化した液化流(15)を提供する工程、および
ii)前記のアクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)、前記のアクロレインの富化した残存蒸気流(14)および/または前記のアクロレインの富化した液化流(15)を、メチルメルカプタン、メチルメルカプタンと3−メチルチオメルカプトプロピオンアルデヒドとのヘミチオアセタールおよびそれらの混合物からなる群のうち少なくとも1つと反応させて、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドを得る工程
を含む、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドの製造方法である。
この3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドの製造方法のさらなる利益は、メチルメルカプタン、つまり高いリスクポテンシャルを有するもう一つの化合物が、有意により有害でない化合物3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドに変換されることである。別の利益は、室温で気体であるメチルメルカプタンに比べて、室温で液状の3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドの存在である。これに対してメチルメルカプタンは、室温で気体であり、その高いリスクポテンシャルのために、特殊な圧力タンク中に貯蔵しなければならない。本発明による製造方法によれば、圧力タンクを用いることなく、およびそれほど厳格でない安全規則の下で作業することが可能になる。
アクロレインとメチルメルカプタンとの反応は、かなり発熱的である。アクロレインのあらゆる副反応、特にアクロレインの重合反応を回避するために、高沸点を有する溶剤の存在下で、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドの製造方法の工程ii)を実施することが好ましい。さらに、工程ii)における高沸点を有する前記溶剤が、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドであることが好ましい。該方法の工程ii)における高沸点溶剤としての3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドの使用は、該反応生成物自体が溶剤としてすでに使用され、ひいては、該反応生成物からの該溶剤の分離のための煩雑でエネルギーを消費するプロセスの必要がないという利益も有する。したがって、反応生成物3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドは、さもなければ3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドの精製方法中に起こりうる分解または重合反応を全く受けない。
この付加的な対象の工程i)に関する限り、本発明による精製方法の上述の実施態様の全てが当てはまる。
本発明は、以下の図および実施例によりさらに説明される。
本明細書中の実施例は、図2に示された蒸留方法に基づくプロセスの計算モデルを使用して実施される。プロセスモデリングは、実際のプラントを建設する前に複雑な化学的プロセスをシミュレートするために、技術者により使用される、確立し、かつ信頼できる方法論である。本明細書中の実施例に関連して、市販のモデリングソフトウェアAspen Plus(登録商標)(Aspen Technology, Inc.、20 Crosby Roads、Bedford、Massachusetts 01730、米国)を、公開データベースから入手可能な物理的性質データと組み合わせて使用した。
例1 本発明によるアクロレインを含む流の精製:
モデリングソフトウェアAspen Plus(登録商標)を使用して、アクロレインを含む流の精製を、図2に示された蒸留方法についてシミュレートする:アクロレイン約6質量%を含む含水フィード流(1)を、第1の液体流(2)と第2の液体流(3)とに85:25の質量流量比で分割する。該流(2)を、蒸留塔(4)からの底部流(6)の使用により、熱交換器(7)中で約84℃の温度に加熱して、加熱した流(8)を得る。前記流(8)を、蒸留塔(4)の供給段で導入する。熱交換器(7)中で移される熱を、流(2)の流(3)に対する全ての質量流量比について9765kWで維持する。こうして得られた冷却した底部流(11)を廃棄する。該流(3)を、蒸留塔(4)の最も高い段で18.5℃の温度で導入する。水の富化した底部流(11)を、熱交換器(7)に供給する。
該ガス流(5)中の含水率は、第1の液体流(2)の第2の液体流(3)に対する質量流量比の影響を受ける。殊に、該含水率は、該流(3)の一部を15質量%から25質量%に増加させる、すなわち流(2)の流(3)に対する75:25の質量流量比を確立することにより、ほぼ8%から5%未満に低下される。同時に該蒸留塔のリボイラー負荷は、該流(3)の一部を15質量%から25質量%に増加させることにより、ほぼ5%低下される。しかしながら、該流(3)の一部をさらに増加させることは、該含水率および/または該リボイラー負荷のさらなる低下の結果にならない。これらの結果は、以下の第1表にまとめられている。
Figure 2020019768
該ガス流(5)中の含水率の5質量%近くからほぼ4質量%へのさらなる低下は、第2の液体流(3)を冷却器(9)中で冷却して、蒸留塔(4)の最も高い段で導入される冷却した流(10)を得ることによって達成される。冷却器(9)に必要な冷却容量は、蒸留塔(4)の蒸発器中で補償しなければならない。したがって、蒸留塔(4)におけるリボイラー負荷は再び増加するが、しかしわずかに過ぎない(第1の液体流(2)の第2の液体流(3)に対する75:25の一定の分割比についての第2表を参照)。
Figure 2020019768
例2 比較例
本発明による方法の利益を説明するために、従来技術から公知の標準的な蒸留におけるアクロレインの精製の実験データを、本発明による方法におけるアクロレインの精製についてのシミュレーション結果と比較した。前記シミュレーションは、流(2)の流(3)に対する質量流量比および流(10)、すなわち冷却した流(3)の温度の変動を包含していた。第3表にまとめられた結果は、本発明による方法が、従来技術の蒸留方法と同じか、または少なくとも匹敵する純度を有するアクロレインを与えることを示している。しかしながら、該シミュレーションデータは、本発明による方法が、従来技術の蒸留方法よりも著しく低いエネルギー消費を有することを示している。
Figure 2020019768
加えて、本発明による方法におけるアクロレインの精製についてのシミュレーション結果および従来技術の標準的な蒸留におけるアクロレインの精製についての実験データに基づく蒸留塔の精留部中の特定の成分の蓄積についての分析を行った。該結果は第4表にまとめられている。殊に、本発明による方法が、標準的な蒸留方法に比べて、該蒸留装置、特に該蒸留塔中の濃縮されたアクロレインのホールドアップの著しい低下をもたらすことが見出された。さらに、本発明による方法が、従来技術の標準的な蒸留方法においてアクロレインを含む溶液の精製中に典型的に蓄積する、その他の成分の蓄積を抑制するか、または少なくとも著しく低下させることが見出された。
Figure 2020019768
本発明の実施態様は次のとおりである:
1. アクロレインの精製方法であって、
a)アクロレインを含む液体フィード流(1)を、少なくとも第1の液体流(2)と第2の液体流(3)とに分割する工程、
b)前記第1の液体流(2)を温度T1で、蒸留塔(4)へ、前記蒸留塔の頂部と底部の間の箇所で導入する工程、
c)前記第2の液体流(3)を温度T2で、前記蒸留塔(4)へ、前記蒸留塔の頂部で導入する工程、
d)アクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)を前記蒸留塔(4)から抜き出す工程、および
e)アクロレインの減損した底部流(6)を前記蒸留塔(4)から抜き出す工程
を含み、
工程c)における前記第2の液体流(3)の温度T2が、工程b)における前記第1の液体流(2)の温度T1よりも低い、前記方法。
2. 前記第1の液体流(2)の前記第2の液体流(3)に対する質量流量比が、95:5〜50:50の範囲にわたる、前記1に記載の方法。
3. 前記第1の液体流(2)の前記第2の液体流(3)に対する質量流量比が、75:25〜50:50の範囲にわたる、前記1または2に記載の方法。
4. 工程c)における前記第2の液体流(3)の温度T2が、最高で10℃である、前記1〜3のいずれかに記載の方法。
5. 前記第1の液体流(2)を、前記蒸留塔(4)へのその導入前に加熱する、前記1〜4のいずれかに記載の方法。
6. 前記第1の液体流(2)を、10℃超〜95℃の温度T1に加熱する、前記1〜5のいずれかに記載の方法。
7. 前記第1の液体流(2)を、前記蒸留塔(4)からの前記底部流(6)との熱交換により加熱する、前記1〜6のいずれかに記載の方法。
8. 前記方法を減圧下で実施する、前記1〜7のいずれかに記載の方法。
9. 前記方法を400〜800mbar(絶対圧)の圧力で実施する、前記1〜8のいずれかに記載の方法。
10. 前記蒸留塔(4)から抜き出した前記塔頂蒸気流(5)を、前記蒸気流を全く凝縮せずにさらに処理する、前記1〜9のいずれかに記載の方法。
11. さらに、
g)前記蒸留塔(4)から抜き出した前記塔頂蒸気流(5)の一部を凝縮して、液化流(13)および残存蒸気流(14)を得る工程、および
h)工程g)の前記液化流(13)の少なくとも一部を還流として、前記蒸留塔(4)へ、前記蒸留塔の頂部で返送する工程
を含む、前記1〜9のいずれかに記載の方法。
12. 前記液化流(13)を、前記蒸留塔の頂部で導入される前記流(3)の質量および/または体積よりも小さい質量流量で、還流として前記蒸留塔の頂部に返送する、前記11に記載の方法。
13. 前記液化流(13)の前記第2の液体流(3)に対する質量流量比が、5:95〜45:55の範囲にわたる、前記12に記載の方法。
14. さらに、
g’)前記蒸留塔(4)から抜き出した前記塔頂蒸気流(5)の少なくとも一部を凝縮して、液化流(15)、および、必要に応じて、残存蒸気流(14)を得る工程、および
h’)工程g’)の前記液化流(15)をさらなる処理または貯蔵タンクに供給する工程
を含む、前記1〜9のいずれかに記載の方法。
15. 3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドの製造方法であって、
i)アクロレインを含む液体フィード流(1)を、前記1〜14のいずれかに記載のアクロレインの精製方法により精製して、アクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)、アクロレインの富化した残存蒸気流(14)、および/またはアクロレインの富化した液化流(15)を提供する工程、および
ii)前記のアクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)、前記のアクロレインの富化した残存蒸気流(14)、および/または前記のアクロレインの富化した液化流(15)を、メチルメルカプタン、メチルメルカプタンと3−メチルチオメルカプトプロピオンアルデヒドとのヘミチオアセタールおよびそれらの混合物からなる群のうち少なくとも1つと反応させて、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドを得る工程
を含む、前記方法。
1 アクロレインを含む液体フィード流、 2 蒸留塔(4)へ、蒸留塔(4)の頂部と底部区間の間の箇所で導入されうる、第1の液体分割流、 3 蒸留塔(4)へ、蒸留塔(4)の頂部で導入されうる、第2の液体分割流、 4 蒸留塔、 5 アクロレインの富化した塔頂蒸気流、 6 アクロレインの減損した底部流、 7 第1の液体流(2)を加熱するための熱交換器、 8 蒸留塔(4)へ、蒸留塔(4)の頂部と底部の間の箇所で導入されうる、熱交換器(7)からの加熱した流、 9 第2の液体流(3)を冷却するための熱交換器、 10 蒸留塔(4)の頂部で導入されうる、熱交換器(9)からの冷却した流、 11 熱交換器(7)からの底部流、 12 塔頂蒸気流(5)のための(部分)凝縮器、 13 還流として蒸留塔に返送されうる、(部分)凝縮器(12)からの液化流、 14 さらなる処理に供給されうる、残存蒸気流、 15 さらなる処理または貯蔵タンクに供給されうる、液化流。

Claims (15)

  1. アクロレインの精製方法であって、
    a)アクロレインを含む液体フィード流(1)を、少なくとも第1の液体流(2)と第2の液体流(3)とに分割する工程、
    b)前記第1の液体流(2)を温度T1で、蒸留塔(4)へ、前記蒸留塔の頂部と底部の間の箇所で導入する工程、
    c)前記第2の液体流(3)を温度T2で、前記蒸留塔(4)へ、前記蒸留塔の頂部で導入する工程、
    d)アクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)を前記蒸留塔(4)から抜き出す工程、および
    e)アクロレインの低減した底部流(6)を前記蒸留塔(4)から抜き出す工程
    を含み、
    工程c)における前記第2の液体流(3)の温度T2が、工程b)における前記第1の液体流(2)の温度T1よりも低い、前記方法。
  2. 前記第1の液体流(2)の、前記第2の液体流(3)に対する質量流量比が、95:5〜50:50の範囲にわたる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の液体流(2)の、前記第2の液体流(3)に対する質量流量比が、75:25〜50:50の範囲にわたる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程c)における前記第2の液体流(3)の温度T2が、最高で10℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第1の液体流(2)を、前記蒸留塔(4)へのその導入前に加熱する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記第1の液体流(2)を、10℃超〜95℃の温度T1に加熱する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記第1の液体流(2)を、前記蒸留塔(4)からの前記底部流(6)との熱交換により加熱する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記方法を減圧下で実施する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記方法を400〜800mbar(絶対圧)の圧力で実施する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記蒸留塔(4)から抜き出した前記塔頂蒸気流(5)を、前記蒸気流を全く凝縮せずにさらに処理する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. さらに、
    g)前記蒸留塔(4)から抜き出した前記塔頂蒸気流(5)の一部を凝縮して、液化流(13)および残存蒸気流(14)を得る工程、および
    h)工程g)の前記液化流(13)の少なくとも一部を還流として、前記蒸留塔(4)へ、前記蒸留塔の頂部で返送する工程
    を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記液化流(13)を、前記蒸留塔の頂部で導入される前記流(3)の質量および/または体積よりも小さい質量流量で、還流として前記蒸留塔の頂部に返送する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記液化流(13)の、前記第2の液体流(3)に対する質量流量比が、5:95〜45:55の範囲にわたる、請求項12に記載の方法。
  14. さらに、
    g’)前記蒸留塔(4)から抜き出した前記塔頂蒸気流(5)の少なくとも一部を凝縮して、液化流(15)、および、必要に応じて、残存蒸気流(14)を得る工程、および
    h’)工程g’)の前記液化流(15)をさらなる処理または貯蔵タンクに供給する工程
    を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  15. 3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドの製造方法であって、
    i)アクロレインを含む液体フィード流(1)を、請求項1〜14のいずれか1項に記載のアクロレインの精製方法により精製して、アクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)、アクロレインの富化した残存蒸気流(14)、および/またはアクロレインの富化した液化流(15)を提供する工程、および
    ii)前記のアクロレインの富化した塔頂蒸気流(5)、前記のアクロレインの富化した残存蒸気流(14)、および/または前記のアクロレインの富化した液化流(15)を、メチルメルカプタン、メチルメルカプタンと3−メチルチオメルカプトプロピオンアルデヒドとのヘミチオアセタールおよびそれらの混合物からなる群のうち少なくとも1つと反応させて、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドを得る工程
    を含む、前記方法。
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